説明

医療装置用の最適なエネルギ状態のデータ送信

【解決手段】ユーザへの身体にて及び(又は)ユーザの体内にて使用される医療装置1が開示されており、該医療装置は、送信機装置5と、送信機装置5と接続された起動スイッチ6とを備え、また、起動スイッチ6が起動信号を受信したとき、送信機装置5を起動させることができる、医療装置1と外部装置2との間にてデータを送信し、医療装置が休止状態にあるとき、データを送信する前に、外部装置2は医療装置1を起動する、方法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置、医療装置から且つ(又は)医療装置へ最適なエネルギ状態にてデータの送信を作動させるシステム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、患者の皮膚に取り付けられた注入ポンプ又はセンサのような医療装置を作動させるとき、医療装置を作動させるデータを例えば、遠隔制御装置から医療装置に送信することができ又はセンサの測定データを外部装置に送信することができることはユーザにとって利点である。
【0003】
米国特許明細書6,551,276号には、遠隔制御装置により起動させることができる外部の注入装置が開示されている。該注入装置は、受信機を備えており、該受信機は、いわゆる待機モードにあることができ、また、約2.5秒毎に自動的に起動させて無線信号が遠隔制御装置により発せられたかどうかを確認することができ、その結果、無線の遠隔制御装置は、例えば、約5秒の期間に渡って起動信号を発し、その起動信号を受信機によって検出することができるような設計とされる。
【0004】
米国特許明細書4,396,295号には、投薬量を分与するユニットを有する植込み型測定装置が記載されており、外部制御装置をこの装置と連結して例えば注入量を変化させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、少量のエネルギを使用してデータ送信を許容する医療装置、システム及び方法を提案することである。
この目的は、独立請求項に規定された主題事項によって実現される。有益な実施の形態は、従属請求項に規定されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、皮下センサ、特に血糖センサ又はポンプ、特に、植え込み可能であり且つ最小侵襲式又は非侵襲式とすることのできる注入ポンプのようなインスリンポンプ又はユーザの身体にて且つ(又は)ユーザの体内にて使用されるペンのような医療装置は、測定センサ、プロセッサ、メモリ又はプロセッサにより起動させることができる電気モータのような少なくとも1つの電気又は電子機能装置を有し、また、送信のため、換言すればデータの送信及び(又は)受信のため送信機及び(又は)受信機装置を有することが好ましい。本発明は、送信機及び(又は)受信機装置及び(又は)少なくとも1つの電子式作動装置と接続される起動スイッチを提供することを提案するものである。該起動スイッチは、外部の起動信号によって起動させ、送信機及び(又は)受信機装置及び(又は)少なくとも1つの電子機能装置を起動して無線通信リンクを確立し測定データをセンサから例えば外部装置に送信し又は基準量を設定すべくデータを制御し又は例えばボーラスを例えばインスリンポンプに分与し、あるいは通信リンクにより接続された装置を同期させることができる。本発明の目的のため、通信は必要とされたときにのみ行われる、換言すればオンデマンドにて行われ、起動スイッチはデータ送信を起動させるために必要とされ、受信機及び送信機、換言すれば、医療装置及び制御装置又はそのそれぞれの入力/出力装置のような外部装置は、互いに直接物理的に接触するか又は互いに配設され、送信機と受信機との間が予め規定した最大距離以下に減少するときにのみ通信リンクを設定し又は確立することができることを保証する。更に、外部装置の起動要素により起動させることができる、医療装置の起動スイッチは、医療装置及び外部装置が互いに予め規定された向きとならない限り、起動信号又は認証信号を発することができない、換言すれば、送信機及び受信機装置又は送信機及び受信機要素は、互いに多少なりとも対向する位置にある。
【0007】
