説明

半導体装置

【課題】大電流・高周波の電源を低損失化することができる半導体装置を提供する。
【解決手段】ハイサイドパワーMOSFETチップ10およびローサイドパワーMOSFETチップ20とそれらを駆動するドライバICチップ30が1つの封止体2(封入用絶縁樹脂)に封入された電源用MCM1において、ドライバICチップ30の出力端子とローサイドパワーMOSFETチップ20のゲート端子21、あるいはソース端子22を接続する配線DLの配線長を、ドライバICチップ30の出力端子とハイサイドパワーMOSFETチップ10のゲート端子11、あるいはソース端子12を接続する配線DHの配線長より短くする。 また、本発明は、配線DLの本数を配線DHの本数より多くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置技術に関し、特に、電源回路を有する半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電源回路を有する半導体装置の一例として、DC−DCコンバータがある。例えば特表2003−528449号公報(特許文献1)には、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)ゲートドライバと、2つのパワーMOSFETと、入力コンデンサを含む関連受動素子とを含み、すべてボールグリッドアレイ基板上に装着され、単一のチップにパッケージされたマルチチップモジュール(以下、MCMと記す。MCM:Multi-Chip Module )が開示されている。
【0003】
また、例えば特開2004−342735号公報(特許文献2)では非絶縁型DC−DCコンバータに用いられるパワーICとしてハイサイドスイッチ用のパワーMOS−FET、ローサイドスイッチ用のパワーMOS−FET、およびパワーMOS−FETを駆動するドライバICが1つのパッケージに設けられた半導体装置が開示されている。
【0004】
また、例えば特開2005−217072号公報(特許文献3)では、制御用パワーMOSFETチップと、この制御用パワーMOSFETチップと板状導体部材によって電気的に直列に接続された同期用パワーMOSFETチップと、これらのチップの動作をON/OFFするドライバICチップが封止体に封止されているMCMが開示されている。
【特許文献1】特表2003−528449号公報
【特許文献2】特開2004−342735号公報
【特許文献3】特開2005−217072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電源回路を有する半導体装置の一例として広く使用されているDC−DCコンバータは、ハイサイドパワーMOSFETとローサイドパワーMOSFETとが直列に接続された構成を有する。ハイサイドパワーMOSFETは、DC−DCコンバータのコントロール用のスイッチ機能を有し、ローサイドパワーMOSFETは同期整流用のスイッチ機能を有しており、これら2つのパワーMOSFETが同期を取りながら交互にオン/オフすることにより電源電圧の変換を行っている。
【0006】
ところで、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ、サーバおよびゲーム機等の電源回路に用いられる非絶縁型のDC−DCコンバータは、駆動するCPU(Central Processing Unit)等の低電圧・大電流化や、チョークコイルおよび入力・出力コンデンサ等のような受動部品の小型化の要求に伴い、大電流化および高周波化する傾向にある。
【0007】
しかし大電流の下では、ハイサイドパワーMOSFETがターンオンする際に、MCMの出力端子Lxの電圧が急激に上昇する。これに伴いローサイドパワーMOSFETのゲート電圧が容量結合によって跳ね上り、誤ってオン状態になる‘セルフターンオン’が起きる。ハイサイドとローサイドのパワーMOSFETが同時にオンとなるので、入力電源とグランド間に貫通電流が流れ損失が発生する。高周波の条件ではその頻度が増し、大きな損失を招くという問題がある。
【0008】
本発明者が検討した所によれば、セルフターンオンの抑制には、ローサイド用のパワーMOSFETの帰還容量Crssとゲート・ソース間容量Cgsの比、Crss/Cgsの低減が有効である。しかし、大電流化によりdi/dtが大きくなり、これに伴いターンオン時の跳ね上り電圧が増大するので、デバイス構造だけによる対策のみでは不十分になる。
【0009】
ところが、上記のようなこれまでのMCMにおいては、セルフターンオンの抑制よりも、むしろスイッチング損失の低減が重視されていたため、ドライバICの出力端子とハイサイドパワーMOSFETのゲート端子を接続する配線のインダクタンスを減らすことはあっても、ドライバICの出力端子とローサイドパワーMOSFETの端子を接続する配線の配線インダクタンスを低減するための実装上の検討は十分にされていなかった。
【0010】
本願発明の目的は、大電流・高周波の電源を低損失化できる技術を提供することにある。
【0011】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0013】
すなわち、本発明は、ハイサイドパワーMOSFETチップおよびローサイドパワーMOSFETチップとそれらを駆動するドライバICチップとを有する半導体装置であって、ドライバICチップの出力端子とローサイドパワーMOSFETの端子を接続する第1導電性部材の長さを、ドライバICチップの出力端子とハイサイドパワーMOSFETチップの端子を接続する第2導電性部材の長さより短くするものである。
【発明の効果】
【0014】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0015】
すなわち、本発明によれば、第1導電性部材の長さを短くすることにより、第1導電性部材の寄生インダクタンスが減り、セルフターンオンを抑制できるので、大電流・高周波の電源を低損失化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0017】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
【0018】
本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は原則として省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の半導体装置であるMCM(MCM:Multi-Chip Module )1を、表面の封止体を透過して示す平面図、図2は図1に示すA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図、図3は図1に示すMCM1の裏面の構造を示す平面図、図4はMCM1のハイサイドパワーMOSFETチップに使われるnチャネル型の縦型電界効果トランジスタの単位セル構造を示す略断面図、図5はMCM1の外観斜視図、図6は図1に示すMCM1を用いた非絶縁型DC−DCコンバータの等価回路の一例を示す回路図である。
【0020】
図1から図6に示す本実施の形態1の半導体装置は、複数の半導体チップが1つの封止体(封入用絶縁樹脂)2に封入されたものであり、本実施の形態1では、前記半導体装置の一例として、非絶縁型DC/DCコンバータ用のMCM1を取り上げて説明する。
【0021】
なお、本実施の形態のMCM1は、図3および図5に示すように、封止体2の裏面2bの周縁部に複数の外部接続端子101が配置されたノンリード型のQFN(Quad Flat Non-leaded Package) 構造のものである。
【0022】
本実施の形態1のMCM1の基本的な特徴について説明すると、図1および図2において、MCM1は、第1の半導体チップである制御用のハイサイドパワーMOSFETチップ10(ハイサイドスイッチング素子)と、第2の半導体チップである同期用のローサイドパワーMOSFETチップ20(ローサイドスイッチング素子)と、ハイサイドパワーMOSFETチップ10とローサイドパワーMOSFETチップ20のオン、オフ動作を制御するドライバICチップ30とを有しており、これら3つの半導体チップ(10、20、30)が封止体2に封止(封入)されている。
【0023】
ハイサイドパワーMOSFETチップ10とドライバICチップ30は、ともにローサイドパワーMOSFETチップ20と対向する側面を有するように配置されている。
【0024】
また、ドライバICチップ30の出力端子3laは、ローサイドパワーMOSFETチップ20のゲート端子21に配線DLa(第1配線)を介して接続され、ドライバICチップ30の出力端子3lbは、ローサイドパワーMOSFETチップ20のソース端子22に配線DLb(第2配線)を介して接続されている。
【0025】
また、ドライバICチップ30の出力端子3haは、ハイサイドパワーMOSFETチップ10のゲート端子11に配線DHaを介して接続され、ドライバICチップ30の出力端子3hbは、ハイサイドパワーMOSFETチップ10のソース端子12に配線DHbを介して接続されている。そして、MCM1の配線DL(第1導電性部材)の配線長が配線DH(第2導電性部材)の配線長よりも短くなるように配置されている。
【0026】
ここで、本実施の形態では、配線DLaおよび配線DLbの総称を配線DLと、配線DHaおよび配線DHbの総称を配線DHとして説明する。したがって、原則として、配線DLと表現したときは配線DLa、配線DLbのいずれか一方あるいは両方を意味し、配線DHと表現したときは配線DHa、配線DHbのいずれか一方あるいは両方を意味する。
【0027】
