説明

印刷装置及びそれを用いたターゲット基板の製造方法

【課題】本発明は、液晶表示装置の製造の際に、広い線幅のパターンと狭い線幅のパターンとを一つの印刷板で印刷可能にする印刷装置及びそれを用いたターゲット基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の印刷装置は、その上に塗布されたターゲットパターン形成物質101を含む印刷ロール100と、少なくとも一対の隣接した印刷板パターン43と、その間に離隔された少なくとも一つの隔壁パターン45とを含む印刷基板103と、ターゲット基板と、を含む。ターゲット基板は、印刷基板103にターゲットパターン形成物質101を塗布したことに続き、印刷ロール100上に残っているターゲットパターン形成物質101を収容するようにして形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に係り、特に、液晶表示装置の製造の際に、広い線幅のパターンと狭い線幅のパターンとを一つの印刷板で印刷可能にした印刷装置及びそれを用いたターゲット基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置は、電界を用いて誘電異方性を有する液晶の光透過率を調節することで画像を表示することとなる。このために液晶表示装置は、液晶セルマトリックスを備えた液晶表示パネル(以下、「液晶パネル」という。)と、その液晶パネルを駆動させる駆動回路とを備える。
このような液晶パネルは、液晶層を挟んで貼り合わせられたカラーフィルタ基板と、薄膜トランジスタ基板とを含む。
【0003】
カラーフィルタ基板は、上部ガラス基板上に順次形成されるブラックマトリックス、カラーフィルタ、及び共通電極を備える。
【0004】
薄膜トランジスタ基板は、下部ガラス基板にゲートラインとデータラインとの交差により定義されるセル領域に形成された薄膜トランジスタと画素電極とを含む。
【0005】
このようなカラーフィルタ基板及び薄膜トランジスタ基板は、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により形成されることもあるが、印刷装置を用いて形成されることもある。
【0006】
図1A乃至図1Cは、従来の印刷装置を用いてターゲットパターンを印刷する工程を概略的に示す図である。図1Aは、ブランケット5の表面上に、ターゲットパターン形成物質7が塗布されたブランケット5を備えた印刷ロール3を含む印刷装置を示す。印刷する工程の第1段階において、図1Bに示したように、図1Aに示した印刷ロール3が、印刷基板11で印刷板パターン13上にパターン形成物質を印刷するのに利用される。パターン形成物質が印刷基板11上の印刷板パターン13に密着される時、パターン形成物質の一部が印刷ロール3から取り外され、印刷ロール3の表面上にターゲットパターン15を形成する。次いで、第2の印刷段階において、図1Cに示したように、印刷ロール3上のターゲットパターン15がターゲット基板21上に印刷され、ターゲット基板21上にターゲットパターンを形成する。ターゲットパターン15は、ブラックマトリックス、カラーフィルタ、ゲートライン、データラインなどを含む液晶表示装置の多くの部分にパターンとして印刷するために使用することができる。
【0007】
印刷板パターン13は、マスクを用いたフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により形成されることもできる。
【0008】
図2は、印刷基板11上にマスク29を配置してエッチングされる露光部(P2)を露光し、所望の印刷板パターン13を形成する方法を示す図である。通常、印刷基板11としてガラス基板を使用するウエットエッチング及びドライエッチングの方法により行うことができる。長時間に亘る工程、製造コストの上昇、広い線幅によるターゲットパターンの制限など、ドライエッチングに関連した短所から、ウエットエッチング工程が望ましいことがある。
【0009】
ウエットエッチング工程に、フッ酸溶液を使用することもできる。エッチングの深さが10μmである、図2に示しているような等方性ウエットエッチング工程では、露光部(P2)に隣接した印刷基板11の両端側も10μmずつエッチングされることになる。例えば、露光部が10μmの線幅を有し、ウエットエッチングの深さが10μmであれば、エッチングされた領域は、30μmの線幅を有するはずである。
【0010】