このことは、医療装置の必要なエネルギ量を減少させることを可能にし、その理由は、外部装置の協働する送信機又は受信機が範囲内にない限り、データを送信する電気又は電子的構成要素は起動されないからである。送信機及び受信機装置は、ユーザの衣服に取り付けられた外部装置から例えば、この衣服を通して下方に配設された患者の皮膚又は植え込んだ医療装置までデータを送信するか或いはデータをこの医療装置により受信するのに十分である、例えば5cm以下のような比較的短い距離を亙ってのみ作動させることができるような寸法又は設計とすることができる。本発明により提案されたデータ送信装置は、必要な電力容量が比較的低くて済むため、この装置は、1m程度の範囲の距離にて作動する設計とされたデータ送信装置と比較して比較的小型の設計とすることができ、また、アンテナ、誘電コイルのような送信機及び受信機要素又はランプ又はフォトダイオード又は拡声器及びマイクロフォンのような電磁波を送信し又は受信するその他の要素の必要な距離及び電力容量は短く又は少なくてよい。
【0008】
起動スイッチは、外部装置により供給された電力を受け取り又は取り上げて、例えば、外部装置と連通するか又は例えば、外部装置により予め規定された動作を実行する要素又は構成要素とすることができる。この場合、必須のエネルギは外部装置により供給されるから、医療装置は電力供給源を必要としない。起動スイッチは、例えば誘電コイルの形態にて提供することもでき、また、誘電コイル付近に配設された外部装置は、例えば誘電コイルを有し且つ、誘電コイルの誘電性連結部を介して電力を医療装置に送信し、誘電コイルが起動され且つ、例えば、測定が行われるようにすることができるようにする。
【0009】
これと代替的に又はこれに加えて、磁気スイッチの形態をした起動スイッチを例えば、リード接点の形態にて提供することもでき。該リード接点は、外部の磁界によって起動される、換言すれば、例えば、外部装置に設けられた永久磁石又は電磁石によって起動され、また、送信機及び受信機装置のような医療装置内に設けられた電気式又は電子式構成要素とのリンクが確立され、電源は、同様に、例えばバッテリ又はアキュムレータの形態にて医療装置内に設けられる。例えばフォトダイオード又はマイクロフォンのような電磁界、音又は光又は磁気又は容量性効果を検出することができるその他のセンサを起動スイッチとして使用することができる。
【0010】
この点において、起動スイッチは、起動信号が最早、受信されない場合、換言すれば、起動後に、再度、外部装置からの所定の最小距離を上回ったとき、外部装置により確立された通信リンクが再度遮断されるような設計とすることができる。これと代替的に又はこれに加えて、例えば、データを送信するため、又はボーラスを分与し且つ(又は)作動信号を送信するといった予め規定された動作を実行するのに必要とされる予め規定された期間だけ、医療装置を起動させてもよい。
【0011】
起動スイッチは、例えばゴム型表面要素のような機械式スイッチの形態にて設けることもできる。該ゴム型表面要素は、例えば機械式スイッチング操作が開始されたとき、医療装置の電源又は送信機/受信機装置を起動させ、例えば、医療装置に取り付けられた外部装置によって圧力を機械式スイッチに加えることができる。この場合、医療装置は、例えば、外部装置の相補的な輪郭外形と協働する表面輪郭外形を有し、外部装置は、特定の向きにて表面輪郭外形により医療装置に取り付けて医療装置を起動させ又はデータリンクを確立し得るようにする必要がある。医療装置と外部装置とが直接接触する場合、データリンク又はこれと代替的に電力送信は、医療装置の及び外部装置の協働する接点要素が互いに接触するとき、電線を介して行われるようにすることもできる。
【0012】
本発明は、上記に概略説明した型式の医療装置を起動する遠隔制御装置又は血糖測定装置のような制御装置に更に関するものであり、該制御装置は、起動装置の形態の外部装置を有しており、該外部装置によって医療装置の1つ又はより多くの起動スイッチを起動させ又は作動させることができる。外部装置における起動装置は、例えば、磁石、特に永久磁石又は電磁石、電力を医療装置に送信する誘電コイル、拡声器、ランプ又は機械式スイッチを作動させる特定の表面輪郭外形とすることができる。制御装置は、医療装置とのデータリンクを確立することができる送信機及び(又は)受信機装置も有している。この場合、制御装置の起動装置が起動信号を発したか又は機械式接点、無線リンク及び(又は)例えば誘電性連結部のような医療装置との接続が確立されたか又は存在することを制御装置が検出したとき、送信機及び(又は)受信機装置が起動される。
