説明

単管バリケード用バンパー、このバンパーを用いた単管バリケード、およびこのバンパーを用いた単管バリケードの配置方法

【課題】単管パイプの端部が車両に対して突き当たり難くすることができる単管バリケード用バンパー、このバンパーを用いた単管バリケード、およびこのバンパーを用いた単管バリケードの配置方法を提供する。
【解決手段】単管バリケード用バンパー10であって、単管パイプ102の端部102aに向かう作用力A〜Eを受けるバンパー表面14を有し、このバンパー表面14には、作用力A〜Eを受けたときに、単管パイプ102の延在方向に対して左方向Lまたは右方向Rへと単管バリケード1を移動させる作用力変向面14a、14bが形成されている。また、単管バリケード1の両方の端部に単管バリケード用バンパー10を取り付けた。さらに、配置方法であって、複数の単管バリケード1を単管バリケード用バンパー10が対向するように並べて配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2本の長尺な単管パイプが地面に対して略平行に並べて配置される単管バリケードに使用され、通行人等を保護するためにこの単管パイプの端部を覆う単管バリケード用バンパーに関する。また、このバンパーを用いた単管バリケード、およびこのバンパーを用いた単管バリケードの配置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工事現場等において人や車両の侵入を防止するために、単管バリケードが使用されている。この単管バリケード101は、図11に示すように、単管バリケード101の両端にそれぞれ配設され、地面に設置される2つの脚部103と、この脚部の上部および中央部に地面に対して略平行に並べて組み付けられた2本の単管パイプ102、102とによって構成されている。また、脚部103には、この脚部103と単管パイプ102、102とを組み付けるためのクランプ金具104、104がそれぞれ設けられている。
【0003】
このような単管バリケード101では、特に脚部103の上部に設けられたクランプ金具104が単管バリケードの上方向外側に向けて露出してしまうので、このクランプ金具104に上側から被せる樹脂製の保護カバー105が取り付けられている。また、単管パイプ102の延在方向(長手方向)の端部が脚部103から横方向外側に向けて突出するため、この単管パイプ102の端部に横から被せる樹脂製の保護カバー106も使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−285704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した2つの保護カバー105、106は、単管バリケードが組み立てられた後の安全性を向上させる点、特に通行人等に対しての安全性が確保できる点で優れている。しかしながら、単管パイプの延在方向から車両が突入してきた場合に、単管パイプの端部が車両に突き当たってしまうおそれがあり、上述した保護カバー105、106では、これを有効に保護することができないおそれがあった。
【0006】
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、単管パイプの端部が車両に対して突き当たり難くすることができる単管バリケード用バンパー、このバンパーを用いた単管バリケード、およびこのバンパーを用いた単管バリケードの配置方法を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述課題を解決するため、本発明は、単管パイプを地面に対して略平行に配置した単管バリケードに設けられ、前記単管パイプの端部を覆う単管バリケード用バンパーであって、前記単管パイプの端部に向かう作用力を受けるバンパー表面を有し、このバンパー表面には、前記作用力を受けたときに、前記単管パイプの延在方向に対して左右方向へと前記単管バリケードを移動させる作用力変向面が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、作用力の方向に対し、単管バリケードが左右方向へと移動して、単管パイプの延在方向が作用力の方向と一致しない(向かない)ようになる。
【0008】
また、前記作用力変向面の反対側には、前記単管パイプの端部との間に介在し、前記単管パイプの断面積よりも広い面積を有し、前記作用力によって受ける圧力を緩和させる圧力緩和板が設けられている。
この構成によれば、単管パイプの端部に作用力が付加されたとしても、その圧力緩和板の面で受けることで、作用力によって生じる圧力が小さくなる。
【0009】
さらに、前記圧力緩和板の圧力緩和面が、前記単管パイプの延在方向と略直交していてもよい。
この構成によれば、仮に作用力の方向と単管パイプの延在方向が一致した場合であっても、作用力によって生じる圧力を小さくすることができる。
【0010】
また、前記作用力変向面は、前記単管パイプの延在方向と略直交する面に対して左右に傾斜した平面として構成することもできる。
この構成によれば、作用力変向面における垂直成分の作用力の方向が、単管パイプの延在方向と一致しないようになる。
【0011】
さらに、断面が略三角形状をなし、その一辺が前記圧力緩和面と接する態様で取り付けられ、他の二辺が前記作用力変向面として機能するようにしてもよい。
この構成によれば、容易に構成できる3つの辺のうち2辺を作用力変向面とすることができるようになる。
【0012】
さらにまた、前記作用力変向面を、外側に膨らむ曲面形状にしてもよい。
この構成によっても、作用力変向面における垂直成分の作用力の方向が、単管パイプの延在方向と一致しない(向かない)ようになる。