例えば、配線DLa、配線DLbのいずれか一方あるいは両方の配線長が、配線DHa、配線DHbのいずれか一方あるいは両方の配線長よりも短い場合、「配線DLが配線DHよりも短い」、と説明する。この表現方法は、特に明示した場合を除き、本実施の形態1以後、全ての説明に適用する。
【0028】
ここで、図1に示すMCM1を電源に実装した時の非絶縁型DC−DCコンバータ50の等価回路を示す図6を参照して、電源回路に用いるMCM1に発生する主な損失について本発明者らが検討した結果を説明する。
【0029】
非絶縁型DC−DCコンバータ50は、制御回路51、MCM1、入力コンデンサ42、出力コンデンサ43およびコイル40等の素子を有する。
【0030】
制御回路51は、例えばパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)回路であり、パワーMOSFETチップ10、20の電圧スイッチオンの幅(オン時間)を制御する信号を供給する。この制御回路51の出力(制御信号用の端子)は、ドライバICチップ30の入力に電気的に接続されている。
【0031】
ドライバICチップ30の出力(図1の出力端子3ha,3hb,3la,3lb)はハイサイドパワーMOSFETチップ10のゲート端子11とソース端子12、およびローサイドパワーMOSFETチップ20のゲート端子21とソース端子22にそれぞれ電気的に接続されている。
【0032】
ドライバICチップ30は、制御回路51から供給された制御信号によって、それぞれパワーMOSFETチップ10,20のゲート端子11、21の電位を制御し、パワーMOSFETチップ10,20の動作をON/OFFする回路である。なお、VDINは、ドライバ回路の入力電源を示す。
【0033】
ハイサイドパワーMOSFETチップ10は、ハイサイドスイッチ用のパワートランジスタであり、非絶縁型DC−DCコンバータ50の出力(負荷回路44の入力)に電力を供給するコイル40にエネルギーを蓄えるためのスイッチ機能を有する。
【0034】
ローサイドパワーMOSFETチップ20は、ローサイドスイッチ用のパワートランジスタであり、非絶縁型DC−DCコンバータ50の整流用のトランジスタであって、制御回路51の出力信号に従ってターンオフ動作に同期してトランジスタの抵抗を低くして整流を行う機能を有する。
【0035】
上記パワーMOSFETチップ10,20は、入力電源VINの高電位(第1電源電位)VDD供給用の端子ET1(第1電源端子)と、基準電位(第2電源電位)GND供給用の端子ET2(第2電源端子)との間に直列に接続されている。
【0036】
すなわち、ハイサイドパワーMOSFETチップ10は、そのソース・ドレイン経路が、入力電源VINの高電位VDD供給用の端子ET1と出力ノードLxとの間に直列に接続され、ローサイドパワーMOSFETチップ20は、そのソース・ドレイン経路が出力ノードLxと基準電位GND供給用の端子ET2との間に直列に接続されている。
【0037】
ここで、図6の出力ノードLxは、図1における、出力側板状リード部120および出力側板状リード部120に接続されるワイヤ15に相当する。
【0038】
なお、入力電源VINの入力用電源電位VDDは、例えば5〜12V程度である。また、基準電位GNDは入力用電源電位よりも低く、例えば接地電位で0(零)Vである。また、非絶縁型DC−DCコンバータ50の動作周波数(パワーMOSFETチップ10、20をオン、オフするときの周期)は、例えば1MHzである。負荷回路44としてはサーバやパーソナルコンピュータ、ゲーム機など電子機器のCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)等を例示できる。
【0039】
符号Iout、Voutは、おのおの非絶縁型DC−DCコンバータ50の出力電流、出力電圧を示し、例えば1〜30A、0.6〜1.3V程度である。
【0040】
また、図6には、ハイサイドパワーMOSFETチップ10の寄生ダイオードDp1(内部ダイオード)、ローサイドパワーMOSFETチップ20の寄生ダイオードDp2(内部ダイオード)、ローサイドパワーMOSFETの寄生容量である帰還容量Crss、およびゲート・ソース間容量Cgsを図示する。
【0041】
MCM1に発生する損失としては、1)スイッチング損失、2)リカバリ損失、3)パワーMOSFET導通損失、4)ダイオード導通損失、5)ドライバ損失、6)配線抵抗部の損失がある。
【0042】
スイッチング損失は、ハイサイドパワーMOSFETがターンオン、ターンオフする際の損失であり、電流、電圧がターンオン前から定常のオン状態へ、またはターンオフ前の状態から定常のオフ状態へ変わるまでの〔電流×電圧〕の積分値となる。このため、スイッチング損失を減らすには、電流、電圧の遷移時間が短い高速スイッチング動作のハイサイドパワーMOSFETを用いる。
【0043】
また、スイッチング時の電流変化により、電源回路の配線部にある寄生インダクタンスに誘起電圧=〔配線の寄生インダクタンス×電流の時間変化率〕が発生する。この誘起電圧により、ターンオン時にはローサイドパワーMOSFETのソース・ドレイン間電圧が増加し、ターンオフ時にはハイサイドパワーMOSFETのソース・ドレイン間電圧が増加するのでスイッチング損失が大きくなる。
【0044】
そこで、ノード421とVDD供給用の端子ET1間の寄生インダクタンスL1や、ノード422とGND供給用の端子ET2間の寄生インダクタンスL2、および、端子ET1と端子ET2間にある寄生インダクタンス(図示せず)を小さくすることにより、スイッチング損失を減らすことができる。
【0045】
MCM1ではハイサイドパワーMSFETチップ10とローサイドパワーMOSFETチップ20を1つのパッケージ内に集積するので、ハイサイドとローサイドのパワーMOSFET間や、ハイサイドパワーMOSFETと端子ET1間、ローサイドパワーMOSFETとET2間の配線長を短くできる。このため、寄生の配線インダクタンスと寄生の配線抵抗が小さく、ディスクリート部品で電源回路を組むよりも低損失となる。
【0046】
リカバリ損失は、ハイサイドパワーMOSFETがターンオンした直後に、それまで順方向に電流を流していた寄生ダイオードDp2の逆回復特性により、電圧が逆方向に印加された状態でも導通状態がしばらく継続し、電流(リカバリ電流)が流れ続けることで生じる損失である。
【0047】
リカバリ電流が減少し始めると、出力ノードLxの電圧が上昇し始める。出力ノードLxの電圧が上昇すると、ローサイドパワーMOSFETの寄生容量である帰還容量Crssを介して、容量結合によりローサイドパワーMOSFETのゲート電圧(ノード21の電圧)が上昇する。そして、上昇したゲート電圧がローサイドパワーMOSFETのしきい電圧を越えると、今までオフ状態にあったローサイドパワーMOSFETがオンする、いわゆる‘セルフターンオン’状態になる。
【0048】
‘セルフターンオン’が起きると、ハイサイドとローサイドパワーMOSFETが同時にオンとなるので、高電位VDD供給用の端子ET1から基準電位GND供給用の端子ETへ貫通電流が流れるので大きな損失が発生する。この貫通電流は上記リカバリ電流の減少途中に流れ始め、両者により発生する損失は分離し難い。そこで、後から説明する図8では両方の損失を合わせてリカバリ損失として扱った。
【0049】
パワーMOSFET導通損失は、ハイサイドパワーMOSFET、ローサイドパワーMOSFETがおのおの定常オン状態にある時のパワーMOSFETのオン抵抗により生じる損失である。本発明で述べる降圧型のスイッチング電源では、ローサイドパワーMOSFETのオン期間がハイサイドパワーMOSFETのそれより長く損失への影響が大きいので、ローサイドパワーMOSFETでは特に低オン抵抗化が要求されている。
【0050】
上記以外の損失についても簡単に述べると、ダイオード導通損失は、ローサイドパワーMOSFETをオフしてからハイサイドパワーMOSFETをターンオンするまでの期間(デッドタイム1)と、ハイサイドパワーMOSFETをオフしてからローサイドパワーMOSFETをオンするまでの期間(デッドタイム2)に、ローサイドパワーMOSFETの寄生ダイオードDp2に流れる還流電流とダイオードの順方向電圧の積により生じる損失である。
【0051】
ドライバ損失はドライバICの損失で、主にパワーMOSFETをオン、オフするためにパワーMOSFETのゲートを充放電する際の損失。配線抵抗部の損失は、端子ET1と端子ET2間にある配線部の寄生抵抗(図示せず)で生じる導通損失である。
【0052】
次に、図7から図9を参照して、本発明者らが検討し、見出した、配線DHの寄生インダクタンス、配線DLの寄生インダクタンス、およびドライバICチップ30のオン抵抗が上記損失に与える影響について説明する。
【0053】
図7は配線DHの寄生インダクタンスとスイッチング損失の関係を示す線図、図8は配線DLの寄生インダクタンスとリカバリ損失の関係を示す線図であり、それぞれ、ドライバICチップ30のオン抵抗が大きい場合(R大)と小さい場合(R小:R大の40%減)について示した。図9はローサイドパワーMOSFETチップ20のゲート跳ね上り電圧と配線DLの寄生インダクタンスの関係を示す線図である。なお、図7、図8、および図9は、おのおの、本発明者らが計算により求めたものであり、配線DHb、DLbの寄生インダクタンスは配線DHa、DLaの寄生インダクタンスと同じとして扱った。
【0054】
図7において、配線DHの寄生インダクタンスを6nHから減らすと、R大の場合は2nHまでスイッチング損失はほとんど変わらず、それ以下で損失は増加する。R小の場合も2nHまで損失は数%下がるが、それ以下では増加する。スイッチング損失は、ハイサイドパワーMOSFETチップ10のゲート端子11を駆動するドライバICチップ30のオン抵抗の大小によって10%〜20%と大きく変わる。
