制御装置及びそれを有する便器装置
【課題】省電力と停電時の処理速度の向上の両立が可能な制御装置及びそれを有する便器装置を提供する。
【解決手段】商用電源Eを整流して直流電圧を供給するADコンバータ112と、商用電源Eの停電を検出する停電検出部110と、停電検出部110に接続され、ADコンバータ112から給電を受け動作する制御部102と、制御部102に接続され、第1の発振周波数を生成する第1のクロック104と、制御部102に接続され、第1の発振周波数よりも低い第2の発振周波数を生成する第2のクロック106と、制御部102の動作を決める制御情報を記憶する不揮発性記憶部108を有し、制御部102は、第1の発振周波数で動作する高速動作モードと、第2の発振周波数で動作する低速動作モードと、を有し、低速動作モードにおいて停電検出部110から停電の検出を表す停電検出信号を受信した場合に高速動作モードに切り替わり、停電開始時に制御情報を不揮発性記憶部108に保存することを特徴とする制御装置100を提供する。
【解決手段】商用電源Eを整流して直流電圧を供給するADコンバータ112と、商用電源Eの停電を検出する停電検出部110と、停電検出部110に接続され、ADコンバータ112から給電を受け動作する制御部102と、制御部102に接続され、第1の発振周波数を生成する第1のクロック104と、制御部102に接続され、第1の発振周波数よりも低い第2の発振周波数を生成する第2のクロック106と、制御部102の動作を決める制御情報を記憶する不揮発性記憶部108を有し、制御部102は、第1の発振周波数で動作する高速動作モードと、第2の発振周波数で動作する低速動作モードと、を有し、低速動作モードにおいて停電検出部110から停電の検出を表す停電検出信号を受信した場合に高速動作モードに切り替わり、停電開始時に制御情報を不揮発性記憶部108に保存することを特徴とする制御装置100を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置及びそれを有する便器装置に係り、特に、停電時に必要な処理を実行する制御装置及びそれを有する便器装置に関する。なお、制御装置は、便器装置に専用のものに限定されないが、以下、便器装置を例に説明する。
【背景技術】
【0002】
近年、高機能な便器装置が普及するにつれて消費電力が増加し、省電力化の要請が益々高まっている。従来の便器装置において、待機時消費電力の低減として、温水ヒータ、便座ヒータの駆動する回路の主電源とメインマイコンなど小負荷を動作させる補助電源とを有し、使用者がいない場合の待機時は補助電源のみ動作させ、使用者いる場合は駆動回路用の主電源を動作させ、使用者のいない待機時の消費電力を低減させる方法や電源スイッチを有し、使用者がいない場合は電源スイッチをOFFにして待機時の消費をゼロにするなど、待機時消費電力の低減についていろいろ考案されている。
【0003】
また、特許文献1は、停電により各部の動作態様が消去されることを防止するために動作態様を不揮発性記憶部に記憶し、停電復帰後にそれを再設定することを提案している。特許文献2は、過去のトイレ使用状況を学習し、学習結果と選択された制御モードに基づいてトイレ環境の制御内容を決定することを提案している。
【0004】
その他の従来技術としては、特許文献3がある。
【特許文献1】特開平10−292463(請求項1、0068)
【特許文献2】特開2000−64387(要約)
【特許文献3】特開2000−322137(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において、制御部は、低消費動作は行っておらず、常に高速のクロックで動作しており、不揮発性記憶部は、定期的に最新の動作態様を記憶しているので、停電開始時に動作態様を改めて記憶する必要はなく、停電復帰後は定期的に記憶された最新の動作態様に基づき制御内容を復活している。
【0006】
一方、特許文献2の便器装置においては、停電時と停電復帰時とが時間的に連続しないため、停電時の動作態様を停電復帰後に復活せずに停電復帰時の過去の学習結果を利用して制御内容を決定すればよい。但し、学習の強化のために停電期間をトイレの不使用期間と区別すべきである。また、停電時に局部洗浄用ノズルの位置を把握する必要もある。
【0007】
このため、停電時に保存すべき情報が存在する。また、様々な装置に使用される制御装置においては、停電時に必要な処理が存在する。かかる処理は、データの生成、保存、信号の生成及び送信、モードの切り替えを含む。
【0008】
このように、停電時に必要な処理が存在する場合、かかる処理の省電力化を図ることが好ましい。このため、2種類の異なる発振周波数を生成する2つのクロックを用意し、待機時には制御部を低い発振周波数で動作させることが考えられる。しかし、停電時には商用電源は瞬時になくなるが、その商用電源を整流して直流電圧を供給するADコンバータは通常は平滑用コンデンサ有して電荷を蓄えているので、その電圧が徐々に減衰していく。そのために、制御部を低い発振周波数で動作させると処理完了前に制御部が動作可能な電圧より低下してしまう虞がある。
【0009】
そこで、本発明は、省電力と停電時の処理速度の向上の両立が可能な制御装置及びそれを有する便器装置を提供することを例示的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面としての制御装置は、商用電源を整流して直流電圧を供給するADコンバータと、前記商用電源の停電を検出する停電検出部と、前記停電検出部に接続され、前記ADコンバータから給電を受け動作する制御部と、前記制御部に接続され、第1の発振周波数を生成する第1のクロックと、前記制御部に接続され、前記第1の発振周波数よりも低い第2の発振周波数を生成する第2のクロックと、前記制御部の動作を決める制御情報を記憶する不揮発性記憶部を有し、前記制御部は、前記第1の発振周波数で動作する高速動作モードと、前記第2の発振周波数で動作する低速動作モードと、を有し、前記低速動作モードにおいて前記停電検出部から停電の検出を表す停電検出信号を受信した場合に前記高速動作モードに切り替わり、停電開始時に前記制御情報を前記不揮発性記憶部に保存することを特徴とする。かかる制御装置によれば、制御部は、低速動作モードで省電力化を図り、停電検出信号に応答して高速動作モードに移行して停電時に制御に必要な情報を前記不揮発性記憶部に保存することにより、停電時の設定を停電復帰後に再設定又は保存された情報で制御を再開することが可能となる。
【0011】
前記制御装置は、前記ADコンバータからの電力で動作する負荷を駆動する駆動部を更に有し、前記制御部は、前記停電検出部から停電検出信号を受信した場合に前記駆動部による前記負荷の駆動を停止させることを特徴とする。停電時に必要な処理に無関係な負荷の駆動を停止することにより、停電発生後のADコンバータの残余電力を停電時に必要な処理に費やすことができるため、ADコンバータの出力電圧が所定の電圧以下に低下するまで時間を延ばすことができる。そのため、停電時に必要な処理をより確実に実現することができる。
【0012】
前記制御装置は、対象物を検出する対象物検出部を更に有し、前記制御部は、前記対象物検出部からの対象物検出信号を受信すると前記第1のクロックを選択して前記高速動作モードに移行して前記対象物に対して必要な処理を実行し、前記対象物検出部から前記対象物検出信号を受信していないときは前記第2のクロックを選択して前記低速動作モードに移行することを特徴する。
これによって、制御装置は、対象物に対して必要な処理を高速で実行することができると共に、対象物がいないときは省電力を図ることができる。
【0013】
前記停電検出部は、例えば、前記商用電源の交流電圧のゼロクロスの有無に基づいて停電を検出してもよい。これによって、たとえば交流電圧を整流した電圧を監視するのではなく、交流電電を直接、監視することができるので商用電源の停電を迅速に検出できる。
【0014】
また、前記制御部は、前記制御情報を前記不揮発性記憶部に保存する際に、前記制御情報を前記不揮発性記憶部に書き込み、当該不揮発性記憶部から書き込んだ前記制御情報を読み出し、前記不揮発性記憶部から読み出した前記制御情報が書き込むべき情報と一致するかどうかを判断し、一致すると判断した場合に前記制御情報の保存動作を終了し、不一致と判断した場合に前記制御情報の保存動作を繰り返してもよい。このように、書き込んだデータを読み出して書き込むべきデータと照合して一致を判断することによって書き込まれたデータの信頼性が向上する。
【0015】
上述の制御装置と、便器と、当該便器の使用を検出する手段と、を更に有し、前記制御装置は、前記便器の使用情報を前記不揮発性記憶部に記憶し、当該便器の使用情報から前記便器の使用頻度を算出し、前記制御装置は、前記便器の不使用期間から前記制御装置の停電期間を除外してもよい。これにより、停電期間がトイレ不使用期間として誤って学習されることを防止することができる。
【0016】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、省電力と停電時の処理速度の向上の両立が可能な制御装置及びそれを有する便器装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例の制御装置について説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明の実施例1の制御装置100の要部ブロック図である。制御装置100は、商用電源Eに接続され、制御部102、第1のクロック104、第2のクロック106、不揮発性記憶部108、停電検出部110、ADコンバータ112(DC電源部)を有する。
【0020】
