説明

半導体装置およびその作製方法

【課題】有機層の上に電極を形成することは形成時の温度によっては有機層への影響があるため温度に制限があり、希望通りの電極を形成することができず素子の微細化を阻害している問題があった。
【解決手段】記憶素子の二端子として、2つの電極を同じ層に配置し、それらの間に有機化合物を含む層を設けた有機記憶素子の構造を提供する。2つの電極の間隔を狭めることによって、低電圧での書き込みを行うことが可能である。また、記憶素子の構造が簡素化され、記憶素子の占有面積を縮小することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に記憶回路に有機化合物を用いることによりデータを記憶可能な半導体装置に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【背景技術】
【0003】
記憶素子は、記憶素子の二端子として誘電体層の上下に2つの電極を配置している構造が一般的である。
【0004】
特許文献1には素子の二端子として有機層の上下に電極を配置して電圧を印加することで短絡させ初期状態を0、導通状態を1として情報の記憶を行うメモリデバイス及びその駆動方法が提案されている。
【特許文献1】特開2002−26277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体装置に設けられる記憶回路として、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、マスクROM(Read Only Memory)、EPROM(Electrically Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリなどが挙げられる。このうち、DRAM、SRAMは揮発性の記憶回路であり、電源をオフするとデータが消去されてしまうため、電源をオンする度にデータを書き込む必要がある。FeRAMは不揮発性の記憶回路であるが、強誘電体層を含む容量素子を用いているため、作製工程が増加してしまう。マスクROMは、簡単な構造であるが、製造工程でデータを書き込む必要があり、追記することはできない。EPROM、EEPROM、フラッシュメモリは、不揮発性の記憶回路ではあるが、2つのゲート電極を含む素子を用いているため、作製工程が増加してしまうといった問題があった。
【0006】
一方、有機化合物を誘電体に用いた記憶回路は、一対の上下電極間に有機化合物を設けて記憶素子を形成するが、有機層の上に電極を形成した場合、電極の形成時の温度によっては有機層への影響があるため温度に制限がある。この温度の制限のため形成方法が限定され、希望通りの電極を形成することができず、素子の微細化を阻害している問題があった。有機層の上に電極を形成することは、素子の微細化を阻害している面から解決されるべき問題である。
【0007】
また、二端子として有機層の上下に形成した一対の電極を用いた有機記憶素子の場合、一対の電極を上下に配置することで、一対の電極を複数の工程に分けて形成しなければならない。そのため製造プロセスが複雑化するといった問題があった。製造プロセスが複雑化することは、製造コストの面から解決されるべき問題である。
【0008】
上記問題を鑑み、本発明は、素子の微細化の阻害と製造プロセスの複雑化を解決することを課題とする。また、製造時以外にデータの追記が可能であり、書き換えによる偽造等を防止可能な不揮発の記憶装置及びそれを有する半導体装置を提供することを目的とする。また、信頼性が高く、安価な不揮発の記憶装置及び半導体装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を鑑み、本発明は、記憶素子の二端子として機能する第1の導電層と、第2の導電層とを同一絶縁膜上に配置した記憶素子とすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明においては、記憶素子の二端子間に電圧を印加し、有機層の変化により引き起こされる電極の短絡によって水平に一対の電極を導通させる場合がある。また、有機層に対して基板面と平行に電圧印加し、一対の電極の導通を行うことを特徴とする。
【0011】
本明細書で開示する発明の構成1は、図1(A)、図1(B)、及び図1(C)にその一例を示しており、第1の方向に延在するワード線と、ワード線を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜に前記ワード線に達する開口と、前記絶縁膜上に前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するビット線と、前記絶縁膜上に前記開口を介して前記ワード線と電気的に接続する電極と、前記絶縁膜上に前記電極の側面と該側面に対向する前記ビット線の側面との間に有機化合物を含む層とを有し、前記電極と、前記ビット線と、前記有機化合物を含む層とが一つのメモリ素子を構成することを特徴とする半導体装置である。
【0012】
また、上記構成1において、前記電極(ワード線電極とも呼ぶ)及び前記ビット線は、同じチャンバーで形成された同じ材料であることを特徴の一つとしている。
【0013】
なお、上記開口(コンタクトホールとも呼ぶ)の開口面積(基板面と水平な面で切断した面積)は、開口上端部側から開口底面側に向かって減少している。
【0014】
また、上記構成1において、前記有機化合物を含む層は、前記電極、前記ビット線、及び前記絶縁膜上に設けられた一対の絶縁物の間に配置され、且つ、前記有機化合物を含む層は、前記一対の絶縁物と、前記電極と、前記ビット線とで周りを囲まれていることを特徴の一つとしている。この一対の絶縁物は、有機化合物を含む層の形成位置を制御するために設けられており、隔壁とも呼ぶ。また、この一対の絶縁物は、一つの記憶素子と、該記憶素子と隣り合う記憶素子との間の領域に設けられる。
【0015】
有機化合物を含む層は、少なくとも電極の一方の側面の一部、及び該側面と対向するビット線側面の一部と接していればよい。
【0016】
また、上記構成1において、図5(A)、及び図9(A)にその一例を示しているように、前記有機化合物を含む層は、前記電極の側面及びその上端部と、前記電極の側面に対向する前記ビット線の側面及びその上端部との両方を覆うことを特徴としている。
【0017】
また、一対の絶縁物を部分的に形成することに限定されず、図2(A)及び図2(B)にその一例を示すように、全面に絶縁膜を形成した後に一部を除去することで隔壁を形成してもよく、他の発明の構成2は、第1の方向に延在するワード線と、ワード線を覆う第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜に前記ワード線に達する第1の開口と、前記第1の絶縁膜上に前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するビット線と、前記第1の絶縁膜上に前記第1の開口を介して前記ワード線と電気的に接続する電極と、前記電極の一方の側面と、該側面に対向する前記ビット線の側面との両方に達する第2の開口を有し、且つ、前記電極のもう一方の側面を覆う第2の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に前記電極の側面と該側面に対向する前記ビット線の側面との間に有機化合物を含む層とを有し、前記電極と、前記ビット線と、前記有機化合物を含む層とが一つのメモリ素子を構成し、該メモリ素子を複数有することを特徴とする半導体装置である。
【0018】
また、ワード線と接続する電極を第1の絶縁膜上に形成しない構成でもよく、図3(A)及び図3(B)にその一例を示すように、他の発明の構成3は、第1の方向に延在するワード線と、ワード線を覆う第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜に前記ワード線に達する第1の開口と、前記第1の絶縁膜上に前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するビット線と、前記1の開口が内側に配置され、且つ、前記ビット線の一方の側面に達する第2の開口を有し、且つ、前記ビット線のもう一方の側面を覆う第2の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に前記ビット線の一方の側面を覆い、且つ、前記第1の開口を覆う有機化合物を含む層とを有し、前記ワード線と、前記ビット線と、前記有機化合物を含む層とが一つのメモリ素子を構成し、該メモリ素子を複数有することを特徴とする半導体装置である。
【0019】
また、隔壁を設けず、有機化合物を含む層をビット線の両側面及びワード線電極の両側面を覆うように形成してもよく、図4(A)や図12(A)にその一例を示すように、他の発明の構成4は、第1の方向に延在するワード線と、ワード線を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜に前記ワード線に達する開口と、前記絶縁膜上に前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するビット線と、前記絶縁膜上に前記開口を介して前記ワード線と電気的に接続する電極と、前記絶縁膜上に前記電極、前記ビット線、及び前記開口を覆う有機化合物を含む層とを有し、前記電極と、前記ビット線と、前記有機化合物を含む層とが一つのメモリ素子を構成し、該メモリ素子を複数有することを特徴とする半導体装置である。
【0020】
また、第1の絶縁膜に設けられた開口側面を覆うように、有機化合物を含む層を形成してもよく、図8(A)や図11(A)にその一例を示すように、他の発明の構成5は、第1の方向に延在するワード線と、ワード線を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜に前記ワード線に達する開口と、前記絶縁膜上に前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するビット線と、前記絶縁膜上に前記ビット線の一方の側面を覆い、且つ、前記開口を覆う有機化合物を含む層とを有し、前記ワード線と、前記ビット線と、前記有機化合物を含む層とが一つのメモリ素子を構成し、該メモリ素子を複数有することを特徴とする半導体装置である。
【0021】
また、隔壁を設けず、選択的に有機化合物を含む層を形成してもよく、図6(A)や図10(A)にその一例を示すように、他の発明の構成6は、第1の方向に延在するワード線と、ワード線を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜に前記ワード線に達する開口と、前記絶縁膜上に前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するビット線と、前記絶縁膜上に前記開口を介して前記ワード線と電気的に接続する電極と、前記絶縁膜上に、前記電極の一方の側面、前記ビット線の一方の側面、及び前記開口を覆う有機化合物を含む層とを有し、前記電極と、前記ビット線と、前記有機化合物を含む層とが一つのメモリ素子を構成し、該メモリ素子を複数有することを特徴とする半導体装置である。
