制御装置、生産システム、制御方法、及び通信方法
【課題】制御装置がPLCから信号を受信するまでの待ち時間を有効活用することによりタイムロスを削減しつつ、従来と同等なPLCの生産システムを統括するための機能を併せて保障すること。
【解決手段】複数の制御装置301〜304と、前記各制御装置301〜304と通信するPLC101と、から構成される生産システム300において、前記制御装置301は、他の前記制御装置302が出力する第1の信号と前記第1の信号に対応して前記PLC101が出力する第2の信号とを受信する信号受信部203と、前記第1の信号に基づいて被制御装置104の動作を開始する被制御装置起動部204と、前記第1の信号と前記第2の信号とを照合し、照合した結果に基づいて前記被制御装置104の動作を継続又は停止する信号照合部205と、を有する。
【解決手段】複数の制御装置301〜304と、前記各制御装置301〜304と通信するPLC101と、から構成される生産システム300において、前記制御装置301は、他の前記制御装置302が出力する第1の信号と前記第1の信号に対応して前記PLC101が出力する第2の信号とを受信する信号受信部203と、前記第1の信号に基づいて被制御装置104の動作を開始する被制御装置起動部204と、前記第1の信号と前記第2の信号とを照合し、照合した結果に基づいて前記被制御装置104の動作を継続又は停止する信号照合部205と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のFA機器とPLCとから構成される生産システムと、前記生産システムにおける通信方法と、前記生産システムにおける制御装置と、前記制御装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の製品を生産する工場内では、様々なFactory Automation機器(以下FA機器という)が用いられる。そして、通常の場合、いくつかのFA機器はProgrammable Logic Controller(以下PLCという)によって統括される一群の生産システムを構成する。また、主なる各FA機器は、大きく分けて制御装置と被制御装置の2つの部分から構成されている。
【0003】
制御装置の例としては、PLC、Motion Controller(以下MCという)、Numeric Controller(以下NC装置という)、Robot Controller(以下RCという)などが挙げられる。PLCは主に他の制御装置(MC、NC装置、RCなど)と制御信号を通信することによって、これらを統括して制御する。そして他の各制御装置は、それぞれがPLCと制御信号を通信することによって、互いに連携しながら、それぞれの被制御装置の動作を制御する。これらの制御装置は通常、工場内の制御盤の中に格納される。
【0004】
一方、被制御装置は、上記のような制御装置(MC、NC装置、RCなど)に制御されることによって、被加工物を搬送し、加工し、さらに組立、検査等を行う。MCの被制御装置の例としては、被加工物をベルト上に乗せたまま移動するベルト・コンベアや、被加工物を掴み取ってから所定の位置まで移動し、掴んでいた被加工物を離す搬送用ロボットを駆動する、サーボアンプ及びサーボモータが挙げられる。NC装置の被制御装置の例としては、所定の座標位置に刃物を移動することで被加工物を切削するNumeric Controller工作機械(以下NC工作機械という)を駆動する、サーボアンプ及びサーボモータや主軸アンプ及び主軸モータが挙げられる。RCの被制御装置の例としては、被加工物を搬送、加工、組立、検査等をする産業用ロボットが挙げられる。
【0005】
各被制御装置は、通常の場合、制御装置から指令を受けて動作を開始する。また各被制御装置は、指令を受けて動作を開始した後も、即座に加工や搬送等を行うのではなく、その前に、NC工作機械の刃物を所定の座標位置のところに移動するなどの準備動作を必要とする。したがって、できるだけこの指令を受けるまでの待ち時間と、動作を開始してから実際に被加工物を加工等するまでの準備時間とを削減し、常に被加工物が加工や搬送等されていることが理想である。このような待ち時間や準備時間を削減することは、タクトタイムの短縮につながる。タクトタイムとは、製品1単位を生産するために要する時間であり、多数の製品を生産する工場内では、生産性向上の観点から、タクトタイムの短縮が重要な課題である。
【0006】
タクトタイムの短縮を達成するためには、主に2通りの手段がある。1つめの手段は、各制御装置自体が行う処理、または各被制御装置自体が行う動作に要する時間を短縮することである。前者の例としては、加工プログラム・ブロックの読み出し時間によるタイムロスを無くし、タクトタイムの短縮を図るNC装置が挙げられる(特許文献1参照)。2つめの手段は、制御装置同士の制御信号の授受に要する時間を短縮することである。
【0007】
上記の2つめの手段は、PLCが統括する生産システム全体のタイムロスを省くことができるため、各制御装置自体、各被制御装置自体に係るタイムロスを削減する1つめの手段と比べて、生産性向上の観点から非常に有効的であるといえる。
【0008】
従来の生産システムの例を、図12及び図13を参照して説明する。図12は、従来の生産システムの構成例を示す図である。PLC101は、バス111によって接続された複数の制御装置と制御信号を通信することよって一群の生産システム106の動作を統括する。一方、PLC101に接続された生産システム106の各制御装置は、それぞれがPLC101のみと通信する。バス111は、無線など、いかなる通信形態をとってもよく、PLC101に接続された生産システム106の装置は、いかなるものでもよいが、図12では例としてNC装置102、MC103、装置107、ネットワーク・ユニット108を挙げている。
【0009】
NC装置102は、被加工物を加工するNC工作機械104を制御する。NC工作機械104は、NC装置102に有線又は無線によって接続されており、NC装置102から指令信号を受けるサーボアンプ112、主軸アンプ113と、これらサーボアンプ112、主軸アンプ113によってそれぞれ駆動されるサーボモータ114、主軸モータ115とから構成される。MC103は、被加工物を搬送する搬送装置105を制御する。搬送装置105は、MC103に有線又は無線によって接続されており、MC103から指令信号を受けるサーボアンプ116と、サーボアンプによって駆動されるサーボモータ117とから構成される。装置107は、PLC101によって制御される複数の装置であり、通常はNC装置、MCなどの制御装置である。ネットワーク・ユニット108は、バス112を通じてサーバ109や図示しないパソコン等からなる上位のネットワークと通信する。
【0010】
110は、生産システム106と同様な生産システムであり、これらのような各生産システムが、バス112を介して並列に接続されている。これによってサーバ109は、各生産システム同士を連携して動作させるとともに、一つの生産システムに異常が発生した場合や、図示しないパソコンから指令を受けた場合は、これを全ての又は特定の生産システムに通知することができる。PLC101は、ネットワーク・ユニット108を介して、サーバ109等と通信することが可能であり、サーバ109から受ける指令や、サーバ109が保持する情報に基づいて、生産システム106を制御する。
【0011】
図12に示す従来の生産システム106が、NC工作機械104のような複数のNC工作機械と、搬送装置105のような複数の搬送装置とから構成される場合、これらの被制御装置が行う動作の流れを説明する。まず、搬送装置105が被加工物を、NC工作機械104が加工を施すことができる位置にまで搬送する(これを搬入という)。次に、NC工作機械104が被加工物の加工を開始する。NC工作機械104が加工を完了すると、隣の搬送装置はこの被加工物を隣のNC工作機械へ搬送するとともに(これを搬出という)、搬送装置105は次の被加工物を、NC工作機械104が加工を施すために搬入する。この動作を繰り返すことによって、各被加工物を1つずつ加工する。
【0012】
図13(i)は、図12に示す従来の生産システム106において、被加工物の搬入を完了してから加工を開始するまでに、PLC101、NC装置102、及びMC103が行う動作の流れを示す図である。搬送装置105が被加工物の搬入を完了すると、MC103は搬入完了信号をPLC101に対して出力する。次にPLC101は、入力された搬入完了信号を解析する。このときPLC101は、生産システム106を構成する制御装置、被制御装置、バス111などに異常が無いか、又はサーバ109から指令が無いか等、様々な判断をすることによって、NC装置102が加工を開始して良いか否かを判断する。NC装置102が加工を開始して良いと判断した場合は、この搬入完了信号をNC装置102に対して出力する。NC装置102は、入力された搬入完了信号を確認すると、加工準備として、NC工作機械の刃物を所定の座標位置まで移動するなどの動作をした後、加工を開始する。
【0013】
図13(ii)は、図12に示す従来の生産システム106において、被加工物の加工を完了してから搬出を開始するまでに、PLC101、NC装置102、及びMC103が行う動作の流れを示す図である。図13(i)と同様に、NC工作機械104が被加工物の加工を完了すると、NC装置102は加工完了信号をPLC101に対して出力する。次にPLC101は、入力された加工完了信号を解析し、搬送装置105が搬出を開始して良いと判断した場合は、この加工完了信号をMC103に対して出力する。MC103は、入力された加工完了信号を確認すると、搬出準備として、搬送装置のアームを被加工物がある位置まで移動するなどの動作をした後、被加工物の搬出を開始する。
【0014】
このように、生産システム106では、NC工作機械104、搬送装置105が動作を開始するために、PLC101が搬入完了信号、加工完了信号などの各動作完了信号を入力して解析し、NC装置102、MC103に対して各動作完了信号を出力するまでの間、待つ必要があった。
【0015】
【特許文献1】特開平4-367904号公報(第3頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従来の生産システムでは、被制御装置が動作を開始するためには、PLCが動作完了信号を入力して解析し、かかる被制御装置の制御装置に対して動作完了信号を出力するまでの間、待つ必要があった。このようなPLCを介した制御信号の通信に起因する待ち時間は、タクトタイムの増大を引き起こすという問題があった。
【0017】
本発明は、上記のような問題を解決するためのものであり、PLCが統括する生産システムにおいて、生産システムを構成する複数の制御装置の間で直接動作完了信号の受け渡しを行うことで、タクトタイムの短縮を図ることを目的とする。
【0018】
また、本発明は、一つの制御装置が、他の制御装置から動作完了信号を受信し、被制御装置の動作を開始した後に、PLCが異常を判別した場合は、直ちに被制御装置の動作を停止することで、PLCが統括する生産システムとして従来と同等な機能を保障することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成するために、本発明による制御装置は、PLCに制御される外部装置が出力する第1の信号と前記第1の信号に対応して前記PLCが出力する第2の信号とを受信する信号受信部と、前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動部と、前記第1の信号と前記第2の信号とを照合し、照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する信号照合部と、を有することを特徴としている。
【0020】
つぎの発明による制御装置は、前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、前記信号照合部は、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態を照合することを特徴としている。
【0021】
つぎの発明による制御装置は、前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、前記信号照合部は、前記指令信号の内容を判別し、判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御することを特徴としている。
【0022】
つぎの発明による制御装置は、前記信号照合部は、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止することを特徴としている。
【0023】
また本発明による生産システムは、複数の制御装置と、前記各制御装置と通信するPLCと、から構成される生産システムにおいて、前記制御装置は、他の前記制御装置が出力する第1の信号と前記第1の信号に対応して前記PLCが出力する第2の信号とを受信する信号受信部と、前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動部と、前記第1の信号と前記第2の信号とを照合し、照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する信号照合部と、を有することを特徴としている。
【0024】
つぎの発明による生産システムは、前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、前記信号照合部は、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態とを照合することを特徴としている。
【0025】
つぎの発明による生産システムは、前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、前記信号照合部は、前記指令信号の内容を判別し、判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御することを特徴としている。
【0026】
つぎの発明による生産システムは、前記信号照合部は、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止することを特徴としている。
【0027】
また本発明による制御方法は、PLCに制御される外部装置が出力する第1の信号を受信する第1の信号受信ステップと、前記第1の信号に対応して前記PLCが出力する第2の信号を受信する第2の信号受信ステップと、前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動ステップと、前記第1の信号と前記第2の信号とを照合し、照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する信号照合部と、を有することを特徴としている。
【0028】
つぎの発明による制御方法は、前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、前記信号照合ステップは、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態とを照合することを特徴としている。
【0029】
つぎの発明による制御方法は、前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、前記信号照合ステップは、前記指令信号の内容を判別し、前記照合結果処理ステップは、前記信号照合ステップにて判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御することを特徴としている。
【0030】
つぎの発明による制御方法は、前記信号照合ステップは、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止することを特徴としている。
【0031】
また本発明による通信方法は、他の制御装置が出力する第1の信号を受信する第1の信号受信ステップと、前記第1の信号に対応してPLCが出力する第2の信号を受信する第2の信号受信ステップと、前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動ステップと、前記第1の信号と前記第2の信号とを照合し、照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する信号照合部と、を有することを特徴としている。
【0032】
つぎの発明による通信方法は、前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、前記信号照合ステップは、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態とを照合することを特徴としている。
【0033】
つぎの発明による通信方法は、前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、前記信号照合ステップは、前記指令信号の内容を判別し、前記照合結果処理ステップは、前記信号照合ステップにて判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御することを特徴としている。
【0034】
つぎの発明による通信方法は、前記信号照合ステップは、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止することを特徴としている。
【発明の効果】
【0035】
制御装置がPLCから信号を受信するまでの待ち時間を有効活用し、被制御装置が動作できないことによるタイムロスを削減することができる。これによって、生産システム全体におけるタクトタイムの短縮を図ることもできる。また、従来と同等又はより高度なPLCの生産システムを統括するための機能を併せて保障することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
実施の形態1.
