説明

券類供給装置、発券装置及び券売機

【課題】
券類供給装置の券の投入時における券詰まりを防止する。
【解決手段】
ホッパの扉が開く事により前記ホッパの底面であって前記券類送出口と反対側のホッパの底面の一辺を支軸として支軸中心に回動可能である底面と、上記底面の下部にある上記底面を動かすカムとによって券装填の際にホッパの底面近傍に設けられた券類を送出するための券類送出口を塞ぐ。また前記ホッパの扉を閉めると、前記カムが回動し、前記券類送出口が開放される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は券類詰まりを防止する券類供給装置とその券類供給装置を持つ発券装置及び券売機に関する。
【背景技術】
【0002】
カード型の券類を上下に積み重ねて収納するホッパを有する券類供給装置においては、券類供給装置からの券類の送り出しは、券類供給装置の下部から送出手段により一枚ずつ送り出して発券するものであった。(特許文献1参照。)
【特許文献1】特開平7−89619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
定期券発売機などの券売機が持つ発券装置では定期券原紙、生カード等のプレカット券を充填する券類供給装置を有しており、券類供給装置への券類の装填は通常手作業で行われる。この券類供給装置からの券類の繰り出しは通常ピッカローラやピッカブロックなどが使われるが、券類がばらついたまま装填する等、正しい装填がされなかった場合、繰り出し手段が正常に作動せず券詰まりの原因となっている。また上記券詰まり防止の為の券装填時の注意事項が増え、作業者の業務の負担増にも繋がっている。
【0004】
本発明は券類の装填時に生じる券類のずれによる券詰まりを防止する券類供給装置、発券装置及び券売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために本発明の券類供給装置は、券類を積層した状態で収納する箱状のホッパと、前記ホッパの壁面に設けられ、前記ホッパに券類を入れるための扉と、前記扉とは異なる壁面であって前記ホッパの底面近傍に設けられた、券類を送出するための券類送出口と、前記扉が開くことにより前記券類送出口より券類の送出を阻止し、前記扉が閉まることにより券類の送出を許容する券類送出阻止機構とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば券類の装填時に生じる券類のずれによる券詰まりを防止する券類供給装置、発券装置及び券売機を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は、この発明の実施の形態にかかわる券売機1の構成を示す図である。 上記券売機1は、例えば、鉄道の駅に設置され、普通乗車券(エドモンソン券)を発券するものである。上記券売機1では、磁気ロール紙を所定のサイズに切り出して乗車券として発券する発券装置16を備えている。
【0009】
上記券売機1には、接客面に、タッチパネル2a内蔵の表示部2が設けられている。上記タッチパネル2aは液晶表示部(LCD)などにより構成される。上記表示部2は、発券する券の種類や枚数などの発行案内を表示したり、発券する券の合計金額や利用者が投入した金額などの案内を表示したりする。
【0010】
また、接客面には紙幣投入/排出口4、硬貨投入口5、硬貨排出口8、券投入/排出口6が設けられている。紙幣投入/排出口4では、利用者により紙幣が投入されるとともに、つり銭等としての紙幣を排出する。硬貨投入口5では、利用者が券類を購入するために代金を投入する。硬貨排出口8は、つり銭としての硬貨が排出される。上記券投入/排出口6には、発券処理された乗車券が排出される。
【0011】
また、上記券売機1内には、図1に示すように、主制御部10が設けられており、この主制御部10は券売機1全体の制御を司るもので、たとえば、マイクロコンピュータとその周辺回路などを主体に構成されている。また、上記主制御部10には、利用区間に対応する運賃データなどが記憶されているメモリ11が接続されている。上記主制御部10は、上記メモリ11に記憶されているデータに基づいて運賃などの計算を行うようになっている。
【0012】
上記紙幣投入/排出口4には、紙幣処理部14が接続されており、この紙幣処理部14では上記紙幣投入/排出口4に投入された紙幣、あるいは、上記紙幣投入/排出口4から放出する紙幣の処理を行う。たとえば、上記紙幣処理部14では、上記紙幣投入/排出口4に投入された紙幣を鑑別し、券種ごとに貯留し、上記主制御部10からの指示に応じて貯留している紙幣をつり銭として上記紙幣投入口4から放出する。
