説明

半導体パッケージ及びその製造方法

【課題】デジタル光学器機に使用される半導体パッケージ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】一定大きさのシリコン材料からなる一側面には、パッド電極28が形成されるウェーハ20、上記ウェーハ20のパッド電極28上に接着剤で付着されるIRフィルター10、上記ウェーハ20のパッド電極28反対側面に形成されたビアホール内で上記パッド電極28にそれぞれ電気的連結を成す端子、及び上記端子毎にその一側に連結されるバンプ電極(bump)、を含む半導体パッケージ1であり、ウェーハレベルパッケージ技術を適用してCMOSあるいはCCDと言われるイメージセンサー22を具備した半導体パッケージ1の大きさを小型化し、生産コストの節減を達し、大量生産に有利な效果が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタル光学器機に使用される半導体パッケージ及びその製造方法に関するもので、より詳しくはウェーハレベルパッケージ技術を適用してCMOSあるいはCCDと言われるイメージセンサーを具備した半導体パッケージの大きさを小型化し、生産コストの節減を達し、大量生産に有利な半導体パッケージ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ポータブル家庭用ビデオカメラとデジタルカメラのみならず、携帯電話のカメラ機能の採用によって超小型、高画質のイメージセンサーモジュールに対する要求が増えている。このようなイメージセンサーモジュールは、優れた色再現性と微細な表現などの消費者の要求による画素数の増大のみならず、携帯電話に適用されることによる軽薄短小型、高密度パッケージの必要性が高まっている半導体パッケージである。
【0003】
図1aは、従来の技術によるイメージセンサーモジュールを成す半導体パッケージ300の前面を表す。このような従来の半導体パッケージ300は、基本型構造として、シリコン基板301 上にイメージセンサーまたはイメージ受光部305が形成されており、その外側にはアルミニウムパッド310らが多数形成された構造である。図1bは上記半導体パッケージ300の後面を表す。
【0004】
上記のような従来の半導体パッケージ300が携帯電話用カメラモジュールに適用される方式は、大きく次の三種類で、金ワイヤボンディング技術を利用したCOB(Chip On Board)、またはACF(Anisotropic Conductive Film) あるいはNCP(Non−conductive Paste)を利用したCOF(Chip on FPC)方式、そしてCSP(Chip Scale Package) 方式に分類することができる。この中で最も注目を浴びているものは現在サイズが小さく、大量生産に適したCSPパッケージ方式である。
【0005】
このような従来のCSPパッケージ構造及びその製造方法は様々な方式がある。その中で、イメージセンサーをウェーハレベルCSP方式で製造する方式はシェルケース社(SHELLCASE Ltd.)のSHELL-OPC方式が最も多く使用されている。
【0006】
図2には、このような従来のSHELL−OPC方式の半導体パッケージ350を示している。このような従来の半導体パッケージ350は、WO99/40624号に記載されたもので、外部環境から保護され機械的な強度が補強された比較的薄くて且つ稠密な構造を有するものであり、そのエッジ表面364に沿って多数の電気的接点362がメッキされている。
【0007】
上記接点362はエッジ表面全体にパッケージの平坦面366上に延長される。このような接点の配列によってパッケージ350の平坦面と、エッジを回路基板に付着させることが可能となる。上記のような従来の半導体パッケージ350は、融着性バンプ367が各接点362の端部に形成されていることを表す。上記融着性バンプ367は所定の隊形で配列される構造である。
【0008】
図3には、上記と類似な従来の半導体パッケージ400を示している。これはWO99/40624号に記載された内容として、上記半導体パッケージ400は光放出機と光受信機の中で少なくとも一つを具備し、上面と下面が電気的絶縁及び機械的保護物質から形成されており、その上面と下面中で少なくとも一つには保護膜407が光を透過し、電気的絶縁性であるエッジ表面414らがパッドを具備する集積回路ダイ422を含んでいる。
【0009】
そこで、このような従来の半導体パッケージ400はそのエッジ表面414に沿って多数の電気的接点432がメッキされており、選別フィルター及び/又は反射防止コーティング膜445が透明保護膜407の外部接合面406に形成されている構造である。
【0010】
