説明

半導体装置製造用接着シート

【課題】シリコーン成分による汚染がなく、高温でも十分な引張貯蔵弾性率を維持でき、軽剥離可能で、糊残りの問題も生じにくい半導体装置製造用接着シートを提供する。
【解決手段】少なくとも半導体素子及び導電部が封止樹脂により封止されており、かつ、裏面側には、前記導電部の張出部分が表出したリードレス構造の半導体装置の製造に使用する半導体装置製造用接着シート1であって、前記半導体装置製造用接着シート1は、基材層3上に少なくとも接着剤層2を有して構成され、前記接着剤層2は、前記基材層3側に、200℃に於ける引張貯蔵弾性率が1MPa以上の第1接着剤層2aを有し、前記基材側と反対の貼着面側に、ゴム成分及びエポキシ樹脂成分を含む第2接着剤層2bを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置製造用接着シートに関し、より詳細には、半導体素子が封止樹脂により封止されたリードレス構造の半導体装置の製造に使用される半導体装置製造用接着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体装置はその構成部材の一つに金属製のリードフレームを用いているが、多ピン化を実現するためには、リードフレームに於けるリードのピッチを微細化することが要求される。ところが、微細化に伴ってリード自体の幅を小さくすると、リードの強度が低下し、リードの曲がり等による短絡現象が生じる。従って、リードのピッチを確保するためにパッケージを大型化することを余儀なくされていた。この様に、リードフレームを用いた半導体装置に於いては、そのパッケージサイズが大きくかつ厚くなるため、リードフレームの影響のない、いわゆるリードレス構造をした表面実装型の半導体装置が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された半導体装置を図7に示す。この半導体装置の製造方法に於いては、まず基材101に金属箔を貼り付け、所定部分に金属箔を残すように当該金属箔のエッチングを行った後、半導体素子102と同等の大きさを有する金属箔103a(ダイパッド)の上に接着剤104を用いて半導体素子102を固着する。次に、ワイヤー105によって半導体素子102と金属箔103bとの電気的接続を行い、金型を用いて封止樹脂106でトランスファーモールドする(図7(a)。最後に、成形された封止樹脂106を基材101から剥離することによって半導体素子をパッケージとして完成させる(図7(b)。しかしながら、この製造方法によって得られる半導体装置は、半導体素子102に接着剤104及び金属箔103a(ダイパッド)が付随的に存在しているため、小型で薄い半導体装置を要望する立場からはまだ問題が残る。
【0004】
前記の様な半導体装置の薄型化の問題に対しては、例えば下記特許文献2に、強度に優れ、低コストで薄型化が可能なリードレス構造の表面実装型半導体装置及びその製造方法が開示されている。
【0005】
一方、リードレス構造の半導体装置の製造方法に於いては、耐熱性粘着テープとしてシリコーン系粘着テープを用いたものが一般的である。しかし、シリコーン系粘着テープを使用すると、前記一連の工程後の剥離時に貼り付け面を汚染し、その結果、半導体装置を実装基板にはんだ付けする際に濡れ性不良が生じ、実装の歩留りが低下するという問題が生じた。また、ワイヤーボンディング工程では、ワイヤーとリードパッドとの良好な金属接合を得る為、200℃近く加熱される場合があるが、シリコーン系粘着テープを使用した場合、シロキサンガスの発生によりリードパッド面が汚染され、また引張貯蔵弾性率の低下により、ワイヤーボンディング性が低下するという問題がある。
【0006】
更に、前記の特許文献1に示されるように、リードレス構造の半導体装置の製造に使用する場合、エッチング工程、メッキ工程でのウエットプロセスにてシリコーン粘着剤が薬液に曝され、溶出したシリコーン成分が表面を汚染しワイヤーボンディング性が低下するという問題があった。
【0007】
この様な問題に対して、シリコーン系粘着テープではなくゴム/エポキシ系接着テープを用いることで、加熱時に於けるシロキサンガスの発生がなく接着テープを剥離できる半導体装置の製造方法が特許文献3に開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開平9−252014号公報
【特許文献2】特開2001−210743号公報
【特許文献3】特開2005−72343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、近年、積層による素子数の増加でワイヤーボンド本数が増え、ワイヤーボンドでの加熱時間が長くなった。このため、前記ゴム/エポキシ系接着テープに於いても、ワイヤーボンド工程での熱処理に耐えられず、剥離時に糊残りの原因となることが判明した。特に、図8に示すように、特許文献3に記載の基材110及び接着剤層111からなるゴム/エポキシ系接着テープ112を特許文献1に記載の半導体装置の製造に適用した場合、該接着テープ112の剥離の際に、その剥離方向に対して、金属泊103bにより影となる部分で糊残り113が発生するという問題がある。また、加熱時の引張貯蔵弾性率が低いため、良好なワイヤーボンド性を確保できないという問題がある。