本発明に係る実施の形態1を、図1〜5を参照して説明する。ここで、図12に示した従来の生産システムの構成例と同一又は同等の部分は、同一の符号を付して、その説明を省略する。図1は、実施の形態1に係る生産システムの構成を示す図である。
【0037】
PLC101は、一群の生産システム300の動作を統括する。301はNC装置であり、NC工作機械104を制御する。MC302はMCであり、搬送装置105を制御する。制御装置303は、PLC101によって制御される、NC装置やMCなどの複数の装置である。ネットワーク・ユニット304は、バス112を介してサーバ109と通信する。NC装置301、MC302、装置303、ネットワーク・ユニット304は、バス111を介してPLC101のみならず、互いと通信することができる。以降は説明を簡単にするため、PLC101、NC装置301、MC302間での制御信号の通信について説明する。
【0038】
図2(i)は、図1に示す本実施の形態に係る生産システム300において、被加工物の搬入を完了してから加工を開始するまでに、PLC101、NC装置301、及びMC302が行う動作の流れを示す図である。搬送装置105が被加工物の搬入を完了すると、MC302は搬入完了信号をPLC101及びNC装置301に対して出力する。次にNC装置301は、入力された搬入完了信号に基づいてNC工作機械104に加工準備のための動作を指令し、例えば、NC工作機械が旋削加工を行うものであれば、旋削用刃物を加工を開始する所定の位置へと移動する。すなわち、NC工作機械104は加工準備が完了した時点で、加工動作を開始せずに、NC装置301はPLC101からの搬入完了信号が入力されるのを待つ。一方PLC101は、入力された搬入完了信号を解析し、NC装置301がNC工作機械104の加工動作を開始して良いと判断した場合は、この搬入完了信号をNC装置301に対して出力する。
【0039】
NC装置301は、MC302からの搬入完了信号が入力された後、後で説明する所定時間内にPLC101から搬入完了信号が入力された場合は、搬入完了信号を確認後、被加工物の加工動作を開始する。一方、図示されていないが、NC装置はMC302からの搬入完了信号が入力された後、所定の時間内にPLC101からの搬入完了信号が入力されない場合は、加工動作を開始しないまま、NC工作機械104の動作を停止する。
【0040】
図2(ii)は、図1に示す本実施の形態に係る生産システム300において、被加工物の加工を完了してから搬出を開始するまでに、PLC101、NC装置301、及びMC302が行う動作の流れを示す図である。NC工作機械104が被加工物の加工を完了すると、NC装置301は加工完了信号をPLC101及びMC302に対して出力する。次にMC302は、入力された加工完了信号に基づいて被加工物を搬出のための準備動作を指令し、準備動作が完了した時点で、搬出動作を開始せずに、MC302はPLC101から加工完了信号が入力されるのを待つ。一方PLC101は、入力された加工完了信号を解析し、搬送装置105が被加工物の搬出を開始して良いと判断した場合は、この加工完了信号をMC302に対して出力する。
【0041】
MC302は、NC装置301からの加工完了信号が入力された後、所定時間内にPLC101から加工完了信号が入力された場合は、加工完了信号を確認後、被加工物の搬出を開始する。一方、図示されていないが、NC装置301からの加工完了信号が入力された後、所定時間内にPLC101によって加工完了信号が入力されない場合は、搬出を開始しないまま、搬送装置105の動作を停止する。
【0042】
図3は、実施の形態1におけるNC装置301の内部構成を示す図である。NC装置301は、PLC101、MC302とそれぞれ制御信号の通信をするI/F部(インタフェース部)212と、PLC101、MC302からI/F部212を介して受信する動作完了信号を処理する信号処理部213と、信号処理部213から受信する通知に基づいて加工プログラムを解析する解析部214と、加工プログラム等のデータを記憶する記憶部215とを備える。NC装置301を使用する者は、表示装置209を用いてNC装置301を操作することができる。またNC装置301は、NC工作機械104を制御する。
【0043】
I/F部212は、PLC101、MC302のそれぞれに対応するPLC I/F部201、MC I/F部202から構成される。MC302は、搬送装置105が被加工物の搬入を完了すると、搬入完了信号をMC I/F部202とPLC101とに対して出力する。そしてPLC101は、MC302から入力された搬入完了信号を、解析後、PLC I/F部201に対して出力する。
【0044】
信号処理部213は信号受信部203、被制御装置起動部204、信号照合部205を備える。以降、図2(i)に示すように、被加工物の搬入を完了してから加工を開始するまでに、信号受信部203、被制御装置起動部204、信号照合部205が行う動作を説明する。
【0045】
信号受信部203は、PLC101又はMC302が、それぞれPLC I/F部201、MC I/F部202に対して出力する搬入完了信号を受信する。被制御装置起動部204は、信号受信部203が受信した各搬入完了信号に基づいて、NC工作機械104の動作を開始するための信号を生成する。
【0046】
図4は、信号受信部203及び被制御装置起動部204が行う処理の手順を示すフローチャートである。まず信号受信部203は、MC302からの搬入完了信号が入力されたかどうか、すなわちMC302に対応する搬入完了信号がONかOFFかを確認する(S301)。OFFである場合はS302に進む。ONである場合は、S303に進む。なお、信号受信部203は、各搬入完了信号の状態(ONかOFFか)を保持することができる。(S302)では、信号受信部203は、PLC101に対応する搬入完了信号の状態を確認する。OFFである場合は、処理を終了する。ONである場合は、S303に進む。
【0047】
(S303)では、被制御装置起動部204は、MC302又はPLC101に対応する搬入完了信号がONであることが確認できると、PLC I/F部201及びMC I/F部202を介して、PLC101及びMC302に対してプログラム実行通知信号を出力し(ONし)、S304に進む。このプログラム実行通知信号は、PLC101及びMC302に対して、加工プログラムが実行中である(ON)か停止中である(OFF)かを通知するものである。各制御装置は、ONされたプログラム実行通知信号に基づいて、適宜必要な処理を実行することができる。なお、このS303は選択的であり、省略する場合は、直接S304に進む。
【0048】
(S304)では、被制御装置起動部204は、MC302又はPLC101に対応する搬入完了信号がONされたことを、解析部214の加工プログラム解析部206に通知する。この通知は、PLC101及びMC302に対してONしたプログラム実行通知信号によって行ってもよい。すると加工プログラム解析処理部206は、この通知に基づき、NC工作機械104が次に実行すべき加工プログラムを選択し、選択した加工プログラムを記憶部215の加工プログラム記憶部207から取得する。被制御装置起動部204は、加工プログラム解析部206が取得したプログラムの実行を指令し、処理を終了する。
【0049】
プログラムの実行が開始されると、NC工作機械104はこのプログラムに従って加工準備を開始する。そして、S301からS303に進んだ場合、加工準備を完了した時点で、PLC101に対応する搬入完了信号がOFFである場合は、これがONされるまで待つ。
【0050】
MC302に対応する搬入完了信号は、PLC101に対応する搬入完了信号よりも先にONされることが通常である。なぜなら、MC302は搬入完了後、即座に搬入完了信号をONすることができるが、PLC101は搬入完了信号をONする前に、この搬入完了信号を解析するために時間を要するからである。しかし稀に、MC302自体やMC302とNC301との間のバス111に何らかの異常が発生すると、PLC101の搬入完了信号がMC302の搬入完了信号よりも先にONされる場合もある。信号受信部203及び被制御装置起動部204は、S301〜304を常時繰り返す。
【0051】
信号照合部205は、PLC101及びMC302に対応するそれぞれの搬入完了信号同士を照合し、照合した結果に基づいて、信号受信部203が開始した加工プログラムの実行を継続/停止する。
【0052】
図5は、信号照合部205が行う処理の手順を示すフローチャートである。信号照合部205はまず、MC302に対応する搬入完了信号の状態(ONかOFFか)を確認する(S401)。ONである場合は、S402に進む。このとき、NC工作機械104は、S304を経て加工準備を開始している。OFFである場合は、S409に進む。ここで、信号受信部203がMC302及びPLC101に対応するそれぞれの搬入完了信号の状態を保持している場合、信号照合部205は、信号受信部203から各搬入完了信号の状態を確認することができる。或いは、信号受信部203と同様に、PLC I/F部201やMC I/F部202を介して、これらの搬入完了信号を直接受信してもよい。
【0053】
(S402)では、信号照合部205が内部に備える時間計測器210を起動し、S403に進む。この時間計測器210は、起動された時点からの時間を計測する。(S403)では、記憶部215に分類されるパラメータ記憶部208から、照合許容時間パラメータを読み出し、S404に進む。この照合許容時間パラメータは、予めNC装置301の使用者等が表示装置209を用いて設定しておく。
【0054】
(S404)では、時間計測器210が計測した時間値と、パラメータ記憶部208から読み出した時間パラメータが表す時間値とを比較する。時間計測器210が計測した時間値が照合許容時間パラメータが表す時間値以下である場合は、S405に進む。時間計測器210が計測した時間値が照合許容時間パラメータが表す時間値より大きい場合は、S407に進む。
【0055】
ここで、生産システム300になんらかの異常が発生した場合や、サーバ109からなんらかの指令がされた場合等は、PLC101は、NC工作機械104に次の加工プログラムを実行させないために、MC302から受信した搬入完了信号をNC装置301に通知しない。これを考慮することによってNC装置301の使用者等は、NC工作機械104が加工を開始せずに、PLC101から搬入完了信号を通知されるまで待つことが許容できる時間を、照合許容時間パラメータとして設定することが望ましい。
【0056】
(S405)では、PLC101に対応する搬入完了信号の状態を確認する。ONである場合は、S406に進む。OFFである場合は、S404に戻る。(S406)では、加工プログラムの実行を継続し、処理を終了する。これによってNC工作機械104は、加工準備が未完了である場合は加工準備を完了後に引き続いて加工を開始し、加工準備が完了してから待機中である場合は、即座に加工を開始する。ここで、加工準備が完了してから待機中である場合とは、図4においてS301からS303に進み、S304を経て加工準備を完了した時点で、PLC101に対応する搬入完了信号がOFFである場合である。
【0057】
(S407)では、MC302に対応する搬入完了信号がONになってから、照合許容時間パラメータとして設定した所定時間を経過してもPLC101に対応する搬入完了信号がOFFのままであるため、加工プログラムの実行を停止し、S408に進む。これによってNC工作機械104は、加工を開始しないまま停止する。(S408)では、信号受信部203がONしたプログラム実行通知信号をOFFし、処理を終了する。これによって、PLC101やMC302に加工プログラムの実行が停止中であることが通知される。
【0058】
(S409)では、PLC101に対応する搬入完了信号の状態(ONかOFFか)を確認する。ONである場合は、S406に進む。このときNC工作機械104は、S304を経て加工準備を開始している。OFFである場合は、MC302及びPLC101に対応する搬入完了信号がOFFであるため、処理を終了する。ここでS409において、ONである場合、S406に進む代わりに、S402〜S408と同様にMC302に対応する搬入完了信号が所定時間経過後もONにならない場合に、プログラム実行を停止するようにしてもよい。信号照合部205は、S401〜409を常時繰り返す。
【0059】
以上では、図2(i)に示すように、被加工物の搬入を完了してから加工を開始するまでに、NC装置301が内部で行う動作を説明した。一方、図2(ii)に示すように、被加工物の加工を完了してから搬出を開始するまでについては、MC302がNC装置301と同様の内部構成を備え、同様の動作を行う。このときの動作完了信号は、加工完了信号となる。
【0060】
また、本実施の形態では、MC302とNC装置301とが、互いにPLC101を介さずに直接授受する動作完了信号に基づいて、それぞれNC工作機械104、搬送装置105の動作を開始する方法について説明したが、同様な方法は、PLC101と通信をする2つ以上の制御装置間、又はPLC101に制御される制御装置と他の装置との間にも適用することができる。
