説明

医用機具管理システム

【課題】医用機具を確実に管理し、セキュリティ確保と医用機具運用の柔軟性と管理負荷低減を両立させる医用機具管理システムを提供する。
【解決手段】保管庫に、持ち出される医用機具を認識する第1の認識手段と、出入りした個人を認識する第2の認識手段とを設置する。そして、医用機具及び個人の前記認識に基づき、個人の医用機具の持ち出しが正当であるか判断する判断手段を備え、正当であると判断されなければ、警告を発する報知手段とを設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用機具を管理する医用機具管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院で使用される超音波診断装置等のポータブル医用機器や音響ジェルといった消耗品等の医用材料(以下、機器や材料を総括して医用機具という)は、病院の規模が大きくなればなるほど、その管理体制が重要となってくる。医用機具を使用したいときに、その使用したい医用機具が存在しなければ、またその所在が確実に分からなければ、医療行為に重要な支障をきたすからである。また、医用機具からは、患者の個人情報を抽出することが可能であるためである。
【0003】
そのため、病院では、緊急の場合を除き、医用機具を保管庫や検査室(以下、これらを総称して「保管領域」という)に保管し、その予約や持ち出しを、管理台帳に記述するか若しくは管理者の記憶によって管理していた。そして、予約状況や持ち出し状況の把握は、都度管理台帳を閲覧するか管理者に問い合わせていた。
【0004】
しかし、このような紙媒体や管理者の記憶による管理では、予約と実際の持ち出し状況の対比や、持ち出しが病院関係者による正当な予約のもとでなされるのかといった持ち出し正当性の確認や不正持ち出しの検出が困難である。そのため、紙媒体や管理者の記憶による管理では、管理体制が不十分であり、医用行為に支障をきたすおそれや、または個人情報の保護を図れないおそれが存在する。
【0005】
そこで、例えば、人の予定について生体情報により種々の所定領域への出入口での人の通過状態を管理する出入管理システムが考えられる(例えば、特許文献1参照。)。この出入管理システムでは、少なくとも人の保管領域への立ち入りは管理することが可能である。
【0006】
また、例えば、移動や持出しが可能な医療機器の位置を、医療従事者が把握することが可能な医療機器監視システムが考えられる(例えば特許文献2参照。)。この医用機器監視システムでは、医用機器が保管領域外にあることを把握することが可能である。
【0007】
これらのシステムを利用すれば、保管領域に人が入室したことを検出し、その結果、医療器具が持ち出されたことを把握することが可能である。さらに、その持ち出し者が特定人であるか不特定人であるか、持ち出された医用機具がなんであるかも把握することができる。
【0008】
しかし、これらのシステムを利用しても、持ち出した者と持ち出した医用機具という実際の状況を把握することはできるが、その実際の状況と予約との対比や、その実際の状況が正当なものであるかの判断については、管理台帳や管理者に問い合わせをしなければ行うことができない。従って、従来の医用機具の管理体制では、医用機具を確実に管理することはできずにセキュリティ確保が不十分となる。一方、医用機具を確実に管理しようとすれば持ち出し手続きの厳格化が必要が必要になり管理者への負担が増大する。
【0009】
【特許文献1】特開2006−99457号公報
【特許文献2】特開2003−52717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、医用機具を確実に管理し、セキュリティ確保と医用機具運用の柔軟性と管理負荷低減を両立させる医用機具管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、医用機具が保管されている保管領域から個人の当該医用機具の持ち出しを監視する医用機具管理システムであって、前記保管領域から持ち出される医用機具を認識する第1の認識手段と、前記保管領域に出入りした個人を認識する第2の認識手段と、前記医用機具及び前記個人の前記認識に基づき、前記個人の前記医用機具の持ち出しが正当であるか判断する判断手段と、前記判断手段の判断の結果、正当であると判断されなければ、警告を発する報知手段と、を備えること、を特徴とする。
【0012】
前記第1の認識手段は、前記医用機具に記録された個体識別情報を取得することで前記医用機具を認識し、前記第2の認識手段は、前記個人の個人識別情報を取得することで前記個人を認識し、前記判断手段は、前記個体識別情報と前記個人の個人識別情報とを予め関連づける予約データベースと、前記第1の認識手段と前記第2の認識手段により取得した前記個体識別情報と前記個人識別情報の組み合わせを前記予約データベースから検索する予約検索手段と、を含み、前記報知手段は、前記予約検索手段の検索の結果、前記組み合わせが前記予約データベースに存在しなければ、警告を発するようにしてもよい(請求項2記載の発明に相当)。
【0013】
前記第2の認識手段は、前記個人の個人識別情報を取得する取得手段と、前記保管領域に入室する個人を検出する近接センサと、を含み、前記判断手段は、前記近接センサによる前記検出後、前記第2の認識手段による前記個人識別情報の取得がなく、前記第1の認識手段による前記医用機具の認識のみであれば、正当でないと判断するようにしてもよい(請求項3記載の発明に相当)。
【0014】
前記予約データベースは、前記個体識別情報と前記個人識別情報の所定の組み合わせに対して予約時間情報を更に予め関連づけ、前記予約検索手段は、前記個体識別情報を取得した現在日時をさらに組み合わせて前記予約データベースから検索するようにしてもよい(請求項4記載の発明に相当)。
【0015】
前記予約データベースは、所定の前記個人識別情報と持ち出し許可情報とを予め関連づけ、前記予約検索手段は、取得した前記個人識別情報と前記持ち出し許可情報との組み合わせ、及び取得した前記個体識別情報と前記個人識別情報との組み合わせを前記予約データベースから検索し、前記報知手段は、前記予約検索手段の検索の結果、前記いずれかの組み合わせが前記予約データベースに存在しなければ、警告を発するようにしてもよい(請求項5記載の発明に相当)。
【0016】
前記保管領域に出入りする個人を検出する近接センサをさらに備え、前記報知手段は、前記近接センサによる前記検出の後、前記第2の情報取得手段による前記個人識別情報の取得がなされず、前記第1の情報取得手段により前記個体識別情報のみが取得されれば、前記検索手段によって前記検索を行うことなく、前記警告を発するようにしてもよい(請求項6記載の発明に相当)。
【0017】
緊急パスコードを予め記憶する記憶手段と、前記緊急パスコードの入力を受け入れる入力手段と、前記個人の生体情報を取得する生体情報取得手段と、前記生体情報取得手段が取得した前記生体情報を記録する記録手段と、をさらに備え、前記報知手段は、前記入力手段に前記緊急パスコードが入力され、かつ前記第2の情報取得手段が前記生体情報を取得すると、前記警告を停止するようにしてもよい(請求項7記載の発明に相当)。
【0018】
前記第1の認識手段が認識した前記医用機具を特定する情報と、前記第2の認識手段が認識した個人を特定する情報と、現在日時とを、関連づけて記録する記録手段をさらに備えることようにしてもよい(請求項8記載の発明に相当)。
【0019】
前記第2の認識手段が前記個人識別情報を取得すると、前記予約データベースを検索して、関連づけられている前記個体識別情報を特定する個体検索手段と、各医用機具の各保管位置毎に設置され、前記保管位置に載置されている医用機具の個体識別情報を取得する複数の機具探索手段と、前記個体検索手段が特定した前記個体識別情報を取得した前記機具探索手段に対応する前記保管位置を表示する表示手段と、をさらに備えるようにしてもよい(請求項9記載の発明に相当)。
【0020】
前記医用機具の状態情報を予め記憶した状態データベースをさらに備え、前記報知手段は、前記判断手段の判断の結果、正当であれば、前記状態データベースに記憶されている前記認識された医用機具の前記状態情報を報知するようにしてもよい(請求項10記載の発明に相当)。
【0021】
前記医用機具を選択するための機能条件の入力とともに予約を受け付ける入力インターフェースと、前記各医用機具を機能別に区分けした機具特性テーブルと、前記機能条件と前記機具特性テーブルとに基づき、前記機能条件を満たす前記医用機具についての前記予約データベースを作成する予約手段と、前記医用機具の故障情報を予め記憶した状態管理データベースと、をさらに備え、前記予約手段は、前記判断手段の判断の結果が正当であり、かつ前記状態管理データベースに前記認識された医用機具の前記故障情報が存在すれば、前記機能条件と前記機具特性テーブルとに基づき、前記機能条件を満たす代替の医用機具についての前記予約データベースを作成し、前記報知手段は、前記故障情報と前記代替の医用機具を表す情報を報知するようにしてもよい(請求項11記載の発明に相当)。
【0022】
前記予約手段は、前記故障情報と前記機能条件とを比較し、前記機能条件が表す機能に前記故障情報が表す機能が含まれていれば、前記代替の医用機具についての前記予約データベースを作成するようにしてもよい(請求項12記載の発明に相当)。
【0023】
前記個人の属性情報とこの属性情報に対応する電波制限情報とを予め関連づけた電波制限テーブルと、前記個人が携帯して当該個人の属性情報を送信する無線送信手段から、前記属性情報を受信する無線受信手段と、前記無線受信手段が受信した前記属性情報に関連づけられた前記電波制限情報を、前記電波制限テーブルに基づき特定する電波管理手段と、をさらに備え、前記報知手段は、電波管理手段によって前記電波制限情報が特定されると、電波についての警告を発するようにしてもよい(請求項13記載の発明に相当)。
【0024】
前記個人の属性情報とこの属性情報に対応する電波制限情報とを予め関連づけた電波制限テーブルと、前記個人が携帯して当該個人の属性情報を送信する無線送信手段から、前記属性情報を受信する無線受信手段と、前記無線受信手段が受信した前記属性情報に関連づけられた前記電波制限情報を、前記電波制限テーブルに基づき特定すると、前記保管領域内の電波発信機具の最大電波出力を制御する電波管理部と、をさらに備えるようにしてもよい(請求項14記載の発明に相当)。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、部外者の持ち出しはもちろん、予約の有無の観点からの不適切な医用機具の持ち出しも管理者に負担を強いることなく簡便に防止することができ、セキュリティ確保と管理負荷低減とを両立して実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る医用機具管理システムの好適な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用機具管理システム1の外観図である。
【0028】
医用機具管理システム1は、保管領域100に保管されている医用機具200を管理するシステムである。この医用機具管理システム1は、医用機具200を保管している保管庫や検査室等の保管領域100に入庫している医用機具200と保管領域100を入退出する者を監視するセンサ群によって医用機具200の持ち出しを監視し、持ち出しが正当であるか判断する。医用機具管理システム1は、持ち出しが正当でない場合は、その正当でない持ち出しに対して警告を発する。このシステムによって監視される医用機具200は、医用現場で使用される超音波プローブ等の医用機器や音響ジェル等の医用材料である。持ち出しの正当性は、医用機具200の持ち出しを許可できる可能性のある病院関係者に配布される個人識別情報の取得の可否、予約の存在の有無、又は持ち出し者のユーザレベルによって判断される。ユーザレベル情報は、持ち出し者の持ち出しを許可する程度を表す持出者許可情報である。
