説明

制振装置及びそれを用いた木造建物の制振構造

【課題】 建物の揺れを短時間に収斂しかつ柱と横架材とで囲まれた矩形フレームの内側空間がダンパーとその関連部材によってすべて占有されないようにする。
【解決手段】本発明に係る制振装置6は、梁3の下方に配置されたオイルダンパー21と、該オイルダンパーに連結された揺動レバー25と、該揺動レバーに連結されたアーム26とで概ね構成してあり、オイルダンパー21を構成するピストンロッド23の先端をブラケット24の下端に、揺動レバー25の一端を梁3の下面に、他端をオイルダンパー21のシリンダー22に、アーム26の一端を揺動レバー25の中間位置に、他端を柱2の側面にそれぞれ連結してある。アーム26は、オイルダンパー21に入力される地震時の相対水平変位がダンパー設置高さにおける柱2の水平変位よりも拡大されるように、揺動レバー25との接合位置や柱2との接合位置を設定してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として木造住宅、特に在来軸組工法の木造住宅に適用される制振装置及びそれを用いた木造建物の制振構造に関する。
【背景技術】
【0002】
構造物の制振技術は、オフィス等を用途とした大規模建築物への導入に始まり、最近では、居住快適性や地震に対する安全性を高めたいというニーズとも相俟って、戸建て木造住宅にも導入されるようになってきた。
【0003】
戸建て木造住宅で採用される制振技術としては、振動エネルギーを吸収減衰させるダンパーを建物内に配置することによって、地震動による建物の揺れを収斂させるものが主流であるが、かかるダンパーには、低降伏点鋼材を用いた弾塑性ダンパー、シリコン等を用いた粘性ダンパー、オイルダンパー、摩擦ダンパーといったさまざまな種類があり、地震動や建物の規模あるいは振動特性に応じて適宜使い分けされる。
【0004】
ここで、いずれのダンパーを採用するにしろ、地震動による建物の揺れを収斂させるには、建物の揺れによって相対変位が生じている部材間にダンパーを架け渡す必要があり、かかる部材間相対変位が大きいほど、建物全体の揺れを制御しやすい。
【0005】
そのため、ダンパーは、例えば層間変位、すなわち上下の横架材間で生じている相対変位が入力されるように設置する形態が典型例となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−203164号公報
【特許文献2】特開2009−024435号公報
【特許文献3】特開2008−308906号公報
【特許文献4】特開2005−171515号公報
【特許文献5】特開2004−263419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上下の横架材間にダンパーを設置する場合には、必然的に柱梁からなる矩形フレームで囲まれた空間が、ダンパーや該ダンパーを矩形フレームに連結するブレースあるいは連結板で占有されることとなり、壁として塞いでしまってもかまわない場合であれば何ら問題とはならないものの、広い室内空間を確保したり、通風や採光を確保したい場合には、ダンパー設置箇所が壁となって立ちはだかり、大空間の確保や通風あるいは採光を確保するための開口を設けることが困難となる。
【0008】
もちろん、ダンパー取付け用横架材を柱梁からなる矩形フレームの内側に別途架け渡し、その上方空間にダンパーを設置して天井で隠してしまえば、残された空間を開口とすることはできるが、ダンパーに入力される相対変位量は、階高に対する天井裏高さの比率で減少し、制振効果は大幅に低下するとともに、天井高の確保による居住性向上とのせめぎあいともなる。
【0009】
また、柱梁の相対回転角が入力されるように該柱梁の仕口部にダンパーを設置する設置形態が知られており、かかる設置形態によれば、壁内空間の四隅が占有されるだけなので、矩形フレームの中央に開口を確保することができるとともに、四隅に設置されたダンパーについては、天井や床板で隠すことができるため、居室内の美観を維持することも可能となる。
【0010】
しかし、柱梁の相対回転角という形で地震動による建物の揺れを取り出す場合、仕口部近傍というわずかなコーナー空間ではその大きさに限度があり、大きな制振効果を期待することはやはり難しい。かかる事態は、いわゆる伝統工法で構築された木造住宅の床下空間に制振装置を設置する場合にも同様に問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、柱と横架材との相対回転角という形で地震動による建物の揺れを取り出す場合であっても、建物の揺れを短時間に収斂させることが可能でなおかつ柱と横架材とで囲まれた矩形フレームの内側空間がダンパーとその関連部材によってすべて占有されることがない制振装置及びそれを用いた木造建物の制振構造を提供することを目的とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る木造建物の制振構造は請求項1に記載したように、互いに対向配置された一対の柱、それらの頂部に架け渡された上段横架材及びそれらの脚部をつなぐ下段横架材を木造軸組部材とした矩形フレームの内側空間であって前記上段横架材の直下及び前記下段横架材の直上の少なくともいずれかが設置領域となるようにかつ該設置領域を除く領域が矩形状の開口となるように制振装置を設置した木造建物の制振構造において、
