説明

印刷システム、書誌情報サーバ、印刷装置、方法及びプログラム

【課題】情報処理装置に印刷データを蓄積する場合に、情報処理装置の通信状態に応じて発生する印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データを、印刷指示の操作を行う印刷装置の表示部で識別可能に表示する。
【解決手段】情報処理装置200と、書誌情報データ215、216を記憶する書誌情報サーバ600と、印刷装置300とが相互に通信可能な印刷システム。書誌情報データは、情報処理装置で生成された印刷データについて、ログインユーザ名、情報処理装置を特定する情報、該印刷データを特定する情報、印刷可否情報を含む。印刷可否情報は、書誌情報サーバと情報処理装置の間で通信が可能であるかを判定することにより得られる。印刷装置からの要求に応答して、ログインユーザ名に関連する印刷可否情報を含む印刷データ一覧が生成されて印刷装置に送信される。印刷装置は、印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを識別可能なように、印刷データ一覧情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、書誌情報サーバ、印刷装置、方法及びプログラムに関する。具体的には、本発明は、一旦印刷指示を出した印刷データをネットワーク上の任意の印刷装置から印刷する際に、印刷データ保存先のサーバ・装置の状態を確認する機能を備えた印刷システム、書誌情報サーバ、印刷装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信端末装置が印刷要求する時には一意に印刷装置を指定してから印刷を実行し、指定した印刷装置からのみ印刷可能なシステムが存在していた。近年、印刷要求した印刷データをネットワークに接続されたどの印刷装置からでも印刷できる印刷システムが求められている。即ち、この印刷システムは、印刷装置Aが他ユーザの要求により大量印刷を実行していた場合、空き状態の別の印刷装置Bから印刷できる印刷システムである。また、この印刷システムは、このとき印刷要求したユーザの印刷データのみが印刷装置側で印刷のために選択可能となるなどセキュリティを確保する機能も有している。
【0003】
特許文献1に、この要求に応えるシステムとして、印刷データを印刷サーバに蓄積し、印刷データの書誌情報については印刷管理サーバで一元管理する仕組みが開示されている。このシステムは、所望の印刷装置から印刷したい印刷データを指示することで、印刷サーバに蓄積されている印刷データを所望の印刷装置から印刷することが可能である。
【0004】
また、特許文献1には、印刷サーバの代わりに、印刷データをクライアントPCに蓄積しておき、所望の印刷装置からの印刷指示に従って、クライアントPCに蓄積されている印刷データを所望の印刷装置から印刷できる仕組みも開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−099714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
企業の活動拠点には大規模拠点から小規模拠点まであり、拠点ごとに特許文献1に開示されている上記2つの実施形態を使い分ける必要があり、いずれか一方の発明を一律に適用することは適切でない。つまり、大規模拠点のみ印刷サーバに印刷データを蓄積する形態をとる場合、小規模拠点からは細い通信回線経由でリモート上の印刷サーバに印刷データを蓄積しなければならないため、その回線の細さから印刷データを大きな拠点に送信することは現実的でない。また、小規模拠点毎にプリントサーバを設置する場合、サーバ導入コスト及び運用管理コストの増大を招くため導入は困難であった。そこで、特許文献1の印刷システムに開示されているように、クライアントPCに印刷データを蓄積させておき、印刷装置からの指示に従って、クライアントPCから印刷データを受けて印刷をする印刷システムを適用することが考えられてきた。
【0007】
しかしながら、近年のオフィスではノートPCを利用して、様々な場所(フリーアドレス)からネットワーク環境にアクセスして作業ができるようになっている。このような環境では、特許文献1に開示されているクライアントPCに印刷データを蓄積した印刷システムでは不都合が生じる。つまり、クライアントPCが任意のネットワークに接続可能なため、印刷した際の場所と現在いる場所が変わった場合(例えば、DHCPによりIPアドレスが変更になる場合)には不都合である。或いは同じネットワーク上にあったとしても、クライアントPCの電源が落ちていると、印刷できないという不都合が生じる。
【0008】
特に大規模拠点では印刷量も多いので、運用上大規模拠点は印刷サーバを導入することが望ましい。そこで、大規模拠点には印刷サーバを導入して印刷サーバに印刷データを蓄積するシステムを適用し、小規模拠点にはクライアントPCに印刷データを蓄積するシステムを適用することが考えられる。
【0009】
しかし、クライアントPCの状態(ネットワーク接続、電源ON/OFF)によっては、クライアントPCに蓄積されている印刷データを印刷できない事態が生じうる。それにも関わらず、書誌情報サーバ上で印刷データの書誌情報を管理しているため、印刷装置で印刷指示する際の印刷データ一覧表示において、クライアントPCの状態によって印刷できない印刷データまでが表示されてしまうといったことがあった。
【0010】
また、印刷サーバに印刷データを蓄積する印刷システムとクライアントPCに印刷データを蓄積する印刷システムを両方導入した場合、印刷装置の表示部に表示する印刷データの一覧には印刷できる印刷データと印刷できない印刷データが混在してしまい、ユーザはどの印刷データが印刷可能でどの印刷データが印刷不可能なのかを把握することができなかった。
【0011】
そこで本発明の目的は、情報処理装置に印刷データを蓄積する場合に、情報処理装置の通信状態に応じて発生する印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを、印刷指示の操作を行う印刷装置の表示部で識別可能に表示することで、操作者が容易に認識することができる仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、文書の印刷データを生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置と、前記印刷データの書誌情報データを記憶する書誌情報サーバと、前記印刷データを印刷する印刷装置とが相互に通信可能な印刷システムであって、前記情報処理装置は、前記プリンタドライバにより生成された印刷データを前記情報処理装置内に記憶する印刷データ記憶手段と、前記印刷データ記憶手段に記憶される印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含む書誌情報データを前記書誌情報サーバへ送信する書誌情報データ送信手段とを備え、前記書誌情報サーバは、受信した前記書誌情報データを記憶する書誌情報データ記憶手段と、前記書誌情報データに含まれる装置特定情報によって特定された情報処理装置との間で通信が可能であるかを判定することにより得られる前記印刷データの印刷可否を示す印刷可否情報を、前記書誌情報データ毎に記憶する印刷可否情報記憶手段と、ユーザ識別情報及び印刷データ一覧情報の送信要求を前記印刷装置から受信したことに応答して、前記書誌情報データ内の前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む印刷データ一覧情報であって、当該ユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報を、前記印刷装置に送信する一覧情報送信手段とを備え、前記印刷装置は、当該印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記書誌情報サーバに送信する一覧情報送信要求手段と、前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む前記印刷データ一覧情報を受信する一覧情報受信手段と、前記印刷データ一覧情報に含まれる印刷可否情報に基づいて、印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを識別可能なように、前記印刷データ一覧情報を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、情報処理装置に印刷データを蓄積する場合に、情報処理装置の通信状態に応じて発生する印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを、印刷指示の操作を行う印刷装置の表示部で識別可能に表示することで、操作者が容易に認識することができる仕組みを提供することが可能となる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷システムであって、前記印刷装置は、前記表示手段に表示された印刷不可能なデータを印刷予約する印刷予約手段をさらに備え、前記書誌情報サーバの書誌情報データ記憶手段は、前記書誌情報データに、前記印刷予約手段により印刷予約が行われたか否かを示す印刷予約フラグを記憶し、前記情報処理装置への通信が可能になった後、前記印刷装置への再ログインが行われることにより前記書誌情報サーバがユーザ識別情報を受信することに応じて、前記印刷予約フラグの内容が予約ありとなっている印刷データを印刷させるべく、当該印刷データを記憶する情報処理装置に対して、当該印刷データの印刷データ特定情報を含む印刷指示を行うことを特徴とする。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の印刷システムであって、前記印刷装置は、前記印刷データ一覧情報から選択された印刷データの印刷要求を前記書誌情報サーバに対して発行する印刷要求手段をさらに備え、前記書誌情報サーバは、前記印刷装置の印刷要求手段により印刷の要求がなされた印刷データの印刷データ特定情報と該印刷要求を行った印刷装置を識別する印刷装置識別情報を含む印刷指示を、当該印刷データ特定情報を含む書誌情報データの装置特定情報から特定される情報処理装置に対して送信する印刷指示手段をさらに備え、前記情報処理装置は、前記書誌情報サーバの印刷指示手段により印刷指示された印刷データ特定情報により特定される印刷データを、前記印刷装置識別情報により識別される印刷装置に対して送信する印刷データ送信手段をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷システムであって、前記印刷可否情報記憶手段は、前記通信可否情報が通信可能であることを示す場合、前記印刷可否情報を印刷可として記憶し、前記通信可否情報が通信不可能であることを示す場合、前記印刷可否情報を印刷不可として記憶することを特徴とする。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷システムであって、前記書誌情報サーバから前記情報処理装置への通信の際、前記装置特定情報を読み出して、接続先となる情報処理装置を特定することを特徴とする。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷システムであって、前記情報処理装置と通信可能な印刷サーバであって、前記情報処理装置で生成された印刷データを受信して、記憶する第2の印刷データ記憶手段と、前記記憶した印刷データを管理するための前記書誌情報データを前記書誌情報サーバへ送信する第2の書誌情報データ送信手段とを備えた印刷サーバをさらに備えたことを特徴とする。
【0019】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の印刷システムであって、前記印刷サーバと前記書誌情報サーバは、1つの印刷管理サーバであることを特徴とする。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、文書の印刷データ生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置及び前記印刷データを印刷する印刷装置と相互に通信可能な書誌情報サーバであって、前記書誌情報サーバは、前記プリンタドライバを用いて生成された印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含む書誌情報データを記憶する書誌情報データ記憶手段と、前記書誌情報データに含まれる装置特定情報によって特定された情報処理装置との間で通信が可能であるかを判定することにより得られる前記印刷データの印刷可否を示す印刷可否情報を、前記書誌情報データ毎に記憶する印刷可否情報記憶手段と、前記印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記印刷装置から受信したことに応答して、前記書誌情報データ内の前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む印刷データ一覧情報であって、当該ユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報を、前記印刷装置に送信する一覧情報送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の書誌情報サーバであって、前記印刷データ一覧情報のうち、前記印刷可否情報が印刷不可を示す印刷データを印刷予約する要求を受け付ける印刷予約受付手段をさらに備え、前記書誌情報データ記憶手段は、書誌情報データに、前記印刷予約が行われたか否かを示す印刷予約フラグを記憶し、前記情報処理装置への通信が可能になった後、前記印刷装置への再ログインが行われることにより前記印刷装置からユーザ識別情報を受信することに応じて、前記印刷予約フラグの内容が予約ありとなっている印刷データを印刷させるべく、当該印刷データを記憶する情報処理装置に対して、当該印刷データの印刷データ特定情報を含む印刷指示を行うことを特徴とする。
【0022】
また、請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載の書誌情報サーバであって、前記書誌情報サーバは、前記印刷装置により前記印刷データ一覧情報から選択された印刷データの印刷要求がなされた場合に、当該印刷データの印刷データ特定情報と該印刷要求を行った印刷装置を識別する印刷装置識別情報を含む印刷指示を、当該印刷データ特定情報を含む書誌情報データの装置特定情報から特定される情報処理装置に対して送信する印刷指示手段をさらに備えることを特徴とする。
【0023】