【0022】
また、上記構成1乃至6のいずれか一において、記電極の側面と、該側面に対向する前記ビット線の側面は、テーパー形状を有していることを特徴の一つとしている。本明細書において、電極(または配線)の側面がテーパー形状を有しているとは、電極(または配線)の側壁面が傾斜していることを指している。ただし、本明細書において、テーパー形状は、電極(または配線)の上端部が突出した形状、即ちオーバーハング形状を除く。
【0023】
また、上記構成1を実現するための作製工程も本発明の一つであり、その作製方法に関する発明の構成は、絶縁表面を有する基板上に、第1の方向に延在するワード線を形成し、前記ワード線を覆う絶縁膜を形成し、前記絶縁膜に前記ワード線に達するコンタクトホールを形成し、前記絶縁膜上に導電膜を形成し、前記導電膜をエッチングして、前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するビット線と、前記絶縁膜上に前記コンタクトホールを覆い、且つ、前記ワード線と電気的に接続する電極とを形成し、前記絶縁膜上に前記電極の側面と該側面に対向する前記ビット線の側面との間に有機化合物を含む層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0024】
上記作製方法に関する発明の構成において、前記導電膜をエッチングする際、ビット線の側面、及び電極の側面をテーパー形状とすることを特徴の一つとしている。
【0025】
また、ビット線とワード線の上下関係が上記構成1とは逆であってもよく、図7(A)にその一例を示すように、他の発明の構成7は、第1の方向に延在するビット線と、ビット線を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜に前記ビット線に達する開口と、前記絶縁膜上に前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するワード線と、前記絶縁膜上に前記開口を介して前記ビット線と電気的に接続する電極と、前記絶縁膜上に前記電極、前記ワード線、及び前記開口を覆う有機化合物を含む層とを有し、前記電極と、前記ワード線と、前記有機化合物を含む層とが一つのメモリ素子を構成し、該メモリ素子を複数有することを特徴とする半導体装置である。
【0026】
また、上記構成7において、前記電極の側面と、該側面に対向する前記ビット線の側面は、テーパー形状を有していることを特徴の一つとしている。
【0027】
また、上記構成7を実現するための作製工程も本発明の一つであり、その作製方法に関する発明の構成は、 絶縁表面を有する基板上に、第1の方向に延在するビット線を形成し、前記ビット線を覆う絶縁膜を形成し、前記絶縁膜に前記ビット線に達するコンタクトホールを形成し、前記絶縁膜上に導電膜を形成し、前記導電膜をエッチングして、前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するワード線と、前記絶縁膜上に前記コンタクトホールを覆い、且つ、前記ビット線と電気的に接続する電極とを形成し、前記絶縁膜上に少なくとも前記電極の側面と該側面に対向する前記ワード線の側面との間に有機化合物を含む層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0028】
上記作製方法に関する発明の構成において、前記導電膜をエッチングする際、ワード線の側面及び電極の側面をテーパー形状とすることを特徴の一つとしている。
【発明の効果】
【0029】
本発明によって、素子の微細化と製造プロセスの簡略化といった効果を奏することができる。
【0030】
また、本発明の記憶装置及び半導体装置は、同一絶縁膜上の一対の電極に有機層が挟まれた単純な構造の記憶素子を有するため、安価な記憶装置及び半導体装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0032】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の半導体装置が有する記憶素子の一構成例に関して図面を用いて説明する。より具体的には、複数の記憶素子が配置された記憶回路の構成がパッシブマトリクス型の場合に関して以下に示す。
【0033】
図1(A)は、本発明の記憶素子を複数有するメモリセルアレイの断面構造の一部を示している。図1(B)は、上面構造であり、鎖線A−Bで切断した断面が図1(A)に対応する。また、図1(C)は、図1(B)における鎖線C−Dで切断した断面構造を示している。
【0034】
図1(A)において、絶縁表面を有する基板上にワード線102が設けられ、ワード線102上には第1の絶縁層103a、103bが設けられている。第1の絶縁層103a、第1の絶縁層103bは、基板面に対して垂直な膜厚0.8μmから1.5μmとする。
【0035】
第1の絶縁層103a、第1の絶縁層103bは同じ材料で形成されており、ワード線102に達する開口(コンタクトホール)が設けられている。この開口を覆うようにワード線電極104が設けられている。また、開口を介してワード線102と電気的に接続しているワード線電極104は、第1の絶縁層103a、103b上に設ける。図1(A)では、同じ層に、即ち第1の絶縁層103a上にワード線電極104とビット線101とを設けている。
【0036】
ワード線102は、メモリセルアレイの中から一列を選択するための制御信号線である。メモリセルアレイは、マトリクス状に複数のメモリセルが配置されたものである。一つのメモリセルは、ワード線102とビット線101の交点付近に配置されており、読み出し、書き込みを行なうアドレスに対応するワード線の電圧を上げることで書き込み、読み出しが可能になる。
【0037】
また、ビット線101は、メモリセルアレイからデータを取り出すための信号線である。電圧が印加されたワード線102に接続されているメモリセルは、記憶素子に記録されたデータをビット線101に出力することで、データの読み出しを行なう。
【0038】
また、ワード線電極104とビット線101との間に有機化合物を含む層105を設ける。本発明の記憶素子は、有機化合物を含む層105と、該有機化合物を含む層105を基板面に水平方向で挟むワード線電極104及びビット線101とで構成している。有機化合物を含む層105に用いる材料は、電気的作用により、結晶状態や導電性、形状が変化する物質、代表的には、有機化合物、無機化合物、又は有機化合物と無機化合物とが混合してなる層を用いる。
【0039】
上記構成を有する記憶素子は、電気的作用で導電性が変化するので、「初期状態」と「導電性変化後」とに対応した2値を記憶させることができる。なお、電気的作用とは、ビット線(ビット線電極)とワード線電極に電圧を印加し、有機化合物を含む層に電流を流すことである。
【0040】
ここで、電圧印加前後での上記記憶素子の導電性の変化について説明する。
【0041】
ビット線101の側面とワード線電極104の側面との間に電圧を印加すると、有機化合物を含む層105の特性が変化して記憶素子の導電性が高くなる。また、ビット線101の側面とワード線電極104の側面との間に電圧を印加すると、ビット線101とワード線電極104とが短絡する場合もある。また、ビット線101の側面とワード線電極104の側面との間に電圧を印加すると、有機化合物を含む層105で絶縁破壊が生じ、導電性を示す場合もある。これは、電極の端部において電界が集中しやすいため、有機層において絶縁破壊が生じやすくなるためである。上記いずれの場合においても、電気的作用で導電性が変化するので、「初期状態」と「導電性変化後」とに対応した2値を記憶させることができる。
【0042】
有機化合物を含む層105を構成することが可能な、外部からの電気的作用により導電性が変化する有機化合物としては、正孔輸送性が高い有機化合物又は電子輸送性が高い有機化合物を用いることができる。
【0043】
正孔輸送性の高い有機化合物としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)や4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)や4,4’−ビス(N−(4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物やフタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン化合物を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性が高い物質であれば、上記の物質以外のものを用いてもよい。
【0044】
なお、有機化合物を含む層として、有機化合物と無機化合物との混合層を設ける場合には、正孔輸送性の高い有機化合物と電子を受け取りやすい無機化合物とを混合させることが好ましい。このような構成とすることによって、本来内在的なキャリアをほとんど有さない有機化合物に多くのホールキャリアが発生し、極めて優れたホール注入性・輸送性を示す。その結果、有機化合物を含む層は優れた導電性を得ることが可能となる。
【0045】
電子を受け取りやすい無機化合物として、周期表第4族乃至第12族のいずれかの遷移金属の金属酸化物、金属窒化物または金属酸化窒化物を用いることができる。具体的には、チタン酸化物(TiOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、バナジウム酸化物(VOx)、モリブデン酸化物(MoOx)、タングステン酸化物(WOx)、タンタル酸化物(TaOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、ニオブ酸化物(NbOx)、コバルト酸化物(Cox)、レニウム酸化物(ReOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、亜鉛酸化物(ZnO)、ニッケル酸化物(NiOx)、銅酸化物(CuOx)等を用いることができる。また、ここでは具体例として酸化物を例に挙げたが、もちろんこれらの窒化物や酸化窒化物を用いてもよい。
【0046】
