説明

加熱発泡シートおよび充填発泡部材

【課題】内部空間に突出空間がある場合でも、その突出空間を、格別の部材を用いなくても、簡易に充填することができる充填発泡部材、その充填発泡部材に用いられる加熱発泡シートを提供すること。
【解決手段】100〜130℃で20分加熱した場合に一方向に伸長し、その伸長方向Aにおける伸長率が、5〜50%である加熱発泡シート3を、加熱発泡材料2を延伸することにより成形して得る。この加熱発泡シート3を充填発泡部材4に用いれば、内部空間7に突出空間9がある場合でも、充填発泡部材4を、加熱発泡シート3の伸長方向Aが突出空間9に向かうように、主空間8に配置して、発泡すれば、その突出空間9を、格別の部材を用いなくても、簡易かつ低コストで充填することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱発泡シートおよび充填発泡部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車のピラーなどの閉断面として形成される中空部材には、エンジンの振動や騒音、あるいは、風きり音などが車室内に伝達されることを防止するために、発泡体を充填することが知られている。
例えば、射出成形や押出成形によって特定形状の発泡性材料を成形して、110〜190℃で発泡することにより、このような発泡体を、形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、例えば、全組成物100重量部に対してゴム30〜42重量部を含む組成物を、所定形状に成形して、140〜170℃で発泡することにより、発泡体を、形成することが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
例えば、発泡性基材に溝を形成し、ホルダ体に突条を形成して、溝と突条とで発泡体ガイドを形成することによって、中空室の隅部と発泡性基材の頂点部との間に発泡体を充填することが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、例えば、突出領域を有するいびつな形状の中空室に、発泡性基材を発泡させて中空室を遮断するための中空室遮断具を設け、その中空室遮断具には、発泡性基材を支持する2枚のホルダプレートを備えて、発泡性基材を、中空室の突出領域において2枚のホルダプレートにより両側面から支持し、中空室の突出領域以外の領域において1枚のホルダプレートにより片側面から支持し、その後、発泡性基材を発泡させることにより、中空室の突出領域に、発泡体を充填することが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
【特許文献1】特許2721327号
【特許文献2】特開昭62−62882号公報
【特許文献3】特開2001−114037号公報
【特許文献4】特開2004−252169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1や特許文献2に記載されるような射出成形や押出成形によって成形された発泡性材料は、加熱によって、すべての方向に均一に発泡する。そのため、内部空間は、発泡性材料が設置された位置に対して、一方側が他方側よりも突出しているような形状であると、その一方側の突出空間を十分に充填できないという不具合がある。
一方、特許文献3および4に記載されるような発泡体ガイドや2枚のホルダプレートを用いれば、内部空間に上記した突出空間がある場合でも、突出空間に発泡体を充填することができる。しかし、突出空間に発泡体を充填するための格別の部材が必要となり、複雑な構成となり、かつ、製造コストの上昇を招くという不具合がある。
【0005】
本発明の目的は、内部空間に突出空間がある場合でも、その突出空間を、格別の部材を用いなくても、簡易に充填することができる充填発泡部材、その充填発泡部材に用いられる加熱発泡シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の加熱発泡シートは、100〜130℃で20分加熱した場合に一方向に伸長し、その伸長方向における伸長率が、5〜50%であることを特徴としている。
また、本発明の加熱発泡シートでは、加熱発泡材料を延伸することにより成形されていることが好適である。
【0007】
また、本発明の加熱発泡シートでは、前記加熱発泡材料が、主成分としてポリマーと、発泡剤とを含み、前記加熱発泡材料を、前記発泡剤の分解温度未満に加熱して、圧延することにより成形されていることが好適である。
また、本発明の加熱発泡シートでは、カレンダー成形により成形されることが好適である。
【0008】
また、本発明の加熱発泡シートにおいては、前記カレンダー成形では、ニップ部分が形成されるように隣接する複数のカレンダーロールと、加熱発泡材料の搬送方向において、最下流側に配置されるカレンダーロールに対して、間隔を隔てて下流側に配置される引取ロールとが用いられ、互いに隣接する前記カレンダーロール間においては、上流側に配置されるカレンダーロールの回転速度に対して下流側に配置されるカレンダーロールの回転速度が、同一またはそれ以上に設定され、最下流側に配置されるカレンダーロールの回転速度に対して前記引取ロールの回転速度が、同一またはそれ以上に設定されていることが好適である。