【0010】
本発明は、前記の問題点を考慮してなされたものであり、その目的は、シリコーン成分による汚染がなく、高温でも十分な引張貯蔵弾性率を維持でき、軽剥離可能で、糊残りの問題も生じにくい半導体装置製造用接着シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明者らは、前記従来の問題点を解決すべく、半導体装置製造用接着シートについて検討した。その結果、下記構成を採用することにより、前記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
即ち、本発明の半導体装置製造用接着シートは、前記の課題を解決する為に、少なくとも半導体素子及び導電部が封止樹脂により封止された封止体の下面に、前記導電部の一部を表出させた半導体装置の製造に使用する半導体装置製造用接着シートであって、前記半導体装置製造用接着シートは、基材上に少なくとも接着剤層を有して構成され、前記接着剤層は、200℃に於ける引張貯蔵弾性率が1MPa以上の第1接着剤層を前記基材側に有し、かつ、ゴム成分及びエポキシ樹脂成分を含む第2接着剤層を前記基材側と反対の貼着面側に有することを特徴とする。
【0013】
前記構成に於いて、第2接着剤層がゴム成分を含むことにより、接着剤層に於ける貼着面側の柔軟性を向上させ、例えば加熱の際の引張強度の低下を防止する。その結果、例えば封止樹脂による封止後の接着シートの剥離の際に、該接着シートの剥離方向に対して、一部が表出した導電部の影となる部分での糊残りをも防止することができる。また、第2接着剤層がエポキシ樹脂成分を含むことにより、引張貯蔵弾性率の低下を防止し、ワイヤーボンディング性を良好にすることができる。
【0014】
また、前記構成に於いて、200℃に於ける引張貯蔵弾性率が1MPa以上の第1接着剤層を設けることにより、高温でも十分な引張貯蔵弾性率をより確実に維持でき、ワイヤーボンディング性を更に向上させ、歩留りの向上が図れる。更に、第1接着剤層を設けることにより、第1接着剤層が基材との間での投錨力(物理的な結合力)を向上させるので、接着シートを剥離する際に、基材と第1接着剤層との間での投錨破壊を抑制し、基材のみが剥離して糊残りが発生するのを防止できる。
【0015】
前記構成に於いて、前記第1接着剤層は、アルコキシ含有シラン変性エポキシ樹脂、硬化剤及びゴム成分を必須成分として含むことが好ましい。前記第1接着剤層に含まれるアルコキシ含有シラン変性エポキシ樹脂に於いて、例えば酸化によりカルボニル基が生成した場合、そのカルボニル基と基材表面の水酸基等とが水素結合等をする。これにより、第1接着剤層と基材との間で化学的結合力を大きくし、投錨力を一層増大させることができる。
【0016】
前記構成に於いて、前記第2接着剤層に於ける前記エポキシ樹脂成分が、エポキシ当量1000g/eq以下であることが好ましい。これにより架橋密度が適度になり、より確実に、剥離の際の糊残りの問題を生じにくくできる。
【0017】
前記構成に於いて、前記基材の200℃に於ける引張貯蔵弾性率が1GPa以上であることが好ましい。これにより、例えばワイヤーボンディング工程が行われ、本発明の接着シートが高温条件下におかれた場合でも、その条件に十分耐え得る耐熱性を発揮することができる。
【0018】
前記構成に於いて、前記基材と第1接着剤層との間の投錨力が、封止後の前記封止樹脂と第2接着剤層との間の剥離力以上であることが好ましい。これにより、接着シートを剥離する際に、基材と第1接着剤層との間での投錨破壊を抑制するので、基材のみが剥離して糊残りが発生するのを防止できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、前記に説明した手段により、以下に述べるような効果を奏する。
【0020】
即ち、本発明によれば、半導体素子等が封止樹脂により封止された封止体の下面に、前記導電部の一部を表出させた半導体装置の製造に際して、表出させた部分の周囲に於いても糊残りの発生を防止することができる。更に、高温条件下でも十分な引張貯蔵弾性率を確実に維持するので、ワイヤーボンディング性に優れる。その結果、本発明によれば、半導体装置の製造を歩留まり良く行うことが可能な半導体装置製造用接着シートを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明の半導体装置製造用接着シート及び半導体装置について、その実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0022】
