説明

包装容器及びその製造法

【課題】包装容器を使用後にリサイクルする際に容器底面にシールされたフラップを容易に指でもちあげることができ爪を傷めることなく開封できる包装容器を提供する。
【解決手段】ウェブ状包装材料1をチューブ状に成形し、飲料を充填し、横シールして切断し、フィンを両端に有する枕状包装体に形成し、第1フィン23を頂面に折り、第2フィン23を底面に折り、フラップ25を底面などに折って固着して得られる包装容器であって、第2フィン23と底面との間に設けられるシート状本体31と、第2フィン23の端から突出した把持部32とからなるフラップ用プルタブ30を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛乳、ジュース、アルコール飲料、ミネラルウォータ、緑茶などを充填する包装容器及びその製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
柔軟性に富んだ包装積層材料は多年にわたって液体食品を包装するために用いられてきた。牛乳、ジュース、清酒、焼酎、ミネラルウォーター及びその他飲料のための図4に示すような包装容器20は、例えば、繊維質基材(例えば、紙など)/プラスチック積層体に折目線が付けられたウェブ状包装積層材料を、その長手方向の縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された包装材料内に被充填物を充填し、チューブ状包装材料を横断方向に横シールし、クッション形若しくは枕状の包装体(一次形状容器)に成形する。
【0003】
枕状の包装体を横シール部分で容器1個分ごとに切断し、折目線に沿って山折り若しくは谷折に折畳んで、図4に示すような、側壁を形成するパネル21a、21b、縦線シール部22、フィンの横シール部23、頂壁を形成するパネル24、側壁21b及び底壁(図4に図示せず)に溶着されるフラップ(頂壁や底部を形成する際に生じる折り込み片)25からなるレンガ状の容器20が成形される。
【0004】
図6は、枕状の包装体からレンガ状容器を形成する各ステップを示す斜視図である。図6(C)は容器20の下方から容器底部をみた斜視図である。
この態様におけるステップでは、枕状の包装体(一次形状容器)を成形する(図6(A)参照)。この包装体は、側壁を形成するパネル21a、21b、横シール部(フィン)23、頂壁を形成するパネル24、底壁を形成するパネル26、フラップ(頂部や底部を形成する際に生じる折り込み片)を形成するパネル等25からなる。
【0005】
折目線に沿って山折り若しくは谷折に折畳んで押圧し、頂部や底部を形成する(図6(B)参照)。このステップにおいて、頂部/底部の形成の際に生じる折り込み片フラップ25が頂部及び底部から側方に突き出し、また、横シール部のフィン23が、頂壁24(図示せず)及び底壁26から直立する。
最終のステップにおいて、横シール部のフィン23が、頂壁24(図示せず)及び底壁26に倒されて頂壁24(図示せず)及び底壁26の表面に接触する。次いで、頂部/底部の折り込み片のフラップ25が、それぞれ、側壁21bの面に、底壁26の面に折られて、例えば、ヒートシールや接着剤で、固着される(図6(C)参照)。
【0006】
上記方法で製造された飲料等を入れる容器が、飲料等の飲用後、廃棄される場合には、図6に示す形成ステップと逆のステップで、フラップ及びフィンを引きはがし、枕状の包装体を折りたたんで廃棄される。
消費者が、手でリサイクルし易い為に容器を折りたたんで平たくして廃棄するために、底部にシールされたフラップを引きはがす際、その先端部が容器底部表面に密着した状態で固着している。従って、シールされたフラップを指で引き上げる必要がある際に時として爪に負担がかかって、爪を傷める可能性がある。また、シールされたフラップを引き上げることが難しい場合、時として途中で引き上げることを断念して容器を完全に平たく折りたたまないままで、廃棄されてしまう場合があり、リサイクル時の作業の際に使用済み容器を整頓しにくく、リサイクル作業に支障をきたすことがある。
【0007】