【0013】
また、ブロー成形によって内部に中空部を形成し、この中空部に緩衝用の液状体を注入してもよい。
この構成によれば、単管バリケード用バンパー自体を緩衝部材とすることができる。また、簡単な構造で緩衝部材として構成することができる。
【0014】
さらに、少なくとも2本以上の前記単管パイプを配置した単管バリケードに使用され、前記単管パイプの端部のすべてを一体で覆うように構成してもよい。
この構成によれば、単管パイプの端部に複数のバリケードを取り付ける必要がなくなる。
【0015】
さらにまた、前記バンパー表面に、注意換気用の文字、図形を記載し、および/または、注意換気用の色彩、発色を施すこともできる。
この構成によれば、通行人等に注意を喚起することができるようになる。また、バリケードとしての機能の他、誘導案内の表示板としても利用することができる。
【0016】
一方、本発明に係る単管バリケード用バンパーを用いた単管バリケードは、単管バリケードに使用される単管パイプの端部を覆い、前記単管パイプの端部に向かう作用力を受けるバンパー表面を備え、このバンパー表面には、前記作用力を受けたときに、前記単管パイプの延在方向に対して左方向または右方向へと前記単管バリケードを移動させる作用力変向面が形成された単管バリケード用バンパーが用いられ、この単管バリケード用バンパーを前記単管パイプの両方の端部にそれぞれ取り付けたことを特徴とする。
この構成によれば、並べて配置された一番端の単管バリケードに作用力が生じた場合に、隣り合う単管バリケード用バンパーの作用力変向面同士が当接して、並べられたそれぞれの単管バリケードが左右方向へ移動するようになる。
また、前記作用力変向面の反対側には、前記単管パイプの端部との間に介在し、前記単管パイプの断面積よりも広い面積を有し、前記作用力によって受ける圧力を緩和させる圧力緩和板が設けられている。
【0017】
他方、本発明に係る単管バリケードの配置方法は、単管バリケードに使用される単管パイプの端部を覆い、前記単管パイプの端部に向かう作用力を受けるバンパー表面を備え、このバンパー表面には、前記作用力を受けたときに、前記単管パイプの延在方向に対して左方向または右方向へと前記単管バリケードを移動させる作用力変向面が形成された単管バリケード用バンパーを有し、この単管バリケード用バンパーを両方の端部にそれぞれ取り付けた単管バリケードが用いられ、少なくとも2つ以上の前記単管バリケードを、前記単管バリケード用バンパーが対向するように並べて配置したことを特徴とする。
この構成によれば、並べて配置された一番端の単管バリケードに作用力が生じた場合に、隣り合う単管バリケード用バンパーの作用力変向面同士が当接して、並べられたそれぞれの単管バリケードが左右方向へ移動するようになる。
また、前記作用力変向面の反対側には、前記単管パイプの端部との間に介在し、前記単管パイプの断面積よりも広い面積を有し、前記作用力によって受ける圧力を緩和させる圧力緩和板が設けられている。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る単管バリケード用バンパーによれば、前記単管パイプの端部に向かう作用力を受けるバンパー表面を有し、このバンパー表面には、前記作用力を受けたときに、前記単管パイプの延在方向に対して左右方向へと前記単管バリケードを移動させる作用力変向面が形成されているので、作用力の方向に対し、単管バリケードが左右方向へと移動して、単管パイプの延在方向が作用力の方向と一致しない(向かない)ようになる。そのため、例えば、単管パイプの延在方向から車両が突入した場合であっても、単管バリケード自体が左右に移動して(ずれて)、単管パイプの端部が車両に向かないようにすることができる。そのため、より安全性を向上させた単管バリケードを提供することができる。
【0019】
一方、本発明に係る単管バリケード用バンパーを用いた単管バリケードによれば、単管バリケード用バンパーを両方の端部にそれぞれ取り付けているので、複数の単管バリケードを直列に並べて配置する場合に、隣り合う単管バリケード用バンパー同士の作用力変向面が対向するように配置することができる。そのため、並べて配置された一番端の単管バリケードに作用力が生じた場合に、隣り合う単管バリケード用バンパーの作用力変向面同士が当接して、並べられたそれぞれの単管バリケードが左方向または右方向へ移動するようになる。そのため、例えば、単管パイプの延在方向から車両が突入した場合であっても、それぞれの単管バリケード自体が左右に移動して(ずれて)、それぞれの単管パイプの端部が車両に向かないようにすることができる。そのため、より安全性を向上させた単管バリケードを提供することができる。
【0020】
他方、本発明に係る単管バリケードの配置方法によれば、前記単管パイプの端部が位置する単管バリケードの両端に前記単管バリケード用バンパーを取り付け、少なくとも2つ以上の前記単管バリケードを、前記単管バリケード用バンパーが対向するように並べて配置しているので、並べて配置された一番端の単管バリケードに作用力が生じた場合に、隣り合う単管バリケード用バンパーの作用力変向面同士が当接して、並べられたそれぞれの単管バリケードが左右方向へ移動するようになる。そのため、例えば、単管パイプの延在方向から車両が突入した場合であっても、それぞれの単管バリケード自体が左または右に移動して(ずれて)、それぞれの単管パイプの端部が車両に向かないようにすることができる。そのため、より安全性を向上させた単管バリケードの配置方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係る単管バリケード用バンパーを単管バリケードに取り付けた状態を右斜め上側から見た斜視図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】単管バリケード用バンパーを単体で示したものであって、右斜め上側から見た分解斜視図である。