また、請求項11に記載の発明は、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の書誌情報サーバであって、前記印刷可否情報記憶手段は、前記通信可否情報が通信可能であることを示す場合、前記印刷可否情報を印刷可として記憶し、前記通信可否情報が通信不可能であることを示す場合、前記印刷可否情報を印刷不可として記憶することを特徴とする。
【0024】
また、請求項12に記載の発明は、請求項8乃至11のいずれか1項に記載の書誌情報サーバであって、前記書誌情報サーバから前記情報処理装置への通信の際、前記装置特定情報を読み出して、接続先となる情報処理装置を特定することを特徴とする。
【0025】
また、請求項13に記載の発明は、文書の印刷データ生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置及び前記印刷データの書誌情報データを記憶する書誌情報サーバと相互に通信可能な印刷装置であって、前記印刷装置は、当該印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記書誌情報サーバに送信する一覧情報送信要求手段と、印刷データ特定情報と印刷可否情報とを含む前記印刷データ一覧情報を受信する一覧情報受信手段と、前記印刷データ一覧情報に含まれる印刷可否情報に基づいて、印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを識別可能なように、前記印刷データ一覧情報を表示する表示手段とを備え、前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報は、前記書誌情報サーバが有する前記書誌情報データ内に含まれ、前記書誌情報データは、前記プリンタドライバを用いて生成された印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含み、前記印刷可否情報は、前記印刷データの印刷可否を示す情報であって、前記装置特定情報によって特定された情報処理装置と前記書誌情報サーバとの間で通信が可能であるかを判定することにより得られて、前記書誌情報データに記憶される情報であり、前記印刷データ一覧情報は、前記印刷装置から前記書誌情報サーバへの要求に応答して、前記書誌情報サーバによって生成されることを特徴とする。
【0026】
また、請求項14に記載の発明は、文書の印刷データを生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置と、前記印刷データの書誌情報データを記憶する書誌情報サーバと、前記印刷データを印刷する印刷装置とが相互に通信可能な印刷システムにおいて実行される方法であって、前記方法は、前記情報処理装置が、前記プリンタドライバにより生成された印刷データを前記情報処理装置内に記憶するステップと、前記情報処理装置が、前記記憶される印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含む書誌情報データを前記書誌情報サーバへ送信するステップと、前記書誌情報サーバが、受信した前記書誌情報データを記憶するステップと、前記印刷装置が、当該印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記書誌情報サーバに送信するステップと、前記書誌情報サーバが、前記書誌情報データに含まれる装置特定情報によって特定された情報処理装置との間で通信が可能であるかを判定することにより得られる前記印刷データの印刷可否を示す印刷可否情報を、前記書誌情報データ毎に記憶するステップと、前記書誌情報サーバが、ユーザ識別情報及び印刷データ一覧情報の送信要求を前記印刷装置から受信したことに応答して、前記書誌情報データ内の前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む印刷データ一覧情報であって、当該ユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報を、前記印刷装置に送信するステップと、前記印刷装置が、前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む前記印刷データ一覧情報を受信するステップと、前記印刷装置が、前記印刷データ一覧情報に含まれる印刷可否情報に基づいて、印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを識別可能なように、前記印刷データ一覧情報を表示するステップとを含むことを特徴とする。
【0027】
また、請求項15に記載の発明は、コンピュータ読み取り実行可能なプログラムであって、文書の印刷データを生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置と、前記印刷データの書誌情報データを記憶する書誌情報サーバと、前記印刷データを印刷する印刷装置とが相互に通信可能な印刷システムにおいて、前記情報処理装置を、前記プリンタドライバにより生成された印刷データを前記情報処理装置内に記憶する印刷データ記憶手段と、前記印刷データ記憶手段に記憶される印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含む書誌情報データを前記書誌情報サーバへ送信する書誌情報データ送信手段として機能させ、前記書誌情報サーバを、受信した前記書誌情報データを記憶する書誌情報データ記憶手段と、前記書誌情報データに含まれる装置特定情報によって特定された情報処理装置との間で通信が可能であるかを判定することにより得られる前記印刷データの印刷可否を示す印刷可否情報を、前記書誌情報データ毎に記憶する印刷可否情報記憶手段と、ユーザ識別情報及び印刷データ一覧情報の送信要求を前記印刷装置から受信したことに応答して、前記書誌情報データ内の前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む印刷データ一覧情報であって、当該ユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報を、前記印刷装置に送信する一覧情報送信手段として機能させ、前記印刷装置を、当該印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記書誌情報サーバに送信する一覧情報送信要求手段と、前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む前記印刷データ一覧情報を受信する一覧情報受信手段と、前記印刷データ一覧情報に含まれる印刷可否情報に基づいて、印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを識別可能なように、前記印刷データ一覧情報を表示する表示手段として機能させることを特徴とする。
【0028】
また、請求項16に記載の発明は、文書の印刷データ生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置及び前記印刷データを印刷する印刷装置と相互に通信可能な書誌情報サーバにおいて実行される方法であって、前記書誌情報サーバが実行する前記方法は、前記プリンタドライバを用いて生成された印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含む書誌情報データを記憶するステップと、前記書誌情報データに含まれる装置特定情報によって特定された情報処理装置との間で通信が可能であるかを判定することにより得られる前記印刷データの印刷可否を示す印刷可否情報を、前記書誌情報データ毎に記憶するステップと、前記印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記印刷装置から受信したことに応答して、前記書誌情報データ内の前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む印刷データ一覧情報であって、当該ユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報を、前記印刷装置に送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0029】
また、請求項17に記載の発明は、コンピュータ読み取り実行可能なプログラムであって、文書の印刷データ生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置及び前記印刷データを印刷する印刷装置と相互に通信可能な書誌情報サーバを、前記プリンタドライバを用いて生成された印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含む書誌情報データを記憶する書誌情報データ記憶手段と、前記書誌情報データに含まれる装置特定情報によって特定された情報処理装置との間で通信が可能であるかを判定することにより得られる前記印刷データの印刷可否を示す印刷可否情報を、前記書誌情報データ毎に記憶する印刷可否情報記憶手段と、前記印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記印刷装置から受信したことに応答して、前記書誌情報データ内の前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む印刷データ一覧情報であって、当該ユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報を、前記印刷装置に送信する一覧情報送信手段として機能させることを特徴とする。
【0030】
また、請求項18に記載の発明は、文書の印刷データ生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置及び前記印刷データの書誌情報データを記憶する書誌情報サーバと相互に通信可能な印刷装置において実行される方法であって、前記印刷装置が実行する前記方法は、当該印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記書誌情報サーバに送信するステップと、印刷データ特定情報と印刷可否情報とを含む前記印刷データ一覧情報を受信するステップと、前記印刷データ一覧情報に含まれる印刷可否情報に基づいて、印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを識別可能なように、前記印刷データ一覧情報を表示するステップとを含み、前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報は、前記書誌情報サーバが有する前記書誌情報データ内に含まれ、前記書誌情報データは、前記プリンタドライバを用いて生成された印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含み、前記印刷可否情報は、前記印刷データの印刷可否を示す情報であって、前記装置特定情報によって特定された情報処理装置と前記書誌情報サーバとの間で通信が可能であるかを判定することにより得られて、前記書誌情報データに記憶される情報であり、前記印刷データ一覧情報は、前記印刷装置から前記書誌情報サーバへの要求に応答して、前記書誌情報サーバによって生成されることを特徴とする。
【0031】
また、請求項19に記載の発明は、コンピュータ読み取り実行可能なプログラムであって、文書の印刷データ生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置及び前記印刷データの書誌情報データを記憶する書誌情報サーバと相互に通信可能な印刷装置を、当該印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記書誌情報サーバに送信する一覧情報送信要求手段と、印刷データ特定情報と印刷可否情報とを含む前記印刷データ一覧情報を受信する一覧情報受信手段と、前記印刷データ一覧情報に含まれる印刷可否情報に基づいて、印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを識別可能なように、前記印刷データ一覧情報を表示する表示手段として機能させ、前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報は、前記書誌情報サーバが有する前記書誌情報データ内に含まれ、前記書誌情報データは、前記プリンタドライバを用いて生成された印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含み、前記印刷可否情報は、前記印刷データの印刷可否を示す情報であって、前記装置特定情報によって特定された情報処理装置と前記書誌情報サーバとの間で通信が可能であるかを判定することにより得られて、前記書誌情報データに記憶される情報であり、前記印刷データ一覧情報は、前記印刷装置から前記書誌情報サーバへの要求に応答して、前記書誌情報サーバによって生成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、情報処理装置に印刷データを蓄積する場合に、情報処理装置の通信状態に応じて発生する印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを、印刷指示の操作を行う印刷装置の表示部で識別可能に表示することで、操作者が容易に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る印刷システムの構成を示す図である。広域通信網(WAN400)で接続されている拠点A、拠点B及び小規模拠点C内のネットワーク(LAN100)に接続される各種端末の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0034】
図1の印刷システムには、LAN100、情報通信端末200、印刷装置300、印刷サーバ500、書誌情報サーバ600、認証サーバ700及びWAN400が含まれている。情報通信端末200は、印刷要求を行う印刷要求者が使用する情報通信端末である。印刷装置300は、印刷を実行する印刷装置である。印刷サーバ500は、印刷データをスプールする印刷サーバである。書誌情報サーバ600は、書誌情報メタデータ(以下、書誌情報データとも呼ぶ)を一元的に蓄積する書誌情報サーバである。これらの装置はローカルにおいては各拠点のLAN100に夫々接続し、各LAN100は、WAN400によって相互に接続される。情報通信端末200は各拠点のLAN100及びWAN400を介して任意の拠点の印刷サーバ500と通信可能である。同様に、印刷装置300は、書誌情報サーバ600及び認証サーバ700とデータ送受信が可能である。なお、LAN100は、有線と無線のいずれも可能であり、WAN400をLAN100に置き換える構成も可能である。
