説明

医用画像表示システム及びプログラム

【課題】異常陰影候補の変化が緊急性を要するものであるか否かを読影医が容易に把握することができるようにする。
【解決手段】医用画像表示システム100によれば、画像サーバ3の制御部31は、読影端末4の操作部42により選択された読影対象の医用画像のCAD情報及び比較対象として選択された同一患者の同一検査条件の過去検査の医用画像のCAD情報に基づいて、読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量と過去検査の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量(差分値)を算出し、当該変化量が予め定められた閾値を超えていると判断した場合は、その旨を警告する警告情報を通信部34により読影端末4に送信する。読影端末4の制御部41は、通信部44により画像サーバ3から警告情報を受信すると、当該警告情報を表示部43等により出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像表示システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、女性の乳癌の罹患率の上昇に伴い、乳癌検診への関心が高まっている。乳癌検診では、乳房を撮影した医用画像を医師が読影し、異常の有無を診断している。しかしながら、診断を行う読影医の数は不足しており、診断が滞る問題が発生している。
【0003】
このような問題を改善すべく、診断精度の向上、又は診断作業の効率化を目的として、医用画像から乳癌等の病変の特徴を示す異常陰影候補を自動的に検出する異常陰影候補検出装置(CAD装置(Computer-Aided Detection))が開発されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、収集した医用画像について異常の種類及び異常の程度を検出し、異常の種類が特定の種類であって異常の程度が所定の範囲に存在するときに追加検査が必要であることを出力する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−187044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、読影の手法の一つとして、異常陰影候補の経時的な変化を把握するため、読影対象の医用画像と、過去の検査により取得された医用画像とを並べて読影する、所謂比較読影が行われている。
【0007】
比較読影を行うに際し、医師は読影対象の医用画像と同一患者、同一検査条件(同一部位、同一側性(左右)、同一方向)の過去の検査の医用画像をデータベース等から検索し、その中から比較対象として表示すべき医用画像を選択する作業を行っている。そして、比較対象の医用画像を選択して表示部に表示させた後、医師は、読影対象の医用画像と比較対象の医用画像における異常陰影候補の変化(例えば、異常陰影候補の大きさや個数の変化)を目視により観察し、その変化が緊急性を要する状態であるか否かを判断している。
【0008】
しかしながら、この比較読影の作業は煩雑であり、相当の時間や技能を要する。CAD装置によって得られる異常陰影候補の検出結果情報は、特許文献1のように追加検査の必要の有無を判断するのに使用されたり、読影医が個々の医用画像中の異常陰影候補を読影する際に利用されたりしているが、複数の医用画像間における比較読影を支援するものとしては有効に利用されていない。
【0009】
本発明の課題は、異常陰影候補の変化が緊急性を要するものであるか否かを読影医が容易に把握することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の医用画像表示システムは、
医用画像と、当該医用画像に関する患者情報及び当該医用画像に関する検査日及び検査条件を含む検査情報と、当該医用画像から検出された異常陰影候補の検出結果情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている医用画像の中から読影対象の医用画像を選択するための操作手段と、
前記操作手段により選択された読影対象の医用画像についての検出結果情報と、当該読影対象の医用画像と同一患者かつ同一検査条件の過去検査の医用画像についての検出結果情報とを前記記憶手段から読み出し、前記読み出された検出結果情報に基づいて、前記読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量と前記過去検査の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量を算出し、当該変化量が予め定められた閾値を超えているか否かを判断する制御手段と、
前記制御手段により前記読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量と前記過去検査の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量が予め定められた閾値を超えていると判断された場合に、その旨を警告するための当該警告情報を出力する出力手段と、
前記読影対象の医用画像を表示する表示手段と、
を備える。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記表示手段は、前記出力手段として、前記警告情報を前記読影対象の医用画像とともに表示出力する。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記表示手段は、前記過去検査の医用画像を前記読影対象の医用画像に並べて表示する。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記制御手段は、前記読影対象の医用画像と同一患者かつ同一検査条件の過去検査の医用画像が前記記憶手段に複数記憶されている場合に、前記読影対象の医用画像に検査日が最も近い過去検査の医用画像の検出結果情報から順に前記記憶手段から読み出して前記変化量の算出及び前記変化量と前記閾値との比較を行い、前記変化量が前記閾値を超えた時点の過去検査の医用画像を前記読影対象の医用画像と並べて表示すべき医用画像として決定し、
