説明

加熱調理器

【課題】トッププレートの下方に誘導加熱コイルとヒータとを備えた構成のものにおいて、トッププレートと誘導加熱コイルとの間のギャップを小さくできて、誘導加熱コイルにより誘導加熱する場合の加熱効率を向上でき、また、ヒータによる加熱効率も向上できるようにする。
【解決手段】トッププレート1の下面に、誘導加熱コイル3の上方に位置させて膜状ヒータ5を設ける。膜状ヒータ5は、トッププレート1の下面に成膜により設けた導電性被膜により構成する。この膜状ヒータ5は、複数、例えば2個の分割ヒータに分割した構成とする。膜状ヒータ5は薄くでき、誘導加熱コイル3とトッププレート1との間のギャップも極力小さくすることが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トッププレート上に載置される被加熱調理器具を誘導加熱する誘導加熱コイルと、通電により発熱して前記被加熱調理器具を加熱する手段とを備えた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導加熱コイルを備えた誘導加熱調理器においては、鍋などの被加熱調理器具の材質が低透磁率のものでも加熱調理できるようにするために、誘導加熱コイルとは別に、通電により発熱するヒータ(発熱体)を設け、このヒータをトッププレートの下面に接触するように下方からばね(弾性体)で押し付けた構成としたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。前記ヒータとしては、例えば非磁性SUSなどの高抵抗の非磁性体で帯状をなす導体にて構成されたものが用いられている。このものにおいては、被加熱調理器具の材質が鉄やアルミ、銅などの金属材料の場合には、被加熱調理器具を前記誘導加熱コイルにより誘導加熱することで加熱調理し、一方、土鍋のような非金属材料の場合には、前記ヒータの発熱により被加熱調理器具を加熱することで加熱調理することができる。
【特許文献1】特開2007−123159号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した従来構成のものでは次のような欠点がある。ヒータは、トッププレートと誘導加熱コイルとの間に配置されることになり、その発熱体の厚さが比較的厚いので、トッププレートと誘導加熱コイルとの間のギャップも大きくなってしまう。このため、トッププレート上の被加熱調理器具を誘導加熱コイルにより誘導加熱する場合の加熱効率が悪くなってしまう。また、ヒータは、トッププレートの下面にばねの付勢力で押し付けて接触させるようにしているが、それら発熱体とトッププレートとの間には隙間ができやすく、ヒータが発生する熱がトッププレート上の被加熱調理器具に伝わるまでの熱効率が悪く、ヒータによる加熱効率が悪い。
【0004】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、トッププレートの下方に誘導加熱コイルとヒータとを備えた構成のものにおいて、トッププレートと誘導加熱コイルとの間のギャップを小さくできて、誘導加熱コイルにより誘導加熱する場合の加熱効率を向上でき、また、ヒータによる加熱効率も向上できる加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した目的を達成するために、本発明の加熱調理器は、加熱調理用の被加熱調理器具が載置されるトッププレートと、このトッププレートの下方に配置され前記被加熱調理器具を誘導加熱する誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルの上方に位置させて前記トッププレートの下面に成膜により設けられ、通電により発熱して前記加熱調理器具を加熱する導電性被膜からなる膜状ヒータとを備え、前記膜状ヒータは、複数の分割膜状ヒータに分割された構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ヒータを、トッププレート下面に成膜した導電性被膜からなる膜状ヒータにより構成しているので、薄くできる。このため、膜状ヒータの下方に配置される誘導加熱コイルとトッププレートとの間のギャップを極力小さくすることが可能になり、トッププレート上の被加熱調理器具を誘導加熱コイルにより誘導加熱する場合の加熱効率の向上を図ることが可能になる。また、膜状ヒータはトッププレートとの密着性が良く、トッププレートと膜状ヒータとの間に隙間ができ難く、膜状ヒータが発生する熱がトッププレート上の被加熱調理器具に伝わるまでの熱効率を向上でき、ヒータによる加熱効率を向上できる。
