説明

半導体加速度センサ

【課題】 耐衝撃性を向上させつつ、小型化・薄型化が可能な半導体加速度センサを提供する。
【解決手段】 本発明に係る半導体加速度センサは、半導体加速度センサチップと、半導体加速度センサチップを収容するケースとを備えている。半導体加速度センサチップは、固定部と、固定部の下面高さと略同一の下面高さを有しかつ固定部と所定の間隙を有して固定部の周囲を囲む枠状の錘部と、固定部と錘部とを接続しかつ固定部及び錘部の膜厚よりも薄い梁部と、を有している。ケースは、底面部に半導体加速度センサチップの固定部が固着された突起部を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体加速度センサ、特に3軸それぞれの方向に作用する加速度を検出する半導体加速度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車やロボット、各種精密機器など産業上の様々な分野において加速度センサが広く用いられている。なかでも、小型軽量であること、正確かつ確実に動作すること、低コストであることなどの要求から、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を応用した半導体加速度センサの需要が急増している。
【0003】
この半導体加速度センサの多くは、ピエゾ抵抗効果、すなわち、応力に比例して抵抗率が変化する現象を利用して加速度の検知を行う。一般的な半導体加速度センサは、例えば、パッケージの一部をなすセラミック基板上に台座を設け、この台座上に半導体加速度センサチップを固着して形成される。この半導体加速度センサチップは、シリコンなどを材料とする半導体基板において可撓性を持つ4本の梁部を形成し、その梁部によって半導体加速度センサチップの中央部に形成される錘部を吊り下げ、錘部に作用する加速度に応じて梁部が撓むように構成されている。また、4本の梁部の表面にはそれぞれピエゾ抵抗素子が形成され、これらのピエゾ抵抗素子によってホイートストン・ブリッジ回路が構成されている。加速度の作用によって梁部に応力が生じると、ホイートストン・ブリッジの抵抗バランスが変化し、この抵抗変化を電流の変化または電圧の変化として測定して加速度を検知する。
【0004】
加速度センサに関する発明が、例えば、特許文献1乃至3に記載されている。
【0005】
特許文献1に記載の発明は、ピエゾ抵抗素子を用いる半導体加速度センサに関する発明であって、半導体加速度センサの中枢機能を果たすシリコン単結晶基板の外周部分に作用部(錘部)、その内側部分に可撓部(梁部)、さらにその内側の中央部分に固定部を形成し、固定部の下面に設けられた円柱状の台座を介して単結晶基板をパッケージの底面に固着している。そして、作用部(錘部)の下面に設けられた円筒状の重錘体が加速度によって変位すると、その変位が単結晶基板の可撓部(梁部)に伝達されて加速度が検出される構造となっている。この半導体加速度センサの構造では、重錘体と台座との間に形成される間隙によって、重錘体の左右方向の変位が所定の限度以内になるように制限している。
【0006】
特許文献2に記載の発明は、圧電セラミックスを用いる加速度センサに関する発明であって、一方が閉じている有底筒状の加速度センサを回路基板に実装する際に、センサ駆動用集積回路を加速度センサと回路基板との間に配置実装している。これにより、加速度センサの実装面積を小さくし、回路基板の回路パターンを短くして耐ノイズ性を向上させている。
【0007】
特許文献3に記載の発明は、ピエゾ抵抗素子を用いる半導体加速度センサに関する発明であって、梁部を介して支持された重錘部を有する半導体加速度センサチップを、これと同等の熱膨張係数を有する材料で形成された台座により支持すると共に、台座と重錘部との間のエアギャップが7〜15μmの範囲となるように近接配置している。この半導体加速度センサの構造では、重錘部と台座との間のエアダンピングによって重錘部の振動を減衰させ、センサの出力特性を安定化して比較的低いレベルの加速度の検知を可能としている。
【特許文献1】特許2127840(第11頁、第11図)
【特許文献2】特開平9−61448号公報(第2−3頁、第3図)
【特許文献3】特開平10−123166号公報(第5−8頁、第1−6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
半導体加速度センサを小型化するためには、加速度が作用する錘部を小型化・薄膜化する必要がある。通常、錘部を小型化・薄膜化すると慣性モーメントが小さくなり、加速度センサの感度が低下するため、可撓性を持つ梁部も同時に薄膜化して感度を上げる必要がある。しかしながら、梁部を薄膜化すると半導体加速度センサの耐衝撃性が低下し、外部からの衝撃、例えば、落下衝撃などに対して脆弱となってしまう。また、半導体加速度センサの製造工程における衝撃、例えば、ダイシング工程での水圧やピックアップ時に加わる力などを受けて破損し、製造歩留まりの低下を引き起こす虞がある。従って、外形を小型化・薄膜化しつつ、耐衝撃性を向上させることができる半導体加速度センサが必要とされる。
【0009】
特許文献1に記載の加速度センサは、シリコン単結晶基板の中央部分に固定部を形成し、固定部の下面に設けられた円柱状の台座を介して単結晶基板をパッケージの底面に直接固着している。そのため、外周部分の作用部(錘部)の下面に設けられた円筒状の重錘体の下面高さと、固定部の下面に設けられた円柱状の台座の下面高さとの間に段差を形成する工程が必要となり、製造工程が複雑化する虞がある。また、特許文献1には、加速度センサの耐衝撃性、特に、梁部の耐衝撃性に関しての記載は特になされていない。
【0010】
特許文献2に記載の加速度センサは、圧電セラミックスを材料とする有底筒状の加速度センサ筐体の中央部に重錘体を設けているため、加速度センサを小型化するためには重錘体を小型化・薄膜化し、かつ可撓性を持つセンサ部も同時に薄膜化しなければならない。そのため、加速度センサの耐衝撃性が低下し、外部からの衝撃に対して脆弱となる虞がある。
