説明

包装体

【課題】本発明の課題は、剥離強度のバラツキを小さくすることができ、かつ、製造コストを低減させることができる包装体を提供することである。
【解決手段】本発明に係る包装体100は、カバーテープ200と、キャリアテープ300とを備える。カバーテープ200は、少なくとも延伸フィルムから構成される。キャリアテープ300は、カバーテープ200が接着される。延伸フィルムは、カバーテープ200の長手方向に延伸して形成される。カバーテープ200は、長手方向に沿って引き裂かれてキャリアテープ300から剥離される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を包装するための包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
IC(Integrated Circuit)をはじめとしたトランジスター、ダイオード、コンデンサー、圧電素子レジスター等の電子部品は、キャリアテープと、キャリアテープがヒートシール等によって接着されたカバーテープとを備える包装体で包装されることが多い。
【0003】
ところで、電子部品が基板に実装される実装工程において、包装体中の電子部品は、カバーテープが剥離された後、キャリアテープから取り出される。この剥離の種類として、転写剥離、凝集破壊剥離、界面破壊剥離などがある。例えば、特許文献1には、カバーテープを界面剥離させる包装体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−6433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図14に示されるように、特許文献1に記載されているような包装体では、剥離強度の最大値が47.8gであり、剥離強度の最小値が30.4gである。そのため、剥離強度の最大値と剥離強度の最小値との差が17.4gであり、剥離強度にバラツキが見られる。剥離強度のバラツキによって、カバーテープを剥離する際にキャリアテープが振動する。このキャリアテープの振動によって、電子部品がキャリアテープから飛び出す等の製造トラブルが発生しやすい。なお、剥離強度は、測定装置(GPD社製、品名:Peel Back Force Tester)を用いて、剥離スピード300mm/min、剥離角度180°の条件で剥離前および剥離中のカバーテープおよびキャリアテープが撓まないようにして測定した。すなわち、カバーテープおよびキャリアテープを緊張させた状態にすることで、剥離に直接関連しない要素の影響を受けずに剥離強度が測定された。
【0006】
また、図15に示されるように、シール温度を下げてヒートシールすることでカバーテープをキャリアテープに接着させた包装体では、剥離強度の最大値が15.7gであり、剥離強度の最小値が3.7gである。そのため、この包装体は、上記の包装体に比べて剥離強度を全体的に下げることができる。しかし、剥離強度の最大値と剥離強度の最小値との差は12.0gであり、剥離強度のバラツキは十分には小さくならない。
【0007】
さらに、転写剥離、凝集破壊剥離、または界面破壊剥離などの剥離が可能なように、カバーテープは複雑な多層構造体を有する必要がある。そのため、この包装体は、製造コストを低減させることが難しい。
【0008】
本発明の目的は、剥離強度のバラツキを小さくすることができ、かつ、製造コストを低減させることができる包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)
本発明に係る包装体は、カバーテープと、キャリアテープとを備える。カバーテープは、少なくとも延伸フィルムから構成される。キャリアテープには、カバーテープが接着される。延伸フィルムは、カバーテープの長手方向に延伸して形成される。カバーテープは、長手方向に沿って引き裂かれてキャリアテープから剥離される。
【0010】
カバーテープは、延伸フィルムの延伸方向である長手方向に沿って引き裂かれ、キャリアテープから剥離される。そのため、この包装体は、従来の包装体に比べて、剥離強度のバラツキを小さくすることができる。よって、カバーテープを剥離する際にキャリアテープが振動しにくい。したがって、この包装体は、電子部品がキャリアテープから飛び出す等の製造トラブルの発生を抑制することができる。
【0011】
また、カバーテープは、少なくとも延伸フィルムから構成されていればよく、必ずしも多層構造体などの複雑な構造を必要としない。そのため、カバーテープが、例えば、単層構造体などの簡易な構造で形成された場合、この包装体は製造コストを低減させることができる。
【0012】
(2)
