説明

力学量検出センサ

【課題】検出素子に対する配線の引き回しが簡易である力学量検出センサを提供すること。
【解決手段】本発明の力学量検出センサは、枠体と、変位部と、前記枠体に対し前記変位部を揺動可能に支持する梁部とを有する第1の半導体基板と;前記枠体に接続された支持部と、前記変位部に接続された錘部とが形成されており、前記第1の半導体基板に絶縁層を介して積層された第2の半導体基板と;上部電極と、下部電極と、前記上部電極及び下部電極間に挟持された圧電薄膜とで構成され、前記梁部の撓み量に基づいて力学量に応じた信号を出力する検出素子とを備え、前記下部電極が前記第1の基板と電気的に導通されており、前記変位部が第1のコンタクトホールを介して前記錘部と電気的に導通されており、前記枠体の一つの電極パッドが第2のコンタクトホールを介して前記支持部と電気的に導通されており、前記錘部、前記変位部、前記梁部、前記下部電極、前記枠体及び前記支持部が導通されてアースとなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の3軸方向の加速度を検出可能な力学量検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車産業や機械産業では、加速度を正確に検出できる小型の力学量検出センサの需要が高まっている。このような力学量検出センサとして、互いに直交する3軸方向の加速度を同時に検出できる加速度センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。この加速度センサは、シリコン製の第1の半導体基板、酸化シリコン製の絶縁層、シリコン製の第2の半導体基板を接合した3層構造のSOI基板をエッチングして形成される。
【0003】
第1の半導体基板にはエッチングにより枠体と、枠体の中央に位置する変位部と、枠体の四辺から変位部に連なる梁部とが形成され、第2の半導体基板にはエッチングにより枠体に接合された支持部と、変位部に接合された錘部とが形成される。また、各梁部の上面には検出素子が配置されており、錘部に慣性力が作用して各梁部が撓み変形することで、3軸方向の加速度が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−322300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような力学量検出センサにおいて、検出素子は、上部電極と、下部電極と、上部電極及び下部電極間に挟持された圧電薄膜と、で構成されており、この検出素子が梁部に複数設けられている。この検出素子の上部電極及び下部電極は、枠体上に設けられた電極パッドまで配線で引き回されており、配線が非常に複雑であった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、検出素子に対する配線の引き回しが簡易である力学量検出センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の力学量検出センサは、少なくとも一つの電極パッドを有する枠体と、前記枠体の内側に位置する変位部と、前記枠体に対し前記変位部を揺動可能に支持する梁部とが形成された第1の半導体基板と、開口部を有し、前記枠体に接続された支持部と、前記開口部内で前記変位部に接続された錘部とが形成されており、前記第1の半導体基板に絶縁層を介して積層された第2の半導体基板と、上部電極と、下部電極と、前記上部電極及び下部電極間に挟持された圧電薄膜とで構成され、前記第1の半導体基板上に設けられており、前記梁部の撓み量に基づいて力学量に応じた信号を出力する検出素子とを備え、前記下部電極が前記第1の基板と電気的に導通されており、前記変位部が第1のコンタクトホールを介して前記錘部と電気的に導通されており、前記枠体の一つの電極パッドが第2のコンタクトホールを介して前記支持部と電気的に導通されており、前記錘部、前記変位部、前記梁部、前記下部電極、前記枠体及び前記支持部が導通されてアースとなることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、検出素子の下部電極が、枠体、変位部、梁部及び電極パッドを有する第1の基板と電気的に導通されており、前記変位部が第1のコンタクトホールを介して第1の基板に積層される第2の基板の錘部と電気的に導通されており、前記枠体の一つの電極パッドが第2のコンタクトホールを介して前記支持部と電気的に導通されており、前記錘部、前記変位部、前記梁部、前記下部電極、前記枠体及び前記支持部が導通されてアースとなるので、検出素子に対する配線の引き回しが簡易である力学量検出センサを提供することができる。
