説明

印刷装置、課金装置および課金方法

【課題】 コンビニエンスストア等の公共のスペースにおいて、課金装置や電子マネーであらかじめ決済した後に印刷装置で印刷することがおこなわれているが、課金装置と印刷装置間において、悪意あるユーザが印刷ジョブの改ざんをおこなうことにより、課金されずに印刷されることを防ぐことを目的とする。
【解決手段】 課金装置内で保持している課金データに電子署名を付加し、印刷装置で課金データの正当性を検証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有料印刷ジョブを実行する複合機等の印刷装置、課金装置及び課金方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットやLAN等のネットワークに接続されて利用されるスキャナ機能やプリンタ機能を備える複合機の利用が普及してきている。このような複合機は、オフィス内での利用にとどまらず、コンビニエンスストアや学校等の公共のスペースにおいてもその利用が進んできている。そして、公共スペースに設置された複合機には、ユーザがコピーやプリント(印刷)を実行させる際に支払う料金を直接当該ユーザから徴収するために、一般にコピー処理や印刷処理の実行に対して課金をおこなう課金装置が備わっている。(例えば、特許文献1参照)
また、一般に上述した課金装置と、コピーやプリントを実行するための印刷装置との間はネットワークで接続されており、ユーザが印刷装置上で指定した印刷ジョブに関する課金を課金装置でおこなうため、印刷ジョブを課金装置へ送信する処理をおこなっている。また、課金装置で課金されたことが確認できた場合、印刷ジョブを課金装置から印刷装置に送信する処理をおこなっている。
【特許文献1】特開2003−244349号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ネットワークを通じて印刷ジョブを送信した場合、その途中で第三者の故意により、または何らかの誤りによって内容が改ざん、改変されてしまうことが起こり得る。これによって、課金装置に課金されずに印刷出力されてしまうことが起こり得る。
【0004】
上述したような問題が発生した場合には、ユーザは料金を支払わずに印刷することや、余分な料金を支払って印刷してしまうことも起こり得る。この場合、コンビニエンスストアや学校等の公共スペースに設置されている複合機の管理者は不正に印刷されていることに気付く手段がなく、このような不正な印刷を管理者に気付かせるような仕組みを当該課金装置に付加する必要がある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、課金処理が必要な有料の印刷ジョブを実行する場合に、課金装置と印刷装置間でのデータの流れで不正やアクシデントが発生することを防止することができる印刷装置、課金装置及び課金方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る印刷装置は、
画像データを入力する手段と、
前記画像データの印刷におけるユーザからの印刷指示を受け付け、画像データを有料で出力するための印刷ジョブを生成する生成手段と、
前記印刷ジョブについて課金処理を課金装置に依頼する課金依頼手段と、
前記印刷ジョブを課金装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る課金装置は、
前記印刷装置から送信される印刷ジョブを受信する受信手段と、
前記印刷ジョブについてユーザからの入金処理を受け付ける課金手段と、
前記入金処理が正しくおこなわれたことを条件として、課金データに対して電子署名を付加する署名付加手段と、
前記印刷ジョブに、前記署名付加手段によって署名を付加された課金データを付加する付加手段と、
前記付加手段によって課金データを付加された印刷ジョブを印刷装置に送信することを特徴とする送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る印刷装置は、
前記課金装置から送信される印刷ジョブを受信する受信手段と、
前記受信した印刷ジョブに電子署名が付加された課金データが付加されていることを確認する確認手段と、
前記電子署名を利用して前記課金データが改ざんされていないことを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記課金データが改ざんされていないことが確認されたことを条件に、前記印刷ジョブの決済処理をおこなう決済手段と、
前記決済処理によって課金処理が完了したことを条件に、前記印刷ジョブに対応する画像データの印刷を実行する実行手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、課金装置から印刷装置に送信される印刷ジョブには課金データが付加され、課金データには電子署名が付加される。印刷装置では課金データに付加された電子署名を復号化して課金データの内容が正しいか否かを確認することが可能となり、ユーザの故意による印刷ジョブの改ざん等がおこなわれ、課金されずに印刷がおこなわれることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の実施例1及び実施例2に係る一般的なネットワークの構成を示す図である。
【0012】
図1において、100は、例えばTCP/IPプロトコルをサポートするネットワークである。
【0013】
本実施形態に係る印刷システムは、ネットワーク100を介して他装置とのデータ通信が可能な複合機101が印刷ジョブ等に対して課金をおこなう課金装置102と接続されて構成されている。
【0014】
図2は、本発明の実施例1に係る印刷装置である複合機の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