【0029】
この医用器具管理システムは、機具用RFIDリーダ10と近接センサ30と個人用RFIDリーダ20と報知パネル40と持出者記録部50と制御ユニット60を有している。機具用RFIDリーダ10と近接センサ30と個人用RFIDリーダ20と報知パネル40と持出者記録部50は、制御ユニット60と伝送ケーブルで接続されている。
【0030】
機具用RFIDリーダ10と個人用RFIDリーダ20は、保管領域100の入退出口が電磁波送受信有効範囲内に含まれるように保管領域100内に設置されている。機具用RFIDリーダ10は、医用機具200に固有に付された個体識別情報を取得する。即ち、この個体識別情報の取得によって医用機具200を認識する認識手段に含まれる。医用機具200に個体識別情報が記憶されたRFID240が付着又は内蔵されている場合に、このRFID240に対して電磁波を送信して、RFID240内に記憶された個体識別情報を受信する。保管領域100の入退出口が電磁波送受信有効範囲内に含まれているため、保管領域100から持ち出されようとしている医用器具を個体識別情報によって特定する。個人用RFIDリーダ20は、個人の個人識別情報を取得する。即ち、この個人識別情報の取得によって個人を認識する認識手段に含まれる。個人が携帯しているIDカード300に個人識別情報が記憶されたRFID310が付着又は内蔵されている場合に、このRFID310に対して電磁波を送信して、RFID310内に記憶された個人識別情報を受信する。保管領域100の入退出口が電磁波送受信有効範囲内に含まれているため、保管領域100に入退出した者を個人識別情報によって特定する。
【0031】
機具用RFIDリーダ10と個人用RFIDリーダ20が保管領域100に設置され、個体識別情報と個人識別情報が同時期に取得されることによって個人識別情報に対応する個人が個体識別情報に対応する医用器具を持ち出そうとしていることが認識できる。
【0032】
この機具用RFIDリーダ10と個人用RFIDリーダ20は、取得した個体識別情報と個人識別情報を伝送ケーブルを介して制御ユニット60に入力する。
【0033】
近接センサ30は、保管領域100に入出した者を検出する。この近接センサ30は、保管領域100の入退出口近傍に設けられる。近接センサ30は、保管領域100に入出した者を検出すると、検出信号を制御ユニット60に出力する。近接センサ30によって人体を検出したものの、個人用RFIDリーダ20で個人識別情報が認識できなければ、病院関係者以外の正当でない者の持ち出しと判断できる。
【0034】
報知パネル40は、例えば保管領域100の入退出口近傍に入退出者の目にとまるように設置されている。報知パネル40は、ランプやスピーカや液晶ディスプレイを有している。医用機具200の持ち出しが正当でない場合は、ランプによる光、スピーカによるブザーや音声、液晶ディスプレイによるメッセージの表示によって警告を発する。メッセージを表す文字列情報は、予め報知パネル40内のメモリに記憶されている。持ち出しが正当でない場合は、報知パネル40には、制御ユニット60から伝送ケーブルを介して制御信号が入力される。制御ユニット60は、この制御信号に呼応して警告駆動を開始する。
【0035】
持出者記録部50は、医用機具200を持ち出そうとする者を記録する。この持出者記録部50は、持ち出し者の顔を撮影するカメラ501や、持ち出し者の指紋若しくは虹彩又は静脈を採取するスキャナを含む。後述する制御ユニット60の持出者データ記録メモリ502を含めて、持ち出されようとする医用機具200と持ち出し者と持ち出そうとした現在日時とを関連づけて記録する記録手段となる。カメラ501やスキャナ側は、保管領域100側に設置される。カメラ501やスキャナが取得した顔のデータ、指紋のデータ、虹彩のデータ、又は静脈のデータは、伝送ケーブルを介して制御ユニット60に入力される。
【0036】
図2は、本実施形態に係る医用機具管理システム1の構成を示すブロック図である。
【0037】
制御ユニット60は、持ち出しの正当性判断と報知パネル40の制御と記録手段として機能する。この制御ユニット60は、判断部601と、検索部602と、予約データベース603と、入力インターフェース604と、警告制御部605と、持出者記録部50のうちの持出者データ記録メモリ502とにより構成される。判断部601と検索部602は、データの入出力が可能に電気的に接続されている。検索部602と予約データベース603は、検索部602が予約データベース603を参照可能に電気的に接続されている。判断部601と機具用RFIDリーダ10と個人用RFIDリーダ20と近接センサ30は、検出信号と個体識別情報と個人識別情報を検索部602側へ入力可能に伝送ケーブルで接続されている。判断部601と警告制御部605は、判断部601から警告制御部605へ制御信号を入力可能に電気的に接続されている。警告制御部605と報知パネル40は、警告制御部605から報知パネル40や制御信号入力可能に伝送ケーブルで接続されている。判断部601とカメラ501やスキャナは、判断部601からカメラ501やスキャナへ制御信号を入力可能に電気的に接続されている。カメラ501やスキャナと持出者データ記録メモリ502は、顔のデータ、指紋のデータ、虹彩のデータ、又は静脈のデータを持出者データ記録メモリ502に入力可能に伝送ケーブルで接続されている。
【0038】
判断部601は、医用機器の持ち出しが正当であるか否かを判断する。個体識別情報と個人識別情報とが共に入力された場合は、検索部602に個体識別情報と個人識別情報を出力して検索を実行させる。検索の結果、検索部602から該当情報がない旨を表す信号が入力されれば、警告制御部605に対して、警告を発するための制御信号を出力する。また、検索の結果、検索部602から該当情報が存在する旨を表す信号が入力されれば、即ち持ち出しが正当であれば、持出者記録部50のうちのカメラ501やスキャナに対して、持出者を記録するための制御信号を出力する。
【0039】
近接センサ30から検出信号が入力され、個体識別情報のみが入力された場合、換言すると、人の保管領域100への出入りは確認され、医用機具200の持ち出しは検出されたが、出入りした人を特定できなかった場合、判断部601は、警告制御部605に対して、警告を発するための制御信号を出力する。
【0040】
検索部602は、予約データベース603を参照して医用機具200の持ち出しが正当であるか否か判断する。予約データベース603は、持ち出し予約及び持ち出し者のユーザレベルが記憶されたデータベースである。
【0041】
図3は、予約データベース603のデータ構成を示す模式図である。
【0042】
予約データベース603には、持ち出し予約のレコードとして、例えば図中のレコードナンバー01のように、持ち出しを許可されている者の個人識別情報と、持ち出しが許可されている医用機具200の個体識別情報と、医用機具200の持ち出しが許可されている時間帯を表す予約時間情報とが関連づけられて記憶されている。すなわち、持ち出しが許可されている者が許可されている持ち出し可能な医用機器と許可されている時間帯が予約データベース603に記憶されている。
【0043】
また、予約データベース603には、持ち出し者のユーザレベルのレコードとして、例えば図中のレコードナンバー02のように、持ち出し者の個人識別情報と、その持ち出し者のユーザレベル情報が関連づけられて記憶されている。ユーザレベルは、時間帯等を問わずにその者の地位や立場に応じて設定される持ち出し権限である。即ち予約データベース603において、ユーザレベル情報と関連づけられた個人識別情報で特定されている者は、時間帯を問わず持ち出しが可能な者として明示されている。
【0044】
この持ち出し者のユーザレベルのレコードには、例えばレコードナンバー03のように、さらに医用機具200の機種名を表す個体識別情報が関連づけられていてもよい。この予約データベース603においては、ユーザレベル情報と関連づけられた個人識別情報で特定されている者であっても、その個体識別情報に対応する種類以外の医用機具200は、持ち出しが許可されていないことを明示する。
【0045】
この予約データベース603は、キーボード等の入力インターフェース604を用いて記入される。予約データベース603の形態としては、許可する持ち出し者名とその者のID等によって表される個人識別情報を関連づけたデータベースと、持ち出しを許可する医用機具200の機具名とその機具のID等によって表される個体識別情報を関連づけたデータベースとを予め備え、予約データベース603においては、持ち出し者名と機具名とを対にして記憶するようにしてもよい。この場合、予約データベース603は、持ち出し者名と機具名とを介して個体識別情報と個人識別情報を関連づけしている。
【0046】
検索部602は、入力された個体識別情報と、個人識別情報と、制御ユニット60に配される時計ICから取得した現在時刻とを検索キーとして予約データベース603を検索する。入力された個体識別情報と個人識別情報との関連づけが存在し、かつそのレコードにユーザレベル情報が関連づけられていれば、該当情報有りを表す信号を判断部601に入力する。また、入力された個体識別情報と個人識別情報との関連づけが存在し、かつ現在時刻が予約時間情報の表す予約時間又はその予約時間以前の所定時間帯の何れかであれば、該当情報有りを表す信号を判断部601に入力する。
【0047】
警告制御部605は、判断部601から制御信号の入力があると、即ち持ち出しが正当でなければ、報知パネル40に対して、警告を発するための制御信号を出力する。
【0048】
持出者記録部50では、判断部601から制御信号の入力があると、即ち持ち出しが正当であると、カメラ501やスキャナが駆動して持ち出し者の顔のデータ、指紋のデータ、虹彩のデータ、又は静脈のデータを採取し、記憶する。
【0049】
図4は、持ち出し者記録のデータを示す模式図である。持出者記録部50は、判断部601に入力された個体識別情報と、時計ICから取得した持ち出し時刻即ち現在時刻と、採取された顔のデータ、指紋のデータ、虹彩のデータ、又は静脈のデータ等の持ち出し者個人を特定する情報とを関連づけて持出者データメモリに記憶させる。
【0050】
図5は、本実施形態に係る医用機具管理システム1によって管理される医用機具200の一例である超音波プローブを示す模式図である。
【0051】
超音波プローブは、超音波診断装置に接続されて超音波を被検体に送受信する。超音波診断装置では、超音波プローブが受信した超音波のデータを画像処理して、被検体内の医用画像を作成し、モニタに表示する。
【0052】
超音波プローブは、超音波送受信部210を備える。超音波送受信部210は、バッキング材211の一面に、順に超音波振動素子212、音響整合層213、音響レンズ214を順に積層して構成されている。超音波振動素子212は、電極対215で挟まれている。これら、バッキング材211、超音波振動素子212、音響整合層213、音響レンズ214、電極対215は、プローブケースに収納されている。プローブケースの先端は、使用時に被検体の体表に接触する。プローブケース内部には、被検体の体表接触側に音響レンズ214が位置するように収納される。
【0053】