【0009】
また、本発明の充填発泡部材は、上記した加熱発泡シートを備えることを特徴としている。
また、本発明の充填発泡部材では、前記加熱発泡シートに装着され、中空部材の内部空間に固定可能な固定部材をさらに備えることが好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の加熱発泡シートは、100〜130℃で20分加熱した場合に、一方向に伸長するので、この加熱発泡シートを充填発泡部材に用いれば、中空部材の内部空間に主空間から突出する突出空間がある場合でも、充填発泡部材を、加熱発泡シートの伸長方向が突出空間に向かうにように主空間に配置して、発泡すれば、その突出空間を、格別の部材を用いなくても、簡易かつ低コストで充填することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の加熱発泡シートは、加熱(例えば、150〜220℃)により発泡する加熱発泡材料からシート状に形成されている。
加熱発泡材料には、主成分としてのポリマーと、そのポリマーを発泡させるための発泡剤とが含まれる。ポリマーとしては、特に制限されないが、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリケトンなどの樹脂、例えば、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)などのゴムなどが挙げられる。好ましくは、エチレン・酢酸ビニル共重合体が用いられる。エチレン・酢酸ビニル共重合体を用いることにより、発泡倍率を高くすることができる。また、これらポリマーのなかでも、その融点が、60〜120℃、さらには、80〜100℃のものが好ましく選択される。融点が、60℃未満であると、ポリマー自身に粘着性が発現し、常温でも取扱いがしにくくなる場合があり、120℃を超えると、加工温度を高くする必要があり、加工中に発泡剤が分解してしまうおそれがある。なお、融点は、DSC(示差走査型熱量計)により求められる。
【0012】
これらポリマーは、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
また、発泡剤としては、例えば、無機系発泡剤や有機系発泡剤が挙げられる。無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などが挙げられる。
また、有機系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸アミドなどのアゾ系化合物、例えば、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、トリニトロトリメチルトリアミンなどのニトロソ系化合物、例えば、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、アリルビス(スルホニルヒドラジド)などのヒドラジド系化合物、例えば、p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)などのセミカルバジド系化合物、例えば、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなどのフッ化アルカン、例えば、5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなどのトリアゾール系化合物などが挙げられる。
【0013】
また、これら発泡剤のなかでも、ポリマーの融点以上で分解してガスを発生し、かつ、後述する加熱発泡材料の形成時において、ほとんど発泡しないものが、組成に応じて適宜選択される。好ましくは、140〜180℃で発泡(分解)するものが用いられる。より具体的には、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)が用いられる。
これら発泡剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また、発泡剤の配合割合は、特に制限されないが、例えば、ポリマー100重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは、10〜30重量部である。
【0014】
なお、発泡剤の配合量は、加熱発泡シートの発泡時において、その発泡倍率が5〜25倍程度、好ましくは、10〜20倍程度で、実質的に独立気泡を生じさせる範囲であることが好適である。発泡剤の配合量が少なすぎると、加熱発泡シートが十分に発泡せず、一方、発泡剤の配合量が多すぎると、発泡により得られる発泡体の樹脂だれによる空隙を生じ、いずれも充填性が抵下する。
【0015】
また、加熱発泡材料には、ポリマーを効率的に発泡させ、さらには架橋および硬化させるために、さらに、例えば、架橋剤、発泡助剤などが適宜配合される。
架橋剤としては、特に制限されないが、例えば、加熱により分解され、遊離ラジカルを発生して分子間または分子内に架橋結合を形成させるラジカル発生剤が挙げられる。より具体的には、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ジターシャリブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパ−オキシイソプロピル)ベンゼン、ターシャリブチルパーオキシケトン、ターシャリブチルパーオキシベンゾエートなどの有機過酸化物などが挙げられる。
