説明

包装装置

【課題】装置をコンパクト化すると共に、包装サイクルの短縮化を図るようにした。
【解決手段】物品搬送手段18の上流側に、一端がエンドシールされた筒状フィルム16a中に向けて物品20を押送する物品供給機構22が配設される。物品供給機構22は、物品押送方向に沿って進退動可能な移動部材46に、押送部材40が連結されて該押送部材40を物品押送方向に沿って進退動するエアシリンダ66が一体的に移動するよう配設される。移動部材46は、サーボモータ54によりボールネジ48のネジ軸50を正逆回転することで、物品押送方向に進退動する。そして、サーボモータ54およびエアシリンダ66を作動して押送部材40を前進移動することで、物品20は筒状フィルム16a中に押送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば複数の物品を集合した物品を押送して筒状フィルム中に挿入供給して袋詰め包装する包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
横型製袋充填機において、煎餅等の物品を複数集合して包装するに際し、製袋手段により筒状成形された筒状フィルム中に、押送部材の進退動により物品を一定間隔毎に挿入するようにした物品供給装置を有するものとして、例えば特許文献1や特許文献2に開示の装置が存在する。
【0003】
特許文献1および2に開示の装置は、一端がエンドシールされた筒状フィルムに対し、何れも製袋手段より上流側から押送部材で押送した物品を、エンドシール機構で筒状フィルムにエンドシールを施す位置より上流側の所定位置まで挿入した後に、筒状フィルムを間欠給送することで物品をエンドシール位置を越えた下流位置まで移送した後、エンドシール・切断して包装体を得るようにしている。
【0004】
前述したように、筒状フィルムに対して押送部材による物品の挿入位置を、エンドシール機構によるエンドシール位置の上流側までとしている装置では、物品が整列物であったり移送安定性に欠けるもの等の場合に、筒状フィルム中に挿入後の物品が非支持状態で筒状フィルムの給送と共にエンドシール位置を越えた下流位置まで移送されることとなり、その移送時に物品の整列姿勢の崩れや位置ズレが発生して、包装不良品となる事態を招く恐れがある。
【0005】
このような問題に対応可能なものとして、例えば特許文献3に開示の装置の如く、筒状フィルムにエンドシールを施す位置を越えた位置まで物品を押送部材で押送するようにしたものが存在する。
【特許文献1】特公昭52−21940号公報
【特許文献2】特開昭61−60407号公報
【特許文献3】特開2006−44741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した何れの装置も、押送部材を進退動させる作動手段の作動ストロークは、物品を挿入位置まで押送する距離分以上に確保する必要があるため、作動手段の全長が長くなってしまう。特に後者の場合は、押送距離が長くなる分だけ作動手段の全長が前者のものに増して長くなることから、物品供給部を含む装置のコンパクト化を図ることが困難であった。また、何れの装置も、前記押送部材を単一の作動手段により進退動するよう構成しているため、押送部材を1往復させるのに必要なサイクルタイムを短縮するのにも限界がある。
【0007】
すなわち本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、装置をコンパクト化すると共に、包装サイクルの短縮化を図り得る包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係る包装装置は、
物品供給位置に側方から供給された物品を、製袋手段で成形された筒状フィルム中に押送する押送部材を備えた包装装置において、
物品押送方向前後に作動体を往復動する複数の作動手段を、作動体の移動領域が重なるよう配置して該作動体を介して順に連結し、最先の作動手段の作動体に前記押送部材を配設したことを特徴とする。
これにより、押送部材による物品の押送距離を充分確保したもとで、各作動手段の全長を短かくすることができ、装置全体のコンパクトを図り得る。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記複数の作動手段は、各作動体を同時期に物品押送方向に向けて移動するよう設定されている。
これにより、押送部材の往復作動時間を短縮することができ、包装装置の高速化に対応し得る。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記押送部材による物品押送端は、前記筒状フィルムにエンドシールを施す位置を越えた位置に設定され、複数の作動手段の何れか一つの作動体の移動距離の変更により押送部材の物品押送端の位置を変更し得るよう設定した。