電子輸送性の高い有機化合物としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる材料を用いることができる。また、この他、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体などの材料も用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。但し、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記の物質以外のものを用いてもよい。
【0047】
なお、有機化合物と無機化合物との混合層を設ける場合には、電子輸送性の高い有機化合物と電子を与えやすい無機化合物とを混合させることが好ましい。このような構成とすることによって、本来内在的なキャリアをほとんど有さない有機化合物に多くの電子キャリアが発生し、極めて優れた電子注入性・輸送性を示す。その結果、有機化合物層は優れた導電性を得ることが可能となる。
【0048】
電子を与えやすい無機化合物として、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類金属酸化物、アルカリ金属窒化物、アルカリ土類金属窒化物、希土類金属窒化物を用いることができる。具体的には、リチウム酸化物(LiOx)、ストロンチウム酸化物(SrOx)、バリウム酸化物(BaOx)、エルビウム酸化物(ErOx)、ナトリウム酸化物(NaOx)、リチウム窒化物(LiNx)、マグネシウム窒化物(MgNx)、窒化カルシウム、イットリウム窒化物(YNx)、ランタン窒化物(LaNx)等を用いることができる。
【0049】
さらには、無機化合物として、有機化合物から電子を受け取りやすい無機化合物または有機化合物に電子を与えやすい無機化合物であれば何でもよく、アルミニウム酸化物(AlOx)、ガリウム酸化物(GaOx)、ケイ素酸化物(SiOx)、ゲルマニウム酸化物(GeOx)、インジウム錫酸化物(ITO)等のほか、種々の金属酸化物、金属窒素化物または金属酸化窒化物を用いることができる。
【0050】
また、有機化合物を含む層105が金属酸化物または金属窒化物の中から選ばれた化合物と正孔輸送性の高い化合物とから形成される場合、さらに立体障害の大きな(平面構造とは異なり空間的な広がりを有する構造をもつ)化合物を加えた構成としてもよい。立体障害の大きな化合物としては、5,6,11,12−テトラフェニルテトラセン(略称:ルブレン)が好ましい。但し、これ以外に、ヘキサフェニルベンゼン、t−ブチルペリレン、9,10−ジ(フェニル)アントラセン、クマリン545T等も用いることができる。この他、デンドリマー等も有効である。
【0051】
さらには、電子輸送性の高い有機化合物で形成される層と、正孔輸送性の高い有機化合物で形成される層との間に、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−(ジシアノメチレン)−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン、ペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6、クマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)や9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(略称:TBP)等の発光物質を設けてもよい。
【0052】
また、有機化合物を含む層105は、蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、CVD法等を用いて形成することができる。また、有機化合物と無機化合物とを含む混合層は、各々の材料を同時に成膜することにより形成することができ、抵抗加熱蒸着同士による共蒸着法、電子ビーム蒸着同士による共蒸着法、抵抗加熱蒸着と電子ビーム蒸着による共蒸着法、抵抗加熱蒸着とスパッタリングによる成膜、電子ビーム蒸着とスパッタリングによる成膜など、同種、異種の方法を組み合わせて形成することができる。
【0053】
また、他の有機化合物を含む層105の形成方法として、スピンコート法、ゾル−ゲル法、印刷法または液滴吐出法等を用いてもよいし、上記方法とこれらを組み合わせてもよい。
【0054】
また、有機化合物を含む層105は、外部からの電気的作用により、記憶素子の導電性が変化する膜厚とする。有機化合物を含む層105の代表的な膜厚は、5nm〜100nm、好ましくは10nm〜60nmとする。
【0055】
図1(A)に示すように、有機化合物を含む層105は、ワード線電極104の一方側の側面(テーパー状の側面)に接している。また、有機化合物を含む層105に接しているワード線電極104の側面に対向するビット線101の側面も有機化合物を含む層105に接している。
【0056】
また、図1(B)や図1(C)に示すように、有機化合物を含む層105を挟んで第2の絶縁層106a、106bを配置する。第2の絶縁層106a、106bは、基板面に対して垂直な膜厚0.1μmから0.5μmで形成する。図1(B)に示すように、有機化合物を含む層105に使用する有機材料は、ワード線電極104、ビット線101、及び第2の絶縁層106a、106bに四方を囲まれているため、流動性の高い材料でもよい。
【0057】
図1(B)では、有機化合物を含む層105の上面形状が矩形となっているが、特に限定されず、正方形や楕円形や円であってもよい。有機化合物を含む層105の上面形状は成膜方法によって左右されやすく、例えば、抵抗加熱蒸着法や電子ビーム蒸着法を用いる場合、矩形状の開口を有する蒸着マスクを用いると、矩形状の有機化合物を含む層105を得ることができる。こうして、有機化合物を含む層105を各メモリセルごとに分離して形成すると、隣接する各々のメモリセル間において横方向への電界の影響を低減することができる。
【0058】
また、工程数削減のため、同一工程でワード線電極104とビット線101とを形成することが好ましい。また、ワード線電極104とビット線101との間隔を精密に制御するため、同じフォトマスクを用いて、ワード線電極104とビット線101とをパターニングすることが好ましい。
【0059】
同一絶縁層上に設けるワード線電極104とビット線101との間隔距離は、基板面に対して水平な長さ0.1μm〜0.05μm、好ましくは0.01μm以下が望ましい。ワード線電極104とビット線101との距離間隔を狭めることによって低電圧での書き込みを行うことができる。すなわち、低消費電力で書き込みを行うことが可能となる。
【0060】
ワード線102やビット線101やワード線電極104は、蒸着法、スパッタ法、CVD法、印刷法、電界メッキ法、無電界メッキ法、液滴吐出法等を用いて形成する。本発明は、有機化合物を含む層105に用いる材料として、耐熱温度が低い材料を用いる場合に特に有効である。本発明においては、有機化合物を含む層105よりも先に形成するため、用いる配線の形成方法、特に成膜温度が限定されず、様々な方法を用いることができる点が長所である。
【0061】
ワード線102やビット線101やワード線電極104の材料には導電性の高い元素や化合物等を用いる。代表的には、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、炭素(C)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)等から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金からなる構造を用いることができる。上記元素を複数含んだ合金としては、例えば、AlとTiを含んだ合金Al、TiとCを含んだ合金、AlとNiを含んだ合金、AlとCを含んだ合金、AlとNiとCを含んだ合金またはAlとMoを含んだ合金等を用いることができる。
【0062】
また、ワード線102とビット線101とワード線電極104は、互いに異なる材料を使用してもよい。また、ワード線102とビット線101とワード線電極104は、配線の形成方法も互いに異なるものとしてもよい。
【0063】
また、パターニング時のエッチング条件を適宜調節することにより、テーパー状の側面を有するビット線101及びワード線電極104を形成することができる。同一工程で形成する場合にはビット線101及びワード線電極104は同じテーパー形状となる。テーパー形状とは、電極の側面の断面が傾斜していることである。好ましくは、基板面に対してビット線101及びワード線電極104の側面は、10度以上85度未満、好ましくは60度以上80度以下の傾斜角度を有する。
【0064】
図1(A)では、ビット線101は、ワード線102上方に設けた例を示しているが、特に形成順序は限定されず、ビット線上方にワード線を配置してもよい。ビット線上方にワード線を配置する場合、第1の絶縁層の開口を介してビット線と電気的に接続するビット線電極を設け、ビット線電極とワード線との間に有機化合物を含む層を配置する構成となる。
【0065】
図1(A)、図1(B)、及び図1(C)に示す記憶素子は、基板面に水平な方向で有機化合物を含む層105に電圧が印加される構造であり、ワード線電極104とビット線101との距離間隔を狭めることによって、記憶素子の占有面積の縮小化が図れる。
【0066】
ここで図1(A)、図1(B)、及び図1(C)に示す記憶素子の作製方法の一例を以下に説明する。
【0067】
まず、基板平面上にワード線102を形成する。
【0068】
次いで、ワード線102上に第1絶縁膜を形成する。次いで、フォトリソグラフィ法などを用いて選択的に第1絶縁膜のエッチングを行って、ワード線102に達する開口を形成する。ワード線を含む平行な面で切断した断面において、一方の側の絶縁膜を第1の絶縁層103aとし、もう一方の側の絶縁膜を103bと表記する。なお、印刷法や液滴吐出法を用いれば、エッチング工程を行うことなく第1の絶縁層103a、第1の絶縁層103bを形成することが可能である。
【0069】
次いで、導電膜をスパッタ法で成膜し、フォトリソグラフィ法などを用いて選択的にエッチングを行って、第1の絶縁層103a上にビット線101と、第1の絶縁層103a及び103b上にワード線電極104とを形成する。後の工程で有機物を含む材料液を滴下するため、ビット線101及びワード線電極104の膜厚は、厚くすることが望ましい。
【0070】
次いで、第2絶縁膜を形成する。次いで、フォトリソグラフィ法などを用いて選択的に第2絶縁膜のエッチングを行って、ビット線101の一方の側面と、該側面に対向するワード線電極104の側面とに接する第2の絶縁層106a、106bを形成する。第2の絶縁層106a、106bは、後の工程で有機物を含む材料液を滴下する位置を挟むように配置する。なお、印刷法や液滴吐出法を用いれば、エッチング工程を行うことなく第2の絶縁層106a、106bを形成することが可能である。
【0071】
