説明

励起光源装置、光中継装置および光伝送システム

【課題】伝送路の障害検出を高精度に行い、障害発生時にはラマン励起光の出力レベルを低下させる励起光源装置を得ること。
【解決手段】本発明は、情報伝送用の信号光およびOSC光を伝送する光伝送システムの伝送路上に位置し、信号光を増幅するためのラマン励起光を伝送路へ出力する励起光源装置であって、OSC光のレベルを検出するOSC光レベルモニタ部(9)と、信号光のレベルを検出する主信号光レベルモニタ部(6)と、OSC光レベルモニタ部(9)および主信号光レベルモニタ部(6)による各レベル検出結果に基づいて伝送路に障害があるかどうかを判定し、障害があると判定した場合、ラマン励起光のレベルが通常よりも低くなるように制御する制御部(2)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送システムにおいて、伝送路上の信号光を増幅するための励起光を生成するラマン励起光源装置、これを利用した光中継装置および光伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
波長多重(WDM:wavelength division multiplex)した光信号を長距離伝送する波長多重光伝送システムでは、中継距離を伸延化するために、ラマン励起光を利用して光信号を増幅する増幅装置が導入される。これは、伝送路に所定波長のラマン励起光を出力することで信号光を増幅し、伝搬に伴うレベル低下を補償することで、中継距離の伸延化を可能にするものである。ここで言うレベル低下は、信号光の強度が伝搬距離に応じて低下することである。また、伝送路は、信号光を伝送するための光ファイバで実現されており、光コネクタなどによる接続点を含む。伝送路に出力されるラマン励起光は、典型的には数百mWのレベルであり、何らかの理由で伝送路が途中で切断するなどして伝送路外に漏出すると人体への危険が懸念されるレベルである。そのため、伝送路に障害が発生した場合には、励起光の出力レベルを通常レベルから安全レベル以下まで低下させる出力減衰機能が必要である。この出力減衰機能は、シャットダウン機能とも言われる。伝送路の障害は、光が正常に伝搬できない状態であり、意図しない箇所で切断が発生する事故の場合、光コネクタによる接続箇所を意図的あるいは作業ミスによって取り外す場合などがある。
【0003】
下記特許文献1には上述の出力減衰機能を具備した光増幅装置が記載されている。この光増幅装置では、伝送路上を流れているOSC(Optical Supervisory Channel)光の伝送誤りの状態に応じてラマン励起光の出力レベルを制御する。OSC光とは、光伝送システムの状態監視信号や制御信号などを伝送するための補助的な信号光である。なお、このOSC信号と区別のため、以下の説明では、光伝送システムが主に伝送する波長多重した信号光(WDM信号光)を主信号光と記載する。
【0004】
【特許文献1】特開2002−252595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の光増幅装置は、OSC光に障害があるときには、伝送路が正常でもラマン励起光の出力減衰機能が動作してしまい、主信号光が増幅されなくなるため伝送特性を維持できなくなる、という問題があった。
【0006】
また、主信号光の受信レベルを検出して、障害の有無を判断する方法では、伝送路の障害で主信号光が到達していない場合に、伝送路で発生するラマン雑音光を主信号光と誤認してしまう可能性がある、という問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、伝送路の障害検出を高精度に行い、主信号光の伝送特性を不必要に劣化させるのを防止しつつ伝送路での障害発生時にはラマン励起光の出力レベルを確実に低下させる励起光源装置、これを備えた光中継装置および光伝送システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、情報伝送用の信号光およびOSC光を伝送する光伝送システムの伝送路上に位置し、当該信号光を増幅するためのラマン励起光を当該伝送路へ出力する励起光源装置であって、前記OSC光のレベルを検出するOSC光レベル検出手段と、前記信号光のレベルを検出する信号光レベル検出手段と、前記OSC光レベル検出手段および前記信号光レベル検出手段による各レベル検出結果に基づいて前記伝送路に障害があるかどうかを判定し、障害があると判定した場合、前記ラマン励起光のレベルが通常よりも低くなるように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、OSC光のレベルおよび信号光のレベルに基づいて、伝送路に障害があるかどうかを判定し、障害を検出した場合にラマン励起光のレベルを通常レベルよりも低くなるように制御するので、不必要にラマン励起光の出力レベルを下げて主信号光の伝送特性を劣化させてしまうのを防止しつつ伝送路での障害発生時にはラマン励起光の出力レベルを確実に低下させることができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明にかかる励起光源装置、光中継装置および光伝送システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる励起光源装置の実施の形態1の構成例を示す図である。図1に示した励起光源装置100は、励起光源1、制御部2、合波器3、分岐器4、波長選択フィルタ5、主信号光レベルモニタ部6、分岐器7、波長選択フィルタ8およびOSC光レベルモニタ部9を備える。この励起光源装置100は、光ファイバで実現され、自身に接続された伝送路に対して、生成した励起光をポート111から出力(送信)する。なお、光ファイバで実現された伝送路上を流れる主信号光(情報伝送用のWDM信号光)およびOSC光はポート111から入力(受信)される。また、受信した主信号光はポート112から出力される。
