説明

印刷装置、光ディスクデュプリケート装置、および、印刷装置の制御方法

【課題】ディスク型記録媒体のレーベル面に画像を印刷する印刷装置において、レーベル面に形成された印刷可能領域の外にインク等がはみ出さないようにする。
【解決手段】光ディスク11を所定の搬送方向に搬送させながら、印刷ヘッド31を搭載したキャリッジ30を桁方向に走査させて、印刷ヘッド31により印刷可能領域11Aに画像を印刷させる一方、印刷可能領域11Aの位置を検出し、検出した印刷可能領域11Aの位置が搬送方向にずれている場合に、印刷用画像データの印刷位置を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を印刷する印刷装置、この印刷装置を備えた光ディスクデュプリケート装置、および、印刷装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CD(コンパクトディスク)やDVD等のディスク型記録媒体として、印刷用のインクを吸収するインク吸収体をレーベル面に付着させ、レーベル面への印刷を可能にしたものが知られている。また、このようなディスク型記録媒体のレーベル面に画像を印刷する装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−132589号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ディスク型記録媒体に印刷を行う印刷装置においては、ディスク型記録媒体の搬送時の位置ずれ、ディスク型記録媒体が正しい位置にセットされていない等の種々の原因により、印刷ヘッドとディスク型記録媒体との相対位置がずれた場合、印刷可能領域の外にインク等がはみ出す可能性がある。印刷可能領域の外側には合成樹脂製のディスク基盤が露出しているため、インク等が印刷可能領域からはみ出した場合、はみ出したインク等が定着せず、印刷装置の内部を汚損するおそれがあった。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ディスク型記録媒体のレーベル面に画像を印刷する印刷装置において、レーベル面に形成された印刷可能領域の外にインク等がはみ出さないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、光ディスク型記録媒体の一面に設けられた印刷可能領域に画像を印刷する印刷装置において、前記印刷可能領域における印刷位置と画像とが対応づけられたデータを記憶する印刷データ記憶手段と、前記光ディスク型記録媒体を所定の搬送方向に搬送させながら、印刷ヘッドを搭載したキャリッジを前記搬送方向と略直角な桁方向に走査させて、前記印刷データ記憶手段に記憶されたデータに基づいて、前記印刷ヘッドにより前記印刷可能領域に画像を印刷させる印刷制御手段と、前記印刷可能領域の位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段により検出された前記印刷可能領域の位置が、予め定められた位置から搬送方向にずれている場合に、印刷時における前記印刷可能領域の位置を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする印刷装置を提供する。
この構成によれば、光ディスク型記録媒体を所定の搬送方向に搬送させながら、印刷ヘッドを搭載したキャリッジを搬送方向と略直角な桁方向に走査させて、印刷データ記憶手段に記憶された印刷可能領域における印刷位置と画像とが対応づけられたデータに基づいて、印刷ヘッドによって印刷可能領域に画像を印刷させる場合に、位置検出手段によってキャリッジの走査方向における印刷可能領域の位置を検出し、検出された印刷可能領域の位置が予め定められた位置から搬送方向にずれている場合に、印刷時における前記印刷可能領域の位置を補正手段によって補正する。これにより、印刷可能領域と印刷ヘッドとの相対位置が搬送方向にずれた場合に、印刷データ記憶手段に記憶したデータ自体を補正する等の複雑な処理を行うことなく、相対位置のずれを補償できる。このため、印刷可能領域の外にインク等を付着させることなく印刷を実行することができ、また、装置内部の汚損等を防止できる。
【0006】
本発明において、前記補正手段は、前記位置検出手段により検出された前記印刷可能領域の位置と、予め記憶した印刷可能領域の位置との差に基づいて、印刷時の前記光ディスク型記録媒体の搬送位置を補正するものとしてもよい。
この場合、予め記憶した位置と印刷可能領域との差に基づいて光ディスク型記録媒体の搬送位置を補正するので、印刷可能領域と印刷ヘッドとの相対位置のずれを容易に検出し、確実に補償できる。
【0007】
また、本発明において、前記キャリッジには、前記キャリッジに対向する位置における前記印刷可能領域の有無を検出するセンサが配設され、前記位置検出手段は、前記キャリッジを走査させる間の前記センサの検出状態に基づいて前記印刷可能領域の位置を求めるものとしてもよい。
この場合、キャリッジに搭載されたセンサを用い、キャリッジを走査させて印刷可能領域の位置を検出するので、印刷可能領域の位置を確実かつ速やかに検出できる。この構成ではセンサの数やサイズを抑えることができ、さらに、印刷時と同様の動作により印刷可能領域の位置を検出できるので、新たな駆動部等を設ける必要がない。従って、通常の印刷装置の構成を有効に利用して、容易に、かつ低コストで実現可能である。
【0008】
本発明において、前記位置検出手段は、前記キャリッジを走査させる間の前記センサの検出状態に基づいて前記印刷可能領域の桁方向の両端位置を求め、この両端位置から前記印刷可能領域の桁方向の中心位置を求め、求めた中心位置に前記キャリッジを位置させた状態で前記ディスク型記録媒体搬送路を搬送させることにより、前記印刷可能領域の搬送方向の先端位置を検出するものとしてもよい。
この場合、キャリッジに搭載されたセンサを用いて、印刷可能領域の桁方向の両端位置を求め、さらに桁方向の中心位置を求めて、この中心位置にキャリッジを位置させた状態でディスク型記録媒体を搬送させることで印刷可能領域の搬送方向の先端位置を検出する。これにより、桁方向に移動されるセンサを利用して、搬送方向におけるずれを確実に検出することが可能である。また、通常の印刷装置の構成により容易にかつ低コストで実現可能な構成を用いて、印刷可能領域の先端位置を、確実に検出できる。
【0009】
上記構成において、前記位置検出手段は、前記印刷制御手段による印刷が開始される前に、前記印刷可能領域の位置を検出し、前記印刷制御手段は、前記位置検出手段によって前記印刷制御手段による印刷が開始される前に検出された前記印刷可能領域の位置と、予め記憶した印刷可能領域の位置との間に、所定のしきい値を超える量のずれがあった場合に、印刷を開始しないものとしてもよい。
この場合、しきい値を超えるずれがあった場合、すなわち印刷可能領域の位置が極端にずれている場合には印刷が開始されない。このため、光ディスク型記録媒体の設置異常等に起因する大きな位置ずれに対しては無理に印刷を行わないので、装置内部の汚損や破損等を確実に防止するとともに、不要な印刷を省くことでスループットの向上を図ることができる。
【0010】
また、上記構成において、前記位置検出手段により検出された前記印刷可能領域の位置が予め定められた位置から搬送方向にずれている場合に、前記補正手段によって前記印刷データ記憶手段に記憶されたデータの印刷位置を補正する補正モードと、前記位置検出手段により検出された前記印刷可能領域の位置が予め定められた位置から搬送方向にずれている場合に、印刷を停止する印刷停止モードと、を切り替えて実行可能に構成してもよい。
この場合、補正手段によって印刷データ記憶手段に記憶されたデータの印刷位置を補正する補正モードと、位置検出手段により検出された印刷可能領域の位置が予め定められた位置から搬送方向にずれている場合に印刷を停止する印刷停止モードとを切り替えることが可能なため、ユーザの要求に適した動作を選択可能とすることで利便性の向上を図ることができる。
