厚膜金属電極の形成方法、及び厚膜レジストの形成方法
【課題】炭化珪素基板に形成された回路素子層上に、厚さが7μm以上で、かつ面内均一性に優れたポジ−ネガ反転型レジストが形成可能な厚膜金属電極の形成方法、及び厚膜レジストの形成方法を提供する。
【解決手段】HMDS処理された回路素子層の上面に、第1の粘性値を有した第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成し、次いで、第1のポジ−ネガ反転型レジスト上に、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト(厚膜レジスト)の合計の厚さが7μm以上となるように、第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値を有した第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する。
【解決手段】HMDS処理された回路素子層の上面に、第1の粘性値を有した第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成し、次いで、第1のポジ−ネガ反転型レジスト上に、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト(厚膜レジスト)の合計の厚さが7μm以上となるように、第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値を有した第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚膜金属電極の形成方法、及び厚膜レジストの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化珪素(SiC)は、半導体材料のうちの1つであり、他の半導体材料である珪素(Si)や砒化ガリウム(GaAs)等と比較して、バンドギャップが大きいことから、 炭化珪素基板を用いて、パワーデバイス、高周波デバイス、及び高温動作デバイス等の炭化珪素デバイスを形成する研究が行なわれている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
炭化珪素基板を備えたパワーデバイスは、炭化珪素基板と、該炭化珪素基板上に形成され、かつパワーデバイス素子を備えた回路素子層と、回路素子層上に形成され、かつパワーデバイス素子と電気的に接続されたパッド電極と、を有する。
上記電極パッドは、微細な形状とされている。そこで、従来、微細な金属パターンを形成することの可能なリフトオフ法により、電極パッドを形成することが行なわれている。
【0004】
具体的には、回路素子層上の電極パッドが形成される面を露出する開口部が形成されたレジストの上面側から、電極パッドの母材となる金属膜を蒸着し、その後、金属膜が形成されたレジストをリフトオフすることで、回路素子層上に電極パッドを形成する。
このような方法により、電極パッドを形成する場合、開口部の断面形状を逆テーパーにする必要がある。そのため、リフトオフ法に用いるレジストとしては、ポジ−ネガ反転型レジストを使用することが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−243323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、パワーデバイスを構成するパッド電極には、配線基板とパワーデバイスとを電気的に接続する際、ワイヤボンディング法により金属ワイヤが接続される。このため、パッド電極は、十分な機械的強度を有する厚さに形成する必要がある。
また、パワーデバイスを構成するパッド電極には、大電流が流されるため、パワーデバイスが発熱しやすくい。このため、パワーデバイスの熱を、電極パッドを介して、放熱する必要がある(言い換えれば、電極パッドを放熱部材として機能させる必要がある。)。
上記2つの理由により、炭化珪素基板を備えた炭化珪素デバイスでは、電極パッドの厚さを6μm以上にする必要があった。
【0007】
しかしながら、現状、市販のポジ−ネガ反転型レジストでは、一度に形成可能な厚さの限界が6μm程度であるため、この厚さとされた市販のポジ−ネガ反転型レジストを用いたリフトオフ法により形成可能な電極パッドの厚さは5μm程度であった。
そのため、従来の方法では、厚さが6μm以上の電極パッドを形成することができないという問題があった。
【0008】
また、同じ特性を有したポジ−ネガ反転型レジストを2回積層形成して、積層されたポジ−ネガ反転型レジストの厚さを7μm以上にすることが考えられるが、この場合、積層されたポジ−ネガ反転型レジストの面内バラツキ(炭化珪素基板面内における不均一性)を、所望の範囲内(例えば、3インチの炭化珪素基板の場合、エッジカット5mmで、5%以内)とすることができないという問題があった。
つまり、炭化珪素基板の面内において、厚さが6μm以上とされた電極パッドを良好な形状(エッジ部(外周縁)にバリが無い形状)に形成することができないという問題があった。
【0009】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、炭化珪素基板に形成された回路素子層上に、厚さが7μm以上で、かつ面内均一性に優れたポジ−ネガ反転型レジストが形成可能な厚膜金属電極の形成方法、及び厚膜レジストの形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
(1) 炭化珪素基板に形成された回路素子層の上面に、厚さが6μm以上の厚膜金属電極を形成する厚膜金属電極の形成方法であって、前記回路素子層の上面をHMDS処理する工程と、前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、第1の粘性値を有した第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、前記第1のポジ−ネガ反転型レジスト上に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの合計の厚さが7μm以上となるように、前記第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値を有した第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、前記回路素子層の上面のうち、前記厚膜金属電極が形成される電極形成面と対向する遮光部を有した露光用マスクを介して、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを露光する工程と、前記露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをベーク処理することで、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの特性をポジからネガに反転させる工程と、前記ベーク処理後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを全面露光する工程と、前記全面露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを現像処理することにより、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストに、逆テーパー形状とされ、かつ前記電極形成面を露出する開口部を形成する工程と、前記開口部を形成後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをポストベークする工程と、前記ポストベーク後に、前記第2のポジ−ネガ反転型レジストの上面側から、蒸着法により、前記厚膜金属電極の母材となり、かつ厚さが6μm以上とされた金属膜を成膜する工程と、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをリフトオフする工程と、を含むことを特徴とする厚膜金属電極の形成方法。
(2) 前記第1の粘性値は、30cp以下であり、前記第2の粘性値は、80cp以上であることを特徴とする前項(1)記載の厚膜金属電極の形成方法。
(3) 前記厚膜金属電極は、ワイヤボンディング法により、金属ワイヤが接続される外部接続用の電極であることを特徴とする前項(1)または(2)記載の厚膜金属電極の形成方法。
(4) 前記回路素子層には、パワーデバイス素子が形成されており、前記パワーデバイス素子は、前記厚膜金属電極と電気的に接続されていることを特徴とする前項(1)ないし(3)のうち、いずれか1項記載の厚膜金属電極の形成方法。
(5) 前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、プリベークにより、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、を含むことを特徴とする前項(1)ないし(4)のうち、いずれか1項記載の厚膜金属電極の形成方法。
(6) 前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを5μm以下に形成することを特徴とする前項(5)記載の厚膜金属電極の形成方法。
(7) 前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの上面に、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、プリベークにより、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、を含むことを特徴とする前項(1)ないし(6)のうち、いずれか1項記載の厚膜金属電極の形成方法。
(8)前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第2のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを3μm以上に形成することを特徴とする前項(7)記載の厚膜金属電極の形成方法。