【0013】
外部装置は、例えば、ユーザが制御装置内に制御信号を入力することを可能にする、例えば、キーボード又はタッチスクリーンのような入力装置を有することができる。該制御信号は、外部装置により医療装置に送信して例えば、基本量又はボーラスを設定するといった、植え込んだインスリンポンプの作動モードを制御することができる。制御装置は、ディスプレイ装置又はディスプレイを有することが好ましい。該ディスプレイ装置又はディスプレイにて、送信すべき制御データ、ユーザが入力した命令又はパラメータ或いは、例えば、センサの測定データのような医療装置から受信したデータを表示することができる。制御装置は、USBインターフェース、赤外線インターフェース又は例えば、ブルートゥースインターフェースのような別の電気装置と通信し、例えばコンピュータ、携帯電話又はPDAとデータ交換を行うことを可能にする、換言すれば、実行すべき「長距離」通信と称されるであろう通信を実行することを可能にするインターフェースを有することが好ましい。
【0014】
本発明は、患者の身体にて又は体内にて実行されることが好ましい、上記に概説した型式の医療装置及び上記に概説した型式の外部制御装置を有するデータの送信システムに更に関するものである。これらの装置は、送信機及び(又は)受信機装置が起動されたとき、同期させることもできる。
【0015】
別の形態のため、本発明は、医療装置と外部装置との間にてデータを送信する方法にも関し、医療装置が休止状態にあるとき、該医療装置は、データを送信する前に外部装置により起動させることができる。この場合、外部装置が提供されず又はデータリンクを確立するため起動されないとき、医療装置は、少量のエネルギのみを消費し又は全く消費せずに休止状態に止まることができる。この場合、医療装置は、データの送信を行う準備ができた外部装置又は制御装置により事前に起動されたとき、エネルギをデータ送信のためにのみ消費する。
【0016】
医療装置は、例えば電気、磁気又は電磁界、音及び(又は)光によって、非接触式に起動されることが好ましい。制御装置と直接物理的に接触することにより医療装置を起動することも可能である。医療装置は、例えば、2ないし10cmの予め規定された距離以下に減少したときにのみ起動されることが好ましく、この場合、医療装置の起動スイッチは、再度、予め規定された距離を上回ったとき、医療装置と外部装置との間の通信を遮断することができる。医療装置は、特定の制限時間に基づいて起動させるか又は送信機又は受信機装置を介して測定データをセンサのメモリから外部装置に伝送するような動作を完了したとき、終了させることもできる。この測定データは、外部装置に送信されたときに、又は送信されたデータが正確に受信されたことを認識する確認信号が受信された後に、医療装置のメモリから削除することができる。かかるデータ送信の場合、最後のデータ交換以後に編集された全てのデータ、例えば、関係した検出時間を有する測定値のようなデータを送信し且つ例えば削除し、新たなデータを保存するためにのみ、医療装置のメモリが利用可能であるようにすることができる。
【0017】
識別コードは、医療装置及び(又は)外部装置により送信して、データがその他の無関係なシステムの間にて偶発的に送信されるのを防止することが好ましい。識別コードは、例えば、無線プロトコルの一部とし、また、システムの構成要素内に恒久的にプログラム化することができる。別の選択肢は、例えばシステムが始動したとき、識別コードが自由にプログラム化可能であるようにすることである。この場合、ユーザによって起動されたとき、2つの構成要素を互いに連結することができる。識別目的のため、制御装置にかけるRFIDトランスポンダーと共に、医療装置におけるRFIDタグを使用することができる。
【0018】