これに対して、容器の底面シールフラップの中央に、底面に折りたたまれる先端部に対応する位置の2個所に、切断部分から切り込みを配設し、底面シールフラップの先端部が切り込みに差込まれてお互いに挟持して底面が形成され、底部シールフラップを容易に引きはがすことができる容器が提案されている。(特許文献参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−225845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記提案の容器では、シールフラップの中央に、底面に折りたたまれる先端部に対応する位置の2個所に、切断部分から切り込みを配設する容器では、切り込みによって横シール部分を弱め、容器のシールの信頼性を低下させる恐れがある。
本発明の目的は、横シール部分を弱めることなく、包装容器を使用後にリサイクルする際に容器底面にシールされたフラップを容易に指でもちあげることができ爪を傷めることなく開封できる包装容器を提供することである。
【0010】
この発明の別の目的は、底部シールフラップを容易に引きはがすことができる容器を、簡易に、複雑な付加ステップを要せずに、製造できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明の包装容器は、折目線が付けられたウェブ状包装材料を、その長手方向の縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された包装材料内に被充填物を充填し、チューブ状包装材料を横断方向に横シールして横シール部で切断し、横シール部のフィンを両端に有する枕状の包装体に形成し、折目線に沿って折畳んで、第1フィンを頂面に折り、第2フィンを底面に折り、容器の頂部及び底部を形成する際に生じる折り込み片のフラップを、各々容器の側壁及び底面に折って固着して得られる包装容器であって、
第2フィンと底面との間に設けられるシート状本体と、本体と一体化され第2フィンの少なくとも一端から突出した把持部とからなるフラップ用プルタブを有する、
ことを特徴とする。
【0012】
この発明の好ましい態様において、把持部がシート状本体からの延長シール片である。
【0013】
この発明の好ましい態様において、把持部がシート状本体と一体化したリングである。
【0014】
この発明の好ましい態様において、把持部に滑り止め処理が施されている。
【0015】
本願発明の包装容器の製造法は、
(a)折目線が付けられたウェブ状包装材料を、その長手方向の縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された包装材料内に被充填物を充填し、チューブ状包装材料を横断方向に横シールして横シール部で切断し、横シール部のフィンを両端に有する枕状の包装体に形成し、
(b)折目線に沿って折畳んで、第1フィンを頂面に折り、
(c)第2フィンの面に又は底面に、フラップ用プルタブのシート状本体を設けて第2フィンを底面に折り、
(d)容器の頂部及び底部を形成する際に生じ、頂部及び底部から側方に突き出した折り込み片の第1及び第2のフラップを、各々容器の側壁及び底面に折って、シート状本体と一体化されたフラップ用プルタブの把持部を第2フィンの少なくとも一端から突出させ、
(e)第1及び第2のフラップを、各々容器の側壁及び底面に固着し、包装容器を得る、
ことを特徴とする。
【0016】
この発明の好ましい態様において、シート状本体が、第2フィンの面に又は底面に、スポット溶接などによって仮接着される。
【発明の効果】
【0017】
上記構成の本発明によれば、以下の作用機能を発揮し、有利な効果が得られる。
本願発明の包装容器は、折目線が付けられたウェブ状包装材料を、その長手方向の縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された包装材料内に被充填物を充填し、チューブ状包装材料を横断方向に横シールして横シール部で切断し、横シール部のフィンを両端に有する枕状の包装体に形成し、折目線に沿って折畳んで、第1フィンを頂面に折り、第2フィンを底面に折り、容器の頂部及び底部を形成する際に生じる折り込み片のフラップを、各々容器の側壁及び底面に折って固着して得られる包装容器である。
飲用後の使用済み容器を廃棄する際には、折り込み片のフラップを、容器の側壁及び底面から、引き剥がすことによって、レンガ状容器を枕状包装体に変形させ、更に折りたたんで平たくして廃棄することができ、廃棄物の嵩を大幅に低減することができ、また、リサイクル作業を容易化することができる。
【0018】
この発明の特徴において、第2フィンと底面との間に設けられるシート状本体と、本体と一体化され第2フィンの少なくとも一端から突出した把持部とからなるフラップ用プルタブを有する。
