説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】半導体装置を小型化できる技術を提供する。
【解決手段】配線基板2上に搭載された半導体チップ5の電極15と配線基板2の接続端子25a,25b,25cとの間をボンディングワイヤ7a,7bで接続し、樹脂封止して半導体装置が形成されている。配線基板2の上面において、接続端子25a,25b,25cは半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配置されている。3列のうち、半導体チップ5の辺5bに最も近い1列目の接続端子25aには、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aが接続され、半導体チップ5の辺5bから最も遠い3列目の接続端子25cには、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bが接続され、2列目の接続端子25bには、ボンディングワイヤ7aまたはボンディングワイヤ7bが接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、配線基板に半導体チップを搭載してワイヤボンディングした半導体装置およびその製造方法に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
配線基板上に単数または複数の半導体チップを搭載し、半導体チップの電極と配線基板の接続端子をボンディングワイヤで電気的に接続し、半導体チップおよびボンディングワイヤを樹脂封止することで、半導体パッケージ形態の半導体装置が製造される。
【0003】
特開2007−103423号公報(特許文献1)には、半導体チップの辺と配線基板の辺との間に、その半導体チップの辺に沿って複数の電極パッドを3列で配置した半導体装置に関する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2007−103423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者の検討によれば、次のことが分かった。
【0005】
半導体パッケージ形態の半導体装置は、多端子化や小型化(小面積化および薄型化)の要求がある。
【0006】
半導体パッケージ形態の半導体装置を製造するには、配線基板上に半導体チップを搭載して半導体チップの電極パッドと配線基板の接続端子との間をボンディングワイヤで接続する。配線基板に半導体チップを搭載した状態では、その半導体チップの電極パッドと接続する配線基板の接続端子は、半導体チップの辺に沿って配列される。
【0007】
半導体チップの電極パッドと接続する配線基板の接続端子を、その半導体チップの辺に沿って一列に配列させた場合には、半導体チップの電極パッド数の増加に伴いそれと接続する接続端子数が増加すると、接続端子を配列させるのに要する長さが増加することから、配線基板の寸法(平面寸法)が大きくなり、半導体装置の大型化(大面積化)を招いてしまう。これを防止するために、接続端子の配列ピッチ(間隔)を短くすることも考えられるが、これはボンディングワイヤ同士の干渉を生じやすくする。従って、接続端子の配列ピッチ(間隔)を広げることと、半導体装置の小型化を両立させることが望まれる。
【0008】
このため、配線基板の接続端子を半導体チップの辺に沿って2列に配列させて、半導体チップの電極パッドとボンディングワイヤで接続することが考えられる。半導体チップの電極パッドと接続する配線基板の接続端子を、その半導体チップの辺に沿って2列に配列させれば、1列に配列させた場合に比べて、接続端子の配列ピッチ(間隔)を広げることができ、半導体装置の小型化(小面積化)が可能であり、また、ボンディングワイヤのループ高さを変えることで、ボンディングワイヤ同士の干渉を生じにくくすることができる。
【0009】
しかしながら、近年では、前記特許文献1の図1に示すように、1つの半導体装置でシステムを構築するSIP(System In Package)構造が提案されている。SIP構造は、複数の半導体装置が1つの配線基板上に搭載されるため、電極パッドの総数が多く、それに接続する配線基板の接続端子の数が極めて多くなっている。このため、半導体チップの電極パッドと接続する配線基板の接続端子を、その半導体チップの辺に沿って2列に配列させる方法だけでは、半導体装置の小型化を実現しながら、多端子化に対応するのが困難である。例えば、単にボンディングワイヤ同士の干渉のみを考慮すれば、配線基板の接続端子を半導体チップの辺に沿って、より多列(例えば4列以上)に配列させればよいが、配列数があまり多くなると、半導体チップの辺(端部)から配線基板の辺(端部)までの距離(間隔)を広くする必要があるので、かえって半導体装置の大型化(大面積化)を招いてしまうおそれがある。
【0010】
そこで、前記特許文献1の図9に示すように、配線基板の接続端子を半導体チップの辺に沿って3列に配列させることが考えられる。ここで、配線基板の接続端子を半導体チップの辺に沿って複数列に配列させた場合、ボンディングワイヤのループ高さが全て同じであると、ボンディングワイヤ同士の接触や干渉が生じる可能性があり、半導体装置の信頼性を低下させる恐れがある。
【0011】
そこで、前記特許文献1の図11乃至図13に示すように、配線基板の接続端子を3列に配列させたのに合わせて、ループ高さが異なる3種類のボンディングワイヤを用いることも考えられる。
【0012】
このような前記特許文献1の構成であれば、接続端子の配列ピッチ(間隔)を広げてボンディングワイヤ同士の干渉を防止することと、半導体装置の小型化との両立に有効と考えられる。
【0013】
しかしながら、本発明者は、半導体装置の小型化として、小面積化だけでなく、薄型化も実現できるSIP構造について検討している。
【0014】
すなわち、本発明者は、半導体装置の小面積化を実現するために、複数の半導体チップを全て積層する構造について検討している。
【0015】
1つの半導体装置でシステムを構築することにのみ着目すれば、前記特許文献1の図1に示すように、配線基板上に複数の半導体チップを並べて搭載してもよいが、全ての半導体チップを積層する構造に比べると、半導体装置の外形寸法を低減できない。
【0016】
また、前記特許文献1の図11乃至図13に示すように、3列に配置された接続端子に合わせて、ボンディングワイヤのループ高さも3種類(3段)にした場合、最もループ高さが高いボンディングワイヤ(最上段のボンディングワイヤ)が封止樹脂から露出しないように、接続端子を2列に配置する構造に比べて、封止樹脂の厚みを厚くする必要が生じる。特に、配線基板上に複数の半導体チップを積み重ねて構成した半導体装置では、積み重ねた半導体チップの分だけ半導体装置の厚みが厚くなるため、ループ高さが異なる3種類のボンディングワイヤを用いたことによる封止樹脂の厚膜化の影響は大きい。そのため、複数の半導体チップを積層させるSIP構造では、半導体装置の薄型化についても検討する必要がある。
【0017】
本発明の目的は、半導体装置を小型化できる技術を提供することにある。
【0018】
また、本発明の目的は、半導体装置の信頼性を向上させることができる技術を提供することにある。
【0019】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0021】
代表的な実施の形態による半導体装置およびその製造方法は、配線基板の主面に設けた複数の端子を、前記配線基板に搭載した半導体チップの第1の辺に沿って3列に配列させている。そして、前記3列のうち最も前記半導体チップに近い1列目の前記端子には、第1のループ高さを有する第1ボンディングワイヤを接続し、前記3列のうち最も前記半導体チップから遠い3列目の前記端子には、前記第1のループ高さよりも高い第2のループ高さを有する第2ボンディングワイヤを接続し、前記3列のうち真ん中の2列目の前記端子には、前記第1ボンディングワイヤまたは前記第2ボンディングワイヤを接続している。
【発明の効果】
【0022】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0023】
代表的な実施の形態によれば、半導体装置を小型化することができる。
【0024】
また、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0027】
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
【0028】
(実施の形態1)
本発明の一実施の形態の半導体装置およびその製造方法(製造工程)を図面を参照して説明する。
【0029】
図1および図2は、本発明の一実施の形態である半導体装置1の断面図(全体断面図、側面断面図)、図3〜図6は半導体装置1の要部断面図である。図3〜図6は、図1の半導体装置1の端部近傍の部分拡大図に対応する。但し、図3は、ボンディングワイヤ7のうち、半導体チップ5の電極15と配線基板2の接続端子25aとを接続するボンディングワイヤ7aが示された要部断面図であり、図4は、ボンディングワイヤ7のうち、半導体チップ5の電極15と配線基板2の接続端子25bとを接続するボンディングワイヤ7bが示された要部断面図である。また、図5は、ボンディングワイヤ7のうち、半導体チップ5の電極15と配線基板2の接続端子25bとを接続するボンディングワイヤ7aが示された要部断面図であり、図6は、ボンディングワイヤ7のうち、半導体チップ5の電極15と配線基板2の接続端子25cとを接続するボンディングワイヤ7bが示された要部断面図である。
【0030】
また、図7〜9は、封止樹脂8を透視したときの半導体装置1の上面図(平面図)である。但し、図7は、ボンディングワイヤ6,7の図示を省略してある。また、図8は、図7に、半導体チップ3,4の電極13,14と配線基板2の接続端子23,24との間を接続するボンディングワイヤ6を追加した図である。また、図9は、図7から半導体チップ3,4の図示を省略し、かつ半導体チップ5の電極15と配線基板2の接続端子25との間を接続するボンディングワイヤ7を追加した図である。また、図7のA−A線における半導体装置1の断面が、図1にほぼ対応し、図7のB−B線における半導体装置1の断面が、図2にほぼ対応する。
【0031】
図1〜図9に示される本実施の形態の半導体装置1は、半導体パッケージ形態の半導体装置である。
【0032】
本実施の形態の半導体装置1は、配線基板2と、配線基板2の上面2a上に搭載された複数の半導体チップ3,4,5と、各半導体チップ3,4,5の表面の複数の電極13,14,15とこれに対応する配線基板2の複数の接続端子23,24,25とを電気的に接続する複数のボンディングワイヤ6,7と、半導体チップ3,4,5およびボンディングワイヤ6,7を含む配線基板2の上面2aを覆う封止樹脂8とを有している。半導体装置1の下面に相当する配線基板2の下面2bには、外部端子(外部接続用端子)として複数の半田ボール9が設けられている。
【0033】
各半導体チップ3,4,5は、その厚さと交差する平面形状が矩形(四角形)であり、例えば、単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)の主面に種々の半導体素子または半導体集積回路を形成した後、必要に応じて半導体基板の裏面研削を行ってから、ダイシングなどにより半導体基板を各半導体チップに分離して製造したものである。例えば、半導体チップ3は、DRAMのような揮発性メモリが形成されたメモリチップであり、半導体チップ4は、不揮発性メモリが形成されたメモリチップ(フラッシュメモリチップ)であり、半導体チップ5は、半導体チップ3,4(のメモリ)を制御するための制御回路が形成された制御用チップ(マイコン)である。このため、半導体装置1は、機能が異なる集積回路がそれぞれ形成された複数の半導体チップ3,4,5を配線基板2に搭載して1つのシステムを構成したSIP(System In Package)型の半導体装置とみなすことができる。
【0034】
なお、半導体チップ3,4,5において、電極13,14,15が形成された側の主面を半導体チップ3,4,5の表面と呼び、電極13,14,15が形成された側の主面(すなわち表面)とは反対側の主面を半導体チップ3,4,5の裏面と呼ぶものとする。
【0035】
半導体チップ(第2半導体チップ)3は、配線基板2上面2a上に接着材(接合材、接着材層)10を介して搭載(配置)され、半導体チップ3の裏面が配線基板2の上面2aに接着材10によって接着され固定されている。すなわち、半導体チップ3の裏面が配線基板2の上面2aと対向するように、接着材10を介して半導体チップ3が配線基板2の上面2a上に搭載されている。接着材10は、ペースト型の接着材(例えば銀ペーストなど)を用いることができるが、ダイアタッチフィルム(ダイボンディングフィルム、接着用フィルム)のようなフィルム型の接着材を用いることもできる。
【0036】
半導体チップ(第3半導体チップ)4は、半導体チップ3の表面上に接着材(接合材、接着材層)11を介して搭載(配置)され、半導体チップ4の裏面が半導体チップ3の表面に接着材11によって接着され固定されている。すなわち、半導体チップ4の裏面が半導体チップ3の主面と対向するように、接着材11を介して半導体チップ4が半導体チップ3の主面上に搭載されている。接着材11は、ダイアタッチフィルム(ダイボンディングフィルム、接着用フィルム)のようなフィルム型の接着材であれば、より好ましく、これにより、半導体チップ4のダイボンディング時に半導体チップ3の電極13に接着材が付着するのを防止できる。
【0037】
半導体チップ(第1半導体チップ)5は、半導体チップ4の表面上に接着材(接合材、接着材層)12を介して搭載(配置)され、半導体チップ5の裏面(表面5aとは反対側の主面)が半導体チップ4の表面に接着材12によって接着され固定されている。すなわち、半導体チップ5の裏面が半導体チップ4の主面と対向するように、接着材12を介して半導体チップ5が半導体チップ4の主面上に搭載されている。接着材12は、ダイアタッチフィルム(ダイボンディングフィルム、接着用フィルム)のようなフィルム型の接着材であれば、より好ましく、これにより、半導体チップ5のダイボンディング時に半導体チップ4の電極14に接着材が付着するのを防止できる。従って、半導体チップ5は、配線基板2の上面2a上に、下から接着材10、半導体チップ3、接着材11、半導体チップ4および接着材12を介して搭載されている。
【0038】
