説明

単軸ロボット及びケース部材

【課題】構成の簡素化及び低廉化を図る共に生産性及びメンテナンス性を向上させる。
【解決手段】単軸ロボットは、前後方向(一軸方向)に延びるケース部材と、これに収容される可動部材10と、この可動部材を移動させる駆動手段とを含む。ケース部材は、可動部材10を前後方向に移動可能に支持するガイドレール2及び支持ブロック26,27等のカバー固定用部材と、このレール2の当該レール2に沿って前後方向に延びる一対の側面カバー3と、支持ブロック26,27等に固定される端面カバーとを有する。端面カバーは、各側面カバー3と嵌合可能な嵌合部を有し、各側面カバー3は、それぞれ端面カバーに嵌合することにより両端面カバーに挟持された状態で、当該端面カバーを介してガイドレール2に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの駆動により可動部材を一軸方向に移動させる単軸ロボットおよび当該単軸ロボットに適したケース部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、回転モータを駆動源とするねじ送り機構によりスライダ(可動部材)を一軸方向に移動させるように構成された単軸ロボットが一般に知られている。
【0003】
特許文献1には、この種の単軸ロボットの一例が記載されている。この文献1に記載される単軸ロボットは、一軸方向に延びる箱形のハウジング(ケース部材)を有し、このハウジング内にスライダとねじ送り機構を収容した構成となっている。ハウジングは、一軸方向に延びる基台及び一対のサイドカバーと、これらの長手方向端部に配置されるフロントカバー及びリアカバーとにより構成されている。そして、前記基台にスライダが移動可能に支持され、このスライダを駆動するねじ送り機構の各パーツが当該基台に組付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−197304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のこの種の単軸ロボットは、基台又はこれに固定されるブロック部材等に各カバーがねじ止めされて上記ハウジングが構成されている。そのため、基台や各カバーの製造に数多くのねじ孔等の二次加工が必要になると共に、組立に多くのねじ部材(ボルト)を使用する必要があり、これが単軸ロボットの低廉化を図る上でのマイナス要素の一つとなっている。また、生産時には、各カバーの固定に多くのねじ止め作業を要する上、カバー毎に異なる方向から当該作業を行う必要があるため、各カバーの組付け作業に時間を要していた。この点はメンテナンスの際にも同様である。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、単軸ロボットの構成の簡素化及び低廉化を図ること、また、その生産性やメンテナンス性を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、一軸方向に延びるケース部材と、このケース部材内に収容されかつ前記一軸方向に移動可能に支持される可動部材と、この可動部材を移動させる駆動手段とを含む単軸ロボットにおいて、前記ケース部材は、前記可動部材を移動可能に支持するためのベース部材と、このベース部材の幅方向両側にそれぞれ配置されて当該ベース部材に沿って前記一軸方向に延びる一対の側面カバーと、ベース部材の前記一軸方向における末端部分にそれぞれ固定される端面カバーと、を含み、前記各端面カバーは、前記各側面カバーの末端部分と嵌合可能な嵌合部をそれぞれ有し、前記各側面カバーは、それぞれ前記嵌合部に嵌合することにより両端面カバーの間にそれぞれ挟持された状態で当該端面カバーを介して前記ベース部材に固定されているものである。
【0008】
この単軸ロボットによれば、各側面カバーが両端面カバーの間に挟持された状態でこれら端面カバーを介してベース部材に固定されるため、ねじ孔やねじ部材等、各側面カバーを固定するための固有の固定手段が不要となる。そのため、生産コストを抑えることができ、又組立(生産)や分解(メンテナンス)時の作業性を向上させることが可能となる。
【0009】
具体的には、前記端面カバーの嵌合部は、前記側面カバーの厚み方向内外両面にそれぞれ接するように前記側面カバーの断面形状に対応して配列される複数の嵌合片を有し、前記一軸方向に沿って前記側面カバーの末端部分が前記嵌合片の間に差し込まれることにより当該側面カバーと嵌合するように構成されている。
【0010】
この構成によれば、各端面カバーと各側面カバーとを相互に抜き差しするだけで、簡単にケース部材を組立てることができ、また分解することができる。
【0011】
また、各端面カバーは、前記ベース部材に嵌合することにより当該ベース部材に位置決めされると共に、特定の一方向であってかつ互いに同一の方向からねじ部材により前記ベース部材に固定されている。
【0012】
