説明

化合物

式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩もしくはプロドラッグを提供する:
【化1】


ここで、
XおよびYは、独立にNRまたはOであり;WおよびZは、独立に結合または(CHCH(R)(CHであり;m=0−1、n=0−2であり;Rは水素またはハロゲンであり;RおよびRは、独立に、水素、ハロゲン、CF、CN、OR、NR10、NRCOR11、NRSO11、またはヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で任意に置換されたC1−6アルキルであり;Rは、水素、ハロゲン、CF、CN、OR、SRまたはSO11であり;Rは、水素、ハロゲン、CF、OR、NR10、NRCOR11、NRSO11、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;Rは、水素、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で時間されたC1−6アルキルであり;Rは、水素、フッ素、C1−6アルキル、またはC1−6アルコキシであり;Rは、水素、C1−6アルキル、フェニルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでの前記フェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OCFもしくはORから選択される1以上の置換きで置換され;Rは、水素、または任意にフッ素、C1−6アルコキシもしくはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;Rは、水素、C1−6アルキルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでの前記フェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OR、NR10もしくはOCF;から選択される1以上の置換きで置換され;R10は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、フェニルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでの前記フェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、ORもしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;或いは、基RおよびR10は、それらが窒素原子に結合するときは、任意にNR、SおよびOから選択される一つの更なるヘテロ原子を含む5員環または6員環を形成してよく;R11は、任意にハロゲン、C1−6アルキル、CF、OCFもしくはORから選択される1以上の置換基で置換されたC1−6アルキルまたはフェニル基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルツハイマー病、パーキンソン病およびハンチントン病のような神経変性疾患、並びにII型糖尿病の予防および治療に有用な新規なヘテロ環化合物に関する。
【0002】
多くの不治の加齢関連疾患または変性疾患が、「アミロイドーシス」と呼ばれるタンパク質もしくはペプチドの折畳みエラーおよび凝集の遺伝的および基本的病理プロセスに関連付けられている。これにはアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病およびII型糖尿病が含まれる。これら疾患に存在するアミロイド沈着は、これら疾患の各々の特徴である特定のペプチドからなっているが、それらの配列とは無関係であり、アミロイドフィブリルは特徴的なβシート構造を有し、且つ共通の凝集経路を共有している。各疾患において、特定のタンパク質またはペプチドは誤って折りたたまれ、βシート構造を取り、オリゴマーを形成して、途中でフィブリル形成への可溶性凝集中間体を形成し、最終的には不溶性のアミロイド線維、プラークまたは封入体を形成する。これら不溶性形態の凝集したタンパク質もしくはペプチドは、βストランドのβシートへの分子間会合によって形成される。最近の証拠は、可溶性アミロイドオリゴマーが神経毒性の主要な原因であり得ることを示唆している。
【0003】
アミロイドーシスは、正常な可溶性タンパク質が、βシート構造に富み且つ特徴的な色素結合特性を有するフィブリルの不溶性沈着物として、種々の組織に蓄積する疾患として定義される(Glenner、1980a、1980b)。該沈着物を構成する特定のポリペプチドは各アミロイドーシスについて異なるが、その障害は幾つかの共通した重要な特等を有している。これらのうちで最も顕著なものは、生物学的体液中で高度に可溶性であるタンパク質が、βプリーツシート状のコンホメーションに富んだ不溶性の繊維状ポリマーへと徐々に変換される能力である。
【0004】
更に、それらは同じ分子機構によって(広がったβシートへのβストランドの分子間会合によって)形成される傾向があるので、同じ分子的構造、並びにコンゴー赤およびチオフラビンTのような一定の色素に結合する共通の能力を共有する傾向がある(Selkoe 2003; Stefani 2004))。
【0005】
ここでは包括的に「アミロイド関連疾患」と称されるこれらの疾患および障害は、二つの主要なカテゴリー、即ち、脳および他の中枢神経系部分に影響するもの、および脳以外の他の身体器官もしくは組織に影響するものに分けられる。
【0006】
これら二つのカテゴリーに入るアミロイド関連疾患の例が以下の二つの章に列記されているが、これには含まれない他の稀な遺伝性アミロイド関連疾患の多くの例が知られており、また多くの形態のアミロイド関連疾患が将来発見される可能性が高い。
【0007】
<アミロイドーシスに関連した神経変性疾患>
多くの異なる神経変性疾患は、特定の疾患に応じて、脳の特定の部分または他の中枢神経系の部分における特定のタンパク質またはペプチドの折畳みエラーおよび凝集に関連している(LeVine 2004; Caughey and Lansbury 2003; Dev et al. 2003; Taylor et al. 2002; Wood et al. 2003; Masino 2004; Ross and Poirier 2004; Soto and Castilla 2004; Forman et al. 2004)。例えば:種々の形態のアルツハイマー病(AD/FAD)、並びにダウン症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA、オランダ型)、脳アミロイド血管障害、また恐らくは温和な認識障害および他の形態の痴呆が、βアミロイド、Aβ(1−40)またはAβ(1−42)と称される40/42残基のペプチドの凝集に関連しており、これは特定の疾患に応じて大脳皮質、海馬または脳の他の場所に不溶性のアミロイド繊維およびプラークを形成する。
【0008】
アルツハイマー病はまた、タウと称される過剰リン酸化タンパク質の凝集による神経原線維変化(もつれ)の形成にも関連しており、これはまた鉤状束痴呆(ピック病)においても生じる。
【0009】
パーキンソン病(PD)、レビ小体を伴う痴呆(DLB)および多系統萎縮症(MSA)は、「レビ小体」と称する不溶性封入体の形成を生じるαシヌクレインと称するタンパク質の凝集に関連している。
【0010】
ハンチントン病(HD)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA、ケネディー病としても知られる)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、異なる形態の脊髄小脳失調症(SCA、1型、2型、3型、6型および7型)、および恐らくは幾つかの他の遺伝性神経変性疾患が、異常に伸展したグルタミン反復(ポリグルタミンの延長トラクト)を含む種々のタンパク質およびペプチドの凝集に関連している。
【0011】
クロイツフェルト−ヤコブ病(CJD)、雌牛のウシ海綿状脳症(BSE)、ヒツジのスクレーピー、クールー、ゲルストマン−シュトロイスラー−シャインカー病(GSS)、致死性家族性不眠症、並びに恐らくは他の全ての形態の伝染性脳症は、プリオン蛋白質の自己増殖性折畳みエラーおよび凝集に関連している。
【0012】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)、また恐らくは幾つかの形態の運動ニューロン疾患(MND)は、スーパーオキシドジスムターゼと呼ばれるタンパク質の凝集に関係している;家族性の英国痴呆(FBD)および家族性のデンマーク痴呆(FDD)は、それぞれBRIタンパク質に由来したABriとADanのペプチド配列の集合に関係している。
【0013】
アミロイドーシス(HCHWA(アイスランド型))を伴う遺伝的な脳内出血は、シスタミンCと称するタンパク質の凝集に関連している。
【0014】
<アミロイドーシスに関連する全身性疾患>
上記で列挙した神経組織変成の疾病に加えて、広範な種類の老化関連または変性疾患が、脳以外で、身体の様々な他の組織における特別のタンパク質またはペプチドの折畳みエラーおよび凝集に関連している(Gejyo et al. 1985; Jaikaran and Clark 2001; Buxbaum 2004)。例えば、II型糖尿病(成人発症型糖尿病、またはインスリン非依存性糖尿病としても知られる)は、小島アミロイド・ポリペプチド(IAPP、または「アミリン」)と称される37残基ペプチドの凝集に関連しており、これは膵臓内のランゲルハンス島において、インスリン産生β細胞の進行性破壊に関連した不溶性堆積物を形成する。
【0015】
透析関連アミロイドーシス(DRA)および前立腺アミロイドは、DRAにおける骨、間接および腱の何れかにおけるβミクログロブリンと称するタンパク質の凝集に関係しており、これは長期間に亘る血液透析の間に発症し、または前立腺アミロイドの場合には前立腺において発症する。
【0016】
主要な全身性アミロイドーシス、即ち、全身性ALアミロイドーシスおよび骨髄腫に関連するアミロイドーシスは、免疫グロブリン軽鎖(または幾つかの場合には免疫グロブリン重鎖)の不溶性アミロイド沈着への凝集に関連しており、これは徐々に肝臓、腎臓、心臓および胃腸(GI)管等の様々な主な器官において蓄積する。
【0017】
反応性の全身性AAアミロイドーシス、二次的全身性アミロイドーシス、家族性地中海熱および慢性炎症性疾病は、血清アミロイドAタンパク質の凝集に関連しており、これは肝臓、腎臓および脾臓のような主な器官で蓄積する不溶性アミロイド沈着を形成する。
【0018】
老人性全身性アミロイドーシス(SSA)、家族性アミロイドポリニューロパシー(FAP)および家族性アミロイド心筋症(FAC)は、トランスチレチンタンパク質(TTR)の異なる突然変異体の折畳みエラーおよび凝集に関連しており、これは様々な器官、および心臓(特にFACの中の)、末梢神経(特にFAPの中の)および胃腸の(GI)管のような組織において不溶性の封入体を形成する。
【0019】
もう一つの形態の家族性アミロイドポリニューロパシー(FAP、II型)は、末梢神経におけるアポリポ蛋白質AIの凝集に関連している。
【0020】
家族性の内臓アミロイドーシスおよび遺伝的非ニューロパシー全身性アミロイドーシスはリゾチームの種々の変異体の折畳みエラーおよび凝集に関連しており、これは肝臓、腎臓および脾臓等の主な器官において不溶性の沈着を形成する。
【0021】
フィンランドの遺伝的全身性アミロイドーシスは、目(特に角膜)におけるゲルソリンと称するタンパク質の凝集に関連している。
【0022】
フィブリノーゲンα鎖アミロイドーシスは、フィブリノーゲンAα鎖の凝集に関係しており、これは肝臓および腎臓等の様々な器官において不溶性のアミロイド沈着を形成する。
【0023】
インシュリン関連アミロイドーシスは、糖尿病患者のインスリン注射部位でのインスリンの凝集によって生じる。
【0024】
甲状腺の髄様癌は、周囲組織におけるカルシトニンの凝集に関連している。
【0025】
分離された心房のアミロイドーシスは、心臓における心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)の凝集に関連している。
【0026】
また、種々の形態の白内障は、眼球レンズにおけるγ結晶性タンパク質の凝集に関係している。
【0027】
<アミロイド関連疾病の病原性メカニズム>
これらアミロイド関連疾病は全て、アミロイドーシスの病原性プロセスを共有しているが、タンパク質/ペプチドの折畳みエラーおよび凝集の一般的プロセスが、冒された組織の進行的変性に結び付けられる正確な分子的メカニズムは明らかではない。多くの全身性アミロイド関連疾病を含む幾つかの場合には、不溶性のタンパク質またはペプチドの完全な質量が冒された組織を単純に圧倒して、結局は急性の臓器機能不全に導くと考えられる。しかし、上記で列挙した神経変性疾患の殆どを含む他の場合では、疾病の徴候は非常に小さな凝集の外観のみを伴って発症し、これらの不溶性沈着は本質的に有毒であり、幾つかの方法、例えば炎症および酸化ストレスを引き起こすことにより、或いは細胞膜または他の細胞コンポーネントもしくはプロセスに直接干渉することにより、細胞の進行性破壊を引き起こし得ることが示唆された。
【0028】
しかしながら、更に最近になって、少なくともこれらアミロイド関連疾患の幾つかに関与する特定のタンパク質およびペプチドは、それらの凝集の際に、種々の可溶性オリゴマー種を形成することが確立され、それらのサイズは二量体および三量体から数十、数百または数千のタンパク質もしくはペプチドモノマーを含む遙かに大きな種にまで亘ることが確立された。更に、該オリゴマーは、不溶性凝集体が存在しないインビトロにおいて、細胞に対して本質的に有毒である。また、それらは非常に異なるアミノ酸配列のタンパク質もしくはペプチドにより形成され得るとの事実(Kayed et al. 2003; Glabe 2004; Walsh et al. 2002; Walsh and Selkoe 2004)にもかかわらず、全てが同じ抗体によって認識できるので、それらは共通の構造的特徴を共有するように思える。
【0029】
これら有毒な可溶性オリゴマーの分子構造は知られていない。また、それらが細胞を殺す正確なメカニズムは明らかではないが、幾つかの理論が提案されている。例えば「チャンネル仮説」と称する一つの理論によれば、オリゴマーは、イオンが細胞膜通して自由に流れることを可能にする不均一な孔または漏洩し易いイオンチャネルを形成し、それによって細胞膜の一体性を破壊し、結局は細胞死を生じさせる(Kagan et al. 2002)。或いは、またはこれに加えて、該オリゴマーは、同じメカニズムまたは完全に異なるメカニズムによって細胞を殺す、原繊維(プロトフィブリル)を形成する可能性がある。
【0030】
しかし、正確な病原性メカニズムとは無関係に、今や圧倒的な量の証拠が蓄積されており、これら証拠はタンパク質/ペプチドの凝集の一般的なプロセスが、これら全部のアミロイド関連疾患、および恐らくは他の異なるアミロイド関連疾患の主要な原因であることを示唆している。
【発明の概要】
【0031】
本発明は、アミロイド毒性の阻害剤であり、従ってアミロイド関連疾患および障害の治療において用途を有する化合物および組成物に関する。
【0032】
従って、第一の側面において、本発明は式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩もしくはプロドラッグを提供する:
【化1】