半導体チップ3は、平面形状が四角形から成り、詳細には互いに対向する2つの長辺と、この長辺と交差し、互いに対向する2つの短辺を含む長方形から成る表面を有しており、その表面において、夫々の短辺に沿って形成された複数の電極(ボンディングパッド、パッド電極、電極パッド、端子、第3電極)13を有している。この電極13は、ボンディングワイヤ接続用の電極であり、半導体チップ3の内部または表層部分に形成された半導体素子または半導体集積回路(メモリ回路など)に電気的に接続されている。
【0039】
半導体チップ4は、平面形状が四角形から成り、詳細には互いに対向する2つの長辺と、この長辺と交差し、互いに対向する2つの短辺を含む長方形から成る表面を有しており、その表面において、夫々の短辺に沿って形成された複数の電極(ボンディングパッド、パッド電極、電極パッド、端子)14を有している。この電極14は、ボンディングワイヤ接続用の電極であり、半導体チップ4の内部または表層部分に形成された半導体素子または半導体集積回路(メモリ回路など)に電気的に接続されている。
【0040】
半導体チップ5は、平面形状が四角形から成り、詳細には4つの辺(ここでは辺5b,5c,5d,5e)を含む正方形から成る表面を有しており、その表面(上面、第2主面)5aにおいて、夫々の辺に沿って形成された複数の電極(ボンディングパッド、パッド電極、電極パッド、端子、第4電極)15を有している。詳細に説明すると、図7および後述の図18〜図20に示すように、各辺に沿って複数の電極15が2列に亘って配置されている。さらに、この複数の電極15は、各辺に沿って1列目の電極(第1電極)15aと2列目の電極(第2電極)15bが交互に配置される、所謂、千鳥配列で配置されており、複数の第2電極は、それぞれ複数の第1電極の配列の間に配置されている。この電極15は、ボンディングワイヤ接続用の電極であり、半導体チップ5の内部または表層部分に形成された半導体素子または半導体集積回路(制御回路など)に電気的に接続されている。また、この複数の電極15は、メモリチップである半導体チップ3,4とこのマイコンチップである半導体チップ5により構成されるシステムの外部との外部インタフェース用パッドと、このシステムの内部に設けられたメモリチップである半導体チップ3,4との内部インタフェース用パッドとを有している。そのため、マイコンチップである半導体チップ5の複数の電極15の数は、メモリチップである半導体チップ3,4の複数の電極13,14の数よりも多い。なお、半導体チップ5の表面5aは、半導体チップ5の電極15が形成された側の主面である。
【0041】
配線基板2は、一方の主面である上面(表面、第1主面)2aと、上面2aとは反対側の主面である下面(裏面)2bとを有している。配線基板2は、例えば、複数の絶縁体層(誘電体層)21と、複数の導体層または配線層とを積層して一体化した多層基板(多層配線基板)である。図3〜図6では、5つの絶縁体層21が積層されて配線基板2が形成されているが、積層される絶縁体層21の数はこれに限定されるものではなく種々変更可能である。配線基板2の絶縁体層21を形成する材料としては、例えばアルミナ(酸化アルミニウム、Al)などのようなセラミック材料や、例えばガラスエポキシ樹脂などの樹脂材料などを用いることができる。また、配線基板2として、絶縁性の基材層(絶縁基板、例えばガラスエポキシ系樹脂基板)と、その基材層の上面および下面に形成された導体層(導体パターン、配線層)と、その導体層を覆うように基材層の上面および下面上に形成されたソルダレジスト層とからなる単層基板を用いることもできる。
【0042】
配線基板2おいて、配線基板2の上面2a上と、下面2b上と、絶縁体層21間とには、配線形成用の導体層(配線層、配線パターン、導体パターン)が所定のパターンで形成されている。配線基板2の最上層の導体層によって、配線基板2の上面2aに導電体からなる導体パターン22(接続端子23,24,25を含む)が形成され、配線基板2の最下層の導体層によって、配線基板2の下面2bに導電体からなる複数の端子(外部接続用端子、電極、導電性ランド部)26が形成されている。
【0043】
配線基板2の下面2bにおいて、複数の端子26は例えばアレイ状に配置されており、各端子26には半田ボール(ボール電極、突起電極、電極、外部端子、外部接続用端子)9が接続(形成)されている。このため、配線基板2の下面2bに複数の半田ボール9が例えばアレイ状に配置されている。半田ボール9は、半導体装置1の外部端子(外部接続用端子)として機能することができる。
【0044】
配線基板2の上面2aにおいて、導体パターン22の一部により、接続端子(端子、電極、ボンディングパッド、パッド電極、ボンディングリード)23,24,25がそれぞれ複数形成されている。接続端子23,24,25は、ボンディングワイヤ接続用の端子である。このため、配線基板2の上面2aの導体パターン22のうち、半導体チップ3,4,5の電極13,14,15とボンディングワイヤ6,7を介して電気的に接続される部分、すなわちボンディングワイヤ6,7が接続される部分が、接続端子23,24,25に対応する。
【0045】
接続端子23,24,25のうち、接続端子23は、ボンディングワイヤ6を介して半導体チップ3の電極13に電気的に接続される接続端子であり、接続端子24は、ボンディングワイヤ6を介して半導体チップ4の電極14に電気的に接続される接続端子であり、接続端子25は、ボンディングワイヤ7を介して半導体チップ5の電極15に電気的に接続される接続端子である。配線基板2の上面2aには、接続端子23,24,25以外の導体パターン22を覆うように、絶縁層からなるソルダレジスト層27が形成されているが、接続端子23,24,25はソルダレジスト層27の開口部から露出されている。ソルダレジスト層27を設けることで、接続端子23,24,25以外の導体パターン22が露出して短絡するのを防止することができる。
【0046】
また、配線基板2の内部、すなわち絶縁体層21の間にも、導体層(配線層、配線パターン、導体パターン)28が所定のパターンで形成されている。配線基板3を構成する各導体層(配線層)は、必要に応じて絶縁体層21に形成されたビアホール内の導体または導体膜を通じて電気的に接続されている。なお、前記ビアホールは、図3〜図6では図示していないが、例えば後述の図21や図28に示されたビアホール29などがこれに対応する。
【0047】
従って、配線基板2の上面2aの複数の接続端子23,24,25は、配線基板2の上面2aの導体パターン22、配線基板2内部の配線層(絶縁体層21間の導体層28)およびビアホール内の導体膜などを介して、配線基板2の下面2bの複数の端子26および複数の端子26に接続された複数の半田ボール9に電気的に接続されている。また、配線基板2の上面2aの複数の接続端子23,24,25には、必要に応じて、配線基板2の上面2aの導体パターン22、配線基板2内部の配線層(絶縁体層21間の導体層28)およびビアホール内の導体膜などを介して、互いに電気的に接続されたものである。
【0048】
半導体チップ3,4の各電極13,14は、ボンディングワイヤ6を介して配線基板2の上面2aの各接続端子23,24に電気的に接続され、半導体チップ5の各電極15は、ボンディングワイヤ7を介して配線基板2の上面2aの各接続端子25に電気的に接続されている。ボンディングワイヤ6,7は、いずれも導体線からなり、例えば金線などの金属細線からなる。従って、半導体チップ3,4,5の各電極13,14,15は、ボンディングワイヤ6,7および配線基板2の導体層などを介して、配線基板2の下面2bの端子26および端子26に接続された半田ボール9に電気的に接続されている。また、半導体チップ3,4,5の複数の電極13,14,15には、必要に応じて、ボンディングワイヤ6,7、配線基板2の上面2aの導体パターン22、配線基板2内部の配線層(絶縁体層21間の導体層28)およびビアホール内の導体膜などを介して、互いに電気的に接続されたものである。
【0049】
封止樹脂(封止樹脂部、モールド樹脂、封止部、封止体)8は、樹脂材料(例えば熱硬化性樹脂材料)からなり、フィラー(例えば酸化シリコンの粒子)を含有することもできる。例えば、フィラーを含むエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂などを用いて封止樹脂8を形成することができる。
【0050】
封止樹脂8は、配線基板2の上面2a上に半導体チップ3,4,5およびボンディングワイヤ6,7を覆うように形成されている。すなわち、封止樹脂8は、配線基板2の上面2a上に形成され、半導体チップ3,4,5およびボンディングワイヤ6,7を封止する。封止樹脂8により、半導体チップ3,4,5およびボンディングワイヤ6,7が封止され、保護される。
【0051】
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法(製造工程)について説明する。
【0052】
図10は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す製造プロセスフロー図である。図11〜図17は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図であり、上記図1に対応する断面が示されている。
【0053】
なお、本実施の形態では、複数の配線基板2(半導体装置領域32)がアレイ状に繋がって形成された多数個取りの配線基板(配線基板母体)31を用いて個々の半導体装置1を製造する。この配線基板31は、上記配線基板2の母体であり、配線基板31を後述する切断工程で切断し、各半導体装置領域(基板領域、単位基板領域、デバイス領域)32に分離したものが半導体装置1の配線基板2に対応する。配線基板31は、そこから1つの半導体装置1が形成される領域である半導体装置領域32がマトリクス(行列)状に複数配列した構成を有しているが、図11〜図17には、そのうちの一つの半導体装置領域32にほぼ相当する領域の断面が示されている。
【0054】
まず、配線基板21と半導体チップ3,4,5を準備する(ステップS1)。図11に示されるように、ステップS1では、そこからそれぞれ半導体装置1が製造される単位基板領域である半導体装置領域(単位基板領域)32を複数の有する配線基板31であって、上面31aと、上面31aの反対側の下面31bとを有し、各半導体装置領域32の上面31aに複数の接続端子23,24,25を、各半導体装置領域32の下面31bに複数の端子26を有する配線基板31が準備される。なお、図11では、簡略化のため、端子26の図示を省略している。また、断面位置の関係で、図11には、配線基板21の接続端子24は図示されない。
【0055】
配線基板31は、例えば、印刷法、シート積層法、ビルドアップ法、セミアディティブ法、またはアディティブ法などを用いて製造することができる。また、半導体チップ3、半導体チップ4および半導体チップ5は、それぞれ、単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)に半導体集積回路を形成した後、ダイシングなどにより半導体基板を各半導体チップに分離することなどにより、形成することができる。
【0056】
次に、ダイボンディング工程を行って、図12に示されるように、配線基板31の上面31aの各半導体装置領域32上に、半導体チップ3を接着材10を介して搭載する(ステップS2)。なお、図12では、簡略化のため、接着材10の図示を省略している。
【0057】
ステップS2の半導体チップ3のダイボンディング工程では、半導体チップ3は、裏面側(電極13が形成されている側の主面とは反対側の主面)が下方(配線基板31側)を向き、表面側(電極13が形成されている側の主面)が上方を向くように(フェイスアップボンディング)、配線基板31の上面31aの各半導体装置領域32上に搭載される。加熱などにより接着材10を硬化することで、半導体チップ3は、その裏面が配線基板2の上面2aに接着材10によって接着され固定される。
【0058】
次に、ダイボンディング工程を行って、配線基板31の上面31aの各半導体装置領域32の半導体チップ3上に、半導体チップ4を接着材11を介して搭載する(ステップS3)。なお、図12では、簡略化のため、接着材11の図示を省略している。また、断面位置の関係で、図12には、半導体チップ4の電極14は図示されない。
【0059】
ステップS3の半導体チップ4のダイボンディング工程では、半導体チップ4は、裏面側(電極14が形成されている側の主面とは反対側の主面)が下方(半導体チップ3側)を向き、表面側(電極14が形成されている側の主面)が上方を向くように(フェイスアップボンディング)、配線基板31の上面31aの各半導体装置領域32の半導体チップ3上に搭載される。接着材11にダイアタッチフィルムのようなフィルム型の接着材を用いる場合には、ステップS3のダイボンディング工程を、配線基板31を加熱しながら(例えば配線基板31を加熱用ステージ上に配置して加熱しながら)行い、半導体チップ4を半導体チップ3にフィルム型接着材を介して圧着する。半導体チップ4は、その裏面が半導体チップ3の表面に接着材11によって接着され固定される。
【0060】
また、ステップS3で半導体チップ3上に半導体チップ4を搭載する際には、半導体チップ3の表面の電極13が覆われないように、半導体チップ3の表面のうち、電極13が配列していない領域だけが、半導体チップ4の裏面に接着されるようにする。これにより、半導体チップ3,4を積み重ねても、半導体チップ3,4の表面の電極13,14が露出された状態となるので、半導体チップ3,4に対する後述するワイヤボンディング工程を的確に行えるようになる。
【0061】
次に、ワイヤボンディング工程を行って、配線基板31の各半導体装置領域32に搭載された半導体チップ3,4の電極13,14と、その半導体チップ3,4が搭載された半導体装置領域32の接続端子23,24とを、ボンディングワイヤ6を介して電気的に接続する(ステップS4)。ワイヤボンディング工程は、配線基板31を加熱用ステージ(図示せず)上に配置して、配線基板31を加熱しながら行うことができる。なお、図12は、ステップS4のワイヤボンディング行った段階の断面図に対応するが、断面位置の関係で、図12には、半導体チップ3の電極13と配線基板31の接続端子23とを接続するボンディングワイヤ6は図示されるが、半導体チップ4の電極14と配線基板31の接続端子24とを接続するボンディングワイヤ6は図示されない。
【0062】