【0012】
まず、励起光源装置100の各構成要素について説明する。励起光源1は、伝送路上の主信号光を増幅するためのラマン励起光(以下、単に励起光と呼ぶ)を生成する。制御部2は、主信号光およびOSC光の受信レベルに基づいて、励起光源1が出力する励起光のレベルを制御する。制御部2は、たとえば、マイコンやFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて実現可能である。合波器3は、2系統からの入力光を合波する。分岐器4および7は、入力された光の一部を分岐させ、2系統へ出力する。波長選択フィルタ5および8は、入力された光の特定波長帯域のみを透過させる。主信号光レベルモニタ部6(信号光レベル検出手段)は、主信号光のレベルをモニタ(測定)する。OSC光レベルモニタ部9(OSC光レベル検出手段)は、OSC光のレベルをモニタする。
【0013】
また、制御部2は、OSC光レベルモニタ部9によるモニタ結果に基づいてOSC光のレベルが低下したかどうかを判定するレベル低下検出部21(OSC光レベル低下判定手段)と、主信号光レベルモニタ部6によるモニタ結果に基づいて主信号光のレベルが低下したかどうかを判定するレベル低下検出部22(信号光レベル低下判定手段)と、主信号光レベルモニタ部6によるモニタ結果を取得し保持しておくモニタ値保持部23と、モニタ値保持部23がモニタ結果取得の際に使用するトリガ信号を定期的に生成するタイマ24と、主信号光レベルモニタ部6による最新の主信号光レベルモニタ結果およびモニタ値保持部23が保持している過去の主信号光レベルモニタ結果に基づいて、主信号光のレベルが変化したかどうかを判定するレベル変化検出部25(レベル低下量判定手段)と、レベル低下検出部21および22による判定結果とレベル変化検出部25による判定結果に基づいて励起光源1が生成する励起光のレベルを制御する伝送路障害検出部26と、を備える。
【0014】
つづいて、励起光源装置100の動作について説明する。励起光源装置100では、励起光源1が、励起光を生成し、制御部2からの指示に従ったレベルで出力する。励起光源1から出力された励起光は、合波器3において、主信号光が伝搬する伝送路に合波され、ポート111から出力される。なお、図1において、経路121が、励起光源1で生成された励起光の伝搬経路を示す。すなわち、この励起光は、伝送路上を主信号光と逆方向へ伝搬する。主信号光の波長が1550nm帯の場合、励起光源1から出力される励起光は、1450nm帯であれば、ラマン増幅に適していることが知られている。また合波器3は、主信号光と励起光の波長が異なるため、波長選択的に経路の異なる波長フィルタを用いて実現できる。また、波長に関わらず、入射ポートによって経路121または122に光が透過するサーキュレータを用いて実現することもできる。
【0015】
分岐器4は、伝送路上を流れる主信号光の一部を分岐させ、分岐させた主信号光を波長選択フィルタ5へ入力させる。なお、経路123が、分岐器4で分岐する主信号光の伝搬経路を示す。分岐器4は、例えば20:1に強度を分岐する20dB光カプラを使用することで実現できる。波長選択フィルタ5は、分岐器4から入力された主信号光の波長帯域のみを透過する。主信号光レベルモニタ部6は、波長選択フィルタ5を透過した主信号光のレベルをモニタする。主信号光レベルモニタ部6は、たとえば、PD(Photo detector)を利用し、入力された主信号光を光レベルに比例した電流に変換後、さらにA/D変換することで、主信号光の受信レベルに比例したモニタ結果(主信号光のレベルモニタ値)を得る。なお、波長選択フィルタ5は、主信号光の波長帯域のみを透過し、それ以外の波長の光を遮断することで、レベルモニタ誤差を低減させるためのものであるが、省略も可能である。レベルモニタ精度の目標値などを考慮し、必要に応じて波長選択フィルタ5を構成に含めるようにすればよい。また、主信号光のうち、分岐器4で分岐されなかった残りの部分は合波器3を経てポート112から出力される。
【0016】
分岐器7は、伝送路上を流れるOSC光を分岐させ、分岐させたOSC光を波長選択フィルタ8へ入力させる。主信号光とOSC光の波長が異なるため、分岐器7は、たとえば、波長の違いによって経路が異なる波長フィルタを用いて実現できる。なお、経路124が、分岐器4により分岐させられるOSC光の伝搬経路を示す。波長選択フィルタ8は、分岐器7から入力されたOSC光の波長帯域のみを透過する。OSC光レベルモニタ部9は、波長選択フィルタ8を透過したOSC光のレベルをモニタする。OSC光レベルモニタ部9は、上述した主信号光レベルモニタ部6と同様の手法により、OSC光の受信レベルに比例したモニタ結果(OSC光のレベルモニタ値)を得る。なお、波長選択フィルタ8は、上述した波長選択フィルタ5と同様に、必要に応じて構成に含めるようにする。また、OSC光を受信する受信器は、本発明と直接関係が無いので、図示を省略している。