【0011】
特許文献3に記載の加速度センサは、半導体基板の中央部分に重錘部を形成し、可撓性を持つ梁部を介して周辺部分の枠体で支持する構造となっているため、加速度センサを小型化するためには重錘部を小型化・薄膜化し、かつ可撓性を持つ梁部も同時に薄膜化しなければならない。そのため、加速度センサの耐衝撃性が低下し、外部からの衝撃に対して脆弱となる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る半導体加速度センサは、半導体加速度センサチップと、半導体加速度センサチップを収容するケースとを備えている。半導体加速度センサチップは、固定部と、固定部の下面高さと略同一の下面高さを有しかつ固定部と所定の間隙を有して固定部の周囲を囲む枠状の錘部と、固定部と錘部とを接続しかつ固定部及び錘部の膜厚よりも薄い梁部と、を有している。ケースは、底面部に半導体加速度センサチップの固定部が固着された突起部を有している。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る半導体加速度センサによれば、半導体加速度センサチップの錘部を周辺部に配置して錘部の体積を大きく設定することにより、半導体加速度センサチップを薄膜化しても十分な慣性モーメントが作用するようになる。これにより、半導体加速度センサチップを薄型化、延いては半導体加速度センサの構造全体を薄型化することが可能となる。また、十分な慣性モーメントが作用するため、例えば、梁部を所定の機械的強度が確保される膜厚で形成した場合でも、加速度センサの十分な感度を確保することができる。そして、梁部の機械的強度を確保することにより、加速度センサの耐衝撃性を向上させ、製造工程における破損を防止して製造歩留まりの低下を抑制することができる。また、ケースの底面部に突起部を形成し、その上面に半導体加速度センサチップを支持固定する構造とすることにより、錘部とケース底面部との間隔が確保できるため、半導体加速度センサチップの固定部の下面と、錘部の下面とを略同一の高さで形成することができる。これにより、半導体加速度センサチップの製造工程を簡略化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(1)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体加速度センサ100の構成図である。図1(a)は上方からの平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’における断面図である。なお、図1(a)では、説明の便宜上、上面の蓋を外した状態を示している。
【0015】
半導体加速度センサ100は、半導体加速度センサチップ10がケース50に収容され、蓋55で気密封止された構造となっている。
【0016】
半導体加速度センサチップ10は、例えば、シリコンの半導体基板を用いて形成され、固定部11と、錘部12と、梁部13とを備えている。
【0017】
固定部11は、半導体加速度センサチップ10の中央部に位置し、上方から見た外形形状が略正方形の四角柱構造をしている。固定部11の上面には、後述するピエゾ抵抗素子16からの信号を外部に取り出すための電極パッド15が、所定間隔を有して複数個配置されている。また、固定部11の下面は、後述するケース50の底面部51に形成された突起部51a上に固着されている。
【0018】
錘部12は、半導体加速度センサチップ10の周辺部に位置し、固定部11を囲むように形成された略矩形の枠状の部分である。錘部12を半導体加速度センサチップ10の周辺部に配置することにより、従来の半導体加速度センサチップの構造、すなわち、半導体加速度センサチップの中央部に錘部を備える構造に比べ、錘部の体積を大きく設定することができる。これにより、半導体加速度センサチップ10の構造全体を薄膜化しても所定の慣性モーメントが作用するため、加速度センサの感度低下を抑制することができる。また、固定部11の下面と錘部12の下面とは略同一の高さで形成されている。これは、半導体加速度センサチップ10の製造工程を簡略化できることを意味している。具体的には、従来の半導体加速度センサチップの構造においては、加速度の作用により錘部が自由に変位できるように錘部の下面と固定部の下面との間には段差を設けなければならず、そのためのエッチング工程が必要であった。しかしながら、本実施形態の半導体加速度センサチップ10においては、固定部11の下面と錘部12の下面とは略同一の高さで形成されるため、段差形成のためのエッチング工程が不要となる。
【0019】
錘部12と固定部11とは間隙部14により分離されている。間隙部14は、例えば、固定部11及び錘部12の各辺の略中心部において約0.3mmの間隔を有しており、従来の半導体加速度センサチップの構造と比べて間隔が広く形成されている。これにより、製造工程における異物、例えば、ダイシング時の切り屑などが間隙部に噛み込まれ、加速度センサの動作が妨げられることを回避することができる。
【0020】
梁部13は、固定部11と錘部12とを接続する板状部分、すなわち、半導体基板の膜厚が薄い部分であり、固定部11と錘部12との対角点同士を互いに接続し、錘部12の上下横方向の移動に伴って撓むように可撓性を有するように形成されている。梁部13の上面には、所定間隔を有して複数のピエゾ抵抗素子16が形成されており、加速度の作用によって梁部13が上下横方向に撓むことにより、ピエゾ抵抗素子16の抵抗値が変化する。ピエゾ抵抗素子16の抵抗値の変化に基づく信号は、図示しない配線から電極パッド15を介して外部に取り出される。本実施形態の半導体加速度センサチップ10では、錘部12が半導体加速度センサチップ10の周辺部に位置する構造となっているため、既述したように、錘部12の体積を大きく設定することができる。従って、梁部13を薄膜化することなく、加速度センサの所望の感度を確保することができる。また、固定部11及び錘部12の対角方向に梁部13を配置することにより、梁部13の長さを長く設定できるため、加速度センサの感度をさらに向上させることができる。