次いで、液滴吐出法を用いて、ビット線101と、ワード線電極104と、第2の絶縁層106a、106bとで四方を囲まれた領域に有機物を含む材料液を滴下する。少なくともビット線101とワード線電極104との隙間を埋めるように滴下する。滴下された有機物を含む材料液は、ビット線101と、ワード線電極104と、第2の絶縁層106a、106bとで四方を囲まれているので固定される。そして、焼成を行って有機化合物を含む層105が形成される。
【0072】
最後に、ビット線101、ワード線電極104、第1の絶縁層103a、103b、第2の絶縁層106a、106b、及び有機化合物を含む層105を覆うように保護層107を形成する。なお、保護層107は必要でなければ設けなくともよい。保護層107は、蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、CVD法、スピンコート法、ゾル−ゲル法、印刷法または液滴吐出法等を用いた絶縁膜である。ただし、保護層107の形成時において、有機化合物を含む層105にダメージを与えないようにすることが好ましい。
【0073】
こうして得られる図1(A)、図1(B)、及び図1(C)に示す記憶素子は、有機化合物を含む層105を挟むワード線電極104及びビット線101を同時に形成することができ、工程短縮することができる。
【0074】
また、図2(A)、及び図2(B)に図1(A)、図1(B)及び図1(C)とは一部異なる記憶素子の例を示す。図2(A)は記憶素子の断面図であり、図2(B)は図2(A)に対応する上面図である。
【0075】
図2(A)において、図1(A)と同様に、絶縁表面を有する基板上にワード線202が設けられ、ワード線202上には第1の絶縁層203a、203bが設けられている。第1の絶縁層203a、第1の絶縁層203bは同じ材料で形成されており、ワード線202に達する開口(コンタクトホール)が設けられている。この開口を覆うようにワード線電極204が設けられている。また、開口を介してワード線202と電気的に接続しているワード線電極204は、第1の絶縁層203a、203b上に設ける。同じ層に、即ち第1の絶縁層203a上にワード線電極204とビット線201とを設けている。
【0076】
また、ワード線電極204の側面、及び該側面に対向するビット線201の側面を除く領域を覆う第2の絶縁層206が設けられている。
【0077】
図2(A)に示す記憶素子は、図1(A)の第2の絶縁層106a、106bに比べて第2の絶縁層206の占有面積が大きい構造である。
【0078】
この第2の絶縁層206によって、有機化合物を含む層205は四方を囲まれている。即ち、第2の絶縁層206の膜厚を調節することによって有機化合物を含む層205は固定される。従って、図2(A)では、図1(A)の記憶素子に比べてビット線201、及びワード線電極204の膜厚を薄くすることができる。ビット線201、及びワード線電極204の膜厚を薄くすることで、成膜時間の短縮及びエッチング時間の短縮を図ることができる。
【0079】
また、液滴滴下法によって、第2の絶縁層206の間の領域に滴下した場合、比較的流動性の高い材料液を用いても滴下部分にとどまらせることができる。
【0080】
また、図2(B)に示すように、第2の絶縁層206によって、ワード線202に達する開口による凹部を平坦なものとすることができる。
【0081】
また、図2(A)に示す記憶素子において、第2の絶縁層206、及び有機化合物を含む層205を覆うように保護層を設けてもよい。
【0082】
図2(A)においても、ビット線201は、ワード線202上方に設けた例を示しているが、特に形成順序は限定されず、ビット線上方にワード線を配置してもよい。ビット線上方にワード線を配置する場合、第1の絶縁層の開口を介してビット線と電気的に接続するビット線電極を設け、ビット線電極とワード線との間に有機化合物を含む層を配置する構成となる。
【0083】
(実施の形態2)
ここでは、図3(A)、及び図3(B)に図1(A)、図1(B)及び図1(C)とは一部異なる記憶素子の例を示す。図3(A)は記憶素子の断面図であり、図3(B)は図3(A)に対応する上面図である。
【0084】
図3(A)において、図1(A)と同様に、絶縁表面を有する基板上にワード線302が設けられ、ワード線302上には第1の絶縁層303a、303bが設けられている。第1の絶縁層303a、第1の絶縁層303bは同じ材料で形成されており、ワード線302に達する開口(コンタクトホール)が設けられている。第1の絶縁層303a上にビット線301を設けている。
【0085】
図3(A)においては、図1(A)に示すワード線電極104を設けない。従って、さらなる素子構造の簡素化を実現でき、メモリセルの縮小化も実現できる。図3(A)においては、ワード線302に達する開口と、該開口に近い側面を有するビット線301とを覆うように有機化合物を含む層305を設けている。有機化合物を含む層305は、第2の絶縁層306によって、四方を囲まれている。
【0086】
第2の絶縁層306は、開口に近いビット線301の側面を除く領域を覆っている。
【0087】
なお、第1の絶縁層303a、303bで囲まれている開口の開口面積(基板面と水平な面で切断した面積)は、開口上端部側から開口底面側に向かって減少している。
【0088】
ビット線301と開口底面との距離は、基板面に対して水平な長さ0.1μm〜0.05μm、好ましくは0.01μm以下が望ましい。ビット線301とワード線302との間に電圧を印加すると、第1の絶縁層303aの側壁の曲面に沿って有機化合物を含む305に電流を流すこととなる。
【0089】
また、図3(A)に示す記憶素子において、第2の絶縁層306、及び有機化合物を含む層305を覆うように保護層を設けてもよい。
【0090】
図3(A)においても、ビット線301は、ワード線302上方に設けた例を示しているが、特に形成順序は限定されず、ビット線上方にワード線を配置してもよい。
【0091】
また、本実施の形態は実施の形態1と自由に組み合わせることができる。
【0092】
(実施の形態3)
ここでは、図4(A)、及び図4(B)に図1(A)、図(B)及び図1(C)とは一部異なる記憶素子の例を示す。図4(A)は記憶素子の断面図であり、図4(B)は図4(A)に対応する上面図である。
【0093】
図4(A)において、図1(A)と同様に、絶縁表面を有する基板上にワード線402が設けられ、ワード線402上には第1の絶縁層403a、403bが設けられている。第1の絶縁層403a、第1の絶縁層403bは同じ材料で形成されており、ワード線402に達する開口(コンタクトホール)が設けられている。この開口を覆うようにワード線電極404が設けられている。また、開口を介してワード線402と電気的に接続しているワード線電極404は、第1の絶縁層403a、403b上に設ける。同じ層に、即ち第1の絶縁層403a上にワード線電極404とビット線401とを設けている。
【0094】
図4(A)に示す記憶素子は、有機化合物を含む層405がワード線電極404の両側面、及びビット線401の両側面を覆っている。
【0095】
また、図4(B)に示すように、有機化合物を含む層405は、帯状(ライン状とも呼ぶ)に形成されている。また、有機化合物を含む層405を固定するために第2の絶縁層を形成してもよく、その場合、有機化合物を含む層405と平行な帯状(ライン状とも呼ぶ)に第2の絶縁層も形成する。
【0096】
また、図4(B)では、有機化合物を含む層405の幅が、ワード線電極404の幅よりも狭い例を示しているが、特に限定されず、ワード線電極404の幅よりも有機化合物を含む層405の幅を広くしてもよい。
【0097】
図4(A)及び図4(B)に示す記憶素子は、図1(A)の有機化合物を含む層105の上面形状とは異なる構造である。図4(A)及び図4(B)に示す記憶素子は、有機化合物を含む層405の幅を広くできる構造であるため、有機化合物を含む層405の形成時における位置ズレの許容範囲を広くすることができる。
【0098】
また、図4(A)に示す記憶素子において、ビット線401、ワード線電極404、第1の絶縁層403a、403b、及び有機化合物を含む層405を覆うように保護層を設けてもよい。
【0099】
図4(A)においても、ビット線401は、ワード線402上方に設けた例を示しているが、特に形成順序は限定されず、ビット線上方にワード線を配置してもよい。
【0100】
また、本実施の形態は、実施の形態1または実施の形態2と自由に組み合わせることができる。
【0101】
(実施の形態4)
ここでは、図5(A)、及び図5(B)に図1(A)、図(B)及び図1(C)とは一部異なる記憶素子の例を示す。図5(A)は記憶素子の断面図であり、図5(B)は図5(A)に対応する上面図である。
【0102】
図5(A)において、図1(A)と同様に、絶縁表面を有する基板上にワード線502が設けられ、ワード線502上には第1の絶縁層503a、503bが設けられている。第1の絶縁層503a、第1の絶縁層503bは同じ材料で形成されており、ワード線502に達する開口(コンタクトホール)が設けられている。この開口を覆うようにワード線電極504が設けられている。また、開口を介してワード線502と電気的に接続しているワード線電極504は、第1の絶縁層503a、503b上に設ける。同じ層に、即ち第1の絶縁層503a上にワード線電極504とビット線501とを設けている。
【0103】
図5(A)及び図5(B)に示す記憶素子は、図1(A)の有機化合物を含む層105の断面形状とは異なる構造である。図1(A)においては、有機化合物を含む層105がワード線電極104の側面のみに接する例であるが、図5(A)においては、有機化合物を含む層505がワード線電極504の側面及びワード線電極の上面の一部(上端部)と接している。
【0104】
有機化合物を含む層505の材料として、硬化の早い材料を用いることが望ましい。硬化の早い材料を用いることによって、図1(B)に示す第2の絶縁層106a、106bを設けなくともよい。また、硬化の早い材料を用いることによって、ビット線501、ワード線電極504の膜厚を、図1(A)に示すビット線101やワード線電極104の膜厚よりも薄くすることができる。
【0105】
また、図5(A)に示す記憶素子において、ビット線501、ワード線電極504、第1の絶縁層503a、503b、及び有機化合物を含む層505を覆うように保護層を設けてもよい。
【0106】
図5(A)においても、ビット線501は、ワード線502上方に設けた例を示しているが、特に形成順序は限定されず、ビット線上方にワード線を配置してもよい。
【0107】
また、本実施の形態は、実施の形態1、実施の形態2、または実施の形態3と自由に組み合わせることができる。
【0108】
(実施の形態5)
ここでは、図6(A)、及び図6(B)に図1(A)、図(B)及び図1(C)とは一部異なる記憶素子の例を示す。図6(A)は記憶素子の断面図であり、図6(B)は図6(A)に対応する上面図である。
【0109】
