説明

印刷装置

【課題】装置内に保存されている画像データを印刷出力してその印刷物を取得代行してもらう際の利便性を向上できる印刷装置を提供する。
【解決手段】複合機10は、外出先などのユーザAの端末15からユーザBOX内のファイルに対する取得代行の印刷指示メールを受信すると(矢印M1)、予め登録されている代行者の端末11に印刷物の取得依頼メールを送信する(矢印M2)。ユーザAが印刷指示メールに臨時の代行者として端末12のユーザの電子メールアドレスを付加して送信した場合には、複合機10は代行者ではなく、臨時の代行者を優先して端末12に印刷物の取得依頼メールを送信する(矢印M4)。ユーザが印刷物の取得代行を依頼する連絡を別途行うなどの手間が掛からなくなり、更に代行者以外の者に印刷物を取得してもらうことも可能になるため、利便性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置内に保存されている画像データに対する印刷の指示を外部端末などから受け付けて印刷出力する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機などに設けられているBOX機能の使用においては、ユーザが自分のBOXに保存されているファイル(画像データ)に対して印刷指示を行うが、出力された印刷物は他のユーザに代りに取得してもらいたいような場合がある。このような印刷物の取得代行は、たとえば他のユーザに関連のある資料や確認してもらいたい資料、あるいは他のユーザが参加する会議で使用される資料などのファイルがBOXに保存されており、ユーザが外出先などから職場の複合機のBOXに保存されているファイルに対して印刷指示は行えるが、出力された印刷物をユーザ本人が他のユーザに直接手渡せないようなときなどに発生する。このような場合に、従来はユーザが印刷指示の他に、印刷物の取得を依頼する連絡などを別途行う必要があるため、手間が掛かっている。
【0003】
一方、特許文献1には、印刷装置で出力された印刷物の配布先相手への通知を自動で行う技術が開示されている。この技術では、複数の排紙ビンにそれぞれ配布先相手を割り当てて予め登録しておき、印刷物を配布したい相手の排紙ビンを指定して印刷を指示すると、その相手の排紙ビンに印刷物が排紙され、排紙情報がその相手に自動的に通知されるようになっている。
【0004】
また特許文献2には、印刷装置に対して電子メールで各種の制御指示や印刷指示を行う技術が開示されている。詳細には、電子メールに制御指示や印刷指示を記載して印刷装置に送信すると、印刷装置が電子メールを解読して指示された制御を行ったり、電子メールに添付されているファイルを印刷処理したりするようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−207162号公報
【特許文献2】WO2001/048615号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1の技術では、排紙ビンが割り当てられたユーザ以外には印刷物を配布できないため不便である。特許文献2の技術では、印刷装置に対して電子メールで印刷指示を行うことができても、出力された印刷物を代りに取得してもらいたい場合には、やはり別途連絡する必要があるため手間が掛かってしまう。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、装置内に保存されている画像データを印刷出力してその印刷物の取得を代行してもらう際の利便性を向上できる印刷装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0009】
[1]画像データを記憶する記憶部と、
画像データに基づく画像を印刷して印刷物を出力する印刷部と、
印刷物の取得を代行する代行者情報を記憶する代行者記憶部と、
端末装置と通信する通信部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記通信部を通じて端末装置から前記記憶部に記憶されている画像データに対する取得代行の印刷指示通知を受信すると、該印刷指示通知に臨時代行者情報が含まれている場合は、該臨時代行者情報の示す臨時代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識して該取得者の端末装置に前記通信部を通じて印刷物の取得依頼通知を送信し、前記印刷指示通知に前記臨時代行者情報が含まれておらず、かつ、前記代行者記憶部に代行者情報が記憶されている場合は、該代行者情報の示す代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識して該取得者の端末装置に前記通信部を通じて前記取得依頼通知を送信し、前記認識した取得者から所定の出力指示を受けた場合に、前記印刷部に前記印刷指示通知に基づいた印刷を実行させる
ことを特徴とする印刷装置。
【0010】
上記発明では、ユーザが端末装置から印刷装置内に記憶されている画像データに対する取得代行の印刷指示を行うと、その印刷指示通知が印刷装置に送信される。印刷装置は印刷指示通知を受信すると、予め登録されている代行者の端末装置に印刷物の取得依頼通知を送信する。このように、ユーザが取得代行の印刷指示を行うとその印刷物の取得依頼が所定の代行者に自動的に通知されるため、取得代行を依頼する連絡を別途行うなどの手間が掛からなくなる。
【0011】
また、ユーザが上記の印刷指示通知に臨時代行者情報を付加して送信した場合には、印刷装置は上記の代行者ではなく、臨時代行者情報の示す臨時代行者を優先してその端末装置に印刷物の取得依頼通知を送信する。これにより、予め登録しておいた代行者以外の者に印刷物を取得してもらうことも可能になり、利便性が向上する。さらにその臨時代行者への取得依頼の通知も自動的に行われるため、代行者の場合と同様に取得代行を依頼する連絡を別途行うなどの必要はなくなる。
【0012】
また印刷装置は、印刷指示通知に臨時代行者情報が含まれている場合は、その臨時代行者情報の示す臨時代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識する。印刷指示通知に臨時代行者情報が含まれておらず、かつ、代行者が予め登録されている場合は、その代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識する。そして、認識した取得者から所定の出力指示を受けた場合に、印刷指示通知に基づいた印刷を実行する。これにより、ユーザの指定した正規の取得者のみが印刷物を出力できるようになり、印刷出力のセキュリティを確保することができる。
【0013】
また取得者(取得依頼通知を受けた代行者や臨時代行者)は、印刷物を取得できる自分の都合のよいときに所定の出力指示を行い、自分の都合に合わせて印刷物を取得できるようになる。さらに、所定の出力指示を行ってから印刷出力が実行されることで、印刷物の取り忘れも防止できる。
【0014】
[2]画像データを記憶する記憶部と、
画像データに基づく画像を印刷して印刷物を出力する印刷部と、
印刷物の取得を代行する代行者情報を記憶する代行者記憶部と、
端末装置と通信する通信部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記通信部を通じて端末装置から前記記憶部に記憶されている画像データに対する取得代行の印刷指示通知を受信すると、該印刷指示通知における同報送信の宛先欄に臨時代行者情報が付加されている場合は、該臨時代行者情報の示す臨時代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識し、前記印刷指示通知に前記臨時代行者情報が含まれておらず、かつ、前記代行者記憶部に代行者情報が記憶されている場合は、該代行者情報の示す代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識して該取得者の端末装置に前記通信部を通じて前記取得依頼通知を送信し、前記認識した取得者から所定の出力指示を受けた場合に、前記印刷部に前記印刷指示通知に基づいた印刷を実行させる
ことを特徴とする印刷装置。
【0015】
