説明

半導体装置用テープキャリア、半導体装置、及び半導体モジュール

【課題】打抜きに伴う導電性の切断屑の発生を抑制できる半導体装置用テープキャリアを提供する。
【解決手段】半導体装置用テープキャリア1には、半導体チップ31と半導体チップ31と電気的に接続される複数の配線21a、22aとを有する半導体装置11が一列に複数並設される。複数の配線21a、22aのそれぞれには、一方の端部に半導体装置11の出来栄え検査に使用されると共に、半導体装置11を外部接続端子に接続するために使用される電極パッド23が形成されている。電極パッド23は、半導体チップ31及び複数の配線21a、22aと共に、半導体装置11を得るために打抜くカットラインC1より内側に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばTCP(Tape Carrier Package)構造やSOF(System On Film;COF(Chip On Film)とも呼ばれる)構造の半導体装置を製造する際に用いられるテープキャリアに関する。また、そのような半導体装置用テープキャリアから得られる半導体装置、及び、そのような半導体装置を備える半導体モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、TCP構造やSOF構造といった構造を有する半導体装置がある。ここで、TCP構造とSOF構造について簡単に説明しておく。図4は、従来のTCP構造の半導体装置の断面図である。図5は、従来のSOF構造の半導体装置の断面図である。以下では、TCP構造の半導体装置について単にTCPと表現し、SOF構造の半導体装置について単にSOFと表現する。
【0003】
図4に示すように、TCP100では、フィルム基材101の半導体チップ111が搭載される部分に、貫通した開口部102があらかじめ設けられている。また、フィルム基材101には複数の配線103と複数の配線104が形成され、これらは開口部102に片持ち梁状に突き出た状態となっている。なお、配線103、104の上にはソルダレジスト105が形成される。半導体チップ111は、その表面に形成されるバンプ112が配線103、104の各先端部分と接合された状態となっている。また、TCP100においては、半導体チップ111等を外部環境から保護するために、開口部102には封止用樹脂106が充填される。
【0004】
一方、図5に示すように、SOF200では、フィルム基材201上に開口部が形成されることなく、複数の配線202と複数の配線203とが形成され、各配線202、203の上にはソルダレジスト204が形成される。そして、半導体チップ211は、その表面に形成されるバンプ212が配線202、203の各先端部分と接合された状態となっている。なお、SOF200においては、半導体チップ211等を外部環境から保護するためにアンダーフィル材205が充填される。
【0005】
すなわち、SOFでは、TCPのように配線が片持ち梁状となっておらず、配線が全てフィルム基材上にある。また、図示しないが、TCPでは実装後の折り曲げ部分にあらかじめスリットを設けるが、SOFでは折り曲げ用のスリットを有さない。TCPとSOFは、以上のような違いがあるが、例えば液晶モジュール等、これらを使った半導体モジュールが従来知られており(例えば、特許文献1参照)、今後もこれらの半導体装置について利用が見込まれる。なお、SOFの方が、高密度実装や小型化に適している。
【0006】
ところで、TCPやSOFを製造する場合には、それらの1個1個を長尺のテープキャリアに一列に作り込み、その後、各TCP或いはSOFを分離した状態で得るために、金型でテープキャリアを順次打抜くという方法が用いられる。図6に、従来の半導体装置用テープキャリアの構成を示す。この半導体装置用テープキャリア300から得られる半導体装置301はSOFであり、このSOF301は液晶モジュールを使用されるものとして以下説明する。
【0007】
図6に示すように、従来の半導体装置用テープキャリア300においては、複数個のSOF301が一列に並設された状態で作り込まれている。半導体装置用テープキャリア300を予め定められた打抜きカットラインC1(図6において、矩形の破線で示す)でカットすることによって、各SOF301が分離した状態で得られる。
【0008】
各SOF301には、液晶パネルの接続端子(図示せず)に接続されるパネル側配線302と、信号入力用の回路基板の接続端子(図示せず)に接続される信号入力側配線303と、が形成される。各配線302、303のカットラインC1の内側にある端部の上には、ICチップ311が配線302、303と電気的に接続された状態で搭載される。
【0009】
また、各配線302、303の打抜きカットラインC1の外側となる端部には、配線幅よりも広く設けられる検査用パッド304が形成される。この検査用パッド304は、例えば導通チェック等に設けられ、各SOF301の出来栄えを検査するために用いられる。検査用パッド304は検査目的で形成されるものであり、液晶モジュールに実装する場合には不要である。このため、打抜きカットラインC1の外側に形成され、SOF301を得るための打抜き時に、SOF301と分離されることになる。
