化粧品最終製剤における水溶性成分の保護のためのナノディスパージョンの使用
本発明は、化粧品最終製剤における、(a) 膜形成分子、(b) 共乳化剤、(c) 親油性成分、および(d) 酸化を受けやすい水溶性成分を含むナノディスパージョンの使用について記載する。前記ナノディスパージョンは、(α)成分(a)、(b)および(c)を均一な液体が得られるまで混合する工程(いわゆるナノディスパージョンプレフェーズ)、ならびに(β)工程(α)で得られた液体に、前記水溶性成分と場合により非水性極性有機溶媒とを含有する水または水相(不連続相)を加える工程により得ることができる。成分(d)は、好ましくはアスコルビン酸またはビタミンCである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、スティック、ジェル、クリーム、ローション、乳液、スプレー、エアロゾル、泡、ペースト、粉末、ラッカー、ペレットまたはメイクアップなどの化粧品最終製剤における、(a)膜形成分子、(b)共乳化剤、(c)親油性成分、および(d)例えば、アスコルビン酸などの酸化を受けやすい水溶性成分を含むナノディスパージョンの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品は、化粧品製剤の形成に関与する基本的物質に加えて、他の機能性活性物質を含む。これらは化粧品の基本製剤に加えられ、例えば、手入れ、保護、着色、清浄化、殺菌のために、皮膚に潤いを与えるために、および皮膚または毛髪を再生または活性化するために使用される。
【0003】
本発明の目的は、水溶性成分の、有酸素環境および水により引き起こされるそれ自体の劣化/分解に対する安定性を改善することである。
【0004】
本発明の好ましい実施形態は、アスコルビン酸を基礎とする。多くの特許および文献に、アスコルビン酸を安定化するための種々の方法が開示されている。
【0005】
例えば、EP-A-0 729 746には、2つの区画を有するキットを含むアスコルビン酸送達系が開示されている。第1の区画は、ポリオールなどの非水性極性溶媒中に溶解されたアスコルビン酸の無水溶液である。第2の区画はアルカリ性水溶液である。2つの区画の内容物は使用の直前に混合される。より多いアルカリ性水溶液が、無水アスコルビン酸を含有する溶液のpHを上げて、皮膚がヒリヒリしない組成物を提供する。
【0006】
U.S. 5,350,773には、ヒトおよび動物用の液体食品に使用する安定な液体製品が開示されている。この組成物は、分散相として非極性脂肪物質を、連続相として極性非水性溶媒を含む無水エマルションの形である。
【0007】
U.S. 5,427,814には、アスコルビン酸を非極性溶媒に混合し、この混合物を、加熱したトコフェロールとレシチンの混合物に加えることにより、脂肪を酸化から保護する方法が開示されている。
【0008】
U.S. 5,308,621には、アスコルビン酸の経皮投与の方法が開示されている。微細に粒子化したアスコルビン酸をポリオールなどの製薬上許容される担体に懸濁する。
【0009】
EP-A-0 755 674には、ポリオールおよび油に加えて最小量の水を含有する安定化されたアスコルビン酸組成物が開示されている。
【0010】
U.S. 5,587,149には、分散相としてポリオール中に可溶化されたアスコルビン酸を、また連続相として油を含むアスコルビン酸エマルション組成物が開示されている。
【0011】
しかしながら、上記の特許はいずれも、高濃度のアスコルビン酸が組成物中に可溶化され、長期間にわたって安定に維持される、化粧品への応用に適した安定な無水アスコルビン酸含有組成物を開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】EP-A-0 729 746
【特許文献2】U.S. 5,350,773
【特許文献3】U.S. 5,427,814
【特許文献4】U.S. 5,308,621
【特許文献5】EP-A-0 755 674
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで、本発明は、化粧品最終製剤における、
(a) 膜形成分子、
(b) 共乳化剤、
(c) 親油性成分、および
(d) 酸化を受けやすい水溶性成分
を含むナノディスパージョンの使用を提供する。前記ナノディスパージョンは、(α)成分(a)、(b)および(c)を均一な液体が得られるまで混合する工程(いわゆるナノディスパージョンプレフェーズ)、ならびに(β)工程(α)で得られた液体に、前記水溶性成分と場合により非水性極性有機溶媒とを含有する水または水相(不連続相)を加える工程により得ることができる。
【0014】
好ましくは、成分(d)はアスコルビン酸またはビタミンCである。
【0015】
特に興味深いのは、非水性極性有機溶媒がポリオール、ホモポリマー液体エーテルまたはブロックコポリマー液体エーテルであるナノディスパージョンの使用である。
【0016】
好ましくは、工程(α)は無水媒体中で実施し、工程(β)は均質化を行わずに実施する。
【0017】
最も好ましくは、ナノディスパージョン中の粒子は、100 nm未満の平均直径を有する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好ましい実施形態の一つは、水溶性活性成分、例えば、アスコルビン酸と別の抗酸化剤(成分(e))を組み合わせることである。
【0019】
好ましくは、成分(e)は、炭素架橋ヒンダードフェノール、エステル架橋ヒンダードフェノール、アミド架橋ヒンダードフェノール、ヒンダードフェノールのラクトン、立体障害性オキシルアミンおよび立体障害性ヒドロキシルアミンからなる群より選択される。
【0020】
好ましい抗酸化剤(成分(e))は、式(1)、(2)および/または(3):
【化1】
[式(1)、(2)および(3)において、
G1は、水素;C1〜C22アルキル;C1〜C22アルキルチオ;C2〜C22アルキルチオアルキル;C5〜C7シクロアルキル;フェニル;C7〜C9フェニルアルキル;またはSO3Mであり;
G2は、C1〜C22アルキル;C5〜C7シクロアルキル;フェニル;またはC7〜C9フェニルアルキルであり;
Eは、オキシルまたはヒドロキシルであり;
Qは、-CmH2m-;
【化2】
;-CmH2m-NH;式
【化3】
の基であり;
Tは、-CnH2n-;-(CH2)n-O-CH2-;フェニレン;
【化4】
;または式(1C)
【化5】
の基であり;
Vは、-O-;または-NH-であり;
aは、0;1;または2であり;
b、cおよびdおよびgは、それぞれ、互いに独立して、0または1であり;
eは、1〜4の整数であり;
fは、1〜3の整数であり;
m、nおよびpは、それぞれ、互いに独立して、1〜3の整数であり;
qは、0または1〜3の整数であり;
e = 1である場合、または式(3)において、
G3は、水素;C1〜C22アルキル;C5〜C7シクロアルキル;C1〜C22アルキルチオ;C2〜C22アルキルチオアルキル;C2〜C18アルケニル;C1〜C18フェニルアルキル;M;SO3M;式
【化6】
の基であり;
または、G3は、OHおよび/またはC2〜C22アルカノイルオキシにより置換されたプロピルであり;
Mは、アルカリ;アンモニウム;Hであり;
e = 2である場合、
G3は、直接結合;-CH2-;
【化7】
;または-S-であり;または、G3は、OHまたはC2〜C22アルカノイルオキシにより置換されたプロピルであり;
e = 3である場合、
G3は、式(1g)、(1h)、(1i)または(1k)
【化8】
の基であり;
e = 4である場合、
G3は、
【化9】
であり;
G4およびG5は、それぞれ、互いに独立して、水素;またはC1〜C22アルキルである]
の化合物およびそれらの酸付加塩;
および式(16)、(18)、(20)、(21)、(22)、(23):
【化10】
の化合物である。
【0021】
最も好ましくは、成分(e)は、式AまたはB
【化11】
[式中、Mは、水素またはナトリウムである]
の化合物である。
【0022】
これらの式AおよびBの2つの化合物は、Ciba Specialty Chemicals Inc.より市販されている。Tinogard AO6 (RTM)は、式Aの化合物である。Tinogard TT (RTM)は、式Bの化合物である。
【0023】
場合により、さらに別の親水性または親油性抗酸化剤を使用することができる。
【0024】
このような別の親水性または親油性抗酸化剤の例は、次の通りである。
【0025】
- トコフェロール(α、β、γ、δ異性体)、および一般式
H(CH2)n(CHR)COOH (1)
CH3(CH2)mCH=CH(CH2)nCOOH (2)
[式中、Rは水素原子またはOH基であり、m、nは0〜22の整数であり、m+nの合計は最大で22である]で表される酸とのそのエステル;
【0026】
- 1つの不飽和脂肪鎖を含むトコトリエノール(α、β、γ、δ異性体)、およびその酸エステル(its esters of acids);
【0027】
- アスコルビン酸のエステル、例えば、リン酸エステル、ならびにナトリウム、カリウム、リチウムおよびマグネシウム塩、テトライソパルミチン酸アスコルビル、さらにピロリドンカルボン酸とのエステル、および一般式:
H(CH2)n(CHR)COOH (3)
CH3(CH2)mCH=CH(CH2)nCOOH (4)
[式中、Rは水素原子またはOH基であり、m、nは、0〜20の整数であり、m+nの合計は最大で21である]で表される酸のエステル;
【0028】
- レチノイドは、皮膚においてビタミンAの生物活性を有するすべての天然および/または合成のビタミンA類似物またはレチナール様化合物、ならびにこれらの化合物の幾何異性体および立体異性体を含む。好ましい化合物は、レチナール、レチノールエステル(例えば、レチナールのC2〜C22アルキルエステル(飽和または不飽和アルキル鎖))であり、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール、プロピオン酸レチノール、レチナール、および/またはレチノイン酸(すべてのトランスレチノイン酸および/または13-cis-レチノイン酸を含む)または誘導体を含む。本発明に有用な他のレチノイドは、例えば、U.S. 4,677,120;U.S. 4,885,311;U.S. 5,049,584またはU.S. 5,124,356に記載されている。他の好適なレチノイドは、レチノイン酸トコフェロール(レチノイン酸のトコフェロールエステル(トランスまたはシス))アダパレン(6-(3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル)-2-ナフトエ酸)およびタザロテン(6-[2-(4,4-ジメチルチオクロマン-6-イル)-エチニル]ニコチン酸エチル)である;
【0029】
- カロテノイド、例えば、α-、β-、δ-、およびδ-カロテン、ルテイン、キサントフィル、ゼアキサンチン、ビオラキサンチン、クリプトキサンチン、フコキサンチン、アンテラキサンチン、リコペン、ジデヒドロリコペンおよびテトラデヒドロリコペンカロテノイド;
【0030】
- 酵素的抗酸化剤、例えば、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ;
【0031】
- ユビキノンおよびイデベノン(ヒドロキシデシルユビキノン)、ユビキノールおよびその誘導体;
【0032】
- リポ酸およびその誘導体、例えば、アルファ-リポ酸;
【0033】
- ルチン酸(rutinic acid)およびその誘導体、例えば、α-グルコシルルチン、水溶性フラボノイド、ルチン水和物(ビタミンP);
【0034】
- 植物抽出物、例えば、白茶および緑茶抽出物、チコリ葉抽出物(キクニガナ(cichorium intubybus))、トケイソウ抽出物(チャボトケイソウ(passiflora incarnate))、ルイボス(aspalathus linearis)抽出物、ローズマリー抽出物、カエデ科カエデの木(aceraceae maple tree)またはバラ科桜の木(rosaceae cherry tree)の赤葉抽出物、ウコン(curcuma longa L)(クルクミノイド活性成分)、エーデルワイス(leontopodium alpinum)抽出物、アンマロク(emblica officinalis)(phyllanthus emblica)木抽出物;
【0035】
- フェノール酸、例えば、コーヒー酸、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸;
【0036】
- フラボノイドおよびポリフェノール、例えば、非置換フラバノン、一置換フラバノン、およびそれらの混合物からなる群より選択されるフラバノン;非置換カルコン、一置換カルコン、二置換カルコン、三置換カルコン、およびそれらの混合物からなる群より選択されるカルコン、非置換フラボン、一置換フラボン、二置換フラボン、およびそれらの混合物からなる群より選択されるフラボン;または他のイソフラボン;非置換クマリン、一置換クマリン、二置換クマリン、およびそれらの混合物からなる群より選択されるクマリン;フラボノール、アントシアニン、カテキン、プロアントシアニジン(ブドウ種子抽出物);例えば、U.S. 5,686,082またはU.S. 5,686, 367に広く開示されるフラボノイドも、使用することができる;
【0037】
- クロロゲン酸およびフェルラ酸。
【0038】
好ましくは、別の親水性または親油性抗酸化剤は、トコフェロールおよびその各種酸とのエステル、トコトリエノールおよびその各種酸とのエステル、アスコルビン酸エステル、レチノイド、カロテノイド、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、ユビキノンおよびイデベノン、リポ酸およびその誘導体、ルチン酸およびその誘導体、フェノール酸、フラボノイドおよびポリフェノール、クロロゲン酸およびフェルラ酸からなる群より選択される。
【0039】
好ましくは、成分(e)(別の親水性または親油性抗酸化剤)と成分(d)(例えば、アスコルビン酸などの水溶性成分)の重量比は、1:100〜10:1である。
【0040】
これらの物質が所望の部位において効果を有するためには、それらを、いわゆる担体および輸送ビヒクル(輸送系)により、それぞれの部位、例えば、皮膚の表面、粘膜、爪、歯のエナメル質または毛髪に、ならびに皮膚の表皮領域および真皮領域に輸送しなければならない。この目的で、多くの化粧品活性物質、例えば、水溶性ビタミン、アミノ酸群または水溶性メラニンが、リポソームに封入されている。膜および膜形成分子の物理的および化学的性質のために、従来の化粧品製剤における前記輸送系の使用は厳しく制限される。
【0041】
従来の構造を有する膜は、両親媒性物質により非常に影響を受けやすい。両親媒性物質は、イオノゲン性または非イオノゲン性乳化剤、脂肪アミン、両性乳化剤、洗浄性界面活性剤、増粘剤または保存剤などであり、多くの化粧品の基礎成分を形成し、またはいわゆる活性物質または賦形剤として化粧品最終製剤中に存在する。膜の構造はこのような物質の存在下で変化し、その結果、調製中に添加される輸送系が破壊される可能性がある。
【0042】
通常の膜は、酸および塩基の攻撃にも曝される。そこで、例えば、リン脂質を含有する輸送系は、約pH 6.5のいわゆるpH最適条件の範囲でしか使用することができない。pHが低下または上昇すると、膜形成分子が加水分解される。
【0043】
驚くべきことに、今回、適切な組成のナノディスパージョンを、非常に簡単な方法により、それらの形態学的および物理化学的性質を保持したままで、両親媒性物質の存在下で幅広いpH範囲の化粧品最終製剤に組み込むことができることが見出された。
【0044】
別の方法は、成分(a)の水和速度を速め(fasten)および改善するために、成分(a)を非水性極性有機溶媒のみを含む非連続相に混合するというものである。この場合には、70〜80℃の最適温度において20〜30分間加熱することが必要であり、次いで室温に冷却した後、水溶性活性物質を加える。その後、穏やかに撹拌しながら、不連続層を連続相(成分(b)および(c))に少しずつ加える。
【0045】
前記方法を特徴とするナノディスパージョンは、300 nm未満の、典型的には100 nm未満の、最も好ましくは10 nm〜80 nmの範囲の平均直径を有する粒子を含有する。分布は単分散であり、ガウス分布に一致する。
【0046】
成分(a)、(b)、(c)および(d)、ならびに場合により例えば成分(e)などの別の成分を含むナノディスパージョンの好ましい使用態様において、成分(a)は、いわゆる二重層を形成するのに適した物質であり、成分(b)は好ましくはW/O構造を形成する物質であり、成分(c)は通常化粧品に使用される親油性の機能性活性物質である。
【0047】
ナノディスパージョンは、好ましくは、成分(a)として、リン脂質、水和もしくは部分水和したリン脂質、リゾリン脂質、セラミド、またはこれらの混合物を含有する。
【0048】
特に好ましいリン脂質は、式1:
【化12】
[式中、
R1は、C10〜C20アシルであり;
R2は、水素またはC10〜C20アシルであり;
R3は、水素、2-トリメチルアミノ-1-エチル(レシチンとも呼ばれる)、2-アミノ-1-エチル;非置換の、または1個または数個のカルボキシ、ヒドロキシまたはアミノ基により置換されたC1〜C5アルキル;イノシトールまたはグリセリル基である]
のリン脂質、またはこれらの式1の化合物の塩である。
【0049】
C10〜C20アシルは、好ましくは、偶数個の炭素原子を有する直鎖C10〜C20アルカノイルならびに二重結合および偶数個の炭素原子を有する直鎖Cl0〜C20アルケノイルである。
【0050】
偶数個の炭素原子を有する直鎖C10〜C20アルカノイルは、例えば、n-ドデカノイル、n-テトラデカノイル、n-ヘキサデカノイルまたはn-オクタデカノイルである。
【0051】
二重結合および偶数個の炭素原子を有する直鎖Cl0〜C20アルケノイルは、例えば、6-cis-もしくは6-trans-、9-cis-もしくは9-trans-ドデセノイル、-テトラデセノイル、-ヘキサデセノイル、-オクタデセノイルまたは-エイコセノイル、好ましくは、9-cis-オクタデセノイル(オレオイル)、ならびに9,12-cis-オクタデカジエノイルまたは9,12,15-cis-オクタデカトリエノイルである。
【0052】
R3が2-トリメチルアミノ-1-エチルである式(1)のリン脂質を、慣用名でレシチンと呼び、R3が2-アミノ-1-エチルである式(1)のリン脂質を、慣用名でセファリンと呼ぶ。好適なものは、例えば、天然のセファリンまたはレシチン、例えば、ダイズまたは鶏卵から得られる、異なるまたは同一のアシル基を有するセファリンまたはレシチン、またはそれらの混合物である。
【0053】
式(1)のリン脂質は合成されたものであってもよい。「合成リン脂質」という表現は、R1およびR2に関して均一な組成を有するリン脂質を定義するために使用される。このような合成リン脂質は、好ましくは、アシル基R1およびR2が定義された構造を有し、約95%よりも高い純度を有する定義された脂肪酸から誘導される、上に定義したレシチンおよびセファリンである。R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよく、また、不飽和であっても飽和であってもよい。好ましくは、R1は、例えば、n-ヘキサデカノイルのように飽和であり、R2は、例えば、9-cis-オクタデセノイル(オレオイル)のように不飽和である。
【0054】
「天然の」リン脂質という表現は、R1およびR2に関して均一な組成を有しないリン脂質を意味する。このような天然のリン脂質も同様に、アシル基R1およびR2が天然の脂肪酸混合物に由来するレシチンおよびセファリンである。
【0055】
「実質的に純粋な」式(1)のリン脂質という要件は、90重量%よりも高い純度、好ましくは95重量%よりも高い純度の式(1)のリン脂質を意味する。これは、適切な測定方法、例えば、ペーパークロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、HPLCまたは酵素発色試験(enzymatic colour testing)により証明することができる。
【0056】
式(1)のリン脂質において、C1〜C4アルキルであると定義されるR3は、例えば、メチルまたはエチルである。メチルが好ましい。
【0057】
1個または数個のカルボキシ、ヒドロキシまたはアミノ基により置換されたC1〜C5アルキルであると定義されるR3は、例えば、2-ヒドロキシエチル、2,3-ジヒドロキシ-n-プロピル、カルボキシメチル、1-もしくは2-カルボキシエチル、ジカルボキシメチル、2-カルボキシ-2-ヒドロキシエチルもしくは3-カルボキシ-2,3-ジヒドロキシ-n-プロピル、3-アミノ-3-カルボキシ-n-プロピルまたは2-アミノ-2-カルボキシ-n-プロピルであり、好ましくは2-アミノ-2-カルボキシエチルである。
【0058】
これらの基を有する式(1)のリン脂質は、塩の形、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩として存在し得る。
【0059】
R3がイノシトールまたはグリセリル基である式(1)のリン脂質は、ホスファチジルイノシトールおよびホスファチジルグリセロールの名称で知られている。
【0060】
式(1)のリン脂質におけるアシル基は、下記の括弧に示す慣用名でも知られている:
9-cis-ドデセノイル(ラウロレオイル)、9-cis-テトラデセノイル(ミリストレオイル)、9-cis-ヘキサデセノイル(パルミトレオイル)、6-cis-オクタデセノイル(ペトロセロイル)、6-trans-オクタデセノイル(ペトロセライドイル)、9-cis-オクタデセノイル(オレオイル)、9-trans-オクタデセノイル(エライドイル)、9,12-cis-オクタデカジエノイル(リノレオイル)、9,12,15-cis-オクタデカトリエノイル(リノレノイル)、11-cis-オクタデセノイル(バセノイル)、9-cis-エイコセノイル(ガドレオイル)、5,8,11,14-cis-エイコサテトラエノイル(アラキドノイル)、n-ドデカノイル(ラウロイル)、n-テトラデカノイル(ミリストイル)、n-ヘキサデカノイル(パルミトイル)、n-オクタデカノイル(ステアロイル)、n-エイコサノイル(アラキドイル)、n-ドコサノイル(ベヘノイル)、n-テトラコサノイル(リグノセロイル)。
【0061】
式(1)のリン脂質の塩は、好ましくは化粧品として許容可能な塩である。塩は、置換基R3における塩形成基の存在およびリン原子上の遊離ヒドロキシル基により決定される。分子内塩の形成も可能である。アルカリ金属塩、特にナトリウム塩が好ましい。
【0062】
本発明の特に好ましい実施形態においては、品質LIPOID S 100またはS 75のダイズを原料とする精製レシチン、またはモノグラフUSP23/NF 18に定義されたレシチンを使用する。
【0063】
成分(a)は、好ましくは、成分(a)、(b)、(c)および(d)の総重量を基準として、約0.1〜30 重量%の濃度で使用される。
【0064】
好ましくは、成分(b)は、好ましいW/O構造を形成する乳化剤または乳化剤混合物である。好ましくは、ナノディスパージョンは、成分(b)として、少なくとも1種のシロキサンもしくは有機シロキサン型の乳化剤(例えばU.S. 5,411,744もしくはUS-A-2001/0007653A1に記載されるものなど)、または1種のソルビタン誘導体型乳化剤(例えば、エトキシ化されていないエステル、例えば、オレイン酸ソルビタン、ラウリン酸ソルビタンもしくはステアリン酸ソルビタン、およびエトキシ化されているもの、例えば、ポリソルベート(Polysorbate)20 (RTM)、ポリソルベート40 (RTM)、ポリソルベート60 (RTM)、ポリソルベート80 (RTM))、ならびに/または、特に、従来のW/O乳化剤型(例えば、下に記載されるもの)、またはこれらの物質の混合物を含有する。
【0065】
シロキサンまたは有機シロキサン型に関して、好ましい乳化剤は、シロキサン乳化剤/界面活性剤構造を有するものであって、W/O配向型であってよく、室温で液体または固体であってよく、好ましくは2〜6のHLB値を有する非イオン性乳化剤でなければならない。
【0066】
本発明に使用される高分子有機シロキサン乳化剤は、下記の一般式のいずれかを有し得る:
【化13】
[式中、LPは親油性基であり、HPは親水性基であり、
xは、0〜5000であり、
yは、0〜5000であり、
zは、0〜5000であり、ただし、有機シロキサンは少なくとも1個の親水性基および少なくとも1個の親油性基を有する]。
【0067】
本発明の組成物において成分(b)として使用するのに適した別のタイプの好ましいシロキサン乳化剤は、式2:
【化14】
[式中、
mは、1〜20の数であり、
nは、0〜500の数であり、
pは、0〜50の数であり、
R1は、C1〜C30アルキルまたはフェニルであり、
R2は、-CcH2c-(OC2H4)a-(OC3H6)b-(OC4H8)d-R3であり、
R3は、水素、ヒドロキシ、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C12アルキル、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルコキシ、直鎖もしくは分枝鎖C2〜C12アシルオキシ、-NHCH2CH2COOM、-NHCO(CH2)d-COOM、C1〜C30-カルボキシアシル、-NHCO(CH2)d-OHまたは-NH3Yであり、
Mは、水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムまたは有機アンモニウムであり、
Yは、クロロ、ブロモ、硫酸アニオン(sulfate)またはカルボン酸アニオン(carboxylate)などの1価の有機または無機アニオンであり、
aは、0〜100の数であり、
bは、0〜50の数であり、
cは、0〜5の数であり、
dは、0〜10の数である]
の化合物である。
【0068】
カルボン酸アニオンは、例えば、酢酸アニオン(acetate)、乳酸アニオン(lactate)またはクエン酸アニオン(citrate)である。
【0069】
これらの化合物は、オキシアルキレン化有機修飾シリコーンである。使用される他の種類は、PEG/PPGジメチコン(ジメチコンコポリオール)または乳化に必要な界面活性特性を明白に示すシリコーンポリエーテルである。
【0070】
好ましいシリコーン乳化剤は、式3:
【化15】
[式中、
nは、1〜500の数であり、
Rは、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C30アルキル基またはフェニル基であり、
R2は、-CcH2c-(OC2H4)a-(OC3H6)b-(OC4H8)d-R3であり、
R3、a、b、cおよびdは、先に記載したものと同じ意味を有する]
の化合物である。
【0071】
W/Si乳化剤の非網羅なリストを以下に示す。
【0072】
オキシアルキレン化有機修飾シリコーン:
PEG/PPGジメチコンおよびシリコーンポリエーテル
ビス-PEG/PPG-14/14ジメチコン
ビス-PEG/PPG-20/20ジメチコン
ビス-PEG/PPG-16/16 PEG/PPG-16/16ジメチコン
ビス-PEG-15メチルエーテルジメチコン
ビス(PPG-7ウンデセネス-21)ジメチコン
セチルPEG/PPG-15/15ブチルエーテルジメチコン
セチルPEG/PPG-7/3ジメチコン
セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン
ジメチコンコポリオール
ジメチコンPEG-8アジペート
ジメチコンPEG-7アボカドエート(avocadoate)
ジメチコンPEG-8アボカドエート
ジメチコンPEG-8蜜ろう
ジメチコンPEG-nエステル
ジメチコン/PEG-10クロスポリマー
ジメチコン/PEG-15クロスポリマー
ジメチコン/PEG-7ホスフェート
ジメチコン/PEG-nホスフェート
ジメチコンPEG/PPG-7/4ホスフェート
ジメチコンPEG/PPG-12/4ホスフェート
ジメチコンPEG-7ウンデシレネート
ラウリルメチコンコポリオール
PEG-10ジメチコンクロスポリマー
PEG-12ジメチコンクロスポリマー
PEG-10ラウリルジメチコンクロスポリマー
PEG-15ラウリルジメチコンクロスポリマー
PEG-6メチルエーテルジメチコン
PEG-nメチルエーテルジメチコン
PEG-32メチルエーテルジメチコン
PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン
PEG/PPG-22/22ブチルエーテルジメチコン
PEG/PPG-23/23ブチルエーテルジメチコン
PEG/PPG-24/18ブチルエーテルジメチコン
PEG/PPG-27/9ブチルエーテルジメチコン
PEG/PPG-3/10ジメチコン
PEG/PPG-5/3トリシロキサン
PEG/PPG-n/mジメチコン
PEG/PPG-30/10ジメチコン
カリウムジメチコンPEG-7ホスフェート
PPG-12ブチルエーテルジメチコン
PPG-12ジメチコン
PPG-27ジメチコン
TEA-ジメチコンPEG-7ホスフェート
カプリリルジメチコンエトキシグルコシド
ジメチコンエトキシグルコシド
ジメチコン/ポリグリセリン-3クロスポリマー
PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
ポリジメチルシロキシPEG/PPG-24/19ブチルエーテルシルセスキオキサン
ポリジメチルシロキシPPG-13ブチルエーテルシルセスキオキサン
ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン
ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
ナトリウムカルボキシデシルPEG-8ジメチコン
非オキシアルキレン化有機修飾シリコーン:
C6〜C8アルキルC3〜C6アルキルグルコシドジメチコン。
【0073】
本発明の組成物に使用するのに適した別のタイプの好ましい有機シロキサン乳化剤は下記の一般式:
(CH3Si)y-2[(OSi(CH3)2)x/yO-PE]y
[式中、PEは、-(EO)m(PO)nRであり、
Rは、低級アルキルまたは水素であり、
EOは、ポリエチレンオキシであり、
POは、ポリプロピレンオキシであり、
mおよびnは、それぞれ独立して、1〜5000であり、
xおよびyは、それぞれ独立して、1〜5000である]