まず、本発明の半導体装置製造用接着シート(以下、単に接着シートと言う。)について説明する。図1は、本実施の形態に係る接着シートを示す断面図である。同図に示すように、本発明の接着シート1は、基材層(基材)3上に接着剤層2が積層された構成を有する。接着剤層2は、貼着面側に位置する第2接着剤層2bと、基材層3側に位置する第1接着剤層2aとが積層された構造である。接着剤層2の厚さは通常1〜50μmであり、第1接着剤層2aは1〜15μm、第2接着剤層2bは1〜35μmである。尚、本発明の接着シート1は、シート状の他、テープ状及びラベル状等を含む。
【0023】
前記第2接着剤層2bは、ゴム成分及びエポキシ樹脂成分を構成材料として含む高弾性層である。ゴム成分を含むことにより、接着剤層2に於ける貼着面側の柔軟性を向上させ、例えば加熱の際の引張強度の低下を防止する。その結果、接着シート1の剥離の際に、その剥離方向に対して導電部の張出部分により影となる部分での糊残りをも防止することができる。また、エポキシ樹脂成分を含むことにより、引張貯蔵弾性率の低下を防止し、ワイヤーボンディング性を良好にすることができる。
【0024】
前記ゴム成分としては特に限定されず、例えば、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、アクリルゴム、酸末端ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー等のエポキシ系接着剤に従来使用されるものが挙げられ、市販品としてはNipol1072(商品名、日本ゼオン(株)社製)、Nipol−AR51(商品名、日本ゼオン(株)社製)等が挙げられる。なかでも、エポキシ樹脂との相溶性の点から、NBRが好ましく用いられ、かつ、アクリロニトリル量は30〜70%であることが特に好ましい。
【0025】
ゴム成分は、接着剤に柔軟性を与えるために添加されるが、含有量が多くなると耐熱性が低下する。この観点から、第2接着剤層2bの有機物に占めるゴム成分の割合は30〜60重量%が好ましく、更には35〜50重量%がより好ましい。ゴム成分の割合が30重量%未満であると、接着剤層2の柔軟性が低下し、熱処理時に於ける引張強度が低下し、接着シート1の剥離の際に半導体パッケージの接続端子(導電部)、及びモールド樹脂面に糊残りが発生しやすくなる。60重量%を超えると、引張貯蔵弾性率が低下し、ワイヤーボンディング性が低下する。
【0026】
エポキシ樹脂成分としては、分子内に2個以上のエポキシ基を含有する化合物であり、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂肪族工ポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂成分は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。なかでも、封止工程後の封止樹脂に対する剥離性の点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
【0027】
エポキシ樹脂成分の使用割合は、第2接着剤層2bの有機物100重量部に対し、好適には40〜70重量部、更に好ましくは50〜65重量部である。40重量部未満であると、第2接着剤層2bの硬化が不十分になり、耐熱性が不足する傾向がある。また、70重量部を超えると、柔軟性が低下し加工性が低下する。また、接着剤層2の第2接着剤層2bに於けるエポキシ樹脂のエポキシ当量は1000g/eq以下、好ましくは500g/eq以下である。エポキシ当量が1000g/eqを超えると、架橋密度が小さくなることから硬化後の接着強度が大きくなり、封止工程後の剥離の際に糊残りが発生しやすくなる。
【0028】
また、第2接着剤層2bに於いては、硬化成分であるエポキシ樹脂を硬化させるための硬化剤を添加することが好ましい。前記硬化剤としてはフェノール樹脂、各種イミダゾール系化合物及びその誘導体、ヒドラジド化合物、ジシアンジアミド、又はこれらをマイクロカプセル化したものが使用できる。特に、フェノール樹脂を硬化剤とした場合は、硬化促進剤としてトリフェニルフォスフィン等のりん系化合物等も使用できる。
【0029】
この様な硬化剤の使用割合は、硬化剤としてフェノール樹脂を選択した場合、エポキシ樹脂とほぼ等しい当量となるようにエポキシ樹脂の添加量の一部をフェノール樹脂に置き換えることが出来る。その他の硬化剤及び硬化促進剤の使用割合は、有機物100重量部に対し0.5〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。
【0030】
第1接着剤層2aは、200℃に於ける引張貯蔵弾性率が1MPa以上の剥離層である。第1接着剤層2aを備えることにより、ワイヤーボンディング工程の際に、高温条件下におかれても、十分な引張貯蔵弾性率を維持でき、ワイヤーボンディング性を更に向上させ歩留りの一層の向上が図れる。