【0010】
ところで、このような構成の場合、各SOF301を得る場合に、配線302、303の一部を切断することになる。このように配線302、303を切断すると、打抜きの際に配線の切断屑、すなわち、導電性の切断屑が発生することを避けられない。このために、従来においては、液晶モジュールの実装工程や市場において、この導電性の切断屑が端子間に入り込んで起こすリークが問題となっていた。
【0011】
この点、特許文献2に示される技術を参考に、半導体装置用テープキャリア300のカットラインC1での打抜きを実行する前に、レーザ光やエッチング手段によって配線302、303の一部を予め除去しておくことも考えられる。しかしながら、このような方法を行うと、SOF301の製造工程が増えることになる。したがって、液晶モジュールの製造コストがアップすることになり、望ましくない。
【特許文献1】特開2007−156448号公報
【特許文献2】特開2000−243788号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以上の問題点を鑑みて、本発明の目的は、打抜きに伴う導電性の切断屑の発生を抑制できる半導体装置用テープキャリアを提供することである。また、本発明は、そのような半導体装置用テープキャリアから得られる半導体装置を備えることにより、漏電が発生し難い半導体モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、半導体チップと該半導体チップと電気的に接続される複数の配線とを有する半導体装置が一列に複数並設される半導体装置用テープキャリアであって、前記複数の配線のそれぞれには、一方の端部に前記半導体装置の出来栄え検査に使用されると共に、前記半導体装置を外部接続端子に接続するために使用される電極パッドが形成されており、前記電極パッドは、前記半導体チップ及び前記複数の配線と共に、前記半導体装置を得るために打抜くカットラインより内側に配置されることを特徴としている。
【0014】
従来の半導体装置用テープキャリアは、検査用の電極パッドが存在するために、半導体装置を得るための打抜き時に配線を切断する構成であり、導通性の切断屑が発生し易かった。しかし、本構成によれば、半導体装置を得るためにテープキャリアを打抜く際に配線を切断しないで済む。このために、導通性の切断屑の発生を抑制できる。
【0015】
上記構成の半導体装置用テープキャリアにおいて、前記電極パッドは、少なくともその一部において、隣り合う前記配線に接続される前記電極パッドの前記半導体チップからの距離が異なるように配置されるのが好ましい。このような構成とすれば、配線間隔を狭くすることが可能である。このような配置の例として、例えば千鳥状に配置することが挙げられる。
【0016】
上記構成の半導体装置用テープキャリアにおいて、前記電極パッドは、前記半導体装置の並設方向に前記半導体チップを挟むように存在する第1の位置と第2の位置とに設けられることとしても良い。例えば、液晶モジュールにおいて、このような構成が好適に適用できる。
【0017】
そして、上記構成の半導体装置用テープキャリアにおいて、前記半導体装置がTCP構造、或いはSOF構造であることとしても良い。
【0018】
また、上記目的を達成するために本発明の半導体装置は、上記構成の半導体装置用テープキャリアから得られることを特徴としている。本構成の半導体装置は、テープキャリアからの打抜き時に発生する導通性の切断屑が乗っている可能性が低く、好ましい半導体装置と言える。
【0019】
また、上記目的を達成するために本発明の半導体モジュールは、上記構成の半導体装置と、前記外部接続端子が前記電極パッドの配置に対応して形成される電気部材と、を備えることを特徴としている。このような構成の場合、導通性の切断屑が乗っている可能性が低い半導体装置によって半導体モジュールを形成することになるので、従来発生していたような漏電は発生し難い。また、端子同士の接続も容易に行える。
【0020】
上記構成の半導体モジュールにおいて、前記電気部材が、液晶パネルと、該液晶パネルの近傍に配置される信号入力用の回路基板と、の2つの電気部材であることとしても良い。これにより、テープキャリアからの切断時に発生する切断屑が原因となって起こる漏電が発生し難い液晶モジュールを提供できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、打抜きに伴う導電性の切断屑の発生を抑制できる半導体装置用テープキャリアを提供できる。また、そのような半導体テープキャリアから得られることにより、導通性の切断屑が乗っている可能性が低い半導体装置を提供できる。また、そのような半導体装置を用いて半導体モジュールを形成することにより、テープキャリアからの切断時に発生する切断屑が原因となって起こる漏電が発生し難い半導体モジュールを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の半導体装置用テープキャリア、半導体装置、及び半導体モジュールの実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、半導体モジュールが液晶モジュールの場合の構成であり、半導体装置用テープキャリア及び半導体装置についても液晶モジュールに適した構成となっている。また、半導体装置がSOF構造の半導体装置(単にSOFと表現する)であるものとして説明する。
