説明

制振装置並びに制振性に優れた道路橋及び歩道橋

【課題】車両の通行、歩行や地震等に起因して構造物に発生する縦方向の揺れによる振動を減衰することができる制振装置並びに歩道橋及び道路橋の提供。
【解決手段】少なくとも1個の錘11を介して複数のバネ6が直列に連結されてなるバネ部材と、錘から吊り下げられた吊り下げ部材が自由振動部位を持つように内部に吊り下げられてなる垂直中空体7とからなる制振装置であって、バネ部材が斜めに設置されるようにバネ部材の両端部と垂直中空体がそれぞれ固定されていることを特徴とする制振装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の通過や地震等に起因して、道路橋や歩道橋等の構造物に発生する振動を減衰させるための制振装置と、その制振装置を設けた制振性に優れた道路橋及び歩道橋に関する。
【背景技術】
【0002】
道路橋や歩道橋等の構造物は、風、地震、車両通行及び歩行に伴う路面振動などに起因する共振現象によって、揺れが生じることがある。このような揺れが生じると、揺れによって構造物に金属疲労等の損傷が起きやすく、また、その損傷が促進される。また、発生する振動により、構造物に取り付けられた照明柱、標識柱、信号柱等の垂直立設部材の寿命が短くなる問題があり、さらに、照明柱の場合には、照明光が揺れて人に違和感を与える問題もある。
【0003】
このような共振現象に起因する構造物の揺れを防止するための制振装置は、従来から種々開発されてきた。
【0004】
例えば、特許文献1には、照明柱等の垂直立設部材に取り付けることができる制振装置が開示されている。
【0005】
すなわち、垂直中空体の内部に、自由振動部位を持たせて金属製のチェーンまたは金属製のワイヤーを吊り下げ、かつこのチェーンまたはワイヤーと垂直中空体の内壁との間隔を等価に維持してなる制振装置であり、この制振装置を垂直立設部材の外部又は内部に取り付けることによって、垂直立設部材に加えられた横方向の揺れによる振動を減衰させるものである。
【0006】
図7に、特許文献1に記載の制振装置の一例を示す。(a)は制振装置の軸心を通る一つの縦断面図であり、(b)は(a)に対して90°回転した方向の縦断面図である。
【0007】
制振装置は、円形鋼管からなる垂直中空体33と、その内部に吊り下げられた鋼製チェーン34の吊り下げ部材からなる。この鋼製チェーン34の上端は、垂直中空体33の上部に設置された端板35に固定して取り付けられた固定フック36によって支持されている。したがって、鋼製チェーン34は上端を除いて自由振動部位を形成している。
【0008】
ここで、鋼製チェーン34は円形鋼管の中心部において垂直に吊り下げられているため、振動のない状態では、鋼製チェーン34の外面と垂直中空体33の内壁との間隔dは、円形鋼管の内部において等価に維持されている。
【0009】
この制振装置に、風、地震、車両通行や歩行に伴う路面振動などに起因する共振現象によって生じた揺れが伝わり、励振が起こる。そのとき、垂直中空体33と鋼製チェーン34はともに振動するが、鋼製チェーン34の自由振動部位は垂直中空体33とは異なった態様で振動するため、鋼製チェーン34の自由振動部位が垂直中空体33の内壁面に衝突する。その結果、垂直中空体33の振動エネルギーが散逸するので、垂直中空体33の振動が急速に減衰し、振動が制止される。
【0010】
このように、垂直中空体33の内部に鋼製チェーン34を吊り下げることで、垂直中空体に加わった振動を減衰し、制止することができる制振装置を形成することができる。
【0011】
そして、照明柱等の垂直立設部材が中空の垂直部材である場合には、この制振装置をその垂直立設部材の外部又は内部に取り付けることによって、垂直立設部材に加えられた揺れによる振動を、制振装置を構成する垂直中空体に伝播させ、そして、その垂直中空体においてその振動を減衰させて、制止することができるのである。
【0012】
また、特許文献2には、照明柱等の垂直立設部材に用いる制振装置の他の例が開示されている。
【0013】
図8は、特許文献2に開示されている制振装置の一例を示す縦断面図である。この制振装置は、水平な2次元的な全方向に回転自在となるようにケース20内に吊り下げられた支持アーム23と、その下端部に固定された重錘21とを有する2次元振り子からなる。この装置は、照明柱等の垂直立設部材の上端部に設置されるもので、その制振機構は以下の通りである。
【0014】