10μm未満の線幅を有するターゲットパターン15を形成するためには、印刷板パターン13は、通常、10μmの高さで形成される。ところが、印刷板パターン13の高さが10μmである100μm以上の線幅を有するターゲットパターン15を形成するためには、第2の印刷段階で形成されたターゲットパターンでは、不適当な分離または離脱現象を伴うこともある。
【0011】
図3A乃至図3Cは、印刷板パターンの高さ(例えば、10μm)を大きく超える、例えば、広い線幅のパターン(例えば、100μm)をエッチングする時に引き起こされるパターン分離の問題を示している。図3A及び図3Bに示したように、印刷板パターン13の間の間隔が100μm以上であり、印刷板パターン13の高さが10μmの場合、ターゲットパターン形成物質7が隣接した印刷板パターン13の間の印刷基板11に不適当に密着されることがある。その結果、図3Bに示したように、広い線幅ターゲットパターン15で指定された幅(X)のターゲットパターン形成物質7の一部が、印刷基板11上に不適当に配置されることがある。図3Cに示したように、第2の印刷段階で形成された結果として生じたターゲットパターン15は、配置されたターゲットパターン形成物質7の一部に対応する幅(X)を有する不適当な間隔を伴う問題が生じる。
【0012】
このような制限を解決するために考えられた従来技術は、一つの印刷基板を用いて100μm以上の広い線幅を有するターゲットパターンと、もう一つの印刷基板を正しく形成して100μm未満の狭い線幅を有するターゲットパターンとを形成することである。従って、従来技術では、2つの異なる印刷基板を必要とするため、一つの印刷基板を使用して広い線幅パターンと狭い線幅パターンとを印刷するのに好適な利用方法論が必要であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の目的は、液晶表示装置の製造の際に、広い線幅のパターンと狭い線幅のパターンとを一つの印刷基板で印刷可能にした印刷装置及びそれを用いたターゲット基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明を適用した印刷基板は、その表面上に塗布されたターゲットパターン形成物質を有する印刷ロールと、少なくとも一対の隣接した印刷板パターン、及び少なくとも一対の隣接した印刷板パターンの間に離隔された少なくとも一つの隔壁パターンとを含む印刷基板と、印刷基板にターゲットパターン形成物質を塗布したことに続き、印刷ロール上に残っているターゲットパターン形成物質を収容するターゲット基板とを含むことを特徴とする。
【0015】
一対の隣接した印刷板パターンは、100μm以上の距離離隔されることができ、この一対の隣接した印刷板パターンの間に、一つ以上の隔壁パターンを含ませることもできる。この隔壁パターンの高さは、隔壁パターンと隣接した印刷板パターンまたは隔壁パターンの間の間隔の長さの約10〜45%とすることもできる。さらに、隣接した印刷板パターン及び/または隔壁パターンの間の間隔の距離は、これらの間の間隔により規定された印刷板パターン及び/または隔壁パターンの高さの8〜10倍とすることもできる。隔壁パターンの線幅は、隔壁パターンと隣接した印刷板パターンまたは隔壁パターンの間の間隔の長さの約5〜10%とすることもできる。
【0016】
また、本発明の印刷装置を用いたターゲット基板の製造方法は、一対の隣接した印刷板パターンの間に配置された少なくとも一つの隔壁パターンを含む印刷基板を提供する段階と、印刷基板上に塗布されたターゲットパターン形成物質を有する印刷ロールを提供する段階と、印刷基板上の印刷板パターン及び隔壁パターン上にターゲットパターン形成物質を印刷する段階と、印刷基板に塗布後、印刷ロール上に残っているターゲットパターン形成物質でターゲット基板上にターゲットパターンを印刷する段階とを含むことを特徴とする。
【0017】
印刷板パターン及び隔壁パターンは、ウエットエッチングにより形成されることもでき、これらのパターンは、様々な高さ、線幅及びこれらのパターンの間の離隔によって配置及び形成されることもできる。
【発明の効果】
【0018】
本発明による印刷装置は、印刷板パターン間の間隔が100μm以上である場合、印刷板パターンの間に隔壁パターンを更に備えることによって、広い幅を有する一つのターゲットパターンの一部が離脱する現象を防止することができる。
【0019】
これにより、本発明による印刷装置を用いて液晶表示装置の製造の際に、広い線幅のターゲットパターンと狭い線幅のターゲットパターンとを一つの印刷基板で印刷可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の望ましい実施形態を図4A乃至図7を参照して説明する。