【0007】
さらに、膜状ヒータは、複数の分割ヒータに分割された構成としているので、誘導加熱コイルにより誘導加熱する場合に、膜状ヒータにおける渦電流による発熱の発生を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜4を参照して説明する。まず、本発明の加熱調理器の概略構成を示す図1において、トッププレート1は、耐熱ガラスにより形成されている。このトッププレート1の上面に、加熱調理用の被加熱調理器具としての鍋2が載置される。被加熱調理器具としてはフライパンなどもある。トッププレート1の下方には、誘導加熱コイル3が配置されている。この誘導加熱コイル3は、コイルベース4の上面に接着により固定されている。
【0009】
トッププレート1の下面には、前記誘導加熱コイル3の上方に位置させて、導電性被膜からなる膜状ヒータ5(図2参照)が設けられている。この膜状ヒータ5は、トッププレート1の下面に蒸着により成膜されたものである。膜状ヒータ5を構成する導電性被膜の材料としては、電気抵抗は有するが、誘導加熱コイル3による誘導加熱時の高周波磁界によって起電力を生じないようにするために、非磁性の材料であることが好ましく、この場合酸化錫で構成されている。
【0010】
膜状ヒータ5は、この場合、図2に示すように、それぞれ長方形状をなす第1の分割ヒータ5aと第2の分割ヒータ5bの2個(複数)に分割された構成となっている。トッププレート1の下面において、これら第1及び第2の分割ヒータ5a,5bのそれぞれの長手方向の左右両端部には、一対の電極6が帯状に設けられている。各電極6の一端部は、対応する第1、第2の分割ヒータ5a,5bの外側に向けて引き出されていて、その先端部をリード線接続部7としている。各電極6は、例えばタングステン、銅、非磁性ステンレスなどの非磁性材料によって形成している。各リード線接続部7には、リード線8がロウ付けされている。この場合、リード線接続部7は、対応する第1、第2の分割ヒータ5a,5bから所定距離L、例えば30mm〜50mm以上離れた部位に配置されている。第1及び第2の分割ヒータ5a,5bは、それぞれの一対の電極6間に電圧を印加すると(通電すると)、ジュール熱を発生し、トッププレート1上の鍋2を加熱する。
【0011】
第1、第2の分割ヒータ5a,5bには、それぞれサーミスタからなる温度センサ9が2個ずつ設けられている。この場合、各温度センサ9は、第1、第2の分割ヒータ5a,5b内においてそれぞれの左右両端部の外側よりの隅部に配置されている。
【0012】
図1において、膜状ヒータ5の下面には、前記誘導加熱コイル3を熱的に保護するために断熱材10を配置している。
図1において、制御装置11は、マイクロコンピュータを主体に構成されたもので、本発明における制御手段を構成している。この制御装置11には、操作キー(スイッチ)などの操作部12や、前記温度センサ9の信号が入力される。なお、操作部12には、図示はしないが土鍋キーや加熱停止キーが含まれている。制御装置11は、それら操作部12や温度センサ9の信号と、予め備えた制御プログラムに基づき、インバータ13を介して前記誘導加熱コイル3を制御するとともに、ヒータ制御回路14を介して前記膜状ヒータ5(第1、第2の分割ヒータ5a,5b)を制御する機能を備えている。
【0013】
次に上記構成の作用について、図3及び図4も参照して説明する。この加熱調理器で加熱調理をする場合、使用者は、鍋2をトッププレート1上に載置した状態で、操作部12のキーを操作する。制御装置11は、操作部12のキー操作があるまで待機している(ステップS1)。そして、制御装置11は、キー操作があると、土鍋フラグを0にし(ステップS2)、土鍋キーが押された否かを判断する(ステップS3)。制御装置11は、土鍋キーが押されていない場合には、「NO」に従ってステップS4へ移行し、材質判定を行なう。土鍋キーが押されていた場合には、「YES」に従ってステップS5へ移行し、土鍋フラグを1にした後、ステップS4へ移行し、材質判定を行なう。