【0017】
制御部2は、主信号光レベルモニタ部6から出力されたモニタ結果(主信号光のレベルモニタ値)およびOSC光レベルモニタ部9から出力されたモニタ結果(OSC光のレベルモニタ値)を受け取り、これらのモニタ結果に基づいて伝送路の障害発生状況を判定し、さらに、判定結果に基づいて励起光源1が生成する励起光の出力レベルを決定する。決定結果は励起光源1に通知され、励起光源1は、通知内容が示す出力レベルの励起光を生成する。
【0018】
制御部2の内部動作を具体的に説明する。制御部2では、主信号光レベルモニタ部6から出力されたモニタ結果(主信号光のレベルモニタ値)が、レベル低下検出部22、モニタ値保持部23およびレベル変化検出部25へ入力され、また、OSC光レベルモニタ部9から出力されたモニタ結果(OSC光のレベルモニタ値)が、レベル低下検出部21へ入力される。
【0019】
レベル低下検出部21は、入力されたOSC光のレベルモニタ値が所定の値(OSC光のレベルが正常時と比較して低いかどうかを判定するための閾値)以下である場合、OSC光のレベルが低下したと判定し、レベルモニタ値が所定値を超えている場合には、レベル低下なしと判定する。判定結果は伝送路障害検出部26に出力される。
【0020】
レベル低下検出部22は、入力された主信号光のレベルモニタ値が所定の値(主信号光のレベルが正常時と比較して低いかどうかを判定するための閾値)以下である場合、主信号光のレベルが低下したと判定し、レベルモニタ値が所定値を超えている場合には、レベル低下なしと判定する。判定結果は伝送路障害検出部26に出力される。
【0021】
モニタ値保持部23は、タイマ24から定期的に出力されるトリガ信号を受け取った場合に、主信号光レベルモニタ部6から出力されているモニタ値(主信号光のレベルモニタ値)を取得し、保持しておく。なお、タイマ24は、たとえば100ミリ秒間隔でトリガ信号を出力する。
【0022】
レベル変化検出部25は、主信号光レベルモニタ部6から取得した最新のモニタ値とモニタ値保持部23で保持されている過去のモニタ値とに基づいて、主信号光のレベルが経時低下する状態であるかどうかを判定する。具体的には、最新のモニタ値と過去のモニタ値とを比較して主信号光のレベル変化量(低下量)を求め、レベル低下量が所定の値(レベル低下量が正常な範囲内かどうかを判定するための閾値)以上である場合、レベルが経時低下する状態であると判定する。判定結果は伝送路障害検出部26に出力される。なお、レベル変化検出部25は、モニタ値保持部23の仕様(モニタ値を取得するタイミングなど)を考慮して判定処理を実行する。たとえば、モニタ値保持部23が保持可能なモニタ値の数が1の場合には、モニタ値保持部23がモニタ値を取得する直前(保持されている唯一の過去のモニタ値が更新される前)に判定処理を実行する。また、モニタ値保持部23が複数のモニタ値を保持可能な場合、レベル変化検出部25は、主信号光レベルモニタ部6からモニタ結果を直接取得するのではなく、モニタ値保持部23から、保持されているモニタ値の中の最新のものとそれより古いものを所定のタイミングで取得し、それらに基づいて判定処理を行うような構成としてもよい。モニタ値保持部23が複数のモニタ値を保持するようにした場合、レベル変化検出部25は、モニタ値保持部23がモニタ値を取得するタイミングを考慮することなく判定処理を実行できる(もちろん、タイミングを考慮して動作してもよい)。
【0023】
伝送路障害検出部26は、レベル低下検出部21でのOSC光のレベル低下判定結果、レベル低下検出部22での主信号光のレベル低下判定結果およびレベル変化検出部25での主信号光のレベル低下量判定結果に基づいて、伝送路の状態判定を行い、障害が発生していると判定した場合には、励起光源1に対して励起光の出力を下げるように指示する(出力停止指示であってもよい)。たとえば、レベル低下検出部21および22による検出結果が、主信号光およびOSC光のレベルがともに大きく低下したことを示す場合に障害発生と判定する。一方、障害発生を検出しなかった場合、励起光源1に対して励起光のレベルを通常どおりとするように指示する。
【0024】
なお、伝送路障害検出部26は、伝送路の状態判定を行うごとに励起光源1に対して励起光のレベルを指示するのではなく、伝送路の状態変化を検出した場合にのみ指示を行うようにしてもよい。
【0025】
このように、本実施の形態の励起光源装置では、受信した主信号光のレベルおよびOSC光のレベルに基づいて伝送路の状態を判定し、伝送路で障害が発生したと判定した場合には、励起光の出力レベルを下げるようにした。これにより、障害発生の検出精度を高めることができ、不必要に励起光の出力レベルを下げて主信号光の伝送特性を劣化させてしまうのを防止しつつ伝送路での障害発生時には励起光の出力レベルを確実に低下させることができる。
【0026】
実施の形態2.
