説明

化粧用組成物用の乳化剤としての多糖類およびジメチコーンコポリオール

【課題】必要とされるものは、安定且つ適合性であり、皮膚刺激およびアレルギー反応などの問題の発生を回避し、そして化粧用組成物中で特に有用である水中油型エマルジョンである。
【解決手段】乳化剤としての、多糖類、例えば、アミノ‐多カルボキシレートデンプン誘導体とジメチコーンコポリオールの組み合わせを含有する油相と、水相とを含む化粧用組成物中で用いるための安定な水中油型エマルジョン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳化剤としての多糖類、例えば、アミノ‐多カルボキシレートデンプン誘導体とジメチコーンコポリオールの組み合わせを含有する油相と水相とを含む化粧用組成物中で用いるための安定な水中油型エマルジョンに関する。
【背景技術】
【0002】
エマルジョンは、一方が他方に分散している二種の不完全混和性液体から成る二相系である。最も一般的なエマルジョンは油と水のエマルジョンであり、二つの型のエマルジョン、すなわち、油滴が水に分散しているエマルジョン(「水中油」型エマルジョン)および水滴が油に分散しているエマルジョン(「油中水」型エマルジョン)が存在する。本発明は、水が連続相であると共に油が分散相または不連続相である水中油型エマルジョンに関わる。
【0003】
水中油型エマルジョンは、美観的特徴および優雅さと触感などの外観的特徴を与えるのに役立つので化粧用および外皮用の組成物または用途、特にスキンケア組成物、ヘアケア組成物およびボディケア組成物中で広く用いられている。しかし、これらの水中油型エマルジョンは、皮膚刺激またはアレルギー反応を引き起こしうると共にエマルジョン配合物中の他の成分と相溶性でない場合もある公知の種類または古典的な種類の界面活性剤または乳化剤を含有することが多い。
【0004】
従って、必要とされるものは、安定且つ適合性であり、皮膚刺激およびアレルギー反応などの問題の発生を回避し、そして化粧用組成物中で特に有用である水中油型エマルジョンである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、化粧用組成物中で有用であると共に、乳化剤としての多糖類、例えば、アミノ‐多カルボキシレートデンプン誘導体とジメチコーンコポリオールの組み合わせを含有する油相と、水相とを含む安定な水中油型エマルジョンに関する。
【0006】
より詳しくは、本発明は、
a)エマルジョンの質量に対して約0.1〜95質量%のアミノ‐多カルボキシレートデンプン誘導体、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルデンプンフォスフェートから成る群から選択された多糖類、そこで、前記アミノ‐多カルボキシレートデンプン誘導体は以下の構造
【化1】

(式中、ST‐Oはデンプン分子または化工デンプン分子を表し(ここで無水グルコース単位のヒドロキシ基の水素は以下のように置換されている)、
RはHまたはCH3であり、
R’はH、CH3またはCOOMであり、
Mは、H、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムから成る群から選択された陽イオンであり、
nは2または3であり、
R”はHまたは炭素原子数1〜18のアルキルである。)
を有する、と、
b)エマルジョンの質量に対して約0.1〜50質量%の、以下の式
【化2】