【0011】
本発明は、光ディスク型記録媒体の一方の面に設けられた情報記録領域に情報を記録するとともに、他方の面に設けられた印刷可能領域に画像を印刷する光ディスクデュプリケート装置において、前記印刷可能領域における印刷位置と画像とが対応づけられたデータを記憶する印刷データ記憶手段と、前記光ディスク型記録媒体を所定の搬送方向に搬送させながら、印刷ヘッドを搭載したキャリッジを前記搬送方向と略直角な桁方向に走査させて、前記印刷データ記憶手段に記憶されたデータに基づいて、前記印刷ヘッドにより前記印刷可能領域に画像を印刷させる印刷制御手段と、前記印刷可能領域の位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段により検出された前記印刷可能領域の位置が、予め定められた位置から搬送方向にずれている場合に、印刷時における前記印刷可能領域の位置を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする光ディスクデュプリケート装置を提供する。
この構成によれば、光ディスク型記録媒体を所定の搬送方向に搬送させながら、印刷ヘッドを搭載したキャリッジを搬送方向と略直角な桁方向に走査させて、印刷データ記憶手段に記憶された印刷可能領域における印刷位置と画像とが対応づけられたデータに基づいて、印刷ヘッドによって印刷可能領域に画像を印刷させる場合に、位置検出手段によって印刷可能領域の位置を検出し、検出された印刷可能領域の位置が予め定められた位置から搬送方向にずれている場合に、印刷位置を補正する。これにより、印刷可能領域と印刷ヘッドとの相対位置が搬送方向にずれた場合に、印刷データ記憶手段に記憶したデータ自体を補正する等の複雑な処理を行うことなく、印刷位置を補正することでずれを補償できる。このため、印刷可能領域の外にインク等を付着させることなく印刷を実行することができ、また、装置内部の汚損等を防止できる。
【0012】
また、本発明は、光ディスク型記録媒体の一面に設けられた印刷可能領域に画像を印刷する印刷装置の制御方法であって、前記光ディスク型記録媒体を所定の搬送方向に搬送させながら、印刷ヘッドを搭載したキャリッジを前記搬送方向と略直角な桁方向に走査させて、前記印刷可能領域における印刷位置と画像とが対応づけられたデータに基づいて、前記印刷ヘッドにより前記印刷可能領域に画像を印刷させる一方、前記印刷可能領域の位置を検出し、検出した前記印刷可能領域の位置が、予め定められた位置から搬送方向にずれている場合に、印刷時における前記印刷可能領域の位置を補正すること、を特徴とする印刷装置の制御方法を提供する。
この方法によれば、光ディスク型記録媒体を所定の搬送方向に搬送させながら、印刷ヘッドを搭載したキャリッジを搬送方向と略直角な桁方向に走査させて、印刷可能領域における印刷位置と画像とが対応づけられたデータに基づいて、印刷ヘッドによって印刷可能領域に画像を印刷させる場合に、印刷可能領域の位置を検出し、検出した位置が予め定められた位置から搬送方向にずれている場合に印刷位置を補正する。これにより、印刷可能領域と印刷ヘッドとの相対位置が搬送方向にずれた場合に、印刷データ記憶手段に記憶したデータ自体を補正する等の複雑な処理を行うことなく、印刷位置を補正することによってずれを補償できる。このため、印刷可能領域の外にインク等を付着させることなく印刷を実行することができ、また、装置内部の汚損等を防止できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、印刷可能領域と印刷ヘッドとの相対位置のずれが生じても、印刷可能領域に印刷する画像のデータを補正することによって、印刷可能領域の外にインク等を付着させることなく印刷を実行することができ、装置内部の汚損等を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明を適用した実施形態に係る光ディスクデュプリケート装置1の概要構成図である。
この図1に示す光ディスクデュプリケート装置1は、光ディスク型記録媒体としての光ディスク11に、データを記録するとともに、この光ディスク11に設けられた印刷可能領域に画像を印刷するものである。
【0015】
光ディスク11は、レーザ光等を利用したデータの追記及び読み取りが可能な光学的記録媒体であり、具体的な例としては、CD−R、CD−RW、DVD±R、DVD±RW、DVD−RAMあるいは次世代DVDと呼ばれる光ディスク等である。これらの光学的記録媒体は、ポリカーボネート等の合成樹脂製の基板を1枚または複数枚使用し、この基板に記録層や反射層等を積層して、例えば直径120mm(ミリメートル)の円盤形状に形成される。
光ディスク11の一方の盤面は、レーザ光によりデータを記録する記録面とされ、他方の盤面はレーベル面とされており、レーベル面にはインクを受容可能な印刷可能領域11A(図2)が形成されている。レーベル面の印刷可能領域11Aは、インクを受容する受容材料を塗布して受容層を形成し、或いは、インクを受容する受容層を備えたシートを貼付したものである。上記受容層は、例えば、ポリマーを主成分としたインク膨潤型の成分あるいは、無機顔料を主成分とした隙間吸収型の成分を用いて構成される。
【0016】
光ディスクデュプリケート装置1は、光ディスク11の記録面にレーザを照射してデータを記録する複数のデータ記録装置12と、光ディスク11に画像を印刷する複数の印刷装置2とを備える。ここで、画像とは、文字及び画像を含む。
また、光ディスクデュプリケート装置1は、多数の未使用の光ディスク11を積載する第1スタッカ13と、データの記録および印刷を経た光ディスク11を積載する第2スタッカ14と、第1スタッカ13に積載された光ディスク11をデータ記録装置12および印刷装置2に搬送し、データの記録および印刷が行われた光ディスク11を第2スタッカ14に搬送する搬送ユニット15とを備えている。
【0017】
搬送ユニット15は、光ディスク11のクランプ領域11C(図2)を把持するハンドリング部15Aと、ハンドリング部15Aを支持するアーム15Bと、アーム15Bを駆動する駆動部15Cとを備える。駆動部15Cは、アーム15Bを棒状のガイド15Dに沿って上下に移動させるとともに、ガイド15Dを中心として回動させることにより、光ディスク11を、第1スタッカ13、データ記録装置12、印刷装置2、および第2スタッカ14の間で搬送する。
【0018】
印刷装置2によって光ディスク11に印刷する画像等のデータは、光ディスクデュプリケート装置1に外部接続されたパーソナルコンピュータ16(図8)から制御ユニット10に送信され、制御ユニット10から印刷装置2に送信される。
【0019】
図2は、印刷装置2の構成を示す外観斜視図である。図2及びこれ以降の図中に符号Xで示す方向は、後述するキャリッジ30(図3)の走査方向を示し、符号Yはディスクトレイ20の搬送方向を示す。
この図2に示すように、印刷装置2の本体21には、光ディスク11を挿入する前面開口部22が形成され、前面開口部22にはディスクトレイ20が取り付けられている。ディスクトレイ20には、光ディスク11が嵌め込まれる凹部20Aが形成され、この凹部20Aに光ディスク11がセットされた状態で、ディスクトレイ20が本体21内に搬送され、光ディスク11への印刷が行われる。
また、本体21の上面には、印刷装置2の電源をON/OFFさせるスイッチ23が配設される。さらに、本体21の前面には、前面開口部22を覆う開口部パネル24が開閉可能に配設される。
【0020】
上述のように、光ディスク11の一方の盤面は記録面、他方の盤面はレーベル面とされており、レーベル面が上になるように、ディスクトレイ20にセットされる。このとき、光ディスク11のレーベル面に形成された印刷可能領域11Aはディスクトレイ20の上面側に露出する。
【0021】
