説明

半導体装置の製造方法

【課題】従来の半導体装置の製造方法では、製造工程上にのみ用いる粘着シートを用いていたため、製造コストを低減し難いという問題があった。
【解決手段】本発明の半導体装置の製造方法では、リードフレーム2の裏面に樹脂シート1を貼り合せた後、ダイボンディング工程、ワイヤーボンディング工程、樹脂モールド工程、樹脂パッケージの個片化工程を行う。そして、樹脂シート1は、樹脂モールドされた樹脂と一体化し、樹脂パッケージの一部として用いられる。この製造方法により、樹脂シート1は破棄されることはなく、製造コストが低減され、また、樹脂パッケージの薄型化も実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂シートをパッケージの一部として用い、パッケージの薄型化や小型化を実現する半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体装置の製造方法一実施例として、下記の製造方法が知られている。
【0003】
図7(A)に示す如く、電気的絶縁性を有するベースフィルム31上に剥離可能に金属層32が設けられた転写フィルム33を準備し、例えば、エッチングにより、その金属層32をパターニングし、ダイボンド部34と回路パターン35を形成する。
【0004】
図7(B)に示す如く、ダイボンド部34に金メッキ等を施し、ダイボンド部34に半導体チップ36を接合した後、半導体チップ36と回路パターン35とをボンディングワイヤー37にて電気的に接続する。尚、所望の回路パターン35には、適宜、回路部品38を接合する。
【0005】
図7(C)に示す如く、金属層32が配置されたベースフィルム31の片面側を樹脂により封止し、半導体チップ36、ボンディングワイヤー37、回路パターン35等を一体に被覆する封止樹脂39を形成する。
【0006】
図7(D)に示す如く、封止樹脂39からベースフィルム31を剥離することで、半導体装置40が完成する。そして、半導体装置40は、封止樹脂39の裏面側からダイボンド部34及び回路パターン35が露出した状態にて、電子機器等に実装して用いられる。
【0007】
一方、図7(E)に示す如く、封止樹脂39の裏面側に保護コーティング41を施し、回路パターン35の一部のみが保護コーティング41から露出し、その露出領域を外部接続用の端子部42として用いる場合でも良い(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
また、前述した半導体装置の製造方法と同様に、ベースフィルム上に剥離可能に金属層が設けられた転写フィルムを用いた製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平3−99456号公報(第5−7頁、第1−3図)
【特許文献2】特開平3−94460号公報(第5−7頁、第1−3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述した半導体装置の製造方法では、図7(D)に示す如く、半導体装置40の小型化や薄型化を実現するため、転写フィルム33を用い、封止樹脂39を形成した後に、ベースフィルム31を封止樹脂39から剥離することで、半導体装置40の薄型化を実現している。この製造方法により、ベースフィルム31は、製造工程上において用いられるのみであり、材料コストを低減し難いという問題がある。
【0011】
更に、前述した製造方法により形成される半導体装置40は、封止樹脂39の裏面側からダイパッド部34及び回路パターン35が露出した状態にて、電子機器等に実装されるため、ダイパッド部34等の絶縁性が得られないため、基板設計上の制約が発生するという問題がある。
【0012】
更に、ダイパッド部34等が封止樹脂39から露出しているため耐湿性も確保し難く、製品信頼性も得られ難いという問題がある。また、ダイパッド部34等が封止樹脂39から露出するため、封止樹脂39とダイパッド部34等との密着領域が少なく、密着性が悪い構造となる。そして、半導体チップ36等から発生する熱により、半導体装置40が、熱膨張と熱収縮とを繰り返すことで、ダイパッド部34等が封止樹脂39から抜け落ち易くなるという問題もある。
【0013】
一方、前述した封止樹脂39裏面側の絶縁性や耐湿性等の製品信頼性の問題を解決するために、図7(E)に示す如く、封止樹脂39の裏面側に保護コーティング41を形成し、対処することも可能である。
【0014】