【0013】
上記硬貨投入口5には検銭部15もが接続されており、この検銭部15では、上記硬貨投入口5に投入された硬貨の処理を行う。上記硬貨排出口8には釣銭部18が接続されており、釣銭部18では、上記硬貨排出口8から放出する硬貨の処理を行う。
【0014】
また、上記検銭部15には、釣銭部18が接続されている。たとえば、上記検銭部15では、上記硬貨投入口5に投入された硬貨を鑑別し、鑑別した硬貨の種類ごとに釣銭部18に貯留する。上記釣銭部18では、上記主制御部10からの指示に応じて貯留している硬貨を上記硬貨排出口8から放出する。
【0015】
そして、主制御部10には発券装置16が接続されており、上記発券装置16には、上記券投入/排出口6が接続されている。上記発券装置16では、上記主制御部10からの指示に応じて乗車券の発券処理を行い、発券処理された乗車券を上記券投入/排出口6から排出したり、旧券を投入するようになっている。
【0016】
次に、上記発券装置16内の構成について説明する。
図2は、発券装置16の内部機構を概略的に示す図である。
発券装置16内には、ロール紙30が装填されている。上記ロール紙30は、磁気情報を記録する記録層を有する媒体により構成される。
【0017】
上記ロール紙30は、搬送ローラにより搬送路31に沿って引き出されるようになっている。
【0018】
上記搬送路31上には、カッタ部32が設けられている。上記カッタ部32は、ロール紙30をカットする機構により構成され、ロール紙30は、所定の長さで上記カッタ部32により搬送方向に対して直交する方向に切断される。
【0019】
このため、上記カッタ部32によりカットされたロール紙の紙片(乗車券として発券される記録媒体)は、ロール紙30の幅とカットされた長さとからなる長方形となる。上記搬送路31上には、ロール紙の有無を検知する図示しないセンサが複数設けられている。各センサの検知信号に基づいて、上記搬送路31上のロール紙30の先端位置、あるいは、ロール紙30から切り出された紙片の位置などが検出されるようになっている。
【0020】
上記搬送路31上のカッタ部32の後段には、印刷部33が設けられている。上記印刷部33は、上記カッタ部32により所定のサイズに切り出された紙片と後述する券類供給装置から送出された定期原券等に対して印刷処理を行う部位である。上記印刷部33は、印刷機構33aとローラ33bとを有している。上記印刷機構33aは、搬送路31上を搬送される記録媒体(ロール紙の紙片)の表面に印刷を行う機構であり、上記ローラ33bは、カッタ部32により切出された記録媒体(ロール紙の紙片)を上記印刷機構33aの印刷速度に応じて搬送する。上記印刷部33では、記録媒体の表面に、たとえば、駅名、区間、料金、あるいは券種などの各種の券面情報を印刷するようになっている。
【0021】
上記搬送路31上の後段には、情報記録部35が設けられている。上記情報記録部35は、情報書込部35aと情報読取部35bとを有している。上記情報書込部35aは、上記搬送路31上を搬送される記録媒体(ロール紙30から切り出された紙片)に情報を書き込むものである。上記書込部35aは、ロール紙30から切り出された記録媒体の記録層に、所定の乗車券情報を磁気情報として書き込むための磁気ヘッドにより構成される。上記情報読取部35bは、上記書込部35aにより書き込まれた情報を上記搬送路31上を搬送される記録媒体から読取るものである。つまり、情報読取部35bは、上記書込部35aにより記録媒体に書き込んだ情報を確認するために読取するものである。上記情報読取部35bは、ロール紙30から切り出された記録媒体の記録層から磁気情報を読取るための磁気ヘッドにより構成される。情報読取部35bで読み込まれた情報が正しくなければ、記録媒体は搬送路31上を逆走し、回収部34aに回収される。この情報読取部35bはまた、装置に投入された情報媒体等(旧定期券、プリペイドカード、精算前の切符等)からの情報も読み込む。旧定期券や使用済みプリペイドカードのような大型情報媒体等であり、返却の必要無しと判断された情報媒体等は券投入/排出口6より搬送路31を逆走し、回収部34bに回収される。また残高のあるプリペイドカード等返却の必要ありと判断された情報媒体は搬送路31を逆走し、情報媒体保留部36に一旦保留される。
【0022】
上記搬送路31上の情報記録部35の後段には、上記券投入/排出口6が設けられ、この券投入/排出口は発券装置16から突出している。すなわち、上記情報記録部35において記録媒体に書き込んだ情報が正常であれば、当該記録媒体を券投入/排出口6から排出することより、乗車券を発券する。また券やカード等を投入する場合もこの券投入/排出口6から行われる。