【0016】
また、ポリマーが加硫可能である場合には、架橋剤として加硫剤を用いることができる。そのような加硫剤としては、特に制限されないが、例えば、硫黄、硫黄化合物類、セレン、酸化マグネシウム、一酸化鉛、酸化亜鉛、ポリアミン類、オキシム類、ニトロソ化合物類、樹脂類、アンモニウム塩類などが挙げられる。
これら架橋剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また、架橋剤の配合割合は、特に制限されないが、例えば、ポリマー100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは、0.5〜7重量部である。
【0017】
また、加硫剤を用いる場合には、加硫促進剤を併用することができる。加硫促進剤としては、例えば、ジチオカルバミン酸類、チアゾール類、グアニジン類、スルフェンアミド類、チウラム類、キサントゲン酸類、アルデヒドアンモニア類、アルデヒドアミン類、チオウレア類などの加硫促進剤が挙げられる。このような加硫促進剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、その配合割合は、ポリマー100重量部に対して、0.1〜5重量部である。
【0018】
また、加硫促進剤とは反対に、成形性の調節などを目的として、例えば、有機酸やアミン類などの公知の加硫遅延剤などを適宜配合することもできる。
発泡助剤としては、特に制限されないが、例えば、発泡剤の種類に応じて適宜公知の発泡助剤を選択することができ、より具体的には、例えば、尿素を主成分とする尿素系化合物、例えば、酸化亜鉛、酸化鉛などの金属酸化物、例えば、サリチル酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸またはその金属塩などが挙げられる。好ましくは、高級脂肪酸金属塩が用いられる。
【0019】
これら発泡助剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また、発泡助剤の配合割合は、特に制限されないが、例えば、ポリマー100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは、5〜10重量部である。
さらに、加熱発泡材料には、その目的および用途によって、得られる発泡体の物性に影響を与えない範囲において、例えば、安定剤、補強材、充填剤、軟化剤、滑剤や、さらには必要に応じて、例えば、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、防カビ剤、難燃剤などの公知の添加剤を適宜配合することができる。
【0020】
そして、加熱発泡材料は、例えば、上記した各成分を上記した配合割合において配合した後、例えば、ミキシングロール、加圧式ニーダーなどを用いて混練して、調製する。
加熱発泡材料は、その粘度が、好ましくは、100〜10000Pa・s(120℃)として調製される。
そして、加熱発泡シートは、上記により調製した加熱発泡材料を、延伸によりシート状に成形することにより得ることができる。
【0021】
加熱発泡材料の延伸には、特に制限されないが、例えば、カレンダー成形が用いられる。
図1は、本発明の加熱発泡シートを製造するためのカレンダーロール装置の一実施形態の概略構成図を示す。なお、図1において、紙面上側を「上側」、紙面下側を「下側」、紙面左側(一方側)を「左側」、紙面右側(他方側)を「右側」とする。
【0022】
次に、図1に示すカレンダーロール装置1を用いて、加熱発泡材料2を圧延して、加熱発泡シート3をカレンダー成形により成形する方法について説明する。
図1において、このカレンダーロール装置1は、第1カレンダーロール11と、第1カレンダーロール11の水平方向右側においてこの第1カレンダーロール11と対向するように隣接配置される第2カレンダーロール12と、第2カレンダーロール12の垂直方向下側においてこの第2カレンダーロール12と対向するように隣接配置される第3カレンダーロール13と、第3カレンダーロール13の垂直方向下側においてこの第3カレンダーロール13と対向するように隣接配置される第4カレンダーロール14と、第4カレンダーロール14の水平方向右側においてこの第4カレンダーロール14と間隔を隔てて配置される引取ロール15とを備えている。これら複数のカレンダーロール(第1カレンダーロール11、第2カレンダーロール12、第3カレンダーロール13および第4カレンダーロール14)は、逆L字形に配置されている。
【0023】
第1カレンダーロール11は、金属製のロールからなり、時計方向に回転可能に配設されている。この第1カレンダーロール11は、その回転速度が、1〜10m/min、好ましくは、2〜5m/minの範囲に設定されている。また、この第1カレンダーロール11は、図示しない熱源により加熱されており、その表面温度は、例えば、発泡剤の分解温度未満の温度に設定され、例えば、ポリマーの融点以上で、その融点より50℃高い温度以下、好ましくは、30℃高い温度以下、さらに好ましくは、20℃高い温度以下の範囲であって、より具体的には、80〜110℃、好ましくは、90〜100℃の範囲に設定されている。