図3は、印刷装置2の構成を示す断面視図である。
この図3に示すように、印刷装置2の本体21の底面には、設置面に接して本体21を支持する複数の脚部25が設けられる。
図3には、前面開口部22から挿入されるディスクトレイ20が本体21内部を搬送される搬送路Wを、仮想線で示す。この搬送路Wは本体21の前面側から背面側にかけて略直線的に伸びており、この搬送路Wに沿って、第1搬送部41及び第2搬送部45が配設される。第1搬送部41は、印刷装置2の前面開口部22側に位置し、第2搬送部45は印刷装置2の背面側に位置して、ディスクトレイ20を把持して搬送する。
【0022】
第1搬送部41は、搬送路Wの下側に位置する搬送駆動ローラ42と、搬送駆動ローラ42に対向して搬送路Wの上側に位置する搬送従動ローラ43と、搬送従動ローラ43に隣接して配設された搬送従動補助ローラ44とからなる。搬送従動ローラ43及び搬送従動補助ローラ44は、ローラホルダ(図示略)により搬送駆動ローラ42側に付勢されている。このため、第1搬送部41においては、搬送駆動ローラ42と、搬送従動ローラ43及び搬送従動補助ローラ44との間に、搬送路W上のディスクトレイ20を挟む構成となっている。搬送駆動ローラ42は、ギア(図示略)や駆動ベルト(図示略)を介して後述する搬送モータ40(図7、図8)に繋がっており、この搬送モータ40により駆動される。搬送従動ローラ43及び搬送従動補助ローラ44は、上記ローラホルダ(図示略)に回転自在に支持された従動ローラである。
【0023】
第2搬送部45は、搬送路Wの下側に位置する搬送駆動ローラ46と、搬送駆動ローラ46に対向して搬送路Wの上側に位置する搬送従動ローラ47とからなる。搬送従動ローラ47は、ローラホルダ48によって搬送駆動ローラ46側に付勢されている。このため、第2搬送部45においては、搬送駆動ローラ46と、搬送従動ローラ47との間に、搬送路W上のディスクトレイ20を挟む構成となっている。搬送駆動ローラ46は、ギア(図示略)や駆動ベルト(図示略)を介して後述する搬送モータ40(図7、図8)に繋がっており、この搬送モータ40により駆動される。搬送従動ローラ47は、ローラホルダ48に回転自在に支持された従動ローラである。
【0024】
また、印刷装置2には、本体21の幅方向に延設されたキャリッジガイド軸33に沿って往復移動するキャリッジ30が配設される。キャリッジ30には、搬送路Wに対向してインクを吐出する印刷ヘッド31と、印刷ヘッド31にインクを供給するインクカートリッジ32とが搭載される。
キャリッジ30は、キャリッジガイド軸33と略平行に掛け渡された無端ベルト35に係合し、この無端ベルト35によって駆動され、図2中に符号Xで示す走査方向に往復移動する。無端ベルト35は、キャリッジ30の走査範囲外の一端側において、キャリッジ駆動モータ36(図4、図5)の回転軸に取り付けられたプーリ37(図4、図5)に掛けられており、キャリッジ駆動モータ36の回転動作により駆動される。キャリッジ30の走査方向は、搬送路Wの延長方向に対してほぼ直角(略直角)である。
キャリッジ30の走査範囲には所定数の桁が仮想的に設定される。本実施形態では80桁が設定され、走査範囲の一端が0(零)桁位置、他端が80桁位置となる。0桁位置は図2中の右側にあり、80桁位置は図2中の左側にある。また、本実施形態で述べるキャリッジ30の走査方向と桁方向とは同義である。
【0025】
印刷ヘッド31は、所定の色のインク滴を吐出することにより光ディスク11のレーベル面に印刷を施すもので、インクの色毎に、後述するノズル開口列50(図4)を備えている。印刷ヘッド31は搬送路Wに向けて突出し、図3中に符号Pで示す印刷位置においてインクを吐出する。印刷位置Pは、第1搬送部41と第2搬送部45との間に位置する。インクカートリッジ32は、印刷ヘッド31により吐出されるインクを貯留するタンクを備え、キャリッジ30には、印刷装置2において用いる色数分のインクカートリッジ32が並べて搭載されている。
【0026】
図4は、キャリッジ30近傍のインクカートリッジ32を除く上面図であり、図5は、キャリッジ30近傍の側面図、特に、0桁側から見た側面図である。また、図6は、印刷ヘッド31の要部拡大図であり、(A)は印刷ヘッド31を印刷装置2の前面側から見た正面図、(B)は印刷ヘッド31の下面図である。
これらの各図に示すように、印刷ヘッド31には、印刷装置2で使用するインクの色数に対応する数のノズル開口列50が、走査方向に並べて配設されている。各ノズル開口列50は、微細な孔であるノズル開口51がキャリッジ30の走査方向とほぼ直角な向きに並んだものである。
【0027】
そして、キャリッジ30には、搬送路Wに向いた面にディスク位置センサ55が配設されている。ディスク位置センサ55は、搬送路Wに向けて光を発する発光部と、この発光部から発した光が、搬送路W上の光ディスク11に反射した反射光を検出する受光部とを備えた反射型の光センサである。ディスク位置センサ55は、キャリッジ30の底面において印刷ヘッド31と並んでおり、その直下、すなわちキャリッジ30の直下に向けて光を発して反射光を検出する。
ディスク位置センサ55は、キャリッジ30が搭載する基板52に実装された回路を介して、制御回路200に接続され、制御回路200のMPU201(図8)によって、ディスク位置センサ55の検出値を取得できる構成となっている。
また、ディスク位置センサ55は、図4に示すように、印刷ヘッド31よりも80桁位置の側に配設されている。このため、キャリッジ30が0桁位置から80桁位置まで移動される場合、ディスク位置センサ55は、印刷ヘッド31よりも先に光ディスク11の上を通過する。
【0028】
円盤形状の光ディスク11には、盤面の中心位置にセンターホール11Bが開口し、このセンターホール11Bの周囲は合成樹脂製の基板が露出したクランプ領域11Cとなっている。クランプ領域11Cは、例えば搬送ユニット15(図1)により光ディスク11を搬送する際に把持される。印刷可能領域11Aは、センターホール11B及びクランプ領域11Cを除いてほぼ盤面全体に形成されており、印刷可能領域11Aの外側の端は、光ディスク11を構成する基板の外周端に極めて近い位置、または外周端まで達している。
光ディスク11のレーベル面に対してディスク位置センサ55から光を照射すると、印刷可能領域11Aでは、一定の反射率で照射光が反射される。これは、通常、印刷可能領域11Aが、印刷の映えが良くなるように白色または銀色等となっているためである。また、センターホール11Bにおいては、当然のことながら照射光は反射しない。クランプ領域11Cにおける反射率は、印刷可能領域11Aにおける反射率とは明らかに異なる。このため、ディスク位置センサ55により検出される反射光の光量に基づいて、ディスク位置センサ55の直下に印刷可能領域11Aがあるか否かを容易に判別できる。
また、キャリッジ駆動モータ36には回転検出部53(図5)が取り付けられる。回転検出部53は、例えばロータリーエンコーダであり、キャリッジ駆動モータ36の回転軸の回転角度を検出する。
【0029】
図7は、キャリッジ30の走査の様子を示す上面図である。
この図7に示すように、キャリッジ30は、キャリッジ駆動モータ36により無端ベルト35を介して駆動されて、符号Xで示す走査方向に往復移動される。また、印刷動作等の動作が行われていない状態では、キャリッジ30は0桁側の端位置で停止して待機し、動作開始時には0桁位置から80桁位置に向かって移動される。
ここで、キャリッジ30を一方向に移動させる過程をパスと呼び、0桁位置から80桁位置に向かう方向のパスを往路のパスと呼び、80桁位置から0桁位置に向かう方向のパスを復路のパスと呼ぶ。
【0030】