この構成によれば、両端面カバーを特定の一方向からの作業のみで難なくベース部材に対して固定することが可能となるため、単軸ロボット(特に、ケース部材)の組立や分解時の作業性がより一層向上する。
【0013】
なお、上記の単軸ロボットにおいて、ベース部材は、前記可動部材を移動可能に支持するガイドレールとこのガイドレールの端部に組付けられるカバー固定用部材とからなり、当該カバー固定用部材に対して前記各端面カバーが固定されているのが好適である。
【0014】
つまり、ベース部材は、可動部材のガイドレールを支持するための当該レールとは別体の基台であってもよいが、上記のようにガイドレールそのものをベース部材とする構成によれば、単軸ロボットの構成の簡素化及び低廉化をより進めることが可能となる。
【0015】
また、前記駆動手段は、前記可動部材に組付けられるナット部材と、前記一軸方向に延びかつ前記ナット部材に挿入された状態でその両端部が前記ベース部材に回転可能に支持されるねじ軸と、前記ねじ軸の一端側に配置されて当該ねじ軸を回転駆動するモータとを含む構成とすることができ、この場合、前記端面カバーのうち前記モータに近接する側の端面カバーは、前記嵌合部を有するカバー本体部とこれに対して着脱可能に装着される蓋部とを含み、前記側面カバーと協働して前記モータを収容するための収容部を形成すると共に前記カバー本体部から前記蓋カバーを取外した状態で前記収容部を開放するように構成されているのが好適である。
【0016】
この構成によれば、組立や分解時の結線等の作業を、当該収容部を開放した状態で側面カバーを取り外せば勿論のこと、側面カバーを取り外さなくてもケース部材の外側から難なく行うことが可能となり、組立や分解時の作業性が向上する。
【0017】
なお、上記単軸ロボットは、前記ケース部材に前記一軸方向に延びかつ上方に開口する開口部が設けられ、当該開口部から一部分が外部に突出するように前記可動部材が構成されると共に、当該可動部材の内部を通過するように、前記開口部を塞ぐための前記一軸方向に延びるシャッタ部材が前記ケース部材の上面部分に設けられた構成でもよく、この場合には、前記ベース部材は、前記一軸方向における前記開口部の外側の位置にそれぞれカバーを固定するための固定部を有し、前記各端面カバーは、当該固定部に嵌合すると共に当該固定部に対して上方から前記ねじ部材により固定されており、前記シャッタ部材は、前記一軸方向両端部のうち少なくとも一方側が前記端面カバーに重ねられた状態で当該端面カバーと共に前記ねじ部材により前記固定部に固定されているのが好適である。
【0018】
この構成によれば、端面カバーを固定するためのねじ部材を兼用してシャッタ部材を固定することができるため、シャッタ部材専用のねじ部等の固定手段が不要となる。
【0019】
一方、本発明は、一軸方向に延びるケース部材と、このケース部材内に収容されかつ前記一軸方向に移動可能に支持される可動部材と、前記可動部材を移動させる駆動手段とを含む単軸ロボットの前記ケース部材であって、前記可動部材を移動可能に支持するためのベース部材と、このベース部材の幅方向両側にそれぞれ配置されて当該ベース部材に沿って前記一軸方向に延びる一対の側面カバーと、ベース部材の前記一軸方向における末端部分にそれぞれ固定される端面カバーと、を含み、前記各端面カバーは、前記各側面カバーの末端部分と嵌合可能な嵌合部をそれぞれ有し、前記各側面カバーは、それぞれ前記嵌合部に嵌合することにより両端面カバーの間にそれぞれ挟持された状態で当該端面カバーを介して前記ベース部材に固定されているように構成されているものである。
【0020】
このようなケース部材によれば、上述した単軸ロボットのケース部材として有用なものとなる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明の単軸ロボットによれば、ねじ孔やねじ部材等、各側面カバーを固定するための固有の固定手段を不要とした簡素な構成となり、これにより低廉化を図ることができ、また、生産性やメンテナンス性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る単軸ロボット(本発明に係るケース部材が適用される)を示す側面図である。
【図2】単軸ロボットを示す平面図である。
【図3】単軸ロボットを示す図1のIII−III線断面である。
【図4】単軸ロボットの分解斜視図である。
【図5】単軸ロボットを示す図3のV−V線断面である。
【図6】単軸ロボットを示す図3のVI−VI線断面である。
【図7】単軸ロボットを示す図3のVII−VII線断面である。
【図8】単軸ロボットを示す図3のVIII−VIII線断面である。
【図9】単軸ロボットの分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
【0024】
図1〜図4は、本発明に係る単軸ロボット(本発明に係るケース部材が適用されている単軸ロボット)を概略的に示しており、図1は平面図、図2は側面図、図3は断面図、図4は分解斜視図でそれぞれ単軸ロボットを示している。
【0025】