前記制振装置を、前記上段横架材の下面又は前記下段横架材の上面を取付け面として該取付け面にシリンダー及びピストンロッドのいずれか一方がピン接合されたオイルダンパーと、一端が前記取付け面にピン接合され他端が前記シリンダー及び前記ピストンロッドの他方にピン接合された揺動レバーと、該揺動レバーの中間位置に一端が接合され他端が前記一対の柱のうち、いずれか一方にピン接合されたアームとで構成するとともに、前記オイルダンパーに入力される地震時の相対水平変位が、該オイルダンパーの設置高さにおける柱の相対水平変位よりも拡大されるように、前記アームと前記揺動レバーとのピン接合位置及び前記アームと前記柱とのピン接合位置を設定したものである。
【0013】
また、本発明に係る木造建物の制振構造は、前記設置領域を前記上段横架材の直下であって該上段横架材の下方に設置された天井の直上とするとともに、該天井とその下方に設けられた床板に挟まれた開口を前記矩形状の開口とし、該矩形状の開口を隣接居室間で行き来可能に構成したものである。
【0014】
また、本発明に係る木造建物の制振構造は、前記設置領域を前記上段横架材の直下及び前記下段横架材の直上とするとともに、それらに挟まれた開口を前記矩形状の開口とし、該矩形状の開口に腰窓を嵌め込んだものである。
【0015】
また、本発明に係る木造建物の制振構造は、前記設置領域を前記下段横架材の直上とするとともに、前記上段横架材の直下に拡がる開口を前記矩形状の開口とし、該矩形状の開口に高窓を嵌め込んだものである。
【0016】
また、本発明に係る木造建物の制振構造は、互いに対向配置された一対の柱、それらの頂部に架け渡された上段横架材、それらの脚部をつなぐ下段横架材及び前記一対の柱の中間高さに架け渡された補助横架材を木造軸組部材とした矩形フレームの内側空間であって前記補助横架材の直下及び直上の少なくともいずれかが設置領域となるようにかつ該設置領域を除く領域が矩形状の開口となるように制振装置を設置した木造建物の制振構造において、
前記制振装置を、前記補助横架材の上面又は下面を取付け面として該取付け面にシリンダー及びピストンロッドのいずれか一方がピン接合されたオイルダンパーと、一端が前記取付け面にピン接合され他端が前記シリンダー及び前記ピストンロッドの他方にピン接合された揺動レバーと、該揺動レバーの中間位置に一端が接合され他端が前記一対の柱のうち、いずれか一方にピン接合されたアームとで構成するとともに、前記オイルダンパーに入力される地震時の相対水平変位が、該オイルダンパーの設置高さにおける柱の相対水平変位よりも拡大されるように、前記アームと前記揺動レバーとのピン接合位置及び前記アームと前記柱とのピン接合位置を設定したものである。
【0017】
また、本発明に係る木造建物の制振構造は、前記補助横架材の上面を取付け面とした場合の前記設置領域の上方又は前記補助横架材の下面を取付け面とした場合の該補助横架材の上方に拡がる開口を前記矩形状の開口とし、該矩形状の開口に高窓を嵌め込んだものである。
【0018】
また、本発明に係る木造建物の制振構造は、前記補助横架材の上面を取付け面とした場合の該補助横架材の下方又は前記補助横架材の下面を取付け面とした場合の前記設置領域の下方に拡がる開口を前記矩形状の開口とし、該矩形状の開口に地窓を嵌め込んだものである。
【0019】
また、本発明に係る木造建物の制振構造は、互いに対向配置された一対の柱、それらの頂部に架け渡された上段横架材、それらの脚部上方位置をつなぐ下段横架材を木造軸組部材とした矩形フレームの内側空間のうち、前記下段横架材の直下に制振装置を設置した木造建物の制振構造において、
前記制振装置を、前記下段横架材の下面を取付け面として該取付け面にシリンダー及びピストンロッドのいずれか一方がピン接合されたオイルダンパーと、一端が前記取付け面にピン接合され他端が前記シリンダー及び前記ピストンロッドの他方にピン接合された揺動レバーと、該揺動レバーの中間位置に一端が接合され他端が前記一対の柱のうち、いずれか一方にピン接合されたアームとで構成するとともに、前記オイルダンパーに入力される地震時の相対水平変位が、該オイルダンパーの設置高さにおける柱の相対水平変位よりも拡大されるように、前記アームと前記揺動レバーとのピン接合位置及び前記アームと前記柱とのピン接合位置を設定したものである。
【0020】
また、本発明に係る木造建物の制振構造は、前記木造建物を在来軸組工法で構築された木造建物としたものである。
