説明

半導体可変容量素子及びその製造方法

【課題】蓄積モードMOS容量型の半導体可変容量素子において、高周波特性を低下することなく、反転バイアス時にゲート絶縁膜直下に形成される反転層に蓄積されたキャリアを効率よく引き抜くことができる半導体可変容量素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板10の第1の領域に形成されたNウェル16と、半導体基板10上に形成された絶縁膜18と、Nウェル16上に絶縁膜18を介して形成されたゲート電極20nとを有する容量と、半導体基板10の第1の領域に隣接した第2の領域に形成された第2導電型のPウェル14とを有し、ゲート電極20nは、端部が第2の領域に延在し、Pウェル14上に絶縁膜18を介して形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体可変容量素子及びその製造方法に係り、特に、反転バイアス時にゲート絶縁膜直下に形成される反転層に蓄積されたキャリアを引き抜くキャリア除去用端子を有する半導体可変容量素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体可変容量素子は、例えば電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)の発振周波数制御用素子として、半導体集積回路に組み込まれている。半導体可変容量素子としては、接合容量、反転モードMOS容量、蓄積モードMOS容量などがあるが、近年の通信速度の向上に伴い、高周波特性に優れた蓄積モードMOS容量を用いた半導体可変容量素子が用いられるようになってきている。
【0003】
図23は、従来の蓄積モードMOS容量型の半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である(例えば特許文献1及び非特許文献1を参照)。
【0004】
半導体基板100には、活性領域を画定する素子分離膜102が形成されている。活性領域内の半導体基板100内には、Nウェル104が形成されている。活性領域上には、ゲート絶縁膜106を介してゲート電極108が形成されている。ゲート電極108の両側の活性領域表面側には、N型のソース領域110及びドレイン領域112が形成されている。
【0005】
図23に示す半導体可変容量素子は、通常のNMOSトランジスタと類似の構造を有しているが、Pウェル中ではなくNウェル104中に形成されている点が特徴である。また、ソース領域110とドレイン領域112とは電気的に接続されており、ゲート電極108とソース/ドレイン領域110,112との2端子素子として動作する。
【0006】
ゲート電極108に正電圧を印加すると、半導体基板100表面に電子蓄積層が形成され、ゲート電極108とソース/ドレイン領域110,112との間の容量が大きくなる。通常のNMOSトランジスタ構造(反転モードMOS容量)では、半導体基板表面に電子の反転層が形成されるため、容量値は蓄積モードと同等になるが、チャネル抵抗が高く、高周波特性が蓄積モードに比べて劣る。ゲート電極108に負電圧を印加すると、半導体基板100表面は空乏層が広がり、ゲート電極108とソース/ドレイン領域110,112との間の容量は小さくなる。
【0007】
図24は、3.3V用トランジスタのプロセス条件で作成した蓄積モードMOS容量型の半導体可変容量素子のC−V特性である。図24(a)は印加電圧の全掃引範囲の特性を示したものであり、図24(b)は負電圧側の特性を拡大したものである。また、各図において、■印は負側から正側に電圧を掃引した場合であり、▲印は正側から負側に電圧を掃引した場合である。
【0008】
図24(b)に示すように、ゲート電圧が−1V以下の領域において、ゲート電圧の掃引の仕方によって容量値に差が生じる。すなわち、ゲート電圧を負から正に掃引する場合は容量値が大きめに、正から負に掃引する場合は容量値が小さめになる傾向にある。これは、半導体基板表面に正孔の反転層が形成されることに起因するものである。
【0009】
図25は、ゲート電極に負の電圧を印加し、半導体基板表面に正孔の反転層が形成されたときのバンド図である。この正孔に対しては接続端子が存在しないため、ゲート電圧を変えても瞬時には正孔濃度は変化しない。自然に起きる電子・正孔生成や再結合により、数秒或いは数分かけてゆっくりと変化する。正孔濃度が低いときはNウェルの空乏層が広がり容量は低くなり、正孔濃度が高いときはNウェルの空乏層が縮まって容量は高くなるため、容量値も正孔濃度に対応してゆっくりと変化する。したがって、容量値は、ゲートに印加された電圧の履歴に依存する不確定な成分をもつことになり、その大きさは、図24(b)から判るように、容量値の5〜10%程度にもなる。VCOの発振周波数は、半導体可変容量素子の容量値で決まるため、この不確定容量成分は、回路設計上大きな問題となる。
【0010】
この課題を解決する手段として、正孔を除去するための端子を設けることが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0011】
図26は、正孔除去用端子を設けた半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。
【0012】
P型の半導体基板100には、Nウェル104が形成されている。Nウェル104が形成された領域の半導体基板100上には、ゲート絶縁膜106を介してゲート電極108が形成されている。ゲート電極108の両側の半導体基板100内には、P型のソース領域110及びドレイン領域112が形成されている。Nウェル104には、N型のコンタクト領域114が形成されている。半導体基板100には、P型のコンタクト領域116が形成されている。
【0013】
図26に示す半導体可変容量素子は、通常のPMOSトランジスタと同じ構造を有しており、ゲート電極108/ゲート絶縁膜106/Nウェル104により構成される容量を可変容量として用い、ソース/ドレイン領域110,112を正孔除去用端子として用いているものである。
【特許文献1】特開2004−140028号公報
【特許文献2】特開2004−311752号公報
【非特許文献1】T. Soorapanth et al., "Analysis and optimization of accumulation-mode varactor for RF ICs", Symp. On VLSI-Circuits (1998), p.32
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、図26に示す従来の半導体可変容量素子では、ゲート電極108に正の電圧を印加して半導体基板100の表面に電子蓄積層が形成されるようにした場合、N型のコンタクト領域114が電子蓄積層から離れているため寄生抵抗が大きくなり、高周波特性が低下してしまう。
【0015】
また、この構造では、通常のプロセスではポリシリコンよりなるゲート電極108にP型のドーパントが注入されるため、Pポリシリコン/ゲート絶縁膜/Nウェルという構造となる。このため、電子蓄積層を形成するためには、通常のNポリシリコン/ゲート絶縁膜/Nウェルという構造に比べて、かなり高い電圧をゲート電極108に印加しなければならなかった。
【0016】
本発明の目的は、蓄積モードMOS容量型の半導体可変容量素子において、高周波特性を低下することなく、反転バイアス時にゲート絶縁膜直下に形成される反転層に蓄積されたキャリアを効率よく引き抜くことができる半導体可変容量素子、並びにこのような半導体可変容量素子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一観点によれば、半導体基板の第1の領域に形成された第1導電型の第1のウェルと、前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記第1のウェル上に前記絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを有する容量と、前記半導体基板の前記第1の領域に隣接した第2の領域に形成された第2導電型の第2のウェルとを有し、前記ゲート電極は、端部が前記第2の領域に延在し、前記第2のウェル上に前記絶縁膜を介して形成されている半導体可変容量素子が提供される。
【0018】
