説明

動翼体

【課題】動翼体において、動翼に発生する振動を適正に抑制可能とする。
【解決手段】ロータ32と一体に回転可能なロータディスク36と、このロータディスク36の外周部から放射状に延出するように装着される複数の動翼28と、周方向に隣接する動翼28のプラットホーム42同士の隙間に装着されるダンパピン61と、プラットホーム42とダンパピン61との間に介装されてダンパピン61に対する接触角度を調整可能な調整ピース62とを設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービン、蒸気タービン、ジェットエンジンなどに搭載される回転機械を構成する動翼体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なガスタービンは、圧縮機と燃焼器とタービンにより構成されている。そして、空気取入口から取り込まれた空気が圧縮機によって圧縮されることで高温・高圧の圧縮空気となり、燃焼器にて、この圧縮空気に対して燃料を供給して燃焼させることで高温・高圧の燃焼ガス(作動流体)を得て、この燃焼ガスによりタービンを駆動し、このタービンに連結された発電機を駆動する。
【0003】
このようなガスタービンの圧縮機やタービンで使用される動翼体は、主軸と一体で回転するロータディスクと、このロータディスクの外周部から放射状に延出するように組み付けられる複数の動翼から構成される。この場合、複数の動翼は、各翼根部がロータディスクの外周部に形成された溝にそれぞれ係合しており、隣接するプラットホーム同士の間にシールピンが接触するように配置されている。このシールピンは、回転軸方向に沿って延在しており、燃焼ガスの漏出を防止するシール機能を果たすと共に、動翼の振動を減衰させる減衰機能を果たしている。
【0004】
このような従来の動翼体としては、下記特許文献1、2に記載されたものがある。特許文献1に記載されたブレードダンパは、ブレードの隣接するプラットホーム間に形成される間隙内に受入れられ、プラットホームと摩擦係合することでブレードの振動を減衰させ、且つ、空気が対応する間隙を通過するのを防止するものである。また、特許文献2に記載された動翼体は、周方向で互いに隣接する動翼のプラットホーム部同士の隙間に、回転軸方向に沿って延在するシールピンを設け、このシールピンに同軸状に貫通する貫通穴を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−030902号公報
【特許文献2】特開2006−214367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の動翼体では、隣接する動翼の間にブレードダンパやシールピンを介装することで、燃焼ガスの漏出を防止すると共に、動翼の振動を減衰させるようにしている。この場合、動翼体が回転すると、ブレードダンパ(シールピン)に遠心力が作用し、接触する動翼から反力を受け、この動翼とブレードダンパとの接触面に摩擦力が発生することとなり、この摩擦力により動翼の励振力を減衰させることができる。
【0007】
ところが、動翼体は、ロータディスクや動翼の形状、定常回転数などにより発生する動翼の励振力が異なるものであり、単に、隣接する動翼の間にブレードダンパやシールピンを介装しただけでは、動翼に発生する励振力を適正に減衰させることが困難である。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、動翼に発生する振動を適正に抑制可能とする動翼体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の動翼体は、主軸と一体に回転可能なロータディスクと、該ロータディスクの外周部から放射状に延出するように装着される複数の動翼と、周方向に隣接する前記動翼のプラットホーム同士の隙間に装着されるダンパ部材と、前記プラットホームと前記ダンパ部材との間に介装されて該ダンパ部材に対する接触角度を調整可能な調整部材と、を備えることを特徴とするものである。
【0010】
従って、プラットホームとダンパ部材との間にこのダンパ部材に対する接触角度を調整可能な調整部材を介装しており、この接触角度を調整すると、動翼体の回転時にプラットホームから調整部材を介してダンパ部材に入力する反力が増減することとなる。そのため、動翼体の形状や回転数などに応じて最適な接触角度を選定することができ、動翼に発生する振動を適正に抑制することができる。