【0023】
この発券装置16には2つの券類供給装置が設けられている。これらの券類供給装置の仕組みは同一であり、大きさが異なる。小さい券類供給装置はプリペイドカード等の磁気カードに使用され、もう一方の大きい券類供給装置は定期等に用いられるリライト用カードが積層される。
【0024】
図3はホッパの底面が回動可能な券類供給装置100の斜視図であり、図4は扉114が開いている状態の側面に平行な断面図、図5は扉114を閉じた状態での側面に平行な断面図を示す。
【0025】
券類供給装置100は多数の券類を上下に積み重ねた積層状態で収容する底面回動式ホッパ110を有する。この底面回動式ホッパ110の底面111は券類が送出される側とは反対側にあたるホッパ110の壁面と接続された底面の一辺の支軸111aを軸として回動するようになっておりその底面111の下にはカム112が設置されている。
【0026】
このカム112はモータ113で回動される。扉114が開いたことを光センサ115で検知するとモータ113が起動してカム112が回動し、ホッパ110の底面111を押し上げ、支軸111aを軸として回動することにより券類送出口116を閉塞する。
【0027】
この底面回動式ホッパ110の下方には券類を送り出す為の送り出しローラ117を備えている。底面回動式ホッパ110の一方の壁面には券類を投入する為の扉114が設けられており、扉114の近傍には扉の開閉を検知するための光センサ115が設置されている。また底面回動式ホッパ110の他方の壁面には券類を送り出す券類送出口116を備えている。また券類送出口116の前方にはギャップブロック118が設けられ、ギャップブロック118はその間隙が券類1枚の厚さよりもわずかに広くすることにより券類が2枚以上送出される事を防止する。
【0028】
以下券類供装置100において券類を装填する動作を図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0029】
底面回動式ホッパ110の扉114を開く(S11)。光センサ115により扉114を開けた事を検知すると、モータ113が起動され、このモータ113の起動によりカム112が反時計方向に回動してカムの作用部112aが上がる。このときカム112の位置は図4の断面図の位置をとる。カムの作用部112aが回動して上がる事により底面111が一辺に設けられた支軸111aを軸として図4中反時計方向に回動し、この底面111によって、券類送出口116が閉塞される(S12)。
【0030】
この状態で係員が券類を底面回動式ホッパ110の壁に突き当たるように投入する(S13)。このとき底面111によって券類送出口116が塞がっているので券類が券類送出口116に入り込むことがない。券類装填後に係員が扉114を閉めると、扉114を閉めたことを光センサ115が検知し、モータ113のスイッチが入りカム112が図4中時計方向に回動し、カムの作用部112aが下がる。このときカム112の位置は図5の断面図の示す位置をとる。カムの作用部112aが下がることにより底面111が図4中時計方向に回動し、券類送出口116が開放される(S14)。券類送出口116が開放された状態で券類の供給の指示が出ると送り出しローラ117が図5中時計方向に回転され、ホッパ内の最下端の券類のみがギャップブロック118から送出される(S15)。
【0031】
なおモータ113へのトリガは光センサ以外に、扉の開閉によってマイクロスイッチを押すような形状にする等、種々変型可能である。また底面を回動駆動させる機構としてモータだけでなく、ソレノイド等によって駆動することも可能である。
【0032】
このように券類送出口116が閉塞することで、ホッパ110の壁に押しあてて券類を投入できる為、券類の端をそろえる事が出来、券類送出口116が閉塞されているため投入中に券類が券類送出口116から出てしまうことがないため、券詰まりを防止出来る。
【0033】
次に、上記のように構成される券類供給装置を設けた発券装置1における定期券の発券する場合の処理について説明する。
図7は、上記発券装置1での定期券の発券処理の流れを説明するためのフローチャートである。
まず、利用者は、発券装置1のタッチパネル2a等を用いて定期券の発券を指示し、表示に従い、その定期券の購入金額を紙幣投入/排出口4あるいは硬貨投入口5に投入する(S1)。すると、上記発券装置1の主制御部10は、当該利用者が紙幣投入/排出口4あるいは硬貨投入口5に投入した金額を鑑査し、指示された定期券の発券が可能であるか否かを判断する(S2)。これにより指示された定期券の発券が可能であると判断すると、上記発券装置1の主制御部10は、発券装置16による定期券の処理を開始する(S3)。