【0024】
また、第1カレンダーロール11は、その直径が、例えば、100〜1000mmφ、好ましくは、150〜700mmφ、その幅(軸方向長さ)が、例えば、200〜3000mm、好ましくは、300〜2000mmとして形成されている。
第2カレンダーロール12は、第1カレンダーロール11と同一直径および同一幅の金属製のロールからなり、反時計方向に回転可能に配設されている。この第2カレンダーロール12は、その回転速度が、第1カレンダーロール11の回転速度に対して、同一またはそれ以上に設定されている。すなわち、第2カレンダーロール12の回転速度は、第1カレンダーロール11の回転速度を100%としたときに、それに対して、例えば、100〜150%、好ましくは、105〜120%の回転速度に設定されている。より具体的には、第2カレンダーロール12の回転速度は、1〜10m/min、好ましくは、2.1〜6m/minの範囲に設定されている。また、この第2カレンダーロール12は、図示しない熱源により加熱されており、その表面温度は、例えば、発泡剤の分解温度未満の温度に設定され、例えば、ポリマーの融点以上で、その融点より50℃高い温度以下、好ましくは、30℃高い温度以下、さらに好ましくは、20℃高い温度以下の範囲に設定されている。すなわち、第2カレンダーロール12は、第1カレンダーロール11の表面温度を100%としたときに、それに対して、例えば、90〜110%、好ましくは、実質的に等温に設定されている。より具体的には、第2カレンダーロール12の表面温度は、80〜110℃、好ましくは、85〜100℃の範囲に設定されている。
【0025】
また、第1カレンダーロール11および第2カレンダーロール12は、互いに水平方向において対向し、それらが対向する最接近部分(すなわち、各ロールにおけるそれらの間を通過する材料との接触部分、以下、ニップ部分とする。)が形成されており、ニップ部分のギャップが、0.5mm以上、好ましくは、1〜20mm、さらに好ましくは、1.5〜10mmとなり、そのニップ部分において、ともに垂直方向下側、つまり、ともに上から下に向かって回転するように配置されている。また、第1カレンダーロール11と第2カレンダーロール12とは、加熱発泡材料2の投入量や粘度によって適宜選択されるが、加熱発泡材料2に対して、例えば、10〜10N/m、好ましくは、10〜10N/mで圧延するように設定されている。
【0026】
第3カレンダーロール13は、第1カレンダーロール11と同一直径および同一幅の金属製のロールからなり、時計方向に回転可能に配設されている。この第3カレンダーロール13は、その回転速度が、第2カレンダーロール12の回転速度に対して、同一またはそれ以上に設定されている。すなわち、第3カレンダーロール13の回転速度は、第2カレンダーロール12の回転速度を100%としたときに、それに対して、例えば、100〜150%、好ましくは、105〜120%の回転速度に設定されている。より具体的には、第3カレンダーロール13の回転速度は、1〜10m/min、好ましくは、2.4〜7.5m/minの範囲に設定されている。また、この第3カレンダーロール13は、図示しない熱源により加熱されており、その表面温度は、例えば、発泡剤の分解温度未満の温度に設定され、例えば、ポリマーの融点以上で、その融点より50℃高い温度以下、好ましくは、30℃高い温度以下、さらに好ましくは、20℃高い温度以下の範囲に設定されている。すなわち、第3カレンダーロール13は、第2カレンダーロール12の表面温度を100%としたときに、それに対して、例えば、90〜110%、好ましくは、実質的に等温に設定されている。より具体的には、第3カレンダーロール13の表面温度は、80〜110℃、好ましくは、85〜100℃の範囲に設定されている。
【0027】
また、第2カレンダーロール12および第3カレンダーロール13は、互いに垂直方向(鉛直方向)においてニップ部分が形成されるように対向し、それらのニップ部分のギャップが、1〜20mm、好ましくは、1.5〜10mmの範囲において、第1カレンダーロール11および第2カレンダーロール12のニップ部分のギャップを100%としたときに、それに対して、10〜100%、好ましくは、30〜80%となるように、かつ、そのニップ部分において、ともに水平方向右側、つまり、ともに左から右に向かって回転するように配置されている。また、第2カレンダーロール12と第3カレンダーロール13とは、加熱発泡材料2に対して、例えば、10〜10N/m、好ましくは、10〜10N/mで圧延するように設定されている。
【0028】