【0033】
ここで、
XおよびYは、独立にNRまたはOであり;
WおよびZは、独立に結合または(CHCH(R)(CHであり;
m=0−1、n=0−2であり;
Rは水素またはハロゲンであり;
およびRは、独立に、水素、ハロゲン、CF、CN、OR、NR10、NRCOR11、NRSO11、またはヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で任意に置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、CF、CN、OR、SRまたはSO11であり;
は、水素、ハロゲン、CF、OR、NR10、NRCOR11、NRSO11、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で時間されたC1−6アルキルであり;
は、水素、フッ素、C1−6アルキル、またはC1−6アルコキシであり;
は、水素、C1−6アルキル、フェニルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでの前記フェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OCFもしくはORから選択される1以上の置換基で置換され;
は、水素、または任意にフッ素、C1−6アルコキシもしくはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでの前記フェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OR、NR10もしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
10は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、フェニルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでの前記フェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、ORもしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
或いは、基RおよびR10は、それらが窒素原子に結合するときは、任意にNR、SおよびOから選択される一つの更なるヘテロ原子を含む5員環または6員環を形成してよく;
11は、任意にハロゲン、C1−6アルキル、CF、OCFもしくはORから選択される1以上の置換基で置換されたC1−6アルキルまたはフェニル基である。
【0034】
好ましくは、
XおよびYは、独立にNRまたはOであり;
Wは、結合または(CHCH(R)(CHであり;
Zは結合であり;
Rは、水素またはフッ素であり;
およびRは、独立に水素、ハロゲン、CF、ORまたはNR10であり;
は、水素またはORであり;
は、水素、ハロゲン、CF、ORまたはNR10であり;
は、水素、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、フッ素、C1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルであり;
は、水素、または任意にNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでの前記フェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OR、NR10もしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
10は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、フェニルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでの前記フェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、ORもしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
或いは、基RおよびR10は、それらが窒素原子に結合されるときは一緒になって、任意にNR、SおよびOから選択される更なる一つのヘテロ原子を含む5員環もしくは6員環を形成してよく;
11は、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OCFもしくはORから選択される1以上の置換基で任意に置換されたC1−6アルキルまたはフェニル基であり;また
m=0、およびn=0〜1である。
【0035】
本発明による好ましい化合物には以下のものが含まれる:
3−[5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミノ]フェノール;
(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
[5−(4−フルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]− [3−(2−メトキシエトキシ)フェニル]アミン;
[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)アミン;
[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(2−メトキシエトキシ)−フェニル]アミン;
(3,4−ジフルオロフェニル)−[5−(3−(ジメチルアミノ)フェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
[5−(3−ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)アミン;
(2,4−ジフルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3−ジメチルアミノフェノキシ]ピリジン−2−イル]アミン;
(2,4−ジフルオロ−5−メトキシフェニル)−[5−(3−ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
[5−(3−(ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(2−メトキシエトキシ)フェニル)アミン;
3−{[5−(3−ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イル]メチルアミノ}フェノール;
[5−(3−ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(3−メトキシフェニル)アミン;
3−[5−(3−ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イルアミノ]フェノール;
[5−(3−ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)メチルアミン;
(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−(3−モルホリン−4−イル−フェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
(2,4−ジフルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
(2,4−ジフルオロ−5−メトキシフェニル)−[5−(3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
(3−メトキシフェニル)−[5− (3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
3−[5−(3−モルホリン−4−−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミノ]フェノール;
(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3−ピロリジン−1−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3−ピロリジン−1−イル−フェノキシ)−ピリジン−2−イル]−メチルアミン;
[5−(3−(ジメチルアミノフェノキシ)−3−フルオロ−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)アミン;
(2,4−ジフルオロ−5−メトキシ−フェニル)−[3−フルオロ−5−(3−モルホリン−4−イル−フェノキシ)ピリジン−2−イル]−アミン;および
(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[3−フルオロ−5−(3−ピロリジン−1−イル−フェノキシ)−ピリジン−2−イル]アミン。
【0036】
第二の側面において、本発明は式(Ia)の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩もしくはプロドラッグを提供する:
【化2】

【0037】
ここで、
XおよびYは、独立に、NRまたはOであり;
WおよびZは、独立に、結合または(CHCH(R)(CHであり;
m=0−1、n=0〜2であり;
およびRは、独立に、水素、ハロゲン、CF、OR、NR10、NRCOR11、NRSO11、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシまたはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、CF、OR、SRまたはSO11であり;
は、水素、ハロゲン、CF、OR、NR10、NRCOR11、NRSO11、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、フッ素、C1−6アルキル、またはC1−6アルコキシであり;
は、水素、C1−6アルキル、フェニル、またはC1−3アルキルフェニルであり、ここでのフェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OCFもしくはORから選択される1以上の置換基で置換され;
は、水素、または任意にNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでのフェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OR、NR10もしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
10は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、フェニルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでのフェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、ORもしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
或いは、RおよびR10は、それらが窒素原子に結合されるときは任意に、NR、SおよびOから選択される更なる一つのヘテロ原子を含む5員環または6員環を形成してよく;
11は、C1−6アルキル、または任意にハロゲン、C1−6アルキル、CF、OCFもしくはORから選択される1以上の置換基で置換されるフェニル基である。
【0038】
好ましくは、
およびRは、独立に、水素、ハロゲン、CF、ORまたはNR10であり;
は、水素、ORであり;
は、水素、ハロゲン、CF、ORまたはNR10であり;
は、水素、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、フッ素、C1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルであり;
は、水素、または任意にNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでのフェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OR、NR10もしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
10は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、フェニルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでのフェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、ORもしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
或いは、RおよびR10は、それらが窒素原子に結合するときは一緒になって、任意に更にNR、SおよびOから選択される一つのヘテロ原子を含む5員環または6員環を形成してよく;
11は、C1−6アルキル、または任意にハロゲン、C1−6アルキル、CF、OCFもしくはORから選択される1以上の置換基で置換されるフェニル基であり;
m=0、およびn=0〜1である。
【0039】
ここで使用する「オルトに位置する」とは、RおよびRが隣接する炭素原子上にあることを意味する。それらは一緒になって−O(CHO−を形成することができ、ここでのnは1〜3である。nは、好ましくは1、2または3である。斯かる基の例には、−OCHO−、−OCHCHO−または−OCHCHCHO−が含まれる。これらの基は、それらが結合された炭素原子と一緒になって5員環、6員環または7員環を形成する。
【0040】
ここで使用する「アルキル」の用語は、それ自身について使用されるときも、またはより大きな基、例えば「アルコキシ」もしくは「アルキルフェニル」の一部として使用されるときも、直鎖基および分岐鎖基の両方を含むものであり、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルが含まれるが、これらに限定されない。アルキルの用語はまた、1以上の水素原子がフッ素で置換されたもの、例えばCFを含むものである。
【0041】
ここで使用する「アルケニル」および「アルキニル」の用語は、直鎖基および分岐鎖基の両方を含むものである。
【0042】
ここで使用する「ハロゲン」の用語は、フッ素、塩素および臭素を含むものである。
【0043】
第一の側面および第二の側面の化合物は、式(I)または(Ia)の化合物の塩、好ましくは医薬的に許容可能な塩として提供されてよい。
【0044】
これら化合物の医薬的に許容可能な塩の例には、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、蓚酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸のような有機酸由来のもの、塩酸および硫酸等のような鉱酸由来のもの(これらはそれぞれメタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート、塩酸塩、硫酸塩を生じる)、または有機塩基および無機塩基のような塩基由来のものが含まれる。本発明の化合物の塩の形成に適した適切な無機塩基の例には、アンモニア、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、アルミニウム、鉄、マグネシウム、亜鉛等の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩が含まれる。塩はまた、適切な有機塩基を用いて形成することができる。本発明の化合物との斯かる医薬的に許容可能な塩基付加塩の形成に適した塩基には、無毒で且つ塩を形成するのに充分に強い有機塩基が含まれる。斯かる有機塩基は当該技術において既に周知であり、アミノ酸(例えばアルギニンおよびリジン)、モノ、ジもしくはトリヒドロキシアルキルアミン(例えばモノ、ジおよびトリエタノールアミン)、コリン、モノ、ジおよびトリアルキルアミン(例えばメチルアミン、未メチルアミン、およびトリメチルアミン)、グアニジン、N−メチルグルコサミン、N−メチルピペラジン、モルホリン、エチレンジアミン、N−ベンジルフェネチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン等が含まれてよい。
【0045】
塩は、当該技術で周知の方法を使用して慣用的方法で調製されてよい。前記塩基性化合物の酸付加塩は、本発明の第一の側面に従う遊離の塩基性化合物を、水溶液もしくは水性アルコール溶液、または必要な酸を含有する他の適切な溶媒中に溶解することにより調製されてよい。本発明の化合物が酸官能基を含む場合、前記化合物の塩基性塩は、前記化合物を適切な塩基と反応いさせることによって調製されてよい。酸性または塩基性の塩は直接分離してもよく、或いは当該溶液を濃縮することによって、例えば蒸発によって得ることもできる。
【0046】
式(I)または(Ia)の化合物の医薬的に許容可能なプロドラッグは、当業者に周知の方法により調製されてよい。プロドラッグは、活性成分または薬物の不活性なまたは保護された誘導体であって、身体内で活性成分または薬物に変換されるものとして一般に記述される。プロドラッグの例には、C−Cアルキルエステルを含む医薬的に許容可能なエステル、および二級C−Cアミドを含む医薬的に許容可能なアミドが含まれる。
【0047】
本発明の化合物は、光学異性体の形態、例えばジアステレオ異性体および全ての比率での異性体混合物、例えばラセミ混合物として存在してよい。本発明は、特に異性体形態(RまたはS)を含む。異なる異性体形態は、慣用的方法により一方を他方から分離または分割してよく、或いは、何れかの所定の異性体は慣用的合成法により、または立体特異的合成もしくは不斉合成により得られてよい。化合物がアルケン部分を含む場合、該アルケンはシスもしくはトランス異性体、またはそれらの混合物として提示されることができる。本発明の化合物の異性体形態が実質的に他の異性体を含まないで与えられる場合、5%w/w未満、より好ましくは2%w/w未満、特に1%w/w未満の他の異性体を含有するのが好ましいであろう。
【0048】
本発明の化合物は医薬組成物に使用することを目的としているので、それら各々が好ましくは実質的に純粋な形態、例えば少なくとも60%純粋、より適切には少なくとも75%純粋、好ましくは少なくとも85%純粋、特に少なくとも98%純粋(%は重量/重量)な形態で提供されることが容易に理解されるであろう。該化合物の純粋でない製剤は、医薬組成物で使用される更に純粋な形態を調製するために使用されてよい;当該化合物のこれら低純度の製剤は、少なくとも1%、より適切には少なくとも5%、例えば10〜59%の式(I)または式(Ia)の化合物を含有すべきである。
【化3】

【0049】
、R、R、R、Rが式(I)について定義した通りであり、且つX=Y=NRであり、Z=W=結合である(IA)の化合物は、式(II)の化合物から、
【化4】

【0050】
ここで、R、R、RおよびRは式(I)において定義した通りである
トリス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム(0)のような適切な触媒、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンのようなホスフィンリガンド、および炭酸セシウムのような塩基の存在下に、1,4−ジオキサンのような溶媒中において、加熱しながら適切なアニリンで処理することにより調製されてよい。
【0051】
、R、R、R、Rが式(I)について定義した通りである式(II)の化合物は、アルコールのような適切な溶媒中において、2−クロロ−5−ブロモピリジンを1当量の適切なアニリンで処理し、マイクロ波照射下に密封管内で加熱することにより調製されてよい。
【0052】
、R、R、R、Rが式(I)について定義した通りであり、且つX=O、Y=NR、Z=W=結合である式(IA)の化合物は、式(III)の化合物から、
【化5】

【0053】
ここで、R、RおよびRは式(I)で定義した通りである
トリス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム(0)のような適切な触媒、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンのようなホスフィンリガンド、および炭酸セシウムのような塩基の存在下に、1,4−ジオキサンのような溶媒中において、加熱しながら適切なアニリンで処理することにより調製されてよい。
【0054】
、RおよびRが式(I)について定義した通りである式(III)の化合物は、DMFのような適切な溶媒中において、2−クロロ−5−ブロモピリジンを1当量の適切なフェノールで処理し、加熱することにより調製されてよい。
【0055】
、R、R、R、Rが式(I)について定義した通りであり、且つX=NR、Y=O、Z=W=結合である(IA)の化合物は、R、RおよびRが式(I)について定義した通りである式(IV)の化合物から、トリス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム(0)のような適切な触媒、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンのようなホスフィンリガンド、および炭酸セシウムのような塩基の存在下に、1,4−ジオキサンのような溶媒中において、加熱しながら適切なアニリンで処理することにより調製されてよい。
【化6】

【0056】
、RおよびRが式(I)について定義した通りである式(IV)の化合物は、2−クロロ−5−ヒドロキシピリジンから、ジクロロメタンのような適切な溶媒中において、エチルアミンの存在下に、室温でまたは熱を加えながら、アリールホウ酸および酢酸銅(II)のような銅触媒を用いたカップリング反応を介して調製されてよい。
【0057】
、R、R、R、Rが式(I)について定義した通りであり、且つX=NRまたはO、Wは(CHCH(R)(CH、Y=NR、およびZ=結合である式(IA)の化合物は、R、R、R、R、X、mおよびnが式(I)で定義した通りである式(V)の化合物から、トリス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム(0)のような適切な触媒、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンのようなホスフィンリガンド、および炭酸セシウムのような塩基の存在下に、1,4−ジオキサンのような溶媒中において、加熱しながら適切なアニリンで処理することにより調製されてよい。
【化7】

【0058】
、R、R、R、Rが式(I)について定義した通りであり、且つX=NRまたはO,Wが(CHCH(R)(CH、Y=O、およびZ=結合である式(IA)の化合物は、R、RおよびRが式(I)で定義した通りである式(IV)の化合物から、DMFのような適切な溶媒中において、任意に水素化ナトリウムのような塩基の存在下に加熱しながら、適切なアミン(VI)またはアルコール(VII)で処理することにより調製されてよい。
【化8】

【0059】
、R、R、R、Rが式(I)について定義した通りであり、且つX=NR、Wが(CHCH(R)(CH、Y=O、およびZ=結合である式(IA)の別の化合物は、R、RおよびRnが式(I)で定義した通りである式(IV)の化合物から、トリス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム(0)のような適切な触媒、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンのようなホスフィンリガンド、および炭酸セシウムのような塩基の存在下に、1,4−ジオキサンのような溶媒中において、加熱しながら適切なアミン(VI)で処理することにより調製されてよい。
【0060】
、R、R、R、Rが式(I)について定義した通りであり、且つX=NRまたはO、Wは結合、Y=NR、およびZ=(CHCH(R)(CHである式(IA)の化合物は、R、R、RおよびXが式(I)で定義した通りである式(VIII)の化合物から、例えばナトリウムシアノボロハイドライドを用いた還元的アミノ化条件下に、例えば4〜5の温和な酸性pHでのメタノールのようなプロティック溶媒中において、式(I)のm=1のときは式(IX)の化合物で、または式(I)のm=0のときは式(X)の化合物で処理することにより調製されてよい。
【化9】

【0061】
、Rが式(I)について定義した通りであり、且つX=NRである式(VIII)の化合物は、2−クロロ−5−ニトロピリジンを、アルコールのような適切な溶媒中で1当量の適切なアニリンで処理し、マイクロ波照射の下に密封管の中で加熱することにより調製されてよい。式(VIII)の調製を完了するために、ニトロ基は標準の方法により還元することができる。
【0062】
、RおよびRが式(I)について定義した通りであり、且つX=Oである式(VIII)の化合物は、2−クロロ−5−ニトロピリジンを、DMFのような溶媒中において、炭酸セシウムのような適切な塩基の存在下に1当量の適切なフェノールで処理し、熱を加えることにより調製されてよい。式(VIII)の化合物の調製を完了するために、ニトロ基は標準の方法により還元することができる
、R、R、R、Rが式(I)について定義した通りであり、X=NRもしくはO、Wが結合であり、Y=O、およびZ=(CHCH(R)(CHである式(IA)の化合物は、R、R、RおよびR、mならびにnが式(I)で定義した通りである式(XI)の化合物から、DMFのような溶媒中において、炭酸セシウムのような適切な塩基の存在下に適切なフェノールで処理し、熱を加えることによって、或いは、1,4−ジオキサンのような溶媒中において、トリス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム(0)炭酸セシウムのような適切な触媒、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンのようなホスフィンリガンド、おおび炭酸セシウムのような適切な塩基の存在下に、加熱しながら適切なアニリンで処理吸うことによって調製されてよい。
【化10】

【0063】
、R、R、R、Rが式(I)で定義した通りであり、X=Y=NR、およびZ=W=結合である式IBの化合物は、R、RおよびRが式(I)で定義した通りである式(XII)の化合物から、
【化11】

