説明

医用情報装置及び、医用情報システム

【課題】簡便に撮影パラメータの指定を行うことが可能な医用情報装置及び、医用情報システムを提供する。
【解決手段】医用画像に関連付けられた当該医用画像の撮影時の撮影パラメータと、撮影パラメータに関連付けられた検索情報及び医用画像評価情報とを記憶する記憶手段と、検索条件に応じて、検索条件と検索情報の少なくとも一部が一致する撮影パラメータを抽出し、抽出した撮影パラメータに関連付けられた医用画像評価情報に基づいて撮影パラメータリストを生成するリスト生成手段と、撮影パラメータリストを出力するリスト出力手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像撮影時のパラメータを指定可能な医用情報装置及び、医用情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医用情報システムは、CT(Computed Tomography)スキャン装置やMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等の撮影機器が撮影した医用画像を保持・管理するシステムである。医用情報システムを利用する診療施設においては、撮影機器、撮影制御端末、読影端末、医用画像保持サーバなどの種々の端末がネットワークで接続される。撮影機器が撮影した医用画像を医用画像保持サーバで保持することにより、ネットワーク接続された診療施設の各端末が保持された医用画像を閲覧することができ、医用画像を用いた診断をより効率よく行うことができる。
【0003】
一方、撮影機器による撮影によって診断に適した医用画像を得るためには、医用画像に所望の部位や疾患を表示させる為の撮影パラメータや画像表示パラメータといったパラメータ群を正しく指定する必要がある。診断に適したパラメータはその診断の種類や表示させたい疾患の種類によってそれぞれ異なるため、診断の度に正しいパラメータ群を逐一設定しなければならず、利便性を損なっていた。そこで、医用画像と撮影パラメータとを関連付けてデータベースに保存し、医用画像を指定することで関連付けられた撮影パラメータを指定することが可能な医用情報システムが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−52660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先述したような医用情報システムを用いて撮影機器の撮影パラメータ指定を行う際には、撮影機器の使用者は所望の撮影パラメータを持つ医用画像を選択し、この選択を以って撮影パラメータの指定を行う。しかし、データベースに保存される医用画像の数が増加すると、使用者は多数の医用画像の中から所望の1つを選ばなければならず、使用者の操作負担を増大させていた。また、データベース中には、撮影パラメータの指定を誤ったために所望の診断が行えなかったような医用画像が登録されている事態も考えられる。この場合、使用者はどの医用画像が誤った撮影パラメータと関連付けられているかを逐一認識し、この医用画像の選択を避けなければならず、使用者の利便性を損なっていた。
【0006】
そこで本発明においては、より簡便に撮影パラメータの指定を行うことが可能な医用情報装置及び、医用情報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明における医用情報装置は、医用画像に関連付けられた当該医用画像の撮影時の撮影パラメータと、撮影パラメータに関連付けられた検索情報及び医用画像評価情報とを記憶する記憶手段と、検索条件に応じて、検索条件と検索情報の少なくとも一部が一致する撮影パラメータを抽出し、抽出した撮影パラメータに関連付けられた医用画像評価情報に基づいて撮影パラメータリストを生成するリスト生成手段と、撮影パラメータリストを出力するリスト出力手段とを有することを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明における医用情報システムは、医用画像に関連付けられた当該医用画像の撮影時の撮影パラメータと、撮影パラメータに関連付けられた検索情報及び医用画像評価情報とを記憶する記憶手段と、検索条件を指定する検索条件指定手段と、検索条件に応じて、検索条件と検索情報の少なくとも一部が一致する撮影パラメータを抽出し、抽出した撮影パラメータに関連付けられた医用画像評価情報に基づいて撮影パラメータリストを生成するリスト生成手段と、撮影パラメータリストに基づいて撮影パラメータを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された撮影パラメータに基づいて患者を撮影し、医用画像を生成する撮影手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、より簡便に撮影パラメータの指定を行うことが可能な医用情報装置及び、医用情報システムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る医用情報システムのネットワーク構成を示す図。
【図2】本発明の実施形態に係る撮影処理の流れを示すシーケンス図。
【図3】本発明の実施形態に係る評価情報データベースの構成を示す図。
【図4】本発明の実施形態に係るPAS検索指示信号を出力する際の撮影制御端末における画面表示例を示す図。
【図5】本発明の実施形態に係るPASリストを選択した際の撮影制御端末における画面表示例を示す図。
【図6】本発明の実施形態に係るPASの詳細表示を行う際の撮影制御端末における画面表示例を示す図。
【図7】本発明の実施形態に係るPAS編集を行う際の撮影制御端末における画面表示例を示す図。
【図8】本発明の実施形態に係る警告表示を行う際の撮影制御端末における画面表示例を示す図。