第4カレンダーロール14は、第1カレンダーロール11と同一直径および同一幅の金属製のロールからなり、反時計方向に回転可能に配設されている。この第4カレンダーロール14は、その回転速度が、第3カレンダーロール13の回転速度に対して、同一またはそれ以上に設定されている。すなわち、第4カレンダーロール14の回転速度は、第3カレンダーロール13の回転速度を100%としたときに、それに対して、例えば、100〜150%、好ましくは、105〜120%の回転速度に設定されている。より具体的には、第4カレンダーロール14の回転速度は、1〜10m/min、好ましくは、2.4〜7.5m/minの範囲に設定されている。また、この第4カレンダーロール14は、図示しない熱源により加熱されており、その表面温度は、例えば、発泡剤の分解温度未満の温度に設定され、例えば、ポリマーの融点以上で、その融点より50℃高い温度以下、好ましくは、30℃高い温度以下、さらに好ましくは、20℃高い温度以下の範囲である。すなわち、第4カレンダーロール14は、第3カレンダーロール13の表面温度を100%としたときに、それに対して、例えば、90〜110%、好ましくは、実質的に等温に設定されている。より具体的には、第4カレンダーロール14の表面温度は、80〜110℃、好ましくは、90〜100℃の範囲に設定されている。
【0029】
また、第3カレンダーロール13および第4カレンダーロール14は、互いに垂直方向(鉛直方向)においてニップ部分が形成されるように対向し、それらのニップ部分のギャップが、1〜20mm、好ましくは、1.5〜10mmの範囲において、第2カレンダーロール12および第3カレンダーロール13のニップ部分のギャップを100%としたときに、それに対して、10〜100%、好ましくは、30〜80%となるように、かつ、そのニップ部分において、ともに水平方向左側に回転して、つまり、ともに右から左に向かって回転するように配置されている。また、第3カレンダーロール13と第4カレンダーロール14とは、加熱発泡材料2に対して、例えば、10〜10N/m、好ましくは、10〜10N/mで圧延するように設定されている。
【0030】
引取ロール15は、複数のカレンダーロールで圧延されることにより、シート状に形成された加熱発泡材料2を、引き取るためのものであって、第4カレンダーロール14と同一直径および同一幅の金属製のロールからなり、時計方向に回転可能に配設されている。この引取ロール15は、その回転速度が、第4カレンダーロール14の回転速度に対して、同一またはそれ以上に設定されている。すなわち、引取ロール15の回転速度は、第4カレンダーロール14の回転速度を100%としたときに、それに対して、例えば、100〜200%、好ましくは、100〜120%の回転速度に設定されている。より具体的には、引取ロール15の回転速度は、2.4〜15m/min、好ましくは、2.4〜9m/minの範囲に設定されている。また、引取ロール15は、その表面温度が、通常、第4カレンダーロール14より低温であって、特に温度設定されず、雰囲気温度とほぼ同じ温度で管理されている。
【0031】
次に、このカレンダーロール装置1によって加熱発泡材料2を圧延して、加熱発泡シート3を成形する方法について説明する。
まず、第1カレンダーロール11および第2カレンダーロール12のニップ部分の上方において、第1カレンダーロール11と第2カレンダーロール12との間に加熱発泡材料2を投入する。
【0032】
加熱発泡材料2の投入量は、例えば、0.1〜50kg/min、好ましくは、0.5〜5kg/minである。
次いで、第1カレンダーロール11と第2カレンダーロール12との間に投入された加熱発泡材料2は、第1カレンダーロール11と第2カレンダーロール12とのニップ部分において、それらの回転によって、垂直方向下側に搬送されながら圧延され、それら第1カレンダーロール11と第2カレンダーロール12とのニップ部分から送り出される。
【0033】
この第1カレンダーロール11および第2カレンダーロール12の圧延において、加熱発泡材料2は、その厚みが、例えば、0.5mm以上、好ましくは、1〜20mm、さらに好ましくは、1.5〜10mmとなるように圧延される。
次いで、第1カレンダーロール11および第2カレンダーロール12のニップ部分から送り出された加熱発泡材料2は、第2カレンダーロール12の表面に転写される。
【0034】
次いで、第2カレンダーロール12の表面に転写された加熱発泡材料2は、第2カレンダーロール12の回転によって、第2カレンダーロール12と第3カレンダーロール13とのニップ部分に進入し、それらの回転によって、水平方向右側に搬送されながら圧延され、それら第2カレンダーロール12と第3カレンダーロール13とのニップ部分から送り出される。
【0035】
この第2カレンダーロール12および第3カレンダーロール13の圧延において、加熱発泡材料2は、その厚みが、例えば、1〜20mm、好ましくは、1.5〜10mmとなるように圧延される。
次いで、第2カレンダーロール12および第3カレンダーロール13のニップ部分から送り出された加熱発泡材料2は、第2カレンダーロール12の表面から剥離して、第3カレンダーロール13の表面に転写される。
【0036】
次いで、第3カレンダーロール13の表面に転写された加熱発泡材料2は、第3カレンダーロール13の回転によって、第3カレンダーロール13と第4カレンダーロール14とのニップ部分に進入し、それらの回転によって、水平方向左側に搬送されながら圧延され、それら第3カレンダーロール13と第4カレンダーロール14とのニップ部分から送り出される。
【0037】
この第3カレンダーロール13および第4カレンダーロール14の圧延において、加熱発泡材料2は、その厚みが、例えば、0.5mm以上、好ましくは、1〜20mm、さらに好ましくは、1.5〜10mmとなるように圧延される。