すなわち、車両の通過等により照明柱等の垂直立設部材に横方向の揺れによる振動が加わると、重錘21はこの振動を制する方向に移動し、ワイヤー19の一端は、その方向に引っ張られる。ワイヤー19の他端が2つのプーリ25の間のガイド孔を介して、液体緩衝器27とバネ機構28からなる減衰機構26に接続されているので、ワイヤー19が引っ張られると減衰機構26を変位させる。このとき、減衰機構26における液体緩衝器27が減衰力を付勢して重錘21の振り子運動を減衰させので、垂直立設部材の振動も減衰する。
【0015】
【特許文献1】特公平04−26004号公報
【特許文献2】特開平09−264378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上記従来の制振装置はいずれも照明柱等の垂直立設部材の横方向の揺れによる振動に対しては有効に制振効果を発揮するが、道路橋や歩道橋等の構造物にみられる縦方向の振動には減衰効果がない。したがって、道路橋や歩道橋等の構造物のように縦方向の揺れによる振動には対処できないことが分かった。
【0017】
本発明の目的は、風、地震、車両走行や歩行に伴う路面振動などに起因する揺れによって、道路橋や歩道橋等の構造物に発生する縦方向の振動をも減衰することができる制振装置並びに制振性に優れた道路橋及び歩道橋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らは、道路橋や歩道橋等の構造物に生じた縦方向の振動を減衰できる制振装置を開発するため、種々実験を重ねた。その結果、次の(a)〜(c)の知見を得た。
【0019】
(a)構造物に生じた縦方向の振動は、バネとバネの間に錘を介し、それらを直列に連結してなるバネ部材の両端部を、バネ部材が斜めになるように構造物に固定すれば、構造物の縦方向の振動はバネを介して錘に伝わり、バネの張力により錘の振動方向は斜めの方向となる。したがって、錘の振動方向成分として垂直方向成分だけでなく水平方向成分も発生することになる。
【0020】
(b)このとき、錘から自由振動部位を有する吊り下げ部材を吊り下げておけば、それは水平方向にも振動を開始する。
【0021】
(c)そして、垂直中空体を構造物に固定し、その垂直中空体の内部に錘から吊り下げられた吊り下げ部材を装入しておけば、その吊り下げ部材は水平方向にも振動することができる自由振動部位を有するので、垂直中空体の内壁に衝突し、もって、縦方向に揺れる構造物の振動を減衰することができる。
【0022】
本発明にかかる制振装置並びに制振性に優れた道路橋及び歩道橋は、これらの知見に基づいて完成されたものであり、本発明は次の(1)〜(4)の制振装置並びに(5)の制振性に優れた道路橋及び(6)の制振性に優れた歩道橋を要旨とする。
【0023】
(1)少なくとも1個の錘を介して複数のバネが直列に連結されてなるバネ部材と、錘から吊り下げられた吊り下げ部材が自由振動部位を持つように内部に装入されている垂直中空体とからなる制振装置であって、バネ部材が斜めに設置されるようにバネ部材の両端部と垂直中空体がそれぞれ固定されていることを特徴とする制振装置。
【0024】
(2)吊り下げ部材が、金属体を複数個つなぎ合わせたもの、金属製のチェーン及び金属製のワイヤーのうちの少なくとも1種からなることを特徴とする上記(1)の制振装置。
【0025】
(3)中空体が金属製の管であることを特徴とする上記(1)又は(2)の制振装置。
【0026】
(4)水平方向に対するバネ部材の傾斜角度θが、30〜60°程度であることを特徴とする上記(1)〜(3)の制振装置。
【0027】
(5)上記(1)〜(4)の制振装置が、主桁又は横桁に取り付けられていることを特徴とする制振性に優れた道路橋。
【0028】
(6)上記(1)〜(4)の制振装置が、主桁又は横桁に取り付けられていることを特徴とする制振性に優れた歩道橋。
【発明の効果】
【0029】
本発明にかかる制振装置は、道路橋や歩道橋等の構造物に生じた縦方向の揺れによる振動に対しても大きな制振効果を発揮し、構造物の部材の金属疲労を防止することができる。
【0030】
また、簡単な構造であるため製造コストも嵩まず、かつ施工が容易であり、道路橋や歩道橋等に取り付けることにより快適な通行と安全性が確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を用いて、本発明にかかる制振装置並びに制震性に優れた道路橋及び歩道橋を説明する。
【0032】