ステップS4のワイヤボンディング工程では、配線基板31の各半導体装置領域32において、半導体チップ3の複数の電極13と、それに対応する配線基板31の複数の接続端子23とを複数のボンディングワイヤ(第3ボンディングワイヤ)6を介して接続し、半導体チップ4の複数の電極14と、それに対応する配線基板31の複数の接続端子24とを複数のボンディングワイヤ(第3ボンディングワイヤ)6を介して接続する。このステップS4のワイヤボンディング工程は、具体的には次のように行うことができる。
【0063】
すなわち、配線基板31の上面31aのある半導体装置領域32において半導体チップ3,4の電極13,14と配線基板31の接続端子23,24との間をボンディングワイヤ6で接続し、それから次の半導体装置領域32において半導体チップ3,4の電極13,14と配線基板31の接続端子23,24との間をボンディングワイヤ6で接続し、これを順次繰り返す。これにより、全ての半導体装置領域32において、半導体チップ3,4の電極13,14と配線基板31の接続端子23,24との間をボンディングワイヤ6で接続することもできる。
【0064】
他の形態として、配線基板31の上面31aのある半導体装置領域32において半導体チップ3の電極13と配線基板31の接続端子23との間をボンディングワイヤ6で接続し、それから次の半導体装置領域32において半導体チップ3の電極13と配線基板31の接続端子23との間をボンディングワイヤ6で接続し、これを順次繰り返す。これにより、配線基板31の全ての半導体装置領域32において、半導体チップ3の電極13と配線基板31の接続端子23との間をボンディングワイヤ6で接続する。次に、配線基板31の上面31aのある半導体装置領域32において半導体チップ4の電極14と配線基板31の接続端子24との間をボンディングワイヤ6で接続し、それから次の半導体装置領域32において半導体チップ4の電極14と配線基板31の接続端子24との間をボンディングワイヤ6で接続し、これを順次繰り返す。これにより、配線基板31の全ての半導体装置領域32において、半導体チップ4の電極14と配線基板31の接続端子24との間をボンディングワイヤ6で接続する。このようにして、配線基板31の全ての半導体装置領域32において、半導体チップ3,4の電極13,14と配線基板31の接続端子23,24との間をボンディングワイヤ6で接続することもできる。
【0065】
また、積層された半導体チップ3,4においては、半導体チップ3を先にワイヤボンディングすることが好ましい。これにより、下側の半導体チップに対して形成したボンディングワイヤ6が邪魔になることなく、上側の半導体チップに対してワイヤボンディングを行うことができる。
【0066】
また、ステップS2の後でステップS3の前に半導体チップ3に対するワイヤボンディングを行うこともできるが、半導体チップ3に対するワイヤボンディングをステップS3の前ではなくステップS3の後に行えば、ステップS4のワイヤボンディング工程で半導体チップ3に対するワイヤボンディングと半導体チップ4に対するワイヤボンディングの両方を行うことができるので、製造工程数を低減することができる。
【0067】
ステップS4のワイヤボンディング工程の後、ダイボンディング工程を行って、図13に示されるように、配線基板31の上面31aの各半導体装置領域32の半導体チップ4上に、半導体チップ5を接着材12を介して搭載する(ステップS5)。なお、図13では、簡略化のため、接着材12の図示を省略している。
【0068】
ステップS5の半導体チップ5のダイボンディング工程では、半導体チップ5は、裏面側(電極15が形成されている側の主面とは反対側の主面)が下方(半導体チップ4側)を向き、表面5a側(電極15が形成されている側の主面)が上方を向くように(フェイスアップボンディング)、配線基板31の上面31aの各半導体装置領域32の半導体チップ4上に搭載される。接着材12にダイアタッチフィルムのようなフィルム型の接着材を用いる場合には、ステップS5のダイボンディング工程を、配線基板31を加熱しながら(例えば配線基板31を加熱用ステージ上に配置して加熱しながら)行い、半導体チップ5を半導体チップ5にフィルム型接着材を介して圧着する。半導体チップ5は、その裏面が半導体チップ4の表面に接着材12によって接着され固定される。
【0069】
また、ステップS5で半導体チップ4上に半導体チップ5を搭載する際には、半導体チップ4の表面の電極14が覆われないように、半導体チップ4の表面のうち、電極14が配列していない領域だけが、半導体チップ5の裏面に接着されるようにする。これにより、半導体チップ4上に半導体チップ5を積み重ねても、半導体チップ3,4の表面の電極13,14およびそれに接続されたボンディングワイヤ6が半導体チップ5で覆われずに露出された状態となるので、半導体チップ3,4の電極13,14と配線基板31の接続端子23,24とのボンディングワイヤ6を介した接続を的確に維持することができる。
【0070】
ステップS5の半導体チップ5のダイボンディング工程の後、ワイヤボンディング工程を行って、図14および図15に示されるように、配線基板31の各半導体装置領域32に搭載された半導体チップ5の電極15と、その半導体チップ5が搭載された半導体装置領域32の接続端子25とを、ボンディングワイヤ7を介して電気的に接続する(ステップS6)。ワイヤボンディング工程は、配線基板31を加熱用ステージ(図示せず)上に配置して、配線基板31を加熱しながら行うことができる。
【0071】
ステップS6のワイヤボンディング工程では、配線基板31の各半導体装置領域32において、半導体チップ5の複数の電極15と、それに対応する配線基板31の複数の接続端子25とをボンディングワイヤ7を介して接続する。このステップS6のワイヤボンディング工程は、具体的には次のように行うことができる。
【0072】
すなわち、配線基板31の上面31aのある半導体装置領域32において半導体チップ5の電極15と配線基板31の接続端子25との間をボンディングワイヤ7で接続し、それから次の半導体装置領域32において半導体チップ5の電極15と配線基板31の接続端子25との間をボンディングワイヤ7で接続する。これを順次繰り返すことで、配線基板31の全ての半導体装置領域32において、半導体チップ5の電極15と配線基板31の接続端子25との間をボンディングワイヤ7で接続する。
【0073】
なお、詳細は後述するが、半導体チップ5の電極15と配線基板31の接続端子25との間を接続するボンディングワイヤ7には、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aと、それよりもループ高さが高いボンディングワイヤ7bの2種類のボンディングワイヤがある。このため、ステップS6のワイヤボンディング工程では、まず、図14に示されるように、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aで、半導体チップ5の主面に形成された複数の電極15のうち、辺側に位置する1列目の電極15(後述の電極15aを含む)とそれに対応する配線基板31の接続端子25(後述の接続端子25a,25bを含む)との間を接続する。それから、図15に示されるように、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bで、半導体チップ5の主面に形成された複数の電極15のうち、1列目よりも辺から遠い箇所に位置する2列目の電極15(後述の電極15bを含む)とそれに対応する配線基板31の接続端子25(後述の接続端子25b,25cを含む)との間を接続する。先にループ高さが低いボンディングワイヤ7aを形成した後で、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bを形成することで、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aが邪魔になることなく、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bを的確に形成することができる。
【0074】
尚、図14において、半導体チップ5の右側の電極(ここでは詳細に図示しないが、1列目の電極15a)15に対し、ボンディングワイヤ7aが2本記載されている理由は、次のとおりである。すなわち、半導体チップ5の1列目の電極15aと配線基板31の1列目の接続端子25aと電気的に接続するボンディングワイヤ7aと、半導体チップ5の1列目の電極15aと配線基板31の2列目の接続端子25bとを電気的に接続するボンディングワイヤ7aとを1つの断面図でまとめて説明するためである。また、図15において、半導体チップ5の左側の電極(ここでは詳細に図示しないが、2列目の電極15b)15に対し、ボンディングワイヤ7bが2本記載されている理由は、次のとおりである。すなわち、半導体チップ5の2列目の電極15bと配線基板31の2列目の接続端子25bと電気的に接続するボンディングワイヤ7bと、半導体チップ5の2列目の電極15bと配線基板31の3列目の接続端子25cとを電気的に接続するボンディングワイヤ7bとを1つの断面図でまとめて説明するためである。
【0075】
上記ステップS4のワイヤボンディング工程により、配線基板31の全ての半導体装置領域32において、半導体チップ3,4の電極13,14と配線基板31の接続端子23,24との間がボンディングワイヤ7で接続されていた。このため、ステップS6のワイヤボンディング工程を行った段階で、配線基板31の全ての半導体装置領域32において、半導体チップ3,4,5の電極13,14,15と配線基板31の接続端子23,24,25との間がボンディングワイヤ6,7で接続された状態となる。
【0076】
ステップS6のワイヤボンディング工程の後、樹脂封止工程(モールド工程、樹脂成形工程)を行って、図16に示されるように、封止樹脂8aを形成する(ステップS7)。ステップS7の樹脂封止工程は、例えばトランスファモールドなどによって行うことができる。このステップS7の樹脂封止工程は、具体的には次のように行うことができる。
【0077】
すなわち、ステップS2,S3のダイボンディング工程、ステップS4のワイヤボンディング工程、ステップS5のダイボンディング工程およびステップS6のワイヤボンディング工程が行われた配線基板31を、樹脂成形用金型(図示せず)に配置し、金型のゲートを介して金型のキャビティ内に樹脂材料を注入する。そして、加熱などにより樹脂材料を硬化させた後、金型を離型し、硬化した樹脂材料からなる封止樹脂8が形成された配線基板31を金型から離型する。このようにして、配線基板31の上面31a上に各半導体装置領域32の半導体チップ3,4,5およびボンディングワイヤ6,7を覆うように封止樹脂8aを形成することができる。封止樹脂8aによって、半導体チップ3,4,5およびボンディングワイヤ6,7が封止される。
【0078】
配線基板31および配線基板31上の封止樹脂8a(封止樹脂8a内に封止された半導体チップ3,4,5およびボンディングワイヤ6,7も含む)により、封止体(組立体)33が形成される。すなわち、多数個取りの配線基板31上に封止樹脂8aが形成された構造体を封止体33と呼ぶ。
【0079】
次に、配線基板31の下面31bの端子26に半田ボール9を接続(接合、形成)する(ステップS8)。
【0080】
ステップS8の半田ボール9接続工程では、例えば、配線基板31の下面31bを上方に向け、配線基板31の下面31bの各半導体装置領域32の複数の端子26上にそれぞれ半田ボール9を配置(搭載)してフラックスなどで仮固定し、リフロー処理(半田リフロー処理、熱処理)を行って半田を溶融し、半田ボール9と配線基板31の下面31bの端子26とを接合することができる。その後、必要に応じて洗浄工程を行い、半田ボール9の表面に付着したフラックスなどを取り除くこともできる。このようにして、半導体装置1の外部端子(外部接続用端子)としての半田ボール9が接合(形成)される。
【0081】
なお、本実施の形態では、半導体装置1の外部端子として半田ボール9を接合する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば半田ボール9の代わりに印刷法などにより端子26上に半田を供給して半導体装置1の半田からなる外部端子(バンプ電極、半田バンプ)を形成することもできる。この場合、配線基板31の下面31bの各半導体装置領域32の複数の端子26上にそれぞれ半田を供給してから、半田リフロー処理を行って、複数の端子26上にそれぞれ半田からなる外部端子(バンプ電極、半田バンプ)を形成することができる。
【0082】
また、メッキ処理を施すなどして、各端子26上に外部端子(バンプ電極)を形成することもできる。
【0083】
このように、ステップS8では、配線基板31の下面31bの各半導体装置領域32の複数の端子26に、それぞれ外部接続用端子(ここでは半田ボール9)を形成する。外部接続用端子(ここでは半田ボール9)は形成することが好ましいが、不要であればその形成を省略することもできる。
【0084】
次に、必要に応じて、マーキングを行って、封止樹脂8aの上面(表面)に製品番号などのマークを付す(ステップS9)。ステップS9では、例えば、レーザによりマーキングを行うレーザマークを行うことができるが、インクによりマーキングを行うインクマークを行うこともできる。また、ステップS8の半田ボール9の接続工程とステップS9のマーキング工程の順番を入れ換え、ステップS9のマーキング工程を行った後に、ステップS8の半田ボール9の接続工程を行うこともできる。また、不要であれば、ステップS9のマーキング工程を省略することもできる。
【0085】
次に、封止体33(配線基板31)の切断を行う(ステップS10)。
【0086】
ステップS10の切断工程により、図17に示されるように、封止体33(配線基板31または配線基板31および封止樹脂8a)が各半導体装置領域32間の切断領域に沿って切断されて、それぞれの半導体装置領域32が個々の(個片化された)半導体装置1に切断分離(個片化)される。すなわち、封止体33(配線基板31または配線基板31および封止樹脂8a)が各半導体装置領域32に切断されて分割され、各半導体装置領域32から半導体装置1が形成される。ステップS10の切断工程によって各半導体装置領域32に切断され分離(分割)された配線基板31が上記配線基板2に対応する。また、ステップS8の切断工程後の封止樹脂8aが、上記封止樹脂8となる。
【0087】