制御部102は、CPUから構成され、制御装置100の各部に接続されている。制御部102は、商用電源EからADコンバータ112を介して給電されて動作する。第1のクロック104は、第1の発振周波数を生成する。第2のクロック106は、第1の発振周波数よりも低い第2の発振周波数を生成する。第1及び第2の発振周波数は、制御部102が動作する周波数である。この結果、制御部102は、第1の発振周波数で動作する高速動作モードと、第2の発振周波数で動作する低速動作モードとを有する。高速動作モードよりも低速動作モードの方が省電力となる。不揮発性記憶部108は、内臓電池によりバックアップされるもの、フラッシュメモリなど電気的に書き込み・読み出しが可能なデバイスであり、電源遮断時にもデータが消去されない。停電検出部110は商用電源Eの停電を検出する。検出方法は、ゼロクロスの有無の検出、波形レベルの検出など限定されない。ADコンバータ112は、商用電源Eの交流電圧を整流して直流電圧に変換する。また、これはDC電源部とも言われ、スイッチングICを使用したスイッチング電源や、通常の降圧トランスと平滑回路で電源を構成してもいい。
【0021】
図2は、制御部102の動作を説明するためのフローチャートである。
【0022】
まず、制御部102は、第2のクロック106の第2の発振周波数を利用した低速動作モードで動作する(ステップ1002)。これにより、省電力化を図ることができる。次に、制御部102は、停電検出部110から停電の検出を表す停電検出信号を受信したかどうかを判断する(ステップ1004)。制御部102は停電検出信号を受信するまで制御部102は低速動作モードを継続する。
【0023】
制御部102は、停電検出部110から停電検出信号を割り込み信号として受信したと判断すると(ステップ1004)、第1のクロック104を選択して第1の発振周波数で動作する(ステップ1006)。この結果、この結果、制御部102は、低速動作モードから高速動作モードに切り替わる。その後、制御部102は、停電時に必要な処理を実行する(ステップ1008)。
【0024】
商用電源Eの交流電圧が低下し始めると、ADコンバータ112への電源供給がなくなり、制御部102に供給されるADコンバータ112からの直流電圧が低下し始める。しかし、制御部102はステップ1006で高速動作モードに移行しているので停電時に必要な処理を高速かつ確実に行うことができる。停電時に必要な処理は、データの生成、保存、信号の生成及び送信、モードの切り替えを含む。
【0025】
制御装置100によれば、制御部102は、低速動作モードで省電力化を図り、停電検出信号に応答して高速動作モードに移行して停電時に必要な処理を高速かつ確実に行うことができる。
【0026】
図3に図2に示す動作の変形例を示す。図3に示すフローチャートは、図2のステップ1008の具体例として、ステップ1008の代わりに、制御に必要な情報を不揮発性記憶部108に保存するステップ1009を有する。その他は図2と同様の参照符号を付して説明を省略する。
【0027】
制御に必要な情報は、制御部102が制御する図示しない機能部の動作態様の情報(位置、動作モード、温度、供給されている動力値など)、停電の発生、停電の発生時刻などを含むが、これらに限定されるものではない。また、保存は、単なる書き込みでもよいし、書き込み後にデータを読み出して保存されるべきデータと照合して一致を判断し、不一致の場合には再度書き込みを実行するものであってもよい。図3に示す実施例により、停電時の設定を停電復帰後に再設定又は保存された情報で制御を再開することができる。
【実施例2】
【0028】
図4は、本発明の実施例2の制御装置100Aの要部ブロック図である。制御装置100Aは、制御装置100と同様であるが、制御装置100とは、対象物検出部114、駆動部116を有する点で相違する。
【0029】
対象物検出部114は、停電以外の対象物を検出する。対象物の種類は特に限定されず、有体物(生物、車両、その他の物体)や無体物(音、光、振動、電波、温度、電圧、磁気など)を含む。検出には、各種のセンサ(圧力センサ、光センサ、磁気センサなど)を使用することができる。
【0030】
駆動部116は、制御部102により制御され、DC負荷70を駆動する。DC負荷70は、商用電源EからADコンバータ112を介して得られる直流電源で動作し、例えば、発光ダイオード(LED)などのランプ、ヒータを駆動するフォトカプラー、モータなどを含むが、これらに限定されない。図5は、駆動部116とDC負荷70の一例を示す回路図である。駆動部116は制御部102によってオンオフされるスイッチを含み、DC負荷70はLEDを含む。
【0031】
図6は、制御装置100Aにおける制御部102の動作を説明するためのフローチャートである。
【0032】
まず、制御部102は、対象物検出部114から対象物の検出を表す対象物検出信号を割り込み信号として受信したかどうか判断する(ステップ1102)。制御部102は、対象物検出信号を受信していなければ、第2のクロック106を選択して第2の発振周波数を利用した低速動作モードで動作する(ステップ1104)。これにより、省電力化を図ることができる。
【0033】
次に、制御部102は、停電検出部110から停電検出信号を受信したかどうかを判断する(ステップ1106)。制御部102は、停電検出信号を受信するまで低速動作モードを継続する。制御部102は、停電検出部110から停電検出信号を割り込み信号として受信したと判断すると(ステップ1106)、第1のクロック104を選択して第1の発振周波数で動作する(ステップ1108)。この結果、制御部102は、低速動作モードから高速動作モードに切り替わる。
【0034】
次に、制御部102は、駆動部116によるDC負荷70の駆動を停止させる(ステップ1110)。図5であれば、駆動部116のスイッチを切ってDC負荷70への通電を停止する。その後、制御部102は、停電時に必要な処理を実行する(ステップ1112)。このように、本実施例の制御部102は、停電時に必要な処理に無関係なDC負荷70の駆動をステップ1110において停止する。これにより、停電発生後に徐々に減衰するADコンバータ112による直流電圧を制御部102の処理のために有効に利用することができ、停電時に必要な処理をより確実に実現することができる。
【0035】
一方、制御部102は、対象物検出信号を受信すれば(ステップ1102)、第1のクロック104を選択して第1の発振周波数を利用した高速動作モードで動作する(ステップ1114)。その後、制御部102は、対象物に対して必要な処理を実行する(ステップ1116)。対象物に対して必要な処理は、特に限定されないが、例えば、対象物の洗浄、監視、測定、移動を含む。このように、制御装置100Aは対象物に対して必要な処理を行うことを目的としており、制御部102が対象物検出信号を受信するまでは待機状態であるといえる。
【0036】
次に、制御部102は、停電検出部110から停電検出信号を受信したかどうかを判断する(ステップ1116)。制御部102は停電検出信号を受信するまで高速動作モードを継続する。制御部102は、停電検出部110から停電検出信号を割り込み信号として受信したと判断すると(ステップ1106)、ステップ1110に移動する。制御部102は、高速動作モードにおいて、停電時に必要な処理を高速かつ確実に行うことができる。
【0037】
本実施例の制御装置100Aによれば、制御部102は、停電時にDC負荷70への駆動を停止して残余電力を停電時に必要な処理に集中させることによって停電時に必要な処理を高速かつ確実に行うことができる。また、制御装置100Aは、対象物に対して必要な処理を高速で実行することができると共に、対象物がいないときは省電力を図ることができる。
【0038】
なお、本実施例では、負荷はDC負荷70のみであるが、商用電源Eに接続された図示しないAC負荷を更に含んでもよい。この場合も、制御部102は、停電時にAC負荷の図示しない駆動部による駆動を停止させる。
【実施例3】
【0039】
以下、図7乃至図12を参照して、本発明の制御装置100Bを有する便器装置1について説明する。ここで、図7は、本発明の実施例3の便器装置1の部分透過斜視図である。
【0040】
便器装置1は、水洗大便器としての便器10と、便器10にC方向に開閉可能に取り付けられた便蓋90と、図7には図示しない制御装置100Bと、を有する。便器10は、便器本体11と、便器本体11にC方向に開閉自在に構成された便座12と、を有する。本実施例の便器本体11は、洗浄水を収納するタンクを収納するが、本発明はタンクレスタイプにも適用可能である。
【0041】
便器本体11は、ケーシング13と、通風部14と、図7には図示しない各種の機能部と、を有する。
【0042】
ケーシング13は、便器本体11に固定されると共に便座12及び便蓋90をC方向に開閉自在に保持する。また、ケーシング13は機能部を収納する。
【0043】
通風部14には、使用者の好みの香りのトレイが挿脱可能に構成されており、トイレ室を香りで満たすことができる。
【0044】
機能部は、便蓋90の自動開閉ユニットと、局部洗浄用のノズルユニット、温風乾燥ユニット、暖房便座ユニット、対象物検出部114A、便器洗浄ユニット、脱臭ユニットを含むが、これらに限定されるものではない。
【0045】
自動開閉ユニットは、使用者が便器10に近づくと開口し、遠ざかると閉口する。
【0046】
ノズルユニットは、お尻洗浄用ノズルと、ビデ洗浄用ノズルを含み、自洗機能を有する。お尻洗浄用ノズルは、お尻の通常洗浄、通常洗浄よりも水圧が弱いやわらか洗浄、ノズルが前後に移動するムーブ洗浄、水勢に強弱があるマッサージ洗浄を実現可能である。また、洗浄方式も、水玉を連続的に噴射したり、螺旋状に洗浄水を噴射したりすることができる。ノズルの洗浄位置も調節可能である。洗浄水の温度は図示しないサーミスタによって測定され、制御装置100Bは、サーミスタの温度が設定温度になるように洗浄水を加熱するヒータへの通電を制御する。
【0047】
温風乾燥ユニットは局部に温風をあてて乾燥する。温風の温度は図示しないサーミスタによって測定され、制御装置100Bは、サーミスタの温度が設定温度になるように空気を加熱するヒータへの通電を制御する。
【0048】
暖房便座ユニットは便座12を暖める。暖房便座ユニットは、便座12内に埋設された便座ヒータ12aと、便座12の温度を測定する便座サーミスタ12bと、を有する。制御装置100は、便座サーミスタ12bの温度が設定温度になるように便座ヒータ12aへの通電を制御する。
【0049】