本発明は、好ましい実施の形態の例に基づいて以下に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1には、外来治療を受けるユーザの皮膚3に装着することができ、また、皮膚3に取り付け又は植え込むことができる、例えばポンプ又はプランジャとすることができる医療装置1を備える、本発明により提案されるシステムの第一の形態が示されている。医療装置1は、外部制御装置2の協働する誘電コイル6´から誘電結合を介して送電された電力を取り上げる誘電コイル6を有しており、医療装置1の誘電コイル6は、装置1の送信機/受信機装置5及びプロセッサ7に対する起動スイッチとして作用し、また、誘電コイル6によって電力が供給される。プロセッサ7は、メモリ8と連結され、また、プロセッサが起動されたとき、送信機/受信機装置5を起動して、例えば、測定又は形態データをメモリ8から装置5を介して外部制御装置2の協働する送信機/受信機装置5´に送信するか又は例えば、医療装置1に対する形態データのような反対方向に向けた受信したデータを処理し且つ(又は)そのデータをメモリ8に記憶させる。バッテリ11を医療装置1内に選択随意的に設けることもできる。該バッテリは、例えば、医療装置1のセンサ又はポンプが機能するのに必要とされる電力を供給し、これにより、データ通信のため医療装置1に電力を供給することを不要にする。
【0020】
医療装置1と同様に、例えば、血糖測定装置とすることになろう外部制御装置2はまた、プロセッサ7´と、メモリ8´とを有しており、該メモリ8´は、ユーザがタッチスクリーン10を介して入力したデータ及び(又は)医療装置1から受信したデータを保存し又はデータを送信機/受信機装置5、5´を介して医療装置まで送信することを可能にする。外部制御装置2に電力を供給するためバッテリ又はアキュムレータ9が設けられる。電力の伝送のため、誘電コイル6、6´により起動されたとき、医療装置1と外部制御装置2との間の通信を確立することができ、また、これらの装置の間のデータの送信が終了したとき、制御装置2のメモリを例えば、図3及び図4に関して説明する型式の別の装置により読み取ることができる。電子式構成要素装置5ないし9及び11は、図示した例にてボード4に取り付けられる。
【0021】
図2には、例えばリード接点のような医療装置1内の磁気スイッチ12を起動させるため、永久磁石6´が制御装置2内に設けられているから、図1に示した第一の実施の形態と相応する本発明により提案されたシステムの第二の実施の形態が示されている。このため、起動スイッチとして作用する磁気スイッチ12は、医療装置1の送信機/受信機装置5及び(又は)プロセッサ7を起動させ且つデータの送信のため、これらを解放することができる。
【0022】
図3には、本発明により提案されたシステムの第三の実施の形態が示されており、この形態において、医療装置1は、例えば、誘電コイル6´又は永久磁石6´´が医療装置1の誘電コイル6又は磁気スイッチ12と協働することにより外部制御装置2によって起動され又はデータを送信する。外部制御装置2は、例えばPC、携帯電話又はPDAのような別の外部の装置13とのデータリンクを確立することができるような設計とされている。このため、例えば医療装置1から送信されたデータは、外部装置13に送信するか又はそのデータを外部装置から反対方向に受信することができる。
【0023】
図4には、本発明により提案されたシステムの第四の実施の形態が示されており、この第四の実施の形態は、図3に示した第三の実施の形態と同様に、例えば短い状況信号のような、特定の信号に対して医療装置1と制御装置2との間のより長い距離を渡ってデータの通信を作動させることもできる。この目的のため、医療装置1の送信機/受信機装置5は、例えば、多量のエネルギを使用して数mに渡って状況信号又は要求信号が短時間だけ発せられるような設計とすることができる。この信号は、より長い距離を渡って制御装置2まで送信し制御装置2のユーザに対し、医療装置1との通信を確立しなければならないことを知らせることもできる。
【0024】
図5及び図6には、本発明により提案されたシステムの第五の実施の形態が示されており、この第五の実施の形態は、医療装置1と外部制御装置2との間にてデータを交換することを許容し、医療装置は、センサ又はポンプ又は注入ポンプ或いはいわゆるパッチモジュールのような、外来治療を受けるユーザの皮膚3に保持することができるものとし、また、外部制御装置2は、特に、血糖測定装置のような可動であるか又はユーザが保持可能であるものとする。皮膚3に取り付け又は植え込むことができる医療装置1は、例えば針15を有し、該針によってユーザの少量の血液試料を採取することができる。医療装置1は、また皮下式とする、すなわちユーザの皮膚3の下方に配設し又は最小侵襲性の形態にて、ユーザの少量の血液を採取することができる。