図4には、さらに他の構造の従来半導体パッケージ450を示している。これはWO01/43181号に記載された内容として、結晶質のシリコン基材に形成されたマイクロレンズアレイ460を具備する。上記シリコン基材462の下には通常ガラスで形成されたパッケージ層466がエポキシ464によって密封されているが、このパッケージ層466のエッジに沿って電気コンタクト478が形成され、この電気コンタクト478は通常バンプ480を形成する。そして、導電性パッド482は上記シリコン基材462を電気コンタクト478に連結させる。
【0011】
このような従来の半導体パッケージ450は、通常ガラス層494とこれに係わるスペーサー要素486らがシリコン基材462の上部にエポキシ488などの接着剤で密封されてマイクロレンズアレイ460とガラス層494の間に空間496が形成できるようになる。上記パッケージ層494は好ましくは透明なものである。
【0012】
しかし、上記のような従来の半導体パッケージ400、450らはその構造が複雑で、製作しにくいものである。
【0013】
一方、図5には上記とは異なる方式の半導体パッケージ500を示している。これは日本国特許出願第2002-274807号に記載された内容として、複数の半導体パッケージに対応するサイズのガラス基板509上に透明接着層508が付着され、その上には下面に光電変換デバイス領域502を有するシリコン基板501が互いに間隙を形成しながら接着されている。このような従来の構造は、シリコン基板501の下面周辺部及びその周りに接続用配線507がシリコン基板501の接続パッドに接続されている。
【0014】
そして、絶縁膜516、再配線511、柱状電極512、封止膜513及び熔接ボール514を形成した後に、シリコン基板501の間を切断し、光電変換デバイス領域502を具備した半導体パッケージ500を複数個得る。しかしながら、このような半導体パッケージ500はその構造が複雑なため製作しにくい問題点がある。
【0015】
一方、図6には上記とは異なる従来の半導体パッケージ600が示している。これは日本国特許公開第2004-153260号に記載された内容として、半導体チップ610上に形成されるパッド電極611と、上記半導体チップ610の表面に接着される支持基板613を具備し、上記半導体チップ610の裏面から上記パッド電極611の表面に到達するようビアホール617が形成され、上記ビアホール617内に上記パッド電極611と接続される柱状端子620が形成される。
【0016】
さらに、上記柱状端子620には再配線層621が形成され、その再配線層621上にはソルダマスク622が被覆され、バンプ電極623が上記再配線層621に電気的に連結される構造である。
【0017】
このような従来の技術は、その独特な構造によって断線やステップカバレージの劣化を防止し、信頼性の高いBGAを有する半導体パッケージ600を提供することにある。
【0018】
しかし、上記のようなイメージセンサーモジュールを成す半導体パッケージらが受光する光はその波長が赤外線領域、可視光線領域、紫外線領域などその以外の領域らもあるが、人が物を見て認識する波長領域の可視光線領域を含む。
【0019】
従って、上記のような半導体パッケージを装着するカメラモジュールは、IRフィルターを内蔵しているが、このようなIRフィルターは赤外線透過率を下げる。上記赤外線領域の光は熱を含んでいるため、上記IRフィルターを介してその透過率を下げ、反射率を上げて上記光を受光するイメージセンサーを保護し、人が認識する可視光線領域の透過率を上げる役割をするようになる。
【0020】
従来にはIRフィルターを四角のガラスにコーティングしてこれをばらにカットし、これをそれぞれの半導体パッケージに付着する方式である。
【0021】
そのため、従来にはカメラモジュールに上記のような半導体パッケージを装着することとは別個にIRフィルターを装着するので、その作業工程は多段階で行なわれるのであり、それによって工程改善が必要な問題点を有したのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、上記のような従来の問題点を解消するためのもので、その目的はカメラモジュールの大きさをより小さくすることができ、パッケージングをウェーハレベル段階でするので、大量生産や生産コストダウンの長所を得ることができる半導体パッケージ及びその製造方法を提供することにある。
【0023】
また、本発明はPCBに装着する工程において、従来の実装方式であるリフローによっても簡単に実装することができるので、カメラモジュールの組み立ての作業生産性を大きく向上させ得る半導体パッケージ及びその製造方法を提供することにある。
【0024】