中央処理装置CPU(Central Processing Unit)201がROM(Read Only Memory)102内、またはハードディスク217に記憶された制御プログラムに従ってシステムバス218に接続される装置各部の駆動条件や管理データ等の各種情報を記憶するとともに動作する上で必要なデータを記憶するRAM(Random Access Memory)203を利用して、制御部204は後述する各種機能と共に本発明の各種処理を実行する。
【0016】
表示部205は、駆動条件、装置状態、あるいは入力情報などの各種情報を表示する。
【0017】
操作部206は、ユーザによる設定や命令等の入力操作をおこなうためのテンキーやスタートキー等のキー、または一部表示部205内にあるタッチパネル等である。
【0018】
認証処理部207は、ユーザやワークグループの認証に加えて、印刷ジョブ認証をおこなったりする。
【0019】
課金処理部208は、印刷を実現するために利用した数々のサービスについて定められた値段に従って、各々の使用枚数をカウントするとともに課金機能の有効の有無を検知する。
【0020】
通信制御部209は、イントラネット、またはインターネットに接続して、画像データを含む文書データ、印刷ジョブ、制御コマンドの送受信を実行する。
【0021】
網制御装置210は、PSTN(Public Switched Telephone Network)に接続し発着信の際に所定の回線制御を実行して回線接続あるいはその切断をおこなう。そして画像データや制御信号を、内蔵するモデム装置により変復調し網制御装置210を介してファクシミリ送受信を実行する。
【0022】
読み取り装置212は、送信、複写または保存する原稿に照射した光の画像に応じた反射光を光電変換して画像データを読み取り、印刷制御部211を介して画像データを送信、複写、または保存する。
【0023】
記録装置213は、読み取り装置またはクライアントコンピュータなどの情報発生源より受信した画像データ、もしくは印字データを、印刷制御部を介して受け取り永久可視像として記録紙に形成し記録紙を排出する。
【0024】
画像メモリ214は、読み取りまたは受信した画像データ、もしくは印字データを一時的に蓄積する。機器や状態によってはハードディスク217やRAM203内にあってもよい。
【0025】
画像処理部215は、送信する画像データをデータ圧縮して符号化したり、受信した画像データを伸張して複合化したり、受信した印字データを画像データに変換したり、保存する画像データを適切なまたはユーザから指定された、例えばPDFフォーマット等フォーマット変換したり、読み取り装置212の光学応答特性やセンダのばらつき等に応じた画像補正処理をおこなったり、ユーザが操作部206から入力操作する画像の変倍処理等の画像加工処理をおこなったり、記録装置213の書き込み特性等に適した画像データにする画像最適化処理などを要求に応じておこなう。
【0026】
前述したハードディスク117はディスクコントローラ(DKC)216によりアクセス制御される。外部メモリ218はオプションとして接続され、この実施携帯においては本発明の携帯用記憶媒体として使用するICカードはここに接続される。
【0027】
システムバス219は、CPU201、ROM202、RAM203、制御部204、表示部205、操作部206、認証処理部207、課金処理部208、通信制御部209、印刷制御部211、画像メモリ214、画像処理部215、およびディスクコントローラ(DKC)216を接続している。
【0028】
したがって、本複合機は、読み取り画像データを伝送するファクシミリ通信や、文書管理サーバコンピュータにデータ転送する転送機能と、読み取り画像データを記録出力する複写機能と、受信画像データをファクシミリ受信する受信印刷機能と、クライアントコンピュータからの印刷データを受信して印刷する印刷機能を備えており、複写機としてだけではなく、ファクシミリ装置、プリンタ装置、スキャナ装置としても利用することが可能になっている。
【0029】
なお、外部メモリ218に例えば部門番号などの識別情報、およびパスワードが登録されたICカードを接続し、あらかじめ設定しておいた識別情報とパスワードをROM202やハードディスク217から読み出して、認証処理部207において認証をおこなったのちに、各種機能が実現できるような認証機能を備えてある。または、ICカードを使わず、操作部206において部門番号とパスワードを入力させて認証処理部207において認証をおこなっても良いことは言うまでもない。
【0030】
また、記録装置213は、電子写真記録方式以外にも、例えばインクジェット方式、サーマルヘッド方式、ドットインパクト方式など、その他何であっても良いことは言うまでもない。
【0031】
図3は、本発明の実施例2に係る課金処理及び印刷ジョブの転送処理をおこなう一連の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の実施形態では印刷ジョブ(プリントジョブ)を一例に挙げて、課金装置102における処理動作等について説明するが、デジタルコンテンツのコピージョブ等であっても同様の課金動作をおこなうことができる。
【0032】
ステップS301は、印刷ジョブの取得を表し、例えばユーザが複合機101の操作部206を使用して、印刷枚数や印刷サイズを指定し、その情報を課金装置102が取得する処理を表している。印刷ジョブは、ユーザが複合機101の表示部205を利用して、操作部206から指定した印刷指定情報を印刷ジョブとし、複合機101からネットワーク100を介して送信されたものを取得する。
【0033】
ステップS302は、ステップS301で取得した印刷ジョブに基づいて、印刷を実行するためにその対価としてユーザが支払うべき料金(算出額)を算出する処理を表している。算出額は、例えば後述する図5の料金表と、ステップS301で取得した印刷枚数や印刷サイズ等のユーザの印刷指示情報を元に計算することが可能である。
【0034】
ステップS303は、ユーザが課金装置102に投入した金銭の金額(投入額)を、ユーザが投入した現金またはプリペイドカードの残高等に基づいて計算して課金装置102から取得する処理を表している。