【0011】
本発明の動翼体では、周方向に隣接する前記プラットホーム同士の対向面のうちの少なくともいずれか一方に、前記ロータディスクの放射方向に対して前記主軸の中心側が拡大するような傾斜面が設けられ、該傾斜面に前記調整部材を位置決め可能な取付凹部が設けられることを特徴としている。
【0012】
従って、調整部材を取付凹部に装着することで、この調整部材を容易に、且つ、安定して位置決めすることができ、適正に動翼に発生する振動を抑制することができる。
【0013】
本発明の動翼体では、前記調整部材は、前記プラットホーム及び前記ダンパ部材より軟質材料により構成されることを特徴としている。
【0014】
従って、長期の使用により軟質な調整部材が磨耗することとなり、変更が困難な動翼やダンパ部材を変更不要とし、磨耗した調整部材を交換するだけで長期的に安定した減衰機能を維持することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の動翼体によれば、プラットホームとダンパ部材との間にこのダンパ部材に対する接触角度を調整可能な調整部材を介装するので、動翼に発生する振動を適正に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る動翼体を搭載したガスタービンを表す概略構成図である。
【図2】図2は、ガスタービンにおける動翼を表す概略図である。
【図3】図3は、動翼の取付状態を表す動翼体の腰部断面図である。
【図4】図4は、ダンパピンが装着された動翼体の要部断面図である。
【図5】図5は、ダンパピン及び調整ピースが装着された動翼体の要部断面図である。
【図6】図6は、ダンパピン及び調整ピースが装着された動翼体の要部断面図である。
【図7】図7は、調整ピースの角度に対する反力/遠心力を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る動翼体の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の一実施例に係る動翼体を搭載したガスタービンを表す概略構成図、図2は、ガスタービンにおける動翼を表す概略図、図3は、動翼の取付状態を表す動翼体の腰部断面図、図4は、ダンパピンが装着された動翼体の要部断面図、図5及び図6は、ダンパピン及び調整ピースが装着された動翼体の要部断面図、図7は、調整ピースの角度に対する反力/遠心力を表すグラフである。
【0019】
ガスタービンは、図1に示すように、圧縮機11と燃焼器12とタービン13により構成されている。このガスタービンには、図示しない発電機が連結されており、発電可能となっている。
【0020】
圧縮機11は、空気を取り込む空気取入口20を有し、圧縮機車室21内に入口案内翼(IGV)22が配設されると共に、複数の静翼23と動翼24が前後方向(後述するロータ32の軸方向)に交互に配設されてなり、その外側に抽気室25が設けられている。燃焼器12は、圧縮機11で圧縮された圧縮空気に対して燃料を供給し、点火することで燃焼可能となっている。タービン13は、タービン車室26内に複数の静翼27と動翼28が前後方向(後述するロータ32の軸方向)に交互に配設されている。このタービン車室26の下流側には、排気車室29を介して排気室30が配設されており、排気室30は、タービン13に連続する排気ディフューザ31を有している。
【0021】
また、圧縮機11、燃焼器12、タービン13、排気室30の中心部を貫通するようにロータ(主軸)32が位置している。ロータ32は、圧縮機11側の端部が軸受部33により回転自在に支持される一方、排気室30側の端部が軸受部34により回転自在に支持されている。そして、このロータ32は、圧縮機11にて、各動翼24が装着されたロータディスク35が複数重ねられて固定され、タービン13にて、各動翼28が装着されたロータディスク36が複数重ねられて固定されており、排気室30側の端部に図示しない発電機の駆動軸が連結されている。
【0022】
そして、このガスタービンは、圧縮機11の圧縮機車室21が脚部37に支持され、タービン13のタービン車室26が脚部38により支持され、排気室30が脚部39により支持されている。
【0023】