【0023】
(半導体装置用テープキャリアの構成)
図1は、本実施形態の半導体装置用テープキャリアの構成を示す概略平面図である。なお、本実施形態の半導体装置用テープキャリア1は長尺のテープキャリアであるために、図1ではその一部のみを示している。
【0024】
図1に示すように、半導体装置用テープキャリア1には、複数個のSOF11が一列に並設された状態で作り込まれている。半導体装置用テープキャリア1に用いられるテープキャリアは、例えばポリイミド系の絶縁テープ2を基材とし、この基材表面に、例えば銅等からなる配線パターンがスパッタ法等によって形成されている。
【0025】
図1に示すように、各SOF11に形成される配線パターンには、2種類の配線パターンがある。すなわち、半導体チップ31を挟んで下側には、液晶パネル(図示せず)との接続に必要なパネル側配線パターン21が形成される。一方、半導体チップ31を挟んで上側には、信号入力用の回路基板(図示せず)との接続に必要な信号入力側配線パターン22が形成される。
【0026】
そして、パネル側配線パターン21は複数のパネル側配線21aから成り、信号入力側配線パターン22は複数の信号入力側配線22aから成る。各配線21a、22bの一方の端部には、配線21a、22aの幅よりも広く設けられた略矩形状の電極パッド23が設けられる。
【0027】
ソルダレジスト3は、配線21a、22bの絶縁を確保するために塗布されている。なお、パネル側配線21aの両端部、及び、信号入力側配線22aの両端部には、開口部4a或いは開口部4bが形成されるように、ソルダレジスト3が塗布されない。これは、各配線21a、22aの一方の端部は半導体チップ31と電気的に接続する必要があるからであり、また、他方の端部には、外部の端子と接続できるように電極パッド23が形成されているからである。
【0028】
半導体チップ31は、液晶パネルを駆動するドライバとしての機能を有する。この半導体チップ31には、バンプと呼ばれる突起電極(図5参照)が形成されており、この突起電極が各配線21a、22aと電気的に接続されるように、半導体チップ31は配線21a、22a上に接合された状態で搭載される。この接合は、突起電極と各配線21a、22aの電気的な接続が確保されるように、例えば半田を用いて行われる。また、半導体チップ31が搭載された後には、半導体チップ31の下部側の隙間にアンダーフィル(図5参照)が注入される。
【0029】
ここで、本実施形態の半導体装置用テープキャリア1に形成される電極パッド23について更に説明する。本実施形態の電極パッド23は、SOF11の出来栄えを検査するために使用されるだけではなく、液晶パネルや信号入力用の回路基板(以下、単に信号入力用基板と表現する場合がある)に設けられる接続端子(外部接続端子)と接続するためにも使用される。したがって、半導体装置用テープキャリア1を打抜いてSOF11を得る場合に、電極パッド23も半導体チップ31や配線21a、22aと共に打抜く必要がある。このために、電極パッド23は、図1に示すように半導体チップ31及び各配線21a、22aと共に、打抜きカットラインC1よりも内側に配置された構成となっている。
【0030】
なお、打抜きカットラインC1は、SOF11が狙いのサイズとなるように打抜く位置を明確にするために示した想像上のラインで、このようなカットラインがテープキャリア上に形成されている訳ではない。勿論、そのようなラインを設けても構わないが、特に設ける必要はない。
【0031】
電極パッド23は、1つ1つのSOF11のサイズが大きくならないように、その配置が工夫されている。すなわち、本実施形態においては、隣り合う配線21a、22aに接続される電極パッド23の半導体チップ31からの距離が異なるように電極パッド23を配置している。そして、これにより隣り合う配線の間隔が広くなるのを抑制し、SOF11のサイズの大型化を抑制している。
【0032】
より詳細には、信号入力用の回路基板と接続される側の電極パッド23(図1において、各SOF11の半導体チップ31より上側の電極パッド23が該当)は、千鳥状に配置されている。一方、液晶パネルと接続される側の電極パッド23(図1において、各SOF11の半導体チップ31より下側の電極パッド23が該当)は、半導体チップ31からの距離が異なる3つ電極パッド23の列が、左右方向(SOF11が並列される方向と垂直な方向)に繰り返し並ぶように、電極パッド23は配置されている。
【0033】