上記発明が[1]の発明と相違するのは、印刷指示通知に含まれている臨時代行者情報が印刷指示通知における同報送信の宛先欄に付加されている場合には、印刷装置は臨時代行者の端末装置に取得依頼通知を送信しない点である。この場合は、印刷指示通知が臨時代行者の端末装置に同報送信されるため、印刷指示通知を受信した者は送信先のユーザから印刷物の取得を依頼されたことが把握できる。そのため、その臨時代行者の端末装置への取得依頼通知の送信は省略する。これにより、通知送信の処理を簡素化できる。この他は[1]と同様の作用・効果が得られる。
【0016】
[3]前記制御部は、前記印刷指示通知に臨時代行者情報が含まれておらず、かつ、前記代行者記憶部に代行者情報が記憶されていない場合は、前記印刷指示通知の送信元の端末装置に前記通信部を通じてエラー通知を送信する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の印刷装置。
【0017】
上記発明では、印刷装置は受信した印刷指示通知に臨時代行者の指定がなく、かつ、代行者の事前登録もない場合には、印刷を指示したユーザに対して印刷物の取得を代行する取得者(代行者/臨時代行者)が不明であるなどのエラー通知を送信する。これにより、代行者が登録されていると勘違いして行われた取得代行の印刷指示などに対し、その勘違いを早期に気付かせられるようになる。そして、上記のエラー通知を受けたユーザは、臨時代行者を指定した取得代行の印刷指示を改めて行うなどの対応が取れるようになる。また、必要に応じて代行者を登録すべきことが把握できるようになる。
【0018】
[4]画像データを記憶する記憶部と、
画像データに基づく画像を印刷して印刷物を出力する印刷部と、
端末装置と通信する通信部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記通信部を通じて端末装置から前記記憶部に記憶されている画像データに対する取得代行の印刷指示通知を受信し、該印刷指示通知に印刷物の取得を代行する代行者情報が含まれている場合に、該代行者情報の示す代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識して該取得者の端末装置に前記通信部を通じて印刷物の取得依頼通知を送信し、前記認識した取得者から所定の出力指示を受けた場合に、前記印刷部に前記印刷指示通知に基づいた印刷を実行させる
ことを特徴とする印刷装置。
【0019】
上記発明が[1]の発明と相違するのは、代行者を予め登録しておく機能は削除し、代行者([1]の発明における「臨時代行者」に相当)を随時指定する機能のみにした点である。上記発明では、[1]の発明に対して代行者を予め登録しておく機能を除いた作用・効果が得られる。
【0020】
[5]画像データを記憶する記憶部と、
画像データに基づく画像を印刷して印刷物を出力する印刷部と、
端末装置と通信する通信部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記通信部を通じて端末装置から前記記憶部に記憶されている画像データに対する取得代行の印刷指示通知を受信し、該印刷指示通知における同報送信の宛先欄に印刷物の取得を代行する代行者情報が付加されている場合に、該代行者情報の示す代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識し、該認識した取得者から所定の出力指示を受けた場合に、前記印刷部に前記印刷指示通知に基づいた印刷を実行させる
ことを特徴とする印刷装置。
【0021】
上記発明が[1]の発明と相違するのは、[4]の発明と同様に、代行者を予め登録しておく機能は削除して随時指定する機能のみにした点と、[2]の発明と同様に、代行者情報([2]の発明における「臨時代行者情報」に相当)が印刷指示通知における同報送信の宛先欄に付加されている場合には、印刷装置は代行者の端末装置に取得依頼通知を送信しない点である。上記発明では、[1]の発明における代行者を予め登録しておく機能を除いた作用・効果と、[2]の発明の作用・効果とが得られる。
【0022】
[6]前記制御部は、所定の条件が成立するまでの間に、前記認識した取得者から所定の出力指示を受けない場合は、前記印刷指示通知の送信元の端末装置に前記通信部を通じてエラー通知を送信する
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0023】
上記発明では、所定の条件が成立するまでの間に、取得者から所定の出力指示を受けなければ、印刷を指示したユーザに対して印刷物の取得代行が不可であるなどのエラー通知を送信する。これにより、ユーザは他の者、すなわち、[1]および[2]においては他の臨時代行者、[4]および[5]においては他の代行者を指定した新たな取得代行の印刷指示を行うなどの対応が取れるようになる。
【0024】
[7]前記所定の出力指示は、前記取得者の端末装置から送信される出力指示通知を含み、
前記制御部は、前記印刷の実行を、前記通信部を通じて前記出力指示通知を受信した場合に行う
ことを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0025】
上記発明では、印刷装置はユーザに指定されたと認識している取得者の端末装置から出力指示通知を受信すると、ユーザから印刷指示を受けている印刷物を出力する。このような出力指示通知によって、印刷出力のセキュリティを確保するための取得者の識別と、取得者による印刷出力の指示とが可能になる。また、取得者は端末装置を通じて出力指示通知を送信するだけの簡単な操作により、印刷物の出力を指示できるようになる。
【0026】
[8]前記取得者を識別するための識別情報の入力操作と、印刷物の出力指示操作とを受け付ける操作部を備え、
前記所定の出力指示は、前記入力操作と前記出力指示操作とを含み、
前記制御部は、前記印刷の実行を、前記操作部を通して前記入力操作と前記出力指示操作と受け付け前記取得者を識別できた場合に行う
ことを特徴とする[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0027】
上記発明では、印刷装置はユーザに指定されたと認識している取得者の識別情報が入力され、出力指示操作が行われると、ユーザから印刷指示を受けている印刷物を出力する。このような識別情報の入力操作によって、印刷出力のセキュリティを確保するための取得者の識別が可能になり、出力指示操作によって印刷出力の指示が可能になる。また、取得者が印刷装置を直接操作して印刷出力を行う場合は、出力された印刷物を直ちに取得できるため、印刷物の機密性を確保できるようになる。さらに、印刷物の取り忘れ防止効果も高められる。
【0028】
[9]前記制御部は、前記認識した取得者から所定の出力指示を受けた場合に、前記印刷部に前記印刷指示通知に基づいた印刷を実行させる、に替えて、前記取得者を認識した場合に、前記印刷部に前記印刷指示通知に基づいた印刷を実行させる
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0029】
上記発明では、取得者が出力指示を行わなくても印刷物が出力されるため、取得者の負担が軽減される。
【0030】
[10]前記記憶部は、ユーザ識別情報が対応付けられてユーザ毎に設けられたユーザ記憶部を含み、
前記制御部は、前記印刷指示通知に含まれているユーザ識別情報に対応するユーザ記憶部を対象に前記処理を行う
ことを特徴とする[1]乃至[9]のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0031】
上記発明では、ユーザは、自分用のユーザ記憶部に記憶されている画像データの印刷物の取得を代行してもらう場合には、自分のユーザ識別情報を含ませた印刷指示通知を送信する。これにより、自分のユーザ識別情報が対応付けられた自分用のユーザ記憶部内の画像データの印刷物に対する取得依頼通知が取得者に送信され、取得者に印刷物の取得を代行してもらえるようになる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の印刷装置によれば、装置内に保存されている画像データを印刷出力してその印刷物の取得を代行してもらう際の利便性を向上できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0034】