【図4】図3を裏側から見た分解斜視図である。
【図5】図3のA−A線の断面図であって、裏側に圧力緩和部材を組み付けた状態を示す図である。
【図6】単管バリケード用バンパーへの作用力と単管バリケードの移動方向を示す平面図である。
【図7】単管バリケード用バンパーを取り付けた単管バリケードを直列に並べて配置した状態を示す側面図である。
【図8】図7の平面図である。
【図9】(a)〜(c)は、単管バリケード用バンパーのバンパー表面に文字や図形を設けたものを例示する概要図である
【図10】本発明の変形例であって、(a)は単管バリケード用バンパーの表面を右斜め上側から見た斜視図、(b)は(a)の裏側の斜視図である。
【図11】従来の単管バリケードであって、単管パイプの端部に従来の保護カバーを取り付けたものを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る単管バリケード用バンパー、および単管バリケード用バンパーを用いた単管バリケードについて、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る単管バリケード用バンパー10(以下、バンパー10という)を単管バリケード1に取り付けた状態を示す斜視図、図2は、図1の側面図である。なお、従来技術で説明した単管バリケード101と同じ部材には、同一の符号を付してある。
また、以下の説明で使用する方向で、前側とは図1に示す単管バリケード1の長手方向における外側(図1の左斜め前側)をいい、上下左右の方向は、この前側からバンパー10を見たときの方向をいうものとする。
【0023】
単管バリケード1は、接地面2(主には地面2)と略平行に延在し、上下に間隔を空けて並設された2本の単管パイプ102、102と、この単管パイプ102、102の両端部の少し内側部分を支持する2つの脚部103、103とで構成されている。この脚部103、103には、クランプ金具104、104が一体で成形されており、このクランプ金具104、104で単管パイプ102、102をクランプすることで、脚部103と単管パイプ102とが固定されている。
【0024】
なお、上述した単管パイプ102は、接地面2と略平行に配置されると記載したが、厳密に平行でなくても構わない。すなわち、単管バリケード1が人や車の侵入を防止するという機能を発揮するためには、単管パイプ102は接地面2に対して略平行に配置されるのが一般的だが、この機能を発揮可能な範囲内で傾けて配置されるものであっても、この略平行の範囲に含まれるものとする。
【0025】
この単管バリケード1の2つの脚部103、103の外側には、単管パイプ102の端部102aを覆うようにバンパー10、10がそれぞれ取り付けられている。このバンパー10は、図1に示すように、上下方向に延在し、上側に位置する単管パイプ102の端部102aと下側に位置する単管パイプ102の端部102aとを1つのバンパー10で覆うことができる大きさに形成されている。
【0026】
図3は、図1および図2で示したバンパー10を単体で示したものであって、右斜め上側から見た分解斜視図、図4は、図3を裏側から見た分解斜視図である。また、図5は、図3のA−A線の断面図であって、裏側に圧力緩和部材12を組み付けた状態を示す図である。
【0027】
バンパー10は、図3および図4に示すように、バンパー本体部11と、このバンパー本体部11の裏側に配置される圧力緩和部材12とを組み付けることによって構成されている。
【0028】
バンパー本体部11は、樹脂材料をブロー成形したものであり、その外形が上下に延びる略三角柱のような形状に形成されている。この略三角柱の形状は、図5の断面図に示すように、3つの平面を有している。より詳細には、図3〜図5に示すように、3つの平面のうちの1つは略三角形状の後ろ側の面(一辺)であり、圧力緩和部材12が取り付けられる取付面13である。また、残りの2つは略三角形状の前側の面であり、作用力変向面14a、14bである。この2つの作用力変向面14a、14bによって作られる山型の頂部14cは、図3に示すように、バンパー10の前方に向けて突出している。なお、この頂部14cは、バンパー10の幅方向の略中央部に位置している。さらに、この頂部14cには、R面取りが施されている。
これらの2つの作用力変向面14a、14bを併せた面によって、作用力(詳細は後述する)を受けるバンパー表面14が構成されている。
【0029】
この作用力変向面14a、14bは、バンパー10を単管バリケード1に取り付けた状態で(詳細は図5参照)、単管パイプ102が延在する方向と略直交しかつ地面に対して略垂直な面に対して左右に傾斜した面として構成されている。この傾斜角度は、バンパー表面14に後述する作用力が生じたときに、バンパー10および単管パイプ102の端部102aが左方向Lまたは右方向R(詳細は図6参照)に移動する程度の角度に形成されている。
【0030】
ここで、作用力変向面14a、14bを、地面に対して垂直な面にしたのは、後述する作用力を受けたときに、単管バリケード1が左方向または右方向に移動するようにして、上方向には移動しないようにするためである。すなわち、単管バリケード1が上側に移動するような変向面にならないようにしている。