(式中、lは0〜300であり、mは1〜40であり、yは4〜40であり、zは0〜40であり、y:zの質量比は約100:0〜約0:100であり、Rは、水素、炭素原子数1〜16のアルキル、アルコキシおよびアシル基から選択される。)
を有するジメチコーンコポリオール
の組み合わせを含有する油相と、水相とを含む水中油型エマルジョンに関する。
【0007】
本発明は、上で定義され本願において後で詳しく定義されるような乳化剤としての、油相がa)アミノ‐多カルボキシレートデンプン誘導体、キサンガム、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルデンプンフォスフェートから成る群から選択された多糖類と(b)ジメチコーンコポリオールの組み合わせを含有する水中油型エマルジョンを含む化粧用組成物も包含する。
【0008】
発明の詳細な説明
本発明の水中油型エマルジョンは、油相中の乳化剤としての選択された多糖類とジメチコーンコポリオールの組み合わせおよび水相を含有する。多糖類とジメチコーンコポリオールの組み合わせは、油相中で用いられる時に本発明の水中油型エマルジョンのために乳化を生じさせ、そして一般的なエマルジョン組成物中で用いられてきた従来型で公知の乳化剤を置き換える。本発明において用いられる多糖類は、デンプン、ゴム、セルロースまたはそれらの誘導体であることが可能である。デンプンは、天然デンプンであろうと、あるいは変換(converted)デンプンであろうと、幾つかのデンプンのどれであってもよい。こうしたデンプンには、トウモロコシ、馬鈴薯、小麦、タピオカ、米、サゴ、モロコシ、ワキシートウモロコシ、ワキシー馬鈴薯およびワキシー米などのワキシーデンプンを含むあらゆる植物源から誘導されたデンプンおよび高アミローストウモロコシなどの高アミロースデンプン、すなわち、アミロース含有率が少なくとも40質量%、より特に少なくとも65質量%のデンプンが挙げられる。例えば、酸および/または熱の加水分解作用によって製造されたデキストリン、酵素変換または緩酸加水分解によって製造された流動性または低粘性変性(thin boiling)デンプン、および次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤による処理によって製造された酸化デンプンなどの、前者の基材のいずれかから誘導された変換製品も挙げられる。ヒドロキシアルキル化デンプンまたはエーテル化デンプン、例えば、ヒドロキシプロピルデンプン、エステル化デンプン、例えば、アセチル化されたカチオンおよびアニオンデンプンおよび架橋デンプンなどの誘導体化デンプンも挙げられる。有用な多糖類ゴムには、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、タラミンド(taramind)、アラビアゴム、アルギネートおよびゲラン(gellan)が挙げられる。有用なセルロース材料には、セルロースおよびセルロース誘導体、例えば、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよび特に炭素原子数1〜4のアルキルを有するセルロース誘導体が挙げられる。
【0009】
特に有用な多糖類には、アミノ‐多カルボキシレートデンプン誘導体、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルデンプンフォスフェートから成る群から選択された多糖類が挙げられる。好ましくは、多糖類は、前に記載されたような構造IまたはIaの一つを有するアミノ‐多カルボキシレートデンプン誘導体である。これらのデンプン誘導体は、1996年1月6日にソージャー(R.W.Sewger)らに発行された米国特許第5,482,704号に記載されたようにデンプンを選択されたアミノ‐多カルボキン酸試薬と反応させることにより製造することが可能である。アミノ‐多カルボキン酸試薬は以下の式を有する。
【化3】