つづいて、実施の形態2について説明する。本実施の形態では、実施の形態1で示した励起光源装置を利用して実現する光中継装置について説明する。
【0027】
図2は、実施の形態1で示した励起光源装置100(図1参照)を備え、受信した主信号光を増幅して転送する光中継装置の構成例を示す図である。
【0028】
図2に示した光中継装置200は、実施の形態1で示した励起光源装置100、光レベル制御部101、合波器102およびOSC光送信部103を備える。
【0029】
光レベル制御部101は、励起光源装置100から出力された主信号光に対し、光増幅処理、レベル調整処理、などを実行してレベル調整を行い、レベル調整後の主信号光を出力する。またこのとき、一部波長の信号光の合波処理や分波処理を必要に応じて実行する。より詳細には、エルビウムドープファイバなどを用いた光増幅器(EDFA:Erbium-Doped Fiber Amplifier)および光を所定のレベルに調整する光減衰器(VOA:Variable Optical Attenuator)を備え、適切なレベルに主信号光のレベルを調整する。
【0030】
合波器102は、光レベル制御部101から出力されたレベル調整後の主信号光とOSC光送信部103から出力されたOSC光とを合波する。合波処理を行って得られた光は、ポート112aから出力される。主信号光とOSC光の波長が異なるため、合波器102は、波長選択的に経路の異なる波長フィルタを用いて実現できる。
【0031】
OSC光送信部103は、後続の光中継装置などに向けて送信するOSC光を生成する。なお、経路125は、OSC光送信部103から送信されたOSC光の伝搬経路を示す。
【0032】
このような構成の光中継装置200の動作を説明する。光中継器200では、まず、励起光源装置100が、受信ポート111aに接続された伝送路に励起光を送信することにより、ポート111aから入力される主信号光をラマン増幅する。次に、光レベル制御部101は、ラマン増幅された後の主信号光を所定のレベルとなるように制御する。そして、光レベル制御部101でレベル調整された後の主信号光は、ポート112aに接続された伝送路へ出力される。
【0033】
また、励起光源装置100は、実施の形態1で説明したように、伝送路上を流れる主信号光およびOSC光のレベル、より詳細には、ポート111a経由で受信する主信号光およびOSC光のレベルをモニタし、モニタ結果に基づいて判定した伝送路の状態に応じたレベルで励起光を出力する。すなわち、伝送路上の障害を検出した場合には、励起光の出力を減衰させて、漏出する励起光レベルを安全レベル以下に低下させる。
【0034】
このように、本実施の形態の光中継装置は、実施の形態1で示した励起光源装置100を備え、受信した主信号光を励起光源装置100が出力する励起光を利用して増幅し、さらに、所望のレベルとなるようにレベル調整を行った上で送信(出力)することとした。これにより、障害発生を高精度に検出することができ、障害未発生時に不必要に励起光の出力レベルを下げて主信号光の伝送特性を劣化させてしまうのを防止しつつ障害発生時には励起光の出力レベルを確実に低下させる機能を有する光中継装置を実現できる。
【0035】
実施の形態3.