【0064】
1,4−ジオキサンのような溶媒中において炭酸カリウムのような塩基の存在下に、加熱しながら適切なアニリンで処理することによって調製されてよい。
【0065】
、R、RおよびRが式(I)で定義した通りである式(XII)の化合物は、2,6−ジクロロピリジンを、1,4−ジオキサンのような溶媒中において、炭酸カリウムのような塩基の存在下に、加熱しながら1当量の適切なアニリンで処理することにより調製されてよい。
【0066】
、R、R、R、Rが式(I)で定義した通りであり、X=O、Y=NR且つZ=W=結合である式(IB)の化合物は、R、R、およびRが式(I)で定義した通りである式(XIII)の化合物から、
【化12】

【0067】
1,4−ジオキサンのような溶媒中において、炭酸カリウムのような塩基の存在下に、加熱しながら適切なアニリンで処理することにより調製されてよい。
【0068】
、R、およびRが式(I)で定義した通りである式(XIII)の化合物は、2,6−ジクロロピリジンを、DMFのような適切な溶媒中において、炭酸セシウムのような塩基の存在下に、加熱しながら1当量の適切なフェノールで処理することにより調製されてよい。
【0069】
、R、R、R、Rが式(I)で定義した通りであり、X=NRまたはO、Wが(CHCH(R)(CHであり、Y=NR、且つZ=結合である式(IB)の化合物は、R、R、R、R、N、mおよびnが式(I)で定義した通りである式(XIV)の化合物から、DMFのような適切な溶媒中で、任意に水素化ナトリウムのような塩基の存在下に、熱を適用しながら、適切なアミン(VI)またはアルコール(VII)でショリすることにより調製されてよい。
【化13】

【0070】
、R、R、R、Rが式(I)で定義した通りであり、X=Y=NR、且つZ=W=結合である式ICの化合物は、R、R、RおよびRが式(I)で定義した通りである式(XV)の化合物から、
【化14】

【0071】
1,4−ジオキサンのような溶媒中において、任意に炭酸カリウムのような塩基の存在下に、加熱しながら適切なアニリンで処理することにより調製されてよい。
【0072】
、R、RおよびRが式(I)で定義した通りである式(XV)の化合物は、2,6−ジクロロピリジンを、任意に炭酸カリウムのような塩基の存在下において、1,4−ジオキサンのような溶媒中で加熱しながら、1当量の適切なアニリンで処理することにより調製されてよい。
【0073】
、R、R、R、Rが式(I)で定義した通りであり、X=O、Y=NR、且つZ=W=結合である式(IC)の化合物は、R、R、Rが式(I)で定義した通りである式(IC)の化合物は、R、RおよびRが式(I)で定義した通りである式(XVI)の化合物から、
【化15】

【0074】
任意に炭酸カリウムのような塩基の存在下に、1,4−ジオキサンのような溶媒中において、適切なアニリンで処理することにより調製されてよい。
【0075】
、RおよびRが式(I)で定義した通りである式(XVI)の化合物は、DMFのような適切な溶媒中において、炭酸セシウムのような適切な塩基の存在下で、加熱しながら2,6−ジクロロピリジンを1当量の適切なフェノールで処理することにより調製されてよい。
【0076】
、R、R、R、Rが式(I)で定義した通りであり、X=NRまたはO、Wは(CHCH(R)(CH、Y=NR、且つZ=結合である式(IC)の化合物は、R、R、Rが式(I)で定義した通りである式(XVII)の化合物から、DMFのような適切な溶媒中において、任意に水素化ナトリウムのような塩基の存在下に、適切なアミン(VI)またはアルコール(VII)で処理し、且つ熱を加えることにより調製されてよい。
【化16】

【0077】
、R、R、R、Rが式(I)で定義した通りであり、X=NRまたはO、W=結合、Y=NRまたはO、且つZが(CHCH(R)(CHである式(IC)の化合物は、R、R、R、RおよびYが式(I)で定義した通りである式(XVIII)の化合物から、任意に炭酸カリウムのような塩基の存在下に、1,4−ジオキサンのような溶媒中において、加熱しながら適切なアニリンで処理することにより、またはDMFのような適切な溶媒中において炭酸セシウムのような適切な塩基の存在下にフェノールで処理し、且つ熱を加えることによって調製されてよい。
【化17】

【0078】
当業者は、上記で述べた方法を種々の組合せで用いることにより、一般式(I)および(Ia)に包含される他の誘導体を合成することが可能であることを理解するであろう。
【0079】
また、一般式(I)および(Ia)の化合物の合成において使用されるアニリン、フェノール、アミン、アルコール、アルデヒドおよびケトンのビルディングブロックは、商業的に入手可能であるか、または当該技術において既知の方法により合成することができる。
【0080】
式(I)または(Ia)の化合物の合成の際に、中間体化号物における不安定な官能基、例えばヒドロキシル基、カルボキシ基およびアミノ基は保護されてよい。該保護基は、式(I)または(Ia)の化合物の合成における何れかの段階において除去されてよく、或いは、式(I)または(Ia)の最終化合物上に存在してもよい。種々の不安定な官能基が保護され得る方法およびその結果得られる保護された誘導体を開裂する方法の包括的な議論は、例えば、「有機化学における保護基」(Protective Groups in Organic Chemistry、T.W. Greene and P.G.M. Wuts (Wiley-Interscience、New York、2nd edition、1991))に与えられている。
【0081】
式(I)または(Ia)の医薬的に有効な化合物は、式(I)または(Ia)の化合物(「活性成分」)を、当該技術において周知の従来の方法に従って、標準の医薬キャリアまたは賦形剤と組み合わせることにより調製される従来の投与量形態で投与されてよい。この方法は、望ましい製剤に適するように、該成分を混合、顆粒化、および圧縮また溶解することを含んでよい。
【0082】
従って、第三の側面において、本発明は、一以上の医薬的に許容可能なキャリアまたは賦形剤と共に、式(i)または(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩もしくはプロドラッグを含んでなる医薬組成物を提供する。
【0083】
活性成分または医薬組成物は、治療すべきアミロイド関連疾患のためのもう一つの適切な治療剤と同時に、別々に、または連続的に投与することができる。
【0084】
該活性成分または医薬組成物は、薬物投与のために従来使用される経路の何れかによって患者に投与されてよく、例えば、それらはヒトを含む哺乳類に対する経口(バッカル、舌下を含む)、局所(経皮を含む)、経鼻(吸入を含む)、直腸、経膣、または非経腸的(皮下、筋肉内、静脈内、または皮内を含む)での投与のために適合されてよい。何れか所定の場合の投与に最も適した経路は、特定の化合物もしくは医薬組成物、患者、組成物および疾患の重篤度の性質、患者の身体状況に依存するであろう。斯かる組成物は、薬学の技術において既知の何れかの方法により調製されてよく、例えば、活性成分をキャリアまたは賦形剤と合体させることにより調製されてよい。
【0085】
経口投与のために適合される組成物は、カプセルまたは錠剤のような別個の単位;粉末もしくは顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液;食用泡もしくはホイップ;または水中油エマルジョンもしくは油中水エマルジョンとして与えられてよい
経口投与のための錠剤およびカプセルは、単位投与量呈示形態であってよく、また結合剤のような従来の賦形剤、例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカンス、もしくはポリビニルピロリジン;充填剤、例えば乳糖、糖、トウモロコシ澱粉、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン;錠剤化滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールもしくはシリカ;崩壊剤、例えばポテト澱粉;または硫酸ラウリルナトリウムのような許容可能な湿潤剤を含有してよい。錠剤は、通常の医薬実務において周知の方法に従ってコーティングされてよい。経口液体製剤は、例えば、水性もしくは油性の懸濁液、溶液、エマルジョンシロップもしくはエリキシールの形態であってよく、または使用前に水もしくは他の適切な担体で再構成するための乾燥製品として与えられてよい。このような液体製剤は、慣用の添加物、例としては懸濁剤、例えばソルビトール、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、または水素添加された食用油脂;乳化剤、例えばレシチン、ソルビタンモノオレート、アカシア;非水性担体(食用油を含む)、例えばアーモンド油、グリセリンのような油性エステル、プロピレングリコール、もしくはエチルアルコール;保存剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、またはそるビン酸、および所望であれば慣用の付香剤または着色剤を含有してよい。
【0086】
局所投与のために適合される医薬組成物は、軟膏、クリーム、座薬、ローション粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル、または油として製剤化されてよく、また適切な慣用の添加剤、例えば保存剤、薬物の浸透を補助するための溶媒、および柔軟剤を軟膏およびクリームの中に含有させてよい。このような適用は眼または他の外部組織、例えば口および皮膚への適用を含んでおり、また該組成物は、好ましくは局所用軟膏またはクリームとして適用される。軟膏として製剤化されるときは、活性成分は、パラフィンまたは水混和性の軟膏基材と共に用いられてよい。或いは、活性成分は、水中油クリーム基材または油中水基材と共にクリームに製剤化されてよい。該組成物はまた、適合性の従来のキャリア、例えばクリームもしくは軟膏基材、およびローションのためのエタノールもしくはオレイルアルコールを含有してよい。
【0087】
眼への局所投与のために適合される医薬組成物には、活性成分が適切なキャリア、特に水性溶媒中に溶解される点眼液が含まれる。
【0088】
口における局所投与のために適合される医薬組成物には、ロゼンジ、パステル錠剤およびマウスウオッシュが含まれる。
【0089】
経皮投与のために適合される医薬組成物は、レシピエントの表皮と緊密に接触したまま長期間残留することを意図した個別のパッチとして提示されてよい。例えば、文献(Pharmaceutical Research、3(6),318 (1986))に一般的に記載されているように、活性成分はイオントフォーレシスにより該パッチから送達されてよい。
【0090】
制御放出または持続放出のために適合された医薬組成物は、注射によって、例えば皮下経路により投与されてよい。
【0091】
キャリアが個体である鼻腔投与のために適合された医薬組成物には、例えば、鼻に近接して保持された粉末容器から鼻経路を通しての迅速な吸入により投与される、20〜500ミクロン範囲の粒子サイズを有する粗い粉末が含まれる。鼻スプレーまたは点鼻薬として投与するための、キャリアが液体である適切な組成物には、活性成分の水性または油性の溶液が含まれる。
【0092】
吸入による投与のために適合された医薬組成物には、種々のタイプの定量加圧エアロゾル、ネブライザまたは吸入器により発生され得る微粒子ダストもしくはミストが含まれる。
【0093】
直腸投与のために適合された医薬組成物は、座薬または浣腸として与えられてよい。座薬は、慣用の座薬基材、例えばココアバターまたは他のグリセリドを含有するであろう。
【0094】
膣投与のために適合された医薬組成物は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー組成物として与えられてよい。
【0095】
非経腸的投与のために適合された医薬組成物には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および当該製剤を意図したレシピエントの血液と等張にする溶質を含有する水性および非水性の滅菌注射溶液;および懸濁剤および濃化剤を含んでよい水性および非水性の滅菌懸濁液が含まれる。該組成物は、単回投与量または多回投与量の容器、例えば密封アンプルおよびバイアルの中に与えられてよく、また使用する直前に滅菌液体キャリア、例えば注射用の水の添加のみを必要とする凍結乾燥状態で保存されてよい。即時注射の溶液および懸濁液は、滅菌のパウダー、顆粒および錠剤から調製されてよい。
【0096】
非経腸的投与については、活性成分および滅菌担体(水が好ましい)を利用して、液体の単位投与量形態が調製される。使用する単体および濃度に依存して、活性成分は、該担体中に懸濁もしくは溶解されることができる。溶液の調製においては、活性成分を注射用水の中に溶解し、滅菌バイアルもしくはアンプルの中に充填および密封する前に濾過滅菌することができる。
【0097】
有利には、局所麻酔、保存剤および緩衝剤のような薬剤を担体の中に溶解することができる。安定性を高めるために、該組成物はバイアルの中に充填し且つ真空下で水を除去した後に凍結することができる。次いで、凍結乾燥された粉末をバイアルの中に密封し、該バイアルに添付された注射用の水を供給して、使用前に当該液体を再構成してよい。非経腸的懸濁液は、活性溶液を溶解する代りに懸濁させ、また滅菌が濾過により達成できないことを除き、実質的に同じ方法で調製される。活性成分は、滅菌媒体中に懸濁させる前にエチレンオキシドに暴露させることにより滅菌することができる。有利には、表面活性剤または湿潤剤が該組成物中に含められ、活性成分の均一な分布を容易にする。
【0098】
本発明による医薬組成物は、好ましくは経口投与のために適合される。
【0099】
なお、特に上記で述べた成分に加えて、該組成物はまた、問題の製剤のタイプを考慮して、当該技術において慣用の他の薬剤を含めてもよい。例えば、経口投与に適したものは香料を含んでよい。それらはまた、本発明の化合物に加えて、治療的に活性な物質を含有してもよい。このようなキャリアは、当該製剤の約1%〜約98%で存在してよい。更に普通には、それらは当該製剤の約80%以下を形成するであろう。
【0100】
該組成物は、投与の方法に応じて、0.1重量%、好ましくは10〜60重量%の活性物質を含有してよい。
【0101】
医薬組成物は、1回投与当たり所定量の活性成分を含有する単位投与量形態で与えられてよい。斯かる単位は、治療すべき症状、投与経路、並びに患者の年齢、体重および状態に応じて、例えば0.1mg/kg〜750mg/kg、より好ましくは0.1mg/kg〜10mg/kgを含有してよい。好ましい単位投与量組成物は、上記でのべた1日投与量もしくは1日投与量未満の活性成分、またはその適切な画分を含有するものである。
【0102】
当業者は、本発明の第一および第二の側面における化合物の最適量および個々の投与の間隔が、治療すべき状態の性質および範囲、投与の形態、経路および部位、並びに治療される特定の患者によって決定されるであろうこと、また、斯かる最適量は慣用の技術により決定できることを理解するであろう。当業者はまた、治療の最適コース、即ち、定義された日数に亘る上記化合物の1日当たりの投与回数が従来の治療決定試験コースを使用して、当業者が確認できることを理解するであろう。
【0103】
投与経路に応じて、当該化学的化合物または組成物は、それを不活性化し得る酵素、酸および他の天然条件の作用から保護するための材料でコーティングされることを必要とするかもしれない。
【0104】
非経腸的投与以外の経路により該化学的化合物または組成物を投与するために、該化合物または組成物は、その不活性化を防止する物質でコーティングされ、または該物質と共に投与されてよい。例えば、それはアジュバント中の状態で投与されてよく、酵素阻害剤と共に同時投与されてよく、またはリポソーム中の状態で投与されてよい。アジュバントの用語は、その最も広い意味で使用され、インターフェロンのような如何なる免疫刺激化合物をも含むものである。ここで想定されているアジュバントには、レゾルシノール、非イオン性界面活性剤、例えばポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn−ヘキサで知るポリエチレンエーテルが含まれる。
【0105】
リポソームには、水中油中水CGFエマルジョン、並びに従来のリポソームが含まれる。
【0106】
活性な化学的化合物または組成物はまた、非経腸的または腹腔内に投与されてよい。分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物、並びに油中において調製することもできる。保存および使用の通常の条件下において、これらの製剤は微生物の増殖を防止するために保存剤を含有する。
【0107】
注射用途に適した非経腸的組成物または製剤には、滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散液、および滅菌注射溶液もしくは分散液の即時調製のための滅菌粉末が含まれる。全ての場合に、該形態は滅菌でなければならず、また注射器への充填が容易な程度に流動性でなければならない。それは製造および保存の条件下で安定出なければならず、また細菌および真菌のような微生物の汚染作用に抗して保存されなければならない。キャリアは、例えば水、エタノール、ポリオオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール等)、それらの適切な混合物、および植物油を含有する溶媒または分散媒であることができる。適正な流動性は、例えばレシチンのようなコーティングの使用によって、分散液の場合には必要な粒子サイズの維持によって、および表面活性剤の使用によって維持することができる。
【0108】
微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、サーメロール(thirmerosal)等によってもたらすことができる。多くの場合には等張剤、例えば糖または塩化ナトリウムを含むのが好ましいであろう。注射可能な組成物の長期に亘る吸収は、該組成物中に吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを使用することに生じさせることができる。
【0109】
滅菌注射溶液は、活性な化学的化合物もしくは組成物を、必要に応じて上記で列挙した種々の他の成分と共に、必要な量で適切な溶媒中に組込み、続いて濾過および滅菌することによって調製される。一般に、分散液は、滅菌された活性成分を、基本的な分散媒および上記で列挙したものから選ばれた必要な他の成分を含有する滅菌担体の中に組込むことにより調製される。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製のための好ましい方法は真空乾燥および凍結乾燥技術であり、これは活性成分に加えて、先に滅菌濾過された溶液由来の追加の何れか望ましい成分を含む粉末を生じる。
【0110】
該化学的化合物または組成物が上記で述べたように適切に保護されるとき、それは、例えば不活性な希釈剤と共に、または同化可能な食用キャリアと共に経口で投与されてよく、或いは硬質殻もしくは軟質殻のゼラチンカプセルの中に封入されてよく、或いは錠剤に圧縮されてよく、或いはダイエット用食物に直接組込まれてよい。経口での治療的投与のために、活性化合物は賦形剤に組込まれて、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシール、懸濁液、シロップ、ウエハー等の形態で使用されてよい。このような治療的に有用な組成物における活性化合物の量は、適切な投与量が得られる量である。
【0111】
また、錠剤、トローチ、ピル、カプセル等は以下のものを含有してよい:ガム、トラガカンス、アカシア、コーンスターチ、またはゼラチン;リン酸二カルシウムのような賦形剤;コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸等のような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤;および蔗糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤;ペパーミント、冬緑油またはチェリー付香剤のような香料。投与量単位形態がカプセルであるときに、それは上記タイプの物質に加えて液体キャリアを含有してもよい。
【0112】
種々の他の物質が、コーティングとして、または投与量単位の物理的形態を修飾するために存在してよい。例えば、錠剤、ピル、またはカプセルはセラック、糖またはその両方でコーティングされてよい。シロップまたはエリキシールは活性化合物、甘味剤としての蔗糖、保存剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、染料、チェリーもしくはオレンジ香料のような香料を含有してよい。勿論、何れかの単位投与量形態を調製する際に使用される全ての材料は、医薬的に純粋で且つ用いる量において実質的に非毒性であるべきである。加えて、活性化合物は持続放出の製剤および処方の中に組み込まれてよい。
【0113】
ここで使用する「医薬的に許容可能なキャリアおよび/または希釈剤」とは、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤、吸収遅延剤等の何れか、または全部が含まれる。医薬的活性物質のための斯かる媒質および物質の使用は、当該技術において周知である。何れか慣用の媒質または物質が活性成分と適合しない場合を除き、治療用組成物におけるその使用が想定される。補充活性成分もまた、当該組成物に組み込むことができる。
【0114】
投与の容易さおよび投与量の均一さのために、非経腸的組成物を単位投与量形態に製剤化するのが特に有利である。ここで用いる単位投与量形態とは、治療すべき哺乳類患者のための単位投与量製剤として適した、物理的に分離された単位を意味し;各単位は、必要な医薬キャリアと組み合わされた、望ましい治療効果を生じるように計算された所定量の活性物質を含有する。本発明の新規な単位投与量形態についての明細は、(a)活性物質の独特な特性および達成すべき特定の治療効果、および(b)身体の健康が損なわれる病的状態を有する生きた患者における疾患治療のために斯かる活性成分を配合する技術に固有の制限によって指示され、且つこれらに直接依存する。
【0115】
主な活性成分は、適切な医薬的に許容可能なキャリアを用いて便宜および有効量での効果的投与のために単位投与量形態に配合される。補充活性成分を含有する組成物の場合、投与量は、通常の投与量および前記成分の投与方法を考慮して決定される。
【0116】
他の側面において、本発明は以下を提供する:
1.アミロイド関連疾患の治療のための医薬の製造における本発明の使用。特に、該医薬は下記の治療のためのものである:
a)何れかの形態のアルツハイマー病(ADまたはFAD);
b)何れかの形態の温和な認識所言う該(MCI)または老人性痴呆;
c)ダウン症候群;
d)大脳アミロイド血管障害、封入体筋炎症(inclusion body myositis)、アミロイドーシスを伴う遺伝性大脳出血(HCHWA、オランダ型)、または年齢関連の黄斑変性;
e)前頭側頭骨痴呆(fronto-temporal dementia)
f)レーヴィ小体を備えた何れかの形態のパーキンソン病(PD)または痴呆
g)ハンチントン舞踏病(HD)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(dentatorubral pallidoluysian atrophy (DRPLA))、脊髄小脳失調(1、2、3、6および7型SCA)、脊柱・球状の筋萎縮症(SBMA(ケネディの疾病))または他のポリグルタミン疾病;
h)クロイツフェルトヤコプ病(CJD)、雌牛の牛海綿状脳症(BSE)、羊の中のスクレーピー、クールー、ゲルストマン-シュトロイスラー-シャインカー病(GSS)、致死性家族性不眠症、またはプリオン蛋白質の凝集に関係した他の伝染性脳症;
i)筋萎縮性側索硬化症(ALS)または運動ニューロン疾患の他の形式;
j)家族性の英国痴呆(FBD)または家族性のデンマーク痴呆(FDD);
k)アミロイドーシス(HCHWA(アイスランド型))を備えた遺伝的脳内出血;
l)タイプII糖尿病(成人発症型糖尿病、またはインスリン非依存性糖尿病、NIDDM);
m)透析関連のアミロイドーシス(DRA)または前立腺アミロイド;
n)原発性全身性アミロイドーシス、全身性ALアミロイドーシスまたは結節性ALアミロイドーシス;
o)ミエローマ関連アミロイドーシス;
p)全身性(反応性)AAアミロイドーシス、二次的全身性アミロイドーシス、慢性炎症性疾病または家族性地中海熱;
q)老人性全身性アミロイドーシス、家族性アミロイドポリニューロパシーまたは家族性心臓アミロイド;
r)家族性内臓アミロイドーシス、遺伝的非ニューロパシー全身性アミロイドーシス、または他のリゾチーム関連アミロイドーシス;
s)フィンランドの遺伝的全身性アミロイドーシス;
t)フィブリノーゲンα鎖アミロイドーシス;
u)インシュリン関連アミロイドーシス;
v)甲状腺の髄様癌;
w)孤立性の心房アミロイドーシス;
x)何れかの形態の白内障;および
y)特定の標的アミロイド形成タンパク質もしくはペプチドの、有毒の可溶のオリゴマー、プロトフィブリル、イオンチャネル、不溶性アミロイド繊維、プラークまたは封入体への折畳みエラーまたは凝集に関連した何れか他のアミロイド関連疾患。
【0117】
2.有効量の本発明の化合物または医薬組成物を患者に投与するステップを含んでなる、アミロイド関連疾患の治療のための方法。
【実施例】
【0118】
以下の実施例は、単なる例示として解釈されるべきであり、如何なる意味においても本発明の範囲の限定として解釈されるべきではない。
【0119】
一般論
全ての試薬および溶媒は商業的等級のものであり、更なる精製を行うことなく、受け取った状態で使用された。石油エーテルとは、40℃から60℃で沸騰する画分を意味する。カラムクロマトグラフィーは、マトレックス(Matrex;登録商標)シリカゲル60(35〜70ミクロン)上で行われた。H・NMRスペクトルは400MHzにおいてブルーカー社(Bruker)のDPX400上で記録された。H・NMRスペクトルについてのケミカルシフトはppmで与えられ、またテトラメチルシラン(0.00ppm)または残留溶媒ピークガ内部標準として使用された。スプリットパターンは次のように指定される:s、シングレット;d、ダブレット;t、トリプレット;m、マルチプレット;br、ブロード。LCMS分析は、7mMアンモニアを含有するアセトニトリル/水の勾配において2mL/minで溶出するウオーターズ社(Warters)のXterraMS逆相イカラム(5μC18、100×4.6mm)上で、大気圧化学イオン化(APCI)または電子スプレーイオン化(SEI)を備えたマイクロ質量ZQまたはプラットホームLC機器を使用して実行された。純度は、210〜400nm窓に亘る積分として評価された(WatersまたはHP・DAD)。
【0120】
中間体1:2−クロロ−5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン
【化18】