【0061】
また、本実施の形態では、各制御装置は動作完了信号のON/OFF状態に基づいて動作を行うが、この動作完了信号は、ON/OFF状態に限らず、様々な信号形態を適用することができる。
【0062】
本実施の形態に係る制御装置、制御方法によれば、一方の制御装置が他方の制御装置からの動作完了信号を直接受信するようにしているから、この一方の制御装置はPLCがこの動作完了信号を解析している間に、被制御装置を動作させるための準備動作を開始することができる。このようにしてPLCから動作完了信号を受信するまでの待ち時間を有効活用し、被制御装置が動作できないことによるタイムロスの削減を図ることができる。これにより、例えば、PLCがこの動作完了信号を解析する際に、サーバからの情報を参照する場合は、タイムロス削減の効果が大きくなる。また、この準備動作がPLCから動作完了信号を受信する前に完了した場合は、PLCから動作完了信号を受信するまで待機し、所定の時間が経過してもPLCから動作完了信号を受信しない場合は、被制御装置の動作を停止することができる。したがって、従来と同等なPLCの生産システムを統括するための機能を併せて保障することができる。
【0063】
本実施の形態に係る生産システム、通信方法によれば、一方の制御装置が他方の制御装置からの動作完了信号を直接受信するようにしているから、この一方の制御装置はPLCがこの動作完了信号を解析している間に、被制御装置を動作させるための準備動作を開始することができる。このようにして、制御装置がPLCから動作完了信号を受信するまでの待ち時間を有効活用し、被制御装置が動作できないことによるタイムロスを削減することで、生産システム全体におけるタクトタイムの短縮を図ることができる。これにより、例えば、PLCがこの動作完了信号を解析する際に、サーバからの情報を参照する場合は、タイムロス削減の効果が大きくなる。また、この準備動作がPLCから動作完了信号を受信する前に完了した場合は、PLCから動作完了信号を受信するまで待機し、所定の時間が経過してもPLCから動作完了信号を受信しない場合は、被制御装置の動作を停止することができる。したがって、従来と同等なPLCの生産システムを統括するための機能を併せて保障することができる。
【0064】
実施の形態2.
本発明に係る実施の形態2を、図6〜11を参照して説明する。ここで、図12及び図1に示した生産システムの構成と同一又は同等の部分は、同一の符号を付して、その説明を省略する。図6は、実施の形態2に係る生産システムの構成を示す図である。
【0065】
PLC800は、一群の生産システム804を統括する。実施の形態1におけるPLC101は、動作完了信号を受け取ると、同一の動作完了信号を出力するものであったが、本実施の形態におけるPLC800は、動作完了信号を受け取ると、この動作完了信号の解析に基づいて指令信号を出力するものである。801はNC装置であり、NC工作機械104を制御する。MC802はMCであり、搬送装置105を制御する。NC装置801、MC802、装置303、ネットワーク・ユニット304は、バス111を介してPLC800のみならず、互いと通信することができる。以降は説明を簡単にするため、PLC800、NC装置801、MC802間の制御信号の通信について説明する。
【0066】
図7(i)は、図6に示す本実施の形態に係る生産システム804において、被加工物の搬入を完了してから加工を開始するまでに、PLC800、NC装置801、及びMC802が行う動作の流れを示す図である。搬送装置105が被加工物の搬入を完了すると、MC802は搬入完了信号をPLC800及びNC装置801に対して出力する。次にNC装置801は、入力された搬入完了信号に基づいて加工準備を開始し、準備を完了した場合は、PLC800から指令信号が入力されるまで待つ。一方PLC800は、入力された搬入完了信号を解析し、NC工作機械104が加工を開始して良いと判断した場合は、加工を開始させるための指令信号をNC装置801に対して出力する。
【0067】
NC装置801は、PLC800によって入力された加工開始の指令信号を確認後、NC工作機械104に加工を開始させる。しかし、図示されていないが、PLC800が入力された搬入完了信号を解析した結果、NC工作機械104が加工を開始してはならないと判断した場合は、NC工作機械104の動作を停止させるための指令信号をNC装置801に対して出力する。NC装置801は、PLC800によって入力された動作停止の指令信号を確認後、NC工作機械104に加工を開始させないまま、NC工作機械104を停止する。
【0068】
図7(ii)は、図6に示す本実施の形態に係る生産システム804において、被加工物の加工を完了してから搬出を開始するまでに、PLC800、NC装置801、及びMC802が行う動作の流れを示す図である。NC工作機械104が被加工物の加工を完了すると、NC装置801は加工完了信号をPLC800及びMC802に対して出力する。次にMC802は、入力された加工完了信号に基づいて搬出準備を開始し、準備を完了した後は、PLC800によって指令信号が入力されるまで待つ。一方PLC800は、入力された加工完了信号を解析し、搬送装置105が搬出を開始して良いと判断した場合は、搬出を開始させるための信号をMC802に対して出力する。
【0069】
MC802は、PLC800によって入力された搬出開始の指令信号を確認後、搬送装置105に搬出を開始させる。しかし、図示されていないが、PLC800が入力された加工完了信号を解析した結果、搬送装置105が搬出を開始してはならないと判断した場合は、搬送装置105の動作を停止させるための指令信号をMC802に対して出力する。MC802は、PLC800によって入力された動作停止の指令信号を確認後、搬送装置105に搬出を開始させないまま、搬送装置105を停止する。
【0070】
図8は、実施の形態2におけるNC装置801の内部構成を示す図である。信号処理部1003は、PLC800、MC802からI/F部212を介して受信する動作完了信号を処理する。また信号処理部1003は、信号受信部1000、被制御装置起動部1001、信号照合部1002を備える。以降、図7(i)に示すように、被加工物の搬入を完了してから加工を開始するまでに、信号受信部1000、被制御装置起動部1001、信号照合部1002が行う動作を説明する。
【0071】
信号受信部1000は、MC802がMC I/F部202に対して出力する搬入完了信号を、PLC800がPLC I/F部201に対して出力する指令信号を、それぞれ受信する。被制御装置起動部1001は、信号受信部1000が受信した搬入完了信号に基づいて、NC工作機械104の動作を開始する。
【0072】
図9は、信号受信部1000及び被制御装置起動部1001が行う処理の手順を示すフローチャートである。まず信号受信部1000は、MC802によって搬入完了信号が入力されたかどうか、すなわちMC802に対応する搬入完了信号がONかOFFかを確認する(S801)。OFFである場合は、処理を終了する。ONである場合は、S802に進む。
【0073】
(S802)では、被制御装置起動部1001は、PLC I/F部201及びMC I/F部202を介して、PLC800及びMC802に対してプログラム実行通知信号を出力し(ONし)、S803に進む。このプログラム実行通知信号は、PLC800及びMC802に対して、加工プログラムが実行中である(ON)か停止中である(OFF)かを通知するものである。各制御装置は、ONされたプログラム実行通知信号に基づいて、適宜必要な処理を実行することができる。なお、このS802は選択的であり、省略する場合は、直接S803に進む。
【0074】
(S803)では、被制御装置起動部1001は、MC802に対応する搬入完了信号がONされたことを、加工プログラム解析部206に通知する。この通知は、PLC800及びMC802に対してONしたプログラム実行通知信号によって行ってもよい。すると加工プログラム解析処理部206は、この通知に基づき、NC工作機械104が次に実行すべき加工プログラムを選択し、選択した加工プログラムを加工プログラム記憶部207から取得する。被制御装置起動部1001は、加工プログラム解析部206が取得したプログラムの実行を開始し、処理を終了する。プログラムの実行が開始されると、NC工作機械104はこのプログラムに従って加工準備を開始する。加工準備を完了した場合は、PLC800によって指令信号が入力されるまで待つ。
【0075】
ここで、MC802に対応する搬入完了信号は、PLC800によって入力される指令信号より先にONされることが通常である。なぜなら、MC802は搬入完了後、即座に搬入完了信号をONすることができるが、PLC800は指令信号をONする前に、この搬入完了信号を解析ために時間を要するからである。一方、MC802に対応する搬入完了信号がONされるより先に、PLC800によって指令信号が入力される場合、後に図8を参照して説明する信号照合部1002は、MC802に対応する搬入完了信号がONされるのを待たずに、この指令信号に従ってNC工作機械104を制御してもよい。
【0076】
なお、信号受信部1000は、MC802に対応する搬入完了信号の状態を保持するとともに、PLC800が指令信号をONしたかも確認することによって、PLC800の指令信号の状態も保持することができる。信号受信部1000及び被制御装置起動部1001は、S801〜803を常時繰り返す。
【0077】
信号照合部1002は、PLC800が指令信号を出力すると、この指令信号に従ってNC工作機械104を制御する。
【0078】
図10は、信号照合部1002が行う処理の手順を示すフローチャートである。信号照合部1002はまず、MC802に対応する搬入完了信号の状態を確認する(S901)。ONである場合は、S902に進む。このときNC工作機械104は、S803を経て加工準備を開始している。OFFである場合は、処理を終了する。ここで、信号受信部1000がMC802に対応する搬入完了信号の状態を保持するとともに、PLC800が指令信号をONしたかも確認することによって、PLC800の指令信号の状態も保持している場合、信号照合部1002は、信号受信部1000から搬入完了信号、指令信号の状態を確認することができる。或いは、信号受信部1000と同様に、PLC I/F部201、MC I/F部202を介して、搬入完了信号、指令信号を直接受信してもよい。
【0079】
(S902)では、PLC800の指令信号の状態を確認する。ONである場合は、S903に進む。OFFである場合は、処理を終了する。このとき、PLC800の指令信号には、MC802に対応する搬入完了信号に対応することを示す情報を含ませることができる。この場合、信号照合部1002は、PLC800の指令信号がMC802に対応する搬入完了信号に対応するか否かを、これらを照合することによって判別することができる。
【0080】
(S903)では、PLC800の指令信号が、「プログラム実行を継続させるための指令」であるか「プログラム実行を停止させるための指令」であるかを確認する。「プログラム実行を継続させるための指令」である場合は、S904に進む。「プログラム実行を停止させるための指令」である場合は、S905に進む。
【0081】
(S904)では、加工プログラムの実行を継続し、処理を終了する。これによってNC工作機械104は、加工準備が未完了である場合は加工準備を完了後に引き続いて加工を開始し、加工準備が完了してから待機中である場合は、即座に加工を開始する。(S905)では、加工プログラムの実行を停止し、S906に進む。これによってNC工作機械104は、加工を開始しないまま停止する。(S906)では、信号受信部1000がONしたプログラム実行通知信号をOFFし、処理を終了する。これによって、PLC800やMC802に加工プログラムの実行が停止中であることが通知される。信号照合部1002は、S901〜906を常時繰り返す。
【0082】
図10のフローは、MC802の搬入完了信号がPLC800の指令信号より先にONすることを前提にしたものである。しかし稀に、MC802自体やMC802とNC801との間のバス111に何らかの異常が発生すると、PLC800の指令信号がMC802の搬入完了信号よりも先にONされる場合がある。これを考慮して図10のフローは、PLC800の指令完了信号がMC802の搬入完了信号よりも先にONされる場合は、MC802の搬入完了信号がONされるのを待たずに、PLC800の指令信号に従ってNC工作機械104を制御するようなフローにしてもよい。
【0083】
以上では、図7(i)に示すように、被加工物の搬入を完了してから加工を開始するまでに、NC装置801が内部で行う動作を説明した。一方、図7(ii)に示すように、被加工物の加工を完了してから搬出を開始するまでについては、MC802がNC装置801と同様の内部構成を備え、同様の動作を行う。このときの動作完了信号は、加工完了信号となる。