【図9】本発明の実施形態に係る撮影画像に対する評価入力を行う際の読影端末における画面表示例を示す図。
【図10】本発明の実施形態に係るPASリスト出力処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
(医用情報システムのネットワーク構成)
図1は、本発明に係る医用情報システム10の内部構成を示したブロック図である。本発明における医用情報システム10は、図1に示すように診断用端末1、RIS(放射線科情報システム:Radiology Information System)/HIS(病院情報システム:Hospital Information System)サーバ2、撮影装置3、撮影制御端末4、PACS(画像保存通信システム:Picture Archiving and Communication System)サーバ5、及び読影端末6などの医用情報装置から構成される。医用情報システム10を構成する各医用情報装置は公知の通信技術を用いて互いに情報の送受信が可能なように構成する。なお、本発明における医用情報装置及び医用情報システム10の構成はこれに限られるものではなく、各医用情報装置及び撮影装置が複数存在していても構わないし、あるいは各医用情報装置及び撮影装置のうちいずれかを省略し、その省略された医用情報装置及び撮影端末の役割を他の医用情報装置及び撮影端末が担う構成を取っても構わない。
【0013】
診断用端末1は、例えば患者と医師とが問診を行う際に使用する情報端末である。診断用端末1は、診断用端末1を操作する医師の操作に基づいて、後述するRIS/HISサーバ2中の患者データベース22から患者情報を読み出して、またPACSサーバ5中の画像データベース51から患者の医用画像を読み出して、診断用端末1に設けられたディスプレイに表示する。ここで、患者情報には例えば患者毎に一意の値が割り振られる患者ID、患者の氏名、性別、住所、連絡先情報、病名、あるいは医師によって付記された情報などが含まれる。また、医用画像は後述する撮影装置3によって撮影され、画像データベース51に格納された画像である。医師は診断用端末1に患者情報や医用画像を表示させながら、患者との問診を行う。
【0014】
また、診断用端末1は、診断用端末1を操作する医師の操作に基づいて、RIS/HISサーバ2中のオーダ情報データベース21へオーダ情報を出力する。ここで、オーダ情報には例えば撮影したい患者の部位、撮影時間、撮影場所、CT装置やMRI装置といった撮影機器の種別、撮影に用いる造影剤の有無、あるいは医師によって付記された情報などが含まれる。医師は診断用端末1からオーダ情報を出力することにより、医用情報システム10中に接続された他の情報端末とオーダ情報を共有する。これにより、後述する撮影制御端末4を使用する検査技師は共有したオーダ情報に基づいて患者の撮影を行う。
【0015】
また、診断用端末1は、診断用端末1を操作する医師の操作に基づいて、PACSサーバ5中の画像データベース51へ所見情報を出力する。ここで、所見情報は、診断用端末1が表示した医用画像に関連付けられて画像データベース51に格納される情報である。診断用端末1が出力する所見情報には、例えば医用画像について疾患を発見したか否か、疾患の状態、疾患の位置、あるいは疾患に対する今後の処置などの情報が含まれる。
【0016】
また、診断用端末1は、診断用端末1を操作する医師の操作に基づいて、PACSサーバ5中の評価情報データベース53へ評価情報を出力する。ここで、評価情報は、診断用端末1が表示した医用画像の撮影パラメータに関連付けられて、評価情報データベース53に格納される情報である。診断用端末1が出力する評価情報には、医用画像から疾患を発見したか否か、医師が医用画像を良いと判断したか否か、医師が医用画像に再撮影の必要があると判断したか否か、あるいは医師によって付記されたコメントなどが含まれる。
【0017】
RIS/HISサーバ2は、先述したオーダ情報及び患者情報を格納するデータベースサーバである。RIS/HISサーバ2中には、オーダ情報を格納するオーダ情報データベース21と、患者情報を格納する患者情報データベース22が含まれる。RIS/HISサーバ2は、医用情報システム10に接続された他の情報端末から出力された情報要求に応じてオーダ情報データベース21あるいは患者データベース22からオーダ情報あるいは患者情報を読み出し、情報要求を出力した情報端末へと出力する。
【0018】
撮像装置3は、CTスキャン装置、MRI装置、X線画像診断装置、超音波画像診断装置、あるいは核医学診断装置といった、患者の診断に用いる医用画像を撮影するための装置である。撮像装置3は、後述する撮影制御端末4から出力された撮影指示信号に基づいて患者の撮影を行い、医用画像をPACSサーバ5へと出力する。撮影制御端末4から出力される撮影指示信号には、撮像装置3を駆動するための撮影パラメータのセット(以下、単にPAS:Programable Anatomical Scanと記載する)が含まれる。この撮影パラメータは、例えばMRI装置の場合には撮影種類、撮影時間、繰り返し時間(TR)、スライス数(No.Slice)、スライス厚(Slice Thick)、励起回数(NAQ)、位相エンコード方向のマトリクスサイズ(PE Matrix)などのパラメータが含まれる。なお、撮像装置3はここに列挙した装置に限定されるものではなく、CTスキャン装置や超音波診断装置、X線画像診断装置、核医学診断装置など種々の医用画像の撮影装置に合わせて構成しても構わない。また、撮影パラメータはここに列挙したものに限定されず、撮影装置の種類や撮影方法に合わせて種々に構成されるものである。
【0019】
撮影制御端末4は、検査技師が撮像装置3を駆動させて患者の撮影を行うための情報端末である。撮影制御端末4は、RIS/HISサーバ2のオーダ情報データベース21からオーダ情報を読み出して、撮影制御端末4のディスプレイに表示する。検査技師は表示されたオーダ情報を視認することにより、患者に対してどの様な撮影を行うべきかを認識する。