また、ステップS7の樹脂封止工程で、複数の半導体装置領域32全体を覆うように封止樹脂8aを形成する一括封止を行った場合には、各半導体装置領域32間の切断領域上に封止樹脂8aが形成されている。このため、一括封止の場合には、ステップS10の切断工程で、配線基板31とともに封止樹脂8aも各半導体装置領域32間の切断領域に沿って切断され、切断後の封止樹脂8a(切断後の配線基板2上の封止樹脂8a)が上記封止樹脂8となる。なお、図16は、一括封止の場合が図示されている。
【0088】
また、ステップS7の樹脂封止工程で、封止領域を半導体装置領域32毎に分割し、半導体装置領域32毎に個別に封止樹脂8aを形成する分割封止(個別封止)を行うこともでき、この分割封止の場合には、各半導体装置領域32間の切断領域上には封止樹脂8aは形成されていない。このため、分割封止の場合には、ステップS10の切断工程で、各半導体装置領域32間の切断領域に沿って配線基板31が切断されるが、封止樹脂8aを切断する必要はなく、切断後の配線基板31(配線基板2)上の封止樹脂8aが上記封止樹脂8となる。
【0089】
このようにして、半導体装置1が製造される。
【0090】
次に、本実施の形態の半導体装置1における半導体チップ5の電極15と配線基板2(配線基板31)の接続端子25との間のボンディングワイヤ7による接続について、より詳細に説明する。
【0091】
本実施の形態の半導体装置1において、配線基板2(配線基板31)のボンディングワイヤ接続用の接続端子には、半導体チップ3の電極13に接続すべき接続端子23と、半導体チップ4の電極14に接続すべき接続端子24と、半導体チップ5の電極15に接続すべき接続端子25とがある。このうち、半導体チップ5の電極15に接続する接続端子25の配列の仕方およびボンディングワイヤ7の接続の仕方について説明する。
【0092】
図18〜図20は、半導体装置1の要部平面図であり、同じ平面領域(図7の点線で囲まれた領域R1にほぼ相当する領域)が示されている。図18〜図20は、封止樹脂8を透視したときの半導体装置1の内部構造が示されている。但し、図20には、半導体チップ5、半導体チップ2の電極15、配線基板2の接続端子25、および半導体チップ2の電極15と配線基板2の接続端子25との間を接続するボンディングワイヤ7が図示されているが、理解を簡単にするために、半導体チップ3、半導体チップ3の電極13、配線基板2の接続端子23、および半導体チップ3の電極13と接続端子23との間を接続するボンディングワイヤ6の図示は省略してある。また、図19は、図20から、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bの図示を省略した図であり、図18は、図19から、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aの図示を更に省略した図である。
【0093】
本実施の形態では、上記図7などからも分かるように、半導体チップ5の表面5aにおいて、表面5aの4つの辺5b,5c,5d,5eに沿って複数の電極15が配置されており、それぞれボンディングワイヤ7を介して、配線基板2の上面2aに形成されかつ半導体チップ5の辺5b,5c,5d,5eに沿って配置された複数の接続端子25と電気的に接続されている。そして、配線基板2の上面2aにおいて、接続端子25は、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列され、半導体チップ5の辺5cに沿って3列に配列され、半導体チップ5の辺5dに沿って2列に配列され、半導体チップ5の辺5eに沿って2列に配列されている。なお、半導体チップ5の表面5aにおいて、辺5bと辺5cとは互いに対向する(反対側に位置する)辺であり、辺5dと辺5eとは互いに対向する(反対側に位置する)辺であり、辺5bと辺5dとは角部を形成する(交わる)辺であり、辺5bと辺5eとは他の角部を形成する(交わる)辺である。
【0094】
本実施の形態では、配線基板2の接続端子25を半導体チップ5の辺5b,5cに沿って3列に配列させているので、接続端子25の配列ピッチ(間隔)を広げてボンディングワイヤ7同士の干渉を防止でき、半導体装置を多端子化することができ、また半導体装置を小型化(小面積化)することができる。また、半導体チップ5の4辺5b,5c,5d,5e全部に沿って接続端子25を3列に配列させると、配線基板2の寸法が大きくなってしまう可能性があるが、辺5b,5cに沿って接続端子25を集約して3列に配列し、他の辺5d,5eに沿って接続端子25を3列未満(ここでは2列)に配列することで、配線基板2全体が大きくなるのを抑制することができる。
【0095】
本実施の形態の主要な特徴の一つは、配線基板の主面上に形成されかつ半導体チップの辺に沿って3列に配列した複数の接続端子と、それに対応する半導体チップの電極との間のボンディングワイヤによる接続の仕方にある。このため、以下では、配線基板2の上面2aに形成されかつ半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配置された複数の接続端子25と、半導体チップ5の表面5aに形成されかつ辺5bに沿って配置された複数の電極15と、それらの間を接続する複数のボンディングワイヤ7について説明する。なお、以下の説明は、配線基板2の上面2aに形成されかつ半導体チップ5の辺5cに沿って3列に配置された複数の接続端子25と、半導体チップ5の表面5aに形成されかつ辺5cに沿って配置された複数の電極15と、それらの間を接続する複数のボンディングワイヤ7についても同様に適用でき、その場合、以下の説明において辺5bを辺5cと読み替えればよい。
【0096】
図18にも示されるように、配線基板2の上面2aにおいて、接続端子25は、半導体チップ5の辺(第1の辺)5bに沿って3列に配列(配置)されている。すなわち、本実施の形態の半導体装置1は、配線基板2の上面2a上に形成され、かつ半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配置(配列)された複数の端子25(すなわち接続端子25a,25b,25c)を有している。以下では、この3列の配列のうち、半導体チップ5(の辺5b)に近い側の列から順に1列目(第1の列、すなわち図18の矢印A1で指された列)、2列目(第2の列、すなわち図18の矢印A2で指された列)、および3列目(第3bの列、すなわち図18の矢印A3で指された列)と呼ぶこととする。また、この3列の配列のうち、この1列目に属する接続端子25を接続端子(第1端子)25aと称し、2列目に属する接続端子25を接続端子(第2端子)25bと称し、3列目に属する接続端子25を接続端子(第3端子)25cと称することとする。
【0097】
従って、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配置された複数の端子25は、その3列のうち半導体チップ5の辺5bに近い1列目(第1の列)に属する複数の接続端子25aと、3列のうち半導体チップ5の辺5bから1列目よりも離れた2列目(第2の列)に属する複数の接続端子25bと、3列のうち半導体チップ5の辺5bから2列目よりも離れた3列目(第3の列)に属する複数の接続端子25cとからなる。そして、配線基板2の上面2aにおいて、複数の接続端子25aが半導体チップ5の辺5bに沿って1列目に1列で配列し、複数の接続端子25bが半導体チップ5の辺5bに沿って2列目に1列で配列し、複数の接続端子25cが半導体チップ5の辺5bに沿って3列目に1列で配列しているのである。
【0098】
但し、配線基板2の上面2aにおいて、接続端子25aと接続端子25bと接続端子25cとは、それらに接続されたボンディングワイヤ7の延在方向(半導体チップ5の辺5bと交差する方向)に互いに重ならないようにずれて(半導体チップ5の辺5bに沿った方向にずれて)配列しており、いわゆる千鳥配列となっている。
【0099】
すなわち、図20に示されるように、平面的(配線基板2の上面2aに平行な平面)に見て、半導体チップ5の電極15と接続端子25aとを接続するボンディングワイヤ7aが延在する線上(延長方向も含む)に、接続端子25b,25cは配置されていない。また、平面的(配線基板2の上面2aに平行な平面)に見て、半導体チップ5の電極15と接続端子25bとを接続するボンディングワイヤ7が延在する線上(延長方向も含む)に、接続端子25a,25cは配置されていない。また、平面的(配線基板2の上面2aに平行な平面)に見て、半導体チップ5の電極15と接続端子25cとを接続するボンディングワイヤ7が延在する線上(延長方向も含む)に、接続端子25a,25bは配置されていない。
【0100】
このようにすることで、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列した複数の接続端子25と半導体チップ5の辺5bに沿って配列した半導体チップ5の複数の電極15とを接続する複数のボンディングワイヤ7において、ボンディングワイヤ7同士が平面的(配線基板2の上面2aに平行な平面)に見て重ならない(交差しない)ようにすることができる。換言すれば、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列した複数の接続端子25と半導体チップ5の辺5bに沿って配列した半導体チップ5の複数の電極15とを接続する複数のボンディングワイヤ7同士が平面的に重ならないように、接続端子25aと接続端子25bと接続端子25cとを互いにずらして配列させるのである。これにより、ボンディングワイヤ7同士が接触するのを抑制または防止できる。また、接続端子25の実効的なピッチが縮小されるため、同一サイズの半導体装置に対して、より多くの接続端子を形成することができ、半導体装置の多端子化が可能になる。
【0101】
また、本実施の形態では、接続端子25(接続端子25a,25b,25c)と半導体チップ5の電極15との間を接続するボンディングワイヤ7には、ループ高さ(ループの高さ、ワイヤループ高さ)が異なる2種類のボンディングワイヤがある。接続端子25(接続端子25a,25b,25c)と半導体チップ5の電極15との間を接続するボンディングワイヤ7のうち、ループ高さ(ワイヤループ高さ)が相対的に低いボンディングワイヤ7をボンディングワイヤ7aと称し、ループ高さ(ワイヤループ高さ)が相対的に高いボンディングワイヤ7をボンディングワイヤ7bと称する。すなわち、上記図3および図5に示されるように、ボンディングワイヤ7aは第1のループ高さ(ワイヤループ高さ)h1を有し、上記図4および図6に示されるように、ボンディングワイヤ7bは第2のループ高さ(ワイヤループ高さ)h2を有し、第2のループ高さh2は第1のループ高さh1よりも高い(h2>h1)。
【0102】
このため、ボンディングワイヤ7a同士は同じループ高さh1を有し、ボンディングワイヤ7b同士は同じループ高さh2を有しているが、ボンディングワイヤ7aとボンディングワイヤ7bは互いに異なるループ高さを有し、ボンディングワイヤ7aに比べて、ボンディングワイヤ7bは、ループ高さが高くなっている。なお、ボンディングワイヤ7のループ高さ(ワイヤループ高さ)とは、半導体チップ5の表面5aから、そのボンディングワイヤ7の最頂部(半導体チップ2の表面5aからの高さが最も高い部分)までの高さ(半導体チップ5の表面5aに垂直な方向の高さ)に対応する。
【0103】
配線基板2の上面2aにおいて半導体チップ5の辺5bに沿って3列に接続端子25を配列させた場合、本実施の形態とは異なり、この3列に配列した接続端子25に接続するボンディングワイヤのループ高さが全て同じであると、ボンディングワイヤ同士の接触や干渉が生じる可能性があり、これは、半導体装置の信頼性を低下させる。
【0104】
ボンディングワイヤ同士の接触や干渉を防止するために、本実施の形態とは異なり、接続端子25を3列に配列させたのに合わせて、ループ高さが異なる3種類のボンディングワイヤを用いることも考えられる。この場合、3種類のボンディングワイヤにおけるループ高さの差を確保するために、最もループ高さが高いボンディングワイヤのループ高さをかなり高くする必要があるため、この最もループ高さが高いボンディングワイヤが封止樹脂から露出しないように、封止樹脂の厚みを厚くする必要が生じ、これは、半導体装置の厚みを厚くしてしまう。特に、本実施の形態のように、配線基板2上に複数の半導体チップ3,4,5を積み重ねて構成した半導体装置では、積み重ねた半導体チップの分だけ半導体装置の厚みが厚くなるため、ループ高さが異なる3種類のボンディングワイヤを用いたことによる封止樹脂の厚膜化の影響は大きい。積み重ねた半導体チップのうちの最上層の半導体チップに対するボンディングワイヤのループ高さが、封止樹脂の厚みに影響を与えるのである。
【0105】
それに対して、本実施の形態では、半導体チップ5の表面5a上に半導体チップ5の辺5bに沿って配置された複数の電極15と、配線基板2の上面2a上に半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配置された複数の端子25とを接続する複数のボンディングワイヤ7が、第1のループ高さh1を有するボンディングワイヤ7aと、第1のループ高さh1よりも高い第2のループ高さh2を有するボンディングワイヤ7bとを有している。すなわち、配線基板2の上面2aにおいて、接続端子25を半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列させているが、この3列に配列した複数の接続端子25(接続端子25a,25b,25c)と、半導体チップ5の辺5bに沿って配置された複数の電極15との間を、ループ高さが異なる2種類のボンディングワイヤ7a,7bで接続している。このため、ループ高さが異なる3種類のボンディングワイヤを用いた場合に比べて、ループ高さが高いボンディングワイヤのループ高さを低くすることができ、ループ高さが高いボンディングワイヤが封止樹脂から露出しないようにするのに必要な封止樹脂の厚みを薄くすることができる。このため、封止樹脂8を薄くすることができるので、半導体装置1を薄型化することができ、半導体装置1を小型化することができる。
【0106】
本実施の形態では、更に、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列した接続端子25(接続端子25a,25b,25c)のそれぞれに対して、次のような手段でワイヤボンディング工程を行うことで、ループ高さが異なる2種類のボンディングワイヤ7a,7bを用いたとしても、ボンディングワイヤ同士の接触や干渉を防止できるようにしている。
【0107】