また、本発明の他の観点によれば、半導体基板の第1の領域に形成された第1導電型の第1のウェルと、前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記第1のウェル上に前記絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを有する容量と、前記第1の領域の前記半導体基板内に、前記ゲート電極を挟むように設けられ、前記第1のウェルに電気的に接続された前記第1導電型の一対の第1の不純物拡散領域と、前記半導体基板の前記第1の領域に隣接する第2の領域の前記半導体基板内に設けられた第2導電型の第2の不純物拡散領域とを有する半導体可変容量素子が提供される。
【0019】
また、本発明の更に他の観点によれば、半導体基板内に活性領域を画定する素子分離膜を形成する工程と、前記活性領域内に、第1導電型の第1のウェルを形成する工程と、前記半導体基板の前記活性領域上に、第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜上に、少なくとも一方の端部が前記活性領域上に位置するようにゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極の両側の前記活性領域内に、前記第1導電型の一対の第1の不純物拡散領域を形成する工程と、前記活性領域内に、第2導電型の第2の不純物拡散領域を形成する工程と、前記第1の不純物拡散領域と前記第2の不純物拡散領域との間の領域の前記半導体基板上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、前記第2の絶縁膜をマスクとして、前記第1の不純物拡散領域上及び前記第2の不純物拡散領域上に、金属シリサイド膜を選択的に形成する工程とを有する半導体可変容量素子の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、半導体基板の第1の領域に形成された第1導電型の第1のウェルと、半導体基板上に形成された絶縁膜と、第1のウェル上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを有する蓄積モードMOS容量型の半導体可変容量素子において、第1の領域に隣接した第2の領域に第2導電型の第2のウェルを形成し、ゲート電極の端部を第2のウェル上に絶縁膜を介して配置するので、反転バイアス時に絶縁膜直下に形成される反転層に蓄積されるキャリアを、第2のウェルを介して引き抜くことができる。これにより、チャネル抵抗及び動作電圧を低くすることができ、半導体可変容量素子の高周波特性を大幅に向上することができる。
【0021】
また、半導体基板の第1の領域に形成された第1導電型の第1のウェルと、半導体基板上に形成された絶縁膜と、第1のウェル上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを有する蓄積モードMOS容量型の半導体可変容量素子において、第1の領域に隣接する第2の領域に、ゲート電極の端部に近接して設けられた第2導電型の第2の不純物拡散領域を形成するので、反転バイアス時に絶縁膜直下に形成される反転層に蓄積されるキャリアを、第2の不純物拡散領域を介して引き抜くことができる。これにより、チャネル抵抗及び動作電圧を低くすることができ、半導体可変容量素子の高周波特性を大幅に向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による半導体可変容量素子について図1乃至図6を用いて説明する。
【0023】
図1は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図、図2は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図、図3乃至図6は本実施形態による半導体可変容量素子の製造方法を示す工程断面図である。
【0024】
はじめに、本実施形態による半導体可変容量素子の構造について図1及び図2を用いて説明する。なお、図2(a),(b),(c)は、それぞれ、図1のA−A′線断面図、B−B′線断面図、C−C′線断面図である。
【0025】
P型のシリコン基板10内には、活性領域12a,12bを画定する素子分離膜12が形成されている。活性領域12bを含む領域のシリコン基板10内には、Pウェル14が形成されている。Pウェル14は、活性領域12bに隣接する活性領域12aの一部の領域にも延在している。活性領域12aの他の領域のシリコン基板10内には、Nウェル16が形成されている。Nウェル16は、Pウェル14の底部及び周囲を囲うように形成されている。すなわち、Pウェル14は、Nウェル16内に形成された二重ウェルであり、シリコン基板10から電気的に分離されている。
【0026】
活性領域12a上には、ゲート絶縁膜18を介して、N型ポリシリコンよりなるゲート電極20nが形成されている。ゲート電極20nは、Nウェル16の形成領域からPウェル14の形成領域に渡って形成されている。ゲート電極20nの側壁部分には、側壁絶縁膜24が形成されている。ゲート電極20nの両側のシリコン基板10内には、N型のソース/ドレイン領域28nが形成されている。活性領域12bのシリコン基板10内には、P型の不純物拡散領域30pが形成されている。
【0027】
ゲート電極20n上、ソース/ドレイン領域28n上及び不純物拡散領域30p上には、金属シリサイド膜32が形成されている。
【0028】
このように、本実施形態による半導体可変容量素子は、基本的には、N型ゲート電極20n/ゲート絶縁膜18/Nウェル16の構造よりなる蓄積モードMOS容量型の可変容量素子である。容量素子の上部電極がゲート電極20nであり、下部電極がNウェル16であり、下部電極からの引き出し電極が不純物拡散領域28nである。
【0029】
本実施形態による半導体可変容量素子の主たる特徴は、ゲート電極20nの端部下の活性領域12aにPウェル14が形成されていることにある。このPウェル14は、活性領域12bに延在して形成されている。このようにして、Pウェル14をゲート電極20nの端部下の領域に設けることにより、反転バイアス時にゲート絶縁膜18直下に形成されるP型反転層に蓄積された正孔(図25を参照)を、ゲート電極20nの端部領域からPウェル14を介して不純物拡散領域30pへ引き抜くことができる。これにより、反転バイアス時の容量を安定化させることができる。
【0030】
正孔除去端子(不純物拡散領域30p及びPウェル14)への印加電圧は、例えば接地電位(GND)或いはその回路で使用される最低電圧に固定することが考えられる。接地電位或いは最低電圧に固定しておけば、正孔を除去できる状態を常に維持することができる。
【0031】
或いは、正孔除去端子(不純物拡散領域30p及びPウェル14)とNウェル16との電圧差を一定に固定(例えば、正孔除去端子の電圧=Nウェル16の電圧−0.7V)することも有効である。この方法では、正孔除去端子とNウェル16との間の容量(Pウェル14とNウェル16との間の接合容量)を一定に保つことができ、回路設計が行いやすくなる。
【0032】
但し、有限な一定電圧差を正孔除去電極とNウェル16との間に常に発生させる構成にすると、制御回路を煩雑にする虞がある。そこで、これを回避するために、通常は正孔除去端子の電圧=Nウェル16の電圧としておき、P型反転層が形成されるバイアス条件のときにのみ、正孔除去端子の電圧<Nウェル16の電圧として、正孔除去能力を確保するようにしてもよい。
【0033】
次に、本実施形態による半導体可変容量素子の製造方法について図3乃至図6を用いて説明する。なお、図3及び図4は図1のA−A′線に沿った工程断面図であり、図5及び図6は図1のB−B′線に沿った工程断面図である。
【0034】
まず、P型のシリコン基板10に、例えばSTI法により、活性領域12a,12bを画定する素子分離膜12を形成する(図3(a),図5(a))。
【0035】
次いで、フォトリソグラフィ及びイオン注入により、活性領域12b及び活性領域12aの一部を含む領域にPウェル14を、活性領域12aの他の領域を含む領域にNウェル16aを、それぞれ形成する。また、Pウェル14及びNウェル16aの底部に、埋め込みNウェル16bを形成する。これにより、Pウェル14は、Nウェル16b及び埋め込みNウェル16aにより囲まれた二重ウェルとなる。なお、以下の説明では、Nウェル16b及び埋め込みNウェル16aを一括して、Nウェル16と呼ぶ(図3(b),図5(b))。
【0036】
次いで、例えば熱酸化法によりシリコン基板10を熱酸化し、活性領域12a,12b上に、例えばシリコン酸化膜よりなるゲート絶縁膜18を形成する。
【0037】
次いで、例えばCVD法により、例えば多結晶シリコン膜を堆積する。
【0038】