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷システム5のシステム構成例を示している。印刷システム5は、任意台数の端末11、12、13・・・と、各端末からアクセスされる任意台数の複合機(MFP;Multi Function Peripheral/Multi Function Printer)10とをLAN(Local Area Network)などのネットワーク2に接続して構成される。
【0035】
複合機10は、原稿のコピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、電子メール機能(メール送受信機能)、BOX機能などを備えた装置(印刷装置)である。プリンタ機能では、受信した電子メールに添付されているファイルなども印刷出力できるようになっている。BOX機能におけるBOXとは、ユーザ別やグループ別、テーマ別などにカテゴリ分けして設けられたファイルの格納場所である。BOX機能は、このBOX毎にファイルを保存して管理する機能である。さらにBOXにアクセス制限を掛けて、保存したファイルの機密性を確保することも可能となっている。
【0036】
端末11、12、13・・・は、複合機10に対してネットワーク2を通じてアクセスし、印刷など各種作業の依頼や操作の依頼などを行う装置(端末装置)であり、たとえば、パーソナルコンピュータ(Personal Computer;PC)に電子メールプログラムや複合機10のドライバプログラムなどを組み込んで構成される。
【0037】
また複合機10は、ユーザが端末からBOX内のファイルに対して印刷指示を行った印刷物の取得を代行してもらいたい場合に、そのユーザの端末からの取得代行の印刷指示の受け付けや、取得代行の依頼先の端末への通知などを電子メールで行う機能を備えている。
【0038】
印刷を実行したいBOXへの指示は、印刷指示を受け付ける電子メールアドレス(以下では「メールアドレス」と略称する)を予め登録しておいてそのメールアドレスからの指示のみを受け付け、登録されていないメールアドレスからの指示を受け付けないようにしたり、BOX自体が複合機10のサブアドレスとしてメールアドレスを保持し、直接そのメールアドレスに電子メールで指示を行ったりするなどの方法で実施することができる。本実施の形態では、前者の方法で行うようにしている。
【0039】
BOX内のファイルの指定は、電子メールの本文中(メッセージ欄)やサブジェクト(件名欄)に印刷を実行したいファイル名を記載して指定したり、先にBOX内のファイルの一覧リストを返信させる指示を行い、そのリスト内におけるファイルの番号などを指定したりするなどの方法で行うことができる。また、印刷物の取得を代行してもらう印刷指示であることの通知は、電子メールの本文中やサブジェクトに取得代行の印刷指示である旨(たとえば、「取得代行印刷」など)を記載したり、代行者を臨時で指定する場合にはその臨時代行者のメールアドレスを電子メールの同報送信の宛先欄(「Cc.」)や本文中に記載したりするなどの方法で行うことができる。
【0040】
図2は、複合機10の概略構成を示している。複合機10は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)21に、バス22を介してROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)24と、不揮発メモリ25と、ハードディスク装置26(図中、HDDと表記)と、操作表示部27と、ファクシミリ通信部28と、ネットワーク通信部29と、メール送受信部30と、スキャナ部31と、画像処理部32と、プリンタ部33とを接続して構成される。
【0041】
CPU21は、ROM23に格納されているプログラムに基づいて複合機10の動作を制御する。RAM24はCPU21がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリとして使用されるほか、画像データを一時的に保存するための画像メモリなどにも使用される。不揮発メモリ25は、電源がオフされても記憶が保持されるメモリであり、装置固有の情報や各種の設定情報などが記憶される。
【0042】
ハードディスク装置26は、各種の保存データなどを格納するほか、原稿のコピーや端末などの外部装置から依頼された印刷における画像データなども保存する。またハードディスク装置26には、BOX機能にて作成されたユーザBOX40などの記憶領域が割り当てられる。ユーザBOX40には、印刷指示を受け付けるメールアドレスとして、ユーザBOX40を使用するユーザのメールアドレス(ユーザ識別情報)が対応付けて登録される。さらにハードディスク装置26には、ユーザBOX40に記憶されたファイルの印刷出力において、その印刷物の取得を代行する代行者の情報(代行者情報40)がユーザBOX40に対応付けられて記憶される。代行者情報40は、たとえば、代行者のメールアドレス、氏名(ユーザ名)、ID(Identification)などの情報である。
【0043】
操作表示部27は、ユーザに各種の操作画面や案内画面を表示する表示部としての機能と、ユーザが複合機10に対して行う各種の操作を受け付ける操作部としての機能とを果たす。操作表示部16が受け付ける操作は、BOXの作成操作やBOXのアクセス認証機能に関する設定操作、代行者の登録操作、取得代行の印刷指示を受けた印刷物の出力指示操作(取得操作)、出力指示操作を行う取得者を識別するための識別情報(メールアドレス)の入力操作などである。BOXのアクセス認証機能に関する設定は、たとえば本機能の有効/無効の設定やアクセス認証用のパスワードの設定などである。ここでは、操作表示部27は液晶ディスプレイとその画面上に設けられたタッチパネルと、各種のスイッチ類とで構成される。
【0044】
ユーザが複合機10内に自分のユーザBOXを作成したり、ユーザBOXのアクセス認証機能に関する設定を行ったり、ユーザBOXに保存したファイルの印刷出力にてその印刷物の取得を代行する代行者をユーザBOXに対応付けて登録したりする場合は、この操作表示部27を通して行うことができるようになっている。また、上述したように、ユーザBOXにはBOX使用ユーザのメールアドレスが対応付けられて登録される。このBOX使用ユーザのメールアドレスの登録は、操作表示部27を通して手動で行うようにしてもよい。複合機10にユーザのメールアドレスが予め登録されていて、ユーザが複合機10でユーザ認証を行いユーザBOXを作成した場合には、ユーザBOXの作成時にその認証ユーザのメールアドレスがユーザBOXに自動的に対応付けられたりするようにしてもよい。
【0045】
また、複合機10にて行う上記の各操作は端末11、12、13・・・などから行えるようにしてもよい。たとえば、複合機10に対するBOXの作成機能、BOXのアクセス認証機能に関する設定機能、代行者の登録機能、ユーザのメールアドレスの対応付け機能などを備えた専用のプログラムを端末にインストールし、そのプログラムを通して端末が複合機10と通信し操作の依頼を行うなどにより実現することができる。
【0046】
ファクシミリ通信部28は、ファクシミリ機能を備えた外部装置と公衆回線を通じて通信する機能を果たす。ネットワーク通信部29は、端末11、12、13・・・などの外部装置とネットワーク2を通じて通信する機能を果たす。メール送受信部30は、端末11、12、13・・・などの外部装置とネットワーク2を通じて電子メールを送受信する機能を果たす。
【0047】
スキャナ部31は、原稿を光学的に読み取ってカラーの画像データを取得する機能を果たす。スキャナ部31は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、原稿からの反射光を受光して原稿を幅方向に1ライン分読み取るカラータイプのイメージセンサと、イメージセンサによるライン単位の読み取り位置を原稿の長さ方向に移動させるスキャン機構と、原稿からの反射光をイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーからなる光学経路などで構成される。画像処理部32は画像データに対して、画像補正、回転、拡大/縮小、圧縮/伸張など各種の画像処理を施す機能を果たす。