【0021】
また、本発明に係る制振装置は請求項10に記載したように、木造軸組部材を構成する横架材の下面又は上面を取付け面として該取付け面にシリンダー及びピストンロッドのいずれか一方がピン接合されたオイルダンパーと、一端が前記取付け面にピン接合され他端が前記シリンダー及び前記ピストンロッドの他方にピン接合された揺動レバーと、該揺動レバーの中間位置に一端が接合され他端が前記横架材に接合され該横架材とともに前記木造軸組部材を構成する柱にピン接合されたアームとで構成するとともに、前記オイルダンパーに入力される地震時の相対水平変位が、該オイルダンパーの設置高さにおける柱の相対水平変位よりも拡大されるように、前記アームと前記揺動レバーとのピン接合位置及び前記アームと前記柱とのピン接合位置を設定したものである。
【0022】
木造建物において数多くの制振技術が開発ないしは提案されているものの、それらのほとんどが、柱梁で囲まれた矩形フレームの内側空間全体をほぼ占有する形でダンパーやそれに関連する部材が配置された構造になっている。
【0023】
これは、矩形フレームの中央近傍にダンパーを配置するとともに、該ダンパーを上下の横架材にそれぞれ接続することによって、層間変位、すなわち上下の横架材間に生ずる相対変位をダンパーに入力させようとしたからであるが、その結果、矩形フレームの内側空間全体が制振装置でほぼ占有されることとなり、採光や通風を確保し、あるいは人が行き来できるような開口を美観を損なわずに残すことは困難となる。
【0024】
これに対し、特許文献2のように、対向する一対の柱間の相対変位をダンパーに入力させた技術もいくつか見られるが、矩形フレームの中央近傍にダンパーを配置するとともに、該ダンパーを左右の柱にそれぞれ接続するという意味では、上述した層間変位タイプのものと同様であって、矩形フレームの内側空間全体がダンパーやそれに関連する部材に占有されており、上述した用途に使い得る開口を矩形フレームの内側空間に残すことはやはり難しい。
【0025】
また、特許文献2記載の制振装置のように、粘性ダンパーを採用したことで小型化が容易になる反面、全体の減衰力を少しでも高めるためには複数設置が不可欠となり、それが矩形フレームの内側空間を占有する原因になっているものも少なくない。
【0026】
また、柱梁あるいは柱と土台との相対回転角を仕口部で取り出してこれをダンパーに入力するものでは(特許文献1,4)、十分な制振化が困難であることは前述した通りである。
【0027】
ちなみに、特許文献3,5は、隣接居室間で人の行き来が可能な開口を残すことができる発明を開示した数少ない文献であるが、仕口部における柱と土台との相対回転角を利用したものであるため、やはり十分な制振化は望めない。
【0028】
なお、特許文献5には、ダンパーに入力される相対変位をリンク機構によって予め拡大可能な制振装置が開示されているものの、ピン位置の関係上、十分な拡大率を得ることは難しい。
【0029】
本出願人らは、かかる知見を踏まえ、柱梁あるいは柱と土台との相対回転角をダンパーに入力する場合であっても、採光や通風を確保し、あるいは人が行き来可能な開口を残しつつ、十分な制振化が可能な技術を研究開発した結果、本発明をなしたものである。
【0030】
すなわち、本発明に係る制振装置及びそれを用いた木造建物の制振構造においては、木造軸組部材を構成する上段横架材の下面、下段横架材の上面、補助横架材の下面若しくは上面又は下段横架材の下面を取付け面とし、該取付け面にオイルダンパーのシリンダー及びピストンロッドのいずれか一方をピン接合するとともに、同じ取付け面に揺動レバーの一端をピン接合してその他端をシリンダー及びピストンロッドの他方にピン接合し、揺動レバーの中間位置に一端をピン接合したアームの他端を柱にピン接合して構成するとともに、オイルダンパーに入力される地震時の相対水平変位が、該オイルダンパーの設置高さにおける柱の相対水平変位よりも拡大されるように、アームと揺動レバーとのピン接合位置、すなわち揺動レバーの中間位置と、アームと柱とのピン接合位置を設定してある。
【0031】
このようにすると、一対の柱が建物全体の揺れに合わせて左右に傾斜したとき、その傾斜に応じて、アームが揺動レバーを水平軸線廻りに揺動させ、その揺動によって該揺動レバーの先端には相対水平変位が生じ、該相対水平変位がオイルダンパーに伝達されるが、オイルダンパーには、該オイルダンパーの設置高さにおける柱の相対水平変位よりも拡大された相対水平変位が入力される。
【0032】
そのため、オイルダンパーに入力される相対水平変位は、層間変位よりは小さいとしても、オイルダンパーの減衰能力で十分補うことができる程度の相対変位が入力されることとなり、かくして建物の揺れを短時間に収斂させることができる。
【0033】