【0021】
図4A乃至図4Dは、一つの印刷基板上に広い線幅パターンと狭い線幅パターンとを印刷するのに好適な印刷工程を示す。図4A乃至図4Dに示されている印刷装置は、印刷基板103での印刷板パターン43及び隔壁パターン45上に、第1の印刷段階で印刷されたターゲットパターン形成物質101を有する印刷ロール100を含む。ターゲットパターン形成物質101が印刷ロールから取り外されると、ターゲットパターン49aが印刷基板上に形成される。その後、印刷ロール100上のターゲットパターン49aがターゲット基板47上に印刷され、圧力が第2の印刷段階で加えられると、長さが拡張されたターゲットパターン49bを形成する。
【0022】
印刷板パターン43は、100μm以上、または100μm未満の間隔の距離だけ印刷板上に分離させることもできる。図4Bに示したように、A領域に隣接した印刷板パターン43は、100μm以上の間隔距離だけ分離された印刷板パターンである。また、図4Bは、隣接した印刷板パターン43の間の間隔の長さが100μm以上の領域に形成された隔壁パターン45を示している。但し、印刷板パターン43及び隔壁パターン45は、マスクを用いたフォトリソグラフィー工程またはエッチング工程、可能であれば、ウエットエッチング工程により形成されることもできる。
【0023】
隔壁パターン45は、図4C及び図4Dに示したように、ターゲットパターン49bにより例示されたような広い線幅パターンの正しい形成を促すことができる。結果として、一つの印刷基板103を使用することにより、100μm未満の狭い線幅を有するターゲットパターン49cだけでなく、100μm以上の広い線幅を有するターゲットパターン49bの印刷を実行することができる。
【0024】
図4Aに示したように、印刷ロール100上にターゲットパターン形成物質101が塗布される。ターゲットパターン形成物質101は、圧縮により変形され得る粘性のペースト型物質を形成する有機ソルベントに溶融された重合溶液を含む。
【0025】
次に、図4Bに示したように、印刷ロール100上に塗布されたターゲットパターン形成物質101を、印刷基板103上に配置された印刷板パターン43及び隔壁パターン45上に印刷する第1の印刷段階が行われる。印刷ロール100上のターゲットパターン形成物質101が、印刷基板103上の印刷板パターン43及び隔壁パターン45に密着されると、印刷ロール100上に残っているターゲットパターン形成物質101により、印刷基板上にターゲットパターン49aが形成される。
【0026】
次いで、図4Cに示したように、印刷ロール100上のターゲットパターン49aがターゲット基板47上に印刷され、第2の印刷段階で圧力が加えられると、拡張したターゲットパターン49bが形成される。特に、印刷ロール100から圧力が加えられると、ターゲットパターン形成物質101の一部が図4Dに示した矢印の方向に拡張される。図4Dの矢印方向への拡張は、圧力が印加されることにより満たされるターゲットパターン49aの分けられた領域を示す。従って、ターゲット基板上に形成されたターゲットパターン49bは、第1の印刷段階で隔壁パターン45上に印刷されたターゲットパターン形成物質101の領域により分離された各ターゲットパターン49aは、その端部において、ターゲットパターン形成物質101に加えられた圧力により所定の長さだけ拡張された部分を含むことができる。
【0027】
ターゲットパターン形成物質101は、印刷基板103上の隣接した印刷板パターン43及び/または隔壁パターン45上に印刷された領域により分離され隣接した間隔の間の長さの約5〜10%だけターゲットパターン形成物質49aのそれぞれの端部で拡張されることもできる。拡張の結果として、印刷基板43またはターゲット基板47に関して、拡張された端部の範囲でのターゲットパターン形成物質の角度は、例えば、90度から約20度までそれぞれ変化させることもできる。
【0028】
隔壁パターン45は、隣接した印刷板パターン43及び/または隔壁パターン45の間の間隔の5〜10%に対応する幅を有するように設計されることもできる。図4Dに示しているように、第2の印刷段階でのターゲットパターン形成物質101の拡張により、第1段階で分離されたターゲットパターン形成物質49aは、第2段階で加圧された後、繋がれる。従って、隔壁パターン45の適用により、所望の広い線幅ターゲットパターン49bが形成される。このようなターゲットパターンは、ブラックマトリックス、カラーフィルタ、ゲートライン、データラインなどに形成されたものを含む液晶表示装置に形成されることもできる。