【0048】
プリンタ部33は、入力された画像データに対応する画像を用紙に印刷して出力する機能を果たす。たとえば、用紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置などを備え、電子写真プロセスによって用紙上に画像を形成するレーザープリンタなどとして構成される。
【0049】
また複合機10は、上述したように、BOX内のファイルに対する取得代行の印刷指示を電子メールで受け付け、その印刷物の取得依頼を電子メールで通知する機能を備えている。以下では、印刷指示の電子メールを「印刷指示メール」と呼び、取得依頼の電子メールを「取得依頼メール」と呼ぶ。
【0050】
取得依頼の通知(取得依頼メールの送信)においては、予め登録されている代行者に通知する機能と、臨時に指定された代行者に通知する機能とを備えている。臨時代行者への通知は、印刷指示メールに臨時代行者情報が含まれている場合に行うようになっている。臨時代行者情報は、本実施の形態では臨時代行者のメールアドレスである。さらに、取得依頼の通知後(取得依頼メールの送信後)に所定の出力指示を受けない場合は、その通知先(代行者/臨時代行者)に別途、印刷物の取得の催促を電子メールで通知する機能を備えている。以下では、この取得催促の電子メールを「取得催促メール」と呼ぶ。また、代行者と臨時代行者を総称する場合などには「取得者」と呼ぶ。
【0051】
また複合機10は、取得依頼/催促の通知先(取得者)から印刷物の出力指示を電子メールで受け付ける機能を備えている。以下では、この出力指示の電子メールを「出力指示メール」と呼ぶ。さらに、取得者から所定の出力指示を受けない場合、すなわち、出力指示メールの受信や前述した印刷物の出力指示操作などを受け付けない場合や、取得者が不明である場合には、印刷指示を行ったユーザ(印刷指示メールの送信元のユーザ)に対して電子メールでエラー(印刷不可)を通知する機能を備えている。以下では、このエラー通知の電子メールを「エラー通知メール」と呼ぶ。
【0052】
CPU21はプログラムを実行することで、ユーザBOXに保存されているファイルに対する取得代行の印刷指示メールを受信すると、以下の動作を行う制御部としての機能を果たす。
【0053】
(1)印刷指示メールに臨時代行者のメールアドレスが含まれている場合は、そのメールアドレスの示す臨時代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識してその取得者の端末に取得依頼メールを送信する。
(2)印刷指示メールに臨時代行者のメールアドレスが含まれておらず、かつ、ユーザBOXに代行者が登録されている場合は、その代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識してその取得者の端末に取得依頼メールを送信する。
(3)上記の認識した取得者から所定の出力指示を受けない場合に、取得者の端末に取得催促メールを送信する。所定の出力指示は、取得者からの出力指示メールの受信、または、操作表示部27による取得者を識別するための識別情報(メールアドレス)の入力操作および出力指示操作の受け付けである。
(4)上記の認識した取得者から所定の出力指示を受けた場合に、印刷指示メールで印刷が指示されたユーザBOX内のファイルの印刷をプリンタ部33に実行させる。
(5)所定の条件が成立するまでの間に、上記の認識した取得者から所定の出力指示を受けない場合は、印刷指示メールの送信元の端末にエラー通知メールを送信する。所定の条件は、たとえば、取得依頼メール送信後の所定時間の経過、あるいは、取得催促メール送信後の所定時間の経過などである。
(6)印刷指示メールに臨時代行者のメールアドレスが含まれておらず、かつ、ユーザBOXに代行者が登録されていない場合は、印刷指示メールの送信元の端末にエラー通知メールを送信する。
(7)受信メールの解析や上記の(1)〜(6)における送信メールの作成を行う。
【0054】
次に、複合機10の動作について説明する。
【0055】
図8は、複合機10によるメール受信時の処理の流れを示している。CPU21は、電子メールを受信すると(ステップS101)、その電子メールがユーザBOX40に保存されているファイルに対する取得代行の印刷指示メールであるか否かを解析する(ステップS102)。取得代行の印刷指示メールである場合には(ステップS102;Yes)、CPU21は、印刷を指示されたユーザBOX40内ファイルに対する印刷処理(BOX印刷処理)を行う(ステップS103)。
【0056】
取得代行の印刷指示メールでない場合には(ステップS102;No)、CPU21は、電子メールに添付されているファイルに対する印刷指示のメールであるか否かを解析する(ステップS104)。添付ファイルに対する印刷指示のメールである場合には(ステップS104;Yes)、CPU21は、印刷を指示された添付ファイルに対する印刷処理を行う(ステップS105)。添付ファイルに対する印刷指示のメールでない場合には(ステップS104;No)、CPU21は、電子メールを破棄し(ステップS106)、本処理を終了する(End)。
【0057】
図9は、複合機10による上記のBOX印刷処理の流れを示している。ここでは、BOX印刷処理について、端末から複合機10へ送信される印刷指示メールなどの詳細や、複合機10と端末の間で送受信される各メールの流れなどを交えながら説明する。
【0058】
図3は、複合機10と端末の間で送受信される各メールの流れを示している。ここでは、ユーザAが職場で使用する複合機10(図中の「MFP1」)にユーザBOX40を作成してファイルを保存しており、そのユーザBOX40に対応付けて代行者を登録している場合を例に説明する。ここでは、代行者は端末11(図中の「PC1」)を使用するユーザとしており、臨時代行者は端末12(図中の「PC2」)を使用するユーザとしている。またユーザAは、外出先(出張先)にて端末15をネットワーク2に接続し、端末15を使用して複合機10と電子メールの送受信が可能となっている。
【0059】
ユーザAは、外出先から職場の複合機10のユーザBOX40に保存されているファイルに対する印刷指示を行ってその印刷物の取得を代行してもらう場合に、取得代行の印刷指示メールを作成して複合機10に送信する(図3の矢印M1)。このとき、印刷物の取得代行を代行者以外の者に臨時で依頼する場合は、印刷指示メールに臨時代行者のメールアドレスを付加するようにする。代行者に依頼する場合は、印刷指示メールに臨時代行者のメールアドレスなどを付加しないようにする。
【0060】
図4は、代行者に印刷物の取得代行を依頼する場合の印刷指示メールの一例を示している。この印刷指示メールには、送信元欄(「From.」)に自分のメールアドレス、宛先欄(「To.」)に複合機10のメールアドレス、メッセージ欄(本文中)に印刷指示のコマンド名と印刷指示を行うユーザBOX40内のファイル名を記載する。たとえば、図4に示す印刷指示メール50のように、送信元欄に「nakajima@xxxxxxx.jp」、宛先欄に「km-MFP1@xxxxxxx.jp」などを記載し、ユーザBOX40内のpatent.tifファイルに対して印刷指示を行う場合は、メッセージ欄に「印刷:patent.tif」などを記載する。なお、印刷指示のコマンド名は、「印刷」に替えて「取得代行印刷」や「取得印刷」などとしてもよい。
【0061】
図5は、臨時代行者に印刷物の取得代行を依頼する場合の印刷指示メールの一例を示している。この場合は、上記の印刷指示メールに臨時代行者のメールアドレスを付加する。たとえば、図5(A)に示す印刷指示メール51のように、同報送信の宛先欄(「Cc.」)に「yaguchi@xxxxxxx.jp」などを記載したり、図5(B)に示す印刷指示メール52のように、メッセージ欄に「取得代行者:yaguchi@xxxxxxx.jp」などを記載したりして、臨時代行者のメールアドレスを付加する。なお、メッセージ欄に記載する場合の「取得代行者」は、「取得者」、「依頼先」、「取得依頼先」などとしてもよい。
【0062】