光ディスク11が載せられたディスクトレイ20は、搬送モータ40により駆動される搬送駆動ローラ46、及び搬送駆動ローラ42(図3)により、符号Yで示す搬送方向に移動される。ディスクトレイ20の位置は、搬送位置センサ54(図8)によって検出できる。この搬送位置センサ54は、例えば、搬送モータ40の回転角度を検出するロータリーエンコーダ、或いは、ディスクトレイ20自体の位置を検出するリニアエンコーダや、搬送路Wの特定位置でディスクトレイ20の有無を検出する光センサである。
【0031】
この構成では、キャリッジ30を走査させる間のディスク位置センサ55の検出値をもとに、印刷可能領域11Aの桁方向の位置を特定できる。
まず、回転検出部53(図5)によって検出されるキャリッジ駆動モータ36の回転角度と、既知である無端ベルト35の長さとプーリ37の径とをもとに演算処理を行うことで、キャリッジ30の移動距離が求められ、これをもとに、キャリッジ30の桁方向の位置が特定される。次いで、ディスク位置センサ55の検出値の変化から、印刷可能領域11Aの縁を検出したタイミングが特定される。そして、特定したタイミングにおけるキャリッジ30の位置をもとに、桁方向における印刷可能領域11Aの縁の位置を求めることができる。
【0032】
図8は、光ディスクデュプリケート装置1の制御系を示すブロック図である。この図8は機能ブロック図であり、その具体的な実現態様を限定するものではない。すなわち、図中の各機能部が各々独立したハードウェアにより実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現されてもよく、この場合に複数の機能部が共通のハードウェアにより実現されるものとしてもよい。
【0033】
光ディスクデュプリケート装置1を制御する制御ユニット10は、データ記録装置12(図1)、搬送ユニット15(図1)及び印刷装置2を制御するとともに、制御ユニット10全体の制御を行うマイクロプロセッサユニット(MPU)101と、MPU101により実行される各種制御プログラムを予め記憶したROM102と、各種プログラムおよび各種データを一時的に記憶するRAM103と、各種データを更新可能に不揮発的に記憶するEEPROM104と、データ記録装置12、搬送ユニット15及び印刷装置2との間の通信を行うための通信インタフェース105と、ハードディスクドライブなどで構成され大記憶容量を有する外部記憶部106と、これら各部を相互に接続するバス107と、を備えている。
制御ユニット10が備える通信インタフェース105と、データ記録装置12、搬送ユニット15及び印刷装置2の制御回路200との間は、図示しない所定の通信ラインを介して接続されている。また、通信インタフェース105にはパーソナルコンピュータ16が接続され、パーソナルコンピュータ16による光ディスクデュプリケート装置1の制御を可能としている。また、パーソナルコンピュータ16から制御ユニット10に対しては、印刷装置2によって印刷可能領域11Aに印刷すべき画像データが入力され、この画像データは、通信インタフェース105を介して制御回路200に出力される。
【0034】
印刷装置2が備える制御回路200は、各部を制御するMPU201、MPU201により実行される各種制御プログラムを予め記憶したROM202、MPU201により実行される各種制御プログラム等のプログラム、及び、パーソナルコンピュータ16から制御ユニット10を介して入力された画像データ等を一時的に記憶するRAM203、印刷時の光ディスク11の位置を示すディスク位置データ204Aを含む各種情報を更新可能に不揮発的に記憶したEEPROM204、制御ユニット10の通信インタフェース105に接続され、この通信インタフェース105との間で各種情報を送受信する通信インタフェース205、及び、ドライバ回路206を備え、これらの各部はバス207を介して相互に接続されている。
【0035】
MPU201は、パーソナルコンピュータ16から制御ユニット10を介して画像データが入力された場合、この画像データを、印刷可能領域11Aのサイズおよび形状に適合した印刷用画像データ203Aとして展開し、RAM203に記憶させる。ここで、RAM203は印刷データ記憶手段として機能する。印刷用画像データ203Aは、印刷可能領域11Aに印刷される画像と印刷可能領域11Aにおける印刷位置とが対応づけられたデータであり、例えば、印刷可能領域11Aにおける印刷位置に対応するドット毎に印刷色を指定したビットマップデータ形式のデータである。この印刷用画像データ203Aにより、印刷可能領域11Aの桁方向、及び搬送方向の位置と、当該位置に印刷される印刷色とが決定される。
MPU201は、予めEEPROM204に記憶したルックアップテーブルを参照し、印刷用画像データ203Aにより定められる印字色に応じて、印刷ヘッド31から吐出する色ごとのインク量(インク滴の大きさや、インク滴数も含む)を制御する。
【0036】
EEPROM204に記憶されたディスク位置データ204Aは、印刷ヘッド31による印刷を行う際の光ディスク11の位置を示す情報であり、桁方向すなわちキャリッジ30の走査方向における印刷可能領域11Aの縁の位置を示す情報である。
上述したように光ディスク11は円盤形状であるから、光ディスク11の搬送方向の位置により、桁方向における印刷可能領域11Aの縁の位置が異なる。このため、ディスク位置データ204Aには、ディスクトレイ20の搬送方向の位置と、桁方向における印刷可能領域11Aの縁の位置とが対応づけられたデータが含まれている。
【0037】
ドライバ回路206は、ディスクトレイ20を搬送する搬送モータ40、キャリッジ30を走査させるキャリッジ駆動モータ36、及び印刷ヘッド31によるインク吐出動作を制御するヘッド駆動部38とを備え、MPU201の制御のもと、これらの各駆動部に対して電源電圧を供給し、動作を制御する。
また、ドライバ回路206は、キャリッジ駆動モータ36が備える回転軸の回転角度を検出する回転検出部53、ディスクトレイ20の搬送位置を検出する搬送位置センサ54、及び、キャリッジ30に搭載されたディスク位置センサ55に接続され、MPU201の制御のもとにこれら各検出部を制御し、検出値をデジタルデータに変換して、MPU201に出力する。
【0038】
以上のように構成される光ディスクデュプリケート装置1においては、印刷可能領域11Aの位置が、光ディスク11の搬送方向にずれることがある。これは、ディスクトレイ20の搬送機構におけるずれ、光ディスク11のディスクトレイ20における載置状態の異常等に起因する。このようなずれに対し、光ディスクデュプリケート装置1は、2つの動作モードを切り替えて実行可能である。すなわち、光ディスクデュプリケート装置1は、搬送方向のずれを検出して、ずれを補償する方向に印刷位置を補正する補正モードと、搬送方向のずれを検出した時点で印刷を実行せず停止する印刷停止モードとを、切り替えて実行する。
動作モードの切り替えは、例えば、パーソナルコンピュータ16から制御ユニット10に入力される制御情報によって指示される。すなわち、ユーザがパーソナルコンピュータ16を操作して指定してもよいし、印刷しようとする画像データの種類や光ディスク11の種類に対応して、予めパーソナルコンピュータ16に設定されていてもよい。
【0039】
図9は、実施形態に係る光ディスクデュプリケート装置1の動作を示すフローチャートであり、詳細には、補正モードにおいて印刷装置2により実行される印刷動作を示す。この図9に示す印刷動作の実行に際し、MPU201は、印刷制御手段、位置検出手段、及び、補正手段として機能する。
以下に説明する印刷動作は、MPU201の制御により、印刷可能領域11Aに画像を印刷するとともに、印刷可能領域11Aの位置が、ディスク位置データ204Aが示す位置からずれていた場合に、このずれを補償すべく印刷位置を補正する動作である。
【0040】
まず、パーソナルコンピュータ16から制御ユニット10に出力された画像データが、制御ユニット10を介して制御回路200に入力されると、MPU201は、この画像データを展開して印刷用画像データ203Aを生成し、RAM203に記憶させる(ステップS11)。