【0031】
第1接着剤層2aの構成材料としては、熱硬化性のものであれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば、エポキシ系熱硬化性樹脂、ポリエステル系熱硬化性樹脂、ポリウレタン系熱硬化性樹脂、ポリイミド系熱硬化性樹脂、ポリベンズイミダゾール系熱硬化性樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、レゾルシノール系樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂のうち、本発明に於いては、アルコキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂が特に好ましい。
【0032】
前記第1接着剤層2aの構成材料として用いられるアルコキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び加水分解性アルコキシシランを脱アルコール反応させ、エステル化することにより製造できる。加水分解性アルコキシシランは、一般的にゾル−ゲル法に用いられているものを使用できる。
【0033】
加水分解性アルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン類、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のフリールトリアルコキシシラン類、又はこれらの縮合物等が挙げられる。
【0034】
これらの加水分解性アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン類、アルキルトリアルコキシシラン類、及びこれらの縮合物から選ばれるいずれか少なくとも1種を用いることが好ましい。これらの加水分解性アルコキシシランについては、縮合反応が遅い為である。特に、メトキシシラン系のものは、加熱すれば加水分解を経ずにシロキサン結合(Si−O−Si)を形成するため、縮合時に水の添加を不要とし、また残存する水により樹脂が白濁することもない。よって、取り扱い性に優れる。
【0035】
本発明に使用されるシラン変性エポキシ樹脂を製造する際に用いるビスフェノールA型エポキシ樹脂と加水分解性アルコキシシランの使用割合は特に制限されないが、加水分解性アルコキシシランのシリカ換算重量/ビスフェノールA型エポキシ樹脂の重量(重量比)を0.01〜1.2の範囲とするのが好ましい。
【0036】
ただし、加水分解性アルコキシシランのアルコキシ基当量/ビスフェノールA型エポキシ樹脂の水酸基当量が、1付近(化学量論的に等量付近)であると、脱アルコール反応の進行によって溶液の高粘度化やゲル化を招き易いため、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の水酸基当量又は加水分解性アルコキシシランのアルコキシ基当量のいずれか一方を多くなるように当量比を0.8未満又は1.2以上に調整するのが好ましい。
【0037】
本発明に於いて、剥離後の糊残りを無くすために、基材層3と第1接着剤層2aとの間の投錨力が、封止樹脂による封止後の封止樹脂に対する剥離力と同等、又はそれ以上であることが好ましい。これにより、投錨破壊を防止し、糊残りの発生を防止することができる。
【0038】
また、第2接着剤層2b及び第1接着剤層2aには、接着シート1の各特性を劣化させない範囲内で、無機充填剤、有機充填剤、顔料、老化防止剤、シランカップリング剤、粘着付与剤等の公知の各種の添加剤を必要により添加することが出来る。特に、老化防止剤の添加は高温での劣化を防止する上で有効である。
【0039】
基材層3としては耐熱性基材が好ましく、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド等のプラスチック基材及びその多孔質基材、グラシン紙、上質紙、和紙等の紙基材、セルロース、ポリアミド、ポリエステル、アラミド等の不織布基材、アルミ箔、SUS箔、Ni箔等の金属フィルム基材等が含まれる。
【0040】
基材層3の厚さとしては通常10〜200μm、好ましくは25〜100μmである。厚みが10μm未満であるとハンドリング性が低下し、200μmを超えるとコストアップを招来する場合がある。
【0041】
ワイヤーボンディング等が施される半導体素子の搭載工程に於いては、接着シート1は150℃〜200℃程度の高温条件下におかれる。そのため、接着シート1の基材層3及び接着剤層2にはこれに耐えうる耐熱性が求められる。かかる観点から、基材層3としては、200℃に於ける引張貯蔵弾性率が1GPa以上、好ましくは10GPa以上のものが好適に用いられる。接着剤層2の第2接着剤層2bとしては、200℃に於ける引張貯蔵弾性率が0.5MPa以上、好ましくは1MPa以上のものが好適に用いられる。第1接着剤層2aとしては、200℃に於ける引張貯蔵弾性率が1MPa以上、好ましくは2MPa以上のものが好適に用いられる。かかる接着剤層2は、半導体素子搭載工程等に於いて軟化、流動を起こしにくく、より安定した結線を可能にする。尚、引張貯蔵弾性率の測定方法は後述する。