【0084】
また、本実施の形態では、MC802とNC装置801とが、互いにPLC800を介さずに直接授受する動作完了信号に基づいて、それぞれNC工作機械104、搬送装置105の動作を開始する方法について説明したが、同様な方法は、PLC800によって制御される2つ以上のいかなる装置間にも適用することができる。
【0085】
また、PLC800の指令信号はプログラム実行継続/停止信号だけではなく、いかなる指令信号が可能であり、指令信号を受信した制御装置は、各指令信号に従って被制御装置を制御することができる。
【0086】
本実施の形態に係る制御装置、制御方法によれば、一方の制御装置が他方の制御装置からの動作完了信号を直接受信するようにしているから、この一方の制御装置はPLCがこの動作完了信号を解析している間に、被制御装置を動作させるための準備動作を開始することができる。このようにしてPLCから指令信号を受信するまでの待ち時間を有効活用し、被制御装置が動作できないことによるタイムロスの削減を図ることができる。これにより、例えば、PLCがこの動作完了信号を解析する際に、サーバからの情報を参照する場合は、タイムロス削減の効果が大きくなる。また、この準備動作が完了しても、PLCからの指令信号を受信するまで待機し、PLCからの指令信号を受信すると、これに従って被制御装置の動作を継続/停止等することができる。本実施の形態に係るPLCは被制御装置の動作継続だけでなく、停止等の指令信号を出力するため、実施の形態1のように所定時間PLCからの信号を待たなくても、PLCは即座に被制御装置の動作を停止等することができる。したがって、従来と同等又はより高度なPLCの生産システムを統括するための機能を併せて保障することができる。
【0087】
本実施の形態に係る生産システム、通信方法によれば、一方の制御装置が他方の制御装置からの動作完了信号を直接受信するようにしているから、この一方の制御装置はPLCがこの動作完了信号を解析している間に、被制御装置を動作させるための準備動作を開始することができる。このようにして、制御装置がPLCから指令信号を受信するまでの待ち時間を有効活用し、被制御装置が動作できないことによるタイムロスを削減することで、生産システム全体におけるタクトタイムの短縮を図ることができる。これにより、例えば、PLCがこの動作完了信号を解析する際に、サーバからの情報を参照する場合は、タイムロス削減の効果が大きくなる。また、この準備動作が完了しても、PLCからの指令信号を受信するまで待機し、PLCからの指令信号を受信すると、これに従って被制御装置の動作を継続/停止等することができる。本実施の形態に係るPLCは被制御装置の動作継続だけでなく、停止等の指令信号を出力するため、実施の形態1のように所定時間PLCからの信号を待たなくても、PLCは即座に被制御装置の動作を停止等することができる。したがって、従来と同等又はより高度なPLCの生産システムを統括するための機能を併せて保障することができる。
【0088】
また、本実施の形態の展開例として、本実施の形態と前述した実施の形態1とを組み合わせた例を、図11を参照して説明する。図10にて説明した信号照合部1002は、MC802からの搬入完了信号がONしてからPLC800からの指令信号がONするまで待機しなければならなかった。この待機時間が長すぎると、タクトタイムが長くなってしまう可能性がある。この問題を解決するためには、実施の形態1のように、この待機時間の上限を定めると良い。
【0089】
図11は実施の形態2の展開例に係る信号照合部1002が行う処理の手順を示すフローチャートである。信号照合部1002はまず、MC802に対応する搬入完了信号の状態を確認する(S1001)。ONである場合は、S1002に進む。OFFである場合は、処理を終了する。ここで、信号受信部1000がMC802に対応する搬入完了信号の状態を保持するとともに、PLC800が指令信号をONしたかも確認することによって、PLC800の指令信号の状態も保持している場合、信号照合部1002は、信号受信部1000から搬入完了信号、指令信号の状態を確認することができる。或いは、信号受信部1000と同様に、PLC I/F部201やMC I/F部202を介して、搬入完了信号、指令信号を直接受信してもよい。
【0090】
(S1002)では、次に信号照合部1002が内部に備える時間計測器210を起動し、S1003に進む。この時間計測器210は、起動された時点からの時間を計測する。(S1003)では、パラメータ記憶部208から、照合許容時間パラメータを読み出し、S1004に進む。この照合許容時間パラメータは、予めNC装置801の使用者等が表示装置209を用いて設定しておく。
【0091】
(S1004)では、時間計測器210が計測した時間値と、パラメータ記憶部208から読み出した時間パラメータが表す時間値とを比較する。時間計測器210が計測した時間値が照合許容時間パラメータが表す時間値以下である場合は、S1005に進む。時間計測器210が計測した時間値が照合許容時間パラメータが表す時間値より大きい場合は、S1008に進む。
【0092】
(S1005)では、PLC800の指令信号の状態を確認する。ONである場合は、S1006に進む。OFFである場合は、S1004に戻る。このとき、PLC800の指令信号には、MC802に対応する搬入完了信号に対応することを示す情報を含ませることができる。この場合、信号照合部1002は、PLC800の指令信号がMC802に対応する搬入完了信号に対応するか否かを、これらを照合することによって判別することができる。
【0093】
(S1006)では、PLC800の指令信号が、「プログラム実行を継続させるための指令」であるか「プログラム実行を停止させるための指令」であるかを確認する。「プログラム実行を継続させるための指令」である場合は、S1007に進む。「プログラム実行を停止させるための指令」である場合は、S1008に進む。
【0094】
(S1007)では、加工プログラムの実行を継続し、処理を終了する。これによってNC工作機械104は、加工準備が未完了である場合は加工準備を完了後に加工を開始し、加工準備が完了してから待機中である場合は、即座に加工を開始する。(S1008)では、加工プログラムの実行を停止し、S1009に進む。これによってNC工作機械104は、加工を開始しないまま停止する。(S1009)では、信号受信部1000がONしたプログラム実行通知信号をOFFし、処理を終了する。これによって、PLC800やMC802に加工プログラムの実行が停止中であることが通知される。信号照合部1002は、S1001〜1009を常時繰り返す。
【0095】
また、PLC800の指令信号はプログラム実行継続/停止信号だけではなく、いかなる指令信号が可能であり、指令信号を受信した制御装置は、各指令信号に従って被制御装置を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】実施の形態1に係る生産システムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る生産システムの動作の流れを示す図である。
【図3】実施の形態1におけるNC装置の内部構成を示す図である。
【図4】実施の形態1における信号受信部及び被制御装置起動部が行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1における信号照合部が行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態2に係る生産システムの構成を示す図である。
【図7】実施の形態2に係る生産システムの動作の流れを示す図である。
【図8】実施の形態2におけるNC装置の内部構成を示す図である。
【図9】実施に形態2における信号受信部及び被制御装置起動部が行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態2における信号照合部が行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態2の展開例に係る信号照合部が行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】従来の生産システムの構成例を示す図である。
【図13】従来の生産システムの動作の流れの例を示す図である。
【符号の説明】
【0097】
101、800 PLC
102、301、801 NC装置
103、302、802 MC
104 NC工作機械
105 搬送装置
106、110、300 生産システム
107、303 装置
108、304 ネットワーク・ユニット
109 サーバ
111 バス
112、116 サーボアンプ
113 主軸アンプ
114、117 サーボモータ
115 主軸モータ
201 PLC I/F部
202 MC I/F部
203、1000 信号受信部
204、1001 被制御装置起動部
205、1002 信号照合部
206 加工プログラム解析部
207 加工プログラム記憶部
208 パラメータ記憶部
209 表示装置
210 時間計測器
212 I/F部
213、1003 信号処理部
214 解析部
215 記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のFA機器とPLCとから構成される生産システムと、前記生産システムにおける通信方法と、前記生産システムにおける制御装置と、前記制御装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の製品を生産する工場内では、様々なFactory Automation機器(以下FA機器という)が用いられる。そして、通常の場合、いくつかのFA機器はProgrammable Logic Controller(以下PLCという)によって統括される一群の生産システムを構成する。また、主なる各FA機器は、大きく分けて制御装置と被制御装置の2つの部分から構成されている。
【0003】
制御装置の例としては、PLC、Motion Controller(以下MCという)、Numeric Controller(以下NC装置という)、Robot Controller(以下RCという)などが挙げられる。PLCは主に他の制御装置(MC、NC装置、RCなど)と制御信号を通信することによって、これらを統括して制御する。そして他の各制御装置は、それぞれがPLCと制御信号を通信することによって、互いに連携しながら、それぞれの被制御装置の動作を制御する。これらの制御装置は通常、工場内の制御盤の中に格納される。
【0004】
一方、被制御装置は、上記のような制御装置(MC、NC装置、RCなど)に制御されることによって、被加工物を搬送し、加工し、さらに組立、検査等を行う。MCの被制御装置の例としては、被加工物をベルト上に乗せたまま移動するベルト・コンベアや、被加工物を掴み取ってから所定の位置まで移動し、掴んでいた被加工物を離す搬送用ロボットを駆動する、サーボアンプ及びサーボモータが挙げられる。NC装置の被制御装置の例としては、所定の座標位置に刃物を移動することで被加工物を切削するNumeric Controller工作機械(以下NC工作機械という)を駆動する、サーボアンプ及びサーボモータや主軸アンプ及び主軸モータが挙げられる。RCの被制御装置の例としては、被加工物を搬送、加工、組立、検査等をする産業用ロボットが挙げられる。
【0005】
各被制御装置は、通常の場合、制御装置から指令を受けて動作を開始する。また各被制御装置は、指令を受けて動作を開始した後も、即座に加工や搬送等を行うのではなく、その前に、NC工作機械の刃物を所定の座標位置のところに移動するなどの準備動作を必要とする。したがって、できるだけこの指令を受けるまでの待ち時間と、動作を開始してから実際に被加工物を加工等するまでの準備時間とを削減し、常に被加工物が加工や搬送等されていることが理想である。このような待ち時間や準備時間を削減することは、タクトタイムの短縮につながる。タクトタイムとは、製品1単位を生産するために要する時間であり、多数の製品を生産する工場内では、生産性向上の観点から、タクトタイムの短縮が重要な課題である。
【0006】
タクトタイムの短縮を達成するためには、主に2通りの手段がある。1つめの手段は、各制御装置自体が行う処理、または各被制御装置自体が行う動作に要する時間を短縮することである。前者の例としては、加工プログラム・ブロックの読み出し時間によるタイムロスを無くし、タクトタイムの短縮を図るNC装置が挙げられる(特許文献1参照)。2つめの手段は、制御装置同士の制御信号の授受に要する時間を短縮することである。
【0007】
上記の2つめの手段は、PLCが統括する生産システム全体のタイムロスを省くことができるため、各制御装置自体、各被制御装置自体に係るタイムロスを削減する1つめの手段と比べて、生産性向上の観点から非常に有効的であるといえる。
【0008】
