説明

医療用画像生成装置

【課題】 複数の医療用画像生成装置から生成された各画像に記録された時刻の整合性を取る。
【解決手段】
相互に通信可能に接続された内視鏡画像処理装置10と超音波画像処理装置30とは、夫々内視鏡画像と超音波画像とに取得された時刻を記録する。このとき、内視鏡時刻管理部17の内蔵時計が基準時刻を保持している場合、超音波画像処理装置30の起動時に、超音波時刻管理部36は、通信インターフェイス37、19を経由して、内視鏡時刻管理部17に対して基準時刻の取得要求を送信する。内視鏡時刻管理部17は、自身が保持する基準時刻を超音波時刻管理部36に、通信インターフェイス19、37を経由して返信する。超音波時刻管理部36は、返信された基準時刻に自身の内蔵時計を修正して、超音波画像には内視鏡画像と同期された基準時刻を記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被検体の診断画像を生成する医療用画像生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被検体の診断、治療のための各種の画像を生成する装置として内視鏡画像生成装置、超音波画像生成装置、X線画像生成装置等の種々の医療用画像生成装置を使用して、被検体の体内の画像を取得する。医療用画像生成装置は単体で使用される他に、他の種類の医療用画像生成装置と組み合わせて使用される場合もある。また、同一種類の医療用画像生成装置を組み合わせて使用する場合もある。
【0003】
異なる種類の医療用画像生成装置を組み合わせて使用するものの一例として、内視鏡画像生成装置と超音波画像生成装置とを組み合わせて使用するものが、例えば特許文献1に開示されている。内視鏡画像生成装置は内視鏡を体内に挿入して体腔内表面の内視鏡画像を表示するものであり、超音波画像生成装置は所定深度までの超音波断層像(超音波画像)を取得するものである。これら内視鏡画像生成装置と超音波画像生成装置とを組み合わせて使用することにより、内視鏡画像により体腔内表面で発見された病変部について超音波画像生成装置による超音波画像を取得することができ、被検体の診断、治療のために役立てることができる。
【特許文献1】特開2001−87265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、内視鏡画像、超音波画像に限らず、複数の医療用画像生成装置を使用して画像を取得する場合、単に表示を行うだけではなく、これらをファイリング装置等の記憶装置に蓄積しておき、後の診断や経過観察、臨床データとして種々の加工を施した上で、報告や発表あるいは各画像の整理等のために使用されるものがある。また、ファイリング装置に蓄積された画像を電子カルテとして使用することもできる。内視鏡画像生成装置と超音波画像生成装置とを使用して内視鏡画像と超音波画像とを取得するときには、夫々1枚の画像だけではなく多くの枚数の画像が取得される。
【0005】
ここで、内視鏡画像と超音波画像が取得されたときには、通常、夫々内視鏡画像生成装置と超音波画像生成装置とによって取得された時刻が内視鏡画像と超音波画像とに記録される。従って、当該時刻により内視鏡画像と超音波画像とは関連付けられることになる。ここで、内視鏡画像に記録された時刻と超音波画像に記録された時刻とが一致していれば別段の問題はないが、一致していない場合は内視鏡画像と超音波画像との整合性が取れなくなる。すなわち、内視鏡画像と超音波画像とに記録された時刻にずれが生じると、同時刻に取得された内視鏡画像と超音波画像とを関連付けができなくなる。逆に、本来は異なる時刻に取得されたはずの内視鏡画像と超音波画像とが関連付けられてしまうこともある。その結果、内視鏡画像と超音波画像との間の関連性を検証できなくなるという問題がある。
【0006】
この問題は、内視鏡画像生成装置と超音波画像生成装置とが異なる診断装置であることに起因している。すなわち、内視鏡画像生成装置と超音波画像生成装置とは別個独立の診断装置であるため、夫々の装置に別個独立に時計を内蔵している。かかる内蔵時計は時間の経過とともにずれを生じることは一般的に知られており、従って内視鏡画像生成装置の内蔵時計と超音波画像生成装置の内蔵時計とは次第に刻む時刻にずれが生じてくる。このため、ファイリング装置に蓄積されていく内視鏡画像及び超音波画像に付与される時刻にはずれが生じることになる。従って、内視鏡画像と超音波画像との整合性が取れなくなり、臨床データとしての利用の弊害となる。
【0007】