(9)炭化珪素基板に形成された回路素子層の上面に、厚さが7μm以上の厚膜レジストを形成する厚膜レジストの形成方法であって、前記回路素子層の上面をHMDS処理する工程と、前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、第1の粘性値を有した第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、前記第1のポジ−ネガ反転型レジスト上に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの合計の厚さが7μm以上となるように、前記第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値を有した第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、を含むことを特徴とする厚膜レジストの形成方法。
(10)前記第1の粘性値は、30cp以下であり、前記第2の粘性値は、80cp以上であることを特徴とする前項(9)記載の厚膜レジストの形成方法。
(11)遮光部を有した露光用マスクを介して、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを露光する工程と、前記露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをベーク処理することで、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの特性をポジからネガに反転させる工程と、前記ベーク処理後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを全面露光する工程と、前記全面露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを現像処理する工程と、を含むことを特徴とする前項(9)または(10)記載の厚膜レジストの形成方法。
(12)前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、プリベークにより、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、を含むことを特徴とする前項(9)ないし(11)のうち、いずれか1項記載の厚膜レジストの形成方法。
(13)前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを5μm以下に形成することを特徴とする前項(12)記載の厚膜レジストの形成方法。
(14)前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの上面に、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、プリベークにより、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、を含むことを特徴とする前項(9)ないし(13)のうち、いずれか1項記載の厚膜レジストの形成方法。
(15)前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第2のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを3μm以上に形成することを特徴とする前項(14)記載の厚膜レジストの形成方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一観点によれば、HMDS処理された回路素子層の上面に、第1の粘性値を有した第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成することにより、均一な厚さとされ、かつある程度の厚さ(例えば、5μm以下)とされた第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成することが可能となる。
【0012】
また、第1のポジ−ネガ反転型レジスト上に、第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値を有した第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成することで、第1のポジ−ネガ反転型レジスト上に、均一な厚さとされ、かつある程度の厚さ(例えば、3μm以上)とされた第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成することが可能となる。
これにより、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストよりなり、かつ厚さが7μm以上とされたポジ−ネガ反転型レジスト(厚膜レジスト)の面内バラツキ(不均一性)を、所望の範囲内(炭化珪素基板の直径が3インチ、エッジカットが5mmの場合、例えば、5%以内)にすることができる。
【0013】
また、回路素子層の上面のうち、厚膜金属電極が形成される電極形成面と対向する遮光部を有した露光用マスクを介して、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを露光し、次いで、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをベーク処理することで、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの特性をポジからネガに反転させ、次いで、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを全面露光し、その後、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを現像処理することで、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト(厚膜レジスト)に、電極形成面を露出し、かつ良好な逆テーパー形状とされた開口部を形成することが可能となる。
【0014】
さらに、開口部を形成後に、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをポストベークし、次いで、第2のポジ−ネガ反転型レジストの上面側から、蒸着法により、厚膜金属電極の母材となり、かつ厚さが6μm以上とされた金属膜を成膜し、その後、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト(厚膜レジスト)をリフトオフすることで、炭化珪素基板の面内に、厚さが6μm以上とされ、かつ良好な形状(エッジ部にバリがない形状)とされた厚膜金属電極を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その1)である。
【図2】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その2)である。
【図3】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その3)である。
【図4】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その4)である。
【図5】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その5)である。
【図6】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その6)である。
【図7】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その7)である。
【図8】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その8)である。
【図9】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その9)である。
【図10】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その10)である。
【図11】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その11)である。
【図12】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その12)である。
【図13】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その13)である。
【図14】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その14)である。
【図15】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その15)である。
【図16】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その16)である。
【図17】炭化珪素基板の中央部に形成された開口部の一部を走査型電子顕微鏡により撮影した断面写真である。
【図18】炭化珪素基板の外周部に形成された開口部の一部を走査型電子顕微鏡により撮影した断面写真である。
【図19】図16に示す工程処理後の厚膜金属電極の表面を光学顕微鏡により撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の炭化珪素デバイスの寸法関係とは異なる場合がある。
【0017】
(実施の形態)
図1〜図16は、本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図である。また、図1〜図14は、本実施の形態に係る厚さが7μm以上の厚膜レジスト27(図6〜図14参照)の形成方法を説明するための図である。
【0018】
図1〜図16を参照して、図16に示す本実施の形態の厚さが6μm以上の厚膜金属電極13(パッド電極)の形成方法について説明する。
始めに、図1に示す工程では、炭化珪素基板11の表面11aに回路素子層12が形成された構造体14を準備する。炭化珪素基板11としては、例えば、直径が3インチのものを用いることが可能である。本実施の形態では、一例として、直径が3インチの炭化珪素基板11を用いた場合を例に挙げて以下の説明を行う。
【0019】