前記表示手段は、前記制御手段により決定された過去検査の医用画像を前記読影対象の医用画像に並べて前記警告情報とともに表示する。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記操作手段は、前記読影対象の医用画像と同一患者かつ同一検査条件の過去検査の医用画像が前記記憶手段に複数記憶されている場合に、前記読影対象の医用画像と並べて表示すべき過去検査の医用画像を選択可能に構成され、
前記制御手段は、前記読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量と前記選択された過去検査の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量を算出し、当該変化量が予め定められた閾値を超えているか否かを判断し、
前記表示手段は、前記選択された過去検査の医用画像を前記読影対象の医用画像に並べて表示し、前記制御手段により前記読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量と前記選択された過去検査の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量が予め定められた閾値を超えていると判断された場合に、その旨を警告するための当該警告情報を表示する。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、
前記操作手段は、前記特徴量の種類及び閾値をユーザ毎に設定可能に構成され、
前記制御手段は、ログインしたユーザについて設定されている特徴量の種類及び閾値を用いて前記判断を行う。
【0016】
請求項7に記載の発明のプログラムは、
コンピュータを、
医用画像と、当該医用画像に関する患者情報及び当該医用画像に関する検査日及び検査条件を含む検査情報と、当該医用画像から検出された異常陰影候補の検出結果情報とを対応付けて記憶する記憶手段に記憶されている医用画像の中から読影対象の医用画像を選択するための操作手段、
前記操作手段により選択された読影対象の医用画像についての検出結果情報と、当該読影対象の医用画像と同一患者かつ同一検査条件の過去検査の医用画像についての検出結果情報とを前記記憶手段から読み出し、前記読み出された検出結果情報に基づいて、前記読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量と前記過去検査の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量を算出し、当該変化量が予め定められた閾値を超えているか否かを判断する制御手段、
前記制御手段により前記読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量と前記過去検査の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量が予め定められた閾値を超えていると判断された場合に、その旨を警告するための当該警告情報を出力する出力手段、
前記読影対象の医用画像を表示する表示手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、異常陰影候補の変化が緊急性を要するものであるか否かを読影医が容易に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態における医用画像表示システムの全体構成例を示す図である。
【図2】図1の画像サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図2の記憶部に記憶される判断基準設定テーブルのデータ格納例を示す図である。
【図4】図1の読影端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態において、図1の読影端末と画像サーバにより実行される医用画像表示処理の流れを示す図である。
【図6】図5の医用画像表示処理において、読影対象画像から検出された異常陰影候補の特徴量と比較対象画像から検出された異常陰影候補の特徴量の差分値が閾値を超えている場合に図4の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態において、図1の読影端末と画像サーバにより実行される医用画像表示処理Bの流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施の形態]
(医用画像表示システム100の構成)
まず、第1の実施の形態の構成を説明する。
図1に、第1の実施の形態における医用画像表示システム100のシステム構成を示す。
医用画像表示システム100は、医用画像を撮影し、当該医用画像から異常陰影候補を検出し、医用画像とともにその検出結果情報を読影医に提供するシステムである。
【0020】
図1に示すように、医用画像表示システム100は、画像生成装置1、異常陰影候補検出装置2、画像サーバ3、読影端末4を備えて構成されている。これら各装置1〜4は、LAN(Local Area Network)等の医療機関内で構築された通信ネットワークNを介して相互にデータを送受信可能に接続されている。通信ネットワークNは、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格が適用されている。
【0021】
以下、各構成装置1〜4について説明する。
画像生成装置1は、人体を撮影し、その撮影画像(医用画像)のデジタルデータを生成するものであり、例えばCR(Computed Radiography)、FPD(Flat Panel Detector