【0020】
また、撮影制御端末4は、撮影制御端末4を操作する検査技師の操作に基づいて、PAS検索指示信号を後述するPACSサーバ5へと出力する。このPAS検索指示信号は、PACSサーバ5中のPASデータベース52に格納されたPASの中から、PASに関連付けられた評価情報のうち、指定した検索条件を満たすPASを絞り込んで表示させるための信号である。撮影制御端末4はPAS検索指示信号を出力すると、PACSサーバ5から出力されたPASリストを受信して表示する。検査技師は表示されたPASリストに基づいて所望のPASを選択する。このPASの選択処理については、後に詳しく述べる。
【0021】
また、撮影制御端末4は、撮影制御端末4を操作する検査技師の操作に基づいて、撮影装置3へ撮影指示信号を出力する。この撮影指示信号は、検査技師が選択したPASを含むものであり、撮影制御端末4を指定のPASで撮影させるための信号である。
【0022】
また、撮影制御端末4は、撮影装置3が医用画像をPACSサーバ5へと出力するのに合わせて、PACSサーバ5へ撮影に用いたPASに関連付けた評価情報を出力する。撮影制御端末4が出力する評価情報には、例えば撮影に用いたPASの名称、検査技師の氏名、診断する疾患の名称、撮影日、撮影時刻などが含まれる。なお、このPASに関連付けた評価情報のPACSサーバ5への出力は、撮影制御端末4の代わりに撮影装置3が行うものであっても構わない。
【0023】
PACSサーバ5は、先述した医用画像、PAS、及び評価情報を格納するデータベースサーバである。PACSサーバ5中には、医用画像を格納する画像データベース51、PASを格納するPASデータベース52、及び評価情報を格納する評価情報データベース53が含まれる。PACSサーバ5は、医用画像、撮影日、撮影時刻、PAS、評価情報、及びRIS/HISサーバ2に格納されたオーダ情報、患者情報をそれぞれ関連付けて管理する。即ち特定のPASについて、当該PASを用いて撮影された医用画像、評価情報を読み出し、更に当該PASを用いて撮影を行った際のオーダ情報、患者情報がどれであるかを特定する処理を行う。なお、医用画像、PAS、評価情報、オーダ情報、患者情報をそれぞれ関連付けて管理する動作は、PACSサーバ5の代わりにRIS/HISサーバ2が行うものであっても構わない。PACSサーバ5は、医用情報システム10に接続された他の情報端末から出力された情報要求に応じて画像データベース51、PASデータベース52、及び評価情報データベース53から医用画像、PAS、及び評価情報を読み出し、情報要求を出力した情報端末へと出力する。
【0024】
また、PACSサーバ5は、撮影制御端末4から出力されたPAS検索指示信号を受けて、PASと評価情報に基づいてPASリストを生成する。PACSサーバ5はPASリストを生成すると、これを撮影制御端末4へと出力する。このPASリストの生成処理については、後に詳しく述べる。
【0025】
また、PACSサーバ5は、診断用端末1、撮影制御端末4、及び後述する読影端末6から出力された評価情報を格納し、評価情報データベース53を更新する。
【0026】
読影端末6は、例えば読影医が医用画像を用いた読影を行う際に使用する情報端末である。読影端末6は、RIS/HISサーバ2のオーダ情報データベース21からオーダ情報を読み出して、読影端末6のディスプレイに表示する。読影医は表示されたオーダ情報を視認することにより、どの医用画像に対して読影を行うべきかを認識する。
【0027】
また、読影端末6は、読影端末6を操作する読影医の操作に基づいて、PACSサーバ5中の画像データベース51から患者の医用画像を読み出して、読影端末6に設けられたディスプレイに表示する。読影医は表示された医用画像とオーダ情報に基づいて、読影を行う。
【0028】
また、読影端末6は、読影端末6を操作する読影医の操作に基づいて、PACSサーバ5中の画像データベース51へ所見情報を出力する。ここで、所見情報は、読影端末6が表示した医用画像に関連付けられて画像データベース51に格納される情報である。読影端末6が出力する所見情報には、例えば医用画像について疾患を発見したか否か、疾患の状態、疾患の位置、あるいは疾患に対する今後の処置などの情報が含まれる。
【0029】
また、読影端末6は、読影端末6を操作する読影医の操作に基づいて、PACSサーバ5中の評価情報データベース53へ評価情報を出力する。読影端末6が出力する評価情報には、医用画像から疾患を発見したか否か、読影医が医用画像を良いと判断したか否か、読影医が医用画像に再撮影の必要があると判断したか否か、あるいは読影医によって付記されたコメントなどが含まれる。
【0030】
(評価情報の構成)
図3は、PACSサーバ5中の評価情報データベース52に格納される評価情報の構成例を示した図である。評価情報は、PACSサーバ5が後述するPASリストの生成処理を行う際に用いる情報である。撮影制御端末4が撮影指示信号を撮影装置3に出力して患者の撮影を行った際に、この評価情報の少なくとも一部が撮影制御端末4からPACSサーバ5へと出力される。なお、評価情報をPACSサーバ5へ出力するタイミングはこれに限られるものではなく、撮影処理終了後にPACSサーバ5へ出力するものであっても構わないし、診断用端末1や読影端末6などの他の情報端末が撮影装置3の撮影処理に合わせてPACSサーバ5へ評価情報を出力しても構わない。
【0031】
評価情報は撮影装置3の撮影の度に、PASと関連付けられるようにして評価情報データベース53に格納される。評価情報は具体的には、評価情報の識別番号(図3中に「ID」として記す)、撮影に用いられたPASの名称、撮影指示信号を出力した検査技師名、撮影によって診断しようとした症状名、診断用端末1あるいは読影端末6によって入力された医用画像評価、医用画像評価として医用画像に対して付記されたコメント、撮影の行われた日時、そして撮影して得られた医用画像の一部などが含まれる。これらの情報が、PAS検索指示に基づいてPACSサーバ5がPASの検索を行う際の検索情報として用いられる。