【0014】
材質判定は、トッププレート1上に載置された鍋2(被加熱調理器具)が鉄やステンレスなどの高抵抗の金属材料であるか、アルミや銅などの低抵抗の金属材料であるか、或いは土鍋やガラス鍋などの非金属材料であるかを判定するために行なうもので、詳細な説明は省略するが、例えば一定の高周波電流を誘導加熱コイル3に供給して入力電流とインバータ13の出力電流であるコイル電流との関係に基づいて判定を行なう。
【0015】
例えば、鉄などの磁性体の場合、誘導加熱コイル3が発生した磁束は鍋2を介して流れ易くなり、鍋2と鎖交しやすくなって漏れ磁束が少なくなるため、誘導加熱コイル3の等価インダクタンスは小さくなる。また、磁性体材料は比抵抗が大きく、表皮効果(鍋2底の誘導加熱コイル3側に渦電流が集中する効果)も大きいので、誘導加熱コイル3の等価抵抗が大きくなる。一方、アルミや銅のように非磁性で比抵抗が小さい材料の場合、誘導加熱コイル3が発生した磁束は鍋2に届き難くなり、漏れ磁束が多くなることで、誘導加熱コイル3の等価インダクタンスが大きくなる。そして、比抵抗が小さく表皮効果も小さいので等価抵抗も小さくなる。また、土鍋やガラス鍋などの非金属材料の場合、或いは無負荷の場合には、誘導電流が全く流れないので、等価インダクタンスは最も大きくなり、等価抵抗は最も小さくなる。このように入力電流と出力電流との大小の変化に基づき、材質を判定する。
【0016】
そして、ステップS6で、金属鍋であるか否かを判断する。材質判定の結果、金属鍋(鉄やステンレスなどの高抵抗の金属材料の鍋か、アルミや銅などの低抵抗の金属材料の鍋)であると判定された場合には、「YES」に従ってステップS7へ移行し、その材質に応じて誘導加熱コイル3による誘導加熱を行なう。このとき、誘導加熱コイル3上方に存する膜状ヒータ5は、非磁性の材料であるため、起電力をほとんど生じない。ステップS6で、金属鍋ではないと判定された場合には、「NO」に従ってステップS8へ移行し、土鍋フラグが1であるか否かを判断する。土鍋フラグが1の場合(土鍋キーが押されていた場合)には、「YES」に従ってステップS9へ移行し、後述するヒータ加熱処理を行う。土鍋フラグが1でない場合は、トッププレート1上に鍋が載置されていないこと(無負荷の場合)が考えられるので、この場合には加熱処理は行わず、終了する。
【0017】
ヒータ加熱処理について、図4を参照して説明する。制御装置11は、まず、第1及び第2の分割ヒータ5a,5bを、それぞれ通電率100%で通電駆動する(ステップT1)。これにより、第1及び第2の分割ヒータ5a,5bがそれぞれ発熱し、その熱でトッププレート1上に載置された鍋2(土鍋またはガラス鍋)が加熱されて調理される。このとき、各温度センサ9により第1及び第2の分割ヒータ5a,5bの温度を検出する。
【0018】
ステップT2において、第1の分割ヒータ5aの検出温度と第2の分割ヒータ5bの検出温度とを比較し、その温度差が10℃以上あるか否かを判断する。温度差が10℃未満であれば、「NO」に従ってステップT6へ移行し、その状態を所定時間、この場合5秒間維持する(第1及び第2の分割ヒータ5a,5bをそれぞれ通電率100%で通電することを維持する)。そして、5秒間経過したら、ステップT7へ移行し、加熱終了か否かを判断する。加熱終了でない場合は、「NO」に従ってステップT2へ戻る。
【0019】
ここで、トッププレート1上に載置された鍋2が、膜状ヒータ5の中心に対して一方、例えば第2の分割ヒータ5b側へずれていた場合、第2の分割ヒータ5bの熱は鍋2に伝達され易いので、第2の分割ヒータ5bの温度は上がり難いが、第1の分割ヒータ5aの熱は鍋2へ伝達され難いため、第1の分割ヒータ5aは温度が上がり易い。このため、第1の分割ヒータ5aと第2の分割ヒータ5bとの間で温度差が発生してくる。
【0020】