例えば、車両が単管パイプ102の長手方向と同一方向に走行してきた場合、単管バリケード1を左右方向に逃がすことで、車両の走行スピードによって単管パイプ102がさらに車両の左右に弾き飛ばされるので、車両が単管パイプ102の端部102aに突き当たり難くなる。一方、上に逃がした場合、単管パイプ102の端部102aが車両のフロントガラスに向いてしまうため、好ましくないからである。
【0031】
また、作用力変向面14a、14bのそれぞれの上部および下部には、取付面13に向かって凹んだ取付凹部15、15が形成されている。また、取付凹部15、15の凹んだ奥行き面15aには、取付穴15b、15bが形成されている。この取付穴15b、15bには、U字形状のUボルト16のボルト部分16aが挿通される。
【0032】
さらに、バンパー本体部11の上部には、図3および図4に示すように、逆U字形状の取手21が一体に設けられており、バンパー10またはバンパー10が取り付けられた単管バリケード1を容易に持ち運ぶことができるようにしている。
【0033】
バンパー本体部11の内部には、図5に示すように、ブロー成形によって中空部22が形成されている。また、取手21の下側には、図3および図4に示すように、この中空部22に連通する態様で形成された開口部23が形成されている。また、この開口部23は、着脱可能な蓋24が螺合する態様で取り付けられている。この開口部23からは、蓋24を取り外して中空部22に水(液状体)を注入することができるようになっている。なお、この水は、車両とバンパー10が衝突した際に、この衝撃を緩和するクッションとしての機能を果たすものであり、水以外の液体であっても構わない。
【0034】
圧力緩和部材12は、図3〜図5に示すように、角部が面取りされた略四角形状の圧力緩和板17と、この圧力緩和板17の後側に延びるように取り付けられた取付パイプ18とで構成されている。この圧力緩和板17は、図3および図4に示すように、バンパー本体部11の取付面13と全面で接する圧力緩和面17aを有している。また、圧力緩和板17には、圧力緩和面17aから裏側に向けて貫通し、上下方向へ延びる2つの取付長穴19、19が形成されている。
【0035】
この取付長穴19、19には、上述したUボルト16のボルト部分16aが挿通され、圧力緩和面17aの裏面側からナット20を螺合させることにより、バンパー本体部11と圧力緩和部材12とが着脱可能に固定される。また、Uボルト16は、その取付の際に取付長穴19,19の長手方向に自由に位置を調整して取付ができるようになっている。これにより、上下に並べて配置した単管パイプ102、102の間隔が異なるような単管バリケード1にもそれぞれ取り付けることができる。
【0036】
また、バンパー本体部11の取付凹部15には、Uボルト16を挿通してバンパー本体部11に圧力緩和部材12を取り付けた後に、この取付凹部15の開口部を塞ぐための塞ぎ部材25が嵌め込まれる。この塞ぎ部材25の表面は、図5に示すように、塞ぎ部材25が取り付けられた状態で、上述した作用力変向面14a、14bと平行な面になるように形成されている。
【0037】
取付パイプ18は、図3〜図5に示すように、圧力緩和板17の裏面から後方に向けて突出する態様で取り付けられている。この取付は、圧力緩和板17と取付パイプ18の外周縁部を溶接等で固定したものである。この取付パイプ18の内側には、図2および図5に示すように、単管パイプ102の端部102aが挿入されるようになっている。
【0038】
また、取付パイプ18の外周には、図5に示すように、取付穴27が設けられており、この取付穴27には溶接ナット26が溶着されている。この溶着ナット26に固定ボルト28を螺合させ、固定ボルト28で単管パイプ102の外周面を押圧することによって、取付パイプ18が単管パイプ102に着脱自在に取り付けられる。
【0039】
圧力緩和板17の圧力緩和面17aの表面積は、図5に示すように、取付パイプ18および単管パイプ102の断面積よりも大きくなるように形成されている。また、取付パイプ18および取付後の単管パイプ102の中心線は一致するように取り付けられている。さらに、圧力緩和面17aは、この中心線29と略直交する面となるように形成されている。
【0040】
このように圧力緩和部材12をバンパー本体部11と単管パイプ102との間に介在する態様で配置することで、バンパー10のバンパー表面14で受ける作用力(詳細は後述する)を圧力緩和部材12の圧力緩和面17aで受けるようになり、単管パイプ102の端部102aが直接受けないようになる。
【0041】
次に、本発明の実施の形態に係るバンパー10の作用について図6を用いて説明する。図6は、バンパー10への作用力と単管バリケード1の移動方向を示す平面図である。
【0042】
単管バリケード1の前側から、例えば車両等が突入してきた場合、この突入による作用力は、図6に示すように、バンパー10のバンパー表面14(14a、14b)が受ける。この作用力はバンパー表面14に対してさまざまな方向から作用することが想定されるため、A〜Eに分けて説明する。
【0043】
(1)作用力変向面14aとほぼ垂直な作用力Aを受ける場合
作用力Aが作用力変向面14aに生じた場合、作用力Aは、作用力変向面14aを右側へ押し込むようになる。そのため、バンパー10によって覆われた単管パイプ102の端部102aは、バンパー10の正面から見て右方向Rに向かって移動する(逃げる)ようになる。そのため、単管パイプの端部102aは、作用力Aの方向と単管パイプ102の中心線29の延在方向とが一致しない方向へと逃げて行くので、単管パイプ102が作用力Aの方向から来る車両等に突き当たることがない。
【0044】
(2)作用力変向面14bとほぼ垂直な作用力Bを受ける場合