【0032】
医用画像評価の情報は、医師あるいは読影医が医用画像から疾患を発見したか否か、医用画像を良いと判断したか否か、あるいは悪いと判断したか否かの情報が記録される。この医用画像評価の情報は、医師の診断用端末1に対する操作あるいは読影医の読影端末6に対する操作に基づいて、診断用端末1あるいは読影端末6がPACSサーバ5へ出力する。評価情報データベース53中には、医用画像から疾患が発見された場合には「○」が、医用画像が良いと判断された場合には「◎」が、医用画像に再撮影の必要があると判断された場合には「×」が、医用画像評価が未入力の場合には「−」がそれぞれ記録される。
【0033】
なお、評価情報の構成はここに列挙したものに限定されず、撮影を行うためのオーダ情報を指示した医師名や医用画像評価の情報を出力した読影医名、オーダ情報、患者情報などの種々の情報を含んで構成されても構わない。また、ここに列挙した情報の内の幾つかを省略して構成しても構わない。
【0034】
(PASを用いた撮影処理の流れ)
図2は、医用情報システム10を用いて撮影装置3に適用するPASを選択し、撮影を行う処理の流れを示したシーケンス図である。また、図4、図5、図6、図7は撮影処理の流れに応じて撮影制御端末4のディスプレイに表示される画面表示例である。図8は撮影処理の流れに応じて診断用端末1あるいは読影端末6のディスプレイに表示される画面表示例である。以下に、画面表示例を参照しながら撮影処理について述べる。
【0035】
まず、診断用端末1を操作する医師が患者との問診などに基づいて、オーダ情報をRIS/HISサーバ2へ出力する(ステップ101)。このオーダ情報には、患者をどの種類の撮影装置3で撮影するか、どの部位を撮影するかなどの情報が含まれる。
【0036】
RIS/HISサーバ2は診断用端末1から出力されたオーダ情報を受信すると、このオーダ情報を撮影制御端末4へと転送する(ステップ102)。
【0037】
撮影制御端末4はRIS/HISサーバ2から出力されたオーダ情報を受信すると、このオーダ情報をディスプレイなどに表示し、検査技師による撮影制御端末4の操作を待つ。検査技師はディスプレイに表示されたオーダ情報を認識すると、オーダ情報が指定する撮影装置3に対してPAS検索指示信号を出力する(ステップ103)。図4に、PAS検索指示信号を出力する際に撮影制御端末4のディスプレイに表示される画面表示例を示す。撮影制御端末4は、検索ワード入力ボックス300中に検査技師によって入力された検索条件に基づいて、PAS検索指示信号を生成する。なお、ここで検査技師が行うと記載した種々の操作は、撮影制御端末4が自動的に行うものであっても構わない。
【0038】
PACSサーバ5は撮影制御端末4から出力されたPAS検索指示信号を受信すると、PASデータベース52からPASを読み出して、更に評価情報データベース53からPASに関連付けられた評価情報を読み出す。そして、PAS検索指示信号が指定する検索条件を有する評価情報があるか否かを判断する。より具体的には、例えばPAS検索指示信号が、「検査技師Aが使用した」PASを検索条件として指定した場合、PACSサーバ5は、評価情報データベース53から読み出した評価情報を検索情報として用いて、検索情報中に「検査技師Aが使用した」という条件に合致する評価情報を抽出する。そして、PACSサーバ5は抽出した評価情報と関連付けられたPASがどれであるかをPASデータベース52から読み出して判断する。PAS検索指示信号が指定する検索条件に合致するPASがPASデータベース52中にあるか否かを判断する(ステップ104)。PACSサーバ5が検索条件に合致するPASが存在しないと判断すると(ステップ104のNo)、PACSサーバ5は撮影制御端末4のディスプレイに、検索条件に合致するPASが存在しないことを示す警告を表示させる(ステップ105)。一方、PACSサーバ5が検索条件に合致するPASが存在すると判断すると(ステップ104のYes)、合致するPASの評価情報を読み出す。そして、PACSサーバ5はPASに関連付けられた評価情報に基づいてPASを並べ替えたPASリストを生成する。評価情報を用いたPASリストの生成処理については後に詳しく述べる。
【0039】
PACSサーバ5がPASリストを生成すると、PACSサーバ5はPASリストを撮影制御端末105へと出力する(ステップ106)。撮影制御端末4はPACSサーバ5から出力されたPASリストを受信すると、これをディスプレイに表示して、検査技師によってPASリスト中からPASが選択されるのを待つ。図5に、撮影制御端末4のディスプレイにPASリストを表示する例を示す。検索ワード入力ボックス300中に入力した検索条件に合致するPASがPASリスト表示ボックス301中にリストとして表示される。PASリスト表示ボックス301中に表示されるPASリストは、例えばPASの名称、PASに関連付けられた医用画像の一部、そして評価情報に基づいて生成されたPASの評価順位が表示される。PASの評価順位は、例えば医用画像評価の情報に基づいて行われる。例えば、「×」が少ないPASを上位に、「×」が多いPASを下位に配置する。「×」の数が同数であったPASについては、「×」の数が同数のPAS内で「◎」が多いPASを上位に、「◎」が少ないPASを下位に配置する。「×」「◎」の数が同数であったPASについては、「○」が多いPASを上位に、「○」が少ないPASを下位に表示する。この並べ替えにより、PACSサーバ5は医師あるいは読影医から悪いと判断された医用画像を撮影した際のPASを、下位に表示する。一方良いと判断された医用画像を撮影した際のPASを、上位に表示する。また、医用画像から疾患を発見できた際のPASを上位に表示する。これにより検査技師は、医師あるいは読影医から良いと判断されたか医用画像から疾患を発見できた際のPASを優先的に選択することができる。また、医師あるいは読影医から医用画像に再撮影の必要があると判断された際のPASを選択してしまう事態を避けることができる。なお、PASリストの順位生成はここに述べた方法に限定されない。例えば、まず「◎」が多いPASを上位に配置した後に「○」「×」の数に基づいてPASの並べ替えを行っても構わないし、PASを用いて撮影が行われた回数などの、他の評価情報を組み合わせてPASの並べ替えを行っても構わない。