さらに、本発明はCSPタイプの製造工程を画期的に短縮することができ、カメラモジュールに別途のIRフィルターを装着しなくても良いので、作業工程の改善による作業生産性の向上を図ることができる半導体パッケージ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記のような目的を果たすために本発明は、デジタル器機等に使用される半導体パッケージにおいて、一定大きさのシリコン材料からなり、一側面にはパッド電極が形成されるウェーハ、上記ウェーハのパッド電極の上に接着剤で付着されるIRフィルター、上記ウェーハのパッド電極の反対側面に形成されたビアホール内で上記パッド電極にそれぞれ電気的連結を成す端子、及び上記端子ごとにその一側に連結されるバンプ電極(bump)、を含むことを特徴とする半導体パッケージを提供する。
【0026】
さらに、本発明はデジタル器機等に使用される半導体パッケージの製造方法において、一側面にはパッド電極が形成され、シリコン材料からなるウェーハ上にIRフィルターを接着する段階、上記ウェーハとIRフィルターの厚さが最初のウェーハの厚さ内に維持されるよう上記ウェーハの後面を切削除去させる段階、上記ウェーハ基板の後面から上記パッド電極に到達するようビアホールを加工する段階、上記ビアホール内で上記パッド電極に電気的に連結される端子らを形成する段階、上記端子上にそれぞれバンプ電極を形成する段階、及び上記ウェーハを複数の半導体パッケージらで切断する段階、とを含むことを特徴とする半導体パッケージの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、半導体パッケージに一体でIRフィルターを装着してそれぞれの半導体パッケージに生産することにより、よりカメラモジュールの大きさを小型化することができ、大量生産や生産原価節減の長所がある。
【0028】
また、本発明によれば、半導体パッケージの後面にバンプ電極を予め形成して製作されるので、これをカメラモジュール等のPCBに装着する工程で普遍化された実装方式であるリフロー方式によっても簡単に実装することができ、カメラモジュール製作工程の作業生産性を大きく向上させることができる。
【0029】
さらに、本発明はCSPタイプの製造工程を画期的に短縮することができ、カメラモジュールに別途のIRフィルターを装着しなくても良いので、作業工程の改善による顕著な作業生産性の向上を成すことができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいてより詳しく説明する。
【0031】
本発明による半導体パッケージを図7に示す。
図7aは本発明による半導体パッケージの正面図であり、図7bは後面図であり、図7cは縦断面図である。
【0032】
本発明による半導体パッケージ1は、ウェーハレベルCSP方式で製作されるものとして、全面にはIRフィルター10が付着され、中央にイメージセンサー22が形成されたウェーハ20を、そのウェーハ20状態でリードの再分配(Redistribution) 技術を応用してイメージセンサー22反対面に回路26を形成し、その回路26にボールグリッドアレイ技術を利用してソルダボール形態のバンプ電極30を具備したものである。
【0033】
本発明による半導体パッケージ1は図7aに示すように、一定大きさのシリコン材料からなり、一側面にはパッド電極28が形成されるウェーハ20が設けられ、上記パッド電極28が形成される一側面の中央にはイメージセンサー22が形成される。そして、上記パッド電極28と共にSiN、SiOなどからなる絶縁層28aが形成される。
【0034】
そして、本発明は上記ウェーハ20のパッド電極28上に接着剤12で付着されるIRフィルター10を具備する。上記でIRフィルター10はガラス板をウェーハ20形態に加工してその一方面上にIRコーティングをしたものである。そのコーティング面10aは、上、下面側のいずれかの一側に貼っても構わないが、本発明においては好ましくはウェーハ20面と向かい合うように付着される。
【0035】
上記のように、IRフィルター10をウェーハ20上にウェーハ20レベルで接着させる接着剤12は透明且つ光の透過性が良いものを使用する。
【0036】
また、本発明の半導体パッケージ1は、上記ウェーハ20のパッド電極28反対側面に形成されたビアホール32ら内で上記パッド電極28にそれぞれ電気的連結を成す端子36を具備する。
【0037】
上記ビアホール32はウェーハ20の後面からパッド電極28まで貫通形成されるものであり、そのそれぞれのビアホール32らの内部には金属(Metal) 材料からなる端子36がそれぞれ形成されるのである。
【0038】
さらに、このような端子36らは図7bと7cに示すように、上記ウェーハ20の後面において、電気的な回路26を成すのである。
【0039】