しかしながら、封止樹脂39の裏面側では、封止樹脂39、ダイパッド部34(回路パターン35)及び保護コーティング41を構成する材料の熱膨張係数がそれぞれ異なるため、前述した熱膨張と熱収縮との繰り返しにより、それぞれの境界領域から剥離し易く、耐湿性等の製品信頼性が得られ難いという問題がある。そして、保護コーティング41でなく、封止樹脂39によりダイパッド部34等を完全に被覆することで、前述した問題を解決することも可能である。この場合、半導体装置40の薄膜化を実現するためには、ダイパッド部34等の裏面側の樹脂厚みを薄くする必要があり、その裏面側への樹脂注入が難しく、未充填領域が発生し易くなるという新たな問題が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述した各事情に鑑みて成されたものであり、本発明の半導体装置の製造方法は、樹脂シート上にリードフレームを貼り合わせ、前記リードフレームのアイランド上面に半導体素子を固着し、前記半導体素子と前記アイランドの周囲に配置された前記リードフレームのリードとを電気的に接続する工程と、前記リードフレームを樹脂封止金型内に配置し、前記アイランド、前記リード及び前記半導体素子を被覆するように、前記樹脂封止金型内に樹脂を注入し、少なくとも前記樹脂と前記樹脂シートの一部とが一体となる樹脂パッケージを形成する工程と、前記リードの一部が露出するように前記樹脂シートの一部を除去した後、前記樹脂シートを貼り合せた状態にて前記樹脂パッケージを前記リードフレームから切断する工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、リードフレームに貼り合わされた樹脂シートが、樹脂パッケージの一部として用いられることで、製造コストが低減される。
【0017】
また、本発明では、樹脂シートがアイランド等の裏面側を被覆することで、未充填領域の発生を防止し、樹脂パッケージの薄型化が実現される。
【0018】
また、本発明では、樹脂系の除去に優れるCOレーザーを用いることで、リードへのダメージを大幅に低減できる。
【0019】
また、本発明では、樹脂シートと樹脂モールドされた樹脂とが一体化し、その組成も近似することで、熱応力により重合領域での剥離が発生し難く、耐湿性が向上される。
【0020】
また、本発明では、樹脂シートを用いることで、アイランド等と樹脂パッケージとの密着領域が増大し、アイランド等が樹脂パッケージから抜け落ちることが防止される。
【0021】
また、本発明では、樹脂シートを除去した後に、露出するリードにメッキ層を形成することで、実装領域の目視確認も可能となり、実装信頼性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明するための(A)平面図、(B)断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明するための(A)断面図、(B)断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明するための(A)平面図、(B)断面図である。
【図5】本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明するための(A)平面図、(B)断面図である。
【図6】本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明するための(A)斜視図、(B)断面図、(C)断面図である。
【図7】従来の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明するための(A)断面図、(B)断面図、(C)断面図、(D)断面図、(E)断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の半導体装置の製造方法について説明する。図1(A)及び(B)は、樹脂シート上にリードフレームを貼り合わせる工程を説明する図である。図2(A)は、リードフレーム上に半導体素子を固着する工程を説明する図である。図2(B)は、半導体素子とリードフレームとを金属細線にて接続する工程を説明する図である。図3、図4(A)及び(B)は、樹脂モールド工程を説明する図である。図5は、樹脂シートをレーザー除去する工程を説明する図である。図6(A)〜(C)は、樹脂パッケージをリードフレームから個片化する工程及びその樹脂パッケージを説明する図である。
【0024】
先ず、図1(A)に示す如く、樹脂シート1及びリードフレーム2を準備する。樹脂シート1は、リードフレーム2から樹脂パッケージを個片化した後も樹脂パッケージの一部としても用いられるため、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から構成される。そして、樹脂シート1の厚みは、例えば、30μmである。尚、樹脂シート1には、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)等の無機フィラーが含有される場合でも良く、この場合には、樹脂シート1からの放熱性が向上される。