【0021】
次に、ケース50は、例えば、セラミックを用いて形成され、底面部51と、側面部52とを備えている。
【0022】
底面部51は、その中央部に上方から見た外形形状が略正方形の突起部51aを備えており、突起部51aの上面で半導体加速度センサチップ10を支持固定している。突起部51aの上面への半導体加速度センサチップ10の固着は、例えば、エポキシ樹脂やシリコン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いて150℃/1hrの熱処理によって熱硬化させることで行われる。突起部51aの高さは、例えば、30μmであり、この高さ分だけ半導体加速度センサチップ10の固定部11の高さを錘部12の高さよりも実効的に高くすることができる。これにより、錘部12が底面部51に接触することなく、加速度の作用により自由に変位することができる。なお、突起部51aの形成は、例えば、セラミックからなるケース50を作製する際に、底面部51となる部分のセラミック材料の表面、すなわち、グリーンシートの表面に突起部51aとなる略正方形のグリーンシートを貼り付けてから焼成すればよい。また、突起部51aを有しないケースに対して、半導体加速度センサチップ10の実装工程で略正方形の樹脂フィルム、例えば、エポキシフィルムなどを貼り付けて突起部51aを形成してもよい。
【0023】
側面部52は、底面部51と一体に形成されるケース50の側壁である。側面部52の4つの各辺の中央部には複数の配線孔が形成されており、その配線孔を通るようにしてケース50の外部へと導かれる外部配線用電極53が、所定間隔を有して複数配置されている。そして、半導体加速度センサチップ10の電極パッド15と、外部配線用電極53とはボンディングワイヤー54によって電気的に接続されている。ここでのワイヤーボンディングは、例えば、金線を材料とし、230℃の超音波併用熱圧着法により行われる。本実施形態の半導体加速度センサチップ10では、突起部51aで支持固定された固定部11の表面に電極パッド15を配置しているため、電極パッド15と外部配線用電極53とを接続するワイヤーボンディングにおいて、半導体加速度センサチップ10、特に、梁部13が破損することはない。
【0024】
ケース50の上部には、金属製の蓋55が取り付けられている。蓋55は、例えば、42アロイ合金やSUS(ステンレス)などを材料とし、熱硬化性樹脂を用いてケース50の側面部52上に密閉性を有するように取り付けられる。なお、ケース50の内部はNガスまたはドライエアーでパージされている。
【0025】
〔作用効果〕
本発明の第1実施形態に係る半導体加速度センサ100によれば、半導体加速度センサチップ10の錘部12を周辺部に配置して錘部12の体積を大きく設定することにより、半導体加速度センサチップ10を薄膜化しても十分な慣性モーメントが作用するようになる。これにより、半導体加速度センサチップ10を薄型化、延いては半導体加速度センサ100の構造全体を薄型化することが可能となる。また、十分な慣性モーメントが作用するため、所定の機械的強度が確保される膜厚を以て梁部13を形成した場合でも、加速度センサの十分な感度を確保することができる。そして、梁部13の機械的強度を確保することにより、加速度センサの耐衝撃性を向上させ、製造工程における破損を防止して製造歩留まりの低下を抑制することができる。また、梁部13を固定部11及び錘部12の対角方向に配置することにより、梁部13の長さを長く設定できるため、加速度センサの感度をさらに向上させることができる。また、間隙部14の間隔を広く形成することにより、製造工程における異物の噛み込みに起因する動作不良の発生を回避することができる。さらに、ケース50の底面部51に突起部51aを形成し、その上面に半導体加速度センサチップ10を支持固定する構造とすることにより、半導体加速度センサチップ10の固定部11の下面と、錘部12の下面とを略同一の高さで形成することができるため、半導体加速度センサチップ10の製造工程を簡略化することができる。
【0026】
(2)第2実施形態
図2は、本発明の第2実施形態に係る半導体加速度センサ200の構成図である。図2(a)は上方からの平面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A’における断面図である。なお、図2(a)では、説明の便宜上、上面の蓋を外した状態を示している。
【0027】
半導体加速度センサ200は、半導体加速度センサチップ20がケース60に収容され、蓋65で気密封止された構造となっている。
【0028】
半導体加速度センサチップ20は、例えば、シリコンの半導体基板を用いて形成され、固定部21と、錘部22と、梁部23とを備えている。
【0029】
固定部21は、半導体加速度センサチップ20の中央部に位置し、上方から見た外形形状が略円形の円柱構造をしている。固定部21の上面には、後述するピエゾ抵抗素子26からの信号を外部に取り出すための電極パッド25が、所定間隔を有して複数個配置されている。また、固定部21の下面は、後述するケース60の底面部61に形成された突起部61a上に固着されている。第1実施形態における固定部11は上方から見た外形形状が略正方形をしていたが、第2実施形態における固定部21は上方から見た外形形状が略円形をしている。この効果について、図5の比較図を用いて説明する。略正方形の固定部11の一辺の長さをLとすれば、その対角線の長さは√2×Lとなる。今、略円形の固定部21が略正方形の固定部21に外接するとすれば、固定部21の直径は固定部11の対角線の長さに等しく√2×Lとなる。ここで、固定部11及び固定部21それぞれの面積を計算すると、略正方形の固定部11の面積はL×L=L、略円形の固定部21の面積はπ×(1/√2)×L=1.57Lとなる。つまり、固定部21の面積は固定部11の面積の約1.57倍となることが分かる。従って、第1実施形態に比べ、半導体加速度センサチップ20とケース60との接合面積が大きくなり、その接合強度を向上させることができる。