【0029】
隔壁パターン45の適用により、一つの印刷基板を使用して100μm以上の線幅及び100μm未満の線幅の両方を有するターゲットパターンを印刷することができる。第1の印刷段階で、100μm以上分離された印刷板パターン43の間に隔壁パターン45を設けることによって、ターゲットパターン形成物質101が、第1の印刷段階で印刷板パターン43の間の間隔の代わりに隔壁パターン45に密着する。ところが、隔壁パターン45の幅は、ターゲットパターン形成物質101が第2の印刷段階で拡張され得る長さで埋めることができるため、広い線幅を有するターゲットパターンを正しく形成することができる。
【0030】
図5を参照して、図4Bに示した印刷基板103のA領域を詳しく説明する。図5に示しているA領域は、印刷板パターン43の間隔L(第1間隔)が100μm以上離隔されている領域であって、このような領域の印刷板パターン43の間には、隔壁パターン45がさらに形成される。このような隔壁パターン45の幅(w)は、印刷板パターン43及び隔壁パターン45の間の間隔の5〜10%になるよう形成する。可能であれば、本発明による印刷板パターン43及び隔壁パターン45の高さ(h)は、100μm以上の間隔(L)だけ分離され隣接した対の印刷板パターン43と、その間に配置され印刷板パターン43に隣接した隔壁パターン45との間距離、又は、隣接した2つの隔壁パターン45間の距離を、間隔I(第2間隔)として図5に示しているが、その間隔(I)の約10〜45%で形成することが望ましい。
【0031】
印刷板パターン43及び隔壁パターン45の高さ(h)が、上記間隔(I)の10%未満の場合、印刷板パターン43及び隔壁パターン45の高さ(h)が低すぎるため、第1の印刷段階の工程を行う時、ターゲットパターン形成物質101が、間隔(I)で示した隙間に不適当に密着されることがあり、上述したような隔壁パターン45を通じて得られる長所を具現することが困難となる。しかし、印刷板パターン及び隔壁パターンの高さ(h)が、上記間隔(I)の45%以下に制限されることが望ましい。
また、図5に示したように、可能であれば、隔壁パターン45と隣接した印刷板パターン43または隔壁パターン45との間の間隔(I)の長さは、隣接した印刷板パターン43または隔壁パターン45の高さ(h)の8〜10倍であることが望ましい。ところが、上記間隔(I)が、印刷板パターン43または隔壁パターン45の高さの10倍以上であれば、ターゲットパターン形成物質101が隔壁パターン45と隣接した印刷板パターン43または隔壁パターン45との間の間隔(I)に密着されることがあり、上述したような隔壁パターン45を通じて得られる長所を具現することが困難となる。一方、上記間隔(I)が、印刷板パターン43または隔壁パターン45の高さの8倍以下であれば、ウエットエッチングにより印刷板パターン43または隔壁パターン45を正しく形成することが困難となる。本発明による隔壁パターン45の切断面の形状は、直線形、六角形、菱形、円形など様々な形状で具現することができる。
【0032】
図6Aは、典型的な印刷方法論に関連して、ウエット等方性エッチングの使用を説明する。印刷板パターン53a、53bまたは隔壁パターン55の高さ(h)が異方性にエッチングされると、マスク非露光部(P1)により遮られた印刷板パターン53a、53bまたは隔壁パターン55の両側面は、露光部(P2)でのエッチングの深さまたは高さ(h)に合せられる程度で類似するようにエッチングされる。従って、マスク140が配列され、所望の印刷板パターン43及び隔壁パターン45の幅に適宜のエッチング程度を促進する。
【0033】
印刷板パターン53a、53bまたは隔壁パターン55の側面から拡張された非露光部(P1)の幅は、印刷板パターン53a、53bまたは隔壁パターン55の対応する高さ(h)と同様である。印刷板パターン53a、53bまたは隔壁パターン55の高さ(h)が、前述した間隔(I)の45%の幅を超え、マスクから拡張された非露光部(P1)の幅が、高さ(h)に合せられるよう類似するように拡張されるなら(また、これにより、両方向に、前述した45%間隔の幅を超えるなら)、隣接した非露光部(P1)がつながり、露光部(P2)を除いて形成されることになってしまう。従って、印刷板パターン53a、53bまたは隔壁パターン45の高さ(h)が45%以下に制限される。
【0034】