なお、本実施形態では、配線21a、22aが左右方向の真ん中を基準に対称配置されている。このために、正確には、全ての電極パッド23について、隣り合う配線21a、22aに接続される電極パッド23の半導体チップ31からの距離が異なるという構成にはなっていない。ただし、配線21a、22aは、必ずしも左右方向の真ん中を基準に対称配置する必要はない。そのために、場合によっては、隣り合う配線21a、22aに接続される電極パッド23の半導体チップ31からの距離が異なるという構成が、全ての電極パッド23について当てはまる構成とすることも可能である。
【0034】
以上のように、本実施形態の構成によれば、SOF11を打抜く場合に配線を切断しなくて済むために、配線の切断屑の発生を抑制できる。また、配線の切断屑を発生しないように、予め配線除去部を設ける必要がなく、SOF11を得るための打抜き時に配線の切断屑を発生しない構成を低コストで実現できる。
【0035】
(半導体装置の構成)
以上のように構成される半導体装置用テープキャリア1を所定の打抜き位置(打抜きカットラインC1)で打抜くことによって、SOF11が得られる。すなわち、本実施形態のSOF11は、配線21a、22aの一方の端部に電極パッド23を有する構成となる。この点、従来のSOF301(図6参照)と異なる。そして、SOF11がこのような構成であるために、SOF11と電気的に接続される液晶パネル及び信号入力用基板(いずれも電気部材の一例に該当する)に設けられる接続端子(外部接続端子)も、これに合わせた形状とする必要がある。この点後述する。
【0036】
(半導体モジュールの構成)
図2は、本実施形態の液晶モジュール(半導体モジュールの一例)の構成を示す概略平面図である。図2に示すように、本実施形態の液晶モジュール50は、液晶パネル51と、ゲート駆動部52と、データ駆動部53と、ゲート印刷回路基板54と、データ印刷回路基板55と、を備える。また、図示しないが、液晶モジュール50には、ゲート駆動部52とデータ駆動部53に制御信号及び画像情報を出力するタイミング制御部が更に備えられる。
【0037】
液晶パネル51は、上部基板511、下部基板512、及びこれらの間に充填された液晶層(図示せず)から構成される。上部基板511には、図示しないが液晶に近い側から順に対向電極とカラーフィルタの層が形成されている。下部基板512には、図示しないが、表面にTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)等のスイッチング素子及びこのスイッチング素子が接続された画素電極がマトリクス状に複数配列される。そして、複数のスイッチング素子を駆動する複数のゲートライン及びデータライン(いずれも不図示)が、互いに交差するように形成されている。
【0038】
ゲート駆動部52は、ゲートライン用のドライバ(半導体チップ)521が搭載されたゲートSOF522を複数備える。このゲートSOF522は、下部基板512とゲート印刷回路基板54(信号入力用基板の一例)との両方と、電気的に接続される。一方、データ駆動部53は、データライン用のドライバ(半導体チップ)531が搭載されたデータSOF532を複数備える。このデータSOF532は、下部基板512とデータ印刷回路基板55(信号入力用基板の一例)との両方と、電気的に接続される。
【0039】
液晶モジュール50のSOF522、532は、先に説明したSOF11と同様の構成であり、検査用パッドとしての機能と外部接続端子と接続するための端子としての機能とを有する電極パッドが形成されている。このために、SOF522、532と接続される側の外部接続端子(液晶パネル51及び信号入力用基板54、55に設けられる)は、SOF522、532に形成される電極パッドの構成に対応して端子パターンが形成される。一例を図3に示す。図3は、図2の矩形の一点鎖線で囲んだ部分における下部基板512に設けられた外部接続端子の構成を示す概略図である。
【0040】
図3に示すように、下部基板512に設けられた外部接続端子56は、データSOF532における表示パネル側の電極パッドの配置に合わせて形成されている。ここでは、データSOF532の配線及び電極パッドのパターンがSOF11と同じである場合を示している。ただし、SOFに形成される配線及び電極パッドのパターンは、必要に応じて適宜変更されるものであり、図3はあくまでも一例である。
【0041】
なお、図3において、符号511aは上部基板511のエッジ部分を示し、符号512aは下部基板512のエッジ部分を示している。
【0042】
本実施形態の液晶モジュール50においては、製造時に導電性の切断屑を発生し難いSOFが用いられる。このために、液晶モジュールの実装工程や市場において従来発生していたリーク不良を低減できる。
【0043】
(その他)
なお、本発明は以上に示した実施形態に限定されるものではない。本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0044】
例えば、以上に示した実施形態においては、出来栄え検査に使用されると共に、SOF11を外部接続端子に接続するために使用される電極パッド23について矩形状とした。しかし、この構成に限定されず、その形状は種々の変更が可能である。例えば、三角形状や円形状等としても構わない。