)、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、カセッテ専用の読取装置、フィルムディジタイザ等のモダリティを適用可能である。本実施形態では、画像生成装置1として、左右乳房のX線撮影を行う乳房専用のCRを適用し、乳房画像のデータが生成されるものとする。
【0022】
なお、画像生成装置1は、上述したDICOM規格に準拠した装置であり、生成した医用画像に付帯させる各種情報、例えば、患者情報や検査情報を外部から入力可能であるとともに、自動生成することもできる。患者情報には、患者を識別するための患者識別情報(例えば、患者ID)、患者の名前、性別、生年月日等の情報が含まれる。検査情報は、検査を識別するための検査識別情報(例えば、検査ID)、検査日、検査条件(検査部位、側性(左、右)、方向(例えば、上下方向(CC)、斜位方向(MLO))、モダリティ種等の情報が含まれる。画像生成装置1は、生成された医用画像に上記患者情報や検査情報、画像を識別するためのUID(Unique ID)等をヘッダ情報として付加して通信ネットワークNを介して異常陰影候補検出装置2及び画像サーバ3へ送信する。なお、DICOM規格に準拠していない場合には、図示しないDICOM変換装置を用いて付帯情報を画像生成装置1に入力させることも可能である。
【0023】
異常陰影候補検出装置2は、画像生成装置1から供給される医用画像の画像解析を行って異常陰影候補の検出処理を行うコンピュータである。異常陰影候補検出装置2は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶部、LANカード等の通信部を備える。異常陰影候補検出装置2の記憶部には、検出目的とする異常陰影の種類に応じた検出アルゴリズムの検出プログラムが記憶されており、異常陰影候補検出装置2のCPUは、記憶部に記憶された検出プログラムとの協働により、通信部を介して入力された各医用画像から異常陰影候補を検出する。例えば、乳房画像における腫瘤、微小石灰化クラスタの陰影候補を検出する。
【0024】
異常陰影候補の検出アルゴリズムとしては、公知のものを適用可能である。例えば、乳房画像における腫瘤陰影候補のアルゴリズムとしては、特開平10−91758号公報に開示されているアイリスフィルタを用いた手法や、ラプラシアンフィルタを用いた手法(電気情報通信学会論文誌(D-II),Vol.J76-D-II,no.2,pp.241-249,1993)等が適用可能である。また、微小石灰化クラスタ陰影候補の検出アルゴリズムとしては、例えばモルフォルジーフィルタ(電気情報通信学会論文誌(D-II),Vol.J71-D-II,no.7,pp.1170-1176,1992)、ラプラシアンフィルタ(電気情報通信学会論文誌(D-II),Vol.J71-D-II,no.10,pp.1994-2001,1998)、3重リングフィルタ等を用いた方法等を適用可能である。
【0025】
異常陰影候補検出装置2は、上記検出アルゴリズムによる異常陰影候補の検出処理が終了すると、異常陰影候補の検出結果情報(以下、CAD情報と呼ぶ)を生成する。CAD情報は、例えば、異常陰影候補の有無、異常陰影候補の検出数を示す文字情報、検出された各異常陰影候補の領域(輪郭)の位置情報、検出された各異常陰影候補の代表点(例えば、重心)の位置情報等の複数の項目の情報が含まれる。そして、異常陰影候補検出装置2は、生成されたCAD情報に検出元の医用画像のヘッダ情報を付加して通信部により画像サーバ3に送信する。
【0026】
画像サーバ3は、画像DB351を備え、この画像DB351に、画像生成装置1により生成された医用画像と異常陰影候補検出装置2から受信されたCAD情報を対応付けて記憶し、その入出力を管理する。
【0027】
図2に、画像サーバ3の機能構成例を示す。
図2に示すように、画像サーバ3は、制御部31、操作部32、表示部33、通信部34、記憶部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されている。
【0028】
制御部31は、CPU、RAM等により構成される。制御部31のCPUは、記憶部35に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
例えば、制御部31は、後述する医用画像表示処理(図5参照)のサーバ側処理を実行し、制御手段として機能する。
【0029】
操作部32は、文字入力キー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部31に出力する。
【0030】
表示部33は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備えて構成されており、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0031】
通信部34は、LANカード等により構成され、スイッチングハブを介して通信ネットワークNに接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0032】
記憶部35は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリ等で構成されている。記憶部35には、前述のように各種プログラムが記憶されている。また、記憶部35には、画像生成装置1から取り込まれた医用画像及び異常陰影候補検出装置2から取り込まれたCAD情報を格納するための画像DB(Data Base)351が記憶されている。
【0033】
画像DB351は、画像DB351に記憶されている各医用画像に関する管理情報を格納する画像管理テーブルを有している。画像管理テーブルには、各医用画像についての管理情報が1レコードとして格納される。管理情報には、UID、患者情報、検査情報、ファイル情報(医用画像のファイル名及びこれに対応するCAD情報のファイル名、ファイル格納場所、更新日付、ファイルサイズ等)が含まれる。