次いで、第3カレンダーロール13と第4カレンダーロール14とのニップ部分から送り出された加熱発泡材料2は、第3カレンダーロール13の表面から剥離して、第4カレンダーロール14の表面に転写される。
【0038】
次いで、第4カレンダーロール14の表面に転写された加熱発泡材料2は、第4カレンダーロール14の回転によって、第4カレンダーロール14の外周下側に至り、次いで、引取ロール15の回転によって、加熱発泡シート3として引取ロール15に引き取られる。
引取ロール15に引き取られた加熱発泡シート3の最終的な厚みは、例えば、1〜20mm、好ましくは、1.5〜10mmである。
【0039】
なお、得られた加熱発泡シート3は、公知の基材シートなどの上にコーティングして、積層シートとして得ることもできる。
このようにして得られた加熱発泡シート3は、図2に試験片として示すように、例えば、ポリマーの融点以上の温度、より具体的には、100〜130℃の範囲から選択される任意の温度で、20分加熱した場合に、一方向、すなわち、複数のカレンダーロールの軸方向(以下、この軸方向を「伸長方向A」という場合がある。)に、伸長する。また、加熱発泡シート3は、上記した温度において、加熱により、伸長方向Aにおいて伸長するのに対して、加熱発泡シート3の搬送方向、すなわち、圧延方向(以下、この圧延方向を「収縮方向B」という場合がある。)において、収縮する。
【0040】
加熱発泡シート3は、伸長方向Aにおける伸長率が、例えば、5〜50%、充填性の観点から、好ましくは、10〜30%である。伸長率が5%未満の場合は、伸長方向Aへの充填距離が短いため、充填性の向上効果が低下する。一方、50%を超える場合は、収縮方向Bへの発泡が少なくなり、防音性が低下する。なお、伸長率は、加熱発泡シート3を、図2に示すように、試験片に切り出して、100〜130℃で20分加熱した場合において、次式により算出される。また、通常、伸長率は、試験片を100(mm)×100(mm)の正方形状に切り出して評価する。
【0041】
伸長率(%)={(L2(mm)−L1(mm))/L1(mm)}×100
L2(mm):伸長方向Aにおける加熱後の加熱発泡シート3の長さ(mm)
L1(mm):伸長方向Aにおける加熱前の加熱発泡シート3の長さ(mm)
また、加熱発泡シート3は、図4に試験片として示すように、例えば、発泡剤の分解温度以上の温度、より具体的には、160〜220℃の範囲の温度で加熱することにより、収縮方向Bに対して、伸長方向Aに大きく伸長しながら、発泡する。
【0042】
加熱発泡シート3は、伸長方向Aにおける充填距離Xが、例えば、105〜150mm、好ましくは、110〜130mmである。なお、充填距離Xは、加熱発泡シート3を、試験片に切り出して、160℃で20分加熱した場合において、発泡体の伸長方向Aにおける長さ(充填距離X(mm))として、算出される。また、通常、充填距離Xは、試験片を50mm×50mmの正方形状に切り出して評価する。
【0043】
図3は、充填発泡部材を用いて、ピラーの内部空間を充填する方法の一実施形態の工程図を示す。
次に、得られた加熱発泡シート3を備える充填発泡部材4を、加熱して発泡させることにより、ピラー6の内部空間7を充填する方法を、図3を参照して、説明する。
この充填発泡部材4は、図3に示すように、加熱発泡シート3と、加熱発泡シート3に装着され、中空部材としてのピラー6の内部空間7に固定可能な固定部材としてのクリップ5とを備えている。
【0044】
クリップ5は、硬質樹脂からなり、射出成形などによって、一体成形されており、加熱発泡シート3を内部空間7に固定するための軸状の固定部24と、固定部24をピラー6に取り付けるための鉤状の取付部25とを一体的に備えている。
充填発泡部材4は、中空部材6の中空空間7に対応して、打ち抜きなどの加工により、適宜の形状に切り出された加熱発泡シート3に、クリップ5の固定部24を嵌め込むことにより作製する。
【0045】
ピラー6は、インナパネル16とアウタパネル17とを備えている。
インナパネル16は、下側に凹み、正断面視略凹状をなすインナ凹部18と、右側フランジ部31と、左側フランジ部32とを一体的に備えている。
アウタパネル17は、インナパネル16のインナ凹部18の右端部分および中央部分と上下方向に対向して、上側に膨出し、正断面視略凹状をなすアウタ凹部19と、アウタ凹部19の左側端部から左側に向かって連続して延びる、平板状をなす平板部20と、右側フランジ部33と、左側フランジ部34とを備えている。このインナパネル16の右側フランジ部31とアウタパネル17の右側フランジ部33とを対向当接させて、溶接により接合し、かつ、インナパネル16の左側フランジ部32とアウタパネル17の左側フランジ部34とを対向当接させて、溶接により接合する。これによって、ピラー6の中空空間7が、閉断面として形成される。なお、このようなピラー6は、より具体的には、自動車の車両ボディのフロントピラー、サイドピラーあるいはリヤピラーとして用いられる。
【0046】
この中空空間7は、インナ凹部18とアウタ凹部19の右側部分および中央部分とによって形成される主空間8と、平板部20とアウタ凹部19とによって形成される突出空間9とから、形成される。より具体的には、ピラー6の内部空間7には、主空間8と、主空間8から左側に向かって突出する突出空間9とが、連通するように形成されている。