【0009】
本発明の力学量検出センサにおいては、前記第1のコンタクトホールは、前記変位部において、前記錘部の重心を通る仮想線上に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、錘部、変位部、梁部、下部電極及び枠体が導通されてアースとなるので、検出素子に対する配線の引き回しが簡易である力学量検出センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る力学量検出センサを示す斜視図である。
【図2】図1に示す力学量検出センサの分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る力学量検出センサを示す一部断面を含む側面図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの製造方法を説明するための図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの製造方法を説明するための図である。
【図6】力学量検出センサの検出動作説明図であり、(a)は錘部がX軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、(b)は錘部がZ軸方向に直動する際の検出動作説明図である。
【図7】(a)〜(d)は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの分解斜視図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、力学量検出センサ1は、第1の半導体基板2と第2の半導体基板3とを絶縁層4を介して接合して構成されている。力学量検出センサ1は、例えば、第1の半導体基板2をシリコン層、絶縁層4を酸化シリコン層、第2の半導体基板3をシリコン層とした3層構造をなすSOI(Silicon On Insulator)基板を用いて製造可能である。
【0014】
第1の半導体基板2には、第2の半導体基板3と比較して相対的に薄板状のシリコン層で構成され、矩形枠状の枠体11と、枠体11の内側に配置された変位部12と、枠体11の四辺と変位部12とを接続する4つの梁部13とが形成されている。枠体11、変位部12、梁部13は、第1の半導体基板2をエッチングにより変位部12の周囲に上面視L字状の4つの開口を設けることで形成される。
【0015】
枠体11は、L字状の4つの開口により変位部12を囲うように形成されている。変位部12は、略正方形状に形成され、枠体11の枠内中央に配置されている。4つの梁部13は、それぞれ枠体11の一辺から対向辺に向かって延在する長尺部15と、長尺部15に連なり、変位部12の四隅に接続される短尺部16とから構成される。このように、4つの梁部13は、長尺部15を有しているため、撓み易い構成となっている。
【0016】
各梁部13の長尺部15の上面には、それぞれ検出素子17が設けられており、この検出素子17により各梁部13の撓み量が検出される。検出素子17は、いわゆる圧電素子であり、図示しない下地膜の上面に、下部電極25、圧電薄膜26、上部電極27の順に蒸着などにより成膜することで形成される。検出素子17は、梁部13に生じた撓みにより変形し、この変形による圧力を電圧に変換して出力する。
【0017】
第2の半導体基板3には、第1の半導体基板2と比較して相対的に厚板状のシリコン層で構成され、矩形状の開口部23を有する支持部21と、開口部23の内側に配置された錘部22とが形成されている。支持部21および錘部22は、第1の半導体基板2をエッチングにより錘部22の周囲に矩形枠状の開口を設けることで形成される。
【0018】
支持部21は、上面視において枠体11に対応した形状を有しており、枠体11の下面に絶縁層4を介して接合されている。錘部22は、略直方体形状に形成されており、変位部12の下面に絶縁層4を介して接合されている。このように、錘部22は、支持部21の開口部23の内側において、変位部12を介して4つの梁部13により揺動自在に支持される。よって、錘部22の重心位置に慣性力が作用すると、X軸回りの回動、Y軸回りの回動、Z軸方向の直動が可能となっている。
【0019】
図3は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサを示す一部断面を含む側面図である。図3においては、力学量検出センサにキャップを設けた場合について説明する。
【0020】