続いて、MPU101の制御により、搬送ユニット15によって光ディスク11がディスクトレイ20上にセットされると(ステップS12)、MPU201は搬送モータ40を駆動させ、光ディスク11を搬送させる(ステップS13)。このステップS13で、MPU201は、光ディスク11の搬送方向における長さがほぼ4分の1程度の位置が、印刷ヘッド31の直下に相当する印刷位置P(図3)に達するまで、ディスクトレイ20を搬送させる。
ここで、MPU201は、キャリッジ駆動モータ36を駆動させてキャリッジ30の走査を行わせ、走査中にディスク位置センサ55に通電して検出値を取得し、印刷可能領域11Aの桁方向における両端の位置を検出する(ステップS14)。
【0041】
その後、MPU201は、ステップS14で検出した印刷可能領域11Aの両端の位置から、印刷可能領域11Aの桁方向の中心位置を算出する(ステップS15)。ここで算出される中心位置は、光ディスク11のセンターホール11Bの中心に相当する。
そして、MPU201はキャリッジ駆動モータ36を駆動させて、キャリッジ30をステップS15で算出した中心位置まで移動させる(ステップS16)。より詳細には、MPU201は、キャリッジ30に搭載されたディスク位置センサ55が、ステップS15で算出した中心位置の真上に位置するよう、キャリッジ30を移動させる。
ここで、MPU201は、ディスク位置センサ55に通電して検出値を取得しながら、ディスクトレイ20を搬送方向にゆっくりと移動させ(ステップS17)、ディスク位置センサ55によって印刷可能領域11Aの搬送方向における先端位置を検出する(ステップS18)。すなわち、ステップS13において光ディスク11は既に1/4ほど搬送された位置にあるため、ディスク位置センサ55に通電しながら、光ディスク11を元の位置(光ディスク11がディスクトレイ20にセットされた位置)に向けて移動させると、やがて印刷可能領域11Aの先端がディスク位置センサ55の直下を通過する。このため、ディスク位置センサ55によって印刷可能領域11Aが検出されなくなった瞬間における光ディスク11(ディスクトレイ20)の位置をもとに、印刷可能領域11Aの先端位置を検出できる。
【0042】
その後、MPU201は、ステップS18で検出した位置とディスク位置データ204Aが示す位置との、搬送方向におけるずれ量を算出する(ステップS19)。ここで、算出したずれ量を、ずれの方向に応じて正負の値をとるようにすれば、ずれの大きさとずれ方向とを合わせて表現できるので、好ましい。例えば、ディスク位置データ204Aの位置に対して、検出した印刷可能領域11Aの位置が、データ記録装置12の奥側に2mmずれている場合、ずれ量を「+2」と表現し、データ記録装置12の前面開口部22側に3mmずれている場合、ずれ量を「−3」と表現すればよい。
【0043】
さらに、MPU201は、ステップS19で算出したずれ量が、補正が不可能なほどのずれ量であるか否かを判別する(ステップS20)。ステップS19で算出されたずれ量が著しく大きい場合、例えば、光ディスク11が正しくディスクトレイ20にセットされていない事態等が考えられ、印刷用画像データ203Aを補正しても、正常な印刷結果が得られるとは限らない。このため、MPU201は、大幅なずれがあった場合は補正が不可能であると判別する。この判別は、例えば、予めEEPROM204に記憶されたしきい値と、ステップS19で算出したずれ量とを比較することで行われる。このしきい値とは、上述のように印刷位置をずらす補正を行って対応可能な範囲を示す量であり、具体的には、例えば数mm〜0.1mm程度であり、予めEEPROM204に記憶されている。この許容量は固定的に設定されていてもよいし、可変としてもよい。可変とする場合、許容量を求めるための演算式がEEPROM204に記憶され、MPU201が必要に応じて許容量を算出するようにしてもよい。
【0044】
ここで、ずれ量が補正可能な範囲である場合、或いは、ずれがない場合(ステップS20;No)、MPU201は、ステップS19で算出されたずれ量をもとに、印刷位置の補正が必要か否かを判別する(ステップS21)。この判別は、例えば、算出されたずれ量が、予めEEPROM204に記憶した許容量を超えるか否かに基づいて行われる。印刷可能領域11Aのずれ量が小さければ、補正を行わなくても、印刷可能領域11A外にインクが付着することはない。このため、ステップS21では、インクの付着が起こり得る程度のずれが生じたか否かをもとに、補正の要否を判別する。ここで、許容量とは、印刷可能領域11Aの外にインクが付着しない程度の量に予め設定され、具体的には、例えば数mm〜0.1mm程度であり、予めEEPROM204に記憶されている。この許容量は、印刷可能領域11Aの面積に対する印刷画像のサイズや、ディスクトレイ20の搬送方向の位置等に応じて固定的に設定されていてもよいし、可変としてもよい。可変とする場合、許容量を求めるための演算式がEEPROM204に記憶され、印刷画像が制御ユニット10からMPU201に入力される毎、或いは、搬送モータ40を駆動してディスクトレイ20を搬送する毎に、許容量を算出するようにしてもよい。
【0045】
MPU201は、補正が必要であると判別した場合(ステップS21;Yes)、印刷用画像データ203Aについて、ステップS15で算出したずれ量を補償できる分だけ、印刷位置を搬送方向にシフトさせた場合の印刷可能領域11Aの位置を求め、搬送モータ40を駆動して、シフトされた印刷開始位置に印刷可能領域11Aが達するまでディスクトレイ20を搬送させ(ステップS22)、さらに、そこから印刷位置まで搬送を行わせる(ステップS23)。このステップS22からステップS23への過程における搬送は、ステップS22の位置を基準として、そこから相対的な搬送量だけディスクトレイ20を搬送することで行われる。つまり、ステップS22では、ずれを補償できる分だけ、ディスク位置データ204Aからずれた位置にディスクトレイ20が移動されるので、ディスク位置データ204Aの絶対位置から外れている。このため、印刷位置を補正する間は、ステップS22の位置を基準として、相対的な搬送量に基づく搬送を行う必要がある。
また、補正が必要ないと判別した場合(ステップS21;No)、MPU201は、通常の印刷位置までディスクトレイ20を搬送させる(ステップS23)。
【0046】
ここで、MPU201は、印刷用画像データ203Aにおいて、次の1往復のパスで印刷する分のデータがあるか否かを判別する(ステップS24)。
このステップS24では、以後の処理で印刷可能領域11Aに印刷する部分のデータの有無を判別するので、最初にステップS23で搬送を行った場合は当然にデータがある。
印刷用画像データ203Aにおいて、次に印刷する分のデータがない場合、すなわち、印刷用画像データ203Aの全部を印刷し終わっている場合(ステップS24;No)、MPU201はステップS27に移行して印刷を終了し、ステップS28に移行してディスクトレイ20を印刷装置2の外へ排出し、本処理を終了する。
【0047】
また、最初にステップS23の処理を行ってからステップS24に移行した場合、及び、2回目以降にステップS23の処理を行い、次に印刷する分の印刷用画像データ203Aがある場合(ステップS24;Yes)、MPU201は、キャリッジ30を走査させながら印刷ヘッド31による印刷を行う(ステップS25)。すなわち、MPU201は、キャリッジ30を0桁位置から移動させて往路のパスの印刷を行い、キャリッジ30が80桁側の端位置に達したら、復路のパスの印刷を行う。これにより、往復のパスの各々で画像が印刷される。
その後、MPU201はステップS23に戻り、次行以降の印刷を行う。
【0048】
一方、ずれ量が大きく、補正が不可能な場合(ステップS20;Yes)、MPU201は、ずれが生じた旨を示す制御情報を、通信インタフェース205を介して制御ユニット10へ出力することにより、パーソナルコンピュータ16を操作するユーザに警告を出力させ(ステップS26)、印刷を終了して(ステップS27)、ディスクトレイ20を印刷装置2の外へ排出し(ステップS28)、本処理を終了する。