図6A乃至図6Cにおいては、第1の印刷板パターン53aと、第1の印刷板パターン53aに隣接した第2の印刷板パターン53bと間の間隔が、210μmである。図示してはいないが、図6A乃至図6Cに示している印刷基板203は、100μm以上互いに離隔された他の場合における間隔だけでなく、相互100μm未満で離隔された隣接した印刷板パターン53a、53bの間の間隔をさらに含むこともできる。
【0035】
図6Aは、印刷板パターン53a、53b及び隔壁パターン55を備える印刷基板203を製造する工程を示す。これらのパターン53a、53b、55は、ガラス基板及び光遮断部(P1)及び光透過部(P2)を備えるマスク140を使用するフォトリソグラフィー工程により製造されることもできる。次いで、印刷基板203は、光透過部(P2)に該当する領域に、フッ酸溶液を用いてエッチングされることもできる。可能であれば、このエッチングは、100μm以上に離隔された印刷板パターン53a、53bの間の間隔内で、もっとも狭い間隔(100μm)の10〜45%の深さになるように行うことが望ましい。図6Aでは、基板203は、100μmの10%である10μmの深さでエッチングされている。この10μmの深さは、また、10μmだけ類似するようにエッチングされた光透過部(P2)に隣接したパターン53a、53b、55の露光されない側面にも対応する。従って、マスク140を配置させる時、光遮断部(P1)の幅は、所望のパターン53a、53b、55に対して各側面で10μmずつ拡張される。勿論、このようなマスク140の配置は、エッチングしようとする深さによって変わることである。
【0036】
図6Bは、印刷ロール153上のターゲットパターン形成物質が、印刷基板203上に配置された印刷板パターン53a、53b及び隔壁パターン55上に印刷される第1の印刷段階を示す。次いで、図6に示したように、印刷ロール153上のターゲットパターン形成物質は、印刷板パターン53a、53b及び隔壁パターン55上に印刷されたターゲットパターン形成物質の領域に対応する間隔を含む。印刷ロール153上のターゲットパターン形成物質は、第2の印刷段階でターゲット基板61上に、順に印刷することができるターゲットパターン63として形成される。
【0037】
図6B及び図6Cに示したように、印刷物質により形成されたターゲットパターン63は、第2の印刷段階で圧力が加えられる時に拡張されることができる。結果として、この拡張により、印刷板パターン53a、53b及び隔壁パターン55が近く密着されるところに対応する側面で、5〜10%の線幅を増加させることができる。従って、第1の印刷板パターン53aと第2の印刷板パターン53bとの間に隔壁パターン55が存在しても、ターゲットパターン形成物質の拡張は、第1の印刷段階で、隔壁パターン55により生成された間隔を満たすことができる。図6Cに示しているように、線幅の拡張は、基板61上の隙間を持たない220μmの広いライン幅パターン63の原因となる。言い替えれば、適宜のターゲットパターン63は、第2の印刷段階で生成された線幅拡張によりターゲットパターン形成物質を連結させることによって形成されることができ、所望のパターンまたは形状による広い線幅ターゲットパターン63を形成する。
【0038】
隔壁パターン55の適用は、100μm以上離隔された印刷板パターン53a、53bから広い線幅ターゲットパターン63の形成を可能とする。図6Bに示されている実施形態では、隔壁パターン55の幅(10μm)が、隔壁パターン55と隣接した印刷板パターン53a、53bの間の間隔の10%である。ところが、隔壁パターン55の幅は、ターゲットパターン63の希望特性とターゲットパターン形成物質の特性によって変わることもできる。
【0039】
本発明による印刷装置は、図7に示しているように、液晶表示装置のカラーフィルタ基板上にブラックマトリックスパターン72を形成させることもできる。ブラックマトリックス72は、カラーフィルタ基板の縁に形成されるミリメートル(mm)単位の広い線幅の領域(X1、X2)と、カラーフィルタ71の間に形成されるミクロメートル(μm)単位の狭い線幅の領域(Y1、Y2)とを含む。このような広い線幅の領域(X1、X2)と狭い線幅の領域(Y1、Y2)とを、本発明による印刷装置を用いて、即ち、広いパターンが形成される部分に隔壁パターンを有する印刷基板を用いることによって広い線幅の領域(X1、X2)と狭い線幅の領域(Y1、Y2)とを一つの印刷基板を用いて形成することができる。これにより、液晶表示装置の製造時間を低減することができる。
【0040】