勿論、この問題は、内視鏡画像生成装置と超音波画像生成装置との間に限ったことではなく、複数の医療用画像生成装置を組み合わせて使用した場合に発生する問題である。特に、診断装置の電源が投入された状態である場合はともかく、長時間に渡って切断された状態にある場合は、診断装置の内蔵時計が刻む時刻は秒・分単位ではなく、時間又は日にちの単位で大幅にずれが生じることがある。ここで、複数の医療用画像生成装置を併用するときに、併用される医療用画像生成装置が頻繁に使用されるものであれば、内蔵時計にずれが生じたとしても、許容範囲の誤差で収まることもある。内蔵時計のずれが許容誤差の範囲内であれば、臨床データや種々の用途として利用に供することができる可能性もある。しかし、ある医療用画像生成装置は頻繁に使用されるが、ある医療用画像生成装置は極めて稀にしか使用されない場合、夫々の医療用画像生成装置は生成する画像に対して大幅にずれた時刻を記録することになる。この場合、最早臨床データとしての使用をすることはできなくなる。
【0008】
そこで、本発明は、相互に通信可能に接続された複数の医療用画像生成装置の時刻を同期させて各医療用画像生成装置が取得した画像の時刻の整合性を取ることができる医療用画像生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の医療用画像生成装置は、同時に使用することができる複数の医療用画像生成装置が相互に通信可能に接続され、前記複数の医療用画像生成装置は夫々自身の持つ時刻を管理する時刻管理手段を具備し、前記複数の医療用画像生成装置又は前記複数の医療用画像生成装置に接続される他の装置のうち何れか1の装置が基準時刻を保持する基準時刻保持手段を有し、前記基準時刻保持手段を有しない医療用画像生成装置は、通信を行って前記基準時刻保持手段から前記基準時刻を取得することにより、前記医療用画像生成装置に具備される時刻管理手段に記憶される時刻を前記基準時刻に同期させ、前記複数の医療用検査装置は夫々、自身が生成する画像に対し同期された前記基準時刻を記録し、前記複数の医療用画像生成装置に通信可能に接続される記憶手段に前記基準時刻が記録された前記画像を記録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の医療用画像生成装置は、異なる医療用画像生成装置から取得された画像の時刻の整合性を取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本発明の医療用画像生成装置としては、内視鏡画像生成装置、超音波画像生成装置、X線画像生成装置その他の任意の装置を組み合わせて使用することができる。ここでは、内視鏡画像生成装置と超音波画像生成装置とを組み合わせたものを例示して説明するが、勿論これに限定されず、任意のものを組み合わせて使用することができる。
【0012】
図1の医療用画像生成装置は、内視鏡画像生成装置1と超音波画像生成装置3とから構成され、内視鏡画像生成装置1と超音波画像生成装置3とは同時に使用可能とするために、同一の検査室内に設置される。内視鏡画像生成装置1は、内視鏡画像処理装置10と内視鏡画像処理装置10に接続されるスコープ10Sとモニタ50とを有して構成され、超音波画像生成装置3は超音波画像処理装置30と超音波画像処理装置30に接続される超音波プローブ30Pとモニタ60とを有して構成される。そして、内視鏡画像処理装置と超音波処理装置30とは同一のファイリング装置70に通信可能に接続される。また、内視鏡画像処理装置10及び超音波画像処理装置30にはファイリング装置70を含む他の装置(例えば、病院内に設置される他のコンピュータ等)が通信可能に接続される。
【0013】
内視鏡画像処理装置10は、TG11、CCD駆動装置12、CDS/AGC(Correlated Double Sampling/Auto Gain Control)13、A/D(Analog Digital Converter)14、内視鏡信号処理部15、D/A(Digital Analog Converter)16、内視鏡時刻管理部17、標準時刻作成部18、通信インターフェース19、外部接続インターフェース20を有して構成される。一方、超音波画像処理装置30は、走査制御部31、送受信回路32、A/D33、超音波信号処理部34、D/A35、超音波時刻管理部36、通信インターフェース37、外部接続インターフェース38を有して構成される。
【0014】