これにより、品種毎に、包装形態や物品性状に合わせた袋内の所望の挿入位置まで物品を押送し得る。
【0011】
請求項4に係る発明は、前記押送部材の物品押送の始期と終期における移動速度を遅くするよう前記作動手段をサーボ駆動制御するよう設定した。
これにより、複数物品の整列物や移送安定性に欠ける等の物品を、姿勢が変化することなく押送することができる。
【0012】
請求項5に係る発明は、前記物品が筒状フィルムに載置されて押送される際の前記押送部材の前進移動速度が、前記筒状フィルムの給送速度と同一になるよう前記作動手段を駆動制御するよう設定した。
これにより、筒状フィルムの給送に併せて物品の姿勢を崩すことなく袋中に挿入することができる。
【0013】
請求項6に係る発明は、前記押送部材の物品押送端に関するデータまたは移動速度に関するデータの夫々または何れかを記憶する記憶部を備える。
これにより、予め記憶したデータを読み出して設定値とすることができ、例えば品種変更時の切替時間の短縮化を図り、生産効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明に係る包装装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例】
【0015】
図1および図2は、実施例に係る包装装置としての横型製袋充填機の概略構成を示すものであって、該包装装置では、下方に配置された原反ロール14から間欠的に引出された帯状フィルム16は、製袋手段12を経て筒状フィルム16aに成形されるようになっている。前記製袋手段12の内側に、筒状フィルム16aの通過を許容するだけ離間して筒状の物品挿入ガイド10が挿通配置されて、該物品挿入ガイド10の下流端は、後述するエンドシール機構30によるエンドシール位置の手前まで延出している。この物品挿入ガイド10の上流側における物品供給位置にバケットコンベヤ等の物品搬送手段18により側方から間欠供給された物品20は、物品供給位置の上流側に配置された物品供給機構22の後述する押送部材40で押送されて筒状フィルム16a中に挿入されるよう構成されている。また、筒状フィルム16aは、前記物品挿入ガイド10の下部外周に沿って循環走行する吸着搬送ベルトを備えた補助送り手段24によって、1包装長毎に下流側に間欠的に給送されるようになっている。なお実施例では、物品20として煎餅等の物品を複数集合させたものを例示してあるが、単一の物品であってもよい。
【0016】
前記物品挿入ガイド10の上部に、筒状フィルム16aの重合端縁部を挟んでセンターシールを施す一対のシールローラからなるセンターシール機構26が配設されている。また、前記物品挿入ガイド10の下流側に、筒状フィルム16aの給送路を挟んで対向配置されて相互に近接および離間移動される一対のシール体28,28を備えるエンドシール機構30が配置されている。そして、前記筒状フィルム16aが間欠停止したタイミングで両シール体28,28を相互に近接移動することで、筒状フィルム16a中に挿入された物品20の上流側で筒状フィルム16aを挟圧してエンドシールを施すようになっている。なお、一方のシール体28にはカッタ(図示せず)が設けられており、両シール体28,28により筒状フィルム16aの挟圧時に該フィルム16aを切断して1袋分の包装体を得るようにしている。
【0017】
前記エンドシール機構30の下流側に、ベルトコンベヤからなる排出コンベヤ32が配設され、該排出コンベヤ32で前記包装体が下流側に搬送されるよう構成してある。またエンドシール機構30には、上側のシール体28と一体的に上下動するスポンジ等の弾性部材からなるエア抜き部材34が配設され、両シール体28,28が相互に近接して筒状フィルム16aを挟圧する前に、エア抜き部材34が排出コンベヤ32上に位置する物品20を筒状フィルム16aを介して上側から押圧することで内部エアを排出するよう構成されている。
【0018】
前記物品搬送手段18は、前記物品供給機構22における押送部材40での物品押送方向と直交して配置され、図3に示すように平行に循環走行する無端チェン等の索体36を備え、該索体36には、物品20を保持して搬送する複数の保持部材38が走行方向に所定間隔毎に配設されている。各保持部材38は、索体36のキャリア側(上側の水平直進部)において上方に開放する略コ字状を呈した収容部に、複数の物品が物品押送方向に整列する状態で収容載置されるようになっている。そして、各保持部材38が索体36の走行により物品供給位置に向けて間欠移動することで、物品20を物品供給位置に向けて側方から供給するよう構成されている。