画像生成装置1からの医用画像が受信されると、受信された医用画像が画像DB351に格納されるとともに、制御部31により、受信された医用画像のヘッダ情報に基づいて管理情報が作成され、画像管理テーブルに格納される。また、異常陰影候補検出装置2からのCAD情報が受信されると、受信されたCAD情報が画像DB351に格納されるとともに、制御部31により、画像管理テーブルからCAD情報とUIDが一致するレコードが検索され、検索されたレコードにCAD情報のファイル名、格納場所等が追加書き込みされる。このようにして、画像DB351には、医用画像と当該医用画像から検出された異常陰影候補の検出結果情報が対応付けて検索可能に記憶される。
【0034】
また、記憶部35には、読影端末4を使用するユーザである読影医毎の読影医ID及びパスワード等のログイン情報352が記憶されている。
更に、記憶部35には、判断基準設定テーブル353が記憶されている。判断基準設定テーブル353は、後述する医用画像表示処理において、読影対象の医用画像(以下、読影対象画像と呼ぶ)から検出された異常陰影候補と比較対象の医用画像(以下、比較対象医用画像と呼ぶ)から検出された異常陰影候補との間で警告を行なうべき顕著な変化があったか否かを判断する際の判断基準を読影医毎に記憶するテーブルである。図3に、判断基準設定テーブル353の一例を示す。図3に示すように、判断基準設定テーブル353には、読影医IDと、警告を行うか否かの判断基準に用いる異常陰影候補の特徴量の種類と、判断基準に用いる閾値とが対応付けて記憶されている。判断基準に用いる特徴量の種類には、例えば、異常陰影候補の検出数、検出された異常陰影候補の面積等が含まれる。また、複数の判断基準を設定することも可能である。
【0035】
上記の判断基準は、操作部32又は読影端末4の操作部42の入力操作により、ユーザである読影医毎に設定することができるようになっている。ここで、重視すべき特徴量の種類は病変の種別によって異なる。例えば、検出数の変化はどの病変に対しても重要であるが、陰影の面積の変化は、病変の種類が腫瘤陰影である場合に特にその進行を判断する上で重要である。また、通常、読影医毎に専門とする病変の種類は異なる。そこで、読影医毎に判断基準を設定できるようにすることで、その読影医が担当する病変に適した判断基準を用いることができ、好ましい。操作部32又は読影端末4の操作部から入力された設定情報は、ログイン時に認証された読影医IDに対応付けて判断基準設定テーブル353に記憶される。
【0036】
図1に戻り、読影端末4は、読影医の操作により指定された医用画像及びこれに対応するCAD情報を画像サーバ3から取得して表示する。
【0037】
図4に、読影端末4の機能構成例を示す。
図4に示すように、読影端末4は、制御部41、操作部42、表示部43、通信部44、記憶部45を備えて構成され、各部はバス46により接続されている。
【0038】
制御部41は、CPU、RAM等により構成される。制御部41のCPUは、記憶部45に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
例えば、制御部41は、後述する医用画像表示処理の読影端末側処理を実行する。
【0039】
操作部42は、文字入力キー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部41に出力する。
【0040】
表示部43は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備えて構成されており、制御部41から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0041】
通信部44は、ネットワークインターフェース等により構成され、スイッチングハブを介して通信ネットワークNに接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0042】
記憶部45は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリ等で構成されている。記憶部45には、前述のように各種プログラムが記憶されている。また、記憶部45には、医用画像を診断に適した画質に調整するための画像処理パラメータ(階調処理に用いる階調曲線を定義したルックアップテーブル、周波数処理の強調度等)等を記憶している。
【0043】
(医用画像表示システム100の動作)
次に、医用画像表示システム100の動作について説明する。
図5に、第1の実施の形態において画像サーバ3及び読影端末4により実行される医用画像表示処理のフローチャートを示す。医用画像表示処理のサーバ側処理は、制御部31と記憶部35に記憶されているプログラムとの協働により実行される。医用画像表示処理の読影端末側処理は、制御部41と記憶部45に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0044】
まず、読影端末4において、表示部43に表示されたログイン画面から操作部42によりユーザIDとしての読影医ID及びパスワードが入力され、ログインが指示されると、通信部44により読影医ID及びパスワードが画像サーバ3に送信される(ステップS1)。画像サーバ3においては、読影医ID及びパスワードが通信部34により受信されると、ユーザ認証が行われ、認証結果が読影端末4に通知される(ステップS2)。
【0045】
ユーザ認証で認証が許可されると、読影端末4において、操作部42の操作に応じて読影対象画像の選択が行われ、通信部44により画像サーバ3に選択された読影対象画像の取得要求が送信される(ステップS3)。