【0049】
このように、補正モードにおいては、印刷可能領域11Aの搬送方向における位置ずれを検出するとともにずれ量を求め、このずれ量を補償できる分だけ、ディスクトレイ20を搬送し、この搬送位置を基準として印刷を実行する。これにより、印刷用画像データ203Aを補正する演算処理等を全く行わなくても、印刷位置のずれを解消できる。また、印刷実行前にずれを検出し、補正が不可能なほどずれ量が大きい場合には印刷を実行しないで停止するため、異常時に無理な印刷を行わないことで、インク等による汚損を防止できる。
【0050】
図10は、実施形態に係る光ディスクデュプリケート装置1の動作を示すフローチャートであり、詳細には、印刷停止モードにおいて印刷装置2により実行される印刷動作を示す。この図10に示す印刷動作の実行に際し、MPU201は、印刷制御手段、位置検出手段、及び、補正手段として機能する。
以下に説明する印刷動作は、MPU201の制御により、印刷可能領域11Aに画像を印刷するとともに、印刷可能領域11Aの位置が、ディスク位置データ204Aが示す位置からずれていた場合に、印刷を停止する動作である。
【0051】
まず、パーソナルコンピュータ16から制御ユニット10に出力された画像データが、制御ユニット10を介して制御回路200に入力されると、MPU201は、この画像データを展開して印刷用画像データ203Aを生成し、RAM203に記憶させる(ステップS31)。
続いて、MPU101の制御により、搬送ユニット15によって光ディスク11がディスクトレイ20上にセットされると(ステップS32)、MPU201は搬送モータ40を駆動させ、光ディスク11の搬送方向における長さがほぼ4分の1程度の位置が、印刷ヘッド31の直下に相当する印刷位置P(図3)に達するまで、ディスクトレイ20を搬送させる(ステップS33)。
ここで、MPU201は、キャリッジ30の走査を行わせるとともに走査中にディスク位置センサ55に通電して検出値を取得し、印刷可能領域11Aの桁方向における両端の位置を検出する(ステップS34)。
【0052】
MPU201は、ステップS34で検出した印刷可能領域11Aの両端の位置から、印刷可能領域11Aの桁方向の中心位置を算出する(ステップS35)。ここで算出される中心位置は、光ディスク11のセンターホール11Bの中心に相当する。そして、MPU201は、キャリッジ30を、ステップS35で算出した中心位置まで移動させる(ステップS36)。ここで、MPU201は、ディスク位置センサ55に通電して検出値を取得しながら、ディスクトレイ20を搬送方向にゆっくりと移動させ(ステップS37)、ディスク位置センサ55によって印刷可能領域11Aの搬送方向における先端位置を検出する(ステップS38)。
その後、MPU201は、ステップS18で検出した位置とディスク位置データ204Aが示す位置との、搬送方向におけるずれ量を算出する(ステップS39)。
以上のステップS31〜S39の動作は、図9で説明したステップS11〜S19と同様である。
【0053】
ここで、MPU201は、ステップS19で算出したずれ量をもとに、印刷可能領域11Aの位置がずれているか否かを判別する(ステップS40)。このステップS40では例えば、算出されたずれ量が、予めEEPROM204に記憶した許容量を超えるか否かに基づいて行われる。印刷可能領域11Aのずれ量が小さければ、補正を行わなくても、印刷可能領域11A外にインクが付着することはなく、印刷を実行可能であるから、ステップS39で算出されたずれ量が小さければ、ずれがないものと見なして印刷を実行してよい。このため、ステップS40では、インクの付着が起こり得ない程度の許容量を超えるずれの有無を判別する。ここで、許容量とは、印刷可能領域11Aの外にインクが付着しない程度の量に予め設定され、具体的には、例えば数mm〜0.1mm程度であり、予めEEPROM204に記憶されている。この許容量は、印刷可能領域11Aの面積に対する印刷画像のサイズや、ディスクトレイ20の搬送方向の位置等に応じて固定的に設定されていてもよいし、可変としてもよい。可変とする場合、許容量を求めるための演算式がEEPROM204に記憶され、印刷画像が制御ユニット10からMPU201に入力される毎、或いは、搬送モータ40を駆動してディスクトレイ20を搬送する毎に、許容量を算出するようにしてもよい。
【0054】
MPU201は、ずれがないと判別した場合(ステップS40;Yes)、搬送モータ40を駆動して印刷開始位置に印刷可能領域11Aが達するまでディスクトレイ20を搬送させ(ステップS41)、さらに、そこから印刷位置まで搬送を行わせる(ステップS42)。
ここで、MPU201は、印刷用画像データ203Aにおいて、次の1往復のパスで印刷する分のデータがあるか否かを判別する(ステップS43)。
このステップS43では、以後の処理で印刷可能領域11Aに印刷する部分のデータの有無を判別するので、最初にステップS42で搬送を行った場合は当然にデータがある。
印刷用画像データ203Aにおいて、次に印刷する分のデータがない場合、すなわち、印刷用画像データ203Aの全部を印刷し終わっている場合(ステップS43;No)、MPU201はステップS46に移行して印刷を終了し、ステップS47に移行してディスクトレイ20を印刷装置2の外へ排出し、本処理を終了する。
【0055】
また、最初にステップS42の処理を行ってからステップS43に移行した場合、及び、2回目以降にステップS42の処理を行い、次に印刷する分の印刷用画像データ203Aがある場合(ステップS43;Yes)、MPU201は、キャリッジ30を走査させながら印刷ヘッド31による印刷を行う(ステップS44)。すなわち、MPU201は、キャリッジ30を0桁位置から移動させて往路のパスの印刷を行い、キャリッジ30が80桁側の端位置に達したら、復路のパスの印刷を行う。これにより、往復のパスの各々で画像が印刷される。
その後、MPU201はステップS42に戻り、次行以降の印刷を行う。
【0056】
一方、印刷可能領域11Aの位置がずれていると判別した場合(ステップS40;Yes)、MPU201は、ずれが生じた旨を示す制御情報を、通信インタフェース205を介して制御ユニット10へ出力することにより、パーソナルコンピュータ16を操作するユーザに警告を出力させ(ステップS45)、印刷を終了して(ステップS46)、ディスクトレイ20を印刷装置2の外へ排出し(ステップS47)、本処理を終了する。
この印刷停止モードによれば、印刷可能領域11Aと印刷ヘッド31との搬送方向における相対位置のずれ(位置ずれ)が生じた場合に印刷を停止するので、印刷可能領域11Aの外にインクを付着させず、ディスクトレイ20や印刷装置2の内部の汚損等を防止できる。また、印刷を停止して光ディスク11を排出すれば、次の光ディスク11を速やかにディスクトレイ20にセットして印刷を継続することが可能であり、スループットの低下を最小限に抑えることができる。
【0057】
以上のように、本発明を適用した実施形態に係る光ディスクデュプリケート装置1によれば、印刷装置2によって光ディスク11を載せたディスクトレイ20を搬送し、印刷ヘッド31を搭載したキャリッジ30を搬送方向とほぼ直角な方向に走査させて、光ディスク11の印刷可能領域11Aに画像を印刷させる印刷動作において、印刷可能領域11Aの搬送方向における位置を検出し、この位置がディスク位置データ204Aの位置とずれている場合に、印刷可能領域11Aの印刷位置を補正する補正モード、または、印刷を停止する印刷停止モードを実行可能である。
【0058】