回路素子層12は、周知の手法により形成することができる。図16に示す炭化珪素デバイス10が、例えば、パワーデバイスの場合、回路素子層12には、パワーデバイス素子(図示せず)が形成されている。
回路素子層12の上面12aは、図16に示す厚膜金属電極13が形成される電極形成面12bを有する。電極形成面12bは、パワーデバイス素子(図示せず)と電気的に接続された図示していない導体(図16に示す厚膜金属電極13と接続される導体)の上面を露出している。
【0020】
次いで、図2に示す工程では、構造体14を構成する回路素子層12の上面12a(電極形成面12bを含む)に、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)液15を供給することで、HMDS処理(表面処理の1種)を行なう。
これにより、回路素子層12の上面12aを疎水性にすることができる。なお、後述する図3に示す液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1は、疎水性で、かつ第1の粘性値(小さい粘性値)を有したレジスト液である。第1の粘性値は、例えば、30cp以下にすることが好ましい。
【0021】
このように、HMDS処理により、回路素子層12の上面12aを疎水性にすることで、回路素子層12の上面12aに、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1(図3参照)を滴下させた後に行なう構造体14の回転(液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1を均一な厚さにするための回転)により、粘性値の低い第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1が構造体14の外側に流れ出ることを抑制可能となる。
これにより、後述する図3に示す工程において、回路素子層12の上面12aに、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21を均一な厚さで形成できる。
【0022】
次いで、図3に示す工程では、回転軸16の上端に接続されたステージ17上に、図2に示す構造体14を固定(例えば、吸着)し、次いで、HMDS処理された回路素子層12の上面12a側に配置されたディスペンサー18から、第1の粘性値を有し、かつ液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1を滴下供給する。
【0023】
次いで、ステージ17上に固定された構造体14を、回転軸16を介して、所定の回転数(例えば、1200rpm)で一定時間回転させることで、炭化珪素基板11の面内において、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1の厚さT1を均一にする。
このとき、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1の厚さT1は、後述する図4に示す工程で行なうプリベークにより、硬化した第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2の厚さT2が5μm以下となるように設定する。
【0024】
また、1回の液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1の滴下、及び回転により、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1の厚さを十分に確保できない場合には、図3で説明した処理を複数回行なってもよい。
【0025】
なお、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1の第1の粘性値は、小さい値であるため、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1の滴下後に行なう構造体14の回転により、構造体14の外側に流れやすい。
そのため、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1の滴下、及び回転を複数回繰り返したとしても、図4に示す第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2の厚さT2が5μmを超えるように、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2を形成することは非常に困難である。
【0026】
次いで、図4に示す工程では、ヒーター23上に、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1が形成された構造体14を載置し、その後、ヒーター23の熱により、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1をプリベークして硬化させる。
具体的には、例えば、加熱温度が100℃、加熱時間が60秒の条件で、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1をプリベーク処理する。
【0027】
これにより、厚さT2が5μm以下とされ、かつ硬化した第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2(以下、単に「第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2」という)が形成される。なお、図3及び図4に示す工程が、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2の形成工程に相当する。
【0028】
次いで、図5に示す工程では、回転軸16の上端に接続されたステージ17上に、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2が形成された構造体14を固定(例えば、吸着)し、次いで、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2の上面21−2a側に配置されたディスペンサー25から、第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値を有し、かつ液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1を滴下供給する。
液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1は、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1を滴下後に構造体14を回転させた際に、粘性値の小さい第1のポジ−ネガ反転型レジスト26−1と比較して、構造体14の外側に流れにくいレジストである。第1の粘性値が30cp以下の場合、第2の粘性値は、例えば、80cp以上にするとよい。
【0029】
次いで、ステージ17上に固定された構造体14を、回転軸16を介して、所定の回転数(例えば、2500rpm)で一定時間回転させることで、炭化珪素基板11の面内において、液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1の厚さT3を均一にする。
このとき、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1の厚さT3は、後述する図6に示す工程で行なうプリベークにより、硬化した第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の厚さT4が3μm以上となるように設定する。
【0030】
また、図5に示す工程では、後述する図6に示す第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2の厚さT2、及び硬化した第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の厚さT4の合計の厚さT5が7μm以上となるように、液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1を形成する。
【0031】
次いで、図6に示す工程では、ヒーター23上に、液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1が形成された構造体14を載置し、その後、ヒーター23の熱により、液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1をプリベークして硬化させる。
具体的には、例えば、加熱温度が100℃、加熱時間が90秒の条件で、液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1をプリベーク処理する。
【0032】
これにより、厚さT4が3μm以上とされ、かつ硬化した第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2(以下、単に「第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2」という)が形成される。なお、図5及び図6に示す工程が、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の形成工程に相当する。
また、以下の説明では、硬化した第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト21−2,26−2よりなるポジ−ネガ反転型レジストを厚膜レジスト27という。
【0033】
次いで、図7に示す工程では、露光装置(図示せず)内のステージ上に、厚膜レジスト27(硬化した第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト21−2,26−2)が形成された構造体14を載置する。
次いで、透明基板28(例えば、ガラス基板)、及び透明基板28に形成され、かつ電極形成面12bと対向する遮光部29(例えば、クロムマスク)を有した露光用マスク31を介して、厚膜レジスト27を露光する。