特に在来軸組工法で構築された木造建物については、柱と横架材との接合度(回転剛性)が比較的小さく、地震時においては、層間変形角に近い角度で柱が左右に傾斜するため、十分な大きさの相対水平変位をオイルダンパーに入力することができる。
【0034】
また、本発明においては、アーム他端との柱のピン接合位置から取付け面までの垂直距離をH、揺動レバーの他端、すなわちオイルダンパーとの連結箇所におけるピン位置から取付け面におけるピン位置までの垂直距離をHとすると、ダンパー設置高さで柱に生ずる相対水平変位δhは、アームの他端におけるピン位置では、
(H/H)・δh (1)
となる。ここで、建物の層間変形角が小さいことから、この相対水平変位が概ねそのままの大きさで揺動レバーの中間位置へと伝達されるものと近似する。
【0035】
一方、揺動レバーの中間位置から他端へは、
(H/H) (2)
の比率で拡大されるので、揺動レバーの他端での相対水平変位は、
(H/H)・δh (3)
と表すことができ、よって、揺動レバーの他端におけるダンパー設置高さで柱に生ずる相対水平変位δhは、
α=(H/H) (4)
で定められる係数αを乗じた倍率だけ拡大された状態で揺動レバーの他端に伝達し、オイルダンパーに入力されるものと考えることができる。
【0036】
ここで、αは、HとHの比率で決まってくるため、アームと揺動レバーとのピン接合位置及びアームと柱とのピン接合位置を設定するにあたっては例えば、HがH以上、望ましくはHの2倍以上、さらに望ましくはHの3倍以上となるように設定することが考えられる。
【0037】
一方、上述した計算式においては、柱が梁の下面から直線的にせん断変形するなどの近似が含まれているため、振動モデルを作成して解析を行うことによって、又は試験体を作成して試験を行うことによって、アームと揺動レバーとのピン接合位置及びアームと柱とのピン接合位置を設定するのがより望ましい。
【0038】
このように、本発明に係る制振装置及びそれを用いた木造建物の制振構造によれば、地震動による建物の揺れに起因した柱の傾斜から相対水平変位を取り出し、その高さに設置されたオイルダンパーに該相対水平変位を直接入力するよりも、α倍だけ大きくした相対変位をオイルダンパーに入力することが可能となる。
【0039】
そのため、例えばアームの他端と柱とのピン接合位置をオイルダンパーの設置高さに合わせた状態で、揺動レバーの中点をアームの一端が取り付けられるピン接合位置とした場合にはαは2、揺動レバーの3等分点のうち、取付け面に近い点をアームの一端が取り付けられるピン位置とした場合にはαは3となり、オイルダンパーに入力される相対水平変位の拡大率を従来よりも大幅に向上させることが可能となる。
【0040】
例えば、特許文献5記載の制振装置の場合、拡大率を2倍にしようとすると、該文献記載でいうところの第2のリンク部材は、その3等分点のうち、梁に近い点で該梁にピン接合される必要があり、その分、大型のブラケットが必要となるが(同文献の図1参照)、本発明では、揺動レバーの一端を取付け面にピン接合すればよいので、取付けのためのブラケットはごく簡易なもので足りる。加えて、同文献記載の第2のリンク部材と本発明の揺動レバーとの長さを同じとした場合、同文献記載の制振装置で拡大率が2となるケースでは、本発明では拡大率が3となる。
【0041】
また、本発明の制振装置は、その設置領域が、上段横架材の直下及び下段横架材の直上の少なくともいずれか、補助横架材の直下及び直上の少なくともいずれか、又は下段横架材の直下となり、かかる設置領域を除く領域が矩形状の開口となるように矩形フレームの内側空間に設置してある。
【0042】
そのため、制振装置の設置領域を除く領域として矩形フレームに残された矩形状の開口を、採光や通風のための開口とすることが可能となり、高い居住性を得ることができるとともに、人が行き来するための開口として、さらにはこの開口を室内で連続形成することによって隣接居室を一体化し、大空間を形成することも可能となる。
【0043】
矩形フレーム内の制振装置の設置領域と該矩形状フレームに残される矩形状の開口との関係において、上段横架材の直下及び下段横架材の直上の少なくともいずれかを設置領域とする場合には、以下の具体的構成、すなわち、
(a) 設置領域を、上段横架材の直下であって該上段横架材の下方に設置された天井の直上とするとともに、該天井とその下方に設けられた床板に挟まれた開口を矩形状の開口とし、該矩形状の開口を隣接居室間で行き来可能にする
(b) 設置領域を、上段横架材の直下及び下段横架材の直上とするとともに、それらに挟まれた開口を矩形状の開口とし、該矩形状の開口に腰窓を嵌め込む
(c) 設置領域を、下段横架材の直上とするとともに、上段横架材の直下に拡がる開口を矩形状の開口とし、該矩形状の開口に高窓を嵌め込む
といった構成を採用することができる。
【0044】
また、補助横架材の直下及び直上の少なくともいずれかを設置領域とする場合には、以下の構成、すなわち、