【0121】
ジクロロメタン(20mL)中の2−クロロ−5−ヒドロキシピリジン(300mg、2.31mmol)、4−フルオロフェニル−ボロン酸(640mg、6.60mmol)、酢酸銅(II)(440mg、2.42mmol)、トリエチルアミン(1.6mL)および粉末化した4Åの分子篩の混合物を、空気の下で3日間撹拌した。この懸濁液をジクロロメタンで希釈し、濾過し、水および塩水で洗浄した。該溶液を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。この粗生成物をシリカ上でのカラムクロマトグラフィー(1:4酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、2−クロロ−5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジンを無色の油状物として得た(360mg、70%)。
【0122】
ES:224(M+H)
δ(d−DMSO):6.98(2H、m)、7.07(2H、m)、7.25(2H、m)および8.13(1H、d)。
【0123】
中間体2:(3−ベンジロキシフェニル)−[5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン
【化19】

【0124】
脱ガス下1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン(150mg、0.67mmol)、3−ベンジロキシアニリン(200mg、1.00mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(31mg、33.9μmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(39mg、67.4μmol)および炭酸セシウム(437mg、1.34mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。室温に冷却した後、該混合物を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。該粗生成物を知りかげる上でのカラムクロマトグラフィー(1:3酢酸エチル/へ起算により精製して、(3−ベンジロキシフェニル)−[5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミンを褐色油状物として得た。これはを次の段階において直接使用した。
【0125】
実施例1:3−[5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イルアミノ]−フェノール
【化20】

【0126】
1,4−シクロヘキサジエン(72μL、0.76mmol)を、酢酸エチル(2mL)中の2−(3−ベンジロキシフェニルアミノ)−5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン(57mg、0.015mmol)および水酸化パラジウム(II)触媒(湿性、炭素上の15%、16mg)の懸濁液中に加えた。この懸濁液を、密封管中において200Wのマイクロ波照射の下に110℃で1時間過熱した。室温に冷却した後、該混合物を酢酸エチルで希釈し、濾過した。減圧下で溶媒を除去し、粗生成物をシリカ上でのカラムクロマトグラフィー(1:3酢酸エチル/ガソリン)により精製して、目的化合物3−[5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イルアミノ]−フェノールを淡褐色ガムとして得た(30mg、68%)。
【0127】
ES:297(M+H)
δ(d−DMSO):6.32(1H、m)、6.90(1H、d)、7.02(4H、m)、7.22(3H、m)、7.38(1H、m)、8.01(1H、m)、8.97(1H、s)および9.21(1H、s)。
【0128】
実施例2:(3,4−ジフルオロフェニル)−[5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン
【化21】

【0129】
1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン(180mg、0.807mmol)、3,4−ジフルオロアニリン(156mg、1.21mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(36.9mg、0.040mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(46.7mg、0.080mmol)および炭酸セシウム(526mg、1.614mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。該懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:4)で精製して、(3,4−ジiフルオロフェニル)−[5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミンを黄色個体として得た(80mg、31%)。
【0130】
ES:317(M+H)
δ(d−DMSO):6.88(1H、d)、7.02(1H、m)、7.20(1H、t)、7.23−7.35(2H、m)、7.42(1H、dd)、7.95−8.02(1H、m)、8.03(1H、d)および9.40(1H、s).
実施例3:(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン
【化22】

【0131】
1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン(180mg、0.807mmol)、4−フルオロ−3−メトキシアニリン(170mg、1.210mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(36.9mg、0.040mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(46.7mg、0.080mmol)および炭酸セシウム(526mg、1.614mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)により精製して、(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミンをベージュ色の固体として得た(60mg、23%)。
【0132】
ES:329(M+H)
δ(d−DMSO):3.80(3H、s)、6.86(1H、d)、6.8−7.4(2H、m)、7.08(1H、dd)、7.20(2H、t)、7.16−7.24(1H、m)、7.38(1H、dd)、7.49(1H、dd)、7.97(1H、dd)、および9.15(1H、s)。
【0133】
実施例4:(3−フルオロ−4−モルホリン−4−イルフェニル)−[5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル]−アミン
【化23】

【0134】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン(180mg、0.807mmol)、3−フルオロ−4−モルホリン−4−イルアニリン(237mg、1.210mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(36.9mg、0.040mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(46.7mg、0.080mmol)および炭酸セシウム(526mg、1.614mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)により精製して、(3−フルオロ−4−モルホリン−4−イルフェニル)−[5−(4−フルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]アミンを黄色の固体として得た(60mg、19%)。
【0135】
ES:384(M+H)
δ(d−DMSO):2.91(4H、m)、3.73(4H、m)、6.84(1H、d)、6.93−7.03(3H、m)、7.19(2H、t)、7.17−7.22(1H、m)、7.38(1H、dd)、7.75(1H、dd)、7.99(1H、dd)、9.17(1H、s).
実施例5:[5−(4−フルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(2−メトキシエトキシ)フェニル]アミン
【化24】

【0136】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン(180mg、0.807mmol)、3−(2−メトキシエトキシ)アニリン(202mg、1.210mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(36.9mg、0.043mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(46.7mg、0.080mmol)および炭酸セシウム(526mg、1.614mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)により精製して、[5−(4−フルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(2−メトキシ−エトキシ)フェニル]アミンを褐色固体として得た(25mg、9%)。
【0137】
ES:355(M+H)
δ(d−DMSO):3.31(3H、s)、3.65(2H、m)、4.05(2H、m)、6.46(1H、dt)、6.89(1H、d)、7.01(2H、m)、7.09−7.23(2H、m)、7.20(2H、t)、7.39(1H、dd)、7.44(1H、bs)、8.01(1H、d)、および9.12(1H、s)。
【0138】
実施例6:[5−(4−フルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[(3−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]アミン
【化25】

【0139】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン(200mg、0.896mmol)、3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)アニリン(299mg、1.345mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム(0)(41.0mg、0.044mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(51.9mg、0.089mmol)および炭酸セシウム(584mg、1.793mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して(酢酸エチル:ヘキサン3:7)、[5−(4−フルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[(3−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]アミンをベージュ色の固体として得た(80mg、22%)。
【0140】
ES:410(M+H)
δ(d−DMSO):2.46(4H、m)、2.68(2H、m)、3.57(4H、m)、4.04(2H、m)、6.46(1H、m)、6.89(1H、d)、6.98−7.04(2H、m)、7.13(2H、m)、7.19(2H、t)、7.38(1H、dd)、7.43(1H、bs)、8.00(1H、d)、および9.12(1H、s)。
【0141】
実施例7:[5−(4−フルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(3−モルホリン−4−イルフェニル)アミン
【化26】