【0034】
上記主制御部10が定期券の発券を指示すると、発券装置16では、券類供給装置内部で送り出しローラ117が回転し、定期券の原券が搬送路31に送出される(S4)。
【0035】
原券は搬送路31を通り、印刷部33まで運ばれ、原券の表面に所定の券面情報を印字する(S5)。上記印刷部33により原券に券面情報が印字されると、次に定期券情報としての磁気情報を書き込む(S6)。
【0036】
上記情報記録部35では、上記印刷部33で処理された原券の記憶層に定期券情報としての磁気情報を書き込み、その書き込んだ情報を確認読取する(S7)。ここで、当該原券に書き込んだ情報が正常に読取れなかった場合、つまり、当該原券に正常に磁気情報が書き込めなかった場合、当該原券は、回収部に搬送される(S8b)。この場合、定期券の発券処理は中断されるか、あるいは、リトライされる(S8c)。
【0037】
当該原券に書き込んだ情報が正常に読取れた場合、つまり、当該原券に正常に磁気情報が書き込めた場合、上記主制御部10は、当該原券を搬送路31により搬送し、券排出口6から排出する。これにより、当該原券は、利用者が指示した定期券として発券される(S8a)。
【0038】
上記実施の形態では、上記発券機が定期券を発券する処理について説明したが、普通乗車券等を発券する処理についても、精算券を発券する処理についても、同様な流れによって発券される。
【0039】
以上のように券類供給装置を用いる事で、この発券装置は、券類の装填時に生じる券類のずれによる券詰まりを防止する。
【実施例2】
【0040】
図8は券類止め部材206の回動を行う券類供給装置200の斜視図であり、図9は扉203を開いた状態において券類供給装置200の下部より券類供給装置200を見た場合の外観図、図10は扉203を閉じた状態、つまり券類止め部材206が券類の送出を許容している状態での側面に平行な断面図、図11は扉203が開いている状態、つまり券類止め部材206が券類送出口204の前に位置している場合の正面図、図12は扉203が開いている状態、つまり券類止め部材206が第一の方向に回動し、券類送出口204の前に位置して券類の流出を阻止している場合の断面図を示す。
【0041】
券類供給装置200は多数の券類を上下に積み重ねた積層状態で収容するホッパ201を有し、このホッパ201の下方には回転することにより券類を送り出す送り出しローラ202が設けられている。ホッパ201には一方の壁面に券類を投入する為の扉203が設けられており、他方の壁面に券類を送り出す券類送出口204が設けられている。また券類送出口204の券類送出方向前方にはギャップブロック205があり、ギャップブロック205はその間隙が券類一枚の厚さよりもわずかに広くすることにより券類が2枚以上送出される事を防止する。券類送出口204の券類送出方向前方でギャップブロック205の横には券類止め部材解除レバー207を通じて扉203に連動して回動する仕組みをもつ券類止め部材206が設けられている。
【0042】
券類止め部材206はL字型形状の部材であり、支軸208を中心として回動可能に設けられている。券類止め部材206は作用部位206aと二つの力点部206b、206cを持つ。作用部位206aはL字型形状の一方向で、券類の送出を防ぐ働きを持つ。L字型形状の他方向の端部には回動の中心となる支軸208及び力点部206a、206bが設けられている。
【0043】
支軸208とホッパ201の底面との間に設けられた券類止め部材206上の力点部206bには一方がホッパ201の下に固定されたバネ209が券類止め部材を図10中反時計方向に回動するよう付勢する状態で接続されている。
【0044】
力点部206bとホッパ201の底面との間に設けられた券類止め部材206上の力点部206cにはホッパ201の底面の下方においてホッパの側面に平行にスライドする棒状の券類止め部材解除レバー207の一端が券類止め部材206が回動可能な状態で接続されている。券類止め部材解除レバー207の他端は、扉207を閉めることにより押され、また扉207を開放することにより他端の受ける扉207からの押圧が解かれる仕組みとなっている。
【0045】
それにより券類止め部材解除レバー207は扉203を開放した際にバネ209の付勢力によってホッパ201の底面部を図中左方向に移動するようになっている。
【0046】
また扉203を閉めることにより券類止め部材解除レバー207が扉203により押され、それにより券類止め部材解除レバー207が券類止め部材206の力点部位206cを押すこととなる。その結果として券類止め部材206はバネ209の付勢力に抗して図10中時計方向に回動させられる。