図1は本発明にかかる制振装置の一例を示す正面図である。
【0033】
本発明にかかる制振装置は、錘11と、その錘11を介して2個のバネ6が直列に連結されたバネ部材と、その錘11から吊り下げられた吊り下げ部材9と、吊り下げ部材9を内部に装入してなる垂直中空体7とからなる。吊り下げ部材9は、垂直中空体7の内部に自由振動部位を持つように吊り下げられており、バネ部材が水平方向に対して傾斜角θ=45゜の状態でバネ部材の両端が、連結ワイヤー18と止め金具用フック14を介して、それぞれ止め金具12によって構造物13の側面に固定されている。また、垂直中空体7は、取り付けバンド8によって構造物13の側面に固定されている。
【0034】
以下、本発明の各構成要件について詳細に説明する。
【0035】
(1)バネ部材
バネ部材は、少なくとも1個の錘を介して複数のバネを直列に連結したものである。図1に示す例は、2個のコイルバネ6の間に錘11を介在させ、錘11とコイルバネ6の間をそれぞれ連結ワイヤー10で連結したものである。ここでは、バネ部材の両端部は連結ワイヤー18とフック14を介して止め金具12に固定されているが、連結ワイヤー18及びフック14を省いてもよい。したがって、バネ部材の両端部は、止め金12又はフック14に直接取り付けてもよい。
【0036】
錘とバネの連結手段は特に限定するものではないが、着脱が容易で、かつ連結後は容易に外れないものが好ましい。例えばバネの先端をフック状に加工しておき、またネジ部を備えたフックを錘に取り付け、それらのフックに連結ワイヤーを接続するものが好ましい。
【0037】
図2は、本発明にかかるバネ部材を構成する錘11及びバネ6の端部の一例である。
【0038】
図2(a)は錘の断面拡大図である。バネ接続用のフック16が螺合により錘11に固定されていることが示されている。フック15は吊り下げ部材のためのフックである。
【0039】
図2(b)は、コイルバネの端部の部分拡大図である。コイルバネ6の端部17がフック状に加工されている。
【0040】
バネ部材は斜めになるように設置する必要がある。その理由は以下の通りである。
【0041】
すなわち、構造物の縦方向の揺れによる振動は、バネを介して錘に伝わり、錘は縦方向に振動を開始する。この錘は水平方向に対して角度θで傾斜したバネで繋がれているので、バネの伸び縮み運動により錘には角度θ方向の振動が加わる。したがって、錘の振動には水平方向成分を含まれることになるので、錘に吊り下げた吊り下げ部材の振動は垂直方向の成分に加え水平方向の成分も含むことになる。
【0042】
このように、バネ部材を斜めになるように設置するのは、構造物の縦方向の揺れによる振動を、バネと錘を介して吊り下げ部材の水平方向の振動に変えるためである。
【0043】
このバネ部材の傾斜角θは、30〜60°程度とするのが好ましい。30°未満の傾斜角では、非制振体の垂直方向の振動を錘の水平方向成分を含む振動に十分に変換できない上に装置が大がかりになる。また、60°を超える傾斜角では、非制振体の垂直方向の振動を錘の水平方向成分を含む振動に十分に変換できない。
【0044】
なお、錘とバネを連結する連結ワイヤー10およびバネ部材の端部とフックを連結する連結ワイヤー18は必ずしも使用する必要はなく、制振装置の設置場所が狭い場合には、コイルバネ6の端部17を直接錘11のフック16や止め金12に連結してもよい。
【0045】
また、図1ではコイルバネ2個と錘1個を用いたバネ部材の例を示したが、錘とコイルバネの数を増加させてもよい。例えば、コイルバネ3個を用いて各コイルバネ間に合計1個又は2個の錘を介在させたバネ部材としてもよい。コイルバネは通常使用されるものでよく、吊り下げ部材のθ方向の振動を均等に振動させるためには弾性が同じコイルバネを使用するのが好ましい。
【0046】
錘の形状や材質は特に限定されないが、バネの弾性に見合った重量のものを用いることができるので、金属球が好ましい。錘の重量は使用するバネの強さにより異なる。目安として錘の揺れによりバネが伸び縮みする程度の重量にすればよい。
【0047】
(2)垂直中空体
垂直中空体は、錘から吊り下げられた吊り下げ部材が自由振動部位を持つように固定されている。吊り下げ部材の自由振動部位を水平方向に振動させて、垂直中空体の内壁に衝突させることにより、振動を減衰させるためである。
【0048】
また、垂直中空体を垂直に固定するのは、垂直中空体の中で吊り下げ部材の水平方向における振動を全方位において均等になるようにするためである。均等にすることにより全方位の振動について、制振効果がよくなるのである。