【0055】
これに対して、配線DLの寄生インダクタンスを6nHから減らすと、ローサイドパワーMOSFETチップ20のゲート端子21を駆動するドライバICチップ30のオン抵抗が大きい場合(R大)、小さい場合(R小)ともにリカバリ時の損失は減少し、その減少率はR小の方が大きい。インダクタンスを0.4nHまで下げると、リカバリ損失はR大で27%、R小で44%減少する。
【0056】
このように、本発明者が検討を行った結果、ハイサイド側では損失はドライバICチップ30のオン抵抗に依存し、配線DHの寄生インダクタンスにはあまり影響を受けないことが分った。
【0057】
一方、図8においては、ローサイド側では損失は配線DLの寄生インダクタンスに影響され、配線DLの寄生インダクタンスを減らすと、損失の低減効果が得られることが分った。そして、配線DLの寄生インダクタンスを減らした際に、ドライバICチップ30のオン抵抗も減らせば(R小)、更に大きな損失の低減効果が得られることも分った。
【0058】
このリカバリ時の損失減少の原因は、図9に示すように、配線インダクタンスを下げるとターンオン時のローサイドパワーMOSFETチップ20のゲート跳ね上がり電圧が減り、セルフターンオンが抑制されたことに依る。
【0059】
なお、図9において、配線DLの寄生インダクタンスが0.4nHから3nHの場合に比べ、3nHから6nHの場合にはゲート跳ね上がり電圧の増加割合が減る。これは、寄生インダクタンスが大きい条件ではセルフターンオンの度合いが増し、VDD供給用の端子ET1からGND供給用の端子ET2へ流れ込む貫通電流が増大したために、ターンオン時におけるMCM1の出力ノードLxの電圧上昇を抑制し、それに伴ってゲート電圧の跳ね上りが抑えられたことに依る。
【0060】
図8によると、寄生インダクタンスが約3nH以下で、損失はR小の方が低くなる。ワイヤ配線の寄生インダクタンスは配線1本で1mm当り約1nHであるので、配線DLの配線長を1.5mm(=3mm÷2本)以下とすれば、ドライバICチップ30の低オン抵抗化による損失の低減効果が現れる。
【0061】
また、ワイヤ配線を2本とすれば約1/2に、3本とすれば約1/3に寄生インダクタンスは減るので、配線DLa、配線DLbの配線本数をそれぞれ2本以上にすれば配線DLaの合成寄生インダクタンス、および配線DLbの合成寄生インダクタンスをサブnHに減らせ、セルフターンオンの抑制効果を高められる。
【0062】
なお、配線本数を2本以上にするのは配線DLa、配線DLbのいずれか一方でも良いし、両方でも良い。本数に応じてセルフターンオンの抑制効果を高めることができる。
【0063】
上記の通り、本発明者は、MCM1の損失低減には、配線DHの寄生インダクタンスはあまり影響しないこと、ドライバICチップ30のオン抵抗と配線DLの寄生インダクタンスは大きな影響があること、ドライバICチップ30のオン抵抗の低減と配線DLの寄生インダクタンスの低減を組み合わせることにより、より大きな影響があること、を見出した。
【0064】
そして、本実施の形態1によれば、上記の通り配線DLの配線長を配線DHの配線長よりも短くすることにより、配線DLの寄生インダクタンスを低減させることができので、セルフターンオンの抑制効果を高め、大電流・高周波の電源を低損失化することができる。
【0065】
なお、本実施の形態1では配線DLをワイヤ配線として説明したが、例えば銅またはアルミニウムなどの金属板を配線DLとして用いても良い。金属板を用いることにより、配線DLの寄生インダクタンスや抵抗を低減することができるため、より低損失化することができる。
【0066】
また、例えば銅またはアルミニウムなどの金属板を配線DHに用いても良いことは言うまでもない。
【0067】
本実施の形態1のMCM1のその他の特徴について説明すると、図1、図2に示すように、第1の板状導体部材である入力側板状リード部110上に制御用のハイサイドパワーMOSFETチップ10が電気的に接続されている。すなわち、制御用のハイサイドパワーMOSFETチップ10の裏面10bには、制御用のハイサイドパワーMOSFETのドレイン端子14となる端子部(図示せず)が形成されており、このドレイン端子14に入力側板状リード部110が、例えば、銀ペーストなどのダイボンディング材を介して接続されている。
【0068】
一方、制御用のハイサイドパワーMOSFETチップ10のゲート端子を有する主面10a(表面)には、制御用のハイサイドパワーMOSFETのソース端子12、ゲート端子11となる端子部、およびゲートフィンガ13が形成されている。
【0069】
また、第2の板状導体部材である出力側板状リード部120上には同期用のローサイドパワーMOSFETチップ20が電気的に接続されている。すなわち、同期用のローサイドパワーMOSFETチップ20の裏面20bには、同期用のパワーMOSFETのドレイン端子24となる端子部(図示せず)が形成されており、このドレイン端子24に出力側板状リード部120が、例えば、銀ペーストなどのダイボンディング材を介して接続されている。
【0070】
一方、同期用ローサイドパワーMOSFETチップ20のゲート端子を有する主面20aには、同期用のローサイドパワーMOSFETのソース端子22、ゲート端子21となる端子部、およびゲートフィンガ23が形成されている。
【0071】
また、MCM1は、第3の板状導体部材であるドライバ側板状リード部130と第4の板状導体部材である接地側板状リード部100を有しており、ドライバ側板状リード部130上には、ドライバICチップ30が電気的に接続されている。すなわち、ドライバICチップ30の裏面には電極が形成されており(図示せず)、この電極とドライバ側板状リード部130とが、例えば、銀ペーストなどのダイボンディング材を介して接続されている。
【0072】
ドライバICチップ30では、その主面30aに複数の端子3が存在する。そして、端子3のうち、端子3laと同期用のローサイドパワーMOSFETチップ20のゲート端子21、端子3lbと同期用のローサイドパワーMOSFETチップ20のソース端子22、端子3haと制御用のハイサイドパワーMOSFETチップ10のゲート端子11、および、端子3hbと制御用のハイサイドパワーMOSFETチップ10のソース端子12とが、例えば、金線などの金属細線である配線DLa、DLb、DHa、およびDHbによってそれぞれ電気的に接続され、各パワーMOSFETのON/OFFの制御に用いられる。
【0073】
ドライバICチップ30の主面30aのその他の端子3は、それぞれ電源電圧端子、ブート端子、電圧確認用端子および制御信号入力端子などであり、これらに対応する外部接続端子101とワイヤ35によって接続される。
【0074】
図3に示すように、各半導体チップがそれぞれ搭載された入力側板状リード部110、出力側板状リード部120、およびドライバ側板状リード部130は、MCM1の封止体2の裏面2bにおいて、それぞれ一部あるいは全部が封止体2から露出しており、プリント実装基板と電気的に接続するための外部接続用端子としてだけでなく、前記プリント実装基板に熱を放出する放熱部品としての役割も果たす。
【0075】
また、図1に示すように、ローサイドパワーMOSFETチップ20はその長辺である第1の辺220(ドライバICの平面の一辺と対向する第1の辺)側に、ハイサイドパワーMOSFETチップ10およびドライバICチップ30の一辺と対向する側面を有するように配置される。そして、ローサイドパワーMOSFETチップ20を搭載する出力側板状リード部120も、ハイサイドパワーMOSFETチップ10およびドライバICチップ30の一辺と対向するように配置される。
【0076】
ここで、出力側板状リード部120において、ハイサイドパワーMOSFETチップ10と対向する領域(第1対向領域)を、ドライバICチップ30と対抗する領域(第2対向領域)よりもハイサイドパワーMOSFETチップ10側に向けて突出させて凸領域121(第3対向領域)を設ける。そして、図2に示すように、この凸領域121に、ハイサイドパワーMOSFETチップ10の主面10a(表面)側のソース端子12と出力側板状リード部120を、ワイヤ15を介して電気的に接続する。
【0077】
凸領域121を設けることにより、ハイサイドパワーMOSFETチップ10のソース端子12と出力側板状リード部120との接続領域の制約を受けずに、ローサイドパワーMOSFETチップ20をドライバICチップ30に近づけることができる。すなわち、ローサイドパワーMOSFETチップ20とドライバICチップ30のチップ間の距離を凸領域121を設けない場合と比較して、短くすることができるので、配線DLの配線長を短くすることができる。
【0078】
そして、ドライバICチップ30と対向するローサイドパワーMOSFETチップ20の第1の辺220側にゲート端子21を設ける。上記の構成をとることにより、ドライバICチップ30の出力端子3laとローサイドパワーMOSFETチップ20のゲート端子21の端子間距離を、第1の辺220側以外の辺にゲート端子21を設ける場合と比較して、より短くすることができるので、配線DLaの配線長を短くすることができる。
【0079】
本実施の形態1によれば、配線DLの配線長を短くすることができるので、配線DLの寄生インダクタンスを低減させることができる。
【0080】
なお、凸領域121を設けることによりドライバICチップ30の出力端子3ha、3hbからハイサイドパワーMOSFETチップ10のゲート端子11、ソース端子12にそれぞれ接続される配線DHa、DHbの配線長が長くなっても良い。これは、先に述べたように、配線DHの配線インダクタンスは配線DLのインダクタンスほど損失に影響しないからである。