また、前述したように、ユーザBOX40に保存されているファイルのリストの返信指示や、返信されたリストの中のファイルに対する取得代行の印刷指示などを電子メールで行うことも可能である。図6は、それらの電子メールの一例を示している。詳細には、図6(A)はリスト返信指示メール53、図6(B)はリスト返信メール54、図6(C)はリスト番号指定印刷指示メール55の一例を示している。
【0063】
たとえば、複合機10に送信するリスト返信指示メール53には、メッセージ欄にリスト返信指示のコマンド名として「リスト返信」などを記載する。このリスト返信指示メール53に対し、複合機10から返信されたリスト返信メール54には、たとえば、メッセージ欄に返信リストのIDなどや(「返信リストxx」)、ユーザBOX40に保存されているファイルの名称と通し番号などが記載されている。このリスト返信メール54に対し、複合機10に送信するリスト番号指定印刷指示メール55には、メッセージ欄に印刷指示のコマンド名と、返信リストのIDと、印刷を指示するファイルの番号とを「印刷:2−「返信リストxx」」などのように記載する。また、このリスト番号指定印刷指示メール55においても、代行者に印刷物の取得代行を依頼する場合は、他者のメールアドレスなどを付加しないようにし、代行者以外の者に臨時で印刷物の取得代行を依頼する場合は、同報送信の宛先欄やメッセージ欄にその臨時代行者のメールアドレスを付加するようにする。
【0064】
ユーザAは、代行者に印刷物の取得代行を依頼する場合は、端末15で図4に示したような印刷指示メール50を作成し送信する。臨時の代行者に印刷物の取得代行を依頼する場合は、図5(A)、(B)に示したような印刷指示メール51、52を作成し送信する。ユーザBOX40内のファイルを確認してから代行者や臨時の代行者に印刷物の取得代行を依頼する場合などには、図6(A)に示したようなリスト返信指示メール53を作成して送信し、複合機10から返信された図6(B)に示したようなリスト返信メール54を確認し、図6(C)に示したようなリスト番号指定印刷指示メール55を作成して送信する。
【0065】
上記の印刷指示メール50、51、52やリスト番号指定印刷指示メール55を受信した複合機10では(図3の矢印M1)、CPU21がメールを解析して取得代行の印刷指示メールであると判断し、BOX印刷処理を行う。
【0066】
図9に示すように、CPU21は、受信した印刷指示メールに臨時代行者のメールアドレス(臨時代行者情報)が付加されているか否かを解析する(ステップS111)。付加されていない場合には(ステップS111;No)、CPU21は、印刷指示メールの送信元欄に記載されているメールアドレス(印刷指示を行ったユーザのメールアドレス)に対応するユーザBOXに代行者が登録されているか否かを判断する(ステップS112)。
【0067】
代行者が登録されている場合には(ステップS112;Yes)、CPU21は、代行者が印刷物の取得者に指定され印刷物の取得代行が可能であると認識し、印刷指示メールによる印刷ジョブを受理する。そして、印刷ジョブに付与したジョブ識別情報(ジョブIDなど)と、ユーザBOX内の印刷を指示されたファイルと、出力指示待ちであることを示すジョブ状態情報と、印刷物の取得者であると認識した代行者のメールアドレス、すなわち、ユーザBOXに対応付けて記憶されている代行者のメールアドレスなどを対応付けて、出力指示待ちジョブテーブルに登録する。またCPU21は、代行者の端末への取得依頼メールの送信準備を行う(ステップS113)。
【0068】
この取得依頼メールの送信準備では、たとえば、電子メールを新規に作成し、宛先欄に、ユーザBOXに対応付けて記憶されている代行者のメールアドレスを転記するなどを行う。またメッセージ欄や件名欄に、ジョブ識別情報を記載するようにしてもよい。またメッセージ欄に、取得代行を依頼するファイル名を知らせるためにファイル名を記載したり、取得代行を依頼したユーザへの電子メールによる問い合わせを可能とするためにそのユーザのメールアドレスを記載したりするようにしてもよい。またメッセージ欄に、印刷物の取得代行が依頼された旨のメッセージ(依頼文)や出力指示の方法(説明文)などを記載するようにしてもよい。そしてCPU21は、作成した取得依頼メールを送信し(ステップS114/図3の矢印M2)、送信済みの取得依頼メールのコピーを保存する。
【0069】
受信した印刷指示メールに臨時代行者のメールアドレスが付加されている場合には(ステップS111;Yes)、CPU21は、その臨時代行者が印刷物の取得者に指定され印刷物の取得代行が可能であると認識し、印刷指示メールによる印刷ジョブを受理する。そして、印刷ジョブに付与したジョブ識別情報と、ユーザBOX内の印刷を指示されたファイルと、出力指示待ちであることを示すジョブ状態情報と、印刷物の取得者であると認識した臨時代行者のメールアドレス、すなわち、印刷指示メールに付加されている臨時代行者のメールアドレスなどを対応付けて、出力指示待ちジョブテーブルに登録する。またCPU21は、臨時代行者の端末への取得依頼メールの送信準備を行う(ステップS115)。
【0070】
この取得依頼メールの送信準備では、たとえば、電子メールを新規に作成し、宛先欄に、印刷指示メールに付加されていた臨時代行者のメールアドレスを転記するなどを行う。また、代行者への取得依頼メールと同様に、メッセージ欄や件名欄にジョブ識別情報を記載したり、メッセージ欄に、取得代行を依頼するファイル名や取得代行を依頼したユーザのメールアドレス、印刷物の取得代行が依頼された旨のメッセージや出力指示の方法などを記載したりするようにしてもよい。そしてCPU21は、作成した取得依頼メールを送信し(ステップS114/図3の矢印M4)、送信済みの取得依頼メールのコピーを保存する。
【0071】
取得依頼メールの受信者は、取得依頼メールに対する返信の操作を行うことで出力指示メールを作成することができる。この返信操作で作成した出力指示メールには、宛先欄に、取得依頼メールの送信元である複合機10(MFP1)のメールアドレスが記載される。また、取得依頼メールにジョブ識別情報が付加されている場合には、そのジョブ識別情報も転記される。
【0072】
複合機10では、取得依頼メールの受信者の端末から、取得依頼メールに対する出力指示メールの返信を受け付けた場合には(ステップS116;Yes/図3の矢印M3または矢印M5)、CPU21は、出力指示メールを解析し、出力指示メールに対応する印刷ジョブを出力指示待ちジョブテーブル内で検索して特定する。印刷ジョブの特定は、出力指示メールの送信元欄に記載されている該メールの送信者(取得依頼メールの受信者/印刷物の取得者)のメールアドレス、取得依頼メールにジョブ識別情報を付加した場合には出力指示メールに転記されてくるそのジョブ識別情報などにより行う。
【0073】
そしてCPU21は、特定した印刷ジョブ、すなわち、ユーザAからの印刷指示メールで印刷を指示されたユーザBOX40内のファイルの印刷をプリンタ部33に実行させ(ステップS118)、出力指示待ちジョブテーブルから該当の印刷ジョブを削除し、本処理を終了する(End)。またCPU21は、たとえば取得依頼メールの送信後、所定時間が経過するまでの間に出力指示メールを受信した場合に印刷を実行する。
【0074】
また、取得依頼メールの受信者(印刷物の取得者)により操作表示部27で本人のメールアドレスの入力と出力指示の操作を受け付けた場合には(ステップS117;Yes)、CPU21は、入力されたメールアドレスに対応する印刷ジョブ、すなわち、ユーザAからの印刷指示メールで印刷を指示されたユーザBOX40内のファイルの印刷をプリンタ部33に実行させ(ステップS118)、出力指示待ちジョブテーブルから該当の印刷ジョブを削除し、本処理を終了する(End)。またCPU21は、たとえば取得依頼メールの送信後、所定時間が経過するまでの間に上記の各操作を受け付けた場合に印刷を実行する。
【0075】
図7は、操作表示部27で上記の各操作を受け付ける画面の一例を示している。図7(A)に示す操作画面60には、「印刷物の取得操作ができます」などのメッセージや取得ボタン61が表示される。取得ボタン61が押下されると、CPU21は、操作表示部27の表示を図7(B)に示す入力画面70に切り替える。
【0076】