また、本発明の半導体パッケージ1は上記端子36毎にその一側に連結されるバンプ電極(bump)30を含む。
【0040】
上記バンプ電極30は、ソルダボールらからなるものとして、それぞれの端子36ら毎に形成されたものである。このようなバンプ電極30らがウェーハ20の後面に形成されることにより、普遍化されたリフロー実装技術を通じて簡単にPCBに実装して軽薄短小の半導体パッケージモジュールを構成することが可能である。
【0041】
そこで、本発明の半導体パッケージ1は、上記ウェーハ20の厚さと、その上に接着剤12で付着されるIRフィルター10の厚さを合わせた厚みが通常のウェーハレベルからなるため、半導体パッケージ1の大きさを最小限に減らすことができるのである。
【0042】
以下、本発明による半導体パッケージの製造方法について詳しく説明する。
【0043】
本発明による半導体パッケージの製造方法は、予め一側面にはパッド電極28が形成され、シリコン材料からなるウェーハ20上にIRフィルター10を接着する段階を含む。
【0044】
この段階は図8aに示すように、ガラスをウェーハ形態で加工してその一方面の上にIRコーティングをし、IRフィルター10を備える。従来には四角のガラスにIRコーティングをしてIRフィルター10をばらにカッティングし、これをカメラモジュールにそれぞれ貼り付けて使用したが、本発明においてはウェーハ形状のIRフィルター10をシリコン材料からなったウェーハ20に一体で付着し、一体で半導体パッケージ1を製作する。
【0045】
そして、次には図8bに示すように、上記ウェーハ20上に接着剤12を使用してIRフィルター10ガラス層を接着する。そこで使用される接着剤12は透明な接着剤として、光の透過性が良い接着剤を使用する。
【0046】
一方、上記IRフィルター10のIRコーティング面10aは、上、下側のいずれか一側に貼っても構わないが、本発明においては好ましくはウェーハ20のパッド電極28が形成された一側面と向かい合うようにコーティング面10aを形成する方が工程進行上コーティング面10aが保護され、より有利である。
【0047】
本発明による半導体パッケージの製造方法は、上記ウェーハ20とIRフィルター10の厚さが最初のウェーハ20の厚さ内で維持されるよう上記ウェーハ20の後面を切削除去させる段階を含む。
【0048】
この段階は図9に示すように、IRフィルター10のガラス層が付着されてないウェーハ20の後面を薄くする工程である。このような工程によりできるだけウェーハ20を最大限薄く切削加工した後、後続工程を進行すれば従来のウェーハを加工する全ての設備らを利用することができるので、有利である。
【0049】
のみならず、半導体パッケージ1の大きさをウェーハ20レベルに維持することができ、軽薄短小の半導体パッケージモジュールを構成することができる。
【0050】
その次に本発明による半導体パッケージの製造方法は、上記ウェーハ20基板の後面から上記パッド電極28に到達するようビアホール32らを加工する段階を含む。
【0051】
この段階は図10に示すように、ウェーハ20レベルで、その後面に端子36リードを再分配するために、上記ウェーハ20のそれぞれのパッド電極28位置に上記ウェーハ20の後面からビアホール32らを加工する。上記ビアホール32らを加工する方法は大きく二つの方法に分けることができるが、その一番目の方法はレーザー(Laser)でビアホール32を加工する方法であり、二番目の方法はドライエッチングDry Etching) 方法でビアホール32らを加工する方法である。
【0052】
上記で一番目のレーザーを使用して加工する方法は、一般レーザーでビアホール32を加工するようになると、シリコンウェーハ20の貫通されたビアホール32の品質は非常に落ちってしまう。そして、レーザー加工の際、熱が発生する問題点により、他の問題を引き起こさせることもできる。従って、本発明においては極超短波光量子ビームを使用する。
【0053】
いわゆる、フェムト秒レーザー(1、000兆分の1秒)を用いて極めて短い時間で、図10aに示すように、ビアホール32を加工するようになる。従って、このような加工方式を経ると、ビアホール32の内壁や表面が滑らかに加工される。
【0054】
このフェムト秒レーザービアホール32の加工においては、その加工深さをパッド電極28まで貫通加工することができ、任意によっては条件を変更してパッド電極28に到達するようにする詰りビアホール32に加工することも可能である。
【0055】