【0081】
また、ローサイドパワーMOSFETチップ20のソース端子22と、接地側板状リード部100を、ワイヤ25を介して電気的に接続する。
【0082】
ここで、図1に示すように、出力側板状リード部120において、ドライバICチップ30と対向する領域(第2対向領域)のドライバICチップ30方向の長さL120が、接地側板状リード部100の、ローサイドパワーMOSFETチップ20方向の長さL100よりも短くなるようにする。
【0083】
L120の長さを、L100よりも短くすることより、ローサイドパワーMOSFETチップ20をドライバICチップ30側に寄せてもワイヤ25が長くならず、寄生インダクタンスがほとんど増えないのでスイッチング損失の増加を抑制できる。
【0084】
図4は本実施の形態1のMCM1のハイサイドパワーMOSFETチップ10に使われるnチャネル型の縦型電界効果トランジスタの単位セル構造を示す略断面図である。
【0085】
ハイサイドパワーMOSFETチップ10は、ハイサイドスイッチ用のパワートランジスタであり、非絶縁型DC−DCコンバータ50の出力(負荷回路44の入力)に電力を供給するコイル40にエネルギーを蓄えるためのスイッチ機能を有する。このハイサイドパワーMOSFETチップ10は、nチャネル型の縦型電界効果トランジスタにより形成される。
【0086】
C10は単位セル、C11はn型半導体領域、C12はp型半導体領域、C13はn型半導体領域、C14はn型半導体領域、C15はゲート電極となるn型多結晶半導体領域、C16はゲート酸化膜、C17は絶縁膜、C18はソース電極となる金属薄膜(例えばアルイミニウム薄膜)、C19はドレイン電極となる金属薄膜である。単位セルC10の幅は1〜2マイクロメートル程度で、この単位セルが数千個並ぶことによりハイサイドパワーMOSFETチップ10のトランジスタ部が形成される。例えば、C18の集合がソース端子12となる。
【0087】
なお、図4では単位セルの電極構造を分り易くするために、電極となる領域から端子線を引き出してそれぞれS(ソース)、G(ゲート)、D(ドレイン)の様に模式的に示した。
【0088】
単位セルC10において、電流はドレイン電極側(C19側)からソース電極側(C18側)へと縦方向に流れる。縦型の電界効果トランジスタは、チャネルが半導体チップの厚さ方向に形成される素子であり、横型の電界効果トランジスタに比べて単位面積あたりのチャネル幅を増やせ、オン抵抗を減らすことができるので、素子を小さくしてパッケージを小型化できる。また、同じチップサイズではpチャネル型よりもnチャネル型の縦型電界効果トランジスタの方が、オン抵抗が小さいため、素子を小さくすることができる。
【0089】
一方、ローサイドパワーMOSFETチップ20は、ローサイドスイッチ用のパワートランジスタであり、非絶縁型DC−DCコンバータ50の整流用のトランジスタであって、制御回路51の出力信号に従ってターンオフ動作に同期してトランジスタの抵抗を低くして整流を行う機能を有する。このローサイドパワーMOSFETチップ20は、上記ハイサイドパワーMOSFETチップ10と同様に、nチャネル型の縦型電界効果トランジスタにより形成される。
【0090】
縦型を使用する理由は、ローサイドパワーMOSFETチップ20のオン時間(電圧を印加している間の時間)が、ハイサイドパワーMOSFETチップ10のオン時間よりも長いので、スイッチング損失よりもオン抵抗による導通損失が大きくなるため、横型の電界効果トランジスタに比べて単位面積当たりのチャネル幅を増やすことができる縦型の電界効果トランジスタを用いるのが有利だからである。また、nチャネル型を使用する理由は、同じチップサイズではpチャネル型よりもnチャネル型の縦型電界効果トランジスタの方が、オン抵抗が小さいためである。
【0091】
すなわち、ローサイドパワーMOSFETチップ20をnチャネル型で縦型の電界効果トランジスタで形成することにより、オン抵抗を小さくできるので、省スペースの非絶縁型DC−DCコンバータ50において、流れる電流が増大しても電圧変換効率を向上させることができる。
【0092】
図10および図11に、本実施の形態1のMCM1の変形例であるMCM1aを示す。図10はMCM1aのワイヤ接続の一部を板状導電性部材に置き換えた場合の封止体を透過して示す平面図、図11は図10に示すA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【0093】
図10に示すMCM1aと図1に示すMCM1の相違点は、図1のMCM1においてワイヤ15、25による接続部をおのおの板状導電性部材150、250に置き換えた点である。図11に図10のA−A線に沿って切断した断面の構造を示す。なお、この板状導電性部材10、250としては、例えば、銅やアルミニウムを用いることができる。
【0094】
ワイヤから板状導電性部材に置き換えたことにより、MCM1の特徴を有しつつ、板状導電性部材150、250の抵抗を低減させることができるので、電源をより低損失化することができる。
【0095】
図12に、本実施の形態1のMCM1の変形例であるMCM1bを示す。図12はMCM1のローサイドパワーMOSFETを接地側板状リード部の外部接続端子側に寄せて設置した場合の封止体2を透過して示す平面図である。
【0096】
図12に示すMCM1bと図1に示すMCM1の相違点は、MCM1bはMCM1のように、ローサイドパワーMOSFETチップ20をドライバICチップ30に寄せるのではなく、ドライバICチップ30およびハイサイドパワーMOSFETチップ10をローサイドパワーMOSFETチップ20に寄せた点である。
【0097】
すなわち、接地側板状リード部100の、ローサイドパワーMOSFETチップ20方向の長さL100を長くしていない点がMCM1と異なる。上記のような態様であってもワイヤ25が長くならないため、スイッチング損失が増加することは無く、MCM1の説明で述べた全ての効果を得ることができる。
【0098】
なお、上記のような態様をとることにより、ワイヤ35の配線長がMCM1と比較して長くなるが、ワイヤ35の寄生インダクタンスは電源の損失にそれ程影響を与えないので問題はない。
【0099】
(実施の形態2)
図13は本発明の実施の形態2のMCM1cを、表面の封止体を透過して示す平面図である。図13において、図1と同一の符号の説明は省略する。
【0100】
図13に示すMCM1cと図1に示すMCM1との相違点は、図1における凸領域121を出力側板状リード部100内に設けていない点と、配線DLの本数が配線DHの本数より多い(配線DLaが3本、配線DLbが3本、配線DHaが2本、配線DHbが2本)点である。
【0101】
本実施の形態2のMCM1cでは、図1に示した凸領域121を設けないため、既存のリードフレームを活用できるが、ハイサイドパワーMOSFETチップ10のソース端子12と出力側板状リード部120との接続領域の制約を受けることとなるため、L120はMCM1と比較すると長くなる。しかし、MCM1cでは配線DLa、DLbの本数をそれぞれ2本から3本に増やしていることにより、配線DLa、DLbの合成寄生インダクタンスを低減することができる。
【0102】
すなわち、本実施の形態2では、配線DLの本数を配線DHの本数よりも多くすることにより、配線DLの寄生インダクタンスが低減するので、既存のリードフレームを活用しつつ、MCM1と同等の効果を得ることが可能となる。
【0103】
なお、MCM1cでは、配線DLa、DLbそれぞれの本数を増やしたが、配線DLaのみ、あるいは配線DLbのみを増やしても良い。この場合、両方の配線を増やした場合の約半分のインダクタンス低減効果を得ることができる。
【0104】
(実施の形態3)
図14は本発明の実施の形態3のMCM1dを、表面の封止体を透過して示す平面図である。図14において、図1と同一の符号の説明は省略する。
【0105】
図14に示すMCM1dと図1に示すMCM1との相違点は、配線DLの本数が配線DHの本数より多い(配線DLaが3本、配線DLbが3本、配線DHaが2本、配線DHbが2本)点である。凸領域121を設けているので配線DLが短く、さらに配線DLa、DLbの本数をそれぞれ2本から3本に増やしていることにより、配線DLa、DLbの合成寄生インダクタンスをMCM1の配線DLa、DLbの合成寄生インダクタンスの約2/3に低減することができる。
【0106】
ところで、実施の形態2で配線DLの本数を増加させることによる効果について説明したが、配線DLの本数を増加させる場合、ローサイドパワーMOSFETチップ20のゲート端子21、またはソース端子22の面積を広げる必要がある。
【0107】
しかし、端子パットの面積を広げすぎると、ローサイドパワーMOSFETチップ20の有効面積が減少し、抵抗が増加してしまう可能性がある。そして、ローサイドパワーMOSFETチップ20の抵抗が増大すると損失が増加するため、配線本数の増加には限界がある。
【0108】
本実施の形態3では、配線DLの配線長を短くし、かつ配線DLの本数を増加させることにより、実施の形態1または2よりも配線DLの寄生インダクタンスを低減させることができるので、セルフターンオンの抑制効果を高め、大電流・高周波の電源をより低損失化することができる。
【0109】
(実施の形態4)
図15は本発明の実施の形態4のMCM1eを、表面の封止体を透過して示す平面図である。図15において、図1と同一の符号の説明は省略する。
【0110】
図15に示すMCM1eと図1に示すMCM1との相違点を説明する。
【0111】