すなわち、本実施の形態では、配線基板2の上面2aにおいて半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列(配置)された接続端子25のうち、半導体チップ5の辺5bに最も近い列である1列目に属する接続端子25aに接続されたボンディングワイヤ7は、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aとする。一方、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列(配置)された接続端子25のうち、半導体チップ5の辺5bから最も遠い列である3列目に属する接続端子25cに接続されたボンディングワイヤ7は、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bとする。そして、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列(配置)された接続端子25のうち、真ん中の列である2列目に属する接続端子25bに接続されたボンディングワイヤ7は、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aまたはループ高さが高いボンディングワイヤ7bのいずれかとする。
【0108】
このようにすれば、半導体チップ5の辺5bに近い接続端子25aにはループ高さが低いボンディングワイヤ7aが接続され、半導体チップ5の辺5bから遠い接続端子25cにはループ高さが高いボンディングワイヤ7bが接続され、中間の距離にある接続端子25bにはループ高さが低いボンディングワイヤ7aまたはループ高さが高いボンディングワイヤ7bが接続されることになる。これにより、半導体チップ5の辺5bからの距離が短い接続端子25に接続するボンディングワイヤ7のループ高さよりも、半導体チップ5の辺5bからの距離が長い接続端子25に接続するボンディングワイヤ7のループ高さが高くなるので、ボンディングワイヤ7同士の間隔または距離を相対的に長くすることができ、また、ボンディングワイヤ7同士の平行度を低下させることができる。従って、ボンディングワイヤ7同士の接触や干渉を抑制または防止できる。このため、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0109】
また、本実施の形態では、2列目に属する接続端子25bに接続されたボンディングワイヤ7を、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aとするか、あるいはループ高さが高いボンディングワイヤ7bとするかは、接続端子25b毎に次のようにして決めることが好ましい。
【0110】
すなわち、2列目に属する接続端子25bに接続されたボンディングワイヤ7について、そのボンディングワイヤ7(接続端子25bに接続されたボンディングワイヤ7)の両隣のボンディングワイヤ7が、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aである場合には、そのボンディングワイヤ7(接続端子25bに接続されたボンディングワイヤ7)を、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bとする。逆に、2列目に属する接続端子25bに接続されたボンディングワイヤ7について、そのボンディングワイヤ7(接続端子25bに接続されたボンディングワイヤ7)の両隣のボンディングワイヤ7が、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bである場合には、そのボンディングワイヤ7(接続端子25bに接続されたボンディングワイヤ7)を、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aとする。具体的には、辺5bに沿って3列に配置された複数の接続端子25と辺5bに沿って配置された複数の電極15とを接続する複数のボンディングワイヤ7において、接続端子25bに接続されたボンディングワイヤ7aの両隣には、接続端子25cに接続されたボンディングワイヤ7bが配置され、接続端子25bに接続されたボンディングワイヤ7bの両隣には、接続端子25aに接続されたボンディングワイヤ7aが配置されるようにする。
【0111】
これにより、2列目の接続端子25bに接続されたループ高さが低いボンディングワイヤ7aが、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bと隣り合わないようにすることができ、また、2列目の接続端子25bに接続されたループ高さが高いボンディングワイヤ7bが、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aと隣り合わないようにすることができる。従って、ボンディングワイヤ7同士の間隔または距離を相対的に長くすることができ、また、ボンディングワイヤ7同士の平行度を低下させることができるので、ボンディングワイヤ7同士が接触したり干渉したりするのを、より的確に防止することができる。このため、半導体装置の信頼性を、より向上させることができる。
【0112】
また、本実施の形態では、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列された複数の接続端子25と半導体チップ5の辺5bに沿って配置された複数の電極15とを接続する複数のボンディングワイヤ7において、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aとループ高さが高いボンディングワイヤ7bとが交互に配列していることが、より好ましい。このようにすることで、ループ高さが低いボンディングワイヤ7a同士が隣り合わないようにすることができ、かつ、ループ高さが高いボンディングワイヤ7b同士が隣り合わないようにすることができ、ボンディングワイヤ7同士が接触したり干渉したりするのを更に的確に防止することができる。このため、半導体装置の信頼性を、より的確に向上させることができる。
【0113】
また、ループ高さが低いボンディングワイヤ7a同士が隣り合わないようにし、かつループ高さが高いボンディングワイヤ7b同士が隣り合わないようにするとともに、半導体チップ5の辺5bに沿った接続端子25の配置密度を高める(すなわち接続端子25に接続されるボンディングワイヤ7の配置密度を高める)ことが望まれる。
【0114】
このため、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列された複数の接続端子25と半導体チップ5の辺5bに沿って配置された複数の電極15とを接続する複数のボンディングワイヤ7において、2列目に属する接続端子25bに接続されたボンディングワイヤ7だけを抽出して見てみたとき、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bとループ高さが低いボンディングワイヤ7aとが交互に配列されるようにすることが好ましい。換言すれば、2列目に属す任意の接続端子25b(これを第1接続端子と称す)に接続されたボンディングワイヤ7について、その第1接続端子に隣接しかつ2列目に属す他の接続端子25b(これを第2接続端子と称す)に接続されたボンディングワイヤ7がループ高さの低いボンディングワイヤ7aである場合には、その第1接続端子に接続されるボンディングワイヤ7を、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bとする。すなわち、その第1接続端子(接続端子25b)には、ループ高さの高いボンディディングワイヤ7bを接続する。逆に、2列目に属す任意の接続端子25b(これを第1接続端子と称す)に接続されたボンディングワイヤ7について、その第1接続端子に隣接しかつ2列目に属す他の接続端子25b(これを第2接続端子と称す)に接続されたボンディングワイヤ7がループ高さの高いボンディングワイヤ7bである場合には、その第1接続端子に接続されるボンディングワイヤ7を、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aとする。すなわち、その第1接続端子(接続端子25b)には、ループ高さの低いボンディディングワイヤ7aを接続する。なお、前記第1接続端子と前記第2接続端子とは、半導体チップ5の辺5bに沿って配列されかつ2列目に属する複数の接続端子25bにおいて、辺5bに沿った方向に互いに隣接する接続端子25b同士の関係にある。そして、好ましくは、接続端子25bに接続されたループ高さが低いボンディングワイヤ7aの両隣に、接続端子25cに接続されたループ高さが高いボンディングワイヤ7bが配置されるようにし、接続端子25bに接続されたループ高さが高いボンディングワイヤ7bの両隣に、接続端子25aに接続されたループ高さが低いボンディングワイヤ7aが配置されるようにする。このようにすることで、ボンディングワイヤ7同士の接触や干渉を防止できるとともに、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列された接続端子25およびそれに接続されたボンディングワイヤ7を効率的に配置でき、配置密度を高めることができる。
【0115】
具体的には、図18〜図20に示されるように、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列された複数の接続端子25と半導体チップ5の辺5bに沿って配置された複数の電極15とを接続する複数のボンディングワイヤ7が、半導体チップ5の辺5bに沿った方向に次のように配列することが、より好ましい。
【0116】
すなわち、1列目に属する接続端子25aとそれに対応する半導体チップ5の電極15(後述の電極15aに対応)との間を接続し、かつループ高さが低いボンディングワイヤ7aを、ボンディングワイヤ7c1と称する。2列目に属する接続端子25bとそれに対応する半導体チップ5の電極15(後述の電極15bに対応)との間を接続し、かつループ高さが高いボンディングワイヤ7bを、ボンディングワイヤ7c2と称する。1列目に属する接続端子25aとそれに対応する半導体チップ5の電極15(後述の電極15aに対応)との間を接続し、かつループ高さが低いボンディングワイヤ7aを、ボンディングワイヤ7c3と称する。3列目に属する接続端子25cとそれに対応する半導体チップ5の電極15(後述の電極15bに対応)との間を接続し、かつループ高さが高いボンディングワイヤ7bを、ボンディングワイヤ7c4と称する。2列目に属する接続端子25bとそれに対応する半導体チップ5の電極15(後述の電極15aに対応)との間を接続し、かつループ高さが低いボンディングワイヤ7aを、ボンディングワイヤ7c5と称する。3列目に属する接続端子25cとそれに対応する半導体チップ5の電極15(後述の電極15bに対応)との間を接続し、かつループ高さが高いボンディングワイヤ7bを、ボンディングワイヤ7c6と称する。これら6本のボンディングワイヤ7c1,7c2,7c3,7c4,7c5,7c6が、半導体チップ5の辺5bに沿った方向に順に配列し、好ましくはボンディングワイヤ7c1〜7c6が繰り返し配列している。
【0117】
換言すれば、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列された複数の接続端子25(接続端子25a,25b,25c)と半導体チップ5の辺5bに沿って配置された複数の電極15とを接続する複数のボンディングワイヤ7は、半導体チップ5の辺5bに沿った方向に、上記ボンディングワイヤ7c1〜7c6が順に配列し、その次にまた上記ボンディングワイヤ7c1〜7c6が順に配列し、これが繰り返されているのである。繰り返しの回数は、ボンディングワイヤ7の本数により決まり、ボンディングワイヤ7の総本数が多くなるほど繰り返しの回数も多くなる。
【0118】
なお、上記図3に示されるボンディングワイヤ7aは、ボンディングワイヤ7c1またはボンディングワイヤ7c3に対応し、上記図4に示されるボンディングワイヤ7bは、ボンディングワイヤ7c2に対応し、上記図5に示されるボンディングワイヤ7aは、ボンディングワイヤ7c5に対応し、上記図6に示されるボンディングワイヤ7bは、ボンディングワイヤ7c4またはボンディングワイヤ7c6に対応する。
【0119】
ボンディングワイヤ7をこのように配列させることで、ループ高さが低いボンディングワイヤ7a同士が隣り合わないようにし、かつループ高さが高いボンディングワイヤ7b同士が隣り合わないようにするとともに、更に、1列目に属する接続端子25aの数と2列目に属する接続端子25bの数と3列目に属する接続端子25cの数とを、ほぼ同じにすることができ、接続端子25を効率的に配置することができる。このため、配線基板2の上面2aにおいて、半導体チップ5の辺5bに沿って配置した接続端子25(接続端子25a,25b,25c)の配置密度を高めることができる。従って、配線基板2の上面2aにおいて半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列された接続端子25の数およびその接続端子25に接続されるボンディングワイヤ7の数を多くすることができ、半導体装置1を多端子化することができる。また、端子数が同じであれば、配線基板2の平面寸法を縮小することができるので、半導体装置1を小型化することができる。
【0120】
また、辺5bに沿って3列に配列された複数の接続端子25と辺5bに沿って配置された複数の電極15とを接続するボンディングワイヤ7の数は、6の倍数である必要は無い。また、辺5bに沿って3列に配列された複数の接続端子25と辺5bに沿って配置された複数の電極15とを接続する複数のボンディングワイヤ7において、配列の両端のボンディングワイヤ7は、上記ボンディングワイヤ7c1〜7c6のいずれであってもよい。従って、辺5bに沿って3列に配列された複数の接続端子25と辺5bに沿って配置された複数の電極15とを接続するボンディングワイヤ7は、上記ボンディングワイヤ7c1〜7c6が繰り返し配列するが、配列の最初は、ボンディングワイヤ7c1〜7c6のうちのいずれのボンディングワイヤで始まってもよく、また配列の最後は、ボンディングワイヤ7c1〜7c6のうちのいずれのボンディングワイヤで終わってもよい。
【0121】