(d) 補助横架材の上面を取付け面とした場合の設置領域の上方又は補助横架材の下面を取付け面とした場合の該補助横架材の上方に拡がる開口を矩形状の開口とし、該矩形状の開口に高窓を嵌め込む
(e) 補助横架材の上面を取付け面とした場合の該補助横架材の下方又は補助横架材の下面を取付け面とした場合の設置領域の下方に拡がる開口を矩形状の開口とし、該矩形状の開口に地窓を嵌め込む
といった構成を採用することができる。
【0045】
かかる具体的構成のうち、(a)は、天井裏空間に制振装置を設置することで、天井と床板との間を矩形状の開口とし、該矩形状の開口を介して隣接居室を一体化させて大空間を形成することが可能となる。
【0046】
また、(b)は、腰窓によって標準的な採光及び通風を確保しつつ、上下に二段併置された制振装置によって、制振化への寄与の度合いを高めることが可能となる。
【0047】
また、(c)は、主としてプライバシーを確保したい居室に面する外壁で採用可能な構成であり、外壁の下方を制振のためのスペースとして用いながら、その上方を採光のための開口として用いることにより、建物全体の制振化に寄与させながら、屋外からの視線を遮断するとともに、いわゆるハイサイドライト特有の良質な採光を確保することが可能となる。
【0048】
また、(d)、(e)は、柱の中間高さ位置を制振のためのスペースとして用いながら、その上方と下方に残された矩形状の開口に高窓や地窓を嵌め込むことにより、建物全体の制振化に寄与させながら、屋外からの視線を遮断しつつ、いわゆるハイサイドライト特有の良質な採光を確保し、あるいは地窓特有の通風を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態に係る木造建物の制振構造の正面図。
【図2】本実施形態に係る制振装置の正面図。
【図3】本実施形態に係る制振装置及びそれを用いた木造建物の制振構造の作用を示した図。
【図4】本実施形態に係る制振装置の作用を示した説明図。
【図5】変形例に係る木造建物の制振構造を示した全体正面図。
【図6】別の変形例に係る木造建物の制振構造を示した全体正面図。
【図7】別の変形例に係る木造建物の制振構造を示した全体正面図。
【図8】別の変形例に係る木造建物の制振構造を示した全体正面図。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明に係る制振装置及びそれを用いた木造建物の制振構造の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0051】
図1は、本実施形態に係る木造建物の制振構造を示した正面図、図2は、それに用いる制振装置の正面図である。これらの図に示すように、本実施形態に係る木造建物の制振構造1は、在来軸組工法で構築された木造住宅を木造建物とし、かかる木造住宅の一階に立設された矩形フレーム5の内側空間に制振装置6を配置してなる。
【0052】
矩形フレーム5は、鉄筋コンクリートの布基礎(図示せず)の上に取り付けられた下段横架材としての土台4と、該土台4に立設された一対の柱2,2と、それらの頂部に架け渡された上段横架材としての梁3とからなる。
【0053】
制振装置6は図2に示すように、梁3の下方に配置されたオイルダンパー21と、該オイルダンパーに連結された揺動レバー25と、該揺動レバーに連結されたアーム26とで概ね構成してある。
【0054】
オイルダンパー21は、シリンダー22内にピストン(図示せず)を往復動自在に配置するとともに該ピストンにピストンロッド23を立設してあり、ピストンロッド23は、その先端を、梁3の下面を取付け面として該取付け面に垂設されたブラケット24の下端にピン29を介して連結してある。
【0055】
揺動レバー25は、その一端をピン30を介して取付け面である梁3の下面に連結してあるとともに、他端をピン31を介してオイルダンパー21のシリンダー22に連結してある。
【0056】
アーム26は、その一端をピン28を介して揺動レバー25の中間位置に連結してあるとともに、他端をピン27を介して柱2の側面に連結してある。
【0057】
ブラケット24は、揺動レバー25の長さを考慮しつつ、オイルダンパー21が概ね水平に保持されるように、その高さを適宜決定すればよい。
【0058】
揺動レバー25及びアーム26を構成するにあたっては、オイルダンパー21に入力される地震時の相対水平変位が、該オイルダンパーの設置高さにおける柱2の相対水平変位よりも拡大されるように、アーム26と揺動レバー25との接合位置であるピン28の位置や、アーム26と柱2とのピン接合位置であるピン27の位置を設定してある。
【0059】
一方、制振装置6は、矩形フレーム5の内側空間のうち、梁3の直下であって該梁の下方に設置された天井7の直上、つまり天井裏空間が設置領域となるように、かつその設置領域を除く領域のうち、天井7とその下方に設けられた床板8に挟まれた矩形状の開口9が、隣接居室間で行き来可能な開口となるように配置してある。