上述(1)の包装体では、剥離前および剥離中のカバーテープが撓まないようにして測定した剥離強度の最大値と剥離強度の最小値との差が、15.0g以内であることが好ましい。ただし、この数値はシール機、シール条件、剥離時のスピード、および測定環境などに影響されるので、あくまでも従来の包装体と比べての相対的な優位性を示すものである。
【0013】
剥離強度の最大値と剥離強度の最小値との差は、上記範囲内の値である。そのため、この包装体は、従来の包装体に比べて、剥離強度のバラツキが小さい。よって、カバーテープを剥離する際にキャリアテープが振動しにくい。したがって、この包装体は、電子部品がキャリアテープから飛び出す等の製造トラブルの発生を抑制することができる。
【0014】
(3)
上述(1)または(2)の包装体では、延伸フィルムでは、所定の方向に沿って分子が配向されるものでもよい。所定の方向とは、カバーテープの長辺の縁に向かうに従って、カバーテープが剥離される方向に傾斜する方向である。
【0015】
カバーテープは、延伸フィルムの分子の配向方向に沿って引き裂かれやすい。そのため、斜めに引き裂く力が常にシールした箇所に集まり、シールした箇所に沿ってカバーテープが引き裂かれる。したがって、この包装体では、剥離方向の直進性が得られ、剥離の途中でカバーテープが切れにくい。
【0016】
(4)
上述(1)〜(3)のいずれかの包装体では、カバーテープは、切れ込みを有することが好ましい。切れ込みは、長手方向に沿って形成される。
【0017】
切れ込みは、カバーテープが長手方向に引き裂かれるのを誘導する。そのため、この包装体では、カバーテープの剥離が容易となる。
【0018】
(5)
上述(1)〜(4)のいずれかの包装体では、カバーテープは、取付部と、摘み部とを有することが好ましい。取付部は切れ目で形成される。摘み部は、取付部に取り付けられる。
【0019】
摘み部を摘んで引っ張ることで、カバーテープは切れ目から容易に引き裂かれる。そのため、この包装体では、カバーテープの剥離が容易となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る包装体は、剥離強度のバラツキを小さくすることができ、かつ、製造コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る包装体の斜視図である。
【図2】図1に示した包装体のA−A線断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る包装体の平面図である。
【図4】キャリアテープからカバーテープを剥離させている状態を示した斜視図である。
【図5】キャリアテープからカバーテープを剥離させた状態を示した平面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る包装体の剥離強度の変化を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態の変形例(A)に係る包装体の平面図である。
【図8】キャリアテープからカバーテープを剥離させている状態を示した斜視図である。
【図9】キャリアテープからカバーテープを剥離させた状態を示した平面図である。
【図10】本発明の一実施形態の変形例(B)に係る包装体の斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態の変形例(C)に係る包装体の斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態の変形例(D)に係る包装体の斜視図である。
【図13】キャリアテープからカバーテープを剥離させている状態を示した斜視図である。
【図14】従来品に係る包装体の剥離強度の変化を示す図である。
【図15】シール温度を下げてヒートシールした従来品に係る包装体の剥離強度の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1〜3に示されるように、本発明の一実施形態に係る包装体100は、主に、カバーテープ200と、キャリアテープ300とから構成される。カバーテープ200は、電子部品400を収納したキャリアテープ300に接着される。以下、カバーテープ200およびキャリアテープ300について、それぞれ詳しく説明する。
【0023】
<カバーテープ>
カバーテープ200は、延伸フィルムの層から成る単層構造体であり(図2参照)、引き裂かれる際の起点となるカット部210を有する(図1、3参照)。なお、このカバーテープ200は、少なくとも延伸フィルムから構成されていればよく、本発明の趣旨を損なわない範囲で、帯電防止層などの機能層を有する多層構造体であってもよい。
【0024】