従って、圧縮機11の空気取入口20から取り込まれた空気が、入口案内翼22、複数の静翼23と動翼24を通過して圧縮されることで高温・高圧の圧縮空気となる。燃焼器12にて、この圧縮空気に対して所定の燃料が供給され、燃焼する。そして、この燃焼器12で生成された作動流体である高温・高圧の燃焼ガス(作動流体)が、タービン13を構成する複数の静翼27と動翼28を通過することでロータ32を駆動回転し、このロータ32に連結された発電機を駆動する。一方、排気ガス(燃焼ガス)のエネルギは、排気室30の排気ディフューザ31により圧力に変換され減速されてから大気に放出される。
【0024】
このように構成されたガスタービンにて、本実施例の動翼体は、タービン13に適用されたものであって、図2及び図3に示すように、ロータ32と一体に回転可能なロータディスク36と、このロータディスク36の外周部から放射状に延出するように装着される複数の動翼28とを有している。
【0025】
動翼28は、翼根部41と、プラットホーム42と、翼部43とから構成されている。翼根部41は、ロータ32の軸心方向視の断面形状が、所謂、クリスマスツリー形状に形成され、ロータディスク36に板厚方向から嵌合して固定可能となっている。プラットホーム42は、翼根部41と翼部43とをつなぐ台座形状をなし、ロータディスク36の外周を覆うように、翼根部41と一体となる湾曲したプレート形状をなしている。翼部43は、横断面形状が流線形をなし、この形状を確保しながら徐々に捩られながら延出しており、基端部がプラットホーム42に固定されて先端部がケーシング(図示略)の内壁面側に延出しており、燃焼ガスを円滑に流動させるべく機能する。
【0026】
一方、ロータディスク36は、外周部に動翼28の翼根部41の断面形状とほぼ同じ形状をなす嵌合溝51が、周方向に等間隔で軸方向に沿って形成されている。この各嵌合溝51は、動翼28の翼根部41が軸方向から挿入されて固定される。そして、複数の動翼28がロータディスク36に組み付けられることで、ロータディスク36の外周から複数の動翼28における翼部43が放射状に延出した動翼体が構成される。
【0027】
このように構成された本実施例の動翼体は、周方向に隣接する動翼28のプラットホーム42同士の隙間に装着されるダンパピン(ダンパ部材)61と、プラットホーム42とダンパピン61との間に介装されてこのダンパピン61に対する接触角度を調整可能な調整ピース(調整部材)62とが設けられている。この場合、周方向に隣接するプラットホーム42同士の対向面のうちの少なくともいずれか一方に、ロータディスク36の放射方向に対してロータ32の中心側が拡大するような傾斜面が設けられ、この傾斜面に調整ピース62を位置決め可能な取付凹部が設けられている。
【0028】
即ち、図4に示すように、隣接する動翼28の各プラットホーム42のうち、一方のプラットホーム42aは、ロータディスク36の放射方向に平行な側面71aを有し、他方のプラットホーム42bは、ロータディスク36の放射方向に対してロータ32の中心側が拡大するような側面となる傾斜面71bを有している。そして、プラットホーム42bは、この傾斜面71bに取付凹部72が形成されており、この取付凹部72はロータ32の軸方向に沿った溝となっている。本実施例にて、傾斜面71b(取付凹部72)は、ロータ32の径方向、つまり、ロータディスク36の放射方向に対する角度がθに設定されている。
【0029】
そして、プラットホーム42aの側面71aと、プラットホーム42bの傾斜面71b(取付凹部72)との間に、ダンパピン61が介装されている。この場合、ダンパピン61は、取付凹部72内に配置されており、端部が図示しない支持部材により支持されることが好ましい。
【0030】
また、本実施例では、ダンパピン61に対するプラットホーム42bの接触角度が調整可能となっている。即ち、図5に示すように、調整ピース62aは、上端部が薄くて下端部が厚い板厚を有し、ロータディスク36の軸方向に長い板部材であって、プラットホーム42bの傾斜面71bに形成された取付凹部72に嵌合している。そのため、ダンパピン61は、プラットホーム42aの側面71aと、プラットホーム42bにおける傾斜面71bの取付凹部72に支持された調整ピース62aとの間に介装されることとなる。この場合、調整ピース62aは、ロータ32の径方向、つまり、ロータディスク36の放射方向に対する角度がθ(θ<θ)に設定されている。
【0031】