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより多結晶シリコン膜をパターニングし、活性領域12a上に、多結晶シリコン膜よりなるゲート電極20を形成する(図3(c),図5(c))。
【0039】
次いで、活性領域12aを露出し活性領域12bを覆うフォトレジスト膜(図示せず)を形成後、このフォトレジスト膜及びゲート電極20をマスクとしてN型不純物をイオン注入し、ゲート電極20の両側のシリコン基板10内に、LDD領域(或いはエクステンション領域)となる不純物拡散領域22を形成する。
【0040】
次いで、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を堆積後、このシリコン酸化膜をエッチバックし、ゲート電極20の側壁部分にシリコン酸化膜よりなる側壁絶縁膜24を形成する(図4(a),図6(a))。
【0041】
なお、ここではN型MISFETの製造と同時に半導体可変容量素子を形成する場合を考慮し、LDD領域となる不純物拡散領域22及び側壁絶縁膜24を形成しているが、不純物拡散領域22及び側壁絶縁膜は必ずしも形成する必要はない。
【0042】
次いで、活性領域12aを露出し活性領域12bを覆うフォトレジスト膜(図示せず)を形成後、このフォトレジスト膜、ゲート電極20及び側壁絶縁膜24をマスクとしてN型不純物をイオン注入し、ゲート電極20の両側のシリコン基板10内に、不純物拡散領域26を形成する。また、このイオン注入により、ゲート電極20のポリシリコン膜にもN型不純物が添加され、N型のゲート電極20nとなる(図4(b))。
【0043】
なお、以下の説明では、不純物拡散領域22,26を一括して、不純物拡散領域28nと呼ぶ。不純物拡散領域28nは、N型MISFETのソース/ドレイン領域を形成するための不純物領域を適用することができる。
【0044】
次いで、活性領域12bを露出し活性領域12aを覆うフォトレジスト膜(図示せず)を形成後、このフォトレジスト膜をマスクとしてP型不純物をイオン注入し、活性領域12bのシリコン基板10内に、不純物拡散領域30pを形成する(図6(b))。なお、不純物拡散領域30pは、P型MISFETのソース/ドレイン領域を形成するための不純物領域を適用することができる。
【0045】
次いで、熱処理を行い、注入した不純物を活性化する。
【0046】
次いで、必要に応じて、サリサイドプロセスにより、ゲート電極20n上及び不純物拡散領域28n,30p上に、金属シリサイド膜32を形成する(図4(c),図6(c))。
【0047】
こうして、図1及び図2に示す本実施形態による半導体可変容量素子を製造する。
【0048】
このように、本実施形態によれば、N型ゲート電極/ゲート絶縁膜/Nウェルの構造よりなる蓄積モードMOS容量型の半導体可変容量素子において、ゲート電極の端部下の活性領域にPウェルを設けるので、反転バイアス時にゲート絶縁膜直下に形成されるP型反転層に蓄積される正孔を、このPウェルを介して引き抜くことができる。これにより、P型ゲート電極/ゲート絶縁膜/Nウェルの構造からなる図26の半導体可変容量素子と比較してチャネル抵抗及び動作電圧を低くすることができ、半導体可変容量素子の高周波特性を大幅に向上することができる。
【0049】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による半導体可変容量素子及びその製造方法について図7及び図8を用いて説明する。なお、図1乃至図6に示す第1実施形態による半導体可変容量素子と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
【0050】
図7は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図、図8は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。なお、図8は、図7のB−B′線断面図である。図7のA−A′線断面図は、図2(a)に示す第1実施形態による半導体可変容量素子の断面図と同じである。
【0051】
図7及び図8に示すように、本実施形態による半導体可変容量素子は、N型ゲート電極20n/ゲート絶縁膜18/Nウェル16の構造よりなる蓄積モードMOS容量型の可変容量素子であり、基本的な構造は図1及び図2に示す第1実施形態による半導体可変容量素子と同様である。本実施形態による半導体可変容量素子の主たる特徴は、正孔除去端子としてのPウェル14が、ゲート電極20nの両端部に設けられていることにある。
【0052】
このようにして半導体可変容量素子を構成することにより、反転バイアス時にゲート絶縁膜18直下に形成されるP型反転層に蓄積された正孔を、ゲート電極20nの両端部からPウェル14を介して不純物拡散領域30pへ引き抜くことができる。
【0053】
したがって、本実施形態による半導体可変容量素子は、ゲート電極20nの一端部のみから正孔を引き抜く構成としている第1実施形態による半導体可変容量素子と比較して、正孔除去端子の寄生抵抗を低減し、正孔除去効率を高めることができる。これにより、高周波応答性を更に高めることができる。
【0054】
なお、本実施形態による半導体可変容量素子の製造方法は、平面的なレイアウトが異なるほかは、図3乃至図6に示す第1実施形態による半導体可変容量素子の製造方法と同様である。
【0055】
このように、本実施形態によれば、N型ゲート電極/ゲート絶縁膜/Nウェルの構造よりなる蓄積モードMOS容量型の半導体可変容量素子において、ゲート電極の両端部下の活性領域にPウェルをそれぞれ設けるので、反転バイアス時にゲート絶縁膜直下に形成されるP型反転層に蓄積される正孔を、このPウェルを介して引き抜くことができる。これにより、P型ゲート電極/ゲート絶縁膜/Nウェルの構造からなる図26の半導体可変容量素子と比較してチャネル抵抗及び動作電圧を低くすることができ、半導体可変容量素子の高周波特性を大幅に向上することができる。
【0056】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による半導体可変容量素子及びその製造方法について図9及び図10を用いて説明する。なお、図1乃至図8に示す第1及び第2実施形態による半導体可変容量素子と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
【0057】
図9は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図、図10は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。なお、図10(a),(b),(c)は、それぞれ、図9のA−A′線断面図、B−B′線断面図、C−C′線断面図である。
【0058】
図9及び図10に示すように、本実施形態による半導体可変容量素子は、N型ゲート電極20n/ゲート絶縁膜18/Nウェル16の構造よりなる蓄積モードMOS容量型の可変容量素子であり、基本的な構造は図1及び図2に示す第1実施形態による半導体可変容量素子と同様である。本実施形態による半導体可変容量素子の主たる特徴は、Pウェル14が、Nウェル16中に形成された二重ウェルではなく、シリコン基板10内に直に形成されていることにある。
【0059】
第1実施形態では、正孔除去端子(不純物拡散領域30p及びPウェル14)への印加電圧の自由度を確保するべく、Pウェル14をNウェル16中に形成した二重ウェルとした。これにより、Pウェル14に、シリコン基板10に印加する電圧とは異なる電圧を印加できる構成とした。
【0060】
しかしながら、一般的に、シリコン基板10は接地電位(GND)とされるため、Pウェル14をシリコン基板10内に直に形成することにより、Pウェル14の電位も接地電位となる。したがって、正孔除去端子(不純物拡散領域30p及びPウェル14)には、正孔除去に適した電圧が常に与えられることになる。正孔除去端子への印加電圧を接地電位に固定する場合には、本実施形態による半導体可変容量素子のように、Pウェル14をシリコン基板10内に直に形成することができる。
【0061】
Pウェル14をシリコン基板10内に直に形成する場合、埋め込みNウェル16bを形成する必要はない。したがって、本実施形態による半導体可変容量素子では、製造プロセスを簡略化することができる。また、素子面積を縮小することも可能である。
【0062】
なお、本実施形態による半導体可変容量素子の製造方法は、図3(b)及び図5(b)に示す工程において埋め込みNウェル16bを形成しないほかは、図3乃至図6に示す第1実施形態による半導体可変容量素子の製造方法と同様である。