延伸フィルムの材料として、特に限定されないが、透明、安価、および強靭な材料が好ましい。具体的に、延伸フィルムの材料として、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂など)、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂などの各種の樹脂が用いられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、複数の種類を共重合させて用いられてもよいし、複数の種類をブレンドさせて用いられてもよい。
【0025】
延伸フィルムは、カバーテープ200の長手方向に延伸して形成された一軸延伸フィルムである。そのため、この延伸フィルムは、カバーテープ200の長手方向と同じ方向(図3の矢印Bの方向)に沿って分子が配向されている。この分子の配向によって、カバーテープ200は、長手方向に沿って引き裂かれやすくなる。そのため、この包装体100では、剥離方向の直進性が得られ、剥離の途中でカバーテープ200が切れにくい。なお、この延伸フィルムは、長手方向の延伸性を損なわない範囲で幅方向への延伸も含む2軸延伸のものでもよい。
【0026】
カバーテープ200の厚みは、特に限定されるものではないが、500μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましい。カバーテープ200の厚みが500μm以下であるので、カバーテープ200が硬くなりすぎない。そのため、カバーテープ200は引き裂きやすい。
【0027】
図3に示されるように、カット部210は、カバーテープ200の一方の短辺の縁に2つ形成される。カット部210の形状は、カバーテープ200の引き裂きを促す形状であれば特に限定されないが、例えば、平面視において長さ5mmの線状である。この2つのカット部210の両方は、後述する2列の接着部500の間に位置している。
【0028】
カット部210同士の間隔は、カバーテープ200が引き裂かれる幅と対応している。そのため、カット部210同士の間隔は、カバーテープ200が剥離された状態で電子部品400が取り出しやすいように適宜調整される。なお、カット部210は、カバーテープ200の他方の短辺の縁にさらに2つ形成されてもよい。
【0029】
<キャリアテープ>
図1〜3に示されるように、キャリアテープ300は、ポケット310と、スプロケットホール320とを有する。
【0030】
キャリアテープ300の材料として、特に限定されないが、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂など)、ポリカーボネート系樹脂などの各種樹脂が用いられる。また、キャリアテープ300の材料として、不織布、紙などが用いられてもよい。なお、このキャリアテープ300は、単層構造体であるが(図3参照)、帯電防止層などの機能層を有する多層構造体であってもよい。
【0031】
キャリアテープ300の材料の樹脂には、カーボンブラック、グラファイト、カーボン繊維などの導電性フィラーが混合されることが好ましい。この導電性フィラーは、キャリアテープ300に導電性を付与し、キャリアテープ300が帯電することを抑制する。そのため、包装体100で包装された電子部品400は、キャリアテープ300の静電気によって破壊されにくくなる。
【0032】
ポケット310は、電子部品400を収容可能な形状であり、キャリアテープ300の長手方向に沿って、等間隔で複数個形成される(図1参照)。このポケット310は、例えば、キャリアテープ300の材料シートを加熱プレス成形、加熱真空成形、または加熱圧空成形することによって形成される。
【0033】
スプロケットホール320は、キャリアテープ300の長手方向に沿って、等間隔で複数個形成される穴である(図1、3参照)。このスプロケットホール320は、カバーテープ200がキャリアテープ300に接着されたとき、カバーテープ200で覆われない位置に形成される。スプロケットホール320は、スプロケットホイール(図示せず)の歯と嵌合する。スプロケットホール320にスプロケットホイールが嵌合した状態でスプロケットホイールが回転することで、キャリアテープ300は搬送される。
【0034】
<カバーテープとキャリアテープとの接着>
カバーテープ200とキャリアテープ300とは、ヒートシールによって接着部500(図3の灰色箇所)で接着される。このヒートシールは、例えば、シール機(ISMECA社製、品名:MBM−4000)を用いて、シール温度180℃、シール時間0.3秒、シール圧力9.8Nの条件で行われる。接着部500は、カバーテープ200の長辺の各縁に沿って、標準的には0.3mm以上1.0mm以下の幅でそれぞれ1列ずつ形成される。なお、カバーテープ200とキャリアテープ300とは、ヒートシールに代えて、接着剤を用いて接着されてもよい。