また、本実施の形態では、図18〜図20に示されるように、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列された複数の接続端子25にボンディングワイヤ7を介して接続される半導体チップ5の複数の電極15は、半導体チップ5の表面5aにおいて、半導体チップ5の辺5bの近傍で半導体チップ5の辺5bに沿って2列で配置されていることが好ましい。さらに、この複数の電極15は、この複数の電極15に隣接する辺5bに沿って、1列目の電極(第1電極)15と2列目の電極(第2電極)15が交互に配置される、所謂、千鳥配列で配置されていることが好ましい。ここで、2列の配列のうち、半導体チップ5の辺5bに近い側の列(第4の列、すなわち図18の矢印A4で指された列)に属する電極15を電極(第1電極)15aと称し、半導体チップ5の辺5bから遠い側の列(第5の列、すなわち図18の矢印A5で指された列)に属する電極15を電極(第2電極)15bと称することにする。
【0122】
本実施の形態では、半導体チップ5の辺5bに沿って2列に千鳥配列で電極15を配置させている。すなわち、半導体チップ5の表面5aにおいて、複数の電極15bは、それぞれ複数の電極5aの配列の間に配置されている。換言すれば、半導体チップ5の表面5aにおいて、複数の電極15aと複数の電極15bとは、辺5bに略垂直な方向(表面5aに平行で辺5bに垂直な方向)に互いに重ならないようにずれて(半導体チップ5の辺5bに沿った方向にずれて)配列している。これにより、電極15の実効的なピッチが縮小されるため、半導体チップ5を多端子化することができる。
【0123】
また、本実施の形態では、半導体チップ5の辺5bに沿って2列に千鳥配列で配置された複数の電極15のうち、半導体チップ5の辺5bに近い側の列に配置された複数の電極15aには、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aが接続され、半導体チップ5の辺5bから遠い側の列に配置された電極15bには、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bが接続される。
【0124】
このようにすれば、半導体チップ5の辺5bに近い電極15aにはループ高さが低いボンディングワイヤ7aが接続され、半導体チップ5の辺5bから遠い電極15bにはループ高さが高いボンディングワイヤ7bが接続される。これにより、ループ高さが低いボンディングワイヤ7bと電極15aとの接続位置に比べて、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bと電極15bとの接続位置が、半導体チップ5の辺5bから遠い位置になる。このため、隣り合うボンディングワイヤ7同士(すなわちボンディングワイヤ7aとボンディングワイヤ7b)の間隔または距離を相対的に長くすることができ、また、隣り合うボンディングワイヤ同士(すなわちボンディングワイヤ7aとボンディングワイヤ7b)の平行度を低下させることができる。これにより、ボンディングワイヤ7同士が接触したり干渉したりするのを的確に防止することができる。このため、半導体装置の信頼性を、より的確に向上させることができる。
【0125】
従って、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列された接続端子25のうち、半導体チップ5に最も近い列である1列目に属する接続端子25aは、辺5bに近い側の列の電極15aに、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aを介して接続される。また、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列された接続端子25のうち、半導体チップ5から最も遠い列である3列目に属する接続端子25cは、辺5bから遠い側の列の電極15bに、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bを介して接続される。そして、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列された接続端子25のうち、真ん中の列である2列目に属する接続端子25bは、辺5bに近い側の列の電極15aに、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aを介して接続されるか、あるいは、辺5bから遠い側の列の電極15bに、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bを介して接続される。
【0126】
2列目に属する接続端子25bに接続されたボンディングワイヤ7を、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aとするか、あるいはループ高さが高いボンディングワイヤ7bとするかについては、上述の通りである。
【0127】
従って、2列目に属する接続端子25bについて、その接続端子7bに接続されたボンディングワイヤ7の両隣のボンディングワイヤ7が、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aである場合には、その接続端子25bを、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bを介して、辺5bから遠い側の列の電極15bに接続する。また、2列目に属する接続端子25bについて、その接続端子25bに接続されたボンディングワイヤ7の両隣のボンディングワイヤ7が、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bである場合には、その接続端子25bを、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aを介して、辺5bに近い側の列の電極15aに接続する。このため、上記ボンディングワイヤ7c1〜7c6のうち、ボンディングワイヤ7c1,7c3,7c5は、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aであるので、辺5bに近い側の列の電極15aに接続することとなる。また、上記ボンディングワイヤ7c1〜7c6のうち、ボンディングワイヤ7c2,7c4,7c6は、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bであるので、辺5bから遠い側の列の電極15bに接続することとなる。
【0128】
また、上述のように、上記ボンディングワイヤ7c1〜7c6は、半導体チップ5の辺5bに沿った方向に順に繰り返し配列している。このため、半導体チップ5の辺5bに沿って千鳥配列で配置された複数の電極15のうち、半導体チップ5の辺5bに近い側の列に配置された複数の電極15aでは、ループ高さが低い上記ボンディングワイヤ7c1,7c3,7c5にそれぞれ接続された3つの電極15aが順に繰り返し配列している。一方、半導体チップ5の辺5bから遠い側の列に配置された複数の電極15bでは、ループ高さが高い上記ボンディングワイヤ7c2,7c4,7c6にそれぞれ接続された3つの電極15bが順に繰り返し配列している。このため、半導体チップ5の辺5bに沿った方向で見ると、上記ボンディングワイヤ7c1,7c3がそれぞれ接続された2つの電極15aの間に、上記ボンディングワイヤ7c2が接続された電極15bが配置され、上記ボンディングワイヤ7c3,7c5がそれぞれ接続された2つの電極15aの間に、上記ボンディングワイヤ7c4が接続された電極15bが配置されている。そして、上記ボンディングワイヤ7c5が接続された2つの電極15aと、次に繰り返しの上記ボンディングワイヤ7c1が接続された2つの電極15aとの間に、上記ボンディングワイヤ7c6が接続された電極15bが配置されることになる。
【0129】
このようにして、半導体チップ5の複数の電極15を、半導体チップ5の辺5bに沿って2列に千鳥配列で配置し、半導体チップ5の辺5bに近い側の列の電極15aには、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aを接続し、半導体チップ5の辺5bから遠い側の列の電極15bには、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bを接続し、ボンディングワイヤ7aとボンディングワイヤ7bとを交互に配列させることができる。これにより、半導体チップ5の表面5aにおいて、辺5bに沿って電極15(15a,15b)を効率的に配置して電極15の配置密度を高めることができるとともに、電極15(15a,15b)に接続したボンディングワイヤ7同士が接触したり干渉したりするのを、より的確に防止することができる。
【0130】
また、本実施の形態では、上記ステップS6のワイヤボンディング工程で、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列した複数の接続端子25と、半導体チップ5の辺5bに沿って配列した半導体チップ5の複数の電極15とを、複数のボンディングワイヤ7で接続する。このステップS6のワイヤボンディング工程では、先に、複数の接続端子25bの一部(ボンディングワイヤ7c5を接続すべき接続端子25b)および複数の端子25a(ボンディングワイヤ7c1,7c3を接続すべき接続端子25a)と、それらに対応する電極15(ここでは電極15a)とを、それぞれボンディングワイヤ7a(ボンディングワイヤ7c1,7c3,7c5)で接続する工程を行う。ボンディングワイヤ7aによる接続を行った後、複数の接続端子25bの他の一部(ボンディングワイヤ7c2を接続すべき接続端子25b)および複数の接続端子25c(ボンディングワイヤ7c4,7c6を接続すべき接続端子25c)と、それらに対応する電極15(ここでは電極15b)とを、それぞれボンディングワイヤ7b(ボンディングワイヤ7c1,7c3,7c5)で接続する工程を行う。先にループ高さが低いボンディングワイヤ7aを全て形成した後で、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bを形成することで、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aが邪魔になることなく、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bを的確に形成することができる。
【0131】
また、本実施の形態では、配線基板2の上面2aにおいて、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に接続端子25(25a,25b,25c)が配列しているが、図3〜図7にも示されるように、それら3列に配列した接続端子25と半導体チップ5の辺5bとの間に、接続端子23および半導体チップ3の電極13が配置されている。
【0132】
すなわち、半導体チップ3の表面において、半導体チップ5の辺5bに対応する半導体チップ3の辺3b(半導体チップ5の辺5bと半導体チップ3の辺3bとは略平行である)に沿って複数の電極13が配置され、半導体チップ3の表面の電極13が配置された領域(辺3b近傍領域)は半導体チップ4,5に覆われていない。そして、配線基板2の上面2aにおいて、半導体チップ3(の辺3b)と接続端子25との間の領域で、辺5bに沿って(すなわち辺3bにも沿って)複数の接続端子23が配置(好ましくは2列に千鳥配列で配置)されている。そして、半導体チップ3の辺3bに沿って配置された複数の電極13と、半導体チップ3の辺3bに沿って(すなわち半導体チップ5の辺5bにも沿って)配置された複数の接続端子23とが、複数のボンディングワイヤ6を介して電気的に接続されている。それら複数のボンディングワイヤ6の上方を、複数のボンディングワイヤ7a,7bが通過(延在)している。
【0133】
図21は、本実施の形態の半導体装置1の他の要部断面図であり、上記図3〜図6にほぼ対応する断面図であるが、接続端子25(図21では接続端子25b)と接続端子23とをビアホール29および配線基板2内部の配線層(導体層28)を介して電気的に接続した状態が示されている。
【0134】
上述したように、半導体チップ5は、半導体チップ3,4を制御するため制御用チップ(マイコン)であり、半導体チップ3,4(のメモリ)を制御するための制御回路を内蔵している。このため、半導体チップ5の複数の電極15のうち、いくつかは半導体チップ3,4の電極13,14と電気的に接続する必要がある。
【0135】
半導体チップ5の電極15を半導体チップ3,4の電極13,14と電気的に接続するためには、図21にも示されるように、接続端子25(図21の場合は接続端子25b)と接続端子23,24(図21の場合は接続端子23)との間を、配線基板2の上面2aの導体パターン22、配線基板2に形成されたビアホール29および配線基板2内部の配線層(導体層28)を介して、互いに電気的に接続すればよい。そうすれば、半導体チップ5の電極15を、ボンディングワイヤ7、接続端子25、導体パターン22、ビアホール29、配線基板2内部の配線層(導体層28)、ビアホール29、導体パターン22、接続端子23,24、およびボンディングワイヤ6を介して半導体チップ3,4の電極13,14に電気的に接続することができる。なお、ビアホール29の内部には導体膜が形成されており、ビアホール29と呼ぶときには、この導体膜も含むものとする。
【0136】
ここで、接続端子15と接続端子23,24との間を電気的に接続するのに、接続端子25と接続端子23,24との間の距離が短いほうが、両者を接続しやすい。本実施の形態では、配線基板2の上面2aにおいて、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に接続端子25(25a,25b,25c)が配列し、それら3列に配列した接続端子25(25a,25b,25c)と半導体チップ3との間に、複数の接続端子23を半導体チップ3の辺3bに沿って(すなわち半導体チップ5の辺5bにも沿って)配置している。このため、接続端子25と接続端子13との間の距離を短くすることができるので、接続端子25と接続端子23との間を、配線基板2の上面2aの導体パターン22、配線基板2に形成されたビアホール29および配線基板2内部の配線層(導体層28)を介して、容易かつ的確に接続することができる。
【0137】
また、半導体チップ5の電極15と半導体チップ4の電極14とを電気的に接続するには、半導体チップ5d,5e側で接続端子25と接続端子24との間を、配線基板2の上面2aの導体パターン22、配線基板2に形成されたビアホール29および配線基板2内部の配線層(導体層28)を介して電気的に接続すればよい。