同図に示す単軸ロボットは、一軸方向に延びる細長のケース部材1と、このケース部材1に直線的に移動可能に支持される可動部材10と、この可動部材10を駆動する駆動手段とを含む。なお、この実施形態では、便宜上、ケース部材1が延びる一軸方向を前後方向(図1中の左方を「前」、右方を「後」とする)、これと直交する水平な方向(図1の上下方向)を幅方向(又は左右方向)として説明する。
【0026】
前記ケース部材1は、主にガイドレール2からなるベース部材と、このベース部材の幅方向両側にそれぞれ配置されて当該ベース部材に沿って延びる一対の側面カバー3,3と、ベース部材の前後方向末端部分に固定される端面カバー4,5(必要に応じて前端カバー4、後端カバー5と呼ぶ)とを含み、上面部に前後方向に延びる開口部1aを備えた断面矩形の箱形の形状を有している。なお、ケース部材1の詳細構造については後に詳述する。
【0027】
前記可動部材10は、前記開口部1aからその一部を上方に突出させた状態で前記ケース部材1の内部に収容され、前記ガイドレール2に移動可能に支持されている。具体的には、図5に示すように、可動部材10はその下面に一対の前後方向所定長さのスライダ101,101を備えており、これらスライダ101,101がガイドレール2を幅方向両側から挟み込んだ状態でそれぞれ当該ガイドレール2に対して摺動可能に係合している。これにより可動部材10がガイドレール2に対して移動可能に支持されている。
【0028】
可動部材10のうち前記開口部1aを介してケース部材1の上方に突出した部分(テーブル部10aと称す)には、その幅方向両端にそれぞれ前後方向に延びる一対の工具取付部102が設けられている。これらの工具取付部102は、テーブル部10aの他の部分よりも上方に突出しており、それぞれ略水平な工具取付面を上端部に備えている。各工具取付面には複数のねじ孔103が穿設されており、これによって可動部材10に対して用途に応じた各種の工具や機器等が取付可能となっている。
【0029】
図3及び図5に示すように、テーブル部10aの上面のうち両工具取付部102の間には着脱可能な樹脂製の保護部材12が装着され、さらに工具取付部102を除く部分の全体を上から覆うように着脱可能な樹脂製のテーブルカバー13がテーブル部10aに装着されている。
【0030】
保護部材12とテーブルカバー13との間には前後方向に貫通する上下方向に扁平な隙間が形成され、シャッタ6(本発明のシャッタ部材に相当する)がこの隙間を通過するように配置されている。シャッタ6は、ケース部材1の前記開口部1aを塞ぐもので、前後方向に細長でかつ可撓性を有するステンレス製の薄板からなり、図1及び図3に示すに、ケース部材1の上面部分に配置され、テーブル部10aの内部、つまり前記保護部材12とテーブルカバー13との上記隙間を通過した状態で、その前後両端が後述する支持ブロック26,27に対して固定されている。
【0031】
保護部材12の上面及びテーブルカバー13の下面は、それらの高さが前後方向に変化するように、具体的にはテーブル部10aの前後方向中間位置で最も高くなり同方向両端位置で最も低くなるように形成されている。これにより保護部材12とテーブルカバー13との間に上向きに凸となる上記隙間が形成されている。従って、可動部材10が移動すると、テーブルカバー13の前後方向両端部13a,13aのうち可動部材10の移動方向前方の端部下面により押し下げられて開口部1aを閉じるシャッタ6が、保護部材12の移動方向前部に沿って持ち上げられるとともに、保護部材12の移動方向後部では、テーブルカバー13の前後方向両端部13a,13aのうち上記移動方向後方となる端部下面によりシャッタ6が押し下げられ、開口部1aがシャッタ6により閉じられることとなる。なお、テーブルカバー13の前後方向両端部13a,13aは保護部材12よりも前後方向外側に延設されており、さらに前記両端部13a,13aの下面の高さ位置は保護部材12の前後両端の上面の高さ位置よりも低く(開口部1aのシャッタ6当接面の高さにシャッタ6の厚みを加えた高さに)設定されている。従って、上記隙間を通過するシャッタ6はテーブルカバー13の前後両端部13aで下方に抑え込まれながら保護部材12の上面に沿って摺動することとなり、その結果、シャッタ6の振動が防止され、可動部材10移動時の静穏化が図られている。
【0032】
可動部材10の駆動手段は、前記可動部材10に組込まれ固定されるナット部材21と、ガイドレール2に沿って前後方向に延び、かつ前記ナット部材21に挿入されるねじ軸22と、このねじ軸を回転駆動するためのモータ24とを含む。つまり、駆動手段は、モータ24によるねじ軸22の正逆回転駆動を、ナット部材21を介して前後方向の推進力に変換し、この推進力により可動部材10を移動させるように構成されている。
【0033】
前記ねじ軸22はガイドレール2に回転可能に支持され、モータ24はガイドレール2に固定され、前記ねじ軸22と前記モータ24の出力軸24aとがモータ24の回転駆動力を前記ねじ軸22に伝達し得るように互いに連結されている。
【0034】