【0142】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン(160mg、0.717mmol)、3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)アニリン(191mg、1.076mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム(0)(32.8mg、0.035mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(41.5mg、0.071mmol)および炭酸セシウム(467mg、1.434mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。 粗生成物をプレパラティブTLCで精製して(酢酸エチル:ヘキサン7:3)、[5−(4−フルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(3−モルホリン−4−イルフェニル)アミンを、淡褐色固体として得た(40mg、15%)。
【0143】
ES:366(M+H)
δ(CDCl):3.09(4H、m)、3.78(4H、m)、6.56(1H、dd)、6.71(1H、dd)、6.76−6.88(3H、m)、6.88−7.03(3H、m)、7.10−7.22(3H、m)、および7.83(1H、d)。
【0144】
実施例8:[5−(4−フルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(4−メチルピペリジン−1−イル)フェニル)−アミン
【化27】

【0145】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン(180mg、0.807mmol)、3−(4−メチルピペリジン−1−イル)アニリン(231mg、1.210mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム(0)(36.9mg、0.040mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(46.7mg、0.080mmol)および炭酸セシウム(526mg、1.614mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して(酢酸エチル:ヘキサン1:4)、[5−(4−フルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(4−メチルピペリジン−1−イル)フェニル)アミンを淡褐色固体として得た(80mg、26%)。
【0146】
ES:379(M+H)
δ(d−DMSO):2.21(3H、s)、2.45(4H、m)、3.09(4H、m)、6.48(1H、bd)、6.87(1H、d)、7.00(2H、m)、7.07(1H、t)、7.11−7.22(4H、m)、7.36(1H、dd)、7.97(1H、d)、および8.96(1H、s).
中間体3:2−クロロ−5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン
【化28】

【0147】
ジクロロメタン(80ml)中の2−クロロ−5−ヒドロキシピリジン(5.5gm、0.042mol)、3,4−ジフルオロフェニルボロン酸(10gm、0.063mol)、酢酸銅(II)(8.5gm、0.042mol)、トリエチルアミン(29.5mL、0.212mol)および粉末化された4Åの分子篩の混合物を、空気下に3日間撹拌した。この懸濁液をジクロロメタンで希釈し、濾過し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン3:7を用いて溶出させるシリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−クロロ−5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジンを無色の油状物として得た(5g、48%).
ES:242(M+H)
δ(d−DMSO):7.10(1H、m)、7.39(1H,m)、7.51(1H、dd)、7.55(1H、d)、7.59(1H、dd)、および8.26(1H、d).
実施例9:[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(3,4−ジフルオロフェニル)アミン
【化29】

【0148】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン(180mg、0.743mmol)、3,4−ジフルオロアニリン(144mg、1.11mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(35.0mg、0.037mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(43.0mg、0.074mmol)および炭酸セシウム(485mg、1.487mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して(酢酸エチル:ヘキサン3:7)、[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(3,4−ジフルオロフェニル)アミンをベージュ色の固体として得た(45mg、18%)。
【0149】
ES:335(M+H)
δ(d−DMSO):6.81(1H、m)、6.89(1H、d)、7.16(1H、m)、7.25−7.37(2H、m)、7.43(1H、dd)、7.46(1H、dd)、8.00(1H、m)、8.06(1H、d)、および9.40(1H、s)。
【0150】
実施例10:[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−アミン
【化30】

【0151】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン(180mg、0.743mmol)、4−フルオロ−3−メトキシアニリン(157mg、1.11mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(35.0mg、0.037mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(43.0mg、0.074mmol)および炭酸セシウム(485mg、1.487mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)により精製して、[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)アミンをベージュ色の固体として得た(55mg、21%)。
【0152】
ES:347(M+H)
δ(d−DMSO):3.82(3H、s)、6.81(1H、m)、6.88(1H、d)、7.08(1H、dd)、7.15(1H、m)、7.23(1H、m)、7.43(2H、d+dd)、7.51(1H、dd)、8.02(1H、d)、および9.17(1H、s)。
【0153】
実施例11:[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(3−フルオロ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)アミン
【化31】

【0154】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン(180mg、0.743mmol)、3−フルオロ−4−モルホリン−4−イルアニリン(219mg、1.11mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(35.0mg、0.037mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(43.0mg、0.074mmol)および炭酸セシウム(485mg、1.487mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)により精製して、[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(3−フルオロ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)アミンを黄色固体として得た(75mg、25%)。
【0155】
ES:402(M+H)
δ(d−DMSO):2.93(4H、m)、3.74(4H、m)、6.80(1H、m)、6.85(1H、d)、6.98(1H、t)、7.15(1H、m)、7.22(1H、br d)、7.37−7.48(2H、m)、7.77(1H、dd)、8.03(1H、d)、および9.19(1H、s)。
【0156】
実施例12:[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(2−メトキシエトキシ)−フェニル]アミン
【化32】

【0157】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン(200mg、0.826mmol)、3−(2−メトキシエトキシ)アニリン(207mg、1.239mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(38.0mg、0.041mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(47.8mg、0.082mmol)および炭酸セシウム(540mg、1.652mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)により精製して、[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(2−メトキシ−エトキシ)フェニル]アミンを褐色固体として得た(90mg、29%)。
【0158】
質量( ES+):373(M+H)
δ(d−DMSO):3.31(3H、s)、3.66(2H、m)、4.06(2H、m)、6.47(1H、dt)、6.81(1H、m)、6.91(1H、d)、7.10−7.20(3H、m)、7.38−7.48(3H、m)、8.05(1H、d)、および9.14(1H、s)。
【0159】
実施例13:[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−フェニル]アミン
【化33】

【0160】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン(180mg、0.743mmol)、3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)アニリン(248mg、1.11mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム(0)(35.0mg、0.037mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(43.0mg、0.074mmol)および炭酸セシウム(485mg、1.487mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して(ジクロロメタン:メタノール1:19)、[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)−フェニル]アミンを黄色油状物として得た(80mg、25%)。
【0161】
ES:428(M+H)
δ(d−DMSO):2.47(4H、m)、2.69(2H、m)、3.58(4H、m)、4.05(2H、m)、6.48(1H、m)、6.81(1H、m)、6.90(1H、d)、7.11−7.18(3H、m)、7.38−7.47(3H、br s+m)、8.04(1H、d)、および9.13(1H、s).
実施例14:[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(3−モルホリン−4−イルフェニル)アミン
【化34】

【0162】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン(180mg、0.743mmol)、3−モルホリン−4−イルアニリン(199mg、1.11mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(35.0mg、0.037mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(43.0mg、0.074mmol)および炭酸セシウム(485mg、1.487mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して(酢酸エチル:ヘキサン3:2)、[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(3−モルホリン−4−イルフェニル)アミンを褐色固体として得た(60mg、21%)。
【0163】
ES:384(M+H)
δ(d−DMSO):3.07(4H、m)、3.74(4H、m)、6.51(1H、br d)、6.80(1H、m)、6.89(1H、d)、7.10(1H、t)、7.15(2H、m)、7.26(1H、br s)、7.40(1H、dd)、7.38−7.46(1H、m)、8.01(1H、d)、および9.01(1H、s)。
【0164】
実施例:[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(4−メチルピペリジン−1−イル)フェニル]アミン
【化35】

【0165】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン(180mg、0.807mmol)、3−(4−メチルピペリジン−1−イル)アニリン(213mg、1.210mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(36.9mg、0.043mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(46.7mg、0.080mmol)および炭酸セシウム(526mg、1.614mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して(ジクロロメタン:メタノール9:1)、[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(4−メチルピペリジン−1−イル)フェニル]アミンをベージュ色の固体として得た(75mg、25%)。
【0166】
ES:397(M+H)
δ(d−DMSO):2.22(3H、s)、2.45(4H、m)、3.10(4H、m)、6.50(1H、br d)、6.80(1H、m)、6.88(1H、d)、7.08(1H、t)、7.10−7−18(2H、m)、7.22(1H、br s)、7.40(1H、dd)、7.39−7.46(1H、m)、8.01(1H、d)、および8.99(1H、s)。
【0167】
中間体4:[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]−ジメチルアミン
【化36】

【0168】
ジクロロメタン(80mL)中の2−クロロ−5−ヒドロキシピリジン(3.0gm、0.023mol)、3−(N,Nジメチルアミノ)−フェニルボロン酸(5.73gm、0.034mol)、酢酸銅(II)(4.62gm、0.023mmol)、トリエチルアミン(16.0mL、0.115mol)および粉末化された4Åの分子古いの混合物を、空気下で3日間撹拌した。この懸濁液をジクロロメタンで希釈し、濾過し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン3:7で溶出する知りか上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]ジメチルアミンを無色油状物として得た(1.7g、29%)。
【0169】
ES:249(M+H)
δ(d−DMSO):2.90(3H、s)、6.30(1H、dd)、6.44(1H、dd)、6.57(1H、dd)、7.21(1H、t)、7.46(1H、dd)、7.50(1H、d)、および8.18(1H、d)
実施例16:(3,4−ジフルオロフェニル)−[5−(3−(ジメチルアミノ)フェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン
【化37】

【0170】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]ジメチルアミン(180mg、0.722mmol)、3,4−ジフルオロアニリン(139mg、1.083mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム(0)(33.0mg、0.036mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(41.8mg、0.072mmol)および炭酸セシウム(470mg、1.445mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して(酢酸エチル:ヘキサン4:6)、(3,4−ジフルオロフェニル)−[5−(3−(ジメチルアミノ)−フェノキシ)ピリジン−2−イル]アミンを褐色油状物として得た(100mg、40%)。
【0171】
ES:342(M+H)
δ(d−DMSO):2.87(3H、s)、6.12(1H、d)、6.30(1H、br s)、6.42(1H、d)、6.84(1H、d)、7.09(1H、t)、7.18−7.35(2H、m)、7.37(1H、dd)、7.90−8.15(1H、m)、7.98(1H、d)、および9.30(1H、s)。
【0172】
実施例17:[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)アミン
【化38】

【0173】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]ジメチルアミン(180mg、0.722mmol)、4−フルオロ−3−メトキシアニリン(152.9mg、1.08mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(33.0mg、0.036mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(41.8mg、0.074mmol)および炭酸セシウム(470mg、1.445mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)により精製して、[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)アミンを、ベージュ色の固体として得た(60mg、24%)。
【0174】
ES:354(M+H)
δ(d−DMSO):2.85(6H、s)、3.80(3H、t)、6.12(1H、d)、6.30(1H、br s)、6.42(1H、d)、6.83(1H、d)、7.00−7.15(2H、m)、7.20(1H、m)、7.33(1H、dd)、7.47(1H、br d)、7.93(1H、d)、および9.05(1H、s)。
【0175】
実施例18:(2,4−ジフルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ]ピリジン−2−イル]アミン
【化39】

【0176】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]ジメチルアミン(180mg、0.722mmol)、2,4−ジフルオロ−3−メトキシアニリン(159.1mg、1.08mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(33.0mg、0.036mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(41.8mg、0.072mmol)および炭酸セシウム(470mg、1.445mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)により精製して、(2,4−ジフルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ]ピリジン−2−イル]アミンを褐色油状物として得た(60mg、23%)。
【0177】
ES:372(M+H)
δ(d−DMSO):2.83(6H、s)、3.91(3H、s)、6.11(1H、d)、6.29(1H、br s)、6.42(1H、d)、6.92(1H、d)、7.02(1H、br t)、7.08(1H、t)、7.34(1H、dd)、7.75(1H、m)、7.79(1H、d)、および8.68(1H、s)。
【0178】
実施例19:(2,4−ジフルオロ−5−メトキシフェニル)−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]アミン
【化40】

【0179】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]ジメチルアミン(170mg、0.682mmol)、2,4−ジフルオロ−5−メトキシアニリン(159.1mg、1.024mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(31.25mg、0.034mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(39.5mg、0.068mmol)および炭酸セシウム(444.8mg、1.365mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO4)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して(酢酸エチル:ヘキサン 3:7)、(2,4−ジフルオロ−5−メトキシフェニル)−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミンを褐色固体として得た(75mg、30%)。
【0180】
ES:372:(M+H)+:
δ(d−DMSO):2.85(6H、s)、3.80(3H、s)、6.22(1H、d)、6.30(1H、br s)、6.42(1H、d)、6.96(1H、d)、7.10(1H、t)、7.28(1H、t)、7.35(1H、dd)、7.90(1H、d)、7.97(1H、t)、および8.65(1H、br s).
実施例20:[5−(3−(ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(2−メトキシエトキシ)−フェニル)アミン
【化41】

【0181】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(8mL)中の[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]ジメチルアミン(200mg、0.826mmol)、3−(2−メトキシエトキシ)アニリン(400mg、1.606mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(73.5mg、0.080mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(92.9mg、0.160mmol)および炭酸セシウム(1046mg、3.212mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)により精製して、[5−(3−(ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イル]−[3−(2−メトキシエトキシ)フェニル)アミンを褐色油状物として得た(26mg、4.3%)。
【0182】
ES:380(M+H)
δ(d−DMSO):2.77(6H、s)、3.30(3H、s)、3.63(2H、m)、4.02(2H、m)、6.12(1H、d)、6.30(1H、br s)、6.42(2H、m)、6.85(1H、d)、7.10(3H、m)、7.32(1H、dd)、7.41(1H、br s)、7.91(1H、d)、および9.02(1H、br s).
実施例21:[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)フェニル]アミン
【化42】

【0183】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]ジメチルアミン(180mg、0.722mmol)、3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)アニリン(240mg、1.08mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(33.0mg、0.036mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(41.80mg、0.072mmol)および炭酸セシウム(470mg、1.445mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。該反応は、ジクロロメタン:メタノール(0.5:9.5)を移動相に用いたTLCによってモニターした。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して(ジクロロメタン:メタノール1:19)、[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イル]−[3−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)フェニル]アミンを黄色油状物として得た(85mg、27%)。
【0184】
ES:435(M+H)
δ(d−DMSO):2.46(4H、m)、2.66(2H、m)、2.90(6H、s)、3.58(4H、m)、4.02 (2H、m)、6.12(1H、d)、6.30(1H、br s)、6.43(2H、m)、6.85(1H、d)、7.02−7.18(3H、m)、7.34(1H、dd)、7.39(1H、br s)、7.95(1H、d)、および9.02(1H、br s).
中間体5:(3−ベンジロキシフェニル)−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イル]−アミン
【化43】

【0185】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(8mL)中の[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]ジメチルアミン(400.0mg、1.606mmol)、3−(ベンジロキシ)アニリン(478mg、2.480mol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム(0)(73.5mg、0.080mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(92.9mg、0.160mmol)および炭酸セシウム(1.046gm、3.212mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO4)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)により精製して、(3−ベンジロキシフェニル)−[5−(3ジメチルアミノ−フェノキシ)ピリジン−2−イル]アミンを褐色油状物として得(347mg、53%)、これを直接次の工程で用いた。
【0186】
ES:412(M+H)
中間体6:(3−ベンジロキシフェニル)−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イル]−メチルアミン
【化44】