最初に、内視鏡画像処理装置10について説明する。内視鏡画像処理装置10に接続されるスコープ10Sは本体操作部に体腔内へ挿入する挿入部が連設したものからなる。スコープ10Sの挿入部先端には固体撮像素子(CCD:Charge Coupled device)10Cが設けられ、固体撮像素子10Cは内視鏡画像処理装置10からの駆動制御信号に基づいて駆動し、また体腔内表面の観察画像を内視鏡画像処理装置10に出力する。TG11は所謂タイミングジェネレータと呼ばれるものであり、スコープ10Sの固体撮像素子10Cの駆動制御を行うための各種タイミングパルスを生成するものである。CCD駆動装置12は、TG11からのタイミングパルスに基づいて固体撮像素子10Cに駆動制御信号を出力する。
【0015】
固体撮像素子10Cから出力された画像データは、CDS/AGC13において不要なノイズ除去等のための相関二重サンプリング、出力信号を一定強度に補正する自動利得制御が行われ、A/D14においてアナログデータからデジタルデータに変換される。そして、このデジタルデータは内視鏡信号処理部15において、色補正、ガンマ補正等の所定の信号処理が施される。これにより内視鏡画像が生成される。ここで、内視鏡信号処理部15は、生成した内視鏡画像に対して内視鏡時刻管理部17から出力された時刻情報を内視鏡画像に記録する。時刻情報を含む内視鏡画像はD/A16においてデジタルデータからアナログデータに変換され、モニタ50の画面上に表示される。このとき、D/A16は時刻情報を含む内視鏡画像をモニタ50だけではなく、外部接続インターフェース20を経由して、ファイリング装置70にも出力する。
【0016】
内視鏡時刻管理部17は、内視鏡信号処理装置10に具備される内蔵時計を含み、内蔵時計の同期、他の制御部への時刻の出力その他の制御を行う。ここでは、内視鏡時刻管理部17の内蔵時計の時刻を基準時刻として定義する。従って、内視鏡時刻管理部17は基準時刻を保持する基準時刻保持手段を構成する。標準時刻作成部18は、例えば医療用画像生成装置を使用する国(以下、使用国という)の標準時刻を作成するためのものであり、当該標準時刻に内視鏡時刻管理部17の内蔵時計を合わせることにより、使用国の標準時刻に基準時刻を合わせることができる。
【0017】
標準時刻作成部18の一例を図2(a)及び(b)に示す。図2(a)には、基準時刻を電波時計により使用国の標準時刻に合わせるものが示されている。この場合は、標準時刻の情報を含む標準電波を電波送信所Sから受信部183において受信し、マイクロプロセッサ182において標準電波の解読を行い、出力インターフェース181を介して標準時刻を基準時刻として内視鏡時刻管理部17に出力する。図2(b)には、基準時刻をNTP(Network Protocol Server)サーバにより標準時刻に合わせるものが示されている。この場合は、使用国の標準時の時間情報を提供するNTPサーバからインターネット網INを介して標準時刻をコンピュータ185が受信し、コンピュータ185が出力インターフェース184を介して受信した標準時刻を基準時刻として内視鏡時刻管理部17に出力する。
【0018】
これらを使用して、内視鏡時刻管理部17の基準時刻を使用国の標準時刻にあわせることができる。ただし、本発明では、最低限、内視鏡画像に記録される時刻と超音波画像に記録される時刻との整合性が取れていれば、必ずしも使用国の標準時刻と一致したものでなくてもよい。この場合は、標準時刻作成部18は必須の構成要素ではなくなるが、基準時刻は使用国の標準時刻と一致したものである方が好ましい。
【0019】
そして、内視鏡画像処理装置10には通信インターフェース19が具備されるが、通信インターフェース19は、超音波画像処理装置30の通信インターフェース37と通信可能に接続される。接続方法としては有線又は無線の何れも適用することができる。かかる接続により、内視鏡画像処理装置10と超音波画像処理装置30とは情報の授受が可能になる。
【0020】
次に、超音波画像処理装置30について説明する。超音波画像処理装置30には超音波プローブ30Pが接続される。超音波プローブ30Pの先端にはラジアル方向又はリニア方向に走査を行う超音波振動子30Tが設けられており、超音波を被検体に向けて送信し、受信した反射エコーを受信信号に変換して超音波画像処理装置30に出力する。超音波プローブ30は、内視鏡画像処理装置10に接続されるスコープ10Sの挿入部の先端に設けられる鉗子その他の処置具を挿通するための処置具挿通チャンネルに挿通されて、被検体の体内を超音波走査することが可能になる。
【0021】