つづいて、実施の形態3について説明する。本実施の形態では、実施の形態2で示した光中継装置を利用して実現する光伝送システムについて説明する。
【0036】
図3は、実施の形態2で示した光中継装置(図2参照)を備えた光伝送システムの構成例を示す図である。この光伝送システムは、実施の形態2で示した複数の光中継装置200と、主信号光の送信元の装置である送信装置300と、主信号光の送信先の装置である受信装置400と、光ファイバで実現された伝送路113と、により構成され、各光中継装置200は、送信装置300と受信装置400とを結ぶ伝送路113上に位置している。また、受信装置400は、実施の形態1で示した励起光源装置100と、主信号光の受信処理を行う受信部104と、により構成される。
【0037】
上記構成の光伝送システムにおいて、送信装置300は、主信号光およびOSC光を伝送路113へ送信し、各光中継装置200は、送信装置300または隣接する他の光中継装置200から送信された主信号光を受信すると、それを所定レベルに増幅後、自身が生成するOSC光とともに伝送路113へ転送する。受信装置400は、光中継装置200から受信した主信号光を励起光源装置100にて増幅し、増幅後の主信号光に対して受信部104が所定の受信処理を行う。またこのとき、光中継装置200および受信装置400の励起光源装置100では、実施の形態1および2で示したように、伝送路上を流れる主信号光およびOSC光のレベルに基づいて伝送路の状態を判定し、判定結果に応じたレベルの励起光を生成する。
【0038】
すなわち、本実施の形態の光伝送システムは、送信装置300から受信装置400に光中継装置200を経由して主信号を伝送する機能と、伝送路113で障害が発生した場合には、励起光の出力を減衰させて、漏出する励起光レベルを安全レベル以下に低下させる機能と、を有している。
【0039】
このように、本実施の形態の光伝送システムは、実施の形態2で示した光中継装置200と、実施の形態1で示した励起光源装置100を備えた受信装置と、を含む構成とした。これにより、障害発生を高精度に検出することができ、障害未発生時に不必要に励起光の出力レベルを下げて主信号光の伝送特性を劣化させてしまうのを防止しつつ障害発生時には励起光の出力レベルを確実に低下させる機能を有する光伝送システムを実現できる。
【0040】
実施の形態4.
つづいて、実施の形態4について説明する。本実施の形態では、実施の形態1で示した励起光源装置100(図1参照)を構成する制御部2の動作、特に、伝送路障害検出部26における伝送路の状態判定動作について、詳しく説明する。
【0041】
本実施の形態では、図4に示した5つの状態を想定し、これらの各状態における伝送路障害検出部26の状態判定動作を順に説明することにより、伝送路障害検出部26における状態判定動作を説明する。図4は、光伝送システムのとりうる状態と各状態における主信号光およびOSC光の受信レベルの一例を示している。以下に、まず、各状態について説明する。
【0042】
状態1は、正常な状態である。この状態では、(b)の主信号光モニタ値(図1に示した主信号光レベルモニタ部6におけるモニタ値)に示す受信レベルは、-24〜-22dBmとなっており、その内訳は、(b1)主信号光が-25dBm、(b2)ラマン雑音光が-30〜-25dBmである。ラマン雑音光は、励起光(ラマン励起光)を伝送路に入力することにより発生する雑音光であり、主信号と同一波長帯の光である。図5および図6は、励起光源装置100(図1参照)が受信する主信号光(波長多重主信号)の光スペクトルの例である。図5には、波長多重された主信号光130aおよびラマン雑音光131aを示している。図6は、波長多重された主信号光130aの中の1つの主信号光130bのみと、ラマン雑音光131bが存在する例である。図5および図6に示した例では、主信号光の波長多重数が異なるが、実際のシステムでは運用中にどちらの状態も起こり得る。図4では、図6に示した、主信号光が1波長のみの場合の例を挙げており、主信号光のレベルは-25dBmである。ラマン雑音光は、各波長でのレベルは主信号光に比べると低いものの、図6に示すように、広い波長帯域に広がっており、レベルモニタ(主信号光レベルモニタ部6)で受光する光の総和は-25dBm程度となる。また、ラマン雑音光は、伝送路の光学的特性、励起光レベルに依存して変化することから、図4の(b2)では、-30〜-25dBmという5dBの幅を持った値としている。その結果、(b)主信号光モニタ値は、-24〜-22dBmとなる。(c)OSC光モニタ値のレベルは-25dBmである。
【0043】
状態2は、主信号光のレベルが低下し、受信レベルモニタ値((b)主信号光モニタ値)が-25dBmであるが、OSC光の受信レベル(OSC光モニタ値)は-25dBm(正常レベル)となっている状態である。
【0044】
状態3は、OSC光モニタ値が-40dBm以下に低下しているが、主信号光モニタ値は正常レベルとなっている状態である。
【0045】
状態4は、図7に示した障害が発生した場合、すなわち励起光を出力している励起光源装置100(光中継装置200)に近いところで伝送路が断線した場合の状態である。この場合には、主信号光,OSC光ともに受信レベルが-40dBm以下となる。
【0046】