入力画面70には、「メールアドレスを入力してください」などのメッセージと、OKボタン71や中止ボタン72が表示される。取得依頼メールを代行者に送信していた場合には、CPU21は、代行者のメールアドレスが入力されOKボタン71が押下された場合に、代行者を認証し出力指示を受け付けて印刷を実行する。取得依頼メールを臨時代行者に送信していた場合には、CPU21は、臨時代行者のメールアドレスが入力されOKボタン71が押下された場合に、臨時代行者を認証し出力指示を受け付けて印刷を実行する。入力されたメールアドレスが異なる場合には、CPU21は、操作表示部27にエラーメッセージを表示したり、メールアドレスの再入力を受け付けたりするなどの動作を行う。中止ボタン72が押下された場合には、CPU21は、操作表示部27の表示を図7(A)に示す操作画面60に戻すなどの動作を行う。
【0077】
また、一人の取得者(代行者/臨時代行者)に対して出力指示待ちの印刷ジョブが複数存在する場合には、上記のメールアドレスの入力と出力指示を一度行うことで、その出力指示待ちの全ての印刷ジョブが実行されるようにしてもよい。また、出力指示待ちの印刷ジョブを操作表示部27に一覧表示したり、一覧表示した中から選択して実行開始したりするようにしてもよい。
【0078】
また、出力指示メールの返信や出力指示の操作を受け付けない場合には、CPU21は、取得依頼メールの送信先に取得催促メールを送信済みであるか否かを判断する(ステップS119)。送信していない場合には(ステップS119;No)、CPU21は、取得依頼メール送信先への取得催促メールの送信準備を行う(ステップS120)。
【0079】
取得催促メールの送信準備では、たとえば、電子メールを新規に作成し、宛先欄に、取得依頼メールの宛先欄に記載したメールアドレスと同じメールアドレス(代行者または臨時代行者のメールアドレス)を転記するなどを行う。また、メッセージ欄に印刷物の取得を催促する旨のメッセージなどを記載するようにしてもよい。さらに、取得依頼メールにジョブ識別情報、取得代行を依頼するファイル名、取得代行を依頼したユーザのメールアドレス、出力指示の方法などを記載していた場合には、取得催促メールに再度記載するようにしてもよい。そしてCPU21は、作成した取得催促メールを送信し(ステップS114/図3の矢印M2または矢印M4)、送信済みの取得催促メールのコピーを保存する。また、取得催促メールが送信済みであることを示す送信済み情報を、出力指示待ちジョブテーブルに登録されている該当の印刷ジョブに対応付けて記憶する。
【0080】
取得催促メールの受信者は、取得依頼メールに対する返信の場合と同様に、取得催促メールに対する返信の操作を行うことで出力指示メールを作成することができる。この出力指示メールには、宛先欄に、取得依頼メールの送信元である複合機10(MFP1)のメールアドレスが記載され、取得催促メールにジョブ識別情報が付加されている場合には、そのジョブ識別情報も転記される。
【0081】
複合機10では、取得催促メールの受信者の端末から、取得催促メールに対する出力指示メールの返信を受け付けた場合には(ステップS116;Yes/図3の矢印M3または矢印M5)、CPU21は、取得依頼メールに対する出力指示メールの場合と同様に、取得催促メールに対する出力指示メールを解析して、対応する印刷ジョブを出力指示待ちジョブテーブル内で検索・特定し、実行する(ステップS118)。そして、出力指示待ちジョブテーブルから該当の印刷ジョブを削除し、本処理を終了する(End)。またCPU21は、たとえば取得催促メールの送信後、所定時間が経過するまでの間に出力指示メールを受信した場合に印刷ジョブを実行する。
【0082】
また、取得催促メールの受信者(印刷物の取得者)により操作表示部27で本人のメールアドレスの入力と出力指示の操作を受け付けた場合には(ステップS117;Yes)、CPU21は、取得依頼メールに対する出力指示操作の場合と同様に、入力されたメールアドレスに対応する印刷ジョブを出力指示待ちジョブテーブル内で検索・特定し、実行する(ステップS118)。そして、出力指示待ちジョブテーブルから該当の印刷ジョブを削除し、本処理を終了する(End)。またCPU21は、たとえば取得催促メールの送信後、所定時間が経過するまでの間に上記の各操作を受け付けた場合に印刷ジョブを実行する。
【0083】
また、取得催促メールに対する出力指示メールの返信や出力指示の操作を受け付けない場合には、CPU21は、取得催促メールを送信済みであることから(ステップS119;Yes)、印刷指示メールの送信元、すなわち、ユーザAの端末15へのエラー通知メールの送信準備を行う(ステップS122)。
【0084】
このエラー通知メールの送信準備では、たとえば、電子メールを新規に作成し、宛先欄に、印刷指示メールの送信元欄に記載されていたユーザAのメールアドレスを転記するなどを行う。また、メッセージ欄に印刷指示を受けたファイルの印刷物の取得代行が不可である、あるいは、印刷物の取得代行を依頼したが出力指示を受け付けなかった旨のメッセージなどを記載するようにしてもよい。そしてCPU21は、作成したエラー通知メールを送信し(ステップS122/図3の矢印M6)、出力指示待ちジョブテーブルから該当の印刷ジョブを削除して、本処理を終了する(End)。
【0085】
またCPU21は、受信した印刷指示メールに臨時代行者のメールアドレスが付加されておらず(ステップS111;No)、印刷を指示されたファイルが保存されているユーザBOXに代行者が登録されていない場合には(ステップS112;No)、印刷指示メールによる印刷ジョブを不受理とし、印刷指示メールの送信元(ユーザAの端末15)へのエラー通知メールの送信準備を行う(ステップS122)。
【0086】
このエラー通知メールの送信準備では、たとえば、電子メールを新規に作成し、宛先欄に、印刷指示メールの送信元欄に記載されていたユーザAのメールアドレスを転記するなどを行う。また、メッセージ欄に印刷指示を受けたファイルの印刷物の取得者が不明で取得代行の依頼が不可である、あるいは、印刷出力が不可である、あるいは、臨時代行者の指定を促す旨のメッセージなどを記載するようにしてもよい。そしてCPU21は、作成したエラー通知メールを送信し(ステップS122/図3の矢印M6)、本処理を終了する(End)。
【0087】
このように、本実施の形態に係る複合機10では、ユーザの端末からユーザBOX内のファイルに対する取得代行の印刷指示メールを受信すると、予め登録されている代行者の端末に印刷物の取得依頼メールが自動的に送信される。これにより、ユーザは取得代行を依頼する連絡を別途行うなどの手間が掛からなくなる。また、ユーザが上記の印刷指示メールに臨時代行者のメールアドレスを付加して送信した場合には、上記の代行者ではなく、臨時代行者が優先されてその端末に印刷物の取得依頼メールが自動的に送信される。これにより、予め登録しておいた代行者以外の者に印刷物を取得してもらうことも可能になる。たとえば、既登録の代行者が不在の場合や、代行者以外の者に印刷物を渡したい場合などに対応できるようになり、利便性が向上する。さらに臨時代行者への取得依頼メールも自動的に送信されるため、代行者の場合と同様に取得代行を依頼する連絡を別途行うなどの必要はなくなる。
【0088】
また複合機10は、印刷物の取得者に指定されたと認識した代行者または臨時代行者から所定の出力指示を受けた場合に、印刷指示メールに基づいた印刷を実行する。これにより、ユーザの指定した正規の取得者のみが印刷物を出力できるようになり、印刷出力のセキュリティを確保することができる。また取得者は、印刷物を取得できる自分の都合のよいとき(任意のタイミング)に所定の出力指示を行い、自分の都合に合わせて印刷物を取得できるようになる。さらに、所定の出力指示を行ってから印刷出力が実行されることで、印刷物の取り忘れも防止できるようになる。
【0089】
また複合機10は、受信した印刷指示メールに臨時代行者の指定がなく、かつ、代行者の事前登録もない場合には、印刷を指示したユーザに対してエラー通知メールを送信する。これにより、代行者が登録されていると勘違いして行われた取得代行の印刷指示などに対し、その勘違いを早期に気付かせられるようになる。そして、上記のエラー通知メールを受信したユーザは、臨時代行者のメールアドレスを付加した印刷指示メールを改めて送信するなどの対応が取れるようになる。また、必要に応じて代行者を登録すべきことが把握できるようになる。