従来の生産システムの例を、図12及び図13を参照して説明する。図12は、従来の生産システムの構成例を示す図である。PLC101は、バス111によって接続された複数の制御装置と制御信号を通信することよって一群の生産システム106の動作を統括する。一方、PLC101に接続された生産システム106の各制御装置は、それぞれがPLC101のみと通信する。バス111は、無線など、いかなる通信形態をとってもよく、PLC101に接続された生産システム106の装置は、いかなるものでもよいが、図12では例としてNC装置102、MC103、装置107、ネットワーク・ユニット108を挙げている。
【0009】
NC装置102は、被加工物を加工するNC工作機械104を制御する。NC工作機械104は、NC装置102に有線又は無線によって接続されており、NC装置102から指令信号を受けるサーボアンプ112、主軸アンプ113と、これらサーボアンプ112、主軸アンプ113によってそれぞれ駆動されるサーボモータ114、主軸モータ115とから構成される。MC103は、被加工物を搬送する搬送装置105を制御する。搬送装置105は、MC103に有線又は無線によって接続されており、MC103から指令信号を受けるサーボアンプ116と、サーボアンプによって駆動されるサーボモータ117とから構成される。装置107は、PLC101によって制御される複数の装置であり、通常はNC装置、MCなどの制御装置である。ネットワーク・ユニット108は、バス112を通じてサーバ109や図示しないパソコン等からなる上位のネットワークと通信する。
【0010】
110は、生産システム106と同様な生産システムであり、これらのような各生産システムが、バス112を介して並列に接続されている。これによってサーバ109は、各生産システム同士を連携して動作させるとともに、一つの生産システムに異常が発生した場合や、図示しないパソコンから指令を受けた場合は、これを全ての又は特定の生産システムに通知することができる。PLC101は、ネットワーク・ユニット108を介して、サーバ109等と通信することが可能であり、サーバ109から受ける指令や、サーバ109が保持する情報に基づいて、生産システム106を制御する。
【0011】
図12に示す従来の生産システム106が、NC工作機械104のような複数のNC工作機械と、搬送装置105のような複数の搬送装置とから構成される場合、これらの被制御装置が行う動作の流れを説明する。まず、搬送装置105が被加工物を、NC工作機械104が加工を施すことができる位置にまで搬送する(これを搬入という)。次に、NC工作機械104が被加工物の加工を開始する。NC工作機械104が加工を完了すると、隣の搬送装置はこの被加工物を隣のNC工作機械へ搬送するとともに(これを搬出という)、搬送装置105は次の被加工物を、NC工作機械104が加工を施すために搬入する。この動作を繰り返すことによって、各被加工物を1つずつ加工する。
【0012】
図13(i)は、図12に示す従来の生産システム106において、被加工物の搬入を完了してから加工を開始するまでに、PLC101、NC装置102、及びMC103が行う動作の流れを示す図である。搬送装置105が被加工物の搬入を完了すると、MC103は搬入完了信号をPLC101に対して出力する。次にPLC101は、入力された搬入完了信号を解析する。このときPLC101は、生産システム106を構成する制御装置、被制御装置、バス111などに異常が無いか、又はサーバ109から指令が無いか等、様々な判断をすることによって、NC装置102が加工を開始して良いか否かを判断する。NC装置102が加工を開始して良いと判断した場合は、この搬入完了信号をNC装置102に対して出力する。NC装置102は、入力された搬入完了信号を確認すると、加工準備として、NC工作機械の刃物を所定の座標位置まで移動するなどの動作をした後、加工を開始する。
【0013】
図13(ii)は、図12に示す従来の生産システム106において、被加工物の加工を完了してから搬出を開始するまでに、PLC101、NC装置102、及びMC103が行う動作の流れを示す図である。図13(i)と同様に、NC工作機械104が被加工物の加工を完了すると、NC装置102は加工完了信号をPLC101に対して出力する。次にPLC101は、入力された加工完了信号を解析し、搬送装置105が搬出を開始して良いと判断した場合は、この加工完了信号をMC103に対して出力する。MC103は、入力された加工完了信号を確認すると、搬出準備として、搬送装置のアームを被加工物がある位置まで移動するなどの動作をした後、被加工物の搬出を開始する。
【0014】
このように、生産システム106では、NC工作機械104、搬送装置105が動作を開始するために、PLC101が搬入完了信号、加工完了信号などの各動作完了信号を入力して解析し、NC装置102、MC103に対して各動作完了信号を出力するまでの間、待つ必要があった。
【0015】
【特許文献1】特開平4-367904号公報(第3頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従来の生産システムでは、被制御装置が動作を開始するためには、PLCが動作完了信号を入力して解析し、かかる被制御装置の制御装置に対して動作完了信号を出力するまでの間、待つ必要があった。このようなPLCを介した制御信号の通信に起因する待ち時間は、タクトタイムの増大を引き起こすという問題があった。
【0017】
本発明は、上記のような問題を解決するためのものであり、PLCが統括する生産システムにおいて、生産システムを構成する複数の制御装置の間で直接動作完了信号の受け渡しを行うことで、タクトタイムの短縮を図ることを目的とする。
【0018】
また、本発明は、一つの制御装置が、他の制御装置から動作完了信号を受信し、被制御装置の動作を開始した後に、PLCが異常を判別した場合は、直ちに被制御装置の動作を停止することで、PLCが統括する生産システムとして従来と同等な機能を保障することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成するために、本発明による制御装置は、PLCに制御される外部装置が出力する第1の信号と前記第1の信号に対応して前記PLCが出力する第2の信号とを受信する信号受信部と、前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動部と、前記第1の信号と前記第2の信号とを照合し、照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する信号照合部と、を有することを特徴としている。
【0020】
つぎの発明による制御装置は、前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、前記信号照合部は、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態を照合することを特徴としている。
【0021】
つぎの発明による制御装置は、前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、前記信号照合部は、前記指令信号の内容を判別し、判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御することを特徴としている。
【0022】
つぎの発明による制御装置は、前記信号照合部は、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止することを特徴としている。
【0023】
また本発明による生産システムは、複数の制御装置と、前記各制御装置と通信するPLCと、から構成される生産システムにおいて、前記制御装置は、他の前記制御装置が出力する第1の信号と前記第1の信号に対応して前記PLCが出力する第2の信号とを受信する信号受信部と、前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動部と、前記第1の信号と前記第2の信号とを照合し、照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する信号照合部と、を有することを特徴としている。
【0024】
つぎの発明による生産システムは、前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、前記信号照合部は、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態とを照合することを特徴としている。
【0025】
つぎの発明による生産システムは、前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、前記信号照合部は、前記指令信号の内容を判別し、判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御することを特徴としている。
【0026】
つぎの発明による生産システムは、前記信号照合部は、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止することを特徴としている。
【0027】
また本発明による制御方法は、PLCに制御される外部装置が出力する第1の信号を受信する第1の信号受信ステップと、前記第1の信号に対応して前記PLCが出力する第2の信号を受信する第2の信号受信ステップと、前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動ステップと、前記第1の信号と前記第2の信号とを照合し、照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する信号照合部と、を有することを特徴としている。
【0028】
つぎの発明による制御方法は、前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、前記信号照合ステップは、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態とを照合することを特徴としている。
【0029】
つぎの発明による制御方法は、前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、前記信号照合ステップは、前記指令信号の内容を判別し、前記照合結果処理ステップは、前記信号照合ステップにて判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御することを特徴としている。
【0030】
つぎの発明による制御方法は、前記信号照合ステップは、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止することを特徴としている。
【0031】
また本発明による通信方法は、他の制御装置が出力する第1の信号を受信する第1の信号受信ステップと、前記第1の信号に対応してPLCが出力する第2の信号を受信する第2の信号受信ステップと、前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動ステップと、前記第1の信号と前記第2の信号とを照合し、照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する信号照合部と、を有することを特徴としている。
【0032】
つぎの発明による通信方法は、前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、前記信号照合ステップは、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態とを照合することを特徴としている。
【0033】
つぎの発明による通信方法は、前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、前記信号照合ステップは、前記指令信号の内容を判別し、前記照合結果処理ステップは、前記信号照合ステップにて判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御することを特徴としている。
【0034】
つぎの発明による通信方法は、前記信号照合ステップは、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止することを特徴としている。
【発明の効果】
【0035】
制御装置がPLCから信号を受信するまでの待ち時間を有効活用し、被制御装置が動作できないことによるタイムロスを削減することができる。これによって、生産システム全体におけるタクトタイムの短縮を図ることもできる。また、従来と同等又はより高度なPLCの生産システムを統括するための機能を併せて保障することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
実施の形態1.