【0035】
拠点Aの情報通信端末200のプリンタドライバを介して生成された印刷データは拠点Aの印刷サーバ500に蓄積される。また、拠点Bの情報通信端末200のプリンタドライバを介して生成された印刷データは拠点Bの印刷サーバ500に蓄積される。さらに、小規模拠点Cの情報通信端末200のプリンタドライバを介して生成された印刷データはその情報通信端末200内に蓄積される。この場合、拠点Aの情報通信端末200のプリンタドライバのポート(出力先)は、拠点Aの印刷サーバ500に設定され、拠点Bの情報通信端末200のプリンタドライバのポート(出力先)は、拠点Bの印刷サーバ500に設定され、小規模拠点Cの情報通信端末200のプリンタドライバのポート(出力先)は、情報通信端末200自身に設定される。
【0036】
図1では、印刷サーバ500、書誌情報サーバ600及び認証サーバ700が別個の筐体で示されているが、全てのサーバまたは任意の2つのサーバを同一筐体内に構成することも可能であり、本発明に係る印刷システムを運用する形態に応じて各種構成をとることが可能である。例えば、印刷サーバ500と書誌情報サーバ600とを、1つの筐体である印刷管理サーバとして動作させても、本実施の形態と同様な効果を得られる。
【0037】
次に、情報通信端末200、印刷サーバ500、書誌情報サーバ600及び認証サーバ700の各デバイスのハードウェア構成は汎用のパーソナルコンピュータで実現可能であるため、図2の共通のハードウェア構成201〜211を用いて説明する。
【0038】
CPU201は、中央処理装置であり、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。ROM202または外部メモリ211は、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(OS)を記憶し、各サーバや各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等を記憶する。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードしてプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0039】
入力コントローラ205は、キーボード209や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。ビデオコントローラ206は、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ(LCD)でも構わない。なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0040】
メモリコントローラ207は、外部メモリ211へのアクセスを制御する。外部メモリ211は、本発明のプログラム、本発明で利用されるデータファイル及びデータテーブル、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種アプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル及び各種データ等を記憶するものである。外部メモリ211の例としては、ハードディスク(HD)やフロッピーディスク(登録商標、FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等がある。
【0041】
通信I/Fコントローラ208は、ネットワークを介して外部機器と接続・通信し、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、通信I/Fコントローラ208を利用することにより、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能となる。
【0042】
次に、図2を参照して、本発明に係る印刷システムで使用する各種プログラム212、213、220を説明する。
【0043】
印刷サーバプログラム212は、印刷サーバ500の外部メモリ211に記憶され、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行される。また、印刷サーバプログラム212が用いる印刷サーバ設定ファイル214が外部メモリ211に記憶される。この印刷サーバプログラム212は、書誌情報サーバ600と通信を行い、印刷サーバ500に蓄積されている印刷データを書誌情報サーバ600から印刷指示のあった印刷装置300に送信することで印刷指示する。
【0044】
さらに、印刷サーバプログラム212は、情報通信端末200の外部メモリ211にも記憶されている。情報通信端末200の外部メモリ211に記憶されているプリンタドライバの出力先ポートに情報通信端末200に記憶されている印刷サーバプログラム212がポートとして設定されていると、ユーザは、印刷サーバ500に印刷データを蓄積させるか、または情報通信端末200に蓄積させるかを、出力時に論理プリンタ(プリンタオブジェクトともいう)を選択することで切り換えることができる。
【0045】
書誌情報サーバプログラム213は、書誌情報サーバ600の外部メモリ211に記憶され、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行される。書誌情報サーバプログラム213は、情報通信端末200、印刷装置300及び印刷サーバ500と通信を行い、印刷データの書誌情報の管理を行う。また、書誌情報サーバプログラム213が用いる書誌情報テーブル215、印刷サーバマスタ216、印刷データ保管先テーブル218及び書誌情報サーバ設定ファイル219は書誌情報サーバ600の外部メモリ211に格納されている。
【0046】
認証サーバプログラム220は、認証サーバ700の外部メモリ211に記憶されている。認証サーバプログラム220が用いるICカード認証用テーブル217も認証サーバ700の外部メモリ211に記憶されている。認証サーバプログラム220は、印刷装置300の認証プログラム323と通信し、認証処理を行う。
【0047】
図3は、印刷装置300のコントローラユニット316におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図であり、印刷装置300が有する各種プログラム322、323及び印刷装置設定ファイル321を示している。コントローラユニット316は、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ312と接続する一方、LAN(例えば、LAN100)や公衆回線網(例えば、WAN400、PSTN、ISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0048】
以下、図3を参照して、コントローラユニット316の構成を説明する。CPU301は、印刷装置300全体を制御するプロセッサである。RAM302は、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムが稼動するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。ROM303は、印刷装置300のブートプログラムや各種制御プログラムを格納する。HDD304は、外部記憶装置(ハードディスクドライブ(HDD))であり、システムを制御するための各種プログラムや画像データ等を格納する。各種プログラムには、書誌情報サーバ600と通信を行って印刷制御を行う印刷制御プログラム322や、認証サーバ700と通信を行って認証処理を行う認証プログラム323が含まれる。
【0049】
Network I/F305は、ネットワークインタフェースであり、ネットワーク(LAN)に接続し、データの入出力を行う。モデム306は、公衆回線網に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。操作部I/F307は、操作部308とのインタフェースであり、画像データを操作部308に表示するために使用される。また、操作部I/F307は、操作部308から入力された情報(例えば、ユーザ情報等)をCPU301に伝える役割をする。操作部308はタッチパネルを有する表示部を備え、該表示部に表示されたボタンを、ユーザが押下(指等でタッチ)することにより、各種指示を行うことができる。
【0050】
外部I/F318は、外部とのインタフェースであり、USB、IEEE1394、プリンタポート、RS−232C等の外部入力を受け付ける。本実施形態においては認証で必要となるICカードの読み取り用のカードリーダ319が外部I/F318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報読み取りを制御し、ICカードから読み取られた情報を取得できる。なお、本明細書では、ICカードを用いる実施形態を説明するが指紋認証などのバイオメトリクス認証を用いてもよい。以上説明したデバイスはシステムバス309に接続される。
【0051】
イメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)320は、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0052】
RIP310は、ラスタイメージプロセッサであり、例えば、PDL(page-description language)コード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。プリンタI/F311は、プリンタとのインタフェースであり、プリンタ312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、スキャナI/F313は、スキャナとのインタフェースであり、スキャナ314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0053】
画像処理部317は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行い、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0054】
スキャナ314は、原稿用紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、印刷装置300の使用者が操作部308から読み取り起動を指示することにより、CPU301がスキャナ314に指示を与え、原稿フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。プリンタ312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換するデバイスである。その出力方式は、感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作は、CPU301からの指示によって開始される。プリンタ312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0055】
操作部308は、LCD表示部を有し、システムの操作画面を表示する。LCD表示部にはタッチパネルシートが貼られており、そこに表示してあるキーが押されるとその位置情報は操作部I/F307を介してCPU301に伝えられる。また、操作部308は、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を含む各種操作キーを備える。スタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色のLEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。ストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。IDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部308から入力した設定を初期化する時に用いる。
【0056】
カードリーダ319は、CPU301の制御により、ICカード内に記憶されている情報を読み取り、読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0057】
以上のような構成によって、印刷装置300は、スキャナ314から読み込んだ画像データをLAN100上に送信したり、LAN100から受信した印刷データをプリンタ312により印刷出力したりすることができる。また、スキャナ314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線網上にFAX送信することでき、公衆回線網からFAX受信した画像データをプリンタ312により出力することもできる。
【0058】
次に、本発明に係る印刷システムの基本的な処理フローについて、図7を用いて説明する。なお、エラー発生時の条件分岐等についての詳細な説明は後述とし、まず成功時の処理の流れについて説明する。
【0059】
図7は、本発明の実施形態に係る印刷システムの内、小規模拠点Cのように印刷サーバ500を設置せず、印刷サーバプログラム212を情報通信端末200上で稼動させた場合の基本的な処理フローの概略を示す図である。上述したように、情報通信端末200と印刷装置300と書誌情報サーバ600と認証サーバ700は、LAN100及びWAN400を介して相互に接続されている。
【0060】
ステップS701では、情報通信端末200にログインした印刷要求者がアプリケーションプログラムを介して指示を出し、情報通信端末200の印刷サーバプログラム212が、印刷サーバプログラム212自身に設定されている出力先に印刷要求を行う。この場合の出力先は、印刷指示した情報通信端末200の外部メモリ211(所定のフォルダ)である。
【0061】
ステップS702では、情報通信端末200の印刷サーバプログラム212は、印刷要求に応答して印刷データを情報通信端末200の外部メモリ211に格納する(もし、拠点A及び拠点Bであれば、印刷サーバ500の外部メモリ211に印刷データが蓄積される)。情報通信端末200の印刷サーバプログラム212は、上記外部メモリ211に格納する印刷データから印刷メタデータである書誌情報を抽出する。
【0062】
ステップS703では、情報通信端末200の印刷サーバプログラム212は、印刷メタデータである書誌情報を情報通信端末200のIPアドレスなどのネットワーク情報と伴に書誌情報サーバ600に送信する。