対象物検出部114Aは、着座センサ15及び人体検知センサ16を有する。
【0050】
着座センサ15は、使用者が便器10に着座したかどうか検知する。本実施例では、着座センサ15は、対象物である使用者の着座を検知する対象物検出部として機能する。着座センサ15は、例えば、便器装置からの距離を測定することができる光学式の測距センサを使用する。
【0051】
人体検知センサ16は、使用者が便器装置前にいるかを検知する。本実施例では、人体検知センサ16は、対象物である使用者が便器装置に近づくと便蓋90を自動的に開けたり、図示しないライトを点灯させたりする。例えば、人体検知センサは温度の分布移動を検知する焦電センサを使用する。
【0052】
便器洗浄ユニットは、使用者が便座12から立ち上がると自動的に便器内の水を流す。脱臭ユニットは、使用者が便座12から立ち上がると強力に脱臭する機能と、使用者が使用中及びその後の脱臭を行う機能を有する。
【0053】
図8は、制御装置100Bの要部ブロック図である。制御装置100Bは、制御部102A、第1のクロック104A、第2のクロック106A、不揮発性記憶部108A、停電検出部110A、ADコンバータ112、対象物検出部114A、駆動部116、タイマ117、受信部118、内蔵時計119、補助操作部120、リモコン130を有する。制御装置100Bのうちリモコン130以外は便器本体11に設けられる。制御装置100Bは、実際には、ROM、RAM、インターフェース、バスなどを含むが図8においては省略されている。また、DC負荷70は機能部の一部であってもよい。
【0054】
制御部102Aは、対象物検出部114A、停電検出部110A、ADコンバータ112、補助操作部120及び各種の機能部と接続されると共にワイヤレスでリモコン130と接続されている。
【0055】
第1のクロック104Aは、制御部102Aに接続され、例えば、12MHzの第1の発振周波数を生成する。第2のクロック106Aは、制御部102Aに接続され、第1の発振周波数よりも低い、例えば、32.768kHzの第2の発振周波数を生成する。第1及び第2の発振周波数は、制御部102Aが動作する周波数である。このため、制御部102Aは、第1の発振周波数で動作する高速動作モードと、第2の発振周波数で動作する低速動作モードとを有する。高速動作モードよりも低速動作モードの方が省電力となる。制御部102Aは、着座センサ15が使用者を検知すると第1のクロック104Aを選択して高速動作モードに移行し、着座センサ15が使用者を検知していないときは第2のクロック106Aを選択して低速動作モードに移行する。
【0056】
不揮発性記憶部108Aは、EEPROM、バックアップRAMなどである。不揮発性記憶部108Aは、内臓電池によりバックアップされるもの、フラッシュメモリなど電気的に書き込み・読み出しが可能なデバイスであり、電源遮断時にもデータが消去されない。
【0057】
図9は、不揮発性記憶部108AがEEPROMから構成される場合の割付を示している。本実施例では、不揮発性記憶部108Aが記憶(保存)するデータ(情報)は、停電とは無関係に記憶する第1のデータと、停電時に記憶する第2のデータを含む。
【0058】
第1のデータは、便器装置1の機種やシリーズなどを識別する識別コード、局部洗浄水の設定温度、便座12の設定温度、その他の設定状態、通電時間、使用回数、各種の異常状態を含む。これらの異常状態としては、対象物検出部114Aの異常状態、局部洗浄水の温度を測定するサーミスタの異常状態、メインテナンス時期に到達したことを含む。第1のデータを不揮発性記憶部108Aに記憶する処理は特許文献1と同様の方法を用いることができる。このように、不揮発性記憶部108Aは、特許文献1のように、機能部の動作態様の情報を保持している。また、不揮発性記憶部108Aは、後述する学習情報も格納している。
【0059】
第2のデータは、停電の発生、停電の発生時刻、局部洗浄用のノズルの収納状態を含む。制御部102Aは、停電時に、即ち、停電検出部110Aが停電を検出した時に、第2のデータを不揮発性記憶部108Aに保存する。
【0060】
停電検出部110Aは、商用電源Eの停電を検出し、ゼロクロス検出回路110Aaと、タイマ110Abと、判断部110Acとを有する。商用電源Eから供給される交流電圧は時間と共にsin波を描き、半周期ごとに極性が反転する。従って、最後にゼロクロス(交流電圧がグラウンドを横切る点)を検出してから半周期後に次のゼロクロスが検出されない場合に停電が発生したと考えられる。ゼロクロス検出回路110Aaは、商用電源Eの交流電圧のゼロクロスを検出する。タイマ110Abは、ゼロクロス検出回路110Aaが検出したゼロクロスに同期して計時を行う。判断部110Acは、最後にゼロクロス検出回路110Aaがゼロクロスを検出してからタイマ110Abが計時した半周期後に次のゼロクロスが検出されたかどうかを判断し、検出されなければ直ちに停電検出信号を制御部102Aに送信する。ゼロクロス検出回路110Aaは、例えば、図10の構成を有するが、これに限定されず、当業界で周知の構成を利用することができる。
【0061】
ADコンバータ112は、商用電源Eの交流電圧を整流して直流電圧に変換する。タイマ117は、制御部102Aによる動作制御の下で計時する。受信部118は、リモコン130からデータ並びに現在の時刻を受信する。内蔵時計119はリモコン130からの情報によって一日一回修正されながら時刻を計時する。
【0062】
補助操作部120は、図7の通風部14と反対側に設けられて使用者によって操作される。補助操作部120は、運転スイッチと、ビデスイッチと、お尻スイッチとを有する。運転スイッチは、制御装置100Bの電源をオン又はオフにするスイッチである。ビデスイッチは、ビデ洗浄用ノズルの突出及び吐水開始(オン)、及び、吐水停止及び退避(オフ)を行うスイッチである。お尻スイッチは、お尻洗浄用ノズルの突出及び吐水開始(オン)、及び、吐水停止及び退避(オフ)を行うスイッチである。
【0063】
リモコン130は、液晶パネルと、時計、スイッチ群とを有し、制御部102Aとワイヤレスで通信を行う通信機器である。時計は、現在の時刻を計時し、かかる時刻を制御部102Aに通知する。スイッチ群は、局部洗浄水の水勢を調節するスイッチ、マッサージ洗浄用のスイッチ、温風乾燥ユニットを駆動するスイッチ、脱臭用スイッチ、ノズルの洗浄位置を調節するスイッチを含む。
【0064】
リモコン130は、運転スイッチ、ビデスイッチ、お尻スイッチ、やわらかスイッチ、節電用の複数のスイッチを更に有する。やわらかスイッチは、やわらか洗浄のためのスイッチである。節電用のスイッチは、トイレの使用頻度を記憶し、通常使用しない時間帯は便座温度を下げる又は電源を切るスイッチ、毎日同じ時刻に自動的にヒータを切って節電するスイッチを含む。このように、本実施例の便器装置1は学習機能を有する。
【0065】
上述したように、不揮発性記憶部108Aは、機能部の動作態様の情報を保持するために、停電復帰時に停電時の制御内容を復元することは可能である。しかし、停電時と停電復帰時との間には時間的な連続性がないために、停電時に不揮発性記憶部108Aに記憶された動作態様を停電復帰後に単純に再設定することは好ましくない。そこで、本実施例では、停電復帰時の制御に停電復帰時の過去の学習結果を利用している。但し、本実施例では、停電時の学習の強化のために、第2のデータを不揮発性記憶部108Aに保存している。この結果、停電期間と使用者によるトイレの不使用期間とを区別することができる。
【0066】
以下、図11及び図12を参照して、制御部102Aの動作について説明する。ここで、図11は、制御部102Aの動作を説明するためのフローチャートである。図12は、図11のタイミングチャートである。
【0067】
まず、制御部102Aは、着座センサ15から使用者の着座を表す着座検出信号を割り込み信号として受信したかどうか判断する(ステップ1202)。制御部102Aは、着座検出信号を受信していなければ、第2のクロック106Aを選択して第2の発振周波数を利用した低速動作モードで動作する(ステップ1204)。これにより、待機時の省電力化を図ることができる。図12においては、低速動作モードがオン状態であり、高速動作モードがオフ状態である。
【0068】
次に、制御部102Aは、停電検出部110Aから停電検出信号を割り込み信号として受信したかどうかを判断する(ステップ1206)。制御部102Aは、停電検出信号を受信するまで低速動作モードを継続する。
【0069】
図12に示すように、商用電源Eの交流電圧(本実施例ではAC100V)のゼロクロスが実線で示す位置で終了した場合、最後に検出したゼロクロス位置Aの半周期後の位置Bにゼロクロスが現れない。このため、停電検出部110Aの判断部110Acは、位置Bにおいて停電発生信号を制御部102Aに送信する。これにより、制御部102Aは、停電検出部110Aから停電の発生を通知される。また、制御部102Aは、内蔵時計119とリモコン130からの通知により現在の時刻を知ることができるので、停電の発生時刻を取得することができる(ステップ1208)。
【0070】
制御部102Aは、停電検出信号を受信したと判断すると(ステップ1206)、これに応答して、第1のクロック104Aを選択して第1の発振周波数で動作する(ステップ1210)。この結果、制御部102Aは、低速動作モードから高速動作モードに切り替わる。図12においては、低速動作モードがオフ状態となり、高速動作モードがオン状態になる。
【0071】
また、制御部102Aは、停電検出部110Aからの停電発生信号に応答して、タイマ117に計時開始を命令し(ステップ1212)、この結果、タイマ117は計時を開始する。
【0072】
次に、制御部102Aは、駆動部116によるDC負荷70の駆動を停止させる(ステップ1214)。実施例2と同様に、DC負荷70の駆動を停止することにより、第2のデータの保存をより確実に実現することができる。
【0073】