上述したように、本発明による印刷装置は、一つの印刷基板で広い線幅のターゲットパターンと狭い線幅のターゲットパターンとを印刷することができる。さらに、互いに100μm以上離隔された印刷板パターンの間の前述した隔壁パターンの結合は、不適当な間隔を伴うターゲットパターンの形成を防止することができる。
【0041】
以上説明した内容により、当業者であれば、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で様々な変更及び修正が可能であることが分かるだろう。従って、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載した内容に限定されるものではなく、許請の範囲により決められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1A】従来の印刷方法によりパターンを形成する過程を示す図である。
【図1B】従来の印刷方法によりパターンを形成する過程を示す図である。
【図1C】従来の印刷方法によりパターンを形成する過程を示す図である。
【図2】印刷板パターンを形成する方法を示す図である。
【図3A】従来の印刷板パターンの問題点を示す図である。
【図3B】従来の印刷板パターンの問題点を示す図である。
【図3C】従来の印刷板パターンの問題点を示す図である。
【図4A】本発明による印刷板を用いて印刷する方法を示す図である。
【図4B】本発明による印刷板を用いて印刷する方法を示す図である。
【図4C】本発明による印刷板を用いて印刷する方法を示す図である。
【図4D】本発明による印刷板を用いて印刷する方法を示す図である。
【図5】本発明による印刷板の一部を示す図である。
【図6A】図5に示されている印刷板を製造する過程及びその印刷板を用いた印刷過程を示す図である。
【図6B】図5に示されている印刷板を製造する過程及びその印刷板を用いた印刷過程を示す図である。
【図6C】図5に示されている印刷板を製造する過程及びその印刷板を用いた印刷過程を示す図である。
【図7】本発明の印刷装置を使用して形成したブラックマトリックスパターンを示す図である。
【符号の説明】
【0043】
3、100、153:印刷ロール
15、49、63:ターゲットパターン
13、43、53a、53b:印刷板パターン
29、140:マスク
45、55:隔壁パターン
72:ブラックマトリックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットパターン形成物質を含む印刷ロールと、
第1間隔の長さを有する第1間隔を形成する少なくとも一対の隣接した印刷板パターンと、前記少なくとも一対の隣接した印刷板パターンとの間に、離隔された少なくとも一つの隔壁パターンとを含む印刷基板と、
前記印刷基板に前記ターゲットパターン形成物質を塗布したことに続き、前記印刷ロール上に残っているターゲットパターン形成物質を収容するターゲット基板とを含み、
前記隔壁パターンと、前記隔壁パターンに隣接した印刷板パターンとが、第2間隔の長さを有する第2間隔を形成し、前記印刷基板が前記印刷ロールから前記ターゲットパターン形成物質を収容するようにしてターゲット基板を形成することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第1間隔の長さが、約100μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記少なくとも一対の隣接した印刷板パターンの間に、離隔された複数の隔壁パターンを含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷板パターンまたは前記隔壁パターンの高さは、前記第2間隔の長さの約10〜45%であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第2間隔は、前記第2間隔を規定した印刷板パターンまたは隔壁パターンの高さの8〜10倍であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つの隔壁パターンの線幅は、前記第2間隔の長さの約5〜10%であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記印刷基板は、100μm以上で離隔された第1対として隣接した印刷板パターンと、100μm未満で離隔された第2対として隣接した印刷板パターンと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記ターゲットパターン形成物質は、前記印刷ロール上に形成された対応するターゲットパターンに比べて拡張された線幅を有するターゲットパターンを、前記ターゲット基板上に形成するように配列されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記ターゲットパターン形成物質は、ペースト型濃度を有する粘性重合化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項10】