一方、二番目のドライエッチング方式を利用したビアホール32加工方法は、ウェーハ20上に一度にビアホール32らを加工することができるので、量産性が優れる。これは図10bに示すように、ウェーハ20のパッド電極28まで到達する詰りビアホール32らを加工することも可能であり、上記パッド電極28を貫通するビアホール32に加工することも可能である。しかしながら、以下ではパッド電極28を貫通せず、パッド電極28まで空間が形成される詰りビアホール32に加工するプロセスについて、より詳しく説明する事にする。
【0056】
その次に、本発明による半導体パッケージの製造方法は、上記ビアホール32内で、上記パッド電極28に電気的に連結される端子36らを形成する段階を含む。
【0057】
このような端子36形成段階は、ウェーハ20レベルでウェーハ20のパッド電極28まで到達するビアホール32の内部とウェーハ20の後面に金属層42をコーティングする。金属をコーティングする方法には様々な方法があり得る。これは図11に示すように、スパッタリング方法のみでコーティングして多層の所望の金属層42を得る方法と、図12に示すように、スパッタリングコーティングと電気メッキを併行して所望の金属層42を得る二つの方法に分けることができる。
【0058】
これは図11に記載したように、一般的なTi, TiN, Cuのような原材料(Sourse Material)を用いてスパッタリングをし、Cu電気メッキを行うこともできるが、本発明においては、スパッタリングのみでその特性を表すことができるように3つの層または4つの層で金属層(Metal Layers)42を構成して短時間内に形成するようにする。
【0059】
上記で言及したCu電気メッキ方式は、ビアホール32内に5ミクロン厚さの金属層42をメッキする場合、約67分が所要される。しかし、本発明のスパッタリング方法にすると、数分だけで工程を進めることができる。特に上記スパッタリングからなる金属層42は、Ta、TaN及びCu層を含んで接着層(Adhesion Layer)、バリアー層(Barrier Layer)、ソルダ拡散層(Solder Wettable Layer)らを含んで薄い層でCuの拡散バリアー役割を十分に遂行して良い結果を得ることができる。
【0060】
さらに、図12に示すように、スパッタリングコーティングと電気メッキを併行する方式には、ビアホール32の内部を金属で完全に埋め込むフルフィル(Full Fill) メッキが可能である。しかしながら、このようなプロセスを用いるには工程時間があまりにも長く掛かり時間を短縮させようとする多くの研究が進んでいる。これとは類似な他の方法には、上記ビアホール32の上の部分に金属ボール(図示せず)を載せておいて、この金属ボールを溶かしてビアホール32を埋め込む方式がある。
【0061】
本発明では上記で説明したスパッタリングのみで金属層42を形成する方法以外にウェーハ20レベル状態で上記ビアホール32を含む領域にシードメタルをスパッタリングして形成し、メタルマスクを用いてメタルをプリンティング方式でビアホール32内に伝導性ペースト46を埋め込む方式を採択する。この方法はビアホール32内を簡単に埋め込むことができる方法として、量産性が非常に優れる。
【0062】
また、本発明では上記ビアホール32にスパッタリングで金属層42を形成し、その金属層42を保護するために絶縁樹脂を充填することもできる。その絶縁樹脂には熱膨脹が小さくて、湿気に強くて、信頼性が優れたBCB(Benzocyclobutene)、PI(Polyimide)、あるいはエポキシ(Epoxy)のような材料を用いることができる。
【0063】
そして、本発明は上記端子36らを形成する段階の次にウェーハ20の後面に回路26を形成する段階を含む。
【0064】
このように回路26を形成する段階は、上記金属層42上に通常の感光性レジストを塗布し、マスクを用いて回路26を露光し、必要のない部分を取り除き、金属層42をエッチングして所望の回路26を得る一連の順序で進められる工程である。
【0065】
しかしながら、本発明においては、端子回路26を形成するために図13a、13bに示すような液状の感光性レジスト50を使用するのではなく、ビアホール32内部に埋め込まれた金属層42のエッチングを防ぎ、異物や汚染を防ぐために図13c、13dに示すような感光性フィルムレジスト52を使用するという点である。
【0066】
そこで、本発明による半導体パッケージの製造方法は、その次の工程でとして、回路26保護をするために保護膜層56をコーティングする段階である。この段階は回路26保護のみならず、以後に繋がるバンプ電極30のソルダボールを安着するための位置指定の役割も同時にする。
【0067】
この段階の順序は保護膜の層56をコーティングし、バンプ電極30のソルダボールを安着させるための回路26を設けるためにマスクを用いて露光し、必要のない保護膜の層を除去し、ポスト硬化を実施する一連の工程からなる。上記端子回路26を保護するための保護膜層にはBCB(Benzocyclobutene)、PI(Polyimide)、あるいは、エポキシ(EPoxy)のような材料を使用することができる。