【0047】
このように券類止め部材206が反時計方向に回動することにより作用部位206aが券類送出口204の送出方向前方に位置し券類の送出を阻止し、券類止め部材206が時計方向に回動することにより作用部位206aが券類送出口204の送出方向前方からはずされ券類の送出を許容する。
【0048】
以下この券類供給装置200において券類を投入する動作を図13を用いて説明する。
【0049】
係員が券類をホッパ201に装填するために扉203を開ける(S21)。
【0050】
扉203を開くことにより券類止め部材解除レバー207の押圧が解かれ、付勢されていたバネ209が戻り、券類止め部材解除レバー207がバネの力により一部がホッパの外側に突出する。券類止め部材解除レバー207が突出することにより券類止め部材解除レバー207が接続された券類止め部材206が図10中反時計方向に回動され、券類止め部材206の作用点206aが図12に示すように券類送出口204の券類送出方向前方に位置し、券類送出口204からの券類の突出が阻止される(S22)。
【0051】
券類止め部材206が券類送出口204の券類送出方向前方に位置した後、作業者は券類をホッパ201の壁に突き当たるように装填する。このとき券類止め部材206が券類送出口204の前方に位置するため装填時において券類を券類送出口204側の壁面に押し当てるように装填しても券類が券類送出口204より外に突出することがない(S23)。
【0052】
券類の装填が完了した後に係員がホッパ201の扉203を閉めることにより券類止め部材解除レバー207の一端が押され、それにより券類止め部材解除レバー207の他端に接続された券類止め部材206が図10中時計方向に回動することにより、券類止め部材206の位置は図10に示すように、券類止め部材206の作用部位206aが券類送出口204の券類送出方向前方よりも下方に位置する(S24)。券類送出口204が開放された状態で券類の供給の指示が出ると送り出しローラ202が時計方向に回転され、ホッパ内の最下端の券類のみがギャップブロック205から送出される(S25)。
【0053】
このように、扉203の開放時に券類送出口204からの券類の送出を阻止することで、ホッパ201の壁に押し当てて券類を投入することができるため、券類の端を揃えることができ、券類の投入中に券類が券類送出口204から突出することがないため、券類の投入による券詰まりを防止できる。
【実施例3】
【0054】
図14はマイクロスイッチ307により扉303の開閉を検知して券類止め部材306の回動を行う券類供給装置300の斜視図であり、図15は扉303を開いた状態において下部より券類供給装置300を見た場合を示す外観図、図16は扉303を閉じた状態、つまり券類の送出が許容された状態での側面に平行な断面図、図17は扉303が開いている状態、つまり券類止め部材306が第2の方向に回動して券類止め部材306が第1の方向で回動して券類送出口304の券類送出方向前方に位置している場合の正面図、図18は扉303が開いている状態、つまり券類止め部材306が第2の方向に回動して券類送出口304の券類送出方向前方に位置している場合での側面に平行な断面図をそれぞれ示す。
【0055】
券類供給装置300は多数の券類を上下に積み重ねた積層状態で収容するホッパ301を有し、このホッパ301の下方には図16中時計回りに回転することにより券類を送り出す為の送り出しローラ302が設けられている。
【0056】
ホッパ301には一方の壁面に券類を投入する為の扉303が設けられており、他方の壁面の底面近傍には券類を送り出す券類送出口304が設けられている。また扉303の近傍には扉の開閉を検知するためのマイクロスイッチ307が設けられている。マイクロスイッチ307は扉303を閉じることにより押下され、スイッチが入り、ソレノイド308に通電され、ソレノイドの芯312の吸引力が発生する。またマイクロスイッチ307は扉303が開くことによりスイッチが解除され、ソレノイド308への通電が止められ、ソレノイドの芯312の吸引力は無くなる。
【0057】
また券類送出口304の券類送出方向前方にはギャップブロック305がありギャップブロック305はその間隙が券類一枚の厚さよりもわずかに広くすることにより券類が2枚以上送出される事を防止する。
【0058】
券類送出口304の券類送出方向前方でギャップブロック305の横にはソレノイド308に接続されたL字型の券類止め部材306が設けられている。
【0059】