そして、この方法では、まず、図3(a)に示すように、ピラー6の内部空間7において、充填発泡部材4を、加熱発泡シート3の伸長方向Aが突出空間9に向かうように、主空間8に配置する。
【0047】
充填発泡部材4を、主空間8に配置するには、まず、充填発泡部材4を、加熱発泡シート3の伸長方向Aが、インナパネル16の右側フランジ部31および左側フランジ部32の対向方向に沿うように配置しながら、クリップ5の取付部25を、インナパネル16の取付孔35に係止して、クリップ5をインナパネル16に固定する。これにより、充填発泡部材4は、インナ凹部18におけるアウタ凹部19の対向位置、すわなち、インナ凹部18の右側部分および中央部分に固定される。
【0048】
次いで、インナパネル16の右側フランジ部31およびアウタパネル17の右側フランジ部33と、インナパネル16の左側フランジ部32およびアウタパネル17の左側フランジ部34とを、それぞれ対向当接させて、溶接により接合することによって、主空間8と突出空間9とを備える内部空間7を形成する。これにより、充填発泡部材4を、加熱発泡シート3の伸長方向Aが突出空間9に向かうように、主空間8に配置することができる。
【0049】
そして、この方法では、その後、ピラー6の内周面に、防錆処理を施した後に、例えば、その後の焼付塗装時の乾燥ライン工程での加熱(例えば、110〜190℃)によって、加熱発泡シート3を発泡、架橋および硬化させることにより、図3(b)に示すように、発泡体10を形成し、この発泡体10によってピラー6の内部空間7を隙間なく充填する。
【0050】
すなわち、このピラー6の中空空間7の充填方法では、加熱によって加熱発泡シート3が伸長方向Aに伸長するので、ピラー6の内部空間7に突出空間9がある場合でも、充填発泡部材4を、加熱発泡シート3の伸長方向Aが突出空間9に向かうように、主空間8に配置すれば、その突出空間9を、格別の部材を用いなくても、簡易かつ低コストで隙間なく充填することができる。
【0051】
なお、上記の説明においては、4つのカレンダーロールを逆L字形に配置したカレンダーロール装置1で説明したが、本発明に用いられるカレンダーロール装置は、何ら上記のカレンダーロール装置1に制限されることはなく、例えば、2つないし6つのロール、好ましくは、3つ以上のロールを、直立形、水平形、逆L字形、L字形、Z字形、S字形に配置するなど、公知の態様で配置されるカレンダーロール装置について適用することができ、また、各カレンダーロールの直径および幅も、その目的および用途によって、適宜選択することができる。
【0052】
また、上記の説明においては、充填発泡部材4は、加熱発泡シート3とクリップ5とを備えているが、本発明の充填発泡部材4は、これに制限されず、例えば、クリップ5を取り付けずに、加熱発泡シート3のみから形成してもよい。
また、上記した加熱発泡シート3は、カレンダー成形で延伸しているが、延伸の方法は特に制限されず、押出成形機により押し出したシート状の加熱発泡材料2を、そのまま引取ロールで引き取るようにして延伸してもよい。
【実施例】
【0053】
(加熱発泡シートの作製)
ポリマーとしてエチレン・酢酸ビニル共重合体(エバフレックスEV460、融点84℃、MFR2.5、酢酸ビニル含量19%、三井・デュポンポリケミカル社製)100重量部を、加圧式ニーダーを用いて、90℃5分間、回転数20min−1で混練した。次いで、架橋剤としてジクミルパーオキサイド(パークミルD−40MBK、ジクミルパーオキサイド含量40%、シリカおよびEPDM含量60%、日本油脂社製)5重量部、発泡剤として4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(セルマイクSX、分解温度160℃、三協化成社製)20重量部、滑剤としてステアリン酸1重量部を配合して、さらに、90℃5分間混練して、加熱発泡材料を調製した。
【0054】
次いで、下記の表1に示す圧延条件(カレンダーロールの表面温度およびカレンダーロールの回転速度)で、図1に示すカレンダーロール装置で圧延することにより、各実施例および各比較例として、厚み3mmの加熱発泡シートを成形した。なお、比較例3の加熱発泡シートは、加圧式ニーダーにより調製した加熱発泡材料を、90℃でプレスするプレス成形により成形した。
【0055】
(加熱発泡シートの評価)
(伸長率)
得られた加熱発泡シートから、図2に示すように、100mm×100mmの正方形状に切り出して、試験片を得た。この試験片を120℃で20分間加熱して、伸長率を算出した。
【0056】
(充填距離)
得られた加熱発泡シートから、図4に示すように、50mm×50mmの正方形状に切り出して、試験片を得た。この試験片を160℃で20分間加熱して、発泡および架橋させることにより得られた発泡体の伸長方向における長さ(充填距離X(mm))を算出した。なお、上記した温度により加熱すると、加熱発泡シートは、収縮方向に対して伸長方向に、大きく伸長しながら発泡した。
【0057】
(発泡倍率)
得られた加熱発泡シートから、30mm×30mmの正方形状に切り出して、試験片を得た。この試験片を160℃で20分間加熱して、下記式により、発泡倍率を算出した。