【0025】
次に、リードフレーム2は、例えば、銅を主材料とするものが用いられるが、Feを主材料とする場合でも良く、リードフレーム2の厚みは、例えば、200μmである。そして、リードフレーム2には、一点鎖線で示すように、複数の搭載部3が形成され、搭載部3は、例えば、リードフレーム2の長手方向(紙面X軸方向)へと複数配置される。図示したように、搭載部3は、主に、アイランド4と、アイランド4の周囲に配置された複数のリード5と、アイランド4を支持する吊りリード6とから構成される。リード5が、リードフレーム2の枠体7、8と連結することで、リード5はリードフレーム2に支持される。同様に、吊りリード6が、リードフレーム2の枠体7、8と連結することで、アイランド4はリードフレーム2に支持される。尚、リードフレーム2の長手方向には、その上下端部領域にインデックス孔9が設けられ、各工程での位置決めに用いられる。
【0026】
次に、図1(B)に示す如く、樹脂シート1上面にリードフレーム2を貼り合わせる。図1(B)は、図1(A)のA−A線方向の断面図である。尚、樹脂シート1上面にリードフレーム2を貼り合せた状態のものを準備する場合でも良い。
【0027】
前述したように、樹脂シート1は、エポキシ樹脂等により構成され、半硬化(Bステージ)状態である。そして、樹脂シート1をリードフレーム2形状に切断し、樹脂シート1上面にリードフレーム2を位置合わせして配置した後、リードフレーム2上からローラー等を用いて押圧することで、リードフレーム2は、樹脂シート1上面に貼り合わされる。この貼り合わせ状態では、樹脂シート1とリードフレーム2とは仮固定の状態であり、樹脂モールド工程にて樹脂シート1の一部が溶融し、両者は密着して固定される。また、樹脂シート1は、半硬化状態のため、加工性に優れ、切断時にクッラク等は入り難いが、仮に、クラック等が入った場合でも、樹脂モールド工程時に軟化再溶融することで、クラック等が、樹脂パッケージに残存することが防止される。
【0028】
次に、図2(A)に示す如く、樹脂シート1が貼り合わされたリードフレーム2を、例えば、加熱機構が組み込まれたダイボンド装置の載置台(図示せず)上に配置する。そして、載置台上にて搭載部3(図1(A)参照)毎にクランパー(図示せず)にて固定し、アイランド4上に接着材10を用いて半導体素子11を固着する。
【0029】
次に、図2(B)に示す如く、樹脂シート1が貼り合わされ、半導体素子11が固着されたリードフレーム2をワイヤーボンディング装置の載置台(図示せず)上に配置する。そして、半導体素子11の電極パッド(図示せず)とリード5とを金属細線12にて電気的に接続する。
【0030】
次に、図3に示す如く、樹脂封止金型13内に樹脂シート1が貼り合わされたリードフレーム2を配置し、樹脂封止金型13のキャビティ14内へ樹脂を注入し、樹脂パッケージを形成する。
【0031】
具体的には、下金型15の上面に樹脂シート1が当接するように、樹脂封止金型13内にリードフレーム2を配置する。そして、リードフレーム2の各搭載部3は個別に樹脂モールドされるため、各搭載部3間に位置する樹脂シート1及びリードフレーム2を上金型16及び下金型15により挟持する。ここで、樹脂シート1は、リードフレーム2よりも少し小さい形状に切断され、複数の搭載部3の配置領域を囲むように配置されたリードフレーム2の枠体7には、樹脂シート1が貼り合わされていない領域がある。そして、樹脂封止金型13は、この樹脂シート1が貼り合わされていない領域を上金型16及び下金型15により挟持することで、リードフレーム2全体をしっかりと固定することができる。前述したように、樹脂シート1は、半硬化状態であり、樹脂モールド時の高温状態によりその一部が再溶融するからである。
【0032】
そして、樹脂封止金型13にはヒータ機構(図示せず)が装備され、樹脂封止金型13は、そのヒータ機構により、少なくとも樹脂シート1の一部が溶融して加熱硬化する温度(例えば170℃以上)まで加熱される。そして、キャビティ14内に樹脂シート1及びリードフレーム2を位置固定した後、樹脂封止金型13を加熱することで、時間の経過と共に樹脂シート1の一部は溶融して軟化する。この状態にて、トランスファーモールドにより、キャビティ14内にエポキシ樹脂等、樹脂シート1を構成する樹脂と同じ熱硬化性樹脂、あるいは、組成の近い熱硬化性樹脂を注入する。
【0033】