【0138】
また、本実施の形態では、配線基板2の上面2a上に、半導体チップ5以外の半導体チップ(ここでは半導体チップ3,4)を介して半導体チップ5を搭載した場合、すなわち、配線基板2上に複数の半導体チップ3,4,5を積み重ねた場合について説明したが、これに限定されず、半導体チップ3,4を省略し、半導体チップ5を配線基板2の上面2a上に、間に他の半導体チップを介在せずに搭載することもできる。また、半導体チップ3,4の一方の形成を省略し、配線基板2上に一つの半導体チップ(半導体チップ3または半導体チップ4)を搭載し、その半導体チップ上に半導体チップ5を搭載することもできる。但し、本実施の形態のように、配線基板2上に複数の半導体チップ3,4,5を積み重ねて構成した半導体装置では、積み重ねた半導体チップの分だけ半導体装置の厚みが厚くなるため、封止樹脂の厚膜化の影響は大きい。本実施の形態では、半導体チップ5の電極15と配線基板21の接続端子25a,25b,25cとを接続するのにループ高さが異なる2種類のボンディングワイヤ7a,7bを用いているので、ループ高さが異なる3種類のボンディングワイヤを用いた場合に比べて、封止樹脂8を薄くすることができる。このため、配線基板2上に複数の半導体チップ3,4,5を積み重ねた場合に本実施の形態を適用すれば、その効果は極めて大きい。このことは、以下の実施の形態2,3についても同様である。
【0139】
(実施の形態2)
図22〜図24は、本発明の他の実施の形態の半導体装置の要部平面図であり、図25は、その要部断面図である。なお、図22〜図24は上記実施の形態1の図18〜図20にそれぞれ対応するものであり、図25は上記実施の形態1の図6に対応するものである。
【0140】
すなわち、上記図18〜図20と同様に、図22〜図24は、封止樹脂8を透視したときの半導体装置の内部構造が示されている。但し、上記図20と同様に、図24には、半導体チップ5、半導体チップ2の電極15、配線基板2の接続端子25、および半導体チップ2の電極15と配線基板2の接続端子25との間を接続するボンディングワイヤ7が図示されているが、理解を簡単にするために、半導体チップ3、半導体チップ3の電極13、配線基板2の接続端子23、および電極13と接続端子23との間を接続するボンディングワイヤ6の図示は省略してある。また、図23は、図24から、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bの図示を省略した図であり、図22は、図23から、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aの図示を更に省略した図である。また、図25は、半導体チップ5の電極15と配線基板2の接続端子25cとを接続するループ高さが高いボンディングワイヤ7bを実線で示し、半導体チップ5の電極15と配線基板2の接続端子25bとを接続するループ高さが低いボンディングワイヤ7aを点線で示してある。
【0141】
上記実施の形態1では、上記図18〜図20に示されるように、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列された複数の接続端子25(25a,25b,25c)にボンディングワイヤ7を介して接続される半導体チップ5の複数の電極15は、半導体チップ5の表面5aにおいて、半導体チップ5の辺5bの近傍で半導体チップ5の辺5bに沿って2列に千鳥配列で配置されていた。
【0142】
それに対して、本実施の形態では、図22〜図24に示されるように、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列された複数の接続端子25(25a,25b,25c)にボンディングワイヤ7を介して接続される半導体チップ5の複数の電極15は、半導体チップ5の表面5aにおいて、半導体チップ5の辺5bの近傍で半導体チップ5の辺5bに沿って1列に配置されている。そして、半導体チップ5の辺5bに沿って1列に配置された複数の電極15には、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aとループ高さが高いボンディングワイヤ7bとが交互に接続されるが、電極15とボンディングワイヤ7a,7bとの接続位置を、ボンディングワイヤ7aとボンディングワイヤ7bとで変えている。
【0143】
すなわち、図24および図25にも示されるように、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aを接続する際には、辺5bに沿った各電極15において、辺5bに近い位置でボンディングワイヤ7aを接続し、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bを接続する際には、辺bに沿った各電極15において、辺5bから遠い位置でボンディングワイヤ7bを接続する。
【0144】
これにより、半導体チップ5の辺5bに沿って1列に配置された複数の電極15において、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aと複数の電極15との接続位置に比べて、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bと複数の電極15との接続位置は、半導体チップ5の辺5bから遠い位置となっている。すなわち、半導体チップ5の辺5aに沿って配置された複数の電極15において、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aの接続位置同士は、半導体チップ5の辺5bからの距離D1がほぼ同じであり、また、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bの接続位置同士は、半導体チップ5の辺5bからの距離D2がほぼ同じであるが、距離D2は距離D1よりも大きい(D2>D1)という関係にある。
【0145】
また、本実施の形態では、辺5bに沿って配置された電極15を長方形状形とし、辺5bに略平行な方向での電極15の寸法よりも、辺5bに略直交する方向での電極15の寸法を大きくすることが好ましい。これにより、電極15におけるボンディングワイヤ7aの接続位置とボンディングワイヤ7bの接続位置とを変えることが容易となる。
【0146】
また、半導体チップ5の辺5bに沿って1列に配置された複数の電極15は、上記ボンディングワイヤ7c1〜7c6にそれぞれ接続された6つの電極15が順に繰り返し配列している。上述のように、ボンディングワイヤ7c1〜7c6のうち、ボンディングワイヤ7c1,7c3,7c5は、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aからなり、ボンディングワイヤ7c2,7c4,7c6は、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bからなる。このため、ループ高さが低いボンディングワイヤ7c1,7c3,7c5と電極15との接続位置に比べて、ループ高さが高いボンディングワイヤ7c2,7c4,7c6と電極15との接続位置は、半導体チップ5の辺5bから遠い位置となる。
【0147】
本実施の形態の半導体装置の他の構成は、上記実施の形態1の半導体装置1と同様であるので、ここではその説明は省略する。
【0148】
本実施の形態では、半導体チップ5の辺5bに沿って配置された複数の電極15において、ループ高さが低いボンディングワイヤ7bと電極15との接続位置に比べて、ループ高さが高いボンディングワイヤ7bと電極15との接続位置を、半導体チップ5の辺5bから遠い位置にしている(すなわちD2>D1)。このため、隣り合うボンディングワイヤ7同士(すなわちボンディングワイヤ7aとボンディングワイヤ7b)の間隔または距離を相対的に長くすることができ、また、隣り合うボンディングワイヤ同士(すなわちボンディングワイヤ7aとボンディングワイヤ7b)の平行度を低下させることができる。これにより、ボンディングワイヤ7同士が接触したり干渉したりするのを的確に防止することができる。従って、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0149】
(実施の形態3)
図26および図27は、本発明の更に他の実施の形態の半導体装置の要部平面図であり、図28は、その要部断面図である。なお、図26および図27は上記実施の形態1の図18および図20にそれぞれ対応するものである。また、図26のC−C線における半導体装置の断面が、図28にほぼ対応する。
【0150】
このため、上記図18および図20と同様に、図26および図27は、封止樹脂8を透視したときの半導体装置の内部構造が示されている。但し、上記図20と同様に、図27には、半導体チップ5、半導体チップ2の電極15、配線基板2の接続端子25、および半導体チップ2の電極15と配線基板2の接続端子25との間を接続するボンディングワイヤ7が図示されているが、理解を簡単にするために、半導体チップ3、半導体チップ3の電極13、配線基板2の接続端子23、および電極13と接続端子23との間を接続するボンディングワイヤ6の図示は省略してある。また、図26は、図27から、ループ高さが低いボンディングワイヤ7aおよびループ高さが高いボンディングワイヤ7bの図示を更に省略した図であるが、接続端子25に接続されためっき線41も図示している。なお、図27には接続端子25とめっき線41を図示しているが、実際には、接続端子23,24,25はソルダレジスト層27に覆われずに露出されてボンディングワイヤ6,7と接続可能となっているが、めっき線41はソルダレジスト層27に覆われている。また、上記実施の形態1および実施の形態2ではめっき線41に相当するものは、図示を省略している。
【0151】
本実施の形態では、配線基板2の上面2aにおいて半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列させた接続端子25のうち、半導体チップ5に最も近い1列目に属する接続端子25aを、グランド電位(GND電位、接地電位)または電源電位に接続する接続端子(すなわちグランド電位または電源電位供給用の接続端子)としている。このため、図28に示されるように、1列目に属する接続端子25aのうち、グランド電位に接続する接続端子25a同士が、配線基板2の上面2aの導体パターン22、配線基板2に形成されたビアホール29および配線基板2内部の導体層28(ここではグランド用の大面積の導体層28a)を介して、互いに電気的に接続されている。また、1列目に属する接続端子25aのうち、電源電位に接続する接続端子25a同士も、配線基板2の上面2aの導体パターン22、配線基板2に形成されたビアホール29および配線基板2内部の配線層(導体層28)を介して、互いに電気的に接続されている。
【0152】
接続端子23,24,25(導体パターン22)をめっき法で形成した場合には、接続端子23,24,25は、無電解めっき層(例えば無電解銅めっき層)および電解めっき層(例えば電解銅めっき層)の積層膜により形成される。この場合、電解めっき時の給電用のめっき配線(給電線)41が、配線基板2において、接続端子23,24,25(導体パターン22)と同層に形成される。
【0153】
図26に示されるように、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列した接続端子25のうち、2列目と3列目の接続端子25b,25cには、めっき配線41が接続されており、このめっき配線41を介して所定の電位(電力)を供給して、接続端子25b,25cの電解めっき層を形成している。
【0154】
一方、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列した接続端子25のうち、1列目の接続端子25aは、グランド電位または電源電位に接続する接続端子としており、1列目の接続端子25aの全部にめっき配線41を接続する必要はない。1列目の接続端子25aのうちのグランド電位に接続する接続端子の少なくとも1つにめっき配線41を接続し、1列目の接続端子25aのうちの電源電位に接続する接続端子の少なくとも1つにめっき配線41を接続しておけばよい。すなわち、1列目の接続端子25aのうちのグランド電位に接続する接続端子の少なくとも1つにめっき配線41を介して電解めっき用の電力を供給し、また、1列目の接続端子25aのうちの電源電位に接続する接続端子の少なくとも1つにめっき配線41を介して電解めっき用の電力を供給すれば、他の接続端子25aにもビアホール29および配線基板2内部の導体層28a,28を介して電解めっき用の電力を供給できる。このため、めっき配線41が接続されていない接続端子25aにも電解めっき層を形成できるのである。
【0155】
めっき配線41は、半導体装置1製造用の配線基板21の上面21aにおいて、上記ステップ10の切断工程で切断する切断ライン上に配線しためっき配線から枝分かれしているため、接続端子25から配線基板2の上面2aの辺(端部)2cに至るまで延在させる必要がある。このため、1列目に属する接続端子25aにめっき配線41を接続した場合は、このめっき配線41を2列目および3列目の接続端子25b,25cの間を通って配線基板2の端部にまで引き出すことになるので、2列目および3列目の接続端子25b,25cの配列ピッチを小さくするには限界がある。
【0156】
それに対して、本実施の形態では、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列させた接続端子25(接続端子25a,25b,25c)のうち、半導体チップ5に最も近い1列目に属する接続端子25aを、グランド電位または電源電位に接続する接続端子としたことで、接続端子25aにめっき配線41を接続しなくともよくなる。このため、接続端子25aに接続した配線41を2列目および3列目の接続端子25b,25cの間を通って配線基板2の辺2cまで引き出さなくともよくなるので、2列目および3列目の接続端子25b,25cの配列ピッチをより小さくすることが可能になる。このため、半導体チップ5の辺5bに沿って配置した接続端子25の配置密度をより高めることができる。これにより、半導体チップ5の辺5bに沿って3列に配列された接続端子25の数およびその接続端子25に接続されるボンディングワイヤ7の数をより多くすることができ、半導体装置1を更に多端子化することができる。また、端子数が同じであれば、配線基板2の平面寸法を縮小することができるので、半導体装置1を更に小型化することができる。