厚膜レジスト27の厚さT5(第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト21−2,26−2の合計の厚さ)が7.5μmの場合、図7に示す工程での露光量は、例えば、55mJ/cm2とすることができる。
【0034】
この段階では、厚膜レジスト27は、ポジ型感光性レジストの特性を有している。そのため、この段階では、光が照射された領域Aに対応する厚膜レジスト27が現像液に溶けやすくなり、光が照射されていない領域B(遮光部29と対向する領域)に対応する厚膜レジスト27が現像液に溶解されない。
【0035】
なお、図7では、遮光部31の外形と領域Bの外形とが略等しくなるように図示したが、実際には、露光装置として縮小投影型露光装置(具体的には、ステッパー)を用いて露光を行なうので、領域Bの外形は、遮光部29の外形よりも小さくなる。
【0036】
次いで、図8に示す工程では、ヒーター23上に、厚膜レジスト27が形成された構造体14を載置し、その後、ヒーター23の熱により、厚膜レジスト27をベーク処理(反転ベーク処理)することで、厚膜レジスト27の特性をポジからネガに反転させる。
具体的には、例えば、加熱温度が115℃、加熱時間が120秒の条件で、厚膜レジスト27をベーク処理する。
【0037】
これにより、ネガ型とされた厚膜レジスト27のうち、電極形成面12bの上方に位置する部分に、断面が逆テーパー形状とされ、かつ現像液に溶解しやすい領域Cが形成され、領域C以外の部分に現像液に溶解されない領域Dが形成される。
【0038】
次いで、図9に示す工程では、露光装置(図示せず)内のステージ上に、ネガ型とされた厚膜レジスト27が形成された構造体14を載置する。
次いで、遮光部が形成されていない露光用マスク33を介して、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト21−2,26−2を全面露光する。このときの露光量は、図7に示す工程での露光量の10倍程度とするとよい。
厚膜レジスト27の厚さT5が7.5μmの場合、図9に示す工程での露光量は、例えば、4000mJ/cm2とすることができる。
【0039】
次いで、図10に示す工程では、回転軸35の上端に接続されたステージ36上に、全面露光された厚膜レジスト27が形成された構造体14を固定(例えば、吸着)し、次いで、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の上面26−2a側に配置されたディスペンサー38から、現像液41を滴下供給する。これにより、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の上面26−2aに、表面張力により、現像液41が配置される。この段階では、構造体14を回転させない。
【0040】
次いで、図11に示す工程では、現像液41により、図10に示す領域Cに形成された厚膜レジスト27を溶解させることで、断面が逆テーパー形状とされ、かつ電極形成面12bを露出する開口部42を形成する。この段階では、構造体14を回転させない。
【0041】
次いで、図12に示す工程では、開口部42が形成された厚膜レジスト27を有した構造体14の上面側に、ディスペンサー43を介して、純水44を供給した状態で、所定の回転数で構造体14を回転させて、洗浄を行なう。
【0042】
次いで、図13に示す工程では、図12に示す純水44を停止させ、その後、構造体14を高速回転させることで、開口部42が形成された厚膜レジスト27を有した構造体14を乾燥させる。
【0043】
次いで、図14に示す工程では、ヒーター23上に、開口部42が形成された厚膜レジスト27を有した構造体14を載置し、その後、ヒーター23の熱により、厚膜レジスト27をポストベーク処理する。
具体的には、例えば、加熱温度が105℃、加熱時間が60秒の条件で、厚膜レジスト27をポストベーク処理する。
【0044】
次いで、図15に示す工程では、開口部42が形成された厚膜レジスト27を有した構造体14の上面側から、蒸着法により、厚膜金属電極13の母材となり、かつ厚さが6μm以上とされた金属膜45を成膜する。金属膜45としては、例えば、アルミニウム膜を用いることができる。
これにより、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の上面26−2a、及び電極形成面12bに金属膜45が成膜される。このとき、開口部42の断面形状が逆テーパー形状になっているため、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の上面26−2aに形成された金属膜45と電極形成面12bに形成された金属膜45とは、完全に分離されており、接触していない。
【0045】
次いで、図16に示す工程では、金属膜45が形成された厚膜レジスト27をリフトオフさせる。具体的には、例えば、図15に示す構造体を、有機溶剤(例えば、アセトンやイソプロピルアルコール(IPA))に浸漬させた状態で、超音波処理することで、金属膜45が形成された厚膜レジスト27をリフトオフさせる。
【0046】
これにより、炭化珪素基板11と、炭化珪素基板11上に形成された回路素子層12と、回路素子層12の電極形成面12bに形成され、金属膜45よりなり、かつ厚さT6が6μm以上とされた厚膜金属電極13(パッド電極)と、を備えた炭化珪素デバイス10が製造される。
厚膜金属電極10は、ワイヤボンディング法により、金属ワイヤ(図示せず)が接続される外部接続用のパッド電極である。また、回路素子層12には、パワーデバイス素子(図示せず)が形成されている。該パワーデバイス素子は、厚膜金属電極13と電気的に接続されている。
【0047】
なお、図16では、1つの厚膜金属電極13のみを図示したが、実際には、炭化珪素基板11の外周部から中央部に亘って複数の厚膜金属電極13が形成されている。また、図16では、炭化珪素基板11に対してかなり大きく厚膜金属電極13を図示したが、厚膜金属電極13は、実際には、かなり小さい。
【0048】
本実施の形態の厚膜金属電極の形成方法によれば、HMDS処理された回路素子層12の上面12aに、第1の粘性値を有した第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2を形成することにより、均一な厚さとされ、かつある程度の厚さ(例えば、5μm以下)とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2を形成することが可能となる。
【0049】
また、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2上に、第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値(例えば、80cp以上)を有した第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2を形成することで、均一な厚さとされ、かつある程度の厚さ(例えば、3μm以上)とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2を形成することが可能となる。
これにより、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストよりなり、かつ厚さが7μm以上とされた厚膜レジスト27の面内バラツキ(不均一性)を、所望の範囲内(炭化珪素基板11の直径が3インチ、エッジカットが5mmの場合、例えば、5%以内)にすることができる。
【0050】
また、回路素子層12の上面12aのうち、厚膜金属電極13が形成される電極形成面12bと対向する遮光部29を有した露光用マスク31を介して、厚膜レジスト27を露光し、次いで、厚膜レジスト27をベーク処理することで、厚膜レジスト27の特性をポジからネガに反転させ、次いで、厚膜レジスト27を全面露光し、その後、厚膜レジスト27を現像処理することで、厚膜レジスト27に、電極形成面12bを露出し、かつ良好な逆テーパー形状とされた開口部42を形成することが可能となる。
【0051】
さらに、開口部42を形成後に、厚膜レジスト27をポストベークし、次いで、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の上面側26−2aから、蒸着法により、厚膜金属電極13の母材となり、かつ厚さT6が6μm以上とされた金属膜45を成膜し、その後、厚膜レジスト27をリフトオフすることで、炭化珪素基板11の面内に、厚さT6が6μm以上とされ、かつ良好な形状(エッジ部にバリがない形状)とされた厚膜金属電極13を形成できる。
【0052】
また、本実施の形態の厚膜レジストの形成方法によれば、厚さが7μm以上とされ、かつ面内バラツキ(不均一性)が所望の範囲内(炭化珪素基板11の直径が3インチ、エッジカットが5mmの場合、例えば、5%以内)とされた厚膜レジスト27を形成することができる。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0054】
例えば、本実施の形態では、第1の粘性値が30cp以下の第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2を形成する場合を例に挙げて説明したが、第1の粘性値が30cp以下の第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2に替えて、第1の粘性値が50cp前後の値とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1を用いて、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2を形成してもよい。
この場合、本実施の形態の厚膜金属電極の形成方法及び厚膜レジストの形成方法と同様な効果を得ることができる。
【0055】
また、本実施の形態では、一回の第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1の滴下、及び回転により、均一な厚さとされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1を形成する場合を例に挙げて説明したが、厚膜レジスト27の厚さT5をさらに厚くしたい場合には、図5で説明した処理を複数回行なってもよい。
【0056】