この製造方法により、図4(A)及び(B)に示す如く、リードフレーム2には、搭載部3毎に樹脂パッケージ17が形成される。そして、キャビティ14内に注入された熱硬化性樹脂は、アイランド4等のリードフレーム2の表面側を被覆しつつ、アイランド4とリード5間等のリードフレーム2のパターン間の隙間も充填する。そして、熱硬化性樹脂と樹脂シート1とは、そのパターン間の隙間にて重合しながら硬化することで、両樹脂の一体化が高められ、この重合領域での耐湿性が確保される。尚、図4(B)は、図4(A)のB−B線方向の断面図である。
【0034】
また、アイランド4やリード5、吊りリード6の裏面には、予め、樹脂シート1が配置されることで、アイランド4やリード5、吊りリード6の裏面側に樹脂を廻り込ませる必要がなく、樹脂パッケージ17での未充填領域の発生を防止できる。そして、樹脂パッケージ17のアイランド4等の裏面側の厚みは、樹脂シート1の厚みとなることで、樹脂パッケージ17の薄型化が実現される。また、樹脂シート1により樹脂パッケージ17裏面の絶縁性も実現されることで、基板設計上の自由度が向上される。
【0035】
次に、図5(A)に示す如く、樹脂シート1の一部をレーザー除去し、樹脂シート1の除去領域から、外部端子として用いるリード5及び吊りリード6の一部を露出させる。尚、樹脂シート1は、砂状のハッチングにて示す。
【0036】
前述したように、リードフレーム2の搭載部3の裏面側には、その全面に樹脂シート1が貼り合わされているため、樹脂パッケージ17の裏面側には、リードフレーム2が露出していない。そこで、レーザー照射装置として、例えば、COレーザーを準備し、リードフレーム2裏面側からレーザー加工を行う。COレーザーは、主に、熱加工となるため樹脂系の材料の除去に適しているため、リードフレーム2にも照射されるが、リードフレーム2へのダメージを最小限に抑えることができる。
【0037】
図示の如く、一点鎖線は樹脂パッケージ17を示すが、外部端子として用いられるリード5及び吊りリード6の一部が、樹脂パッケージ17の裏面側から露出するように、リード5及び吊りリード6上の樹脂シート1を除去する。前述したように、COレーザーを用いることで、リード5及び吊りリード6は除去されない。
【0038】
次に、前述したように、樹脂パッケージ17は、搭載部3毎に個別に樹脂モールドされるため、樹脂パッケージ17の外周囲には、若干、薄い樹脂ばりは発生するが、樹脂シート1のみが存在する状態となる。そこで、COレーザーを用い、樹脂パッケージ17の外形に沿って一環状に樹脂シート2を除去することで、図示したように、樹脂パッケージ17の外形には、リード5及び吊りリード6が露出した状態となる。
【0039】
尚、リード5間やリード5と吊りリード6間等のリードフレーム2のパターン間の隙間に硬化した樹脂も、樹脂パッケージ17の外形に沿って同時にレーザー除去される。
【0040】
次に、図5(B)は、図5(A)のC−C線方向の断面図を示すが、リード5及び吊りリード6は、主に、樹脂パッケージ17の裏面側(実装面側)に露出し、その先端側が、若干、樹脂パッケージ17の側面から導出する。その導出領域は、リードフレーム2から樹脂パッケージ17を切断する工程での支持領域として用いられる。尚、実装領域として用いられるリード5及び吊りリード6の長さは、リード5及び吊りリード6と樹脂パッケージ17との密着強度と、樹脂パッケージ17を実装基板上に実装した際の実装強度とが比較考慮され、適宜、設計変更が可能である。
【0041】
次に、図6(A)に示す如く、樹脂パッケージ17から露出するリード5及び吊りリード6表面にメッキ層18を形成した後、リードフレーム2から樹脂パッケージ17を切断する。
【0042】
先ず、複数の樹脂パッケージ17が形成されているリードフレーム2(図5(A)参照)をメッキ液内に浸漬し、樹脂シート1から露出するリード5及び吊りリード6表面にSnメッキやSn−BiメッキやPdメッキ等のメッキ層18を形成する。
【0043】
図6(B)は、図6(A)のD−D線方向の断面図を示すが、リード5及び吊りリード6の裏面は、樹脂シート1の厚み(例えば、30μm)だけ、樹脂パッケージ17の裏面側から窪んだ状態である。そこで、樹脂シート1を除去した後に、露出したリード5及び吊りリード6に対してメッキ層18を形成することで、メッキ層18の厚み分だけリード5及び吊りリード6の実装面を樹脂パッケージ17の裏面側(実装面側)へ近づけることができる。例えば、メッキ層18を30μm程度形成することで、前述した窪み領域が埋められ、リード5及び吊りリード6の実装面が、実質、樹脂パッケージ17の裏面と同じ面まで配置される。この構造により、リード5及び吊りリード6自体は、樹脂シート1の窪んだ領域内に配置されるが、メッキ層18の存在により、実装時の目視確認も可能となり、実装信頼性も向上される。尚、実装信頼性の得られる構造であれば、メッキ層18の膜厚は、適宜、設計変更が可能である。