および
【化16】
[式中、PE = -CH2CH2CH2O(EO)m(PO)nZであり、
Zは、低級アルキルまたは水素であり、
m、n、x、y、EOおよびPOは、上に記載した通りであり、
ただし、分子は親油性部分を含む]
により表されるものである。ここでも、親油性部分は、高分子骨格状の十分な数のメチル基により供給され得る。
【0074】
特に好ましいのは、下記の一般式:
【化17】
[式中、nは、1〜10、好ましくは8である]
のSilwet (RTM)ポリマーである。
【0075】
従来のW/O乳化剤型に関して、好ましい乳化剤は、下記の構造として表されるものである:
【化18】
[式中、aは、1〜100であり、
R1およびR2は、水素またはメチル基(-Hまたはメチル)のいずれかを表し、
Xは下記の基:
【化19】
を表し、そこにおいて、
R3は、水素、1〜20個の炭素原子を有する分枝鎖もしくは直鎖、飽和もしくは不飽和アルキルまたはアシル基であり、
AおよびA’は、同じまたは異なる有機基であり、式I:
【化20】
[式中、R’およびR”は、1〜20個の炭素原子を有する分枝鎖または直鎖アルキル基を表し、
bは、0〜200の数である]
に記載される通りのC10〜C30の分枝鎖もしくは直鎖、飽和もしくは不飽和アルキル-、アシル-またはヒドロキシアシル基を表す]。
【0076】
A、A’、R1およびR2は、最も好ましくは水素である。場合により、次の基、すなわち、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、イソステアロイルまたはエイコソイルを選択することができる。あるいは、下記の構造を選択することも可能である:
【化21】
[式中、nは、10〜20の数である]
または、
【化22】
[式中、mは9〜19の数である]。
【0077】
好ましいW/O系は次の通りである。
【0078】
- イソステアリン酸のモノ-、ジ-、トリ-またはテトラ-グルセリンエステルあるいはジエステル(例えば、ポリグリセリル-n-ジイソステアレート);例えば、イソステアリン酸ポリグリセリル-4、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、セスキイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジステアロイルポリグリセリル-3ダイマージリノレエート、グリセリル12-ヒドロキシ-9-オクトデセノエート。
- ヒドロキシステアリン酸のポリエステル、例えば、ポリグリセリル-n-ポリヒドロキシステアレートおよび/またはエトキシ化型(例えば、PEG-30ジポリヒドロキシステアレート);例えば、ポリグリセリル-10ペンタヒドロキシステアレート。
- 6〜22個の炭素原子を有する飽和および不飽和脂肪酸およびエチレンオキシド生成物のソルビタンモノ-およびジ-エステル、例えば、PEG-6イソステアレートソルビタン、PEG-10ソルビタンラウレート、ソルビタンオレエート、PEG-40ソルビタンペルオレエート。
- エトキシ化油またはポリマー/コポリマー、例えば、PEG-7水素化ひまし油、PEG-45ドデシルグリコールコポリマー。
【0079】
本発明のナノディスパージョン中に存在する成分(b)は、成分(a)、(b)、(c)および(d)の総重量を基準として、例えば、0.1〜50重量%、特に0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の量で使用し得る。
【0080】
成分(c)は、好ましくは天然または合成もしくは部分合成ジ-またはトリグリセリド、鉱油、シリコーン油、ワックス、脂肪アルコール、ゲルベアルコールもしくはそれらのエステル、またはこれらの物質の混合物である。
【0081】
親油性皮膚柔軟剤の主なカテゴリーは、次の通りである。
【0082】
アルコキシル化カルボン酸、グリセリルエステル、イセチオネート、ラノリン誘導体、リン化合物、スルホサクシネートまたは硫酸エステルとして分類されないエステルのみを含むエステル。
【0083】
化学的に、エステルは酸とアルコールの間に形成される共有結合化合物である。エステルはほとんどすべての酸(無機酸およびカルボン酸)と任意のアルコールから形成され得る。
【0084】
したがって、化粧品に使用される天然および合成のエステルの数は非常に多い。エステルのリストを細分類するために、ほとんどのものはいくつかの別の化学的特徴に基づいて他の化学分類:アルコキシル化脂肪酸、アルキルエーテル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、油脂、グリセリルエステル、リン化合物、イセチオネート、ソルビタン誘導体、スルホサクシネート、硫酸誘導体およびワックスに分類されている。
【0085】
この特定の分類に属するエステルは、カルボン酸から誘導され、クラスRCO-OR'[式中、RCO-はカルボン酸基を表し、-OR'はアルコール残基である]を有する。これには、低および中程度の分子量を有する化合物、例えば、酢酸ブチルまたはミリスチン酸イソプロピル;いくつかのポリマー、例えば、ポリ酢酸ビニルが含まれる。それらは、極端なpHおよび高温で加水分解されて、アルコールおよび酸になる。
【0086】
この群のエステルは、化粧品において、皮膚柔軟剤およびコンディショナーとして(ミリスチン酸イソプロピル)、溶媒として(酢酸エチル)、芳香剤成分として(サリチル酸メチル)、および保存剤として(プロピルパラベン)、多様な用途を有する。
【0087】
アセチルトリエチルヘキシルシトレート、アセチルトリヘキシルシトレート、アセチル化水素化ひまし油、アセチル化スクロースジステアレート、アラキジルエルケート、アラキジルプロピオネート、アスコルビルテトライソパルミテート、アスコルビルトコフェリルマレエート、ベヘニルベンゾエート、ベンジルラウレート、ベンジルウルソレート(Ursolate)、ビス(トリオクチルドデシルシトリル)ジリノレエート、ビス-ベヘニル/イソステアリル/フィトステリルダイマージリノレイルダイマージリノレエート、ビス-ベヘニル/フィトステリルダイマージリノレエート、ビス-イソステアリルダイマージリノレイルダイマージリノレエート、ブトキシエチルステアレート、ブチルアセチルリシノレエート、ブチルババスエート(Babassuate)、ブチルイソステアレート、ブチルミリステート、ブチルオレエート、ブチルステアレート、ブチレングリコールベヘネート、ブチレングリコールラウレート、ブチレングリコールミリステート、ブチレングリコールオレエート、ブチレングリコールパルミテート、ブチレングリコールステアレート、ブチルオクチルベンゾエート、C10〜40イソアルキル酸フィトステロールエステル類、C11〜15パレス(Pareth)-12ステアレート、C11〜15パレス-3オレエート、C11〜15パレス-3ステアレート、C12〜13アルキルエチルヘキサノエート、C12〜13アルキルラクテート、C12〜15アルキルベンゾエート、C12〜15アルキルエチルヘキサノエート、C12〜15アルキルラクテート、C12〜15パレス-12オレエート、C12〜15パレス-3ベンゾエート、C12〜15パレス-9水素化タロウエート(Tallowate)、C14〜15ジアルキルカルボネート、C14〜16グリコールパルミテート、C14〜18酸グリコールエステル、C14〜18アルキルエチルヘキサノエート、C16〜17アルキルベンゾエート、C18〜20グリコールイソステアレート、C18〜28アルキルアセテート、C18〜30酸グリコールエステル、C18〜36酸グリコールエステル、C20〜30グリコールイソステアレート、C23〜43酸ペンタエリスリトールテトラエステル、C32〜36イソアルキルステアレート、ひまし油ベンゾエート、セテアレス-6オリベート(Olivate)、セテアリルエチルヘキサノエート、セテアリルイソノナノエート、セテアリルパルミテート、セチルアセテート、セチルババスエート、セチルC12〜15パレス-8カルボキシレート、セチルC12〜15-パレス-9カルボキシレート、セチルカプレート、セチルカプリレート、セチルジメチルオクタノエート、セチルエチルヘキサノエート、セチルグリコールイソステアレート、セチルイソノナノエート、セチルコンボブテレート(Kombo Butterate)、セチルラクテート、セチルラウレート、セチルオレエート、セチルPPG-2イソデセス-7カルボキシレート、キミルイソステアレート、キミルステアレート、コレステリルサクシネート、ココ-カプリレート/カプレート、ココ-レイプシーデート(Rapeseedate)、シクロアルテニルフェルレート、デシルカストレート(Castorate)、デシルヘンプシーデート(Hempseedate)、デシルイソステアレート、デシルホホベート(Jojobate)、デシルオレエート、デシルパルミテート、デシルサクシネート、ジブチルアジペート、ジブチルセバケート、ジブチルデシルIPDI、ジブチルオクチルIPDI、ジブチルオクチルマレート、ジブチルオクチルセバケート、ジ-C12〜13アルキルマレート、ジ-C12〜13アルキルタルトレート、ジ-C12〜15アルキルアジペート、ジ-C12〜15アルキルフマレート、ジ-C12〜15アルキルマレエート、ジ-C14〜15アルキルタルトレート、ジカプリリルカルボネート、ジカプリリルマレエート、ジセチルアジペート、ジココイルペンタエリスリチルジステアリルシトレート、ジエチルアジペート、ジエチルパルミトイルアスパルテート、ジエチルセバケート、ジエチレングリコールジエチルヘキサノエート/ジイソノナノエート、ジエチレングリコールジイソノナノエート、ジエチルヘキシル2,6-ナフタレート、ジエチルヘキシルアジペート、ジエチルヘキシルカルボネート、ジエチルヘキシルフマレート、ジエチルヘキシルマレート、ジエチルヘキシルマレエート、ジエチルヘキシルサクシネート、ジグリセリルセバケート/イソパルミテート、ジグリセリルステアレートマレート、ジヘプチルウンデシルアジペート、ジヘキシルアジペート、ジヘキシルデシルアジペート、ジヘキシルデシルIPDI、ジヘキシルデシルラウロイルグルタメート、ジヘキシルデシルセバケート、ジヒドロコレステリルブチレート、ジヒドロコレステリルイソステアレート、ジヒドロコレステリルマカダミエート(Macadamiate)、ジヒドロコレステリルノナノエート、ジヒドロコレステリルオクチルデカノエート、ジヒドロコレステリルオレエート、ジイソアミルマレート、ジイソブチルアジペート、ジイソセチルアジペート、ジイソセチルドデカンジオエート、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルダイマージリノレエート、ジイソプロピルセバケート、ジイソステアリルアジペート、ジイソステアリルフマレート、ジイソステアリルグルタレート、ジイソステアリルマレート、ジイソステアリルセバケート、ジラウリルシトレート、ダイマージリノレイルジイソステアレート、ダイマージリノレイルダイマージリノレエート、ダイマージリノレイルイソステアレート、ジメチコンPEG-7アボカドエート、ジメチコンPEG-7ココエート、ジメチコンPEG-7イソステアレート、ジメチコンPEG-7オクチルドデシルシトレート、ジメチコンPEG-7オリベート、ジメチコンPEG-7フタレート、ジメチコンPEG-8アジペート、ジメチコンPEG-8蜜ろう、ジメチコンPEG-8ボラジエート(Borageate)、ジメチコンPEG-8メドウフォーメート(Meadowfoamate)、ジメチコノールボラジエート、ジメチコノールダパブテレート(Dhupa Butterate)、ジメチコノールイリペブテレート(Illipe Butterate)、ジメチコノールコクムブテレート(Kokum Butterate)、ジメチコノールラクテート、ジメチコノールメドウフォーメート、ジメチコノールモーワブテレート(Mohwa Butterate)、ジメチコノールサルブテレート(Sal Butterate)、ジメチルアジペート、ジメチルサクシネート、ジミリスチルタルトレート、ジオクタデカニルジデシルテトラデカノエート、ジオクタデカニルジテトラデシルオクタデカノエート、ジオクチルドデセス-2ラウロイルグルタメート、ジオクチルドデセス-5ラウロイルグルタメート、ジオクチルドデシルアジペート、ジオクチルドデシルラウロイルグルタメート、ジオクチルドデシルセバケート、ジペンタエリスリチルヘキサヒドロキシステアレート/ヘキサステアレート/六水素化ロシネート(Rosinate)、ジペンタエリスリチルペンタイソノナノエート、ジペンタエリスリチルペンタイソステアレート、ジ-PPG-2ミレス-10アジペート、ジ-PPG-3セテス-4アジペート、ジ-PPG-3ミリスチルエーテルアジペート、ジプロピルアジペート、ジプロピレングリコールカプリレート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールサリチレート、ジステアレス-2ラウロイルグルタメート、ジステアレス-5ラウロイルグルタメート、ジステアリルシトレート、ジトリデシルアジペート、ジトリメチロールプロパンイソステアレート/セバケート、ジトリメチロールプロパンミリステート/ステアレート、ジトリメチロールプロパントリエチルヘキサノエート、エリスリチルトリエチルヘキサノエート、エトキシジグリコールベヘネート、エトキシジグリコールイソステアレート、エトキシジグリコールオレエート、エチルアーモンデート(Almondate)、エチルアプリコットカーネレート(Apricot Kernelate)、エチルアラキドネート、エチルアボカデート(Avocadate)、エチルカプレート、エチルイソステアレート、エチルホホベート、エチルラウレート、エチルリノレエート、エチルリノレネート、エチルマカダミエート、エチルミンケート(Minkate)、エチルモルエート(Morrhuate)、エチルミリステート、エチルオレエート、エチルオリベート、エチルパルミテート、エチルペラルゴネート(Pelargonate)、エチルペルセート(Persate)、エチルリシノレエート、エチルステアレート、エチルタルトレート(Turtlate)、エチルウンデシレネート、エチルフィートガーメート(Wheat Germate)、エチルヘキシルアセトキシステアレート、エチルヘキシルアジペート/パルミテート/ステアレート、エチルヘキシルベンゾエート、エチルヘキシルベンジルジオキソピペラジルアセテート、エチルヘキシルカプリレート/カプレート、エチルヘキシルココエート、エチルヘキシルエチルヘキサノエート、エチルヘキシルヒドロキシステアレート、エチルヘキシルヒドロキシステアレートベンゾエート、エチルヘキシルヒドロキシステアロイルヒドロキシステアレート、エチルヘキシルイソノナノエート、エチルヘキシルイソパルミテート、エチルヘキシルイソステアレート、エチルヘキシルラウレート、エチルヘキシルリノレオイルステアレート、エチルヘキシルミリステート、エチルヘキシルネオペンタノエート、エチルヘキシルオレエート、エチルヘキシルパルミテート、エチルヘキシルペラルゴネート(Pelargonate)、エチルヘキシルステアレート、グリセレス-5ラクテート、グリセレス-7ベンゾエート、グリセレス-7ジイソノナノエート、グリセレス-7ラクテート、グリセリルステアレートダイマージリノレエートコポリマー、グリセリルトリアセチルヒドロキシステアレート、グリセリルトリアセチルリシノレエート、グリコールセテアレート、グリコールジパルメート(palmate)/パームカーネレート(Palm Kernelate)/オリベート/マカダミエート、グリコールジピバレート、グリコールエチルヘキサノエート、グリコールヒドロキシステアレート、グリコールモンタネート(Montanate)、グリコールオレエート、グリコールパルミテート、グリコールリシノレエート、グリコールステアレート、グリコールタレート(Tallate)、グリコール/ブチレングリコールモンタネート、ヘプチルウンデシルヒドロキシステアレート、ヘキサンジオール蜜ろう、ヘキサンジオールジサリチレート、ヘキサントリオール蜜ろう、ヘキシルイソステアレート、ヘキシルラウレート、ヘキシルデシルベンゾエート、ヘキシルデシルエチルヘキサノエート、ヘキシルデシルヘキシルデカノエート、ヘキシルデシルラウレート、ヘキシルデシルミリストイルメチルアミノプロピオネート、ヘキシルデシルステアレート、水素化エチルヘキシルオリベート、水素化エチルヘキシルセサメート(Sesamate)、ヒドロキシセチルイソステアレート、ヒドロキシプロピルジメチコンベヘネート、イソアミルラウレート、イソブチルミリステート、イソブチルパルミテート、イソブチルペラルゴネート、イソブチルステアレート、イソブチルタロウエート、イソセチルエチルヘキサノエート、イソセチルイソデカノエート、イソセチルイソステアレート、イソセチルラウレート、イソセチルリノレオイルステアレート、イソセチルパルミテート、イソセチルステアレート、イソデセス-2ココエート、イソデシルシトレート、イソデシルココエート、イソデシルエチルヘキサノエート、イソデシルヒドロキシステアレート、イソデシルイソノナノエート、イソデシルラウレート、イソデシルミリステート、イソデシルネオペンタノエート、イソデシルオレエート、イソデシルパルミテート、イソデシルステアレート、イソヘキシルカプレート、イソヘキシルラウレート、イソヘキシルネオペンタノエート、イソヘキシルパルミテート、異性体化ホホバ油、イソノニルフェルレート、イソノニルイソノナノエート、イソプロピルアラキデート、イソプロピルアボカデート、イソプロピルババスエート、イソプロピルベヘネート、イソプロピルC12〜15-パレス-9カルボキシレート、イソプロピルヒドロキシステアレート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルホホベート、イソプロピルラウレート、イソプロピルリノレエート、イソプロピルミリステート、イソプロピルオレエート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルPPG-2イソデセス-7カルボキシレート、イソプロピルリシノレエート、イソプロピルステアレート、イソプロピルタロウエート、イソソルバイドジカプリレート、イソ
ソルバイドラウレート、イソステアレス-10ステアレート、イソステアリルアセテート、イソステアリルアセチルグルタミネート、イソステアリルアボカデート、イソステアリルベンゾエート、イソステアリルエチルヘキサノエート、イソステアリルフェルレート。イソステアリルグリコレート、イソステアリルヒドロキシステアレート、イソステアリルイソノナノエート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルラクテート、イソステアリルラウレート、イソステアリルリノレエート、イソステアリルミリステート、イソステアリルネオペンタノエート、イソステアリルパルミテート、イソトリデシルイソノナノエート、イソトリデシルステアレート、コジック(Kogic)ジパルミテート、コジックイソパルミテート、ラネス-10アセテート、ラネス-9アセテート、ラウレス-2アセテート、ラウレス-2ベンゾエート、ラウレス-2エチルヘキサノエート、ラウリルココエート、ラウリルエチルヘキサノエート、ラウリルイソステアレート、ラウリルラクテート、ラウリルグルコンアミドパルミテート、リグノセリルエルケート、リノレイルラクテート、メドウフォームエストリド(Meadowfoam Estolide)、メチルアセチルリシノレエート、メチルベヘネート、メチルベンゾエート、メチルカプロエート、メチルカプリレート、メチルカプリレート/カプレート、メチルココエート、メチルデヒドロアビエテート、メチルグルセス-20ベンゾエート、メチルグルコースカプリレート/カプレート、メチルグルコースジオレエート、メチルグルコースイソステアレート、メチルグルコースラウレート、メチルグルコースセスキカプリレート/セスキカプレート、メチルグルコースセスキココエート、メチルグルコースセスキイソステアレート、メチルグルコースセスキラウレート、メチルグルコースセスキオレエート、メチルグルコースセスキステアレート、メチル水素化ロシネート、メチルヒドロキシステアレート、メチルイソステアレート、メチルラウレート、メチルリノレエート、メチルミリステート、メチルオレエート、メチルパルメート、メチルパルミテート、メチルペラルゴネート(Pelargonate)、メチルリシノレエート、メチルロシネート、メチルソイエート(Soyate)、メチルステアレート、メチルサンフラワーシーデート(Sunflowerseedate)、モノグリセリズ(monoglycerides)アセテート、モノグリセリズシトレート、モノグリセリズラクテート、モノグリセリズサクシネート、モノグリセリズ/ジアセチルタルトレート(Tartarate)エステル類、ミレス-2ミリステート、ミレス-3カプレート、ミレス-3エチルヘキサノエート、ミレス-3ラウレート、ミレス-3ミリステート、ミレス-3パルミテート、ミリスチルアセテート、ミリスチルアラニネート、ミリスチルエチルヘキサノエート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルラクテート、ミリスチルリグノセレート、ミリスチルネオペンタノエート、ミリスチルプロピオネート、ネオペンチルグリコールジカプレート、ネオペンチルグリコールジカプリレート/ジカプレート、ネオペンチルグリコールジカプリレート/ジペラルゴネート/ジカプレート、ネオペンチルグリコールジエチルヘキサノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、ネオペンチルグリコールジラウレート、ノニルアセテート、オクチルドデシル蜜ろう、オクチルドデシルベンゾエート、オクチルドデシルエチルヘキサノエート、オクチルドデシルラクテート、オクチルドデシルネオデカノエート、オクチルドデシルネオペンタノエート、オクチルドデシルPCA、オクチルドデシル/PPG-3ミリスチルエーテルダイマージリノレエート、オレス-2ベンゾエート、オレウロペインアグリコン(Oleuropein Aglycone)、オレイルアセテート、オレイルラクテート、オレイルオレエート、パルミトイルイヌリン、PEG-20メチルグルコースジステアレート、PEG-20メチルグルコースセスキカプリレート/セスキカプレート、PEG-20メチルグルコースセスキラウレート、PEG-3ブチレングリコールラウレート、PEG-3トリメチロールプロパントリステアレート、PEG-4トリメチロールプロパンジステアレート、PEG-5トリカプリルシトレート、PEG-5トリセチルシトレート、PEG-5トリラウリルシトレート、PEG-5トリメチロールプロパントリミリステート、PEG-5トリミリスチルシトレート、PEG-5トリステアリルシトレート、PEG-6ブチレングリコールラウレート、PEG-6プロピレングリコールカプリレート/カプレート、PEG-8プロピレングリコールココエート、PEG-80メチルグルコースラウレート、ペンタエリスリチルジオレエート、ペンタエリスリチルジステアレート、ペンタエリスリチルロシネート、ペンタエリスリチルステアレート、ペンタエリスリチルテトラベヘネート/ベンゾエート/エチルヘキサノエート、ペンタエリスリチルテトラベンゾエート、ペンタエリスリチルテトラエチルヘキサノエート/ベンゾエート、ペンタエリスリチルテトラエチルヘキサノエート/テトラメトキシシンナメート、ペンタエリスリチルトリオレエート、フェネチルベンゾエート、フィトステリルヒドロキシステアレート、フィトステリルイソステアリルダイマージリノレエート、フィトステリルライスブラネート(Rice Branate)、ポロキサマー182ジベンゾエート、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロエチルPEGジイソステアレート、PPG-15ステアリルエーテルベンゾエート、PPG-2イソセテス-20アセテート、PPG-20メチルグルコースエーテルジステアレート、PPG-3ジピバレート、PPG-3ミリスチルエーテルネオヘプタノエート、プロピルC12〜15パレス-8カルボキシレート、プロピレングリコールベヘネート、プロピレングリコールカプリレート、プロピレングリコールセテス-3アセテート、プロピレングリコールセテス-3プロピオネート、プロピレングリコールココエート、プロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールヘプタノエート、プロピレングリコールヒドロキシステアレート、プロピレングリコールイソセテス-3アセテート、プロピレングリコールイソステアレート、プロピレングリコールラウレート、プロピレングリコールリノレエート、プロピレングリコールリノレネート、プロピレングリコールミリステート、プロピレングリコールミリスチルエーテルアセテート、プロピレングリコールオレエート、プロピレングリコールリシノレエート、プロピレングリコールソイエート、プロピレングリコールステアレート、クエルセチンカプリレート、ラフィノースミリステート、ラフィノースオレエート、レチニルホルミルアスパルタメート(Aspartamate)、サリチリル蜜ろう、デンプンタロウエート、ステアレス-9ステアレート、ステアリルアセテート、ステアリルアセチルグルタミネート、ステアリルベンゾエート、ステアリルシトレート、ステアリルグリコールイソステアレート、ステアリルラクテート、ステアリル/PPG-3ミリスチルエーテルダイマージリノレエート、スクロースアセテート/ステアレート、スクロースココエート、スクロースジラウレート、スクロースジステアレート、スクロースヘキサエルケート、スクロースラウレート、スクロースモルチエレレート(Mortierellate)、スクロースミリステート、スクロースオレエート、スクロースパルミテート、スクロースペンタエルケート、スクロースポリベヘネート、スクロースポリコットンシーデート(Polycottonseedate)、スクロースポリラウレート、スクロースポリリノレエート、スクロースポリオレエート、スクロースポリパルメート、スクロースポリソイエート、スクロースポリステアレート、スクロースリシノレエート、スクロースステアレート、スクローステトライソステアレート、スクローステトラステアレートトリアセテート、スクローストリベヘネート、スクローストリステアレート、テトラデシルプロピオネート、テトラヒドロフルフリルリシノレエート、トコフェリルレチノエート、トリベンゾイルトリリシノレイン、トリ-C12〜13アルキルシトレート、トリ-C14〜15アルキルシトレート、トリカプリリル/カプリルトリメリテート、トリデシルエチルヘキサノエート、トリデシルイソノナノエート、トリデシルネオペンタノエート、トリデシルステアレート、トリエチルヘキシルシトレート、トリエチルヘキシルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、トリイソプロピルシトレート、トリオレイルシトレート。
【0088】
グリセリルエステルおよび誘導体(油脂を除く)、例えば、グリセリルエステルは、主に他のアルコール等との反応により修飾された脂肪酸モノ-およびジグリセリドまたはトリグリセリドであるエステルのサブグループを含む。また、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、グリセリンの複雑な脱水生成物、例えば、イソステアリン酸ポリグリセリル-4も含まれる。
【0089】
天然の油脂と同様に、これらのグリセリルエステルは加水分解を受ける。これらは、化粧品において、皮膚柔軟剤、潤滑剤、ビヒクル、および増粘剤として使用される。さらに、モノグリセリド(例えば、ステアリン酸グリセリル)は重要な乳化剤である。例としては、次のものが挙げられる。
【0090】