さらに、本実施の形態では、一例として、直径が3インチの炭化珪素基板11を用いた場合を例に挙げて説明したが、本発明は、直径が3インチ以上の大口径化された炭化珪素基板11にも適用可能であり、本実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0057】
また、本実施の形態では、炭化珪素デバイス10の一例として、パワーデバイスを例に挙げて説明したが、本発明は、高周波デバイス、及び高温動作デバイス等にも適用可能である。
【0058】
以下、本発明の効果を、実施例を用いて具体的に説明する。なお、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0059】
(実施例)
始めに、図1に示す構造体14として、パワーデバイスを備えた回路素子層12が形成された直径が3インチの炭化珪素基板11を準備した。
次いで、図2に示す工程では、回路素子層12の上面12aをHMDS処理した。次いで、図3に示す工程では、HMDS処理された回路素子層12の上面12aに、第1の粘性値が29cpとされた液状の第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1を滴下させ、構造体14を1200rpmの速度で回転させることで、均一な厚さとされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1を形成した。
【0060】
次いで、図4に示す工程では、ヒーター23を用いた加熱(加熱温度100℃、加熱時間60秒)により、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1を硬化させることで、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2を形成した。
第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2の厚さT2は、5μmであった。
【0061】
次いで、図5に示す工程では、HMDS処理を行なうことなく、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2の上面21−2aに、第2の粘性値が85cpとされた液状の第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1を滴下させ、構造体14を2500rpmの速度で回転させることで、均一な厚さとされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1を形成した。
【0062】
次いで、図6に示す工程では、ヒーター23による加熱(加熱温度100℃、加熱時間90秒)により、液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1を硬化させることで、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2を形成した。このとき、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の厚さT4は、3μmであった。また、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト21−2,26−2よりなる厚膜レジスト27の厚さT5は、8μm(7μm以上)であった。
また、エッジカットが5mmの条件で厚膜レジスト27の面内の膜厚を測定し、厚膜レジスト27の面内バラツキ(不均一性)を測定した結果、目標値である5%よりも小さい4.8%であった。
【0063】
次いで、図7に示す工程では、縮小投影型露光装置(具体的には、ステッパー)により、露光用マスク31を介して、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト21−2,26−2を露光した。このときの露光量は、55mJ/cm2を用いた。
次いで、図8に示す工程では、ヒーター23により、厚膜レジスト27をベーク処理(加熱温度115℃、加熱時間120秒)することで、厚膜レジスト27を構成する第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト21−2,26−2の特性をポジからネガに反転させることで、図10に示す現像液41により溶解され、かつ逆テーパー形状とされた領域Cを形成した。
【0064】
次いで、図9に示す工程では、厚膜レジスト27を全面露光した。このときの露光量は、4000mJ/cm2とした。次いで、図10及び図11に示す工程では、現像液41により、領域Cに対応する部分の厚膜レジスト27を溶解して、逆テーパー形状とされた開口部42を形成した。
次いで、図12に示す工程では、純水44により、開口部42が形成された厚膜レジスト27を備えた構造体14に付着した現像液41を洗い流した。
【0065】
次いで、図13に示す工程では、図12に示す純水44を停止し、構造体14を高速で回転させることで、開口部42が形成された厚膜レジスト27を備えた構造体14を乾燥させる。
次いで、図14に示す工程では、ヒーター23により、開口部42が形成された厚膜レジスト27のポストベーク処理(加熱温度105℃、加熱時間60秒)を行なう。このとき、開口部42の上端の幅は、縦1450μm×横1450μmであった。
【0066】
次いで、図15に示す工程では、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の上面26−2a側から、蒸着法により、金属膜45として厚さT6が6μmのアルミニウム膜を成膜した。
次いで、図16に示す工程では、有機溶剤(例えば、アセトンやイソプロピルアルコール(IPA))に図15に示す構造体を浸漬させた状態で、超音波処理することで、金属膜45が形成された厚膜レジスト27をリフトオフさせることで、電極形成面12bに、厚さT6が6μmとされた厚膜金属電極13(パッド電極)を形成した。
【0067】
図17は、炭化珪素基板の中央部に形成された開口部の一部を走査型電子顕微鏡により撮影した断面写真であり、図18は、炭化珪素基板の外周部に形成された開口部の一部を走査型電子顕微鏡により撮影した断面写真である。図17及び図18は、図14に示す工程の処理が完了した厚膜レジスト27を撮影した写真である。
【0068】
図17及び図18を参照するに、炭化珪素基板11の中央部に形成された厚膜レジスト27の厚さと、炭化珪素基板11の外周部に形成された厚膜レジスト27の厚さとの間に差がほとんどないことが確認できた。
また、炭化珪素基板11の中央部に形成された開口部42の逆テーパー形状と、炭化珪素基板11の外周部に形成された開口部42の逆テーパー形状との間に、形状の差はほとんどみられなかった。つまり、炭化珪素基板11の面内における開口部42の形状ばらつきが小さいことが確認できた。
【0069】
図19は、図16に示す工程処理後の厚膜金属電極の表面を光学顕微鏡により撮影した写真である。
図19を参照するに、厚膜金属電極13のエッジ部(外周縁)にバリは確認できなかった。つまり、厚膜金属電極13が良好な形状に形成されたことが確認できた。
【0070】
上記結果から、本実施例によれば、8μmの厚さとされた厚膜レジスト27の面内バラツキ(不均一性)を4.8%(所望の範囲(5%以下)内の値)にすることができると共に、厚さが6μm以上とされ、かつ良好な形状(エッジ部にバリがない形状)とされた厚膜金属電極13を形成できることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の厚膜金属電極の形成方法、及び厚膜レジストの形成方法は、炭化珪素基板に形成された炭化珪素デバイスを構成する厚膜金属電極の形成、及びリフトオフ法によりに厚膜金属電極を形成する際に使用する厚膜レジストの形成に利用可能である。
【0072】
10…炭化珪素デバイス、11…炭化珪素基板、11a…表面、12…回路素子層、
12a…上面、12b…電極形成面、13…厚膜金属電極、14…構造体、15…HMDS液、16,35…回転軸、17,36…ステージ、18,25,38,43…ディスペンサー、21−1…液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト、21−2…第1のポジ−ネガ反転型レジスト、21−2a,26−2a…上面、23…ヒーター、26−1…液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト、26−2…第2のポジ−ネガ反転型レジスト、27…厚膜レジスト、28…透明基板、29…遮光部、31…露光用マスク、41…現像液、42…開口部、44…純水、45…金属膜、A,B,C,D…領域、T1,T2,T3,T4,T5…厚さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚膜金属電極の形成方法、及び厚膜レジストの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化珪素(SiC)は、半導体材料のうちの1つであり、他の半導体材料である珪素(Si)や砒化ガリウム(GaAs)等と比較して、バンドギャップが大きいことから、 炭化珪素基板を用いて、パワーデバイス、高周波デバイス、及び高温動作デバイス等の炭化珪素デバイスを形成する研究が行なわれている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
炭化珪素基板を備えたパワーデバイスは、炭化珪素基板と、該炭化珪素基板上に形成され、かつパワーデバイス素子を備えた回路素子層と、回路素子層上に形成され、かつパワーデバイス素子と電気的に接続されたパッド電極と、を有する。
上記電極パッドは、微細な形状とされている。そこで、従来、微細な金属パターンを形成することの可能なリフトオフ法により、電極パッドを形成することが行なわれている。
【0004】
具体的には、回路素子層上の電極パッドが形成される面を露出する開口部が形成されたレジストの上面側から、電極パッドの母材となる金属膜を蒸着し、その後、金属膜が形成されたレジストをリフトオフすることで、回路素子層上に電極パッドを形成する。