図6(A)において、図1(A)と同様に、絶縁表面を有する基板上にワード線602が設けられ、ワード線602上には第1の絶縁層603a、603bが設けられている。第1の絶縁層603a、第1の絶縁層603bは同じ材料で形成されており、ワード線602に達する開口(コンタクトホール)が設けられている。この開口を覆うようにワード線電極604が設けられている。また、開口を介してワード線602と電気的に接続しているワード線電極604は、第1の絶縁層603a、603b上に設ける。同じ層に、即ち第1の絶縁層603a上にワード線電極604とビット線601とを設けている。
【0110】
図6(A)及び図6(B)に示す記憶素子は、図1(A)の有機化合物を含む層105の断面形状とは異なる構造である。図1(A)においては、有機化合物を含む層105がワード線電極104の側面のみに接する例であるが、図6(A)においては、有機化合物を含む層605がワード線電極604の側面及び電極の上面の一部と接している。加えて、有機化合物を含む層605が開口を埋めている。
【0111】
有機化合物を含む層605の材料として、硬化の早い材料を用いることが望ましい。硬化の早い材料を用いることによって、図1(B)に示す第2の絶縁層106a、106bを設けなくともよい。また、硬化の早い材料を用いることによって、ビット線601、ワード線電極604の膜厚を、図1(A)に示すビット線101やワード線電極104の膜厚よりも薄くすることができる。
【0112】
また、図6(A)に示す記憶素子において、ビット線601、ワード線電極604、第1の絶縁層603a、603b、及び有機化合物を含む層605を覆うように保護層を設けてもよい。
【0113】
図6(A)においても、ビット線601は、ワード線602上方に設けた例を示しているが、特に形成順序は限定されず、ビット線上方にワード線を配置してもよい。
【0114】
また、本実施の形態は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、または実施の形態4と自由に組み合わせることができる。
【0115】
(実施の形態6)
ここでは、図7(A)、及び図7(B)に図4(A)及び図4(B)とは一部異なる記憶素子の例を示す。図7(A)は記憶素子の断面図であり、図7(B)は図7(A)に対応する上面図である。
【0116】
図7(A)、及び図7(B)に示す記憶素子は、ビット線上方にワード線を配置する例である。
【0117】
図7(A)において、絶縁表面を有する基板上にビット線702が設けられ、ビット線702上には第1の絶縁層703a、703bが設けられている。第1の絶縁層703a、第1の絶縁層703bは同じ材料で形成されており、ビット線702に達する開口(コンタクトホール)が設けられている。この開口を覆うようにビット線電極704が設けられている。また、開口を介してビット線702と電気的に接続しているビット線電極704は、第1の絶縁層703a、703b上に設ける。同じ層に、即ち第1の絶縁層703a上にビット線電極704とワード線701とを設けている。
【0118】
また、図7(B)に示すように、有機化合物を含む層705は、帯状(ライン状とも呼ぶ)に形成されている。また、有機化合物を含む層705を固定するために第2の絶縁層を形成してもよく、その場合、有機化合物を含む層705と平行な帯状(ライン状とも呼ぶ)に第2の絶縁層も形成する。
【0119】
また、図7(B)では、有機化合物を含む層705の幅が、ビット線電極704の幅よりも狭い例を示しているが、特に限定されず、ビット線電極704の幅よりも有機化合物を含む層705の幅を広くしてもよい。
【0120】
図7(A)及び図7(B)に示す記憶素子は、有機化合物を含む層705の幅を広くできる構造であるため、有機化合物を含む層705の形成時における位置ズレの許容範囲を広くすることができる。
【0121】
また、図7(A)に示す記憶素子において、ワード線701、ビット線電極704、第1の絶縁層703a、703b、及び有機化合物を含む層705を覆うように保護層を設けてもよい。
【0122】
また、本実施の形態は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、または実施の形態5と自由に組み合わせることができる。
【0123】
(実施の形態7)
ここでは、図8(A)、及び図8(B)に図3(A)及び図3(B)とは一部異なる記憶素子の例を示す。図8(A)は記憶素子の断面図であり、図8(B)は図8(A)に対応する上面図である。
【0124】
図8(A)において、図3(A)と同様に、絶縁表面を有する基板上にワード線802が設けられ、ワード線802上には第1の絶縁層803a、803bが設けられている。第1の絶縁層803a、第1の絶縁層803bは同じ材料で形成されており、ワード線802に達する開口(コンタクトホール)が設けられている。第1の絶縁層803a上にビット線801を設けている。
【0125】
図8(A)においては、ワード線802に達する開口と、該開口に近い側面を有するビット線801とを覆うように有機化合物を含む層805を設けている。図8(A)においては、図3(A)に示す第2の絶縁層306を設けない。従って、さらなる素子構造の簡素化を実現でき、工程数の低減も実現できる。
【0126】
なお、第1の絶縁層803a、803bで囲まれている開口の開口面積(基板面と水平な面で切断した面積)は、開口上端部側から開口底面側に向かって減少している。
【0127】
ビット線801と開口底面との距離は、基板面に対して水平な長さ0.1μm〜0.05μm、好ましくは0.01μm以下が望ましい。ビット線801とワード線802との間に電圧を印加すると、第1の絶縁層803aの側壁の曲面に沿って有機化合物を含む805に電流を流すこととなる。
【0128】
また、図8(A)に示す記憶素子において、ビット線801、第1の絶縁層803a、803b、及び有機化合物を含む層805を覆うように保護層を設けてもよい。
【0129】
図8(A)において、ビット線801は、ワード線802上方に設けた例を示しているが、特に形成順序は限定されず、ビット線上方にワード線を配置してもよい。
【0130】
また、本実施の形態は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、または実施の形態6と自由に組み合わせることができる。
【0131】
(実施の形態8)
ここでは、図9(A)、及び図9(B)に図5(A)及び図5(B)とは一部異なる記憶素子の例を示す。図9(A)は記憶素子の断面図であり、図9(B)は図9(A)に対応する上面図である。
【0132】
図9(A)において、図5(A)と同様に、絶縁表面を有する基板上にワード線902が設けられ、ワード線902上には第1の絶縁層903a、903bが設けられている。第1の絶縁層903a、第1の絶縁層903bは同じ材料で形成されており、ワード線902に達する開口が設けられている。この開口を覆うようにワード線電極904が設けられている。また、開口を介してワード線902と電気的に接続しているワード線電極904は、第1の絶縁層903a、903b上に設ける。同じ層に、即ち第1の絶縁層903a上にワード線電極904とビット線901とを設けている。
【0133】
図9(A)及び図9(B)に示す記憶素子は、図5(A)の有機化合物を含む層505の断面形状とは異なる構造である。図9(A)においては、有機化合物を含む層905の表面が下方の凹凸を反映した形状となっている。
【0134】
また、図9(A)に示す記憶素子において、ビット線901、ワード線電極904、第1の絶縁層903a、903b、及び有機化合物を含む層905を覆うように保護層を設けてもよい。
【0135】
図9(A)において、ビット線901は、ワード線902上方に設けた例を示しているが、特に形成順序は限定されず、ビット線上方にワード線を配置してもよい。
【0136】
また、本実施の形態は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6、または実施の形態7と自由に組み合わせることができる。
【0137】
(実施の形態9)
ここでは、図10(A)、及び図10(B)に図6(A)及び図6(B)とは一部異なる記憶素子の例を示す。図10(A)は記憶素子の断面図であり、図10(B)は図10(A)に対応する上面図である。
【0138】
図10(A)において、図6(A)と同様に、絶縁表面を有する基板上にワード線1002が設けられ、ワード線1002上には第1の絶縁層1003a、1003bが設けられている。第1の絶縁層1003a、第1の絶縁層1003bは同じ材料で形成されており、ワード線1002に達する開口(コンタクトホール)が設けられている。この開口を覆うようにワード線電極1004が設けられている。また、開口を介してワード線1002と電気的に接続しているワード線電極1004は、第1の絶縁層1003a、1003b上に設ける。同じ層に、即ち第1の絶縁層1003a上にワード線電極1004とビット線1001とを設けている。
【0139】
図10(A)及び図10(B)に示す記憶素子は、図6(A)の有機化合物を含む層605の断面形状とは異なる構造である。図6(A)においては、有機化合物を含む層605が開口を埋めている。一方、図10(A)においては、有機化合物を含む層1005の表面が下方の凹凸を反映した形状となっている。
【0140】
また、図10(A)に示す記憶素子において、ビット線1001、ワード線電極1004、第1の絶縁層1003a、1003b、及び有機化合物を含む層1005を覆うように保護層を設けてもよい。
【0141】
図10(A)において、ビット線1001は、ワード線1002上方に設けた例を示しているが、特に形成順序は限定されず、ビット線上方にワード線を配置してもよい。
【0142】
また、本実施の形態は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7、または実施の形態8と自由に組み合わせることができる。
【0143】
(実施の形態10)
ここでは、図11(A)、及び図11(B)に図8(A)及び図8(B)とは一部異なる記憶素子の例を示す。図11(A)は記憶素子の断面図であり、図11(B)は図11(A)に対応する上面図である。
【0144】
図11(A)において、図8(A)と同様に、絶縁表面を有する基板上にワード線1102が設けられ、ワード線1102上には第1の絶縁層1103a、1103bが設けられている。第1の絶縁層1103a、第1の絶縁層1103bは同じ材料で形成されており、ワード線1102に達する開口(コンタクトホール)が設けられている。第1の絶縁層1103a上にビット線1101を設けている。
【0145】