アセチルグリセリルリシノレエート、アセチル化ラードグリセリド、アセチル化パームカーネル(Palm Kernel)グリセリド類、アルガン油PEG-8エステル類、ビス-ジグリセリルポリアシルアジペート-1、ビス-ジグリセリルポリアシルアジペート-2、C10〜40イソアルキル酸グリセリド、C10〜40イソアルキル酸トリグリセリド、キャノーラ油グリセリド、カプリル酸/カプリン酸グリセリズ、カプリル酸/カプリン酸/ココグリセリド類、カプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド、ココグリセリド綿実油グリセリド、DATEM、ジ-グリセリルステアレートダイマージリノエエート、ジグリセリルステアレートマレート、ジイソステアロイルポリグリセリル-3ダイマージリノレエート、エチルヘキシルオキシグリセリルパルミテート、魚油グリセリズ、グリセレス-18ベンゾエート、グリセレス-20ベンゾエート、グリセレス-6 C10〜18アシデート(Acidate)、グリセレス-7トリアセテート、グリセリン/フタル酸コポリマーヒドロキシプロピルC9〜11イソアルキルアシデート、グリセリルアビエテート、グリセリルアビエテート/マレエート、グリセリルアジペート、グリセリルアルギネート、グリセリルアラキデート、グリセリルアラキドネート、グリセリルベヘネート、グリセリルベヘネート/エイコサジオエート、グリセリルカプレート、グリセリルカプリレート、グリセリルカプリレート/カプレート、グリセリルシトレート/ラクテート/リノレエート/オレエート、グリセリルココエート、グリセリルココエート/シトレート/ラクテート、グリセリルコラーゲネート(Collagenate)、グリセリルジアラキデート、グリセリルジベヘネート、グリセリルジベヘネート/水素化ロシネート、グリセリルジエルケート、グリセリルジ-ヒドロキシステアレート、グリセリルジイソパルミテート、グリセリルジイソステアレート、グリセリルジラウレート、グリセリルジリノレエート、グリセリルジミリステート、グリセリルジミリステート/水素化ロシネート、グリセリルジオレエート、グリセリルジパルミテート、グリセリルジパルミトレエート、グリセリルジリシノレエート、グリセリルジステアレート、グリセリルエルケート、グリセリルヘプタノエート、グリセリル水素化ロシネート、グリセリル水素化ソイエート、グリセリルヒドロキシステアレート、グリセリルイソパルミテート、グリセリルイソステアレート、グリセリルイソステアレート/ミリステート、グリセリルイソステアレート、グリセリルイソトリデカノエート/ステアレート/アジペート、グリセリルラノレート、グリセリルラウレート、グリセリルラウレート/オレエート、グリセリルリノレエート、グリセリルリノレネート、グリセリルモンタネート、グリセリルミリステート、グリセリルオレエート、グリセリルオレエート/エライデート(Elaidate)、グリセリルオリベート、グリセリルパルミテート、グリセリルパルミテートラクテート、グリセリルパルミテート/ステアレート、グリセリルパルミトレエート、グリセリルリシノレエート、グリセリルリシノレエートSE、グリセリルロシネート、グリセリルセスキオレエート、グリセリルステアレート、グリセリルステアレートシトレート、グリセリルステアレートラクテート、グリセリルステアレートサクシネート、グリセリルステアレート/アセテート、グリセリルステアレート/マレート、グリセリルステアレート類、グリセリルタロウエート、グリセリルトリパルメート/パームカーネレート/オリベート/マカダミエート/レイプシーデート、グリセリルウンデシレネート、グリセリル/ソルビトールオレエート/ヒドロキシステアレート、水素化ひまし油/セバシン酸コポリマー、水素化ココ-グリセリズ、水素化ラードグリセリド、水素化ラードグリセリズ、水素化パーム油グリセリズ、水素化パーム油グリセリズシトレート、水素化パーム核油グリセリズ、水素化ダイズ油グリセリズ、水素化獣脂グリセリドシトレート、水素化獣脂グリセリドラクテート、水素化獣脂グリセリズ、水素化獣脂グリセリズシトレート、水素化植物油グリセリズ、水素化植物油グリセリズシトレート、ヒドロキシ化乳グリセリズ、ヒドロキシステアリン酸/リノレン酸/オレイン酸ポリグリセリズ、イソステアリン酸/ミリスチン酸グリセリズ、ラードグリセリド、ラードグリセリズ、ラウリルポリグリセリル-6セテアリルグリコールエーテル、メチルシラノールPEG-7グリセリルココエート、メチルシラノールトリ-PEG-8グリセリルココエート、オレイン酸/リノール酸/リノレン酸ポリグリセリズ、パーム油グリセリズ、パーム核油グリセリズ、PEG-10ひまし油、PEG-10グリセリルトリイソステアレート、PEG-10グリセリルトリオレエート、PEG-10グリセリルトリステアレート、PEG-10水素化ひまし油、PEG-10オリーブ油グリセリズ、PEG-10ヒマワリ油グリセリズ、PEG-11アボカド油グリセリズ、PEG-11ババス油グリセリズ、PEG-11ひまし油、PEG-11ココアバターグリセリズ、PEG-12グリセリルジオレエート、PEG-12グリセリルジステアレート、PEG-12パーム核油グリセリズ、PEG-13ミンク油グリセリズ、PEG-13ヒマワリ油グリセリズ、PEG-14アボカド油グリセリズ、PEG-15ひまし油、PEG-15グリセリルラウレート、PEG-15グリセリルトリイソステアレート、PEG-15グリセリルトリオレエート、PEG-16ひまし油、PEG-16水素化ひまし油、PEG-16マカダミア油グリセリズ、PEG-18グリセリルオレエート/ココエート、PEG-18パーム油グリセリズ、PEG-192杏仁油グリセリズ、PEG-2ひまし油、PEG-2水素化ひまし油、PEG-2オリーブ油グリセリズ、PEG-2ヒマワリ油グリセリズ、PEG-20アーモンド油グリセリズ、PEG-20コーン油グリセリズ、PEG-20ツキミソウ油グリセリズ、PEG-20グリセリルステアレート、PEG-20グリセリルトリイソステアレート、PEG-20グリセリルトリステアレート、PEG-20水素化パーム油グリセリズ、PEG-25グリセリルトリオレエート、PEG-25モリンガ油グリセリズ、PEG-3ひまし油、PEG-3グリセリルココエート、PEG-3グリセリルトリイソステアレート、PEG-3グリセリルトリオレエート、PEG-3グリセリルトリステアレート、PEG-30グリセリルトリイソステアレート、PEG-35アーモンド油グリセリズ、PEG-4カプリル酸/カプリン酸グリセリズ、PEG-4ひまし油、PEG-4グリセリルジステアレート、PEG-4グリセリルトリステアレート、PEG-40グリセリルトリイソステアレート、PEG-40オリーブ油グリセリズ、PEG-42ババス油グリセリズ、PEG-42マッシュルーム油グリセリズ、PEG-45パーム核油グリセリズ、PEG-45ベニバナ油グリセリズ、PEG-5ひまし油、PEG-5グリセリルトリイソステアレート、PEG-5グリセリルトリオレエート、PEG-5グリセリルトリステアレート、PEG-5水素化ひまし油、PEG-5水素化コーン油グリセリズ、PEG-50グリセリルトリイソステアレート、PEG-6アーモンド油グリセリズ、PEG-6カプリル酸/カプリン酸グリセリズ、PEG-6グリセリルカプレート、PEG-6グリセリルトリステアレート、PEG-6水素化ひまし油、PEG-6水素化パーム油/パーム核油グリセリド、PEG-6オリーブ油グリセリズ、PEG-60アーモンド油グリセリズ、PEG-60コーン油グリセリズ、PEG-60グリセリルトリイソステアレート、PEG-60シアバターグリセリズ、PEG-65水素化ひまし油、PEG-7カプリル酸/カプリン酸グリセリズ、PEG-7グリセリルココエート、PEG-7グリセリルラウレート、PEG-7グリセリルソイエート、PEG-7水素化ひまし油、PEG-7オリーブ油グリセリズ、PEG-7ヒマワリ油グリセリズ、PEG-70マンゴー油グリセリズ、PEG-75ココアバターグリセリズ、PEG-75メドウフォーム油、PEG-75シアバターグリセリズ、PEG-75ショレアバターグリセリズ、PEG-75ダイズ油グリセリズ、PEG-8カプリル酸/カプリン酸グリセリズ、PEG-8ひまし油、PEG-8グリセリルラウレート、PEG-8水素化ひまし油、PEG-8水素化魚油グリセリズ、PEG-9ひまし油、PEG-9ココグリセリズ、ポリグリセリル-10カプレート、ポリグリセリル-10デカヒドロキシステアレート、ポリグリセリル-10デカイソステアレート、ポリグリセリル-10デカリノレエート、ポリグリセリル-10デカマカダミエート、ポリグリセリル-10デカオレエート、ポリグリセリル-10デカステアレート、ポリグリセリル-10ジデカノエート、ポリグリセリル-10ジイソステアレート、ポリグリセリル-10ジオレエート、ポリグリセリル-10ジパルミテート、ポリグリセリル-10ジステアレート、ポリグリセリル-10ドデカカプレート、ポリグリセリル-10ドデカカプリレート、ポリグリセリル-10ヘプタオレエート、ポリグリセリル-10ヘプタステアレート、ポリグリセリル-10ヘキサオレエート、ポリグリセリル-10ヒドロキシステアレート/ステアレート/エイコサジオエート、ポリグリセリル-10イソステアレート、
ポリグリセリル-10モノ/ジオレエート、ポリグリセリル-10ノナエルケート、ポリグリセリル-10ノナイソステアレート、ポリグリセリル-10パルミテート、ポリグリセリル-10ペンタヒドロキシステアレート、ポリグリセリル-10ペンタイソステアレート、ポリグリセリル-10ペンタラウレート、ポリグリセリル-10ペンタリノレエート、ポリグリセリル-10ペンタオレエート、ポリグリセリル-10ペンタリシノレエート、ポリグリセリル-10ペンタステアレート、ポリグリセリル-10テトラオレエート、ポリグリセリル-10トリデカノエート、ポリグリセリル-10トリステアレート、ポリグリセリル-2カプレート、ポリグリセリル-2カプリレート、ポリグリセリル-2ジイソステアレート、ポリグリセリル-2ジオレエート、ポリグリセリル-2イソパルミテート、ポリグリセリル-2イソステアレート、ポリグリセリル-2ラウレート、ポリグリセリル-2ミリステート、ポリグリセリル-2オレエート、ポリグリセリル-2パルミテート、ポリグリセリル-2セスキカプリレート、ポリグリセリル-2セスキイソステアレート、ポリグリセリル-2セスキオレエート、ポリグリセリル-2セスキステアレート、ポリグリセリル-2ステアレート、ポリグリセリル-2テトライソステアレート、ポリグリセリル-2テトラステアレート、ポリグリセリル-2トリイソステアレート、ポリグリセリル-3カプレート、ポリグリセリル-3ジカプレート、ポリグリセリル-3ジココエート、ポリグリセリル-3ジ-ヒドロキシステアレート、ポリグリセリル-3ジイソステアレート、ポリグリセリル-3ジオレエート、ポリグリセリル-3ジステアレート、ポリグリセリル-3イソステアレート、ポリグリセリル-3ラウレート、ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート、ポリグリセリル-3ミリステート、ポリグリセリル-3オレエート、ポリグリセリル-3パルミテート、ポリグリセリル-3ペンタリシノレエート、ポリグリセリル-3リシノレエート、ポリグリセリル-3ステアレート、ポリグリセリル-3トリイソステアレート、ポリグリセリル-4カプレート、ポリグリセリル-4ジラウレート、ポリグリセリル-4イソステアレート、ポリグリセリル-4ラウレート、ポリグリセリル-4オレエート、ポリグリセリル-4ペンタオレエート、ポリグリセリル-4ペンタステアレート、ポリグリセリル-4トリステアレート、ポリグリセリル-5カプレート、ポリグリセリル-5ヘキサステアレート、ポリグリセリル-5イソステアレート、ポリグリセリル-5ラウレート、ポリグリセリル-5ミリステート、ポリグリセリル-5オレエート、ポリグリセリル-5ペンタミリステート、ポリグリセリル-5トリベヘネート、ポリグリセリル-5トリミリステート、ポリグリセリル-5トリオレエート、ポリグリセリル-6カプリレート、ポリグリセリル-6ジカプレート、ポリグリセリル-6ジイソステアレート、ポリグリセリル-6ジオレエート、ポリグリセリル-6ジパルミテート、ポリグリセリル-6ジステアレート、ポリグリセリル-6ヘキサオレエート、ポリグリセリル-6ヘキサステアレート、ポリグリセリル-6イソステアレート、ポリグリセリル-6ラウレート、ポリグリセリル-6ミリステート、ポリグリセリル-6オクタステアレート、ポリグリセリル-6オレエート、ポリグリセリル-6パルミテート、ポリグリセリル-6ペンタオレエート、ポリグリセリル-6ペンタリシノレエート、ポリグリセリル-6ペンタステアレート、ポリグリセリル-6ポリリシノレエート、ポリグリセリル-6ステアレート、ポリグリセリル-6テトラベヘネート、ポリグリセリル-6テトラオレエート、ポリグリセリル-8デカエルケート/デカイソステアレート/デカリシノレエート、PPG-3水素化ひまし油、PPG-5ラノリンワックスグリセリド、PPG-67グリセリルエーテル、PPG-70グリセリルエーテル、ナタネ油グリセリド、ナタネ油グリセリズ、ブラックラズベリー(Rubus Occidentalis)種子油、ヒマワリ種子油グリセリド、ヒマワリ種子油グリセリズ、トール油グリセリズ、獣脂グリセリズ、トリベンゾイルトリリシノレイン、トリイソステアロイルポリグリセリル-3ダイマージリノレエート、植物油グリセリズホスフェート、コムギ胚芽油グリセリズ。
【0091】
アルコキシル化アルコールエステル、例えば、C12〜15パレス-3ベンゾエート、セチルC12〜15パレス-8カルボキシレート、ジ-PPG-2ミレス-10アジペート、ジ-PPG-3セテス-4アジペート、ジ-PPG-3ミリスチルエーテルアジペート、グリセレス-5ラクテート、グリセレス-7ベンゾエート、グリセレス-7ジイソノナノエート、グリセレス-7ラクテート、オレス-2ベンゾエート、PEG-3ブチレングリコールラウレート、PEG-5トリラウリルシトレート、PEG-5トリミリスチルシトレート、PEG-5トリステアリルシトレート、PEG-6ブチレングリコールラウレート、PEG-6プロピレングリコールカプリレート/カプレート、PEG-8プロピレングリコールココエート、PPG-15ステアリルエーテルベンゾエート、PPG-20メチルグルコースエーテルジステアレート、PPG-3ミリスチルエーテルネオヘプタノエート、メチルグルセス-20ベンゾエート。
【0092】
アルコキシル化アルコールグリセリルエステルおよび誘導体、例えば、グリセレス-18ベンゾエート、グリセレス-20ベンゾエート、グリセレス-7トリアセテート、PEG-10ひまし油、PEG-10水素化ひまし油、PEG-10オリーブ油グリセリズ、PEG-10ヒマワリ油グリセリズ、PEG-11アボカド油グリセリズ、PEG-11ババス油グリセリズ、PEG-11ひまし油、PEG-11ココアバターグリセリズ、PEG-12グリセリルジオレエート、PEG-12グリセリルジステアレート、PEG-12パーム核油グリセリズ、PEG-13ミンク油グリセリズ、PEG-13ヒマワリ油グリセリズ、PEG-14アボカド油グリセリズ、PEG-15ひまし油、PEG-15グリセリルラウレート、PEG-16ひまし油、PEG-16水素化ひまし油、PEG-16マカダミア油グリセリズ、PEG-18グリセリルオレエート/ココエート、PEG-18パーム油グリセリズ、PEG-192杏仁油グリセリズ、PEG-2ひまし油、PEG-2水素化ひまし油、PEG-2オリーブ油グリセリズ、PEG-2ヒマワリ油グリセリズ、PEG-20アーモンド油グリセリズ、PEG-20コーン油グリセリズ、PEG-20ツキミソウ油グリセリズ、PEG-20グリセリルステアレート、PEG-20水素化パーム油グリセリズ、PEG-25モリンガ油グリセリズ、PEG-3ひまし油、PEG-3グリセリルココエート、PEG-4ひまし油、PEG-4グリセリルジステアレート、PEG-40オリーブ油グリセリズ、PEG-42ババス油グリセリズ、PEG-42マッシュルーム油グリセリズ、PEG-45パーム核油グリセリズ、PEG-45ベニバナ油グリセリズ、PEG-5ひまし油、PEG-5水素化ひまし油、PEG-5水素化コーン油グリセリズ、PEG-50グリセリルトリイソステアレート、PEG-6アーモンド油グリセリズ、PEG-6グリセリルカプレート、PEG-60アーモンド油グリセリズ、PEG-60コーン油グリセリズ、PEG-60シアバターグリセリズ、PEG-65水素化ひまし油、PEG-7グリセリルココエート、PEG-7グリセリルラウレート、PEG-7グリセリルソイエート、PEG-7水素化ひまし油、PEG-7オリーブ油グリセリズ、PEG-7ヒマワリ油グリセリズ、PEG-70マンゴー油グリセリズ、PEG-75ココアバターグリセリズ、PEG-75メドウフォーム油、PEG-75シアバターグリセリズ、PEG-75ショレアバターグリセリズ、PEG-75ダイズ油グリセリズ、PEG-8ひまし油、PEG-8グリセリルラウレート、PEG-8水素化ひまし油、PEG-8水素化魚油グリセリズ、PEG-9ひまし油、PEG-9ココグリセリズ、PPG-3水素化ひまし油、PPG-5ラノリンワックスグリセリド。
【0093】
アルコキシル化アルコールエーテル、例えば、PPG-9ジグリセリルエーテルグリセレス-7トリメチルエーテル、PPG-10セチルエーテル、PPG-10オレイルエーテル、PPG-11ステアリルエーテル、PPG-14ブチルエーテル、PPG-15ステアリルエーテル、PPG-20セチルエーテル、PPG-20オレイルエーテル、PPG-23オレイルエーテル、PPG-28セチルエーテル、PPG-3ベンジルエーテルミリステート、PPG-3ミリスチルエーテル、PPG-30セチルエーテル、PPG-30イソセチルエーテル、PPG-30オレイルエーテル、PPG-37オレイルエーテル、PPG-3-イソデセス-1、PPG-4ラウリルエーテル、PPG-4ミリスチルエーテル、PPG-5ペンタエリスリチルエーテル、PPG-50セチルエーテル、PPG-50オレイルエーテル、PPG-65-PEG-5ペンタエリスリチルエーテル、PPG-9-ステアレス-3。
【0094】
油脂、例えば、群としての油脂は、通常動物および植物組織に見出される脂肪酸のグリセリルエステル(トリグリセリド)であり、不飽和を減らすため、または無くすために水素化されたものを含む。また、合成により調製されたグリセリンと脂肪酸のエステルも含まれる。それらは、下記のクラス:
【化23】
[式中、-COR、-COR'、-COR''は、同一のまたは異なる脂肪酸基である]
を有する。
【0095】
この群に属する天然の油脂はエステルであり、加水分解することができ、グリセリンと脂肪酸の混合物を生成する。これらの脂肪酸は、化粧品に有用な種々の他の化学物質の原料として使用することができる。あるいは、単離および精製した脂肪酸をグリセリンによりエステル化してモノ-、ジ-、およびトリグリセリドを得ることができる。油脂は、皮膚柔軟剤のビヒクルおよび潤滑剤として化粧品に直接使用される。植物材料の蒸留により得られる揮発性の油は、精油に分類される。
【0096】
閉塞特性を有する油脂:閉塞剤は皮膚表面からの水の蒸発を遅くする化粧品成分である。この機能は、皮膚表面への液体状態の水の送達を妨げる制汗剤とは異なる。蒸発による水の損失を遮断することにより、閉塞性材料は皮膚の水含有量を増大させる。閉塞剤は、一般に皮膚表面に留まる傾向を有する脂質である。閉塞特性を有する油脂の例は、次の通りである。
【0097】
アルガン(Argania Spinosa)核油、アザミゲシ(Argemone Mexicana)油、アストロカリウムブルガレ(Astrocaryum Vulgare)果実油、アストロカリウムブルガレ(Astrocaryum Vulgare)核油、エンバク(Avena Sativa)(オートムギ)核油、バラニテスロクスブルギイ(Balanites Roxburghii)種子油、バシアブチラセア(Bassia Butyracea)種子バター、バシアラチフォリア(Bassia Latifolia)種子バター、アブラナ(Brassica Campestris)種子油、バッファロー脂、バター、シア(Butyrospermum Parkii)(シアバター)、シア(Butyrospermum Parkii)油、C10〜18トリグリセリズ、C12〜18酸トリグリセリド、C8〜12酸トリグリセリド、キンセンカ(Calendula Officinalis)種子油、カロフィルムタカマハカ(Calophyllum Tacamahaca)種子油、ツバキ(Camellia Japonica)種子油、サザンカ(Camellia Kissi)種子油、チャノキ(Camellia Sinensis)種子油、キャノーラ油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/ラウリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/ステアリン酸トリグリセリド、ベニバナ(Carthamus Tinctorius)種子油、ペカン(Carya Illinoensis)種子油、カリオカルコリアセウム(Caryocar Coriaceum)種子油、ひまし油ベンゾエート、タカワラビ(Cibotium Barometz)油、スイカ(Citrullus Vulgaris)種子油、ココナッツ(Cocos Nucifera)油、タラ肝油、タラ肝油/ミンク油/獣脂トリグリセリド、ジュズダマ(Coix Lacryma-Jobi)種子油、ヘーゼルナッツ(Corylus Americana)種子油、クランベアビシニカ(Crambe Abyssinica)種子油、カボチャ(Cucurbita Pepo)種子油、鹿脂、パーム(Elaeis Guineensis)核油、パーム(Elaeis Guineensis)油、エミュー油、ワカバキャベツヤシ(Euterpe Oleracea)果実油、魚肝油、ガルシニアインディカ(Garcinia Indica)種子バター、ヘーゼルナッツ(Gevuina Avellana)油、ダイズ(Glycine Soja)脂質、ダイズ(Glycine Soja)油、山羊バター、山羊脂、ワタ(Gossypium Herbaceum)種子油、ヒマワリ(Helianthus Annuus)種子油、ヒポファエラムノイデス(Hippophae Rhamnoides)油、馬脂、水素化杏仁油、水素化C12〜18トリグリセリズ、水素化キャノーラ油、水素化ひまし油、水素化ひまし油ラウレート、水素化ひまし油トリイソステアレート、水素化ココナッツ油、水素化綿実油、水素化魚油、水素化ラード、水素化ニシン油、水素化乳脂質、水素化ミンク油、水素化オリーブ油、水素化オレンジラフィー(Orange Roughy)油、水素化ダチョウ油、水素化パーム核油、水素化パーム油、水素化ピーナッツ油、水素化ピスタチオ種子油、水素化ナタネ油、水素化米ぬか油、水素化ベニバナ種子油、水素化サメ肝油、水素化シアバター、水素化ダイズ油、水素化ヒマワリ種子油、水素化スイートアーモンド油、水素化獣脂、水素化植物油、水素化コムギ胚芽油、アフリカマンゴー(Irvingia Gabonensis)核バター、ホソバタイセイ(Isatis Tinctoria)種子油、クルミ(Juglans Regia)種子油、杏仁油(Kyounin Yu)、ラード、ラウリン酸/パルミチン酸/オレイン酸トリグリセリド、メドウフォーム(Limnanthes Alba)種子油、アマ(Linum Usitatissimum)種子油(亜麻仁油)、ヘチマ(Luffa Cylindrica)種子油、シロバナルーピン(Lupinus Albus)種子油、マカダミア(Macadamia Integrifolia)種子油、マカダミア(Macadamia Ternifolia)種子油、マンゴー(Mangifera Indica)種子バター、マンゴー(Mangifera Indica)種子油、マーモット油、インドセンダン(Melia Azadirachta)種子油、レモンバーム(Melissa Officinalis)種子油、ニシン油、ミンク油、ワサビノキ(Moringa Pterygosperma)種子油、モルティエレラ油、ナタネ油(Natane Yu)、ニーツフット(Neatsfoot)油、ブラッククミン(Nigella Sativa)種子油、バカバヤシ(Oenocarpus Bacaba)果実油、オニサケヤシモドキ(Oenocarpus Bataua)果実油、オリーブ(Olea Europaea)果実油、オリーブ(Olea Europaea)外皮油、オレイン酸/リノール酸トリグリセリド、オレイン酸/パルミチン酸/ラウリン酸/ミリスチン酸/リノール酸トリグリセリド、網脂質、オレンジラフィー油、コフネヤシ(Orbignya Cohune)種子油、ババスヤシ(Orbignya Oleifera)種子油、米(Oryza Sativa)ぬか油、米(Oryza Sativa)胚芽油、ダチョウ油、オニゲシ(Papaver Orientale)種子油、パッションフルーツ(Passiflora Edulis)種子油、アボカド(Persea Gratissima)バター、アボカド(Persea Gratissima)油、チョウセンゴヨウ(Pinus Koraiensis)種子油、ピスタチオ(Pistacia Vera)種子油、スイートアーモンド(Prunus Amygdalus Dulcis)油、アンズ(Prunus Armeniaca)核油、オウトウ(Prunus Avium)種子油、プルーン(Prunus Domestica)種子油、プラム(Prunus Insititia)種子油、モモ(Prunus Persica)核油、ウサギ脂、リシノレイン酸/カプロン酸/カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ヒマ(Ricinus Communis)種子油、ロサエグレンタリア(Rosa Eglentaria)種子油、サケ油、チア(Salvia Hispanica)種子油、サンダルウッド(Santalum Album)種子油、シュレイケラトリジュガ(Schleichera Trijuga)種子油、ゴマ(Sesamum Indicum)種子油、サメ肝油、サラノキ(Shorea Robusta)種子バター、トマト(Solanum Lycopersicum)果実油、トマト(Solanum Lycopersicum)種子油、トール油、獣脂、テルファイリアペダタ(Telphairia Pedata)油、カカオ(Theobroma Cacao)種子バター、クプアス(Theobroma Grandiflorum)種子バター、トリアラキジン、トリベヘニン、トリカプリン、トリカプリリン、トリコデスマゼイラニクム(Trichodesma Zeylanicum)油、トリエルシン、トリエチルヘキサノイン、トリヘプタノイン、トリヘプチルウンデカノイン、トリヒドロキシメトキシステアリン、トリヒドロキシステアリン、トリイソノナノイン、トリイソパルミチン、トリイソステアリン、トリラウリン、トリリノレイン、トリリノレニン、トリミリスチン、トリオレイン、トリパルミチン、トリパルミトレイン、トリリシノレイン、トリセバシン、トリステアリン、コムギ(Triticum Vulgare)ふすま脂質、コムギ(Triticum Vulgare)胚芽油、トリウンデカノイン、亀油、クランベリー(Vaccinium Macrocarpon)種子油、バテリアインディカ(Vateria Indica)種子バター、ビロラセビフェラ(Virola Sebifera)ナッツ油、トウモロコシ(Zea Mays)胚芽油、トウモロコシ(Zea Mays)油。
【0098】
皮膚柔軟特性を有する油脂:皮膚柔軟剤は、皮膚の柔らかく、滑らかで、しなやかな外観の維持に役立つ化粧品成分である。皮膚柔軟剤は、それらの皮膚表面上または角質層中に留まる能力により機能し、潤滑剤として剥離を減少させるように作用して、皮膚の外観を改善する。皮膚柔軟特性を有する油脂の例は、次の通りである。
【0099】
アセチル化水素化ひまし油、キウイ(Actinidia Chinensis)種子油、バオバブ(Adansonia Digitata)種子油、アルガン(Algania Spinosa)核油、アザミゲシ(Argemone Mexicana)油、アストロカリウムムルムル(Astrocaryum Murumuru)バター、ブラジルナッツ(Bertholletia Excelsa)種子油、ベニノキ(Bixa Orellana)種子油、ボリジ(Borago Officinalis)種子油、脳脂質、ブロッコリー(Brassica Oleracea Italica)種子油、C10〜40イソアルキル酸トリグリセリド、カロデンドルムカペンセ(Calodendrum Capense)ナッツ油、カロフィルムタカマハカ(Calophyllum Tacamahaca)種子油、サザンカ(Camellia Kissi)種子油、パパイヤ(Carica Papaya)種子油、カリオカルコリアセウム(Caryocar Coriaceum)種子油、ひまし油ベンゾエート、キヌア(Chenopodium Quinoa)種子油、スイカ(Citrullus Lanatus)種子油、タラ肝油/ミンク油/獣脂トリグリセリド、ジュズダマ(Coix Lacryma-Jobi)種子油、キュウリ(Cucumis Sativus)油、ニンジン(Daucus Carota Sativa)種子油、グリセリルトリアセチルヒドロキシステアレート、グリセリルトリアセチルリシノレエート、ヘマトコッカスプルビアリス(Haematococcus Pluvialis)油、水素化卵油、水素化ツキミソウ油、水素化グレープシード油、水素化ヘーゼルナッツ油、水素化大麻油、水素化大麻種子油、水素化マカダミア種子油、水素化ゴマ種子油、ホソバタイセイ(Isatis Tinctoria)種子油、ムラサキ(Lithospermum Officinale)種子油、シロバナルーピン(Lupinus Albus)種子油、クコ(Lycium Barbarum)種子油、まむし油(Mamushi Oil)、マロー脂質、乳脂質、ヤエヤマアオキ(Morinda Citrifolia)種子油、ムコルシルシネロイデス(Mucor Circinelloides)油、ムステリン酸(Mustelic)/パルミチン酸トリグリセリド、オドンテラアウリタ(Odontella Aurita)油、ババスヤシ(Orbignya Speciosa)核油、ツルコケモモ(Oxycoccus Palustris)種子油、ケシ(Papaver Somniferum)種子油、パリナリクラテリフォリア(Parinari Curatellifolia)種子油、パッションフルーツ(Passiflora Edulis)種子油、ゴヨウマツ(Pinus Parviflora)種子油、キタゴヨウマツ(Pinus Pentaphylla)種子油、サチャインチ(Plukenetia Volubilis)種子油、プラム(Prunus Insititia)種子油、ザクロ(Punica Granatum)種子油、ピクナンタスアンゴレンシス(Pycnanthus Angolensis)ナッツ油、リンゴ(Pyrus Malus)種子油、クロスグリ(Ribes Nigrum)種子油、ロサモスカタ(Rosa Moschata)種子油、ロサルビギノサ(Rosa Rubiginosa)種子油、ルブスグラウクス(Rubus Glaucus)種子油、ラズベリー(Rubus Idaeus)種子油、モンゴンゴ(Schinziophyton Rautanenii)核油、マルーラ(Sclerocarya Birrea)種子油、蚕蛹(Silkworm Chrysalis)油、ダイズグリセリズ、脊髄脂質、ステルクリアアフリカーナ(Sterculia Africana)種子油、カヤ(Torreya Nucifera)種子油、コケモモ(Vaccinium Vitis-Idaea)種子油、バニラ(Vanilla Planifolia)果実油、ビロラセビフェラ(Virola Sebifera)ナッツ油。
【0100】
別の好ましい親油性皮膚柔軟剤は脂肪アルコールである。脂肪アルコールは、分子量の大きい非揮発性アルコールである。それらは、天然の油脂から、脂肪酸の-COOH基をヒドロキシル官能基に還元することにより製造される。あるいは、いくつかの完全に合成による経路により、天然由来のアルコールと構造的に同一または類似の脂肪アルコールが得られる。脂肪アルコールは、一般に、クラスRCH2OHを形成する第一級アルコールである。天然の脂肪酸から調製された脂肪アルコールは、通常偶数個の炭素原子を有する。脂肪アルコールは多くのタイプの化粧品において皮膚柔軟剤として使用される。それらは共乳化剤として有益であり、乳液、シャンプー、および他の製品の粘度を上げるために使用される。さらに、これらのアルコールは、いくつかの広く使用される化粧品成分(例えば、アルコキシル化アルコール、アルキル硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸エステル、およびリン化合物)の合成に使用される。別の例としては、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、C9〜11アルコール類、C12〜13アルコール類、C12〜15アルコール類、C12〜16アルコール類、C14〜15アルコール類、C14〜22アルコール類、C20〜22アルコール類、カプリル酸アルコール、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ココナッツアルコール、C6〜12パーフルオロアルキルエタノール、デシルアルコール、水素化ホホバアルコール、水素化ナタネ油アルコール、水素化獣脂アルコール、ホホバアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、オリーブ油アルコール、パームアルコール、パーム核アルコール、ステアリルアルコール、獣脂アルコール、トリデシルアルコールが挙げられる。
【0101】