次に、制御部102は、第2のデータを不揮発性記憶部108Aに保存する(ステップ1216)。図13は、制御部102Aと不揮発性記憶部108Aの信号のやり取りを示す図である。図中、CK(クロック)は、データを書き込むタイミングをとるのに使用される発振周波数である。DO(データアウト)は、制御部102Aから不揮発性記憶部108Aへ書き込むデータを表す。DI(データイン)は、不揮発性記憶部108Aに書き込んだデータを制御部102Aが読み出すデータを表す。CS(チップセレクト)は、データの保存終了を表す信号である。
【0074】
制御部102Aは、第2のデータを不揮発性記憶部108Aに保存する際に、書き込みと読み込みとを行う。具体的には、図14に示すように、まず制御部102Aは第2のデータを不揮発性記憶部108Aに書き込む(ステップ1302)。書き込み時のクロックCKは第1のクロック104Aからの第1の発振周波数である。次に、制御部102Aは不揮発性記憶部108Aから書き込んだデータを読み出す(ステップ1304)。読み出し時のクロックCKは第1のクロック104Aからの第1の発振周波数である。次に、制御部102Aは、不揮発性記憶部108Aから読み出したデータと書き込むべき第2のデータとを照合してそれらが一致するかどうかを判断する(ステップ1306)。制御部102Aは、一致すると判断した場合には保存処理を終了し、不一致と判断した場合にはステップ1302に帰還して保存動作をやり直す。
【0075】
図11に戻り、次に、制御部102Aは、タイマ117が185msを計時したかどうかを判断する(ステップ1218)。計時したと判断したらリセット信号を制御装置100Bの各部に送信する(ステップ1220)。本実施例では、ステップ1210において制御部102Aは高速動作モードに移行しているので、図12に示すように、不揮発性記憶部108Aへの第2のデータの書き込みと読み込みが約10ms(T1ms)で終了する。その後のリセットまでの時間、175ms(T2ms)は保存不良であった場合のやり直しを行うのに十分な期間である。このため、リセット信号が送出される前に不揮発性記憶部108Aへの保存を完了することができる。リセット信号は、各部を再起動させる信号である。
【0076】
もし制御部102Aが高速動作モードに移行せずに低速動作モードのままであった場合は、図15に示すように、不揮発性記憶部108Aへの第2のデータの書き込みをする時間がT3時間(ここでは5000ms程度)必要であるため、リセット信号が不揮発性記憶部108Aへの保存中に送出されてしまい、保存が未完了となる。図15では保存動作中にリセット信号が送信されているように示しているが、この場合、リセット信号送信後の保存は中止されることになる。
【0077】
図11に戻り、一方、制御部102Aは、着座センサ15から着座検出信号を受信すると(ステップ1202)、第1のクロック104Aを選択して第1の発振周波数を利用した高速動作モードで動作する(ステップ1222)。その後、制御部102Aは、使用者に対して洗浄、乾燥、その他の必要な処理を高速動作モードで実行する(ステップ1224)。第1のデータの不揮発性記憶部108Aへの保存もこのとき行われる。
【0078】
次に、制御部102Aは、停電検出部110Aから停電検出信号を受信したかどうかを判断する(ステップ1226)。制御部102Aは停電検出信号を受信するまで高速動作モードを継続する。制御部102Aは、停電検出部110Aから停電検出信号を割り込み信号として受信したと判断すると(ステップ1226)、ステップ1208に移動する。制御部102Aは、高速動作モードにおいて、停電時に必要な処理を高速かつ確実に行うことができる。
【0079】
以下、図16を参照して、停電復帰後の処理について説明する。まず、不揮発性記憶部108Aが記憶する学習情報について説明する。制御装置100Bは、トイレの使用情報を記憶し、そこからトイレの使用頻度を算出する。かかる行為を本実施例では「学習」とも呼ぶ。予め設定されている機能部の制御モードと、算出したトイレ使用頻度とに基づいて機能部の制御内容を決定することで、快適なトイレの使用を損なうことなく、エネルギ消費の節約を図ることができる。
【0080】
トイレの使用時刻は内蔵時計119により知ることができる。トイレの使用は特許文献2に開示されているように、トイレの使用、大便・小便の識別は、対象物検出部114Aなどの各種センサや使用者による各種スイッチの操作を利用して検出することができる。トイレの使用を検出すると、トイレの使用時刻に関連する情報と共にトイレ使用情報として一旦蓄積し、その後、蓄積したトイレ使用情報からトイレの使用頻度を算出する。例えば、1日24時間を45分刻みで32個のブロックに分割し、各ブロックにおいてトイレを使用した回数という形態でトイレ使用情報を記憶する。トイレ使用頻度の予測は、トイレ使用情報に演算を施すことによって行う。
【0081】
図16は、停電復帰後の制御部102Aによる動作を説明するためのフローチャートである。まず、制御部102Aはリモコン130から時刻データを受信したかどうかを判断する(ステップ1402)。制御部102Aは受信するまで待機する。制御部102Aはリモコン130から時刻データを受信したと判断すると(ステップ1402)、不揮発性記憶部108Aに記憶された第2のデータに基づいて学習情報を更新する(ステップ1404)。この際、局部洗浄用のノズルが突出していれば初期位置に戻す。また、停電期間はトイレの不使用期間から除外される。これにより、停電期間が、トイレ不使用期間として誤って認識されることを防止することができる。その後、制御部102Aは、不揮発性記憶部108Aに記憶された学習機能に基づいて復帰開始時の制御を開始する(ステップ1406)。
【0082】
以上、各種の実施例について説明してきたが、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で変形及び変更が可能である。例えば、本実施例では、停電時に保存する情報は第2のデータのみであるが第1のデータを併せて又は第2のデータに代えて保存してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施例1の制御装置の要部ブロック図である。
【図2】図1に示す制御装置の制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】図2の変形例のフローチャートである。
【図4】本発明の実施例2の制御装置の要部ブロック図である。
【図5】図4に示す制御装置の駆動部とDC負荷の一例を示す回路図である。
【図6】図4に示す制御装置の制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の実施例3の便器装置の部分透過斜視図である。
【図8】図7に示す便器装置の制御装置の要部ブロック図である。
【図9】図8に示す不揮発性記憶部がEEPROMから構成される場合のデータの割付を示す図である。
【図10】図8に示す停電検出部のゼロクロス検出回路の回路図の一例である。
【図11】図8に示す制御装置の制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】図11の動作のタイミングチャートである。
【図13】図8に示す制御部と不揮発性記憶部との信号のやり取りを示す図である。
【図14】図11に示すステップ1216の詳細を説明するフローチャートである。
【図15】停電検出信号に拘らず制御部が低速動作モードに維持されて不揮発性記憶部に第2のデータを保存する場合のタイミングチャートである。
【図16】停電復帰後の処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1 便器装置
15 着座センサ
100−100B 制御装置
102、102A 制御部
104、104A 第1のクロック
106、106A 第2のクロック
108、108A 不揮発性記憶部
110、110A 停電検出部
112 ADコンバータ
114,114A 対象物検出部
116 駆動部
118 受信部
119 内蔵時計
130 リモコン
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置及びそれを有する便器装置に係り、特に、停電時に必要な処理を実行する制御装置及びそれを有する便器装置に関する。なお、制御装置は、便器装置に専用のものに限定されないが、以下、便器装置を例に説明する。
【背景技術】
【0002】
近年、高機能な便器装置が普及するにつれて消費電力が増加し、省電力化の要請が益々高まっている。従来の便器装置において、待機時消費電力の低減として、温水ヒータ、便座ヒータの駆動する回路の主電源とメインマイコンなど小負荷を動作させる補助電源とを有し、使用者がいない場合の待機時は補助電源のみ動作させ、使用者いる場合は駆動回路用の主電源を動作させ、使用者のいない待機時の消費電力を低減させる方法や電源スイッチを有し、使用者がいない場合は電源スイッチをOFFにして待機時の消費をゼロにするなど、待機時消費電力の低減についていろいろ考案されている。
【0003】
また、特許文献1は、停電により各部の動作態様が消去されることを防止するために動作態様を不揮発性記憶部に記憶し、停電復帰後にそれを再設定することを提案している。特許文献2は、過去のトイレ使用状況を学習し、学習結果と選択された制御モードに基づいてトイレ環境の制御内容を決定することを提案している。
【0004】
その他の従来技術としては、特許文献3がある。
【特許文献1】特開平10−292463(請求項1、0068)
【特許文献2】特開2000−64387(要約)
【特許文献3】特開2000−322137(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において、制御部は、低消費動作は行っておらず、常に高速のクロックで動作しており、不揮発性記憶部は、定期的に最新の動作態様を記憶しているので、停電開始時に動作態様を改めて記憶する必要はなく、停電復帰後は定期的に記憶された最新の動作態様に基づき制御内容を復活している。
【0006】
一方、特許文献2の便器装置においては、停電時と停電復帰時とが時間的に連続しないため、停電時の動作態様を停電復帰後に復活せずに停電復帰時の過去の学習結果を利用して制御内容を決定すればよい。但し、学習の強化のために停電期間をトイレの不使用期間と区別すべきである。また、停電時に局部洗浄用ノズルの位置を把握する必要もある。