図11(A)においても、図8(A)と同様に、ワード線1102に達する開口と、該開口に近い側面を有するビット線1101とを覆うように有機化合物を含む層1105を設けている。図11(A)においても、図8(A)と同様に、第2の絶縁層を設けない。従って、さらなる素子構造の簡素化を実現でき、工程数の低減も実現できる。
【0146】
図11(A)及び図11(B)に示す記憶素子は、図8(A)の有機化合物を含む層805の断面形状とは異なる構造である。図8(A)においては、有機化合物を含む層805が開口を埋めている。一方、図11(A)においては、有機化合物を含む層1105の表面が下方の凹凸を反映した形状となっている。
【0147】
また、図11(A)に示す記憶素子において、ビット線1101、第1の絶縁層1103a、1103b、及び有機化合物を含む層1105を覆うように保護層を設けてもよい。
【0148】
図11(A)において、ビット線1101は、ワード線1102上方に設けた例を示しているが、特に形成順序は限定されず、ビット線上方にワード線を配置してもよい。
【0149】
また、本実施の形態は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7、実施の形態8、または実施の形態9と自由に組み合わせることができる。
【0150】
(実施の形態11)
ここでは、図12(A)、及び図12(B)に図4(A)及び図4(B)とは一部異なる記憶素子の例を示す。図12(A)は記憶素子の断面図であり、図12(B)は図12(A)に対応する上面図である。
【0151】
図12(A)において、図4(A)と同様に、絶縁表面を有する基板上にワード線1202が設けられ、ワード線1202上には第1の絶縁層1203a、1203bが設けられている。第1の絶縁層1203a、第1の絶縁層1203bは同じ材料で形成されており、ワード線1202に達する開口(コンタクトホール)が設けられている。この開口を覆うようにワード線電極1204が設けられている。また、開口を介してワード線1202と電気的に接続しているワード線電極1204は、第1の絶縁層1203a、1203b上に設ける。同じ層に、即ち第1の絶縁層1203a上にワード線電極1204とビット線1201とを設けている。
【0152】
図12(A)に示す記憶素子は、有機化合物を含む層1205がワード線電極1204の両側面、及びビット線1201の両側面を覆っている。
【0153】
また、図12(B)に示すように、有機化合物を含む層1205は、帯状に形成されている。また、有機化合物を含む層1205を固定するために第2の絶縁層を形成してもよく、その場合、有機化合物を含む層1205と平行な帯状(ライン状とも呼ぶ)に第2の絶縁層も形成する。
【0154】
図12(A)及び図12(B)に示す記憶素子は、図4(A)の有機化合物を含む層405の断面形状とは異なる構造である。図4(A)においては、有機化合物を含む層405が開口を埋めている。一方、図12(A)においては、有機化合物を含む層1205の表面が下方の凹凸を反映した形状となっている。
【0155】
また、図12(A)に示す記憶素子において、ビット線1201、ワード線電極1204、第1の絶縁層1203a、403b、及び有機化合物を含む層1205を覆うように保護層を設けてもよい。
【0156】
図12(A)において、ビット線1201は、ワード線1202上方に設けた例を示しているが、特に形成順序は限定されず、ビット線上方にワード線を配置してもよい。
【0157】
また、本実施の形態は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7、実施の形態8、実施の形態9、または実施の形態10と自由に組み合わせることができる。
【0158】
以上の構成でなる本発明について、以下に示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととする。
【実施例1】
【0159】
本実施例では、実施の形態1乃至11のいずれか一で形成した記憶素子を複数配置した記憶装置の構成とデータの書き込み方法について説明する。
【0160】
図13(A)においてワード線はWn(1≦n≦y)、ビット線はBm(1≦m≦x)である。
【0161】
図13(A)に本発明の記憶装置の構成を示す。本発明の記憶装置5008はカラムデコーダ5001、ローデコーダ5002、読み出し回路5004、書き込み回路5005、セレクタ5003、メモリセルアレイ22を有する。メモリセルアレイ22は複数のメモリセル21を有する。
【0162】
メモリセル21は、一つの記憶素子80を有する。
【0163】
本発明においては、実施の形態1に示したように、ビット線(第1の導電層)と、ワード線に接続されたワード線電極(第2の導電層)とが同一平面上に形成されている。記憶素子80は、ワード線電極と、ビット線と、ワード線電極とビット線との間に有機化合物を有する層とを有する。
【0164】
なお、ここで示す記憶装置5008の構成はあくまで一例であり、センスアンプ、出力回路、バッファ等の他の回路を有していてもよいし、書き込み回路をビット線駆動回路に設けてもよい。
【0165】
カラムデコーダ5001はメモリセルアレイの行を指定するアドレス信号を受けて、指定行のセレクタ5003に信号を与える。セレクタ5003はカラムデコーダ5001の信号を受けて指定行のビット線を選択する。ローデコーダ5002はメモリセルアレイの列を指定するアドレス信号を受けて、指定列のワード線を選択する。上記動作によりアドレス信号に対応する一つのメモリセル21が選択される。読み出し回路5004は選択されたメモリセルが有するデータを読み出し、増幅して出力する。書き込み回路5005は書き込みに必要な電圧を生成し、選択されたメモリセルの記憶素子に電圧を印加することでデータの書き込みを行う。
【0166】
図13(B)に本発明の記憶装置が有する書き込み回路5005の構成を示す。書き込み回路5005は電圧発生回路7001、タイミング制御回路7002、スイッチSW0、SW1、出力端子Pwを有する。電圧発生回路7001は昇圧回路等で構成され、書き込みに必要な電圧V1を生成し、出力Paから出力する。タイミング制御回路7002は、書き込み制御信号(WEと記載する)、データ信号(DATAと記載する)、クロック信号(CLKと記載する)等からスイッチSW0、SW1をそれぞれ制御する信号S0、S1を生成し、それぞれ出力P0、P1から出力する。スイッチSW0は接地との接続、SW1は電圧発生回路7001の出力Paとの接続を制御し、これらのスイッチによって、書き込み回路の出力Pwからの出力電圧Vwを切り替えることができる。
【0167】
次に記憶素子の導電性を変化させない初期状態を「0」とし、記憶素子の導電性を変化させる短絡状態の場合を「1」としたときの書き込み動作について説明する。まず入力信号WEがHiになると、行を指定するアドレス信号を受けたカラムデコーダ5001は指定行のセレクタ5003に信号を与え、セレクタ5003は指定行のビット線を書き込み回路の出力Pwに接続される。指定されていないビット線は非接続(フローティングと記載する)状態となっており、書き込み回路の出力電圧VwはV1となる。同様に列を指定するアドレス信号を受けたローデコーダ5002は指定列のワード線に電圧V2を印加し、指定されていないワード線に0Vを印加する。上記動作によりアドレス信号に対応する一つの記憶素子80が選択される。このときワード線電極には、0Vが印加される。
【0168】
同時に入力信号DATA=Hiを受けることにより、電圧発生回路7001は電圧V1を生成し、出力Paから出力することができる。タイミング制御回路7002は入力信号WE、DATA、CLK、電源電位(VDD)等から、スイッチSW0、SW1を制御する信号S0、S1を生成し、出力P0、P1から出力することができる。当該信号によりスイッチSW0、SW1が切り替わり、書き込み回路5005は出力Pwから出力電圧Vwはとして電圧V1を出力することができる。
【0169】
選択された記憶素子は、上記動作によりワード線に電圧V2が印加され、ビット線に電圧V1が印加され、ワード線電極に0Vが印加されることとなる。すると有機化合物を有する層が導通して、ビット線の電圧V1が記憶素子のビット線(第1の導電層)に印加される。その結果、記憶素子の導電性が変化し、短絡状態となり「1」が書き込まれる。
【0170】
また入力信号WEがLo(書き込み不許可となる低い電圧)になると、全てのワード線は0Vとなり、全てのビット線(第1の導電層)とワード線電極(第2の導電層)は フローティング状態となる。このときタイミング制御回路は信号S0、S1としてそれぞれLoを生成し、出力P0、P1から出力し、出力Pwはフローティング状態となる。上記動作により、書き込みは行われなくなる。
【0171】
次に、「0」の書き込みを説明する。「0」の書き込みは記憶素子の導電性を変化させない書き込みであり、これは記憶素子に電圧を印加しない。つまり初期状態を維持することで実現される。まず「1」の書き込みと同様に入力信号WEがHi(書き込み許可となる高い電圧)になると、行を指定するアドレス信号を受けたカラムデコーダ5001は指定行のセレクタ5003に信号を与え、セレクタ5003は指定行のビット線を書き込み回路の出力Pwに接続する。このとき指定されていないビット線はフローティング状態となる。同様に列を指定するアドレス信号を受けたローデコーダ5002は指定列のワード線に電圧V2を印加し、指定されていないワード線に0Vを印加する。上記動作によりアドレス信号に対応する一つの記憶素子80が選択される。このときワード線電極には、0Vが印加される。
【0172】
同時に入力信号DATA=Loを受け、タイミング制御回路7002はそれぞれ制御信号S0=Hi、S1=Loを生成し、当該制御信号を出力P0、P1からそれぞれ出力する。当該制御信号によりスイッチSW0はオン、SW1はオフとなり、出力Pwから出力電圧Vwとして0Vを出力する。
【0173】
選択された記憶素子は、上記動作によりワード線にV2が印加され、ビット線とワード線電極に0Vが印加される。すると記憶素子には電圧が印加されず、導電性は変化しないので、初期状態である「0」を維持する。
【0174】
入力信号WEがLoになると、全てのワード線は0V、全てのビット線とワード線電極は フローティング状態となる。同時にタイミング制御回路は信号S0、S1はLoを生成して、それぞれ出力P0、P1から出力し、出力Pwはフローティング状態となる。
【0175】
このようにして「1」又は「0」の書き込みを行うことができる。
【0176】
次に、データ読み出しについて説明する。
【0177】
図14においてワード線は14である。またビット線は16である。
【0178】
図14には一つの選択セル18aと、他の非選択セル18bが示されている。アドレス(2,2)に位置する選択セル18aに接続されたワード線14は電位Vs(ワード選択電位)に設定され、ビット線16は電位0(ビット選択電位)に設定されている。よって、選択セル18aにはVs−0=Vsのプラスの電界が印加される。このため、上述のリード動作によって選択セル18aに接続されたビット線16の電流を検出すれば上述通り、メモリの状態が1であるか0であるかを判別できる。