また、図6に示すように、調整ピース62bは、上端部が厚くて下端部が薄い板厚を有し、ロータディスク36の軸方向に長い板部材であって、プラットホーム42bの傾斜面71bに形成された取付凹部72に嵌合している。そのため、ダンパピン61は、プラットホーム42aの側面71aと、プラットホーム42bにおける傾斜面71bの取付凹部72に支持された調整ピース62bとの間に介装されることとなる。この場合、調整ピース62bは、ロータ32の径方向、つまり、ロータディスク36の放射方向に対する角度がθ(θ<θ<θ)に設定されている。
【0032】
ここで、各調整ピース62(62a,62b)は、プラットホーム42(42a,42b)及びダンパピン61よりも軟質材料により構成されている。
【0033】
従って、図4に示すように、ロータ32と共にロータディスク36が回転し、各動翼28が回転すると、ダンパピン61に遠心力CFが作用することから、一方のプラットホーム42aの側面71aからダンパピン61に反力Naが作用し、他方のプラットホーム42bの傾斜面71bからダンパピン61に反力Nbが作用する。一方、ガスタービンの運転中は、各動翼28に燃焼ガスからの励振力が作用するため、各動翼28は振動することとなり、プラットホーム42a,42bとダンパピン61との接触部に摩擦力が発生する。その結果、プラットホーム42a,42bとダンパピン61との接触部に発生する摩擦力が動翼28の励振力を減衰させることとなる。
【0034】
しかし、ガスタービンは、その機種により定格回転数が相違するものであり、このときの周波数(励振力)に応じた固有の振動数を有している。そのため、いずれの機種のガスタービンであっても、このダンパピン61により動翼28の励振力を減衰させることができるものでもない。
【0035】
そこで、図5及び図6に示すように、プラットホーム42bの傾斜面71bに形成された取付凹部72に形状の異なる調整ピース62a,62bを装着することで、ダンパピン61に対するプラットホーム42b(調整ピース62a,62b)の接触角度を変更する。そのため、ダンパピン61とプラットホーム42b(調整ピース62a,62b)との間に発生する摩擦力が変わり、特定のガスタービンの固有振動数に対応した摩擦力に調整することが可能となる。
【0036】
即ち、ダンパピン61に作用する遠心力をCF、一方のプラットホーム42aの側面71aからダンパピン61に作用する反力をNa、他方のプラットホーム42b(傾斜面71b、調整ピース62a,62b)からダンパピン61に作用する反力をNbとする。また、ダンパピン61に対するプラットホーム42b(傾斜面71b、調整ピース62a,62b)の傾斜角度をθとする。このとき、傾斜角度θに対する反力Na,Nb/遠心力CFは、図7に示すグラフに表すものとなる。ここで、N/CFは、Na/CFとNb/CFの合計である。
【0037】
このグラフからもわかるように、傾斜角度θが大きくなると、反力/遠心力N/CFが減少することとなり、プラットホーム42b(傾斜面71b、調整ピース62a,62b)とダンパピン61との間で発生する摩擦力も小さくなる。つまり、適正な調整ピース62a,62bを用いることで、ダンパピン61との摩擦力を調整することで、特定のガスタービンに対する最適な摩擦力とし、十分なダンピングを付与して適正に動翼28の振動の発生を抑制することができる。
【0038】
なお、本実施例のようにガスタービンのタービン13に搭載される動翼体の場合、翼部43が高温の燃焼ガスにより高温雰囲気にさらされることから、これにより生じる動翼28そのものの過剰な温度上昇を抑える必要がある。そのため、ロータディスク36の外周面と、周方向で隣接する動翼28におけるプラットホーム42から翼根部41にあたる部分とにより、冷却空気を流通させるための隙間が設けられている。その結果、この隙間に冷却空気が流通することで、動翼28との間で直接的に熱交換がなされ、動翼28を冷却して温度上昇を抑止することができる。但し、隣接する動翼28におけるプラットホーム42同士の隙間から燃焼ガスが過剰に漏れ出すと、タービン効率が低下してしまう。そのため、上述したダンパピン61がその燃焼ガスの過剰な漏出を防止するシールピンとして機能する。
【0039】
このように本実施例の動翼体にあっては、ロータ32と一体に回転可能なロータディスク36と、このロータディスク36の外周部から放射状に延出するように装着される複数の動翼28と、周方向に隣接する動翼28のプラットホーム42同士の隙間に装着されるダンパピン61と、プラットホーム42とダンパピン61との間に介装されてダンパピン61に対する接触角度を調整可能な調整ピース62とを設けている。