【0007】
このため、停電時に保存すべき情報が存在する。また、様々な装置に使用される制御装置においては、停電時に必要な処理が存在する。かかる処理は、データの生成、保存、信号の生成及び送信、モードの切り替えを含む。
【0008】
このように、停電時に必要な処理が存在する場合、かかる処理の省電力化を図ることが好ましい。このため、2種類の異なる発振周波数を生成する2つのクロックを用意し、待機時には制御部を低い発振周波数で動作させることが考えられる。しかし、停電時には商用電源は瞬時になくなるが、その商用電源を整流して直流電圧を供給するADコンバータは通常は平滑用コンデンサ有して電荷を蓄えているので、その電圧が徐々に減衰していく。そのために、制御部を低い発振周波数で動作させると処理完了前に制御部が動作可能な電圧より低下してしまう虞がある。
【0009】
そこで、本発明は、省電力と停電時の処理速度の向上の両立が可能な制御装置及びそれを有する便器装置を提供することを例示的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面としての制御装置は、商用電源を整流して直流電圧を供給するADコンバータと、前記商用電源の停電を検出する停電検出部と、前記停電検出部に接続され、前記ADコンバータから給電を受け動作する制御部と、前記制御部に接続され、第1の発振周波数を生成する第1のクロックと、前記制御部に接続され、前記第1の発振周波数よりも低い第2の発振周波数を生成する第2のクロックと、前記制御部の動作を決める制御情報を記憶する不揮発性記憶部を有し、前記制御部は、前記第1の発振周波数で動作する高速動作モードと、前記第2の発振周波数で動作する低速動作モードと、を有し、前記低速動作モードにおいて前記停電検出部から停電の検出を表す停電検出信号を受信した場合に前記高速動作モードに切り替わり、停電開始時に前記制御情報を前記不揮発性記憶部に保存することを特徴とする。かかる制御装置によれば、制御部は、低速動作モードで省電力化を図り、停電検出信号に応答して高速動作モードに移行して停電時に制御に必要な情報を前記不揮発性記憶部に保存することにより、停電時の設定を停電復帰後に再設定又は保存された情報で制御を再開することが可能となる。
【0011】
前記制御装置は、前記ADコンバータからの電力で動作する負荷を駆動する駆動部を更に有し、前記制御部は、前記停電検出部から停電検出信号を受信した場合に前記駆動部による前記負荷の駆動を停止させることを特徴とする。停電時に必要な処理に無関係な負荷の駆動を停止することにより、停電発生後のADコンバータの残余電力を停電時に必要な処理に費やすことができるため、ADコンバータの出力電圧が所定の電圧以下に低下するまで時間を延ばすことができる。そのため、停電時に必要な処理をより確実に実現することができる。
【0012】
前記制御装置は、対象物を検出する対象物検出部を更に有し、前記制御部は、前記対象物検出部からの対象物検出信号を受信すると前記第1のクロックを選択して前記高速動作モードに移行して前記対象物に対して必要な処理を実行し、前記対象物検出部から前記対象物検出信号を受信していないときは前記第2のクロックを選択して前記低速動作モードに移行することを特徴する。
これによって、制御装置は、対象物に対して必要な処理を高速で実行することができると共に、対象物がいないときは省電力を図ることができる。
【0013】
前記停電検出部は、例えば、前記商用電源の交流電圧のゼロクロスの有無に基づいて停電を検出してもよい。これによって、たとえば交流電圧を整流した電圧を監視するのではなく、交流電電を直接、監視することができるので商用電源の停電を迅速に検出できる。
【0014】
また、前記制御部は、前記制御情報を前記不揮発性記憶部に保存する際に、前記制御情報を前記不揮発性記憶部に書き込み、当該不揮発性記憶部から書き込んだ前記制御情報を読み出し、前記不揮発性記憶部から読み出した前記制御情報が書き込むべき情報と一致するかどうかを判断し、一致すると判断した場合に前記制御情報の保存動作を終了し、不一致と判断した場合に前記制御情報の保存動作を繰り返してもよい。このように、書き込んだデータを読み出して書き込むべきデータと照合して一致を判断することによって書き込まれたデータの信頼性が向上する。
【0015】
上述の制御装置と、便器と、当該便器の使用を検出する手段と、を更に有し、前記制御装置は、前記便器の使用情報を前記不揮発性記憶部に記憶し、当該便器の使用情報から前記便器の使用頻度を算出し、前記制御装置は、前記便器の不使用期間から前記制御装置の停電期間を除外してもよい。これにより、停電期間がトイレ不使用期間として誤って学習されることを防止することができる。
【0016】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、省電力と停電時の処理速度の向上の両立が可能な制御装置及びそれを有する便器装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例の制御装置について説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明の実施例1の制御装置100の要部ブロック図である。制御装置100は、商用電源Eに接続され、制御部102、第1のクロック104、第2のクロック106、不揮発性記憶部108、停電検出部110、ADコンバータ112(DC電源部)を有する。
【0020】
制御部102は、CPUから構成され、制御装置100の各部に接続されている。制御部102は、商用電源EからADコンバータ112を介して給電されて動作する。第1のクロック104は、第1の発振周波数を生成する。第2のクロック106は、第1の発振周波数よりも低い第2の発振周波数を生成する。第1及び第2の発振周波数は、制御部102が動作する周波数である。この結果、制御部102は、第1の発振周波数で動作する高速動作モードと、第2の発振周波数で動作する低速動作モードとを有する。高速動作モードよりも低速動作モードの方が省電力となる。不揮発性記憶部108は、内臓電池によりバックアップされるもの、フラッシュメモリなど電気的に書き込み・読み出しが可能なデバイスであり、電源遮断時にもデータが消去されない。停電検出部110は商用電源Eの停電を検出する。検出方法は、ゼロクロスの有無の検出、波形レベルの検出など限定されない。ADコンバータ112は、商用電源Eの交流電圧を整流して直流電圧に変換する。また、これはDC電源部とも言われ、スイッチングICを使用したスイッチング電源や、通常の降圧トランスと平滑回路で電源を構成してもいい。
【0021】
図2は、制御部102の動作を説明するためのフローチャートである。
【0022】
まず、制御部102は、第2のクロック106の第2の発振周波数を利用した低速動作モードで動作する(ステップ1002)。これにより、省電力化を図ることができる。次に、制御部102は、停電検出部110から停電の検出を表す停電検出信号を受信したかどうかを判断する(ステップ1004)。制御部102は停電検出信号を受信するまで制御部102は低速動作モードを継続する。
【0023】
制御部102は、停電検出部110から停電検出信号を割り込み信号として受信したと判断すると(ステップ1004)、第1のクロック104を選択して第1の発振周波数で動作する(ステップ1006)。この結果、この結果、制御部102は、低速動作モードから高速動作モードに切り替わる。その後、制御部102は、停電時に必要な処理を実行する(ステップ1008)。
【0024】
商用電源Eの交流電圧が低下し始めると、ADコンバータ112への電源供給がなくなり、制御部102に供給されるADコンバータ112からの直流電圧が低下し始める。しかし、制御部102はステップ1006で高速動作モードに移行しているので停電時に必要な処理を高速かつ確実に行うことができる。停電時に必要な処理は、データの生成、保存、信号の生成及び送信、モードの切り替えを含む。
【0025】
制御装置100によれば、制御部102は、低速動作モードで省電力化を図り、停電検出信号に応答して高速動作モードに移行して停電時に必要な処理を高速かつ確実に行うことができる。
【0026】
図3に図2に示す動作の変形例を示す。図3に示すフローチャートは、図2のステップ1008の具体例として、ステップ1008の代わりに、制御に必要な情報を不揮発性記憶部108に保存するステップ1009を有する。その他は図2と同様の参照符号を付して説明を省略する。
【0027】
制御に必要な情報は、制御部102が制御する図示しない機能部の動作態様の情報(位置、動作モード、温度、供給されている動力値など)、停電の発生、停電の発生時刻などを含むが、これらに限定されるものではない。また、保存は、単なる書き込みでもよいし、書き込み後にデータを読み出して保存されるべきデータと照合して一致を判断し、不一致の場合には再度書き込みを実行するものであってもよい。図3に示す実施例により、停電時の設定を停電復帰後に再設定又は保存された情報で制御を再開することができる。
【実施例2】
【0028】
図4は、本発明の実施例2の制御装置100Aの要部ブロック図である。制御装置100Aは、制御装置100と同様であるが、制御装置100とは、対象物検出部114、駆動部116を有する点で相違する。
【0029】
対象物検出部114は、停電以外の対象物を検出する。対象物の種類は特に限定されず、有体物(生物、車両、その他の物体)や無体物(音、光、振動、電波、温度、電圧、磁気など)を含む。検出には、各種のセンサ(圧力センサ、光センサ、磁気センサなど)を使用することができる。
【0030】
駆動部116は、制御部102により制御され、DC負荷70を駆動する。DC負荷70は、商用電源EからADコンバータ112を介して得られる直流電源で動作し、例えば、発光ダイオード(LED)などのランプ、ヒータを駆動するフォトカプラー、モータなどを含むが、これらに限定されない。図5は、駆動部116とDC負荷70の一例を示す回路図である。駆動部116は制御部102によってオンオフされるスイッチを含み、DC負荷70はLEDを含む。