医療装置1は、プロセッサ又はマイクロプロセッサのようなコンピュータ装置、メモリ、送信機/受信機装置、バッテリのような電源及び(又は)上述した型式の誘電コイル及び(又は)上述した型式の磁気スイッチ、ユーザの少なくとも1つの生理学的パラメータ、特に試料血液からの血糖値又は血糖濃度を測定し又は検出する電子回路のような測定装置を備えている。測定装置は、光学的形態に基づいて作動し、血液試料が異なる化学物質と反応し、試験の場が色変化するようにする。この色変化は、測定装置により検出することができ、変化の持続時間及び強さに基づいて血糖値を決定することができる。測定装置は、電子測定の形態に基づいて作動することもでき、この場合、電流強度の曲線を測定することにより血液から血糖値を決定することができる。
【0025】
血糖測定装置又はデータロガーとすることのできる外部制御装置2は、ディスプレイ装置10、特にスクリーン又はディスプレイ又はタッチスクリーン、送信機/受信機装置、メモリ、バッテリのような電源、少なくとも1つのコンピュータ装置、特にプロセッサ又はマイクロプロセッサを有する。外部制御装置2は、図1ないし図4に関して説明した型式の起動スイッチ、特に誘電コイル又は永久磁石を有することもできる。制御装置2は、測定データからユーザの血糖値を決定し又は血糖値をプロットし且つ、数字を出力し又はグラフ又は線図を示すことにより、その値をディスプレイ装置10に表示することができるような設計とすることができる。
【0026】
図6に示したように、血糖測定装置のような外部制御装置2は、パッチモジュールのような医療装置1の付近に又はその範囲内に装着し、制御装置2と医療装置1との間のデータ交換又はデータの送信を許容することができる。この目的のため、制御装置2の起動スイッチは、医療装置1の起動スイッチを起動させて電力が制御装置2の起動スイッチから医療装置1の起動スイッチまで送信されることを可能にし、これにより、医療装置1に対し電流を供給することができるようにすることが好ましい。制御装置2の起動スイッチは、医療装置1の電源又は給電源を起動させ、電源が起動されたとき、医療装置1に対し電流を供給することができるようにしてもよい。
【0027】
血糖値は、ユーザの血液から医療装置1によって決定することができる。医療装置1が制御装置2に十分近い位置に配置されたとき、例えば、血液の試料を採取した時間のような追加的な情報と共に、この値を、医療装置1の送信機/受信機装置により制御装置2の送信機/受信機装置に送信し、これによりデータ送信を許容することができる。制御装置2において、制御装置2のコンピュータ装置は、この血液から血糖値又は血糖濃度を決定し且つ、その値を追加的な情報と共にメモリに保存し又はその値をディスプレイ装置10に表示することができる。
【0028】
ユーザの血糖値又は血糖レベルは、ユーザの採取した血液から医療装置内にてコンピュータ装置によって決定することができ、また、例えば、図6に示した制御装置2における位置又は配設にて追加的な情報と共に送信することができる。異なる時点にて、記録した血糖値は、試料採取の時間又は時点と共に医療装置1のメモリに保存し且つ、必要とされるとき、外部装置2によって検索することができる。検出された血糖レベルに関するデータ及び選択随意的に追加的な情報は、医療装置1の送信機/受信機装置により制御装置2の送信機/受信機に送信し且つ、制御装置2のメモリ内に保存し、又は値又は線図の形態にて制御装置2のディスプレイ装置10に表示することができる。例えば、異なる時点にて得られた幾つかの血糖値は、制御装置2に保存し且つ必要であれば、時間の関数としてグラフにて表示し、ユーザの血糖レベルを示す線図を生成することができる。血糖レベルの線図の個別の値は、ユーザが例えば、タッチスクリーンにより又は別の入力装置を使用することにより選ぶことができ、次に、そのレベルを値として出力することができる。特に、医療装置から血糖値を直接受信した後、血糖値は制御装置2のディスプレイ装置10にて出力することができる。制御装置2は、医療装置1の起動範囲内にて保持し、制御装置2の送信機/受信機装置は、例えば、医療装置1に起動信号を送ることができ、そのとき、医療装置1が起動され且つ、例えば血糖の測定を行い、及び(又は)検出された血糖値を制御装置2に送信し、次に、その値を、制御装置2のディスプレイ装置10に出力することができる。