【0063】
このように、本実施形態によれば、N型ゲート電極/ゲート絶縁膜/Nウェルの構造よりなる蓄積モードMOS容量型の半導体可変容量素子において、ゲート電極の端部下の活性領域にPウェルを設けるので、反転バイアス時にゲート絶縁膜直下に形成されるP型反転層に蓄積される正孔を、このPウェルを介して引き抜くことができる。これにより、P型ゲート電極/ゲート絶縁膜/Nウェルの構造からなる図26の半導体可変容量素子と比較してチャネル抵抗及び動作電圧を低くすることができ、半導体可変容量素子の高周波特性を大幅に向上することができる。また、Pウェルをシングルウェルとすることにより、構造及び製造プロセスを簡略化できるとともに、素子面積を縮小することもできる。
【0064】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による半導体可変容量素子及びその製造方法について図11乃至図13を用いて説明する。なお、図1乃至図10に示す第1乃至第3実施形態による半導体可変容量素子と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
【0065】
図11は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図、図12は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図、図13は本実施形態による半導体可変容量素子の製造方法を示す工程断面図である。
【0066】
はじめに、本実施形態による半導体可変容量素子の構造について図11及び図12を用いて説明する。なお、図12(a),(b)は、それぞれ、図11のB−B′線断面図、C−C′線断面図である。図11のA−A′線断面図は、図2(a)に示す第1実施形態による半導体可変容量素子の断面図と同じである。
【0067】
P型のシリコン基板10内には、活性領域12cを画定する素子分離膜12が形成されている。活性領域12cの一部の領域にはPウェル14が形成されており、他の領域にはNウェル16が形成されている。Nウェル16は、Pウェル14の底部及び周囲を囲うように形成されている。すなわち、Pウェル14は、Nウェル16内に形成された二重ウェルであり、シリコン基板10から電気的に分離されている。
【0068】
活性領域12c上には、ゲート絶縁膜18を介して、ポリシリコンよりなるゲート電極20が形成されている。ゲート電極20は、Nウェル16の形成領域からPウェル14の形成領域に渡って連続して形成されており、Pウェル14側の端部はPウェル14上の活性領域12c内に位置している。ゲート電極20の側壁部分には、側壁絶縁膜24が形成されている。Pウェル14とNウェル16との界面近傍のPウェル14形成領域のゲート電極20上には、ゲート電極20と交差する方向に延在する矩形状パターンの絶縁膜34が形成されている。絶縁膜34が形成された領域よりもNウェル16側のゲート電極20は導電型がN型(ゲート電極20n)になっており、絶縁膜34が形成された領域よりもPウェル14側のゲート電極20は導電型がP型(ゲート電極20p)になっている。
【0069】
絶縁膜34が形成された領域よりもNウェル16側の、ゲート電極20nの両側のシリコン基板10内には、N型の不純物拡散領域28nが形成されている。絶縁膜34が形成された領域よりもPウェル14側のシリコン基板10内には、P型の不純物拡散領域30pが形成されている。不純物拡散領域28nと不純物拡散領域30pとは、絶縁膜34の形成領域で分離されている。
【0070】
ゲート電極20n,20p上及び不純物拡散領域28n,30p上には、金属シリサイド膜32が形成されている。
【0071】
このように、本実施形態による半導体可変容量素子は、基本的には、N型ゲート電極20n/ゲート絶縁膜18/Nウェル16の構造よりなる蓄積モードMOS容量型の可変容量素子である。容量素子の上部電極がゲート電極20nであり、下部電極がNウェル16であり、下部電極からの引き出し電極が不純物拡散領域28nである。
【0072】
本実施形態による半導体可変容量素子の主たる特徴は、一の活性領域12c内に、正孔除去端子を含む半導体可変容量素子が形成されていることにある。すなわち、第1乃至第3実施形態の半導体可変容量素子では、Nウェル16が形成された活性領域12aと不純物拡散領域30pが形成された活性領域12bとが素子分離膜12によって分離されていたが、本実施形態の半導体可変容量素子では、不純物拡散領域30pとNウェル16とが一の活性領域12c内に形成されている。
【0073】
このようにして半導体可変容量素子を構成することにより、ゲート電極20n直下のP型反転層に蓄積された正孔を不純物拡散領域30pへ引き抜く際の電気的経路が、素子分離膜12下のPウェル14の深部を通る長い経路ではなく、Pウェル14の表面側を通る短い経路となる。これにより、正孔除去端子の電気抵抗を下げることができ、正孔除去効率を向上することができる。
【0074】
次に、本実施形態による半導体可変容量素子の製造方法について図13を用いて説明する。なお、図13は、図11のC−C′線に沿った工程断面図である。
【0075】
まず、図3(a)乃至図4(b)並びに図5(a)乃至図6(b)に示す第1実施形態による半導体可変容量素子の製造方法と同様の手順により、P型のシリコン基板10に、活性領域12cを画定する素子分離膜12、ゲート絶縁膜18、ゲート電極20n,20p、側壁絶縁膜24、不純物拡散領域28n,30p等を形成する(図13(a))。
【0076】
なお、本実施形態では、Pウェル14とNウェル16とを一の活性領域12c内に形成し、不純物拡散領域28nと不純物拡散領域30pとをPウェル14とNウェル16との界面近傍のPウェル14領域内で分離するように形成する(図11及び図13(a)参照)。
【0077】
次いで、例えばCVD法により、例えばシリコン酸化膜を堆積する。
【0078】
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、このシリコン酸化膜をパターニングし、不純物拡散領域28nと不純物拡散領域30pとの境界部分を覆いゲート電極20と交差する方向に延在する矩形状のパターンを有する絶縁膜34を形成する(図13(b))。
【0079】
なお、不純物拡散領域28n,30pの形成前に絶縁膜34を形成しておき、絶縁膜34に自己整合で不純物拡散領域28n,30pを形成するようにしてもよい。
【0080】
次いで、サリサイドプロセスにより、ゲート電極20n,20p上及び不純物拡散領域28n,30p上に、金属シリサイド膜32を形成する(図13(c))。
【0081】
この際、絶縁膜34はシリサイドブロックとして機能し、絶縁膜34により覆われている部分のゲート電極20上及びシリコン基板10上には金属シリサイド膜32は形成されない。これにより、不純物拡散領域28nと不純物拡散領域30pとが金属シリサイド膜32によって接続されるのを防止することができる。
【0082】
こうして、図11及び図12に示す本実施形態による半導体可変容量素子を製造する。
【0083】
このように、本実施形態によれば、N型ゲート電極/ゲート絶縁膜/Nウェルの構造よりなる蓄積モードMOS容量型の半導体可変容量素子において、ゲート電極の端部下の活性領域にPウェルを設けるので、反転バイアス時にゲート絶縁膜直下に形成されるP型反転層に蓄積される正孔を、このPウェルを介して引き抜くことができる。これにより、P型ゲート電極/ゲート絶縁膜/Nウェルの構造からなる図26の半導体可変容量素子と比較してチャネル抵抗及び動作電圧を低くすることができ、半導体可変容量素子の高周波特性を大幅に向上することができる。また、正孔除去端子を含む半導体可変容量素子の全体を一の活性領域内に形成するので、正孔除去端子の電気抵抗を下げることができ、正孔除去効率を更に向上することができる。
【0084】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による半導体可変容量素子及びその製造方法について図14及び図15を用いて説明する。なお、図1乃至図13に示す第1乃至第4実施形態による半導体可変容量素子と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
【0085】
図14は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図、図15は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。