【0031】
図6は、制御装置100Aにおける制御部102の動作を説明するためのフローチャートである。
【0032】
まず、制御部102は、対象物検出部114から対象物の検出を表す対象物検出信号を割り込み信号として受信したかどうか判断する(ステップ1102)。制御部102は、対象物検出信号を受信していなければ、第2のクロック106を選択して第2の発振周波数を利用した低速動作モードで動作する(ステップ1104)。これにより、省電力化を図ることができる。
【0033】
次に、制御部102は、停電検出部110から停電検出信号を受信したかどうかを判断する(ステップ1106)。制御部102は、停電検出信号を受信するまで低速動作モードを継続する。制御部102は、停電検出部110から停電検出信号を割り込み信号として受信したと判断すると(ステップ1106)、第1のクロック104を選択して第1の発振周波数で動作する(ステップ1108)。この結果、制御部102は、低速動作モードから高速動作モードに切り替わる。
【0034】
次に、制御部102は、駆動部116によるDC負荷70の駆動を停止させる(ステップ1110)。図5であれば、駆動部116のスイッチを切ってDC負荷70への通電を停止する。その後、制御部102は、停電時に必要な処理を実行する(ステップ1112)。このように、本実施例の制御部102は、停電時に必要な処理に無関係なDC負荷70の駆動をステップ1110において停止する。これにより、停電発生後に徐々に減衰するADコンバータ112による直流電圧を制御部102の処理のために有効に利用することができ、停電時に必要な処理をより確実に実現することができる。
【0035】
一方、制御部102は、対象物検出信号を受信すれば(ステップ1102)、第1のクロック104を選択して第1の発振周波数を利用した高速動作モードで動作する(ステップ1114)。その後、制御部102は、対象物に対して必要な処理を実行する(ステップ1116)。対象物に対して必要な処理は、特に限定されないが、例えば、対象物の洗浄、監視、測定、移動を含む。このように、制御装置100Aは対象物に対して必要な処理を行うことを目的としており、制御部102が対象物検出信号を受信するまでは待機状態であるといえる。
【0036】
次に、制御部102は、停電検出部110から停電検出信号を受信したかどうかを判断する(ステップ1116)。制御部102は停電検出信号を受信するまで高速動作モードを継続する。制御部102は、停電検出部110から停電検出信号を割り込み信号として受信したと判断すると(ステップ1106)、ステップ1110に移動する。制御部102は、高速動作モードにおいて、停電時に必要な処理を高速かつ確実に行うことができる。
【0037】
本実施例の制御装置100Aによれば、制御部102は、停電時にDC負荷70への駆動を停止して残余電力を停電時に必要な処理に集中させることによって停電時に必要な処理を高速かつ確実に行うことができる。また、制御装置100Aは、対象物に対して必要な処理を高速で実行することができると共に、対象物がいないときは省電力を図ることができる。
【0038】
なお、本実施例では、負荷はDC負荷70のみであるが、商用電源Eに接続された図示しないAC負荷を更に含んでもよい。この場合も、制御部102は、停電時にAC負荷の図示しない駆動部による駆動を停止させる。
【実施例3】
【0039】
以下、図7乃至図12を参照して、本発明の制御装置100Bを有する便器装置1について説明する。ここで、図7は、本発明の実施例3の便器装置1の部分透過斜視図である。
【0040】
便器装置1は、水洗大便器としての便器10と、便器10にC方向に開閉可能に取り付けられた便蓋90と、図7には図示しない制御装置100Bと、を有する。便器10は、便器本体11と、便器本体11にC方向に開閉自在に構成された便座12と、を有する。本実施例の便器本体11は、洗浄水を収納するタンクを収納するが、本発明はタンクレスタイプにも適用可能である。
【0041】
便器本体11は、ケーシング13と、通風部14と、図7には図示しない各種の機能部と、を有する。
【0042】
ケーシング13は、便器本体11に固定されると共に便座12及び便蓋90をC方向に開閉自在に保持する。また、ケーシング13は機能部を収納する。
【0043】
通風部14には、使用者の好みの香りのトレイが挿脱可能に構成されており、トイレ室を香りで満たすことができる。
【0044】
機能部は、便蓋90の自動開閉ユニットと、局部洗浄用のノズルユニット、温風乾燥ユニット、暖房便座ユニット、対象物検出部114A、便器洗浄ユニット、脱臭ユニットを含むが、これらに限定されるものではない。
【0045】
自動開閉ユニットは、使用者が便器10に近づくと開口し、遠ざかると閉口する。
【0046】
ノズルユニットは、お尻洗浄用ノズルと、ビデ洗浄用ノズルを含み、自洗機能を有する。お尻洗浄用ノズルは、お尻の通常洗浄、通常洗浄よりも水圧が弱いやわらか洗浄、ノズルが前後に移動するムーブ洗浄、水勢に強弱があるマッサージ洗浄を実現可能である。また、洗浄方式も、水玉を連続的に噴射したり、螺旋状に洗浄水を噴射したりすることができる。ノズルの洗浄位置も調節可能である。洗浄水の温度は図示しないサーミスタによって測定され、制御装置100Bは、サーミスタの温度が設定温度になるように洗浄水を加熱するヒータへの通電を制御する。
【0047】
温風乾燥ユニットは局部に温風をあてて乾燥する。温風の温度は図示しないサーミスタによって測定され、制御装置100Bは、サーミスタの温度が設定温度になるように空気を加熱するヒータへの通電を制御する。
【0048】
暖房便座ユニットは便座12を暖める。暖房便座ユニットは、便座12内に埋設された便座ヒータ12aと、便座12の温度を測定する便座サーミスタ12bと、を有する。制御装置100は、便座サーミスタ12bの温度が設定温度になるように便座ヒータ12aへの通電を制御する。
【0049】
対象物検出部114Aは、着座センサ15及び人体検知センサ16を有する。
【0050】
着座センサ15は、使用者が便器10に着座したかどうか検知する。本実施例では、着座センサ15は、対象物である使用者の着座を検知する対象物検出部として機能する。着座センサ15は、例えば、便器装置からの距離を測定することができる光学式の測距センサを使用する。
【0051】
人体検知センサ16は、使用者が便器装置前にいるかを検知する。本実施例では、人体検知センサ16は、対象物である使用者が便器装置に近づくと便蓋90を自動的に開けたり、図示しないライトを点灯させたりする。例えば、人体検知センサは温度の分布移動を検知する焦電センサを使用する。
【0052】
便器洗浄ユニットは、使用者が便座12から立ち上がると自動的に便器内の水を流す。脱臭ユニットは、使用者が便座12から立ち上がると強力に脱臭する機能と、使用者が使用中及びその後の脱臭を行う機能を有する。
【0053】
図8は、制御装置100Bの要部ブロック図である。制御装置100Bは、制御部102A、第1のクロック104A、第2のクロック106A、不揮発性記憶部108A、停電検出部110A、ADコンバータ112、対象物検出部114A、駆動部116、タイマ117、受信部118、内蔵時計119、補助操作部120、リモコン130を有する。制御装置100Bのうちリモコン130以外は便器本体11に設けられる。制御装置100Bは、実際には、ROM、RAM、インターフェース、バスなどを含むが図8においては省略されている。また、DC負荷70は機能部の一部であってもよい。
【0054】
制御部102Aは、対象物検出部114A、停電検出部110A、ADコンバータ112、補助操作部120及び各種の機能部と接続されると共にワイヤレスでリモコン130と接続されている。
【0055】
第1のクロック104Aは、制御部102Aに接続され、例えば、12MHzの第1の発振周波数を生成する。第2のクロック106Aは、制御部102Aに接続され、第1の発振周波数よりも低い、例えば、32.768kHzの第2の発振周波数を生成する。第1及び第2の発振周波数は、制御部102Aが動作する周波数である。このため、制御部102Aは、第1の発振周波数で動作する高速動作モードと、第2の発振周波数で動作する低速動作モードとを有する。高速動作モードよりも低速動作モードの方が省電力となる。制御部102Aは、着座センサ15が使用者を検知すると第1のクロック104Aを選択して高速動作モードに移行し、着座センサ15が使用者を検知していないときは第2のクロック106Aを選択して低速動作モードに移行する。
【0056】
不揮発性記憶部108Aは、EEPROM、バックアップRAMなどである。不揮発性記憶部108Aは、内臓電池によりバックアップされるもの、フラッシュメモリなど電気的に書き込み・読み出しが可能なデバイスであり、電源遮断時にもデータが消去されない。
【0057】
図9は、不揮発性記憶部108AがEEPROMから構成される場合の割付を示している。本実施例では、不揮発性記憶部108Aが記憶(保存)するデータ(情報)は、停電とは無関係に記憶する第1のデータと、停電時に記憶する第2のデータを含む。
【0058】
第1のデータは、便器装置1の機種やシリーズなどを識別する識別コード、局部洗浄水の設定温度、便座12の設定温度、その他の設定状態、通電時間、使用回数、各種の異常状態を含む。これらの異常状態としては、対象物検出部114Aの異常状態、局部洗浄水の温度を測定するサーミスタの異常状態、メインテナンス時期に到達したことを含む。第1のデータを不揮発性記憶部108Aに記憶する処理は特許文献1と同様の方法を用いることができる。このように、不揮発性記憶部108Aは、特許文献1のように、機能部の動作態様の情報を保持している。また、不揮発性記憶部108Aは、後述する学習情報も格納している。
【0059】
第2のデータは、停電の発生、停電の発生時刻、局部洗浄用のノズルの収納状態を含む。制御部102Aは、停電時に、即ち、停電検出部110Aが停電を検出した時に、第2のデータを不揮発性記憶部108Aに保存する。