第1の相違点として、ローサイドパワーMOSFETチップ20が、ハイサイドパワーMOSFETチップ10とドライバICチップ30と対向する側面を有しておらず、ハイサイドパワーMOSFETチップ10とドライバICチップ30とが、ローサイドパワーMOSFETチップ20方向を向く側面を有するように配置されている点がある。
【0112】
第2の相違点として、図1に示した凸領域121を設けておらず、ローサイドパワーMOSFETチップ20とドライバICチップ30とのチップ間の最短距離が、ハイサイドパワーMOSFETチップ10とドライバICチップ30とのチップ間の最短距離よりも短くなるようにローサイドパワーMOSFETチップ20を出力側板状リード部のハイサイドパワーMOSFETチップ10と対向する辺に対して傾けて配置した点がある。
【0113】
本実施の形態4のMCM1eでは、図1に示した凸領域121を設けないため、既存のリードフレームを活用できる。
【0114】
また、ローサイドパワーMOSFETチップ20をハイサイドパワーMOSFETチップ10と対向する出力側板状リード部の辺に対して傾けて配置したことにより、ハイサイドパワーMOSFETチップ10のソース端子12と出力側板状リード部120との接続領域を確保しつつ、ローサイドパワーMOSFETチップ20とドライバICチップ30とのチップ間の最短距離をローサイドパワーMOSFETチップ20とドライバICチップ30とのチップ間の最短距離よりも短くすることができる。
【0115】
そして、ローサイドパワーMOSFETチップ20とドライバICチップ30とのチップ間の最短距離をハイサイドパワーMOSFETチップ10とドライバICチップ30とのチップ間の最短距離よりも短くしたことにより、配線DLの配線長を配線DHの配線長よりも短くすることができる。
【0116】
すなわち本実施の形態4によれば、ローサイドパワーMOSFETチップ20を出力側板状リード部のハイサイドパワーMOSFETチップ10と対向する辺に対して傾けて配置することにより、配線DLの寄生インダクタンスが低減するので、既存のリードフレームを活用しつつ、MCM1と同等の効果を得ることが可能となる。
【0117】
なお、本実施の形態4では、ワイヤ15の本数を減らさずに、傾けたローサイドパワーMOSFETチップ20がドライバICチップ30に極力近づくように、ハイサイドパワーMOSFETチップ10を入力側板状リード部110の “図面に向かって左端”に配置することになる。このため、ハイサイドパワーMOSFETチップ20の配線DHが長くなる可能性がある。
【0118】
しかし、前述のように配線DHの寄生インダクタンスは損失にあまり影響しないので問題はない。
【0119】
(実施の形態5)
図16は本発明の実施の形態5のMCM1fを、表面の封止体を透過して示す平面図である。図16において、図1と同一の符号の説明は省略する。
【0120】
図16に示すMCM1fと図1に示すMCM1との相違点を説明する。
【0121】
第1の相違点は、凸領域121を設けない代わりに、出力側板状リード部120のハイサイドパワーMOSFETチップ10と対向する領域であって、ローサイドパワーMOSFETチップ20の短辺の側に、ハイサイドパワーMOSFETチップ10のソース端子12と出力側板状リード部120を接続する領域(第4領域)を設けた点である。
【0122】
第2の相違点は、接地側板状リード部100の、ローサイドパワーMOSFETチップ20方向の長さL100'が、出力側板状リード部120のドライバICチップ30と対向する領域(第2対向領域)のドライバICチップ30方向の長さL120よりも長くなるようにした(L100'を長くした)点である。
【0123】
第3の相違点は、MCM1においてワイヤ15、25による接続部をおのおの板状導電性部材部材150、250に置き換えた点である。
【0124】
すなわち、ローサイドパワーMOSFETチップ20を出力側板状リード部120の“図面に向かって右端”に配置して、ローサイドパワーMOSFETチップ20の“図面に向かって左側”にできた領域を利用してハイサイドパワーMOSFETチップ10のソース端子12と出力側板状リード部120を板状導電性部材150で接続し、接地側板状リード部100とローサイドパワーMOSFETチップ20のソース端子21を板状導電性部材250で接続し、更に接地側板状リード部100をローサイドパワーMOSFETチップ20側へ広げた(L100'を長くした)点である。
【0125】
本実施の形態5では、出力側板状リード部120と板状導電性部材150の接続領域は凸領域121を設けた場合に比べて狭くなるが、ワイヤ15の替わりに板状導電性部材150を用いることで、図1に比べて配線インダクタンスは若干増えるが配線抵抗は小さくできる。
【0126】
(実施の形態6)
図17は本発明の実施の形態6のMCM1gを、表面の封止体を透過して示す平面図である。図17において、図1と同一の符号の説明は省略する。
【0127】
図17に示すMCM1gと図1に示すMCM1との相違点を説明する。
【0128】
第1の相違点は、ハイサイドパワーMOSFETチップ60にnチャネル型の横型電界効果トランジスタを用いたことであり、その単位セル構造を示す略断面図を図18(a)、図18(b)に示す。
【0129】
図18(a)はソース端子12の領域にあるトランジスタの単体セルC60aを、図18(b)はドレイン端子14の領域にあるトランジスタの単体セルC60bを示す。図18(a)、図18(b)において、C60a、C60bは単位セル、C61、C61a、C61bはn型半導体領域、C62はp型半導体領域、C63はn型半導体領域、C64はn型半導体領域、C65はゲート電極となるn型多結晶半導体領域、C66はゲート酸化膜、C67は絶縁膜、C68a、C68bはソース電極となる金属薄膜(例えばアルイミニウム薄膜)、C69はドレイン電極となる金属薄膜である。
【0130】
単位セルC60a、C60bの幅は1〜2マイクロメートル程度で、この単位セルが数千個並ぶことによりハイサイドパワーMOSFETチップ10のトランジスタ部が形成される。例えば、C68aの集合がソース端子12となり、C69の集合がドレイン端子14となる。図では単位セルの電極構造を分り易くするために、電極となる領域から端子線を引き出しておのおのS(ソース)、G(ゲート)、D(ドレイン)の様に模式的に示した。
【0131】
単位セルC60a、C60bにおいて、電流はドレイン(C64)からソース(C61)へと横方向に流れるとともに、C61aを経てもう一つのソース(C61b)へと流れる。
【0132】
第2の相違点はハイサイドパワーMOSFETチップ60およびローサイドパワーMOSFETチップ20がともに出力側板状リード部122上に搭載されている点である。
【0133】
図18に示したnチャネル型の横型電界効果トランジスタの場合、ソース端子12がチップの表面と裏面にあるので、ハイサイドパワーMOSFETチップ60の配線DHbを図1と同様にチップ60の表面側で接続するとともに、ハイサイドパワーMOSFETチップ60を載せる板状リード部を、ローサイドパワーMOSFETチップ20を載せる出力側板状リード部と共用することができる。なお、ドレイン端子14と入力側板状リード部111をワイヤ16にて接続する。
【0134】
本実施の形態6では、ハイサイドパワーMOSFETチップ60を出力側板状リード部に載せることにより、ハイサイドパワーMOSFETチップ60のソース端子と出力側板状リード部122との接続領域の制約を受けることなく、ローサイドパワーMOSFETチップ20をドライバICチップ30に近づけることができる。
【0135】
なお、本実施の形態6ではハイサイドパワーMOSFETチップ60に横型の電界効果トランジスタを用いるため、実施の形態1から5と比較すると、ハイサイドパワーMOSFETチップ60のオン抵抗が高くなることとなるが、前述した通り、ハイサイドパワーMOSFETチップ60のオン時間(電圧を印加している間の時間)は、ローサイドパワーMOSFETチップ20のオン時間よりも短く、オン抵抗による導通損失がスイッチング損失よりも大きいため、大きな問題とはならない。
【0136】
(実施の形態7)
図19は本発明の実施の形態7のMCM1hを、表面の封止体を透過して示す平面図である。図19において、図1と同一の符号の説明は省略する。
【0137】
図19に示すMCM1hと図1に示すMCM1との相違点を説明する。
【0138】
第1の相違点は、ハイサイドパワーMOSFETチップ70にpチャネル型の縦型電界効果トランジスタを用いたことであり、その単位セル構造を示す略断面図を図20に示す。
【0139】
図20において、C70は単位セル、C71はp型半導体領域、C72はn型半導体領域、C73はp型半導体領域、C74はp型半導体領域、C75はゲート電極となるn型多結晶半導体領域、C76はゲート酸化膜、C77は絶縁膜、C78はソース電極となる金属薄膜(例えばアルミニウム薄膜)、C79はドレイン電極となる金属薄膜である。
【0140】
単位セルC70の幅は1〜2マイクロメートル程度で、この単位セルが数千個並ぶことによりハイサイドパワーMOSFETチップ70のトランジスタ部が形成される。例えば、C78の集合がソース端子12となる。図では単位セルの電極構造を分り易くするために、電極となる領域から端子線を引き出しておのおのS(ソース)、G(ゲート)、D(ドレイン)の様に模式的に示した。
単位セルC70において、電流はソース電極側(C78側)からドレイン電極側(C79側)へと縦方向に流れる。
【0141】
第2の相違点はハイサイドパワーMOSFETチップ70およびローサイドパワーMOSFETチップ20がともに出力側板状リード部122上に搭載されている点である。
【0142】