補正モードにおいては、ずれ量を補償できる分だけディスクトレイ20を搬送し、この搬送位置を基準として印刷を実行するので、印刷用画像データ203Aを補正する演算処理等を全く行わなくても、印刷位置のずれを解消できる。これにより、光ディスク11の位置ずれが生じた場合も、印刷可能領域11Aの外にインクを付着させることなく印刷を実行することが可能となり、スループットを低下させることなくディスクトレイ20や印刷装置2の内部の汚損等を防止できる。また、印刷時における印刷可能領域11Aの位置を補正することで、印刷用画像データ203A自体を補正する等の複雑な処理を行うことなく、ずれを確実に補償できるという利点がある。
また、印刷実行前にずれを検出し、検出された位置のずれがしきい値を超える場合は印刷を開始しないので、光ディスク11が正しくディスクトレイ20にセットされていない等の異常により大きなずれが発生した場合は印刷を行わない。これにより、異常時に無理な印刷を実行して印刷装置2内部の汚損や破損等を招くことがなく、また、不要な印刷を省くことでスループットの向上を図ることができる。
【0059】
また、印刷停止モードにおいては、印刷可能領域11Aと印刷ヘッド31との搬送方向における相対位置のずれが生じた場合に印刷を停止するので、印刷可能領域11Aの外にインクを付着させず、ディスクトレイ20や印刷装置2の内部の汚損等を防止できる。また、印刷を停止して光ディスク11を排出すれば、次の光ディスク11を速やかにディスクトレイ20にセットして印刷を継続することが可能であり、スループットの低下を最小限に抑えることができる。
そして、補正モードの動作と印刷停止モードの動作とを切り替えて実行することが可能なため、例えば光ディスク11が安価な場合は、印刷停止モードを実行して、光ディスク11を入れ替えることでスループットの低下を抑えることができ、光ディスク11の位置ずれが起きても印刷することを優先したい場合は補正モードを実行すればよい。このように、ユーザの都合に合わせて動作モードを選択可能なため、利便性の向上を図ることができる。
【0060】
また、光ディスクデュプリケート装置1は、検出した印刷可能領域11Aの位置と、予め記憶したディスク位置データ204Aに規定される印刷可能領域11Aの位置との差に基づいて、印刷時の光ディスク11の搬送位置を補正するので、印刷可能領域11Aと印刷ヘッド31との相対位置のずれを容易に検出し、確実に補償できる。
さらに、光ディスクデュプリケート装置1は、キャリッジ30の走査方向における印刷可能領域11Aの縁の位置をもとに印刷可能領域11Aの桁方向の中心位置を求め、この中心位置にキャリッジ30を位置させた状態でディスクトレイ20を搬送することで、印刷可能領域11Aの搬送方向における先端位置を検出し、検出された位置と、ディスク位置データ204Aで示される位置との間のずれを算出する。
これにより、ディスクトレイ20を搬送する際の搬送位置のずれ、或いは、ディスクトレイ20上に光ディスク11が適切に載置されなかったことによる光ディスク11の位置異常等により、印刷可能領域11Aと印刷ヘッド31との相対位置のずれ(位置ずれ)が生じた場合に、このずれを確実に検出することができ、位置ずれを確実に補償できる。
特に、上述の手順で検出を行うことにより、桁方向に移動されるキャリッジ30に搭載されたディスク位置センサ55を用いて、搬送方向におけるずれを効率よく確実に検出することが可能である。
また、ディスクトレイ20の幅方向に複数のセンサを設ける場合や、ディスクトレイ20の幅方向の全体を検出可能な大型のセンサを用いる場合に比べ、センサの数を抑えることができる。さらに、印刷時と同様にキャリッジ30を走査させることで印刷可能領域11Aの位置を検出できるので、新たな駆動部等を設ける必要がない。従って、通常の印刷装置の構成を有効に利用して、容易に、かつ低コストで実現可能である。
【0061】
また、ディスク位置センサ55は、光ディスク11に対向するようにキャリッジ30に配設され、キャリッジ30の走査方向に沿って印刷ヘッド31の側方に位置するので、印刷ヘッド31に近い位置で印刷可能領域11Aの位置を検出でき、印刷時に支障を来すような位置ずれを確実に検出できる。
さらに、印刷を開始する前に印刷可能領域11Aの先端位置を検出することで、先頭の行を印刷する際の印刷位置を補正することが可能となり、先頭行においても印刷可能領域11Aの外にインクを付着させないようにできる。
【0062】
なお、上記実施形態においては、キャリッジ30の下面において、印刷ヘッド31の側方に1個のディスク位置センサ55を設ける構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば複数個のセンサを設けてもよい。
以下、この構成例を変形例として説明する。
【0063】
[変形例]
図11は、本発明を適用した実施形態の変形例に係る構成を示す図であり、特にキャリッジ30近傍のインクカートリッジ32を除く上面図である。
この変形例に係る光ディスクデュプリケート装置1は、図11を参照して後述する点を除き、上記第1の実施形態に係る光ディスクデュプリケート装置1と共通の構成を有する。この共通の構成部については、同符号を付して図示及び説明を省略する。
【0064】
図11に示す構成では、キャリッジ30において印刷ヘッド31の突出面と同じ面に、搬送路W側に向けて、2個のセンサ、すなわち0桁側ディスク位置センサ56と80桁側ディスク位置センサ57とが配設されている。
0桁側ディスク位置センサ56及び80桁側ディスク位置センサ57は、キャリッジ30の底面に露出して、キャリッジ30の走査方向に沿って並んでおり、印刷ヘッド31の両側に位置している。0桁側ディスク位置センサ56は、印刷ヘッド31よりも0桁位置の側にあり、80桁側ディスク位置センサ57は、印刷ヘッド31よりも80桁位置の側にある。0桁側ディスク位置センサ56及び80桁側ディスク位置センサ57は、上記第1の実施形態に係るディスク位置センサ55と同様の反射型の光センサである。
【0065】
この構成によれば、印刷開始前に、印刷可能領域11Aのほぼ1/4の位置が印刷位置Pに達するまでディスクトレイ20を搬送し、印刷可能領域11Aの桁方向の両端位置を検出する際(図9のステップS14、図10のステップS34)の動作を、2個のセンサを用いて高速に行うことができる。また、ディスクトレイ20を搬送させながら印刷可能領域11Aの搬送方向における先端位置を検出する動作(図9のステップS17〜S18、図10のステップS37〜S38)を、2個のセンサの検出値を比較することで、より正確に行うことができる。この場合、キャリッジ30を、2個のセンサ(0桁側ディスク位置センサ56、80桁側ディスク位置センサ57)の間に、印刷可能領域11Aの桁方向の中心が位置するよう、配置すればよい。
【0066】
なお、上述した実施形態および変形例は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上記実施形態および変形例において、より一層のスループットの向上を図るため、複数枚の光ディスク11について印刷可能領域11Aの印刷を行う場合に、1枚目の光ディスク11についてのみ、上述の図9及び図10に示した印刷動作を行い、2枚目以降の光ディスク11については通常の印刷を行うようにしてもよい。この場合も、ディスクトレイ20の搬送機構に起因する位置ずれを確実に補償できるので、印刷可能領域11Aの外にインクを付着させずに印刷を行える。
さらに、上記実施形態および変形例においては、印刷動作を開始する毎に印刷用画像データ203AをRAM203に展開し、生成するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の光ディスク11に同一の画像を印刷する場合には、これら複数の光ディスク11の印刷を開始する最初の印刷動作で印刷用画像データ203Aを生成し、その後は、既に生成された印刷用画像データ203Aを利用するようにすればよい。また、この例において、印刷用画像データ203Aの印刷位置をシフトさせる補正を行った場合に、補正前の印刷用画像データ203Aと補正後の印刷用画像データ203Aとを別個にRAM203に記憶しておいてもよい。