具体的に、ステップS3においては、まず、操作部42による操作に応じて、表示部33に検索画面が表示される。検索画面において操作部42により検索条件(患者ID、検査部位、側性等)が入力されると、入力された検索条件及び検索要求が通信部44により画像サーバ3に送信される。画像サーバ3においては、画像DB351の画像管理テーブルから検索条件に合致した医用画像の管理情報が検索され、検索条件に合致した医用画像のリストデータが作成されて通信部34により読影端末4に送信される。読影端末4においては、通信部44によりリストデータが受信されると、当該リストデータに基づく画像選択画面が表示部43に表示される。画像選択画面は、例えば、検査ID、患者ID、患者氏名、検査日、モダリティ種、検査部位、側性、方向等の項目を有するリストが検査単位で表示され、表示部43への表示対象とする医用画像を操作部42を介して選択可能な構成となっている。操作部42の操作により読影対象画像が選択されると、選択された読影対象画像の取得要求が通信部44により画像サーバ3に送信される。
【0046】
画像サーバ3においては、通信部34により読影対象画像の取得要求が受信されると、要求された読影対象画像の画像データ及び当該読影対象画像に対応するCAD情報が医用画像DB351から検索されて読み出される(ステップS4)。
【0047】
次いで、読影端末4において、操作部42の操作に応じて、読影対象画像の比較読影に用いる比較対象画像の選択が行われ、通信部44により画像サーバ3に選択された比較対象画像の取得要求が送信される(ステップS5)。
【0048】
画像サーバ3においては、通信部34により比較対象画像の取得要求が受信されると、要求された比較対象画像の画像データ及び当該比較対象画像に対応するCAD情報が医用画像DB351から検索されて読み出される(ステップS6)。そして、ステップS4で読み出されたCAD情報とステップS6で読み出されたCAD情報に基づいて、読影対象画像から検出された異常陰影候補の特徴量と比較対象画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量(ここでは、差分値とする)が算出される(ステップS7)。
ステップS7においては、まず、判断基準設定テーブル353が参照され、読影端末4からログイン中の読影医の読影医IDに対応する設定情報が読み出される。そして、設定情報が参照され、ログインしている読影医に対応する特徴量の種類が取得され、読影対象医用画像から検出された異常陰影候補の当該取得された種類の特徴量と、比較対象医用画像から検出された異常陰影候補の当該取得された種類の特徴量との差分値が算出される。
例えば、特徴量の種類として「検出数」が設定されている場合は、読影対象画像のCAD情報における「検出数」から比較対象画像のCAD情報における「検出数」が減算され、検出数の差分値が算出される。
例えば、特徴量の種類として「面積」が設定されている場合は、まず、周知の技術を用いて、読影対象画像と比較対象画像における位置の対応付けが行われる。例えば、特開2009−82564号公報に示されるように、乳頭を原点とする極座標系を読影対象画像及び比較対象画像のそれぞれに設定し、乳頭からの距離及び予め定めた基準線からの角度が一致する位置を両画像の対応する位置とする。次いで、読影対象画像における各異常陰影候補と、比較対象画像の各異常陰影候補との対応付けが行われる。例えば、極座標系において互いに位置が一致するか又は所定の範囲内にある異常陰影候補が対応する異常陰影候補として特定される。そして、読影対象画像のCAD情報及び比較対象画像のCAD情報における各異常陰影候補の領域(輪郭)の情報から各異常陰影候補の面積(例えば異常陰影候補の領域内の画素数を面積とする)が算出され、読影対象画像の各異常陰影候補の面積から比較対象画像における対応する異常陰影候補の面積が減算され、差分値が算出される。
【0049】
次いで、算出された差分値が設定情報の閾値と比較され、比較の結果、差分値が閾値を超えていると判断された場合(ステップS8;YES)、読影対象画像とそのCAD情報、比較対象画像とそのCAD情報、並びに予め定められた特徴量が閾値を超えていることを示す警告情報が通信部34により読影端末4に送信される(ステップS9)。なお、特徴量の種類が面積であり、複数の異常陰影候補が存在する場合は、一つでも差分値が閾値を超える異常陰影候補が存在すれば、差分値が閾値を超えていると判断される。比較の結果、差分値が閾値を超えていないと判断された場合(ステップS8;NO)、読影対象画像とそのCAD情報、比較対象画像とそのCAD情報が通信部34により読影端末4に送信される(ステップS10)。
【0050】
読影端末4においては、通信部44により読影対象画像等が受信されると、受信された読影対象画像及び比較対象画像が表示部43に表示される(ステップS11)。画像サーバ3から受信された情報に警告情報が含まれている場合は(ステップS12;YES)、さらに警告情報が表示部43に表示される(ステップS13)。
【0051】
図6に、ステップS13において表示部43に表示される画面例を示す。図6に示すように、読影対象画像と比較対象画像が一画面上に並べて表示される他、読影対象画像から検出された異常陰影候補の特徴量と比較対象画像から検出された異常陰影候補の特徴量の差分値が閾値を超えている場合、その旨を警告するダイアログDが表示される。図6においては、特徴量が「検出数」であり、閾値が1であり、差分値が3である場合に表示されるダイアログDを例として示している。このように、読影対象画像から検出された異常陰影候補の特徴量と比較対象画像から検出された異常陰影候補の特徴量の差分値が閾値を超える場合、その旨を示すダイアログDが表示されるので、異常陰影候補の変化が緊急性を要するものであるか否かを読影医が容易に把握することが可能となる。また、緊急性を要する場合には、ダイアログDにより読影医にその患者についての読影への注意力を高めさせることが可能となる。
【0052】
操作部42により比較対象画像を変更する指示が入力されると(ステップS14;YES)、処理はステップS5に戻る。操作部42により読影対象画像を変更する指示が入力されると(ステップS15;YES)、処理はステップS3に戻る。操作部42によりログオフが指示されると(ステップS16;YES)、ログオフが行われ(ステップS17)、医用画像表示処理は終了する。