【0042】
また、本実施の形態に於いて、接着シート1を200℃で加熱した際のシロキサン系の発生ガス量は1000ng/g以下、好ましくは500ng/g以下、更に好ましくは100ng/g以下であることが好ましい。発生ガス量が1000ng/gを超えると、被着体表面のシリコーン汚染、アウターパッド側へのシリコーン成分の転写等が生じ、その結果ワイヤーボンド時及びハンダ付け時の金属接合不良を起こす可能性が大きい。
【0043】
本実施の形態の接着シート1は、一般的な製造方法により製造することができる。即ち、第1接着剤層2aの構成材料を所定の溶剤に溶解させて塗布液を調製し、この塗布液を基材層3上に塗布した後、その塗布層を所定条件下で加熱・乾燥する。更に、第2接着剤層についても、第2接着剤層2bの構成材料を所定の溶剤に溶解させて塗布液を調製し、これを第1接着剤層2a上に塗布した後、加熱・乾燥して第2接着剤層2bを形成する。これにより本実施の形態の接着シート1を形成することができる。ここで、溶剤としては特に限定されないが、第1接着剤層2a及び第2接着剤層2bのそれぞれの構成材料の溶解性が良好な点を考慮すると、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤が好適に用いられる。また、前記構成材料を水系のディスパージョン溶液とし、これを基材層3上に塗布して加熱乾燥する工程を繰り返すことにより、順次第1接着剤層2a及び第2接着剤層2bを積層して、接着シート1を形成する方法も挙げられる。
【0044】
この様に、本実施の形態に係る接着シート1は、耐熱性に優れ、封止樹脂及び金属との離型性も良好であり、尚且つ接着シート1中にシリコーン成分を含有しない為、シリコーン成分による被着体への表面汚染、該汚染によるはんだ付けの際の濡れ性不良、ワイヤーボンディング工程時の接合不良等を抑制することができる。また、本実施の形態の接着シート1は、少なくとも半導体素子及び導電部が封止樹脂により封止された封止体に於いて、その下面側に前記導電部の一部が張出部分として表出したリードレス構造の半導体装置の製造に、特に好適に使用することができる。具体的には、以下のように使用できる。
【0045】
まず、図2(a)に示すように、基材層3及び接着剤層2を有する接着シート1を準備する。次に、図2(b)に示すように、この接着シート1に於ける接着剤層2上の所定位置に、複数の導電部20及び半導体素子を載置する為のダイパッド部21を形成して基板を作製する。図示のように、導電部20及びダイパッド部21は上下にそれぞれ張出部分20a及び21aを有しているが、この導電部20及びダイパッド部21を形成する基板作成工程については後述する。
【0046】
導電部20等を形成した時点での接着シート1、即ち基板の平面図を模式的に示したのが図3である。半導体素子10の電極数に対応した導電部20が接着シート1上に複数個形成されているが、複数個の導電部20は全て電気的に独立している。また、ダイパッド部21も半導体素子10に対応して複数個形成されており、相互に電気的に独立している。
【0047】
次に、図2(c)に示すように、電極11が形成されている半導体素子10を電極が形成されていない側が基板側となるように基板上のダイパッド部21上に接着剤層2を介して固着し、複数の導電部20と半導体素子10の電極11とをワイヤー30により電気的に接続する。尚、チップサイズが小さくて接着シート1による固着力が不十分な場合は、銀ペースト、ダイアタッチフィルム等の市販のダイアタッチ材にて半導体素子を接着シート上に確実に固着するようにしても構わない。この場合でもダイパッドは不要であるため、従来の半導体装置と比較して厚み100〜200μmの薄型化が可能である。
【0048】
次いで、図2(d)に示すように、半導体素子10、ワイヤー30及び導電部20を封止樹脂40で封止して、接着シート1上に封止体41を形成する。封止樹脂40による封止は、通常のトランスファーモールド法により金型を用いて行う。封止樹脂40としては、例えばエポキシ系封止樹脂等が挙げられる。尚、モールド後には、必要に応じて封止樹脂40の後硬化加熱を行うようにする。後硬化加熱は、後述する接着シート1の分離前であっても後であっても構わない。続いて、図4に示すように、封止体41から接着シート1を剥離して、封止体41の下面42から導電部20の張出部分20aが表出した半導体装置43を得る。
【0049】
前記の基板作成工程、即ち接着シート1に於ける接着剤層2上に部分的に導電部20を形成する手順を図5に示す。この工程を説明すると、次の通りである。
【0050】