また、上記実施形態および変形例においては、本発明をインクジェット方式の印刷装置2に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、昇華型プリンタや熱転写式プリンタ等の各種の記録装置(プリンタ)のうち、印刷ヘッドを走査して画像を印刷する構成を備えた全ての印刷装置に対して適用可能であり、また、他の機器に組み込まれた印刷装置に適用することも可能である。その他、上記実施形態における他の細部構成についても、任意に変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施形態に係る光ディスクデュプリケート装置の概要図である。
【図2】印刷装置の構成を示す外観斜視図である。
【図3】印刷装置の構成を示す断面視図である。
【図4】キャリッジ近傍の上面図である。
【図5】キャリッジ近傍の側面図である。
【図6】ヘッドの要部拡大図である。
【図7】キャリッジの走査の様子を示す上面図である。
【図8】光ディスクデュプリケート装置の制御系を示すブロック図である。
【図9】補正モードにおける印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】印刷停止モードにおける印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】変形例に係るキャリッジ近傍の上面図である。
【符号の説明】
【0068】
1…光ディスクデュプリケート装置、2…印刷装置、10…制御ユニット、11…光ディスク(光ディスク型記録媒体)、11A…印刷可能領域、12…データ記録装置、13…第1スタッカ、14…第2スタッカ、15…搬送ユニット、16…パーソナルコンピュータ、20…ディスクトレイ、21…本体、30…キャリッジ、31…印刷ヘッド、32…インクカートリッジ、33…キャリッジガイド軸、35…無端ベルト、36…キャリッジ駆動モータ、37…プーリ、38…ヘッド駆動部、40…搬送モータ、41…第1搬送部、45…第2搬送部、50…ノズル開口列、51…ノズル開口、52…基板、53…回転検出部、54…搬送位置センサ、55…ディスク位置センサ、56…0桁側ディスク位置センサ、57…80桁側ディスク位置センサ、200…制御回路、201…MPU(印刷制御手段、位置検出手段、補正手段)、203…RAM(印刷データ記憶手段)、203A…印刷用画像データ、204…EEPROM、204A…ディスク位置データ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスク型記録媒体の一面に設けられた印刷可能領域に画像を印刷する印刷装置において、
前記印刷可能領域における印刷位置と画像とが対応づけられたデータを記憶する印刷データ記憶手段と、
前記光ディスク型記録媒体を所定の搬送方向に搬送させながら、印刷ヘッドを搭載したキャリッジを前記搬送方向と略直角な桁方向に走査させて、前記印刷データ記憶手段に記憶されたデータに基づいて、前記印刷ヘッドにより前記印刷可能領域に画像を印刷させる印刷制御手段と、
前記印刷可能領域の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出された前記印刷可能領域の位置が、予め定められた位置から搬送方向にずれている場合に、印刷時における前記印刷可能領域の位置を補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記補正手段は、前記位置検出手段により検出された前記印刷可能領域の位置と、予め記憶した印刷可能領域の位置との差に基づいて、印刷時の前記光ディスク型記録媒体の搬送位置を補正すること、を特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記キャリッジには、前記キャリッジに対向する位置における前記印刷可能領域の有無を検出するセンサが配設され、
前記位置検出手段は、前記キャリッジを走査させる間の前記センサの検出状態に基づいて前記印刷可能領域の位置を求めること、
を特徴とする請求項1または2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記位置検出手段は、
前記キャリッジを走査させる間の前記センサの検出状態に基づいて前記印刷可能領域の桁方向の両端位置を求め、
この両端位置から前記印刷可能領域の桁方向の中心位置を求め、
求めた中心位置に前記キャリッジを位置させた状態で前記ディスク型記録媒体搬送路を搬送させることにより、前記印刷可能領域の搬送方向の先端位置を検出すること、
を特徴とする請求項3記載の印刷装置。
【請求項5】
前記位置検出手段は、前記印刷制御手段による印刷が開始される前に、前記印刷可能領域の位置を検出し、
前記印刷制御手段は、前記位置検出手段によって前記印刷制御手段による印刷が開始される前に検出された前記印刷可能領域の位置と、予め記憶した印刷可能領域の位置との間に、所定のしきい値を超える量のずれがあった場合に、印刷を開始しないこと、
を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
前記位置検出手段により検出された前記印刷可能領域の位置が予め定められた位置から搬送方向にずれている場合に、前記補正手段によって前記印刷データ記憶手段に記憶されたデータの印刷位置を補正する補正モードと、
前記位置検出手段により検出された前記印刷可能領域の位置が予め定められた位置から搬送方向にずれている場合に、印刷を停止する印刷停止モードと、を切り替えて実行可能に構成されたこと、
を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項7】
光ディスク型記録媒体の一方の面に設けられた情報記録領域に情報を記録するとともに、他方の面に設けられた印刷可能領域に画像を印刷する光ディスクデュプリケート装置において、
前記印刷可能領域における印刷位置と画像とが対応づけられたデータを記憶する印刷データ記憶手段と、
前記光ディスク型記録媒体を所定の搬送方向に搬送させながら、印刷ヘッドを搭載したキャリッジを前記搬送方向と略直角な桁方向に走査させて、前記印刷データ記憶手段に記憶されたデータに基づいて、前記印刷ヘッドにより前記印刷可能領域に画像を印刷させる印刷制御手段と、
前記印刷可能領域の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出された前記印刷可能領域の位置が、予め定められた位置から搬送方向にずれている場合に、印刷時における前記印刷可能領域の位置を補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする光ディスクデュプリケート装置。
【請求項8】
光ディスク型記録媒体の一面に設けられた印刷可能領域に画像を印刷する印刷装置の制御方法であって、
前記光ディスク型記録媒体を所定の搬送方向に搬送させながら、印刷ヘッドを搭載したキャリッジを前記搬送方向と略直角な桁方向に走査させて、前記印刷可能領域における印刷位置と画像とが対応づけられたデータに基づいて、前記印刷ヘッドにより前記印刷可能領域に画像を印刷させる一方、前記印刷可能領域の位置を検出し、検出した前記印刷可能領域の位置が、予め定められた位置から搬送方向にずれている場合に、印刷時における前記印刷可能領域の位置を補正すること、
を特徴とする印刷装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−162127(P2008−162127A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354247(P2006−354247)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】