別の好ましい親油性皮膚柔軟剤はエーテルである。エーテルは、C-O-C系の結合を有する有機化合物である。このC-O-C系が環の一部である場合には、その化合物は、例えば、トコフェロールのように、複素環に分類される。ソルビタン誘導体も複素環エーテルである。化粧品に使用されるほとんどのエーテルは合成により調製される。アルコキシル化誘導体はエーテルであるが、ここでは、アルコキシル化アルコール、アルコキシル化アミド、アルコキシル化アミン、アルコキシル化カルボン酸、および高分子エーテルに分類される。グリセリンの脱水により得られるエステル化ポリグリセリルエーテルは、グリセリルエステルの群に含まれる。
【0102】
皮膚柔軟特性を有するエーテルは、皮膚の柔らかく、滑らかで、しなやかな外観の維持に役立つ化粧品成分である。皮膚柔軟剤は、それらの皮膚表面上または角質層中に留まる能力により機能し、潤滑剤として剥離を減少させるように作用して、皮膚の外観を改善する。このような化合物の例は、ブトキシエチルステアレート、C12〜14ヒドロキシアルキルヒドロキシダイマージリノレイルエーテル、C12〜14ヒドロキシアルキルマルチトールエーテル、C16〜18ヒドロキシアルキルヒドロキシダイマージリノレイルエーテル、セチルグリセリルエーテル、セチルオキシプロピルグリセリルメトキシプロピルミリスタミド、キミルアルコール、キミルイソステアレート、キミルステアレート、ジカプリリルエーテル、ジレチニルエーテル、エトキシジグリコールベヘネート、エトキシジグリコールイソステアレート、エトキシジグリコールオレエート、エチルヘキシルオキシグリセリルパルミテート、エウゲニルグルコシド、加水分解されたプロアントシアニジン、ヒドロキシエチルパルミチルオキシヒドロキシプロピルパルミタミド、イソポリグリセリン-3ジメチコン、イソプロピルヒドロキシセチルエーテル、イソステアリルフェルレート、イソステアリルグリセリルエーテル、イソステアリルグリセリルペンタエリスリチルエーテル、ラウリルポリグリセリル-6セテアリルグリコールエーテル、オレイルグリセリルエーテル、ポリグリセリル-2ラノリンアルコールエーテル、ポリグリセリル-2オレイルエーテル、ポリグリセリル-3デシルテトラデシルエーテル、ポリグリセリル-3ヒドロキシラウリルエーテル、ポリグリセリル-4ラウリルエーテル、ポリグリセリル-4オレイルエーテル、PPG-9ジグリセリルエーテル、プロピレングリコールミリスチルエーテルである。
【0103】
溶媒特性を有するエーテルは、例えば、ブトキシエチルアセテート、ジエトキシジグリコール、ジメトキシジグリコール、ジメチルエーテル、ジメチルイソソルバイド、ジオキソラン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エトキシジグリコールアセテート、エトキシエタノールアセテート、エチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、メトキシジグリコール、メトキシエタノールアセテート、メトキシイソプロピルアセテート、メチルヘキシルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、メチラール、プロピレングリコールt-ブチルエーテルである。
【0104】
別の好ましい親油性皮膚柔軟剤は炭化水素である。炭化水素は、炭素および水素のみを含む化合物の群である。炭化水素は、一般に、石油化学製品に由来するが、それらのいくつかは植物および動物界に見出される(例えば、アズレンまたはスクアレン)。炭化水素のクラスは変化に富んでおり、脂肪族、脂環式および芳香族化合物を含む。このカテゴリーはまた、種々の炭化水素の供給源となり得るいくつかの複合組成の物質を含む。
【0105】
一般に、これらの化合物は化学的に不活性である。典型的なものは、ワセリン、パラフィン、および鉱油であり、それらはすべて、その非揮発性および滑らかな性質のために、化粧品において皮膚柔軟剤およびビヒクルとして広く使用されている。より分子量の小さい揮発性炭化水素は溶媒として使用される(例えば、ミネラルスピリット)。室温で通常は気体である炭化水素(例えば、ブタンまたはプロパン)は、エアロゾル噴射剤として使用される。最後に、多くの合成ポリマーは炭化水素であることに注意しなければならない(例えば、ポリエチレン)。
【0106】
皮膚柔軟特性を有する炭化水素は、皮膚の柔らかく、滑らかで、しなやかな外観の維持に役立つ化粧品成分である。皮膚柔軟剤は、それらの皮膚表面上または角質層中に留まる能力により機能し、潤滑剤として剥離を減少させるように作用して、皮膚の外観を改善する。このような化合物の例は、C12〜20イソパラフィン、C20〜40イソパラフィン、C9〜16イソパラフィン、エイコサン、水素化ポリデセン、水素化ポリドデセン、水素化ポリイソブテン、イソエイコサン、イソヘキサデカン、鉱油、オクタデカン、スクアレンである。
【0107】
閉塞特性を有する炭化水素は、皮膚表面からの水の蒸発を遅くする化粧品成分である。この機能は、液体状態の水の皮膚表面への送達を妨げる制汗剤とは異なる。蒸発による水の損失を遮断することにより、閉塞性材料は皮膚の水含有量を増大させる。閉塞剤は、一般に皮膚表面に留まる傾向を有する脂質である。このような化合物の例は、C18〜26オレフィン、C18〜70イソパラフィン、C20〜24オレフィン、C24〜28オレフィン、C24〜30オレフィン、C26〜54オレフィン、C28〜36オレフィン、C30〜45オレフィン、C4〜12ポリオレフィン、ジデセン、ジエチルヘキシルシクロヘキサン、鉱油、パラフィン、ペンタヒドロスクアレン、ワセリン、プリスタン、スクアランである。
【0108】
溶媒特性を有する炭化水素は、例えば、C10〜11イソパラフィン、C10〜12イソパラフィン、C11〜12イソパラフィン、C11〜13イソパラフィン、C11〜14イソパラフィン、C12〜14イソパラフィン、C13〜14イソパラフィン、C13〜16イソパラフィン、デカン、デセン、ドデセン、ヘプタン、ヘキサデセン、ヘキサン、イソドデカン、リモネン、オクタデセン、オクテン、石油蒸留物、テトラデセンである。
【0109】
別の好ましい親油性皮膚柔軟剤はシリコーンである。一般に認められている「シリコーン」は、直鎖または環状、分枝鎖または架橋構造を有する、さまざまな分子量の、基本的にケイ素原子が互いに酸素原子により結合する繰り返し構造単位を基本とする(シロキサン結合SiOSi)、場合により炭素原子を介してケイ素原子に直接結合する炭化水素基により置換された、有機ケイ素ポリマーまたはオリゴマーである。例は、次の通りである。
【0110】
- 環状シロキサンポリマー;シクロメチコン、例えば、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、
【化24】
特定の環状ジメチルポリシロキサン化合物を命名したINCI名は、nが3である場合にはシクロトリシロキサン(q.v.)、nが4である場合にはシクロテトラシロキサン(q.v.)、nが5である場合にはシクロペンタシロキサン(q.v.)、nが6である場合にはシクロヘキサシロキサン(q.v.)、およびnが7である場合にはシクロヘプタシロキサン(q.v.)である。
【0111】
- トリメチルシロキシ単位(M単位)により末端ブロックされた直鎖シロキサンポリマー;ジメチコン、広い範囲の粘度を有する無極性液体。
【0112】
- シラノール化合物またはジメチコノール;末端にヒドロキシル基を有するジメチルシロキサン。
【0113】
- アルキル修飾シロキサン(AMS)。AMSは展延性および洗い落としに対する抵抗性を改善する。
【0114】
- アルキルジメチコンおよびアルキルメチコン、例えば、ビス-フェニルプロピルジメチコン(SF 1555液;GE Silicone)、シリコンワックス、例えば、DC 2503化粧品ワックス(Dow Corning);ステアリルジメチコン、DC 2502液(Dow Corning);セチルジメチコン、DC AMS-C30ワックス(Dow Corning);C30〜C45アルキルメチコン、DC 580ワックス(Dow Corning)、ステアロキシトリメチルシランおよびステアリルアルコール。
【0115】
皮膚用化粧品に適した活性物質、活性物質組成物または活性物質抽出物は、皮膚投与または局所投与に承認された材料または材料の混合物である。例として、次のものが挙げられる。
【0116】
- 消臭および制汗活性を有する活性物質:これらには、アルミニウムまたは亜鉛塩をベースとする制汗剤、殺菌または静菌消臭物質(例えば、トリクロサン、ヘキサクロロフェン、アルコールおよびカチオン性物質、例えば、第四級アンモニウム塩)を含有する消臭剤、ならびに臭気吸収剤(例えば、Grillocin(登録商標)(リジノール酸亜鉛(zinc rizinoleate)と別の添加剤との組み合わせ)またはクエン酸トリエチル)が含まれ、場合により抗酸化剤、例えば、ブチルヒドロキシトルエン、またはイオン交換樹脂と組み合わされる。
【0117】
- 昆虫忌避剤:昆虫忌避剤は、昆虫が皮膚に接触すること、およびそこで活動することを防ぐ組成物である。それらは昆虫を忌避し、ゆっくりと蒸発する。最も頻繁に使用される昆虫忌避剤はジエチルトルアミド(DEET)である。他の通常の昆虫忌避剤は、“W. Raab amd U. Kindl, “Pflegekosmetik”, Gustav-Fischer-Verlag Stuttgart/New York,1991, p.161に記載されている。
【0118】
- 化学的および機械的攻撃から保護する活性物質:これらには皮膚と外部の病毒の間に障壁を形成するすべての物質が含まれる。これらには、例えば、水溶液に対する保護として、パラフィン油、シリコーン油、植物油、PCL製品およびラノリンが、有機溶媒の作用に対する被膜形成剤、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸トリエタノールアミン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコールまたはセルロースエーテルが、または皮膚への強い機械的ストレスに対する「潤滑剤」としての鉱油、植物油またはシリコーン油をベースとする物質が含まれる。
【0119】
- 保湿性物質:下記の物質は保湿剤として使用される:乳酸ナトリウム、尿素、アルコール、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、コラーゲン、エラスチンまたはヒアルロン酸。
【0120】
- 角質柔軟化活性を有する活性物質:ベンゾイルペルオキシド、レチン酸、コロイド硫黄およびレゾルシノール。
【0121】
- 抗微生物剤、例えば、トリクロサンまたは第四級アンモニウム化合物。
【0122】
- 皮膚適用可能な油性または脂溶性ビタミンまたはビタミン誘導体:例えば、ビタミンA(遊離の酸またはその誘導体の形のゲチノール(getinol))、パンテノール、パントテン酸、葉酸、およびそれらの組み合わせ、ビタミンE(トコフェロール)、F;必須脂肪酸;またはナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)。
【0123】
- ビタミンをベースとする胎盤抽出物:主にビタミンA、C、E、B21 B12、葉酸およびビオチン、アミノ酸および酵素ならびに微量元素マグネシウム、ケイ素、リン、カルシウム、マンガン、鉄または銅の化合物を含む活性物質組成物。
【0124】
- 皮膚修復複合体:不活性化および分解したビフィズス群の細菌の培養物から得られる。
【0125】
- 植物および植物抽出物:例えば、アルニカ、アロエ、サルオガセ(beard lichen)、セイヨウキヅタ、イラクサ、チョウセンニンジン、ヘナ、カモミール、キンセンカ、ローズマリー、セージ、トクサまたはタイム。
【0126】
- 動物抽出物:例えば、ロイヤルゼリー、プロポリス、タンパク質または胸腺抽出物。
【0127】
- 皮膚に適用可能な化粧油:ミグリオール812型の中性油、杏仁油、アボカド油、ババス油、綿実油、ボリジ油、アザミ油、ラッカセイ油、ガンマ-オリザノール、ローズヒップ種子油、大麻油、ヘーゼルナッツ油、スグリ種子油、ホホバ油、サクランボ種子油、サケ油、亜麻仁油、コーン油、マカダミアナッツ油、アーモンド油、ツキミソウ油、ミンク油、オリーブ油、ペカンナッツ油、桃仁油、ピスタチオナッツ油、菜種油、米胚芽油、ひまし油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ティーツリー油、グレープシード油またはコムギ胚芽油。
【0128】
好ましくは、成分(c)は、クラスRCO-OR’[式中、RCO-は、カルボン酸基を表し、-OR’はアルコール残基である]で表されるエステル;グリセリルエステルおよび誘導体、アルコキシル化アルコールエステル、アルコキシル化アルコールグリセリルエステルおよび誘導体、アルコキシル化アルコールエーテル、油脂、エーテル、炭化水素もしくはシリコーン、またはこれらの物質の混合物を含む。
【0129】
成分(c)は、本発明において使用されるナノディスパージョン中に、組成物(a)、(b)、(c)および(d)の総重量を基準として、好ましくは0.1〜80重量%の濃度で存在する。
【0130】
本発明により使用されるナノディスパージョンは、場合により任意の成分(f)として、成分(a)の水和速度を速めおよび改善するために、非水性極性有機溶媒を含む。種々の非水性極性有機溶媒が、本発明に記載のナノエマルションの不連続相に使用するのに適している。例は、下記の通りである。
【0131】
- 1分子あたり3個以上のヒドロキシル基を有する化合物であると定義されるポリオール。好適なポリオールの例には、フルクトース、グルカミン、グルコース、グルタミン酸グルコース、グルクロン酸、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、ヒドロキシステアリルメチルグルカミン、イノシトール、ラクトース、マリトール、マンニトール、メチルグルセス-10、メチルグルセス-20、メチルグルコースジオレエート、メチルグルコースセスキココエート、メチルグルコースセスキイソステアレート、メチルグルコースセスキラウレート、メチルグルコースセスキステアレート、フィタントリオール、リボフラビン、ソルベス(sorbeth)-6、ソルベス-20、ソルベス-30、ソルベス-40、ソルビトール、スクロース、チオグリセリン、キシリトール、およびそれらの混合物が含まれる。好ましいポリオールはグリセリンである。
【0132】
- 好ましくはアルキレンオキシド(一般にエチレンまたはプロピレンオキシド)モノマーの重合により形成された、ホモポリマーまたはブロックコポリマー液体エーテル。好ましいエーテルモノマーは、下記の式においてn=1である構造を有するものである。好ましい高分子エーテルは、下記の式においてn=2〜20である一般構造を示す。
【化25】
[式中、Rは、水素またはC1〜10直鎖もしくは分枝鎖アルキルであり、nは、1〜20である]
このような高分子エーテルの例には、PEG、PPGおよびそれらの誘導体が含まれる。
【0133】
好適な高分子エーテルの他の例には、一般式:
【化26】
[式中、xは、1〜200であり、yは、1〜200であり、zは、1〜200である]
を有するポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマーが含まれる。このような化合物は、メロキサポール(Meroxapol)(RTM) 105、108、171、174、178、251、252、254、255、258、311、312および314のCTFA名で入手可能である。
【0134】
- 一般式R(OH)n [式中、nは1または2であり、Rは、置換もしくは非置換の飽和C2〜C10、好ましくはC1〜C8アルキル、または置換もしくは非置換の脂環式、二環式、もしくは芳香族環(そこにおいて、置換基はハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシ等より選択される)である]の1価および2価アルコール。最も好ましい1価アルコールには、エタノール、イソプロパノール、ヘキシルデカノール、ベンジルアルコール、プロピルアルコール、およびイソプロピルアルコールが含まれる。最も好ましい二価アルコールは、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1〜2ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、およびそれらの混合物である。
【0135】
- ソルビタンのエーテルまたはエステルであると定義されるソルビタン誘導体、例えば、ソルビトールのステアリン酸エステルであると定義されるポリソルベートおよびソルビタン無水物も、好適な極性溶媒である。例としては、ポリソルベート20、21、40、60、61、65、80、81および85が挙げられる。
【0136】
化粧品最終製品は、非常に幅広い化粧品を含む。好適な製品は、例えば、特に下記のものである。
- スキンケア製品、例えば、棒状の石鹸または液体石鹸、合成洗剤または洗浄用ペーストの形の皮膚洗浄および清浄用製品;
- 入浴用製品、例えば、液体(フォームバス、乳剤、シャワー製品)または固体(バスパールおよびおよびバスソルトなど)の入浴用製品;
- スキンケア製品、例えば、皮膚用乳液、複合乳液(multiple emulsion)またはスキンオイル;
- 装飾用ボディーケア製品、例えば、デイクリームまたはパウダークリーム、フェイスパウダー(粉または固形)、ほお紅またはクリームメイクアップの形の顔用メイクアップ製品、アイケア製品、例えば、アイシャドウ製品、マスカラ、アイライナー、アイクリームまたはアイフィックスクリーム;リップケア製品、例えば、口紅、リップグロス、リップライナー、ネイルケア製品、例えば、マニキュア液、マニキュア除去剤、爪硬化剤またはキューティクルリムーバー;
- 女性用衛生製品、例えば、女性用衛生洗浄ローションまたはスプレー;
- フットケア製品、例えば、フットバス、フットパウダー、フットクリームまたはフットバーム、専用の消臭剤および制汗剤または硬化した皮膚をこすり取る製品;
- サンスクリーン、例えば、サンミルク、ローション、クリーム、オイル、日焼け止めまたはトロピカル、日焼け前製品または日焼け後製品;
- サンタン製品、例えば、セルフタンニングクリーム;
- 脱色素製品、例えば、皮膚の漂白または美白用の製品;
- 昆虫忌避剤、例えば、虫よけオイル、ローション、スプレーまたはスティック;
- 消臭剤、例えば、消臭スプレー、非エアロゾルスプレー、消臭ジェル、スティックまたはロールオン;
- 制汗剤、例えば、制汗スティック、クリームまたはロールオン;
- 不潔な皮膚を洗浄化および手入れするための製品、例えば、合成洗剤(固体または液体)、ピーリングまたはスクラブ製品またはピーリングマスク;
- 化学脱毛製品、例えば、脱毛パウダー、液体脱毛製品、クリーム状またはペースト状脱毛製品、脱毛ジェルまたはエアロゾルフォーム;
- ひげそり用製品:例えば、ひげそり用石鹸、泡状シェービングクリーム、泡状でないシェービングクリーム、シェービングフォームおよびジェル、ドライシェービング用のプレシェービング製品、アフターシェーブまたはアフターシェーブローション;
- 香料(scent)、例えば、香水(オーデコロン、オードトワレ、オードパルファム、パルファムドトワレ、香水)、香油または香水クリーム;
- 口腔および歯科用衛生製品ならびに義歯用製品、例えば、歯磨きペースト、歯磨きジェル、歯磨き粉、マウスウォッシュ濃縮物、プラーク防止マウスウォッシュ、義歯洗浄製品または義歯接着製品;
- 毛髪の手入れのための化粧品製剤、例えば、シャンプーの形の毛髪洗浄剤、ヘアコンディショナー、ヘアケア製品、例えば、プレトリートメント製品、ヘアトニック、ヘアスタイリングクリームおよびジェル、ポマード、ヘアリンス、ディープコンディショニングトリートメント、集中ヘアケアトリートメント、ヘアセット製品、例えば、パーマ用のウェーブ剤(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)、縮毛矯正剤、液体毛髪固定剤、ヘアフォーム、ヘアスプレー、漂白剤、例えば、過酸化水素溶液、漂白シャンプー、漂白クリーム、漂白パウダー、漂白ペーストまたはオイル、一時的、半一時的または永久染毛剤、自動酸化染毛剤を含む製品、またはヘナまたはカモミールなどの天然の染毛剤。
【0137】
好ましくは、少なくとも1つの成分(a)、(b)または(c)が、皮膚、粘膜または毛髪を手入れまたは保護するための化粧品に使用される成分である。
【0138】
上に挙げた最終製品は、非常にさまざまな提供の形態であってよく、例えば、次の形態であり得る。
- O/Wエマルションとしての液体製剤の形、
- スティックの形、
- ジェルの形、
- クリーム、ローションまたは乳液の形、
- スプレー(噴射剤を用いるスプレーまたは非エアロゾルスプレー)またはエアロゾルの形、
- 泡の形、
- ペーストの形、または
- 粉末、ラッカー、ペレットまたはメイクアップの形。
【0139】
上記の成分の1種または数種を含有し、上記の提供の形態である化粧品最終製剤は、好ましくは、本発明において使用されるナノディスパージョンを、化粧品最終製品の総重量を基準として、0.01〜99重量%、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.05〜10重量%の濃度で含有する。
【実施例】
【0140】
下記の実施例により、本発明をさらに説明する。部またはパーセンテージは重量で表す。
【0141】
実施例1:
【表1】
【0142】
実施例2:
【表2】
【0143】
実施例3:
【表3】
【0144】
実施例4:
【表4】
【0145】
実施例5:
【表5】
【0146】
実施例6:
【表6】
【0147】
実施例7:
【表7】
【0148】
実施例8:
【表8】
【0149】
実施例9:
【表9】
【0150】
実施例10:
【表10】
【0151】
実施例11:
【表11】
【0152】
実施例12:
【表12】
【0153】
実施例13:
【表13】
【0154】
実施例14:
【表14】
【0155】
実施例15:
【表15】
【0156】
実施例16:
【表16】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、スティック、ジェル、クリーム、ローション、乳液、スプレー、エアロゾル、泡、ペースト、粉末、ラッカー、ペレットまたはメイクアップなどの化粧品最終製剤における、(a)膜形成分子、(b)共乳化剤、(c)親油性成分、および(d)例えば、アスコルビン酸などの酸化を受けやすい水溶性成分を含むナノディスパージョンの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品は、化粧品製剤の形成に関与する基本的物質に加えて、他の機能性活性物質を含む。これらは化粧品の基本製剤に加えられ、例えば、手入れ、保護、着色、清浄化、殺菌のために、皮膚に潤いを与えるために、および皮膚または毛髪を再生または活性化するために使用される。
【0003】
本発明の目的は、水溶性成分の、有酸素環境および水により引き起こされるそれ自体の劣化/分解に対する安定性を改善することである。
【0004】
本発明の好ましい実施形態は、アスコルビン酸を基礎とする。多くの特許および文献に、アスコルビン酸を安定化するための種々の方法が開示されている。
【0005】
例えば、EP-A-0 729 746には、2つの区画を有するキットを含むアスコルビン酸送達系が開示されている。第1の区画は、ポリオールなどの非水性極性溶媒中に溶解されたアスコルビン酸の無水溶液である。第2の区画はアルカリ性水溶液である。2つの区画の内容物は使用の直前に混合される。より多いアルカリ性水溶液が、無水アスコルビン酸を含有する溶液のpHを上げて、皮膚がヒリヒリしない組成物を提供する。
【0006】
U.S. 5,350,773には、ヒトおよび動物用の液体食品に使用する安定な液体製品が開示されている。この組成物は、分散相として非極性脂肪物質を、連続相として極性非水性溶媒を含む無水エマルションの形である。
【0007】
U.S. 5,427,814には、アスコルビン酸を非極性溶媒に混合し、この混合物を、加熱したトコフェロールとレシチンの混合物に加えることにより、脂肪を酸化から保護する方法が開示されている。
【0008】
U.S. 5,308,621には、アスコルビン酸の経皮投与の方法が開示されている。微細に粒子化したアスコルビン酸をポリオールなどの製薬上許容される担体に懸濁する。
【0009】
EP-A-0 755 674には、ポリオールおよび油に加えて最小量の水を含有する安定化されたアスコルビン酸組成物が開示されている。
【0010】
U.S. 5,587,149には、分散相としてポリオール中に可溶化されたアスコルビン酸を、また連続相として油を含むアスコルビン酸エマルション組成物が開示されている。
【0011】
しかしながら、上記の特許はいずれも、高濃度のアスコルビン酸が組成物中に可溶化され、長期間にわたって安定に維持される、化粧品への応用に適した安定な無水アスコルビン酸含有組成物を開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】EP-A-0 729 746
【特許文献2】U.S. 5,350,773
【特許文献3】U.S. 5,427,814
【特許文献4】U.S. 5,308,621
【特許文献5】EP-A-0 755 674
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで、本発明は、化粧品最終製剤における、
(a) 膜形成分子、
(b) 共乳化剤、
(c) 親油性成分、および
(d) 酸化を受けやすい水溶性成分
を含むナノディスパージョンの使用を提供する。前記ナノディスパージョンは、(α)成分(a)、(b)および(c)を均一な液体が得られるまで混合する工程(いわゆるナノディスパージョンプレフェーズ)、ならびに(β)工程(α)で得られた液体に、前記水溶性成分と場合により非水性極性有機溶媒とを含有する水または水相(不連続相)を加える工程により得ることができる。
【0014】
好ましくは、成分(d)はアスコルビン酸またはビタミンCである。
【0015】
特に興味深いのは、非水性極性有機溶媒がポリオール、ホモポリマー液体エーテルまたはブロックコポリマー液体エーテルであるナノディスパージョンの使用である。
【0016】
好ましくは、工程(α)は無水媒体中で実施し、工程(β)は均質化を行わずに実施する。
【0017】
最も好ましくは、ナノディスパージョン中の粒子は、100 nm未満の平均直径を有する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好ましい実施形態の一つは、水溶性活性成分、例えば、アスコルビン酸と別の抗酸化剤(成分(e))を組み合わせることである。
【0019】
好ましくは、成分(e)は、炭素架橋ヒンダードフェノール、エステル架橋ヒンダードフェノール、アミド架橋ヒンダードフェノール、ヒンダードフェノールのラクトン、立体障害性オキシルアミンおよび立体障害性ヒドロキシルアミンからなる群より選択される。
【0020】
好ましい抗酸化剤(成分(e))は、式(1)、(2)および/または(3):
【化1】
[式(1)、(2)および(3)において、
G1は、水素;C1〜C22アルキル;C1〜C22アルキルチオ;C2〜C22アルキルチオアルキル;C5〜C7シクロアルキル;フェニル;C7〜C9フェニルアルキル;またはSO3Mであり;
G2は、C1〜C22アルキル;C5〜C7シクロアルキル;フェニル;またはC7〜C9フェニルアルキルであり;
Eは、オキシルまたはヒドロキシルであり;
Qは、-CmH2m-;
【化2】
;-CmH2m-NH;式
【化3】
の基であり;
Tは、-CnH2n-;-(CH2)n-O-CH2-;フェニレン;
【化4】
;または式(1C)
【化5】
の基であり;
Vは、-O-;または-NH-であり;
aは、0;1;または2であり;
b、cおよびdおよびgは、それぞれ、互いに独立して、0または1であり;
eは、1〜4の整数であり;
fは、1〜3の整数であり;
m、nおよびpは、それぞれ、互いに独立して、1〜3の整数であり;
qは、0または1〜3の整数であり;
e = 1である場合、または式(3)において、
G3は、水素;C1〜C22アルキル;C5〜C7シクロアルキル;C1〜C22アルキルチオ;C2〜C22アルキルチオアルキル;C2〜C18アルケニル;C1〜C18フェニルアルキル;M;SO3M;式
【化6】
の基であり;
または、G3は、OHおよび/またはC2〜C22アルカノイルオキシにより置換されたプロピルであり;
Mは、アルカリ;アンモニウム;Hであり;
e = 2である場合、
G3は、直接結合;-CH2-;
【化7】
;または-S-であり;または、G3は、OHまたはC2〜C22アルカノイルオキシにより置換されたプロピルであり;
e = 3である場合、
G3は、式(1g)、(1h)、(1i)または(1k)
【化8】
の基であり;
e = 4である場合、
G3は、
【化9】
であり;
G4およびG5は、それぞれ、互いに独立して、水素;またはC1〜C22アルキルである]
の化合物およびそれらの酸付加塩;
および式(16)、(18)、(20)、(21)、(22)、(23):
【化10】
の化合物である。
【0021】
最も好ましくは、成分(e)は、式AまたはB
【化11】
[式中、Mは、水素またはナトリウムである]
の化合物である。
【0022】
これらの式AおよびBの2つの化合物は、Ciba Specialty Chemicals Inc.より市販されている。Tinogard AO6 (RTM)は、式Aの化合物である。Tinogard TT (RTM)は、式Bの化合物である。
【0023】
場合により、さらに別の親水性または親油性抗酸化剤を使用することができる。
【0024】
このような別の親水性または親油性抗酸化剤の例は、次の通りである。
【0025】
- トコフェロール(α、β、γ、δ異性体)、および一般式
H(CH2)n(CHR)COOH (1)
CH3(CH2)mCH=CH(CH2)nCOOH (2)
[式中、Rは水素原子またはOH基であり、m、nは0〜22の整数であり、m+nの合計は最大で22である]で表される酸とのそのエステル;
【0026】
- 1つの不飽和脂肪鎖を含むトコトリエノール(α、β、γ、δ異性体)、およびその酸エステル(its esters of acids);
【0027】
- アスコルビン酸のエステル、例えば、リン酸エステル、ならびにナトリウム、カリウム、リチウムおよびマグネシウム塩、テトライソパルミチン酸アスコルビル、さらにピロリドンカルボン酸とのエステル、および一般式:
H(CH2)n(CHR)COOH (3)
CH3(CH2)mCH=CH(CH2)nCOOH (4)
[式中、Rは水素原子またはOH基であり、m、nは、0〜20の整数であり、m+nの合計は最大で21である]で表される酸のエステル;
【0028】
- レチノイドは、皮膚においてビタミンAの生物活性を有するすべての天然および/または合成のビタミンA類似物またはレチナール様化合物、ならびにこれらの化合物の幾何異性体および立体異性体を含む。好ましい化合物は、レチナール、レチノールエステル(例えば、レチナールのC2〜C22アルキルエステル(飽和または不飽和アルキル鎖))であり、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール、プロピオン酸レチノール、レチナール、および/またはレチノイン酸(すべてのトランスレチノイン酸および/または13-cis-レチノイン酸を含む)または誘導体を含む。本発明に有用な他のレチノイドは、例えば、U.S. 4,677,120;U.S. 4,885,311;U.S. 5,049,584またはU.S. 5,124,356に記載されている。他の好適なレチノイドは、レチノイン酸トコフェロール(レチノイン酸のトコフェロールエステル(トランスまたはシス))アダパレン(6-(3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル)-2-ナフトエ酸)およびタザロテン(6-[2-(4,4-ジメチルチオクロマン-6-イル)-エチニル]ニコチン酸エチル)である;
【0029】
- カロテノイド、例えば、α-、β-、δ-、およびδ-カロテン、ルテイン、キサントフィル、ゼアキサンチン、ビオラキサンチン、クリプトキサンチン、フコキサンチン、アンテラキサンチン、リコペン、ジデヒドロリコペンおよびテトラデヒドロリコペンカロテノイド;
【0030】
- 酵素的抗酸化剤、例えば、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ;
【0031】
- ユビキノンおよびイデベノン(ヒドロキシデシルユビキノン)、ユビキノールおよびその誘導体;
【0032】
- リポ酸およびその誘導体、例えば、アルファ-リポ酸;
【0033】
- ルチン酸(rutinic acid)およびその誘導体、例えば、α-グルコシルルチン、水溶性フラボノイド、ルチン水和物(ビタミンP);
【0034】
- 植物抽出物、例えば、白茶および緑茶抽出物、チコリ葉抽出物(キクニガナ(cichorium intubybus))、トケイソウ抽出物(チャボトケイソウ(passiflora incarnate))、ルイボス(aspalathus linearis)抽出物、ローズマリー抽出物、カエデ科カエデの木(aceraceae maple tree)またはバラ科桜の木(rosaceae cherry tree)の赤葉抽出物、ウコン(curcuma longa L)(クルクミノイド活性成分)、エーデルワイス(leontopodium alpinum)抽出物、アンマロク(emblica officinalis)(phyllanthus emblica)木抽出物;
【0035】
- フェノール酸、例えば、コーヒー酸、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸;
【0036】
- フラボノイドおよびポリフェノール、例えば、非置換フラバノン、一置換フラバノン、およびそれらの混合物からなる群より選択されるフラバノン;非置換カルコン、一置換カルコン、二置換カルコン、三置換カルコン、およびそれらの混合物からなる群より選択されるカルコン、非置換フラボン、一置換フラボン、二置換フラボン、およびそれらの混合物からなる群より選択されるフラボン;または他のイソフラボン;非置換クマリン、一置換クマリン、二置換クマリン、およびそれらの混合物からなる群より選択されるクマリン;フラボノール、アントシアニン、カテキン、プロアントシアニジン(ブドウ種子抽出物);例えば、U.S. 5,686,082またはU.S. 5,686, 367に広く開示されるフラボノイドも、使用することができる;
【0037】
- クロロゲン酸およびフェルラ酸。
【0038】
好ましくは、別の親水性または親油性抗酸化剤は、トコフェロールおよびその各種酸とのエステル、トコトリエノールおよびその各種酸とのエステル、アスコルビン酸エステル、レチノイド、カロテノイド、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、ユビキノンおよびイデベノン、リポ酸およびその誘導体、ルチン酸およびその誘導体、フェノール酸、フラボノイドおよびポリフェノール、クロロゲン酸およびフェルラ酸からなる群より選択される。
【0039】
好ましくは、成分(e)(別の親水性または親油性抗酸化剤)と成分(d)(例えば、アスコルビン酸などの水溶性成分)の重量比は、1:100〜10:1である。
【0040】
これらの物質が所望の部位において効果を有するためには、それらを、いわゆる担体および輸送ビヒクル(輸送系)により、それぞれの部位、例えば、皮膚の表面、粘膜、爪、歯のエナメル質または毛髪に、ならびに皮膚の表皮領域および真皮領域に輸送しなければならない。この目的で、多くの化粧品活性物質、例えば、水溶性ビタミン、アミノ酸群または水溶性メラニンが、リポソームに封入されている。膜および膜形成分子の物理的および化学的性質のために、従来の化粧品製剤における前記輸送系の使用は厳しく制限される。
【0041】
従来の構造を有する膜は、両親媒性物質により非常に影響を受けやすい。両親媒性物質は、イオノゲン性または非イオノゲン性乳化剤、脂肪アミン、両性乳化剤、洗浄性界面活性剤、増粘剤または保存剤などであり、多くの化粧品の基礎成分を形成し、またはいわゆる活性物質または賦形剤として化粧品最終製剤中に存在する。膜の構造はこのような物質の存在下で変化し、その結果、調製中に添加される輸送系が破壊される可能性がある。
【0042】
通常の膜は、酸および塩基の攻撃にも曝される。そこで、例えば、リン脂質を含有する輸送系は、約pH 6.5のいわゆるpH最適条件の範囲でしか使用することができない。pHが低下または上昇すると、膜形成分子が加水分解される。
【0043】
驚くべきことに、今回、適切な組成のナノディスパージョンを、非常に簡単な方法により、それらの形態学的および物理化学的性質を保持したままで、両親媒性物質の存在下で幅広いpH範囲の化粧品最終製剤に組み込むことができることが見出された。
【0044】
別の方法は、成分(a)の水和速度を速め(fasten)および改善するために、成分(a)を非水性極性有機溶媒のみを含む非連続相に混合するというものである。この場合には、70〜80℃の最適温度において20〜30分間加熱することが必要であり、次いで室温に冷却した後、水溶性活性物質を加える。その後、穏やかに撹拌しながら、不連続層を連続相(成分(b)および(c))に少しずつ加える。
【0045】
前記方法を特徴とするナノディスパージョンは、300 nm未満の、典型的には100 nm未満の、最も好ましくは10 nm〜80 nmの範囲の平均直径を有する粒子を含有する。分布は単分散であり、ガウス分布に一致する。
【0046】
成分(a)、(b)、(c)および(d)、ならびに場合により例えば成分(e)などの別の成分を含むナノディスパージョンの好ましい使用態様において、成分(a)は、いわゆる二重層を形成するのに適した物質であり、成分(b)は好ましくはW/O構造を形成する物質であり、成分(c)は通常化粧品に使用される親油性の機能性活性物質である。
【0047】
ナノディスパージョンは、好ましくは、成分(a)として、リン脂質、水和もしくは部分水和したリン脂質、リゾリン脂質、セラミド、またはこれらの混合物を含有する。
【0048】
特に好ましいリン脂質は、式1:
【化12】
[式中、
R1は、C10〜C20アシルであり;
R2は、水素またはC10〜C20アシルであり;
R3は、水素、2-トリメチルアミノ-1-エチル(レシチンとも呼ばれる)、2-アミノ-1-エチル;非置換の、または1個または数個のカルボキシ、ヒドロキシまたはアミノ基により置換されたC1〜C5アルキル;イノシトールまたはグリセリル基である]
のリン脂質、またはこれらの式1の化合物の塩である。
【0049】
C10〜C20アシルは、好ましくは、偶数個の炭素原子を有する直鎖C10〜C20アルカノイルならびに二重結合および偶数個の炭素原子を有する直鎖Cl0〜C20アルケノイルである。
【0050】
偶数個の炭素原子を有する直鎖C10〜C20アルカノイルは、例えば、n-ドデカノイル、n-テトラデカノイル、n-ヘキサデカノイルまたはn-オクタデカノイルである。
【0051】
二重結合および偶数個の炭素原子を有する直鎖Cl0〜C20アルケノイルは、例えば、6-cis-もしくは6-trans-、9-cis-もしくは9-trans-ドデセノイル、-テトラデセノイル、-ヘキサデセノイル、-オクタデセノイルまたは-エイコセノイル、好ましくは、9-cis-オクタデセノイル(オレオイル)、ならびに9,12-cis-オクタデカジエノイルまたは9,12,15-cis-オクタデカトリエノイルである。
【0052】
R3が2-トリメチルアミノ-1-エチルである式(1)のリン脂質を、慣用名でレシチンと呼び、R3が2-アミノ-1-エチルである式(1)のリン脂質を、慣用名でセファリンと呼ぶ。好適なものは、例えば、天然のセファリンまたはレシチン、例えば、ダイズまたは鶏卵から得られる、異なるまたは同一のアシル基を有するセファリンまたはレシチン、またはそれらの混合物である。
【0053】
式(1)のリン脂質は合成されたものであってもよい。「合成リン脂質」という表現は、R1およびR2に関して均一な組成を有するリン脂質を定義するために使用される。このような合成リン脂質は、好ましくは、アシル基R1およびR2が定義された構造を有し、約95%よりも高い純度を有する定義された脂肪酸から誘導される、上に定義したレシチンおよびセファリンである。R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよく、また、不飽和であっても飽和であってもよい。好ましくは、R1は、例えば、n-ヘキサデカノイルのように飽和であり、R2は、例えば、9-cis-オクタデセノイル(オレオイル)のように不飽和である。
【0054】
「天然の」リン脂質という表現は、R1およびR2に関して均一な組成を有しないリン脂質を意味する。このような天然のリン脂質も同様に、アシル基R1およびR2が天然の脂肪酸混合物に由来するレシチンおよびセファリンである。
【0055】
「実質的に純粋な」式(1)のリン脂質という要件は、90重量%よりも高い純度、好ましくは95重量%よりも高い純度の式(1)のリン脂質を意味する。これは、適切な測定方法、例えば、ペーパークロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、HPLCまたは酵素発色試験(enzymatic colour testing)により証明することができる。
【0056】
式(1)のリン脂質において、C1〜C4アルキルであると定義されるR3は、例えば、メチルまたはエチルである。メチルが好ましい。
【0057】
1個または数個のカルボキシ、ヒドロキシまたはアミノ基により置換されたC1〜C5アルキルであると定義されるR3は、例えば、2-ヒドロキシエチル、2,3-ジヒドロキシ-n-プロピル、カルボキシメチル、1-もしくは2-カルボキシエチル、ジカルボキシメチル、2-カルボキシ-2-ヒドロキシエチルもしくは3-カルボキシ-2,3-ジヒドロキシ-n-プロピル、3-アミノ-3-カルボキシ-n-プロピルまたは2-アミノ-2-カルボキシ-n-プロピルであり、好ましくは2-アミノ-2-カルボキシエチルである。
【0058】
これらの基を有する式(1)のリン脂質は、塩の形、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩として存在し得る。
【0059】
R3がイノシトールまたはグリセリル基である式(1)のリン脂質は、ホスファチジルイノシトールおよびホスファチジルグリセロールの名称で知られている。
【0060】
式(1)のリン脂質におけるアシル基は、下記の括弧に示す慣用名でも知られている:
9-cis-ドデセノイル(ラウロレオイル)、9-cis-テトラデセノイル(ミリストレオイル)、9-cis-ヘキサデセノイル(パルミトレオイル)、6-cis-オクタデセノイル(ペトロセロイル)、6-trans-オクタデセノイル(ペトロセライドイル)、9-cis-オクタデセノイル(オレオイル)、9-trans-オクタデセノイル(エライドイル)、9,12-cis-オクタデカジエノイル(リノレオイル)、9,12,15-cis-オクタデカトリエノイル(リノレノイル)、11-cis-オクタデセノイル(バセノイル)、9-cis-エイコセノイル(ガドレオイル)、5,8,11,14-cis-エイコサテトラエノイル(アラキドノイル)、n-ドデカノイル(ラウロイル)、n-テトラデカノイル(ミリストイル)、n-ヘキサデカノイル(パルミトイル)、n-オクタデカノイル(ステアロイル)、n-エイコサノイル(アラキドイル)、n-ドコサノイル(ベヘノイル)、n-テトラコサノイル(リグノセロイル)。
【0061】
式(1)のリン脂質の塩は、好ましくは化粧品として許容可能な塩である。塩は、置換基R3における塩形成基の存在およびリン原子上の遊離ヒドロキシル基により決定される。分子内塩の形成も可能である。アルカリ金属塩、特にナトリウム塩が好ましい。
【0062】
本発明の特に好ましい実施形態においては、品質LIPOID S 100またはS 75のダイズを原料とする精製レシチン、またはモノグラフUSP23/NF 18に定義されたレシチンを使用する。
【0063】
成分(a)は、好ましくは、成分(a)、(b)、(c)および(d)の総重量を基準として、約0.1〜30 重量%の濃度で使用される。
【0064】
好ましくは、成分(b)は、好ましいW/O構造を形成する乳化剤または乳化剤混合物である。好ましくは、ナノディスパージョンは、成分(b)として、少なくとも1種のシロキサンもしくは有機シロキサン型の乳化剤(例えばU.S. 5,411,744もしくはUS-A-2001/0007653A1に記載されるものなど)、または1種のソルビタン誘導体型乳化剤(例えば、エトキシ化されていないエステル、例えば、オレイン酸ソルビタン、ラウリン酸ソルビタンもしくはステアリン酸ソルビタン、およびエトキシ化されているもの、例えば、ポリソルベート(Polysorbate)20 (RTM)、ポリソルベート40 (RTM)、ポリソルベート60 (RTM)、ポリソルベート80 (RTM))、ならびに/または、特に、従来のW/O乳化剤型(例えば、下に記載されるもの)、またはこれらの物質の混合物を含有する。
【0065】
シロキサンまたは有機シロキサン型に関して、好ましい乳化剤は、シロキサン乳化剤/界面活性剤構造を有するものであって、W/O配向型であってよく、室温で液体または固体であってよく、好ましくは2〜6のHLB値を有する非イオン性乳化剤でなければならない。
【0066】
本発明に使用される高分子有機シロキサン乳化剤は、下記の一般式のいずれかを有し得る:
【化13】
[式中、LPは親油性基であり、HPは親水性基であり、
xは、0〜5000であり、
yは、0〜5000であり、
zは、0〜5000であり、ただし、有機シロキサンは少なくとも1個の親水性基および少なくとも1個の親油性基を有する]。
【0067】
本発明の組成物において成分(b)として使用するのに適した別のタイプの好ましいシロキサン乳化剤は、式2:
【化14】
[式中、
mは、1〜20の数であり、
nは、0〜500の数であり、
pは、0〜50の数であり、
R1は、C1〜C30アルキルまたはフェニルであり、
R2は、-CcH2c-(OC2H4)a-(OC3H6)b-(OC4H8)d-R3であり、
R3は、水素、ヒドロキシ、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C12アルキル、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルコキシ、直鎖もしくは分枝鎖C2〜C12アシルオキシ、-NHCH2CH2COOM、-NHCO(CH2)d-COOM、C1〜C30-カルボキシアシル、-NHCO(CH2)d-OHまたは-NH3Yであり、
Mは、水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムまたは有機アンモニウムであり、
Yは、クロロ、ブロモ、硫酸アニオン(sulfate)またはカルボン酸アニオン(carboxylate)などの1価の有機または無機アニオンであり、
aは、0〜100の数であり、
bは、0〜50の数であり、
cは、0〜5の数であり、
dは、0〜10の数である]
の化合物である。
【0068】
カルボン酸アニオンは、例えば、酢酸アニオン(acetate)、乳酸アニオン(lactate)またはクエン酸アニオン(citrate)である。
【0069】
これらの化合物は、オキシアルキレン化有機修飾シリコーンである。使用される他の種類は、PEG/PPGジメチコン(ジメチコンコポリオール)または乳化に必要な界面活性特性を明白に示すシリコーンポリエーテルである。
【0070】
好ましいシリコーン乳化剤は、式3:
【化15】
[式中、
nは、1〜500の数であり、
Rは、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C30アルキル基またはフェニル基であり、
R2は、-CcH2c-(OC2H4)a-(OC3H6)b-(OC4H8)d-R3であり、
R3、a、b、cおよびdは、先に記載したものと同じ意味を有する]
の化合物である。
【0071】
W/Si乳化剤の非網羅なリストを以下に示す。
【0072】
オキシアルキレン化有機修飾シリコーン:
PEG/PPGジメチコンおよびシリコーンポリエーテル
ビス-PEG/PPG-14/14ジメチコン
ビス-PEG/PPG-20/20ジメチコン
ビス-PEG/PPG-16/16 PEG/PPG-16/16ジメチコン
ビス-PEG-15メチルエーテルジメチコン
ビス(PPG-7ウンデセネス-21)ジメチコン
セチルPEG/PPG-15/15ブチルエーテルジメチコン
セチルPEG/PPG-7/3ジメチコン
セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン
ジメチコンコポリオール
ジメチコンPEG-8アジペート
ジメチコンPEG-7アボカドエート(avocadoate)
ジメチコンPEG-8アボカドエート
ジメチコンPEG-8蜜ろう
ジメチコンPEG-nエステル
ジメチコン/PEG-10クロスポリマー
ジメチコン/PEG-15クロスポリマー
ジメチコン/PEG-7ホスフェート
ジメチコン/PEG-nホスフェート
ジメチコンPEG/PPG-7/4ホスフェート
ジメチコンPEG/PPG-12/4ホスフェート
ジメチコンPEG-7ウンデシレネート
ラウリルメチコンコポリオール
PEG-10ジメチコンクロスポリマー
PEG-12ジメチコンクロスポリマー
PEG-10ラウリルジメチコンクロスポリマー
PEG-15ラウリルジメチコンクロスポリマー
PEG-6メチルエーテルジメチコン
PEG-nメチルエーテルジメチコン
PEG-32メチルエーテルジメチコン
PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン
PEG/PPG-22/22ブチルエーテルジメチコン
PEG/PPG-23/23ブチルエーテルジメチコン
PEG/PPG-24/18ブチルエーテルジメチコン
PEG/PPG-27/9ブチルエーテルジメチコン
PEG/PPG-3/10ジメチコン
PEG/PPG-5/3トリシロキサン
PEG/PPG-n/mジメチコン
PEG/PPG-30/10ジメチコン
カリウムジメチコンPEG-7ホスフェート
PPG-12ブチルエーテルジメチコン
PPG-12ジメチコン
PPG-27ジメチコン
TEA-ジメチコンPEG-7ホスフェート
カプリリルジメチコンエトキシグルコシド
ジメチコンエトキシグルコシド
ジメチコン/ポリグリセリン-3クロスポリマー
PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
ポリジメチルシロキシPEG/PPG-24/19ブチルエーテルシルセスキオキサン
ポリジメチルシロキシPPG-13ブチルエーテルシルセスキオキサン
ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン
ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
ナトリウムカルボキシデシルPEG-8ジメチコン
非オキシアルキレン化有機修飾シリコーン:
C6〜C8アルキルC3〜C6アルキルグルコシドジメチコン。
【0073】
本発明の組成物に使用するのに適した別のタイプの好ましい有機シロキサン乳化剤は下記の一般式:
(CH3Si)y-2[(OSi(CH3)2)x/yO-PE]y
[式中、PEは、-(EO)m(PO)nRであり、
Rは、低級アルキルまたは水素であり、
EOは、ポリエチレンオキシであり、
POは、ポリプロピレンオキシであり、
mおよびnは、それぞれ独立して、1〜5000であり、
xおよびyは、それぞれ独立して、1〜5000である]
および
【化16】
[式中、PE = -CH2CH2CH2O(EO)m(PO)nZであり、
Zは、低級アルキルまたは水素であり、
m、n、x、y、EOおよびPOは、上に記載した通りであり、
ただし、分子は親油性部分を含む]
により表されるものである。ここでも、親油性部分は、高分子骨格状の十分な数のメチル基により供給され得る。
【0074】
特に好ましいのは、下記の一般式:
【化17】
[式中、nは、1〜10、好ましくは8である]
のSilwet (RTM)ポリマーである。
【0075】
従来のW/O乳化剤型に関して、好ましい乳化剤は、下記の構造として表されるものである:
【化18】
[式中、aは、1〜100であり、
R1およびR2は、水素またはメチル基(-Hまたはメチル)のいずれかを表し、
Xは下記の基:
【化19】
を表し、そこにおいて、
R3は、水素、1〜20個の炭素原子を有する分枝鎖もしくは直鎖、飽和もしくは不飽和アルキルまたはアシル基であり、
AおよびA’は、同じまたは異なる有機基であり、式I:
【化20】
[式中、R’およびR”は、1〜20個の炭素原子を有する分枝鎖または直鎖アルキル基を表し、
bは、0〜200の数である]
に記載される通りのC10〜C30の分枝鎖もしくは直鎖、飽和もしくは不飽和アルキル-、アシル-またはヒドロキシアシル基を表す]。
【0076】
A、A’、R1およびR2は、最も好ましくは水素である。場合により、次の基、すなわち、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、イソステアロイルまたはエイコソイルを選択することができる。あるいは、下記の構造を選択することも可能である:
【化21】
[式中、nは、10〜20の数である]
または、
【化22】
[式中、mは9〜19の数である]。
【0077】
好ましいW/O系は次の通りである。
【0078】
- イソステアリン酸のモノ-、ジ-、トリ-またはテトラ-グルセリンエステルあるいはジエステル(例えば、ポリグリセリル-n-ジイソステアレート);例えば、イソステアリン酸ポリグリセリル-4、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、セスキイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジステアロイルポリグリセリル-3ダイマージリノレエート、グリセリル12-ヒドロキシ-9-オクトデセノエート。
- ヒドロキシステアリン酸のポリエステル、例えば、ポリグリセリル-n-ポリヒドロキシステアレートおよび/またはエトキシ化型(例えば、PEG-30ジポリヒドロキシステアレート);例えば、ポリグリセリル-10ペンタヒドロキシステアレート。
- 6〜22個の炭素原子を有する飽和および不飽和脂肪酸およびエチレンオキシド生成物のソルビタンモノ-およびジ-エステル、例えば、PEG-6イソステアレートソルビタン、PEG-10ソルビタンラウレート、ソルビタンオレエート、PEG-40ソルビタンペルオレエート。
- エトキシ化油またはポリマー/コポリマー、例えば、PEG-7水素化ひまし油、PEG-45ドデシルグリコールコポリマー。
【0079】
本発明のナノディスパージョン中に存在する成分(b)は、成分(a)、(b)、(c)および(d)の総重量を基準として、例えば、0.1〜50重量%、特に0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の量で使用し得る。
【0080】
成分(c)は、好ましくは天然または合成もしくは部分合成ジ-またはトリグリセリド、鉱油、シリコーン油、ワックス、脂肪アルコール、ゲルベアルコールもしくはそれらのエステル、またはこれらの物質の混合物である。
【0081】
親油性皮膚柔軟剤の主なカテゴリーは、次の通りである。
【0082】
アルコキシル化カルボン酸、グリセリルエステル、イセチオネート、ラノリン誘導体、リン化合物、スルホサクシネートまたは硫酸エステルとして分類されないエステルのみを含むエステル。
【0083】
化学的に、エステルは酸とアルコールの間に形成される共有結合化合物である。エステルはほとんどすべての酸(無機酸およびカルボン酸)と任意のアルコールから形成され得る。
【0084】
したがって、化粧品に使用される天然および合成のエステルの数は非常に多い。エステルのリストを細分類するために、ほとんどのものはいくつかの別の化学的特徴に基づいて他の化学分類:アルコキシル化脂肪酸、アルキルエーテル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、油脂、グリセリルエステル、リン化合物、イセチオネート、ソルビタン誘導体、スルホサクシネート、硫酸誘導体およびワックスに分類されている。
【0085】
この特定の分類に属するエステルは、カルボン酸から誘導され、クラスRCO-OR'[式中、RCO-はカルボン酸基を表し、-OR'はアルコール残基である]を有する。これには、低および中程度の分子量を有する化合物、例えば、酢酸ブチルまたはミリスチン酸イソプロピル;いくつかのポリマー、例えば、ポリ酢酸ビニルが含まれる。それらは、極端なpHおよび高温で加水分解されて、アルコールおよび酸になる。
【0086】
この群のエステルは、化粧品において、皮膚柔軟剤およびコンディショナーとして(ミリスチン酸イソプロピル)、溶媒として(酢酸エチル)、芳香剤成分として(サリチル酸メチル)、および保存剤として(プロピルパラベン)、多様な用途を有する。
【0087】