【0068】
本発明においては、図14aに示すように、ビアホール32内部を保護膜レジスト60で埋める方法があり、あるいは、上記ビアホール32を空き空間に露出させる方法がある。
【0069】
このように図14aの工程においては、ビアホール32の内部に保護膜レジスト60を埋め込み、ウェーハ20の表面は均一な厚さの保護膜層56を得ることが重要である。
【0070】
さらに、この段階においては、図14bに示すように、ビアホール32内部を伝導性ペースト46で埋め込む工程を進む際にも保護膜層56のコーティングをする。
【0071】
その次に本発明による半導体パッケージの製造方法は、上記端子36上にそれぞれバンプ電極30を形成する段階を含む。
【0072】
この段階は図15に示すように、最後にソルダボールからなるバンプ電極30を設ける工程である。上記ソルダボールを形成する方法は、予め形成されたバンプ電極30を有し、上記端子を成する金属層42に貼り付ける方法と、ソルドペーストを備えてプリンティング、スパッタリング及びジェット方式等で製造する方式があるが、しかしながら、このような工程において重要なことは、いかに生産費が安くて、製品の品質信頼性を高くするのかの点である。
【0073】
例えば、プリンティング方式でソルダボールのバンプ電極30を設ける方法は、ソルダボールのピッチの大きい場合は、マスクを用いることができ、ピッチの微細な場合は感光性フィルムレジストを用いる方法にすることができる。
【0074】
本発明においては、電子機器の軽薄短小化の傾向により、ソルダボールのピッチが継続して小さくなっているため、感光性フィルムレジストを使用するようになる。
【0075】
また、本発明による半導体パッケージの製造方法は、最後に、上記のような工程らを経て生産された半導体パッケージウェーハ70を複数の半導体パッケージ1らで切断する段階を含む。
【0076】
この切断段階は、図16aに示すように、上記の製造方法によって完成されたウェーハレベルの半導体パッケージウェーハ70を多数個のばらの半導体パッケージ1らでダイシング(Dicing)する工程である。これは図16bに示すように、ばらのチップ(Chip)で切られた半導体パッケージ1らはカメラモジュールの組み立て工程において、予めその後面にバンプ電極30らが形成されているので、一般的なリフロー工程を経て容易に組み立てが可能であり、それによってカメラモジュールを製作する工程中において多数の工程を取り除くことができる。
【0077】
例えば、本発明の半導体パッケージ1は、イメージセンサー22と共にIRフィルター10を一体で構成しているので、従来のカメラモジュールの製作工程に比して取り除くことができる工程は、IRフィルター10の準備工程として、IRフィルター10ばらカッティング、カッティング後の検査、そしてボンドディスペンシング、IRフィルター10付着、及びUV硬化等の工程らを除去または省略することができる。
【0078】
上記のような本発明による半導体パッケージの製造方法によれば、ウェーハ20のレベル段階を維持しながら、先にIRフィルター10を接着させ半導体パッケージ1を製作することができるので、カメラモジュールの組み立て工程を画期的に単純化させることができ、大量生産が有利であり、生産原価の節減を達することができる效果が得られる。
【0079】
上記では本発明の好ましい特定実施例に関して詳しく説明されたが、本発明はこれに限定されるものではない。本明細書または図面の記載内容を通じて当業者らは上記実施例とは異なる本発明の変形構造または均等構造らを多様に構成することができるが、これらは全て本発明の技術思想内に含まれるものである。特に、本発明の構成要素らの材質変更、単純機能の付加、単純形象変更または寸法変更等が多様に提示され得るが、これらは全て本発明の権利範囲内に含まれることは明らかなことである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】従来の技術による半導体パッケージを示す構成図として、図1aは正面図であり、図1bは背面図である。
【図2】従来の技術によるさらに他の半導体パッケージを示す構成図として、図1aは正面図であり、図1bは背面図であり、図1cはバンプ電極を形成した斜視図である。
【図3】従来の技術によるさらに他の半導体パッケージの構造を示す縦断面図である。
【図4】従来の技術によるさらに他の半導体パッケージの構造を示す縦断面である。
【図5】従来の技術によるさらに他の半導体パッケージにおいて、バンプ電極を具備した構造を示す縦断面図である。
【図6】従来の技術によるさらに他の半導体パッケージにおいて、ビアホール(Via Hole)を具備した構造を示す縦断面図である。