詳しくは、ガイドレール2の前後方向両端部に支持ブロック26がボルトB11により、支持ブロック27が不図示のボルトによりそれぞれ固定され、前記ねじ軸22の前端が前側の支持ブロック26(適宜、前側ブロック26という)に軸受23aを介して回転可能にかつ軸方向に固定(拘束された状態で)支持されると共に、後側の支持ブロック27(適宜、後側ブロック27という)にねじ軸22の後端が軸受23bを介して回転可能にかつ軸方向に固定支持されている。
【0035】
前側ブロック26には、モータ取付用のブラケット28が固定されている。このブラケット28は、図3及び図4に示すように、前後方向に延びる水平部28aとその前端部から垂下する垂直部28bとを有した断面L字型の形状を有しており、水平部28aを介して前側ブロック26の上面にボルト等により固定されている。そして、モータ24が前記垂直部28bの前面に4本の通しボルト29(図6に示す)により固定され、前側ブロック26及びブラケット28(垂直部28b)に形成される貫通孔261,281を通じてモータ24の出力軸24aとねじ軸22とが互いに向かい合わせに配置され、この状態で当該出力軸24aとねじ軸22とがカップリング25を介して互いに連結されている。
【0036】
図1,図9に示すように、ブラケット28が固定される前側ブロック26の上面には前後方向に延びる凸状26aが形成され、ブラケット28の垂直部28bの下面には前後方向に延びる凹部(図9参照)がそれぞれ形成されている。そして、これら凹凸を嵌合させた状態で前側ブロック26上面にブラケット28(垂直部28b)が重ねられて互いに固定されることで、前側ブロック26に対してモータ24が上下方向及び幅方向に位置決めされている。なお、図4では、モータ24及びブラケット28を前側ブロック26から前側に引き離した状態で示している。
【0037】
前記ケース部材1は、前後方向に延びる開口部1aが上面に形成された断面矩形の箱形形状を有している。このケース部材1は、上記の通り、ガイドレール2等からなるベース部材と、このベース部材の幅方向両側にそれぞれ配置される側面カバー3,3と、ベース部材の前後方向末端部分に固定される端面カバー4,5とを含み、当実施形態では、支持ブロック26,27及びブラケット28も上記ベース部材に含まれる。
【0038】
このケース部材1では、各端面カバー4,5に側面カバー3と嵌合可能な嵌合部がそれぞれ設けられており、各側面カバー3,3の末端部がそれぞれ各端面カバー4,5に嵌合することにより各側面カバー3が当該端面カバー4,5の間に挟持された状態で当該端面カバー4,5を介してガイドレール2に組付けられている。以下、詳細に説明する。
【0039】
各側面カバー3,3は、図5に示すように、上下に延びる側面部31と、この側面部31の上下各端部からケース内側に向かって略水平に延びる底面部32及び上面部33とを有する断面コ字形の左右対称な形状を有している。これら側面カバー3,3は、アルミニウム等の押出し材により形成されている。なお、側面カバー3,3の側面部31のうち上下方向のやや下方寄りの位置には、ケース外側(幅方向外側)に膨出する膨出部31aが形成されている。また、図4,図6に示すように、側面カバー3,3の前記上面部33は、前記モータ24の収容スペースを上方に広く確保するために前記ブラケット28(垂直部28b)より前側の部分にはほとんど無く、後述するようにシャッタ6で塞ぐことが可能な開口部1aを形成すべく、垂直部28bより後側の部分に設けられている。
【0040】
前端カバー4は、図2〜図4及び図7に示すように別体のカバー本体部4Aと蓋部4Bとを含み、前記側面カバー3と協働してモータ24を収容するための収容部を形成する。前端カバー4及び蓋部4Bは、ABS等の同じ樹脂材料で形成されている。
【0041】
カバー本体部4Aは、単軸ロボットの前端面を形成する前面部40と、この前面部40の下端から後方に延びて前記モータ24の下方を覆う下面部41と、前面部40の幅方向両端からそれぞれ後方に延びる左右一対の側面ガイド部42,42とを一体に有している。そして、下面部41の先端をブラケット28のモータ取付面、つまり垂直部28bの後端面に突き当てた状態で、蓋部4Bが前側ブロック26にボルトB1で固定されることにより、蓋部4Bと一体に前側ブロック26及びブラケット28に対して固定されている。
【0042】
カバー本体部4Aの前記下面部41は、モータ24よりも若干広幅の板状に形成されており、その幅方向両端には略垂直に立ち上がる垂直片41aが設けられている。また、下面部41の先端には、その端面から突出する一対のボス41b,41bが幅方向に所定間隔を隔てて並設されており、図3,図6及び図7に示すように、各ボス41b,41bがブラケット28(垂直部28b)に形成された嵌合用凹部282(図9参照)に差し込まれた状態で下面部41の先端が上記のように垂直部28bに突き当てられることで、カバー本体部4Aが、ブラケット28に対して前後方向及び幅方向に位置決めされている。なお、下面部41は前後方向の寸法がモータ24のケース部分よりも大きく設定されており、これによりカバー本体部4Aの前面部40とモータ24との間に、配線処理用の空間が形成されている。
