説明

化粧柱構造

【課題】加工や施工が簡易で、化粧柱部材のずれも抑えることができる化粧柱構造を提供する。
【解決手段】柱芯材10と、化粧柱部材20と、取付具30とを備える。化粧柱部材20は、内面側に凹部21を有し、凹部21の内底面には被挟持部25が、内側面には被係止部26が形成されている。取付具30は、コ字形の取付具本体31と、この取付具本体31の第1辺部に設けられ被挟持部25を弾性的に挟持する一対の弾性挟持片34と、各第2辺部に設けられ被係止部26に弾性的に係合して化粧柱部材20が柱芯材10から外れる方向の移動を阻止する弾性係止片35とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧柱構造に関する。例えば、住宅などの玄関ポーチにおいて、玄関庇を支持するポーチ柱などの化粧柱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の住宅などにおいて、例えば、玄関ポーチにおける意匠性を高める工夫として、玄関庇を支えるポーチ柱にデザインを施す施工が行われている。
従来、これらの施工は、塗料や顔料などを吹き付けることにより行われていたが、近年、柱芯材に取付具を固定し、この取付具に化粧柱部材を取り付ける施工が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、断面正方形の柱芯体と、この柱芯体の外周に取り付けられた一対の取付具と、この一対の取付具を介して取り付けられ柱芯体の外周を覆う一対の化粧板とを備える化粧柱構造が示されている。
取付具は、ステンレスばね鋼によって長方形板状に形成され、両端に傾斜板状の弾性係合部が形成されているとともに、中央に位置決めマークが切り欠き形成されている。化粧板は、本体部の両端に第1の端部および第2の端部を一体的に有する断面コ字形に形成されている。第1の端部および第2の端部の内面側には、厚肉部がそれぞれ形成され、この厚肉部の内面側奥部に肉厚が薄くなる段部(被係合部)が形成されている。
【0004】
施工にあたっては、柱芯体の外周4面のうちの平行な2面に対して、柱芯体の幅方向中央位置に取付具の位置決めマークを一致させ、この状態で取付具をビスなどで柱芯体に固定する。続いて、化粧板の内面を柱芯体に向けて、化粧板を取付具に嵌め込む。すると、化粧板の厚肉部によって、取付部の弾性係合部が内側へ弾性変形される。化粧板の厚肉部が取付部の弾性係合部を越えると、弾性係合部が復帰して化粧板の段部(被係合部)に係合される。これにより、化粧板が取付具を介して柱芯体に取り付けられる。
【0005】
【特許文献1】特開平6−193194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に開示の化粧柱構造では、次のような課題がある。
第1は、柱芯体に取付具を固定する際、柱芯体の幅方向中央位置を決めて、これに取付具の位置決めマークを一致させ、この状態で取付具を保持しながらビスなどで柱芯体に固定するものであるため、柱芯体の幅方向中央位置を決める作業が必要となり、施工が煩わしい。しかも、柱芯体の幅方向中央位置に取付具の位置決めマークを一致させた状態において、ビスなどで固定するまで、取付具を保持しなければならないから、取付具がずれやすく、施工に経験を要するという課題も残る。
【0007】
第2は、取付具の弾性係合部が化粧板の段部(被係合部)に係合することによって、化粧板の嵌め込み方向およびこれと交差する方向の移動を阻止する構造であるため、取付具の弾性係合部がガタなく嵌り込む寸法に化粧板の段部(被係合部)を形成しなければならないため、高い加工精度が要求される。もし、取付具の弾性係合部よりも化粧板の段部(被係合部)寸法が大きいと、化粧板がずれたり、外れやすい。逆に、取付具の弾性係合部よりも化粧板の段部(被係合部)寸法が小さいと、弾性係合部が段部(被係合部)に嵌り込まないため、外れやすいという課題がある。
【0008】