【0060】
停電検出部110Aは、商用電源Eの停電を検出し、ゼロクロス検出回路110Aaと、タイマ110Abと、判断部110Acとを有する。商用電源Eから供給される交流電圧は時間と共にsin波を描き、半周期ごとに極性が反転する。従って、最後にゼロクロス(交流電圧がグラウンドを横切る点)を検出してから半周期後に次のゼロクロスが検出されない場合に停電が発生したと考えられる。ゼロクロス検出回路110Aaは、商用電源Eの交流電圧のゼロクロスを検出する。タイマ110Abは、ゼロクロス検出回路110Aaが検出したゼロクロスに同期して計時を行う。判断部110Acは、最後にゼロクロス検出回路110Aaがゼロクロスを検出してからタイマ110Abが計時した半周期後に次のゼロクロスが検出されたかどうかを判断し、検出されなければ直ちに停電検出信号を制御部102Aに送信する。ゼロクロス検出回路110Aaは、例えば、図10の構成を有するが、これに限定されず、当業界で周知の構成を利用することができる。
【0061】
ADコンバータ112は、商用電源Eの交流電圧を整流して直流電圧に変換する。タイマ117は、制御部102Aによる動作制御の下で計時する。受信部118は、リモコン130からデータ並びに現在の時刻を受信する。内蔵時計119はリモコン130からの情報によって一日一回修正されながら時刻を計時する。
【0062】
補助操作部120は、図7の通風部14と反対側に設けられて使用者によって操作される。補助操作部120は、運転スイッチと、ビデスイッチと、お尻スイッチとを有する。運転スイッチは、制御装置100Bの電源をオン又はオフにするスイッチである。ビデスイッチは、ビデ洗浄用ノズルの突出及び吐水開始(オン)、及び、吐水停止及び退避(オフ)を行うスイッチである。お尻スイッチは、お尻洗浄用ノズルの突出及び吐水開始(オン)、及び、吐水停止及び退避(オフ)を行うスイッチである。
【0063】
リモコン130は、液晶パネルと、時計、スイッチ群とを有し、制御部102Aとワイヤレスで通信を行う通信機器である。時計は、現在の時刻を計時し、かかる時刻を制御部102Aに通知する。スイッチ群は、局部洗浄水の水勢を調節するスイッチ、マッサージ洗浄用のスイッチ、温風乾燥ユニットを駆動するスイッチ、脱臭用スイッチ、ノズルの洗浄位置を調節するスイッチを含む。
【0064】
リモコン130は、運転スイッチ、ビデスイッチ、お尻スイッチ、やわらかスイッチ、節電用の複数のスイッチを更に有する。やわらかスイッチは、やわらか洗浄のためのスイッチである。節電用のスイッチは、トイレの使用頻度を記憶し、通常使用しない時間帯は便座温度を下げる又は電源を切るスイッチ、毎日同じ時刻に自動的にヒータを切って節電するスイッチを含む。このように、本実施例の便器装置1は学習機能を有する。
【0065】
上述したように、不揮発性記憶部108Aは、機能部の動作態様の情報を保持するために、停電復帰時に停電時の制御内容を復元することは可能である。しかし、停電時と停電復帰時との間には時間的な連続性がないために、停電時に不揮発性記憶部108Aに記憶された動作態様を停電復帰後に単純に再設定することは好ましくない。そこで、本実施例では、停電復帰時の制御に停電復帰時の過去の学習結果を利用している。但し、本実施例では、停電時の学習の強化のために、第2のデータを不揮発性記憶部108Aに保存している。この結果、停電期間と使用者によるトイレの不使用期間とを区別することができる。
【0066】
以下、図11及び図12を参照して、制御部102Aの動作について説明する。ここで、図11は、制御部102Aの動作を説明するためのフローチャートである。図12は、図11のタイミングチャートである。
【0067】
まず、制御部102Aは、着座センサ15から使用者の着座を表す着座検出信号を割り込み信号として受信したかどうか判断する(ステップ1202)。制御部102Aは、着座検出信号を受信していなければ、第2のクロック106Aを選択して第2の発振周波数を利用した低速動作モードで動作する(ステップ1204)。これにより、待機時の省電力化を図ることができる。図12においては、低速動作モードがオン状態であり、高速動作モードがオフ状態である。
【0068】
次に、制御部102Aは、停電検出部110Aから停電検出信号を割り込み信号として受信したかどうかを判断する(ステップ1206)。制御部102Aは、停電検出信号を受信するまで低速動作モードを継続する。
【0069】
図12に示すように、商用電源Eの交流電圧(本実施例ではAC100V)のゼロクロスが実線で示す位置で終了した場合、最後に検出したゼロクロス位置Aの半周期後の位置Bにゼロクロスが現れない。このため、停電検出部110Aの判断部110Acは、位置Bにおいて停電発生信号を制御部102Aに送信する。これにより、制御部102Aは、停電検出部110Aから停電の発生を通知される。また、制御部102Aは、内蔵時計119とリモコン130からの通知により現在の時刻を知ることができるので、停電の発生時刻を取得することができる(ステップ1208)。
【0070】
制御部102Aは、停電検出信号を受信したと判断すると(ステップ1206)、これに応答して、第1のクロック104Aを選択して第1の発振周波数で動作する(ステップ1210)。この結果、制御部102Aは、低速動作モードから高速動作モードに切り替わる。図12においては、低速動作モードがオフ状態となり、高速動作モードがオン状態になる。
【0071】
また、制御部102Aは、停電検出部110Aからの停電発生信号に応答して、タイマ117に計時開始を命令し(ステップ1212)、この結果、タイマ117は計時を開始する。
【0072】
次に、制御部102Aは、駆動部116によるDC負荷70の駆動を停止させる(ステップ1214)。実施例2と同様に、DC負荷70の駆動を停止することにより、第2のデータの保存をより確実に実現することができる。
【0073】
次に、制御部102は、第2のデータを不揮発性記憶部108Aに保存する(ステップ1216)。図13は、制御部102Aと不揮発性記憶部108Aの信号のやり取りを示す図である。図中、CK(クロック)は、データを書き込むタイミングをとるのに使用される発振周波数である。DO(データアウト)は、制御部102Aから不揮発性記憶部108Aへ書き込むデータを表す。DI(データイン)は、不揮発性記憶部108Aに書き込んだデータを制御部102Aが読み出すデータを表す。CS(チップセレクト)は、データの保存終了を表す信号である。
【0074】
制御部102Aは、第2のデータを不揮発性記憶部108Aに保存する際に、書き込みと読み込みとを行う。具体的には、図14に示すように、まず制御部102Aは第2のデータを不揮発性記憶部108Aに書き込む(ステップ1302)。書き込み時のクロックCKは第1のクロック104Aからの第1の発振周波数である。次に、制御部102Aは不揮発性記憶部108Aから書き込んだデータを読み出す(ステップ1304)。読み出し時のクロックCKは第1のクロック104Aからの第1の発振周波数である。次に、制御部102Aは、不揮発性記憶部108Aから読み出したデータと書き込むべき第2のデータとを照合してそれらが一致するかどうかを判断する(ステップ1306)。制御部102Aは、一致すると判断した場合には保存処理を終了し、不一致と判断した場合にはステップ1302に帰還して保存動作をやり直す。
【0075】
図11に戻り、次に、制御部102Aは、タイマ117が185msを計時したかどうかを判断する(ステップ1218)。計時したと判断したらリセット信号を制御装置100Bの各部に送信する(ステップ1220)。本実施例では、ステップ1210において制御部102Aは高速動作モードに移行しているので、図12に示すように、不揮発性記憶部108Aへの第2のデータの書き込みと読み込みが約10ms(T1ms)で終了する。その後のリセットまでの時間、175ms(T2ms)は保存不良であった場合のやり直しを行うのに十分な期間である。このため、リセット信号が送出される前に不揮発性記憶部108Aへの保存を完了することができる。リセット信号は、各部を再起動させる信号である。
【0076】
もし制御部102Aが高速動作モードに移行せずに低速動作モードのままであった場合は、図15に示すように、不揮発性記憶部108Aへの第2のデータの書き込みをする時間がT3時間(ここでは5000ms程度)必要であるため、リセット信号が不揮発性記憶部108Aへの保存中に送出されてしまい、保存が未完了となる。図15では保存動作中にリセット信号が送信されているように示しているが、この場合、リセット信号送信後の保存は中止されることになる。
【0077】
図11に戻り、一方、制御部102Aは、着座センサ15から着座検出信号を受信すると(ステップ1202)、第1のクロック104Aを選択して第1の発振周波数を利用した高速動作モードで動作する(ステップ1222)。その後、制御部102Aは、使用者に対して洗浄、乾燥、その他の必要な処理を高速動作モードで実行する(ステップ1224)。第1のデータの不揮発性記憶部108Aへの保存もこのとき行われる。
【0078】
次に、制御部102Aは、停電検出部110Aから停電検出信号を受信したかどうかを判断する(ステップ1226)。制御部102Aは停電検出信号を受信するまで高速動作モードを継続する。制御部102Aは、停電検出部110Aから停電検出信号を割り込み信号として受信したと判断すると(ステップ1226)、ステップ1208に移動する。制御部102Aは、高速動作モードにおいて、停電時に必要な処理を高速かつ確実に行うことができる。
【0079】
以下、図16を参照して、停電復帰後の処理について説明する。まず、不揮発性記憶部108Aが記憶する学習情報について説明する。制御装置100Bは、トイレの使用情報を記憶し、そこからトイレの使用頻度を算出する。かかる行為を本実施例では「学習」とも呼ぶ。予め設定されている機能部の制御モードと、算出したトイレ使用頻度とに基づいて機能部の制御内容を決定することで、快適なトイレの使用を損なうことなく、エネルギ消費の節約を図ることができる。
【0080】