【0063】
ステップS704では、書誌情報サーバ600は、書誌情報と情報通信端末200のネットワーク情報を受信する。ステップS705では、書誌情報サーバ600は、システム全体でユニークな印刷ジョブIDを生成し、これを書誌情報テーブル215の主キーとし、情報通信端末200のネットワーク情報を書誌情報テーブル215と印刷サーバマスタ216にそれぞれ登録する。ステップS706では、書誌情報サーバ600は、生成した印刷ジョブIDを情報通信端末200に返信する。
【0064】
ステップS707では、情報通信端末200は、返信されたジョブIDを、蓄積した印刷データの保管場所を示すパス情報と関連付けて情報通信端末200の外部メモリ211に保管する。
【0065】
次に、ステップS708では、印刷要求者は何れか任意の印刷装置300より自身の認証情報を入力して認証を試みる(例えば、ICカードをカードリーダ319に置く)。ステップS709では、印刷装置300は、予め印刷装置設定ファイル321に接続先を登録しておいた認証サーバ700に対して取得した個人認証情報を送信し、ログイン許可を問い合わせる。認証サーバ700は、予め登録された認証情報から認証の可否を判断し、認証結果を印刷装置300に返信する。認証が成功した場合、認証結果にはユーザID(ユーザ名)が含まれている。認証が成功した場合、ステップS710では、印刷装置300は、ユーザID(ユーザ名)をパラメータとして当該ユーザの印刷ジョブの一覧データを書誌情報サーバ600に要求する。
【0066】
ステップS711では、書誌情報サーバ600は、ユーザIDを受信して、書誌情報テーブル215及び印刷サーバマスタ216を検索し、印刷ジョブの一覧データを取得する。図16に示すように、書誌情報テーブル215及び印刷サーバマスタ216は、MACアドレスを外部キーとしてジョインされている。書誌情報サーバ600は、受信したユーザIDをログインユーザ名として、また書誌情報サーバ600の現在のシステム時刻が印刷データ保存期限内であることを検索条件として検索を行い、要求された日時をソート条件として印刷ジョブの一覧データを取得する。この検索により、印刷データ保存期限内で且つ、前述のユーザIDを使って印刷要求された全ての印刷ジョブが得られる。本発明では、印刷データの保管先が印刷サーバ500及び情報通信端末200のいずれの場合もありうるので、印刷ジョブは印刷サーバ500にあるものも、情報通信端末200にあるものも示しうる。
【0067】
書誌情報サーバ600は、所定のタイミング(検索する際、一定時間ごとなど)で、印刷ジョブが蓄積されている情報通信端末200に対して問い合わせを行って通信可能か否かを判定する。この所定のタイミングは、印刷装置300から印刷ジョブの一覧データの要求を受けたとき、情報処理装置(情報通信端末)200から新たな書誌情報メタデータを受信したとき、または、一定時間(テーブルメンテナンス時刻219)であってもよい。書誌情報サーバ600は、書誌情報データ215に保存されている印刷データ保存先MACアドレス(装置特定情報)によって特定された情報処理装置(情報通信端末)との間で通信が可能であるかを判定することにより、印刷データの印刷可否を判定し、印刷可否フラグ(印刷可否情報)を更新する。
【0068】
書誌情報サーバ600は、通信不可の情報通信端末200に記憶されている印刷ジョブを印刷不可とするため、印刷サーバマスタ216の印刷可否フラグを否として記憶する。通信可能と判定された場合、書誌情報サーバ600は、当該印刷ジョブを印刷可とするため、印刷サーバマスタ216の印刷可否フラグを可として記憶する。また、検索の結果得られた、前述の印刷ジョブの一覧データの各レコードについても、通信可否のフラグをセットする。
【0069】
ステップS712では、書誌情報サーバ600は、検索結果である印刷ジョブの一覧データを印刷装置300に返信する。
【0070】
ステップS713では、印刷装置300は、書誌サーバ600より返信された印刷ジョブの一覧データを受信し、RAM302に保管した後、操作部308のLCD表示部に表示する。LCD表示部は、図19のように各印刷ジョブが現在印刷可能であるか、不可能であるかを明確に示して表示する。ステップS714では、印刷要求者が、表示された印刷ジョブの一覧データから印刷実行する印刷ジョブを選択すると、印刷装置300は、操作部308から選択された印刷ジョブIDをRAM302に保管する。ステップS715では、印刷装置300は、印刷実行する印刷ジョブの印刷ジョブIDをRAM302から読み出し、合わせて予め設定済みの印刷装置300のホスト名またはIPアドレスなどのネットワーク情報をHDD304から読み出して一緒に書誌情報サーバ600に対して送信する。
【0071】
ステップS716では、書誌情報サーバ600は、印刷ジョブIDと印刷要求した印刷装置300のネットワーク情報を受信し、書誌情報テーブル215及び印刷サーバマスタ216を検索する。この場合、印刷ジョブIDを書誌情報テーブル215の検索条件として検索し、印刷データ保管先の情報(IP)を取得する。ステップS717では、書誌情報サーバ600は、検索結果によって特定された情報通信端末200に対して、印刷ジョブIDと印刷要求した印刷装置300のネットワーク情報を送信する。
【0072】
ステップS718では、情報通信端末200は、印刷ジョブIDと印刷要求した印刷装置300のネットワーク情報を受信し、印刷ジョブIDを検索条件として外部メモリ211に保管された印刷データを検索する。ステップS719では、情報通信端末200は、受信したネットワーク情報(印刷装置300のIPなど)から特定される印刷装置300に対して、ステップS718で検索した印刷データを送信する。
【0073】
ステップS720では、印刷装置300は、印刷データを受信し、受信した印刷データをプリンタI/F311を通してプリンタ312に送る。印刷データはプリンタ312にスプールされ、その後、プリンタ312から印刷される。ステップS721では、印刷装置300は、印刷データスプールの成功・不成功を情報通信端末200に返信する。
【0074】
ステップS722では、情報通信端末200は、印刷データのスプールが成功した場合、外部メモリ211より当該印刷データとステップS707で保存されていた印刷ジョブIDを削除する。ステップS723では、情報通信端末200は、印刷データ送信結果(ステップS719で送信した印刷データの印刷装置300でのスプール成功・不成功の結果)を書誌情報サーバ600に返信する。
【0075】
ステップS724では、書誌情報サーバ600は、上記印刷データ送信結果を受信し、成功だった場合には、印刷ジョブIDを検索条件として書誌情報テーブル215及び印刷サーバマスタ216より該当する書誌情報を削除する。ステップS725では、書誌情報サーバ600は、ステップS724の処理結果を印刷装置300に返信する。
【0076】
ステップS726では、印刷装置300は、RAM302にある印刷ジョブの一覧データからスプールに成功した印刷ジョブを削除し、削除後の印刷ジョブの一覧データを操作部308のLCD表示部に再表示する。この結果、印刷された印刷データが印刷ジョブの一覧から削除される。
【0077】
次に、図8〜図10を用いて、図7のステップS701からS707で説明した処理を詳述する。図8は、本発明の実施形態における印刷要求者による印刷要求から書誌情報サーバ600における書誌情報登録処理、及びその結果生成された印刷ジョブIDの保管までを示すフローチャートである。図9は、印刷要求の受信から書誌情報の送信処理(ステップS803A、ステップS803B)を詳述したフローチャートである。図10は、印刷ジョブIDの受信から印刷ジョブIDのリスト追加処理(ステップS809A、ステップS809B)を詳述したフローチャートである。図9及び図10の処理フローは共に、印刷サーバプログラム212が情報通信端末200上にて稼動する場合と、印刷サーバ500上にて稼動する場合の共通処理である。
【0078】
図8〜図10のフローチャートの説明にあたり、以下の前提条件を設定する。当該処理の実施場所は図1の拠点Bであり、印刷サーバプログラム212は、情報通信端末200及び印刷サーバ500両方において予め稼動し、書誌情報サーバプログラム213が書誌情報サーバ600上にて稼動している。印刷サーバプログラム212は、その起動時に予め設定された印刷サーバ設定ファイル214を読み込むことにより、予め書誌情報サーバ600のIP情報、印刷サーバの区別情報を知る。この区別情報は、印刷サーバプログラム212が情報通信端末200で稼動しているか、印刷サーバ500で稼動しているかを示す情報である。この区別情報は、印刷サーバプログラム212が、図15にて後述する印刷サーバマスタ更新処理において、印刷サーバプログラム212が自身の稼動環境を判別するために使用される。また、印刷要求時に書誌情報サーバ600にこの区別情報を送ることで、図11のステップS1110に詳述する情報処理端末200への印刷可否確認の処理に使用できる。また、印刷サーバプログラム212は、その稼動するプラットホーム(装置)のIP情報を取得し、予めRAM203に格納しておく。
【0079】
ここで、図4を参照して、本実施形態における印刷サーバ設定ファイル214のデータ構成の一例を説明する。書誌情報サーバIPは、書誌情報サーバ600の接続先IPを示す。印刷サーバ区別は、印刷サーバプログラム212が、ローカルの情報通信端末200で稼動しているのか、リモートの印刷サーバ500で稼働しているのかの区別を示す。印刷データ保管フォルダパスは、印刷データの保管先フォルダのパス名を示す。印刷データ保持時間は、印刷サーバプログラム212の管理下において、印刷データを保持する最大時間を示す。ネットワーク情報確認時間は、印刷サーバプログラム212が、図15に示す処理フローを起動する時間間隔を示す。なお、このネットワーク情報確認時間は、印刷サーバプログラム212が、情報処理端末200上で稼動する場合に必須となる設定項目である。
【0080】
印刷装置300も印刷装置設定ファイル321を読み込むことにより、書誌情報サーバ600と認証サーバ700のIP情報を予め知っているものとする。図5を参照して、本実施形態における印刷装置設定ファイル321のデータ構成の一例を説明する。書誌情報サーバIPは、書誌情報サーバ600のIP情報を示し、認証サーバIPは、認証サーバ700のIP情報を示す。
【0081】
図6を参照して、本実施形態における書誌情報サーバ設定ファイル219のデータ構成の一例を説明する。テーブルメンテナンス時刻は、書誌情報サーバ600が以下に詳述する処理を開始する時刻を示す。すなわち、書誌情報サーバ600は、予め設定されたテーブルメンテナンス時刻に達すると、現在時刻を検索条件に書誌情報テーブル215の中で、印刷データ保存期限が過ぎている行を削除する。印刷サーバマスタ216は書誌情報テーブル215にジョインしているので、関連するデータが削除される。なお、印刷データ保存期限が過ぎているレコードがなければ、何の処理もされない。
【0082】
情報通信端末200では、ローカル上のネットワークプリンタの設定として、情報通信端末200の印刷サーバプログラム212と、印刷サーバ500上の印刷サーバプログラム212とをそれぞれ異なる論理プリンタとして、プリンタドライバのポートに設定されているものとする。
【0083】
なお、本発明を実施するための方法としてはこれに限られない。情報通信端末200内に、印刷サーバ500に印刷データを送信する論理プリンタと、情報通信端末200自身に印刷データを送信する論理プリンタとを生成し、ユーザがいずれかの論理プリンタを用いて印刷を実行することで、各装置の所定の格納先(例えば、スプーラ)に印刷データを格納する方法を行うことができる。この方法によれば、格納された印刷データを印刷サーバプログラム212が検知して、印刷データから書誌情報を取得し、取得した書誌情報を書誌情報サーバ600へ送信することになる。
【0084】
再び、図8の説明に戻る。ステップS801では、印刷要求者が、ログインした情報通信端末200にて実行されるアプリケーションプログラムから、印刷先設定されたプリンタドライバに対応する論理プリンタへ印刷要求を行う。出力先プリンタは、情報通信端末200の印刷サーバプログラム212を出力ポートに設定したネットワークプリンタまたは、印刷サーバ500の印刷サーバプログラム212を出力ポートに設定したネットワークプリンタが選択される。この印刷要求に応じて、情報通信端末200のアプリケーションプログラムは、グラフィックエンジンを介してプリンタドライバにデータを送信する。情報通信端末200のプリンタドライバは、受け取ったデータに基づいて印刷データを生成する。
【0085】
ステップS802では、ステップS801にて選択したネットワークプリンタにしたがって、情報通信端末200は印刷データを送信する。つまり、情報通信端末200は、ローカルの印刷サーバプログラム212が出力ポートに指定されていた場合には、ローカルの印刷サーバプログラム212へ、印刷サーバ500の印刷サーバプログラム212が出力ポートに指定されていた場合には、印刷サーバ500の印刷サーバプログラム212へそれぞれ印刷データを送信する。
【0086】
ステップS803AとステップS803Bは稼動するプラットホームが異なるものの、共通のロジックである。この共通のロジックを図9の詳細フローを参照して説明するが、このフローは情報通信端末200及び印刷サーバ500の両方において実施可能である。
【0087】
ステップS901では、情報通信端末200或いは印刷サーバ500の印刷サーバプログラム212が情報通信端末200から印刷要求として印刷データを受信する。ステップS902では、印刷サーバプログラム212は、印刷データを外部メモリ211に格納する。ステップS903では、印刷サーバプログラム212は、ステップS902で格納した印刷データから書誌情報データを生成する。ここで図16を参照して、生成される書誌情報データについて説明する。
【0088】
書誌情報テーブル215は、本実施形態の印刷システムにおける書誌情報データの一例を示すデータ構成である。書誌情報テーブル215に示すように、書誌情報データは、印刷ジョブID、ログインユーザ名、印刷データ保存先MACアドレス、ドキュメント名称、部数、ページ数、カラー区別、印刷方法、レイアウト、印刷データ保存期限、タイムスタンプ(印刷した際の時間)、予約フラグ等の情報から構成される。
【0089】