第2フィンは、その両端部分で、容器の底部を形成する際に生じる折り込み片のフラップの一部となり、底面上の第2フィンに重なる。フラップ用プルタブのシート状本体は、第2フィンの折畳みに追随して密着して折れ曲がる。そのために、シート状本体は、容易に第2フィンと底面との間から離脱することとがない。
フラップ用プルタブの把持部は、本体と一体化されているので、把持部の動き動作を確実にシート状本体に伝え、把持部を引き上げるように力をかけると、その引剥力をシート状本体に、更に、シート状本体からフラップに引剥力を確実に伝播させることができる。
フラップ用プルタブの把持部は、第2フィンの少なくとも一端から突出しているので、消費者は、その把持部を把持して、引き上げることによって、フラップを確実に引き剥がすことができる。
【0019】
把持部がシート状本体からの延長シール片である態様では、フラップ用プルタブ全体をシール片にすることができ、廉価にフラップ用プルタブを得ることができる。
【0020】
把持部がシート状本体と一体化したリングである好ましい態様においては、リングが指の引っ掛かりを助ける係止部材となり、消費者が、把持部を容易に把持することができ、フラップを確実かつ容易に引き剥がすことができる。
【0021】
把持部に滑り止め処理が施されている好ましい態様において、把持部の滑り止めが指の引っ掛かりを助ける係止部材となり、消費者が、把持部を容易に把持することができ、フラップを確実かつ容易に引き剥がすことができる。
【0022】
本願発明の包装容器の製造法では、ステップ(a)で、折目線が付けられたウェブ状包装材料を、その長手方向の縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された包装材料内に被充填物を充填し、チューブ状包装材料を横断方向に横シールして横シール部で切断し、横シール部のフィンを両端に有する枕状の包装体に形成する。
最終形状のレンガ状容器を枕状包装体に変形させ、更に折りたたんで平たくして廃棄することができ、廃棄物の嵩を大幅に低減することができ、また、リサイクル作業を容易化することができる。
ステップ(b)では、折目線に沿って折畳んで、第1フィンを頂面に折る。この折畳みによって、容器の頂部を形成することができる。
【0023】
ステップ(c)では、第2フィンの面に又は底面に、フラップ用プルタブのシート状本体を設けて第2フィンを底面に折る。このステップにおいて、シート状本体が第2フィンと底面との間に設けられる。
例えば、フラップ用プルタブのシート状本体を底面上に載せ、シート状本体を、例えば、粘着材で仮固定し、ヒートシールやレーザによってスポット溶接によって仮固定して、設ける。
【0024】
ステップ(d)では、容器の頂部及び底部を形成する際に生じ、頂部及び底部から側方に突き出した折り込み片の第1及び第2のフラップを、各々容器の側壁及び底面に折って、シート状本体と一体化されたフラップ用プルタブの把持部を第2フィンの少なくとも一端から突出させる。
容器の頂部を形成する際に生じ、頂部から側方に突き出した折り込み片の第1のフラップを、容器の側壁に折る。
【0025】
また、容器の底部を形成する際に生じ、底部から側方に突き出した折り込み片の第2のフラップを、容器の底面に折って、シート状本体と一体化されたフラップ用プルタブの把持部を第2フィンの少なくとも一端から突出させる。
このステップで、第2フィンと底面との間に設けられるシート状本体と、本体と一体化され第2フィンの少なくとも一端から突出した把持部とからなるフラップ用プルタブが設けられる。
第2フィンは、その両端部分で、容器の底部を形成する際に生じる折り込み片のフラップの一部となり、底面上の第2フィンに重なる。フラップ用プルタブのシート状本体は、第2フィンの折畳みに追随して密着して折れ曲がる。そのために、シート状本体は、容易に第2フィンと底面との間から離脱することとがない。
フラップ用プルタブの把持部は、把持部の動き動作を確実にシート状本体に伝え、把持部を引き上げるように力をかけると、その引剥力をシート状本体に、更に、シート状本体からフラップに引剥力を確実に伝播させることができる。
フラップ用プルタブの把持部は、第2フィンの少なくとも一端から突出しているので、消費者は、その把持部を把持して、引き上げることによって、フラップを確実に引き剥がすことができる。
【0026】