【0040】
従って、プラットホーム42とダンパピン61との間にこのダンパピン61に対する接触角度を調整可能な調整ピース62を介装しており、この接触角度を調整すると、動翼28の回転時にプラットホーム42から調整ピース62を介してダンパピン61に入力する反力が増減することとなる。そのため、動翼28の形状や回転数などに応じて最適な接触角度を選定することができ、動翼28に発生する振動を適正に抑制することができる。
【0041】
また、本実施例の動翼体では、周方向に隣接するプラットホーム42同士の対向面のうちの少なくともいずれか一方に、ロータディスク36の放射方向に対してロータ32の中心側が拡大するような傾斜面71bを設け、この傾斜面71bに調整ピース62を位置決め可能な取付凹部72を設けている。従って、調整ピース62を取付凹部72に装着することで、この調整ピース62を容易に、且つ、安定して位置決めすることができ、適正に動翼28に発生する振動を抑制することができる。
【0042】
また、本実施例の動翼体では、調整ピース62を、プラットホーム42及びダンパピン61より軟質材料により構成している。従って、長期の使用により軟質な調整ピース62が磨耗することとなり、変更が困難な動翼28やダンパピン61を変更不要とし、磨耗した調整ピース62を交換するだけで長期的に安定した減衰機能を維持することができる。
【0043】
なお、上述した実施例では、プラットホーム42bとダンパピン61との間に調整ピース62を介装したが、プラットホーム42aとダンパピン61との間に調整ピースを介装してもよく、両方に介装してもよい。
【0044】
また、上述した実施例にて、本発明に係る動翼体をガスタービンのタービン13に適用して説明したが、圧縮機11に適用してもよく、また、ガスタービンに限らず、蒸気タービンなどその他の回転機械に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明に係る動翼体は、動翼のプラットホームとダンパ部材との間にダンパ部材に対する接触角度を調整可能な調整部材を介装することで、動翼に発生する振動を適正に抑制可能とするものであり、いずれの回転機械にも適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
11 圧縮機
12 燃焼器
13 タービン
28 動翼
32 ロータ(主軸)
36 ロータディスク
41 翼根部
42,42a,42b プラットホーム
43 翼部
61 ダンパピン(ダンパ部材)
62,62a,62b 調整ピース(調整部材)
71b 傾斜面
72 取付凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸と一体に回転可能なロータディスクと、
該ロータディスクの外周部から放射状に延出するように装着される複数の動翼と、
周方向に隣接する前記動翼のプラットホーム同士の隙間に装着されるダンパ部材と、
前記プラットホームと前記ダンパ部材との間に介装されて該ダンパ部材に対する接触角度を調整可能な調整部材と、
を備えることを特徴とする動翼体。
【請求項2】
周方向に隣接する前記プラットホーム同士の対向面のうちの少なくともいずれか一方に、前記ロータディスクの放射方向に対して前記主軸の中心側が拡大するような傾斜面が設けられ、該傾斜面に前記調整部材を位置決め可能な取付凹部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の動翼体。
【請求項3】
前記調整部材は、前記プラットホーム及び前記ダンパ部材より軟質材料により構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の動翼体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−102659(P2012−102659A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251315(P2010−251315)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】