【0086】
はじめに、本実施形態による半導体可変容量素子の構造について図14及び図15を用いて説明する。なお、図15(a),(b)は、それぞれ、図14のB−B′線断面図、C−C′線断面図である。図14のA−A′線断面図は、図10(a)に示す第3実施形態による半導体可変容量素子の断面図と同じである。
【0087】
P型のシリコン基板10内には、活性領域12cを画定する素子分離膜12が形成されている。活性領域12cのシリコン基板10内には、Nウェル16が形成されている。
【0088】
活性領域12c上には、ゲート絶縁膜18を介して、N型のポリシリコンよりなるゲート電極20nが形成されている。ゲート電極20nの一方の端部は、活性領域12c上に位置している。ゲート電極20nの側壁部分には、側壁絶縁膜24が形成されている。
【0089】
ゲート電極20nの両側のシリコン基板10内には、N型の不純物拡散領域28nが形成されている。活性領域12c上に位置しているゲート電極20nの端部周辺のシリコン基板10内には、ゲート電極20nの当該端部を囲むようにP型の不純物拡散領域30pが形成されている。不純物拡散領域28nと不純物拡散領域30pとは互いに離間して活性領域12c内に形成されている。不純物拡散領域28nと不純物拡散領域30pとの間の領域のシリコン基板10上には、この領域を覆うように絶縁膜34が形成されている。
【0090】
ゲート電極20n上及び不純物拡散領域28n,30p上には、金属シリサイド膜32が形成されている。
【0091】
このように、本実施形態による半導体可変容量素子は、一の活性領域12c内に、正孔除去端子を含む半導体可変容量素子の全体が形成されている点は、第4実施形態による半導体可変容量素子と同様である。本実施形態による半導体可変容量素子の主たる特徴は、素子の全体がNウェル16中に形成されており、不純物拡散領域30pがゲート電極20nに近接して設けられていることにある。
【0092】
このようにして半導体可変容量素子を構成することにより、ゲート電極20n下のシリコン基板10の領域に接続して、不純物拡散領域30pを設けることができる。これにより、反転バイアス時にゲート絶縁膜18直下に形成されるP型反転層に蓄積された正孔を、不純物拡散領域30pによって直に引き出すことができる。したがって、正孔除去端子の抵抗を大幅に下げることができ、正孔除去効率を向上することができる。
【0093】
なお、本実施形態による可変容量素子の製造方法は、Pウェル14、Nウェル16、ソース/ドレイン領域28nの形成及びゲート電極20nへのドーピングの際に用いるフォトレジスト膜、不純物拡散領域30pへのドーピングの際に用いるフォトレジスト膜及び絶縁膜34の平面的なレイアウトが異なるほかは、第4実施形態による半導体可変容量素子の製造方法と同様である。
【0094】
このように、本実施形態によれば、N型ゲート電極/ゲート絶縁膜/Nウェルの構造よりなる蓄積モードMOS容量型の半導体可変容量素子において、ゲート電極の端部を囲むようにP型の不純物領域を設けるので、反転バイアス時にゲート絶縁膜直下に形成されるP型反転層に蓄積される正孔を、このP型の不純物拡散領域を介して引き抜くことができる。これにより、P型ゲート電極/ゲート絶縁膜/Nウェルの構造からなる図26の半導体可変容量素子と比較してチャネル抵抗及び動作電圧を低くすることができ、半導体可変容量素子の高周波特性を大幅に向上することができる。また、正孔除去端子を含む半導体可変容量素子の全体を一の活性領域内に形成し、正孔除去端子としての不純物拡散領域をゲート電極に近接して設けるので、正孔除去端子の電気抵抗を大幅に低減することができ、正孔除去効率を更に向上することができる。
【0095】
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態による半導体可変容量素子及びその製造方法について図16及び図17を用いて説明する。なお、図1乃至図15に示す第1乃至第5実施形態による半導体可変容量素子と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
【0096】
図16は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図、図17は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。なお、図17は、図16のA−A′線断面図である。
【0097】
本実施形態による半導体可変容量素子は、ゲート電極が金属材料、いわゆるメタルゲート電極20mにより構成されているほかは、第1実施形態による半導体可変容量素子と同様である。すなわち、本実施形態による半導体可変容量素子は、基本的には、メタルゲート電極20m/ゲート絶縁膜18/Nウェル16の構造よりなる蓄積モードMOS容量型の可変容量素子である。容量素子の上部電極がゲート電極20mであり、下部電極がNウェル16であり、下部電極からの引き出し電極が不純物拡散領域28nである。
【0098】
ゲート電極20mをメタル材料で構成することにより、ゲート電極20mの空乏化を防止できるとともに、ゲート抵抗の低抵抗化をも図ることができる。
【0099】
なお、本実施形態による半導体可変容量素子の製造方法は、多結晶シリコン膜の代わりに金属膜を用いるほかは、第1実施形態による半導体可変容量素子の製造方法と同様である。
【0100】
このように、本実施形態によれば、メタルゲート電極/ゲート絶縁膜/Nウェルの構造よりなる蓄積モードMOS容量型の半導体可変容量素子において、ゲート電極の端部下の活性領域にPウェルを設けるので、反転バイアス時にゲート絶縁膜直下に形成されるP型反転層に蓄積される正孔を、このPウェルを介して引き抜くことができる。これにより、P型ゲート電極/ゲート絶縁膜/Nウェルの構造からなる図26の半導体可変容量素子と比較してチャネル抵抗及び動作電圧を低くすることができる。また、ゲート電極をメタル材料により構成することにより、ゲート電極の空乏化を防止するとともにゲート抵抗の低抵抗化をも図ることができる。これにより、半導体可変容量素子の高周波特性を大幅に向上することができる。
【0101】
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態による半導体可変容量素子及びその製造方法について図18及び図19を用いて説明する。なお、図1乃至図17に示す第1乃至第6実施形態による半導体可変容量素子と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
【0102】
図18は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図、図19は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。
【0103】
はじめに、本実施形態による半導体可変容量素子の構造について図18及び図19を用いて説明する。なお、図19(a),(b),(c)は、それぞれ、図18のA−A′線断面図、B−B′線断面図、C−C′線断面図である。
【0104】
P型のシリコン基板10上には、活性領域12a,12bを画定する素子分離膜12が形成されている。活性領域12bを含む領域のシリコン基板10内には、Nウェル16が形成されている。Nウェル16は、活性領域12bに隣接する活性領域12aの一部の領域にも延在している。活性領域12aの他の領域のシリコン基板10内には、Pウェル14が形成されている。Nウェル16は、Pウェル14の底部及び周囲を囲うように形成されている。すなわち、Pウェル14は、Nウェル16内に形成された二重ウェルであり、シリコン基板10から電気的に分離されている。
【0105】
活性領域12a上には、ゲート絶縁膜18を介して、P型ポリシリコンよりなるゲート電極20pが形成されている。ゲート電極20pは、Pウェル14の形成領域からNウェル16の形成領域に渡って形成されている。ゲート電極20pの側壁部分には、側壁絶縁膜24が形成されている。ゲート電極20pの両側のシリコン基板10内には、P型の不純物拡散領域28pが形成されている。活性領域12bのシリコン基板10内には、N型の不純物拡散領域30nが形成されている。
【0106】
ゲート電極20p上及び不純物拡散領域28p,30n上には、金属シリサイド膜32が形成されている。
【0107】