【0043】
カバー本体部4Aの側面ガイド部42,42は、互いに左右対称に形成されている。各側面ガイド部42,42は、図4に示すように、上下方向に並ぶ3つの板状ガイド片(上から第1ガイド片42a、第2ガイド片42b、第3ガイド片42cと称す)をそれぞれ有する。
【0044】
各側面ガイド部42,42のガイド片42a〜42cは、図7に示すように千鳥状の配置となっている。具体的には、第1,第3のガイド片42a,42cは、前記下面部41よりも幅方向外側の位置で上下に並び、第2ガイド片42bは、下面部41の前記第1垂直片41aの上方に並んでいる。つまり、図に示すように、第1ガイド片42a及び下面部41の垂直片41aと各第1、第3のガイド片42a,42cとの間に側面カバー3の前端部分が差し込まれ、側面カバー3の厚み方向内外両面にこれらガイド片等が圧接することによりカバー本体部4Aと側面カバー3とが互いに嵌合している。当実施形態では、これらの垂直片41aやガイド片42a〜42cが本発明の嵌合片に相当する。
【0045】
前記蓋部4Bは、逆皿形の部材で、カバー本体部4Aの前面部40の位置から前側ブロック26(軸受23aの部分)の位置を覆うように前後方向に細長に形成されている。蓋部4Bは、その前端部に幅方向に並ぶ一対のフック45,45を有すると共に、後端部であってその幅中間位置にはねじ止め用の一つの穿孔部46を有している。そして、カバー本体部4Aの前面部40の上端に形成された係止部44,44に対して前記フック45,45を前方側から係合させた状態で、図3に示すように、モータ24等の上方に蓋部4Bが被せられ、この状態で、ボルトB1が上記穿孔部46及びブラケット28の貫通孔を通じて前側ブロック26のねじ孔に螺合、挿入されることにより、蓋部4Bがブラケット28及び前側ブロック26に固定されている。なお、前記開口部1aのうち前側ブロック26より前方部分の開口幅は、ブラケット28やモータ24の幅より大きく、前記蓋部4Bはこの開口部1aの前方部分を上方から塞ぐように設けられている。
【0046】
つまり、カバー本体部4Aの下面部41先端がブラケット28に対してその前側から突き当てられ、かつボス41b,41bが凹部282(図9参照)に差し込まれることにより、カバー本体部4Aがブラケット28に対して前後方向及び幅方向に位置決めされ、このカバー本体部4Aに対して係合する蓋部4Bがブラケット28等に固定されることで、カバー本体部4Aおよび蓋部4Bからなる前端カバー4の全体が1本のボルトB1によってブラケット28等に固定されている。従って、この実施形態では、前側ブロック26及びブラケット28が前端カバー4を固定するための本発明に係るカバー固定用部材(又はカバーを固定するための固定部)に相当する。
【0047】
後端カバー5は、図2〜図4及び図8に示すように、単軸ロボットの後端面を形成する後面部50と、この後面部50の上端部分から前方に延びる上面部51と、後面部50の幅方向両端からそれぞれ前方に延びる左右一対の側面ガイド部52,52と、後面部50のうち各側面ガイド部52,52よりも内側の位置に形成されて前方に延びるそれぞれ左右一対の上側嵌合部53,53及び下側嵌合部54,54とを一体に有している。
【0048】
上面部51は、その幅方向中間位置に上下方向に貫通するねじ止め用の一つの穿孔部51aを有している。上側嵌合部53,53及び下側嵌合部54,54は、図8に示すように、矩形断面を有する前記後側ブロック27の四隅部分にほぼ対応した断面L字形の形状を有している。そして、当該各嵌合部53,53、54,54が後側ブロック27の四隅部分に、上面部51が後側ブロック27の上面突出部分にそれぞれ外嵌するように後側ブロック27に対してその後側から後端カバー5組付けられ、この状態で、図3に示すように、上方からボルトB2が前記穿孔部51aを通じて後側ブロック27のねじ孔に螺合、挿入されることにより、後端カバー5が上下左右に位置決めされた状態で後側ブロック27に固定されている。従って、この実施形態では、後側ブロック27が後端カバー5を固定するための本発明に係るカバー固定用部材(およびカバーを固定するための固定部)に相当する。
【0049】
後端カバー5の前記各側面ガイド部52,52は、前端カバー4(カバー本体部4A)の各側面ガイド部42,42と同様の構成を有している。すなわち、側面ガイド部52,52は、左右対称に形成されており、図4に示すように、上下方向に並ぶ3つの板状ガイド片(上から第1ガイド片52a、第2ガイド片52b、第3ガイド片52cと称す)をそれぞれ含む。各側面ガイド部52,52のガイド片52a〜52cは、図8に示すように千鳥状に並んでおり、具体的には、第1,第3のガイド片52a,52cは上下に並び、第2ガイド片52bは他のガイド片52a,52cよりも僅かに内側に並んでいる。これにより、上記の上面部51及び各嵌合部53、54と各側面ガイド部52,52とにより側面カバー3の断面形状に対応した溝状の嵌合部が形成されている。つまり、同図に示すように、前記上面部51、第1ガイド片52a及び第3ガイド片52cと前記嵌合部53,54及び第2ガイド片52bとの間に前記側面カバー3の後端部分が差し込まれ、側面カバー3の厚み方向内外両面にこれらガイド片等が圧接することにより後端カバー5に側面カバー3が嵌合している。当実施形態では、これらの嵌合部53,54やガイド片52a〜52cが本発明の嵌合片に相当する。