【0030】
錘部22は、半導体加速度センサチップ20の周辺部に位置し、固定部21を囲むように形成された略矩形の枠状の部分である。錘部22を半導体加速度センサチップ20の周辺部に配置することにより、従来の半導体加速度センサチップの構造、すなわち、半導体加速度センサチップの中央部に錘部を備える構造に比べ、錘部の体積を大きく設定することができる。これにより、半導体加速度センサチップ20の構造全体を薄膜化しても所定の慣性モーメントが作用するため、加速度センサの感度低下を抑制することができる。また、固定部21の下面と錘部22の下面とは略同一の高さで形成されている。これは、半導体加速度センサチップ20の製造工程を簡略化できることを意味している。具体的には、従来の半導体加速度センサチップの構造においては、加速度の作用により錘部が自由に変位できるように錘部の下面と固定部の下面との間には段差を設けなければならず、そのためのエッチング工程が必要であった。しかしながら、本実施形態の半導体加速度センサチップ20においては、固定部21の下面と錘部22の下面とは略同一の高さで形成されるため、段差形成のためのエッチング工程が不要となる。
【0031】
錘部22と固定部21とは間隙部24により分離されている。間隙部24は、従来の半導体加速度センサチップの構造と比べて間隔が広く形成されている。これにより、製造工程における異物、例えば、ダイシング時の切り屑などが間隙部に噛み込まれ、加速度センサの動作が妨げられることを回避することができる。
【0032】
梁部23は、固定部21と錘部22とを接続する板状部分、すなわち、半導体基板の膜厚が薄い部分であり、錘部22の対角点同士を結ぶラインに一致する方向において固定部21と錘部22と互いに接続し、錘部22の上下横方向の移動に伴って撓むように可撓性を有するように形成されている。梁部23の上面には、所定間隔を有して複数のピエゾ抵抗素子26が形成されており、加速度の作用によって梁部23が上下横方向に撓むことにより、ピエゾ抵抗素子26の抵抗値が変化する。ピエゾ抵抗素子26の抵抗値の変化に基づく信号は、図示しない配線から電極パッド25を介して外部に取り出される。本実施形態の半導体加速度センサチップ20では、錘部22が半導体加速度センサチップ20の周辺部に位置する構造となっているため、既述したように、錘部22の体積を大きく設定することができる。従って、梁部23を薄膜化することなく、加速度センサの所望の感度を確保することができる。また、錘部22の対角方向に梁部23を配置することにより、梁部23の長さを長く設定できるため、加速度センサの感度をさらに向上させることができる。
【0033】
次に、ケース60は、例えば、セラミックを用いて形成され、底面部61と、側面部62とを備えている。
【0034】
底面部61は、その中央部に上方から見た外形形状が略円形の突起部61aを備えており、突起部61aの上面で半導体加速度センサチップ20を支持固定している。突起部61aの上面への半導体加速度センサチップ20の固着は、例えば、エポキシ樹脂やシリコン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いて150℃/1hrの熱処理によって熱硬化させることで行われる。突起部61aの高さは、例えば、30μmであり、この高さ分だけ半導体加速度センサチップ20の固定部21の高さを錘部22の高さよりも実効的に高くすることができる。これにより、錘部22が底面部61に接触することなく、加速度の作用により自由に変位することができる。なお、突起部61aの形成は、例えば、セラミックからなるケース60を作製する際に、底面部61となる部分のセラミック材料の表面、すなわち、グリーンシートの表面に突起部61aとなる略円形のグリーンシートを貼り付けてから焼成すればよい。また、突起部61aを有しないケースに対して、半導体加速度センサチップ20の実装工程で略円形の樹脂フィルム、例えば、エポキシフィルムなどを貼り付けて突起部61aを形成してもよい。
【0035】
側面部62は、底面部61と一体に形成されるケース60の側壁である。側面部62の4つの各辺の中央部には複数の配線孔が形成されており、その配線孔を通るようにしてケース60の外部へと導かれる外部配線用電極63が、所定間隔を有して複数配置されている。そして、半導体加速度センサチップ20の電極パッド25と、外部配線用電極63とはボンディングワイヤー64によって電気的に接続されている。ここでのワイヤーボンディングは、例えば、金線を材料とし、230℃の超音波併用熱圧着法により行われる。本実施形態の半導体加速度センサチップ20では、突起部61aで支持固定された固定部21の表面に電極パッド25を配置しているため、電極パッド25と外部配線用電極63とを接続するワイヤーボンディングにおいて、半導体加速度センサチップ20、特に、梁部23が破損することはない。
【0036】
ケース60の上部には、金属製の蓋65が取り付けられている。蓋65は、例えば、42アロイ合金やSUS(ステンレス)などを材料とし、熱硬化性樹脂を用いてケース60の側面部62上に密閉性を有するように取り付けられる。なお、ケース60の内部はNガスまたはドライエアーでパージされている。
【0037】
〔作用効果〕