【0179】
また、実際の読み出し動作は、一本のワード線14上の複数のメモリセルに対して同時に実施され、8ビットまたは16ビットなどの一群のデータが同時に読み出される。
【0180】
また、本実施例は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7、実施の形態8、実施の形態9、実施の形態10、または実施の形態11と自由に組み合わせることができる。
【実施例2】
【0181】
本実施例の半導体装置の構成について、図15を参照して説明する。図15に示すように、本発明の半導体装置1520は、非接触でデータを交信する機能を有し、電源回路1511、クロック発生回路1512、データ復調/変調回路1513、他の回路を制御する制御回路1514、インターフェイス回路1515、記憶回路1516、データバス1517、アンテナ(アンテナコイル)1518、センサ1523a、センサ回路1523bを有する。
【0182】
電源回路1511は、アンテナ1518から入力された交流信号を基に、半導体装置1520の内部の各回路に供給する各種電源を生成する回路である。クロック発生回路1512は、アンテナ1518から入力された交流信号を基に、半導体装置1520の内部の各回路に供給する各種クロック信号を生成する回路である。データ復調/変調回路1513は、リーダライタ1519と交信するデータを復調/変調する機能を有する。制御回路1514は、記憶回路1516を制御する機能を有する。アンテナ1518は、電波の送受信を行う機能を有する。リーダライタ1519は、半導体装置との交信、制御及びそのデータに関する処理を制御する。なお、半導体装置は上記構成に制約されず、例えば、電源電圧のリミッタ回路や暗号処理専用ハードウエアといった他の要素を追加した構成であってもよい。
【0183】
記憶回路1516は、外部からの電気的作用または光が照射されることにより変化する絶縁層が一対の導電層間に挟まれた記憶素子を有することを特徴とする。なお、記憶回路1516は、一対の導電層間に絶縁層が挟まれた記憶素子のみを有していてもよいし、他の構成の記憶回路を有していてもよい。他の構成の記憶回路とは、例えば、DRAM、SRAM、FeRAM、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリから選択される1つ又は複数に相当する。
【0184】
センサ1523aは抵抗素子、容量結合素子、誘導結合素子、光起電力素子、光電変換素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタ、ダイオードなどの半導体素子で形成される。センサ回路1523bはインピーダンス、リアクタンス、インダクタンス、電圧又は電流の変化を検出し、アナログ/デジタル変換(A/D変換)して制御回路1514に信号を出力する。
【0185】
また、本実施例は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7、実施の形態8、実施の形態9、実施の形態10、は実施の形態11、または実施例1と自由に組み合わせることができる。
【実施例3】
【0186】
本発明により無線チップとして機能する半導体装置を形成することができる。無線チップの用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図16(A)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図16(C)参照)、記録媒体(DVDソフトやビデオテープ等、図16(B)参照)、乗物類(自転車等、図16(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、電子機器等の商品や荷物の荷札(図16(E)、図16(F)参照)等の物品に設けて使用することができる。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(単にテレビ、テレビ受像機、テレビジョン受像機とも呼ぶ)及び携帯電話等を指す。
【0187】
本発明の半導体装置1520は、プリント基板に実装したり、表面に貼ったり、埋め込んだりして、物品に固定される。例えば、本なら紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりして、各物品に固定される。本発明の半導体装置1520は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後も、その物品自体のデザイン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等に本発明の半導体装置1520を設けることにより、認証機能を設けることができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に本発明の半導体装置を設けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図ることができる。
【0188】
次に、本発明の半導体装置を実装した電子機器の一態様について図面を参照して説明する。ここで例示する電子機器は携帯電話機であり、筐体2700、2706、パネル2701、ハウジング2702、プリント配線基板2703、操作ボタン2704、バッテリ2705を有する(図17参照)。パネル2701はハウジング2702に脱着自在に組み込まれ、ハウジング2702はプリント配線基板2703に嵌着される。ハウジング2702はパネル2701が組み込まれる電子機器に合わせて、形状や寸法が適宜変更される。プリント配線基板2703には、パッケージングされた複数の半導体装置が実装されており、このうちの1つとして、本発明の半導体装置を用いることができる。プリント配線基板2703に実装される複数の半導体装置は、コントローラ、中央処理ユニット(CPU、Central Processing Unit)、メモリ、電源回路、音声処理回路、送受信回路等のいずれかの機能を有する。
【0189】
パネル2701は、接続フィルム2708を介して、プリント配線基板2703と接続される。上記のパネル2701、ハウジング2702、プリント配線基板2703は、操作ボタン2704やバッテリ2705と共に、筐体2700、2706の内部に収納される。パネル2701が含む画素領域2709は、筐体2700に設けられた開口窓から視認できるように配置されている。
【0190】
上記の通り、本発明の半導体装置は、小型、薄型、軽量であることを特徴としており、上記特徴により、電子機器の筐体2700、2706内部の限られた空間を有効に利用することができる。
【0191】
また、本発明の半導体装置は、外部からの電気的作用により変化する有機層が一対の導電層に挟まれた単純な構造の記憶素子を有するため、安価な半導体装置を用いた電子機器を提供することができる。また、本発明の半導体装置は高集積化が容易なため、大容量の記憶回路を有する半導体装置を用いた電子機器を提供することができる。
【0192】
また、本発明の半導体装置が有する記憶装置は、外部からの電気的作用によりデータの書き込みを行うものであり、不揮発性であって、データの追記が可能であることを特徴とする。上記特徴により、書き換えによる偽造を防止することができ、新たなデータを追加して書き込むことができる。従って、高機能化と高付加価値化を実現した半導体装置を用いた電子機器を提供することができる。
【0193】
なお、筐体2700、2706は、携帯電話機の外観形状を一例として示したものであり、本実施例に係る電子機器は、その機能や用途に応じて様々な態様に変容しうる。
【0194】
また、本実施例は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7、実施の形態8、実施の形態9、実施の形態10、は実施の形態11、実施例1、または実施例2と自由に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0195】
【図1】本発明の半導体装置の断面図及び上面図を示す図。(実施の形態1)
【図2】本発明の半導体装置の断面図及び上面図を示す図。(実施の形態1)
【図3】本発明の半導体装置の断面図及び上面図を示す図。(実施の形態2)
【図4】本発明の半導体装置の断面図及び上面図を示す図。(実施の形態3)
【図5】本発明の半導体装置の断面図及び上面図を示す図。(実施の形態4)
【図6】本発明の半導体装置の断面図及び上面図を示す図。(実施の形態5)
【図7】本発明の半導体装置の断面図及び上面図を示す図。(実施の形態6)
【図8】本発明の半導体装置の断面図及び上面図を示す図。(実施の形態7)
【図9】本発明の半導体装置の断面図及び上面図を示す図。(実施の形態8)
【図10】本発明の半導体装置の断面図及び上面図を示す図。(実施の形態9)
【図11】本発明の半導体装置の断面図及び上面図を示す図。(実施の形態10)
【図12】本発明の半導体装置の断面図及び上面図を示す図。(実施の形態11)
【図13】本発明の記憶装置が有する書き込み回路を説明する図。(実施例1)
【図14】本発明の記憶装置が有する読み出し回路を説明する図。(実施例1)
【図15】本発明の半導体装置の構成例について説明する図。(実施例2)
【図16】本発明の半導体装置の使用形態について説明する図。(実施例3)
【図17】本発明の半導体装置を有する電子機器を説明する図。(実施例3)
【符号の説明】
【0196】
14 ワード線
16 ビット線
18a 選択セル
18b 非選択セル
21 メモリセル
22 メモリセルアレイ
80 記憶素子
101 ビット線
102 ワード線
103a 第1の絶縁層
103b 第1の絶縁層
104 ワード線電極
105 有機化合物を含む層
106a 第2の絶縁層
106b 第2の絶縁層
107 保護層
201 ビット線
202 ワード線
203a 第1の絶縁層
203b 第1の絶縁層
204 ワード線電極
205 有機化合物を含む層
206 第2の絶縁層
301 ビット線
302 ワード線
303a 第1の絶縁層
303b 第1の絶縁層
306 第2の絶縁層
401 ビット線
402 ワード線
403a 第1の絶縁層
403b 第1の絶縁層
404 ワード線電極
405 有機化合物を含む層
501 ビット線
502 ワード線
503a 第1の絶縁層
503b 第1の絶縁層
504 ワード線電極
505 有機化合物を含む層
601 ビット線
602 ワード線
603a 第1の絶縁層
603b 第1の絶縁層
604 ワード線電極
605 有機化合物を含む層
701 ワード線
702 ビット線
703a 第1の絶縁層
703b 第1の絶縁層