【0050】
このケース部材1では、このように各端面カバー4,5に各側面カバー3の前後の末端部とそれぞれ嵌合可能な嵌合部が設けられており、各側面カバー3の前後の末端部がそれぞれこの嵌合部に嵌合することにより両端面カバー4,5の間に各側面カバー3が挟持された状態でガイドレール2等からなるベース部材に固定されている。そして、このケース部材1の前端部分、具体的には前側ブロック26より前側の部分に、前端カバー4及び側面カバー3が協働してモータ24の収納部が形成され、前記モータ24がこの収容部に収容されると共に前端カバー4から蓋部4Bのみを取り外すことにより、この収容部を開放できるようになっている。
【0051】
また、ケース部材1の上面のうち当該収容部よりも後方側、具体的には前側ブロック26より後側の部分において、両側面カバー3,3の上面部33、33の間にはスペースがあり、前後方向に延びる前記開口部1aが形成されている(図5参照)。前記可動部材10の一部(テーブル部10a)がこの開口部1aを介してケース部材1の上方に突出している。上記の通り、この開口部1aは、上面部33、33上に密着する前記シャッタ6により塞がれるようになっている。このシャッタ6は、その前端部が前側ブロック26に、後端部が後側ブロック27にそれぞれ固定されている。具体的に説明すると、シャッタ6の前後両端にはその厚み方向に貫通する貫通孔6a,6bが形成されている。そして、前側ブロック26の上面であって蓋部4Bの後端部分が重ね合わされる部分には、その幅方向中間位置にボス262が突設される一方、前記蓋部4Bの対応箇所にはボス262に対応する凹部47が形成されており(図9参照)、前側の貫通孔6aにボス262を通した状態でシャッタ6の前端部が前側ブロック26と蓋部4Bとの間に挟み込こまれ、前記蓋部4BがボルトB1により前側ブロック26に脱着可能に固定されることによりシャッタ6の前端部が前側ブロック26に固定されている。また、シャッタ6の後端部が後側ブロック27の上面と後端カバー5の上面部51との間に差し込まれ、前記ボルトB2がシャッタ6の貫通孔6bを通じて後側ブロック27のねじ孔に螺合、挿入されることにより、シャッタ6の後端部が後側ブロック27に脱着可能に固定されている。
【0052】
以上説明したように、この単軸ロボットでは、ガイドレール2等からなるベース部材、側面カバー3,3及び端面カバー4,5等によりケース部材1が構成されるが、上記の通り、この単軸ロボットでは、各側面カバー3,3が両端面カバー4,5の間にそれぞれ挟持された状態で当該端面カバー4,5を介してベース部材に固定されている構成となっているため、側面カバー3を固定するためのねじ孔やねじ部材(ボルト)等の専用の固定手段が必要ない。従って、各側面カバーを各々複数のボルトで固定する従来のこの種の単軸ロボットに比べると、各カバー3〜5この固定に必要なボルトの数やねじ孔等の二次加工を低減することができ、構成の簡素化及び低廉化を図ることができる。
【0053】
また、生産性やメンテナンス性を向上させることもできる。例えば、図4に示すように、ガイドレール2に対して支持ブロック26,27、ねじ軸22、可動部材10及びモータ24等を予め組付けておけば(この部品をアッセンブリ部品と称す)、例えば、以下の手順に従って各カバー3〜5を上記アッセンブリ部品に組付けることで、簡単、かつ速やかに単軸ロボットを完成させることができる。
(1)後端カバー5を後側ブロック27に対して嵌合させ、各側面カバー3をガイドレール2の両側に平行に並べた状態で各々の後端を後端カバー5に差し込み互いに嵌合させる。
(2)前端カバー4のカバー本体部4Aに各側面カバー3の前端を差し込みながらカバー本体部4Aを前方からアッセンブリ部材に近づけ、さらに下面部41先端のボス41b,41bをブラケット28の凹部282に差し込みながら、当該下面部41の先端をブラケット28(垂直部28b)に突き当てる。
(3)シャッタ6を可動部材10のテーブル部10a上に載置し、テーブル部10aの前後で開口部1aを塞ぐ形で前記上面部33,33上に載置した状態で、当該シャッタ6の後端部を後端カバー5の上面部51と後側ブロック27との間に差し込み、ボルトB2を後側ブロック27に締結することにより、後端カバー5及びシャッタ6の後端部を後側ブロック27に仮止めする。そして、シャッタ6の貫通孔6aを前記ボス262に掛けた状態で、シャッタ6の前端部を前側ブロック26上に重ね、その後、前記ボルトB2を本締めして後端カバー5及びシャッタ6の後端部を後側ブロック27に固定する。