【0040】
検査技師が撮影制御端末4を操作してPASリスト表示ボックス301中のPASの1つを選択すると、撮影制御端末4は選択したPASの撮影パラメータを撮影パラメータ表示ボックス302に表示する。例えばPASがMRI装置の撮影パラメータを指定するものであった場合には、撮影パラメータ表示ボックス302にはスキャンシーケンスとして撮影の順番、撮影の種類、及び撮影の時間などが表示される。また、撮影制御端末4は撮影パラメータ表示ボックス302と共に評価情報表示ボックス303を表示させ、選択したPASの評価情報を表示する。例えば評価情報表示ボックス303には、医師あるいは読影医が入力した医用画像評価の合計や、PASが使用された累積回数などが表示される。評価情報表示ボックス303を表示することにより、検査技師は選択したPASに対してどの様な評価が行われていたのかを視認することができる。また、撮影制御端末4は撮影パラメータ表示ボックス302と共にPAS詳細表示ボタン304、PAS編集ボタン305、PAS適用ボタン306を表示する。
【0041】
検査技師が撮影制御端末4を操作してPAS詳細表示ボタン304を選択すると、撮影制御端末4はPACSサーバ5及びRIS/HISサーバ2にアクセスして、選択したPASを用いて撮影を行った際のオーダ情報、患者情報などを読み出す。撮影制御端末4はオーダ情報、患者情報を読み出すと、これらの情報を並べて表示する。図6に、撮影制御端末4のディスプレイにPAS詳細を表示する例を示す。撮影制御端末4はPAS詳細表示ボックス307中に、PASの評価情報、PASを用いて撮影を行った際のオーダ情報、患者情報などを並べて表示する。なお、PAS詳細表示ボックス307中に表示した情報のうち、検索ワード入力ボックス300に入力した検索条件に該当するものがあった場合には、検索条件に該当する情報を強調表示するようにしても良い。これにより、検査技師はどの情報が入力した検索条件に該当しているのかを容易に認識することができる。
【0042】
検査技師が撮影制御端末4を操作してPAS編集ボタン305を選択すると、撮影制御端末4はPACSサーバ5にアクセスして、選択したPASを構成する撮影パラメータを読み出し、これらを編集する画面を表示する。図7に、撮影制御端末4のディスプレイにPASを編集する際の画面を表示する例を示す。撮影制御端末4はPAS編集ボックス308中に、PASを構成する撮影パラメータ及び撮影パラメータを変更するための操作ボタンなどを表示する。なお、撮影パラメータを変更するボタンはここに示すものに限定されず、直接キーボードなどを用いて撮影パラメータを数値指定するなどの、種々の方法を用いて撮影パラメータを設定しても構わない。検査技師は撮影制御端末4を操作して選択したPASの撮影パラメータを変更する。これにより、検査技師が選択したPASのパラメータの一部を変更したい場合に、PAS編集ボックス308中に表示された情報を用いて撮影パラメータを変更することができる。なお、検査技師が撮影制御端末4を操作して撮影のパラメータを変更した場合には、後の撮影に用いられる撮影パラメータは予め登録されているPASの撮影パラメータと異なることとなる。このとき、PACSサーバ5は値の変更された撮影パラメータを新たなPASとしてPASデータベース52に登録する。
【0043】
検査技師が撮影制御端末4を操作してPAS適用ボタン306を選択すると、撮影制御端末4は選択されたPASをPACSサーバ5へと通知する(ステップ107)。PACSサーバ5は撮影制御端末4から出力されたPASを受信すると、このPASに関連付けられた評価情報を読み出し、医用画像評価の情報に「×」が入力されていないかを判断する(ステップ108)。PACSサーバ5は医用画像評価の情報に「×」が入力されていると判断すると(ステップ108のYes)、撮影制御端末4に医用画像評価の情報に「×」が入力されていることを示す警告信号を出力する。なお、PACSサーバ5による警告信号の出力は、「×」の数が予め決められた規定の個数以上が入力されている場合に行っても構わないし、「×」の数が選択したPASの使用回数に対して予め決められた規定の割合以上入力されている場合に行っても構わない。
【0044】
撮影制御端末4がPACSサーバ5から出力された警告信号を受信すると、撮影制御端末4はディスプレイに警告を表示する。図8に、撮影制御端末4のディスプレイに警告を表示する例を示す。警告表示ボックス309中に、選択したPASに関連付けられた評価情報に「×」が入力されていることが表示される。これにより、検査技師は選択したPASは再撮影の必要があると判断されたPASであることを容易に認識することができ、必要に応じて別のPASを選択するなどの措置を講じることができる。なお、警告表示ボックス309中には、「×」が入力された回数を表示させても構わないし、PASを再選択するか、あるいは「×」が入力された回数に係らず選択したPASの適用を続行するかを選択する選択ボタンを表示しても構わない。
【0045】