導電部20の素材として銅又は銅合金からなる金属箔を準備する。この金属箔としては強度の観点から厚さが0.01〜0.1mmのものを使用する。そしてまず、金属箔の両面にライフィルムレジストを貼り、図5(a)に示すように、フォトリソグラフィー法により導電部20の形状とは逆のパターンで金属箔60の両面のドライフィルムレジスト61をそれぞれパターニングする。
【0051】
次いで、図5(b)に示すように、ドライフィルムレジスト61をマスクとして、銅の拡散バリア層としてのニッケルめっき層62と貴金属めっき層63を導電部の形状に部分めっきした後、図5(c)に示すように、ドライフィルムレジスト61を除去する。ここで、ニッケルめっき層62の厚みとしては、例えば、3〜30μmの範囲内であることが好ましい。また、貴金属めっき層63の厚みとしては、例えば、0.05〜0.5μmの範囲内であることが好ましい。更に、貴金属めっき層63に用いる貴金属としては少なくともAu、Ag、Ptの何れかとするのが好ましい。
【0052】
続いて、図5(d)に示すように、ニッケルめっき層62と貴金属めっき層63が形成された金属箔60を接着シート1の接着剤層2側に貼り付け、この貼り付けた状態で、図5(e)に示すように、貴金属めっき層63をレジストとして金属箔60をエッチングし導電部20を独立させ、更にプレス加工により接着シート1の外形加工を行う。そして、貴金属めっき層63をレジストとして金属箔60をエッチングし導電部20を独立させる工程で、金属箔60の側面をもエッチングする。これにより、金属箔60の上下に、ニッケルめっき層62と貴金属めっき層63からなる張出部分20aを形成する。
【0053】
この様に、図5の工程図は、上下両面に張出部分を有するタイプの導電部を形成する場合を示しているが、半導体装置のように、金属箔の機能面(上面)にのみに張出部分を有する導電部を形成する場合は、金属箔の機能面にのみ拡散バリア層と貴金属メッキ層を施し、メッキしていない側の面で金属箔を接着シートに貼り付け、この貼り付け状態で金属箔のエッチングを行うようにする。これにより、機能面のみに張出部分を有する導電部を独立させることができる。
【0054】
尚、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体装置を複数個まとめて製造するのが実用的である。図6にその例を示す。図6(a)は、接着シート1の平面図を模式的に示した説明図であり、接着シート1の上面には1つの半導体素子を固着する領域とその周囲に形成された導電部を1つのブロック70として表し、そのブロック70が枡目状に多数形成されている。一方、図6(b)は1つのブロック70の拡大図であり、半導体素子固着領域71の周囲に導電部20が必要な数だけ形成されている。
【0055】
図6(a)に於いて、例えば、接着シート1の幅(W)が500mm幅であり、所定の工程を経て接着シート1の上に複数個のブロック70が形成され、連続的にロールに巻かれた基材が作製される。この様にして得られた幅500mmの接着シート1を、次の半導体素子搭載工程、樹脂封止工程に必要なブロック数になるように適宜切断して使用される。この様に複数個の半導体素子を一括して樹脂封止する場合には、樹脂封止後に接着シートを分離してから、ダイサーカット又はパンチングで所定の寸法に切断して個片化することで半導体装置を得ることになる。
【実施例】
【0056】
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎない。また、「部」とあるのは、「重量部」を意味するものとする。
【0057】
(実施例1)
[接着シートの作製]
アルコキシ含有シラン変性エポキシ樹脂(商品名;コンポセランE103、荒川化学(株)製)を60部、イミダゾール(商品名;C11Z(四国化成工業(株)製)5部、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン(株)製、商品名;Nipol1072J)35部を配合した接着剤溶液Aを作製した。
【0058】
更に、接着剤溶液Aに対して、アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン(株)製、商品名;Nipol1072J)44部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名;エピコート1002;エポキシ当量650g/eq)35部、フェノール樹脂(荒川化学(株)製、商品名;P−180)20部、トリフェニルフォスフィン(北興化成(株)製、商品名;TPP)1部を配合し、濃度35重量%となるようにMEK溶媒に溶解し、接着剤溶液A1を作製した。
【0059】
次に、接着剤溶液Aを、基材として厚さが35μmの銅箔上に塗布した後、140℃で3分乾燥させることにより、厚さ5μmの第1接着剤層を形成した。
【0060】
続いて、第1接着剤層上に、粘着剤溶液A1を塗布した後、130℃で3分乾燥させることにより、乾燥後の厚みが10μmの第2接着剤層を形成し、これにより、厚み15μmの熱硬化性の接着シートを作製した。