本発明の第2実施形態に係る半導体加速度センサ200によれば、第1実施形態に係る半導体加速度センサ100と同様の効果を奏することができる。すなわち、半導体加速度センサチップ20の錘部22を周辺部に配置して錘部22の体積を大きく設定することにより、半導体加速度センサチップ20を薄膜化しても十分な慣性モーメントが作用するようになる。これにより、半導体加速度センサチップ20を薄型化、延いては半導体加速度センサ200の構造全体を薄型化することが可能となる。また、十分な慣性モーメントが作用するため、所定の機械的強度が確保される膜厚を以て梁部23を形成した場合でも、加速度センサの十分な感度を確保することができる。そして、梁部23の機械的強度が確保されることにより、加速度センサの耐衝撃性が向上し、製造工程における破損を防止して製造歩留まりの低下を抑制することができる。また、梁部23を錘部22の対角方向に配置することにより、梁部23の長さを長く設定できるため、加速度センサの感度をさらに向上させることができる。また、間隙部24の間隔を広く形成することにより、製造工程における異物の噛み込みに起因する動作不良の発生を回避することができる。また、ケース60の底面部61に突起部61aを形成し、その上面に半導体加速度センサチップ20を支持固定する構造とすることにより、半導体加速度センサチップ20の固定部21の下面と、錘部22の下面とを略同一の高さで形成することができるため、半導体加速度センサチップ20の製造工程を簡略化することができる。さらに第2実施形態では、上記の効果に加えて、半導体加速度センサチップ20の固定部21を円柱構造とすることにより、固定部21と突起部61aとの接合面積を大きくすることができるため、その接合強度を向上させることができる。これにより、加速度センサの耐衝撃性をさらに向上させることができる。
【0038】
(3)第3実施形態
図3は、本発明の第3実施形態に係る半導体加速度センサ300の構成図である。図3(a)は上方からの平面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A’における断面図である。なお、図3(a)では、説明の便宜上、上面の蓋を外した状態を示している。半導体加速度センサ300は、制御用集積回路30上に積層された半導体加速度センサチップ10もしくは半導体加速度センサチップ20が、制御用集積回路30と共にケース70に収容され、蓋75で気密封止された構造となっている。
【0039】
本実施形態における半導体加速度センサチップは、第1実施形態の半導体加速度センサチップ10及び第2実施形態の半導体加速度センサチップ20のいずれであってもよいが、説明の便宜上、半導体加速度センサチップ10を使用した場合を例に説明する。なお、図3において、第1実施形態と同一の半導体加速度センサチップ10の構造については、図1と同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】
制御用集積回路30は、半導体加速度センサチップ10のセンサ感度補正やX、Y、Z軸のズレ補正を行うためのIC(Integrated Circuit)である。制御用集積回路30の下面は、後述するケース70の底面部71の表面に固着されている。また、制御用集積回路30の上面には、半導体加速度センサチップ10が積層されている。制御用集積回路30の上面への半導体加速度センサチップ10の固着は、例えば、エポキシ樹脂やシリコン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いて150℃/1hrの熱処理によって熱硬化させることで行われる。また、制御用集積回路30の上面には、制御用集積回路30と半導体加速度センサチップ10との間で信号をやりとりするための電極パッド31が所定間隔を有して複数個配置されており、間隙部14の中を通して半導体加速度センサチップ10の一部の電極パッド15とボンディングワイヤー32によって電気的に接続されている。ここでのワイヤーボンディングは、例えば、金線を材料とし、230℃の超音波併用熱圧着法により行われる。本実施形態における制御用集積回路30は、第1実施形態におけるケース50の突起部51aと構造上同じ機能を果たしている。すなわち、制御用集積回路30の高さ分だけ半導体加速度センサチップ10の固定部11の高さを錘部12の高さよりも実効的に高くすることができるため、錘部12が底面部71に接触することなく、加速度の作用により自由に変位することができる。
【0041】
次に、ケース70は、例えば、セラミックを用いて形成され、底面部71と、側面部72とを備えている。
【0042】
底面部71は、その表面で制御用集積回路30を支持固定している。底面部71の表面への制御用集積回路30の固着は、例えば、エポキシ樹脂やシリコン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いて150℃/1hrの熱処理によって熱硬化させることで行われる。
【0043】
側面部72は、底面部71と一体に形成されるケース70の側壁である。側面部72の4つの各辺の中央部には複数の配線孔が形成されており、その配線孔を通るようにしてケース70の外部へと導かれる外部配線用電極73が、所定間隔を有して複数配置されている。そして、半導体加速度センサチップ10の電極パッド15と、外部配線用電極73とはボンディングワイヤー74によって電気的に接続されている。ここでのワイヤーボンディングは、例えば、金線を材料とし、230℃の超音波併用熱圧着法により行われる。本実施形態の半導体加速度センサチップ10では、制御用集積回路30で支持固定された固定部11の表面に電極パッド15を配置しているため、電極パッド15と外部配線用電極73とを接続するワイヤーボンディングにおいて、半導体加速度センサチップ10、特に、梁部13が破損することはない。
【0044】
ケース70の上部には、金属製の蓋75が取り付けられている。蓋75は、例えば、42アロイ合金やSUS(ステンレス)などを材料とし、熱硬化性樹脂を用いてケース70の側面部72上に密閉性を有するように取り付けられる。なお、ケース70の内部はNガスまたはドライエアーでパージされている。
【0045】
〔作用効果〕