発泡倍率=(発泡前の密度)/(発泡後の密度)
(充填発泡部材の作製)
得られた加熱発泡シートから、図6に示すように、15mm×75mmの矩形状に切り出した後、その右端部にクリップ用孔(φ5mm)を形成することにより、試験片を得た。この試験片のクリップ用孔に、6,6−ナイロン製のクリップの固定部(φ5mm)を装着して、充填発泡部材を作製した。
【0058】
(充填発泡部材の評価)
(充填性)
まず、図5(a)に示すように、閉断面として、10mm×70mmの主空間と、7mm×20mmの突出空間とを備えるモデルピラーを作製した。
次いで、上記で作製した充填発泡部材を、加熱発泡シートの伸長方向がモデルピラーの両端部の対向方向に沿うように、クリップの取付部をインナーピラーに固定することにより、主空間に配置した。なお、充填発泡部材は、加熱発泡シートの左側端部が、突出空間にわずかに臨むように、配置した。
【0059】
次いで、充填発泡部材が配置されたモデルピラーを、図5(b)に示すように、オーブンにより、160℃で20分間加熱して、加熱発泡シートを発泡させた。次いで、冷却後、モデルピラーを分解して、発泡体の充填性を目視にて評価した。なお、表1中「○」は、充填性が良好であったこと、「△」は、隙間があり充填性がやや不良であったことを示す。
【0060】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の加熱発泡シートを製造するためのカレンダーロール装置の一実施形態の概略構成図を示す。
【図2】100〜130℃で20分加熱した場合に、伸長方向に伸長する加熱発泡シートの平面図を示す。
【図3】充填発泡部材を用いて、ピラーの内部空間を充填する方法の一実施形態の工程図であって、(a)は、加熱発泡シートにクリップを装着して充填発泡部材を作製し、これをピラーに設置する工程、(b)は、加熱により充填発泡部材を発泡、架橋および硬化させることにより、発泡体によってピラーの内部空間を充填する工程を示す。
【図4】160℃で20分加熱した場合に、収縮方向に対して、伸長方向に大きく伸長しながら発泡する加熱発泡シートの平面図を示す。
【図5】充填発泡部材を用いて、モデルピラーの内部空間を充填する方法の工程図であって、(a)は、充填発泡部材をピラーに設置する工程、(b)は、加熱により充填発泡部材を、発泡および架橋させることにより、発泡体によってモデルピラーの内部空間を充填する工程を示す。
【図6】加熱発泡シートにクリップが装着された充填発泡部材の平面図を示す。
【符号の説明】
【0062】
1 カレンダーロール装置
2 加熱発泡材料
3 加熱発泡シート
4 充填発泡部材
5 クリップ
6 ピラー
7 内部空間
11 第1カレンダーロール
12 第2カレンダーロール
13 第3カレンダーロール
14 第4カレンダーロール
15 引取ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
100〜130℃で20分加熱した場合に一方向に伸長し、その伸長方向における伸長率が、5〜50%であることを特徴とする、加熱発泡シート。
【請求項2】
加熱発泡材料を延伸することにより成形されていることを特徴とする、請求項1に記載の加熱発泡シート。
【請求項3】
前記加熱発泡材料が、主成分としてポリマーと、発泡剤とを含み、
前記加熱発泡材料を、前記発泡剤の分解温度未満に加熱して、圧延することにより成形されていることを特徴とする、請求項2に記載の加熱発泡シート。
【請求項4】
カレンダー成形により成形されることを特徴とする、請求項2または3に記載の加熱発泡シート。
【請求項5】
前記カレンダー成形では、
ニップ部分が形成されるように隣接する複数のカレンダーロールと、
加熱発泡材料の搬送方向において、最下流側に配置されるカレンダーロールに対して、間隔を隔てて下流側に配置される引取ロールとが用いられ、
互いに隣接する前記カレンダーロール間においては、上流側に配置されるカレンダーロールの回転速度に対して下流側に配置されるカレンダーロールの回転速度が、同一またはそれ以上に設定され、最下流側に配置されるカレンダーロールの回転速度に対して前記引取ロールの回転速度が、同一またはそれ以上に設定されていることを特徴とする、請求項4に記載の加熱発泡シート。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の加熱発泡シートを備えることを特徴とする、充填発泡部材。
【請求項7】
前記加熱発泡シートに装着され、中空部材の内部空間に固定可能な固定部材をさらに備えることを特徴とする、請求項6に記載の充填発泡部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−284880(P2008−284880A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150880(P2008−150880)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【分割の表示】特願2005−267067(P2005−267067)の分割
【原出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】