このような方法により、電極パッドを形成する場合、開口部の断面形状を逆テーパーにする必要がある。そのため、リフトオフ法に用いるレジストとしては、ポジ−ネガ反転型レジストを使用することが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−243323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、パワーデバイスを構成するパッド電極には、配線基板とパワーデバイスとを電気的に接続する際、ワイヤボンディング法により金属ワイヤが接続される。このため、パッド電極は、十分な機械的強度を有する厚さに形成する必要がある。
また、パワーデバイスを構成するパッド電極には、大電流が流されるため、パワーデバイスが発熱しやすくい。このため、パワーデバイスの熱を、電極パッドを介して、放熱する必要がある(言い換えれば、電極パッドを放熱部材として機能させる必要がある。)。
上記2つの理由により、炭化珪素基板を備えた炭化珪素デバイスでは、電極パッドの厚さを6μm以上にする必要があった。
【0007】
しかしながら、現状、市販のポジ−ネガ反転型レジストでは、一度に形成可能な厚さの限界が6μm程度であるため、この厚さとされた市販のポジ−ネガ反転型レジストを用いたリフトオフ法により形成可能な電極パッドの厚さは5μm程度であった。
そのため、従来の方法では、厚さが6μm以上の電極パッドを形成することができないという問題があった。
【0008】
また、同じ特性を有したポジ−ネガ反転型レジストを2回積層形成して、積層されたポジ−ネガ反転型レジストの厚さを7μm以上にすることが考えられるが、この場合、積層されたポジ−ネガ反転型レジストの面内バラツキ(炭化珪素基板面内における不均一性)を、所望の範囲内(例えば、3インチの炭化珪素基板の場合、エッジカット5mmで、5%以内)とすることができないという問題があった。
つまり、炭化珪素基板の面内において、厚さが6μm以上とされた電極パッドを良好な形状(エッジ部(外周縁)にバリが無い形状)に形成することができないという問題があった。
【0009】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、炭化珪素基板に形成された回路素子層上に、厚さが7μm以上で、かつ面内均一性に優れたポジ−ネガ反転型レジストが形成可能な厚膜金属電極の形成方法、及び厚膜レジストの形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
(1) 炭化珪素基板に形成された回路素子層の上面に、厚さが6μm以上の厚膜金属電極を形成する厚膜金属電極の形成方法であって、前記回路素子層の上面をHMDS処理する工程と、前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、第1の粘性値を有した第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、前記第1のポジ−ネガ反転型レジスト上に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの合計の厚さが7μm以上となるように、前記第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値を有した第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、前記回路素子層の上面のうち、前記厚膜金属電極が形成される電極形成面と対向する遮光部を有した露光用マスクを介して、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを露光する工程と、前記露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをベーク処理することで、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの特性をポジからネガに反転させる工程と、前記ベーク処理後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを全面露光する工程と、前記全面露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを現像処理することにより、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストに、逆テーパー形状とされ、かつ前記電極形成面を露出する開口部を形成する工程と、前記開口部を形成後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをポストベークする工程と、前記ポストベーク後に、前記第2のポジ−ネガ反転型レジストの上面側から、蒸着法により、前記厚膜金属電極の母材となり、かつ厚さが6μm以上とされた金属膜を成膜する工程と、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをリフトオフする工程と、を含むことを特徴とする厚膜金属電極の形成方法。
(2) 前記第1の粘性値は、30cp以下であり、前記第2の粘性値は、80cp以上であることを特徴とする前項(1)記載の厚膜金属電極の形成方法。
(3) 前記厚膜金属電極は、ワイヤボンディング法により、金属ワイヤが接続される外部接続用の電極であることを特徴とする前項(1)または(2)記載の厚膜金属電極の形成方法。
(4) 前記回路素子層には、パワーデバイス素子が形成されており、前記パワーデバイス素子は、前記厚膜金属電極と電気的に接続されていることを特徴とする前項(1)ないし(3)のうち、いずれか1項記載の厚膜金属電極の形成方法。
(5) 前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、プリベークにより、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、を含むことを特徴とする前項(1)ないし(4)のうち、いずれか1項記載の厚膜金属電極の形成方法。
(6) 前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを5μm以下に形成することを特徴とする前項(5)記載の厚膜金属電極の形成方法。
(7) 前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの上面に、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、プリベークにより、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、を含むことを特徴とする前項(1)ないし(6)のうち、いずれか1項記載の厚膜金属電極の形成方法。
(8)前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第2のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを3μm以上に形成することを特徴とする前項(7)記載の厚膜金属電極の形成方法。
(9)炭化珪素基板に形成された回路素子層の上面に、厚さが7μm以上の厚膜レジストを形成する厚膜レジストの形成方法であって、前記回路素子層の上面をHMDS処理する工程と、前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、第1の粘性値を有した第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、前記第1のポジ−ネガ反転型レジスト上に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの合計の厚さが7μm以上となるように、前記第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値を有した第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、を含むことを特徴とする厚膜レジストの形成方法。
(10)前記第1の粘性値は、30cp以下であり、前記第2の粘性値は、80cp以上であることを特徴とする前項(9)記載の厚膜レジストの形成方法。
(11)遮光部を有した露光用マスクを介して、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを露光する工程と、前記露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをベーク処理することで、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの特性をポジからネガに反転させる工程と、前記ベーク処理後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを全面露光する工程と、前記全面露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを現像処理する工程と、を含むことを特徴とする前項(9)または(10)記載の厚膜レジストの形成方法。
(12)前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、プリベークにより、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、を含むことを特徴とする前項(9)ないし(11)のうち、いずれか1項記載の厚膜レジストの形成方法。
(13)前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを5μm以下に形成することを特徴とする前項(12)記載の厚膜レジストの形成方法。
(14)前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの上面に、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、プリベークにより、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、を含むことを特徴とする前項(9)ないし(13)のうち、いずれか1項記載の厚膜レジストの形成方法。