【0035】
ステップS304は、ステップS302で算出された算出額と、ステップS303で取得したユーザが課金装置102に投入した投入額とを比較する判断を表している。この判断の結果として、投入額よりも算出額の方が大きいと判定された場合(No)は、料金不足が生じているためにユーザから指示された当該印刷ジョブを実行せずに、すなわち読み取った原稿から生成した画像データを印刷することなく、本処理を終了する。なお、ステップS304で投入額よりも算出額の方が大きい場合(No)に、上述したように処理を終了せず、不足する料金の課金装置102への投入をユーザに促して、ユーザが現金またはプリペイドカード等を課金装置102にさらに投入したことを検知した後に、再度ユーザが課金装置102に投入した投入額を取得して、算出額との比較をおこなうようにしてもよい。また、本フローチャートで説明する印刷処理の開始前に、ユーザがあらかじめ上記料金を課金装置102に投入しておいてもよいし、ステップS302で印刷ジョブの料金が算出された後にユーザが投入するようにしてもよい。
【0036】
ステップS305は、ステップS304で投入額が算出額以上である場合(Yes)は、前記ステップS302で算出額を出すために使用した後述する図5の料金表を課金データとし、課金データに電子署名を付加する処理を表している。ここで電子署名は、秘密鍵を用いて作成され、この電子署名を作成するための秘密鍵に対応する公開鍵が含められている。よって、電子署名を受け取った複合機101は、その公開鍵を利用して電子署名を復号化し、署名の有効性、すなわち署名を付加した課金データの内容が改ざんされていないかを確認することができる。具体的に記すと、課金データをハッシュ関数を用いて圧縮し、メッセージ・ダイジェストを生成する。そして、メッセージ・ダイジェストを課金装置102で保持する秘密鍵で暗号化したものが電子署名である。課金データに前記の電子署名を付加し、公開鍵を添付したものを複合機101に送信する。
【0037】
ステップS306は、ステップS301で取得した印刷ジョブに前記ステップS303でユーザが課金装置102に投入した入金情報と、前記ステップS305で電子署名を付加された課金データを付加する処理を表している。
【0038】
ステップS307は、前記ステップS306で電子署名を付加された課金データが付加された印刷ジョブを複合機101に送信する処理を表している。
【0039】
図4は、本発明の実施例3に係る印刷ジョブの転送処理をおこなう一連の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の実施形態では印刷ジョブ(プリントジョブ)を一例に挙げて複合機101における処理動作等について説明するが、デジタルコンテンツのコピージョブ等であっても同様の出力動作をおこなうことができる。また、以下の動作は、HDD217等に格納された処理プログラムがRAM203上に展開され、CPU201の制御により実行される。
【0040】
ステップS401は、課金装置102から送信された印刷ジョブを受信する処理を表している。
【0041】
ステップS402は、ステップS401で複合機が受信した印刷ジョブに課金データが付加されているものであるかどうかの判断を表している。この判断の結果として、課金データが付加されていないと判定された場合(No)は、課金データが印刷ジョブに正しく付加されていないため、複合機101で印刷するために必要な情報が欠落していると判断され、ユーザから指示された当該印刷ジョブを実行せずに、すなわち読み取った原稿から生成した画像データを印刷することなく、本処理を終了する。
【0042】
ステップS403は、ステップS402で課金装置102から受信した印刷ジョブに課金データが付加されていると判断された場合(Yes)に、電子署名を利用して前記ステップS402で確認された課金データが改ざんされていないかを判断する処理を表している。ここで、課金データには課金装置102で電子署名を作成するための秘密鍵に対応する公開鍵が含まれ、電子署名を受信した複合機101は、その公開鍵を利用して電子署名を復号化し、電子署名が付加された課金データの内容が改ざんされていないかを確認をすることができる。具体的に記すと、公開鍵を使用して電子署名を復号化し、メッセージ・ダイジェストを取り出し、電子署名が付加された課金データをハッシュ関数を用いて圧縮し、メッセージ・ダイジェストを生成したものと比較する。両者を比較して一致すれば、その課金データに対して改ざんがおこなわれていないことが確認されたことになる。
【0043】
この判断の結果として、電子署名が付加された課金データに改ざんがおこなわれていたと判断された場合(No)は、不正な課金データが付加されていたためにユーザから指示された当該印刷ジョブを実行せずに、すなわち読み取った原稿から生成した画像データを印刷することなく、本処理を終了する。
【0044】
ステップS404は、ステップS403で電子署名が付加された課金データに改ざんがおこなわれていないと判断された場合(Yes)の処理として、ステップS405は、前述の図3のステップS303でユーザが課金装置102に投入した料金情報と、ステップS401で受信した印刷ジョブを用いて決済処理をおこなうことを表している。これによって、ユーザからの印刷ジョブに対する課金が正しくおこなわれたことになる。
【0045】
ステップS406は、ユーザの印刷要求を実行するために印刷ジョブを実行する処理を表し、複合機101上で印刷処理をおこなうことを表す。
【0046】
図5は、本発明の実施例2に係る課金データの構成の一例を示す図であり、課金装置102が保持し、本データに電子署名を付加して印刷ジョブと併せて複合機101に送信することで課金データの改ざんがおこなわれないようにする。課金データは、一般的に図5に示すような料金表のようなものが考えられ、これは本実施形態の複合機101が持つ各機能単位で印刷料金を定めた対応表である。
【0047】
501は、印刷用紙サイズを表し、複写機101の機能として印刷が可能な用紙サイズである。
【0048】