ステップT2において、第1の分割ヒータ5aの検出温度と第2の分割ヒータ5bの検出温度とを比較し、その温度差が10℃以上あると判定した場合には、トッププレート1上に載置された鍋2の位置がずれていると判断し、「YES」に従ってステップT3へ移行する。ここで、第1の分割ヒータ5aが第2の分割ヒータ5bよりも高いか否かを判定し、第1の分割ヒータ5a側が高いと判定した場合には、「YES」に従ってステップT4へ移行する。ここでは、温度が高い方の第1の分割ヒータ5aの通電率を10%ダウンさせる。また、第2の分割ヒータ5b側は通電率100%を維持する。なお、第2の分割ヒータ5bの通電率を10%上げることができる場合(第2の分割ヒータ5bの通電率が90%以下の場合)には、10%上げる。そして、ステップT6へ移行し、その状態を5秒間維持する。このように制御することで、トッププレート1上に載置された鍋2の位置が第2の分割ヒータ5b側にずれている場合でも、第1の分割ヒータ5a側の温度が上がり過ぎることを防止できる。
【0021】
トッププレート1上に載置された鍋2の位置が第1の分割ヒータ5a側にずれていた場合には、上述とは逆に、第1の分割ヒータ5aは温度が上がり難いが、第2の分割ヒータ5bは温度が上がり易くなる。そして、ステップT2において、第1の分割ヒータ5aの検出温度と第2の分割ヒータ5bの検出温度とを比較し、その温度差が10℃以上あると判定した場合には、トッププレート1上に載置された鍋2の位置がずれていると判断し、「YES」に従ってステップT3へ移行する。ここで、第2の分割ヒータ5bが第1の分割ヒータ5aよりも高いと判定した場合には、「NO」に従ってステップT5へ移行する。ここでは、温度が高い方の第2の分割ヒータ5bの通電率を10%ダウンさせる。また、第1の分割ヒータ5a側は通電率100%を維持する。なお、第1の分割ヒータ5aの通電率を10%上げることができる場合(第1の分割ヒータ5aの通電率が90%以下の場合)には、10%上げる。そして、ステップT6へ移行し、その状態を5秒間維持する。このように制御することで、トッププレート1上に載置された鍋2の位置が第1の分割ヒータ5a側にずれている場合でも、第2の分割ヒータ5b側の温度が上がり過ぎることを防止できる。
【0022】
そして、加熱停止キーが操作されるか、或いは設定時間が経過したら、ステップT7で加熱終了を判断し、加熱を終了し(第1、第2の分割ヒータ5a,5bを断電)(ステップT8)、メインルーチンへ戻る。
【0023】
上記した第1の実施形態によれば次のような効果を得ることができる。
トッププレート1の下面に膜状ヒータ5を設けているので、被加熱調理器具としての鍋2が土鍋やガラス鍋といった非金属のものでも加熱調理することができる。その膜状ヒータ5は、トッププレート1下面に成膜した導電性被膜から構成しているので、薄くできる。このため、膜状ヒータ5の下方に配置される誘導加熱コイル3とトッププレート1との間のギャップを極力小さくすることが可能になり、トッププレート1上の鍋2を誘導加熱コイル3により誘導加熱する場合の加熱効率の向上を図ることが可能になる。また、膜状ヒータ5はトッププレート1との密着性が良く、トッププレート1と膜状ヒータ5との間に隙間ができ難く、膜状ヒータ5が発生する熱がトッププレート1上の鍋2に伝わるまでの熱効率を向上でき、膜状ヒータ5による加熱効率を向上できる。
【0024】
さらに、膜状ヒータ5は、第1及び第2の分割ヒータ5a,5bに分割された構成としているので、誘導加熱コイル3により誘導加熱する場合に、膜状ヒータ5における渦電流による発熱の発生を抑えることができる。
被加熱調理器具としての鍋2が非金属材料の場合は、その鍋2を、膜状ヒータ5のみ通電して加熱する構成とした。これにより、非金属の鍋2でも良好に加熱調理することができる。
【0025】
第1、第2の分割ヒータ5a,5bにはそれぞれ一対の電極6が設けられていて、各電極6のリード線接続部7は、第1、第2の分割ヒータ5a,5bから所定距離L(30mm〜50mm)以上離れた部位に配置しているので、リード線接続部7とリード線8とのロウ付け部分が、第1、第2の分割ヒータ5a,5bの熱で高温度まで加熱されることを抑えることができる。このため、ロウ付け部分の接続信頼性を向上できる。また、リード線8も第1、第2の分割ヒータ5a,5bから遠ざけることができるため、そのリード線8の被覆保護にもなる。
【0026】
第1、第2の分割ヒータ5a,5bにそれぞれ温度センサ9を設け、制御装置11は、各温度センサ9の検出温度を比較し、検出温度が高い方の分割ヒータの通電率を下げるように制御する構成とした。これにより、トッププレート1上に載置された鍋2の位置がずれている場合でも、鍋2がない側の分割ヒータの温度が上がり過ぎることを防止できる。