(15)前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第2のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを3μm以上に形成することを特徴とする前項(14)記載の厚膜レジストの形成方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一観点によれば、HMDS処理された回路素子層の上面に、第1の粘性値を有した第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成することにより、均一な厚さとされ、かつある程度の厚さ(例えば、5μm以下)とされた第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成することが可能となる。
【0012】
また、第1のポジ−ネガ反転型レジスト上に、第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値を有した第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成することで、第1のポジ−ネガ反転型レジスト上に、均一な厚さとされ、かつある程度の厚さ(例えば、3μm以上)とされた第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成することが可能となる。
これにより、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストよりなり、かつ厚さが7μm以上とされたポジ−ネガ反転型レジスト(厚膜レジスト)の面内バラツキ(不均一性)を、所望の範囲内(炭化珪素基板の直径が3インチ、エッジカットが5mmの場合、例えば、5%以内)にすることができる。
【0013】
また、回路素子層の上面のうち、厚膜金属電極が形成される電極形成面と対向する遮光部を有した露光用マスクを介して、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを露光し、次いで、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをベーク処理することで、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの特性をポジからネガに反転させ、次いで、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを全面露光し、その後、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを現像処理することで、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト(厚膜レジスト)に、電極形成面を露出し、かつ良好な逆テーパー形状とされた開口部を形成することが可能となる。
【0014】
さらに、開口部を形成後に、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをポストベークし、次いで、第2のポジ−ネガ反転型レジストの上面側から、蒸着法により、厚膜金属電極の母材となり、かつ厚さが6μm以上とされた金属膜を成膜し、その後、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト(厚膜レジスト)をリフトオフすることで、炭化珪素基板の面内に、厚さが6μm以上とされ、かつ良好な形状(エッジ部にバリがない形状)とされた厚膜金属電極を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その1)である。
【図2】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その2)である。
【図3】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その3)である。
【図4】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その4)である。
【図5】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その5)である。
【図6】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その6)である。
【図7】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その7)である。
【図8】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その8)である。
【図9】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その9)である。
【図10】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その10)である。
【図11】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その11)である。
【図12】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その12)である。
【図13】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その13)である。
【図14】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その14)である。
【図15】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その15)である。
【図16】本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図(その16)である。
【図17】炭化珪素基板の中央部に形成された開口部の一部を走査型電子顕微鏡により撮影した断面写真である。
【図18】炭化珪素基板の外周部に形成された開口部の一部を走査型電子顕微鏡により撮影した断面写真である。
【図19】図16に示す工程処理後の厚膜金属電極の表面を光学顕微鏡により撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の炭化珪素デバイスの寸法関係とは異なる場合がある。
【0017】
(実施の形態)
図1〜図16は、本発明の実施の形態に係る厚膜金属電極の形成工程を示す断面図である。また、図1〜図14は、本実施の形態に係る厚さが7μm以上の厚膜レジスト27(図6〜図14参照)の形成方法を説明するための図である。
【0018】
図1〜図16を参照して、図16に示す本実施の形態の厚さが6μm以上の厚膜金属電極13(パッド電極)の形成方法について説明する。
始めに、図1に示す工程では、炭化珪素基板11の表面11aに回路素子層12が形成された構造体14を準備する。炭化珪素基板11としては、例えば、直径が3インチのものを用いることが可能である。本実施の形態では、一例として、直径が3インチの炭化珪素基板11を用いた場合を例に挙げて以下の説明を行う。
【0019】
回路素子層12は、周知の手法により形成することができる。図16に示す炭化珪素デバイス10が、例えば、パワーデバイスの場合、回路素子層12には、パワーデバイス素子(図示せず)が形成されている。
回路素子層12の上面12aは、図16に示す厚膜金属電極13が形成される電極形成面12bを有する。電極形成面12bは、パワーデバイス素子(図示せず)と電気的に接続された図示していない導体(図16に示す厚膜金属電極13と接続される導体)の上面を露出している。
【0020】
次いで、図2に示す工程では、構造体14を構成する回路素子層12の上面12a(電極形成面12bを含む)に、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)液15を供給することで、HMDS処理(表面処理の1種)を行なう。
これにより、回路素子層12の上面12aを疎水性にすることができる。なお、後述する図3に示す液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1は、疎水性で、かつ第1の粘性値(小さい粘性値)を有したレジスト液である。第1の粘性値は、例えば、30cp以下にすることが好ましい。
【0021】
このように、HMDS処理により、回路素子層12の上面12aを疎水性にすることで、回路素子層12の上面12aに、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1(図3参照)を滴下させた後に行なう構造体14の回転(液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1を均一な厚さにするための回転)により、粘性値の低い第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1が構造体14の外側に流れ出ることを抑制可能となる。
これにより、後述する図3に示す工程において、回路素子層12の上面12aに、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21を均一な厚さで形成できる。
【0022】
次いで、図3に示す工程では、回転軸16の上端に接続されたステージ17上に、図2に示す構造体14を固定(例えば、吸着)し、次いで、HMDS処理された回路素子層12の上面12a側に配置されたディスペンサー18から、第1の粘性値を有し、かつ液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1を滴下供給する。
【0023】
次いで、ステージ17上に固定された構造体14を、回転軸16を介して、所定の回転数(例えば、1200rpm)で一定時間回転させることで、炭化珪素基板11の面内において、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1の厚さT1を均一にする。
このとき、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1の厚さT1は、後述する図4に示す工程で行なうプリベークにより、硬化した第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2の厚さT2が5μm以下となるように設定する。