第2の半導体基板3の下側には、第3の基板31が接合されている。第3の基板としては、シリコン基板などを用いることができる。第3の基板31の第2の半導体基板3側の表面には、錘部22及び開口部23を含む領域にわたって凹部31aが設けられている。これにより、錘部22が力学量を受けて揺動しても第3の基板31に衝突しないようになっている。
【0021】
第2の半導体基板3の支持部21及び錘部22上には、上述したように、絶縁層4を介して第1の半導体基板3が配設されている。この第1の半導体基板3において、第2の半導体基板3の支持部21の領域が枠体11に相当し、開口部23の領域が梁部13に相当し、錘部22の領域が変位部12に相当する。
【0022】
第1の半導体基板2上には、絶縁層18が設けられている。絶縁層18の梁部13領域を含む領域上には、検出素子17が形成されている。この検出素子17は、上述したように、下部電極25、圧電薄膜26、上部電極27の順に蒸着などにより成膜することで形成される。上部電極27は、支持部21上に設けられた少なくとも一つの電極パッド47と配線(図示せず)により電気的に接続されている。すなわち、絶縁層18上には、上部電極27と電極パッド47とを電気的に接続するための配線が引き回されている。
【0023】
検出素子17の下部電極25は、第1の半導体基板2と電気的に導通されている。ここでは、絶縁層18に第1の半導体基板2に達するコンタクトホール41が形成されており、このコンタクトホール41に金属層42を形成することにより、下部電極25と第1の半導体基板2とが電気的に導通される。
【0024】
また、第1の半導体基板2の変位部12は、錘部22と電気的に導通されている。ここでは、絶縁層18、第1の半導体基板2及び絶縁層4に第2の半導体基板3(錘部22)に達するコンタクトホール43が形成されており、このコンタクトホール43に金属層44を形成することにより、変位部12と錘部22とが電気的に導通される。
【0025】
また、枠体11の一つの電極パッド47が支持部21と電気的に導通されている。ここでは、絶縁層18、第1の半導体基板2及び絶縁層4に第2の半導体基板3(支持部21)に達するコンタクトホール45が形成されており、このコンタクトホール45に金属層46を形成し、さらに金属層46と電気的に接続するように電極パッド47を形成することにより、電極パッド47と支持部21とが電気的に導通される。
【0026】
このように検出素子17、第1の半導体基板2、第2の半導体基板3を電気的に導通させることにより、すなわち、錘部22、変位部12、梁部13、下部電極25、枠体11及び支持部21が導通されることにより、全体がアースとなり、同電位となる。これにより、各検出素子17の下部電極25の配線が不要となり、上部電極27の配線のみをパターニングすれば良い(図7(b)参照)。このため、検出素子に対する配線の引き回しが簡易である力学量検出センサを提供することができる。
【0027】
変位部12と錘部22とを電気的に導通させるために設けたコンタクトホール43は、変位部12において、錘部22の重心を通る仮想線X上に設けられていることが好ましい。すなわち、コンタクトホール43は、錘部22の重心を通る鉛直方向の直線X上に存在することが好ましい。このように配置することにより、第1の半導体基板2にコンタクトホール43を設けても、錘部22が偏らずに揺動することができる。
【0028】
このような構成の力学量検出センサは、第1の半導体基板2(絶縁層18)上にキャップ32が搭載されている。このキャップ32は、力学量検出センサ全体を保護する部材であり、一方の主面から突出した脚32aを第1の半導体基板2の枠体11領域上に当接することにより搭載される。
【0029】
次に、図4及び図5を参照して、力学量検出センサの加工プロセスの一例について説明する。図4(a)〜(d)及び図5(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの製造方法を説明するための図である。
【0030】
図4(a)に示すように、第1の半導体基板2、絶縁層4、第2の半導体基板3を積層したSOI基板を準備し、第1の半導体基板2の上面にサポート基板51が配置される。次に、図4(b)に示すように、第2の半導体基板3の下面が研磨され薄化されると共に、第2の半導体基板3がフォトリソグラフィ及びエッチング(RIE)により加工されて支持部21及び錘部22が形成される。
【0031】