【0027】
膜状ヒータ5を構成する導電性被膜は、非磁性の材料、この場合酸化錫により構成した。導電性被膜が非磁性の酸化錫であれば、誘導加熱コイル3による誘導加熱時に、膜状ヒータ5が誘導加熱コイル3による磁束を妨げないので、鍋2を誘導加熱する際の加熱効率を低下させることを防止できる。膜状ヒータ5を構成する導電性被膜は、非磁性の材料であれば、酸化ルテニウムを用いることもできる。また、膜状ヒータ5を構成する導電性被膜は、非金属の材料である、例えばカーボンを用いることもできる。
【0028】
(第2の実施形態)
図5は本発明の第2の実施形態を示したものであり、この第2の実施形態は、前記第1の実施形態とは次の点が異なっている。すなわち、トッププレート1の下面に成膜により設けた膜状ヒータ15は、第1〜第4の4個の分割ヒータ15a〜15dに、十字状に分割した構成となっている。第1〜第4の分割ヒータ15a〜15dのそれぞれの左右両端部には、一対の電極6が帯状に設けられている。各電極6のリード線接続部7は、対応する分割ヒータから所定距離L,例えば30mm〜50mm以上離れた部位に引き出されていて、各リード線接続部7に、リード線8がロウ付けされている。第1〜第4の分割ヒータ15a〜15dには、それぞれ1個ずつの温度センサ9が設けられている。
【0029】
このような構成とした第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す要部の概略構成図
【図2】トッププレートを裏返した状態での膜状ヒータ部分の平面図
【図3】制御装置の制御内容を示すメインルーチンのフローチャート
【図4】ヒータ加熱処理のフローチャート
【図5】本発明の第2の実施形態を示す図2相当図
【符号の説明】
【0031】
図面中、1はトッププレート、2は鍋(被加熱調理器具)、3は誘導加熱コイル、5は膜状ヒータ、5a,5bは第1、第2の分割ヒータ、6は電極、7はリード線接続部、8はリード線、9は温度センサ、11は制御装置(制御手段)、15は膜状ヒータ、15a〜15dは第1〜第4の分割ヒータを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理用の被加熱調理器具が載置されるトッププレートと、
このトッププレートの下方に配置され前記被加熱調理器具を誘導加熱する誘導加熱コイルと、
この誘導加熱コイルの上方に位置させて前記トッププレートの下面に成膜により設けられ、通電により発熱して前記被加熱調理器具を加熱する導電性被膜からなる膜状ヒータとを備え、
前記膜状ヒータは、複数の分割ヒータに分割された構成としたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
被加熱調理器具が非金属材料の場合は、前記被加熱調理器具を、膜状ヒータのみ通電して加熱することを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
分割ヒータにはそれぞれ電極が設けられていて、前記電極のリード線接続部は、前記分割ヒータから所定距離離れた部位に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の加熱調理器。
【請求項4】
各分割ヒータに対応して設けられた複数の温度センサと、制御手段とを備え、前記制御手段は、前記複数の温度センサの検出温度を比較しそれに応じて前記分割ヒータの通電率を変えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項5】
制御手段は、複数の分割ヒータのうち温度センサの検出温度が高い方の分割ヒータの通電率を下げることを特徴とする請求項4記載の加熱調理器。
【請求項6】
膜状ヒータを構成する導電性被膜は、非磁性の材料で構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−48867(P2009−48867A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213774(P2007−213774)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】