PACSサーバ5が警告信号を出力しなかった場合には(ステップ108のNo)、撮影制御端末4は選択したPASを撮影装置3へ出力する(ステップ110)。撮影装置3は撮影制御端末4から出力されたPASを受信すると、受信したPASに基づいて撮影を行う。撮影装置3は撮影によって医用画像を生成すると、生成した医用画像をPACSサーバ5へ出力する(ステップ111)。なお、撮影装置3による撮影に合わせて撮影制御端末4がPACSサーバ5へ選択したPAS及び選択したPASに関連付けられた評価情報をPACSサーバ5へ出力するようにしてもよい。あるいは、選択したPAS及び選択したPASに関連付けられた評価情報を撮影装置3がPACSサーバ5へ出力するようにしてもよい。出力されたPAS及び評価情報は、評価情報データベース52へ格納される。
【0046】
PACSサーバ5は撮影装置3から出力された医用画像を受信すると、これを読影端末6へと出力する。読影端末6はPACSサーバ5から出力された医用画像を受信すると、これを読影端末6のディスプレイに表示する。読影医は読影端末6に表示された医用画像を視認して、読影端末6を操作して所見情報、評価情報を入力する。図9に、読影端末10のディスプレイに医用画像を表示する例を示す。医用画像表示ボックス400にPACSサーバ5から出力された医用画像が表示される。読影医は医用画像表示ボックス400に表示された医用画像を用いて読影を行う。読影医は読影を行うと、読影端末6を操作して所見入力ボックス401に医用画像に対する所見を入力する。また、読影医は読影を行うと、読影端末6を操作して医用画像評価ボックス402に医用画像評価を入力し、医用画像コメント入力ボックス403に医用画像に対するコメントを入力する。読影医が読影端末6を操作して送信ボタン404を選択すると、読影端末6は所見入力ボックス401に入力された所見情報、医用画像評価ボックス402に入力された医用画像評価、医用画像コメント入力ボックス403に入力された医用画像に対するコメントを、PACSサーバ5へ出力する(ステップ113)。PACSサーバ5は読影端末6から出力された所見情報、医用画像評価、医用画像に対するコメントを受信すると、所見情報を医用画像と対応付けて画像データベース51に格納し、医用画像評価、医用画像に対するコメントを撮影時のPAS、撮影して得られた医用画像と対応付けて評価情報データベース53に格納する。
【0047】
PACSサーバ5は読影端末6から出力された所見情報を受信すると、診断用端末1に受信した所見情報及び所見情報に対応付けられた医用画像を出力する(ステップ114)。診断用端末1は所見情報及び医用画像を受信すると、これを診断用端末1のディスプレイに表示する。医師は診断用端末1に表示された医用画像及び所見情報を視認して、患者の診断を行う。また、医師は診断用端末1を操作して、医用画像に対する所見情報及び評価情報を入力する。この所見情報及び評価情報の入力は、例えば図9を用いて先述した方法により行うことができる。診断用端末1は医師の操作に基づいて、所見情報、医用画像評価、医用画像に対するコメントを、PACSサーバ5へ出力する(ステップ115)。PACSサーバ5は診断用端末6から出力された所見情報、医用画像評価、医用画像に対するコメントを受信すると、所見情報を医用画像と対応付けて画像データベース51に格納し、医用画像評価、医用画像に対するコメントを撮影時のPAS、撮影して得られた医用画像と対応付けて評価情報データベース53に格納する。
【0048】
以上の処理により、検査技師は検索条件を指定して表示するPASを絞込み、更にPASをリスト化して表示させる。そして、検査技師はPASリストに表示されたPASを選択することで、撮影機器3の撮影パラメータを指定する。PACSサーバ5は検索条件に基づいて合致するPASを抽出し、抽出したPASを評価情報に基づいて並べ替えてリスト化する。評価情報は、撮影制御端末4が撮影指示信号を出力した際に、撮影制御端末4からPACSサーバ5へ出力される。また、評価情報は、医用画像を表示した診断用端末1及び読影端末6へ評価情報の入力がなされた場合に、診断用端末1及び読影端末6から
PACSサーバ5へ出力される。従って、検査技師は撮影機器3、診断用端末1、及び読影端末6から出力された評価情報に基づいてPASを抽出し、選択することができる。また、リスト化されたPASから選択することで、医用画像の撮影に適したPASを優先的に選択することができる。
【0049】
(PASリストの生成処理)
図10は、PACSサーバ5がPASリストを生成する際の処理の流れについて述べたフローチャートである。以下に、図3を参照しながらPASリストの生成処理について述べる。
【0050】
まず、PACSサーバ5が処理を開始すると(ステップ200)、PACSサーバ5は撮影制御端末4から出力されるPAS検索指示を受け付ける(ステップ201)。PACSサーバ5が撮影制御端末4から出力されたPAS検索指示を受信すると、PACSサーバ5はPASデータベース52からPASを読み出し、更に評価情報データベース53からPASに関連付けられた評価情報を読み出し、PAS検索指示が指定する検索条件に合致するPASがPASデータベース52に存在するか否かを判断する(ステップ202)。PACSサーバ5が検索条件に合致するPASが存在しないと判断すると(ステップ202のNo)、PACSサーバ5は撮影制御端末4に検索条件に合致するPASが存在しない旨を表示する警告信号を送信する(ステップ203)。PACSサーバ5が警告信号を撮影制御端末4に送信すると、PACSサーバ5は、検査技師がPASを用いずに撮影パラメータを逐一設定するか否かを問い合わせる問い合わせ信号を撮影制御端末4へ出力して、撮影制御端末4からの応答を待つ(ステップ204)。PACSサーバ5が、撮影パラメータの逐一設定を行わない旨を示す通知信号を撮影制御端末4から受信すると、PACSサーバ5は再び撮影制御端末4から出力されるPAS検索指示を受け付ける(ステップ201)。PACSサーバ5が、撮影パラメータの逐一設定を行う旨を示す通知信号を撮影制御端末4から受信すると、PACSサーバ5は撮影制御端末4から出力される撮影パラメータを待ち受ける(ステップ205)。PACSサーバ5は撮影制御端末4から出力された撮影パラメータを受信すると、受信した撮影パラメータを新たなPASとしてPASデータベース52へ登録する。PACSサーバ5は撮影制御端末4へPASを出力して(ステップ213)、処理を終了する(ステップ214)。撮影制御端末4は撮影装置3へこの新たに登録したPASを出力して、撮影装置3による撮影を行う。