印刷ジョブIDは、書誌情報サーバ600が書誌情報を受信して書誌情報テーブル215に書誌情報を登録する際に生成する印刷システム全体でユニークなキーである。ログインユーザ名は、例えば情報通信端末200のログインユーザ名を示す。印刷データ保存先MACアドレスは、例えば、情報通信端末200の印刷サーバプログラム212が印刷データを保管し、且つ書誌情報を登録した場合には、情報通信端末200のネットワークカードユニークなMACアドレスを示し、一方、印刷サーバ500上の印刷サーバプログラム212が印刷データを保管し、且つ書誌情報を登録した場合には、印刷サーバ500のネットワークカードユニークなMACアドレスを示す。また、印刷データ保存先MACアドレスは、印刷サーバマスタ216における主キーへの外部キーとして使用される。ドキュメント名称は、印刷データのドキュメント名を示す。部数は、印刷データの印刷部数を示す。ページ数は、印刷データの印刷ページ数を示す。カラー区別は、印刷データがカラー印刷かモノクロ印刷かを示す。印刷方法は、両面印刷や2in1印刷などの印刷方法を示す。レイアウトは、用紙1枚当たりの印刷ページ数を示す。タイムスタンプは、書誌情報サーバ600が書誌情報テーブル215に書誌情報を登録した時刻を示す。印刷データ保存期限は、本システム構成において印刷データが保存されていることを保証する期限を示す。この期限が過ぎたレコードは、ステップS1106にて詳述するように、検索時にヒットしない。この印刷データ保存期限は、書誌情報サーバ600が書誌情報テーブル215にレコードを登録する際に生成される情報である(ステップS807)。予約フラグは、後述する予約印刷のために使用される。
【0090】
印刷サーバマスタ216は、本実施形態の印刷システムにおける印刷サーバのマスタ情報の一例を示すデータ構成である。図16に示すように、印刷サーバマスタ216は、印刷データ保存先MACアドレス、印刷データ保存先IP、印刷可否フラグ、印刷サーバ区別フラグ、印刷データ保持時間、タイムスタンプ等の情報から構成される。
【0091】
印刷データ保存先MACアドレスは、書誌情報テーブル215にて前述した内容と同値であり、印刷サーバマスタ216におけるユニークなキーである。印刷データ保存先IPは、印刷データ保存先MACアドレスと同様、印刷データを保管する印刷サーバプログラム212が稼動するプラットホーム(装置)のIPアドレスを示す。印刷可否フラグは、印刷データの印刷を実施した際、印刷サーバプログラム212への接続エラーの有無を示すものであり、書誌情報データのレコードが登録されたタイミングで接続「可」になる。印刷データ保持時間は、印刷サーバプログラム212が印刷データを保持する時間を示し、書誌情報サーバ600は、該印刷データ保持時間とタイムスタンプから、印刷データ保存期限を生成する。タイムスタンプは、書誌情報サーバ600が印刷サーバマスタ情報を受信して書誌情報テーブル215に書誌情報を登録または更新した時刻を示す。
【0092】
ステップS803Aで生成される書誌情報としては、書誌情報テーブル215のうち、ログインユーザ名、印刷データ保存先MACアドレス、ドキュメント名称、部数、ページ数、カラー区別、印刷方法、レイアウトと、印刷サーバマスタ216のうち、印刷データ保存先MACアドレス、印刷データ保存先IP、印刷サーバ区別フラグ、印刷データ保持時間である。
【0093】
以下、図9のフローチャートの説明に戻る。ステップS904では、情報通信端末200或いは印刷サーバ500の印刷サーバプログラム212は、自身が稼動するプラットホーム(装置)のネットワーク情報として、MACアドレスとIPアドレスを取得する。取得した現行最新の印刷サーバIPは、RAM203上に保管しておく。ステップS905では、印刷サーバ設定ファイル214から読み込んでいた書誌情報サーバIPを利用して書誌情報サーバ600に接続し、上記書誌情報と、MACアドレス、印刷サーバIP、同様に起動時に既知の印刷サーバ区別フラグ、印刷データ保持時間を送信する。
【0094】
以下、図8のフローチャートの説明に戻る。ステップS804では、書誌情報サーバ600が印刷サーバプログラム212より書誌情報を受信する。なお、書誌情報内に含まれるIPアドレスは、印刷サーバ500或いは情報通信端末200から積極的に送信しなくても、TCP/IP通信で取得することが可能であるため、TCP/IP通信プロトコル上で取得したIPアドレスでもよい。ステップS805では、書誌情報サーバプログラム213が書誌情報テーブル215のユニークキーとなる印刷ジョブIDを生成する。
【0095】
ステップS806では、印刷サーバプログラム212が稼動するプラットホームのMACアドレスと印刷サーバのIP、印刷データ保持時間、タイムスタンプ及び印刷可否フラグ(値は、「可」)を印刷サーバマスタ216に登録する。なお、主キーのMACアドレスが既に登録済であった場合には、これらの情報にて、印刷サーバマスタ216の該当レコードを更新する。
【0096】
ステップS807では、ステップS805で生成した印刷ジョブIDと共に、上記書誌情報、印刷サーバプログラム212が稼動するプラットホームのMACアドレス、印刷データ保存期限、タイムスタンプを書誌情報テーブル215に登録する。書誌情報サーバ600の現在時刻であるタイムスタンプと印刷データ保持時間から印刷データ保存期限が生成される。例えば、印刷データ保持時間を2日、タイムスタンプを2008年10月8日12:00:00とした場合、印刷データ保存期限は2008年10月10日12:00:00となる。ステップS808では、印刷ジョブIDを印刷サーバプログラム212に返信する。
【0097】
ステップS809AとステップS809Bは稼動するプラットホームが異なるものの共通のロジックである。以下、図10の詳細フローにてこの共通のロジックを説明するが、このフローは情報通信端末200及び印刷サーバ500の両方において実施可能である。
【0098】
ステップS1001では、情報通信端末200或いは印刷サーバ500の印刷サーバプログラム212は、書誌情報サーバ600の書誌情報サーバプログラム213から返信された印刷ジョブIDを受信する。ステップS1002では、印刷サーバプログラム212は、印刷ジョブIDをキーとして、印刷データファイル保管先と、前述の印刷データ保持時間から、書誌情報サーバ600とは別に独自に生成した印刷データ保存期限とを、外部メモリ211上の印刷データ保管先テーブル218に保管する。印刷データ保存期限を書誌情報サーバ600とは別に生成する理由は、印刷サーバプログラム212が稼動するプラットホームと、書誌情報サーバ600とのシステム時刻に差異がありうるからである。
【0099】
図18は、本実施形態の印刷システムにおける印刷データ保管先テーブル218の一例を示すデータ構成である。印刷データ保管先テーブル218は、印刷ジョブID、印刷データの保管先パスを示す印刷データ保管先及び印刷データの保存期限を示す印刷データ保存期限から構成される。
【0100】
なお、印刷サーバプログラム212は、印刷データ保存期限を使用して、以下の不図示の処理を、プログラム起動時と、起動後印刷データ保持時間毎に自動実行する。印刷サーバプログラム212は、印刷データ保管先テーブル218に対して、現在時刻を検索条件に印刷データ保存期限が過ぎている情報を検索する。検索結果が0件であれば、処理を終了する。検索結果が1件以上あった場合、該検索結果の印刷データ保管先に保管されている印刷データを削除し、削除処理の成功・不成功に関わらず、印刷データ保管先テーブル218から該データを削除する。
【0101】
次に、図11を用いて、印刷装置300にログインした印刷要求者が印刷要求した全ての書誌情報一覧を表示するフローについて説明する。つまり、印刷要求者は、情報通信端末200より印刷指示が終了した後、任意の印刷装置300の前に移動している。
【0102】
ステップS1101では、印刷要求者は、印刷装置300へログインを試みる。ステップS1102は、印刷装置300は、ログイン時に取得した個人認証情報を認証サーバ700に送信する。認証サーバ700は、それに応答して認証結果を返信する。認証処理に成功した場合には、認証結果として、情報通信端末200のログインユーザ名が返信される。印刷装置300によるログイン情報の取得方法の例については、ICカードリーダを装着した印刷装置300が、印刷要求者のICカードより個人情報認証を読み出す手段が考えられる。個人認証情報とは、認証に用いられる情報を意味し、ICカードの認証番号であってもよい。この時、認証サーバ700は、認証サーバ700の外部メモリ211に記憶されるICカード認証用テーブル217を利用して認証処理を行い、認証結果を印刷装置300に返信する。
【0103】
図17は、本実施形態の印刷システムにおけるICカード認証用テーブル217の一例を示すデータ構成図である。ICカード認証用テーブル217は、当該テーブルの主キーであるカード製造番号、ユーザ名、メールアドレス、部門ID、部門パスワード、管理者権限等の情報から構成される。
【0104】
以下、図11のフローチャートの説明に戻る。ステップS1103では、印刷装置300は認証サーバ700より返信された認証結果を検証する。認証が否認された場合には、エラー画面を操作部308に表示し、再度ログイン情報の入力を印刷要求者に促してステップS1101に戻る。一方、認証が成功し、ユーザIDが返信された場合には、次のステップS1104に進む。ステップS1104では、印刷装置300は、ユーザ名を引数として含む書誌情報一覧要求を、書誌情報サーバ600に対して送信する。
【0105】
ステップS1105では、書誌情報サーバ600が書誌情報一覧要求を受信する。ステップS1106では、受信したユーザ名を書誌情報テーブル215のカラム「ログインユーザ名」として、かつ「印刷データ保存期限」が現在時刻と同値または過ぎていないことを検索条件として設定して、書誌情報テーブル215と印刷サーバマスタ216の全カラムを検索する。ステップS1107では、検索条件に合致した、書誌情報テーブル215と印刷サーバマスタ216の情報の一覧リストを生成する。
【0106】
ステップS1108では、ステップS1107で生成した一覧リストを一行ずつ読み込み、リストが終了したかどうかを判定する。これ以上読み込む行が無く、リストが終了した場合には、ステップS1115へ進む。一方、行の読み込みに成功した場合は、ステップS1109に進む。
【0107】
ステップS1109では、検索結果レコードの印刷サーバ区別フラグの値から、印刷データ保管先が、リモート上にある印刷サーバ500なのか、情報通信端末200なのかを判定する。印刷データ保管先が印刷サーバ500であると判定された場合には、サーバとして固定されたネットワークIPを持ち、且つ必要十分な冗長性への考慮もされているため、常時印刷可能な状態であるものと見なし、ステップS1108に戻る。一方、情報通信端末200である場合には、モバイル移動中、電源OFFなど様々な要因で常に印刷可能な状態であることは保障できない。このため、印刷データ保管先が情報通信端末200であると判定された場合には、情報通信端末200が印刷可能であるかどうかを確認するため、次ステップS1110に進む。
【0108】
ステップS1110では、書誌情報サーバ600は、情報通信端末200が現在印刷可能であるかどうかを確認する。具体的には、書誌情報サーバ600は、ステップS1107で生成した一覧リスト行の該印刷データ保存先IPの情報に基づいて情報通信端末200に接続し、印刷ジョブIDを送信することによって、書誌情報サーバ600に登録済の印刷ジョブIDにて特定される印刷データが存在するか否かを確認する。
【0109】
ステップS1111では、情報通信端末200は、印刷ジョブIDを受信し、印刷データ保管先テーブル218に対し該印刷ジョブIDを検索条件として検索する。検索がヒットした場合には更に、印刷データ保管先のパスを調べ、印刷データが存在することを確認する。該印刷データが存在した場合、印刷可能である旨の確認結果を書誌情報サーバ600に返信する。しかし、印刷データが存在しなかった場合や印刷ジョブIDがヒットしなかった場合、印刷不可である旨の確認結果を書誌情報サーバ600に返信する。
【0110】
再び、ステップS1110では、書誌情報サーバ600は、上記印刷可否の確認結果を受信し、印刷可否の結果に関わらず次ステップS1112へ進む。印刷不可の確認結果であった場合は、情報通信端末200がモバイル端末であって、ネットワークから外して移動中であった場合等が想定される。
【0111】
ステップS1112では、ステップS1111の印刷可否の確認結果とステップS1107で生成した一覧リストにおける印刷可否フラグを比較する。比較の結果、両者が同じ場合にはステップS1108に戻り、異なる場合には次ステップS1113に進む。ステップS1113では、印刷サーバマスタ216の印刷可否フラグをステップS1111の印刷可否確認結果の状態に更新する。ステップS1114では、ステップS1107で生成した一覧リストの該当行における印刷可否フラグをステップS1111の印刷可否確認結果の状態に更新し、ステップS1108に戻る。これにより、印刷データ保管先が情報通信端末200であった場合の印刷可否フラグを最新の情報に更新する処理が完了する。
【0112】
ステップS1115では、書誌情報サーバ600は、更新処理済の書誌情報テーブル215と印刷サーバマスタ216の情報の一覧リストを印刷装置300に返信する。ステップS1116では、印刷装置300は、書誌情報テーブル215と印刷サーバマスタ216の情報の一覧リストを受信する。ステップS1117では、印刷装置300は、受信した一覧リストより、印刷装置300の画面(例えば、操作部308)に表示するために印刷ジョブ一覧情報を加工し、表示する。図19は、印刷装置300に表示する一覧リストの一例である。ここで画面2行目の印刷ジョブ:文書名「BBBBB.txt」が印刷不可であった場合を説明する。2行目の印刷ジョブについては、例えば、薄いグレーで行テキストを表示し、かつ、印刷可カラムに赤字の「×」を表示することにより、該印刷データが現在印刷不可であることを表すことができる。また、1行目、3行目の印刷ジョブについては、例えば、黒で行テキストを表示し、かつ、印刷可カラムに青字の「○」を表示することにより、該印刷データが現在印刷可能であることを表すことができる。
【0113】
また、受信した一覧リストは、書誌情報サーバ600で印刷データ保管先パスから判定された印刷データの蓄積先の情報(情報通信端末200なら「ローカル」、印刷サーバ500なら「サーバ」)含む。なお、印刷ジョブがどこに蓄積されているかを識別できるようにするために保存先の情報(IPやパス名など)を表示させることも可能である。この判定の際、書誌情報サーバ600に印刷サーバ500の識別情報リストを保持しておき、印刷データ保管先テーブル218に記憶されている保管先が、印刷サーバ500の識別情報リストになければローカルと判定し、印刷サーバ500の識別情報リストに存在すればサーバと判定することができる。
【0114】