作用力Aが作用力変向面14aに生じた場合、作用力Bは、作用力変向面14aを右側へ押し込むようになる。そのため、バンパー10によって覆われた単管パイプ102の端部102aは、バンパー10の正面から見て左方向Lに向かって移動するようになる。そのため、単管パイプの端部102aは、作用力Bの方向と単管パイプ102の中心線29の延在方向とが一致しない方向に逃げて行くので、単管パイプ102が作用力Bの方向から来る車両等に突き当たることがない。
【0045】
(3)単管パイプ102の中心線29の延在方向と一致する作用力Cを受ける場合
この場合、頂部14cのR形状によって、単管パイプの端部102aが左右のいずれかに振られるようになる。これにより、単管パイプ102の端部102aは、作用力変向面14aまたは14bの平面のいずれかに沿って、左方向Lまたは右方向Rへと移動するようになる。そのため、単管パイプの端部102aは、作用力Cの方向と単管パイプ102の中心線29の延在方向とが一致しない方向に逃げて行くので、単管パイプ102が作用力Cの方向から来る車両等に突き当たることがない。
【0046】
(4)単管パイプ102の中心線29と平行であって頂部14cと少しずれた位置で作用力Dを受ける場合
単管パイプ102の端部102aは、作用力変向面14aが作用力Dの方向と直交しようとする方向へ移動するようになる。すなわち、左方向Lに移動するようになり、作用力Dの方向と単管パイプ102の中心線29の延在方向とが一致しない方向に逃げて行くので、単管パイプ102が作用力Dの方向から来る車両等に突き当たることがない。
【0047】
(5)単管パイプ102の中心線29と平行であって頂部14cと少しずれた位置で作用力Eを受ける場合
単管パイプ102の端部102aは、作用力変向面14bが作用力Eの方向と直交しようとする方向へ移動することになる。すなわち、右方向Rに移動するようになり、作用力Eの方向と単管パイプ102の中心線29の延在方向とが一致しない方向に逃げて行くので、単管パイプ102が作用力Eの方向から来る車両等に突き当たることがない。
【0048】
上述した(1)〜(5)のように、バンパー表面14に作用力A〜Eのいずれかが作用したとしても、いずれも単管パイプ102の延在方向と作用力A〜Eの向きが一致しない方向(左右方向)へと単管バリケード1が移動することになる。
また、バンパー本体部11内に注入された水によって、車両が突入してきた衝撃をバンパー10が緩衝するようになる。
さらに、仮に作用力A〜Eのいずれかと単管パイプ102の延在方向とが一致したとしても、バンパー表面14の裏側にある圧力緩和板17の圧力緩和面17aの広い面積で車両の衝撃を受ける。そのため、単管パイプ102の端部102aに突き当たる場合と比較して、その衝撃の圧力を小さくし、端部102aが突き当たり難くする。
【0049】
次に、本発明に係るバンパー10を用いた単管バリケード1の配置方法について、図7および図8を用いて説明する。
図7は、単管バリケード用バンパーを取り付けた単管バリケードを長手方向を揃えて直列に並べて配置した状態を示す側面図、図8は、図7の平面図である。
【0050】
単管バリケード1は、工事現場の立ち入り禁止範囲の広さに合わせて、複数の単管バリケード1が並べて使用される。より詳細には、図7および図8に示すように、それぞれの単管バリケード1は、単管パイプ102の延在方向に対して直列に並べて複数配置されることにより、囲われた内部に通行人等が侵入できないようにしている。
【0051】
ここで、従来の工事現場等で使用される単管バリケードについて説明すると、複数の単管バリケードを直列に並べて配置した後に、保護カバー105、106(図11参照)が取り付けられる。この保護カバー105、106は、直列に並べた単管バリケードのうち、両端に位置する単管バリケードの端部にのみ取り付けていた。すなわち、並べられて隣り合って位置する単管パイプの端部には、保護カバー105、106は取り付けられていなかった。そのため、単管パイプ102の延在方向に作用力が生じた場合、隣り合う単管パイプ102の端部102a同士が突き当たり、この作用力を隣の単管パイプ102が受けるようになっていた。
【0052】
本発明の単管バリケード1には、それぞれの単管バリケード1の両端部にバンパー10を取り付けることで、隣り合う単管バリケード1は、バンパー10のバンパー表面14同士が対向する態様で配置される。
例えば、図8において左側から右側に向いた作用力を受け、単管バリケード1の前端部が左側に移動したとする。この場合、単管バリケードの1の後端部(他方の端部)は、単管バリケード1の重心Gを中心に作用するモーメント力によって、右側に移動(回転)するようになる。
【0053】
このモーメント力を受けつつ図8の右側(単管バリケード1の延在方向の後側)に向けて押し込まれると、作用力は、隣り合うバンパー10の作用力変向面14a、14b同士が押し合いながら次の単管バリケード1に伝達されていくことになる。そして、同様に、次の単管バリケード1は、作用力によってその前端部の向きが左側に移動する。これにより、直列に配置された複数の単管バリケード1の単管パイプ102の向きは、左右に互い違いに向けられ、その全てが作用力の方向と異なる向きに変向されるようになる。その結果、その全ての単管パイプ102の長手方向の向きと作用力の向きとが一致しなくなり、複数ある単管バリケード1のいずれの単管パイプ102も車両に突き当たり難くなる。
【0054】