【0187】
乾燥THF(5mL)中の(3−ベンジロキシフェニル)−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン(346mg、0.841mmol)の懸濁液を、0℃に5分間冷却した。水酸化ナトリウム(101mg、2.52mmol)を加え、次いでヨウ化メチルを加えた(0.6mL、8.418mmol)。この反応液を0℃で2時間撹拌した。該懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)により精製して、(3−ベンジロキシフェニル)−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−メチルアミンを固体として得(154mg、43%)、これを直接次の工程で用いた。
【0188】
ES 426 (M+H)
実施例22:3−{[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イル]メチルアミノ}フェノール
【化45】

【0189】
1,4−シクロヘキサジエン(0.5ml、5.435mmol)を、酢酸エチル(4mL)中の(3−ベンジロキシフェニル)−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−メチルアミン(154mg、0.362mmol)および水酸化パラジウム(II)(湿性、炭素上の20%、90mg)の懸濁液を加えた。この懸濁液を、250Wのマイクロ波照射の下で、密封管中において110℃で1時間過熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して(酢酸エチル:ヘキサン7:3)、3−{[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イル]メチル−アミノ}フェノールを固体として得た(20mg、17%)。
【0190】
ES:336(M+H)
δ(d−DMSO):2.90(6H、s)、3.40(3H、s)、6.08(1H、d)、6.30(1H、br s)、6.41(1H、d)、6.52−6.75(4H、m)、7.08(1H、t)、7.1−7.25(2H、m)、7.96(1H、d)、および9.50(1H、s)。
【0191】
実施例23:[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(3−メトキシフェニル)アミン
【化46】

【0192】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]ジメチルアミン(180mg、0.722mmol)、m−アニシジン(133mg、1.08mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(33.0mg、0.036mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(41.80mg、0.072mmol)および炭酸セシウム(470mg、1.445mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)により精製して、[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(3−メトキシ−フェニル)アミンを、ベージュ色の固体として得た(30mg、12%)。
【0193】
ES:336(M+H)
δ(d−DMSO):2.85(6H、s)、3.70(3H、s)、6.12(1H、d)、6.30(1H、br s)、6.42(2H,m)、6.86(1H、d)、7.00−7.20(3H、m)、7.34(1H、d)、7.36(1H、br s)、7.95(1H、d)、および9.03(1H、s)。
【0194】
実施例24:3−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イルアミノ]フェノール
【化47】

【0195】
1,4−シクロヘキサジエン(0.4ml、3.905mmol)を、酢酸エチル(3ml)中の(3−ベンジロキシフェニル)−[5−(3ジメチルアミノ−フェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン(107mg、0.260mmol)および水酸化パラジウム(II)(湿性、炭素上の20%、30mg)の懸濁液に加えた。この懸濁液を、250Wのマイクロ波照射の下に密封管内において110℃で1時間加熱した。該懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)により精製して、3−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イルアミノ]フェノールを褐色油状物として得た(70mg、84%)。
【0196】
ES:322(M+H)
δ(d−DMSO):2.85(6H、s)、6.12(1H、d)、6.28(2H、m)、6.42(1H、d)、6.86(1H、d)、6.97(2H、m)、7.08(1H、t)、7.21(1H、br s)、7.32(1H、dd)、7.93(1H、d)、8.92(1H、s)、および9.19(1H、s)。
【0197】
実施例25:ベンジル−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン
【化48】

【0198】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]ジメチルアミン(180mg、0.722mmol)、ベンジルアミン(116mg、1.08mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(33.0mg、0.036mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(41.80mg、0.072mmol)および炭酸セシウム(470mg、1.445mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して(酢酸エチル:ヘキサン3:7)、ベンジル−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミンを褐色油状物として得た(60mg、26%)。
【0199】
ES:320(M+H)
δ(d−DMSO):2.85(6H、s)、4.44(2H、d)、6.04(1H、d)、6.23(1H、br s)、6.38(1H、d)、6.54(1H、d)、7.03(2H、m)、7.10−7.40(6H、m)、および7.76(1H、d)。
【0200】
実施例26:[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)メチルアミン
【化49】

【0201】
乾燥THF(5mL)中の[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)アミン(100mg、0.282mmol)の懸濁液を、0℃に5分間冷却した。水素化ナトリウム(34mg、0.848mmol)を加え、続いてヨウ化メチル(0.2mL、2.82mmol)を加えた。該反応液を0℃で2時間撹拌した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して(酢酸エチル:ヘキサン 4:6)、[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)メチルアミンを黄色油状物として得た(70mg、67%)。
【0202】
ES:368(M+H)
δ(CDCl):2.92(6H、s)、3.43(3H、s)、3.86(3H、s)、6.20(1H、dd)、6.35(1H、br s)、6.41(1H、d)、6.47(1H、d)、6.77(1H、m)、6.86(1H、dd)、7.10(3H、m)、8.05(1H、d)。
【0203】
中間体7:N−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]アセタミド
【化50】

【0204】
ジクロロメタン(150mL)中の2−クロロ−5−ヒドロキシピリジン(3.62gm、0.0279mol)、3−アセタミドフェニルボロン酸(5.0gm、0.0279mol)、酢酸銅(II)(5.6gm、0.0279mmol)、トリエチルアミン(20.0mL、0.139mol)および粉末化された4Åの分子篩の混合物を、空気下で3日間撹拌した。該懸濁液をジクロロメタンで希釈し、濾過し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン9:1で溶出させるシリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、N−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]アセタミドを無色の油状物として得(4.7g、64%)、これを直接次の工程で使用した。
【0205】
ES:263(M+H)
中間体8:3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニルアミン
【化51】

【0206】
N−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]アセタミド(5.2gm)を、沸騰しているエタノール(24mL)中に溶解した。5分後に、該沸騰している反応混合物中に濃塩酸(11mL)を添加した。この反応混合物を3時間還流させた。該反応混合物を粉砕した氷の中に投入し、5%水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にし、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン1:1で溶出させるシリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニルアミンを無色の油状物として得(2.8g、64%)、これを直接次の工程で使用した。
【0207】
ES:221(M+H)
中間体9:4−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]モルホリン
【化52】

【0208】
トルエン(47ml)中の3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニルアミン(2.8gm、0.0127mol)、2−ブロモエチルエーテル(3.2mL、0.0254mol)、およびジイソプロピルエチルアミン(6.6mL、0.0381mmol)の混合物を、還流下で16時間撹拌した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、濾過し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン1:1で溶出させるシリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、4−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]モルホリンを無色の油状物として得た(0.85g、22%)。
【0209】
ES:291(M+H)
δ(d−DMSO):3.10(4H、m)、3.70(4H、m)、6.44(1H、d)、6.66(1H、br s)、6.77(1H、d)、7.23(1H、t)、7.46(2H、m)、および8.16(1H、d)。
【0210】
実施例27:(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−(3−モルホリン−4−イル−フェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン
【化53】

【0211】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の4−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]モルホリン(100mg、0.343mmol)、4−フルオロ−3−メトキシアニリン(72.8mg、0.515mol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(15.74mg、0.017mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(19.9mg、0.034mmol)および炭酸セシウム(224mg、0.685mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して、(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−(3−モルホリン−4−イル−フェノキシ)ピリジン−2−イル]アミンを褐色固体として得た(65mg、48%)。
【0212】
ES:396(M+H)
δ(d−DMSO):3.06(4H、m)、3.68(4H、m)、3.80(3H、s)、6.30(1H、d)、6.52(1H、br s)、6.63(1H、d)、6.83(1H、d)、7.05(1H、t)、7.15(2H、m)、7.34(1H、d)、7.45(1H、d)、7.91(1H、d)、および9.10(1H、br s)。
【0213】
実施例28:(2,4−ジフルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン
【化54】

【0214】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の4−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]モルホリン(100mg、0.343mmol)、2,4−ジフルオロ−3−メトキシアニリン(82.11mg、 0.515mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(15.7mg、0.017mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(19.9mg、0.034mmol)および炭酸セシウム(224mg、0.685mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO4)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して、(2,4−ジフルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミンを淡褐色固体として得た(91mg、64%)。
【0215】
質量:ES;414(M+H)
δ(d−DMSO):3.07(4H、m)、3.70(4H、m)、3.82(3H、s)、6.28(1H、d)、6.53(1H、br s)、6.64(1H、d)、6.95(1H、d)、7.03(1H、t)、7.14(1H、t)、7.35(1H、dd)、7.76(1H、m)、7.90(1H、d)、および8.69(1H、br s)。
【0216】
実施例29:(2,4−ジフルオロ−5−メトキシフェニル)−[5−(3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン
【化55】

【0217】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の4−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]モルホリン(100mg、0.343mmol)、2,4−ジフルオロ−5−メトキシアニリン(82.11mg、0.515mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(15.7mg、0.017mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(19.9mg、0.034mmol)および炭酸セシウム(224mg、0.685mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して、(2,4−ジフルオロ−5−メトキシフェニル)−[5−(3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミンを褐色油状物として得た(71mg、50%)。
【0218】
ES:414(M+H)
δ(d−DMSO):3.08(4H、m)、3.70(4H、m)、3.78(3H、s)、6.29(1H、d)、6.53(1H、br s)、6.65(1H、d)、6.97(1H、d)、7.15(1H、t)、7.27(1H、t)、7.35(1H、d)、7.90(1H、d)、および7.95(1H、t).
実施例30:(3−メトキシフェニル)−[5−(3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン
【化56】

【0219】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の4−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]モルホリン(200mg、0.689mmol)、m−アニシジン(127mg、1.03mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(31.5mg、0.034mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(39.8mg、0.068mmol)および炭酸セシウム(448mg、1.379mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製して、(3−メトキシフェニル)−[5− (3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミンを褐色固体として得た(55mg、21%)。
【0220】
ES:379(M+H)
δ(d−DMSO):3.06(4H、m)、3.68(4H、m)、3.70(3H、s)、6.29(1H、d)、6.42(1H、d)、6.52(1H、br s)、6.65(1H、d)、6.86(1H、d)、7.13(3H、m)、7.34(1H、d)、7.36(1H、s)、7.95(1H、d)、および9.04(1H、s).
中間体10:(3−ベンジロキシフェニル)−[5−(3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]−アミン
【化57】

【0221】
1,4−ジオキサン(4mL)中の4−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]モルホリン(190.0mg、0.653mmol)、3−(ベンジロキシ)アニリン(195mg、0.980mol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム(0)(29.9mg、0.040mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(37.8mg、0.080mmol)および炭酸セシウム(0.425gm、1.307mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製して、(3−ベンジロキシフェニル)−[5−(3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]−アミンを褐色油状物として得(180mg、61%)、これを直接次の工程で使用した。
【0222】
ES:454(M+H)
実施例31:3−[5−(3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミノ]フェノール
【化58】

【0223】
1,4−シクロヘキサジエン(0.55mL、5.957mmol)を、酢酸エチル(5mL)中の(3−ベンジロキシ−フェニル)−[5−(3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]−アミン(180mg、0.397mmol)および水酸化パラジウム(II)(湿性、炭素上の20%、110mg)の懸濁液に加えた。この懸濁液を、250Wのマイクロ波照射の下に密封管内において110℃で1時間加熱した。該懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。 有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)により精製して、3−[5−(3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミノ]フェノールを褐色固体として得た(42mg、29%)。
【0224】
ES:364(M+H)
δ(d−DMSO):3.06(4H、m)、3.70(4H、m)、6.28(2H、m)、6.52(1H、br s)、6.65(1H、d)、6.85(1H、d)、6.98(2H、m)、7.14(1H、t)、7.21(1H、br s)、7.32(1H、d)、7.94(1H、d)、8.91(1H、br s)、および9.18(1H、s).
中間体11:1−(3−ブロモフェニル)−4−メチルピペリジン
【化59】

【0225】
1,3−ジブロモベンゼン(20.4mL、0.169mol)、N−メチルピペリジン(6.19ml、0.055mol)および無水トルエン(160mL)を、乾燥アルゴンを充填したフラスコにシリンジで加えた。この溶液を完全に混合した後、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)(1.05g、0.0016mol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.512g、0.00055mol)を加え、アルゴンを再充填し、シリンジを介してDBU(20.6mL、0.138mol)を加えた。この反応混合物を60℃に加温した後、ナトリウムtert−ブトキシド(24.4g、0.254mol)を加えて反応を開始させた。飯能駅を100℃で一晩放置した。該懸濁液を、酢酸エチルおよび水の間で分配させた。水相を酢酸エチルで抽出し、合体させた有機層を1.6MのHClで洗浄した。この酸性溶液を1M・NaOHで塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール(19:1)で溶出させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、1−(3−ブロモフェニル)−4−メチルピペリジンを黄色油状物として得た(12.3g)。
【0226】
ES:256(M+H)
中間体12:3−(4−メチルピペリジン−1−イル)フェニルボロン酸
【化60】

【0227】
乾燥THF(51mL)中の1−(3−ブロモフェニル)−4−メチルピペリジン(3.0gm、0.011mol)の撹拌された混合物に、n−ブチルリチウムの2.6Mn−ヘキサン溶液(18.1mL、0.017mol)を、ドライアイス−アセトン浴で冷却しながら、−65℃〜−70℃において滴下により加えた。得られた混合物を同じ温度で1時間撹拌した。この反応混合物に、同じ温度でホウ酸トリイソプロピル(5.97mL、0.022mol)を滴下により加えた。ドライアイス浴を除去し、該混合物を室温にまで加温し、一晩撹拌した。該反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぎ、過剰の水を加えた。該混合物をジクロロメタンで抽出し、有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をジクロロメタン:メタノール(19:1)で溶出させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(4−メチルピペリジン−1−イル)フェニルボロン酸を黄色油状物として得た(1.3g)。
【0228】
ES:221(M+H)
中間体13:1−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]−4−メチルピペリジン
【化61】

【0229】
ジクロロメタン(12mL)中の2−クロロ−5−ヒドロキシピリジン(294mg、2.269mol)、3−(4−メチルピペリジン−1−イル)フェニルボロン酸(500mg、2.269mol)、酢酸銅(II)(453mg、2.269mol)、トリエチルアミン(1.5mL、11.34mol)および粉末化された4Åの分子篩の混合物を、空気下で3日間撹拌した。該懸濁液をジクロロメタンで希釈し、濾過し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール19:1で溶出させるシリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、1−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]−4−メチルピペリジンを無色の油状物として得た(350mg、51%)。
【0230】
ES:304(M+H)
δ(d−DMSO):2.22(3H、s)、2.45(4H、m)、3.16(4H、m)、6.43(1H、dd)、6.68(1H、br s)、6.79(1H、dd)、7.23(1H、t)、7.47(1H、dd)、7.50(1H、d)、および8.18(1H、d)。
【0231】
実施例32:(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−{5−[3−(4−メチルピペリジン−1−イル)フェノキシ]−ピリジン−2−イル}アミン
【化62】

【0232】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の1−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]−4−メチルピペリジン(200mg、0.658mmol)、4−フルオロ−3−メトキシアニリン(139.3mg、0.987mol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(30.14mg、0.032mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(38.09mg、0.065mmol)および炭酸セシウム(429mg、1.316mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して、(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−{5−[3−(4−メチルピペリジン−1−イル)フェノキシ]−ピリジン−2−イル}アミンを、褐色固体として得た(65mg、24%)。
【0233】
ES:409(M+H)
δ(d−DMSO):2.19(3H、s)、2.40(4H、m)、3.09(4H、m)、3.80(3H、s)、6.25(1H、d)、6.51(1H、br s)、6.64(1H、d)、6.82(1H、d)、7.04(1H、t)、7.12(1H、t)、7.19(1H、m)、7.33(1H、d)、7.47(1H、d)、7.93(1H、d)、および9.05(1H、br s)。
【0234】
中間体14:2−クロロ−5−(3−ピロリジン−1−イルフェノキシ)ピリジン
【化63】