【0053】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態の構成は、第1の実施の形態の構成と同様であるので説明を省略し、第2の実施の形態の動作について説明する。
【0054】
図7に、第2の実施の形態において画像サーバ3及び読影端末4により実行される医用画像表示処理(医用画像表示処理Bとする)のフローチャートを示す。医用画像表示処理Bのサーバ側処理は、制御部31と記憶部35に記憶されているプログラムとの協働により実行される。医用画像表示処理Bの読影端末側処理は、制御部41と記憶部45に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0055】
まず、読影端末4において、表示部43に表示されたログイン画面から操作部42によりユーザIDとしての読影医ID及びパスワードが入力され、ログインが指示されると、通信部44により読影医ID及びパスワードが画像サーバ3に送信される(ステップS21)。画像サーバ3においては、読影医ID及びパスワードが通信部34により受信されると、ユーザ認証が行われ、認証結果が読影端末4に通知される(ステップS22)。
【0056】
ユーザ認証で認証が許可されると、読影端末4において、操作部42の操作に応じて読影対象画像の選択が行われ、通信部44により画像サーバ3に選択された読影対象画像の取得要求が送信される(ステップS23)。
ステップS23の具体的な処理は、第1の実施の形態の図5のステップS3で説明したものと同様であるので説明を省略する。
【0057】
画像サーバ3においては、通信部34により読影対象画像の取得要求が受信されると、要求された読影対象画像の画像データ及び当該読影対象画像に対応するCAD情報が医用画像DB351から検索されて読み出される(ステップS24)。
【0058】
次いで、画像サーバ3において、読影対象画像と同一患者かつ同一検査条件(同一部位、同一側性、同一方向)の過去検査(読影対象画像より検査日が過去の検査)の医用画像(過去画像という)が検索される(ステップS25)。検索の結果、過去画像が存在しなかった場合(ステップS26;NO)、処理はステップS33に移行し、読影対象画像とそのCAD情報が通信部34により読影端末4に送信される(ステップS33)。検索の結果、過去画像が存在した場合(ステップS26;YES)、カウンタnに1がセットされ(ステップS27)、検索された過去画像のうち、n番目(検査日が読影対象画像に近いものから数えてn番目)の過去画像のCAD情報が画像DB351から読み出される(ステップS28)。
【0059】
次いで、ステップS24で読み出されたCAD情報とステップS28で読み出されたCAD情報に基づいて、読影対象画像から検出された異常陰影候補の特徴量とn番目の過去画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量(ここでは、差分値とする)が算出される(ステップS29)。差分値の算出については、第1の実施の形態の図5のステップS7で説明したものと同様であるので説明を省略する。
【0060】
次いで、算出された差分値が設定情報の閾値と比較され、比較の結果、差分値の値が閾値を超えていないと判断された場合(ステップS30;NO)、カウンタnが1インクリメントされ(ステップS31)、n>検索された過去画像数(ステップS25で検索された過去画像数)であるか否かが判断される(ステップS32)。n>検索された過去画像数ではないと判断されると(ステップS32;NO)、処理はステップS28に戻る。n>検索された過去画像数であると判断されると(ステップS32;YES)、読影対象画像とそのCAD情報が通信部34により読影端末4に送信される(ステップS33)。
【0061】
一方、比較の結果、差分情報の値が閾値を超えていると判断された場合(ステップS30;YES)、n番目の過去画像が比較対象画像として決定され(ステップS34)、読影対象画像とそのCAD情報、比較対象画像とそのCAD情報、並びに予め定められた特徴量が閾値を超えていることを示す警告情報が通信部34により読影端末4に送信される(ステップS35)。
【0062】
読影端末4においては、通信部44により読影対象画像等が受信されると、比較対象画像が受信されたか否かが判断される(ステップS36)。比較対象画像が受信されたと判断されると(ステップS36;YES)、受信された読影対象画像及び比較対象画像が警告情報とともに表示部43に表示される(ステップS37)。
【0063】
ステップS37においては、図6に示す画面例と同様に、読影対象画像及び比較対象画像が並べて表示部43に表示される。比較対象画像は、読影対象画像と同一患者の同一検査条件の過去画像のうち、読影対象画像からの異常陰影候補の特徴量の変化量が予め定められた閾値を超えた時点の過去画像である。図6に示すように、各画像の上部には、その画像を取得した検査日が表示されている。また、読影対象画像から検出された異常陰影候補の特徴量と比較対象画像から検出された異常陰影候補の特徴量との差分値が予め定められた閾値を超えていることを示す警告ダイアログDが表示される。
【0064】
このように、読影対象画像からの異常陰影候補の特徴量の変化量が予め定められた閾値を超えた時点の過去画像が読影対象画像と並べて自動的に表示されるので、読影医は、異常陰影候補が過去のどの時点から顕著に変化したか、その変化が緊急性を要するものであるか否かを容易に把握することが可能となる。例えば、面積が閾値を超えたときの比較対象画像が1年前の検査のものであれば緊急性を要するが、15年前の検査のものであれば緊急性を要しないと判断することができる。また、読影医が過去検査に遡って医用画像を検索及び選択して表示する操作が不要となり、読影作業を効率化することが可能となる。
【0065】
一方、比較対象画像が受信されていないと判断されると(ステップS36;NO)、受信された読影対象画像が表示部43に表示される(ステップS38)。
【0066】