アセチルトリエチルヘキシルシトレート、アセチルトリヘキシルシトレート、アセチル化水素化ひまし油、アセチル化スクロースジステアレート、アラキジルエルケート、アラキジルプロピオネート、アスコルビルテトライソパルミテート、アスコルビルトコフェリルマレエート、ベヘニルベンゾエート、ベンジルラウレート、ベンジルウルソレート(Ursolate)、ビス(トリオクチルドデシルシトリル)ジリノレエート、ビス-ベヘニル/イソステアリル/フィトステリルダイマージリノレイルダイマージリノレエート、ビス-ベヘニル/フィトステリルダイマージリノレエート、ビス-イソステアリルダイマージリノレイルダイマージリノレエート、ブトキシエチルステアレート、ブチルアセチルリシノレエート、ブチルババスエート(Babassuate)、ブチルイソステアレート、ブチルミリステート、ブチルオレエート、ブチルステアレート、ブチレングリコールベヘネート、ブチレングリコールラウレート、ブチレングリコールミリステート、ブチレングリコールオレエート、ブチレングリコールパルミテート、ブチレングリコールステアレート、ブチルオクチルベンゾエート、C10〜40イソアルキル酸フィトステロールエステル類、C11〜15パレス(Pareth)-12ステアレート、C11〜15パレス-3オレエート、C11〜15パレス-3ステアレート、C12〜13アルキルエチルヘキサノエート、C12〜13アルキルラクテート、C12〜15アルキルベンゾエート、C12〜15アルキルエチルヘキサノエート、C12〜15アルキルラクテート、C12〜15パレス-12オレエート、C12〜15パレス-3ベンゾエート、C12〜15パレス-9水素化タロウエート(Tallowate)、C14〜15ジアルキルカルボネート、C14〜16グリコールパルミテート、C14〜18酸グリコールエステル、C14〜18アルキルエチルヘキサノエート、C16〜17アルキルベンゾエート、C18〜20グリコールイソステアレート、C18〜28アルキルアセテート、C18〜30酸グリコールエステル、C18〜36酸グリコールエステル、C20〜30グリコールイソステアレート、C23〜43酸ペンタエリスリトールテトラエステル、C32〜36イソアルキルステアレート、ひまし油ベンゾエート、セテアレス-6オリベート(Olivate)、セテアリルエチルヘキサノエート、セテアリルイソノナノエート、セテアリルパルミテート、セチルアセテート、セチルババスエート、セチルC12〜15パレス-8カルボキシレート、セチルC12〜15-パレス-9カルボキシレート、セチルカプレート、セチルカプリレート、セチルジメチルオクタノエート、セチルエチルヘキサノエート、セチルグリコールイソステアレート、セチルイソノナノエート、セチルコンボブテレート(Kombo Butterate)、セチルラクテート、セチルラウレート、セチルオレエート、セチルPPG-2イソデセス-7カルボキシレート、キミルイソステアレート、キミルステアレート、コレステリルサクシネート、ココ-カプリレート/カプレート、ココ-レイプシーデート(Rapeseedate)、シクロアルテニルフェルレート、デシルカストレート(Castorate)、デシルヘンプシーデート(Hempseedate)、デシルイソステアレート、デシルホホベート(Jojobate)、デシルオレエート、デシルパルミテート、デシルサクシネート、ジブチルアジペート、ジブチルセバケート、ジブチルデシルIPDI、ジブチルオクチルIPDI、ジブチルオクチルマレート、ジブチルオクチルセバケート、ジ-C12〜13アルキルマレート、ジ-C12〜13アルキルタルトレート、ジ-C12〜15アルキルアジペート、ジ-C12〜15アルキルフマレート、ジ-C12〜15アルキルマレエート、ジ-C14〜15アルキルタルトレート、ジカプリリルカルボネート、ジカプリリルマレエート、ジセチルアジペート、ジココイルペンタエリスリチルジステアリルシトレート、ジエチルアジペート、ジエチルパルミトイルアスパルテート、ジエチルセバケート、ジエチレングリコールジエチルヘキサノエート/ジイソノナノエート、ジエチレングリコールジイソノナノエート、ジエチルヘキシル2,6-ナフタレート、ジエチルヘキシルアジペート、ジエチルヘキシルカルボネート、ジエチルヘキシルフマレート、ジエチルヘキシルマレート、ジエチルヘキシルマレエート、ジエチルヘキシルサクシネート、ジグリセリルセバケート/イソパルミテート、ジグリセリルステアレートマレート、ジヘプチルウンデシルアジペート、ジヘキシルアジペート、ジヘキシルデシルアジペート、ジヘキシルデシルIPDI、ジヘキシルデシルラウロイルグルタメート、ジヘキシルデシルセバケート、ジヒドロコレステリルブチレート、ジヒドロコレステリルイソステアレート、ジヒドロコレステリルマカダミエート(Macadamiate)、ジヒドロコレステリルノナノエート、ジヒドロコレステリルオクチルデカノエート、ジヒドロコレステリルオレエート、ジイソアミルマレート、ジイソブチルアジペート、ジイソセチルアジペート、ジイソセチルドデカンジオエート、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルダイマージリノレエート、ジイソプロピルセバケート、ジイソステアリルアジペート、ジイソステアリルフマレート、ジイソステアリルグルタレート、ジイソステアリルマレート、ジイソステアリルセバケート、ジラウリルシトレート、ダイマージリノレイルジイソステアレート、ダイマージリノレイルダイマージリノレエート、ダイマージリノレイルイソステアレート、ジメチコンPEG-7アボカドエート、ジメチコンPEG-7ココエート、ジメチコンPEG-7イソステアレート、ジメチコンPEG-7オクチルドデシルシトレート、ジメチコンPEG-7オリベート、ジメチコンPEG-7フタレート、ジメチコンPEG-8アジペート、ジメチコンPEG-8蜜ろう、ジメチコンPEG-8ボラジエート(Borageate)、ジメチコンPEG-8メドウフォーメート(Meadowfoamate)、ジメチコノールボラジエート、ジメチコノールダパブテレート(Dhupa Butterate)、ジメチコノールイリペブテレート(Illipe Butterate)、ジメチコノールコクムブテレート(Kokum Butterate)、ジメチコノールラクテート、ジメチコノールメドウフォーメート、ジメチコノールモーワブテレート(Mohwa Butterate)、ジメチコノールサルブテレート(Sal Butterate)、ジメチルアジペート、ジメチルサクシネート、ジミリスチルタルトレート、ジオクタデカニルジデシルテトラデカノエート、ジオクタデカニルジテトラデシルオクタデカノエート、ジオクチルドデセス-2ラウロイルグルタメート、ジオクチルドデセス-5ラウロイルグルタメート、ジオクチルドデシルアジペート、ジオクチルドデシルラウロイルグルタメート、ジオクチルドデシルセバケート、ジペンタエリスリチルヘキサヒドロキシステアレート/ヘキサステアレート/六水素化ロシネート(Rosinate)、ジペンタエリスリチルペンタイソノナノエート、ジペンタエリスリチルペンタイソステアレート、ジ-PPG-2ミレス-10アジペート、ジ-PPG-3セテス-4アジペート、ジ-PPG-3ミリスチルエーテルアジペート、ジプロピルアジペート、ジプロピレングリコールカプリレート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールサリチレート、ジステアレス-2ラウロイルグルタメート、ジステアレス-5ラウロイルグルタメート、ジステアリルシトレート、ジトリデシルアジペート、ジトリメチロールプロパンイソステアレート/セバケート、ジトリメチロールプロパンミリステート/ステアレート、ジトリメチロールプロパントリエチルヘキサノエート、エリスリチルトリエチルヘキサノエート、エトキシジグリコールベヘネート、エトキシジグリコールイソステアレート、エトキシジグリコールオレエート、エチルアーモンデート(Almondate)、エチルアプリコットカーネレート(Apricot Kernelate)、エチルアラキドネート、エチルアボカデート(Avocadate)、エチルカプレート、エチルイソステアレート、エチルホホベート、エチルラウレート、エチルリノレエート、エチルリノレネート、エチルマカダミエート、エチルミンケート(Minkate)、エチルモルエート(Morrhuate)、エチルミリステート、エチルオレエート、エチルオリベート、エチルパルミテート、エチルペラルゴネート(Pelargonate)、エチルペルセート(Persate)、エチルリシノレエート、エチルステアレート、エチルタルトレート(Turtlate)、エチルウンデシレネート、エチルフィートガーメート(Wheat Germate)、エチルヘキシルアセトキシステアレート、エチルヘキシルアジペート/パルミテート/ステアレート、エチルヘキシルベンゾエート、エチルヘキシルベンジルジオキソピペラジルアセテート、エチルヘキシルカプリレート/カプレート、エチルヘキシルココエート、エチルヘキシルエチルヘキサノエート、エチルヘキシルヒドロキシステアレート、エチルヘキシルヒドロキシステアレートベンゾエート、エチルヘキシルヒドロキシステアロイルヒドロキシステアレート、エチルヘキシルイソノナノエート、エチルヘキシルイソパルミテート、エチルヘキシルイソステアレート、エチルヘキシルラウレート、エチルヘキシルリノレオイルステアレート、エチルヘキシルミリステート、エチルヘキシルネオペンタノエート、エチルヘキシルオレエート、エチルヘキシルパルミテート、エチルヘキシルペラルゴネート(Pelargonate)、エチルヘキシルステアレート、グリセレス-5ラクテート、グリセレス-7ベンゾエート、グリセレス-7ジイソノナノエート、グリセレス-7ラクテート、グリセリルステアレートダイマージリノレエートコポリマー、グリセリルトリアセチルヒドロキシステアレート、グリセリルトリアセチルリシノレエート、グリコールセテアレート、グリコールジパルメート(palmate)/パームカーネレート(Palm Kernelate)/オリベート/マカダミエート、グリコールジピバレート、グリコールエチルヘキサノエート、グリコールヒドロキシステアレート、グリコールモンタネート(Montanate)、グリコールオレエート、グリコールパルミテート、グリコールリシノレエート、グリコールステアレート、グリコールタレート(Tallate)、グリコール/ブチレングリコールモンタネート、ヘプチルウンデシルヒドロキシステアレート、ヘキサンジオール蜜ろう、ヘキサンジオールジサリチレート、ヘキサントリオール蜜ろう、ヘキシルイソステアレート、ヘキシルラウレート、ヘキシルデシルベンゾエート、ヘキシルデシルエチルヘキサノエート、ヘキシルデシルヘキシルデカノエート、ヘキシルデシルラウレート、ヘキシルデシルミリストイルメチルアミノプロピオネート、ヘキシルデシルステアレート、水素化エチルヘキシルオリベート、水素化エチルヘキシルセサメート(Sesamate)、ヒドロキシセチルイソステアレート、ヒドロキシプロピルジメチコンベヘネート、イソアミルラウレート、イソブチルミリステート、イソブチルパルミテート、イソブチルペラルゴネート、イソブチルステアレート、イソブチルタロウエート、イソセチルエチルヘキサノエート、イソセチルイソデカノエート、イソセチルイソステアレート、イソセチルラウレート、イソセチルリノレオイルステアレート、イソセチルパルミテート、イソセチルステアレート、イソデセス-2ココエート、イソデシルシトレート、イソデシルココエート、イソデシルエチルヘキサノエート、イソデシルヒドロキシステアレート、イソデシルイソノナノエート、イソデシルラウレート、イソデシルミリステート、イソデシルネオペンタノエート、イソデシルオレエート、イソデシルパルミテート、イソデシルステアレート、イソヘキシルカプレート、イソヘキシルラウレート、イソヘキシルネオペンタノエート、イソヘキシルパルミテート、異性体化ホホバ油、イソノニルフェルレート、イソノニルイソノナノエート、イソプロピルアラキデート、イソプロピルアボカデート、イソプロピルババスエート、イソプロピルベヘネート、イソプロピルC12〜15-パレス-9カルボキシレート、イソプロピルヒドロキシステアレート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルホホベート、イソプロピルラウレート、イソプロピルリノレエート、イソプロピルミリステート、イソプロピルオレエート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルPPG-2イソデセス-7カルボキシレート、イソプロピルリシノレエート、イソプロピルステアレート、イソプロピルタロウエート、イソソルバイドジカプリレート、イソ
ソルバイドラウレート、イソステアレス-10ステアレート、イソステアリルアセテート、イソステアリルアセチルグルタミネート、イソステアリルアボカデート、イソステアリルベンゾエート、イソステアリルエチルヘキサノエート、イソステアリルフェルレート。イソステアリルグリコレート、イソステアリルヒドロキシステアレート、イソステアリルイソノナノエート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルラクテート、イソステアリルラウレート、イソステアリルリノレエート、イソステアリルミリステート、イソステアリルネオペンタノエート、イソステアリルパルミテート、イソトリデシルイソノナノエート、イソトリデシルステアレート、コジック(Kogic)ジパルミテート、コジックイソパルミテート、ラネス-10アセテート、ラネス-9アセテート、ラウレス-2アセテート、ラウレス-2ベンゾエート、ラウレス-2エチルヘキサノエート、ラウリルココエート、ラウリルエチルヘキサノエート、ラウリルイソステアレート、ラウリルラクテート、ラウリルグルコンアミドパルミテート、リグノセリルエルケート、リノレイルラクテート、メドウフォームエストリド(Meadowfoam Estolide)、メチルアセチルリシノレエート、メチルベヘネート、メチルベンゾエート、メチルカプロエート、メチルカプリレート、メチルカプリレート/カプレート、メチルココエート、メチルデヒドロアビエテート、メチルグルセス-20ベンゾエート、メチルグルコースカプリレート/カプレート、メチルグルコースジオレエート、メチルグルコースイソステアレート、メチルグルコースラウレート、メチルグルコースセスキカプリレート/セスキカプレート、メチルグルコースセスキココエート、メチルグルコースセスキイソステアレート、メチルグルコースセスキラウレート、メチルグルコースセスキオレエート、メチルグルコースセスキステアレート、メチル水素化ロシネート、メチルヒドロキシステアレート、メチルイソステアレート、メチルラウレート、メチルリノレエート、メチルミリステート、メチルオレエート、メチルパルメート、メチルパルミテート、メチルペラルゴネート(Pelargonate)、メチルリシノレエート、メチルロシネート、メチルソイエート(Soyate)、メチルステアレート、メチルサンフラワーシーデート(Sunflowerseedate)、モノグリセリズ(monoglycerides)アセテート、モノグリセリズシトレート、モノグリセリズラクテート、モノグリセリズサクシネート、モノグリセリズ/ジアセチルタルトレート(Tartarate)エステル類、ミレス-2ミリステート、ミレス-3カプレート、ミレス-3エチルヘキサノエート、ミレス-3ラウレート、ミレス-3ミリステート、ミレス-3パルミテート、ミリスチルアセテート、ミリスチルアラニネート、ミリスチルエチルヘキサノエート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルラクテート、ミリスチルリグノセレート、ミリスチルネオペンタノエート、ミリスチルプロピオネート、ネオペンチルグリコールジカプレート、ネオペンチルグリコールジカプリレート/ジカプレート、ネオペンチルグリコールジカプリレート/ジペラルゴネート/ジカプレート、ネオペンチルグリコールジエチルヘキサノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、ネオペンチルグリコールジラウレート、ノニルアセテート、オクチルドデシル蜜ろう、オクチルドデシルベンゾエート、オクチルドデシルエチルヘキサノエート、オクチルドデシルラクテート、オクチルドデシルネオデカノエート、オクチルドデシルネオペンタノエート、オクチルドデシルPCA、オクチルドデシル/PPG-3ミリスチルエーテルダイマージリノレエート、オレス-2ベンゾエート、オレウロペインアグリコン(Oleuropein Aglycone)、オレイルアセテート、オレイルラクテート、オレイルオレエート、パルミトイルイヌリン、PEG-20メチルグルコースジステアレート、PEG-20メチルグルコースセスキカプリレート/セスキカプレート、PEG-20メチルグルコースセスキラウレート、PEG-3ブチレングリコールラウレート、PEG-3トリメチロールプロパントリステアレート、PEG-4トリメチロールプロパンジステアレート、PEG-5トリカプリルシトレート、PEG-5トリセチルシトレート、PEG-5トリラウリルシトレート、PEG-5トリメチロールプロパントリミリステート、PEG-5トリミリスチルシトレート、PEG-5トリステアリルシトレート、PEG-6ブチレングリコールラウレート、PEG-6プロピレングリコールカプリレート/カプレート、PEG-8プロピレングリコールココエート、PEG-80メチルグルコースラウレート、ペンタエリスリチルジオレエート、ペンタエリスリチルジステアレート、ペンタエリスリチルロシネート、ペンタエリスリチルステアレート、ペンタエリスリチルテトラベヘネート/ベンゾエート/エチルヘキサノエート、ペンタエリスリチルテトラベンゾエート、ペンタエリスリチルテトラエチルヘキサノエート/ベンゾエート、ペンタエリスリチルテトラエチルヘキサノエート/テトラメトキシシンナメート、ペンタエリスリチルトリオレエート、フェネチルベンゾエート、フィトステリルヒドロキシステアレート、フィトステリルイソステアリルダイマージリノレエート、フィトステリルライスブラネート(Rice Branate)、ポロキサマー182ジベンゾエート、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロエチルPEGジイソステアレート、PPG-15ステアリルエーテルベンゾエート、PPG-2イソセテス-20アセテート、PPG-20メチルグルコースエーテルジステアレート、PPG-3ジピバレート、PPG-3ミリスチルエーテルネオヘプタノエート、プロピルC12〜15パレス-8カルボキシレート、プロピレングリコールベヘネート、プロピレングリコールカプリレート、プロピレングリコールセテス-3アセテート、プロピレングリコールセテス-3プロピオネート、プロピレングリコールココエート、プロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールヘプタノエート、プロピレングリコールヒドロキシステアレート、プロピレングリコールイソセテス-3アセテート、プロピレングリコールイソステアレート、プロピレングリコールラウレート、プロピレングリコールリノレエート、プロピレングリコールリノレネート、プロピレングリコールミリステート、プロピレングリコールミリスチルエーテルアセテート、プロピレングリコールオレエート、プロピレングリコールリシノレエート、プロピレングリコールソイエート、プロピレングリコールステアレート、クエルセチンカプリレート、ラフィノースミリステート、ラフィノースオレエート、レチニルホルミルアスパルタメート(Aspartamate)、サリチリル蜜ろう、デンプンタロウエート、ステアレス-9ステアレート、ステアリルアセテート、ステアリルアセチルグルタミネート、ステアリルベンゾエート、ステアリルシトレート、ステアリルグリコールイソステアレート、ステアリルラクテート、ステアリル/PPG-3ミリスチルエーテルダイマージリノレエート、スクロースアセテート/ステアレート、スクロースココエート、スクロースジラウレート、スクロースジステアレート、スクロースヘキサエルケート、スクロースラウレート、スクロースモルチエレレート(Mortierellate)、スクロースミリステート、スクロースオレエート、スクロースパルミテート、スクロースペンタエルケート、スクロースポリベヘネート、スクロースポリコットンシーデート(Polycottonseedate)、スクロースポリラウレート、スクロースポリリノレエート、スクロースポリオレエート、スクロースポリパルメート、スクロースポリソイエート、スクロースポリステアレート、スクロースリシノレエート、スクロースステアレート、スクローステトライソステアレート、スクローステトラステアレートトリアセテート、スクローストリベヘネート、スクローストリステアレート、テトラデシルプロピオネート、テトラヒドロフルフリルリシノレエート、トコフェリルレチノエート、トリベンゾイルトリリシノレイン、トリ-C12〜13アルキルシトレート、トリ-C14〜15アルキルシトレート、トリカプリリル/カプリルトリメリテート、トリデシルエチルヘキサノエート、トリデシルイソノナノエート、トリデシルネオペンタノエート、トリデシルステアレート、トリエチルヘキシルシトレート、トリエチルヘキシルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、トリイソプロピルシトレート、トリオレイルシトレート。
【0088】
グリセリルエステルおよび誘導体(油脂を除く)、例えば、グリセリルエステルは、主に他のアルコール等との反応により修飾された脂肪酸モノ-およびジグリセリドまたはトリグリセリドであるエステルのサブグループを含む。また、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、グリセリンの複雑な脱水生成物、例えば、イソステアリン酸ポリグリセリル-4も含まれる。
【0089】
天然の油脂と同様に、これらのグリセリルエステルは加水分解を受ける。これらは、化粧品において、皮膚柔軟剤、潤滑剤、ビヒクル、および増粘剤として使用される。さらに、モノグリセリド(例えば、ステアリン酸グリセリル)は重要な乳化剤である。例としては、次のものが挙げられる。
【0090】
アセチルグリセリルリシノレエート、アセチル化ラードグリセリド、アセチル化パームカーネル(Palm Kernel)グリセリド類、アルガン油PEG-8エステル類、ビス-ジグリセリルポリアシルアジペート-1、ビス-ジグリセリルポリアシルアジペート-2、C10〜40イソアルキル酸グリセリド、C10〜40イソアルキル酸トリグリセリド、キャノーラ油グリセリド、カプリル酸/カプリン酸グリセリズ、カプリル酸/カプリン酸/ココグリセリド類、カプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド、ココグリセリド綿実油グリセリド、DATEM、ジ-グリセリルステアレートダイマージリノエエート、ジグリセリルステアレートマレート、ジイソステアロイルポリグリセリル-3ダイマージリノレエート、エチルヘキシルオキシグリセリルパルミテート、魚油グリセリズ、グリセレス-18ベンゾエート、グリセレス-20ベンゾエート、グリセレス-6 C10〜18アシデート(Acidate)、グリセレス-7トリアセテート、グリセリン/フタル酸コポリマーヒドロキシプロピルC9〜11イソアルキルアシデート、グリセリルアビエテート、グリセリルアビエテート/マレエート、グリセリルアジペート、グリセリルアルギネート、グリセリルアラキデート、グリセリルアラキドネート、グリセリルベヘネート、グリセリルベヘネート/エイコサジオエート、グリセリルカプレート、グリセリルカプリレート、グリセリルカプリレート/カプレート、グリセリルシトレート/ラクテート/リノレエート/オレエート、グリセリルココエート、グリセリルココエート/シトレート/ラクテート、グリセリルコラーゲネート(Collagenate)、グリセリルジアラキデート、グリセリルジベヘネート、グリセリルジベヘネート/水素化ロシネート、グリセリルジエルケート、グリセリルジ-ヒドロキシステアレート、グリセリルジイソパルミテート、グリセリルジイソステアレート、グリセリルジラウレート、グリセリルジリノレエート、グリセリルジミリステート、グリセリルジミリステート/水素化ロシネート、グリセリルジオレエート、グリセリルジパルミテート、グリセリルジパルミトレエート、グリセリルジリシノレエート、グリセリルジステアレート、グリセリルエルケート、グリセリルヘプタノエート、グリセリル水素化ロシネート、グリセリル水素化ソイエート、グリセリルヒドロキシステアレート、グリセリルイソパルミテート、グリセリルイソステアレート、グリセリルイソステアレート/ミリステート、グリセリルイソステアレート、グリセリルイソトリデカノエート/ステアレート/アジペート、グリセリルラノレート、グリセリルラウレート、グリセリルラウレート/オレエート、グリセリルリノレエート、グリセリルリノレネート、グリセリルモンタネート、グリセリルミリステート、グリセリルオレエート、グリセリルオレエート/エライデート(Elaidate)、グリセリルオリベート、グリセリルパルミテート、グリセリルパルミテートラクテート、グリセリルパルミテート/ステアレート、グリセリルパルミトレエート、グリセリルリシノレエート、グリセリルリシノレエートSE、グリセリルロシネート、グリセリルセスキオレエート、グリセリルステアレート、グリセリルステアレートシトレート、グリセリルステアレートラクテート、グリセリルステアレートサクシネート、グリセリルステアレート/アセテート、グリセリルステアレート/マレート、グリセリルステアレート類、グリセリルタロウエート、グリセリルトリパルメート/パームカーネレート/オリベート/マカダミエート/レイプシーデート、グリセリルウンデシレネート、グリセリル/ソルビトールオレエート/ヒドロキシステアレート、水素化ひまし油/セバシン酸コポリマー、水素化ココ-グリセリズ、水素化ラードグリセリド、水素化ラードグリセリズ、水素化パーム油グリセリズ、水素化パーム油グリセリズシトレート、水素化パーム核油グリセリズ、水素化ダイズ油グリセリズ、水素化獣脂グリセリドシトレート、水素化獣脂グリセリドラクテート、水素化獣脂グリセリズ、水素化獣脂グリセリズシトレート、水素化植物油グリセリズ、水素化植物油グリセリズシトレート、ヒドロキシ化乳グリセリズ、ヒドロキシステアリン酸/リノレン酸/オレイン酸ポリグリセリズ、イソステアリン酸/ミリスチン酸グリセリズ、ラードグリセリド、ラードグリセリズ、ラウリルポリグリセリル-6セテアリルグリコールエーテル、メチルシラノールPEG-7グリセリルココエート、メチルシラノールトリ-PEG-8グリセリルココエート、オレイン酸/リノール酸/リノレン酸ポリグリセリズ、パーム油グリセリズ、パーム核油グリセリズ、PEG-10ひまし油、PEG-10グリセリルトリイソステアレート、PEG-10グリセリルトリオレエート、PEG-10グリセリルトリステアレート、PEG-10水素化ひまし油、PEG-10オリーブ油グリセリズ、PEG-10ヒマワリ油グリセリズ、PEG-11アボカド油グリセリズ、PEG-11ババス油グリセリズ、PEG-11ひまし油、PEG-11ココアバターグリセリズ、PEG-12グリセリルジオレエート、PEG-12グリセリルジステアレート、PEG-12パーム核油グリセリズ、PEG-13ミンク油グリセリズ、PEG-13ヒマワリ油グリセリズ、PEG-14アボカド油グリセリズ、PEG-15ひまし油、PEG-15グリセリルラウレート、PEG-15グリセリルトリイソステアレート、PEG-15グリセリルトリオレエート、PEG-16ひまし油、PEG-16水素化ひまし油、PEG-16マカダミア油グリセリズ、PEG-18グリセリルオレエート/ココエート、PEG-18パーム油グリセリズ、PEG-192杏仁油グリセリズ、PEG-2ひまし油、PEG-2水素化ひまし油、PEG-2オリーブ油グリセリズ、PEG-2ヒマワリ油グリセリズ、PEG-20アーモンド油グリセリズ、PEG-20コーン油グリセリズ、PEG-20ツキミソウ油グリセリズ、PEG-20グリセリルステアレート、PEG-20グリセリルトリイソステアレート、PEG-20グリセリルトリステアレート、PEG-20水素化パーム油グリセリズ、PEG-25グリセリルトリオレエート、PEG-25モリンガ油グリセリズ、PEG-3ひまし油、PEG-3グリセリルココエート、PEG-3グリセリルトリイソステアレート、PEG-3グリセリルトリオレエート、PEG-3グリセリルトリステアレート、PEG-30グリセリルトリイソステアレート、PEG-35アーモンド油グリセリズ、PEG-4カプリル酸/カプリン酸グリセリズ、PEG-4ひまし油、PEG-4グリセリルジステアレート、PEG-4グリセリルトリステアレート、PEG-40グリセリルトリイソステアレート、PEG-40オリーブ油グリセリズ、PEG-42ババス油グリセリズ、PEG-42マッシュルーム油グリセリズ、PEG-45パーム核油グリセリズ、PEG-45ベニバナ油グリセリズ、PEG-5ひまし油、PEG-5グリセリルトリイソステアレート、PEG-5グリセリルトリオレエート、PEG-5グリセリルトリステアレート、PEG-5水素化ひまし油、PEG-5水素化コーン油グリセリズ、PEG-50グリセリルトリイソステアレート、PEG-6アーモンド油グリセリズ、PEG-6カプリル酸/カプリン酸グリセリズ、PEG-6グリセリルカプレート、PEG-6グリセリルトリステアレート、PEG-6水素化ひまし油、PEG-6水素化パーム油/パーム核油グリセリド、PEG-6オリーブ油グリセリズ、PEG-60アーモンド油グリセリズ、PEG-60コーン油グリセリズ、PEG-60グリセリルトリイソステアレート、PEG-60シアバターグリセリズ、PEG-65水素化ひまし油、PEG-7カプリル酸/カプリン酸グリセリズ、PEG-7グリセリルココエート、PEG-7グリセリルラウレート、PEG-7グリセリルソイエート、PEG-7水素化ひまし油、PEG-7オリーブ油グリセリズ、PEG-7ヒマワリ油グリセリズ、PEG-70マンゴー油グリセリズ、PEG-75ココアバターグリセリズ、PEG-75メドウフォーム油、PEG-75シアバターグリセリズ、PEG-75ショレアバターグリセリズ、PEG-75ダイズ油グリセリズ、PEG-8カプリル酸/カプリン酸グリセリズ、PEG-8ひまし油、PEG-8グリセリルラウレート、PEG-8水素化ひまし油、PEG-8水素化魚油グリセリズ、PEG-9ひまし油、PEG-9ココグリセリズ、ポリグリセリル-10カプレート、ポリグリセリル-10デカヒドロキシステアレート、ポリグリセリル-10デカイソステアレート、ポリグリセリル-10デカリノレエート、ポリグリセリル-10デカマカダミエート、ポリグリセリル-10デカオレエート、ポリグリセリル-10デカステアレート、ポリグリセリル-10ジデカノエート、ポリグリセリル-10ジイソステアレート、ポリグリセリル-10ジオレエート、ポリグリセリル-10ジパルミテート、ポリグリセリル-10ジステアレート、ポリグリセリル-10ドデカカプレート、ポリグリセリル-10ドデカカプリレート、ポリグリセリル-10ヘプタオレエート、ポリグリセリル-10ヘプタステアレート、ポリグリセリル-10ヘキサオレエート、ポリグリセリル-10ヒドロキシステアレート/ステアレート/エイコサジオエート、ポリグリセリル-10イソステアレート、
ポリグリセリル-10モノ/ジオレエート、ポリグリセリル-10ノナエルケート、ポリグリセリル-10ノナイソステアレート、ポリグリセリル-10パルミテート、ポリグリセリル-10ペンタヒドロキシステアレート、ポリグリセリル-10ペンタイソステアレート、ポリグリセリル-10ペンタラウレート、ポリグリセリル-10ペンタリノレエート、ポリグリセリル-10ペンタオレエート、ポリグリセリル-10ペンタリシノレエート、ポリグリセリル-10ペンタステアレート、ポリグリセリル-10テトラオレエート、ポリグリセリル-10トリデカノエート、ポリグリセリル-10トリステアレート、ポリグリセリル-2カプレート、ポリグリセリル-2カプリレート、ポリグリセリル-2ジイソステアレート、ポリグリセリル-2ジオレエート、ポリグリセリル-2イソパルミテート、ポリグリセリル-2イソステアレート、ポリグリセリル-2ラウレート、ポリグリセリル-2ミリステート、ポリグリセリル-2オレエート、ポリグリセリル-2パルミテート、ポリグリセリル-2セスキカプリレート、ポリグリセリル-2セスキイソステアレート、ポリグリセリル-2セスキオレエート、ポリグリセリル-2セスキステアレート、ポリグリセリル-2ステアレート、ポリグリセリル-2テトライソステアレート、ポリグリセリル-2テトラステアレート、ポリグリセリル-2トリイソステアレート、ポリグリセリル-3カプレート、ポリグリセリル-3ジカプレート、ポリグリセリル-3ジココエート、ポリグリセリル-3ジ-ヒドロキシステアレート、ポリグリセリル-3ジイソステアレート、ポリグリセリル-3ジオレエート、ポリグリセリル-3ジステアレート、ポリグリセリル-3イソステアレート、ポリグリセリル-3ラウレート、ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート、ポリグリセリル-3ミリステート、ポリグリセリル-3オレエート、ポリグリセリル-3パルミテート、ポリグリセリル-3ペンタリシノレエート、ポリグリセリル-3リシノレエート、ポリグリセリル-3ステアレート、ポリグリセリル-3トリイソステアレート、ポリグリセリル-4カプレート、ポリグリセリル-4ジラウレート、ポリグリセリル-4イソステアレート、ポリグリセリル-4ラウレート、ポリグリセリル-4オレエート、ポリグリセリル-4ペンタオレエート、ポリグリセリル-4ペンタステアレート、ポリグリセリル-4トリステアレート、ポリグリセリル-5カプレート、ポリグリセリル-5ヘキサステアレート、ポリグリセリル-5イソステアレート、ポリグリセリル-5ラウレート、ポリグリセリル-5ミリステート、ポリグリセリル-5オレエート、ポリグリセリル-5ペンタミリステート、ポリグリセリル-5トリベヘネート、ポリグリセリル-5トリミリステート、ポリグリセリル-5トリオレエート、ポリグリセリル-6カプリレート、ポリグリセリル-6ジカプレート、ポリグリセリル-6ジイソステアレート、ポリグリセリル-6ジオレエート、ポリグリセリル-6ジパルミテート、ポリグリセリル-6ジステアレート、ポリグリセリル-6ヘキサオレエート、ポリグリセリル-6ヘキサステアレート、ポリグリセリル-6イソステアレート、ポリグリセリル-6ラウレート、ポリグリセリル-6ミリステート、ポリグリセリル-6オクタステアレート、ポリグリセリル-6オレエート、ポリグリセリル-6パルミテート、ポリグリセリル-6ペンタオレエート、ポリグリセリル-6ペンタリシノレエート、ポリグリセリル-6ペンタステアレート、ポリグリセリル-6ポリリシノレエート、ポリグリセリル-6ステアレート、ポリグリセリル-6テトラベヘネート、ポリグリセリル-6テトラオレエート、ポリグリセリル-8デカエルケート/デカイソステアレート/デカリシノレエート、PPG-3水素化ひまし油、PPG-5ラノリンワックスグリセリド、PPG-67グリセリルエーテル、PPG-70グリセリルエーテル、ナタネ油グリセリド、ナタネ油グリセリズ、ブラックラズベリー(Rubus Occidentalis)種子油、ヒマワリ種子油グリセリド、ヒマワリ種子油グリセリズ、トール油グリセリズ、獣脂グリセリズ、トリベンゾイルトリリシノレイン、トリイソステアロイルポリグリセリル-3ダイマージリノレエート、植物油グリセリズホスフェート、コムギ胚芽油グリセリズ。