超音波振動素子212は、音響と電気とを可逆的に変換可能な圧電効果を有する素子である。チタン酸ジリコン酸鉛Pb(Zr、Ti)O、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、チタン酸バリウム(BaTiO)又はチタン酸鉛(PbTiO)などの圧電セラミック材料が用いられる。超音波振動素子212は、1Dアレイ、2Dアレイ等の各種方式で平面上に並べられる。1Dアレイは、短冊状の超音波振動素子212をアレイ方向に複数並べる方式である。2Dアレイは、超音波振動素子212をマトリックス状に複数並べる方式である。この超音波振動素子212は、電圧が印加されると、バッキング材211や音響整合層213が積層する積層方向に超音波を送信する。また、この超音波振動素子212は、被検体内から反射した反射波を受信すると、電気信号を出力する。
【0054】
電極対215は、挟んだ超音波振動素子212に電圧を印加し、また超音波振動素子212が反射波を受信することによって出力する電気信号が流れる。複数の超音波振動素子212のそれぞれに対し、対応して設けられている。超音波振動素子212のバッキング材211側の面に各超音波振動素子2126個別の信号電極が接続される。超音波振動素子212の音響整合層213側の面に共通(GND)電極が接続される。
【0055】
バッキング材211は、超音波振動素子212が送信した超音波や受信した反射波のうち、超音波診断装置の画像抽出にとって必要でない超音波振動成分を減衰吸収する。また、超音波の送信に伴って発生した熱をケーブル部220等の放熱部材へ伝達する。バッキング材211は、超音波の減衰率が高い材料、熱伝導性の高い材料で組成される。例えば、一般的に、合成ゴム、エポキシ樹脂又はウレタンゴムなどにタングステン、フェライト、酸化亜鉛などの無機粒子粉末などを混入した材料が用いられる。
【0056】
音響整合層213は、音響インピーダンスの不整合による被検体体表での超音波の反射を抑制する。この音響整合層213は、超音波振動素子212の音響インピーダンスと被検体体表の音響インピーダンスとの中間の音響インピーダンスを有している。この音響整合層213は、エポキシ樹脂やプラスチック材料などが用いられる。音響インピーダンスを段階的に被検体体表にものに近づけるべく、音響インピーダンスの異なる複数層で構成されても良い。
【0057】
音響レンズ214は、被検体の体表面に接触して超音波送受信を仲介する。この音響レンズ214は、被検体側に凸面を有する。超音波振動素子212が発振した超音波を集束することにより、被検体の所定深度において音響的な焦点が結ばれる。
【0058】
この超音波プローブにおいて、個々の電極対215から超音波振動素子212に電圧が印加されると、圧電効果により超音波振動素子212が超音波を発振する。超音波の発振と共に熱が発生する。バッキング材211側に送信された不要な超音波は、バッキング材211により減衰し、また発生した熱は、バッキング材211によりケーブル部220へ伝達される。
【0059】
超音波振動素子212が発振した超音波は、音響整合層213により超音波プローブ内や被検体内で反射することなく、被検体側へ照射される。音響整合層213を通った超音波は、音響レンズ214で集束されて被検体内へ照射される。
【0060】
被検体内へ照射された超音波は、被検体内の音響インピーダンスの不整合によって反射波として超音波プローブ側へ跳ね返る。被検体内の音響インピーダンスの不整合は、主に被検体内の部位の境界で生じる。
【0061】
反射波は、超音波振動素子212により捉えられる。超音波振動素子212は、圧電効果により、受信した反射波を電気信号に変換する。超音波振動素子212が出力した電気信号は、電極対215、ケーブル部220、コネクタ部230を介して、超音波診断装置に出力される。
【0062】
図6は、超音波プローブの超音波送受信部210を含む内部の全体構成を示すブロック図である。
【0063】
超音波プローブは、超音波送受信部210とコネクタとをケーブルで接続して構成される。コネクタを介して超音波プローブと超音波診断装置とは接続する。コネクタには、RFID240が内蔵されている。RFID240は、電磁誘導により起電力を発生して外部に信号を送信するコイル又は電波方式により起電力を発生して外部に信号を送信する無線通信手段242を有する。また、RFID240は、超音波プローブの個体を識別するID等の個体識別情報を記憶する情報記憶メモリ241を有する。
【0064】
機具用RFIDリーダ10から出力された電磁波や電波を受けると、RFID240は、記憶している個体識別情報が送信する。機具用RFIDリーダ10は、この送信された個体識別情報を受信して、制御ユニット60の判断部601へ入力する。
【0065】
図7は、持ち出し者の携帯しているIDカード300の構成を示すブロック図である。
【0066】
IDカード300には、RFID310が内蔵されている。RFID310は、電磁誘導により起電力を発生して外部に信号を送信するコイル又は電波方式により起電力を発生して外部に信号を送信する無線通信手段312を有する。また、RFID310は、IDカード300を携帯している個人を識別するID等の個人識別情報を記憶する情報記憶メモリ311を有する。
【0067】
個人用RFIDリーダ20から出力された電磁波や電波を受けると、RFID310は、記憶している個人識別情報が送信する。機具用RFIDリーダ10は、この送信された個体識別情報を受信して、制御ユニット60の判断部601へ入力する。
【0068】
図8は、医用機具管理システム1の動作を示すフローチャートである。この動作では、医用機具200として超音波プローブを例にとり説明する。
【0069】
まず、人が保管領域100内に入ると、近接センサ30は、この保管領域100内に入った人を検出する(S01)。近接センサ30は、保管領域100に入った人を検出すると(S01,Yes)、検出信号を制御ユニット60の判断部601へ入力する(S02)。
【0070】
さらに、個人用RFIDリーダ20は、個人識別情報を受信する(S03)。保管領域100に入った人は、個人用RFIDリーダ20の有効範囲内に入る。保管領域100に入った人がRFID310を搭載したIDカード300を有していれば、IDカード300のRFID310に個人用RFIDリーダ20から起電力が供給されて個人識別情報を出力する。個人用RFIDリーダ20は、この出力された個人識別情報を受信する。個人用RFIDリーダ20は、個人識別情報を受信すれば(S03,Yes)、制御ユニット60の判断部601へ入力する(S04)。
【0071】
さらに、機具用RFIDリーダ10は、個体識別情報を受信する(S05)。保管領域100に入った人が保管領域100内に保管されていた超音波プローブを持ったまま、保管領域100から出ようとすると、機具用RFIDリーダ10の有効範囲内に超音波プローブが入る。超音波プローブのRFID240は、機具用RFIDリーダ10から起電力が供給されて個体識別情報を出力する。機具用RFIDリーダ10は、この出力された個体識別情報を受信する。機具用RFIDリーダ10は、個体識別情報を受信すれば(S05,Yes)、制御ユニット60の判断部601へ入力する(S06)。
【0072】
判断部601は、近接センサ30から検出信号が入力されると(S02,Yes)、その検出信号の入力時から所定期間をカウントする(S07)。判断部601は、個体識別情報を受け取ると(S08,Yes)、このカウント内に個人用RFIDリーダ20から個人識別情報が入力されたか判断する(S09)。判断の結果、個体識別情報のみが入力され、個体識別情報が入力されていなければ(S09,No)、警告制御部605に制御信号を出力する(S10)。
【0073】
一方、個人識別情報と個体識別情報の双方が入力されていれば(S09,Yes)、判断部601は、この入力された個人識別情報と個体識別情報を検索部602に入力し、検索部602は、現在時刻と個人識別情報と個体識別情報を検索キーとして予約データベース603を検索する(S11)。
【0074】
検索部602は、該当する個人識別情報が含まれたレコードを予約データベース603から検出できなければ(S12,No)、判断部601に該当情報なしを表す信号を入力する(S13)。
【0075】
検索部602は、該当する個人識別情報が含まれたレコードを予約データベース603から検出すると、その個人識別情報が含まれたレコードにユーザレベル情報が含まれているか判断する(S14)。個人識別情報にユーザレベル情報が関連づけられていれば(S14,Yes)、判断部601に該当情報有りを表す信号を入力する(S15)。
【0076】
また、ユーザレベル情報が関連づけられていなければ(S14,No)、検索部602は、該当する個人識別情報が含まれたレコードに、入力された個体識別情報が含まれ、かつそのレコードに予約時間情報が表す時間帯及びその時間帯以前の所定時間内に現在時刻が含まれるか判断する(S16)。判断の結果、現在時刻が含まれていれば(S16,Yes)、判断部601に該当情報有りを表す信号を入力する(S15)。一方、判断の結果、現在時刻が含まれていなければ(S16,No)、検索部602は、判断部601に該当情報なしを表す信号を入力する(S13)。
【0077】
判断部601は、検索部602から該当情報有りを表す信号を入力されると(S17,Yes)、持出者記録部50に制御信号を出力する(S18)。また、判断部601は、該当情報なしを表す信号を検索部602から入力されると(S19,Yes)、警告制御部605に制御信号を出力する(S10)。
【0078】
警告制御部605は、判断部601から制御信号が入力されると、報知パネル40に制御信号を出力する。報知パネル40は、制御信号が入力されると警告を報知する(S20)。
【0079】
持出者記録部50のカメラ501は、判断部601から制御信号が入力されると(S18)、撮影を行う(S21)。このカメラ501の撮影によって医用機器を持ち出そうとした者の顔が撮影される。また、持出者記録部50のスキャナは、判断部601から制御信号が入力されると(S18)、虹彩や指紋の入力を受け付け、スキャナに持ち出し者の目がかざされ、又はスキャナに持ち出し者の指が載置されると、虹彩や指紋のデータを採取する(S21)。持出者記録部50は、カメラ501やスキャナで採取された顔や虹彩や指紋のデータを持出者記録メモリに記憶しておく(S22)。
【0080】
図9は、このような医用機具管理システム1による医用機器管理の第1の具体例を説明する図である。第1の具体例では、持ち出し者がIDカード300を携帯していない場合である。
【0081】
このような医用機具管理システム1では、IDカード300を携帯していない者が保管領域100から医用機具200を持ち出そうとして保管領域100を出ようとした場合、制御ユニット60には、個体識別情報のみが入力され、個人識別情報が入力されない。この場合、医用機具管理システム1では、警告が発せられる。
【0082】
図10は、このような医用機具管理システム1による医用機器管理の第2の具体例を説明する図である。
【0083】
例えば、医用機具200を持ち出そうとする者のIDカード300には、「H001」の個人識別情報が記憶されており、持ち出そうとする医用機具200には、「K001」の個体識別情報が記憶されており、予約データベース603には、「H001」の個人識別情報と全種類を表す個体識別情報とユーザレベル情報が関連づけられているものとする。
【0084】
この場合、医用機具管理システム1は、「H001」の個人識別情報を取得し、予約データベース603を検索する。「H001」の個人識別情報が含まれているレコードには、ユーザレベル情報が含まれているため、レコード内の個体識別情報を確認する。レコード内の個体識別情報は、全種類を表しているため、医用機具管理システム1は、この持ち出しを正当と判断し、持ち出し者を記録した上で、この処理を終了する。即ち、警告されることなく、持ち出し者の持ち出しは認容される。