最後に、ステップ(e)において、第1及び第2のフラップを、各々容器の側壁及び底面に固着することによって、包装容器を得ることができる。
この発明によって、横シール部分を切り込まないので、横シール部分を弱めることなく、フラップ用プルタブの把持部によって、包装容器を使用後にリサイクルする際に容器底面にシールされたフラップを容易に指でもちあげることができ爪を傷めることなく開封できる包装容器を提供することできる。
【0027】
また、この発明によって、フィンの折畳みステップで単にフラップ用プルタブを挟み込むことだけで、底部シールフラップを容易に引きはがすことができる容器を、簡易に、複雑な付加ステップを要せずに、製造できる。
更に、フラップ用プルタブが耐熱材料からなる態様において、フラップをヒートシールする際に熱がフラップ用プルタブにダメージを与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明による包装容器の第1実施例の成形ステップを示す斜視外観図である。
【図2】この発明による包装容器の第2実施例の成形ステップを示す斜視外観図である。
【図3】この発明による包装容器の第3実施例の引き剥がしステップを示す斜視外観図である。
【図4】レンガ状包装容器の外観図である。
【図5】ウェブ状包装材料から包装容器を充填/成形する充填装置の概略図である。
【図6】枕状の包装体からレンガ状容器を形成する各ステップを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図5に示される包装充填装置例によって、この形態を説明する。この装置例では、ウェブ状の包装積層材料1は、リール状で包装充填装置に収容される。包装積層材料1は、紙基材、及び該紙基材の両面にポリエチレン樹脂が積層された可撓性の積層体から成り、紙基材とフィルムとの間にアルミニウム箔などの導電層が形成され、包装容器の表面に相当する部分にあらかじめ外装用の印刷が施される。
【0030】
繰り出された包装材料1は、搬送手段によって連続的に搬送され、包装充填に供される。
包装積層材料1は、ストリップ貼着装置3に送られ、ストリップ貼着装置によって包装積層材料1の一方の縁部に沿ってストリップが貼着される。
包装積層材料1は、殺菌槽4に送られ、殺菌槽4において過酸化水素等の殺菌液によって殺菌される。包装積層材料1は、エアナイフに送られ、エアナイフによって乾燥させられた後、無菌室16に送られる。包装積層材料1は、成形リング6によって徐々に変形させられてチューブ状の形状にされる。
【0031】
チューブ状に成形された包装積層材料の両縁部同士を、縦シール装置8によってストリップと共に押し当てて縦シールする。更に、充填パイプ7を介して供給された流動性食品がチューブ状包装積層材料1内に充填される。
チューブ状包装積層材料は、ローラによって案内され、横方向に横シール装置10によって横シールされ、横シールされた包装積層材料は、横シール部分でナイフなどによって切断されて枕状包装体13が形成される。
枕状包装体13は、最終形状成形装置15で最終の形状に成形され、流動性食品を収容する包装容器14が完成する。
【0032】
第1実施例の包装容器20の製造法を、枕状包装体13から成形されるステップを示す図6を参考に、図1を参照して具体的に説明する。
図6に示す成形ステップ(A)において、折目線に沿って予備的に折込まれた枕状包装体13を準備する。この包装体は、側壁を形成するパネル21a、21b、横シール部(フィン)23、頂壁を形成するパネル24、底壁を形成するパネル26、フラップ(頂部や底部を形成する際に生じる折り込み片)を形成するパネル等25からなる。
【0033】
折目線に沿って山折り若しくは谷折に折畳んで押圧し、頂部や底部を形成する(図6(B)参照)。このステップにおいて、頂部/底部の形成の際に生じる折り込み片フラップ25が頂部及び底部から側方に突き出し、また、横シール部のフィン23が、頂壁24(図示せず)及び底壁26から直立する。
最終のステップにおいて、横シール部のフィン23が倒されて、頂壁24(図示せず)及び底壁26の表面に接触する。次いで、頂部/底部の折り込み片のフラップ25が、それぞれ、側壁21bの面に、底壁26の面に折られて、ヒートシールで固着される(図6(C)参照)。
【0034】
図1(a)に示すように、第1実施例の包装容器20では、底面26に、フラップ用プルタブ30のシート状本体31をスポット溶接でヒートシールして設ける。次いで、第2フィン23bを底面26側に折る。このステップでシート状本体31が第2フィン23bと底面26との間に挟まれて設けられる。