本発明の第3実施形態に係る半導体加速度センサ300によれば、半導体加速度センサチップ10(20)の錘部12(22)を周辺部に配置して錘部12(22)の体積を大きく設定することにより、半導体加速度センサチップ10(20)を薄膜化しても十分な慣性モーメントが作用するようになる。これにより、半導体加速度センサチップ10(20)を薄型化することが可能となる。また、十分な慣性モーメントが作用するため、所定の機械的強度が確保される膜厚を以て梁部13(23)を形成した場合でも、加速度センサの十分な感度を確保することができる。そして、梁部13(23)の機械的強度を確保することにより、加速度センサの耐衝撃性を向上させ、製造工程における破損を防止して製造歩留まりの低下を抑制することができる。また、梁部13(23)を錘部12(22)の対角方向に配置することにより、梁部13(23)の長さを長く設定できるため、加速度センサの感度をさらに向上させることができる。また、間隙部14(24)の間隔を広く形成することにより、製造工程における異物の噛み込みに起因する動作不良の発生を回避することができる。また、ケース70の底面部71の表面に制御用集積回路30を形成し、その上面に半導体加速度センサチップ10(20)を支持固定する構造とすることにより、半導体加速度センサチップ10(20)の固定部11(21)の下面と、錘部12(22)の下面とを略同一の高さで形成することができるため、半導体加速度センサチップ10(20)の製造工程を簡略化することができる。また、制御用集積回路30と半導体加速度センサチップ10(20)を積層することで、制御用集積回路30を内蔵した上で半導体加速度センサ300の外形サイズを小さくすることができる。さらに、半導体加速度センサチップ10(20)の電極パッド15(25)と制御用集積回路30の電極パッド31とを、間隙部14(24)の中を通したボンディングワイヤー32で接続することにより、ボンディングワイヤー32の長さを短くすることができるため、耐ノイズ性が向上する。
【0046】
(4)第4実施形態
図4は、本発明の第4実施形態に係る半導体加速度センサ400の構成図である。図4(a)は上方からの平面図であり、図4(b)は図4(a)のA−A’における断面図である。なお、図4(a)では、説明の便宜上、上面の蓋を外した状態を示している。
【0047】
半導体加速度センサ400は、半導体加速度センサチップ10もしくは半導体加速度センサチップ20が、半導体加速度センサチップ10もしくは半導体加速度センサチップ20と横並びに配置された制御用集積回路40と共にケース80に収容され、蓋85で気密封止された構造となっている。
【0048】
本実施形態における半導体加速度センサチップは、第1実施形態の半導体加速度センサチップ10及び第2実施形態の半導体加速度センサチップ20のいずれであってもよいが、説明の便宜上、半導体加速度センサチップ10を使用した場合を例に説明する。なお、図4において、第1実施形態と同一の半導体加速度センサチップ10の構造については、図1と同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
制御用集積回路40は、半導体加速度センサチップ10のセンサ感度補正やX、Y、Z軸のズレ補正を行うためのICである。制御用集積回路40は、半導体加速度センサチップ10と横並びに配置され、制御用集積回路40の下面は後述するケース80の底面部81の表面に固着されている。制御用集積回路40の上面には、制御用集積回路40と半導体加速度センサチップ10、及び制御用集積回路40とその他の外部回路との間で信号をやりとりするための電極パッド41が所定間隔を有して複数個配置されており、半導体加速度センサチップ10の一部の電極パッド15及び後述するケース80の外部配線用電極83とボンディングワイヤー42によって電気的に接続されている。ここでのワイヤーボンディングは、例えば、金線を材料とし、230℃の超音波併用熱圧着法により行われる。
【0050】
次に、ケース80は、例えば、セラミックを用いて形成され、底面部81と、側面部82とを備えている。
【0051】
底面部81は、その中央部に上方から見た外形形状が略正方形の突起部81aを備えており、突起部81aの上面で半導体加速度センサチップ10を支持固定している。突起部81aの上面への半導体加速度センサチップ10の固着は、例えば、エポキシ樹脂やシリコン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いて150℃/1hrの熱処理によって熱硬化させることで行われる。突起部81aの高さは、例えば、30μmであり、この高さ分だけ半導体加速度センサチップ10の固定部11の高さを錘部12の高さよりも実効的に高くすることができる。これにより、錘部12が底面部81に接触することなく、加速度の作用により自由に変位することができる。なお、突起部81aの形成は、例えば、セラミックからなるケース80を作製する際に、底面部81となる部分のセラミック材料の表面、すなわち、グリーンシートの表面に突起部81aとなる略円形のグリーンシートを貼り付けてから焼成すればよい。また、突起部81aを有しないケースに対して、半導体加速度センサチップ10の実装工程で略正方形の樹脂フィルム、例えば、エポキシフィルムなどを貼り付けて突起部81aを形成してもよい。
【0052】
側面部82は、底面部81と一体に形成されるケース80の側壁である。側面部82の4つの各辺の中央部には複数の配線孔が形成されており、その配線孔を通るようにしてケース80の外部へと導かれる外部配線用電極83が、所定間隔を有して複数配置されている。そして、半導体加速度センサチップ10の電極パッド15と、外部配線用電極83とはボンディングワイヤー84によって電気的に接続されている。また、制御用集積回路40の電極パッド41と、外部配線用電極83とはボンディングワイヤー42によって電気的に接続されている。ここでのワイヤーボンディングは、例えば、金線を材料とし、230℃の超音波併用熱圧着法により行われる。本実施形態の半導体加速度センサチップ10では、突起部81aで支持固定された固定部11の表面に電極パッド15を配置しているため、電極パッド15と外部配線用電極83とを接続するワイヤーボンディングにおいても半導体加速度センサチップ10、特に、梁部13が破損することはない。