本発明の実施の形態に係るバンパー10によれば、単管パイプ102の端部102aに向かう作用力A〜Eを受けるバンパー表面14を有し、このバンパー表面14には、作用力A〜Eを受けたときに、単管パイプ102の延在方向に対して左方向Lまたは右方向Rへと単管バリケード1を移動させる作用力変向面14a、14bが形成されているので、作用力A〜Eの方向に対し、単管バリケード1が左方向Lまたは右方向Rへと移動して、単管パイプ102の延在方向が作用力A〜Eの方向と一致しない(向かない)ようになる。そのため、例えば、単管パイプ102の延在方向から車両が突入した場合であっても、単管バリケード1自体が左方向Lまたは右方向Rに移動して(ずれて)、単管パイプ102の端部102aが車両に向かないようにすることができる。そのため、単管パイプ102が車両等に突き当たり難くなり、より安全性を向上させた単管バリケード1を提供することができる。
【0055】
また、作用力変向面14a、14bの反対側の取付面13には、単管パイプ102の端部102aとの間に介在し、単管パイプ102の断面積よりも広い面積を有し、作用力A〜Eによって受ける圧力を緩和させる圧力緩和板17が設けられているので、単管パイプ102の端部102aに作用力A〜Eが付加されたとしても、その圧力緩和板17の圧力緩和面17aで受けることで、作用力A〜Eによって生じる圧力が小さくなる。
【0056】
さらに、圧力緩和板17の圧力緩和面17aが、単管パイプ102の延在方向と略直交しているので、単管パイプ102の延在方向と作用力とが仮に一致したとしても、突き当たる衝撃により生じる圧力を効果的に緩和することができる。そのため、車両が単管パイプ102の端部102aに突き当たろうとする力が小さくなり、車両が突き当たり難くなる。
【0057】
また、作用力変向面14a、14bは、単管パイプ102の延在方向と略直交する面に対して左右に傾斜した平面であるため、作用力A〜Eを受けたときに、単管バリケード1が左方向または右方向にのみ移動するようになる。すなわち、単管パイプ102の端部102aが上側に移動しないようにすることができる。
【0058】
さらに、断面が略三角形状をなし、その一辺が圧力緩和板17の圧力緩和面17aと接する態様で取り付けられ、二辺が作用力変向面14a、14bとして機能させているので、バンパー本体部11をブロー成形で成形しやすい形状とすることができる。そのため、バンパー本体部11を容易かつ安価に製造することができる。
また、圧力緩和面17aは、取付面13とその全面で接するようにしているので、バンパー10への作用力A〜Eによって生じる圧力の全てが圧力緩和面17aで生じることになる。そのため、単管パイプ102の端部102aで圧力が生じる場合と比較して、圧力を小さくすることができる。
【0059】
また、ブロー成形によって内部に中空部22を形成し、この中空部22に緩衝用の水を注入しているので、バンパー本体部11に生じる作用力を水によって緩衝することができる。そのため、作用力A〜Eの衝撃を和らげ、安全性を向上させることができる。
【0060】
さらにまた、2本の単管パイプ102を上下に並べて配置した単管バリケード1に使用され、単管パイプ102の端部102aのすべてを一体で覆うようにしているので、バンパー10の着脱作業を容易に行うことができる。
【0061】
一方、本発明に係る単管バリケード用バンパー10を用いた単管バリケード1によれば、単管バリケード用バンパー10を単管パイプ102の両方の端部にそれぞれ取り付けているので、複数の単管バリケード1を直列に並べて配置する場合に、隣り合う単管バリケード用バンパー10同士の作用力変向面14a、14bが対向するように配置することができる。そのため、並べて配置された一番端の単管バリケード1に作用力が生じた場合に、隣り合う単管バリケード用バンパー10の作用力変向面14a、14b同士が当接して、並べられたそれぞれの単管バリケード1が左方向Lまたは右方向Rへ移動するようになる。そのため、例えば、単管パイプ102の延在方向から車両が突入した場合であっても、それぞれの単管バリケード1自体が左右に移動して(ずれて)、それぞれの単管パイプ102の端部102aが車両に向かないようにすることができる。そのため、より安全性を向上させた単管バリケードを提供することができる。
【0062】
他方、本発明に係るバンパー10を取り付けた単管バリケード1の配置方法によれば、単管パイプ102の端部102aが位置する単管バリケード1の両端にバンパー10を取り付け、少なくとも2つ以上の単管バリケード1を、バンパー10が対向するように並べて配置しているので、並べて配置された一番端の単管バリケード1に作用力が生じた場合に、隣り合うバンパー10の作用力変向面14a、14b同士が当接して、並べられたそれぞれの単管バリケード1が左右方向へ移動するようになる。そのため、例えば、単管パイプ102の延在方向から車両が突入した場合であっても、それぞれの単管バリケード1自体が左方向Lまたは右方向Rのいずれかに移動して(ずれて)、直列に並べられた単管バリケード1の全ての単管パイプの端部が車両に向かないようにすることができる。特に、従来では、複数のうちの1つの単管バリケードが左右に動かずに、前側の単管バリケードを支えてしまう(作用力をそのまま受けるようにしてしまう)ことによって単管パイプ102が車両に突き当たるおそれがあったが、本方法によれば、左または右に動き易くしているので、後側の単管バリケード1が前側の単管バリケード1を支えるおそれがない。そのため、単管パイプ102が車両等に突き当たり難くなり、より安全性を向上させた単管バリケードの配置方法を提供することができる。
【0063】
以上、本発明の実施の形態に係る注意喚起用具について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、本実施のバンパー10のバンパー表面14には、図9(a)〜(c)に例示的に示すように、注意換気用の文字、図形、模様を記載したり、注意換気用の色彩や発色を施したりするようにしてもよい。