ここで図19の一覧取得ボタンが押下された場合の処理を説明する。かかる場合、印刷装置300は、既に認証済であることから、ステップS1104から処理を開始し、再度最新の書誌情報一覧を取得して再表示する。また、本発明では、図19の「BBBBB.txt」が印刷不可で、現状では印刷できない状態であっても印刷指示をすることができるように構成可能である。例えば、「BBBBB.txt」を選択して印刷ボタンを押下すると、図22の画面が表示され、OKボタンを押下すると、「BBBBB.txt」(印刷データ特定情報)を含む印刷予約要求が書誌情報サーバ600に送信される。書誌情報サーバ600では、「BBBBB.txt」の印刷ジョブIDに関連付けて予約フラグが記憶される。
【0115】
印刷予約がされた印刷ジョブを蓄積する情報通信端末200が通信可能になった後、予約した印刷ジョブのユーザ印刷装置300にログインする場合、図19の画面で再度印刷ジョブを指定して印刷指示をすることなく、予約フラグのたっている印刷ジョブ「BBBBB.txt」の印刷要求が自動的に印刷ジョブを記憶している装置に送信され、ログインした印刷装置300に印刷ジョブに対応する印刷データが情報通信端末200より送信され、印刷が実行される。
【0116】
次に、図12、図13を用いて、印刷装置300において一覧表示された印刷ジョブから印刷要求者が、実際に印刷する印刷ジョブを選択し、印刷が実行されるまでの処理フローを説明する。
【0117】
ステップS1201では、印刷要求者は、図19に一覧表示した印刷ジョブ一覧画面より、画面押下などにより印刷実行したい印刷ジョブ行を選択する。初期表示時の1行も選択されていない状態では、全選択ボタン、選択解除ボタン、消去ボタン、印刷ボタンはディセーブル(disable)されて押下不能の状態となる。選択された印刷ジョブ行は、背景行がハイライト表示される。選択済の印刷ジョブ行を再度押下すると、選択が解除される。全選択ボタンを押下した場合、全行が選択状態となり、選択解除ボタンを押下した場合には、選択済みの全行が選択解除され、選択解除ボタン、消去ボタン、印刷ボタンがディセーブルされて押下不可能な状態となる。1行以上の印刷ジョブが選択された場合、直ちに選択解除ボタン、消去ボタン、印刷ボタンのディセーブルが解除され、押下可能となる。図19の画面において印刷ボタンが押下された場合、選択行をリストとして抽出する。
【0118】
ステップS1202では、図20、図21の画面の動作を示す処理が行われる。以下、図13の詳細フローを使って当該処理内容を詳述する。
【0119】
ステップS1301では、印刷装置300は、ステップS1201で抽出した選択行リストの読み込みが最終行まで終了したかどうかを判定する。最終行まで読み込みが終了した場合、ステップS1306に進む。一方、まだ読み込み可能な選択行がある場合には、ステップS1302に進む。ステップS1302では、印刷装置300は、抽出した選択行リストを1行、RAM302に読み込む。ステップS1303では、印刷装置300は、読み込んだ選択行に含まれる印刷可否フラグを確認し、現在印刷可能であるかどうかを判定する。印刷不可能であった場合にはステップS1304に進み、印刷可能であった場合にはステップS1305に進む。ステップS1304では、選択行の印刷ジョブ情報を印刷不能リストに追加し、ステップS1301に戻る。一方、ステップS1305では、選択行の印刷ジョブ情報を印刷可能リストに追加し、ステップS1301に戻る。印刷可能リストと印刷不能リストは、印刷装置300のRAM302上に記憶される。
【0120】
ステップS1306では、上述の印刷可能リストと印刷不能リストの状態を判定する。印刷可能リストに1件も印刷ジョブがない場合、ステップS1307に進む。印刷可能リストにも、印刷不能リストにも1件以上の印刷ジョブがある場合、ステップS1308に進む。印刷不能リストに1件も印刷ジョブがなく、印刷可能リストにのみ存在する場合、ステップS1312に進む。
【0121】
ステップS1307では、印刷装置300は、図21に例示するような画面を操作部308に表示し、印刷可能なジョブが存在しないことを明示する。この画面上のOKボタンを押下することによって当該画面が消去され、ステップS1313に進む。
【0122】
ステップS1308では、印刷装置300は、図20に例示するような画面を操作部308に表示する。当該画面上には、印刷リストタブと印刷NGリストタブの二つが表示されている。印刷リストタブの一覧リストには、上述した印刷可能リストに追加された印刷ジョブを表示し、印刷NGリストタブの一覧リストには印刷不能リストに追加された印刷ジョブを表示する。図20の例では、印刷NGリストタブの一覧リスト中に「BBBBB.txt」という文書名が表示されている。ステップS1309では、印刷装置300は、図20に示した画面におけるボタンの入力をユーザから受信する。図20の例では、OKボタンと戻るボタンが表示されている。
【0123】
なお、図19の一覧リスト画面では、現在印刷可能な印刷ジョブと現在印刷不可能な印刷ジョブとを同時に識別可能に表示したが、図20のように、現在印刷可能な印刷ジョブの印刷リストと、現在印刷不可能な印刷ジョブの印刷NGリストに分けて、識別可能に表示してもよい。すなわち、印刷可能な印刷データ(印刷ジョブ)と印刷不可能な印刷データ(印刷ジョブ)とを識別可能なように、印刷データ一覧情報を表示する処理は、図19のような表示形態及び図20のような表示形態のいずれも含まれることになる。
【0124】
ステップS1310では、印刷装置300は、図20に示した画面において押下されたボタンを判定し、後続処理を振り分ける。OKボタンが押下された場合には、当該画面を消去し、次ステップS1312に進む。ステップS1312では、印刷装置300は、印刷可能リストを印刷装置300のRAM302上に戻して図13の詳細フローを終了する。一方、戻るボタンが押下された場合には、次ステップS1311に進む。ステップS1311では、図20に示した画面を消去し、次ステップS1313に進む。
【0125】
ステップS1313では、図13に示す詳細フローを述べたステップS1202の処理をブレイクして図12のSTARTに処理を戻す。
【0126】
以上で、図13を使用した図19、図20、図21の印刷装置画面の動作詳細フローの説明を終了する。以下では、図12の処理説明に戻る。
【0127】
ステップS1203では、印刷装置300は、RAM302上の印刷可能リストより一行ずつ印刷ジョブをRAM302に読み込む。印刷可能リストに印刷ジョブが存在しない場合、処理を終了し、図19の画面に戻る。印刷可能リストから印刷ジョブが読み込まれた場合、ステップS1204に進む。
【0128】
ステップS1204では、印刷装置300は、読み込んだ印刷ジョブ情報から印刷要求情報である、印刷ジョブIDとユーザ名を取得する。ステップS1205では、印刷装置300は、ユーザ名、該印刷装置のIP情報、印刷ジョブIDを含む印刷要求を書誌情報サーバ600に送信する。
【0129】
ステップS1206では、書誌情報サーバ600は、印刷要求を受信する。ステップS1207では、書誌情報サーバ600は、書誌情報テーブル215と印刷サーバマスタ216を検索する際、受信した印刷ジョブIDを書誌情報テーブル215の検索条件として設定し、印刷可否フラグの値として印刷可を印刷サーバマスタ216の検索条件に設定して、印刷データ保存先IPを検索する。不図示であるが、印刷データ保存先IPが検索処理の結果ヒットしなかった場合は、現在印刷不可能と考えられるため、印刷要求エラーとしてステップS1220に進む。
【0130】
ステップS1208では、書誌情報サーバ600は、ステップS1207で検索した印刷データ保存先IPに対応する装置に接続し、印刷実行要求として印刷装置IP、印刷ジョブIDを送信する。図12で説明する実施形態では、ステップS1209からステップS1218にかけての処理については、印刷サーバ500上における処理として記述されている。これは該印刷データ保存先IPが印刷サーバ500を示す場合を想定しているが、該印刷データ保存先IPが情報通信端末200を示す場合には、ステップS1209からステップS1218にかけての一連のステップは情報通信端末200上での処理となる。したがって、ステップS1209からステップS1218の説明では、印刷サーバ500において実行されるものとして説明するが、該印刷データ保存先IPが情報通信端末200を示す場合には、当該説明は、情報通信端末200において実行されるものとする。
【0131】
ステップS1209では、印刷サーバ500上で稼動する印刷サーバプログラム212が印刷実行要求を受信する。ステップS1210では、印刷サーバ500の印刷サーバプログラム212は、印刷データ保管先テーブル218より印刷ジョブIDを検索条件として印刷データ保管先を検索する。ステップS1211では、印刷サーバ500の印刷サーバプログラム212は、検索して得られた印刷データ保管先に存在する印刷データを印刷実行要求として受信した印刷装置IPに対応する印刷装置300に対して送信する。
【0132】
ステップS1212では、印刷装置300が印刷データを受信する。ステップS1213では、印刷装置300は受信した印刷データをプリンタ312に引き渡して印刷を実行し、その印刷データ送信結果を返信する。
【0133】
ステップS1214では、印刷サーバ500の印刷サーバプログラム212は、印刷データ送信結果を受信する。ステップS1215では、印刷サーバ500の印刷サーバプログラム212は、印刷データ送信結果の内容を判定する。印刷データ送信結果が成功だった場合、ステップS1216に進む。印刷データ送信結果がエラーだった場合、ステップS1218に進む。
【0134】
ステップS1216では、印刷サーバ500の印刷サーバプログラム212は、ステップS1211で送信した印刷データファイルを削除する。ステップS1217では、印刷サーバ500の印刷サーバプログラム212は、ステップS1210で使用した印刷ジョブIDを削除キーとして、印刷データ保管先テーブル218から該当する印刷ジョブのレコードを削除する。ステップS1218では、印刷サーバ500の印刷サーバプログラム212は、印刷実行要求の処理結果を書誌サーバ600に返信する。
【0135】
以上で、ステップS1209からステップS1218に示した印刷サーバ500あるいは情報通信端末200における共通処理が終了する。
【0136】
ステップS1219では、書誌情報サーバ600は、印刷実行要求の処理結果を受信する。ステップS1220では、書誌情報サーバ600は、印刷実行要求処理結果の内容を判定する。印刷処理実行結果が成功だった場合、ステップS1221に進む。印刷処理実行結果がエラーだった場合またはステップS1207で印刷要求エラーだった場合、ステップS1222に進む。ステップS1221では、書誌情報サーバ600は、印刷ジョブIDを削除キーとして、書誌情報テーブル215から該書誌データを削除する。ステップS1222では、書誌情報サーバ600は、印刷要求の処理結果を印刷装置300に返信する。
【0137】
ステップS1223では、印刷装置300は、印刷要求の処理結果を受信する。ステップS1224では、印刷装置300は、印刷要求処理結果の内容を判定する。印刷要求処理結果が成功だった場合、ステップS1225に進む。印刷要求処理結果がエラーだった場合、ステップS1226に進む。ステップS1225では、印刷装置300は、印刷成功した該選択行を印刷可能リストから削除し、図19に示した画面の一覧リストより該当行を削除し、ステップS1203に戻る。ステップS1226では、印刷装置300は、エラーとなった該選択行を印刷可能リストから削除し、図19に示した画面の一覧リストにて該当行に印刷エラーを追記表示し、ステップS1203に戻る。
【0138】
次に、図14を用いて、印刷要求者が、印刷装置300において一覧表示された印刷ジョブから印刷ジョブを選択して消去する処理フローを説明する。
【0139】
ステップS1401では、印刷要求者は、印刷装置300上で図19に例示する印刷ジョブ一覧表示画面より、消去したい印刷ジョブ行を押下することにより選択し、消去ボタンを押下する。不図示の確認画面を表示し、OKボタンを押下すると次ステップS1402に進み、戻るボタンを押下すると図19の画面に戻る。ステップS1402では、印刷装置300は、選択行リストの読み込みが最終行まで終了したかどうかを判定する。最終行まで読み込まれている場合には図14の処理を終了する。一方、RAM302へ読み込みが出来た場合には次ステップS1403に進む。ステップS1403では、印刷装置300は、読み込んだ選択行より印刷ジョブIDを取得する。ステップS1404では、印刷装置300は、書誌情報サーバ600に印刷ジョブIDを含む印刷ジョブ削除要求を送信する。
【0140】
ステップS1405では、書誌情報サーバ600は、印刷装置300から印刷ジョブ削除要求を受信する。ステップS1406では、書誌情報サーバ600は、書誌情報テーブル215に対し、受信した印刷ジョブIDを検索条件に、印刷データ保存期限を著しく過去の日時(例えば、2000年1月1日0時0分0秒)に変更する。この変更処理を実施することで、削除要求されたジョブIDのレコードは書誌情報テーブル215に残るものの、図11の処理フローで図19に示す画面で一覧表示をする場合には、印刷データ保存期限が過ぎていることから、ステップS1106の検索処理においてヒットしなくなる。なお、実際に書誌情報テーブル215上のジョブIDのレコードが削除されるのは、前述のテーブルメンテナンス処理によってである。また、印刷サーバプログラム212が保持する該ジョブIDに対応する印刷データは、前述の印刷データ保持時間毎に起動されるメンテナンス処理によって削除される。
【0141】
ステップS1407では、書誌情報サーバ600は、印刷ジョブ削除要求の処理結果を印刷装置300に返信する。ステップS1408では、印刷装置300は、書誌情報サーバ600から印刷ジョブ削除要求の処理結果を受信する。ステップS1409では、印刷装置300は、印刷ジョブ削除要求結果の内容を判定する。成功の場合にはステップS1410に進み、エラーの場合にはステップS1411に進む。ステップS1410では、印刷装置300は、図19に示した一覧リストより印刷ジョブ削除に成功した該当行を削除して、ステップS1402に戻る。一方、ステップS1411では、図19に示した一覧リストより印刷ジョブ削除に失敗した該当行に消去エラーを追記表示し、ステップS1402に戻る。
【0142】
次に、図15を用いて、印刷サーバプログラム212が、情報通信端末200上で稼動した場合のみ実行される、ネットワーク情報更新処理フローを説明する。本処理を実装することにより、以下の運用が可能となる。例えば、情報通信端末200が無線通信可能なモバイル端末であり、IPアドレスの設定を図1のシステム全体で不図示のDHCPサーバを通して設定する環境であるものとする。更に、印刷サーバプログラム212をモバイル端末上で稼動させているものとする。印刷要求者がモバイル端末にログインし、アプリケーションから印刷指示して、印刷サーバプログラム上に印刷データが保持された状態で、ネットワークを切り離し、別拠点で端末を接続し直し、本処理が終了した状態であれば、先に前拠点にて印刷指示済であった印刷データを別拠点の印刷装置300から印刷することができる。