pチャネル型の縦型電界効果トランジスタの場合、出力側板状リード部と接続するのはチップの裏面にあるドレイン端子(図示せず)であるため、ハイサイドパワーMOSFETチップ70を載せる板状リード部を、ローサイドパワーMOSFETチップ20を載せる出力側板状リード部と共用することができる。
【0143】
本実施の形態7では、ハイサイドパワーMOSFETチップ70を出力側板状リード部に載せることにより、ハイサイドパワーMOSFETチップ70のソース端子と出力側板状リード部122との接続領域の制約を受けることなく、ローサイドパワーMOSFETチップ20をドライバICチップ30に近づけることができる。
【0144】
なお、本実施の形態7でもハイサイドパワーMOSFETチップ70にpチャネル型の電界効果トランジスタを用いるため、実施の形態1から5と比較すると、ハイサイドパワーMOSFETチップ70のオン抵抗が高くなることとなるが、前述した通り、ハイサイドパワーMOSFETチップ70のオン時間(電圧を印加している間の時間)は、ローサイドパワーMOSFETチップ20のオン時間よりも短く、オン抵抗による導通損失がスイッチング損失よりも大きいため、大きな問題とはならない。
【0145】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態1〜7で説明したMCM1〜MCM1hに搭載されるドライバICチップ30は、ハイサイドパワーMOSFETチップ10のゲートを駆動する出力段のpチャネル型パワーMOSFETおよびnチャネル型パワーMOSFET(2つのパワーMOSFETでインバータを形成する)、ローサイドパワーMOSFETチップ20のゲートを駆動する出力段のpチャネル型パワーMOSFETおよびnチャネル型パワーMOSFET等により構成される。
【0146】
ここで、ドライバICチップ30のオン抵抗について述べる。ドライバICチップ30のオン抵抗は出力段のパワーMOSFETのオン抵抗である。そして、出力段のパワーMOSFETのオン抵抗は、シリコン基板内に形成されたデバイス自体の抵抗、およびシリコン基板内のドレイン、ソース部とドライバICの出力端子とを接続する配線層の配線抵抗とからなる。
【0147】
本実施の形態8では、実施の形態1〜7で説明したMCM1〜MCM1hに搭載されるドライバICチップ30を、よりオン抵抗の低いドライバICチップ30に置き換えることにより、大電流・高周波の電源をさらに低損失化することができる技術を提供する。
【0148】
図21(a)は本発明の実施の形態8であるMCMに搭載されるドライバICチップ30の出力段nチャネル型パワーMOSFETを上面から見た略平面図、図21(b)は図21(a)に示すS−S’線に沿って切断した略断面図、図21(c)は図21(a)に示すD−D’線に沿って切断した略断面図である。
【0149】
本実施の形態8で使用されるドライバICチップ30の出力段nチャネル型パワーMOSFETは図21(a)、(b)、(c)に示すように、例えばシリコン基板である基板SUBと、基板SUB上に形成された1層目のメタル配線M1、2層目のメタル配線M2、3層目のメタル配線M3、基板SUBとメタル配線M1とを接続するスルーホールTH1、メタル配線M1とメタル配線M2とを接続するスルーホールTH2、メタル配線M2とメタル配線M3とを接続するスルーホールTH3により構成される。
【0150】
ソース配線Sはメタル配線M1、M2、M3およびスルーホールTH1、TH2、TH3により構成され、基板SUBのソース部に接続される。また、ドレイン配線Dはメタル配線M1、M2、M3およびスルーホールTH1、TH2、TH3により構成され、基板SUBのドレイン部に接続される。
【0151】
なお、図21(b)、(c)では、メタル配線M1、M2、M3の接続関係を分かりやすく説明するため、S−S’断面、D−D’断面上にスルーホールTH1、TH2、TH3が揃って配置されているように示したが、実際には、図21(a)に示すように配置されている。例えば、図21(b)において、TH2がS−S’断面上にあるとすると、TH3は紙面に対して奥側、TH1は紙面に対して手前側に配置されている。
【0152】
図22は図21(a)に示す出力段nチャネル型パワーMOSFETにおいて、メタル配線M3およびメタル配線用スルーホールTH3を除いて示す略平面図、図23はローサイドパワーMOSFETチップ20のゲートを駆動する出力段nチャネル型パワーMOSFETチップとドライバICチップ30上の出力端子3lbとの接続状態を示す略平面図である。図22から図23において、図21と同一の符号の説明は省略する。
【0153】
図22において、2層目のメタル配線M2はソース配線Sおよびドレイン配線Dの一部であり、それぞれ櫛型の形状をなし、互いに対向して配置されている。
【0154】
図23において、ローサイドパワーMOSFETチップ20のゲートを駆動するnチャネル型パワーMOSFETは、3層目のメタル配線M3が、ドライバICチップ30の出力端子3lbに接続されている。
【0155】
なお、図示していないが、ローサイドパワーMOSFETチップ20のゲートを駆動する出力段nチャネル型パワーMOSFETのドレイン側メタル配線M3は、ローサイドパワーMOSFETチップ20のゲートを駆動する出力段pチャネル型パワーMOSFETのドレイン側メタル配線M3と接続されると共に、ドライバICチップ30の出力端子3laにメタル配線M3を使って接続されている。
【0156】
同様に、図示していないが、ハイサイドパワーMOSFETチップ10のゲートを駆動する出力段nチャネル型パワーMOSFETのソース側メタル配線M3は、ドライバICチップ30の出力端子3hbに接続され、ドレイン側メタル配線M3は、ハイサイドパワーMOSFETチップ10のゲートを駆動する出力段pチャネル型パワーMOSFETのドレイン側メタル配線M3と接続されると共に、ドライバICチップ30の出力端子3haにメタル配線M3を使って接続されている。
【0157】
図24(a)(b)は図21(a)に示す出力段nチャネル型パワーMOSFETチップの単位セル構造を示す断面図である。図24(a)は図21(a)に示すメタル配線M3のドレイン側(図の右側のD)の下にあるメタル配線M2の内、ドレイン配線Dに沿って切断した断面図、図24(b)は図21(a)に示すメタル配線M3のソース側(図の左側のS)の下にあるメタル配線M2の内、ソース配線Sに沿って切断した断面図である。図21では単位セルの電極構造を分り易くするために、電極となる領域から端子線を引き出しておのおのS(ソース)、G(ゲート)、D(ドレイン)の様に模式的に示した。図24(a)(b)において、図21と同一の符号の説明は省略する。
【0158】
図24(a)、(b)において、C80a、C80bは単位セル、C81はn型半導体領域、C82はp型半導体領域、C83はn型半導体領域、C84はn型半導体領域、C820はp型シリコン基板領域、C85はゲート電極となるn型多結晶半導体領域、C86はゲート酸化膜、C87は絶縁膜、C88はソース電極となる金属薄膜(例えばアルイミニウム薄膜)、C89はドレイン電極となる金属薄膜を示す。単位セルC80a、C80bの幅は数マイクロメートル程度で、この単位セルが数十個並ぶことにより出力段nチャネル型パワーMOSFETが形成される。
【0159】
実施の形態1〜7で説明したMCM1〜1hと本実施の形態8であるMCMとを比較すると、ドライバICチップ30の配線層の構造が相違する。すなわち、実施の形態1〜7で説明したMCM1〜1hでは、ドライバICチップ30の配線層を2層構造としているが、本実施の形態8のMCMでは、図21〜図24に示すように3層構造としている。そして、微細配線ルールが要求されない3層目のメタル配線M3の膜厚を、図24(a)(b)に示すように例えば2μm以上とし、1層目のメタル配線M1、2層目のメタル配線M2よりも厚くすることを特徴としている。
【0160】
電源回路に用いるドライバIC内の論理回路は論理の規模が小さく、動作周波数も数MHz程度と比較的低い周波数で動作すれば良いので、微細配線はメタル2層配線までで基本的には良い。従って、ドライバICチップ30の配線層を3層構造とすれば、3層目のメタル配線M3の膜厚を、1層目のメタル配線M1および2層目のメタル配線M2よりも厚くすることができる。
そして、3層目のメタル配線M3の膜厚を、1層目のメタル配線M1および2層目のメタル配線M2よりも厚くすることができるので、オン抵抗の約40%を占める配線抵抗を2層構造の場合と比較して半分以下にすることができる。
【0161】
なお、配線抵抗を低減させるその他の方法としては、配線材料をアルミニウム薄膜から銅薄膜とすることもできる。
【0162】
本実施の形態8によれば、配線DLのインダクタンスを低減させ、かつ、ドライバICチップ30のオン抵抗を低減させることができるため、前述した組合せの効果を得ることが可能となり、大電流・高周波の電源をさらに低損失化することができる。
【0163】
なお、ローサイドパワーMOSFETチップ20のゲート電極抵抗を小さくすると、ドライバICのオン抵抗を下げたのと同等の損失低減効果が得られる。
【0164】
ゲート電極抵抗を小さくするには、多結晶半導体(多結晶シリコン)の代わりに、白金やコバルトなどの金属材料と多結晶シリコンの合金構造(ポリサイド構造)とするか、タングステンなどの金属材料をゲートに用いればよい。
【0165】
ここで、ポリサイド構造は、多結晶シリコン膜上にシリコンと金属元素との化合物であるシリサイドを形成した2層構造である。ポリサイド構造のゲート電極を形成するには、多結晶シリコン膜の上に高融点の金属薄膜を形成した後、800℃程度で熱処理してシリサイド薄膜を作り、未反応の金属薄膜を除去した後、再度安定化のための熱処理をして低抵抗化する。
【0166】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0167】