このように、本実施形態による半導体可変容量素子は、導電型が逆導電型であるほかは、第1実施形態による半導体可変容量素子と同様である。すなわち、本実施形態による半導体可変容量素子は、基本的には、P型ゲート電極20p/ゲート絶縁膜18/Pウェル14の構造よりなる蓄積モードMOS容量型の可変容量素子である。容量素子の上部電極がゲート電極20pであり、下部電極がPウェル14であり、下部電極からの引き出し電極が不純物拡散領域28pである。
【0108】
ゲート電極20p下の活性領域12aの一部には、Nウェル16が延在して形成されており、反転バイアス時にゲート絶縁膜18直下に形成されるN型反転層に蓄積された電子を、Nウェル16及び不純物拡散領域30nを介して引き抜くことができる。これにより、反転バイアス時の容量を安定化させることができる。
【0109】
なお、本実施形態による半導体可変容量素子の製造方法は、導電型が異なるほかは、第1実施形態による半導体可変容量素子の製造方法と同様である。
【0110】
このように、本実施形態によれば、P型ゲート電極/ゲート絶縁膜/Pウェルの構造よりなる蓄積モードMOS容量型の半導体可変容量素子において、ゲート電極の端部下の活性領域にNウェルを設けるので、反転バイアス時にゲート絶縁膜直下に形成されるN型反転層に蓄積される電子を、このNウェルを介して引き抜くことができる。これにより、P型ゲート電極/ゲート絶縁膜/Nウェルの構造からなる図26の逆導電型の半導体可変容量素子と比較してチャネル抵抗及び動作電圧を低くすることができ、半導体可変容量素子の高周波特性を大幅に向上することができる。
【0111】
[第8実施形態]
本発明の第8実施形態による半導体可変容量素子及びその製造方法について図20及び図21を用いて説明する。なお、図1乃至図19に示す第1乃至第7実施形態による半導体可変容量素子と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
【0112】
図20は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図、図21は本実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。なお、図21は、図20のA−A′線断面図である。
【0113】
本実施形態による半導体可変容量素子は、ゲート電極の導電型がN型であるほかは、第7実施形態による半導体可変容量素子と同様である。すなわち、本実施形態による半導体可変容量素子は、基本的には、N型ゲート電極20n/ゲート絶縁膜18/Pウェル14の構造よりなる蓄積モードMOS容量型の可変容量素子である。容量素子の上部電極がゲート電極20nであり、下部電極がPウェル14であり、下部電極からの引き出し電極が不純物拡散領域28pである。ゲート電極をN型で形成した場合、ゲート電極をP型で形成した場合と比較して、C−V特性曲線がゲート電圧軸に沿ってマイナス方向にシフトするだけである。
【0114】
ゲート電極20n下の活性領域12aの一部にNウェル16を延在して形成することにより、反転バイアス時にゲート絶縁膜18直下に形成されるN型反転層に蓄積された電子を、Nウェル16及び不純物拡散領域30nを介して引き抜くことができる。これにより、反転バイアス時の容量を安定化させることができる。
【0115】
なお、本実施形態による半導体可変容量素子では、ゲート電極20nの導電型とソース/ドレイン領域28pの導電型とが異なっている。このような作り分けを行うには、ゲート電極20nを形成するためのポリシリコン膜に予めN型不純物(例えばリン)を導入しておけばよい。ソース/ドレイン領域28pの形成時にゲート電極20n内にもP型不純物が導入されるが、予め高濃度にN形不純物を導入しておくことにより、N型のゲート電極20nとして機能させることができる。
【0116】
このように、本実施形態によれば、N型ゲート電極/ゲート絶縁膜/Pウェルの構造よりなる蓄積モードMOS容量型の半導体可変容量素子において、ゲート電極の端部下の活性領域にNウェルを設けるので、反転バイアス時にゲート絶縁膜直下に形成されるN型反転層に蓄積される電子を、このNウェルを介して引き抜くことができる。これにより、P型ゲート電極/ゲート絶縁膜/Nウェルの構造からなる図26の逆導電型の半導体可変容量素子と比較してチャネル抵抗を低くすることができ、半導体可変容量素子の高周波特性を大幅に向上することができる。
【0117】
[第9実施形態]
本発明の第9実施形態による半導体装置について図22を用いて説明する。図22は本実施形態による半導体装置の構造を示す回路図である。
【0118】
図22は、可変容量素子を用いた電圧制御型発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)の回路図である。電源線Vddと基準電位線Vssとの間に、インダクタL及び可変容量CよりなるLC共振回路と、MISトランジスタTrよりなる差動対回路と、バイアス電流を流す電流源40とが設けられている。すなわち、図22に示す回路は、LC共振回路を負荷とする差動型の発振器である。LC共振回路の可変容量Cとして、本発明の第1乃至第8実施形態による半導体可変容量素子を適用することができる。
【0119】
図22に示す回路図における端子G、端子SD及び端子Sは、第1実施形態による半導体可変容量素子に置き換えると、それぞれ、ゲート電極20n、不純物拡散領域28n及び不純物拡散領域30pに該当する。可変容量素子Cのゲート端子GはインダクタLに接続されており、端子SDは発振周波数制御端子42として用いられる。端子Sは基準電位Vss(GND)に接続されており、可変容量が反転状態にバイアスされた時に誘起される正孔を除去できるようになっている。
【0120】
本発明の半導体可変容量素子を用いて電圧制御型発振器を構成することにより、可変容量の容量値の安定性及び高周波特性が向上することができ、発振周波数の安定化を図ることができる。
【0121】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0122】
例えば、上記第2実施形態では、第1実施形態の半導体可変容量素子のゲート電極の両端に正孔除去端子を設けたが、他の実施形態の半導体可変容量素子においてゲート電極の両端にキャリア除去端子を設けるようにしてもよい。
【0123】
また、上記第3実施形態では、第1実施形態の半導体可変容量素子においてシングルウェルを適用した例を示したが、他の実施形態の半導体可変容量素子においてシングルウェルを適用するようにしてもよい。
【0124】
また、上記第6実施形態では、第1実施形態の半導体可変容量素子においてゲート電極をメタル材料で構成した例を示したが、他の実施形態の半導体可変容量素子においてゲート電極をメタル材料で構成するようにしてもよい。
【0125】
また、上記第7実施形態では、第1実施形態の半導体可変容量素子とは逆導電型の半導体可変容量素子を示したが、他の実施形態の半導体可変容量素子を逆導電型で構成するようにしてもよい。
【0126】
また、上記第8実施形態では、第7実施形態の半導体可変容量素子においてゲート電極のみ逆導電型ポリシリコンにより構成した例を示したが、他の実施形態の半導体可変容量素子においてゲート電極のみ逆導電型ポリシリコンにより構成するようにしてもよい。
【0127】
また、半導体可変容量素子の構成材料は、上記実施形態に記載のものに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0128】
例えば、ゲート絶縁膜18としては、上記実施形態に記載のシリコン酸化膜のほか、シリコン窒化酸化膜や、シリコン窒化膜や、HfO、HfSiON、HfAlON、HfLaON、HfZrO、Al、Ta、ZrO、Y等の高誘電率材料を適用することもできる。
【0129】
また、第6実施形態の場合において、ゲート電極20mを構成するメタル材料としては、ゲート絶縁膜16がシリコン酸化膜やシリコン窒化膜の場合には、例えば、アルミニウムを適用することができ、ゲート絶縁膜16が高誘電率材料の場合には、例えば、TiN、TaN、TaSiN、HfSi、Ru、RuO、TaC、Pt、PtSi、IrSi、W等を適用することができる。これらメタル材料の上にポリシリコン膜を積層するようにしてもよい。また、N型のゲート電極とP型のゲート電極とで異なるメタル材料を適用するようにしてもよい。
【0130】
以上詳述したように、本発明の特徴をまとめると以下の通りとなる。
【0131】
(付記1) 半導体基板の第1の領域に形成された第1導電型の第1のウェルと、前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記第1のウェル上に前記絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを有する容量と、