式中、Xはハロゲンであり、RはHまたはCH3であり、R’はH、CH3またはCOOMであり、nは2または3であり、R”はHまたは炭素原子数1〜18のアルキルである。
【0010】
上で定義した試薬IIIおよびIIIaは、アミノアルコールと、活性化オレフィンを含有する選択されたエステルとの間のミカエル反応、その後のハロゲン化によって生成する。その生成には、デンプン基材の水性スラリーまたは水性分散液のいずれかを用いて、選択された多カルボキシレート試薬IIIまたはIIIaを水性媒体中のデンプン基材と反応させることが関わる。アミノ‐多カルボキシレートデンプン誘導体の製造のより詳しい説明は、上述した米国特許第5,482,704号において見ることができる。この特許は本明細書に引用して援用する。
【0011】
アミノ‐多カルボキシレートデンプンエーテル誘導体IおよびIaの製造に際して使用できる適用可能なデンプン基材は、トウモロコシ、馬鈴薯、小麦、米、サゴ、タピオカ、ワキシートウモロコシ、モロコシ、オートムギを含むあらゆる植物源、高アミロースデンプン、すなわち、高アミローストウモロコシなどのアミロース含有率が約45質量%より多いデンプンなどから誘導することが可能である。例えば、酸および/または熱の加水分解によって製造されたデキストリン、次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤による処理によって製造された酸化デンプン、酵素変換または緩酸加水分解によって製造された流動性または低粘性変性デンプン、ならびにエーテルおよびエステルなどの誘導デンプンを含む、後者の基材のいずれかから誘導された変換製品も挙げられる。デンプンエステルは、デンプンエーテルを製造するために必要とされる反応条件にさらされた時に加水分解を受ける。混合デンプンエーテル/エステルを必要とする場合、エーテル置換基を最初に反応させ、その後エステル化しなければならないことは当業者に対して明らかである。中間デンプンエーテルを直接エステル化することが可能であるか、あるいはエステル化の前に単離し精製することが可能である。デンプン基材は、粒状デンプンまたは糊化デンプン、すなわち、非粒状デンプンであってもよい。
【0012】
上述したような本発明の好ましいデンプン誘導体IおよびIaは、R、R’およびR”が水素であり、Mが水素であり、nが2である誘導体、より特に構造Iを有する誘導体である。デンプン基材は好ましくは馬鈴薯デンプンである。また、デンプン基材および生成デンプン誘導体をカチオン基などの他の基でさらに誘導するか、あるいは化工することが可能である。特に有用なカチオンデンプンは、2‐ジエチルアミノエチルクロリドなどの第三アミノアルキルデンプンエーテルおよび2,3‐エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの第四アンモニウムデンプンエーテルである。
【0013】
本発明において用いられる上述した式IIのジメチコーンコポリオールは、有機ポリシロキサン‐ポリオキシアルキレンポリマー組成物である。このポリシロキサンポリエーテルコポリマーは、ジメチコーンコポリオールという名称によって更に識別される。これは、特定のポリシロキサンポリエーテルコポリマーに関してCosmetic,Toiletry and Fragrance Association(CTFA)によって指定された名称である。それは、ワシントンD.C.のCTFAによって刊行された「International Cosmetic Ingredient Dictionary,6th edition,1995」に見られるようにダウコーニング(Dow Corning)を含む幾つかの供給業者から入手できる市販製品である。この種の組成物は、1998年5月26日にマーケイ(L.Markey)に発行された米国特許第5,756,112号および1987年10月6日にハイティンガー(R.Hiitinger)らに発行された米国特許第4,698,178号において更に開示されている。両方の特許は本明細書に引用して援用する。式IIによって定義されたジメチコーンコポリオールは、直鎖または分岐であってもよく、ブロックコポリマーまたはランダムコポリマーであってもよい。好ましくは、ジメチコーンコポリオールは、一個以上のポリシロキサンブロックおよび一個以上のポリエーテルブロックを有するブロックコポリマーである。好ましくは、式IIの有機ポリシロキサン‐ポリオキシアルキレンは、10〜40のl、1〜10のm、3〜30のy、4〜30のz、100:0〜35:65のy:zの質量比を有し、Rは水素またはCH3である。(C24O)y(C36O)z基の分子量は、代表的には約150〜3000であり、Rは好ましくは水素である。
【0014】
式IおよびIaのアミノ‐多カルボキシレートデンプン誘導体または他の選択された多糖類と式IIのジメチコーンコポリオールの組み合わせは、安定な水中油型エマルジョンを生成させるに際して特に有用であることが見出された。これらの安定なエマルジョンは、ジメチコーンコポリオールと共にデンプン誘導体または多糖類を油相に添加し、その後、油相を水性相または水相と組み合わせてエマルジョンを形成させることにより生成する。この安定な水中油型エマルジョンは、化粧用組成物の安定性、ならびにデンプン誘導体およびジメチコーンコポリオールの互いに対する相溶性およびこうした組成物中で用いられる種々の機能性添加剤および配合剤との相溶性のゆえに化粧用組成物中で特に有用であることが見出された。