【0091】
アルコキシル化アルコールエステル、例えば、C12〜15パレス-3ベンゾエート、セチルC12〜15パレス-8カルボキシレート、ジ-PPG-2ミレス-10アジペート、ジ-PPG-3セテス-4アジペート、ジ-PPG-3ミリスチルエーテルアジペート、グリセレス-5ラクテート、グリセレス-7ベンゾエート、グリセレス-7ジイソノナノエート、グリセレス-7ラクテート、オレス-2ベンゾエート、PEG-3ブチレングリコールラウレート、PEG-5トリラウリルシトレート、PEG-5トリミリスチルシトレート、PEG-5トリステアリルシトレート、PEG-6ブチレングリコールラウレート、PEG-6プロピレングリコールカプリレート/カプレート、PEG-8プロピレングリコールココエート、PPG-15ステアリルエーテルベンゾエート、PPG-20メチルグルコースエーテルジステアレート、PPG-3ミリスチルエーテルネオヘプタノエート、メチルグルセス-20ベンゾエート。
【0092】
アルコキシル化アルコールグリセリルエステルおよび誘導体、例えば、グリセレス-18ベンゾエート、グリセレス-20ベンゾエート、グリセレス-7トリアセテート、PEG-10ひまし油、PEG-10水素化ひまし油、PEG-10オリーブ油グリセリズ、PEG-10ヒマワリ油グリセリズ、PEG-11アボカド油グリセリズ、PEG-11ババス油グリセリズ、PEG-11ひまし油、PEG-11ココアバターグリセリズ、PEG-12グリセリルジオレエート、PEG-12グリセリルジステアレート、PEG-12パーム核油グリセリズ、PEG-13ミンク油グリセリズ、PEG-13ヒマワリ油グリセリズ、PEG-14アボカド油グリセリズ、PEG-15ひまし油、PEG-15グリセリルラウレート、PEG-16ひまし油、PEG-16水素化ひまし油、PEG-16マカダミア油グリセリズ、PEG-18グリセリルオレエート/ココエート、PEG-18パーム油グリセリズ、PEG-192杏仁油グリセリズ、PEG-2ひまし油、PEG-2水素化ひまし油、PEG-2オリーブ油グリセリズ、PEG-2ヒマワリ油グリセリズ、PEG-20アーモンド油グリセリズ、PEG-20コーン油グリセリズ、PEG-20ツキミソウ油グリセリズ、PEG-20グリセリルステアレート、PEG-20水素化パーム油グリセリズ、PEG-25モリンガ油グリセリズ、PEG-3ひまし油、PEG-3グリセリルココエート、PEG-4ひまし油、PEG-4グリセリルジステアレート、PEG-40オリーブ油グリセリズ、PEG-42ババス油グリセリズ、PEG-42マッシュルーム油グリセリズ、PEG-45パーム核油グリセリズ、PEG-45ベニバナ油グリセリズ、PEG-5ひまし油、PEG-5水素化ひまし油、PEG-5水素化コーン油グリセリズ、PEG-50グリセリルトリイソステアレート、PEG-6アーモンド油グリセリズ、PEG-6グリセリルカプレート、PEG-60アーモンド油グリセリズ、PEG-60コーン油グリセリズ、PEG-60シアバターグリセリズ、PEG-65水素化ひまし油、PEG-7グリセリルココエート、PEG-7グリセリルラウレート、PEG-7グリセリルソイエート、PEG-7水素化ひまし油、PEG-7オリーブ油グリセリズ、PEG-7ヒマワリ油グリセリズ、PEG-70マンゴー油グリセリズ、PEG-75ココアバターグリセリズ、PEG-75メドウフォーム油、PEG-75シアバターグリセリズ、PEG-75ショレアバターグリセリズ、PEG-75ダイズ油グリセリズ、PEG-8ひまし油、PEG-8グリセリルラウレート、PEG-8水素化ひまし油、PEG-8水素化魚油グリセリズ、PEG-9ひまし油、PEG-9ココグリセリズ、PPG-3水素化ひまし油、PPG-5ラノリンワックスグリセリド。
【0093】
アルコキシル化アルコールエーテル、例えば、PPG-9ジグリセリルエーテルグリセレス-7トリメチルエーテル、PPG-10セチルエーテル、PPG-10オレイルエーテル、PPG-11ステアリルエーテル、PPG-14ブチルエーテル、PPG-15ステアリルエーテル、PPG-20セチルエーテル、PPG-20オレイルエーテル、PPG-23オレイルエーテル、PPG-28セチルエーテル、PPG-3ベンジルエーテルミリステート、PPG-3ミリスチルエーテル、PPG-30セチルエーテル、PPG-30イソセチルエーテル、PPG-30オレイルエーテル、PPG-37オレイルエーテル、PPG-3-イソデセス-1、PPG-4ラウリルエーテル、PPG-4ミリスチルエーテル、PPG-5ペンタエリスリチルエーテル、PPG-50セチルエーテル、PPG-50オレイルエーテル、PPG-65-PEG-5ペンタエリスリチルエーテル、PPG-9-ステアレス-3。
【0094】
油脂、例えば、群としての油脂は、通常動物および植物組織に見出される脂肪酸のグリセリルエステル(トリグリセリド)であり、不飽和を減らすため、または無くすために水素化されたものを含む。また、合成により調製されたグリセリンと脂肪酸のエステルも含まれる。それらは、下記のクラス:
【化23】
[式中、-COR、-COR'、-COR''は、同一のまたは異なる脂肪酸基である]
を有する。
【0095】
この群に属する天然の油脂はエステルであり、加水分解することができ、グリセリンと脂肪酸の混合物を生成する。これらの脂肪酸は、化粧品に有用な種々の他の化学物質の原料として使用することができる。あるいは、単離および精製した脂肪酸をグリセリンによりエステル化してモノ-、ジ-、およびトリグリセリドを得ることができる。油脂は、皮膚柔軟剤のビヒクルおよび潤滑剤として化粧品に直接使用される。植物材料の蒸留により得られる揮発性の油は、精油に分類される。
【0096】
閉塞特性を有する油脂:閉塞剤は皮膚表面からの水の蒸発を遅くする化粧品成分である。この機能は、皮膚表面への液体状態の水の送達を妨げる制汗剤とは異なる。蒸発による水の損失を遮断することにより、閉塞性材料は皮膚の水含有量を増大させる。閉塞剤は、一般に皮膚表面に留まる傾向を有する脂質である。閉塞特性を有する油脂の例は、次の通りである。
【0097】
アルガン(Argania Spinosa)核油、アザミゲシ(Argemone Mexicana)油、アストロカリウムブルガレ(Astrocaryum Vulgare)果実油、アストロカリウムブルガレ(Astrocaryum Vulgare)核油、エンバク(Avena Sativa)(オートムギ)核油、バラニテスロクスブルギイ(Balanites Roxburghii)種子油、バシアブチラセア(Bassia Butyracea)種子バター、バシアラチフォリア(Bassia Latifolia)種子バター、アブラナ(Brassica Campestris)種子油、バッファロー脂、バター、シア(Butyrospermum Parkii)(シアバター)、シア(Butyrospermum Parkii)油、C10〜18トリグリセリズ、C12〜18酸トリグリセリド、C8〜12酸トリグリセリド、キンセンカ(Calendula Officinalis)種子油、カロフィルムタカマハカ(Calophyllum Tacamahaca)種子油、ツバキ(Camellia Japonica)種子油、サザンカ(Camellia Kissi)種子油、チャノキ(Camellia Sinensis)種子油、キャノーラ油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/ラウリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/ステアリン酸トリグリセリド、ベニバナ(Carthamus Tinctorius)種子油、ペカン(Carya Illinoensis)種子油、カリオカルコリアセウム(Caryocar Coriaceum)種子油、ひまし油ベンゾエート、タカワラビ(Cibotium Barometz)油、スイカ(Citrullus Vulgaris)種子油、ココナッツ(Cocos Nucifera)油、タラ肝油、タラ肝油/ミンク油/獣脂トリグリセリド、ジュズダマ(Coix Lacryma-Jobi)種子油、ヘーゼルナッツ(Corylus Americana)種子油、クランベアビシニカ(Crambe Abyssinica)種子油、カボチャ(Cucurbita Pepo)種子油、鹿脂、パーム(Elaeis Guineensis)核油、パーム(Elaeis Guineensis)油、エミュー油、ワカバキャベツヤシ(Euterpe Oleracea)果実油、魚肝油、ガルシニアインディカ(Garcinia Indica)種子バター、ヘーゼルナッツ(Gevuina Avellana)油、ダイズ(Glycine Soja)脂質、ダイズ(Glycine Soja)油、山羊バター、山羊脂、ワタ(Gossypium Herbaceum)種子油、ヒマワリ(Helianthus Annuus)種子油、ヒポファエラムノイデス(Hippophae Rhamnoides)油、馬脂、水素化杏仁油、水素化C12〜18トリグリセリズ、水素化キャノーラ油、水素化ひまし油、水素化ひまし油ラウレート、水素化ひまし油トリイソステアレート、水素化ココナッツ油、水素化綿実油、水素化魚油、水素化ラード、水素化ニシン油、水素化乳脂質、水素化ミンク油、水素化オリーブ油、水素化オレンジラフィー(Orange Roughy)油、水素化ダチョウ油、水素化パーム核油、水素化パーム油、水素化ピーナッツ油、水素化ピスタチオ種子油、水素化ナタネ油、水素化米ぬか油、水素化ベニバナ種子油、水素化サメ肝油、水素化シアバター、水素化ダイズ油、水素化ヒマワリ種子油、水素化スイートアーモンド油、水素化獣脂、水素化植物油、水素化コムギ胚芽油、アフリカマンゴー(Irvingia Gabonensis)核バター、ホソバタイセイ(Isatis Tinctoria)種子油、クルミ(Juglans Regia)種子油、杏仁油(Kyounin Yu)、ラード、ラウリン酸/パルミチン酸/オレイン酸トリグリセリド、メドウフォーム(Limnanthes Alba)種子油、アマ(Linum Usitatissimum)種子油(亜麻仁油)、ヘチマ(Luffa Cylindrica)種子油、シロバナルーピン(Lupinus Albus)種子油、マカダミア(Macadamia Integrifolia)種子油、マカダミア(Macadamia Ternifolia)種子油、マンゴー(Mangifera Indica)種子バター、マンゴー(Mangifera Indica)種子油、マーモット油、インドセンダン(Melia Azadirachta)種子油、レモンバーム(Melissa Officinalis)種子油、ニシン油、ミンク油、ワサビノキ(Moringa Pterygosperma)種子油、モルティエレラ油、ナタネ油(Natane Yu)、ニーツフット(Neatsfoot)油、ブラッククミン(Nigella Sativa)種子油、バカバヤシ(Oenocarpus Bacaba)果実油、オニサケヤシモドキ(Oenocarpus Bataua)果実油、オリーブ(Olea Europaea)果実油、オリーブ(Olea Europaea)外皮油、オレイン酸/リノール酸トリグリセリド、オレイン酸/パルミチン酸/ラウリン酸/ミリスチン酸/リノール酸トリグリセリド、網脂質、オレンジラフィー油、コフネヤシ(Orbignya Cohune)種子油、ババスヤシ(Orbignya Oleifera)種子油、米(Oryza Sativa)ぬか油、米(Oryza Sativa)胚芽油、ダチョウ油、オニゲシ(Papaver Orientale)種子油、パッションフルーツ(Passiflora Edulis)種子油、アボカド(Persea Gratissima)バター、アボカド(Persea Gratissima)油、チョウセンゴヨウ(Pinus Koraiensis)種子油、ピスタチオ(Pistacia Vera)種子油、スイートアーモンド(Prunus Amygdalus Dulcis)油、アンズ(Prunus Armeniaca)核油、オウトウ(Prunus Avium)種子油、プルーン(Prunus Domestica)種子油、プラム(Prunus Insititia)種子油、モモ(Prunus Persica)核油、ウサギ脂、リシノレイン酸/カプロン酸/カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ヒマ(Ricinus Communis)種子油、ロサエグレンタリア(Rosa Eglentaria)種子油、サケ油、チア(Salvia Hispanica)種子油、サンダルウッド(Santalum Album)種子油、シュレイケラトリジュガ(Schleichera Trijuga)種子油、ゴマ(Sesamum Indicum)種子油、サメ肝油、サラノキ(Shorea Robusta)種子バター、トマト(Solanum Lycopersicum)果実油、トマト(Solanum Lycopersicum)種子油、トール油、獣脂、テルファイリアペダタ(Telphairia Pedata)油、カカオ(Theobroma Cacao)種子バター、クプアス(Theobroma Grandiflorum)種子バター、トリアラキジン、トリベヘニン、トリカプリン、トリカプリリン、トリコデスマゼイラニクム(Trichodesma Zeylanicum)油、トリエルシン、トリエチルヘキサノイン、トリヘプタノイン、トリヘプチルウンデカノイン、トリヒドロキシメトキシステアリン、トリヒドロキシステアリン、トリイソノナノイン、トリイソパルミチン、トリイソステアリン、トリラウリン、トリリノレイン、トリリノレニン、トリミリスチン、トリオレイン、トリパルミチン、トリパルミトレイン、トリリシノレイン、トリセバシン、トリステアリン、コムギ(Triticum Vulgare)ふすま脂質、コムギ(Triticum Vulgare)胚芽油、トリウンデカノイン、亀油、クランベリー(Vaccinium Macrocarpon)種子油、バテリアインディカ(Vateria Indica)種子バター、ビロラセビフェラ(Virola Sebifera)ナッツ油、トウモロコシ(Zea Mays)胚芽油、トウモロコシ(Zea Mays)油。
【0098】
皮膚柔軟特性を有する油脂:皮膚柔軟剤は、皮膚の柔らかく、滑らかで、しなやかな外観の維持に役立つ化粧品成分である。皮膚柔軟剤は、それらの皮膚表面上または角質層中に留まる能力により機能し、潤滑剤として剥離を減少させるように作用して、皮膚の外観を改善する。皮膚柔軟特性を有する油脂の例は、次の通りである。
【0099】
アセチル化水素化ひまし油、キウイ(Actinidia Chinensis)種子油、バオバブ(Adansonia Digitata)種子油、アルガン(Algania Spinosa)核油、アザミゲシ(Argemone Mexicana)油、アストロカリウムムルムル(Astrocaryum Murumuru)バター、ブラジルナッツ(Bertholletia Excelsa)種子油、ベニノキ(Bixa Orellana)種子油、ボリジ(Borago Officinalis)種子油、脳脂質、ブロッコリー(Brassica Oleracea Italica)種子油、C10〜40イソアルキル酸トリグリセリド、カロデンドルムカペンセ(Calodendrum Capense)ナッツ油、カロフィルムタカマハカ(Calophyllum Tacamahaca)種子油、サザンカ(Camellia Kissi)種子油、パパイヤ(Carica Papaya)種子油、カリオカルコリアセウム(Caryocar Coriaceum)種子油、ひまし油ベンゾエート、キヌア(Chenopodium Quinoa)種子油、スイカ(Citrullus Lanatus)種子油、タラ肝油/ミンク油/獣脂トリグリセリド、ジュズダマ(Coix Lacryma-Jobi)種子油、キュウリ(Cucumis Sativus)油、ニンジン(Daucus Carota Sativa)種子油、グリセリルトリアセチルヒドロキシステアレート、グリセリルトリアセチルリシノレエート、ヘマトコッカスプルビアリス(Haematococcus Pluvialis)油、水素化卵油、水素化ツキミソウ油、水素化グレープシード油、水素化ヘーゼルナッツ油、水素化大麻油、水素化大麻種子油、水素化マカダミア種子油、水素化ゴマ種子油、ホソバタイセイ(Isatis Tinctoria)種子油、ムラサキ(Lithospermum Officinale)種子油、シロバナルーピン(Lupinus Albus)種子油、クコ(Lycium Barbarum)種子油、まむし油(Mamushi Oil)、マロー脂質、乳脂質、ヤエヤマアオキ(Morinda Citrifolia)種子油、ムコルシルシネロイデス(Mucor Circinelloides)油、ムステリン酸(Mustelic)/パルミチン酸トリグリセリド、オドンテラアウリタ(Odontella Aurita)油、ババスヤシ(Orbignya Speciosa)核油、ツルコケモモ(Oxycoccus Palustris)種子油、ケシ(Papaver Somniferum)種子油、パリナリクラテリフォリア(Parinari Curatellifolia)種子油、パッションフルーツ(Passiflora Edulis)種子油、ゴヨウマツ(Pinus Parviflora)種子油、キタゴヨウマツ(Pinus Pentaphylla)種子油、サチャインチ(Plukenetia Volubilis)種子油、プラム(Prunus Insititia)種子油、ザクロ(Punica Granatum)種子油、ピクナンタスアンゴレンシス(Pycnanthus Angolensis)ナッツ油、リンゴ(Pyrus Malus)種子油、クロスグリ(Ribes Nigrum)種子油、ロサモスカタ(Rosa Moschata)種子油、ロサルビギノサ(Rosa Rubiginosa)種子油、ルブスグラウクス(Rubus Glaucus)種子油、ラズベリー(Rubus Idaeus)種子油、モンゴンゴ(Schinziophyton Rautanenii)核油、マルーラ(Sclerocarya Birrea)種子油、蚕蛹(Silkworm Chrysalis)油、ダイズグリセリズ、脊髄脂質、ステルクリアアフリカーナ(Sterculia Africana)種子油、カヤ(Torreya Nucifera)種子油、コケモモ(Vaccinium Vitis-Idaea)種子油、バニラ(Vanilla Planifolia)果実油、ビロラセビフェラ(Virola Sebifera)ナッツ油。
【0100】
別の好ましい親油性皮膚柔軟剤は脂肪アルコールである。脂肪アルコールは、分子量の大きい非揮発性アルコールである。それらは、天然の油脂から、脂肪酸の-COOH基をヒドロキシル官能基に還元することにより製造される。あるいは、いくつかの完全に合成による経路により、天然由来のアルコールと構造的に同一または類似の脂肪アルコールが得られる。脂肪アルコールは、一般に、クラスRCH2OHを形成する第一級アルコールである。天然の脂肪酸から調製された脂肪アルコールは、通常偶数個の炭素原子を有する。脂肪アルコールは多くのタイプの化粧品において皮膚柔軟剤として使用される。それらは共乳化剤として有益であり、乳液、シャンプー、および他の製品の粘度を上げるために使用される。さらに、これらのアルコールは、いくつかの広く使用される化粧品成分(例えば、アルコキシル化アルコール、アルキル硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸エステル、およびリン化合物)の合成に使用される。別の例としては、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、C9〜11アルコール類、C12〜13アルコール類、C12〜15アルコール類、C12〜16アルコール類、C14〜15アルコール類、C14〜22アルコール類、C20〜22アルコール類、カプリル酸アルコール、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ココナッツアルコール、C6〜12パーフルオロアルキルエタノール、デシルアルコール、水素化ホホバアルコール、水素化ナタネ油アルコール、水素化獣脂アルコール、ホホバアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、オリーブ油アルコール、パームアルコール、パーム核アルコール、ステアリルアルコール、獣脂アルコール、トリデシルアルコールが挙げられる。
【0101】
別の好ましい親油性皮膚柔軟剤はエーテルである。エーテルは、C-O-C系の結合を有する有機化合物である。このC-O-C系が環の一部である場合には、その化合物は、例えば、トコフェロールのように、複素環に分類される。ソルビタン誘導体も複素環エーテルである。化粧品に使用されるほとんどのエーテルは合成により調製される。アルコキシル化誘導体はエーテルであるが、ここでは、アルコキシル化アルコール、アルコキシル化アミド、アルコキシル化アミン、アルコキシル化カルボン酸、および高分子エーテルに分類される。グリセリンの脱水により得られるエステル化ポリグリセリルエーテルは、グリセリルエステルの群に含まれる。
【0102】
皮膚柔軟特性を有するエーテルは、皮膚の柔らかく、滑らかで、しなやかな外観の維持に役立つ化粧品成分である。皮膚柔軟剤は、それらの皮膚表面上または角質層中に留まる能力により機能し、潤滑剤として剥離を減少させるように作用して、皮膚の外観を改善する。このような化合物の例は、ブトキシエチルステアレート、C12〜14ヒドロキシアルキルヒドロキシダイマージリノレイルエーテル、C12〜14ヒドロキシアルキルマルチトールエーテル、C16〜18ヒドロキシアルキルヒドロキシダイマージリノレイルエーテル、セチルグリセリルエーテル、セチルオキシプロピルグリセリルメトキシプロピルミリスタミド、キミルアルコール、キミルイソステアレート、キミルステアレート、ジカプリリルエーテル、ジレチニルエーテル、エトキシジグリコールベヘネート、エトキシジグリコールイソステアレート、エトキシジグリコールオレエート、エチルヘキシルオキシグリセリルパルミテート、エウゲニルグルコシド、加水分解されたプロアントシアニジン、ヒドロキシエチルパルミチルオキシヒドロキシプロピルパルミタミド、イソポリグリセリン-3ジメチコン、イソプロピルヒドロキシセチルエーテル、イソステアリルフェルレート、イソステアリルグリセリルエーテル、イソステアリルグリセリルペンタエリスリチルエーテル、ラウリルポリグリセリル-6セテアリルグリコールエーテル、オレイルグリセリルエーテル、ポリグリセリル-2ラノリンアルコールエーテル、ポリグリセリル-2オレイルエーテル、ポリグリセリル-3デシルテトラデシルエーテル、ポリグリセリル-3ヒドロキシラウリルエーテル、ポリグリセリル-4ラウリルエーテル、ポリグリセリル-4オレイルエーテル、PPG-9ジグリセリルエーテル、プロピレングリコールミリスチルエーテルである。
【0103】
溶媒特性を有するエーテルは、例えば、ブトキシエチルアセテート、ジエトキシジグリコール、ジメトキシジグリコール、ジメチルエーテル、ジメチルイソソルバイド、ジオキソラン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エトキシジグリコールアセテート、エトキシエタノールアセテート、エチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、メトキシジグリコール、メトキシエタノールアセテート、メトキシイソプロピルアセテート、メチルヘキシルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、メチラール、プロピレングリコールt-ブチルエーテルである。
【0104】
別の好ましい親油性皮膚柔軟剤は炭化水素である。炭化水素は、炭素および水素のみを含む化合物の群である。炭化水素は、一般に、石油化学製品に由来するが、それらのいくつかは植物および動物界に見出される(例えば、アズレンまたはスクアレン)。炭化水素のクラスは変化に富んでおり、脂肪族、脂環式および芳香族化合物を含む。このカテゴリーはまた、種々の炭化水素の供給源となり得るいくつかの複合組成の物質を含む。
【0105】
一般に、これらの化合物は化学的に不活性である。典型的なものは、ワセリン、パラフィン、および鉱油であり、それらはすべて、その非揮発性および滑らかな性質のために、化粧品において皮膚柔軟剤およびビヒクルとして広く使用されている。より分子量の小さい揮発性炭化水素は溶媒として使用される(例えば、ミネラルスピリット)。室温で通常は気体である炭化水素(例えば、ブタンまたはプロパン)は、エアロゾル噴射剤として使用される。最後に、多くの合成ポリマーは炭化水素であることに注意しなければならない(例えば、ポリエチレン)。
【0106】
皮膚柔軟特性を有する炭化水素は、皮膚の柔らかく、滑らかで、しなやかな外観の維持に役立つ化粧品成分である。皮膚柔軟剤は、それらの皮膚表面上または角質層中に留まる能力により機能し、潤滑剤として剥離を減少させるように作用して、皮膚の外観を改善する。このような化合物の例は、C12〜20イソパラフィン、C20〜40イソパラフィン、C9〜16イソパラフィン、エイコサン、水素化ポリデセン、水素化ポリドデセン、水素化ポリイソブテン、イソエイコサン、イソヘキサデカン、鉱油、オクタデカン、スクアレンである。
【0107】
閉塞特性を有する炭化水素は、皮膚表面からの水の蒸発を遅くする化粧品成分である。この機能は、液体状態の水の皮膚表面への送達を妨げる制汗剤とは異なる。蒸発による水の損失を遮断することにより、閉塞性材料は皮膚の水含有量を増大させる。閉塞剤は、一般に皮膚表面に留まる傾向を有する脂質である。このような化合物の例は、C18〜26オレフィン、C18〜70イソパラフィン、C20〜24オレフィン、C24〜28オレフィン、C24〜30オレフィン、C26〜54オレフィン、C28〜36オレフィン、C30〜45オレフィン、C4〜12ポリオレフィン、ジデセン、ジエチルヘキシルシクロヘキサン、鉱油、パラフィン、ペンタヒドロスクアレン、ワセリン、プリスタン、スクアランである。
【0108】
溶媒特性を有する炭化水素は、例えば、C10〜11イソパラフィン、C10〜12イソパラフィン、C11〜12イソパラフィン、C11〜13イソパラフィン、C11〜14イソパラフィン、C12〜14イソパラフィン、C13〜14イソパラフィン、C13〜16イソパラフィン、デカン、デセン、ドデセン、ヘプタン、ヘキサデセン、ヘキサン、イソドデカン、リモネン、オクタデセン、オクテン、石油蒸留物、テトラデセンである。
【0109】
別の好ましい親油性皮膚柔軟剤はシリコーンである。一般に認められている「シリコーン」は、直鎖または環状、分枝鎖または架橋構造を有する、さまざまな分子量の、基本的にケイ素原子が互いに酸素原子により結合する繰り返し構造単位を基本とする(シロキサン結合SiOSi)、場合により炭素原子を介してケイ素原子に直接結合する炭化水素基により置換された、有機ケイ素ポリマーまたはオリゴマーである。例は、次の通りである。
【0110】
- 環状シロキサンポリマー;シクロメチコン、例えば、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、
【化24】
特定の環状ジメチルポリシロキサン化合物を命名したINCI名は、nが3である場合にはシクロトリシロキサン(q.v.)、nが4である場合にはシクロテトラシロキサン(q.v.)、nが5である場合にはシクロペンタシロキサン(q.v.)、nが6である場合にはシクロヘキサシロキサン(q.v.)、およびnが7である場合にはシクロヘプタシロキサン(q.v.)である。
【0111】
- トリメチルシロキシ単位(M単位)により末端ブロックされた直鎖シロキサンポリマー;ジメチコン、広い範囲の粘度を有する無極性液体。
【0112】
- シラノール化合物またはジメチコノール;末端にヒドロキシル基を有するジメチルシロキサン。
【0113】
- アルキル修飾シロキサン(AMS)。AMSは展延性および洗い落としに対する抵抗性を改善する。
【0114】
- アルキルジメチコンおよびアルキルメチコン、例えば、ビス-フェニルプロピルジメチコン(SF 1555液;GE Silicone)、シリコンワックス、例えば、DC 2503化粧品ワックス(Dow Corning);ステアリルジメチコン、DC 2502液(Dow Corning);セチルジメチコン、DC AMS-C30ワックス(Dow Corning);C30〜C45アルキルメチコン、DC 580ワックス(Dow Corning)、ステアロキシトリメチルシランおよびステアリルアルコール。
【0115】
皮膚用化粧品に適した活性物質、活性物質組成物または活性物質抽出物は、皮膚投与または局所投与に承認された材料または材料の混合物である。例として、次のものが挙げられる。
【0116】
- 消臭および制汗活性を有する活性物質:これらには、アルミニウムまたは亜鉛塩をベースとする制汗剤、殺菌または静菌消臭物質(例えば、トリクロサン、ヘキサクロロフェン、アルコールおよびカチオン性物質、例えば、第四級アンモニウム塩)を含有する消臭剤、ならびに臭気吸収剤(例えば、Grillocin(登録商標)(リジノール酸亜鉛(zinc rizinoleate)と別の添加剤との組み合わせ)またはクエン酸トリエチル)が含まれ、場合により抗酸化剤、例えば、ブチルヒドロキシトルエン、またはイオン交換樹脂と組み合わされる。
【0117】