【0085】
図11は、報知パネル40が警告する具体例の一つを表す模式図である。持ち出し者の不明な持ち出しに対しては、例えば液晶ディスプレイに、「その医用機具は、持ち出し厳禁です。警備会社に通報します。」とのメッセージを表示する。
【0086】
図12は、このような医用機具管理システム1による医用機器管理の第3の具体例を説明する図である。
【0087】
例えば、医用機具200を持ち出そうとする者のIDカード300には、「H001」の個人識別情報が記憶されており、持ち出そうとする医用機具200には、「K001」の個体識別情報が記憶されており、予約データベース603には、「H001」の個人識別情報と、「K001」の個体識別情報と、予約時間情報として「15:00〜17:00」とが、関連づけられているものとする。また、「H001」の個人識別情報と「K001」の個人識別情報とが取得された時間を「14:50」とし、予め予約時間帯以前の所定時間として「20分」が設定されているものとする。
【0088】
この場合、医用機具管理システム1は、「H001」の個人識別情報と「K001」の個体識別情報を取得し、さらに現在日時として「14:50」を取得する。医用機具管理システム1は、この取得処理に合わせて「H001」の個人識別情報と「K001」の個体識別情報と「14:50」の予約時間帯情報の組み合わせを予約データベース603から検索する。「14:50」は、「15:00〜17:00」以前の「20分」以内に相当するため、医用機具管理システム1は、持ち出しを正当と判断し、持ち出し者を記録した上で、この処理を終了する。即ち、警告されることなく、持ち出し者の持ち出しは認容される。
【0089】
図13は、このような医用機具管理システム1による医用機器管理の第4の具体例を説明する図である。
【0090】
例えば、医用機具200を持ち出そうとする者のIDカード300には、「H001」の個人識別情報が記憶されており、持ち出そうとする医用機具200には、「K001」の個体識別情報が記憶されており、予約データベース603には、「H001」の個人識別情報と、「K001」の個体識別情報と、予約時間情報として「15:00〜17:00」とが、関連づけられているものとする。また、「H001」の個人識別情報と「K001」の個人識別情報とが取得された時間を「14:00」とし、予め予約時間帯以前の所定時間として「20分」が設定されているものとする。また、「H001」の個人識別情報で特定される者は、「○田×男」だとする。
【0091】
この場合、医用機具管理システム1は、「H001」の個人識別情報と「K001」の個体識別情報を取得し、さらに現在日時として「14:00」を取得する。医用機具管理システム1は、この取得処理に合わせて「H001」の個人識別情報と「K001」の個体識別情報と「14:00」の予約時間帯情報の組み合わせを予約データベース603から検索する。「14:00」は、「15:00〜17:00」及び「15:00〜17:00」以前の「20分」以内のいずれにも相当しないため、警告が発せられる。
【0092】
図14は、報知パネル40が警告する他の具体例を表す模式図である。予約時間帯と現在時刻が合わない場合には、例えば液晶ディスプレイに、「○田×男さま。その医用機具の予約時間は、15:00〜17:00となっております。現在は、その医用機具の持ち出しは禁止されています。」とのメッセージを表示する。判断部601は、個人識別情報と当該個人識別情報で表される人物の名前を関連づけたデータベースを予め有しており、報知パネル40への制御信号とともに、このデータベースから人物の名前を取得して出力し、予約データから予約時間情報を取得して出力する。報知パネル40は、この人物の名前を表すデータと予約時間情報を予め保持しているメッセージに組み合わせて表示する。
【0093】
尚、持ち出そうとする医用機具200が一致しない場合は、「○田×男さま。その医用機具の持ち出し機具と予約とが一致しません。持ち出しが許可されている医用機具は、○×です。」とのメッセージを表示する。判断部601は、個体識別情報と当該個体識別情報で表される医用機具名を関連づけたデータベースを予め有している。判断部601は、予約データベース603から個体識別情報を取得して、この取得した個体識別情報に関連づけられた医用機具名を取得し、制御信号とともに報知パネル40へ出力する。報知パネル40は、この医用機具名を表すデータを予め保持しているメッセージに組み合わせて表示する。
【0094】
このように、本実施形態の医用機具管理システム1は、部外者の持ち出しはもちろん、予約の有無の観点からの不適切な医用機具の持ち出しも管理者に負担を強いることなく簡便に防止することができ、セキュリティ確保と管理負荷低減とを両立して実現することができる。
【0095】
尚、個体識別情報が取得できなければ、単純な保管領域100内立入りとなる。本実施形態の医用機具管理システム1では、個人情報保護などの目的で無許可者の立入りを禁止又は制限することもできる。この場合、近接センサ30で個人の入室が検出された場合、または個人識別情報で予約データベース603を検索してユーザレベル情報が関連づけられていない場合に、判断部601は、報知パネル40に立ち入りを禁止する報知を行わせる。また、持出者記録部50を制御して入出した個人を記録する。
【0096】
また、本実施形態の医用機具管理システム1では、報知パネル40に代えて、又は報知パネル40とともに、通信インターフェースを有するようにし、システム管理者の有するコンピュータや携帯端末に対して、ネットワークを介して通報するようにしてもよい。判断部601は、報知パネル40への制御信号と同様の情報を同時期に通信インターフェースを介してシステム管理者の有するコンピュータや携帯端末に送信する。
【0097】
(第1の変形例)
図15は、第1の実施形態に係る医用機具管理システム1の第1の変形例を示す外観図である。また、図16は、この第1の変形例に係る医用機具管理システム1に対応する医用機具200の構成を示すブロック図である。
【0098】
第1の変形例に係る医用機具管理システム1は、機具用RFIDリーダ10及び個人用RFIDリーダ20に代えて、IEEE802.11諸規格やBluetooth(登録商標)規格に準拠したシステム側短距離無線通信機70を有している。一方、超音波プローブは、コネクタに内部電源250と電源制御部260と同様の規格に準拠した機具側短距離無線通信機270と加速度センサ280と情報記憶メモリ241を有している。また、個人は、IDカード300に代えて、個人識別情報を記憶している携帯無線端末を携帯している。
【0099】
この携帯無線端末から個人識別情報が発信され、システム側短距離無線通信機70で受信される。また、この変形例に係る医用機具管理システム1では、医用機具200の内部電源250からの電流によって個体識別情報を送受信する。
【0100】
超音波プローブでは、加速度センサ280の検出信号が内部電源250に入力される。内部電源250は、検出信号の入力があると、電源制御部260及び機具側短距離無線通信機270に電力を供給する。電源制御部260は、電力供給開始から所定の時間をカウントする。所定時間のカウントが終了すると、内部電源250に制御信号を出力する。内部電源250は、電源制御部260から制御信号が入力されると、電力の供給を停止する。即ち、この超音波プローブでは、省電力のため、持ち出し者が超音波プローブを持ち運ぶときの加速度を検出して、この検出から一定期間のみ個体識別情報を送信する。尚、持ち運びが継続しているときは、加速度センサ280から絶えず検出信号が出力されるため、所定のカウントに達することがなく、電力の供給は停止されない。
【0101】
機具側短距離無線通信機270は、情報記憶メモリ241に記憶されている個体識別情報を連続的に繰り返し送信する。そして、持ち運びにより、超音波プローブが医用機具管理システム1のシステム側短距離無線通信機70の通信有効範囲、即ち保管領域100の入退出口近傍に達すると、システム側短距離無線通信機70は、機具側短距離無線通信機270が送信している個体識別情報を受信する。システム側短距離無線通信機70が個体識別情報を受信すると、この個体識別情報が制御ユニット60に入力され、持ち出しの正当性が判断される。
【0102】
(第2の変形例)
また、図17は、第2の変形例に係る医用機具管理システム1に対応する超音波プローブの構成を示すブロック図である。
【0103】
第2の変形例に係る超音波プローブには、コネクタに、内部電源250と電源制御部260と同様の規格に準拠した機具側短距離無線通信機270と加速度センサ280と情報記憶メモリ241に加えて、報知パネル290を有している。
【0104】
医用機具管理システム1の判断部601は、システム側の報知パネル40に入力する制御信号及び持ち出し者名又は機具名をシステム側短距離無線通信機70と機具側短距離無線通信機270の通信を介して超音波プローブにも送信する。判断部601から警告を発するための制御信号を受け取った機具側の報知パネル290は、システム側の報知パネル40と同様に音や光や予め定められたメッセージにより警告を発する。
【0105】
電源制御部260は、判断部601から警告を発するための制御信号を受け取ると、内部電源250に制御信号を入力することなくカウントを停止する。即ち、この報知パネル290を搭載した超音波プローブでは、警告が省電力モードにより解除されない。
【0106】
(第3の変形例)
図18は、第1の実施形態に係る医用機具管理システム1の第3の変形例を示す外観図である。
【0107】
第3の変形例に係る医用機具管理システム1では、個人用RFIDリーダ20に代えて、生体情報を取得する生体情報取得部80を有する。生体情報取得部80は、顔面を撮影するカメラ501若しくは網膜の虹彩や指紋を採取するスキャナと、個人識別情報抽出部とで構成される。カメラ501やスキャナは、保管領域100に設置される報知パネル40と一体に取り付けられる。このカメラ501やスキャナは、持出者記録部50と共通の構成であってもよい。個人識別情報抽出部は、制御ユニット60側に配される。カメラ501やスキャナと個人識別情報抽出部は、カメラ501やスキャナと伝送ケーブルを介して電気的に接続される。また、個人識別情報抽出部は、判断部601に個人識別情報を入力可能に電気的に接続される。
【0108】
個人識別情報抽出部は、カメラ501で撮影された顔面データ、スキャナで採取された虹彩データ又は指紋データを解析して、特徴点とその特徴点間の関係を求める。特徴点及び特徴転換の関係が個人識別情報となり、個人識別情報抽出部から判断部601へ入力される。予約データベース603には、個人識別情報として、予め記憶されている特徴点とその特徴点間の関係で表される情報が関連づけられている。
【0109】
この第3の変形例では、判断部601は、近接センサ30からの検出信号を受け取ると、報知パネル40に人物チェックのためのメッセージを表示させるための制御信号を入力する。報知パネル40は、顔面を撮影するため、若しくは網膜の虹彩や指紋を採取するためのメッセージを表示する。また、報知パネル40上には、ボタンが設置される。カメラ501やスキャナは、ボタンの押下に応じて駆動する。
【0110】
(第2の実施形態)
図19は、第2の実施形態に係る医用機具管理システム1の構成を示すブロック図である。また、図20は、第2の実施形態に係る医用機具管理システム1に備えられる報知パネル40の模式図である。
【0111】