状態5は、図8に示した障害が発生した場合、すなわち励起光を出力している励起光源装置100から遠いところで伝送路が断線した場合である。この場合には、OSC光モニタ値は-40dBm以下であるが、伝送路に励起光が入力し、ラマン雑音光が発生する。その場合の光スペクトルの一例を図9に示す。このように、主信号光は到達していないが、ラマン雑音光が主信号光レベルモニタ部6に到達する場合、ラマン雑音光によって、主信号光モニタ値は-25dBmとなる。
【0047】
これらの状態1〜5の中で、伝送路に障害が発生して、励起光の出力を所定値以下に減衰すべき状態は、状態4と状態5である。状態2と状態3は、主信号光とOSC光のいずれかを受信していることから、伝送路の障害ではない。
【0048】
ここで、図4に示した状態1(障害未発生状態)と状態5(障害発生状態)を比較すると、主信号光が到達しているとき(状態1)の主信号光モニタ値-24dBmと、主信号光が到達していないとき(状態5)の主信号光モニタ値-25dBmの差異が小さい。したがって、レベルモニタの精度や、主信号光レベルの変動幅を考慮すると、主信号光モニタ値をある一定の判定閾値と大小比較することでこれらの状態を区別することは困難である。
【0049】
そのため、伝送路障害検出部26は、以下に示す方法により状態判別を行い、障害発生を検出する。なお、本実施の形態の説明で使用するパラメータを次のように定義する。
【0050】
主信号光の受信レベルモニタ最新値:Pwdm
OSC光の受信レベルモニタ最新値:Posc
主信号光の受信レベルモニタ記憶保持値:Pwdm0
主信号光の受信レベルモニタ低下量:ΔPwdm = Pwdm0 - Pwdm
レベルモニタ値の記憶保持時間:Δt (1秒間)
主信号光の減衰閾値:Pwdm_th (-24dBm)
OSC光の減衰閾値:Posc_th (-30dBm)
主信号光の低下量閾値:ΔPwdm_th (2dB)
主信号光の回復閾値:Pwdm_th2 (-22dBm)
OSC光の回復閾値:Posc_th2 (-27dBm)
ただし、括弧内に示した各閾値は一例である。
【0051】
励起光源装置100では、たとえば100ミリ秒毎に、レベル低下検出部21が、OSC光レベルモニタ部9によるモニタ結果(OSC光モニタ値)を確認し、モニタ値(Posc)が所定値(Posc_th)以下となったかどうかを判定する。また、判定結果を伝送路障害検出部26へ通知する。
【0052】
伝送路障害検出部26は、レベル低下検出部21からOSC光のレベルが所定値以下となったことを示す判定結果が通知されてきた場合、レベル変化検出部25から通知されたレベル低下量判定結果を確認する。そして、レベル低下量判定結果が、主信号光のレベル低下量が所定値(ΔPwdm_th)以上であることを示していれば、伝送路の障害と判断する。すなわち、OSC光および主信号光の双方のレベルが同時に低下していることを検出して、伝送路に障害が生じたと認識する。なお、OSC光と主信号光が偶然同時にレベル低下した場合には、伝送路の障害と誤認することになるが、そのような可能性は十分低く、考慮しないものとする。また、主信号光のレベルモニタ値の低下量は、Δtだけ過去のモニタ値を最新のモニタ値と比較することで、Δtの時間内での低下量を得る。Δtの時間内に図4の状態1から状態5に変化したときには、主信号光のレベルモニタ値(Pwdm)が-24〜-22dBmから、-30〜-25dBmへ変化するため、所定値(ΔPwdm_th)を超える低下量を検出した場合、伝送路障害#2と判断する。また、この手順を用いた判定では、状態1から状態4に変化した場合も同様に、伝送路障害#1と判断することになる。
【0053】
なお、状態1から状態2に変化した場合には、OSC光のレベルモニタ値が低下しないため、伝送路障害とは判断しない。また、状態1から状態3への変化時には、主信号光のレベル低下が発生しない、すなわち主信号光のレベル低下量が所定値(ΔPwdm_th)を超えないことから伝送路障害と判断しない。
【0054】
以上をまとめると、制御部2(伝送路障害検出部26)では、
(条件1)Posc ≦ Posc_th:OSC光レベルが所定値以下
(条件2)ΔPwdm ≧ ΔPwdm_th:主信号光レベルの低下量が所定値以上
の同時成立を検出した場合に伝送路障害が発生したと判断し、励起光源1が送信する励起光の出力を減衰させる。この結果、障害発生に漏出する励起光レベルを安全レベル以下に低下させることができる。
【0055】
このように、制御部2の伝送路障害検出部26では、まず、OSC光のレベルを確認し、このOSC光レベルが異常(所定の閾値以下)の場合には、さらに、主信号光のレベル変化量を確認し、主信号光のレベルも低下している場合、伝送路に障害が発生したと確認することとしたので、OSC光のレベルのみをモニタして障害発生を判定する従来の障害発生検出動作と比較して、高精度に障害発生を検出できる。
【0056】
なお、上記説明では、伝送路障害検出部26における障害発生の判定条件として、OSC光のレベルおよび主信号光のレベル変化量(条件1,条件2)を利用する場合について示したが、さらに、主信号光のレベルを利用して判定を行うようにすることにより判定精度を向上できる。
【0057】
例えば、主信号光レベルモニタ値(Pwdm)が所定値(Pwdm_th)より高い場合には、ラマン雑音光だけでなく、主信号光も到達していると考えられるため、伝送路障害と判断しない。そのため、以下の3つの条件のすべてを満たしている場合に障害が発生したと判定する。
(条件1)Posc ≦ Posc_th:OSC光レベルが所定値以下
(条件2)ΔPwdm ≧ ΔPwdm_th:主信号光レベルの低下量が所定値以上