【0049】
すなわち、静止させた吊り下げ部材から中空体の内面までの距離が全方位において均等であれば全方位において減衰効果が均等になるからである。そのため、垂直中空体の横断面形状は円形断面とするのが好ましいが、八角形や六角形等の多角形断面でもよい。
【0050】
垂直中空体の形状は、外径34.0〜114.3mm、内径27.6〜107.3mm、肉厚2.3〜4.5mm、長さ1.0〜2.4m、重量1.8〜29kgのものを用いることができる。
【0051】
そして、垂直中空体の材料としては、鋼管の他、ステンレス鋼管、アルミニウム管等の金属管を用いることができる。強度及び耐久性の観点からは鋼管が好ましい。防錆の観点からはステンレス鋼管を用いるか、又は鋼管に溶融亜鉛めっきや塗装等の防錆処理を施して用いるのが好ましい。
【0052】
また、吊り下げ部材の衝突音を小さくするためには、垂直中空体の内面を樹脂等により被覆しておくのがよい。
【0053】
吊り下げ部材が、中空体の横断面の中央に位置するように垂直中空体を構造物の側面に固定するのが好ましい。
【0054】
図3は、本発明にかかる垂直中空体が、構造物の側面へ取り付けられた状態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
【0055】
垂直中空体7は、錘11の下部において、構造物13の側面に垂直に取り付けられている。取り付け方法は限定されないが、例えば図3に示すように、垂直中空体の外側面の2ヶ所を金属製のベルト8によって水平方向に巻いた後、ボルト29で固定するのが好ましい。なお、ボルトによる固定に代えて、溶接により取り付けてもよい。
【0056】
(3)吊り下げ部材
吊り下げ部材は、金属体を複数個つなぎ合わせたもの、金属製のチェーン及び金属製のワイヤーのうちいずれか1種を用いればよい。
【0057】
図4に、垂直中空体7の内部に吊り下げ部材を吊り下げた状態を示す。(a)は吊り下げ部材が金属製のチェーン30である場合の縦断面図、そして(b)は吊り下げ部材が金属体31をワイヤーで繋ぎ合わせたものである場合の縦断面図を示す。
【0058】
(a)の吊り下げ部材として、チェーン径6〜25mm、1リンクの寸法として長さ30〜125mm×幅21〜88mm、全長80〜220cm、全重量600〜31000gの鋼製チェーンを用いることが好ましい。強度及び耐久性の観点からは鋼製チェーンが好ましい。防錆の観点からはステンレス鋼チェーンを用いるか、又は鋼製チェーンに溶融亜鉛めっき等の防錆処理を施して用いるのが好ましい。
【0059】
(b)で示した吊り下げ部材に用いた金属体は球形であるが、形状は特に制限されるものではなく直方体であってもよい。金属体同士をつなぎ合わせるには、金属体に溶接やネジによりフックを設けワイヤーやチェーン等で連結すればよい。例えば、直径21〜99mmの金属球の5〜61個を長さ15〜74mm、外径2、6〜9mmの鋼線材で繋ぎあわせたものでよい。金属球の材料としては、鋼の他、ステンレス鋼やアルミニウムが用いられる。減衰効果が大きくて好ましい吊り下げ部材は、金属製のチェーン、そして鋼球をワイヤーで連結したものである。なお、吊り下げ部材は中空体の内面への衝突を繰り返し、大きな衝突音を発生させるので、衝突音を抑制したいときは、その外面をゴム等で被覆しておくのが好ましい。
【0060】
(4)構造物
本発明にかかる制振装置を取り付ける構造物の代表的なものは道路橋及び歩道橋である。
【0061】
図5は、図1で示した本発明にかかる制振装置を取り付けてなる歩道橋の一例を示す斜視図である。
【0062】
歩道橋は、床板1の両側に主桁2及び横桁3を有する。ここでは、本発明にかかる制振装置は、歩道橋の長さ方向に、主桁2の側面に傾斜させて制振装置4が複数個取り付けられている。ここでは、主桁2の側面にのみ制振装置4が取り付けられており、横桁3には取り付けられていない。主桁2には、制振装置4を取り付けるスペースが十分あり、また主桁2を制振するのが効率的だからである。横桁3にも取り付けるスペースが十分にあって、制振効果がさらに必要な場合には、横桁3にも取り付けるのが好ましい。
【0063】
図6に、図1で示した本発明にかかる制振装置を取り付けてなる道路橋の一例を示す。(a)は斜視図であり、(b)は主桁部分の拡大図である。
【0064】