【0035】
カバーテープ200とキャリアテープ300との接着強度は、カバーテープ200とキャリアテープ300との剥離強度よりも大きい。そのため、カバーテープ200を剥離する際、カバーテープ200とキャリアテープ300との接着が外れにくい。
【0036】
<カバーテープの剥離>
図4に示されるように、切り込み210(図1、3参照)からカバーテープ200を長手方向に引き裂いて、キャリアテープ300からカバーテープ200を剥離する。このとき、カバーテープ200は、延伸フィルムの分子の配向方向(図3の矢印Bの方向)に沿って引き裂かれやすい。また、剥離前および剥離中のカバーテープ200が撓まないようにして測定した剥離強度の最大値と剥離強度の最小値との差は、15.0g以内であり、10.0g以内であることが好ましく、7.0g以内であることがより好ましく、4.0g以下であることが特に好ましい。
【0037】
図5に示されるように、カバーテープ200が剥離された包装体100では、電子部品400が外部に露出しているため、電子部品400が取り出しやすい状態となる。また、包装体100には、引き裂かれたカバーテープ200の一部が残っている。
【0038】
<剥離強度の測定>
包装体100の剥離強度の測定について説明する。カバーテープ200のみを準備し、このカバーテープ200を引き裂いたときの強度を、測定装置(GPD社製、品名:Peel Back Force Tester)を用いて、剥離スピード300mm/min、剥離角度180°の条件で、剥離前および剥離中のカバーテープ200が撓まないようにして測定する。すなわち、カバーテープを緊張させた状態にすることで、剥離に直接関連しない要素の影響を受けずに剥離強度が測定される。この強度の測定値を、包装体100に係る剥離強度の測定値とする。
【0039】
例えば、カバーテープ200として、厚みが40μmであるポリプロピレン製の一軸延伸フィルム(フタムラ化学株式会社製、品番:PP3KZ)から構成された単層構造体のものを用いて剥離強度を測定したとき、図6に示されるように、剥離強度の最大値は19.2gであり、剥離強度の最小値は15.5gであり、剥離強度の最大値と最小値との差は3.7gであった。したがって、この包装体100の剥離強度は、従来の包装体(図14、15参照)の剥離強度に比べて、バラツキが小さい。
【0040】
<本実施形態における効果>
カバーテープ200は、延伸フィルムの延伸方向である長手方向に沿って引き裂かれ、キャリアテープ300から剥離される。そのため、この包装体100は、従来の包装体に比べて、剥離強度のバラツキを小さくすることができる。よって、カバーテープ200を剥離する際にキャリアテープ300が振動しにくい。したがって、この包装体100は、電子部品400がキャリアテープ300から飛び出す等の製造トラブルの発生を抑制することができる。
【0041】
また、カバーテープ200は、少なくとも延伸フィルムから構成されていればよく、必ずしも多層構造体などの複雑な構造を必要としない。そのため、カバーテープ200が、例えば、単層構造体などの簡易な構造で形成された場合、この包装体100は製造コストを低減させることができる。
【0042】
剥離強度の最大値と剥離強度の最小値との差は15.0g以内である。そのため、この包装体100は、従来の包装体に比べて、剥離強度のバラツキが小さい。よって、カバーテープ200を剥離する際にキャリアテープ300が振動しにくい。したがって、この包装体100は、電子部品400がキャリアテープ300から飛び出す等の製造トラブルの発生を抑制することができる。
【0043】
<変形例>
(A)
図7に示されるように、包装体100aのカバーテープ200aの延伸フィルムは、延伸力を適宜調整して、カバーテープ200の幅方向に延伸させながら、カバーテープ200の長手方向に延伸させて形成された二軸延伸フィルムであってもよい。カバーテープ200aの延伸フィルムは、カバーテープ200の長辺の縁に向かうに従って、カバーテープ200が剥離される方向に傾斜する方向(図7の矢印C、Dの方向)に沿って分子が配向されている。
【0044】
図8に示されるように、カット部210(図7参照)からカバーテープ200aを長手方向に引き裂いて、キャリアテープ300からカバーテープ200を剥離する。このとき、カバーテープ200aは、延伸フィルムの分子の配向方向に沿って引き裂かれやすい。そのため、斜めに引き裂く力が常にシールした箇所である接着部500に集まる。よって、カバーテープ200aは、接着部500に沿って引き裂かれる。したがって、この包装体100aでは、剥離方向の直進性がより得られ、剥離の途中でカバーテープ200aが切れにくい。