例えば、図15、図16、図17、図19において、配線DLの本数と配線DHの本数が同じ場合を示したが、配線DLの本数を配線DHの本数より多くすることも勿論できる。その場合はセルフターンオンをより抑制できることは言うまでもない。
【0168】
また、図13、図14、図15、図17、図19において、ワイヤ15、16、25を用いてパワーMOSFETの電極端子と板状リード部を接続する場合を示したが、ワイヤの替わりに、例えば銅やアルミニウムによる金属板を用いることも勿論できる。その場合は配線抵抗が減るので電源損失が減ることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明は、半導体装置、特に電源回路を有する半導体装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明の実施の形態1のマルチチップモジュールを封止体を透過して示す平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【図3】図1に示すマルチチップモジュールの裏面の構造を示す平面図である。
【図4】マルチチップモジュールのハイサイドパワーMOSFETに使われるnチャネル型の縦型電界効果トランジスタの単位セル構造を示す略断面図である。
【図5】図1に示すマルチチップモジュールの構造を示す外観斜視図である。
【図6】図1に示すマルチチップモジュールを用いた非絶縁型DC/DCコンバータの等価回路の一例を示す回路図である。
【図7】配線DHの寄生インダクタンスとスイッチング損失の関係を示す線図である。
【図8】配線DLの寄生インダクタンスとリカバリ時の損失との関係を示す線図である。
【図9】配線DLの寄生インダクタンスとローサイドパワーMOSFETのゲート跳ね上り電圧の関係を示す線図である。
【図10】本発明の実施の形態1においてワイヤ接続の一部を板状導電性部材に置換えた場合のマルチチップモジュールを、封止体を透過して示す平面図である。
【図11】図10に示すA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態1においてローサイドパワーMOSFETを接地側板状リード部の外部接続端子側に寄せて設置した場合のマルチチップモジュールを、封止体を透過して示す平面図である。
【図13】本発明の実施の形態2のマルチチップモジュールを封止体を透過して示す平面図である。
【図14】本発明の実施の形態3のマルチチップモジュールを封止体を透過して示す平面図である。
【図15】本発明の実施の形態4のマルチチップモジュールを封止体を透過して示す平面図である。
【図16】本発明の実施の形態5のマルチチップモジュールを封止体を透過して示す平面図である。
【図17】本発明の実施の形態6のマルチチップモジュールを封止体を透過して示す平面図である。
【図18】(a)(b)は本発明の実施の形態6においてハイサイドパワーMOSFETに使われるnチャネル型の横型電界効果トランジスタの単位セル構造を示す略断面図である。
【図19】本発明の実施の形態7のマルチチップモジュールを封止体を透過して示す平面図である。
【図20】本発明の実施の形態7においてハイサイドパワーMOSFETに使われるpチャネル型の縦型電界効果トランジスタの単位セル構造を示す略断面図である。
【図21】(a)は本発明の実施の形態8のマルチチップモジュールに搭載されるドライバICチップ30の出力段nチャネル型パワーMOSFETを上面から見た略平面図、(b)は(a)に示すS−S’線に沿って切断した略断面図、(c)は(a)に示すD−D’線に沿って切断した略断面図である。
【図22】図21に示す出力段nチャネル型パワーMOSFETにおいて、メタル配線M3およびメタル配線用スルーホールTH3を除いて示す略平面図である。
【図23】ローサイドパワーMOSFETチップ30のゲートを駆動する出力段nチャネル型パワーMOSFETとドライバICチップ30上の出力端子3lbとの接続状態を示す略平面図である。
【図24】(a)(b)は図21(a)に示す出力段nチャネル型パワーMOSFETの単位セル構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0171】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h マルチチップモジュール(MCM)(半導体装置)
2 封止体(封入用絶縁樹脂)
3 電源電圧端子、ブート端子、電圧確認用端子、制御信号入力端子
3ha、3hb 出力端子
3la 出力端子(第1出力端子)
3lb 出力端子(第2出力端子)
10 ハイサイドパワーMOSFETチップ(ハイサイドスイッチング素子)
11、21 ゲート端子
12、22 ソース端子
13、23 ゲートフィンガ
14、24 ドレイン端子
15、16、25、35 ワイヤ
20 ローサイドパワーMOSFETチップ(ローサイドスイッチング素子)
30 ドライバICチップ
40 コイルL
42 入力コンデンサ(Cin)
43 出力コンデンサ(Cout)
44 負荷回路
50 非絶縁型DC−DCコンバータ
51 制御回路
60 ハイサイドパワーMOSFETチップ(ハイサイド横型スイッチング素子)
70 ハイサイドパワーMOSFETチップ(pチャネル型ハイサイド縦型スイッチング素子)
100、110、111、120、122、130 板状リード部
101 外部接続端子
121 出力側板状リード部を広げた凸領域
150、250 板状導電性部材
DLa 配線(第1配線)
DLb 配線(第2配線)
DL 配線(DLa、DLbの総称)(第1導電性部材)
DHa 配線
DHb 配線
DH 配線(DHa、DHbの総称)(第2導電性部材)
Dp1,Dp2 寄生ダイオード
ET1,ET2 電源端子
GND 基準電位
Lx 出力ノード
L100
L100'
VIN 入力電源
VDIN 入力電源
S、D 配線
M1、M2、M3 メタル配線
TH1、TH2、TH3 スルーホール
SUB 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源端子と出力ノードとの間に接続されたハイサイドスイッチング素子と、
前記出力ノードと第2電源端子との間に接続されたローサイドスイッチング素子と、
前記ハイサイドスイッチング素子と前記ローサイドスイッチング素子のオン、オフを制御するドライバICとを有する半導体装置であって、
前記ハイサイドスイッチング素子と前記ドライバICとが、ともに前記ローサイドスイッチング素子と対向する側面を有するように配置され、
前記ドライバICの出力端子と前記ローサイドスイッチング素子の端子とを接続する第1導電性部材の長さが、前記ドライバICの出力端子と前記ハイサイドスイッチング素子の端子とを接続する第2導電性部材の長さよりも短いことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1導電性部材がワイヤであり、
前記第2導電性部材がワイヤであり、
前記第1導電性部材の配線本数が前記第2導電性部材の配線本数よりも多いことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1導電性部材は、
前記ドライバICの第1出力端子と前記ローサイドスイッチング素子のゲート端子とを接続し、かつワイヤである第1配線と、
前記ドライバICの第2出力端子と前記ローサイドスイッチング素子のソース端子とを接続し、かつワイヤである第2配線とを有し、
前記第1配線または前記第2配線のうち、少なくともいずれか一方の配線長が1.5mm以下であり、
前記第1配線または前記第2配線のうち、少なくともいずれか一方の配線本数が2本以上であることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置において、
前記ハイサイドスイッチング素子がハイサイド縦型スイッチング素子であり、
前記ローサイドスイッチング素子が、前記ハイサイド縦型スイッチング素子と同導電型のチャネルを有するローサイド縦型スイッチング素子であり、
前記半導体装置は、
前記ハイサイド縦型スイッチング素子の裏面側の電極と接続し、かつ前記ハイサイド縦型スイッチング素子を搭載する入力側板状リード部と、
前記ローサイド縦型スイッチング素子の裏面側の電極と接続し、かつ前記ローサイド縦型スイッチング素子を搭載する出力側板状リード部と、
前記ドライバICを搭載するドライバ側板状リード部と、
接地側板状リード部とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項4記載の半導体装置において、
前記ローサイド縦型スイッチング素子のゲート端子を、前記ローサイド縦型スイッチング素子の平面の辺のうち、前記ドライバICの平面の一辺と対向する第1の辺側に設け、
前記出力側板状リード部の形状を、
前記ハイサイド縦型スイッチング素子と対向する第1対向領域を、前記ドライバICと対向する第2対向領域よりも前記ハイサイド縦型スイッチング素子側に突出させて第3対向領域を設け、
前記第3領域に前記ハイサイド縦型スイッチング素子の表面側のソース端子と前記出力側板状リード部とを電気的に接続する導電性部材を設けることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項5記載の半導体装置において、
前記第1導電性部材がワイヤであり、
前記第2導電性部材がワイヤであり、
前記第1導電性部材の配線本数が前記第2導電性部材の配線本数よりも多いことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項5記載の半導体装置において、