超音波画像処理装置30の送受信回路31は、超音波プローブ30Pの超音波振動子30Tと接続され、超音波振動子30Tの駆動するための駆動信号の送信及び超音波振動子30Tから出力される受信信号の受信を行う。超音波振動子30Tから受信した受信信号はA/D33によりアナログデータからデジタルデータに変換され、超音波信号処理部34に入力される。超音波信号処理部34では、受信したデジタルデータの走査方向の変換を行って1フレーム分の超音波画像を形成する。このとき、超音波信号処理部34は、形成された超音波画像に対して超音波時刻管理部36から出力される時刻情報を記録する。そして、時刻情報を含む超音波画像がD/A35においてデジタルデータからアナログデータに変換されて、モニタ60の画面上に超音波画像が表示される。このとき、D/A35からは時刻情報を含む超音波画像が外部接続インターフェース38を介して、ファイリング装置70にも出力される。
【0022】
そして、超音波時刻管理部36は、内視鏡画像処理装置10の内視鏡時刻管理部17と同様に内蔵時計を含み、内蔵時計の同期、他の制御部への時刻の出力その他の制御を行う。超音波時刻管理部36の内蔵時計は内視鏡時刻管理部17の内蔵時計とは別個独立に動作するものである。従って、内視鏡時刻管理部17の内蔵時計の時刻と超音波時刻管理部36の内蔵時計の時刻との間に時間のずれが生じていることがある。
【0023】
そこで、超音波画像処理装置30の電源が投入されたときには、超音波時刻管理部36は、通信インターフェース37に通信可能に接続される内視鏡画像処理装置10の通信インターフェース19を経由して内視鏡時刻管理部17に内蔵時計の基準時刻を取得する要求を送信する。内視鏡時刻管理部17は、当該要求を受信すると、通信インターフェース19、37を経由して、内蔵時計が保持する基準時刻を超音波時刻管理部36に返信する。超音波時刻管理部36は、基準時刻を受信したときには、自身の内蔵時計の時刻を受信した基準時刻に修正する。これにより、内視鏡時刻管理部17の内蔵時計と超音波時刻管理部36の内蔵時計とは同期されることになる。従って、超音波信号処理部34において生成される超音波画像には、内視鏡画像に記録される時刻(基準時刻)と同期された時刻が記録されることになる。
【0024】
ファイリング装置70は種々の情報を記録する記憶装置であり、内視鏡画像処理装置10及び超音波画像処理装置30に通信可能に接続される。ファイリング装置70には、内視鏡画像処理装置10から時刻情報を含む内視鏡画像が出力され、超音波画像処理装置30から時刻情報を含む超音波画像が出力される。ファイリング装置70は、これらの内視鏡画像及び超音波画像を蓄積しておき、後の診療や経過観察、臨床データとして種々の加工を施した上で、報告や発表あるいは各画像の整理等のために使用することもできる。また、ファイリング装置70に蓄積される内視鏡画像に記録される時刻情報と超音波画像に記録される時刻情報とは同期されていることから、時間的にずれを生じることがない。従って、内視鏡画像と超音波画像との整合性が取れなくなるという問題は招来しない。
【0025】
以上は、超音波プローブをスコープの処置具挿通チャンネルに挿通するタイプのものについて説明したが、例えば内視鏡挿入部の先端に内視鏡観察手段と超音波観測手段とを一体に装超した超音波内視鏡にも本発明を適用することができる。超音波内視鏡は、挿入部の先端硬質部に前方を視野とする固体撮像素子を設け、先端硬質部の軸線方向又は軸周りには多数の超音波振動子を配列して構成される。このとき、内視鏡観察手段は内視鏡画像生成装置に接続され、超音波観測手段は超音波画像生成装置に接続される。従って、超音波内視鏡の場合においても、別個独立の処理装置を要するため、本発明を適用して、内視鏡画像生成装置の内蔵時計と超音波画像生成装置の内蔵時計とを同期させることができる。
【0026】
ただし、超音波内視鏡においては、内視鏡画像生成装置と超音波画像生成装置との使用頻度は双方とも高いが、超音波プローブをスコープの処置具挿通チャンネルに挿通するタイプのものについては、内視鏡画像を主に取得し、補助的に超音波画像を取得する場合がある。かかる場合、内視鏡画像生成装置は頻繁に使用される一方、超音波が画像処理装置の使用頻度は低いため、本発明はより効果を発揮することになる。
【0027】
また、内視鏡画像生成装置と超音波画像生成装置とを組み合わせて使用するものの他にも、同一の検査室内で同一種類の医療用画像生成装置が複数台設置されている場合にも本発明を適用することができる。例えば、同一検査室内に複数の内視鏡画像生成装置が設置されているものについても適用することができる。
【0028】