前記半導体基板の前記第1の領域に隣接した第2の領域に形成された第2導電型の第2のウェルとを有し、
前記ゲート電極は、端部が前記第2の領域に延在し、前記第2のウェル上に前記絶縁膜を介して形成されている
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【0132】
(付記2) 付記1記載の半導体可変容量素子において、
前記第2のウェルは、前記第1の領域を挟んで隣接する一対の前記第2の領域に形成されており、
前記ゲート電極は、両端部がそれぞれ一対の前記第2の領域に延在し、前記第2のウェル上に前記絶縁膜を介して形成されている
ことを特徴とする半導体可変容量素子
(付記3) 付記1又は2記載の半導体可変容量素子において、
前記第1の領域の前記半導体基板内に、前記ゲート電極下に位置する前記第1のウェルを挟むように設けられ、前記第1のウェルに電気的に接続された前記第1導電型の一対の第1の不純物拡散領域と、
前記第2の領域の前記半導体基板内に設けられ、前記第2のウェルに電気的に接続された前記第2導電型の第2の不純物拡散領域とを更に有する
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【0133】
(付記4) 付記3記載の半導体可変容量素子において、
活性領域を画定する素子分離膜を更に有し、
前記第1の不純物拡散領域と前記第2の不純物拡散領域とは、異なる活性領域内に形成されている
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【0134】
(付記5) 半導体基板の第1の領域に形成された第1導電型の第1のウェルと、前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記第1のウェル上に前記絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを有する容量と、
前記第1の領域の前記半導体基板内に、前記ゲート電極を挟むように設けられ、前記第1のウェルに電気的に接続された前記第1導電型の一対の第1の不純物拡散領域と、
前記半導体基板の前記第1の領域に隣接する第2の領域の前記半導体基板内に設けられた第2導電型の第2の不純物拡散領域と
を有することを特徴とする半導体可変容量素子。
【0135】
(付記6) 付記5記載の半導体可変容量素子において、
前記第2の領域には、前記第2導電型の第2のウェルが形成され、
前記第2の不純物拡散領域は、前記第2のウェルに電気的に接続され、
前記ゲート電極は、前記第2のウェル上にも延在する
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【0136】
(付記7) 付記5記載の半導体可変容量素子において、
前記第1のウェルは、前記第2の領域にも形成されている
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【0137】
(付記8) 付記5乃至7のいずれか1項に記載の半導体可変容量素子において、
活性領域を画定する素子分離膜を更に有し、
前記第1の不純物拡散領域と前記第2の不純物拡散領域とは、一の活性領域内に互いに離間して形成されている
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【0138】
(付記9) 付記8記載の半導体可変容量素子において、
前記第1の不純物拡散領域上に形成された第1金属シリサイド膜及び前記第2の不純物拡散領域上に形成された第2金属シリサイド膜を更に有し、
前記第1金属シリサイド膜と前記第2金属シリサイド膜とは、互いに離間して形成されている
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【0139】
(付記10) 付記1乃至9のいずれか1項に記載の半導体可変容量素子において、
前記ゲート電極は、前記第1導電型を有する
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【0140】
(付記11) 付記1乃至9のいずれか1項に記載の半導体可変容量素子において、
前記ゲート電極は、前記第2導電型を有する
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【0141】
(付記12) 付記1乃至9のいずれか1項に記載の半導体可変容量素子において、
前記ゲート電極は、金属材料により構成されている
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【0142】
(付記13) 付記1乃至12のいずれか1項に記載の半導体可変容量素子において、
前記第1のウェル又は前記第2のウェルは、前記半導体基板から電気的に分離されている
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【0143】
(付記14) 半導体基板の第1の領域に第1導電型の第1のウェルを形成する工程と、
前記半導体基板の前記第1の領域に隣接する第2の領域に第2導電型の第2のウェルを形成する工程と、
前記半導体基板の前記第1の領域上及び前記第2の領域上に、第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の領域の前記第1の絶縁膜上に、ゲート電極を形成する工程とを有し、
前記ゲート電極を形成する工程では、前記ゲート電極の端部が、前記第2の領域の前記第1の絶縁膜上に延在するように、前記ゲート電極を形成する
ことを特徴とする半導体可変容量素子の製造方法。
【0144】
(付記15) 半導体基板内に活性領域を画定する素子分離膜を形成する工程と、
前記活性領域内に、第1導電型の第1のウェルを形成する工程と、
前記半導体基板の前記活性領域上に、第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上に、少なくとも一方の端部が前記活性領域上に位置するようにゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の両側の前記活性領域内に、前記第1導電型の一対の第1の不純物拡散領域を形成する工程と、
前記活性領域内に、第2導電型の第2の不純物拡散領域を形成する工程と、
前記第1の不純物拡散領域と前記第2の不純物拡散領域との間の領域の前記半導体基板上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜をマスクとして、前記第1の不純物拡散領域上及び前記第2の不純物拡散領域上に、金属シリサイド膜を選択的に形成する工程と
を有することを特徴とする半導体可変容量素子の製造方法。
【0145】
(付記16) 付記15記載の半導体可変容量素子の製造方法において、
前記素子分離膜を形成する工程の後に、前記活性領域内に、前記第1のウェルに隣接し、前記第2の不純物拡散領域に電気的に接続される前記第2導電型の第2のウェルを形成する工程を更に有し、
前記ゲート電極を形成する工程では、前記ゲート電極の前記一方の端部が、前記第2のウェル上に位置するように、前記ゲート電極を形成する
ことを特徴とする半導体可変容量素子の製造方法。
【0146】
(付記17) 付記1乃至13のいずれか1項に記載された半導体可変容量素子とインダクタとを含むLC共振回路を負荷とする差動型の発振器を有する
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の第1実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による半導体可変容量素子の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図4】本発明の第1実施形態による半導体可変容量素子の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図5】本発明の第1実施形態による半導体可変容量素子の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図6】本発明の第1実施形態による半導体可変容量素子の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図7】本発明の第2実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図である。