(4)フック45,45を係止部44に引っかけて蓋部4Bをカバー本体部4Aに係合させ、この状態で蓋部4Bをモータ24、ブラケット28を覆うようにブロック26に重ね、シャッタ6の前端部及びブラケット28の水平部28aの後端部を蓋部4Bと前側ブロック26との間に挟み込む。そして、ボルトB1を前側ブロック26に締結することにより前端カバー4(カバー本体部4A及び蓋部4B)、ブラケット28及びシャッタ6の前端部を前側ブロック26に固定する。
(5)可動部材10(テーブル部10a)に対してシャッタ6の上からテーブルカバー13を装着する。なお、上記説明では言及していないが、このテーブルカバー13には弾性を有したフックが一体形成されており、テーブルカバー13をテーブル部10aに重ねて中央部を下方に押さえた状態で、外方4箇所を上方に弾性変形させると、この4箇所に一体形成されたフックがそれぞれ前後方向外方に広がり、当該フックがテーブル部10aの側面部分等に係合可能となり、これによってテーブルカバー13がテーブル部10aに係止される構成となっている。
【0054】
つまり、この単軸ロボットでは、僅か2本のボルトB1,B2で全てのカバー3〜5を固定することができる。そのため、各側面カバーを各々複数のボルトで固定した上で、さらに各端面カバーを各々複数のボルトで固定する必要がある従来のこの種の単軸ロボットと比較すると、カバー3〜5の固定作業に要する時間を大幅に削減することができる。また、メンテナンス時には、僅か2本のボルトB1,B2を取り外すだけで、単軸ロボットを極めて簡単に図4に示す状態(上記アッセンブリ部品の状態)にまで分解することができる。従って、単軸ロボットの生産性やメンテナンス性を格段に向上させることができる。
【0055】
特に、この単軸ロボットでは、ケース部材1の組立に必要な各ボルトB1,B2は、何れも単軸ロボットに対して同方向(上側)から締め付けるので、作業者は、一方向からの作業で難なく各カバー3〜5を固定してカバー部材1を組立てることができる。従って、側面カバーや端面カバーをそれぞれ複数のボルトで複数の方向から固定している従来のこの種の単軸ロボットのように、姿勢や工具の方向を何度も変えながらボルトを締め付ける必要がなく、作業負担を大幅に軽減することができる。従って、この点でも単軸ロボットの生産性やメンテナンス性を向上させることができる。
【0056】
また、この単軸ロボットでは、シャッタ6の前端部をボス262に係止した状態で前側ブロック26と蓋部4Bとの間に挟み込み、シャッタ6の後端部を後端カバー5の上面部51と後側ブロック27との間に挟み込んだ状態で後端カバー固定用のボルトB2で後端カバー5と共に後側ブロック27に固定する構成となっている。つまり、シャッタ6についても、専用の固定手段(ねじ部材)を用いることなく支持ブロック26,27に固定する構成となっている。従って、この点でも単軸ロボットの構成の簡素化及び低廉化を図ることができ、又生産性及びメンテナンス性を向上させることが可能となる。
【0057】
なお、以上説明した単軸ロボット(本発明に係るケース部材が適用される単軸ロボット)は、本発明の好ましい実施形態の一例であってその具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0058】
例えば、実施形態の単軸ロボットでは、可動部材10を移動可能に支持する鉄製のガイドレール2とこれに固定される支持ブロック26,27及びブラケット28により本発明に係るベース部材が構成されているが、例えばアルミニウム合金等の押出し材からなる基台を設け、この基台上に鉄製のガイドレール2や支持ブロック26,27等を固定する構成とすることも可能であり、この場合には、当該基台をベース部材としてケース部材1を構成することができる。但し、実施形態のように主にガイドレール2等をベース部材とするケース部材1の構成によれば、上記基台を設ける場合に比べて単軸ロボットの構成部品が少なくなり、簡素で安価な単軸ロボットを提供する上で有利となる。
【0059】
また、実施形態の単軸ロボットでは、可動部材10を移動させるための駆動手段として、回転モータを用いた所謂ねじ送り機構を採用しているが、可動部材10をリニアモータでダイレクト駆動する構成でもよい。この場合には、例えば上記のようなアルミニウム合金等の押出し材からなる基台を設けたケース部材1を構成し、この基台上にガイドレール2及びリニアモータの固定子(長尺の磁性体の上に複数の永久磁石を並べて固定したもの)を配置する一方、可動部材10にリニアモータの可動子(電機子)を固定する。基台の長手方向両端にはねじ軸22の支持ブロック26,27の代わりに、軸受のない単なる駒部材となるカバー固定用部材(又はカバーの固定部)を基台上に設け、これらに端面カバー4,5を固定する。なお、この構成の場合には、実施形態のようなモータ24の収容部が不要となるため、前端カバー4については、後端カバー5に準じた構造の前端カバー4を設けるようにすればよい。
【符号の説明】
【0060】
1 ケース部材
2 ガイドレール
3 側面カバー
4 前端カバー
4A カバー本体部
4B 蓋部
5 後端カバー
6 シャッタ