【0051】
一方、PACSサーバ5が検索条件に合致するPASが存在すると判断すると(ステップ202のYes)、PACSサーバ5は、PASデータベース52から検索条件に合致するPASを読み出す(ステップ206)。そして、PACSサーバ5は、読み出したPASに関連付けられた評価情報を読み出し、この評価情報に基づいてPASリストの生成を行う(ステップ207)。PASリストの生成は具体的には、先述した医用画像評価の情報に含まれる「◎」「○」「×」の個数などに基づいて行うことができる。PACSサーバ5はPASリストの生成を行うと、生成したPASリストを撮影制御端末4へと出力して(ステップ208)、撮影制御端末4によって出力されるPASの選択信号を受け付ける(ステップ209)。PACSサーバ5が撮影制御端末4から出力されたPASの選択信号を受信すると、PACSサーバ5は選択信号が示すPASに関連付けられた評価情報を読み出し、医用画像評価の情報に「×」が含まれていないかを判断する(ステップ210)。
【0052】
PACSサーバ5は選択されたPASの医用画像評価の情報に「×」が含まれないと判断すると(ステップ210のNo)、PACSサーバ5は撮影制御端末4へPASを出力して(ステップ213)、処理を終了する(ステップ214)。撮影制御端末4は撮影装置3へこの新たに登録したPASを出力して、撮影装置3による撮影を行う。
【0053】
一方、PACSサーバ5は選択されたPASの医用画像評価の情報に「×」が含まれると判断すると(ステップ210のYes)、PACSサーバ5は選択されたPASが再撮影を行う必要のあったPASであることを示す警告信号を撮影制御端末4へ出力し、撮影制御端末4に警告信号を表示させる(ステップ211)。PACSサーバ5は撮影制御端末4に警告信号を表示させると、撮影制御端末4によって出力される警告対応信号を受け付ける。PACSサーバ5が、撮影制御端末4によって出力された警告対応信号は、警告信号の送信されたPASを適用することを示すと判断した場合には(ステップ212のNo)、PACSサーバ5は撮影制御端末4へPASを出力して(ステップ213)、処理を終了する(ステップ214)。撮影制御端末4は撮影装置3へこの新たに登録したPASを出力して、撮影装置3による撮影を行う。PACSサーバ5が、撮影制御端末4によって出力された警告対応信号は、再びPASを選択しなおすことを示すと判断した場合には(ステップ212のYes)、PACSサーバ5は再び撮影制御端末4によって出力されるPASの選択信号を受け付ける(ステップ209)。
【0054】
(本実施形態の効果)
以上の処理により、撮影制御端末4による撮影装置3の撮影パラメータの設定は、PACSサーバ5中のPASデータベースに格納されたPASを用いて行われる。従って、撮影制御端末4を操作する検査技師は、撮影装置3を用いて医用画像の生成を行う際に、PASを選択することで撮影パラメータを一括して設定することができる。検査技師は撮影パラメータを逐一設定する必要がないため、検査技師による撮影パラメータ設定の操作負荷を軽減することができる。
【0055】
また、以上の処理により、撮影制御端末4によるPASの選択は、PACSサーバ5によって生成されたPASリストから1つを選択することによって行われる。このPASリストの生成は、検査技師が指定した検索条件に合致したPASに基づいて行われる。従って、撮影制御端末4を操作する検査技師は、多数存在するPASから1つを選択する際に、PASに関連付けられたオーダ情報や患者情報、あるいは評価情報に基づいて検索条件を指定することにより、所望の検索条件を満たすPASのみを抽出してリスト表示させることができる。検査技師は所望の検索条件を満たすPASのみを表示させることができるため、検査技師によるPAS選択の際の操作負荷を軽減することができる。
【0056】
また、以上の処理により、PACSサーバ5によるPASリストの生成は、医用画像評価情報に含まれる「×」に基づいて並べ替えが行われる。医用画像評価情報に含まれる「×」は、同様のPASを用いて撮影装置3に撮影された医用画像が、医用画像を視認した医師あるいは読影医にとって再撮影の必要を指摘されたことを示す情報である。即ち、医用画像評価情報に「×」を含むPASは、診断に適さない医用画像を生成し得るPASであると言うことができる。従って、撮影制御端末4を操作する検査技師は、多数存在するPASから1つを選択する際に、診断に適さない医用画像を生成し得るPASの選択を避けることができるため、検査技師によるPAS選択の際の操作負荷を軽減することができる。
【0057】
また、以上の処理により、検査技師によって医用画像評価情報に「×」を含むPASが選択された場合には、PACSサーバ5は「×」を含むPASが選択されたことを示す警告を撮影制御端末4に表示させる。従って、撮影制御端末4を操作する検査技師が多数存在するPASから1つを選択する際に、診断に適さない医用画像を生成し得るPASを選択してしまった場合に、検査技師にこれを通知することが出来るため、診断に適さない医用画像を生成し得るPASが選択されてしまう事態を防ぐことができる。
【0058】
また、以上の処理により、PACSサーバ5によるPASリストの生成は、医用画像評価情報に含まれる「◎」に基づいて並べ替えが行われる。医用画像評価情報に含まれる「◎」は、同様のPASを用いて撮影装置3に撮影された医用画像が、医用画像を視認した医師あるいは読影医にとって高評価だと指摘されたことを示す情報である。従って、撮影制御端末4を操作する検査技師は、多数存在するPASから1つを選択する際に、医師あるいは読影医にとって高評価だと指摘された医用画像を生成し得るPASを優先して選択することができるため、検査技師によるPAS選択の際の操作負荷を軽減することができる。