【0143】
印刷サーバプログラム212は、前述したようにその起動時に印刷サーバ設定ファイル214をRAM203上に読み込む。この時、印刷サーバ区別の設定が、情報処理端末200のローカルで稼動する設定となっていた場合、印刷サーバプログラム212は、図4に示すネットワーク情報確認時間の設定時間間隔毎にステップS1501から始まる処理を開始する。
【0144】
ステップS1501では、情報通信端末200において、タイマーにより処理が定期的に起動される。この処理の起動間隔は、ネットワーク情報確認時間の設定時間間隔毎である。ステップS1502では、情報通信端末200は、印刷サーバプログラム212の起動時または、ステップS904にてRAM203に保管された、印刷サーバプログラム212が稼動するプラットホームのIPを取得する。ステップS1503では、情報通信端末200は、自分自身のMACアドレスと最新のIPをシステムから取得する。
【0145】
ステップS1504では、ステップS1502で取得したIPとステップS1503で取得したIPを比較する。同値であった場合には処理を終了する。異なる値であった場合、次ステップS1505に進む。ステップS1505では、起動時に読み込み済みの印刷サーバ設定ファイル214の情報より既知の書誌情報サーバIP情報、印刷データ保持時間を取得する。ステップS1506では、情報通信端末200の印刷サーバプログラム212は、MACアドレス、印刷データ保管先IPとして最新のローカルIP、印刷サーバ保持時間を引数として含む印刷サーバマスタ更新要求を、書誌情報サーバ600に対して送信する。
【0146】
ステップS1507では、書誌情報サーバ600は、印刷サーバマスタ更新要求を受信する。ステップS1508では、書誌情報サーバ600は、受信したMACアドレスを主キーとして特定されるレコードについて、印刷データ保存先IPを受信した印刷データ保管先IPとし、印刷可否フラグを可とし、印刷データ保持時間を受信した印刷データ保持時間とし、書誌情報サーバ600の現在時刻をタイムスタンプとして、印刷サーバマスタ216を更新する。ステップS1509では、書誌情報サーバ600は、印刷サーバマスタ更新要求の処理結果を情報通信端末200に返信する。
【0147】
ステップS1510では、情報通信端末200の印刷サーバプログラム212は、印刷サーバマスタ更新要求の処理結果を受信して処理を終了する。
【0148】
本発明では、図15のように、情報通信端末200の印刷サーバプログラム212が書誌情報サーバ600の印刷サーバマスタ216(印刷可否フラグ含む)を更新する構成と、図11のS1110のように、書誌情報サーバ600から、定期的(所定時間おき)に印刷サーバマスタ216に記憶されている印刷データ保存先IPに対応するデバイスと通信して、通信可能か否かを判断して、通信可能でない場合には、印刷可否フラグを「否」と変更するような構成とが存在する。
【0149】
これにより、情報通信端末200がネットワークにつながった場合と情報通信端末200がネットワークにつながっていない場合の両方の場合において、情報通信端末200に蓄積されている印刷データが印刷できないことを適切に判断することができ、情報通信端末200で記憶している印刷ジョブの印刷可否が印刷装置300で確認することができるようになる。
【0150】
以上、好適な実施形態を例に説明したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。また、複数の機器から構成されるシステムに本発明を適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0151】
以上説明したように、本実施の形態によれば、情報処理装置に印刷データを蓄積する場合に、情報処理装置の通信状態に応じて発生する印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを、印刷指示の操作を行う印刷装置の表示部で識別可能に表示することで、操作者が容易に認識することができる。
【0152】
また、従来の印刷サーバを設置する比較的大規模な拠点と、小規模で印刷サーバを設置しない拠点とでも、印刷装置を特定しない、セキュアな印刷サービスを提供することができる印刷システム、印刷装置及びその制御方法、プログラムを提供できる。特に、監査対象となる書誌情報、認証情報といったメタデータについては中心拠点において一元的に管理しつつも、印刷データを蓄積する印刷サーバを柔軟に配置できることにより、実印刷データの移動はローカルなLAN内に留め、セキュリティを確保しつつ小規模な拠点における導入コスト、運用管理コストを大幅に抑制する効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明の実施形態に係る印刷システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る各種端末のハードウェア構成及び関連プログラム・データを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る印刷装置におけるコントローラユニットのハードウェア構成と、関連するプログラム・データを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る印刷サーバ設定ファイルを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る印刷装置設定ファイルを示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る書誌情報サーバ設定ファイルを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る印刷システムの基本の処理フローを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る印刷システムにおける、印刷要求から書誌情報サーバにおける書誌情報登録までの処理を示すフローチャートである。
【図9】図8のフローにおける、印刷要求の受信から書誌情報の送信までの詳細な処理フローを示す図である。
【図10】図8のフローにおける、印刷ジョブIDの受信から印刷ジョブIDの保管までの詳細な処理フローを示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る印刷システムにおける、印刷要求者によるログインから書誌情報一覧表示までの処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態に係る印刷システムにおける、書誌情報一覧表示から指定印刷ジョブの印刷までの処理を示すフローチャートである。
【図13】図12のフローにおける、選択リスト確認の処理フローを示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る印刷システムにおける、書誌情報一覧表示から指定印刷ジョブの消去までの処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態に係る印刷システムにおける、印刷サーバマスタ更新処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施形態に係る印刷サーバマスタと書誌情報テーブルを示す図である。
【図17】本発明の実施形態に係るICカード認証用テーブルを示す図である。
【図18】本発明の実施形態に係る印刷データ保管先テーブルを示す図である。
【図19】本発明の実施形態に係る印刷ジョブ一覧表示画面の一例を示す図である。
【図20】本発明の実施形態に係る印刷不可ジョブ表示ダイアログ画面の一例を示す図である。
【図21】本発明の実施形態に係る印刷可能ジョブなし表示ダイアログ画面の一例を示す図である。
【図22】本発明の実施形態に係る予約印刷のための画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0154】
100 LAN
200 情報通信端末
300 印刷装置
400 WAN
500 印刷サーバ
600 書誌情報サーバ
700 認証サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書の印刷データを生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置と、前記印刷データの書誌情報データを記憶する書誌情報サーバと、前記印刷データを印刷する印刷装置とが相互に通信可能な印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
前記プリンタドライバにより生成された印刷データを前記情報処理装置内に記憶する印刷データ記憶手段と、
前記印刷データ記憶手段に記憶される印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含む書誌情報データを前記書誌情報サーバへ送信する書誌情報データ送信手段と
を備え、
前記書誌情報サーバは、
受信した前記書誌情報データを記憶する書誌情報データ記憶手段と、
前記書誌情報データに含まれる装置特定情報によって特定された情報処理装置との間で通信が可能であるかを判定することにより得られる前記印刷データの印刷可否を示す印刷可否情報を、前記書誌情報データ毎に記憶する印刷可否情報記憶手段と、
ユーザ識別情報及び印刷データ一覧情報の送信要求を前記印刷装置から受信したことに応答して、前記書誌情報データ内の前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む印刷データ一覧情報であって、当該ユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報を、前記印刷装置に送信する一覧情報送信手段と
を備え、
前記印刷装置は、
当該印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記書誌情報サーバに送信する一覧情報送信要求手段と、
前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む前記印刷データ一覧情報を受信する一覧情報受信手段と、
前記印刷データ一覧情報に含まれる印刷可否情報に基づいて、印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを識別可能なように、前記印刷データ一覧情報を表示する表示手段と
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記印刷装置は、前記表示手段に表示された印刷不可能なデータを印刷予約する印刷予約手段をさらに備え、
前記書誌情報サーバの書誌情報データ記憶手段は、前記書誌情報データに、前記印刷予約手段により印刷予約が行われたか否かを示す印刷予約フラグを記憶し、
前記情報処理装置への通信が可能になった後、前記印刷装置への再ログインが行われることにより前記書誌情報サーバがユーザ識別情報を受信することに応じて、前記印刷予約フラグの内容が予約ありとなっている印刷データを印刷させるべく、当該印刷データを記憶する情報処理装置に対して、当該印刷データの印刷データ特定情報を含む印刷指示を行うことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記印刷装置は、前記印刷データ一覧情報から選択された印刷データの印刷要求を前記書誌情報サーバに対して発行する印刷要求手段をさらに備え、
前記書誌情報サーバは、前記印刷装置の印刷要求手段により印刷の要求がなされた印刷データの印刷データ特定情報と該印刷要求を行った印刷装置を識別する印刷装置識別情報を含む印刷指示を、当該印刷データ特定情報を含む書誌情報データの装置特定情報から特定される情報処理装置に対して送信する印刷指示手段をさらに備え、
前記情報処理装置は、前記書誌情報サーバの印刷指示手段により印刷指示された印刷データ特定情報により特定される印刷データを、前記印刷装置識別情報により識別される印刷装置に対して送信する印刷データ送信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記印刷可否情報記憶手段は、前記通信可否情報が通信可能であることを示す場合、前記印刷可否情報を印刷可として記憶し、
前記通信可否情報が通信不可能であることを示す場合、前記印刷可否情報を印刷不可として記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記書誌情報サーバから前記情報処理装置への通信の際、前記装置特定情報を読み出して、接続先となる情報処理装置を特定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記情報処理装置と通信可能な印刷サーバであって、
前記情報処理装置で生成された印刷データを受信して、記憶する第2の印刷データ記憶手段と、
前記記憶した印刷データを管理するための前記書誌情報データを前記書誌情報サーバへ送信する第2の書誌情報データ送信手段と
を備えた印刷サーバをさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記印刷サーバと前記書誌情報サーバは、1つの印刷管理サーバであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項8】
文書の印刷データ生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置及び前記印刷データを印刷する印刷装置と相互に通信可能な書誌情報サーバであって、
前記書誌情報サーバは、
前記プリンタドライバを用いて生成された印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含む書誌情報データを記憶する書誌情報データ記憶手段と、
前記書誌情報データに含まれる装置特定情報によって特定された情報処理装置との間で通信が可能であるかを判定することにより得られる前記印刷データの印刷可否を示す印刷可否情報を、前記書誌情報データ毎に記憶する印刷可否情報記憶手段と、
前記印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記印刷装置から受信したことに応答して、前記書誌情報データ内の前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む印刷データ一覧情報であって、当該ユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報を、前記印刷装置に送信する一覧情報送信手段と