本発明の目的は、加工や施工が簡易で、化粧柱部材のずれも抑えることができる化粧柱構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の化粧柱構造は、柱芯材と、この柱芯材の外周を覆う化粧柱部材と、この化粧柱部材を前記柱芯材に取り付ける取付具とを備え、前記柱芯材は、四角柱状に形成され、前記化粧柱部材は、内面側に前記柱芯材の少なくとも一部を収納する凹部を有し、前記凹部の内底面には被挟持部が形成され、前記凹部の内側面には被係止部が形成され、前記取付具は、前記柱芯材の外周4側面のうち3側面に沿った形状で第1辺部の両側に第2辺部を有するコ字形の取付具本体と、この取付具本体の第1辺部に設けられ前記被挟持部を弾性的に挟持する一対の弾性挟持片と、前記各第2辺部に設けられ前記被係止部に弾性的に係合して前記化粧柱部材の凹部が前記柱芯材から外れる方向の移動を阻止する弾性係止片とを有する、ことを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、取付具を柱芯材に嵌め込んだのち、取付具を柱芯材に適宜な手段で固定する。この際、取付具は、第1辺部の両側に第2辺部を有するコ字形に形成されているから、コ字形の開口側を柱芯材に向けて嵌め込めば、取付具は柱芯材の定位置に自動的に位置決め、保持されるから、取付具を柱芯材に容易にかつ簡単に固定できる。
続いて、化粧柱部材の凹部を柱芯材に向けて嵌め込むと、化粧柱部材の被挟持部が取付具の一対の弾性挟持片によって弾性的に挟持されるとともに、化粧柱部材の被係止部に取付具の弾性係止片が弾性的に係合して、化粧柱部材の凹部が柱芯材から外れる方向の移動が阻止される。従って、化粧柱部材を嵌め込むだけで、化粧柱部材を取付具を介して柱芯材に取り付けることができるから、施工も簡単にできる。
【0011】
しかも、本発明では、化粧柱部材は、柱芯材から外れる方向の移動に対しては取付具の弾性係止片によって阻止され、これとは交差する方向の移動に対しては一対の挟持片によって阻止されるから、化粧柱部材が柱芯材に対してずれるのを防止できる。また、一対の弾性挟持片によって化粧柱部材の被挟持部を弾性的に挟持する構造であるため、つまり、特許文献1のように、取付具の弾性係合部が化粧板の段部(被係合部)に嵌り込む構造ではないから、高い加工精度が要求されない。従って、この点からも加工や施工が極めて簡易にできる。
【0012】
本発明の化粧柱構造において、前記被挟持部は、前記凹部の内底面に間隔を隔てて形成された一対の溝部の間に形成され、前記一対の弾性挟持片は、前記第1辺部から離れるに従って、互いに接近したのち次第に離れる形状に形成されている、ことが好ましい。
この構成によれば、化粧柱部材の凹部を柱芯材に向けて嵌め込むと、取付具の一対の弾性挟持片の先端が互いに離れる形状に形成されているから、化粧柱部材の被挟持部が一対の弾性挟持片の先端間に嵌り込む。更に、化粧柱部材を柱芯材に嵌め込んでいくと、一対の弾性挟持片が化粧柱部材の被挟持部によって更に押し拡げられる。これにより、一対の弾性挟持片の反力によって、化粧柱部材の被挟持部が挟持されるから、化粧柱部材を十分な力で確実に固定できる。
【0013】
本発明の化粧柱構造において、前記被係止部は、前記凹部の内側面に深さが前記凹部開口側へ向かうに従って次第に深くなる溝部によって形成され、前記弾性係止片は、前記第1辺部から第2辺部先端に向かうに従って第2辺部から離れる方向へ傾斜する形状に形成されている、ことが好ましい。
この構成によれば、取付具の弾性係止片は、第1辺部から第2辺部先端に向かうに従って第2辺部から離れる方向へ傾斜する形状に形成されているから、化粧柱部材の凹部を柱芯材に向けて嵌め込んでいくと、弾性係止片が内側に弾性変形されながら、化粧柱部材が嵌め込まれていく。やがて、化粧柱部材の凹部内側面に形成された傾斜溝が弾性係止片の先端に達すると、弾性係止片が外側に弾性復帰され傾斜溝に係止される。従って、化粧柱部材を柱芯材に嵌め込むだけで、化粧柱部材が柱芯材から外れる方向の移動が阻止されるから、施工が極めて簡易にできる。しかも、弾性係止片は、取付具の第1辺部の両側の第2辺部にそれぞれ設けられているから、化粧柱部材に柱芯材を中心とした回転力が作用した場合でも、外れにくい。
【0014】
本発明の化粧柱構造において、前記取付具は、前記第1辺部において、前記柱芯材長手方向略中央位置に前記一対の弾性挟持片を有し、前記各第2辺部において、前記一対の弾性挟持片を挟んだ前記柱芯材長手方向上下位置に2つの前記弾性係止片を有する、ことが好ましい。
この構成によれば、取付具の第1辺部において、柱芯材長手方向略中央位置に一対の弾性挟持片が設けられ、取付具の第2辺部において、一対の弾性挟持片を挟んだ柱芯材長手方向上下位置に2つの弾性係止片が設けられているから、化粧柱部材に柱芯材長手方向と交差する方向の力が作用した場合でも、外れにくい。
【0015】