【0053】
ケース80の上部には、金属製の蓋85が取り付けられている。蓋85は、例えば、42アロイ合金やSUS(ステンレス)などを材料とし、熱硬化性樹脂を用いてケース80の側面部82上に密閉性を有するように取り付けられる。なお、ケース80の内部はNガスまたはドライエアーでパージされている。
【0054】
〔作用効果〕
本発明の第4実施形態に係る半導体加速度センサ400によれば、半導体加速度センサチップ10(20)の錘部12(22)を周辺部に配置して錘部12(22)の体積を大きく設定することにより、半導体加速度センサチップ10(20)を薄膜化しても十分な慣性モーメントが作用するようになる。これにより、半導体加速度センサチップ10(20)を薄型化することが可能となる。また、十分な慣性モーメントが作用するため、所定の機械的強度が確保される膜厚を以て梁部13(23)を形成した場合でも、加速度センサの十分な感度を確保することができる。そして、梁部13(23)の機械的強度を確保することにより、加速度センサの耐衝撃性を向上させ、製造工程における破損を防止して製造歩留まりの低下を抑制することができる。また、梁部13(23)を錘部12(22)の対角方向に配置することにより、梁部13(23)の長さを長く設定できるため、加速度センサの感度をさらに向上させることができる。また、間隙部14(24)の間隔を広く形成することにより、製造工程における異物の噛み込みに起因する動作不良の発生を回避することができる。また、ケース80の底面部81の表面に突起部81aを形成し、その上面に半導体加速度センサチップ10(20)を支持固定する構造とすることにより、半導体加速度センサチップ10(20)の固定部11(21)の下面と、錘部12(22)の下面とを略同一の高さで形成することができるため、半導体加速度センサチップ10(20)の製造工程を簡略化することができる。さらに、制御用集積回路40と半導体加速度センサチップ10(20)を横並びに配置することで、制御用集積回路40を内蔵した上で半導体加速度センサ400の構造全体を薄型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】第1実施形態に係る半導体加速度センサの構成図。
【図2】第2実施形態に係る半導体加速度センサの構成図。
【図3】第3実施形態に係る半導体加速度センサの構成図。
【図4】第4実施形態に係る半導体加速度センサの構成図。
【図5】固定部の接合面積の比較図。
【符号の説明】
【0056】
10、20・・・半導体加速度センサチップ
11、21・・・固定部
12、22・・・錘部
13、23・・・梁部
14、24・・・間隙部
15、25、31、41・・・電極パッド
16、26・・ピエゾ抵抗素子
30、40・・・制御用集積回路
50、60、70、80・・・ケース
51、61、71、81・・・底面部
51a、61a、81a・・・突起部
52、62、72、82・・・側面部
53、63、73、83・・・外部配線用電極
32、42、54、64、74、84・・・ボンディングワイヤー
55、65、75、85・・・蓋
100、200、300、400・・・半導体加速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部と、前記固定部の下面高さと略同一の下面高さを有しかつ前記固定部と所定の間隙を有して前記固定部の周囲を囲む枠状の錘部と、前記固定部と前記錘部とを接続しかつ前記固定部及び前記錘部の膜厚よりも薄い梁部と、を有する半導体加速度センサチップと、
底面部に前記固定部が固着された突起部を有しかつ前記半導体加速度センサチップを収容するケースと、
を備えることを特徴とする半導体加速度センサ。
【請求項2】
前記梁部は、前記錘部の対角点同士を結ぶ仮想直線に一致する方向で前記固定部と前記錘部とを接続することを特徴とする、請求項1に記載の半導体加速度センサ。
【請求項3】
前記固定部は、表面に所定の間隔を有して複数の第1電極が配置されることを特徴とする、請求項2に記載の半導体加速度センサ。
【請求項4】
前記ケースは、前記半導体加速度センサの外部へ導かれる外部配線用電極を有する側面部を備え、前記第1電極と前記外部配線用電極とはワイヤーボンディングで接続されることを特徴とする、請求項3に記載の半導体加速度センサ。
【請求項5】
前記ワイヤーボンディングは、金線を材料として超音波併用熱圧着法を用いて接続されることを特徴とする、請求項4に記載の半導体加速度センサ。
【請求項6】
前記固定部は、上方から見た外形形状が略正方形の四角柱構造をしていることを特徴とする、請求項4に記載の半導体加速度センサ。
【請求項7】
前記突起部は、上方から見た外形形状が略正方形であることを特徴とする、請求項6に記載の半導体加速度センサ。
【請求項8】
前記ケースはセラミックを材料とし、前記突起部の形成は、前記ケースを作製する際に前記底面部となるグリーンシート上に略正方形のグリーンシートを貼り付けて焼成して形成することを特徴とする、請求項7に記載の半導体加速度センサ。
【請求項9】
前記ケースはセラミックを材料とし、前記突起部の形成は、前記ケースの前記底面部の表面に略正方形の樹脂フィルムを貼り付けて形成することを特徴とする、請求項7に記載の半導体加速度センサ。
【請求項10】
前記固定部は、上方から見た外形形状が略円形の円柱構造をしていることを特徴とする、請求項4に記載の半導体加速度センサ。
【請求項11】
前記突起部は、上方から見た外形形状が略円形であることを特徴とする、請求項10に記載の半導体加速度センサ。
【請求項12】
前記ケースはセラミックを材料とし、前記突起部の形成は、前記ケースを作製する際に前記底面部となるグリーンシート上に略円形のグリーンシートを貼り付けて焼成して形成することを特徴とする、請求項11に記載の半導体加速度センサ。
【請求項13】
前記ケースはセラミックを材料とし、前記突起部の形成は、前記ケースの前記底面部の表面に略円形の樹脂フィルムを貼り付けて形成することを特徴とする、請求項11に記載の半導体加速度センサ。