そして、内視鏡画像生成装置側の内蔵時計の時刻を基準時刻であるものとして説明したが、超音波画像生成装置側の時刻を基準時刻としてもよい。この場合は、内視鏡画像生成装置の電源が投入されたときに、超音波画像生成装置に対して基準時刻の取得要求を行い、超音波画像生成装置から返信された基準時刻に自身の内蔵時計を修正すれば、内視鏡画像の記録される時刻と超音波画像に記録される時刻とは整合性を取ることができる。要は、複数の医療用画像生成装置が相互に通信可能に接続されているときに、何れか1つの医療用画像生成装置に基準時刻保持手段を具備し、他の医療用画像生成装置は基準時刻保持手段から取得した時刻情報に自身の内蔵時計を同期させるものであればよい。また、複数の医療用画像生成装置の何れにも基準時刻保持手段が具備されない場合でも、例えばファイリング装置や医療用画像生成装置が設置される病院のコンピュータ等の医療用画像生成装置と接続される他の装置に基準時刻保持手段を具備し、全ての医療用画像生成装置は当該基準時刻保持手段から取得した時刻情報に自身の内蔵時計を同期させてもよい。
【0029】
また、内蔵時計の時刻の同期を行うタイミングとして、電源投入時に行うものを説明したが、他のタイミングで同期を行ってもよい。例えば、内視鏡画像生成装置と超音波画像生成装置とが接続されたときに同期を行ってもよいし、両者が接続されている状態で一定時間ごとに同期を行ってもよい。また、術者等が手動で同期のタイミングをとってもよい。
【0030】
以上説明したように、本発明は、複数の医療用画像生成装置の時刻を統一した基準時刻に同期させることができるため、各医療用画像生成装置が生成する画像に記録される時刻にずれが生じることはない。このため、後に臨床データとしての利用に供するとき、あるいは電子カルテとして使用するときに各画像の整合性が取れないという問題は招来することがない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】内視鏡画像生成装置と超音波画像生成装置とを組み合わせて使用するときの概略構成図である。
【図2】標準時刻作成部の概略構成図である。
【符号の説明】
【0032】
10 内視鏡画像処理装置 15 内視鏡信号処理部
17 内視鏡時刻管理部 18 標準時刻作成部
30 超音波画像処理装置 34 超音波信号処理部
36 超音波時刻管理部 19、27 通信インターフェース
70 ファイリング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同時に使用することができる複数の医療用画像生成装置が相互に通信可能に接続され、前記複数の医療用画像生成装置は夫々自身の持つ時刻を管理する時刻管理手段を具備し、
前記複数の医療用画像生成装置又は前記複数の医療用画像生成装置に接続される他の装置のうち何れか1の装置が基準時刻を保持する基準時刻保持手段を有し、
前記基準時刻保持手段を有しない医療用画像生成装置は、通信を行って前記基準時刻保持手段から前記基準時刻を取得することにより、前記医療用画像生成装置に具備される時刻管理手段に記憶される時刻を前記基準時刻に同期させ、
前記複数の医療用検査装置は夫々、自身が生成する画像に対し同期された前記基準時刻を記録し、前記複数の医療用画像生成装置に通信可能に接続される記憶手段に前記基準時刻が記録された前記画像を記録することを特徴とする医療用画像生成装置。
【請求項2】
前記複数の医療用検査装置は、1又は複数の超音波画像生成装置と1又は複数の内視鏡画像生成装置とから構成され、
前記記憶手段には、前記基準時刻が記録された前記超音波画像生成装置が生成する超音波画像と、前記基準時刻が記録された前記内視鏡画像生成装置が生成する内視鏡画像とが記録されることを特徴とする請求項1記載の医療用画像生成装置。
【請求項3】
前記基準時刻保持手段を具備しない医療用画像生成装置は、当該医療用画像生成装置を起動したときに、前記基準時刻保持手段を有する装置と通信を行い、前記基準時刻を取得して前記時刻管理手段に記憶される時刻を前記基準時刻に同期させることを特徴とする請求項1記載の医療用画像生成装置。
【請求項4】
前記基準時刻保持手段は、標準時刻を発信する電波時計の時刻に基づいて前記基準時刻を生成することを特徴とする請求項1記載の医療用画像生成装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−271695(P2006−271695A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−95181(P2005−95181)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000005430)フジノン株式会社 (2,231)
【Fターム(参考)】