【0019】
前記物品供給機構22は、物品供給位置に供給された物品20を押送する押送部材40と、物品押送方向と交差する方向に沿って並列に配置されると共に相互に連結した2基の作動手段48,54,56,66とを備え、各作動手段48,54,56,66の往復動によって押送部材40を物品押送方向に進退動し得るよう構成されている。
【0020】
図1および図3に示す如く、前記押送部材40の押送経路の側部上方に位置する機枠42に、上下に離間して物品押送方向に沿って平行に延在する一対の第1ガイドレール44,44が配設され、該第1ガイドレール44,44に移動部材(第1の作動体)46が物品押送方向に沿って移動自在に配設されている。両第1ガイドレール44,44の間に臨む機枠42に、該第1ガイドレール44と平行に延在するようボールネジ48のネジ軸50が回動自在に配設されると共に、該ネジ軸50にネジ孔が螺合する雌ネジ体としてのボールネジナット52が移動部材46に配設してある。またサーボモータ54が、ネジ軸50にプーリと無端ベルトとからなる伝達手段56を介して連繋されており、サーボモータ54を正逆回転することで、前記移動部材46を後退位置と前進位置との間の第1移動距離だけ往復動するよう構成されている。実施例では、ボールネジ48、サーボモータ54および伝達手段56から第1作動手段が構成されている。
【0021】
前記移動部材46の側部に張出支持腕46a,46aが設けられ、該張出支持腕46a,46aには、図1および図3に示す如く、移動部材46が後退位置に臨む状態で前記物品供給位置の手前側まで前記第1ガイドレール44と平行に延在する支持部46bが設けられている。この支持部46bに、該支持部46bと平行に延在する第2ガイドレール64が配設され、該ガイドレール64の下部に前記押送部材40が移動自在に配設されている。また押送部材40における物品押送方向後端には、移動部材46に配設された第2作動手段としてのエアシリンダ66のピストンロッド(第2の作動体)66aが連結され、該エアシリンダ66の正逆付勢により押送部材40は、第2ガイドレール64に沿って物品押送方向の前後に進退動するよう構成してある。
【0022】
前記エアシリンダ66は、押送部材40を、ピストンロッド66aを最も引き込んだ後退位置および最も延出した前進位置の間の一定の第2移動距離だけ進退動するよう設定されている。すなわち、第1作動手段の前記移動部材46に配設されたエアシリンダ66のピストンロッド66aに連結した押送部材40は、前記第1移動距離に第2移動距離を加算した距離を移動可能に構成されている。
【0023】
なお、前記移動部材46が、図1に実線で示すように前記物品供給位置より上流側に臨む後退位置から、前記製袋手段12の手前側(図1の二点鎖線参照)まで前進し得るように、前記第1ガイドレール44,44およびネジ軸50の物品押送方向の寸法が設定されている。また、後退位置に臨む移動部材46に配設されている前記エアシリンダ66に対して後退位置に臨む押送部材40の前端が、物品供給位置より上流側に臨む状態が物品供給機構22の待機状態とされ、該待機状態における押送部材40の前端が臨む位置を越えて移動部材46が前進し得るようになっている。すなわち、移動部材46の移動領域は、該移動部材46が後退位置に臨む状態でエアシリンダ66の付勢により進退動する押送部材40の移動領域と重なるようにしてある。実施例における移動部材46の移動領域は、エアシリンダ66に対して押送部材40を後退位置に臨ませたままで、該押送部材40により物品20をエンドシール位置より上流側の筒状フィルム16a中に挿入し得るよう設定されている。
【0024】
前記包装装置の制御手段60には、図4に示す如く、データ入力や項目選択によってデータ設定が可能な例えばタッチパネルディスプレイ等の設定手段68が接続され、押送部材40が物品20を筒状フィルム16aに対する挿入位置に押送した物品押送端まで該押送部材40の移動するための移動部材46の位置と移動速度等の物品供給機構22を作動制御するための作動制御用データを設定し得るよう構成されている。また、制御手段60は記憶部70を備えている。この記憶部70では、設定手段68で設定された前記作動制御用データが包装品種毎に記憶され、設定手段68による品種変更の設定操作によって、包装品種毎に記憶された物品供給機構22の作動制御用データを記憶部70から読み出し得るよう構成されている。更に、制御手段60には、前記移動部材46が後退位置に到来した際の位置を検出して原点信号を出力する原点センサ58およびサーボモータ54の回転系に配設されたエンコーダ62が夫々接続され、原点センサ58からの原点信号とエンコーダ62からのパルス信号とによって、移動部材46の現在位置および速度を常時監視し、サーボモータ54をサーボ駆動制御するよう構成されている。