【0060】
本実施形態に係る制振装置6及びそれを用いた木造建物の制振構造1においては、一対の柱2,2が建物全体の揺れに合わせて左右に傾斜したとき、アーム26は図3に示すように、柱2の傾斜に応じて、揺動レバー25をピン30を回転中心として反時計廻り(同図(a))と時計回り(同図(b))に交互に揺動させ、その揺動によって該揺動レバーの先端には相対水平変位が生じ、該相対水平変位がオイルダンパー21に伝達されるが、かかる相対水平変位は、アーム26及び揺動レバー25によって、ダンパー設置高さでの柱2の相対水平変位よりも拡大された状態でオイルダンパー21に入力される。
【0061】
すなわち、図4(a)に示すように、アーム26と柱2とのピン接合位置であるピン27から取付け面までの垂直距離をH、揺動レバー25とオイルダンパー21との接合位置であるピン31から取付け面におけるピン30までの垂直距離をHとすると、ダンパー設置高さで柱2に生ずる相対水平変位δhは、アーム26の他端におけるピン27では、
(H/H)・δh (1)
となる。ここで、建物の層間変形角が小さいことから、この相対水平変位が概ねそのままの大きさで揺動レバー26の中間位置であるピン28へと伝達されるものと近似する。
【0062】
一方、揺動レバー25の中間位置であるピン28から他端であるピン31へは、
(H/H) (2)
の比率で拡大される。
【0063】
したがって、揺動レバー25の他端であるピン31での相対水平変位は、
(H/H)・δh (3)
と表すことができ、よって、ダンパー設置高さで柱に生ずる相対水平変位δhは、揺動レバー25の他端においては、
α=(H/H) (4)
で定められる係数αだけ拡大され、この拡大された相対水平変位がオイルダンパー21に入力されるものと考えることができる。
【0064】
具体的に検討すると、例えば揺動レバー25の中間位置であるピン28が該揺動レバーの中点で、アーム26の他端であるピン27がダンパー設置高さと等しい場合、すなわち、HがHで、HがH/2の場合(図4(b))、αは2となる。
【0065】
同様に、HがH/2で、HがH/2の場合(図4(c))、αは1、Hが(3/4)・Hで、HがH/2の場合(図4(d))、αは1.5、Hが(3/2)・Hで、HがH/2の場合(図4(e))、αは3、HがHで、HがH/3の場合(図4(f))、αは3となる。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係る制振装置6及びそれを用いた木造建物の制振構造1によれば、地震動による建物の揺れに起因した柱2の傾斜から相対水平変位を取り出し、その高さに設置されたオイルダンパー21に該相対水平変位を直接入力するよりも、α倍だけ大きくした水平相対変位をオイルダンパー21に入力することが可能となる。
【0067】
そのため、例えばアーム26の他端と柱2との接合位置であるピン27をオイルダンパー21の設置高さに合わせた状態で、揺動レバー25の中点をアーム26の一端が取り付けられる接合位置であるピン28の位置とした場合にはαは2、揺動レバー25の3等分点のうち、取付け面に近い点をピン28の位置とした場合にはαは3となり、かくしてオイルダンパー21に入力される相対水平変位の拡大率を従来よりも大幅に向上させることが可能となる。
【0068】
また、本実施形態に係る木造建物の制振構造1によれば、在来軸組工法で構築された木造建物を対象としたことにより、地震時においては、層間変形角に近い角度で柱2,2が左右に傾斜する。
【0069】
そのため、オイルダンパー21に入力される相対水平変位は、層間変位よりは小さくなるものの、その低減量はオイルダンパー21の減衰能力で十分補うことができる程度にとどまり、上述した相対水平変位の拡大率向上とも相俟って、建物の揺れを短時間に収斂させることが可能となる。
【0070】
また、本実施形態に係る木造建物の制振構造1によれば、制振装置6の設置領域を、梁3の直下であって該梁の下方に設置された天井7の直上とし、該天井と床板8に挟まれた矩形状の開口を隣接居室間で行き来可能な開口9としたので、該開口を介して隣接居室を一体化させ、大きな居住空間を形成することが可能となる。
【0071】
本実施形態では、説明の便宜上、一階について制振を行った例を説明したが、本発明に係る木造建物の制振構造を、二階、三階といった上階にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0072】
また、本実施形態では、制振装置6の設置領域を、梁3の直下であって天井7の直上としたが、矩形フレーム5の内側空間に矩形状の開口が残るのであれば、制振装置6をどのように設置してもかまわない。
【0073】