本発明に係る実施の形態1を、図1〜5を参照して説明する。ここで、図12に示した従来の生産システムの構成例と同一又は同等の部分は、同一の符号を付して、その説明を省略する。図1は、実施の形態1に係る生産システムの構成を示す図である。
【0037】
PLC101は、一群の生産システム300の動作を統括する。301はNC装置であり、NC工作機械104を制御する。MC302はMCであり、搬送装置105を制御する。制御装置303は、PLC101によって制御される、NC装置やMCなどの複数の装置である。ネットワーク・ユニット304は、バス112を介してサーバ109と通信する。NC装置301、MC302、装置303、ネットワーク・ユニット304は、バス111を介してPLC101のみならず、互いと通信することができる。以降は説明を簡単にするため、PLC101、NC装置301、MC302間での制御信号の通信について説明する。
【0038】
図2(i)は、図1に示す本実施の形態に係る生産システム300において、被加工物の搬入を完了してから加工を開始するまでに、PLC101、NC装置301、及びMC302が行う動作の流れを示す図である。搬送装置105が被加工物の搬入を完了すると、MC302は搬入完了信号をPLC101及びNC装置301に対して出力する。次にNC装置301は、入力された搬入完了信号に基づいてNC工作機械104に加工準備のための動作を指令し、例えば、NC工作機械が旋削加工を行うものであれば、旋削用刃物を加工を開始する所定の位置へと移動する。すなわち、NC工作機械104は加工準備が完了した時点で、加工動作を開始せずに、NC装置301はPLC101からの搬入完了信号が入力されるのを待つ。一方PLC101は、入力された搬入完了信号を解析し、NC装置301がNC工作機械104の加工動作を開始して良いと判断した場合は、この搬入完了信号をNC装置301に対して出力する。
【0039】
NC装置301は、MC302からの搬入完了信号が入力された後、後で説明する所定時間内にPLC101から搬入完了信号が入力された場合は、搬入完了信号を確認後、被加工物の加工動作を開始する。一方、図示されていないが、NC装置はMC302からの搬入完了信号が入力された後、所定の時間内にPLC101からの搬入完了信号が入力されない場合は、加工動作を開始しないまま、NC工作機械104の動作を停止する。
【0040】
図2(ii)は、図1に示す本実施の形態に係る生産システム300において、被加工物の加工を完了してから搬出を開始するまでに、PLC101、NC装置301、及びMC302が行う動作の流れを示す図である。NC工作機械104が被加工物の加工を完了すると、NC装置301は加工完了信号をPLC101及びMC302に対して出力する。次にMC302は、入力された加工完了信号に基づいて被加工物を搬出のための準備動作を指令し、準備動作が完了した時点で、搬出動作を開始せずに、MC302はPLC101から加工完了信号が入力されるのを待つ。一方PLC101は、入力された加工完了信号を解析し、搬送装置105が被加工物の搬出を開始して良いと判断した場合は、この加工完了信号をMC302に対して出力する。
【0041】
MC302は、NC装置301からの加工完了信号が入力された後、所定時間内にPLC101から加工完了信号が入力された場合は、加工完了信号を確認後、被加工物の搬出を開始する。一方、図示されていないが、NC装置301からの加工完了信号が入力された後、所定時間内にPLC101によって加工完了信号が入力されない場合は、搬出を開始しないまま、搬送装置105の動作を停止する。
【0042】
図3は、実施の形態1におけるNC装置301の内部構成を示す図である。NC装置301は、PLC101、MC302とそれぞれ制御信号の通信をするI/F部(インタフェース部)212と、PLC101、MC302からI/F部212を介して受信する動作完了信号を処理する信号処理部213と、信号処理部213から受信する通知に基づいて加工プログラムを解析する解析部214と、加工プログラム等のデータを記憶する記憶部215とを備える。NC装置301を使用する者は、表示装置209を用いてNC装置301を操作することができる。またNC装置301は、NC工作機械104を制御する。
【0043】
I/F部212は、PLC101、MC302のそれぞれに対応するPLC I/F部201、MC I/F部202から構成される。MC302は、搬送装置105が被加工物の搬入を完了すると、搬入完了信号をMC I/F部202とPLC101とに対して出力する。そしてPLC101は、MC302から入力された搬入完了信号を、解析後、PLC I/F部201に対して出力する。
【0044】
信号処理部213は信号受信部203、被制御装置起動部204、信号照合部205を備える。以降、図2(i)に示すように、被加工物の搬入を完了してから加工を開始するまでに、信号受信部203、被制御装置起動部204、信号照合部205が行う動作を説明する。
【0045】
信号受信部203は、PLC101又はMC302が、それぞれPLC I/F部201、MC I/F部202に対して出力する搬入完了信号を受信する。被制御装置起動部204は、信号受信部203が受信した各搬入完了信号に基づいて、NC工作機械104の動作を開始するための信号を生成する。
【0046】
図4は、信号受信部203及び被制御装置起動部204が行う処理の手順を示すフローチャートである。まず信号受信部203は、MC302からの搬入完了信号が入力されたかどうか、すなわちMC302に対応する搬入完了信号がONかOFFかを確認する(S301)。OFFである場合はS302に進む。ONである場合は、S303に進む。なお、信号受信部203は、各搬入完了信号の状態(ONかOFFか)を保持することができる。(S302)では、信号受信部203は、PLC101に対応する搬入完了信号の状態を確認する。OFFである場合は、処理を終了する。ONである場合は、S303に進む。
【0047】
(S303)では、被制御装置起動部204は、MC302又はPLC101に対応する搬入完了信号がONであることが確認できると、PLC I/F部201及びMC I/F部202を介して、PLC101及びMC302に対してプログラム実行通知信号を出力し(ONし)、S304に進む。このプログラム実行通知信号は、PLC101及びMC302に対して、加工プログラムが実行中である(ON)か停止中である(OFF)かを通知するものである。各制御装置は、ONされたプログラム実行通知信号に基づいて、適宜必要な処理を実行することができる。なお、このS303は選択的であり、省略する場合は、直接S304に進む。
【0048】
(S304)では、被制御装置起動部204は、MC302又はPLC101に対応する搬入完了信号がONされたことを、解析部214の加工プログラム解析部206に通知する。この通知は、PLC101及びMC302に対してONしたプログラム実行通知信号によって行ってもよい。すると加工プログラム解析処理部206は、この通知に基づき、NC工作機械104が次に実行すべき加工プログラムを選択し、選択した加工プログラムを記憶部215の加工プログラム記憶部207から取得する。被制御装置起動部204は、加工プログラム解析部206が取得したプログラムの実行を指令し、処理を終了する。
【0049】
プログラムの実行が開始されると、NC工作機械104はこのプログラムに従って加工準備を開始する。そして、S301からS303に進んだ場合、加工準備を完了した時点で、PLC101に対応する搬入完了信号がOFFである場合は、これがONされるまで待つ。
【0050】
MC302に対応する搬入完了信号は、PLC101に対応する搬入完了信号よりも先にONされることが通常である。なぜなら、MC302は搬入完了後、即座に搬入完了信号をONすることができるが、PLC101は搬入完了信号をONする前に、この搬入完了信号を解析するために時間を要するからである。しかし稀に、MC302自体やMC302とNC301との間のバス111に何らかの異常が発生すると、PLC101の搬入完了信号がMC302の搬入完了信号よりも先にONされる場合もある。信号受信部203及び被制御装置起動部204は、S301〜304を常時繰り返す。
【0051】
信号照合部205は、PLC101及びMC302に対応するそれぞれの搬入完了信号同士を照合し、照合した結果に基づいて、信号受信部203が開始した加工プログラムの実行を継続/停止する。
【0052】
図5は、信号照合部205が行う処理の手順を示すフローチャートである。信号照合部205はまず、MC302に対応する搬入完了信号の状態(ONかOFFか)を確認する(S401)。ONである場合は、S402に進む。このとき、NC工作機械104は、S304を経て加工準備を開始している。OFFである場合は、S409に進む。ここで、信号受信部203がMC302及びPLC101に対応するそれぞれの搬入完了信号の状態を保持している場合、信号照合部205は、信号受信部203から各搬入完了信号の状態を確認することができる。或いは、信号受信部203と同様に、PLC I/F部201やMC I/F部202を介して、これらの搬入完了信号を直接受信してもよい。
【0053】
(S402)では、信号照合部205が内部に備える時間計測器210を起動し、S403に進む。この時間計測器210は、起動された時点からの時間を計測する。(S403)では、記憶部215に分類されるパラメータ記憶部208から、照合許容時間パラメータを読み出し、S404に進む。この照合許容時間パラメータは、予めNC装置301の使用者等が表示装置209を用いて設定しておく。
【0054】
(S404)では、時間計測器210が計測した時間値と、パラメータ記憶部208から読み出した時間パラメータが表す時間値とを比較する。時間計測器210が計測した時間値が照合許容時間パラメータが表す時間値以下である場合は、S405に進む。時間計測器210が計測した時間値が照合許容時間パラメータが表す時間値より大きい場合は、S407に進む。
【0055】
ここで、生産システム300になんらかの異常が発生した場合や、サーバ109からなんらかの指令がされた場合等は、PLC101は、NC工作機械104に次の加工プログラムを実行させないために、MC302から受信した搬入完了信号をNC装置301に通知しない。これを考慮することによってNC装置301の使用者等は、NC工作機械104が加工を開始せずに、PLC101から搬入完了信号を通知されるまで待つことが許容できる時間を、照合許容時間パラメータとして設定することが望ましい。
【0056】
(S405)では、PLC101に対応する搬入完了信号の状態を確認する。ONである場合は、S406に進む。OFFである場合は、S404に戻る。(S406)では、加工プログラムの実行を継続し、処理を終了する。これによってNC工作機械104は、加工準備が未完了である場合は加工準備を完了後に引き続いて加工を開始し、加工準備が完了してから待機中である場合は、即座に加工を開始する。ここで、加工準備が完了してから待機中である場合とは、図4においてS301からS303に進み、S304を経て加工準備を完了した時点で、PLC101に対応する搬入完了信号がOFFである場合である。
【0057】
(S407)では、MC302に対応する搬入完了信号がONになってから、照合許容時間パラメータとして設定した所定時間を経過してもPLC101に対応する搬入完了信号がOFFのままであるため、加工プログラムの実行を停止し、S408に進む。これによってNC工作機械104は、加工を開始しないまま停止する。(S408)では、信号受信部203がONしたプログラム実行通知信号をOFFし、処理を終了する。これによって、PLC101やMC302に加工プログラムの実行が停止中であることが通知される。
【0058】
(S409)では、PLC101に対応する搬入完了信号の状態(ONかOFFか)を確認する。ONである場合は、S406に進む。このときNC工作機械104は、S304を経て加工準備を開始している。OFFである場合は、MC302及びPLC101に対応する搬入完了信号がOFFであるため、処理を終了する。ここでS409において、ONである場合、S406に進む代わりに、S402〜S408と同様にMC302に対応する搬入完了信号が所定時間経過後もONにならない場合に、プログラム実行を停止するようにしてもよい。信号照合部205は、S401〜409を常時繰り返す。
【0059】
以上では、図2(i)に示すように、被加工物の搬入を完了してから加工を開始するまでに、NC装置301が内部で行う動作を説明した。一方、図2(ii)に示すように、被加工物の加工を完了してから搬出を開始するまでについては、MC302がNC装置301と同様の内部構成を備え、同様の動作を行う。このときの動作完了信号は、加工完了信号となる。
【0060】
また、本実施の形態では、MC302とNC装置301とが、互いにPLC101を介さずに直接授受する動作完了信号に基づいて、それぞれNC工作機械104、搬送装置105の動作を開始する方法について説明したが、同様な方法は、PLC101と通信をする2つ以上の制御装置間、又はPLC101に制御される制御装置と他の装置との間にも適用することができる。
【0061】
また、本実施の形態では、各制御装置は動作完了信号のON/OFF状態に基づいて動作を行うが、この動作完了信号は、ON/OFF状態に限らず、様々な信号形態を適用することができる。
【0062】
本実施の形態に係る制御装置、制御方法によれば、一方の制御装置が他方の制御装置からの動作完了信号を直接受信するようにしているから、この一方の制御装置はPLCがこの動作完了信号を解析している間に、被制御装置を動作させるための準備動作を開始することができる。このようにしてPLCから動作完了信号を受信するまでの待ち時間を有効活用し、被制御装置が動作できないことによるタイムロスの削減を図ることができる。これにより、例えば、PLCがこの動作完了信号を解析する際に、サーバからの情報を参照する場合は、タイムロス削減の効果が大きくなる。また、この準備動作がPLCから動作完了信号を受信する前に完了した場合は、PLCから動作完了信号を受信するまで待機し、所定の時間が経過してもPLCから動作完了信号を受信しない場合は、被制御装置の動作を停止することができる。したがって、従来と同等なPLCの生産システムを統括するための機能を併せて保障することができる。
【0063】
本実施の形態に係る生産システム、通信方法によれば、一方の制御装置が他方の制御装置からの動作完了信号を直接受信するようにしているから、この一方の制御装置はPLCがこの動作完了信号を解析している間に、被制御装置を動作させるための準備動作を開始することができる。このようにして、制御装置がPLCから動作完了信号を受信するまでの待ち時間を有効活用し、被制御装置が動作できないことによるタイムロスを削減することで、生産システム全体におけるタクトタイムの短縮を図ることができる。これにより、例えば、PLCがこの動作完了信号を解析する際に、サーバからの情報を参照する場合は、タイムロス削減の効果が大きくなる。また、この準備動作がPLCから動作完了信号を受信する前に完了した場合は、PLCから動作完了信号を受信するまで待機し、所定の時間が経過してもPLCから動作完了信号を受信しない場合は、被制御装置の動作を停止することができる。したがって、従来と同等なPLCの生産システムを統括するための機能を併せて保障することができる。
【0064】
実施の形態2.