【0025】
前記制御手段60は、前記エアシリンダ66とサーボモータ54とを同時期に駆動制御して押送部材40を進退動するよう設定されている。また制御手段60は、押送部材40の前記物品押送端に応じて前記サーボモータ54の回転量を変更して、移動部材46の第1移動距離を変えることで、押送部材40の物品押送端の位置を変更し得るよう構成されている。
【0026】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係る横型製袋充填機の作用につき説明する。
【0027】
包装装置の運転を開始するに先立ち、包装装置を駆動制御するための各種制御用データ並びに前記物品供給機構22を作動制御するための移動部材46の位置や移動速度等の作動制御用データを、前記設定手段68によりデータ入力することで、この入力値は、前記記憶部70に包装品種毎に記憶される。なお、ここでは押送部材40の物品押送端は、前記エンドシール機構30によるエンドシール位置を越えた位置に設定されたものとして説明する。
【0028】
前記エンドシール機構30のシール体28,28が相互に離間し、一端にエンドシールが施された筒状フィルム16aの終端がエンドシール位置の上流側に位置して待機状態にあるときに、前記物品供給機構22の押送部材40による物品20の押送が開始される。すなわち、前記物品搬送手段18の保持部材38に収容載置されて側方から供給された物品20が前記物品供給位置に臨んでいる状態で、前記物品供給機構22のサーボモータ54が回転駆動されて移動部材46が前進すると共にエアシリンダ66が同時期に付勢されることで押送部材40が前進を開始する。物品供給位置に臨む物品20は、押送部材40の押送片40aで押送されて保持部材38から前記物品挿入ガイド10に送り込まれる。なお、前記筒状フィルム16aは、物品挿入ガイド10の外周側に位置しているので、物品挿入ガイド10中を押送される物品20の姿勢が速度差等によって崩れることはない。
【0029】
前記押送部材40により押送される物品20が物品挿入ガイド10を抜けるタイミングに合わせて筒状フィルム16aの給送が開始され、該筒状フィルム16a中に載置された物品20は給送中の筒状フィルム16aと共に前記エンドシール機構30によるエンドシール位置を越えた位置まで前進する。前記移動部材46の移動位置は、前記原点センサ58からの原点信号およびエンコーダ62からのパルス信号により監視されており、押送部材40の物品押送端位置との関係で予め記憶された前進位置に移動部材46が移動したときに、前記制御手段60によりサーボモータ54が停止制御される。またこの間に、エアシリンダ66の付勢によってピストンロッド66aが延出しており、押送部材40は物品押送端に至る。これにより押送部材40で押送された物品20は、一方がエンドシールされた筒状フィルム16a中におけるエンドシール機構30によるエンドシール位置を越える所定の挿入位置に至る。なお、物品押送端に対応する移動部材46の位置は、品種毎に設定手段68で設定されて記憶部70に記憶されているから、包装品種の変更に際しては、記憶データを読み出すだけで包装形態や物品性状に合わせた袋内の所望の挿入位置まで物品20を押送することができる。
【0030】
前記押送部材40による物品20の押送に際し、前記エンコーダ62からのパルス信号により得られる移動部材46の移動位置に応じて、前記制御手段60によりサーボモータ54を、エアシリンダ66による押送部材40の移動速度との関係で、該押送部材40が物品20を押送する始期には移動部材46を低速から徐々に加速し、押送する終期には移動部材46を所定速度から徐々に減速して停止するよう駆動制御するのが好ましい。この場合は、押送始期および押送終期に物品20の整列姿勢が崩れたり変化するのは抑制され、筒状フィルム16a中に物品20は適正な整列状態で挿入できる。なお、加速値や減速値は、夫々任意に変更できるようになっていることが好ましい。更に、少なくとも物品挿入ガイド10を通過後、筒状フィルム16aに物品20が載置されたときから物品押送端まで前進する際の押送部材40の移動速度が、筒状フィルム16aの給送速度と同一となるようサーボモータ54を駆動制御することがより好ましく、この場合は筒状フィルム16aとの速度差によって物品20の姿勢が崩れるのを防止し得る。
【0031】
