説明

卵巣癌の同定、評価、予防および治療のための核酸分子およびタンパク質

本発明は、卵巣癌に関連する新たに発見された核酸分子およびタンパク質に関する。ヒト卵巣癌の検出、特徴づけ、防止、および処置のための組成物、キット、および方法が提供される。本発明は、表1に列挙された癌マーカーに関する。本発明は、上記マーカーにコードされた、または上記マーカーに対応する核酸およびタンパク質を提供する。本発明はさらに、このようなタンパク質および/またはタンパク質の断片に特異的に結合する抗体、抗体誘導体、および抗体断片を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者が卵巣癌を有するかどうかを評価する方法であって、該方法が以下の工程:
a)患者サンプルにおけるマーカーの発現レベルを決定する工程であって、ここで該マーカーが表1に列挙されるマーカーからなる群より選択される、工程;
b)卵巣癌も卵巣腫瘍も有さないコントロール被験体由来のサンプルにおける該マーカーの発現レベルを決定する工程;および
c)該患者サンプルにおける該マーカーの発現レベルと、該コントロール被験体由来のサンプルにおける該マーカーの発現レベルとを比較する工程
を包含し、ここで該患者サンプルにおける該マーカーの発現レベルと、該コントロール被験体由来のサンプルにおける該マーカーの発現レベルとの間の有意な差が、該患者が卵巣癌を有することの指標である、方法。
【請求項2】
前記コントロール被験体由来の発現レベルが、非癌性と思われる前記患者由来の卵巣細胞から決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、ここで前記コントロール被験体由来の発現レベルが、卵巣癌を有さない被験体集団由来の発現レベルの平均値を用いて予め決められる、方法。
【請求項4】
前記マーカーが分泌タンパク質に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、ここで前記マーカーが転写されたポリヌクレオチドまたはその一部に対応し、ここで該ポリヌクレオチドが該マーカーを含む、方法。
【請求項6】
前記サンプルが、前記患者から得られた細胞を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記細胞が、血液、リンパ液、腹水、婦人科学的液体、嚢胞性液体、尿、および腹膜のリンスにより収集される液体からなる群より選択される液体中にある、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記サンプルにおける前記マーカーの発現レベルが、該マーカーに対応するタンパク質の該サンプルにおける存在を検出する工程により評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記タンパク質の存在が、該タンパク質に特異的に結合する試薬を用いて検出される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記試薬が、抗体、抗体誘導体、および抗体断片からなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、ここで前記サンプルにおける前記マーカーの発現レベルが、転写されたポリヌクレオチドまたはその一部の該サンプルにおける存在を検出する工程により評価され、ここで該転写されたポリヌクレオチドが該マーカーを含む、方法。
【請求項12】
前記転写されたポリヌクレオチドが、mRNAまたはcDNAである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記検出する工程が、前記転写されたポリヌクレオチドを増幅する工程をさらに包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、ここで前記サンプルにおける前記マーカーの発現レベルが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下において前記マーカーとアニールするかまたはポリヌクレオチドの一部とアニールする、転写されたポリヌクレオチドの該サンプルにおける存在を検出する工程により評価され、ここで該ポリヌクレオチドは該マーカーを含む、方法。
【請求項15】
前記サンプルにおける前記マーカーの発現レベルが、卵巣癌を有さない患者における該マーカーの正常な発現レベルと、少なくとも約2の因子が異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記サンプルにおける前記マーカーの発現レベルが、卵巣癌を有さない患者における該マーカーの正常な発現レベルと、少なくとも約5の因子が異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
患者が卵巣癌を有するかどうかを評価する方法であって、該方法は、以下の工程:
a)表1に列挙されるマーカーから独立して選択される複数のマーカーのそれぞれの、サンプルにおける発現レベルを決定する工程;
b)卵巣癌を有さないコントロール被験体由来のサンプルにおける、該複数のマーカーのそれぞれの発現レベルを決定する工程;
c)該患者のサンプルにおける該マーカーの発現レベルと、該コントロール被験体由来のサンプルにおける該マーカーの発現レベルとを比較する工程;
を包含し、ここで、該マーカーの対応するコントロール発現レベルと比較して、該マーカーの1より多い発現レベルが有意に変化されることが、該患者が卵巣癌を有することの指標である、方法。
【請求項18】
前記コントロール被験体由来の発現レベルが、非癌性と思われる前記患者由来の卵巣細胞から決定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、ここで前記コントロール被験体由来の発現レベルが、卵巣癌を有さない被験体集団由来の発現レベルの平均値を用いて予め決められる、方法。
【請求項20】
前記複数が、前記マーカーのうちの少なくとも3つを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記複数が、前記マーカーのうちの少なくとも5つを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
転移したかまたは転移しそうな卵巣癌を患者が有するかどうかを決定するための方法であって、該方法は、以下:
a)該患者由来のサンプルにおける、表1に列挙されるマーカーの発現レベルと、
b)転移しない卵巣癌を有するか、または卵巣癌を有さないコントロール被験体由来のサンプルにおける、該マーカーの発現レベル、