本発明に係る実施の形態2を、図6〜11を参照して説明する。ここで、図12及び図1に示した生産システムの構成と同一又は同等の部分は、同一の符号を付して、その説明を省略する。図6は、実施の形態2に係る生産システムの構成を示す図である。
【0065】
PLC800は、一群の生産システム804を統括する。実施の形態1におけるPLC101は、動作完了信号を受け取ると、同一の動作完了信号を出力するものであったが、本実施の形態におけるPLC800は、動作完了信号を受け取ると、この動作完了信号の解析に基づいて指令信号を出力するものである。801はNC装置であり、NC工作機械104を制御する。MC802はMCであり、搬送装置105を制御する。NC装置801、MC802、装置303、ネットワーク・ユニット304は、バス111を介してPLC800のみならず、互いと通信することができる。以降は説明を簡単にするため、PLC800、NC装置801、MC802間の制御信号の通信について説明する。
【0066】
図7(i)は、図6に示す本実施の形態に係る生産システム804において、被加工物の搬入を完了してから加工を開始するまでに、PLC800、NC装置801、及びMC802が行う動作の流れを示す図である。搬送装置105が被加工物の搬入を完了すると、MC802は搬入完了信号をPLC800及びNC装置801に対して出力する。次にNC装置801は、入力された搬入完了信号に基づいて加工準備を開始し、準備を完了した場合は、PLC800から指令信号が入力されるまで待つ。一方PLC800は、入力された搬入完了信号を解析し、NC工作機械104が加工を開始して良いと判断した場合は、加工を開始させるための指令信号をNC装置801に対して出力する。
【0067】
NC装置801は、PLC800によって入力された加工開始の指令信号を確認後、NC工作機械104に加工を開始させる。しかし、図示されていないが、PLC800が入力された搬入完了信号を解析した結果、NC工作機械104が加工を開始してはならないと判断した場合は、NC工作機械104の動作を停止させるための指令信号をNC装置801に対して出力する。NC装置801は、PLC800によって入力された動作停止の指令信号を確認後、NC工作機械104に加工を開始させないまま、NC工作機械104を停止する。
【0068】
図7(ii)は、図6に示す本実施の形態に係る生産システム804において、被加工物の加工を完了してから搬出を開始するまでに、PLC800、NC装置801、及びMC802が行う動作の流れを示す図である。NC工作機械104が被加工物の加工を完了すると、NC装置801は加工完了信号をPLC800及びMC802に対して出力する。次にMC802は、入力された加工完了信号に基づいて搬出準備を開始し、準備を完了した後は、PLC800によって指令信号が入力されるまで待つ。一方PLC800は、入力された加工完了信号を解析し、搬送装置105が搬出を開始して良いと判断した場合は、搬出を開始させるための信号をMC802に対して出力する。
【0069】
MC802は、PLC800によって入力された搬出開始の指令信号を確認後、搬送装置105に搬出を開始させる。しかし、図示されていないが、PLC800が入力された加工完了信号を解析した結果、搬送装置105が搬出を開始してはならないと判断した場合は、搬送装置105の動作を停止させるための指令信号をMC802に対して出力する。MC802は、PLC800によって入力された動作停止の指令信号を確認後、搬送装置105に搬出を開始させないまま、搬送装置105を停止する。
【0070】
図8は、実施の形態2におけるNC装置801の内部構成を示す図である。信号処理部1003は、PLC800、MC802からI/F部212を介して受信する動作完了信号を処理する。また信号処理部1003は、信号受信部1000、被制御装置起動部1001、信号照合部1002を備える。以降、図7(i)に示すように、被加工物の搬入を完了してから加工を開始するまでに、信号受信部1000、被制御装置起動部1001、信号照合部1002が行う動作を説明する。
【0071】
信号受信部1000は、MC802がMC I/F部202に対して出力する搬入完了信号を、PLC800がPLC I/F部201に対して出力する指令信号を、それぞれ受信する。被制御装置起動部1001は、信号受信部1000が受信した搬入完了信号に基づいて、NC工作機械104の動作を開始する。
【0072】
図9は、信号受信部1000及び被制御装置起動部1001が行う処理の手順を示すフローチャートである。まず信号受信部1000は、MC802によって搬入完了信号が入力されたかどうか、すなわちMC802に対応する搬入完了信号がONかOFFかを確認する(S801)。OFFである場合は、処理を終了する。ONである場合は、S802に進む。
【0073】
(S802)では、被制御装置起動部1001は、PLC I/F部201及びMC I/F部202を介して、PLC800及びMC802に対してプログラム実行通知信号を出力し(ONし)、S803に進む。このプログラム実行通知信号は、PLC800及びMC802に対して、加工プログラムが実行中である(ON)か停止中である(OFF)かを通知するものである。各制御装置は、ONされたプログラム実行通知信号に基づいて、適宜必要な処理を実行することができる。なお、このS802は選択的であり、省略する場合は、直接S803に進む。
【0074】
(S803)では、被制御装置起動部1001は、MC802に対応する搬入完了信号がONされたことを、加工プログラム解析部206に通知する。この通知は、PLC800及びMC802に対してONしたプログラム実行通知信号によって行ってもよい。すると加工プログラム解析処理部206は、この通知に基づき、NC工作機械104が次に実行すべき加工プログラムを選択し、選択した加工プログラムを加工プログラム記憶部207から取得する。被制御装置起動部1001は、加工プログラム解析部206が取得したプログラムの実行を開始し、処理を終了する。プログラムの実行が開始されると、NC工作機械104はこのプログラムに従って加工準備を開始する。加工準備を完了した場合は、PLC800によって指令信号が入力されるまで待つ。
【0075】
ここで、MC802に対応する搬入完了信号は、PLC800によって入力される指令信号より先にONされることが通常である。なぜなら、MC802は搬入完了後、即座に搬入完了信号をONすることができるが、PLC800は指令信号をONする前に、この搬入完了信号を解析ために時間を要するからである。一方、MC802に対応する搬入完了信号がONされるより先に、PLC800によって指令信号が入力される場合、後に図8を参照して説明する信号照合部1002は、MC802に対応する搬入完了信号がONされるのを待たずに、この指令信号に従ってNC工作機械104を制御してもよい。
【0076】
なお、信号受信部1000は、MC802に対応する搬入完了信号の状態を保持するとともに、PLC800が指令信号をONしたかも確認することによって、PLC800の指令信号の状態も保持することができる。信号受信部1000及び被制御装置起動部1001は、S801〜803を常時繰り返す。
【0077】
信号照合部1002は、PLC800が指令信号を出力すると、この指令信号に従ってNC工作機械104を制御する。
【0078】
図10は、信号照合部1002が行う処理の手順を示すフローチャートである。信号照合部1002はまず、MC802に対応する搬入完了信号の状態を確認する(S901)。ONである場合は、S902に進む。このときNC工作機械104は、S803を経て加工準備を開始している。OFFである場合は、処理を終了する。ここで、信号受信部1000がMC802に対応する搬入完了信号の状態を保持するとともに、PLC800が指令信号をONしたかも確認することによって、PLC800の指令信号の状態も保持している場合、信号照合部1002は、信号受信部1000から搬入完了信号、指令信号の状態を確認することができる。或いは、信号受信部1000と同様に、PLC I/F部201、MC I/F部202を介して、搬入完了信号、指令信号を直接受信してもよい。
【0079】
(S902)では、PLC800の指令信号の状態を確認する。ONである場合は、S903に進む。OFFである場合は、処理を終了する。このとき、PLC800の指令信号には、MC802に対応する搬入完了信号に対応することを示す情報を含ませることができる。この場合、信号照合部1002は、PLC800の指令信号がMC802に対応する搬入完了信号に対応するか否かを、これらを照合することによって判別することができる。
【0080】
(S903)では、PLC800の指令信号が、「プログラム実行を継続させるための指令」であるか「プログラム実行を停止させるための指令」であるかを確認する。「プログラム実行を継続させるための指令」である場合は、S904に進む。「プログラム実行を停止させるための指令」である場合は、S905に進む。
【0081】
(S904)では、加工プログラムの実行を継続し、処理を終了する。これによってNC工作機械104は、加工準備が未完了である場合は加工準備を完了後に引き続いて加工を開始し、加工準備が完了してから待機中である場合は、即座に加工を開始する。(S905)では、加工プログラムの実行を停止し、S906に進む。これによってNC工作機械104は、加工を開始しないまま停止する。(S906)では、信号受信部1000がONしたプログラム実行通知信号をOFFし、処理を終了する。これによって、PLC800やMC802に加工プログラムの実行が停止中であることが通知される。信号照合部1002は、S901〜906を常時繰り返す。
【0082】
図10のフローは、MC802の搬入完了信号がPLC800の指令信号より先にONすることを前提にしたものである。しかし稀に、MC802自体やMC802とNC801との間のバス111に何らかの異常が発生すると、PLC800の指令信号がMC802の搬入完了信号よりも先にONされる場合がある。これを考慮して図10のフローは、PLC800の指令完了信号がMC802の搬入完了信号よりも先にONされる場合は、MC802の搬入完了信号がONされるのを待たずに、PLC800の指令信号に従ってNC工作機械104を制御するようなフローにしてもよい。
【0083】
以上では、図7(i)に示すように、被加工物の搬入を完了してから加工を開始するまでに、NC装置801が内部で行う動作を説明した。一方、図7(ii)に示すように、被加工物の加工を完了してから搬出を開始するまでについては、MC802がNC装置801と同様の内部構成を備え、同様の動作を行う。このときの動作完了信号は、加工完了信号となる。
【0084】
また、本実施の形態では、MC802とNC装置801とが、互いにPLC800を介さずに直接授受する動作完了信号に基づいて、それぞれNC工作機械104、搬送装置105の動作を開始する方法について説明したが、同様な方法は、PLC800によって制御される2つ以上のいかなる装置間にも適用することができる。
【0085】
また、PLC800の指令信号はプログラム実行継続/停止信号だけではなく、いかなる指令信号が可能であり、指令信号を受信した制御装置は、各指令信号に従って被制御装置を制御することができる。
【0086】
本実施の形態に係る制御装置、制御方法によれば、一方の制御装置が他方の制御装置からの動作完了信号を直接受信するようにしているから、この一方の制御装置はPLCがこの動作完了信号を解析している間に、被制御装置を動作させるための準備動作を開始することができる。このようにしてPLCから指令信号を受信するまでの待ち時間を有効活用し、被制御装置が動作できないことによるタイムロスの削減を図ることができる。これにより、例えば、PLCがこの動作完了信号を解析する際に、サーバからの情報を参照する場合は、タイムロス削減の効果が大きくなる。また、この準備動作が完了しても、PLCからの指令信号を受信するまで待機し、PLCからの指令信号を受信すると、これに従って被制御装置の動作を継続/停止等することができる。本実施の形態に係るPLCは被制御装置の動作継続だけでなく、停止等の指令信号を出力するため、実施の形態1のように所定時間PLCからの信号を待たなくても、PLCは即座に被制御装置の動作を停止等することができる。したがって、従来と同等又はより高度なPLCの生産システムを統括するための機能を併せて保障することができる。
【0087】
本実施の形態に係る生産システム、通信方法によれば、一方の制御装置が他方の制御装置からの動作完了信号を直接受信するようにしているから、この一方の制御装置はPLCがこの動作完了信号を解析している間に、被制御装置を動作させるための準備動作を開始することができる。このようにして、制御装置がPLCから指令信号を受信するまでの待ち時間を有効活用し、被制御装置が動作できないことによるタイムロスを削減することで、生産システム全体におけるタクトタイムの短縮を図ることができる。これにより、例えば、PLCがこの動作完了信号を解析する際に、サーバからの情報を参照する場合は、タイムロス削減の効果が大きくなる。また、この準備動作が完了しても、PLCからの指令信号を受信するまで待機し、PLCからの指令信号を受信すると、これに従って被制御装置の動作を継続/停止等することができる。本実施の形態に係るPLCは被制御装置の動作継続だけでなく、停止等の指令信号を出力するため、実施の形態1のように所定時間PLCからの信号を待たなくても、PLCは即座に被制御装置の動作を停止等することができる。したがって、従来と同等又はより高度なPLCの生産システムを統括するための機能を併せて保障することができる。
【0088】
また、本実施の形態の展開例として、本実施の形態と前述した実施の形態1とを組み合わせた例を、図11を参照して説明する。図10にて説明した信号照合部1002は、MC802からの搬入完了信号がONしてからPLC800からの指令信号がONするまで待機しなければならなかった。この待機時間が長すぎると、タクトタイムが長くなってしまう可能性がある。この問題を解決するためには、実施の形態1のように、この待機時間の上限を定めると良い。
【0089】
図11は実施の形態2の展開例に係る信号照合部1002が行う処理の手順を示すフローチャートである。信号照合部1002はまず、MC802に対応する搬入完了信号の状態を確認する(S1001)。ONである場合は、S1002に進む。OFFである場合は、処理を終了する。ここで、信号受信部1000がMC802に対応する搬入完了信号の状態を保持するとともに、PLC800が指令信号をONしたかも確認することによって、PLC800の指令信号の状態も保持している場合、信号照合部1002は、信号受信部1000から搬入完了信号、指令信号の状態を確認することができる。或いは、信号受信部1000と同様に、PLC I/F部201やMC I/F部202を介して、搬入完了信号、指令信号を直接受信してもよい。
【0090】
(S1002)では、次に信号照合部1002が内部に備える時間計測器210を起動し、S1003に進む。この時間計測器210は、起動された時点からの時間を計測する。(S1003)では、パラメータ記憶部208から、照合許容時間パラメータを読み出し、S1004に進む。この照合許容時間パラメータは、予めNC装置801の使用者等が表示装置209を用いて設定しておく。
【0091】
(S1004)では、時間計測器210が計測した時間値と、パラメータ記憶部208から読み出した時間パラメータが表す時間値とを比較する。時間計測器210が計測した時間値が照合許容時間パラメータが表す時間値以下である場合は、S1005に進む。時間計測器210が計測した時間値が照合許容時間パラメータが表す時間値より大きい場合は、S1008に進む。
【0092】
(S1005)では、PLC800の指令信号の状態を確認する。ONである場合は、S1006に進む。OFFである場合は、S1004に戻る。このとき、PLC800の指令信号には、MC802に対応する搬入完了信号に対応することを示す情報を含ませることができる。この場合、信号照合部1002は、PLC800の指令信号がMC802に対応する搬入完了信号に対応するか否かを、これらを照合することによって判別することができる。
【0093】
(S1006)では、PLC800の指令信号が、「プログラム実行を継続させるための指令」であるか「プログラム実行を停止させるための指令」であるかを確認する。「プログラム実行を継続させるための指令」である場合は、S1007に進む。「プログラム実行を停止させるための指令」である場合は、S1008に進む。