【0157】
本実施の形態の半導体装置の他の構成は、上記実施の形態1の半導体装置1と同様であるので、ここではその説明は省略する。また、本実施の形態を上記実施の形態2と組み合わせることもできる。
【0158】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明は、配線基板に半導体チップを搭載してワイヤボンディングした半導体装置およびその製造方法に適用して有効である。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体装置の断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態である半導体装置の断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態である半導体装置の要部断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態である半導体装置の要部断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態である半導体装置の要部断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態である半導体装置の要部断面図である。
【図7】本発明の一実施の形態である半導体装置の平面図である。
【図8】本発明の一実施の形態である半導体装置の平面図である。
【図9】本発明の一実施の形態である半導体装置の平面図である。
【図10】本発明の一実施の形態の半導体装置の製造工程を示す製造プロセスフロー図である。
【図11】本発明の一実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図13】図12に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図14】図13に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図15】図14に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図16】図15に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図17】図16に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図18】本発明の一実施の形態である半導体装置の要部平面図である。
【図19】本発明の一実施の形態である半導体装置の要部平面図である。
【図20】本発明の一実施の形態である半導体装置の要部平面図である。
【図21】本発明の一実施の形態の半導体装置の要部断面図である。
【図22】本発明の他の実施の形態である半導体装置の要部平面図である。
【図23】本発明の他の実施の形態である半導体装置の要部平面図である。
【図24】本発明の他の実施の形態である半導体装置の要部平面図である。
【図25】本発明の他の実施の形態である半導体装置の要部断面図である。
【図26】本発明の他の実施の形態である半導体装置の要部平面図である。
【図27】本発明の他の実施の形態である半導体装置の要部平面図である。
【図28】本発明の他の実施の形態である半導体装置の要部断面図である。
【符号の説明】
【0161】
1 半導体装置
2 配線基板
2a 上面
2b 下面
3,4,5 半導体チップ
5a 表面
5b,5c,5d,5e 辺
6,7,7a,7b,7c1〜7c6 ボンディングワイヤ
8 封止樹脂
9 半田ボール
10,11,12 接着材
13,14,15,15a,15b 電極
21 絶縁体層
22 導体パターン
23,24,25,25a,25b,25c 接続端子
26 端子
27 ソルダレジスト層
28 導体層
31 配線基板
32 半導体装置領域
33 封止体
41 めっき線
D1,D2 距離
h1,h2 ループ高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面を有する配線基板と、
前記配線基板の前記第1主面上に搭載され、かつ第2主面を有する第1半導体チップと、
前記第1半導体チップの前記第2主面上に形成され、かつ前記第2主面の第1の辺に沿って配置された複数の電極と、
前記配線基板の前記第1の主面上に形成され、かつ前記半導体チップの前記第1の辺に沿って3列に配置された複数の端子と、
前記第1半導体チップの前記複数の電極と前記配線基板の前記複数の端子とをそれぞれ接続する複数のボンディングワイヤと、
前記配線基板の前記第1主面上に形成され、前記第1半導体チップおよび前記複数のボンディングワイヤを封止する封止樹脂と、
を有し、
前記配線基板の前記複数の端子は、前記3列のうち前記半導体チップの前記第1の辺に近い第1の列に属する複数の第1端子と、前記3列のうち前記半導体チップの前記第1の辺から前記第1の列よりも離れた第2の列に属する複数の第2端子と、前記3列のうち前記半導体チップの前記第1の辺から前記第2の列よりも離れた第3の列に属する複数の第3端子とからなり、
前記複数のボンディングワイヤは、第1のループ高さを有する第1ボンディングワイヤと、前記第1のループ高さよりも高い第2のループ高さを有する第2ボンディングワイヤとを有し、
前記複数の第1端子には前記第1ボンディングワイヤが接続され、
前記複数の第3端子には前記第2ボンディングワイヤが接続され、
前記複数の第2端子には前記第1ボンディングワイヤまたは前記第2ボンディングワイヤが接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記複数のボンディングワイヤにおいて、前記第2端子に接続された前記第1ボンディングワイヤの両隣には前記第2ボンディングワイヤが配置され、
前記第2端子に接続された前記第2ボンディングワイヤの両隣には前記第1ボンディングワイヤが配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置において、
前記複数のボンディングワイヤにおいて、前記第2端子に接続された前記第1ボンディングワイヤの両隣には、前記第3端子に接続された前記第2ボンディングワイヤが配置され、
前記第2端子に接続された前記第2ボンディングワイヤの両隣には、前記第1端子に接続された前記第1ボンディングワイヤが配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置において、
前記複数のボンディングワイヤは、前記第1のボンディングワイヤと第2のボンディングワイヤとが交互に配列していることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項4記載の半導体装置において、
前記配線基板の前記第1主面において、前記複数の第1端子と前記複数の第2端子と前記複数の第3端子とは、前記ボンディングワイヤの延在方向に互いに重ならないようにずれて配列していることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項5記載の半導体装置において、
前記複数のボンディングワイヤは、
前記第1端子とそれに対応する前記電極とを接続する前記第1ボンディングワイヤと、
前記第2端子とそれに対応する前記電極とを接続する前記第2ボンディングワイヤと、
前記第1端子とそれに対応する前記電極とを接続する前記第1ボンディングワイヤと、
前記第3端子とそれに対応する前記電極とを接続する前記第2ボンディングワイヤと、
前記第2端子とそれに対応する前記電極とを接続する前記第1ボンディングワイヤと、
前記第3端子とそれに対応する前記電極とを接続する前記第2ボンディングワイヤとが順に配列していることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1記載の半導体装置において、
前記複数の電極は、前記第1半導体チップの前記第2主面上に、前記第1の辺に沿って2列に配置され、
前記複数の電極は、前記2列のうち前記第1の辺に近い第4の列に属する複数の第1電極と、前記2列のうち前記第1の辺から前記第4の列よりも離れた第5の列に属する複数の第2電極とからなり、
前記複数の第1電極には前記第1ボンディングワイヤが接続され、
前記複数の第2電極には前記第2ボンディングワイヤが接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項7記載の半導体装置において、
前記第1半導体チップの前記第2主面において、前記複数の第2電極は、それぞれ前記複数の第1電極の配列の間に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1記載の半導体装置において、
前記複数の電極は、前記第1半導体チップの前記第2主面上に、前記第1の辺に沿って1列に配置され、
前記第1ボンディングワイヤと前記複数の電極との接続位置に比べて、前記第2ボンディングワイヤと前記複数の電極との接続位置は、前記半導体チップの前記第1の辺から遠い位置であることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1記載の半導体装置において、
前記複数の第1端子は、グランド電位または電源電位に接続する端子であることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項10記載の半導体装置において、
前記配線基板は多層配線基板であり、
前記複数の第1端子は、前記配線基板の内部の配線層を介して互いに電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1半導体チップが、前記配線基板の前記第1主面上に第2半導体チップを介在して搭載されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項12記載の半導体装置において、
前記第2半導体チップはメモリチップであり、
前記第1半導体チップは、前記第2半導体チップの制御用チップであることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項1記載の半導体装置において、
前記配線基板の前記第1主面上に前記第2半導体チップが搭載され、
前記第2半導体チップ上に第3半導体チップが搭載され、
前記第3半導体チップ上に前記第1半導体チップが搭載され、
前記封止樹脂は、前記配線基板の前記第1主面上に前記第1、第2および第3半導体チップと前記複数のボンディングワイヤとを封止するように形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
請求項14記載の半導体装置において、
前記第2半導体チップおよび前記第3半導体チップはメモリチップであり、
前記第1半導体チップは、前記第2半導体チップおよび前記第3半導体チップの制御用チップであることを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
(a)第1の主面を有する配線基板と、第2の主面を有する第1半導体チップとを準備する工程、
(b)前記第1半導体チップを前記配線基板の前記第1主面上に搭載する工程、
(c)前記第1半導体チップの前記第2主面上に前記第2主面の第1の辺に沿って配置された複数の電極と、前記配線基板の前記第1の主面上に前記半導体チップの前記第1の辺に沿って3列に配置された複数の端子とを、複数のボンディングワイヤで接続する工程、
(d)前記配線基板の前記第1主面上に前記第1半導体チップおよび前記複数のボンディングワイヤを覆うように封止樹脂を形成する工程、
を有し、
前記配線基板の前記複数の端子は、前記3列のうち前記半導体チップの前記第1の辺に近い第1の列に属する複数の第1端子と、前記3列のうち前記半導体チップの前記第1の辺から前記第1の列よりも離れた第2の列に属する複数の第2端子と、前記3列のうち前記半導体チップの前記第1の辺から前記第2の列よりも離れた第3の列に属する複数の第3端子とからなり、
前記複数のボンディングワイヤは、第1のループ高さを有する第1ボンディングワイヤと、前記第1のループ高さよりも高い第2のループ高さを有する第2ボンディングワイヤとを有し、
前記(c)工程では、前記複数の第1端子には前記第1ボンディングワイヤが接続され、前記複数の第2端子には前記第1ボンディングワイヤまたは前記第2ボンディングワイヤが接続され、前記複数の第3端子には前記第2ボンディングワイヤが接続されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項16記載の半導体装置の製造方法において、
前記(c)工程は、
(c1)前記複数の第2端子の一部および前記複数の第1端子と、それらに対応する前記電極とを、それぞれ前記第1ボンディングワイヤで接続する工程、
(c2)前記(c1)工程の後、前記複数の第2端子の他の一部および前記複数の第3端子と、それらに対応する前記電極とを、それぞれ前記第2ボンディングワイヤで接続する工程、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項17記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程前に、
(b1)前記配線基板の前記第1主面上に第2半導体チップを搭載する工程、
(b2)前記配線基板上に搭載された前記第2半導体チップ上に第3半導体チップを搭載する工程、
(b3)前記第2半導体チップの主面上に配置された複数の第3電極と前記配線基板の前記第1の主面上に配置された複数の第4端子との間、および前記第3半導体チップの主面上に配置された複数の第4電極と前記配線基板の前記第1の主面上に配置された複数の第5端子との間を、複数の第3ボンディングワイヤで接続する工程、
を更に有し、
前記(b)工程では、前記第3半導体チップ上に前記第1半導体チップを搭載することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−152262(P2009−152262A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−326740(P2007−326740)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】