前記物品20の筒状フィルム16a中への挿入後、前記サーボモータ54が逆回転されると共にエアシリンダ66が逆付勢され、押送部材40および移動部材46は夫々後退位置に向けて同時に移動する。この押送部材40の後退時の速度を、前進時の速度よりも高速となるようサーボモータ54を駆動制御して移動部材46を高速移動させることが好ましく、この場合は押送部材40の往復作動時間を短縮して包装装置の高速化に対応し得る。
【0032】
前記押送部材40の後退に伴ってエンドシール位置を通過するタイミングに合わせて、エンドシール機構30が作動することで前記エア抜き部材34により内部エアが排出された筒状フィルム16aにエンドシールが施されると共に切断されて、物品20が充填された包装体が上流側の筒状フィルム16aから分離され、該包装体は前記排出コンベヤ32で下流側に搬送される。
【0033】
前記押送部材40の前端が物品供給位置より上流側に移動し、前記移動部材46が後退位置に到来して前記原点センサ58からの原点信号により制御手段60はサーボモータ54を停止制御する。また前記物品搬送手段18が間欠走行を開始し、次の保持部材38に収容載置されている物品20が物品供給位置に供給される。
【0034】
実施例では、前記押送部材40を直接往復動させるエアシリンダ66を、該エアシリンダ66に対して並列でかつピストンロッド66aと移動部材46との移動領域が重なるように配置したサーボモータ54やボールネジ48等からなる第1作動手段で更に往復動させるよう構成したから、エアシリンダ66によるピストンロッド66aの移動距離および第1作動手段48,54,56による移動部材46の移動距離を、夫々物品20の押送距離より短かくしたもとで、全体として物品20の押送距離を確保し得るようになっている。すなわち、エアシリンダ66および第1作動手段48,54,56の個々の全長は短かく、物品供給機構22全体の長さも短かくなり、省スペース化を図り得る。
【0035】
また、サーボモータ54とエアシリンダ66とを同時期に作動して押送部材40を前進および後退移動するようにしたから、該押送部材40の往復動に要する時間を短縮することができ、包装装置の高速化に対応し得る。しかも、押送部材40の物品押送端に関する移動部材46の位置データは、前記設定手段68により変更設定可能になっているから、包装形態や物品性状に応じて筒状フィルム16aに対する物品20の挿入位置を任意に変更することができる。更に、押送部材40の物品押送端に関する移動部材46の位置や移動速度等の作動制御用データは、包装品種毎に記憶部70に記憶されるから、包装品種の変更に際しては、記憶データを読み出すだけで簡単に対応することができ、品種変更に伴う設定時間を短縮して、生産効率を高めることができる。
【0036】
〔変更例〕
本願は前述した実施例の構成に限定されるものでなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
1.実施例では、押送部材40を2つの作動手段48,54,56,66で進退動するよう構成したが、作動手段の数を3つ以上にしてもよい。すなわち、押送部材40を直接進退動させる作動手段に対して別の作動手段を作動体の移動領域が重なるように複数並列に配置すると共に、隣接する各作動手段を作動体を介して順に連結し、各作動手段の作動により連結した作動手段を物品押送方向の前後に進退動させるよう構成すればよい。
2.実施例では、移動部材46をサーボモータ54でボールネジ48のネジ軸50を回転して進退動させたが、ラック・ピニオン形式の駆動伝達方式、その他の各種伝達方式を採用したり、あるいはリニアサーボモータで進退動させる方式等も採用可能である。
3.実施例では、1つの作動手段として、移動部材46をサーボモータ54で進退動する構成を採用したが、全ての作動手段をエアシリンダ等の流体圧シリンダで構成し、少なくとも1つの流体圧シリンダを速度および位置決め制御可能なものを採用すればよい。または、全ての作動手段を、サーボモータ54やリニアサーボモータ等の変速制御可能な駆動手段により移動部材46あるいは押送部材40を進退動する構成を採用し得る。
4.実施例では、エンドシール機構30によるエンドシール位置の上流側にエンドシールされた終端が位置する筒状フィルム16aを間欠給送しているときに、押送部材40で筒状フィルム16aに載置された物品20をエンドシール位置を越える所定位置まで押送するようにしたが、エンドシールされた終端がエンドシール位置を越えた位置まで筒状フィルム16aが給送されて停止した待機状態にある状態で、押送部材40で押送される物品20を筒状フィルム16aに挿入すると共に該フィルム16aに載置された物品20をエンドシール位置を越えた位置まで押送するようにしてもよい。この場合に、筒状フィルム16aが停止する前に、物品20が物品挿入ガイド10の下流端に至るように作動手段48,54,56,66を駆動制御するのが好ましい。