704 ビット線電極
705 有機化合物を含む層
801 ビット線
802 ワード線
803a 第1の絶縁層
803b 第1の絶縁層
805 有機化合物を含む層
901 ビット線
902 ワード線
903a 第1の絶縁層
903b 第1の絶縁層
904 ワード線電極
905 有機化合物を含む層
1001 ビット線
1002 ワード線
1003a 第1の絶縁層
1003b 第1の絶縁層
1004 ワード線電極
1005 有機化合物を含む層
1101 ビット線
1102 ワード線
1103a 第1の絶縁層
1103b 第1の絶縁層
1105 有機化合物を含む層
1201 ビット線
1202 ワード線
1203a 第1の絶縁層
1203b 第1の絶縁層
1204 ワード線電極
1205 有機化合物を含む層
1511 電源回路
1512 クロック発生回路
1513 データ復調/変調回路
1514 制御回路
1515 インターフェイス回路
1516 記憶回路
1517 データバス
1518 アンテナ(アンテナコイル)
1519 リーダライタ
1520 半導体装置
1523a センサ
1523b センサ回路
2700 筐体
2701 パネル
2702 ハウジング
2703 プリント配線基板
2704 操作ボタン
2705 バッテリ
2706 筐体
2708 接続フィルム
2709 画素領域
5001 カラムデコーダ
5002 ローデコーダ
5003 セレクタ
5004 読み出し回路
5005 書き込み回路
5008 記憶装置
7001 電圧発生回路
7002 タイミング制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に延在するワード線と、
ワード線を覆う絶縁膜と、
前記絶縁膜に前記ワード線に達する開口と、
前記絶縁膜上に前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するビット線と、
前記絶縁膜上に前記開口を介して前記ワード線と電気的に接続する電極と、
前記絶縁膜上に前記電極の側面と該側面に対向する前記ビット線の側面との間に有機化合物を含む層とを有し、
前記電極と、前記ビット線と、前記有機化合物を含む層とが一つのメモリ素子を構成することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、前記電極及び前記ビット線は同じ材料であることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記有機化合物を含む層は、前記電極、前記ビット線、及び前記絶縁膜上に設けられた一対の絶縁物の間に配置され、且つ、前記有機化合物を含む層は、前記一対の絶縁物と、前記電極と、前記ビット線とで周りを囲まれていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2において、前記有機化合物を含む層は、前記電極の側面及びその上端部と、前記電極の側面に対向する前記ビット線の側面及びその上端部との両方を覆うことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
第1の方向に延在するワード線と、
ワード線を覆う第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜に前記ワード線に達する第1の開口と、
前記第1の絶縁膜上に前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するビット線と、
前記第1の絶縁膜上に前記第1の開口を介して前記ワード線と電気的に接続する電極と、
前記電極の一方の側面と、該側面に対向する前記ビット線の側面との両方に達する第2の開口を有し、且つ、前記電極のもう一方の側面を覆う第2の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に前記電極の側面と該側面に対向する前記ビット線の側面との間に有機化合物を含む層とを有し、
前記電極と、前記ビット線と、前記有機化合物を含む層とが一つのメモリ素子を構成し、該メモリ素子を複数有することを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
第1の方向に延在するワード線と、
ワード線を覆う第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜に前記ワード線に達する第1の開口と、
前記第1の絶縁膜上に前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するビット線と、
前記1の開口が内側に配置され、且つ、前記ビット線の一方の側面に達する第2の開口を有し、且つ、前記ビット線のもう一方の側面を覆う第2の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に前記ビット線の一方の側面を覆い、且つ、前記第1の開口を覆う有機化合物を含む層とを有し、
前記ワード線と、前記ビット線と、前記有機化合物を含む層とが一つのメモリ素子を構成し、該メモリ素子を複数有することを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
第1の方向に延在するワード線と、
ワード線を覆う絶縁膜と、
前記絶縁膜に前記ワード線に達する開口と、
前記絶縁膜上に前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するビット線と、
前記絶縁膜上に前記開口を介して前記ワード線と電気的に接続する電極と、
前記絶縁膜上に前記電極、前記ビット線、及び前記開口を覆う有機化合物を含む層とを有し、
前記電極と、前記ビット線と、前記有機化合物を含む層とが一つのメモリ素子を構成し、該メモリ素子を複数有することを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
第1の方向に延在するワード線と、
ワード線を覆う絶縁膜と、
前記絶縁膜に前記ワード線に達する開口と、
前記絶縁膜上に前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するビット線と、
前記絶縁膜上に前記ビット線の一方の側面を覆い、且つ、前記開口を覆う有機化合物を含む層とを有し、
前記ワード線と、前記ビット線と、前記有機化合物を含む層とが一つのメモリ素子を構成し、該メモリ素子を複数有することを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
第1の方向に延在するワード線と、
ワード線を覆う絶縁膜と、
前記絶縁膜に前記ワード線に達する開口と、
前記絶縁膜上に前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するビット線と、
前記絶縁膜上に前記開口を介して前記ワード線と電気的に接続する電極と、
前記絶縁膜上に、前記電極の一方の側面、前記ビット線の一方の側面、及び前記開口を覆う有機化合物を含む層とを有し、
前記電極と、前記ビット線と、前記有機化合物を含む層とが一つのメモリ素子を構成し、該メモリ素子を複数有することを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一において、前記電極の側面と、該側面に対向する前記ビット線の側面は、テーパー形状を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
第1の方向に延在するビット線と、
ビット線を覆う絶縁膜と、
前記絶縁膜に前記ビット線に達する開口と、
前記絶縁膜上に前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するワード線と、
前記絶縁膜上に前記開口を介して前記ビット線と電気的に接続する電極と、
前記絶縁膜上に前記電極、前記ワード線、及び前記開口を覆う有機化合物を含む層とを有し、
前記電極と、前記ワード線と、前記有機化合物を含む層とが一つのメモリ素子を構成し、該メモリ素子を複数有することを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項11において、前記電極の側面と、該側面に対向する前記ワード線の側面は、テーパー形状を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
絶縁表面を有する基板上に、第1の方向に延在するワード線を形成し、
前記ワード線を覆う絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜に前記ワード線に達するコンタクトホールを形成し、
前記絶縁膜上に導電膜を形成し、
前記導電膜をエッチングして、前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するビット線と、前記絶縁膜上に前記コンタクトホールを覆い、且つ、前記ワード線と電気的に接続する電極とを形成し、
前記絶縁膜上に前記電極の側面と該側面に対向する前記ビット線の側面との間に有機化合物を含む層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項14】
請求項13において、前記導電膜をエッチングする際、ビット線の側面、及び電極の側面をテーパー形状とすることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項15】
絶縁表面を有する基板上に、第1の方向に延在するビット線を形成し、
前記ビット線を覆う絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜に前記ビット線に達するコンタクトホールを形成し、
前記絶縁膜上に導電膜を形成し、
前記導電膜をエッチングして、前記第1の方向と垂直な第2の方向に延在するワード線と、前記絶縁膜上に前記コンタクトホールを覆い、且つ、前記ビット線と電気的に接続する電極とを形成し、
前記絶縁膜上に前記電極の側面と該側面に対向する前記ワード線の側面との間に有機化合物を含む層を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項16】
請求項15において、前記導電膜をエッチングする際、ワード線の側面及び電極の側面をテーパー形状とすることを特徴とする半導体装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−13126(P2007−13126A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−149440(P2006−149440)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】