ホッパ301の下方においてソレノイド308の芯312に接続されている券類止め部材306は支軸310を中心に回動可能に設けられている。券類止め部材306は作用部位306aと力点部位306bと支軸310を持つ。L字型形状の一方向が作用部位306aである。作用部位306aは券類止め部材306が図中反時計方向に回動することにより券類送出口304の前に位置し、券類の送出を阻止する働きを持つ。
【0060】
支軸310とホッパ301の底面との間に設けられた、券類止め部材306上の力点部306bには、一端がホッパ301の下に固定され、他端が力点部306bに回動可能に接続されたバネ311が設けられている。バネ311は、券類止め部材306を図16中反時計方向に回動するように付勢する状態で接続されている。
【0061】
券類止め部材306のL字型形状の他方向の端部には力点部306bが、L字型形状の他方向の辺の中央には力点部306cが設けられている。力点部306cには券類止め部材306が回動可能なようにソレノイド308の芯312が接続されており、ソレノイド308の芯312が上がった状態において券類止め部材306の作用部位306aが券類送出口304の送出方向前方で券類の送出を阻止する状態となり、ソレノイド308の芯312が吸引された状態において券類止め部材306の作用部位306aが券類送出口304の送出方向前方から退避して、券類の送出を許容する状態となるようにソレノイド308は設けられている。
【0062】
以下この券類供給装置300において券類を装填する動作を図19を用いて説明する。
【0063】
係員が券類装填のためにホッパ301の扉を開く(S31)。
【0064】
扉303を開放した際、スイッチが解除されたことにより扉303の開放を検知したマイクロスイッチ307によってソレノイド308へ流れていた電流が止められる。
【0065】
ソレノイド308への電流が止められると、ソレノイド308の芯312の吸引力が無くなり、結果としてバネ311の付勢によって、支軸310を中心として券類止め部材306が図16中反時計方向に回動され、券類止め部材306の作用部位306aが券類送出口304の券類送出方向前方に位置し、券類の送出を防ぐ(S32)。
【0066】
この状態において係員が券類をホッパ301の壁に突き当たるように投入する(S33)。
【0067】
その後、扉303を閉じると、マイクロスイッチ307が扉303の閉鎖を検知し、マイクロスイッチ307によってソレノイド308へ電流が流され、ソレノイド308の芯312が吸引される。その結果として券類止め部材306が支軸310を中心として図16中時計回りに回動する。そして券類止め部材306の作用部位306aが券類送出口304の送出方向前方から退避して(S34)券類の送出が許容される。券類送出口304が開放された状態で券類供給の指示が出ると送り出しローラ302が時計方向に回転され、ホッパ内の最下端の券類のみがギャップブロック305から送出される(S35)。
【0068】
なお、マイクロスイッチ307は光センサ等に変えるなどの応用が可能である。
【0069】
このように券類の投入時には扉303を開放することによって券類止め部材306が回動して、券類送出口304からの券類の送出を阻止する位置にあるため、ホッパ301の壁に押し当てて券類を投入できる為、券類の端を揃えることができ、また券類止め部材306により出口からの流出が阻止されているため装填中に券類が券類送出口304から出てしまうことがなく、券詰まりを防止出来る。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第一の実施例である発券機の概略構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第一の実施例である発券装置を概略的に示す構成図発券装置。
【図3】本実施例による券類供給装置100の斜視図。
【図4】券類供給装置100でカムが上がっている状態を示す断面図。
【図5】券類供給装置100でカムが下がっている状態を示す断面図。
【図6】券類供給装置100の券類供給のフローチャート。
【図7】発券機による乗車券の発券処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図8】本発明の第2の実施例による券類供給装置200の斜視図。
【図9】本発明の第2の実施例による券類供給装置200の下から見た図。
【図10】扉203を閉じた状態での扉に垂直な断面図。
【図11】券類止め部材が閉まっている時の正面図
【図12】券類止め部材が閉まっている状態の側面図。
【図13】券類供給装置200の券類供給のフローチャート。
【図14】本発明の第3の実施例による券類供給装置300の斜視図。