印刷装置を用いたターゲット基板の製造方法において、
印刷板上に形成され、第1間隔の長さを有する第1間隔を形成する少なくとも一対の隣接した印刷板パターンと、前記少なくとも一対の印刷板パターンの間に離隔された少なくとも一つの隔壁パターンと、を含む印刷基板を提供する段階と、
前記印刷基板上にターゲットパターン形成物質を含む印刷ロールを提供する段階と、
前記印刷基板上の前記印刷板パターン及び隔壁パターンの上にターゲットパターン形成物質を印刷し、前記印刷ロール上にターゲットパターンを形成する段階と、
ターゲット基板を提供する段階と、
前記印刷ロール上に形成したターゲットパターンを前記ターゲット基板上に印刷する段階と、を含み、
前記隔壁パターン及び前記隔壁パターンに隣接した印刷板パターンが、第2間隔の長さを有する第2間隔を形成することを特徴とする印刷装置を用いたターゲット基板の製造方法。
【請求項11】
前記印刷板パターン及び前記少なくとも一つの隔壁パターンが、ウエットエッチングにより形成されることを特徴とする請求項10に記載の印刷装置を用いたターゲット基板の製造方法。
【請求項12】
前記少なくとも一対の隣接した印刷板パターンを約100μm以上の間隔で配置する段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の印刷装置を用いたターゲット基板の製造方法。
【請求項13】
前記少なくとも一対の隣接した印刷板パターンの間に、複数の隔壁パターンを配置する段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の印刷装置を用いたターゲット基板の製造方法。
【請求項14】
前記印刷板パターンまたは前記隔壁パターンを前記第2間隔の長さの約10〜45%の高さを有するように形成する段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の印刷装置を用いたターゲット基板の製造方法。
【請求項15】
前記隔壁パターンと、前記隔壁パターンに隣接した印刷板パターンとを、前記印刷板パターンまたは前記隔壁パターンの高さの8〜10倍の距離に配置する段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の印刷装置を用いたターゲット基板の製造方法。
【請求項16】
前記隔壁パターンを、前記第2間隔の長さの約5〜10%の線幅を有するように形成する段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の印刷装置を用いたターゲット基板の製造方法。
【請求項17】
第1対として隣接した印刷板パターンを、100μm以上で離隔して前記印刷基板上に配置し、第2対として隣接した印刷板パターンを、100μm未満で離隔して前記印刷基板上に配置することを特徴とする請求項10に記載の印刷装置を用いたターゲット基板の製造方法。
【請求項18】
前記印刷ロール上のターゲットパターン形成物質を前記ターゲット基板上で圧縮して、前記ターゲットパターンの線幅を、前記ターゲット基板上に圧縮する前の前記印刷ロール上のターゲットパターンの対応する線幅に比べ、拡張させることを特徴とする請求項10に記載の印刷装置を用いたターゲット基板の製造方法。
【請求項19】
前記ターゲットパターン形成物質は、ペースト型濃度を有する粘性重合化合物を含むことを特徴とする請求項10に記載の印刷装置を用いたターゲット基板の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−11274(P2007−11274A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−379486(P2005−379486)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(501426046)エルジー.フィリップス エルシーデー カンパニー,リミテッド (732)
【Fターム(参考)】