(条件3)Pwdm ≦ Pwdm_th:主信号光レベルが所定値以下
【0058】
また、主信号光のレベルの低下量に代えて、主信号光のレベルそのもの(主信号光のレベルモニタ値)を利用して判定を行うようにしてもよい。すなわち、以下の2つの条件をともに満たしている場合に障害が発生したと判定する。この場合、処理の簡素化が実現できる。
(条件1)Posc ≦ Posc_th:OSC光レベルが所定値以下
(条件3)Pwdm ≦ Pwdm_th:主信号光レベルが所定値以下
【0059】
また、上記(条件2)では、主信号光のレベル低下量を用いて判定を行うようにしているが、これに代えて、OSC光のレベル低下量を用いることも可能であり、この場合も同様の効果が得られる。
【0060】
実施の形態5.
上述した実施の形態1〜4では、障害発生を検出した場合に励起光の出力レベルを調整する(下げる)制御動作について説明したが、本実施の形態では、障害発生を一旦検出後、それが解消された場合に実行する励起光の出力レベル調整動作について説明する。なお、本実施の形態の説明で使用するパラメータを次のように定義する。
【0061】
主信号光の回復閾値:Pwdm_th2 (-22dBm)
OSC光の回復閾値:Posc_th2 (-27dBm)
ただし、括弧内に示した各閾値は一例である。
【0062】
図1に示した励起光源装置100の制御部を構成している伝送路障害検出部26は、主信号光のレベルモニタ値が所定値(Pwdm_th2)を上回ったことを検出した場合、すなわち、レベル低下検出部22による判定結果が主信号光のレベル低下を示していない場合、伝送路の障害が解消して正常化したと判断する。同様に、OSC光のレベルモニタ値が所定値(Posc_th2)を上回ったことを検出した場合(レベル低下検出部21による判定結果がOSC光のレベル低下を示していない場合)にも、伝送路の障害が解消したと判断する。そして、障害が解消したと判断した場合、励起光の出力を通常レベルに回復させることにより、主信号光のラマン増幅を再開する。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明にかかる励起光源装置は、光伝送システムに有用であり、特に、伝送路の障害を検出した場合に励起光の出力レベルを下げて安全性を確保する機能の実現に適している。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明にかかる励起光源装置の実施の形態1の構成例を示す図である。
【図2】励起光源装置を備え、受信した主信号光を増幅して転送する光中継装置の構成例を示す図である。
【図3】光中継装置を備えた光伝送システムの構成例を示す図である。
【図4】光伝送システムのとりうる状態と各状態における主信号光およびOSC光の受信レベルの一例を示す図である。
【図5】励起光源装置が受信する主信号光の光スペクトルの一例を示す図である。
【図6】励起光源装置が受信する主信号光の光スペクトルの一例を示す図である。
【図7】光伝送システムで発生する伝送路障害の一例を示す図である。
【図8】光伝送システムで発生する伝送路障害の一例を示す図である。
【図9】伝送路障害が発生した場合の光スペクトルの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 励起光源
2 制御部
3、102 合波器
4、7 分岐器
5、18 波長選択フィルタ
6 主信号光レベルモニタ部
9 OSC光レベルモニタ部
21、22 レベル低下検出部
23 モニタ値保持部
24 タイマ
25 レベル変化検出部
26 伝送路障害検出部
100 励起光源装置
101 光レベル制御部
103 OSC光送信部
104 受信部
200 光中継装置
300 送信装置
400 受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報伝送用の信号光およびOSC光を伝送する光伝送システムの伝送路上に位置し、当該信号光を増幅するためのラマン励起光を当該伝送路へ出力する励起光源装置であって、
前記OSC光のレベルを検出するOSC光レベル検出手段と、
前記信号光のレベルを検出する信号光レベル検出手段と、
前記OSC光レベル検出手段および前記信号光レベル検出手段による各レベル検出結果に基づいて前記伝送路に障害があるかどうかを判定し、障害があると判定した場合、前記ラマン励起光のレベルが通常よりも低くなるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする励起光源装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記OSC光レベル検出手段によるレベル検出結果であるOSC光レベル値を閾値判定することにより前記OSC光のレベルが低下したかどうかを判定するOSC光レベル低下判定手段と、
前記信号光レベル検出手段によるレベル検出結果である信号光レベル値の最新の値および過去の値に基づいて前記信号光のレベル低下量を算出し、当該算出したレベル低下量を閾値判定することにより前記信号光のレベル低下量が所定量以上かどうか判定するレベル低下量判定手段と、