【図15】本発明の第3の実施例による券類供給装置300の下から見た図。
【図16】扉303を閉じた状態での扉に垂直な断面図。
【図17】券類止め部材が閉まっている時の正面図
【図18】券類止め部材が閉まっている状態の側面図。
【図19】券類供給装置300の券類供給のフローチャート。
【符号の説明】
【0071】
101、201、301 ホッパ
117、202、302 送り出しローラ
114、203、303 扉
116、204、304 券類送出口
118、205、305 ギャップブロック
206、306 券類止め部材
207 券類止め部材解除レバー
307 マイクロスイッチ
308 ソレノイド
110 底面回動式ホッパ
111 底面
112 カム
113 モータ
115 光センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
券類を積層した状態で収納する箱状のホッパと、
前記ホッパの壁面に設けられ、前記ホッパに券類を投入するための扉と、
前記扉とは異なる壁面であって前記ホッパの底面近傍に設けられた、券類を送出するための券類送出口と、
前記扉が開くことにより前記券類送出口より券類の送出を阻止し、前記扉が閉まることにより券類の送出を許容する券類送出阻止機構と、
を有することを特徴とする券類供給装置。
【請求項2】
券類を積層した状態で収納する箱状のホッパと
前記ホッパの壁面に設けられ、前記ホッパに券類を投入するための扉と、
前記ホッパが持つ一辺を支軸として回動可能な底面と、
前記扉とは異なる壁面であって、前記底面の回動支軸と対抗する壁面の前記底面近傍に設けられた、券類を送出するための券類送出口と、
前記扉を開くことにより前記底面の支軸を軸として上向きに回動させ前記券類送出口を閉塞し、前記扉を閉じることにより前記底面の支軸を軸として下向きに回動させて前記券類送出口を開放するよう前記底面を回動させる駆動機構と、
を有することを特徴とする券類供給装置。
【請求項3】
券類を積層した状態で収納する箱状のホッパと、
前記ホッパの壁面に設けられ、前記ホッパに券類を投入するための扉と、
前記扉とは異なる壁面であって前記ホッパの底面近傍に設けられた、券類を送出するための券類送出口と、
前記券類送出口近傍に設けられた部材であって、前記扉を開くことにより第一の方向に回動され、前記券類送出口にて券類の送出を阻止し、前記扉を閉じることにより前記第一の方向とは逆向きの第二の方向に回動することにより券類送出口にて券類の送出を許容する券類送出阻止部材と、
を有することを特徴とする券類供給装置。
【請求項4】
券類供給装置より供給された券類に可視情報を印刷するための印刷部と、
前記券類供給装置により供給された券類に情報を記録させる情報記録部と、
前記券類供給装置より券類を前記印刷部と前記情報記録部に搬送する搬送路とを有し、
前記券類供給装置は、
券類を積層した状態で収納する箱状のホッパと、
前記ホッパの壁面に設けられ、前記ホッパに券類を投入するための扉と、
前記扉とは異なる壁面であって前記ホッパの底面近傍に設けられた、券類を送出するための券類送出口と、
前記扉が開くことにより前記券類送出口より券類の送出を阻止し、前記扉が閉まることにより券類の送出を許容する券類送出阻止機構と
を有すること特徴とする発券装置。
【請求項5】
券類供給装置により供給された券類に可視情報を印刷するための印刷部と、
前記券類供給装置により供給された券類に情報を記録する情報記録部と、
前記券類供給装置より券類を前記印刷部と前記情報記録部に搬送する搬送路と、
利用者によって操作され、貨幣の投入、券の購入指示を行うことにより前記券類供給装置から券を供給し、前記印刷部による可視情報の印刷及び位置情報記録部による情報の記録を行った県を発行する制御部とを有し、
前記券類供給装置は、券類を積層した状態で収納する箱状のホッパと、
前記ホッパの壁面に設けられ、前記ホッパに券類を投入するための扉と、
前記扉とは異なる壁面であって前記ホッパの底面近傍に設けられた、券類を送出するための券類送出口と、
前記扉が開くことにより前記券類送出口より券類の送出を阻止し、前記扉が閉まることにより券類の送出を許容とする券類送出阻止機構と、
を有することを特徴とする券売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−250499(P2008−250499A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89051(P2007−89051)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】