【図10】本発明の第3実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図である。
【図12】本発明の第4実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。
【図13】本発明の第4実施形態による半導体可変容量素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図14】本発明の第5実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図である。
【図15】本発明の第5実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。
【図16】本発明の第6実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図である。
【図17】本発明の第6実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。
【図18】本発明の第7実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図である。
【図19】本発明の第7実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。
【図20】本発明の第8実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す平面図である。
【図21】本発明の第8実施形態による半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。
【図22】本発明の第9実施形態による半導体装置の構造を示す回路図である。
【図23】従来の第1の半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。
【図24】従来の第1の半導体可変容量素子のC−V特性を示すグラフである。
【図25】半導体基板表面にP型の反転層が形成されたときのエネルギーバンド図である。
【図26】従来の第2の半導体可変容量素子の構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0148】
10…シリコン基板
12…素子分離膜
12a,12b,12c…活性領域
14…Pウェル
16,16a…Nウェル
16b…埋め込みNウェル
18…ゲート絶縁膜
20,20n,20p…ゲート電極
22,26,28n,28p,30n,30p…不純物拡散領域
24…側壁絶縁膜
32…金属シリサイド膜
34…絶縁膜
40…電流源
42…発振周波数制御端子
100…半導体基板
102…素子分離膜
104…Nウェル
106…ゲート絶縁膜
108…ゲート電極
110…ソース領域
112…ドレイン領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の第1の領域に形成された第1導電型の第1のウェルと、前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記第1のウェル上に前記絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを有する容量と、
前記半導体基板の前記第1の領域に隣接した第2の領域に形成された第2導電型の第2のウェルとを有し、
前記ゲート電極は、端部が前記第2の領域に延在し、前記第2のウェル上に前記絶縁膜を介して形成されている
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【請求項2】
請求項1記載の半導体可変容量素子において、
前記第2のウェルは、前記第1の領域を挟んで隣接する一対の前記第2の領域に形成されており、
前記ゲート電極は、両端部がそれぞれ一対の前記第2の領域に延在し、前記第2のウェル上に前記絶縁膜を介して形成されている
ことを特徴とする半導体可変容量素子
【請求項3】
請求項1又は2記載の半導体可変容量素子において、
前記第1の領域の前記半導体基板内に、前記ゲート電極下に位置する前記第1のウェルを挟むように設けられ、前記第1のウェルに電気的に接続された前記第1導電型の一対の第1の不純物拡散領域と、
前記第2の領域の前記半導体基板内に設けられ、前記第2のウェルに電気的に接続された前記第2導電型の第2の不純物拡散領域とを更に有する
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【請求項4】
半導体基板の第1の領域に形成された第1導電型の第1のウェルと、前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記第1のウェル上に前記絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを有する容量と、
前記第1の領域の前記半導体基板内に、前記ゲート電極を挟むように設けられ、前記第1のウェルに電気的に接続された前記第1導電型の一対の第1の不純物拡散領域と、
前記半導体基板の前記第1の領域に隣接する第2の領域の前記半導体基板内に設けられた第2導電型の第2の不純物拡散領域と
を有することを特徴とする半導体可変容量素子。
【請求項5】
請求項4記載の半導体可変容量素子において、
前記第2の領域には、前記第2導電型の第2のウェルが形成され、
前記第2の不純物拡散領域は、前記第2のウェルに電気的に接続され、
前記ゲート電極は、前記第2のウェル上にも延在する
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【請求項6】
請求項4記載の半導体可変容量素子において、
前記第1のウェルは、前記第2の領域にも形成されている
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の半導体可変容量素子において、
活性領域を画定する素子分離膜を更に有し、
前記第1の不純物拡散領域と前記第2の不純物拡散領域とは、一の活性領域内に互いに離間して形成されている
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【請求項8】
請求項7記載の半導体可変容量素子において、
前記第1の不純物拡散領域上に形成された第1金属シリサイド膜及び前記第2の不純物拡散領域上に形成された第2金属シリサイド膜を更に有し、
前記第1金属シリサイド膜と前記第2金属シリサイド膜とは、互いに離間して形成されている
ことを特徴とする半導体可変容量素子。
【請求項9】
半導体基板内に活性領域を画定する素子分離膜を形成する工程と、
前記活性領域内に、第1導電型の第1のウェルを形成する工程と、
前記半導体基板の前記活性領域上に、第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上に、少なくとも一方の端部が前記活性領域上に位置するようにゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の両側の前記活性領域内に、前記第1導電型の一対の第1の不純物拡散領域を形成する工程と、
前記活性領域内に、第2導電型の第2の不純物拡散領域を形成する工程と、
前記第1の不純物拡散領域と前記第2の不純物拡散領域との間の領域の前記半導体基板上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜をマスクとして、前記第1の不純物拡散領域上及び前記第2の不純物拡散領域上に、金属シリサイド膜を選択的に形成する工程と
を有することを特徴とする半導体可変容量素子の製造方法。
【請求項10】
請求項9記載の半導体可変容量素子の製造方法において、
前記素子分離膜を形成する工程の後に、前記活性領域内に、前記第1のウェルに隣接し、前記第2の不純物拡散領域に電気的に接続される前記第2導電型の第2のウェルを形成する工程を更に有し、
前記ゲート電極を形成する工程では、前記ゲート電極の前記一方の端部が、前記第2のウェル上に位置するように、前記ゲート電極を形成する
ことを特徴とする半導体可変容量素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−244082(P2008−244082A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−81536(P2007−81536)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】