【0045】
図9に示されるように、カバーテープ200aが剥離された包装体100aでは、カット部210の近傍を除いて、カバーテープ200aは接着部500に沿って引き裂かれている。
【0046】
(B)
図10に示されるように、包装体100bのカバーテープ200bは、包装体100のカット部210に代えて、長手方向に沿って形成された複数の線状の切れ込み221を2列有してもよい。切れ込み221は、例えば、1mmの長さで、5mmの間隔ごとにカバーテープ200bを貫通して形成される。この切れ込み221は、カバーテープ200bにかかる延伸フィルムの分子の配向方向に基づく引き裂きを補助するためのものである。したがって、切れ込み221の長さおよび間隔は、用途、利用状況に応じて、短くしてもよいし、長くしてもよい。なお、切れ込み221は、カバーテープ200bを貫通させずに、カバーテープ200bの一部を切り込むことで形成されてもよい。切れ込み221がカバーテープ200bの一部を切り込むことで形成された場合、切れ込み221同士が間隔を空けずに長手方向に沿って繋がっていてもかまわない。
【0047】
切れ込み221は、カバーテープ200bが長手方向に引き裂かれるのを誘導する。そのため、この包装体100bでは、カバーテープ200bの剥離が容易となる。
【0048】
(C)
図11に示されるように、包装体100cのカバーテープ200cは、包装体100のカット部210に代えて、長手方向に沿って形成された複数の三角形状の切れ込み222を2列有してもよい。切れ込み222は、例えば、1辺が1.5mmの剥離方向を向いた正三角形状の穴として、カバーテープ200bに形成される。この切れ込み222は、カバーテープ200cにかかる延伸フィルムの分子の配向方向に基づく引き裂きを補助するためのものである。
【0049】
切れ込み222は、カバーテープ200cが長手方向に引き裂かれるのを誘導する。そのため、この包装体100cでは、カバーテープ200cの剥離が容易となる。
【0050】
(D)
図12に示されるように、包装体100dのカバーテープ200dは、包装体100のカット部210に代えて、切れ目230で形成された取付部240と、取付部240に取り付けられた摘み部250とを有する。取付部240は、例えば、略U字状の切れ目230によって形成される。摘み部250は、長方形状に形成され、取付部240に取り付けられる。
【0051】
図13に示されるように、摘み部250を摘んで引っ張ることで、カバーテープ200dは切れ目230から容易に引き裂かれる。そのため、この包装体100dでは、カバーテープ200dの剥離が容易となる。
【符号の説明】
【0052】
100、100a、100b、100c、100d 包装体
200、200a、200b、200c、200d カバーテープ
221、222 切れ込み
230 切れ目
240 取付部
250 摘み部
300 キャリアテープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも延伸フィルムから構成されるカバーテープと、
前記カバーテープが接着されるキャリアテープとを備え、
前記延伸フィルムは、前記カバーテープの長手方向に延伸して形成され、
前記カバーテープは、前記長手方向に沿って引き裂かれて前記キャリアテープから剥離される包装体。
【請求項2】
剥離前および剥離中の前記カバーテープが撓まないようにして測定した剥離強度の最大値と剥離強度の最小値との差が、15.0g以内である請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記延伸フィルムでは、前記カバーテープの長辺の縁に向かうに従って、前記カバーテープが剥離される方向に傾斜する方向に沿って分子が配向される請求項1または2に記載の包装体。
【請求項4】
前記カバーテープは、前記長手方向に沿って形成された切れ込みを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装体。
【請求項5】
前記カバーテープは、切れ目で形成された取付部と、前記取付部に取り付けられた摘み部とを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−166799(P2012−166799A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27309(P2011−27309)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】