【0015】
本発明の水中油型エマルジョンの油相は、エマルジョンの質量に対して約0.1〜95質量%、好ましくは約0.1〜15質量%のアミノ‐多カルボキシレートデンプン誘導体または他の選択された多糖類を含む。この油相は、エマルジョンの質量に対して約0.1〜50質量%、好ましくは約0.1〜10質量%のジメチコーンコポリオールも含有する。さらに、この油相は、他の従来の油性物質、特に油およびワックスなどの化粧上許容できる油性物質を含有する。油相中に含めることができる化合物は、一般に、鉱物、動物および植物の油または脂肪、合成エステル、脂肪酸、脂肪族アルコール、より高級な脂肪アルコール、アルキルアミン、ワックス、いわゆる鉱物脂肪および鉱油、例えば、パラフィン油、石油、シリコーン油、並びにシリコーン脂肪、シラン、ステロイドおよびステロールである。油相中のこれらの油性物質は、エマルジョンの質量に対して一般には約0.5〜75質量%を構成し、すなわち、それらの油性物質は油相からアミノ‐多カルボキシレートデンプンまたは他の多糖類およびジメチコーンコポリオールを除いたものである。保存剤、ビタミン、エッセンシャルオイルおよび以下に記載するような他の添加剤および配合剤も油相に添加することが可能である。
【0016】
水中油型エマルジョンの水相は、エマルジョンの質量に対して約5〜98質量%、好ましくは約25〜90質量%を構成する。これは、水とアルカリ、アルカノールアミン、多価アルコールおよび保存剤などの水溶性成分とを含む。以下に記載するような他の添加剤および配合剤も水相に添加することが可能である。
【0017】
本発明の水中油型エマルジョンは、クリーム、ローション、制汗薬、メイキャップ製品、日焼け止め剤、シャンプーおよびボディークレンジング製品などの化粧用組成物、医薬品組成物または薬剤組成物中で特に有用である。化粧用組成物を配合するに当たって、種々の添加剤または他の配合剤を本明細書に記載されたエマルジョンの油相と水相の両方に含めることができ、エマルジョンが形成された後に、それらを添加することが可能である。これらの添加剤または他の配合剤には、皮膚軟化剤、湿潤剤、増粘剤、UV‐AおよびUV‐Bフィルター物質、保存剤、染料、着色剤、アルファヒドロキシ酸、美観強化剤、例えば、デンプン、香料および香水、膜形成剤(防水剤)、親水性活性剤または親油性活性剤、安定剤、充填剤、酸化防止剤、防腐剤、抗かび剤、抗菌剤、他の薬剤および溶媒が挙げられる。これらおよび他の活性配合剤と機能性配合剤の一種以上の有効量を一般に用いることが可能であり、これは、合計で組成物の約0.001〜50質量%、より特に組成物の質量に対して約0.1〜15質量%であることが可能である。
【0018】
本発明のエマルジョン組成物の製造には、一般に、アミノ‐多カルボキシレートデンプン誘導体およびジメチコーンコポリオールに加えて油相成分を一個の容器に添加することが関わる。その後、この油相を混合しながら約75〜90℃に加熱する。水および他の水相成分を組み合わせ、約80℃に加熱し、もう一個の容器内で混合する。その後、混合しつつ水相を80℃で油相に徐々に添加する。エマルジョンの平均pHは約5〜8.0の範囲であり、酸または塩基の添加によって約2.5〜8.5に調節することが可能である。この調節には、一般に、アルファヒドロキシ酸および/またはベータヒドロキシ酸、塩酸または有機/無機塩基を用いることが可能である。相応する各相に種々の機能性添加剤および配合剤を添加することにより、化粧用エマルジョン組成物は同様な方法で製造される。
【0019】
以下の実施例は本発明の実施形態をさらに説明している。実施例において、特に注記しないかぎり、すべての部および百分率を質量により示し、すべての温度を摂氏で示す。実施例において記載されたようなCEPA馬鈴薯デンプンは化工馬鈴薯デンプンであり、ナショナルスターチアンドケミカルカンパニ(National Starch and Chemical Company)によって商品名Structure Solanaceで製造販売されている。
【実施例】
【0020】
実施例I
この実施例は、本発明による化粧用水中油型エマルジョン組成物の調製を説明している。アミノ‐多カルボキシレート馬鈴薯デンプン誘導体およびジメチコーンコポリオールを含む以下に記載された油相成分を組み合わせることにより油相を配合した。馬鈴薯デンプンを2‐クロロエチルアミノジプロピオン酸(以後CPEAと呼ぶ)で化工することにより馬鈴薯デンプン誘導体を調製した。この化工CEPA馬鈴薯デンプンは式Iの構造を有する。
【0021】
油相成分を組み合わせ、混合しながら約75〜90℃に加熱した。水相成分を組み合わせ、約80℃に加熱し、その後、混合しながら20〜30分にわたり温度を80℃で維持しつつ水相成分を徐々に油相に添加した。
【0022】
【表1】