図5は、かかる変形例を示した正面図である。同図に示した木造建物の制振構造41は、制振装置6の設置領域を、上段横架材としての胴差し3aの直下及び土台4の直上とするとともに、胴差し3a直下に設置される制振装置6を垂壁42で、土台4の直上に設置される制振装置6を腰壁43でそれぞれ隠し、それらに挟まれた矩形状の開口44に腰窓を嵌め込んである。
【0074】
かかる構成によれば、腰窓によって標準的な採光及び通風を確保しつつ、上下に二段併置された制振装置6,6によって、制振化への寄与の度合いを高めることが可能となる。
【0075】
図6は、別の変形例を示した正面図である。同図に示した木造建物の制振構造51は、制振装置6の設置領域を土台4の直上とするとともに該制振装置を壁52で隠し、胴差し3aの直下に拡がる矩形状の開口53には高窓を嵌め込んである。
【0076】
かかる構成によれば、壁52の下方を制振のためのスペースとして用いながら、その上方を採光のための開口53として用いることにより、建物全体の制振化に寄与させながら、制振装置6を設置した壁52で屋外からの視線を遮断するとともに、いわゆるハイサイドライト特有の良質な採光を開口53で確保することが可能となる。
【0077】
なお、土台4の直上を制振装置6の設置領域とする代わりに、図7に示すように柱2,2の中間高さに補助横架材61を架け渡して、該補助横架材の下面を取付け面として制振装置6を設置することにより、補助横架材61の直下を制振装置6の設置領域とし、該制振装置を壁52aで隠すとともに、その上方に拡がる矩形状の開口53aに高窓を、下方に拡がる矩形状の開口53bに地窓をそれぞれ嵌め込むようにしてもよい。
【0078】
かかる構成によれば、矩形フレーム5の中間高さに拡がる領域を制振装置6の設置領域として用いながら、その上方及び下方を採光及び通風のための開口53a,53bとして用いることが可能となり、建物全体の制振化に寄与させながら、壁52aで屋外からの視線を遮断しつつ、いわゆるハイサイドライト特有の良質な採光を開口53aで確保するとともに、地窓特有の換気機能を開口53bで確保することができる。
【0079】
加えて、地震時における柱2,2の傾斜角は、在来軸組工法であっても仕口部での回転拘束は存在し、頂部や端部よりも中間高さ位置の方が大きくなる。したがって、上述のように構成すれば、オイルダンパー21に入力する相対変位を大きく取ることが可能となる。
【0080】
なお、上述した変形例においては、補助横架材61の下面を取付け面として制振装置6を設置することにより、補助横架材61の直下を制振装置6の設置領域としたが、これに代えて、補助横架材61の上面を取付け面として制振装置6を設置することにより、補助横架材61の直上を制振装置6の設置領域としてもかまわない。
【0081】
また、本実施形態では特に言及しなかったが、伝統工法で構築された古民家のように、柱をそれらの脚部近傍において足固めで相互につないである場合があるが、足固めの下方空間、つまり床下空間に余裕がある場合には、図8に示すように柱2,2の脚部近傍をつなぐ下段横架材である足固め81の下面を取付け面として制振装置6を設置するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1、41,51 木造建物の制振構造
2 柱
3 梁(上段横架材)
3a 胴差し(上段横架材)
4 土台(下段横架材)
5 矩形フレーム
6 制振装置
7 天井
8 床板
9,44,53 矩形状の開口
21 オイルダンパー
22 シリンダー
23 ピストンロッド
25 揺動レバー
26 アーム
27,28,29,30,31 ピン
61 補助横架材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向配置された一対の柱、それらの頂部に架け渡された上段横架材及びそれらの脚部をつなぐ下段横架材を木造軸組部材とした矩形フレームの内側空間であって前記上段横架材の直下及び前記下段横架材の直上の少なくともいずれかが設置領域となるようにかつ該設置領域を除く領域が矩形状の開口となるように制振装置を設置した木造建物の制振構造において、
前記制振装置を、前記上段横架材の下面又は前記下段横架材の上面を取付け面として該取付け面にシリンダー及びピストンロッドのいずれか一方がピン接合されたオイルダンパーと、一端が前記取付け面にピン接合され他端が前記シリンダー及び前記ピストンロッドの他方にピン接合された揺動レバーと、該揺動レバーの中間位置に一端が接合され他端が前記一対の柱のうち、いずれか一方にピン接合されたアームとで構成するとともに、前記オイルダンパーに入力される地震時の相対水平変位が、該オイルダンパーの設置高さにおける柱の相対水平変位よりも拡大されるように、前記アームと前記揺動レバーとのピン接合位置及び前記アームと前記柱とのピン接合位置を設定したことを特徴とする木造建物の制振構造。
【請求項2】
前記設置領域を前記上段横架材の直下であって該上段横架材の下方に設置された天井の直上とするとともに、該天井とその下方に設けられた床板に挟まれた開口を前記矩形状の開口とし、該矩形状の開口を隣接居室間で行き来可能に構成した請求項1記載の木造建物の制振構造。