【0061】
[基板の作製]
先ず、厚さ40μmの銅箔(商品名;Olin7025)の両面にドライフィルムレジスト(商品名;オーディルAR330、東京応化(株)製)をラミネートした。そして、そのドライフィルムレジストをフォトリソグラフィー法により導電部とは逆のパターンでパターニングした。次いで、パターニングされたドライフィルムレジストをマスクとして、銅箔の両面にニッケルめっきとAuめっきを順次施した後、ドライフィルムレジストを除去した。続いて、ニッケルめっき層とAuめっき層の積層物が部分的に配された銅箔を接着シートに接着剤層を介して貼り付けた。そして、この貼り付け状態で、Auめっき層をレジストとして銅箔をエッチングし導電部を独立させた。このエッチング加工に際して、銅箔の側面をもエッチングすることによ、銅箔の上下にAuとニッケルからなる張出部分を設けた。最後に、プレス加工により接着シートの外形を加工した。
【0062】
そして、図6(a)の例(Wは500mm)で示したようなパターンで接着シート上に導電部を形成した。1つのブロック70における四角形の各辺に16個の導電部を形成し、合計で64個の導電部を形成した。
【0063】
[半導体素子の搭載]
試験用のアルミ蒸着シリコンチップ(6mm×6mm)を、前記接着シートの接着剤層面(図6(b)の71に相当)へ固着した。具体的には、175℃、0.3MPa、1秒間の条件で貼り付けた後、150℃で1時間、乾燥させて固着した。次いで、直径25μmの金ワイヤーを用いて、シリコンチップの電極と導電部との間をボンディングした。ワイヤーボンド数は1個のチップ当たり64点である。
【0064】
前記1単位(4個×4個)の10単位について、すなわち、アルミ蒸着チップ160個に対しワイヤーボンディングを行った。ワイヤーボンディングの成功率は100%であった。続いて、トランスファー成形により封止樹脂(商品名;HC−100、日東電工(株)製)をモールドした。樹脂モールド後、室温で接着シートを剥離した。さらに、175℃で5時間、乾燥機中で後硬化を行った。その後、ダイサーにて1ブロック単位に切断し半導体装置を得た。
【0065】
なお、ワイヤーボンディング条件、トランスファーモールド条件、引張貯蔵弾性率の測定方法、接着力測定方法、ワイヤーボンド成功率については次の通りである。
【0066】
(比較例1)
本比較例に於いては、実施例1の接着剤溶液A1を銅箔上に塗布し、実施例1と同様の条件で乾燥させて厚さ15μmの接着剤層を形成することにより、熱硬化性の接着シートを作製した。それ以外は、前記実施例1と同様にして、半導体装置を作製した。
【0067】
(比較例2)
本比較例に於いては、実施例1で使用した接着剤溶液Aに含まれるアクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン(株)製、Nipol DN1072J)70部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、熱硬化性の接着シートを作製した。それ以外は、前記実施例1と同様にして、半導体装置を作製した。
【0068】
(トランスファーモールド条件)
トランスファーモールドは、エポキシ系封止樹脂(商品名:HC−300、日東電工(株)製)により、モールドマシン(TOWA製Model−Y−serise)を用いて、175℃で、プレヒート40秒、インジェクション時間11.5秒、キュア時間120秒の条件下で行った。
【0069】
(ワイヤーボンド成功率)
ワイヤーボンドのプル強度を、株式会社レスカ製のボンディングテスタ「PTR−30」を用い、測定モード:プルテスト、測定スピード:0.5mm/secで測定した。プル強度が0.04N以上の場合を成功、0.04Nより小さい場合を失敗とした。ワイヤーボンド成功率は、これらの測定結果から成功の割合を算出した値である。ワイヤーボンディング条件は、下記の通りとした。
【0070】
装置:株式会社新川製「UTC−300BI SUPER」
超音波周波数:115KHz
超音波出力時間:15ミリ秒
超音波出力:120mW
ボンド荷重:1018N
サーチ荷重:1037N
【0071】
(引張貯蔵弾性率)
離型処理を施した剥離ライナー上に、前記実施例1及び比較例1、2で行ったのと同様の方法で、それぞれ接着剤層(厚さ100μm)を形成した。次に、サンプルサイズが長さ30.0mm×幅5.0mm×厚さ0.1mmとなる様にカットして、サンプルを作製した。続いて、各サンプルを150℃で1hr、オーブン中に載置した後、粘弾性測定装置(レオメトリックス社製、型式:RSA−II)を用いて、200℃に於ける接着剤層の引張貯蔵弾性率を測定した。結果を下記表1に示す。尚、引張貯蔵弾性率の測定は、サンプルをフィルム引っ張り測定用治具にセットし、50℃〜250℃の温度域で周波数1.0Hz、歪み0.025%、昇温速度10℃/分の条件下で行った。また、基材としての厚さ35μmの銅箔についても、同様の条件で引張貯蔵弾性率を測定した。銅箔には、80GPaであった。