すなわち、フラップ用プルタブのシート状本体31を底面26上に載せ、シート状本体31を、ヒートシールによってスポット溶接(図示せず)によって仮固定して、設ける。
【0035】
容器の頂部及び底部を形成する際に生じ、頂部及び底部から側方に突き出した折り込み片の第1フラップ25a及び第2フラップ25bを、各々容器の側壁21b及び底面26に折って、シート状本体31と一体化されたフラップ用プルタブ30の把持部32を第2フィン23bの一端から突出させる。
図1(b)に示すように、容器の頂部を形成する際に生じ、頂部から側方に突き出した折り込み片の第1のフラップ25aを、容器の側壁21bに折る。
【0036】
他方、容器の底部を形成する際に生じ、底部から側方に突き出した折り込み片の第2のフラップ25bを、容器の底面26に折って、シート状本体31と一体化されたフラップ用プルタブの把持部32を第2フィンの一端から突出させる。
第2フィン23bは、その両端部分で、容器の底部を形成する際に生じる折り込み片のフラップ25bの一部となり、図1(b)に示すように、底面上の第2フィン23bに重なる。
フラップ用プルタブのシート状本体31は、第2フィン23bの折畳みに追随して密着して折れ曲がる。そのために、シート状本体31は、容易に第2フィン23bと底面26との間から離脱することとがない。
【0037】
フラップ用プルタブの把持部32は、把持部32の動き動作を確実にシート状本体31に伝え、把持部32を引き上げるように力をかけると、その引剥力をシート状本体31に、更に、シート状本体31からフラップ25bに引剥力を確実に伝播させる。
フラップ用プルタブの把持部32は、図1(b)に示すように、第2フィン23bの一端から突出しているので、消費者は、その把持部32を把持して、引き上げることによって、フラップ25bを確実に引き剥がすことができる。
最後に、図1(b)に示すように、第1及び第2のフラップ25a,25bを、各々容器の側壁21b及び底面26に固着することによって、包装容器を得る。
【0038】
第2実施例の包装容器20の製造法を、枕状包装体から成形されるステップを示す図2を参照して具体的に説明する。
図2(a)に示すように、第2実施例の包装容器20では、底面26に、フラップ用プルタブ30のシート状本体31を簡易に設ける。次いで、第2フィン23bを底面26側に折り、シート状本体31を第2フィン23bと底面26との間に挟み設ける。
すなわち、フラップ用プルタブのシート状本体31を底面26上に載せ、シート状本体31を設ける。
【0039】
容器の頂部及び底部を形成する際に生じ、頂部及び底部から側方に突き出した折り込み片の第1フラップ25a及び第2フラップ25bを、各々容器の側壁21b及び底面26に折って、シート状本体31と一体化されたフラップ用プルタブ30のリング状把持部32を第2フィン23bの両端から突出させる。
図2(b)に示すように、容器の頂部を形成する際に生じ、頂部から側方に突き出した折り込み片の第1のフラップ25aを、容器の側壁21bに折る。
【0040】
他方、容器の底部を形成する際に生じ、底部から側方に突き出した折り込み片の第2のフラップ25bを、容器の底面26に折って、シート状本体31と一体化されたフラップ用プルタブのリング状把持部32を第2フィンの両端から突出させ、図2(b)に示すように、重ねるように、突き合わせる。
第2フィン23bは、その両端部分で、容器の底部を形成する際に生じる折り込み片のフラップ25bの一部となり、底面上の第2フィン23bに重なる。
フラップ用プルタブのシート状本体31は、第2フィン23bの折畳みに追随して密着して折れ曲がる。そのために、シート状本体31は、容易に第2フィン23bと底面26との間から離脱することとがない。
【0041】
フラップ用プルタブのリング状把持部32は、把持部32の動き動作を確実にシート状本体31に伝え、把持部のリング32を引き上げるように力をかけると、その引剥力をシート状本体31に、更に、シート状本体31からフラップ25bに引剥力を確実に伝播させる。
フラップ用プルタブのリング状把持部32は、図2(b)に示すように、第2フィン23bの両端から突出しているので、消費者は、把持部32の一方を把持して、引き上げることによって、フラップ25bを確実に引き剥がし、他方の把持部32を同様に引き起こしてフラップ25bを同様に引き剥がすことができる。