【0090】
また複合機10は、所定の条件が成立するまでの間に、取得者から所定の出力指示を受けなければ、印刷を指示したユーザに対してエラー通知メールを送信する。これにより、ユーザは他の臨時代行者を指定した新たな印刷指示メールを送信するなどの対応が取れるようになる。
【0091】
また複合機10は、所定の出力指示として、取得者の端末から出力指示メールを受信すると印刷を実行する。このような出力指示メールによって、印刷出力のセキュリティを確保するための取得者の識別と、取得者による印刷出力の指示とが可能になる。また、取得者は端末を通じて出力指示メールを送信するだけの簡単な操作により、印刷物の出力を指示できるようになる。
【0092】
また複合機10は、所定の出力指示として、取得者の識別情報であるメールアドレスが入力され、出力指示操作が行われると印刷を実行する。このような識別情報の入力操作によって、印刷出力のセキュリティを確保するための取得者の識別が可能になり、出力指示操作によって印刷出力の指示が可能になる。また、取得者が複合機10を直接操作して印刷出力を行う場合は、出力された印刷物を直ちに取得できるため、印刷物の機密性を確保できるようになる。さらに、印刷物の取り忘れ防止効果も高められる。
【0093】
また、アクセス認証機能を有効に設定してユーザBOXを使用する場合には、ユーザ以外の者がユーザBOX内のファイルにアクセスすることができないため、ユーザの外出時などに印刷物の取得代行が行われるケースが高まる。そのため、本実施の形態で説明した複合機10の機能は、特にユーザBOXのアクセス認証機能が有効に設定されている場合に好適である。また、自分のユーザBOXにアクセスするための認証情報を、印刷物の取得を代行してもらう者に教えなくても印刷物を取得してもらうことができる。
【0094】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0095】
たとえば、実施の形態で説明した印刷指示メールにおける同報送信の宛先欄に臨時代行者のメールアドレスが付加されていた場合は、メールサーバによって印刷指示メールが臨時代行者の端末に同報送信されるため、印刷指示メールを受信した者は送信先のユーザから印刷物の取得を依頼されたことを把握することができる。そのため、複合機10はその臨時代行者の端末への取得依頼メールの送信は省略するようにしてもよい。
【0096】
また、実施の形態では複合機10が代行者を登録できる機能を備えているが、代行者の登録機能は削除し、代行者を随時指定する機能(実施の形態における臨時代行者を指定する機能)のみとしてもよい。
【0097】
また、複合機10が端末に送信する取得催促メールは、所定の条件が成立するまでの間、定期的に送信するようにしてもよい。
【0098】
また、取得代行の印刷指示メールに複数の臨時代行者情報と優先順位を記載することで、その印刷指示メールを受信した複合機10が複数の臨時代行者に対し優先順位に従って取得依頼メールを順次送信するようにしてもよい。
【0099】
たとえば、印刷指示メールに複数の臨時代行者のメールアドレスと連絡順などを記載して送信した場合には、複合機10は、受信した印刷指示メールに記載されている連絡順が1番目の臨時代行者に取得依頼メールを送信する。1番目の臨時代行者から所定の出力指示を受けない場合は、連絡順が2番目の臨時代行者に取得依頼メールを送信し、2番目の臨時代行者から所定の出力指示を受けない場合は、連絡順が3番目の臨時代行者に取得依頼メールを送信する、というように、印刷指示メールに記載されている複数の臨時代行者に取得依頼メールを連絡順に送信するようにしてもよい。そして、いずれかの臨時代行者から所定の出力指示を受けた場合に印刷を実行し、その臨時代行者よりも下位の臨時代行者に対する取得依頼メールの送信は行わないようにする。また、連絡順が最下位の臨時代行者にまで取得依頼メールを送信し、その臨時代行者から所定の出力指示を受けない場合は、印刷指示メールの送信元のユーザに対してエラー通知メールを送信するようにしてもよい。
【0100】
この場合は、印刷物を複数のうちのいずれかの者に取得してもらいたいような場合に、1回の印刷指示で済むようになり、利便性が更に向上する。
【0101】
また、実施の形態では所定の出力指示として、出力指示メールの返信および出力指示操作のいずれか一方が行われた場合に印刷を実行するようにしているが、両方が行われた場合に印刷を実行するようにしてもよい。
【0102】
たとえば、取得依頼メールの受信者である取得者は、実施の形態で説明した出力指示メールに替えて、取得依頼メールに対する確認の返信メールを送信するようにする。複合機10は、取得依頼メールに対する返信メールを受信して取得者による印刷物の取得が行われることを確認し、その後、取得者から出力指示の操作を受け付けたときに印刷を実行するなどしてもよい。
【0103】
また、実施の形態では複合機10が所定の出力指示を受けてから印刷を実行するようにしているが、これに替えて、取得代行の印刷指示を受けて取得者を認識できた場合に印刷を実行するようにしてもよい。
【0104】
具体的には、図9に示したBOX印刷処理において、複合機10が受信した印刷指示メールに臨時代行者のメールアドレスが付加されている場合と(ステップS111;Yes)、付加されていないがユーザBOXに代行者が登録されている場合は(ステップS111;No→ステップS112;Yes)、取得者が認識できるため、印刷を実行するようにしてもよい。たとえば、取得依頼メールの送信準備(ステップS112/ステップS115)の後に印刷を実行し(ステップS118)、その後に取得依頼メールを送信する(ステップS114)ようにしてもよい。
【0105】
また、取得依頼メールの受信者である取得者は、実施の形態で説明した出力指示メールに替えて、取得依頼メールに対する確認の返信メールを送信するようにする。取得者が複合機10の操作表示部27で行う識別情報(メールアドレス)の入力と出力指示の操作とは、取得完了の操作に置き換える。ステップS115では、送信した取得依頼メールに対する確認の返信メールを受信した場合は(ステップS115;Yes)、本処理を終了するようにする。ステップS116では、取得者による取得完了の操作を受け付けた場合は(ステップS115;Yes)、本処理を終了するようにする。そして、返信メールの受信または取得完了の操作を受け付けない場合には、ステップS119→ステップS120→ステップS114にて取得催促メール(取得要求メール)を送信するなどしてもよい。
【0106】
また複合機10は、取得者から受信した出力指示メールや上記の返信メールを、印刷指示メールの送信元のユーザに転送して、印刷物の取得代行が実際に行われることをユーザに通知するようにしてもよい。また、印刷出力を行ったときにその旨をユーザに電子メールで通知したり、印刷指示メールに印刷出力が完了した旨のメッセージを追記して返信したりするなどにより、同様の通知を行うようにしてもよい。
【0107】
また、実施の形態では複合機10と端末の間で電子メールを使用して通知を行うようにしているが、電子メール以外の通知手段を用いて通知を行うようにしてもよい。
【0108】
また、本発明は実施の形態で説明した複合機に限らず、プリンタやプリンタ機能を備えた複写機など印刷装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷システムのシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る印刷装置としての複合機の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る複合機と端末の間で送受信される各メールの流れを示す図である。
【図4】代行者に印刷物の取得代行を依頼する場合の印刷指示メールの一例を示す図である。