【図7】本発明による半導体パッケージを示す構成図として、図7aは正面図であり、図7bは背面図であり、図7cはIRフィルターとバンプ電極を形成した斜視図である。
【図8】本発明による半導体パッケージ製造方法を段階的に示す説明図として、図8aはIRフィルターガラス層を示す構成図であり、図8bはIRフィルターガラス層とウェーハの結合断面図である。
【図9】本発明による半導体パッケージ製造方法において、ウェーハの後面を切削した断面図である。
【図10】本発明によってウェーハの後面にビアホールが形成された構造を示す断面図として、図10aは詰りビアホールの場合、図10bは貫通ビアホールの場合、である。
【図11】本発明によってウェーハの後面に端子が形成された構造を示す断面図として、図11aは詰りビアホールの場合、図11bは貫通ビアホールの場合、である。
【図12】本発明によってビアホールに伝導性ペーストが充填された構造を示す断面図として、図12aは詰りビアホールの場合、図12bは貫通ビアホールの場合、である。
【図13】本発明によって端子上に感光性レジストが塗布された構造を示す断面図として、図13aは詰りビアホールの場合、図13bは貫通ビアホールの場合、図13cは感光性フィルムレジストを適用した詰りビアホールの場合、図13dは感光性フィルムレジストを適用した貫通ビアホールの場合、である。
【図14】本発明によってビアホールの内部が充填された構造を示す断面図として、図14aは樹脂で充填された場合、図14bは伝導性ペーストで充填された場合、である。
【図15】図15a、15bは本発明によってバンプ電極を端子に形成した構造図である。
【図16】本発明によって半導体パッケージがウェーハ形状で製造されて切断される説明図として、図16aはウェーハ構造、図16bは半導体パッケージ詳細図、である。
【符号の説明】
【0081】
1 本発明による半導体パッケージ
10 IRフィルター
20 ウェーハ
22 イメージセンサー
26 回路
28 パッド電極
28a 絶縁層
30 バンプ電極
32 ビアホール
36 端子
42 金属層
46 伝導性ペースト
50 液状の感光性レジスト
52 感光性フィルムレジスト
56 保護膜層
60 保護膜レジスト
62 金属材料
70 半導体パッケージウェーハ
300、400、450、500、600 従来の半導体パッケージ
301、501 シリコン基板
305 イメージ受光部
310 アルミニウムパッド
350 半導体パッケージ
362 電気的接点
364 エッジ表面
366 平坦面
367 融着性バンプ
407 保護膜
414 エッジ表面
432 電気的接点
445 反射防止コーティング膜
460 マイクロレンズアレイ
466 パッケージ層
478 電気コンタクト
494 ガラス層
503 接続パッド
506 絶縁膜
509 ガラス基板
511 再配線
512 柱状電極
513 封止膜
514 溶接ボール
610 半導体チップ
611 パッド電極
613 支持基板
617 ビアホール
620 柱状端子
621 再配線層
622 ソルダマスク
623 バンプ電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル器機等に使用される半導体パッケージにおいて、
一定大きさのシリコン材料からなり、一側面にはパッド電極が形成されるウェーハ、
上記ウェーハのパッド電極の上に接着剤で付着されるIRフィルター、
上記ウェーハのパッド電極の反対側面に形成されたビアホールら内で上記パッド電極にそれぞれ電気的連結を成す端子、及び
上記端子ごとにその一側に連結されるバンプ電極(bump)、を含むことを特徴とする半導体パッケージ。
【請求項2】
上記IRフィルターのコーティング面は、上記ウェーハ面と向かい合うように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
上記IRフィルターは上記ウェーハ形態で加工され、その表面上にIRコーティング面を形成したガラス板からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
上記ウェーハ厚さは、その上に接着剤で付着されるIRフィルターの厚さを合わせた厚みが最初のウェーハレベルからなることを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
デジタル器機等に使用される半導体パッケージの製造方法において、
一側面にはパッド電極が形成され、シリコン材料からなるウェーハ上にIRフィルターを接着する段階、
上記ウェーハとIRフィルターの厚さが最初のウェーハの厚さ内に維持されるよう上記ウェーハの後面を切削除去させる段階、