最後に、図2(b)に示すように、第1及び第2のフラップ25a,25bを、各々容器の側壁21b及び底面26に固着することによって、包装容器を得る。
【0042】
第3実施例の包装容器の動作を、フラップを引き剥がすステップを示す図3を参照して具体的に説明する。
図3(a)に示すように、第3実施例の包装容器では、底面26に、フラップ用プルタブのシート状本体を設けられている。すなわち、シート状本体を第2フィン23bと底面26との間に挟み設ける。
シート状本体と一体化されたフラップ用プルタブのシート状把持部32は、第2フィン23bの両端から突出している。
フラップ用プルタブの把持部32を矢印の方向に引き上げると、把持部32の動きが確実にシート状本体に伝えられ、シート状本体からフラップ25bに引剥力が確実に伝播される。
フラップ用プルタブの把持部32は、図3(a)、(b)に示すように、第2フィン23bの両端から突出しているので、消費者は、把持部32の一方を把持して、引き上げ、フラップ25bを確実に引き剥がし、他方の把持部32を同様に引き起こしてフラップ25bを同様に引き剥がす。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
この発明は、液体食品の包装充填の製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 包装材料
21a、21b 側壁パネル
23 フィン
25 フラップ
26 底壁パネル
30 フラップ用プルタブ
31 シート状本体
32 把持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折目線が付けられたウェブ状包装材料を、長手方向の縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された該包装材料内に被充填物を充填し、該チューブ状包装材料を横断方向に横シールして横シール部で切断し、該横シール部のフィンを両端に有する枕状の包装体に形成し、該折目線に沿って折畳んで、第1フィンを頂面に折り、第2フィンを底面に折り、該容器の頂部及び底部を形成する際に生じる折り込み片のフラップを、各々該容器の側壁及び底面に折って固着して得られる包装容器であって、
該第2フィンと該底面との間に設けられるシート状本体と、該本体と一体化され該第2フィンの少なくとも一端から突出した把持部とからなるフラップ用プルタブを有する、
ことを特徴とする包装容器。
【請求項2】
該把持部がシート状本体からの延長シール片である、請求項1記載の包装容器。
【請求項3】
該把持部がシート状本体と一体化したリングである、請求項1記載の包装容器。
【請求項4】
該把持部に滑り止め処理が施されている、請求項1記載の包装容器。
【請求項5】
(a)折目線が付けられたウェブ状包装材料を、長手方向の縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された該包装材料内に被充填物を充填し、該チューブ状包装材料を横断方向に横シールして該横シール部で切断し、該横シール部のフィンを両端に有する枕状の包装体に形成し、
(b)該折目線に沿って折畳んで、第1フィンを頂面に折り、
(c)第2フィンの面に又は底面に、フラップ用プルタブのシート状本体を設けて該第2フィンを底面に折り、
(d)該容器の頂部及び底部を形成する際に生じ、該頂部及び該底部から側方に突き出した折り込み片の第1及び第2のフラップを、各々該容器の該側壁及び該底面に折って、該シート状本体と一体化されたフラップ用プルタブの把持部を該第2フィンの少なくとも一端から突出させ、
(e)第1及び第2の該フラップを、各々該容器の該側壁及び該底面に固着し、包装容器を得る、
ことを特徴とする包装容器の製造法。
【請求項6】
該シート状本体が、該第2フィンの面に又は該底面に、スポット溶接などによって仮接着される、請求項6記載の包装容器の製造法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−240689(P2012−240689A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109944(P2011−109944)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】