前記第1導電性部材は、
前記ドライバICの第1出力端子と前記ローサイド縦型スイッチング素子のゲート端子とを接続し、かつワイヤである第1配線と、
前記ドライバICの第2出力端子と前記ローサイド縦型スイッチング素子のソース端子とを接続し、かつワイヤである第2配線とからなり、
前記第1配線または前記第2配線のうち、少なくともいずれか一方の配線長が1.5mm以下であり、
前記第1配線または前記第2配線のうち、少なくともいずれか一方の配線本数が2本以上であることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項4記載の半導体装置において、
前記ローサイド縦型スイッチング素子のゲート端子を、前記ローサイド縦型スイッチング素子の平面の辺のうち、前記ドライバICの平面の一辺と対向する第1の辺側に設け、
前記出力側板状リード部の前記ハイサイド縦型スイッチング素子と対向する領域であり、かつ前記ローサイド縦型スイッチング素子の短辺の側に第4領域を設け、
前記第4領域と前記ハイサイド縦型スイッチング素子の表面側のソース端子とを電気的に接続する板状の導電性部材を設けることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1記載の半導体装置において、
前記ハイサイドスイッチング素子がハイサイド横型スイッチング素子であり、
前記ローサイドスイッチング素子が、前記ハイサイド縦型スイッチング素子と同導電型のチャネルを有するローサイド縦型スイッチング素子であり、
前記半導体装置は、
前記ハイサイド横型スイッチング素子の裏面側の電極、および前記ローサイド縦型スイッチング素子の裏面側の電極と接続し、かつ前記ハイサイド横型スイッチング素子と前記ローサイド縦型スイッチング素子とを搭載する出力側板状リード部と、
入力側板状リード部と、
前記ドライバICを搭載するドライバ側板状リード部と、
接地側板状リード部とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1記載の半導体装置において、
前記ハイサイドスイッチング素子がpチャネル型ハイサイド縦型スイッチング素子であり、
前記ローサイドスイッチング素子がローサイド縦型スイッチング素子であり、
前記半導体装置は、
前記pチャネル型ハイサイド縦型スイッチング素子の裏面側の電極、および前記ローサイド縦型スイッチング素子の裏面側の電極と接続し、かつ前記pチャネル型ハイサイド縦型スイッチング素子と前記ローサイド縦型スイッチング素子とを搭載する出力側板状リード部と、
入力側板状リード部と、
前記ドライバICを搭載するドライバ側板状リード部と、
接地側板状リード部とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
第1電源端子と出力ノードとの間に接続されたハイサイドスイッチング素子と、
前記出力ノードと第2電源端子との間に接続されたローサイドスイッチング素子と、
前記ハイサイドスイッチング素子と前記ローサイドスイッチング素子のオン、オフを制御するドライバICと、
前記ハイサイドスイッチング素子と前記ドライバICとが、ともに前記ローサイドスイッチング素子と対向する側面を有するように配置され、
前記ドライバICの出力端子と前記ローサイド縦型スイッチングの端子とを接続し、かつワイヤである第1導電性部材の配線本数が、前記ドライバICの出力端子と前記ハイサイドスイッチング素子の端子とを接続し、かつワイヤである第2導電性部材の配線本数よりも多いことを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項11記載の半導体装置において、
前記第1導電性部材は、
前記ドライバICの第1出力端子と前記ローサイド縦型スイッチング素子のゲート端子とを接続する第1配線と、
前記ドライバICの第2出力端子と前記ローサイド縦型スイッチング素子のソース端子とを接続する第2配線とを有し、
前記第1配線または前記第2配線のうち、少なくともいずれか一方の配線長が1.5mm以下であり、
前記第1配線または前記第2配線のうち、少なくともいずれか一方の配線本数が2本以上であることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項11記載の半導体装置において、
前記ハイサイドスイッチング素子がハイサイド縦型スイッチング素子であり、
前記ローサイドスイッチング素子が、前記ハイサイド縦型スイッチング素子と同導電型のチャネルを有するローサイド縦型スイッチング素子であり、
前記半導体装置は、
前記ハイサイド縦型スイッチング素子の裏面側の電極と接続し、かつ前記ハイサイド縦型スイッチング素子を搭載する入力側板状リード部と、
前記ローサイド縦型スイッチング素子の裏面側の電極と接続し、かつ前記ローサイド縦型スイッチング素子を搭載する出力側板状リード部と、
前記ドライバICを搭載するドライバ側板状リード部と、
接地側板状リード部とを有し、
前記ローサイド縦型スイッチング素子のゲート端子を、前記ローサイド縦型スイッチング素子の平面の辺のうち、前記ドライバICの平面の一辺と対向する第1の辺側に設け、
前記出力側板状リード部の前記ハイサイド縦型スイッチング素子と対向する領域であり、かつ前記ローサイド縦型スイッチング素子の短辺の側面に第4領域を設け、
前記第4領域と前記ハイサイド縦型スイッチング素子の表面側のソース端子とを電気的に接続する板状の導電性部材を設けることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項11記載の半導体装置において、
前記ハイサイドスイッチング素子がハイサイド横型スイッチング素子であり、
前記ローサイドスイッチング素子が、前記ハイサイド横型スイッチング素子と同導電型のチャネルを有するローサイド縦型スイッチング素子であり、
前記半導体装置は、
前記ハイサイド横型スイッチング素子の裏面側の電極、および前記ローサイド縦型スイッチング素子の裏面側の電極と接続し、かつ前記ハイサイド横型スイッチング素子と前記ローサイド縦型スイッチング素子とを搭載する出力側板状リード部と、
入力側板状リード部と、
前記ドライバICを搭載するドライバ側板状リード部と、
接地側板状リード部とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
請求項11記載の半導体装置において、
前記ハイサイドスイッチング素子がハイサイド縦型スイッチング素子であり、
前記ローサイドスイッチング素子が、前記ハイサイド縦型スイッチング素子と反対導電型のチャネルを有するローサイド縦型スイッチング素子であり、
前記半導体装置は、
前記ハイサイド縦型スイッチング素子の裏面側の電極、および前記ローサイド縦型スイッチング素子の裏面側の電極と接続し、かつ前記ハイサイド縦型スイッチング素子と前記ローサイド縦型スイッチング素子とを搭載する出力側板状リード部と、
入力側板状リード部と、
前記ドライバICを搭載するドライバ側板状リード部と、
接地側板状リード部とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
第1電源端子と出力ノードとの間に接続されたハイサイド縦型スイッチング素子と、
前記出力ノードと第2電源端子との間に接続された、前記ハイサイド縦型スイッチング素子と同導電型のチャネルを有するローサイド縦型スイッチング素子と、
前記ハイサイド縦型スイッチング素子と前記ローサイド縦型スイッチング素子のオン、オフを制御するドライバICと、
前記ハイサイド縦型スイッチング素子の裏面側の電極と接続し、かつ前記ハイサイド縦型スイッチング素子を搭載する入力側板状リード部と、
前記ローサイド縦型スイッチング素子の裏面側の電極と接続し、かつ前記ローサイド縦型スイッチング素子を搭載する出力側板状リード部と、
前記ドライバICを搭載するドライバ側板状リード部と、
接地側板状リード部とを有する半導体装置であって、
前記ハイサイド縦型スイッチング素子と前記ドライバICとが、ともに前記ローサイド縦型スイッチング素子方向を向く側面を有するように配置され、
前記ローサイド縦型スイッチング素子のゲート端子が、前記ローサイド縦型スイッチング素子の一辺であって、前記ドライバICの前記ローサイド縦型スイッチング素子方向を向く辺との最短距離をとる辺側に配置され、
前記ドライバICと前記ローサイド縦型スイッチング素子のチップ間の最短距離が、前記ドライバICと前記ハイサイド縦型スイッチング素子のチップ間の最短距離より短く、
前記ローサイド縦型スイッチング素子を前記ハイサイド縦型スイッチング素子と対向する前記出力側板状リード部の辺に対して斜めに配置したことを特徴とする半導体装置。
【請求項17】
請求項16記載の半導体装置において、
前記ドライバICの出力端子と前記ローサイド縦型スイッチング素子の端子とを接続する第1導電性部材の長さが、前記ドライバICの出力端子と前記ハイサイド縦型スイッチング素子の端子とを接続する第2導電性部材の長さよりも短いことを特徴とする半導体装置。
【請求項18】
請求項16記載の半導体装置において、
前記第1導電性部材がワイヤであり、
前記第2導電性部材がワイヤであり、
前記第1導電性部材の配線本数が前記第2導電性部材の配線本数よりも多いことを特徴とする半導体装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2007−227763(P2007−227763A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−48577(P2006−48577)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】