10 可動部材
24 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一軸方向に延びるケース部材と、このケース部材内に収容されかつ前記一軸方向に移動可能に支持される可動部材と、この可動部材を移動させる駆動手段とを含む単軸ロボットにおいて、
前記ケース部材は、前記可動部材を移動可能に支持するためのベース部材と、このベース部材の幅方向両側にそれぞれ配置されて当該ベース部材に沿って前記一軸方向に延びる一対の側面カバーと、ベース部材の前記一軸方向における末端部分にそれぞれ固定される端面カバーと、を含み、前記各端面カバーは、前記各側面カバーの末端部分と嵌合可能な嵌合部をそれぞれ有し、前記各側面カバーは、それぞれ前記嵌合部に嵌合することにより両端面カバーの間にそれぞれ挟持された状態で当該端面カバーを介して前記ベース部材に固定されていることを特徴とする単軸ロボット。
【請求項2】
請求項1に記載の単軸ロボットにおいて、
前記端面カバーの嵌合部は、前記側面カバーの厚み方向内外両面にそれぞれ接するように前記側面カバーの断面形状に対応して配列される複数の嵌合片を有し、前記一軸方向に沿って前記側面カバーの末端部分が前記嵌合片の間に差し込まれることにより当該側面カバーと嵌合するように構成されていることを特徴とする単軸ロボット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の単軸ロボットにおいて、
前記各端面カバーは、前記ベース部材に嵌合することにより当該ベース部材に位置決めされると共に、特定の一方向であってかつ互いに同一の方向からねじ部材により前記ベース部材に固定されていることを特徴とする単軸ロボット。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の単軸ロボットにおいて、
前記ベース部材は、前記可動部材を移動可能に支持するガイドレールとこのガイドレールの端部に組付けられるカバー固定用部材とからなり、当該カバー固定用部材に対して前記各端面カバーが固定されていることを特徴とする単軸ロボット。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の単軸ロボットにおいて、
前記駆動手段は、前記可動部材に組付けられるナット部材と、前記一軸方向に延びかつ前記ナット部材に挿入された状態でその両端部が前記ベース部材に回転可能に支持されるねじ軸と、前記ねじ軸の一端側に配置されて当該ねじ軸を回転駆動するモータとを含み、
前記端面カバーのうち前記モータに近接する側の端面カバーは、前記嵌合部を有するカバー本体部とこれに対して着脱可能に装着される蓋部とを含み、前記側面カバーと協働して前記モータを収容するための収容部を形成すると共に前記カバー本体部から前記蓋カバーを取外した状態で前記収容部を開放するように構成されていることを特徴とする単軸ロボット。
【請求項6】
請求項3に記載の単軸ロボットにおいて、
前記ケース部材に前記一軸方向に延びかつ上方に開口する開口部が設けられ、当該開口部から一部分が外部に突出するように前記可動部材が構成されると共に、当該可動部材の内部を通過するように、前記開口部を塞ぐための前記一軸方向に延びるシャッタ部材が前記ケース部材の上面部分に設けられており、
前記ベース部材は、前記一軸方向における前記開口部の外側の位置にそれぞれカバーを固定するための固定部を有し、前記各端面カバーは、当該固定部に嵌合すると共に当該固定部に対して上方から前記ねじ部材により固定されており、
前記シャッタ部材は、前記一軸方向両端部のうち少なくとも一方側が前記端面カバーに重ねられた状態で当該端面カバーと共に前記ねじ部材により前記固定部に固定されていることを特徴とする単軸ロボット。
【請求項7】
一軸方向に延びるケース部材と、このケース部材内に収容されかつ前記一軸方向に移動可能に支持される可動部材と、前記可動部材を移動させる駆動手段とを含む単軸ロボットの前記ケース部材であって、
前記可動部材を移動可能に支持するためのベース部材と、このベース部材の幅方向両側にそれぞれ配置されて当該ベース部材に沿って前記一軸方向に延びる一対の側面カバーと、ベース部材の前記一軸方向における末端部分にそれぞれ固定される端面カバーと、を含み、前記各端面カバーは、前記各側面カバーの末端部分と嵌合可能な嵌合部をそれぞれ有し、前記各側面カバーは、それぞれ前記嵌合部に嵌合することにより両端面カバーの間にそれぞれ挟持された状態で当該端面カバーを介して前記ベース部材に固定されているように構成されていることを特徴とするケース部材。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−214501(P2010−214501A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62614(P2009−62614)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】