【0029】
ユーザの血糖レベルに関して検出されたデータ、すなわち血糖レベル曲線は、赤外線又はブルートゥース又はファイヤーワイヤーインターフェースのような制御装置2に設けられたインターフェースを介してコンピュータのような外部のコンピュータ装置に送信し且つ、コンピュータ装置にて処理し又はディスプレイによって出力し又は表示し及び(又は)評価ソフトウェアによって評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】制御装置から送られた電力によって医療装置を起動する、本発明により提案されたシステムの第一の実施の形態を示す図である。
【図2】永久磁石を介して医療装置を起動する、本発明により提案されたシステムの第二の実施の形態を示す図である。
【図3】長距離通信能力を有する、本発明により提案されたシステムの第三の実施の形態を示す図である。
【図4】単純な信号をより長い距離に渡って送信することを許容する、本発明により提案されたシステムの第四の実施の形態を示す図である。
【図5】医療装置と制御装置との間にてデータ交換を許容する、本発明により提案されたシステムの第五の実施の形態を示す図である。
【図6】医療装置と制御装置との間のデータ交換の間、図5に示した実施の形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムにおいて、
a)ユーザの身体にて且つ(又は)ユーザの体内にて使用される医療装置(1)であって、送信機装置及び(又は)受信機装置(5)と、送信機装置及び(又は)受信機装置(5)と接続された起動スイッチ(6)とを備え、起動スイッチ(6)から起動信号を受け取ったとき、送信機装置及び(又は)受信機装置(5)を起動させることができる、前記医療装置(1)と、
b)データ入力装置と、医療装置(1)の起動スイッチ(6)を起動させる起動装置(6´.6´´)と、医療装置(1)の送信機装置及び(又は)受信機装置(5)とデータ交換することができる送信機装置及び(又は)受信機装置(5´)とを有する遠隔制御装置(2)とを備える、医療システム。
【請求項2】
請求項1に記載の医療システムにおいて、医療装置(1)は、センサ、血糖センサ、注入システム、ポンプ、インスリンポンプ又はペンである、医療システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の医療システムにおいて、遠隔制御装置(2)は血糖測定装置である、医療システム。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか1つの項に記載の医療システムにおいて、起動スイッチ(6)は、誘電コイル、磁気スイッチ(12)、リード接点、マイクロフォン又は感光性スイッチ、フォトダイオード又は機械式スイッチである、医療システム。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1つの項に記載の医療システムにおいて、起動ユニット(6´、6´´)は、誘電コイル(6´)及び(又は)永久磁石(6´´)である、医療システム。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか1つの項に記載の医療システムにおいて、遠隔制御装置(2)は、データ出力装置(10)を有する、医療システム。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか1つの項に記載の医療システムにおいて、遠隔制御装置(2)は、電子装置、PC、携帯電話又はPDAと通信するインターフェースを有する、医療システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−538948(P2008−538948A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508148(P2008−508148)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003869
【国際公開番号】WO2006/114297
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】