道路橋は、床板1がその下部にある主桁2と横桁(図示せず)で支えられている。ここでは、本発明にかかる制振装置は、道路橋の長さ方向に主桁2の側面に傾斜させて制振装置4が複数個取り付けられている。なお、横桁(図示せず)にも、制振装置を設置するのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明にかかる制振装置によれば、道路橋や歩道橋等の構造物に生じる縦方向の揺れによる振動に対して大きな制振効果を発揮でき、構造物の部材の金属疲労が防止できる。本発明にかかる制振装置を道路橋や歩道橋等の構造物に取り付けることにより、快適な通行と安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明にかかる制振装置の一例を示す正面図である。
【図2】本発明にかかるバネ部材を構成する錘及びバネ端部の一例である。(a)は錘の断面拡大図、(b)はバネの端部の部分拡大図である。
【図3】本発明にかかる垂直中空体が、構造物の側面へ取り付けられた状態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
【図4】本発明にかかる垂直中空体の内部に吊り下げ部材を吊り下げた状態を示す縦断面図である。(a)は金属製チェーンの場合、そして、(b)は金属体をワイヤーで繋ぎ合わせたものの場合である。
【図5】本発明にかかる制振装置を取り付けてなる歩道橋の一例を示す。
【図6】本発明にかかる制振装置を取り付けてなる道路橋の一例を示す。(a)は斜視図であり、(b)は主桁部分の拡大図である。
【図7】従来の制振装置の一例を示す縦断面図である。
【図8】従来の制振装置の他の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0067】
1 床板
2 主桁
3 横桁
4 制振装置
6 コイルバネ
7 垂直中空体
8 ベルト
9 吊り下げ部材
10 錘とバネを連結する連結ワイヤー
11 錘
12 止め金具
13 構造物
14 止め金具用フック
15 吊り下げ部材を錘から吊り下げるための錘のフック
16 バネを連結するための錘のフック
17 バネの端部
18 バネ部材の端部と止め金具用フックを連結する連結ワイヤー
20 ケース
21 重錘
23 支持アーム
24 ガイド孔
25 プーリ
26 減衰機構
27 液体緩衝器
28 バネ機構
29 ボルト
30 チェーン
31 金属体
33 垂直中空体
34 鋼製チェーン
35 端板
36 固定フック
d チェーン外面と垂直中空体の内壁との間隔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個の錘を介して複数のバネが直列に連結されてなるバネ部材と、錘から吊り下げられた吊り下げ部材が自由振動部位を持つように内部に装入されている垂直中空体とからなる制振装置であって、バネ部材が斜めに設置されるようにバネ部材の両端部と垂直中空体がそれぞれ固定されていることを特徴とする制振装置。
【請求項2】
吊り下げ部材が、金属体を複数個つなぎ合わせたもの、金属製のチェーン及び金属製のワイヤーのうちの少なくとも1種からなることを特徴とする、請求項1に記載の制振装置。
【請求項3】
中空体が金属製の管であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の制振装置。
【請求項4】
水平方向に対するバネ部材の傾斜角度θが、30〜60°であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれかに記載の制振装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれかに記載の制振装置が、主桁又は横桁に取り付けられていることを特徴とする制振性に優れた道路橋。
【請求項6】
請求項1から4までのいずれかに記載の制振装置が、主桁又は横桁に取り付けられていることを特徴とする制振性に優れた歩道橋。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−82452(P2008−82452A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263851(P2006−263851)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000006839)日鐵住金建材株式会社 (371)
【Fターム(参考)】