本発明の化粧柱構造において、前記柱芯材には、一対の前記取付具を介して、一対の前記化粧柱部材が前記柱芯材の外周を互いに向かい合って覆うように取り付けられ、前記一対の化粧柱部材の突き合わせ端部間には、シーリング材が充填されていることが好ましい。
この構成によれば、一対の化粧柱部材によって柱芯材の外周を覆う構造にできるとともに、一対の化粧柱部材の突き合わせ端部間にはシーリング材が充填されているから、雨水などの浸入を確実に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
<住宅の説明(図1参照)>
図1は、住宅1の玄関部分2に設けられた玄関ポーチ3を示している。
玄関ポーチ3は、住宅1の玄関部分2の上部に設けられた玄関庇4と、この玄関庇4を支持する2本のポーチ柱5によって構成されている。本実施形態では、ポーチ柱5が本発明の化粧柱構造によって構成されている。
【0017】
<ポーチ柱の説明(図2、図3参照)>
図2は、ポーチ柱5の断面図、図3は、ポーチ柱5の分解斜視図である。
ポーチ柱5は、柱芯材10と、この柱芯材10の長手方向に沿った接合面を有しかつ柱芯材10の外周を互いに向かい合って覆う一対の化粧柱部材20と、柱芯材10の外周に取り付けられ各化粧柱部材20を柱芯材10に取り付ける複数の取付具30とを備えて構成されている。
柱芯材10は、四角柱状、具体的には、断面四角形の鋼管製柱材によって構成されているが、これに限られない。内部が空洞でない無垢の柱材であってもよく、あるいは、鋼管製に限らず、木製であってもよい。特に、材質は問わない。
【0018】
<化粧柱部材の説明(図2、図3、図4参照)>
化粧柱部材20は、円柱を軸方向に沿って2つに分割した形状、つまり、柱芯材10の長手方向に沿った接合面20Aを有する断面半円形状で、かつ、長さが柱芯材10の長さに略等しい柱状に形成されている。化粧柱部材20の材質は、窯業系、石材系、タイル系、樹脂系、アルミ系、木質系などが用いられる。
化粧柱部材20の接合面20A、つまり、半円形状の直径に相当する面には、中心部分に柱芯材10の少なくとも一部(略半分)を収納する凹部21が、両端部分にシーリング材用目地溝22がそれぞれ形成されているとともに、凹部21と外周輪郭円20Bとの間には、複数の肉抜き孔23が形成されている。
凹部21は、内底面21Aおよび両内側面21Bを有する断面矩形状に形成されている。
内底面21Aには、一対の溝部24が間隔を隔てて形成され、この溝部24の間に断面矩形状の被挟持部25が形成されている。
内側面21Bには、被係止部26が形成されている。被係止部26は、内側面21Bの中間位置に、深さが凹部21の開口側へ向かうに従って次第に深くなる溝部、具体的には、傾斜溝によって形成されている。
【0019】
<取付具の説明(図2、図3、図5参照)>
取付具30は、柱芯材10の外周4側面のうち3側面に沿った形状の取付具本体31を有する。取付具本体31は、弾性を有する材料、例えば、メッキ鋼板、ステンレス材、アルミ材、樹脂材などによって形成されているとともに、柱芯材10の一側面幅に相当する幅を有する第1辺部32と、この第1辺部32の両側に直角に折り曲げ形成され柱芯材10の一側面幅の略1/2に相当する幅を有する第2辺部33とを有するコ字形に形成されている。
第1辺部32には、柱芯材長手方向略中央位置に被挟持部25を弾性的に挟持する一対の弾性挟持片34が所定間隔隔てて切り起こし形成されている。一対の弾性挟持片34は、第1辺部32から離れるに従って、互いに接近したのち次第に離れる形状に形成されている。
第2辺部33には、一対の弾性挟持片34を挟んだ柱芯材長手方向上下位置に、被係止部26に弾性的に係合する2つの弾性係止片35が間隔を隔てて切り起こし形成されているとともに、これらの弾性係止片35の間にビス挿通孔36が形成されている。弾性係止片35は、第1辺部32から第2辺部33先端に向かうに従って第2辺部33から次第に離れる方向へ傾斜する形状に形成されている。
【0020】
<化粧柱構造の施工方法の説明(図1〜図5参照)>
施工にあたっては、柱芯材10の長手方向所定間隔位置に、取付具30を柱芯材10の両側より嵌め込んだのち、各取付具30を柱芯材10にビス37で固定する。
まず、取付具30のコ字形の開口側を柱芯材10に向けて嵌め込んだのち、ビス挿通孔36からビス37をねじ込んで取付具30を柱芯材10に固定する。この際、取付具30は、第1辺部32の両側に第2辺部33を有するコ字形に形成されているから、取付具30を柱芯材10に嵌め込むだけで、取付具30は柱芯材10の定位置に自動的に位置決め、保持される。