【0235】
ジクロロメタン(20mL)中の2−クロロ−5−ヒドロキシピリジン(294mg、5.257mol)、3−(1−ピロリジニル)フェニルボロン酸(500mg、5.257mol)、酢酸銅(II)(453mg、5.257mol)、トリエチルアミン(5.3mL、26.285mol)および粉末化された4Åの分子篩(20mL)の混合物を、空気下で3日間撹拌した。該懸濁液をジクロロメタンで希釈し、濾過し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン(3:7)で溶出させるシリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−クロロ−5−(3−ピロリジン−1−イルフェノキシ)ピリジンを無色油状物として得た(340mg、24%)。
【0236】
ES:275(M+H)
δ(d−DMSO):1.92(4H、m)、3.20(4H、m)、6.20(1H、s)、6.21(1H、d)、6.36(1H、d)、7.15(1H、t)、7.43(2H、m)、8.15(1H、d)。
【0237】
実施例33:(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3−ピロリジン−1−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン
【化64】

【0238】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−5−(3−ピロリジン−1−イルフェノキシ)ピリジン(150mg、0.548mmol)、4−フルオロ−3−メトキシアニリン(116.1mg、0.822mol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(25.1mg、0.027mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(31.73mg、0.054mmol)および炭酸セシウム(357mg、1.096mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)により精製して、(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3−ピロリジン−1−イルフェノキシ)−ピリジン−2−イル]アミンを、ベージュ色の固体として得た(60mg、28%)。
【0239】
ES:380(M+H)
δ(d−DMSO):1.91(4H、m)、3.15(4H、m)、3.80(3H、s)、6.08(1H、d)、6.10(1H、br s)、6.25(1H、d)、6.82(1H、d)、7.05(1H、t)、7.07(1H、t)、7.19(1H、m)、7.33(1H、d)、7.48(1H、d)、7.92(1H、d)、および9.04(1H、s)。
【0240】
実施例34:(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3−ピロリジン−1−イル−フェノキシ)−ピリジン−2−イル]−メチルアミン
【化65】

【0241】
乾燥THF中の(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3−ピロリジン−1−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン(80mg、0.211mmol)の懸濁液を、0℃に5分間冷却した。水素化ナトリウム(25mg、0.634mmol)を加え、続いてヨウ化メチル(300mg、2.11mmol)を加えた。該反応液を0℃で2時間撹拌した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLC(酢酸エチル:ヘキサン2:3)で精製して、(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3−ピロリジン−1−イル−フェノキシ)−ピリジン−2−イル]−メチルアミンを固体として得た(60mg、71%)。
【0242】
ES:394(M+H)
δ(d−DMSO):1.93(4H、m)、3.18(4H、m)、3.38(3H、s)、3.82(3H、s)、6.05(1H、dd)、6.12(1H、t)、6.25(1H、d)、6.56(1H、d)、6.85(1H、m)、7.07(1H、t)、7.11(1H、dd)、7.18−7.28(2H、m)、および7.98(1H、d)。
【0243】
中間体15:2−(3−ブロモフェノキシ)−N,Nジメチルエタンアミン
【化66】

【0244】
ナトリウム(0.319gm、0.0138mole)をN,Nジメチルエタノールアミン(2.0g、0.0224mole)に加え、該混合物を加熱して還流させた。ナトリウムの溶解後、1,3−ジブロモベンゼン(5.2g、0.0224mol)を110℃で添加し、その後に臭化銅(I)(0.205g、0.0014mol)を加えると温度が150℃に上昇し、反応は1時間以内に完了した。反応混合物を室温にまで冷却し、水500mL中のシアン化ナトリウム(0.545g)の溶液を加えた。該混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール(19:1)で溶出させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−(3−ブロモフェノキシ)−N,Nジメチルエタンアミンを黄色固体として得た(2.0g、36%)。
【0245】
ES:245(M+H)
【0246】
中間体16:3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)フェニルボロン酸
【化67】

【0247】
2−(3−ブロモフェノキシ)−N,N−ジメチルエタンアミン(2.0gm、0.0081mol)の乾燥THF(34mL)中の撹拌溶液に、n−ブチルリチウムの2.6Mのn−ヘキサン溶液(12.7ml、0.0122mol)を、ドライアイス−アセトン浴上で冷却しながら、−65C〜−70Cにおいて滴下により添加した。該混合物を同じ温度で1時間撹拌した。この反応混合物に、ホウ酸トリイソプロピル(4.1mL、0.0180mol)を同じ温度で滴下により添加した。ドライアイス浴を除去し、該混合物を室温にまで加温させ、一晩撹拌した。この反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぎ、次いで過剰の水を加えた。該混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール(9:1)で溶出させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)フェニルボロン酸を黄色油状物として得た(0.78g、46%)。
【0248】
ES:210(M+H)
【0249】
中間体17:{2−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェノキシ]エチル}ジメチルアミン
【化68】

【0250】
ジクロロメタン(30mL)中の2−クロロ−5−ヒドロキシピリジン(0.48g、0.0037mol)、3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)フェニルボロン酸(078g、0.0037mol)、酢酸銅(II)(0.738g、0.0037mol)、トリエチルアミン(1.0mL、0.074mol)および粉末化された4Åの分子篩の混合物を、空気下で3日間撹拌した。 該懸濁液をジクロロメタンで希釈し、濾過し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、クロロメタン:メタノール(9:1)で溶出させるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、{2−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェノキシ]−エチル}ジメチルアミンを無色油状物として得た(0.164g、15%)。
【0251】
ES:293(M+H)
【0252】
実施例35:{5−[3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)フェノキシ]ピリジン−2−イル}−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)アミン
【化69】

【0253】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の{2−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェノキシ]エチル}ジメチルアミン(164mg、0.561mmol)、4−フルオロ−3−メトキシアニリン(118.5mg、0.842mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(25.6mg、0.028mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(32.4mg、0.056mmol)および炭酸セシウム(364mg、1.123mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して、{5−[3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)フェノキシ]ピリジン−2−イル}−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)アミンを無色油状物として得た(22mg、10%)。
【0254】
ES:398(M+H)
δ(d−DMSO):2.22(6H、s)、2.62(2H、m)、3.83(3H、s)、4.02(2H、m)、6.50(1H、br d)、6.52(1H、br s)、6.67(1H、br d)、6.88(1H、d)、7.08(1H、dd)、7.22(1H、m)、7.24(1H、t)、7.40(1H、dd)、7.51(1H、dd)、7.98(1H、d)、および9.10(1H、s)。
【0255】
中間体18:3−(2−モルホリノエトキシ)フェニルボロン酸
【化70】

【0256】
乾燥THF(34mL)中の[2−(3−ブロモフェノキシ)エチル]−モルホリン(2.0gm、0.0069mol)の撹拌された混合物に、n−ブチルリチウムの2.6Mのn−ヘキサン溶液(10.8mL、0.0104mol)を、ドライアイス−アセトン浴上で冷却しながら、−65C〜−70Cにおいて滴下により添加した。該混合物を同じ温度で1時間撹拌した。この反応混合物に、ホウ酸トリイソプロピル(3.54mL、0.0153mol)を同じ温度で滴下により添加した。ドライアイス浴を除去し、該混合物を室温にまで加温させ、一晩撹拌した。この反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぎ、次いで過剰の水を加えた。該混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール(19:1)で溶出させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(2−モルホリノエトキシ)フェニルボロン酸を黄色油状物として得た(1.3g、74%)。
【0257】
ES:252(M+H)
【0258】
中間体19:4−{2−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェノキシ]エチル}モルホリン
【化71】

【0259】
ジクロロメタン(60mL)中の2−クロロ−5−ヒドロキシピリジン(0.68g、0.0052mol)、3−(2−モルホリンo−エトキシ)フェニルボロン酸(1.3g、0.0052mol)、酢酸銅(II)(1.04g、0.0052mol)、トリエチルアミン(3.7mL、0.262mol)および粉末化された4Åの分子篩の混合物を、空気下で3日間撹拌した。該懸濁液をジクロロメタンで希釈し、濾過し、水および塩水で洗浄した。 有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、ジクロロメタン:メタノール(19:1)で溶出させるシリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、4−{2−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェノキシ]エチル}モルホリンを無色油状物として得た(1.14g、65%)。
【0260】
ES:335(M+H)
【0261】
実施例36:(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−{5−[3−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェノキシ]−ピリジン−2−イル}アミン
【化72】

【0262】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の4−{2−[3−(6−クロロピリジン−3−イルオキシ)フェノキシ]エチル}モルホリン(200mg、0.598mmol)、4−フルオロ−3−メトキシアニリン(126mg、0.898mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(27.2mg、0.029mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(34.5mg、0.059mmol)および炭酸セシウム(390mg、1.197mmol)の懸濁液を、80Cで2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して、(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−{5−[3−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェノキシ]−ピリジン−2−イル}アミンを褐色油状物として得た(36mg、14%)。
【0263】
ES:440(M+H)
δ(d−DMSO):2.44(4H、m)、2.66(2H、m)、3.55(4H、m)、4.05(2H、m)、6.50(1H、br d)、6.52(1H、br s)、6.67(1H、br d)、6.87(1H、d)、7.08(1H、m)、7.23(2H、m)、7.40(1H、dd)、7.50(1H、br d)、7.99(1H、d)、および9.10(1H、s)。
【0264】
中間体20:[3−(6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]ジメチルアミン
【化73】

【0265】
ジクロロメタン(100mL)中の2−クロロ−3−フルオロ−5−ヒドロキシピリジン(2.0gm、0.0136mol)、3−(N,Nジメチルアミノ)フェニルボロン酸(2.24gm、0.0136mol)、酢酸銅(II)(2.7gm、0.0136mmol)、トリエチルアミン(3.8mL、0.0272mol)および粉末化された4Åの分子篩の混合物を、空気下で3日間撹拌した。該懸濁液をジクロロメタンで希釈し、濾過し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン(3:7)で溶出させるシリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、[3−(6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]ジメチルアミンを無色油状物として得た(0.71g、20%)。
【0266】
ES:267(M+H)
【0267】
実施例37:[5−(3−(ジメチルアミノフェノキシ)−3−フルオロ−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)アミン
【化74】

【0268】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(5mL)中の[3−(6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]ジメチルアミン(200mg、0.751mmol)、4−フルオロ−3−メトキシアニリン(166mg、0.82mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(27.0mg、0.03mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(43mg、0.075mmol)および炭酸セシウム(538mg、1.65mmol)の懸濁液を、80Cで2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン(1:4)で溶出させるシリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、[5−(3−(ジメチルアミノフェノキシ)−3−フルオロ−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)アミンを褐色固体として得た(60mg、22%)。
【0269】
ES:372(M+H)
δ(d−DMSO):2.90(6H、s)、3.81(3H、s)、6.20(1H、d)、6.37(1H、br s)、6.49(1H、d)、7.08(1H、dd)、7.14(1H、t)、7.40(1H、m)、7.50(1H、dd)、7.60(1H、dd)、7.84(1H、d)、および8.82(1H、br s)。
【0270】
中間体21:N−[3−(6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]アセタミド
【化75】

【0271】
ジクロロメタン(50mL)中の2−クロロ−3−フルオロ−5−ヒドロキシピリジン(1.0gm、0.0068mol)、3−アセタミドフェニルボロン酸(1.22gm、0.0068mol)、酢酸銅(II)(1.35gm、0.0068mol)、トリエチルアミン(1.89mL、0.0136mol)および粉末化された4Åの分子篩(50mL)の混合物を、空気下で3日間撹拌した。該懸濁液をジクロロメタンで希釈し、濾過し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン(3:7)で溶出させるシリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、N−[3−(6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]アセタミドを無色油状物として得た(1.04g、55%)。
【0272】
ES:281(M+H)
【0273】
中間体22:3−(6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イルオキシ)フェニルアミン
【化76】

【0274】
N−[3−(6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]アセタミド(1.04gm)を、沸騰しているエタノール(10mL)中に溶解した。5分後に、沸騰している該反応混合物に濃塩酸(2.5mL)を加えた。該反応混合物を3時間還流させた。反応混合物を破砕された氷の中に注入し、5%水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にし、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン(3:2)で溶出させるシリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イルオキシ)フェニルアミンを無色油状物として得た(0.421g、48%)。
【0275】
ES:239(M+H)
【0276】
中間体23:4−[3−(6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]−モルホリン
【化77】

【0277】
トルエン(2.5mL)中の3−(6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イルオキシ)フェニルアミン(0.42gm、0.00176mol)、2−ブロモエチルエーテル(0.44mL、0.00352mol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.9mL、0.00528mol)の混合物を、還流下に16時間撹拌した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、濾過し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン(1:3)で溶出させるシリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、4−[3−(6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]−モルホリンを無色油状物として得た(0.263g、48%)。
【0278】
ES:309(M+H)
【0279】
実施例38:(2,4−ジフルオロ−5−メトキシ−フェニル)−[3−フルオロ−5−(3−モルホリン−4−イル−フェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン
【化78】

【0280】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の4−[3−(6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イルオキシ)フェニル]−モルホリン(150mg、0.485mmol)、2,4−ジフルオロ−5−メトキシアニリン(115mg、0.727mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(18mg、0.019mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(28mg、0.048mmol)および炭酸セシウム(348mg、1.068mmol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物をプレパラティブTLCで精製して、(2,4−ジフルオロ−5−メトキシ−フェニル)−[3−フルオロ−5−(3−モルホリン−4−イル−フェノキシ)ピリジン−2−イル]アミンを褐色油状物として得た(45mg、21%)。
【0281】
ES:432(M+H)
δ(d−DMSO):3.09(4H、m)、3.71(4H、m)、3.80(3H、s)、6.33(1H、d)、6.59(1H、br s)、6.70(1H、d)、7.18(1H、t)、7.32(1H、t)、7.36(1H、t)、7.76(1H、d)、および8.45(1H、br s).
中間体24:2−クロロ−3−フルオロ−5−(3−ピロリジン−1−イルフェノキシ)ピリジン
【化79】

【0282】
ジクロロメタン(20mL)中の2−クロロ−3−フルオロ−5−ヒドロキシピリジン(0.8gm、0.00544mol)、3−(1−ピロリジニル)フェニルボロン酸(1.03g、0.00544mol)、酢酸銅(II)(1.08g、0.00544mol)、トリエチルアミン(1.5mL、0.01088mol)および粉末化された4Åの分子篩(20mL)の混合物を、空気下で3日間撹拌した。該懸濁液をジクロロメタンで希釈し、濾過し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン(3:17)で溶出させるシリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−クロロ−3−フルオロ−5−(3−ピロリジン−1−イルフェノキシ)ピリジンを無色油状物として得た(0.41g、26%)。
【0283】
ES:293(M+H)
実施例39:(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[3−フルオロ−5−(3−ピロリジン−1−イル−フェノキシ)−ピリジン−2−イル]アミン
【化80】