次に、図4(c)に示すように、第3の基板31がフォトリソグラフィ及びエッチングにより加工されて凹部31aが形成され、第2の半導体基板3の下面に接合される。次に、図4(d)に示すように、第1の半導体基板2の上面からサポート基板51が剥離され、第1の半導体基板2の上面が研磨されて所望の厚みに薄化される。
【0032】
次に、図5(a)に示すように、第1の半導体基板2の上面にスパッタリングにより絶縁材料が被着される。次いで、変位部12に達するコンタクトホール41を絶縁層18に形成し、スパッタリングにより金属材料を被着し、フォトリソグラフィ及びエッチングにより金属材料をパターンニングして金属層42を形成する。これにより、下部電極25と第1の半導体基板2(変位部12)との間のコンタクト部を形成する。
【0033】
次いで、図5(b)に示すように、絶縁層18の梁部13領域を含む領域(前記コンタクト部を含む)上に、検出素子17を形成する。まず、スパッタリングにより下部電極用の金属材料、圧電材料及び上部電極用の金属材料をこの順で被着し、フォトリソグラフィ及びエッチングにより金属材料及び圧電材料をパターンニングして下部電極25、圧電薄膜26及び上部電極用の金属層を形成する。その後、再度フォトリソグラフィ及びエッチングにより上部電極用の金属層をパターンニングして上部電極27を形成する。
【0034】
次いで、図5(c)に示すように、錘部22の重心を通る仮想線X上の変位部12領域に錘部22に達するコンタクトホール43を形成し、絶縁層18、第1の半導体基板2及び絶縁層4に枠体11に達するコンタクトホール45を形成する。次いで、スパッタリングにより金属材料を被着し、フォトリソグラフィ及びエッチングにより金属材料をパターンニングして金属層44及び金属層46(及び電極パッド47)を形成する。これにより、変位部12と錘部22とを電気的に導通すると共に、電極パッド47と支持部21とを電気的に導通する。次に、第1の半導体基板2を絶縁層4,18と共に部分的に除去することにより、梁部13及び変位部12を設ける。このようにして、図3に示す力学量検出センサを得ることができる。
【0035】
次に、図6を参照して、力学量検出センサの動作について簡単に説明する。図6は、力学量検出センサの検出動作説明図であり、(a)は錘部がX軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、(b)は錘部がZ軸方向に直動する際の検出動作説明図である。
【0036】
図6(a)に示すように、力学量検出センサに対して加速度が働いて、錘部22に対してY軸方向に慣性力が作用すると、錘部22はX軸回りに回動する。このとき、梁部13a,13bの変位部12側がZ軸方向下方に移動して、梁部13a,13bの枠体11側にZ方向上方に力が作用する。また、梁部13c,13dの変位部12側がZ軸方向上方に移動して、梁部13c,13dの枠体11側にZ軸方向下方に力が作用する。そして、梁部13a,13bの枠体11側はZ軸方向上方に膨らむように撓み、梁部13c,13dの枠体11側はZ軸方向下方に凹むように撓む。
【0037】
検出素子17a,17bは、それぞれ梁部13a,13bの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向上方に膨らむように変形し、変形に応じた電圧を出力する。また、検出素子17c,17dは、それぞれ梁部13c,13dの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向下方に凹むように変形し、変形に応じた電圧を出力する。各検出素子17a,17b,17c,17dから出力された電圧は、図示しない演算回路において演算され、加速度が算出される。
【0038】
なお、錘部22がY軸回りに回動する場合には、逆に、梁部13a,13bの枠体11側にZ軸方向下方に力が作用し、梁部13c,13dの枠体11側にZ軸方向上方に力が作用する。したがって、検出素子17a,17bは、それぞれ梁部13a,13bの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向下方に凹むように変形し、検出素子17c,17dは、それぞれ梁部13c,13dの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向上方に膨らむように変形する。
【0039】
図6(b)に示すように、力学量検出センサに対して加速度が働いて、錘部22に対してZ軸方向下方に慣性力が作用すると、錘部22はZ方向下方に直動する。このとき、梁部13a,13b,13c,13dの変位部12側がZ軸方向下方に移動して、梁部13a,13b,13c,13dの枠体11側にZ軸方向上方に力が作用する。そして、梁部13a,13b,13c,13dの枠体11側はZ軸方向上方に膨らむように撓み、検出素子17a,17b,17c,17dもZ軸方向上方に膨らむように変形する。そして、各検出素子17a,17b,17c,17dから出力された電圧は、図示しない演算回路において演算され、加速度が算出される。