【0021】
続いて、化粧柱部材20の凹部21を柱芯材10を挟んで向かい合わせ、柱芯材10の両側より嵌め込むと、化粧柱部材20の被挟持部25が取付具30の一対の弾性挟持片34によって弾性的に挟持されるとともに、化粧柱部材20の被係止部26に取付具30の弾性係止片35が弾性的に係合して、化粧柱部材20が柱芯材10に取り付けられる。
【0022】
つまり、化粧柱部材20の凹部21を柱芯材10に向けて嵌め込むと、化粧柱部材20の被挟持部25が一対の弾性挟持片34の先端間に嵌り込む。更に、化粧柱部材20を柱芯材10に嵌め込んでいくと(押し込んでいくと)、一対の弾性挟持片34が化粧柱部材20の被挟持部25によって更に押し拡げられる。これにより、一対の弾性挟持片34の反力によって、化粧柱部材20の被挟持部25が挟持される。
また、化粧柱部材20の凹部21を柱芯材10に向けて嵌め込んでいくと、弾性係止片35が内側に弾性変形されながら、化粧柱部材20が嵌め込まれていく。やがて、化粧柱部材20の凹部21の内側面21Bに形成された被係止部26が弾性係止片35の先端に達すると、弾性係止片35が外側に弾性復帰され被係止部26に係止される。
【0023】
その結果、化粧柱部材20は、柱芯材10から外れる方向の移動に対しては取付具30の弾性係止片35によって阻止され、これとは交差する方向の移動に対しては一対の弾性挟持片34によって阻止されるから、化粧柱部材20を柱芯材10に対して、外れにくく、かつ、ずれが生じにくい状態で、柱芯材10に取り付けることができる。
【0024】
このようにして、柱芯材10に、取付具30を介して、一対の化粧柱部材20を柱芯材10の外周を覆うように取り付けたのち、一対の化粧柱部材20の接合面の突き合わせ端部間にシーリング材70を充填し、止水処理を施す。
シーリング材70としては、湿式シーリング材と乾式シーリング材とがあるが、いずれでもよい。湿式シーリング材としては、シリコン系、ウレタン系などを採用することができる。乾式シーリング材としては、シリコン系、ウレタン系、アクリル系などを採用することができる。なかでも、EPDM(エチレン・プロピレンゴム系)などの弾性シーリング材は好適に使用できる。
【0025】
<実施形態の効果>
(1)化粧柱部材20を柱芯材10に嵌め込むだけで、化粧柱部材20を取付具30を介して柱芯材10に取り付けることができるから、簡単に施工できる。しかも、取付具30が外部に露出していないため、意匠性を高めることができる。
(2)化粧柱部材20は、柱芯材10から外れる方向の移動に対しては取付具30の弾性係止片35によって阻止され、これとは交差する方向の移動に対しては一対の弾性挟持片34によって防止されるから、化粧柱部材20を柱芯材10に確実に取り付けることができる。
【0026】
(3)一対の弾性挟持片34によって化粧柱部材20の被挟持部25を弾性的に挟持する構造であるため、つまり、特許文献1のように、取付具の弾性係合部が化粧板の段部(被係合部)に嵌り込む構造ではないから、高い加工精度が要求されない。従って、この点からも加工や施工が極めて簡易にできる。
【0027】
(4)取付具30の第1辺部32において、柱芯材長手方向略中央位置に一対の弾性挟持片34が設けられ、取付具30の第2辺部33において、一対の弾性挟持片34を挟んだ柱芯材長手方向上下位置に2つの弾性係止片35が設けられているから、化粧柱部材20に柱芯材長手方向と交差する方向の力が作用した場合でも、外れにくい。
(5)一対の化粧柱部材20によって柱芯材10の外周を覆う構造にできるとともに、一対の化粧柱部材20の突き合わせ端部間(接合面20A間)にはシーリング材70が充填されているから、雨水などの浸入を確実に防ぐことができる。
【0028】
なお、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
例えば、化粧柱部材20については、2つの化粧柱部材20で柱芯材10の外周を覆うようにしたが、柱芯材10を中心として円周方向に3以上に分割されていてもよい(つまり、3つ以上であってもよい)。または、柱芯材10の全周を覆わなくてもよい場合には、化粧柱部材20は1つでもよい。
また、化粧柱部材20の形状は、半円形状に限らず、断面矩形状であってもよく、あるいは、これ以外の形状であってもよい。また、外形輪郭形状については、特に問わない。