502は、印刷方向を表し、複写機101で印刷する時の用紙の方向であり、同じ用紙サイズでも縦方向または横方向を選択することを可能としている。
【0049】
503は、モノクロ/カラーを表し、複写機101の機能によって、モノクロ印刷またはカラー印刷を選択することを可能としている。
【0050】
504は、両面/片面を表し、複写機101の機能によって、両面印刷または片面印刷を選択することを可能としている。
【0051】
505は、単価を表し、複写機101で印刷する時の1枚あたりの印刷料金であり、501から503までの各項目の設定によって設定される印刷料金を表している。ここで、本項目で示した料金表は読み取った原稿から生成した画像データの出力1枚あたりの料金であり、複数枚の印刷ジョブである場合は枚数分の加算がおこなわれるのが一般的であるが、例えば本課金データ構成の別項目として、枚数が多くなった場合の割引率等も設定しておき、枚数に応じて1枚あたりの単価を下げていくといったことも可能である。
【0052】
図5による課金データの項目は、本実施形態における説明をするための一例であり、実際には必ずしも同様の形式で課金データを保持するとは限らず、別のデータ形式や構成で保持してもよい。
【0053】
以上、実施形態例を詳細に記したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様を取ることが可能であり、具体的には複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、またはひとつの機器からなる装置に適用してもよい。
【0054】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0055】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタープリタにより実行されるプログラム、OSに供給されるスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0056】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−W、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−R、DVD−ROM)等がある。
【0057】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0058】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0059】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部をおこない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0060】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部をおこない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係る複合機101及び課金装置102を備える印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る複合機101の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る課金装置102がおこなう課金処理の実行に伴う課金処理手段を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係る複合機101がおこなう印刷処理の実行に伴う印刷処理手段を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る課金装置101が保持する課金データの説明をするためのデータ構成の例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを入力する手段と、
前記画像データの印刷におけるユーザからの印刷指示を受け付け、画像データを有料で出力するための印刷ジョブを生成する生成手段と、
前記印刷ジョブについて課金処理を課金装置に依頼する課金依頼手段と、
前記印刷ジョブを課金装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置から送信される印刷ジョブを受信する受信手段と、
前記印刷ジョブについてユーザからの入金処理を受け付ける課金手段と、
前記入金処理が正しくおこなわれたことを条件として、課金データに対して電子署名を付加する署名付加手段と、
前記印刷ジョブに、前記署名付加手段によって署名を付加された課金データを付加する付加手段と、
前記付加手段によって課金データを付加された印刷ジョブを印刷装置に送信することを特徴とする送信手段と、
を備えることを特徴とする課金装置。
【請求項3】
請求項2に記載の課金装置から送信される印刷ジョブを受信する受信手段と、
前記受信した印刷ジョブに電子署名が付加された課金データが付加されていることを確認する確認手段と、
前記電子署名を利用して前記課金データが改ざんされていないことを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記課金データが改ざんされていないことが確認されたことを条件に、前記印刷ジョブの決済処理をおこなう決済手段と、
前記決済処理によって課金処理が完了したことを条件に、前記印刷ジョブに対応する画像データの印刷を実行する実行手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−271036(P2008−271036A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109524(P2007−109524)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】