【0023】
安定なエマルジョン(45℃で8週間にわたり)を形成し、そしてこの組成物は、良好な適合性、レオロジー並びに美観的外観および柔らかい触感をもっていた。
【0024】
実施例II
類似のエマルジョン組成物を実施例Iの場合のように調製し(サンプルB〜F)、この組成物は以下の処方であった。
【表2】

【0025】
上の化粧用水中油型エマルジョン組成物のすべては安定で相溶性であり、そして良好な流動学的特性、美観特性および他の機能的特性をもたらした。
【0026】
実施例III
CEPA化工馬鈴薯デンプンの代わりにキサンタンガムを用いて、実施例Iと類似のもう一つの水中油型エマルジョン組成物を調製した。サンプルG〜Iを次の通り配合した。
【0027】
【表3】

【0028】
化粧用水中油型エマルジョン組成物G〜Iはすべて安定で相溶性であり、そして良好な機能特性をもっていた。
【0029】
実施例IV
CEPA化工馬鈴薯デンプンの代わりにヒドロキシプロピルホスフェート(サンプルJ)およびヒドロキシエチルセルロース(サンプルK)を用いて、実施例Iに類似の化粧用水中油型エマルジョン組成物を調製した。処方は次の通りであった。
【0030】
【表4】

【0031】
両方の組成物(JおよびK)は安定で相溶性であり、そして良好な機能特性を示し、よってこれらの組成物は化粧用組成物として有用であった。
【0032】
実施例V
実施例Iの場合のように別の水中油型エマルジョン組成物を調製し、そしてこれらの組成物は以下の配合剤を有している。
【0033】
【表5】

【0034】
上の組成の安定なエマルジョンを形成し、これらのエマルジョンは、良好な相溶性並びに美観特性および柔らかい触感特性をもっていた。
【0035】
実施例VI
実施例Iの場合のように別の水中油型エマルジョン組成物を調製し、そしてこのエマルジョンは以下の配合剤を有している。
【0036】
【表6】

【0037】
この配合物は、良好な相溶性、美観特性および触感特性をもつ安定なエマルジョンをもたらした。
【0038】
実施例VII
実施例Iの場合のように別の水中油型エマルジョンを調製し、そしてこのエマルジョンは以下の配合剤を有している。
【0039】
【表7】

【0040】
実施例VIII
以下の配合剤を用いて実施例Iの場合のように水中油型エマルジョンを調製して、ローションを形成した。
【0041】
【表8】

【0042】
上で調製されたローションは安定であり、良好な美観的外観と柔らかい触感特性の両方をもっていた。
【0043】
実施例IX
以下の配合剤を有する日焼け止めローションを調製した。相Aの配合剤を組み合わせ、混合しつつ75〜95℃に加熱した。相Bの水を80℃に加熱し、残りの配合剤を混合しながら添加した。その後、温度を80℃に維持し、20〜30分にわたり連続して混合しながら相Bを相Aに徐々に添加した。その後、混合しながら相Cを添加し、相Dの配合剤を前もって混合し、45℃で添加した。
【0044】
【表9】

【0045】
調製された日焼け止めローションは安定であり、良好な美観的外観および柔らかい触感特性をもっていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中油型エマルジョンを形成する方法であって、
多糖および有機ポリシロキサン‐ポリオキシアルキレンポリマーを油相に添加すること、および
該油相を水相と混合して、該エマルジョンを形成すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記油相が、エマルジョンの質量に対して0.1〜95質量%の前記多糖、およびエマルジョンの質量に対して0.1〜50質量%の前記有機ポリシロキサン‐ポリオキシアルキレンポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記多糖は、アミノ‐多カルボキシレートデンプン誘導体、キサンガム、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルデンプンフォスフェートから成る群から選択され、前記アミノ‐多カルボキシレートデンプン誘導体は、以下の構造
【化1】

(式中、ST‐Oはデンプン分子または化工デンプン分子を表し(ここで無水グルコース単位のヒドロキシ基の水素は以下のように置換されている)、
RはHまたはCH3であり、
R’はH、CH3またはCOOMであり、
Mは、H、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムから成る群から選択された陽イオンであり、
nは2または3であり、
R”はHまたは炭素原子数1〜18のアルキルである)
の一つを有し、
前記有機ポリシロキサン‐ポリオキシアルキレンポリマーは、以下の式
【化2】

(式中、lは0〜200であり、mは1〜40であり、nは1〜100であり、yは4〜40であり、zは0〜40であり、y:zの質量比は100:0〜0:100であり、Rは、水素、炭素原子数1〜16のアルキル、アルコキシおよびアシル基から選択される。)
を有する、請求項1または2のいずれかに記載の組成物。
【請求項4】
前記式IIの有機ポリシロキサン‐ポリオキシアルキレンポリマーは、10〜40のl、1〜10のmを有し、(C24O)y(C36O)z基の分子量は150〜3000であり、Rは水素またはCH3である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記多糖は、前記式Iのアミノ‐多カルボキシレートデンプン誘導体である、請求項3または4に記載の組成物。
【請求項6】
前記式Iのデンプン誘導体において、各R、R’およびR”はHであり、MはHであり、nは2である、請求項5に記載の組成物。

【公開番号】特開2007−106761(P2007−106761A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−254375(P2006−254375)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【分割の表示】特願2002−505855(P2002−505855)の分割
【原出願日】平成12年6月26日(2000.6.26)
【出願人】(590000824)ナショナル スターチ アンド ケミカル インベストメント ホールディング コーポレイション (112)
【Fターム(参考)】