【0045】
また、以上に示した実施形態では、SOF11に形成される電極パッド23について、半導体チップ31の上側ではSOF11の並列方向と直交する方向に2列とし、半導体チップ31の下側ではSOF11の並列方向と直交する方向に3列とした。しかし、この列の数は、配線の数等に応じて当然適宜変更可能である。
【0046】
また、以上に示した実施形態では、半導体装置用テープキャリア1に形成される半導体装置11がSOF構造である場合について示した。しかし、これに限定されないのは言うまでもない。すなわち、例えば半導体装置用テープキャリアに形成される半導体装置がTCP構造である場合にも、本発明は当然適用できる。
【0047】
その他、以上の実施形態では、半導体装置用テープキャリアから得られる半導体装置が液晶モジュールに使用される場合について示した。しかし、これに限定されず、本発明は、液晶モジュール以外の半導体モジュールの場合にも広く適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の半導体装置用テープキャリアを用いれば、リークを発生し難い半導体装置を得ることができる。このため、本発明は半導体モジュールの分野で有用である。そして、本発明は、例えば液晶モジュールに使用されるTCP構造の半導体装置やSOF構造の半導体装置に対して好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】は、本実施形態の半導体装置用テープキャリアの構成を示す概略平面図である。
【図2】は、本実施形態の液晶モジュールの構成を示す概略平面図である。
【図3】は、図2の矩形の一点鎖線で囲んだ部分における下部基板に設けられた外部接続端子の構成を示す概略図である。
【図4】は、従来のTCP構造の半導体装置の断面図である。
【図5】は、従来のSOF構造の半導体装置の断面図である。
【図6】は、従来の半導体装置用テープキャリアの構成を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 半導体装置用テープキャリア
11 SOF
21a パネル側配線
22a 信号入力側配線
23 電極パッド
31 半導体チップ
50 液晶モジュール
51 表示パネル
54 ゲート印刷回路基板(信号入力用の回路基板)
55 データ印刷回路基板(信号入力用の回路基板)
56 外部接続端子
522 ゲートSOF
523 データSOF
C1 打抜き用カットライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップと該半導体チップと電気的に接続される複数の配線とを有する半導体装置が一列に複数並設される半導体装置用テープキャリアであって、
前記複数の配線のそれぞれには、一方の端部に前記半導体装置の出来栄え検査に使用されると共に、前記半導体装置を外部接続端子に接続するために使用される電極パッドが形成されており、
前記電極パッドは、前記半導体チップ及び前記複数の配線と共に、前記半導体装置を得るために打抜くカットラインより内側に配置されることを特徴とする半導体装置用テープキャリア。
【請求項2】
前記電極パッドは、少なくともその一部において、隣り合う前記配線に接続される前記電極パッドの前記半導体チップからの距離が異なるように配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置用テープキャリア。
【請求項3】
前記電極パッドは、前記半導体装置の並設方向に前記半導体チップを挟むように存在する第1の位置と第2の位置とに設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置用テープキャリア。
【請求項4】
前記半導体装置がTCP構造、或いはSOF構造であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置用テープキャリア。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置用テープキャリアから得られることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体装置と、
前記外部接続端子が前記電極パッドの配置に対応して形成される電気部材と、
を備えることを特徴とする半導体モジュール。
【請求項7】
前記電気部材が、液晶パネルと、該液晶パネルの近傍に配置される信号入力用の回路基板と、の2つの電気部材であることを特徴とする請求項6に記載の半導体モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−50296(P2010−50296A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−213504(P2008−213504)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】