トイレの使用時刻は内蔵時計119により知ることができる。トイレの使用は特許文献2に開示されているように、トイレの使用、大便・小便の識別は、対象物検出部114Aなどの各種センサや使用者による各種スイッチの操作を利用して検出することができる。トイレの使用を検出すると、トイレの使用時刻に関連する情報と共にトイレ使用情報として一旦蓄積し、その後、蓄積したトイレ使用情報からトイレの使用頻度を算出する。例えば、1日24時間を45分刻みで32個のブロックに分割し、各ブロックにおいてトイレを使用した回数という形態でトイレ使用情報を記憶する。トイレ使用頻度の予測は、トイレ使用情報に演算を施すことによって行う。
【0081】
図16は、停電復帰後の制御部102Aによる動作を説明するためのフローチャートである。まず、制御部102Aはリモコン130から時刻データを受信したかどうかを判断する(ステップ1402)。制御部102Aは受信するまで待機する。制御部102Aはリモコン130から時刻データを受信したと判断すると(ステップ1402)、不揮発性記憶部108Aに記憶された第2のデータに基づいて学習情報を更新する(ステップ1404)。この際、局部洗浄用のノズルが突出していれば初期位置に戻す。また、停電期間はトイレの不使用期間から除外される。これにより、停電期間が、トイレ不使用期間として誤って認識されることを防止することができる。その後、制御部102Aは、不揮発性記憶部108Aに記憶された学習機能に基づいて復帰開始時の制御を開始する(ステップ1406)。
【0082】
以上、各種の実施例について説明してきたが、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で変形及び変更が可能である。例えば、本実施例では、停電時に保存する情報は第2のデータのみであるが第1のデータを併せて又は第2のデータに代えて保存してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施例1の制御装置の要部ブロック図である。
【図2】図1に示す制御装置の制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】図2の変形例のフローチャートである。
【図4】本発明の実施例2の制御装置の要部ブロック図である。
【図5】図4に示す制御装置の駆動部とDC負荷の一例を示す回路図である。
【図6】図4に示す制御装置の制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の実施例3の便器装置の部分透過斜視図である。
【図8】図7に示す便器装置の制御装置の要部ブロック図である。
【図9】図8に示す不揮発性記憶部がEEPROMから構成される場合のデータの割付を示す図である。
【図10】図8に示す停電検出部のゼロクロス検出回路の回路図の一例である。
【図11】図8に示す制御装置の制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】図11の動作のタイミングチャートである。
【図13】図8に示す制御部と不揮発性記憶部との信号のやり取りを示す図である。
【図14】図11に示すステップ1216の詳細を説明するフローチャートである。
【図15】停電検出信号に拘らず制御部が低速動作モードに維持されて不揮発性記憶部に第2のデータを保存する場合のタイミングチャートである。
【図16】停電復帰後の処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1 便器装置
15 着座センサ
100−100B 制御装置
102、102A 制御部
104、104A 第1のクロック
106、106A 第2のクロック
108、108A 不揮発性記憶部
110、110A 停電検出部
112 ADコンバータ
114,114A 対象物検出部
116 駆動部
118 受信部
119 内蔵時計
130 リモコン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源を整流して直流電圧を供給するADコンバータと、
前記商用電源の停電を検出する停電検出部と、前記停電検出部に接続され、前記ADコンバータから給電を受け動作する制御部と、
前記制御部に接続され、第1の発振周波数を生成する第1のクロックと、
前記制御部に接続され、前記第1の発振周波数よりも低い第2の発振周波数を生成する第2のクロックと、
前記制御部の動作を決める制御情報を記憶する不揮発性記憶部を有し、
前記制御部は、前記第1の発振周波数で動作する高速動作モードと、前記第2の発振周波数で動作する低速動作モードと、を有し、前記低速動作モードにおいて前記停電検出部から停電の検出を表す停電検出信号を受信した場合に前記高速動作モードに切り替わり、停電開始時に前記制御情報を前記不揮発性記憶部に保存することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記ADコンバータからの電力で動作する負荷を駆動する駆動部を更に有し、
前記制御部は、前記停電検出部から停電検出信号を受信した場合に前記駆動部による前記負荷の駆動を停止させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御装置は、対象物を検出する対象物検出部を更に有し、
前記制御部は、前記対象物検出部からの対象物検出信号を受信すると前記第1のクロックを選択して前記高速動作モードに移行して前記対象物に対して必要な処理を実行し、前記対象物検出部から前記対象物検出信号を受信していないときは前記第2のクロックを選択して前記低速動作モードに移行することを特徴する請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記停電検出部は、前記商用電源の交流電圧のゼロクロスの有無に基づいて停電を検出することを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記制御情報を前記不揮発性記憶部に保存する際に、前記制御情報を前記不揮発性記憶部に書き込み、当該不揮発性記憶部から書き込んだ前記制御情報を読み出し、前記不揮発性記憶部から読み出した前記制御情報が書き込むべき情報と一致するかどうかを判断し、一致すると判断した場合に前記制御情報の保存動作を終了し、不一致と判断した場合に前記制御情報の保存動作を繰り返すことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の制御装置と、便器と、当該便器の使用を検出する手段と、を更に有し、
前記制御装置は、前記便器の使用情報を前記不揮発性記憶部に記憶し、当該便器の使用情報から前記便器の使用頻度を算出し、
前記制御装置は、前記便器の不使用期間から前記制御装置の停電期間を除外することを特徴とする便器装置。
【請求項1】
商用電源を整流して直流電圧を供給するADコンバータと、
前記商用電源の停電を検出する停電検出部と、前記停電検出部に接続され、前記ADコンバータから給電を受け動作する制御部と、
前記制御部に接続され、第1の発振周波数を生成する第1のクロックと、
前記制御部に接続され、前記第1の発振周波数よりも低い第2の発振周波数を生成する第2のクロックと、
前記制御部の動作を決める制御情報を記憶する不揮発性記憶部を有し、
前記制御部は、前記第1の発振周波数で動作する高速動作モードと、前記第2の発振周波数で動作する低速動作モードと、を有し、前記低速動作モードにおいて前記停電検出部から停電の検出を表す停電検出信号を受信した場合に前記高速動作モードに切り替わり、停電開始時に前記制御情報を前記不揮発性記憶部に保存することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記ADコンバータからの電力で動作する負荷を駆動する駆動部を更に有し、
前記制御部は、前記停電検出部から停電検出信号を受信した場合に前記駆動部による前記負荷の駆動を停止させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御装置は、対象物を検出する対象物検出部を更に有し、
前記制御部は、前記対象物検出部からの対象物検出信号を受信すると前記第1のクロックを選択して前記高速動作モードに移行して前記対象物に対して必要な処理を実行し、前記対象物検出部から前記対象物検出信号を受信していないときは前記第2のクロックを選択して前記低速動作モードに移行することを特徴する請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記停電検出部は、前記商用電源の交流電圧のゼロクロスの有無に基づいて停電を検出することを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記制御情報を前記不揮発性記憶部に保存する際に、前記制御情報を前記不揮発性記憶部に書き込み、当該不揮発性記憶部から書き込んだ前記制御情報を読み出し、前記不揮発性記憶部から読み出した前記制御情報が書き込むべき情報と一致するかどうかを判断し、一致すると判断した場合に前記制御情報の保存動作を終了し、不一致と判断した場合に前記制御情報の保存動作を繰り返すことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の制御装置と、便器と、当該便器の使用を検出する手段と、を更に有し、
前記制御装置は、前記便器の使用情報を前記不揮発性記憶部に記憶し、当該便器の使用情報から前記便器の使用頻度を算出し、
前記制御装置は、前記便器の不使用期間から前記制御装置の停電期間を除外することを特徴とする便器装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−86747(P2009−86747A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−252279(P2007−252279)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
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