【請求項3】
前記設置領域を前記上段横架材の直下及び前記下段横架材の直上とするとともに、それらに挟まれた開口を前記矩形状の開口とし、該矩形状の開口に腰窓を嵌め込んだ請求項1記載の木造建物の制振構造。
【請求項4】
前記設置領域を前記下段横架材の直上とするとともに、前記上段横架材の直下に拡がる開口を前記矩形状の開口とし、該矩形状の開口に高窓を嵌め込んだ請求項1記載の木造建物の制振構造。
【請求項5】
互いに対向配置された一対の柱、それらの頂部に架け渡された上段横架材、それらの脚部をつなぐ下段横架材及び前記一対の柱の中間高さに架け渡された補助横架材を木造軸組部材とした矩形フレームの内側空間であって前記補助横架材の直下及び直上の少なくともいずれかが設置領域となるようにかつ該設置領域を除く領域が矩形状の開口となるように制振装置を設置した木造建物の制振構造において、
前記制振装置を、前記補助横架材の上面又は下面を取付け面として該取付け面にシリンダー及びピストンロッドのいずれか一方がピン接合されたオイルダンパーと、一端が前記取付け面にピン接合され他端が前記シリンダー及び前記ピストンロッドの他方にピン接合された揺動レバーと、該揺動レバーの中間位置に一端が接合され他端が前記一対の柱のうち、いずれか一方にピン接合されたアームとで構成するとともに、前記オイルダンパーに入力される地震時の相対水平変位が、該オイルダンパーの設置高さにおける柱の相対水平変位よりも拡大されるように、前記アームと前記揺動レバーとのピン接合位置及び前記アームと前記柱とのピン接合位置を設定したことを特徴とする木造建物の制振構造。
【請求項6】
前記補助横架材の上面を取付け面とした場合の前記設置領域の上方又は前記補助横架材の下面を取付け面とした場合の該補助横架材の上方に拡がる開口を前記矩形状の開口とし、該矩形状の開口に高窓を嵌め込んだ請求項5記載の木造建物の制振構造。
【請求項7】
前記補助横架材の上面を取付け面とした場合の該補助横架材の下方又は前記補助横架材の下面を取付け面とした場合の前記設置領域の下方に拡がる開口を前記矩形状の開口とし、該矩形状の開口に地窓を嵌め込んだ請求項5記載の木造建物の制振構造。
【請求項8】
互いに対向配置された一対の柱、それらの頂部に架け渡された上段横架材、それらの脚部上方位置をつなぐ下段横架材を木造軸組部材とした矩形フレームの内側空間のうち、前記下段横架材の直下に制振装置を設置した木造建物の制振構造において、
前記制振装置を、前記下段横架材の下面を取付け面として該取付け面にシリンダー及びピストンロッドのいずれか一方がピン接合されたオイルダンパーと、一端が前記取付け面にピン接合され他端が前記シリンダー及び前記ピストンロッドの他方にピン接合された揺動レバーと、該揺動レバーの中間位置に一端が接合され他端が前記一対の柱のうち、いずれか一方にピン接合されたアームとで構成するとともに、前記オイルダンパーに入力される地震時の相対水平変位が、該オイルダンパーの設置高さにおける柱の相対水平変位よりも拡大されるように、前記アームと前記揺動レバーとのピン接合位置及び前記アームと前記柱とのピン接合位置を設定したことを特徴とする木造建物の制振構造。
【請求項9】
前記木造建物を在来軸組工法で構築された木造建物とした請求項1乃至請求項8のいずれか一記載の木造建物の制振構造。
【請求項10】
木造軸組部材を構成する横架材の下面又は上面を取付け面として該取付け面にシリンダー及びピストンロッドのいずれか一方がピン接合されたオイルダンパーと、一端が前記取付け面にピン接合され他端が前記シリンダー及び前記ピストンロッドの他方にピン接合された揺動レバーと、該揺動レバーの中間位置に一端が接合され他端が前記横架材に接合され該横架材とともに前記木造軸組部材を構成する柱にピン接合されたアームとで構成するとともに、前記オイルダンパーに入力される地震時の相対水平変位が、該オイルダンパーの設置高さにおける柱の相対水平変位よりも拡大されるように、前記アームと前記揺動レバーとのピン接合位置及び前記アームと前記柱とのピン接合位置を設定したことを特徴とする制振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−102541(P2012−102541A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252043(P2010−252043)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【出願人】(597007282)住友林業ホームテック株式会社 (43)
【出願人】(502141636)江戸川木材工業株式会社 (6)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】