【0044】
次に、樹脂シート1を剥がすことなく、メッキ層18が形成されたリードフレーム2をパンチ用の台座(図示せず)上に配置し、樹脂パッケージ17の側面近傍に導出するリード5及び吊りリード6上面を支持部材(図示せず)で固定する。そして、リード5及び吊りリード6をパンチ(図示せず)にて切断することで、樹脂パッケージ17がリードフレーム2から分離切断され、半導体装置19が完成する。
【0045】
前述したように、樹脂シート1は、樹脂パッケージ17の一部として用いられることで、製造工程用の粘着シートを用いる必要がなく、製造コストが低減される。また、樹脂シート1を用いることで、アイランド4やリード5、吊りリード6と樹脂パッケージ17との密着領域が増大し、アイランド4等が樹脂パッケージ17から抜け落ち難い構造が実現される。更に、樹脂シート1と樹脂モールドされた樹脂とは、その組成が近いものが用いられ、一体化することで、樹脂パッケージ17の熱膨張、熱収縮の繰り返しにより、耐湿性が悪化することが防止される。尚、リード5及び吊りリード6は、樹脂パッケージ17の側面から、例えば、0.2mm程度導出した形状となる。
【0046】
尚、本実施の形態では、樹脂パッケージ17が、QFN(Quad Flat Non−leaded)型パッケージとして成形される場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、図6(C)に示す如く、リード20が、樹脂パッケージ21の側面から導出し、その導出したリード20が、ガルウイング形状に加工され、外部端子として用いられる場合でも良い。
【0047】
また、図示していないが、同様に、樹脂シートを用いたMAP(Matrix Array Packaging metod)方式の樹脂パッケージも成形することができる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 樹脂シート
2 リードフレーム
3 搭載部
4 アイランド
5 リード
6 吊りリード
7 枠体
11 半導体素子
13 樹脂封止金型
17 樹脂パッケージ
18 メッキ層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂シート上にリードフレームを貼り合わせ、前記リードフレームのアイランド上面に半導体素子を固着し、前記半導体素子と前記アイランドの周囲に配置された前記リードフレームのリードとを電気的に接続する工程と、
前記リードフレームを樹脂封止金型内に配置し、前記アイランド、前記リード及び前記半導体素子を被覆するように、前記樹脂封止金型内に樹脂を注入し、少なくとも前記樹脂と前記樹脂シートの一部とが一体となる樹脂パッケージを形成する工程と、
前記リードの一部が露出するように前記樹脂シートの一部を除去した後、前記樹脂シートを貼り合せた状態にて前記樹脂パッケージを前記リードフレームから切断する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記樹脂シートを除去する工程では、実装領域として用いる前記リードのみを前記除去領域から露出させることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂シートは、COレーザー照射により除去することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記樹脂パッケージを形成する工程では、前記樹脂は、前記リードフレーム上面及び前記リードフレームのパターン間の隙間に充填され、前記樹脂と前記樹脂シートとは、前記リードフレームのパターン間の隙間にて重合し、一体化することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記樹脂シートを除去した後、前記除去領域から露出する前記リードにメッキ層を形成する工程を有することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−26411(P2013−26411A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159251(P2011−159251)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(300057230)セミコンダクター・コンポーネンツ・インダストリーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (119)
【Fターム(参考)】