【0040】
なお、力学量検出センサにおいて、錘部22及び変位部12の質量、各梁部13のバネ定数などを適宜変更することによってセンサ感度を任意に調整することも可能である。
【0041】
このように検出素子17、第1の半導体基板2、第2の半導体基板3を電気的に導通させることにより、すなわち、錘部22、変位部12、梁部13、下部電極25、枠体11及び支持部21が導通されることにより、全体がアースとなり、同電位となる。これにより、各検出素子17の下部電極25の配線が不要となり、上部電極27の配線のみをパターニングすれば良い。このため、検出素子に対する配線の引き回しが簡易である力学量検出センサを提供することができる。
【0042】
上記実施の形態においては、図7(b)に示すように、四梁構造の力学量検出センサを例示して説明したが、この構成に限定されるものではない。梁により錘部を支持する構成であればよく、例えば、錘部の形状や梁部の形状及び数量が限定されるものではない。例えば、本発明は、図7(a)に示すような梁部が一つである構造、図7(c)に示すような梁部が二つである構造、図7(d)に示すような梁部が四つであり、梁部の配置が図7(b)と異なる構造(梁部が平面視において対角線のように延在している構造)にも同様に適用することができる。すなわち、金属層42により下部電極25と第1の半導体基板2(変位部12)とを電気的に導通させ、金属層44により変位部12と錘部22とを電気的に導通させ、金属層46により電極パッド47と支持部21とを電気的に導通させる構成であれば、図7(a),(c),(d)に示す構成としても本発明の効果を発揮することができる。
【0043】
また、上記した実施の形態においては、検出素子として圧電素子を例示して説明したが、この構成に限定されるものではない。梁部の撓みに基づいて力学量に応じた信号を出力する構成であればよく、例えば、圧電素子の代わりにピエゾ素子を用いてもよい。
【0044】
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の3軸方向の加速度を検出する力学量検出センサに有用である。
【符号の説明】
【0046】
1 力学量検出センサ
2 第1の半導体基板(第1の基板)
3 第2の半導体基板(第2の基板)
4,18 絶縁層
11 枠体
12 変位部
13 梁部
17 検出素子
21 支持部
22 錘部
23 開口部
25 下部電極
26 圧電薄膜
27 上部電極
31 第3の基板
32 キャップ
41,43,45 コンタクトホール
42,44,46 金属層
47 電極パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの電極パッドを有する枠体と、前記枠体の内側に位置する変位部と、前記枠体に対し前記変位部を揺動可能に支持する梁部とが形成された第1の半導体基板と、
開口部を有し、前記枠体に接続された支持部と、前記開口部内で前記変位部に接続された錘部とが形成されており、前記第1の半導体基板に絶縁層を介して積層された第2の半導体基板と、
上部電極と、下部電極と、前記上部電極及び下部電極間に挟持された圧電薄膜とで構成され、前記第1の半導体基板上に設けられており、前記梁部の撓み量に基づいて力学量に応じた信号を出力する検出素子とを備え、
前記下部電極が前記第1の基板と電気的に導通されており、前記変位部が第1のコンタクトホールを介して前記錘部と電気的に導通されており、前記枠体の一つの電極パッドが第2のコンタクトホールを介して前記支持部と電気的に導通されており、前記錘部、前記変位部、前記梁部、前記下部電極、前記枠体及び前記支持部が導通されてアースとなることを特徴とする力学量検出センサ。
【請求項2】
前記第1のコンタクトホールは、前記変位部において、前記錘部の重心を通る仮想線上に設けられていることを特徴とする請求項1記載の力学量検出センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−216843(P2010−216843A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60903(P2009−60903)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】