【0284】
脱ガスされた1,4−ジオキサン(4mL)中の2−クロロ−3−フルオロ−5−(3−ピロリジン−1−イルフェノキシ)ピリジン(0.150g、0.51mol)、4−フルオロ−3−メトキシアニリン(0.107g、0.76mol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム(0)(0.018g、0.02mol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9ジメチルキサンテン(0.029g、0.05mol)および炭酸セシウム(0.367g、1.1mol)の懸濁液を、80℃で2日間加熱した。この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で溶出させるプレパラティブTLCで精製して、(4−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−[3−フルオロ−5−(3−ピロリジン−1−イル−フェノキシ)ピリジン−2−イル]アミンを淡黄色固体として得た(0.051g、25%)。
【0285】
ES:398(M+H)
δ(d−DMSO):1.93(4H、m)、3.19(4H、m)、3.80(3H、s)、6.15(2H、m)、6.30(1H、d)、7.05−7.15(2H、m)、7.40(1H、m)、7.48(1H、d)、7.60(1H、d)、7.84(1H、d)、および8.82(1H、br s)。
【0286】
実施例40:生物学的アッセイのためのストック溶液の調製
<Ab(1−42)製剤>
Aβ(1−42)HCl塩を、簡単な超音波処理およびボルテックシングを行いながらヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)中に溶解することにより、アミロイド凝集および毒性アッセイのためのAβ(1−42)を調製した。HFIP中のこのAβ(1−42)の溶液を、4℃において2mMで保存した。必要なときに、このストック溶液のアリコートを凍結乾燥し、必要な採集アッセイ濃度の200倍にDMSO中に溶解した(例えば、10μMの最終アッセイ濃度については2mM)。
【0287】
<化合物の製剤>
各試験化合物の20mMストック溶液をDMSO中で調製し、これら溶液のアリコートを使用して、DMSO中の各試験化合物の3μM〜10mMの濃度に亘る更なるストック溶液を調製した。これらのストック溶液は、必要なときに使用され且つ−20℃で保存されるものとして調製された(最大で3回の凍結−解凍サイクル)。該20mMの親ストック溶液は、−20℃で保存凍結された。
【0288】
実施例41:MTT還元を使用したアミロイド毒性についての細胞生存アッセイ
SH・SY5Y細胞を10μMのAβ(1−42)の毒性障害から保護する際の化合物の活性が、細胞生存の尺度としてMTT還元の阻害を使用することにより評価された。DMSO中の試験化合物(種々の濃度)のアリコート(3μL)を、294μLのOpti−Mem(2%FBS、1%Pen/Strep、1%L−Glnを含有){娘プレート}に加える。該ウエルは完全に混合される。次いで、Aβ(1−42)[2mM]のアリコート(3μL)を娘プレートのウエルに添加し、再度完全に混合される。次いで、50μLを吸引し、50μLの培地+SH・SY5Y細胞を含むウエルの中に分散させる(細胞はまた、〜30,000細胞/ウエル/50μLで、Opti−Mem中にプレーティングされる)。細胞上の化合物の最終濃度は[50μM]から[〜15nM]に亘り、Aβ(1−42)の最終濃度は[10μm]である。細胞プレートを24時間インキュベートし、次いでMTTアッセイ(Shearman、1999)を行う。簡単に言えば、15μLのMTT(臭化3−(4,5ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム)色素(プロメガ社から)を各ウエルに添加し、該プレートを5%COにおいて37℃で4時間インキュベートする。100μLの停止/可溶化溶液(プロメガ社から)を各ウエルに添加し、該プレートを室温で加湿された箱の中で一晩放置した。このプレートを震盪し、570nmおよび650nmの両方において吸光度を記録した。ΔA値は、非特異的バックグラウンド吸光度を低減するために、650nmでの吸光度を570nmでの吸光度から差し引くことにより計算された。等価な実験からのΔA値を平均し、細胞生存%を次のように決定した。
【0289】
細胞生存%= [ΔA(サンプル)−ΔA(死細胞対照)]×100%
[ΔA(生細胞対照)−ΔA(死細胞対照)]
生細胞対照:Opti−Mem中の1%DMSO
死細胞対照:細胞に添加された0.1%トリトンX−100
娘プレートは銀シールで密封し、チオフラビンTアッセイ(LeVine and Scholten 1999)のために、37℃で24時間および48時間インキュベートした。
【0290】
実施例42:チオフラビンTアッセイ
10μMのAβ(1−42)凝集の阻害における化合物の活性を、チオフラビンT蛍光アッセイを使用して評価した。各時点で娘プレートの各ウエルから50μLまたは100μLのアリコートを採取し、黒い96ウエルプレートの中に分散させた。等容積(50μLまたは100μL)のチオフラビンT(40μM)(グリシン緩衝液[50mM]−NaOH,pH.5)を各ウエルに加える。該プレートを震盪し、それぞれ440(±15)nmおよび485(±10)nmの励起フィルタおよび発光フィルタを使用し、トップ読取り設定(10×1秒)を用いて蛍光を記録した。等価な実験からの蛍光の読みを平均化し、次のようにしてアミロイド形成%を決定した。
【0291】
アミロイド形成%=[F(サンプル)−F(ブランク)]×100%
[F(アミロイド単独)−F(ブランク)]

【0292】
実施例43:チオフラビンT蛍光アッセイを使用した、10μMのAβ(1−42)凝集の阻害における化合物の活性
【表1】

【0293】
実施例44:細胞生存の尺度としてMTT還元の阻害を使用した、SH・SY5Y細胞を10μMのAβ(1−42)の毒性障害から保護する際の化合物の活性
【表2】

【0294】
LCMS(ES): 224(MH、100%)
【参考文献】
【0295】
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩もしくはプロドラッグ:
【化1】

ここで、
XおよびYは、独立にNRまたはOであり;
WおよびZは、独立に結合または(CHCH(R)(CHであり;
m=0−1、n=0−2であり;
Rは水素またはハロゲンであり;
およびRは、独立に、水素、ハロゲン、CF、CN、OR、NR10、NRCOR11、NRSO11、またはヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で任意に置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、CF、CN、OR、SRまたはSO11であり;
は、水素、ハロゲン、CF、OR、NR10、NRCOR11、NRSO11、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で時間されたC1−6アルキルであり;
は、水素、フッ素、C1−6アルキル、またはC1−6アルコキシであり;
は、水素、C1−6アルキル、フェニルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでの前記フェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OCFもしくはORから選択される1以上の置換基で置換され;
は、水素、または任意にフッ素、C1−6アルコキシもしくはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでの前記フェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OR、NR10もしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
10は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、フェニルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでの前記フェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、ORもしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
或いは、基RおよびR10は、それらが窒素原子に結合するときは、任意にNR、SおよびOから選択される一つの更なるヘテロ原子を含む5員環または6員環を形成してよく;
11は、任意にハロゲン、C1−6アルキル、CF、OCFもしくはORから選択される1以上の置換基で置換されたC1−6アルキルまたはフェニル基である。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって:
XおよびYは、独立にNRまたはOであり;
Wは、結合または(CHCH(R)(CHであり;
Zは結合であり;
Rは、水素またはフッ素であり;
およびRは、独立に水素、ハロゲン、CF、ORまたはNR10であり;
は、水素またはORであり;
は、水素、ハロゲン、CF、ORまたはNR10であり;
は、水素、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、フッ素、C1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルであり;
は、水素、または任意にNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでの前記フェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OR、NR10もしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
10は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、フェニルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでの前記フェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、ORもしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
或いは、基RおよびR10は、それらが窒素原子に結合されるときは一緒になって、任意にNR、SおよびOから選択される更なる一つのヘテロ原子を含む5員環もしくは6員環を形成してよく;
11は、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OCFもしくはORから選択される1以上の置換基で任意に置換されたC1−6アルキルまたはフェニル基であり;また
m=0、およびn=0〜1である化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物であって、それが
・3−[5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミノ]フェノール;
・(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
・[5−(4−フルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]− [3−(2−メトキシエトキシ)フェニル]アミン;
・[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)アミン;
・[5−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(2−メトキシエトキシ)−フェニル]アミン;
・(3,4−ジフルオロフェニル)−[5−(3−(ジメチルアミノ)フェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
・[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)アミン;
・(2,4−ジフルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ]ピリジン−2−イル]アミン;
・(2,4−ジフルオロ−5−メトキシフェニル)−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
・[5−(3−(ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(2−メトキシエトキシ)フェニル)アミン;
・3−{[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イル]メチルアミノ}フェノール;
・[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(3−メトキシフェニル)アミン;
・3−[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)ピリジン−2−イルアミノ]フェノール;
・[5−(3ジメチルアミノフェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)メチルアミン;
・(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−(3−モルホリン−4−イル−フェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
・(2,4−ジフルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
・(2,4−ジフルオロ−5−メトキシフェニル)−[5−(3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
・(3−メトキシフェニル)−[5− (3−モルホリン−4−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
・3−[5−(3−モルホリン−4−−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミノ]フェノール;
・(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3−ピロリジン−1−イルフェノキシ)ピリジン−2−イル]アミン;
・(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[5−(3−ピロリジン−1−イル−フェノキシ)−ピリジン−2−イル]−メチルアミン;
・[5−(3−(ジメチルアミノフェノキシ)−3−フルオロ−ピリジン−2−イル]−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)アミン;
・(2,4−ジフルオロ−5−メトキシ−フェニル)−[3−フルオロ−5−(3−モルホリン−4−イル−フェノキシ)ピリジン−2−イル]−アミン;または
・(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−[3−フルオロ−5−(3−ピロリジン−1−イル−フェノキシ)−ピリジン−2−イル]アミン
である化合物。
【請求項4】
式(Ia)の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩もしくはプロドラッグ:
【化2】

ここで、
XおよびYは、独立に、NRまたはOであり;
WおよびZは、独立に、結合または(CHCH(R)(CHであり;
m=0−1、n=0〜2であり;
およびRは、独立に、水素、ハロゲン、CF、OR、NR10、NRCOR11、NRSO11、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシまたはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、CF、OR、SRまたはSO11であり;
は、水素、ハロゲン、CF、OR、NR10、NRCOR11、NRSO11、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、フッ素、C1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキル、フェニル、またはC1−3アルキルフェニルであり、ここでのフェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OCFもしくはORから選択される1以上の置換基で置換され;
は、水素、または任意にNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでのフェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OR、NR10もしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
10は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、フェニルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでのフェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、ORもしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
或いは、RおよびR10は、それらが窒素原子に結合されるときは任意に、NR、SおよびOから選択される更なる一つのヘテロ原子を含む5員環または6員環を形成してよく;
11は、C1−6アルキル、または任意にハロゲン、C1−6アルキル、CF、OCFもしくはORから選択される1以上の置換基で置換されるフェニル基である。
【請求項5】
請求項4に記載の化合物であって:
およびRは、独立に、水素、ハロゲン、CF、ORまたはNR10であり;
は、水素、ORであり;
は、水素、ハロゲン、CF、ORまたはNR10であり;
は、水素、または任意にヒドロキシル、C1−6アルコキシもしくはNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、フッ素、C1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルであり;
は、水素、または任意にNR10で置換されたC1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでのフェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、OR、NR10もしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
10は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、フェニルまたはC1−3アルキルフェニルであり、ここでのフェニル基は任意に、ハロゲン、C1−6アルキル、CF、ORもしくはOCFから選択される1以上の置換基で置換され;
或いは、RおよびR10は、それらが窒素原子に結合するときは一緒になって、任意に更にNR、SおよびOから選択される一つのヘテロ原子を含む5員環または6員環を形成してよく;
11は、C1−6アルキル、または任意にハロゲン、C1−6アルキル、CF、OCFもしくはORから選択される1以上の置換基で置換されるフェニル基であり;
m=0、およびn=0〜1である。
【請求項6】
1以上の医薬的に許容可能なキャリアまたは賦形剤と共に、請求項1〜5の何れか1項に記載の化合物を含有する医薬組成物。
【請求項7】
アミロイド関連疾患の治療に使用するための、請求項1〜5の何れか1項に記載の化合物。
【請求項8】
請求項7に記載の化合物の使用であって、前記医薬が下記の治療のためのものである使用:
a)何れかの形態のアルツハイマー病(ADまたはFAD);
b)何れかの形態の温和な認識所言う該(MCI)または老人性痴呆;
c)ダウン症候群;
d)大脳アミロイド血管障害、封入体筋炎症(inclusion body myositis)、アミロイドーシスを伴う遺伝性大脳出血(HCHWA、オランダ型)、または年齢関連の黄斑変性;
e)前頭側頭骨痴呆(fronto−temporal dementia)
f)レーヴィ小体を備えた何れかの形態のパーキンソン病(PD)または痴呆
g)ハンチントン舞踏病(HD)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(dentatorubral pallidoluysian atrophy (DRPLA))、脊髄小脳失調(1、2、3、6および7型SCA)、脊柱・球状の筋萎縮症(SBMA(ケネディの疾病))または他のポリグルタミン疾病;
h)クロイツフェルトヤコプ病(CJD)、雌牛の牛海綿状脳症(BSE)、羊の中のスクレーピー、クールー、ゲルストマン−シュトロイスラー−シャインカー病(GSS)、致死性家族性不眠症、またはプリオン蛋白質の凝集に関係した他の伝染性脳症;
i)筋萎縮性側索硬化症(ALS)または運動ニューロン疾患の他の形式;
j)家族性の英国痴呆(FBD)または家族性のデンマーク痴呆(FDD);
k)アミロイドーシス(HCHWA(アイスランド型))を備えた遺伝的脳内出血;
l)タイプII糖尿病(成人発症型糖尿病、またはインスリン非依存性糖尿病、NIDDM);
m)透析関連のアミロイドーシス(DRA)または前立腺アミロイド;
n)原発性全身性アミロイドーシス、全身性ALアミロイドーシスまたは結節性ALアミロイドーシス;
o)ミエローマ関連アミロイドーシス;
p)全身性(反応性)AAアミロイドーシス、二次的全身性アミロイドーシス、慢性炎症性疾病または家族性地中海熱;
q)老人性全身性アミロイドーシス、家族性アミロイドポリニューロパシーまたは家族性心臓アミロイド;
r)家族性内臓アミロイドーシス、遺伝的非ニューロパシー全身性アミロイドーシス、または他のリゾチーム関連アミロイドーシス;
s)フィンランドの遺伝的全身性アミロイドーシス;
t)フィブリノーゲンα鎖アミロイドーシス;
u)インシュリン関連アミロイドーシス;
v)甲状腺の髄様癌;
w)孤立性の心房アミロイドーシス;
x)何れかの形態の白内障;および
y)特定の標的アミロイド形成タンパク質もしくはペプチドの、有毒の可溶のオリゴマー、プロトフィブリル、イオンチャネル、不溶性アミロイド繊維、プラークまたは封入体への折畳みエラーまたは凝集に関連した何れか他のアミロイド関連疾患。
【請求項9】
アミロイド関連疾患の治療のための方法であって、有効量の本発明の化合物または医薬組成物を患者に投与するステップを含んでなる方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記アミロイド関連疾患が請求項8に定義したうちの何れか一つである方法。

【公表番号】特表2010−540609(P2010−540609A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527531(P2010−527531)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【国際出願番号】PCT/GB2008/003359
【国際公開番号】WO2009/044160
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(508320594)セネクシス・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】