【0029】
また、取付具30において、弾性挟持片34の内面側に、粗い表面処理を施したり、鋸歯状の突起などを形成して、化粧柱部材20の被挟持部25との摩擦抵抗を大きくすれば、より強固に化粧柱部材20を保持することができる。あるいは、弾性挟持片34が接する化粧柱部材20の被挟持部25に、弾性挟持片34が嵌り込む溝などを形成しても、同様な効果が期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、ポーチ柱に利用できるほかに、例えば、バルコニの化粧柱など、一般の住宅に用いられる各種化粧柱の構造に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態の住宅を示す斜視図。
【図2】同上実施形態におけるポーチ柱の断面図。
【図3】同上実施形態におけるポーチ柱の分解斜視図。
【図4】同上実施形態における化粧柱部材の端面図。
【図5】同上実施形態における取付具の斜視図。
【符号の説明】
【0032】
5…ポーチ柱(化粧柱)、
10…柱芯材、
20…化粧柱部材、
21…凹部、
21A…内底面、
21B…内側面、
22…シーリング材用目地溝、
24…溝部、
25…被挟持部、
26…被係止部、
30…取付具、
31…取付具本体、
32…第1辺部、
33…第2辺部、
34…弾性挟持片、
35…弾性係止片、
36…ビス挿通孔、
37…ビス、
70…シーリング材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱芯材と、この柱芯材の外周を覆う化粧柱部材と、この化粧柱部材を前記柱芯材に取り付ける取付具とを備え、
前記柱芯材は、四角柱状に形成され、
前記化粧柱部材は、内面側に前記柱芯材の少なくとも一部を収納する凹部を有し、前記凹部の内底面には被挟持部が形成され、前記凹部の内側面には被係止部が形成され、
前記取付具は、前記柱芯材の外周4側面のうち3側面に沿った形状で第1辺部の両側に第2辺部を有するコ字形の取付具本体と、この取付具本体の第1辺部に設けられ前記被挟持部を弾性的に挟持する一対の弾性挟持片と、前記各第2辺部に設けられ前記被係止部に弾性的に係合して前記化粧柱部材の凹部が前記柱芯材から外れる方向の移動を阻止する弾性係止片とを有する、ことを特徴とする化粧柱構造。
【請求項2】
請求項1に記載の化粧柱構造において、
前記被挟持部は、前記凹部の内底面に間隔を隔てて形成された一対の溝部の間に形成され、
前記一対の弾性挟持片は、前記第1辺部から離れるに従って、互いに接近したのち次第に離れる形状に形成されている、ことを特徴とする化粧柱構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の化粧柱構造において、
前記被係止部は、前記凹部の内側面に深さが前記凹部開口側へ向かうに従って次第に深くなる溝部によって形成され、
前記弾性係止片は、前記第1辺部から第2辺部先端に向かうに従って第2辺部から離れる方向へ傾斜する形状に形成されている、ことを特徴とする化粧柱構造。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の化粧柱構造において、
前記取付具は、前記第1辺部において、前記柱芯材長手方向略中央位置に前記一対の弾性挟持片を有し、前記各第2辺部において、前記一対の弾性挟持片を挟んだ前記柱芯材長手方向上下位置に2つの前記弾性係止片を有する、ことを特徴とする化粧柱構造。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の化粧柱構造において、
前記柱芯材には、一対の前記取付具を介して、一対の前記化粧柱部材が前記柱芯材の外周を互いに向かい合って覆うように取り付けられ、
前記一対の化粧柱部材の突き合わせ端部間には、シーリング材が充填されていることを特徴とする化粧柱構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−208614(P2008−208614A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−46324(P2007−46324)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(390036722)神島化学工業株式会社 (54)
【Fターム(参考)】