前記OSC光レベル低下判定手段による判定結果が「レベル低下検出」を示しかつ前記レベル低下量判定手段による判定結果が「レベル低下量が所定量以上」を示す場合、伝送路に障害が発生したと判定する伝送路障害検出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の励起光源装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記OSC光レベル検出手段によるレベル検出結果であるOSC光レベル値を閾値判定することにより前記OSC光のレベルが低下したかどうかを判定するOSC光レベル低下判定手段と、
前記信号光レベル検出手段によるレベル検出結果である信号光レベル値の最新の値および過去の値に基づいて前記信号光のレベル低下量を算出し、当該算出したレベル低下量を閾値判定することにより前記信号光のレベル低下量が所定量以上かどうか判定するレベル低下量判定手段と、
前記信号光レベル値を閾値判定することにより前記信号光のレベルが低下したかどうかを判定する信号光レベル低下判定手段と、
前記OSC光レベル低下判定手段による判定結果が「レベル低下検出」を示しかつ前記レベル低下量判定手段による判定結果が「レベル低下量が所定量以上」を示し、さらに前記信号光レベル低下判定手段による判定結果が「レベル低下検出」を示す場合に、伝送路に障害が発生したと判定する伝送路障害検出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の励起光源装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記OSC光レベル検出手段によるレベル検出結果であるOSC光レベル値を閾値判定することにより前記OSC光のレベルが低下したかどうかを判定するOSC光レベル低下判定手段と、
前記信号光レベル検出手段によるレベル検出結果である信号光レベル値を閾値判定することにより前記信号光のレベルが低下したかどうかを判定する信号光レベル低下判定手段と、
前記OSC光レベル低下判定手段による判定結果および前記信号光レベル低下判定手段による判定結果がともに「レベル低下検出」を示す場合、伝送路に障害が発生したと判定する伝送路障害検出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の励起光源装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記OSC光レベル検出手段によるレベル検出結果であるOSC光レベル値の最新の値および過去の値に基づいて前記OSC光のレベル低下量を算出し、当該算出したレベル低下量を閾値判定することにより前記OSC光のレベル低下量が所定量以上かどうか判定するレベル低下量判定手段と、
前記信号光レベル検出手段によるレベル検出結果である信号光レベル値を閾値判定することにより前記信号光のレベルが低下したかどうかを判定する信号光レベル低下判定手段と、
前記レベル低下量判定手段による判定結果が「レベル低下量が所定量以上」を示しかつ前記信号光レベル低下判定手段による判定結果が「レベル低下検出」を示す場合、伝送路に障害が発生したと判定する伝送路障害検出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の励起光源装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記OSC光レベル検出手段によるレベル検出結果であるOSC光レベル値を閾値判定することにより前記OSC光のレベルが低下したかどうかを判定するOSC光レベル低下判定手段と、
前記OSC光レベル値の最新の値および過去の値に基づいて前記OSC光のレベル低下量を算出し、当該算出したレベル低下量を閾値判定することにより前記OSC光のレベル低下量が所定量以上かどうか判定するレベル低下量判定手段と、
前記信号光レベル検出手段によるレベル検出結果である信号光レベル値を閾値判定することにより前記信号光のレベルが低下したかどうかを判定する信号光レベル低下判定手段と、
前記OSC光レベル低下判定手段による判定結果が「レベル低下検出」を示しかつ前記レベル低下量判定手段による判定結果が「レベル低下量が所定量以上」を示し、さらに前記信号光レベル低下判定手段による判定結果が「レベル低下検出」を示す場合に、伝送路に障害が発生したと判定する伝送路障害検出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の励起光源装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記伝送路に障害がないと判定した場合、前記ラマン励起光のレベルが通常のレベルとなるように制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の励起光源装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一つに記載の励起光源装置と、
前記励起光源装置から出力されたラマン励起光により増幅された後の信号光のレベル調整を行う光レベル制御手段と、
を備えることを特徴とする光中継装置。
【請求項9】
請求項8に記載の光中継装置を備えることを特徴とする光伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−4410(P2010−4410A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−162563(P2008−162563)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】