病院では、緊急に医用機具200を必要とする場合がある。緊急のときは予約をしていない場合や予約が間に合わない場合があるが、このような場合には医用機具200の持ち出しを認容する必要がある。第2の実施形態に係る医用機具管理システム1では、予約の観点からは持ち出しが正当でなくとも、持ち出しを認容する。
【0112】
本実施形態に係る医用機具管理システム1の警告制御部605は、パスコード記憶部606を有する。また、警告制御部605は、持出者記録部50のカメラ501やスキャナと伝送ケーブルを介して接続されており、カメラ501やスキャナに対して持ち出し者記録のための制御信号を入力可能となっている。報知パネル40には、数字や文字等の各種記号を配したキーボタン41が配列されている。
【0113】
図21は、緊急パスコードの例を示す図である。警告制御部605のパスコード記憶部606には、予め設定されている緊急パスコードが記憶されている。緊急パスコードは、報知パネル40のキーボタン41のうちのいずれかに対応した記号の列で構成されている。
【0114】
警告制御部605は、報知パネル40のキーボタン41を押下することで入力された記号列を伝送ケーブルを介して受け取り、パスコード記憶部606の緊急パスコードと照合する。入力された記号列が緊急パスコードと一致すれば、警告制御部605は、持出者記録部50に制御信号を入力させ、持ち出そうとして警告を受けた者の顔データや虹彩データや指紋データを採取させた上で、システム側の報知パネル40に警告を停止させる制御信号を出力する。
【0115】
持出者記録部50は、判断部601から個体識別情報と現在時刻を受け取り、顔データや虹彩データや指紋データ等の持ち出そうとした個人を特定する情報と関連づけて持出者記録メモリに記録しておく。
【0116】
図22は、この第2の実施形態に係る医用機具管理システム1の動作を示すフローチャートである。尚、持ち出しが正当でないと判断して警告を発するまでの動作は、第1の実施形態と同一につき、その詳細な説明を省略する。
【0117】
まず、報知パネル40より警告が発せられた際に、持ち出し者が報知パネル40のキーボタン41を用いて記号列を入力すると(S31)、報知パネル40は、入力された記号列を警告制御部605に入力する(S32)。
【0118】
警告制御部605は、記号列が入力されると(S32)、パスコード記憶部606から緊急パスコードを読み出し(S33)、入力された記号列と比較する(S34)。比較の結果、入力された記号列が緊急パスコードと一致しなければ(S34,No)、報知パネル40が警告を発している状態のまま、処理を終了する。
【0119】
一方、比較の結果、入力された記号列と緊急パスコードとが一致していれば(S34,Yes)、警告制御部605は、持出者記録部50に制御信号を出力する(S35)。
【0120】
持出者記録部50は、警告制御部605からの制御信号を受けて、カメラ501又はスキャナを駆動させ、顔データや虹彩データや指紋データ等の持ち出す者を特定する情報を取得する(S36)。さらに持出者記録部50は、判断部601から個体識別情報と現在時刻を受け取り(S37)、持ち出す者を特定する情報に関連づけて持出者記録メモリに記憶する(S38)。
【0121】
持出者記録部50による持ち出し者の記録が終了すると、警告制御部605は、報知パネル40に対して警告を停止させる制御信号を入力する(S39)。報知パネル40は、この制御信号を受けて警告を停止する(S40)。
【0122】
尚、医用機具200が報知パネル290を有している場合には、医用機具200に対して無線により機具側の報知パネル290の警告を停止させる制御信号を送信し、警告を停止させるようにしてもよい。
【0123】
この第2の実施形態に係る医用機具管理システム1によれば、緊急のときは予約をしていない場合であっても、医用機具200の持ち出しを認容することができるため、セキュリティ確保を優先した厳格な管理体制であっても医用機具の運用に柔軟性が生まれ、病院運営に支障をきたすことがない。
【0124】
(第3の実施形態)
図23は、第3の実施形態に係る医用機具管理システム1の構成を示すブロック図である。また、図24は、第3の実施形態に係る医用機具管理システム1の保管領域100側の外観を示す模式図である。
【0125】
図23に示すように、第3の実施形態に係る医用機具管理システム1は、機具探索用RFIDリーダ90と表示ランプ91と表示制御部を備えている。表示制御部は、機具探索用RFIDリーダ90と表示ランプ91とに伝送ケーブルで接続されている。また、表示制御部と判断部601は、個人用RFIDリーダ20から入力された個人識別情報を表示制御部に入力可能に電気的に接続されている。また、表示制御部と検索部602は、検索要求や検索結果の入出力が可能に電気的に接続されている。
【0126】
図24に示すように、機具探索用RFIDリーダ90と表示ランプ91は、一対のセットとなり、各医用機具200の載置箇所に一対一で対応して設置されている。
【0127】
機具探索用RFIDリーダ90は、対応して載置されている医用機具200の個体識別情報を取得することで、対応している医用機具200を認識する。この機具探索用RFIDリーダ90は、表示制御部からの制御信号によって、電磁波又は電波を送信し、医用機具200のRFID240から送信された個体識別情報を取得する。機具探索用RFIDリーダ90は、取得した個体識別情報を、機具探索用RFIDリーダ90のリーダ識別情報とともに表示制御部に入力する。
【0128】
表示制御部は、入室した個人が予約している医用機具200が保管されている棚を表示ランプ91や報知パネル40を制御して識別表示させる。
【0129】
この表示制御部は、個人用RFIDリーダ20が個人識別情報を取得すると、この個人識別情報を検索部602に出力して、予約データベース603において個人識別情報に関連づけられている個体識別情報の検索を要求する。検索部602から個体識別情報が返されると、表示制御部は、機具探索用RFIDリーダ90から入力された個体識別情報とリーダ識別情報の対を参照して、検索部602から返された個体識別情報と対になっているリーダ識別情報を特定する。表示制御部は、リーダ識別情報を特定すると、そのリーダ識別情報で特定される機具探索用RFIDリーダ90とセットになっている表示ランプ91に電力を供給させ、表示ランプ91を点灯させる。
【0130】
また、表示制御部は、リーダ識別情報と医用機具200が載置されている棚番号の対を記憶したテーブルを有している。表示制御部は、このテーブルを参照して、特定されたリーダ識別情報に対応する棚番号を報知パネル40に入力し、報知パネル40に棚番号を表させる。
【0131】
図25は、第3の実施形態に係る医用機具管理システム1の動作を示すフローチャートである。尚、医用機具200を持ち出そうとした後の動作は、第1の実施形態に係る医用機具管理システム1と同様のため、その詳細な説明を省略する。
【0132】
まず、保管領域100に人が入室すると、その人が携帯しているIDカード300のRFID310に対して個人用RFIDリーダ20から電磁波又は電波が供給され、RFID310に起電力が生じ、RFID310から個人識別情報が送信される。個人用RFIDリーダ20は、送信された個人識別情報を受信すると(S41,Yes)、伝送ケーブルと判断部601と表示制御部を介して検索部602に入力する(S42)。
【0133】
検索部602は、個人識別情報が関連づけられたレコードを予約データベース603から検索する(S43)。該当するレコードが見つかると、検索部602は、個人識別情報に関連づけられている個体識別情報を読み出し(S44)、表示制御部に入力する(S45)。
【0134】
表示制御部は、個体識別情報が入力されると(S45)、各機具探索用RFIDリーダ90に通信のための制御信号を入力する(S46)。機具探索用RFIDリーダ90は、それぞれ電磁波又は電波を出力し(S47)、対応関係にある医用機具200のRFID240に起電力を生じさせ、医用機具200のRFID240から個体識別情報を受信する(S48)。各機具探索用RFIDリーダ90は、個体識別情報を受信すると、リーダ識別情報を付加して表示制御部に入力する(S49)。
【0135】
表示制御部は、各機具探索用RFIDリーダ90から受信した個体識別情報とリーダ識別情報の対から、検索部602から入力された個体識別情報を検索し(S50)、該当する個体識別情報とリーダ識別情報の対からリーダ識別情報を読み出す(S51)。
【0136】
表示制御部は、リーダ識別情報を読み出すと(S51)、このリーダ識別情報で特定される機具探索用RFIDリーダ90とセットになっている表示ランプ91に対して点灯のための電気信号を入力する(S52)。電気信号を入力された表示ランプ91は、点灯する(S53)。
【0137】
また、表示制御部は、リーダ識別情報と棚番号を対にしたテーブルを参照して、読み出したリーダ識別情報に対応する棚番号を読み出す(S54)。棚番号を読み出すと、表示制御部は、報知パネル40に棚番号とともに制御信号を入力する(S55)。報知パネル40は、制御信号が入力されると、入力された棚番号を含めた予約の医用機具200のありかを示すメッセージを表示する(S56)。
【0138】
第3の実施形態に係る医用機具管理システム1によれば、予約が存在して正当な持ち出し者となりうる者に予め、その予約の医用機具200を知らせることができるので、持ち出し機具を誤ることによる警告を予防できる。また、持ち出し者も予約の医用機具200を保管領域100から探す手間が省けるため、利便性に優れる。
【0139】
(第4の実施形態)
図26は、第4の実施形態に係る医用機具管理システム1の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る医用機具管理システム1は、第1の実施形態の第2の変形例の構成に加え、状態管理テーブル607を有している。状態管理テーブル607は、判断部601とデータ入出力可能に接続されている。
【0140】
図27は、状態管理テーブル607を示すデータ構成図である。状態管理テーブル607は、医用機具200の状態を表す状態情報を記憶する。個体識別情報と対にして状態情報が記憶されている。状態情報は、医用機具200の故障の内容を表す項目、点検結果を表す情報が記憶されている項目、滅菌の必要性を表す項目、個人情報保護の必要性を表す項目、医用機具200の持ち出しが課金の対象となるか否かを表す項目、持ち出し可能範囲を表す項目、返却予定時刻を表す項目で構成されている。返却予定時刻を表す項目以外は、入力インターフェース604を用いて入力される。返却予定時刻を表す項目は、予約データベース603から予約時間情報を読み出して記憶される。
【0141】
第4の実施形態に係る医用機具管理システム1に対応する医用機具200は、第1の実施形態の第2の変形例と同様に、内部電源250と報知パネル290を搭載している。
【0142】
この医用機具管理システム1は、持ち出しが正当であるため持ち出しを認容すると、持ち出される医用機具200の状態情報が状態管理テーブル607にあれば、医用機具200の報知パネル290及びシステム側の報知パネル40に表示する。
【0143】
図28は、本実施形態に係る医用機具管理システム1の動作を示すフローチャートである。尚、持ち出しの正当性を判断して、正当であった場合に持ち出しを認容する処理までは、第1の実施形態と同様につき、その詳細な説明を省略する。
【0144】
判断部601に該当情報有りを表す信号を入力され、持ち出しが正当であることが判断されると、判断部601は、個体識別情報を検索キーとして状態管理テーブル607を検索する(S60)。判断部601の検索の結果、個体識別情報に対応する状態管理テーブル607のレコードに状態情報が記憶されていれば(S61,Yes)、その状態情報を読み出す(S62)。一方、状態管理情報が記憶されていなければ(S61,No)、処理を終了する。