操作部42により読影対象画像を変更する指示が入力されると(ステップS39;YES)、処理はステップS23に戻る。操作部42によりログオフが指示されると(ステップS40;YES)、ログオフが行われ(ステップS41)、医用画像表示処理Bは終了する。
【0067】
以上説明したように、第1の実施の形態における医用画像表示システムによれば、画像サーバ3の制御部31は、読影端末4の操作部42により選択された読影対象の医用画像のCAD情報及び比較対象として選択された同一患者の同一検査条件の過去検査の医用画像のCAD情報に基づいて、読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量と過去検査の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量(差分値)を算出し、当該変化量が予め定められた閾値を超えていると判断した場合は、その旨を警告する警告情報を通信部34により読影端末4に送信する。読影端末4の制御部41は、通信部44により画像サーバ3から警告情報を受信すると、当該警告情報を表示部43等により出力する。
【0068】
従って、読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量と比較対象の過去検査の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量の変化量が閾値を超えている場合に、その旨の警告を出力するので、読影対象の医用画像と過去検査の医用画像における異常陰影候補の変化が緊急性を要するものであるか否かを読影医が容易に把握することが可能となる。警告の出力は、例えば、警告情報を読影対象の医用画像とともに表示する等により行うことができる。
また、読影対象の医用画像と、操作部42の操作により比較対象として選択された過去検査の医用画像とを並べて表示する際に、両画像から検出された異常陰影候補の特徴量の変化量が閾値を超えている場合にその旨を警告することで、選択された過去検査の時点からの異常陰影候補の変化が緊急性を要するものであるか否かを読影医が容易に把握することが可能となる。
【0069】
また、第2の実施の形態における医用画像表示システムによれば、画像サーバ3の制御部31は、読影端末4の操作部42により選択された読影対象の医用画像と同一患者かつ同一検査条件の過去検査の医用画像が画像DB351に複数記憶されている場合に、読影対象の医用画像のCAD情報、及び読影対象の医用画像に検査日が最も近い過去検査の医用画像のCAD情報から順に画像DB351から読み出して、読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量の算出及び変化量と閾値との比較を行い、変化量が閾値を超えた時点の過去検査の医用画像を読影対象の医用画像と並べて表示すべき医用画像として決定する。そして、読影対象の医用画像及びCAD情報、その決定された過去検査の医用画像及びCAD情報、並びに警告情報を読影端末4に送信する。読影端末4の制御部41は、決定された過去検査の医用画像を読影対象の医用画像に並べて警告情報とともに表示部43に表示する。
【0070】
従って、読影医は、異常陰影候補が過去のどの時点と比べて顕著に変化したのか、その変化が緊急性を要するものであるか否かを容易に把握することが可能となる。また、読影対象の医用画像及びこれと異常陰影候補の顕著な変化を確認することのできる過去検査の医用画像が自動的に並べて表示されるので、読影医が過去検査に遡って医用画像を検索及び選択して表示する操作が不要となり、読影作業を効率化することが可能となる。
【0071】
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態においては、記憶手段及び制御手段としての機能を画像サーバ3に備え、出力手段、表示手段、操作手段としての機能を読影端末4にもたせることとして説明したが、これらの各手段は一つの装置に備えられている構成としてもよいし、記憶手段を画像サーバ3に、制御手段、操作手段、出力手段、表示手段としての機能を読影端末4にもたせる構成としてもよい。何れの場合においても、画像サーバ3、読影端末4のそれぞれの記憶部には、自装置に搭載された機能を実現するためのプログラムが記憶され、制御部とプログラムとの協働による制御により各機能が実行される。また、上記実施の形態においては、異常陰影候補検出装置2を画像サーバ3と別体の装置として説明したが、画像サーバ3が異常陰影候補検出装置2の検出プログラムを搭載し、画像サーバ3において異常陰影候補の検出を行う構成としてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態においては、出力手段を表示部43とし、警告情報を表示部43から表示出力させる場合を例にとり説明したが、音声を出力するための音声出力部を読影端末4に備える構成とし、音声出力部から警告情報を音声出力する構成としてもよい。
【0073】
また、上記実施の形態においては、乳房画像を例として説明したが、部位は乳房に限定されない。
【0074】
また、上記実施の形態においては、読影対象画像と比較対象画像とを並べて表示する画面上に警告情報を表示することとして説明したが、警告時に必ずしも比較対象画像を表示している必要はなく、例えば、読影対象画像の表示中に警告情報を表示又は音声により出力する構成としてもよい。
【0075】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0076】
その他、医用画像表示システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0077】
100 医用画像表示システム
1 画像生成装置
2 異常陰影候補検出装置
3 画像サーバ
31 制御部
32 操作部
33 表示部
34 通信部
35 記憶部
36 バス
351 画像DB
352 ログイン情報
353 判断基準設定テーブル
4 読影端末
41 制御部