とを比較する工程を包含し、
c)ここで、該コントロール被験体由来のサンプルにおけるレベルと比較して、該患者サンプルにおける有意により高い発現レベルが、該卵巣癌が転移したかまたは転移しそうであることの指標である、方法。
【請求項23】
試験化合物の、患者における卵巣癌の阻害に関する効力を評価する方法であって、該方法は、以下:
a)該患者から得られ、そして該試験化合物に曝露された第一のサンプルにおけるマーカーの発現であって、ここで該マーカーは表1に列挙されるマーカーからなる群より選択される、発現と、
b)該患者から得られた第二のサンプルにおける該マーカーの発現であって、ここで該サンプルは該試験化合物に曝露されない、発現
とを比較する工程を包含し、
c)ここで、該第二のサンプルと比較して、該第一のサンプルにおける該マーカーの有意により低い発現レベルが、該患者における卵巣癌の阻害に、該試験化合物が効果的であることの指標である、方法。
【請求項24】
前記第一のサンプルおよび第二のサンプルが、前記患者から得られた単一のサンプルの一部である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第一のサンプルおよび第二のサンプルが、前記患者から得られたプールされたサンプルの一部である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
患者における卵巣癌の阻害のための治療の効力を評価する方法であって、該方法は、以下:
a)該患者に該治療の少なくとも一部を施す前の、該患者から得られた第一のサンプルにおけるマーカーの発現であって、ここで該マーカーは、表1に列挙されるマーカーからなる群より選択される、発現と、
b)該治療の該一部を施した後に該患者から得られた第二のサンプルにおける該マーカーの発現
とを比較する工程を包含し、
c)ここで、該第一のサンプルと比較して、該第二のサンプルにおける該マーカーの有意に低い発現レベルが、該患者における卵巣癌の阻害に、該治療が効果的であることの指標である、方法。
【請求項27】
患者における卵巣癌を阻害するための組成物を選択する方法であって、該方法は、以下:
a)該患者から癌細胞を含むサンプルを得る工程;
b)複数の試験組成物の存在下において、該サンプルのアリコートを別々に曝露する工程;
c)該アリコートのそれぞれにおけるマーカーの発現を比較する工程であって、ここで該マーカーは、表1に列挙されるマーカーからなる群より選択される、工程;および
d)他の試験組成物と比較して、その試験組成物を含むアリコートにおいて該マーカーのより低いレベルの発現を誘導する少なくとも1つの試験組成物を選択する工程
を包含する、方法。
【請求項28】
患者における卵巣癌を阻害する方法であって、該方法は、以下:
a)該患者から癌細胞を含むサンプルを得る工程;
b)複数の試験組成物の存在下において、該サンプルのアリコートを別々に維持する工程;
c)該アリコートのそれぞれにおけるマーカーの発現を比較する工程であって、ここで該マーカーは、表1に列挙されるマーカーからなる群より選択される工程;および
d)他の試験組成物と比較して、その試験組成物を含むアリコートにおいて該マーカーのより低いレベルの発現を誘導する少なくとも1つの試験組成物を該患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項29】
試験組成物の卵巣癌細胞の発癌可能性を評価するための方法であって、該方法は、以下;
a)該試験組成物の存在下および非存在下における、卵巣癌細胞の別々のアリコートを維持する工程;ならびに
b)該アリコートのそれぞれにおけるマーカーの発現を比較する工程であって、ここで該マーカーは、表1に列挙したマーカーからなる群より選択される、工程、
を包含し、ここで、該試験組成物の存在下において維持した該アリコートにおける該マーカーの有意に高められた発現レベルが、該試験組成物がヒト卵巣癌細胞の発癌可能性を有することの指標である、方法。
【請求項30】
患者が卵巣癌を有するかどうかを評価するためのキットであって、該キットは、表1に列挙されるマーカーからなる群より選択される複数のマーカーの発現を評価するための試薬を備える、キット。
【請求項31】
卵巣癌細胞の存在を評価するためのキットであって、該キットは複数の核酸プローブを備え、ここで該プローブは、表1に列挙されるマーカーからなる群より選択される複数のマーカーに対応する転写されたポリヌクレオチドと特異的に結合する、キット。
【請求項32】
卵巣癌細胞の存在を評価するためのキットであって、該キットは複数の抗体を備え、ここで該抗体は、表1に列挙されるマーカーからなる群より選択される複数のマーカーに対応するタンパク質に特異的に結合する、キット。
【請求項33】
複数の化合物のそれぞれの、患者における卵巣癌を阻害するための適合性を評価するためのキットであって、該キットが以下:複数の化合物、および表1に列挙されるマーカーからなる群より選択されたマーカーの発現を評価するための試薬を備える、キット。
【請求項34】
卵巣癌を発症する危険のある患者において卵巣癌を阻害する方法であって、該方法は、表1に列挙されるマーカーから選択されるマーカーに対応する遺伝子の発現を阻害する工程を包含する、方法。
【請求項35】
配列番号7、配列番号9、配列番号17、配列番号31、配列番号39または配列番号41のヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
【請求項36】
配列番号10、配列番号32、配列番号40または配列番号42のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
【請求項37】
請求項36に記載のポリペプチドに選択的に結合する抗体。

【公表番号】特表2007−507242(P2007−507242A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534357(P2006−534357)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/033166
【国際公開番号】WO2005/034732
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(500287639)ミレニアム・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド (98)
【氏名又は名称原語表記】MILLENNIUM PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】