【0145】
判断部601は、状態情報を読み出すと(S62)、その状態情報をシステム側短距離無線通信機70に入力し、状態情報が入力されたシステム側短距離無線通信機70は、入力された状態情報を持ち出しが認容された医用機具200に送信する(S63)。また、判断部601は、状態情報を読み出すと、その状態情報をシステム側の報知パネル40に入力する(S64)。
【0146】
状態情報を受信した医用機具200は、機具側の報知パネル290に受信した状態情報を表示する(S65)。また、状態情報が入力されたシステム側の報知パネル40は、入力された状態情報を表示する(S66)。
【0147】
この医用機具管理システム1では、現在滅菌待ちであるのか、メンテナンス待ちであるのか、故障しているのか等の状態情報を速やかに把握することが可能となる。これにより、人体に悪影響のある状態におかれている医用機具200を用いることによる災害を防止することが可能となる。
【0148】
(第5の実施形態)
図29は、第5の実施形態に係る医用機具管理システム1の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る医用機具管理システム1は、第4の実施形態において、さらに予約部608と医用機具特性テーブル609と機能条件記憶部610を有している。予約部608は、予約データベース603と判断部601とにデータ入出力可能に電気的に接続されている。予約部608と医用機具特性テーブル609は、データ入出力可能に電気的に接続されている。予約部608と機能条件記憶部610は、データ入出力可能に電気的に接続されている。また、予約部608は、システム側短距離無線通信機70及びシステム側の報知パネル40と伝送ケーブルを介して接続されている。
【0149】
判断部601は、状態情報を状態管理テーブル607から検索し、故障の有無の項目に故障を表す情報が記憶されていると、予約部608に予約変更のための制御信号と予約データベース603のレコードナンバーと個体識別情報と故障内容を表す状態情報を入力する。
【0150】
予約部608は、予約テーブルを作成する。また、予約部608は、予約されている医用機具200に故障が発生していれば、その医用機具200に代替可能な医用機具200の予約を新たに作成し、予約した代替機具を示す情報を機具側及びシステム側の報知パネル40,290に表示させることで代替機具を提示する。
【0151】
予約部608による予約は、入力インターフェース604を用いて機能条件が入力されることにより行われる。機能条件は、必要とする医用機具200の機能の条件である。入力インターフェース604を用いて、持ち出し者を示す情報と予約時間と、機能条件とを入力する。予約部608は、医用機具特性テーブル609を参照して機能条件を満たす医用機具200を選択し、入力された持ち出し者の個人識別情報と予約時間情報とに関連づけて予約データベース603に登録する。
【0152】
図30は、医用機具特性テーブル609を示すデータ構成図である。医用機具特性テーブル609には、各種医用機具200の機能の組み合わせと、その組み合わせの条件に適合する各医用機具200の個体識別情報が記憶されている。
【0153】
例えば、「超音波診断」「断層像撮影」「血流速度計測」という機能の組み合わせに対して、この組み合わせの各機能を達成可能な各医用機具200の個体識別情報である「K001」「K002」が記憶されている。また、「超音波診断」「断層像撮影」という機能の組み合わせに対して、この組み合わせの各機能を達成可能な各医用機具200の個体識別情報である「K001」「K002」「K003」が記憶されている。
【0154】
入力インターフェース604を用いて、例えば「超音波診断」「断層像撮影」「血流速度計測」が機能条件として入力されると、予約部608は、医用機具特性テーブル609を参照して、この機能を満たす「K001」「K002」のいずれか一方を読み出す。例えば、記憶されている順番が若い個体識別情報である「K001」を読み出す。
【0155】
そして、予約部608は、この医用機具特性テーブル609から読み出した個体識別情報と入力された持ち出し者を示す情報に対応する個人識別情報と予約時間に対応する予約時間情報を関連づけて予約データベース603に記憶する。
【0156】
図31は、機能条件記憶部610に記憶されている機能条件を示すデータ構成図である。予約部608は、この入力された機能条件とこの条件で予約をした医用機具200の個体識別情報を対にして機能記憶部に記憶させておく。例えば、「超音波診断」「断層像撮影」「血流速度計測」といった機能条件の入力の結果、「K001」の個体識別情報で表される医用機具200を選択した場合は、この「超音波診断」「断層像撮影」「血流速度計測」といった機能条件と「K001」の個体識別情報を対にして機能条件記憶部610に記憶させておく。
【0157】
図32は、本実施形態に係る医用機具管理システム1の動作を示すフローチャートである。尚、持ち出しの正当性を判断して、判断部601が状態情報を検索する処理までは、第4の実施形態と同様につき、その詳細な説明を省略する。
【0158】
まず、判断部601は、故障の有無の項目に故障を表す情報が記憶されていると(S71,Yes)、予約部608に予約変更のための制御信号と予約データベース603のレコードナンバーと個体識別情報と故障内容を表す状態情報を入力する(S72)。
【0159】
予約部608は、機能条件記憶部610を参照して入力された個体識別情報に対応付けられている機能条件を読み出す(S73)。そして、予約部608は、読み出した機能条件に故障内容を表す状態情報が含まれているか検索する(S74)。例えば、血流速度計測故障を表す状態情報が入力されれば、機能条件から血流速度計測を検索する。
【0160】
検索の結果、機能条件に故障内容を表す状態情報が含まれていなければ(S74,No)、予約部608は、処理を終了する。一方、機能条件に故障内容を表す状態情報が含まれていれば(S74,Yes)、予約部608は、医用機具特性テーブル609を参照して、読み出した機能条件を含む各種医用機具200の機能の組み合わせを検索し(S75)、この組み合わせと対になっている各医用機具200の個体識別情報のうち、入力された個体識別情報とは異なるいずれかの個体識別情報を読み出す(S76)。
【0161】
予約部608は、さらに予約データベース603を参照して、入力されたレコードナンバーに対応するレコードから個人識別情報と予約時間情報を読み出す(S77)。個人識別情報と予約時間情報又はユーザレベル情報を読み出すと、予約部608は、入力されたレコードナンバーに対応するレコードを削除する(S78)。また、予約部608は、読み出した個人識別情報と予約時間情報又はユーザレベル情報と医用機具特性テーブル609から読み出した個体識別情報とを関連づけて予約データベース603に登録する(S79)。
【0162】
さらに、予約部608は、医用機具特性テーブル609から読み出した個体識別情報をシステム側及び機具側の報知パネル40,290に通信及び伝送ケーブルによって送信する(S80)。システム側と機具側の報知パネル40,290は、例えば図33に示すように、「予約の医用機具は故障しています。代替機具として○×をお使いください」等の個体識別情報に対応する代替機具を表示する(S81)。
【0163】
本実施形態に係る医用機具管理システム1によれば、人体に悪影響のある状態におかれている医用機具200を用いることによる災害を防止することが可能となるとともに、代替機具をすみやかに使用でき、病院運営に支障をきたすことがない。
【0164】
尚、予約部608は、予約データベース603を参照して機能条件を満たす医用機具200の一覧から、予約済みの医用機具200を除き、残りの医用機具200の一覧を表示させるようにしてもよい。この場合、医用機具管理システム1は、この医用機具200の一覧を表示するためのモニタが接続される。そして、入力インターフェース604を用いて医用機具200の一覧から選択された一の医用機具200を予約データベース603に登録するようにしてもよい。また、個人識別情報とユーザレベル情報との対を参照し、ユーザレベル情報が一定以上でなければ、この予約を受け付けないようにしてもよい。予約しようとする者に貸出に十分なユーザレベル情報が無い場合は、システムの管理者へ許諾を求める通信を行い、予約しようとする者に貸出すことができるようにサービスを提供する。
【0165】
また、医用機具200が返却された時点で医用機器管理システムと通信と医用機具200との間で通信を行い、返却された医用機具200に新たな故障が確認された場合は、その状態情報を状態管理テーブル607に自動的に記憶させるようにしてもよい。判断部601は、新たな故障が確認されると、通信手段を介して管理者へ故障発生通知を行うと同時に、この医用機具200の次以降の予約に対しての代替予約を仮予約し、借用予定者又は管理者に通知する。この仮予約により直前には困難な機器の使用変更を事前に行うことが可能となり、故障による医用機具200のダウンタイムの低減を実現できる。さらに、代替機具が施設内に準備できない場合は、事前に登録された関連施設への緊急貸出し又は医用機具200のレンタルサービス提供業者への連絡を自動的に行い、施設内での医用機具200の過剰保有を防ぐしくみと連動させることができる。
【0166】
また、同時に新たな故障が確認された場合には、医用機具200の修理を行う業者への連絡を平行して、事前に設定された送信先にメールを送るようにしてもよい。この時に故障状態として、医用機具管理システム1が受け取った個体識別認識情報と故障を表す状態情報及び予約状況を送信する。修理業者は可能故障の状態から必要な修理部品の手配を行い修理部品入手予定を確認の上、医用機具200の予約状況を確認して、訪問して行う修理の計画を立てて、医用機具200の管理者に修理計画の提案を行う。
【0167】
また、状態情報は、入力インターフェース604を用いて入力される他、医用機具200側から医用機具管理システム1へ送信するようにしてもよい。貸出し時にウィルスなどに医用機具200が汚染された場合、例えば超音波診断装置等の入力機器を用いて、接続された医用機具200のメモリに状態情報を書き込む。医用機具200の返却のために医用機具200が保管領域100へ持ち込まれると、機具用RFIDリーダ10は、医用機具200に記憶されているウィルスなどに汚染されていることを表す状態情報を取得する。
【0168】
尚、判断部601は、ウィルスなどに汚染されていることを表す状態情報が入力されると、この状態情報を状態管理テーブル607に書き込むとともに、予め記憶している返却すべき場所を表す情報を報知パネル40に表示させ、ネットワークを介して滅菌消毒の作業依頼を表す情報を作業者のコンピュータや端末に送信するようにしてもよい。さらに、返却場所には、さらに別の機具用RFIDリーダ10を設け、実際に指定の場所に置かれたかが確認できるようにしてもよい。
【0169】
また、状態情報として個人情報が含まれる医用機具200であることを表す情報が存在する場合、判断部601は、報知パネル40を用いて保護すべき個人情報が含まれていることと許可無く持出せないことを報知するメッセージを報知パネル40に報知させ、個人情報を消去した匿名化を行うか、許可を得るかなどの動作の選択を即すようにしてもよい。
【0170】
匿名化を行う場合は、医用機具200を動作させて、個人情報を匿名化し、内部の個人情報を更新した後、医用機具管理システム1を通過する。機具用RFIDリーダ10は、個人情報の匿名化の有無を読み取り、判断部601は、その匿名化の有無に応じて通過を認容する。また、許可を得る選択した場合は、報知パネル40や許可者のコンピュータや端末を用いてワンタイムパスコードなどの許可情報を入力させる。