【0064】
図9(a)は、バンパー表面14に、歩行者誘導用の矢印31の図形を記載したものである。例えば、この矢印31の外側を黄色に着色し、矢印31の内側を赤色にするなどして、矢印部分を強調して示すものであってもよい。また、矢印31部分を蛍光塗料で記し、車両等のヘッドライトで照らされたときに矢印31部分が強調されるようにしてもよい。
また、図9(b)は、注意喚起用に「工事車両出入口」という文字32を記載したものである。さらに、図9(c)は、「徐行」という文字33を記載したものである。これらの文字32、33も、同様に配色、発色等によって縁取りや彩りを強調するようにしてもよい。
【0065】
これらの図9(a)〜図9(c)に示す矢印や文字は、バンパー表面14にペイント等で直接記すものであってもよく、予め印刷した標示シート(図示せず)をバンパー表面14に貼り付けるようにしてもよい。これにより、バンパー表面14に容易に標示を付することができる。
【0066】
また、本実施の形態では、作用力変向面14a、14bを平面形状にしているが、作用力A〜Eを受けて単管パイプ102の端部102aを移動させることのできる形状であれば、例えば、凸型の球面形状であっても構わない。この形状は、ブロー成形などの成形手法に合わせて、最適な形状にすることができる。
【0067】
また、本実施の形態では、バンパー10をバンパー本体部11と圧力緩和部材12とで構成しているが、バンパー本体部11のみで構成することもできる。これによっても、バンパーに作用力A〜Eが作用した場合に、作用力の方向と単管パイプ102の延在方向とが一致しないように、単管パイプ102の端部102aの向きを変向することができる。なお、圧力緩和部材12も一緒に構成し、単管パイプ102の端部102aに圧力が集中するのを防止する構成の方がより好ましい。
【0068】
さらに、本実施の形態では、バンパー10を上下に延びるように形成し、上下に並設された単管パイプ102の両方の端部102a、102aを覆うように形成しているが、それぞれの単管パイプ102の端部102aを単体で覆う構造であっても構わない。
逆に、3本以上の単管パイプ102を使用する単管バリケードの場合には、3つ以上の単管パイプの端部102aを1つのバンパーで覆うようにしてもよい。
【0069】
また、本実施の形態では、圧力緩和板17の圧力緩和面17aは、取付パイプ18および取付後の単管パイプ102の中心線と略直交する面となるようにしているが、単管パイプ102の端部102aよりも大きな面積を有し、その圧力を小さくすることができれば、必ずしも直交している必要はない。
【0070】
また、本実施の形態におけるバンパー本体部11と圧力緩和部材12とは、Uボルト16を用いて固定されているが、圧力緩和面17aが取付面13と面で接触していれば、ボルトで固定していなくてもよい。例えば、バンパー本体部11の取付面13に取付フックを設け、圧力緩和部材12を先に単管パイプ102に取り付けた後に、後からバンパー本体部11のフックを圧力緩和板17に上から引っかけるようにして取り付けることもできる。これによれば、圧力を緩和する機能を保持しつつ、バンパー本体部11を現地で容易に取り付けることができるようになる。
【0071】
他方、本実施の形態に係るバンパー10は、バンパー表面14に取付凹部15を設け、この取付凹部15からUボルトを挿入することによってバンパー本体部11と圧力緩和板17とを固定しているが、取付凹部15を設けずに他の構造で固定することもできる。図10(a)および図10(b)は、本実施の形態に係るバンパーの変形例の一例を示す斜視図である。
【0072】
図10(a)に示す単管バリケード用バンパー50(以下、バンパー50という)は、バンパー表面54を構成する作用力変向面54a、54bに、取付凹部15(図3または図5参照)を設けていない(それ以外の構成は、本実施の形態における作用力変向面14a、14bと同じである)
また、図10(b)に示すように、バンパー50の裏側に位置する取付面53には、ねじ穴を有するインサートナット60がブロー成型時にインサートされている。この構造では、圧力緩和板17を取付面53にあてがい、単管パイプ側からボルトを挿入して螺合させることで、取付面53に圧力緩和板17が取り付けられるようになる。
【0073】
このような構成のバンパー50では、作用力変向面54a、54bに塞ぎ部材25(図3または図5参照)の表面部分による段差や隙間がなくなるので、作用力変向面54a、54bに作用力A〜Eが生じた時に引っかかりがなくなる。また、バンパー50のブロー成型時に、バンパー50内部に取付凹部15等を設ける必要がなくなるので、金型構造が簡素化され、より安価にバンパー50を製作することができる。さらには、塞ぎ部材25が不要となり、部品点数を削減することができる。
【0074】
さらに、本実施の形態では、水などの液状体を注入するための開口部23を取手21の下側に設けているが、これに限定されるものではない。例えば、図10(a)および図10(b)に示すように、取手61の横側に開口部63を設けるようにしてもよい。すなわち、開口部63は、成形金型を製作し易い位置に配置することで、金型の設計自由度を高め、より金型を安価に製作できるようにすることができる。
【符号の説明】
【0075】
1 単管バリケード
2 接地面(地面)
10、50 単管バリケード用バンパー(バンパー)
11、51 バンパー本体部
12 圧力緩和部材
13、53 取付面
14、54 バンパー表面
14a、14b、54a、54b 作用力変向面
14c 頂部
15 取付凹部