【0094】
(S1007)では、加工プログラムの実行を継続し、処理を終了する。これによってNC工作機械104は、加工準備が未完了である場合は加工準備を完了後に加工を開始し、加工準備が完了してから待機中である場合は、即座に加工を開始する。(S1008)では、加工プログラムの実行を停止し、S1009に進む。これによってNC工作機械104は、加工を開始しないまま停止する。(S1009)では、信号受信部1000がONしたプログラム実行通知信号をOFFし、処理を終了する。これによって、PLC800やMC802に加工プログラムの実行が停止中であることが通知される。信号照合部1002は、S1001〜1009を常時繰り返す。
【0095】
また、PLC800の指令信号はプログラム実行継続/停止信号だけではなく、いかなる指令信号が可能であり、指令信号を受信した制御装置は、各指令信号に従って被制御装置を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】実施の形態1に係る生産システムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る生産システムの動作の流れを示す図である。
【図3】実施の形態1におけるNC装置の内部構成を示す図である。
【図4】実施の形態1における信号受信部及び被制御装置起動部が行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1における信号照合部が行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態2に係る生産システムの構成を示す図である。
【図7】実施の形態2に係る生産システムの動作の流れを示す図である。
【図8】実施の形態2におけるNC装置の内部構成を示す図である。
【図9】実施に形態2における信号受信部及び被制御装置起動部が行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態2における信号照合部が行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態2の展開例に係る信号照合部が行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】従来の生産システムの構成例を示す図である。
【図13】従来の生産システムの動作の流れの例を示す図である。
【符号の説明】
【0097】
101、800 PLC
102、301、801 NC装置
103、302、802 MC
104 NC工作機械
105 搬送装置
106、110、300 生産システム
107、303 装置
108、304 ネットワーク・ユニット
109 サーバ
111 バス
112、116 サーボアンプ
113 主軸アンプ
114、117 サーボモータ
115 主軸モータ
201 PLC I/F部
202 MC I/F部
203、1000 信号受信部
204、1001 被制御装置起動部
205、1002 信号照合部
206 加工プログラム解析部
207 加工プログラム記憶部
208 パラメータ記憶部
209 表示装置
210 時間計測器
212 I/F部
213、1003 信号処理部
214 解析部
215 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PLCに制御される外部装置が出力する第1の信号と前記第1の信号に対応して前記PLCが出力する第2の信号とを受信する信号受信部と、
前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動部と、
前記第1の信号と前記第2の信号とを照合し、照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する信号照合部と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、
前記信号照合部は、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態とを照合する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、
前記信号照合部は、前記指令信号の内容を判別し、判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記信号照合部は、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
複数の制御装置と、
前記各制御装置と通信するPLCと、
から構成される生産システムにおいて、
前記制御装置は、
他の前記制御装置が出力する第1の信号と前記第1の信号に対応して前記PLCが出力する第2の信号とを受信する信号受信部と、
前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動部と、
前記第1の信号と前記第2の信号とを照合し、照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する信号照合部と、
を有することを特徴とする生産システム。
【請求項6】
前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、
前記信号照合部は、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態とを照合する
ことを特徴とする請求項5に記載の生産システム。
【請求項7】
前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、
前記信号照合部は、前記指令信号の内容を判別し、判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御する
ことを特徴とする請求項5または6に記載の生産システム。
【請求項8】
前記信号照合部は、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止する
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の生産システム。
【請求項9】
PLCに制御される外部装置が出力する第1の信号を受信する第1の信号受信ステップと、
前記第1の信号に対応して前記PLCが出力する第2の信号を受信する第2の信号受信ステップと、
前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動ステップと、
前記第1の信号と前記第2の信号とを照合する信号照合ステップと、
前記信号照合ステップにて照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する照合結果処理ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項10】
前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、
前記信号照合ステップは、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態とを照合する
ことを特徴とする請求項9に記載の制御方法。
【請求項11】
前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、
前記信号照合ステップは、前記指令信号の内容を判別し、
前記照合結果処理ステップは、前記信号照合ステップにて判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御する
ことを特徴とする請求項9または10に記載の制御方法。
【請求項12】
前記信号照合ステップは、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止する
ことを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の制御方法。
【請求項13】
他の制御装置が出力する第1の信号を受信する第1の信号受信ステップと、
前記第1の信号に対応してPLCが出力する第2の信号を受信する第2の信号受信ステップと、
前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動ステップと、
前記第1の信号と前記第2の信号とを照合する信号照合ステップと、
前記信号照合ステップにて照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する照合結果処理ステップと、
を有することを特徴とする、前記PLCと通信する複数の制御装置同士の通信方法。
【請求項14】
前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、
前記信号照合ステップは、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態とを照合する
ことを特徴とする請求項13に記載の通信方法。
【請求項15】
前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、
前記信号照合ステップは、前記指令信号の内容を判別し、
前記照合結果処理ステップは、前記信号照合ステップにて判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御する
ことを特徴とする請求項13または14に記載の通信方法。
【請求項16】
前記信号照合ステップは、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止する
ことを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の通信方法。
【請求項1】
PLCに制御される外部装置が出力する第1の信号と前記第1の信号に対応して前記PLCが出力する第2の信号とを受信する信号受信部と、
前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動部と、
前記第1の信号と前記第2の信号とを照合し、照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する信号照合部と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、
前記信号照合部は、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態とを照合する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、
前記信号照合部は、前記指令信号の内容を判別し、判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記信号照合部は、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
複数の制御装置と、
前記各制御装置と通信するPLCと、
から構成される生産システムにおいて、
前記制御装置は、
他の前記制御装置が出力する第1の信号と前記第1の信号に対応して前記PLCが出力する第2の信号とを受信する信号受信部と、
前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動部と、
前記第1の信号と前記第2の信号とを照合し、照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する信号照合部と、
を有することを特徴とする生産システム。
【請求項6】
前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、
前記信号照合部は、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態とを照合する
ことを特徴とする請求項5に記載の生産システム。
【請求項7】
前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、
前記信号照合部は、前記指令信号の内容を判別し、判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御する
ことを特徴とする請求項5または6に記載の生産システム。
【請求項8】
前記信号照合部は、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止する
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の生産システム。
【請求項9】
PLCに制御される外部装置が出力する第1の信号を受信する第1の信号受信ステップと、
前記第1の信号に対応して前記PLCが出力する第2の信号を受信する第2の信号受信ステップと、
前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動ステップと、
前記第1の信号と前記第2の信号とを照合する信号照合ステップと、
前記信号照合ステップにて照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する照合結果処理ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項10】
前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、
前記信号照合ステップは、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態とを照合する
ことを特徴とする請求項9に記載の制御方法。
【請求項11】
前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、
前記信号照合ステップは、前記指令信号の内容を判別し、
前記照合結果処理ステップは、前記信号照合ステップにて判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御する
ことを特徴とする請求項9または10に記載の制御方法。
【請求項12】
前記信号照合ステップは、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止する
ことを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の制御方法。
【請求項13】
他の制御装置が出力する第1の信号を受信する第1の信号受信ステップと、
前記第1の信号に対応してPLCが出力する第2の信号を受信する第2の信号受信ステップと、
前記第1の信号に基づいて被制御装置の動作を開始する被制御装置起動ステップと、
前記第1の信号と前記第2の信号とを照合する信号照合ステップと、
前記信号照合ステップにて照合した結果に基づいて前記被制御装置の動作を継続又は停止する照合結果処理ステップと、
を有することを特徴とする、前記PLCと通信する複数の制御装置同士の通信方法。
【請求項14】
前記第2の信号は、前記第1の信号と同一であり、
前記信号照合ステップは、前記第1の信号のON/OFF状態と前記第2の信号のON/OFF状態とを照合する
ことを特徴とする請求項13に記載の通信方法。
【請求項15】
前記第2の信号は、前記被制御装置の動作に関する指令信号であり、
前記信号照合ステップは、前記指令信号の内容を判別し、
前記照合結果処理ステップは、前記信号照合ステップにて判別した結果に基づいて前記被制御装置の動作を制御する
ことを特徴とする請求項13または14に記載の通信方法。
【請求項16】
前記信号照合ステップは、前記第1の信号と前記第2の信号のうち一方を受信してから所定時間経過しても他方を受信しない場合は、前記被制御装置の動作を停止する
ことを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−20611(P2010−20611A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−181596(P2008−181596)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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