【0171】
また、状態情報として消耗品の累積使用時間を表す情報が存在する場合には、その状態情報が一定時間以上であれば、定期交換を表す情報を部品交換業者のコンピュータへ通知するようにしてもよい。一定時間は、交換作業を入札などで行う場合に十分なリードタイムを持って計画できるように時期を設定できる。また、定期交換までの残り時間に応じて、交換作業手配や交換時間の予約データベース603への反映など何段階の処理を定義するようにしてもよい。さらに、医用機具200が内部電源250を有する場合、予定の使用時間と残り充電量に応じて、別のバッテリの容易などの通知を行うようにしてもよい。また、生体との音波の伝播を良好とする為の音響ジェル等の医用機具200においては、持出し時に使い切って廃棄した場合や保管領域100内で使い切って領域外に廃棄した場合に医用機器管理システムで持出し後未返却となっている消耗品を消耗したと判断し、領域内搬入数から減じて、現在所有数量を計算し、規定の所有量を下回った時に、消耗品納入業者への発注システムに発注依頼を発行するようにしてもよい。
【0172】
(第6の実施形態)
第6の実施形態に係る医用機具管理システム1は、第1乃至第5の実施形態に係る医用機具管理システム1において、保管領域100に入室した個人が心臓ペースメーカを有する等の低電波耐性問題を表す属性を有する場合、システム側及び医用機具200側で発信する電波の最大出力を制限する。
【0173】
図34は、本実施形態の医用機具管理システム1において、持ち出し者の携帯しているIDカード300の構成を示すブロック図である。
【0174】
IDカード300のRFID310の情報記憶メモリ311には、個人識別情報の他に、このIDカード300を携帯する者の属性情報が記憶されている。この属性情報は、個人の属性のうち、低電波耐性問題を表す情報である。例えば、属性情報は、個人が心臓ペースメーカを有することを表す情報である。IDカード300のRFID310は、個人識別情報の他、情報記憶メモリ311に属性情報が存在すれば、この属性情報も送信する。
【0175】
図35は、本実施形態に係る医用機具管理システム1の構成を表すブロック図である。この医用機具管理システム1は、システム側短距離無線通信機70を有し、さらに電波管理部611と電波制限テーブル612とを有する。
【0176】
電波管理部611は、伝送ケーブルと判断部601とを介して個人用RFIDリーダ20からIDカード300のRFID310に記憶されている属性情報を受け取り可能に電気的に配されている。電波制限テーブル612は、電波管理部611とデータの入出力可能に電気的に配されている。
【0177】
個人用RFIDリーダ20は、IDカード300のRFID310から送信された個人識別情報と属性情報を受信する。判断部601は、属性情報が個人用RFIDリーダ20から入力されると、入力された属性情報をスルーして電波管理部611に入力する。
【0178】
電波管理部611は、属性情報と電波制限テーブル612を参照して、保管領域100内の機具用RFIDリーダ10や個人用RFIDリーダ20やシステム側短距離無線通信機70や機具側短距離無線通信機270等の電波発信体を制御し、電波の最大出力を制限する。また、電波管理部611は、属性情報と電波制限テーブル612を参照して保管領域100内の電波についての警告を発するための制御信号を報知パネル40に入力する。
【0179】
図36は、電波管理部611により参照される電波制限テーブル612のデータ構成を示す模式図である。電波制限テーブル612には、電波の影響を考慮しなければならない属性情報がリスト化されて記憶されている。
【0180】
電波管理部611は、属性情報が入力されると、電波制限テーブル612と照合する。照合の結果、入力された属性情報が電波制限テーブル612に含まれていると、電波管理部611は、電波の最大出力を制御し、また報知パネル40によって電波についての警告を報知する。電波の最大出力は、例えば20mW以下に制御する。電波管理部611の機具側短距離無線通信機270に対する電波制御では、システム側短距離無線通信機70を介して電波出力を低下させるための制御情報を医用機具200側に送信する。
【0181】
図37は、本実施形態の医用機具管理システム1において利用される医用機具200の構成を示すブロック図である。本実施形態において、医用機具200は、さらに電波制御部295を備えている。電波制御部295は、機具側短距離無線通信機270を制御可能に電気的接続されている。
【0182】
医用機具200では、機具側短距離無線通信機270がシステム側短距離無線通信機70から電波出力を低下させるための制御情報を受信すると、この制御情報が電波制御部295に入力される。電波制御部295は、電波出力を低下させるための制御情報が入力されると、機具側短距離無線通信機270の電波の最大出力を制限するようにコントロールする。
【0183】
図38は、本実施形態に係る医用機具管理システム1の動作を示すフローチャートである。尚、持ち出しの正当性の判断の動作については、第1の実施形態と同様につき、詳細な説明を省略する。
【0184】
まず、人が保管領域100内に入ると、近接センサ30は、この保管領域100内に入った人を検出する。さらに、このとき、保管領域100に入った人は、個人用RFIDリーダ20の有効範囲内に入る。保管領域100に入った人がRFID310を搭載したIDカード300を有していれば、IDカード300のRFID310から個人識別情報と属性情報が出力される。個人用RFIDリーダ20は、個人識別情報と属性情報を受信する。個人用RFIDリーダ20は、個人識別情報と属性情報を受信すると(S91,Yes)、制御ユニット60の判断部601へ入力する(S92)。
【0185】
判断部601は、属性情報が入力されると(S92)、この属性情報をスルーして電波管理部611へ入力し、電波管理部611は、入力された属性情報を電波制限テーブル612から検索する(S93)。入力された属性情報が電波制限テーブル612に存在しなければ(S94,No)、電波管理部611は、処理を終了する。
【0186】
一方、入力された属性情報が電波制限テーブル612に存在していれば(S94,Yes)、電波管理部611は、システム側の報知パネル40に電波の出力を制限するための制御信号を入力する(S95)。また、入力された属性情報が電波制限テーブル612に存在していれば(S94,Yes)、電波管理部611は、システム側短距離無線通信機70に電波の出力を制限するための制御情報を入力する(S96)。
【0187】
電波の出力を制限するための制御信号が入力された報知パネル40は、例えば「保管領域100内には、あなたに悪影響をおよぼすおそれのある電波が発信されています。直ちに退避してください。」等のメッセージと音や光による電波についての警告を報知する(S97)。
【0188】
また、医用機具200では、電波の出力を制限するための制御情報を機具側短距離無線通信機270が受信すると、電波制御部295により機具側短距離無線通信機270の電波の最大出力がコントロールされる(S98)。
【0189】
本実施形態の医用機具管理システム1によれば、電波による生命維持に対する重篤な問題が発生することを回避することができる。
【0190】
尚、電波の最大出力を制限する制御を行う際に、報知パネル40を介して低電波モードに移行中であるある旨のメッセージと低電波モードに移行した旨のメッセージを表示するようにして、保管領域100への立ち入りタイミングを知らせるようにしてもよい。
【0191】
また、保管領域100から低電波耐性問題を有する者が退出したことを検出すると、電波出力の制限を解除するようにしてもよい。進入方向か退出方向かを認識する手段として、保管領域100内と保管領域100外にそれぞれ個人用RFIDリーダ20を設置して、それぞれの認識の時間順序で方向を特定する。
【0192】
さらに、医用機器管理システムは、機具用RFIDリーダ10やシステム側短距離無線通信機70によって、電波の最大出力の観点から持ち込み禁止の医用機具200が電波を出力したまま持ち込まれたことを検出した場合は、入場者に対する警告を発することも可能である。この場合、持ち込み禁止の医用機具200のリストを予め記憶しておき、この医用機具200のリストと取得した個体識別情報とを照合する。
【0193】
また、常時携帯することを意図した低電波耐性問題の危険がある情報を記憶するIDカード300などではプライバシーの観点から個人を特定するは含まないことが望ましい。この点から、低電波耐性問題の危険がある情報などの属性情報のみを記憶するRFID310を常時携帯させ、個人特定用に使用するIDカード300とは別のものにする事が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】第1の実施形態に係る医用機具管理システムの外観図である。
【図2】本実施形態に係る医用機具管理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】予約データベースのデータ構成を示す模式図である。
【図4】持ち出し者記録のデータを示す模式図である。
【図5】本実施形態に係る医用機具管理システムによって管理される医用機具の一例である超音波プローブを示す模式図である。
【図6】超音波プローブの超音波送受信部を含む内部の全体構成を示すブロック図である。
【図7】持ち出し者の携帯しているIDカードの構成を示すブロック図である。
【図8】医用機具管理システムの動作を示すフローチャートである。
【図9】医用機具管理システムによる医用機器管理の第1の具体例を説明する図である。
【図10】医用機具管理システムによる医用機器管理の第2の具体例を説明する図である。
【図11】報知パネルが警告する具体例の一つを表す模式図である。
【図12】医用機具管理システムによる医用機器管理の第3の具体例を説明する図である。
【図13】医用機具管理システムによる医用機器管理の第4の具体例を説明する図である。
【図14】報知パネルが警告する他の具体例を表す模式図である。
【図15】第1の実施形態に係る医用機具管理システムの第1の変形例を示す外観図である。
【図16】第1の変形例に係る医用機具管理システムに対応する医用機具の構成を示すブロック図である。
【図17】第2の変形例に係る医用機具管理システムに対応する超音波プローブの構成を示すブロック図である。
【図18】第1の実施形態に係る医用機具管理システムの第3の変形例を示す外観図である。
【図19】第2の実施形態に係る医用機具管理システムの構成を示すブロック図である。
【図20】第2の実施形態に係る医用機具管理システムに備えられる報知パネルの模式図である。
【図21】緊急パスコードの例を示す図である。
【図22】第2の実施形態に係る医用機具管理システムの動作を示すフローチャートである。
【図23】第3の実施形態に係る医用機具管理システムの構成を示すブロック図である。
【図24】第3の実施形態に係る医用機具管理システムの保管領域側の外観を示す模式図である。
【図25】第3の実施形態に係る医用機具管理システムの動作を示すフローチャートである。
【図26】第4の実施形態に係る医用機具管理システムの構成を示すブロック図である。
【図27】状態管理テーブルを示すデータ構成図である。
【図28】第4の実施形態に係る医用機具管理システムの動作を示すフローチャートである。
【図29】第5の実施形態に係る医用機具管理システムの構成を示すブロック図である。
【図30】医用機具特性テーブルを示すデータ構成図である。