上記ウェーハ基板の後面から上記パッド電極に到達するようビアホールを加工する段階、
上記ビアホール内で上記パッド電極に電気的に連結される端子らを形成する段階、
上記端子上にそれぞれバンプ電極を形成する段階、及び
上記ウェーハを複数の半導体パッケージらで切断する段階、を含むことを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
【請求項6】
上記IRフィルターのコーティング面は、上記ウェーハ面と向かい合うように形成されたことを特徴とする請求項5に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項7】
上記IRフィルターは、上記ウェーハ形態で加工され、その表面上にIRコーティング面を形成したガラス板からなることを特徴とする請求項5に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項8】
上記ビアホールらを加工する段階は、極超短波光量子ビーム、いわゆるフェムト秒レーザーを使用して行われることを特徴とする請求項5に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項9】
上記ビアホールはその加工深さがパッド電極を貫通加工したり、あるいはパッド電極に到達するようにする詰りビアホール加工からなることを特徴とする請求項8に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項10】
上記端子らを形成する段階は、上記ビアホールを含む領域をスパッタリングして3個層または4個層で金属層(Metal Layers)を形成して行なわれることを特徴とする請求項5に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項11】
上記金属層はTa、TaN及びCu層を含んで接着層(Adhesion Layer)、バリアー層(Barrier Layer)、ソルダ拡散層(Solder Wettable Layer)らを含むことを特徴とする請求項10に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項12】
上記端子らを形成する段階は、上記ビアホールを含む領域にシードメタルをスパッタリングして形成し、プリンティング方式でビアホール内に伝導性ペーストを埋め込んで行なわれることを特徴とする請求項5に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項13】
上記端子らを形成する段階は、上記ビアホールを含んだ領域にスパッタリングで金属層を形成し、その金属層を保護するために絶縁樹脂を充填して行なわれることを特徴とする請求項5に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項14】
上記絶縁樹脂は熱膨脹が小さく、湿気に強く、信頼性が優れたBCB(Benzocyclobutene)、PI(Polyimide)、またはエポキシ(Epoxy) 材料からなることを特徴とする請求項13に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項15】
上記端子らを形成する段階は、ウェーハレベル状態で行われることを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項16】
上記端子上にバンプ電極を形成する段階は、感光性フィルムレジストを使用して行なわれることを特徴とする請求項5に記載の半導体パッケージの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図13d】
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【図14】
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【図15】
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【図16a】
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【図16b】
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【公開番号】特開2006−210888(P2006−210888A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−351389(P2005−351389)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】