【0072】
(剥離性)
180℃×3hrで加熱し、25℃で、60分間放置した後、90°ピールにて剥離速度50mm/minで接着シートを半導体装置から剥離したときの剥離力を測定した。
【0073】
(投錨力)
各接着シートを線圧2kg/cmで両面貼り合せしたものを、テンシロン型引張試験機により50mm/minの速度で引き剥がして測定した。
【0074】
(糊残り性)
前記接着シートを剥離したときの、封止樹脂面に於ける糊残りの有無を確認した。
【0075】
(結果)
前記の実施例1及び比較例1〜2の接着シートについて、前記の方法により、引張貯蔵弾性率、投錨力、ワイヤーボンド性、剥離性、及び糊残り性の評価を行った。これらの結果を下記表1に示す。
【0076】
表1から明らかなように、実施例1の接着シートに於いては封止樹脂及びリードフレーム面に対する離型性に優れており、糊残りも見られなかった。また、ワイヤーボンド性に関しても良好であった。これに対して、比較例1に示す接着剤シートを使用した場合、剥離後に封止樹脂及びリードフレーム面に糊残りが発生し、投錨破壊した。また、比較例2に示すゴム成分が60重量%以上である場合、糊残りは発生しなかったものの、ワイヤーボンド性が悪化し、成功率が低下した。
【0077】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の一形態に係る半導体装置製造用接着シートを示す断面模式図である。
【図2】前記半導体装置製造用接着シートを用いた半導体装置の製造方法を説明するための工程図である。
【図3】前記半導体装置の製造方法に於いて、導電部を形成した時点での接着シート(基板)の平面図を模式的に示した説明図である。
【図4】前記製造方法により得られた半導体装置を示す断面模式図である。
【図5】前記半導体装置の製造方法に於ける基板作成の手順を示す工程図である。
【図6】前記半導体装置の製造方法における基板作成工程で前記接着シートに導電部形成した状態の上面図である。
【図7】リードレス構造をした従来の半導体装置の一例を示す説明図である。
【図8】前記半導体装置の製造に於いて、従来の接着テープを剥離する様子を示す模式図である。
【符号の説明】
【0079】
1 半導体装置製造用接着シート(接着シート)
2 接着剤層
2a 第1接着剤層
2b 第2接着剤層
3 基材層(基材)
10 半導体素子
11 電極
20 導電部
20a 張出部分
21 ダイパッド部
30 ワイヤー
40 封止樹脂
41 封止体
42 下面
43 半導体装置
60 金属箔
61 ドライフィルムレジスト
62 ニッケルめっき層
63 貴金属めっき層
70 ブロック
71 半導体素子固着領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも半導体素子及び導電部が封止樹脂により封止された封止体の下面に、前記導電部の一部を表出させた半導体装置の製造に使用する半導体装置製造用接着シートであって、
前記半導体装置製造用接着シートは、基材上に少なくとも接着剤層を有して構成され、
前記接着剤層は、200℃に於ける引張貯蔵弾性率が1MPa以上の第1接着剤層を前記基材側に有し、
かつ、ゴム成分及びエポキシ樹脂成分を含む第2接着剤層を前記基材側と反対の貼着面側に有することを特徴とする半導体装置製造用接着シート。
【請求項2】
前記第1接着剤層は、アルコキシ含有シラン変性エポキシ樹脂、硬化剤及びゴム成分を必須成分として含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置製造用接着シート。
【請求項3】
前記第2接着剤層に於ける前記エポキシ樹脂成分が、エポキシ当量1000g/eq以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置製造用接着シート。
【請求項4】
前記基材の200℃に於ける引張貯蔵弾性率が1GPa以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体装置製造用接着シート。
【請求項5】
前記基材と第1接着剤層との間の投錨力が、封止後の前記封止樹脂と第2接着剤層との間の剥離力以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体装置製造用接着シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−129016(P2007−129016A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−319396(P2005−319396)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】