を備えたことを特徴とする書誌情報サーバ。
【請求項9】
前記印刷データ一覧情報のうち、前記印刷可否情報が印刷不可を示す印刷データを印刷予約する要求を受け付ける印刷予約受付手段をさらに備え、
前記書誌情報データ記憶手段は、書誌情報データに、前記印刷予約が行われたか否かを示す印刷予約フラグを記憶し、
前記情報処理装置への通信が可能になった後、前記印刷装置への再ログインが行われることにより前記印刷装置からユーザ識別情報を受信することに応じて、前記印刷予約フラグの内容が予約ありとなっている印刷データを印刷させるべく、当該印刷データを記憶する情報処理装置に対して、当該印刷データの印刷データ特定情報を含む印刷指示を行うことを特徴とする請求項8に記載の書誌情報サーバ。
【請求項10】
前記書誌情報サーバは、前記印刷装置により前記印刷データ一覧情報から選択された印刷データの印刷要求がなされた場合に、当該印刷データの印刷データ特定情報と該印刷要求を行った印刷装置を識別する印刷装置識別情報を含む印刷指示を、当該印刷データ特定情報を含む書誌情報データの装置特定情報から特定される情報処理装置に対して送信する印刷指示手段をさらに備えることを特徴とする請求項8または9に記載の書誌情報サーバ。
【請求項11】
前記印刷可否情報記憶手段は、前記通信可否情報が通信可能であることを示す場合、前記印刷可否情報を印刷可として記憶し、
前記通信可否情報が通信不可能であることを示す場合、前記印刷可否情報を印刷不可として記憶することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の書誌情報サーバ。
【請求項12】
前記書誌情報サーバから前記情報処理装置への通信の際、前記装置特定情報を読み出して、接続先となる情報処理装置を特定することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の書誌情報サーバ。
【請求項13】
文書の印刷データ生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置及び前記印刷データの書誌情報データを記憶する書誌情報サーバと相互に通信可能な印刷装置であって、
前記印刷装置は、
当該印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記書誌情報サーバに送信する一覧情報送信要求手段と、
印刷データ特定情報と印刷可否情報とを含む前記印刷データ一覧情報を受信する一覧情報受信手段と、
前記印刷データ一覧情報に含まれる印刷可否情報に基づいて、印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを識別可能なように、前記印刷データ一覧情報を表示する表示手段と
を備え、
前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報は、前記書誌情報サーバが有する前記書誌情報データ内に含まれ、
前記書誌情報データは、前記プリンタドライバを用いて生成された印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含み、
前記印刷可否情報は、前記印刷データの印刷可否を示す情報であって、前記装置特定情報によって特定された情報処理装置と前記書誌情報サーバとの間で通信が可能であるかを判定することにより得られて、前記書誌情報データに記憶される情報であり、
前記印刷データ一覧情報は、前記印刷装置から前記書誌情報サーバへの要求に応答して、前記書誌情報サーバによって生成されることを特徴とする印刷装置。
【請求項14】
文書の印刷データを生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置と、前記印刷データの書誌情報データを記憶する書誌情報サーバと、前記印刷データを印刷する印刷装置とが相互に通信可能な印刷システムにおいて実行される方法であって、
前記方法は、
前記情報処理装置が、前記プリンタドライバにより生成された印刷データを前記情報処理装置内に記憶するステップと、
前記情報処理装置が、前記記憶される印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含む書誌情報データを前記書誌情報サーバへ送信するステップと、
前記書誌情報サーバが、受信した前記書誌情報データを記憶するステップと、
前記印刷装置が、当該印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記書誌情報サーバに送信するステップと、
前記書誌情報サーバが、前記書誌情報データに含まれる装置特定情報によって特定された情報処理装置との間で通信が可能であるかを判定することにより得られる前記印刷データの印刷可否を示す印刷可否情報を、前記書誌情報データ毎に記憶するステップと、
前記書誌情報サーバが、ユーザ識別情報及び印刷データ一覧情報の送信要求を前記印刷装置から受信したことに応答して、前記書誌情報データ内の前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む印刷データ一覧情報であって、当該ユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報を、前記印刷装置に送信するステップと、
前記印刷装置が、前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む前記印刷データ一覧情報を受信するステップと、
前記印刷装置が、前記印刷データ一覧情報に含まれる印刷可否情報に基づいて、印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを識別可能なように、前記印刷データ一覧情報を表示するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
文書の印刷データを生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置と、前記印刷データの書誌情報データを記憶する書誌情報サーバと、前記印刷データを印刷する印刷装置とが相互に通信可能な印刷システムにおいて、
前記情報処理装置を、
前記プリンタドライバにより生成された印刷データを前記情報処理装置内に記憶する印刷データ記憶手段と、
前記印刷データ記憶手段に記憶される印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含む書誌情報データを前記書誌情報サーバへ送信する書誌情報データ送信手段と
して機能させ、
前記書誌情報サーバを、
受信した前記書誌情報データを記憶する書誌情報データ記憶手段と、
前記書誌情報データに含まれる装置特定情報によって特定された情報処理装置との間で通信が可能であるかを判定することにより得られる前記印刷データの印刷可否を示す印刷可否情報を、前記書誌情報データ毎に記憶する印刷可否情報記憶手段と、
ユーザ識別情報及び印刷データ一覧情報の送信要求を前記印刷装置から受信したことに応答して、前記書誌情報データ内の前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む印刷データ一覧情報であって、当該ユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報を、前記印刷装置に送信する一覧情報送信手段と
して機能させ、
前記印刷装置を、
当該印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記書誌情報サーバに送信する一覧情報送信要求手段と、
前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む前記印刷データ一覧情報を受信する一覧情報受信手段と、
前記印刷データ一覧情報に含まれる印刷可否情報に基づいて、印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを識別可能なように、前記印刷データ一覧情報を表示する表示手段と
して機能させることを特徴とするコンピュータ読み取り実行可能なプログラム。
【請求項16】
文書の印刷データ生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置及び前記印刷データを印刷する印刷装置と相互に通信可能な書誌情報サーバにおいて実行される方法であって、
前記書誌情報サーバが実行する前記方法は、
前記プリンタドライバを用いて生成された印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含む書誌情報データを記憶するステップと、
前記書誌情報データに含まれる装置特定情報によって特定された情報処理装置との間で通信が可能であるかを判定することにより得られる前記印刷データの印刷可否を示す印刷可否情報を、前記書誌情報データ毎に記憶するステップと、
前記印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記印刷装置から受信したことに応答して、前記書誌情報データ内の前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む印刷データ一覧情報であって、当該ユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報を、前記印刷装置に送信するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
文書の印刷データ生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置及び前記印刷データを印刷する印刷装置と相互に通信可能な書誌情報サーバを、
前記プリンタドライバを用いて生成された印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含む書誌情報データを記憶する書誌情報データ記憶手段と、
前記書誌情報データに含まれる装置特定情報によって特定された情報処理装置との間で通信が可能であるかを判定することにより得られる前記印刷データの印刷可否を示す印刷可否情報を、前記書誌情報データ毎に記憶する印刷可否情報記憶手段と、
前記印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記印刷装置から受信したことに応答して、前記書誌情報データ内の前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報とを含む印刷データ一覧情報であって、当該ユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報を、前記印刷装置に送信する一覧情報送信手段と
して機能させることを特徴とするコンピュータ読み取り実行可能なプログラム。
【請求項18】
文書の印刷データ生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置及び前記印刷データの書誌情報データを記憶する書誌情報サーバと相互に通信可能な印刷装置において実行される方法であって、
前記印刷装置が実行する前記方法は、
当該印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記書誌情報サーバに送信するステップと、
印刷データ特定情報と印刷可否情報とを含む前記印刷データ一覧情報を受信するステップと、
前記印刷データ一覧情報に含まれる印刷可否情報に基づいて、印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを識別可能なように、前記印刷データ一覧情報を表示するステップと
を含み、
前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報は、前記書誌情報サーバが有する前記書誌情報データ内に含まれ、
前記書誌情報データは、前記プリンタドライバを用いて生成された印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含み、
前記印刷可否情報は、前記印刷データの印刷可否を示す情報であって、前記装置特定情報によって特定された情報処理装置と前記書誌情報サーバとの間で通信が可能であるかを判定することにより得られて、前記書誌情報データに記憶される情報であり、
前記印刷データ一覧情報は、前記印刷装置から前記書誌情報サーバへの要求に応答して、前記書誌情報サーバによって生成されることを特徴とする方法。
【請求項19】
文書の印刷データ生成するプリンタドライバを備えた情報処理装置及び前記印刷データの書誌情報データを記憶する書誌情報サーバと相互に通信可能な印刷装置を、
当該印刷装置へのログインに際して入力されたユーザ識別情報に関連付けられる印刷データ一覧情報の送信要求を前記ユーザ識別情報とともに前記書誌情報サーバに送信する一覧情報送信要求手段と、
印刷データ特定情報と印刷可否情報とを含む前記印刷データ一覧情報を受信する一覧情報受信手段と、
前記印刷データ一覧情報に含まれる印刷可否情報に基づいて、印刷可能な印刷データと印刷不可能な印刷データとを識別可能なように、前記印刷データ一覧情報を表示する表示手段として機能させ、
前記印刷データ特定情報と前記印刷可否情報は、前記書誌情報サーバが有する前記書誌情報データ内に含まれ、
前記書誌情報データは、前記プリンタドライバを用いて生成された印刷データを管理するための書誌情報データであって、前記情報処理装置にログインしたユーザのユーザ識別情報と、前記印刷データを記憶する情報処理装置を特定するための装置特定情報と、当該印刷データを特定するための印刷データ特定情報とを含み、
前記印刷可否情報は、前記印刷データの印刷可否を示す情報であって、前記装置特定情報によって特定された情報処理装置と前記書誌情報サーバとの間で通信が可能であるかを判定することにより得られて、前記書誌情報データに記憶される情報であり、
前記印刷データ一覧情報は、前記印刷装置から前記書誌情報サーバへの要求に応答して、前記書誌情報サーバによって生成されることを特徴とするコンピュータ読み取り実行可能なプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2010−122981(P2010−122981A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297081(P2008−297081)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)
【Fターム(参考)】