【図31】機能条件記憶部に記憶されている機能条件を示すデータ構成図である。
【図32】第5の実施形態に係る医用機具管理システムの動作を示すフローチャートである。
【図33】第5の実施形態に係る医用機具管理システムにおいて代替機具を表示した状態を示す模式図である。
【図34】第6の実施形態の医用機具管理システムにおいて、持ち出し者の携帯しているIDカードの構成を示すブロック図である。
【図35】第6の実施形態に係る医用機具管理システムの構成を表すブロック図である。
【図36】電波管理部により参照される電波制限テーブルのデータ構成を示す模式図である。
【図37】第6の実施形態の医用機具管理システムにおいて利用される医用機具の構成を示すブロック図である。
【図38】第6の実施形態に係る医用機具管理システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0195】
1 医用機具管理システム
10 機具用RFIDリーダ
20 個人用RFIDリーダ
30 近接センサ
40 報知パネル
41 キーボタン
50 持出者記録部
501 カメラ
502 持出者データ記録メモリ
60 制御ユニット
601 判断部
602 検索部
603 予約データベース
604 入力インターフェース
605 警告制御部
606 パスコード記憶部
607 状態管理テーブル
608 予約部
609 医用機具特性テーブル
610 機能条件記憶部
611 電波管理部
612 電波制限テーブル
70 システム側短距離無線通信機
80 生体情報取得部
90 機具探索用RFIDリーダ
91 表示ランプ
100 保管領域
200 医用機具
210 超音波送受信部
211 バッキング材
212 超音波振動素子
213 音響整合層
214 音響レンズ
215 電極対
220 ケーブル部
230 コネクタ部
240 RFID
241 情報記憶メモリ
242 無線通信手段
250 内部電源
260 電源制御部
270 機具側短距離無線通信機
280 加速度センサ
290 報知パネル
295 電波制御部
300 IDカード
310 RFID
311 情報記憶メモリ
312 無線通信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用機具が保管されている保管領域から個人の当該医用機具の持ち出しを監視する医用機具管理システムであって、
前記保管領域から持ち出される医用機具を認識する第1の認識手段と、
前記保管領域に出入りした個人を認識する第2の認識手段と、
前記医用機具及び前記個人の前記認識に基づき、前記個人の前記医用機具の持ち出しが正当であるか判断する判断手段と、
前記判断手段の判断の結果、正当であると判断されなければ、警告を発する報知手段と、
を備えること、
を特徴とする医用機具管理システム。
【請求項2】
前記第1の認識手段は、前記医用機具に記録された個体識別情報を取得することで前記医用機具を認識し、
前記第2の認識手段は、前記個人の個人識別情報を取得することで前記個人を認識し、
前記判断手段は、
前記個体識別情報と前記個人の個人識別情報とを予め関連づける予約データベースと、
前記第1の認識手段と前記第2の認識手段により取得した前記個体識別情報と前記個人識別情報の組み合わせを前記予約データベースから検索する予約検索手段と、
を含み、
前記報知手段は、前記予約検索手段の検索の結果、前記組み合わせが前記予約データベースに存在しなければ、警告を発すること、
を特徴とする請求項1記載の医用機具管理システム。
【請求項3】
前記第2の認識手段は、
前記個人の個人識別情報を取得する取得手段と、
前記保管領域に入室する個人を検出する近接センサと、
を含み、
前記判断手段は、前記近接センサによる前記検出後、前記第2の認識手段による前記個人識別情報の取得がなく、前記第1の認識手段による前記医用機具の認識のみであれば、正当でないと判断すること、
を特徴とする請求項1記載の医用機具管理システム。
【請求項4】
前記予約データベースは、前記個体識別情報と前記個人識別情報の所定の組み合わせに対して予約時間情報を更に予め関連づけ、
前記予約検索手段は、前記個体識別情報を取得した現在日時をさらに組み合わせて前記予約データベースから検索すること、
を特徴とする請求項2記載の医用機具管理システム。
【請求項5】
前記予約データベースは、所定の前記個人識別情報と持ち出し許可情報とを予め関連づけ、
前記予約検索手段は、取得した前記個人識別情報と前記持ち出し許可情報との組み合わせ、及び取得した前記個体識別情報と前記個人識別情報との組み合わせを前記予約データベースから検索し、
前記報知手段は、前記予約検索手段の検索の結果、前記いずれかの組み合わせが前記予約データベースに存在しなければ、警告を発すること、
を特徴とする請求項2記載の医用機具管理システム。
【請求項6】
前記保管領域に出入りする個人を検出する近接センサをさらに備え、
前記報知手段は、前記近接センサによる前記検出の後、前記第2の情報取得手段による前記個人識別情報の取得がなされず、前記第1の情報取得手段により前記個体識別情報のみが取得されれば、前記検索手段によって前記検索を行われることなく、前記警告を発すること、
を特徴とする請求項2記載の医用機具管理システム。
【請求項7】
緊急パスコードを予め記憶する記憶手段と、
前記緊急パスコードの入力を受け入れる入力手段と、
前記個人の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記生体情報取得手段が取得した前記生体情報を記録する記録手段と、
をさらに備え、
前記報知手段は、前記入力手段に前記緊急パスコードが入力され、かつ前記第2の情報取得手段が前記生体情報を取得すると、前記警告を停止すること、
を特徴とする請求項1記載の医用機具管理システム。
【請求項8】
前記第1の認識手段が認識した前記医用機具を特定する情報と、前記第2の認識手段が認識した個人を特定する情報と、現在日時とを、関連づけて記録する記録手段をさらに備えること、
を特徴とする請求項1記載の医用機具管理システム。
【請求項9】
前記第2の認識手段が前記個人識別情報を取得すると、前記予約データベースを検索して、関連づけられている前記個体識別情報を特定する個体検索手段と、
各医用機具の各保管位置毎に設置され、前記保管位置に載置されている医用機具の個体識別情報を取得する複数の機具探索手段と、
前記個体検索手段が特定した前記個体識別情報を取得した前記機具探索手段に対応する前記保管位置を表示する表示手段と、
をさらに備えること、
を特徴とする請求項2記載の医用機具管理システム。
【請求項10】
前記医用機具の状態情報を予め記憶した状態管理データベースをさらに備え、
前記報知手段は、前記判断手段の判断の結果、正当であれば、前記状態管理データベースに記憶されている前記認識された医用機具の前記状態情報を報知すること、
を特徴とする請求項1記載の医用機具管理システム。
【請求項11】
前記医用機具を選択するための機能条件の入力とともに予約を受け付ける入力インターフェースと、
前記各医用機具を機能別に区分けした機具特性テーブルと、
前記機能条件と前記機具特性テーブルとに基づき、前記機能条件を満たす前記医用機具についての前記予約データベースを作成する予約手段と、
前記医用機具の故障情報を予め記憶した状態管理データベースと、
をさらに備え、
前記予約手段は、前記判断手段の判断の結果が正当であり、かつ前記状態管理データベースに前記認識された医用機具の前記故障情報が存在すれば、前記機能条件と前記機具特性テーブルとに基づき、前記機能条件を満たす代替の医用機具についての前記予約データベースを作成し、
前記報知手段は、前記故障情報と前記代替の医用機具を表す情報を報知すること、
を特徴する請求項2記載の医用機具管理システム。
【請求項12】
前記予約手段は、前記故障情報と前記機能条件とを比較し、前記機能条件が表す機能に前記故障情報が表す機能が含まれていれば、前記代替の医用機具についての前記予約データベースを作成すること、
を特徴する請求項11記載の医用機具管理システム。
【請求項13】
前記個人の電波の影響を考慮しなければならない属性情報を予め記憶する電波制限テーブルと、
前記個人が携帯して当該個人の属性情報を送信する無線送信手段から、前記属性情報を受信する無線受信手段と、
前記無線受信手段が受信した前記属性情報を前記電波制限テーブルから検索する電波管理手段と、
をさらに備え、
前記報知手段は、前記受信した前記属性情報が前記電波制限テーブルに含まれていると、電波についての警告を発すること、
を特徴とする請求項1記載の医用機具管理システム。
【請求項14】
前記個人の電波の影響を考慮しなければならない属性情報を予め記憶する電波制限テーブルと、
前記個人が携帯して当該個人の属性情報を送信する無線送信手段から、前記属性情報を受信する無線受信手段と、
前記電波制限テーブルを参照し、前記無線受信手段が受信した前記属性情報が前記煙波制限テーブルに含まれていると、前記保管領域内の電波発信体の最大電波出力を制御する電波管理手段と、
をさらに備えること、
を特徴とする請求項1記載の医用機具管理システム。
【請求項15】
前記医用機具は、前記個体識別情報が記憶されたRFIDタグを有し、
前記第1の認識手段は、RFIDリーダであること、
を特徴とする請求項1記載の医用機具管理システム。
【請求項16】
前記第2の認識手段は、携帯者の前記個人識別情報が記憶されたRFIDタグと通信するRFIDリーダを含むこと、
を特徴とする請求項1記載の医用機具管理システム。
【請求項17】
前記医用機具は、内部電源と前記個体識別情報が記憶された記憶手段と機具側無線通信手段を有し、
前記第1の認識手段は、前記機具側無線通信手段から前記個体識別情報を取得するシステム側無線通信手段であること、
を特徴とする請求項1記載の医用機具管理システム。
【請求項18】
前記第2の認識手段は、携帯者の前記個人識別情報が記憶された無線通信端末と通信するシステム側無線通信手段を含むこと、
を特徴とする請求項1記載の医用機具管理システム。
【請求項19】
前記個人識別情報は、前記個人の生体情報であり、
前記第2の認識手段は、前記生体情報を取得する生体情報取得手段を含むこと、
を特徴とする請求項1記載の医用機具管理システム。
【請求項20】
前記状態情報は、機具の故障情報又は点検結果情報であること、
を特徴とする請求項10記載の医用機具管理システム。
【請求項21】
前記状態情報は、滅菌の必要性の有無を表す情報であること、
を特徴とする請求項10記載の医用機具管理システム。
【請求項22】
前記状態情報は、個人情報保護の必要性の有無を表す情報であること、
を特徴とする請求項10記載の医用機具管理システム。
【請求項23】
前記状態情報は、機具の持ち出しによる課金の有無を表す情報であること、
を特徴とする請求項10記載の医用機具管理システム。
【請求項24】
前記状態情報は、機具の返却時刻を表す情報であること、
を特徴とする請求項10記載の医用機具管理システム。
【請求項25】
前記状態情報は、機具の持ち出し範囲を表す情報であること、
を特徴とする請求項10記載の医用機具管理システム。
【請求項26】
前記状態情報は、機具又は機具の消耗部品の使用積算時間を表す情報であること、
を特徴とする請求項10記載の医用機具管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2009−70259(P2009−70259A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−239691(P2007−239691)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】