【請求項14】
前記ケースの前記底面部の表面に、前記半導体加速度センサチップと横並びに配置される制御用集積回路をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の半導体加速度センサ。
【請求項15】
前記梁部は、前記錘部の対角点同士を結ぶ仮想直線に一致する方向で前記固定部と前記錘部とを接続することを特徴とする、請求項14に記載の半導体加速度センサ。
【請求項16】
前記固定部は、表面に所定の間隔を有して複数の第1電極が配置されることを特徴とする、請求項15に記載の半導体加速度センサ。
【請求項17】
前記制御用集積回路は、表面に所定の間隔を有して複数の第2電極が配置されることを特徴とする、請求項16に記載の半導体加速度センサ。
【請求項18】
前記第1電極と前記第2電極とは、ワイヤーボンディングで接続されることを特徴とする、請求項17に記載の半導体加速度センサ。
【請求項19】
前記ワイヤーボンディングは、金線を材料として超音波併用熱圧着法を用いて接続されることを特徴とする、請求項18に記載の半導体加速度センサ。
【請求項20】
前記ケースは、前記半導体加速度センサの外部へ導かれる外部配線用電極を有する側面部を備え、前記第1電極と前記外部配線用電極、及び前記第2電極と前記外部配線用電極とはワイヤーボンディングで接続されることを特徴とする、請求項18に記載の半導体加速度センサ。
【請求項21】
前記ワイヤーボンディングは、金線を材料として超音波併用熱圧着法を用いて接続されることを特徴とする、請求項20に記載の半導体加速度センサ。
【請求項22】
前記固定部は、上方から見た外形形状が略正方形の四角柱構造をしていることを特徴とする、請求項20に記載の半導体加速度センサ。
【請求項23】
前記突起部は、上方から見た外形形状が略正方形であることを特徴とする、請求項22に記載の半導体加速度センサ。
【請求項24】
前記ケースはセラミックを材料とし、前記突起部の形成は、前記ケースを作製する際に前記底面部となるグリーンシート上に略正方形のグリーンシートを貼り付けて焼成して形成することを特徴とする、請求項23に記載の半導体加速度センサ。
【請求項25】
前記ケースはセラミックを材料とし、前記突起部の形成は、前記ケースの前記底面部の表面に略正方形の樹脂フィルムを貼り付けて形成することを特徴とする、請求項23に記載の半導体加速度センサ。
【請求項26】
前記固定部は、上方から見た外形形状が略円形の円柱構造をしていることを特徴とする、請求項20に記載の半導体加速度センサ。
【請求項27】
前記突起部は、上方から見た外形形状が略円形であることを特徴とする、請求項26に記載の半導体加速度センサ。
【請求項28】
前記ケースはセラミックを材料とし、前記突起部の形成は、前記ケースを作製する際に前記底面部となるグリーンシート上に略円形のグリーンシートを貼り付けて焼成して形成することを特徴とする、請求項27に記載の半導体加速度センサ。
【請求項29】
前記ケースはセラミックを材料とし、前記突起部の形成は、前記ケースの前記底面部に略円形の樹脂フィルムを貼り付けて形成することを特徴とする、請求項27に記載の半導体加速度センサ。
【請求項30】
固定部と、前記固定部の下面高さと略同一の下面高さを有しかつ前記固定部と所定の間隙を有して前記固定部の周囲を囲む枠状の錘部と、前記固定部と前記錘部とを接続しかつ前記固定部及び前記錘部の膜厚よりも薄い梁部と、を有する半導体加速度センサチップと、
前記半導体加速度センサチップの下面に積層される制御用集積回路と、
底面部に前記制御用集積回路が固着されかつ前記半導体加速度センサチップ及び前記制御用集積回路を収容するケースと、
を備えることを特徴とする半導体加速度センサ。
【請求項31】
前記梁部は、前記錘部の対角点同士を結ぶ仮想直線に一致する方向で前記固定部と前記錘部とを接続することを特徴とする、請求項30に記載の半導体加速度センサ。
【請求項32】
前記固定部は、表面に所定の間隔を有して複数の第1電極が配置されることを特徴とする、請求項31に記載の半導体加速度センサ。
【請求項33】
前記制御用集積回路は、表面に所定の間隔を有して複数の第2電極が配置されることを特徴とする、請求項32に記載の半導体加速度センサ。
【請求項34】
前記第1電極と前記第2電極とは、前記固定部と前記錘部との間隙を利用してワイヤーボンディングで接続されることを特徴とする、請求項33に記載の半導体加速度センサ。
【請求項35】
前記ワイヤーボンディングは、金線を材料として超音波併用熱圧着法を用いて接続されることを特徴とする、請求項34に記載の半導体加速度センサ。
【請求項36】
前記ケースは、前記半導体加速度センサの外部へ導かれる外部配線用電極を有する側面部を備え、前記第1電極と前記外部配線用電極とはワイヤーボンディングで接続されることを特徴とする、請求項34に記載の半導体加速度センサ。
【請求項37】
前記ワイヤーボンディングは、金線を材料として超音波併用熱圧着法を用いて接続されることを特徴とする、請求項36に記載の半導体加速度センサ。
【請求項38】
前記固定部は、上方から見た外形形状が略正方形の四角柱構造をしていることを特徴とする、請求項36に記載の半導体加速度センサ。
【請求項39】
前記固定部は、上方から見た外形形状が略円形の円柱構造をしていることを特徴とする、請求項36に記載の半導体加速度センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−170962(P2006−170962A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−367933(P2004−367933)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(390008855)宮崎沖電気株式会社 (151)
【Fターム(参考)】