【0059】
また、以上の処理により、PACSサーバ5によるPASリストの生成は、医用画像評価情報に含まれる「○」に基づいて並べ替えが行われる。医用画像評価情報に含まれる「○」は、同様のPASを用いて撮影装置3に撮影された医用画像から、医用画像を視認した医師あるいは読影医によって疾患が発見されたことを示す情報である。即ち、医用画像評価情報に「○」を含むPASは、診断に適した医用画像を生成し得るPASであると言うことができる。従って、撮影制御端末4を操作する検査技師は、多数存在するPASから1つを選択する際に、診断に適した医用画像を生成し得るPASを優先して選択することができるため、検査技師によるPAS選択の際の操作負荷を軽減することができる。
【0060】
また、以上の処理により、撮影制御端末4はPASを選択した後に、PASの撮影パラメータを変更することができる。また、PACSサーバ5はPASの撮影パラメータが変更された際に、撮影パラメータの変更されたPASを新しいPASとしてPASデータベース52に登録する。これにより、検査技師は選択したPASが所望の撮影を行いうる撮影パラメータと異なる場合にも、撮影パラメータを自在に変更することができる。更に、撮影パラメータの変更されたPASを新しいPASとしてPASデータベースに登録することにより、撮影パラメータの変更されたPASを別の撮影を行う際に適宣選択することができる。
【0061】
本発明の構成はここに述べたものに限定されるものではなく、また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宣な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、PASを管理する医用情報端末はPACSサーバ5に限られるものではなく、例えばRIS/HISサーバ2や撮影制御端末4などの他の医用情報端末がPASを管理する構成を取っても構わない。あるいは、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。あるいは、異なる実施例にわたる構成要素を適宣組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 診断用端末
2 RIS/HISサーバ
3 撮影装置
4 撮影制御端末
5 PACSサーバ
6 読影端末
10 医用情報システム
21 オーダ情報データベース
22 患者データベース
51 画像データベース
52 撮影パラメータデータベース
53 評価情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像に関連付けられた当該医用画像の撮影時の撮影パラメータと、撮影パラメータに関連付けられた検索情報及び医用画像評価情報とを記憶する記憶手段と、
検索条件に応じて、検索条件と検索情報の少なくとも一部が一致する撮影パラメータを抽出し、抽出した撮影パラメータに関連付けられた医用画像評価情報に基づいて撮影パラメータリストを生成するリスト生成手段と、
撮影パラメータリストを出力するリスト出力手段と
を有することを特徴とする医用情報装置。
【請求項2】
前記リスト生成手段は、医用画像評価情報に含まれる、医用画像から疾患が発見されたか否かを示す疾患発見情報に基づいて撮影パラメータリストを生成すること
を特徴とする請求項1に記載の医用情報装置。
【請求項3】
前記リスト生成手段は、医用画像評価情報に含まれる、医用画像が診断に適さないことを示す不適情報に基づいて撮影パラメータリストを生成すること
を特徴とする請求項1または2に記載の医用情報装置。
【請求項4】
前記医用情報装置は、撮影パラメータリストに基づいて選択された撮影パラメータを出力する出力手段とを更に有し、
前記出力手段は、選択された撮影パラメータに関連付けられた医用画像評価情報が不適情報を含む場合に、不適情報を含むことを示す警告を出力する
ことを特徴とする請求項3に記載の医用情報装置。
【請求項5】
前記リスト生成手段は、抽出した撮影パラメータを医用画像評価情報に基づいて並べ替えることで撮影パラメータリストを生成する
ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の医用情報装置。
【請求項6】
前記医用情報装置は、撮影パラメータリストに基づいて選択された撮影パラメータを出力する出力手段と
を更に有することを特徴とする請求項1乃至5に記載の医用情報装置。
【請求項7】
医用画像に関連付けられた当該医用画像の撮影時の撮影パラメータと、撮影パラメータに関連付けられた検索情報及び医用画像評価情報とを記憶する記憶手段と、
検索条件を指定する検索条件指定手段と、
検索条件に応じて、検索条件と検索情報の少なくとも一部が一致する撮影パラメータを抽出し、抽出した撮影パラメータに関連付けられた医用画像評価情報に基づいて撮影パラメータリストを生成するリスト生成手段と、
撮影パラメータリストに基づいて撮影パラメータを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された撮影パラメータに基づいて患者を撮影し、医用画像を生成する撮影手段と
を有することを特徴とする医用情報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−110289(P2011−110289A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270646(P2009−270646)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】