5.実施例では、押送部材40がエンドシール機構30によるエンドシール位置を越える位置まで前進する場合で説明したが、物品20の品種によっては押送部材40の物品押送端を、該押送部材40で押送される物品20が、エンドシールされた終端をエンドシール位置の上流側に臨ませた筒状フィルム16a中に挿入されたエンドシール機構30の上流側までに留めるよう設定されるものであってもよい。この場合、筒状フィルム16aに挿入された物品20は、該フィルム16aの給送に伴ってエンドシール位置を越える位置まで移送される。
6.実施例では、両作動手段48,54,56,66を同時期に同一方向に作動して移動部材46およびピストンロッド66aを物品押送方向の前側または後側に同時に移動する場合で説明したが、第1作動手段48,54,56あるいは第2作動手段66の一方が作動した後に、他方が作動されるよう両作動手段48,54,56,66を駆動制御するものであってもよい。
7.実施例では、包装装置の制御手段60に記憶部70が組み込まれたものとして説明したが、包装装置の制御手段に組み込まれない外部記憶装置等であってもよい。また実施例では、記憶部70に移動部材46の位置と移動速度に関するデータを夫々記憶する場合で説明したが、位置および移動速度の何れか一方のデータを設定手段68による夫々の設定値に対応して記憶するもの、あるいはプログラム設定された固定値として記憶されるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施例に係る横型製袋充填機を示す概略正面図である。
【図2】実施例に係る横型製袋充填機を示す概略平面図である。
【図3】実施例に係る物品供給装置および物品搬送装置を示す概略側面図である。
【図4】実施例に係る横型製袋充填機の主要制御ブロック図である。
【符号の説明】
【0038】
12 製袋手段,16a 筒状フィルム,20 物品,40 押送部材
46 移動部材(作動体),48 ボールネジ(作動手段)
54 サーボモータ(作動手段),56 伝達手段(作動手段)
66 エアシリンダ(作動手段),66a ピストンロッド(作動体)
70 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品供給位置に側方から供給された物品(20)を、製袋手段(12)で成形された筒状フィルム(16a)中に押送する押送部材(40)を備えた包装装置において、
物品押送方向前後に作動体(46,66a)を往復動する複数の作動手段(48,54,56,66)を、作動体(46,66a)の移動領域が重なるよう配置して該作動体(46,66a)を介して順に連結し、最先の作動手段(66)の作動体(66a)に前記押送部材(40)を配設した
ことを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記複数の作動手段(48,54,56,66)は、各作動体(46,66a)を同時期に物品押送方向に向けて移動するよう設定されている請求項1記載の包装装置。
【請求項3】
前記押送部材(40)による物品押送端は、前記筒状フィルム(16a)にエンドシールを施す位置を越えた位置に設定され、複数の作動手段(48,54,56,66)の何れか一つの作動体(46)の移動距離の変更により押送部材(40)の物品押送端の位置を変更し得るよう設定した請求項1または2記載の包装装置。
【請求項4】
前記押送部材(40)の物品押送の始期と終期における移動速度を遅くするよう前記作動手段(48,54,56,66)をサーボ駆動制御するよう設定した請求項1〜3の何れか一項に記載の包装装置。
【請求項5】
前記物品(20)が筒状フィルム(16a)に載置されて押送される際の前記押送部材(40)の前進移動速度が、前記筒状フィルム(16a)の給送速度と同一になるよう前記作動手段(48,54,56,66)を駆動制御するよう設定した請求項1〜4の何れか一項に記載の包装装置。
【請求項6】
前記押送部材(40)の物品押送端に関するデータまたは移動速度に関するデータの夫々または何れかを記憶する記憶部(70)を備える請求項1〜5の何れか一項に記載の包装装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−13234(P2008−13234A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−188500(P2006−188500)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】