【図5】臨時代行者に印刷物の取得代行を依頼する場合の印刷指示メールの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るリスト返信指示メール、リスト返信メール、リスト番号指定印刷指示メールの一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る複合機の操作表示部に表示された操作画面および入力画面を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る複合機によるメール受信時の処理を示す流れ図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る複合機によるBOX印刷処理を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0110】
2…ネットワーク
5…印刷システム
10…複合機
11…端末
12…端末
13…端末
15…端末
21…CPU
22…バス
23…ROM
24…RAM
25…不揮発メモリ
26…ハードディスク装置
27…操作表示部
28…ファクシミリ通信部
29…ネットワーク通信部
30…メール送受信部
31…スキャナ部
32…画像処理部
33…プリンタ部
40…ユーザBOX
41…代行者情報
50…印刷指示メール
51…印刷指示メール
52…印刷指示メール
53…リスト返信指示メール
54…リスト返信メール
55…リスト番号指定印刷指示メール
60…操作画面
61…取得ボタン
70…入力画面
71…OKボタン
72…中止ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを記憶する記憶部と、
画像データに基づく画像を印刷して印刷物を出力する印刷部と、
印刷物の取得を代行する代行者情報を記憶する代行者記憶部と、
端末装置と通信する通信部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記通信部を通じて端末装置から前記記憶部に記憶されている画像データに対する取得代行の印刷指示通知を受信すると、該印刷指示通知に臨時代行者情報が含まれている場合は、該臨時代行者情報の示す臨時代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識して該取得者の端末装置に前記通信部を通じて印刷物の取得依頼通知を送信し、前記印刷指示通知に前記臨時代行者情報が含まれておらず、かつ、前記代行者記憶部に代行者情報が記憶されている場合は、該代行者情報の示す代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識して該取得者の端末装置に前記通信部を通じて前記取得依頼通知を送信し、前記認識した取得者から所定の出力指示を受けた場合に、前記印刷部に前記印刷指示通知に基づいた印刷を実行させる
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
画像データを記憶する記憶部と、
画像データに基づく画像を印刷して印刷物を出力する印刷部と、
印刷物の取得を代行する代行者情報を記憶する代行者記憶部と、
端末装置と通信する通信部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記通信部を通じて端末装置から前記記憶部に記憶されている画像データに対する取得代行の印刷指示通知を受信すると、該印刷指示通知における同報送信の宛先欄に臨時代行者情報が付加されている場合は、該臨時代行者情報の示す臨時代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識し、前記印刷指示通知に前記臨時代行者情報が含まれておらず、かつ、前記代行者記憶部に代行者情報が記憶されている場合は、該代行者情報の示す代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識して該取得者の端末装置に前記通信部を通じて前記取得依頼通知を送信し、前記認識した取得者から所定の出力指示を受けた場合に、前記印刷部に前記印刷指示通知に基づいた印刷を実行させる
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記印刷指示通知に臨時代行者情報が含まれておらず、かつ、前記代行者記憶部に代行者情報が記憶されていない場合は、前記印刷指示通知の送信元の端末装置に前記通信部を通じてエラー通知を送信する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
画像データを記憶する記憶部と、
画像データに基づく画像を印刷して印刷物を出力する印刷部と、
端末装置と通信する通信部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記通信部を通じて端末装置から前記記憶部に記憶されている画像データに対する取得代行の印刷指示通知を受信し、該印刷指示通知に印刷物の取得を代行する代行者情報が含まれている場合に、該代行者情報の示す代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識して該取得者の端末装置に前記通信部を通じて印刷物の取得依頼通知を送信し、前記認識した取得者から所定の出力指示を受けた場合に、前記印刷部に前記印刷指示通知に基づいた印刷を実行させる
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
画像データを記憶する記憶部と、
画像データに基づく画像を印刷して印刷物を出力する印刷部と、
端末装置と通信する通信部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記通信部を通じて端末装置から前記記憶部に記憶されている画像データに対する取得代行の印刷指示通知を受信し、該印刷指示通知における同報送信の宛先欄に印刷物の取得を代行する代行者情報が付加されている場合は、該代行者情報の示す代行者が印刷物の取得者に指定されたと認識し、該認識した取得者から所定の出力指示を受けた場合に、前記印刷部に前記印刷指示通知に基づいた印刷を実行させる
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
前記制御部は、所定の条件が成立するまでの間に、前記認識した取得者から所定の出力指示を受けない場合は、前記印刷指示通知の送信元の端末装置に前記通信部を通じてエラー通知を送信する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項7】
前記所定の出力指示は、前記取得者の端末装置から送信される出力指示通知を含み、
前記制御部は、前記印刷の実行を、前記通信部を通じて前記出力指示通知を受信した場合に行う
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項8】
前記取得者を識別するための識別情報の入力操作と、印刷物の出力指示操作とを受け付ける操作部を備え、
前記所定の出力指示は、前記入力操作と前記出力指示操作とを含み、
前記制御部は、前記印刷の実行を、前記操作部を通して前記入力操作と前記出力指示操作と受け付け前記取得者を識別できた場合に行う
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記認識した取得者から所定の出力指示を受けた場合に、前記印刷部に前記印刷指示通知に基づいた印刷を実行させる、に替えて、前記取得者を認識した場合に、前記印刷部に前記印刷指示通知に基づいた印刷を実行させる
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項10】
前記記憶部は、ユーザ識別情報が対応付けられてユーザ毎に設けられたユーザ記憶部を含み、
前記制御部は、前記印刷指示通知に含まれているユーザ識別情報に対応するユーザ記憶部を対象に前記処理を行う
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1つに記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−277188(P2009−277188A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130696(P2008−130696)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】