- 昆虫忌避剤:昆虫忌避剤は、昆虫が皮膚に接触すること、およびそこで活動することを防ぐ組成物である。それらは昆虫を忌避し、ゆっくりと蒸発する。最も頻繁に使用される昆虫忌避剤はジエチルトルアミド(DEET)である。他の通常の昆虫忌避剤は、“W. Raab amd U. Kindl, “Pflegekosmetik”, Gustav-Fischer-Verlag Stuttgart/New York,1991, p.161に記載されている。
【0118】
- 化学的および機械的攻撃から保護する活性物質:これらには皮膚と外部の病毒の間に障壁を形成するすべての物質が含まれる。これらには、例えば、水溶液に対する保護として、パラフィン油、シリコーン油、植物油、PCL製品およびラノリンが、有機溶媒の作用に対する被膜形成剤、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸トリエタノールアミン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコールまたはセルロースエーテルが、または皮膚への強い機械的ストレスに対する「潤滑剤」としての鉱油、植物油またはシリコーン油をベースとする物質が含まれる。
【0119】
- 保湿性物質:下記の物質は保湿剤として使用される:乳酸ナトリウム、尿素、アルコール、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、コラーゲン、エラスチンまたはヒアルロン酸。
【0120】
- 角質柔軟化活性を有する活性物質:ベンゾイルペルオキシド、レチン酸、コロイド硫黄およびレゾルシノール。
【0121】
- 抗微生物剤、例えば、トリクロサンまたは第四級アンモニウム化合物。
【0122】
- 皮膚適用可能な油性または脂溶性ビタミンまたはビタミン誘導体:例えば、ビタミンA(遊離の酸またはその誘導体の形のゲチノール(getinol))、パンテノール、パントテン酸、葉酸、およびそれらの組み合わせ、ビタミンE(トコフェロール)、F;必須脂肪酸;またはナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)。
【0123】
- ビタミンをベースとする胎盤抽出物:主にビタミンA、C、E、B21 B12、葉酸およびビオチン、アミノ酸および酵素ならびに微量元素マグネシウム、ケイ素、リン、カルシウム、マンガン、鉄または銅の化合物を含む活性物質組成物。
【0124】
- 皮膚修復複合体:不活性化および分解したビフィズス群の細菌の培養物から得られる。
【0125】
- 植物および植物抽出物:例えば、アルニカ、アロエ、サルオガセ(beard lichen)、セイヨウキヅタ、イラクサ、チョウセンニンジン、ヘナ、カモミール、キンセンカ、ローズマリー、セージ、トクサまたはタイム。
【0126】
- 動物抽出物:例えば、ロイヤルゼリー、プロポリス、タンパク質または胸腺抽出物。
【0127】
- 皮膚に適用可能な化粧油:ミグリオール812型の中性油、杏仁油、アボカド油、ババス油、綿実油、ボリジ油、アザミ油、ラッカセイ油、ガンマ-オリザノール、ローズヒップ種子油、大麻油、ヘーゼルナッツ油、スグリ種子油、ホホバ油、サクランボ種子油、サケ油、亜麻仁油、コーン油、マカダミアナッツ油、アーモンド油、ツキミソウ油、ミンク油、オリーブ油、ペカンナッツ油、桃仁油、ピスタチオナッツ油、菜種油、米胚芽油、ひまし油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ティーツリー油、グレープシード油またはコムギ胚芽油。
【0128】
好ましくは、成分(c)は、クラスRCO-OR’[式中、RCO-は、カルボン酸基を表し、-OR’はアルコール残基である]で表されるエステル;グリセリルエステルおよび誘導体、アルコキシル化アルコールエステル、アルコキシル化アルコールグリセリルエステルおよび誘導体、アルコキシル化アルコールエーテル、油脂、エーテル、炭化水素もしくはシリコーン、またはこれらの物質の混合物を含む。
【0129】
成分(c)は、本発明において使用されるナノディスパージョン中に、組成物(a)、(b)、(c)および(d)の総重量を基準として、好ましくは0.1〜80重量%の濃度で存在する。
【0130】
本発明により使用されるナノディスパージョンは、場合により任意の成分(f)として、成分(a)の水和速度を速めおよび改善するために、非水性極性有機溶媒を含む。種々の非水性極性有機溶媒が、本発明に記載のナノエマルションの不連続相に使用するのに適している。例は、下記の通りである。
【0131】
- 1分子あたり3個以上のヒドロキシル基を有する化合物であると定義されるポリオール。好適なポリオールの例には、フルクトース、グルカミン、グルコース、グルタミン酸グルコース、グルクロン酸、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、ヒドロキシステアリルメチルグルカミン、イノシトール、ラクトース、マリトール、マンニトール、メチルグルセス-10、メチルグルセス-20、メチルグルコースジオレエート、メチルグルコースセスキココエート、メチルグルコースセスキイソステアレート、メチルグルコースセスキラウレート、メチルグルコースセスキステアレート、フィタントリオール、リボフラビン、ソルベス(sorbeth)-6、ソルベス-20、ソルベス-30、ソルベス-40、ソルビトール、スクロース、チオグリセリン、キシリトール、およびそれらの混合物が含まれる。好ましいポリオールはグリセリンである。
【0132】
- 好ましくはアルキレンオキシド(一般にエチレンまたはプロピレンオキシド)モノマーの重合により形成された、ホモポリマーまたはブロックコポリマー液体エーテル。好ましいエーテルモノマーは、下記の式においてn=1である構造を有するものである。好ましい高分子エーテルは、下記の式においてn=2〜20である一般構造を示す。
【化25】
[式中、Rは、水素またはC1〜10直鎖もしくは分枝鎖アルキルであり、nは、1〜20である]
このような高分子エーテルの例には、PEG、PPGおよびそれらの誘導体が含まれる。
【0133】
好適な高分子エーテルの他の例には、一般式:
【化26】
[式中、xは、1〜200であり、yは、1〜200であり、zは、1〜200である]
を有するポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマーが含まれる。このような化合物は、メロキサポール(Meroxapol)(RTM) 105、108、171、174、178、251、252、254、255、258、311、312および314のCTFA名で入手可能である。
【0134】
- 一般式R(OH)n [式中、nは1または2であり、Rは、置換もしくは非置換の飽和C2〜C10、好ましくはC1〜C8アルキル、または置換もしくは非置換の脂環式、二環式、もしくは芳香族環(そこにおいて、置換基はハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシ等より選択される)である]の1価および2価アルコール。最も好ましい1価アルコールには、エタノール、イソプロパノール、ヘキシルデカノール、ベンジルアルコール、プロピルアルコール、およびイソプロピルアルコールが含まれる。最も好ましい二価アルコールは、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1〜2ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、およびそれらの混合物である。
【0135】
- ソルビタンのエーテルまたはエステルであると定義されるソルビタン誘導体、例えば、ソルビトールのステアリン酸エステルであると定義されるポリソルベートおよびソルビタン無水物も、好適な極性溶媒である。例としては、ポリソルベート20、21、40、60、61、65、80、81および85が挙げられる。
【0136】
化粧品最終製品は、非常に幅広い化粧品を含む。好適な製品は、例えば、特に下記のものである。
- スキンケア製品、例えば、棒状の石鹸または液体石鹸、合成洗剤または洗浄用ペーストの形の皮膚洗浄および清浄用製品;
- 入浴用製品、例えば、液体(フォームバス、乳剤、シャワー製品)または固体(バスパールおよびおよびバスソルトなど)の入浴用製品;
- スキンケア製品、例えば、皮膚用乳液、複合乳液(multiple emulsion)またはスキンオイル;
- 装飾用ボディーケア製品、例えば、デイクリームまたはパウダークリーム、フェイスパウダー(粉または固形)、ほお紅またはクリームメイクアップの形の顔用メイクアップ製品、アイケア製品、例えば、アイシャドウ製品、マスカラ、アイライナー、アイクリームまたはアイフィックスクリーム;リップケア製品、例えば、口紅、リップグロス、リップライナー、ネイルケア製品、例えば、マニキュア液、マニキュア除去剤、爪硬化剤またはキューティクルリムーバー;
- 女性用衛生製品、例えば、女性用衛生洗浄ローションまたはスプレー;
- フットケア製品、例えば、フットバス、フットパウダー、フットクリームまたはフットバーム、専用の消臭剤および制汗剤または硬化した皮膚をこすり取る製品;
- サンスクリーン、例えば、サンミルク、ローション、クリーム、オイル、日焼け止めまたはトロピカル、日焼け前製品または日焼け後製品;
- サンタン製品、例えば、セルフタンニングクリーム;
- 脱色素製品、例えば、皮膚の漂白または美白用の製品;
- 昆虫忌避剤、例えば、虫よけオイル、ローション、スプレーまたはスティック;
- 消臭剤、例えば、消臭スプレー、非エアロゾルスプレー、消臭ジェル、スティックまたはロールオン;
- 制汗剤、例えば、制汗スティック、クリームまたはロールオン;
- 不潔な皮膚を洗浄化および手入れするための製品、例えば、合成洗剤(固体または液体)、ピーリングまたはスクラブ製品またはピーリングマスク;
- 化学脱毛製品、例えば、脱毛パウダー、液体脱毛製品、クリーム状またはペースト状脱毛製品、脱毛ジェルまたはエアロゾルフォーム;
- ひげそり用製品:例えば、ひげそり用石鹸、泡状シェービングクリーム、泡状でないシェービングクリーム、シェービングフォームおよびジェル、ドライシェービング用のプレシェービング製品、アフターシェーブまたはアフターシェーブローション;
- 香料(scent)、例えば、香水(オーデコロン、オードトワレ、オードパルファム、パルファムドトワレ、香水)、香油または香水クリーム;
- 口腔および歯科用衛生製品ならびに義歯用製品、例えば、歯磨きペースト、歯磨きジェル、歯磨き粉、マウスウォッシュ濃縮物、プラーク防止マウスウォッシュ、義歯洗浄製品または義歯接着製品;
- 毛髪の手入れのための化粧品製剤、例えば、シャンプーの形の毛髪洗浄剤、ヘアコンディショナー、ヘアケア製品、例えば、プレトリートメント製品、ヘアトニック、ヘアスタイリングクリームおよびジェル、ポマード、ヘアリンス、ディープコンディショニングトリートメント、集中ヘアケアトリートメント、ヘアセット製品、例えば、パーマ用のウェーブ剤(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)、縮毛矯正剤、液体毛髪固定剤、ヘアフォーム、ヘアスプレー、漂白剤、例えば、過酸化水素溶液、漂白シャンプー、漂白クリーム、漂白パウダー、漂白ペーストまたはオイル、一時的、半一時的または永久染毛剤、自動酸化染毛剤を含む製品、またはヘナまたはカモミールなどの天然の染毛剤。
【0137】
好ましくは、少なくとも1つの成分(a)、(b)または(c)が、皮膚、粘膜または毛髪を手入れまたは保護するための化粧品に使用される成分である。
【0138】
上に挙げた最終製品は、非常にさまざまな提供の形態であってよく、例えば、次の形態であり得る。
- O/Wエマルションとしての液体製剤の形、
- スティックの形、
- ジェルの形、
- クリーム、ローションまたは乳液の形、
- スプレー(噴射剤を用いるスプレーまたは非エアロゾルスプレー)またはエアロゾルの形、
- 泡の形、
- ペーストの形、または
- 粉末、ラッカー、ペレットまたはメイクアップの形。
【0139】
上記の成分の1種または数種を含有し、上記の提供の形態である化粧品最終製剤は、好ましくは、本発明において使用されるナノディスパージョンを、化粧品最終製品の総重量を基準として、0.01〜99重量%、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.05〜10重量%の濃度で含有する。
【実施例】
【0140】
下記の実施例により、本発明をさらに説明する。部またはパーセンテージは重量で表す。
【0141】
実施例1:
【表1】
【0142】
実施例2:
【表2】
【0143】
実施例3:
【表3】
【0144】
実施例4:
【表4】
【0145】
実施例5:
【表5】
【0146】
実施例6:
【表6】
【0147】
実施例7:
【表7】
【0148】
実施例8:
【表8】
【0149】
実施例9:
【表9】
【0150】
実施例10:
【表10】
【0151】
実施例11:
【表11】
【0152】
実施例12:
【表12】
【0153】
実施例13:
【表13】
【0154】
実施例14:
【表14】
【0155】
実施例15:
【表15】
【0156】
実施例16:
【表16】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品最終製剤における、
(a) 膜形成分子、
(b) 共乳化剤、
(c) 親油性成分、および
(d) 酸化を受けやすい水溶性成分
を含むナノディスパージョンの使用であって、前記ナノディスパージョンが、
(α)成分(a)、(b)および(c)を均一な液体が得られるまで混合する工程(いわゆるナノディスパージョンプレフェーズ)、ならびに
(β)工程(α)で得られた液体に、前記水溶性成分と場合により非水性極性有機溶媒とを含有する水または水相(不連続相)を加える工程により得ることができる、前記使用。
【請求項2】
成分(d)がアスコルビン酸またはビタミンCである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
非水性極性有機溶媒が、ポリオール、ホモポリマー液体エーテルまたはブロックコポリマー液体エーテルである、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
工程(α)を無水媒体中で実施する、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
工程(β)を、均質化を行わずに実施する、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
ナノディスパージョン中の粒子が、100 nm未満の平均直径を有する、請求項1に記載の使用。
【請求項7】
さらに、抗酸化剤である成分(e)を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
成分(e)が、炭素架橋ヒンダードフェノール、エステル架橋ヒンダードフェノール、アミド架橋ヒンダードフェノール、ヒンダードフェノールのラクトン、立体障害性オキシルアミンおよび立体障害性ヒドロキシルアミンからなる群より選択される、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
成分(e)が、式AまたはB:
【化1】
[式中、Mは水素またはナトリウムである]
の化合物である、請求項7に記載の使用。
【請求項10】
トコフェロールおよびその酸エステル、トコトリエノールおよびその酸エステル、アスコルビン酸エステル、レチノイド、カロテノイド、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、ユビキノンおよびイデベノン、リポ酸およびその誘導体、ルチン酸およびその誘導体、フェノール酸、フラボノイドおよびポリフェノール、クロロゲン酸およびフェルラ酸からなる群より選択されるさらなる親水性または親油性抗酸化剤を含む、請求項7に記載の使用。
【請求項11】
成分(e)と成分(d)の重量比が、1:100〜10:1である、請求項7に記載の使用。
【請求項12】
成分(a)がいわゆる二重層を形成するのに適した物質であり、成分(b)が好ましくはW/O構造を形成する物質であり、成分(c)が化粧品に通常使用する親油性の機能性活性物質である、請求項1に記載の使用。
【請求項13】
成分(a)が、リン脂質、水和もしくは部分水和したリン脂質、リゾリン脂質、セラミド、またはそれらの混合物である、請求項1に記載の使用。
【請求項14】
成分(a)が、式1:
【化2】
[式中、
R1は、C10〜C20アシルであり;
R2は、水素またはC10〜C20アシルであり、
R3は、水素、2-トリメチルアミノ-1-エチル(レシチンとも呼ばれる)、2-アミノ-1-エチル;非置換の、または1個または数個のカルボキシ、ヒドロキシまたはアミノ基により置換されたC1〜C5アルキル;イノシトールまたはグリセリル基である]
のリン脂質、またはこれらの式1の化合物の塩である、請求項1に記載の使用。
【請求項15】
成分(a)が、ナノディスパージョン中に、成分(a)、(b)、(c)および(d)の総重量を基準として、0.1〜30重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の使用。
【請求項16】
成分(b)が、シロキサンもしくは有機シロキサン、ソルビタン誘導体またはこれらの物質の混合物である、請求項1に記載の使用。
【請求項17】
成分(b)が、式2:
【化3】
[式中、
mは、1〜20の数であり、
nは、0〜500の数であり、
pは、0〜50の数であり、
R1は、C1〜C30アルキルまたはフェニルであり、
R2は、-CcH2c-(OC2H4)a-(OC3H6)b-(OC4H8)d-R3であり、
R3は、水素、ヒドロキシ、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C12アルキル、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルコキシ、直鎖もしくは分枝鎖C2〜C12アシルオキシ、-NHCH2CH2COOM、-NHCO(CH2)d-COOM、C1〜C30-カルボキシアシル、-NHCO(CH2)d-OHまたは-NH3Yであり、
Mは、水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムまたは有機アンモニウムであり、
Yは、1価の有機または無機アニオン、例えば、クロロ、ブロモ、硫酸アニオンまたはカルボン酸アニオンであり、
aは、0〜100の数であり、
bは、0〜50の数であり、
cは、0〜5の数であり、
dは、0〜10の数である]
の化合物である、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
ナノディスパージョン中に、成分(b)が、成分(a)、(b)、(c)および(d)の総重量を基準として、1〜50重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の使用。
【請求項19】
成分(c)が、天然または合成もしくは部分合成ジ-またはトリグリセリド、鉱油、シリコーン油、ワックス、脂肪アルコール、ゲルベアルコールもしくはそのエステル、またはこれらの物質の混合物である、請求項1に記載の使用。
【請求項20】
成分(c)が、クラスRCO-OR’[式中、RCO-はカルボン酸基を表し、-OR’はアルコール残基である]により表されるエステル;グリセリルエステルおよび誘導体、アルコキシル化アルコールエステル、アルコキシル化アルコールグリセリルエステルおよび誘導体、アルコキシル化アルコールエーテル、油脂、エーテル、炭化水素もしくはシリコーン、またはこれらの物質の混合物を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項21】
成分(c)が、化粧品最終製剤中に、成分(a)、(b)、(c)および(d)の総重量を基準として、0.1〜80重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の使用。
【請求項22】
成分(a)の水和速度を速めおよび改善するために、非水性極性有機溶媒である成分(f)をさらに含む、請求項1に記載の使用。
【請求項23】
ナノディスパージョンが、最終製剤中に、化粧品最終製品の総重量を基準として、0.01〜99重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の使用。
【請求項24】
少なくとも1つの成分(a)、(b)または(c)が、皮膚、粘膜または毛髪を手入れまたは保護するために化粧品に使用される成分である、請求項1に記載の使用。
【請求項25】
請求項1に記載のナノディスパージョンを含む、スティックの形態の化粧品最終製剤。
【請求項26】
請求項1に記載のナノディスパージョンを含む、ジェルの形態の化粧品最終製剤。
【請求項27】
請求項1に記載のナノディスパージョンを含む、クリーム、ローションまたは乳液の形態の化粧品最終製剤。
【請求項28】
請求項1に記載のナノディスパージョンを含む、スプレーまたはエアロゾルの形態の化粧品最終製剤。
【請求項29】
請求項1に記載のナノディスパージョンを含む、泡の形態の化粧品最終製剤。
【請求項30】
請求項1に記載のナノディスパージョンを含む、ペーストの形態の化粧品最終製剤。
【請求項31】
請求項1に記載のナノディスパージョンを含む、粉末、ラッカー、ペレットまたはメイクアップの形態の化粧品最終製剤であって、前記ナノディスパージョンが脱水された形で存在する、前記化粧品最終製剤。
【請求項1】
化粧品最終製剤における、
(a) 膜形成分子、
(b) 共乳化剤、
(c) 親油性成分、および
(d) 酸化を受けやすい水溶性成分
を含むナノディスパージョンの使用であって、前記ナノディスパージョンが、
(α)成分(a)、(b)および(c)を均一な液体が得られるまで混合する工程(いわゆるナノディスパージョンプレフェーズ)、ならびに
(β)工程(α)で得られた液体に、前記水溶性成分と場合により非水性極性有機溶媒とを含有する水または水相(不連続相)を加える工程により得ることができる、前記使用。
【請求項2】
成分(d)がアスコルビン酸またはビタミンCである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
非水性極性有機溶媒が、ポリオール、ホモポリマー液体エーテルまたはブロックコポリマー液体エーテルである、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
工程(α)を無水媒体中で実施する、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
工程(β)を、均質化を行わずに実施する、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
ナノディスパージョン中の粒子が、100 nm未満の平均直径を有する、請求項1に記載の使用。
【請求項7】
さらに、抗酸化剤である成分(e)を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
成分(e)が、炭素架橋ヒンダードフェノール、エステル架橋ヒンダードフェノール、アミド架橋ヒンダードフェノール、ヒンダードフェノールのラクトン、立体障害性オキシルアミンおよび立体障害性ヒドロキシルアミンからなる群より選択される、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
成分(e)が、式AまたはB:
【化1】
[式中、Mは水素またはナトリウムである]
の化合物である、請求項7に記載の使用。
【請求項10】
トコフェロールおよびその酸エステル、トコトリエノールおよびその酸エステル、アスコルビン酸エステル、レチノイド、カロテノイド、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、ユビキノンおよびイデベノン、リポ酸およびその誘導体、ルチン酸およびその誘導体、フェノール酸、フラボノイドおよびポリフェノール、クロロゲン酸およびフェルラ酸からなる群より選択されるさらなる親水性または親油性抗酸化剤を含む、請求項7に記載の使用。
【請求項11】
成分(e)と成分(d)の重量比が、1:100〜10:1である、請求項7に記載の使用。
【請求項12】
成分(a)がいわゆる二重層を形成するのに適した物質であり、成分(b)が好ましくはW/O構造を形成する物質であり、成分(c)が化粧品に通常使用する親油性の機能性活性物質である、請求項1に記載の使用。
【請求項13】
成分(a)が、リン脂質、水和もしくは部分水和したリン脂質、リゾリン脂質、セラミド、またはそれらの混合物である、請求項1に記載の使用。
【請求項14】
成分(a)が、式1:
【化2】
[式中、
R1は、C10〜C20アシルであり;
R2は、水素またはC10〜C20アシルであり、
R3は、水素、2-トリメチルアミノ-1-エチル(レシチンとも呼ばれる)、2-アミノ-1-エチル;非置換の、または1個または数個のカルボキシ、ヒドロキシまたはアミノ基により置換されたC1〜C5アルキル;イノシトールまたはグリセリル基である]
のリン脂質、またはこれらの式1の化合物の塩である、請求項1に記載の使用。
【請求項15】
成分(a)が、ナノディスパージョン中に、成分(a)、(b)、(c)および(d)の総重量を基準として、0.1〜30重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の使用。
【請求項16】
成分(b)が、シロキサンもしくは有機シロキサン、ソルビタン誘導体またはこれらの物質の混合物である、請求項1に記載の使用。
【請求項17】
成分(b)が、式2:
【化3】
[式中、
mは、1〜20の数であり、
nは、0〜500の数であり、
pは、0〜50の数であり、
R1は、C1〜C30アルキルまたはフェニルであり、
R2は、-CcH2c-(OC2H4)a-(OC3H6)b-(OC4H8)d-R3であり、
R3は、水素、ヒドロキシ、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C12アルキル、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルコキシ、直鎖もしくは分枝鎖C2〜C12アシルオキシ、-NHCH2CH2COOM、-NHCO(CH2)d-COOM、C1〜C30-カルボキシアシル、-NHCO(CH2)d-OHまたは-NH3Yであり、
Mは、水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムまたは有機アンモニウムであり、
Yは、1価の有機または無機アニオン、例えば、クロロ、ブロモ、硫酸アニオンまたはカルボン酸アニオンであり、
aは、0〜100の数であり、
bは、0〜50の数であり、
cは、0〜5の数であり、
dは、0〜10の数である]
の化合物である、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
ナノディスパージョン中に、成分(b)が、成分(a)、(b)、(c)および(d)の総重量を基準として、1〜50重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の使用。
【請求項19】
成分(c)が、天然または合成もしくは部分合成ジ-またはトリグリセリド、鉱油、シリコーン油、ワックス、脂肪アルコール、ゲルベアルコールもしくはそのエステル、またはこれらの物質の混合物である、請求項1に記載の使用。
【請求項20】
成分(c)が、クラスRCO-OR’[式中、RCO-はカルボン酸基を表し、-OR’はアルコール残基である]により表されるエステル;グリセリルエステルおよび誘導体、アルコキシル化アルコールエステル、アルコキシル化アルコールグリセリルエステルおよび誘導体、アルコキシル化アルコールエーテル、油脂、エーテル、炭化水素もしくはシリコーン、またはこれらの物質の混合物を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項21】
成分(c)が、化粧品最終製剤中に、成分(a)、(b)、(c)および(d)の総重量を基準として、0.1〜80重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の使用。
【請求項22】
成分(a)の水和速度を速めおよび改善するために、非水性極性有機溶媒である成分(f)をさらに含む、請求項1に記載の使用。
【請求項23】
ナノディスパージョンが、最終製剤中に、化粧品最終製品の総重量を基準として、0.01〜99重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の使用。
【請求項24】
少なくとも1つの成分(a)、(b)または(c)が、皮膚、粘膜または毛髪を手入れまたは保護するために化粧品に使用される成分である、請求項1に記載の使用。
【請求項25】
請求項1に記載のナノディスパージョンを含む、スティックの形態の化粧品最終製剤。
【請求項26】
請求項1に記載のナノディスパージョンを含む、ジェルの形態の化粧品最終製剤。
【請求項27】
請求項1に記載のナノディスパージョンを含む、クリーム、ローションまたは乳液の形態の化粧品最終製剤。
【請求項28】
請求項1に記載のナノディスパージョンを含む、スプレーまたはエアロゾルの形態の化粧品最終製剤。
【請求項29】
請求項1に記載のナノディスパージョンを含む、泡の形態の化粧品最終製剤。
【請求項30】
請求項1に記載のナノディスパージョンを含む、ペーストの形態の化粧品最終製剤。
【請求項31】
請求項1に記載のナノディスパージョンを含む、粉末、ラッカー、ペレットまたはメイクアップの形態の化粧品最終製剤であって、前記ナノディスパージョンが脱水された形で存在する、前記化粧品最終製剤。
【公表番号】特表2010−534702(P2010−534702A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518617(P2010−518617)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/059568
【国際公開番号】WO2009/016064
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/059568
【国際公開番号】WO2009/016064
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】
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