42 操作部
43 表示部
44 通信部
45 記憶部
46 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像と、当該医用画像に関する患者情報及び当該医用画像に関する検査日及び検査条件を含む検査情報と、当該医用画像から検出された異常陰影候補の検出結果情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている医用画像の中から読影対象の医用画像を選択するための操作手段と、
前記操作手段により選択された読影対象の医用画像についての検出結果情報と、当該読影対象の医用画像と同一患者かつ同一検査条件の過去検査の医用画像についての検出結果情報とを前記記憶手段から読み出し、前記読み出された検出結果情報に基づいて、前記読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量と前記過去検査の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量を算出し、当該変化量が予め定められた閾値を超えているか否かを判断する制御手段と、
前記制御手段により前記読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量と前記過去検査の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量が予め定められた閾値を超えていると判断された場合に、その旨を警告するための当該警告情報を出力する出力手段と、
前記読影対象の医用画像を表示する表示手段と、
を備える医用画像表示システム。
【請求項2】
前記表示手段は、前記出力手段として、前記警告情報を前記読影対象の医用画像とともに表示出力する請求項1に記載の医用画像表示システム。
【請求項3】
前記表示手段は、前記過去検査の医用画像を前記読影対象の医用画像に並べて表示する請求項1又は2に記載の医用画像表示システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記読影対象の医用画像と同一患者かつ同一検査条件の過去検査の医用画像が前記記憶手段に複数記憶されている場合に、前記読影対象の医用画像に検査日が最も近い過去検査の医用画像の検出結果情報から順に前記記憶手段から読み出して前記変化量の算出及び前記変化量と前記閾値との比較を行い、前記変化量が前記閾値を超えた時点の過去検査の医用画像を前記読影対象の医用画像と並べて表示すべき医用画像として決定し、
前記表示手段は、前記制御手段により決定された過去検査の医用画像を前記読影対象の医用画像に並べて前記警告情報とともに表示する請求項2に記載の医用画像表示システム。
【請求項5】
前記操作手段は、前記読影対象の医用画像と同一患者かつ同一検査条件の過去検査の医用画像が前記記憶手段に複数記憶されている場合に、前記読影対象の医用画像と並べて表示すべき過去検査の医用画像を選択可能に構成され、
前記制御手段は、前記読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量と前記選択された過去検査の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量を算出し、当該変化量が予め定められた閾値を超えているか否かを判断し、
前記表示手段は、前記選択された過去検査の医用画像を前記読影対象の医用画像に並べて表示し、前記制御手段により前記読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量と前記選択された過去検査の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量が予め定められた閾値を超えていると判断された場合に、その旨を警告するための当該警告情報を表示する請求項2に記載の医用画像表示システム。
【請求項6】
前記操作手段は、前記特徴量の種類及び閾値をユーザ毎に設定可能に構成され、
前記制御手段は、ログインしたユーザについて設定されている特徴量の種類及び閾値を用いて前記判断を行う請求項1〜5の何れか一項に記載の医用画像表示システム。
【請求項7】
コンピュータを、
医用画像と、当該医用画像に関する患者情報及び当該医用画像に関する検査日及び検査条件を含む検査情報と、当該医用画像から検出された異常陰影候補の検出結果情報とを対応付けて記憶する記憶手段に記憶されている医用画像の中から読影対象の医用画像を選択するための操作手段、
前記操作手段により選択された読影対象の医用画像についての検出結果情報と、当該読影対象の医用画像と同一患者かつ同一検査条件の過去検査の医用画像についての検出結果情報とを前記記憶手段から読み出し、前記読み出された検出結果情報に基づいて、前記読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量と前記過去検査の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量を算出し、当該変化量が予め定められた閾値を超えているか否かを判断する制御手段、
前記制御手段により前記読影対象の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量と前記過去検査の医用画像から検出された異常陰影候補の特徴量との変化量が予め定められた閾値を超えていると判断された場合に、その旨を警告するための当該警告情報を出力する出力手段、
前記読影対象の医用画像を表示する表示手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−101759(P2011−101759A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258478(P2009−258478)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】