15a 奥行き面
15b 取付穴
16 Uボルト
16a ボルト部分
17 圧力緩和板
17a 圧力緩和面
18 取付パイプ
19 取付長穴
20 ナット
21、61 取手
22 中空部
23、63 開口部
24 蓋
25 塞ぎ部材
26 溶接ナット
27 取付穴
28 固定ボルト
29 単管パイプの中心線
60 インサートナット
A、B、C、D、E 作用力
L バンパーの移動方向(左方向)
R バンパーの移動方向(右方向)
G 重心
101 単管バリケード
102 単管パイプ
102a 単管パイプの端部
103 脚部
104 クランプ金具
105、106 保護カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単管パイプを地面に対して略平行に配置した単管バリケードに設けられ、前記単管パイプの端部を覆う単管バリケード用バンパーであって、
前記単管パイプの端部に向かう作用力を受けるバンパー表面を有し、このバンパー表面には、前記作用力を受けたときに、前記単管パイプの延在方向に対して左方向または右方向へと前記単管バリケードを移動させる作用力変向面が形成されていることを特徴とする単管バリケード用バンパー。
【請求項2】
前記作用力変向面の反対側には、前記単管パイプの端部との間に介在し、前記単管パイプの断面積よりも広い面積を有し、前記作用力によって受ける圧力を緩和させる圧力緩和板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の単管バリケード用バンパー。
【請求項3】
前記圧力緩和板の圧力緩和面が、前記単管パイプの延在方向と略直交していることを特徴とする請求項2に記載の単管バリケード用バンパー。
【請求項4】
前記作用力変向面は、前記単管パイプの延在方向と略直交する面に対して左右に傾斜した平面であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の単管バリケード用バンパー。
【請求項5】
断面が略三角形状をなし、その一辺が前記圧力緩和面と接する態様で取り付けられ、他の二辺が前記作用力変向面として機能することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の単管バリケード用バンパー。
【請求項6】
前記作用力変向面を、外側に膨らむ曲面形状にしたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の単管バリケード用バンパー。
【請求項7】
ブロー成形によって内部に中空部を形成し、この中空部に緩衝用の液状体を注入したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の単管バリケード用バンパー。
【請求項8】
少なくとも2本以上の前記単管パイプを配置した単管バリケードに使用され、前記単管パイプの端部のすべてを一体で覆うように構成したことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の単管バリケード用バンパー。
【請求項9】
単管パイプの端部を覆い、前記単管パイプの端部に向かう作用力を受けるバンパー表面を備え、このバンパー表面には、前記作用力を受けたときに、前記単管パイプの延在方向に対して左方向または右方向へと前記単管バリケードを移動させる作用力変向面が形成された単管バリケード用バンパーが用いられ、
この単管バリケード用バンパーを前記単管パイプの両方の端部にそれぞれ取り付けたことを特徴とする単管バリケード用バンパーを用いた単管バリケード。
【請求項10】
前記作用力変向面の反対側には、前記単管パイプの端部との間に介在し、前記単管パイプの断面積よりも広い面積を有し、前記作用力によって受ける圧力を緩和させる圧力緩和板が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の単管バリケード用バンパーを用いた単管バリケード。
【請求項11】
単管パイプの端部を覆い、前記単管パイプの端部に向かう作用力を受けるバンパー表面を備え、このバンパー表面には、前記作用力を受けたときに、前記単管パイプの延在方向に対して左方向または右方向へと前記単管バリケードを移動させる作用力変向面が形成された単管バリケード用バンパーを有し、
この単管バリケード用バンパーを両方の端部にそれぞれ取り付けた単管バリケードが用いられ、
少なくとも2つ以上の前記単管バリケードを、前記単管バリケード用バンパーが対向するように並べて配置したことを特徴とする単管バリケードの配置方法。
【請求項12】
前記作用力変向面の反対側には、前記単管パイプの端部との間に介在し、前記単管パイプの断面積よりも広い面積を有し、前記作用力によって受ける圧力を緩和させる圧力緩和板が設けられていることを特徴とする請求項11に記載の単管バリケードの配置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−241334(P2012−241334A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109546(P2011−109546)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【特許番号】特許第4883594号(P4883594)
【特許公報発行日】平成24年2月22日(2012.2.22)
【出願人】(503432803)上北建設株式会社 (3)
【出願人】(593028551)伊藤忠建機株式会社 (2)
【出願人】(591005453)青森県 (52)
【Fターム(参考)】