【0024】
また、1回の液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1の滴下、及び回転により、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1の厚さを十分に確保できない場合には、図3で説明した処理を複数回行なってもよい。
【0025】
なお、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1の第1の粘性値は、小さい値であるため、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1の滴下後に行なう構造体14の回転により、構造体14の外側に流れやすい。
そのため、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1の滴下、及び回転を複数回繰り返したとしても、図4に示す第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2の厚さT2が5μmを超えるように、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2を形成することは非常に困難である。
【0026】
次いで、図4に示す工程では、ヒーター23上に、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1が形成された構造体14を載置し、その後、ヒーター23の熱により、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1をプリベークして硬化させる。
具体的には、例えば、加熱温度が100℃、加熱時間が60秒の条件で、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1をプリベーク処理する。
【0027】
これにより、厚さT2が5μm以下とされ、かつ硬化した第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2(以下、単に「第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2」という)が形成される。なお、図3及び図4に示す工程が、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2の形成工程に相当する。
【0028】
次いで、図5に示す工程では、回転軸16の上端に接続されたステージ17上に、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2が形成された構造体14を固定(例えば、吸着)し、次いで、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2の上面21−2a側に配置されたディスペンサー25から、第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値を有し、かつ液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1を滴下供給する。
液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1は、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1を滴下後に構造体14を回転させた際に、粘性値の小さい第1のポジ−ネガ反転型レジスト26−1と比較して、構造体14の外側に流れにくいレジストである。第1の粘性値が30cp以下の場合、第2の粘性値は、例えば、80cp以上にするとよい。
【0029】
次いで、ステージ17上に固定された構造体14を、回転軸16を介して、所定の回転数(例えば、2500rpm)で一定時間回転させることで、炭化珪素基板11の面内において、液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1の厚さT3を均一にする。
このとき、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1の厚さT3は、後述する図6に示す工程で行なうプリベークにより、硬化した第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の厚さT4が3μm以上となるように設定する。
【0030】
また、図5に示す工程では、後述する図6に示す第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2の厚さT2、及び硬化した第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の厚さT4の合計の厚さT5が7μm以上となるように、液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1を形成する。
【0031】
次いで、図6に示す工程では、ヒーター23上に、液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1が形成された構造体14を載置し、その後、ヒーター23の熱により、液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1をプリベークして硬化させる。
具体的には、例えば、加熱温度が100℃、加熱時間が90秒の条件で、液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1をプリベーク処理する。
【0032】
これにより、厚さT4が3μm以上とされ、かつ硬化した第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2(以下、単に「第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2」という)が形成される。なお、図5及び図6に示す工程が、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の形成工程に相当する。
また、以下の説明では、硬化した第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト21−2,26−2よりなるポジ−ネガ反転型レジストを厚膜レジスト27という。
【0033】
次いで、図7に示す工程では、露光装置(図示せず)内のステージ上に、厚膜レジスト27(硬化した第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト21−2,26−2)が形成された構造体14を載置する。
次いで、透明基板28(例えば、ガラス基板)、及び透明基板28に形成され、かつ電極形成面12bと対向する遮光部29(例えば、クロムマスク)を有した露光用マスク31を介して、厚膜レジスト27を露光する。
厚膜レジスト27の厚さT5(第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト21−2,26−2の合計の厚さ)が7.5μmの場合、図7に示す工程での露光量は、例えば、55mJ/cm2とすることができる。
【0034】
この段階では、厚膜レジスト27は、ポジ型感光性レジストの特性を有している。そのため、この段階では、光が照射された領域Aに対応する厚膜レジスト27が現像液に溶けやすくなり、光が照射されていない領域B(遮光部29と対向する領域)に対応する厚膜レジスト27が現像液に溶解されない。
【0035】
なお、図7では、遮光部31の外形と領域Bの外形とが略等しくなるように図示したが、実際には、露光装置として縮小投影型露光装置(具体的には、ステッパー)を用いて露光を行なうので、領域Bの外形は、遮光部29の外形よりも小さくなる。
【0036】
次いで、図8に示す工程では、ヒーター23上に、厚膜レジスト27が形成された構造体14を載置し、その後、ヒーター23の熱により、厚膜レジスト27をベーク処理(反転ベーク処理)することで、厚膜レジスト27の特性をポジからネガに反転させる。
具体的には、例えば、加熱温度が115℃、加熱時間が120秒の条件で、厚膜レジスト27をベーク処理する。
【0037】
これにより、ネガ型とされた厚膜レジスト27のうち、電極形成面12bの上方に位置する部分に、断面が逆テーパー形状とされ、かつ現像液に溶解しやすい領域Cが形成され、領域C以外の部分に現像液に溶解されない領域Dが形成される。
【0038】
次いで、図9に示す工程では、露光装置(図示せず)内のステージ上に、ネガ型とされた厚膜レジスト27が形成された構造体14を載置する。
次いで、遮光部が形成されていない露光用マスク33を介して、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト21−2,26−2を全面露光する。このときの露光量は、図7に示す工程での露光量の10倍程度とするとよい。
厚膜レジスト27の厚さT5が7.5μmの場合、図9に示す工程での露光量は、例えば、4000mJ/cm2とすることができる。
【0039】
次いで、図10に示す工程では、回転軸35の上端に接続されたステージ36上に、全面露光された厚膜レジスト27が形成された構造体14を固定(例えば、吸着)し、次いで、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の上面26−2a側に配置されたディスペンサー38から、現像液41を滴下供給する。これにより、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の上面26−2aに、表面張力により、現像液41が配置される。この段階では、構造体14を回転させない。
【0040】
次いで、図11に示す工程では、現像液41により、図10に示す領域Cに形成された厚膜レジスト27を溶解させることで、断面が逆テーパー形状とされ、かつ電極形成面12bを露出する開口部42を形成する。この段階では、構造体14を回転させない。
【0041】
次いで、図12に示す工程では、開口部42が形成された厚膜レジスト27を有した構造体14の上面側に、ディスペンサー43を介して、純水44を供給した状態で、所定の回転数で構造体14を回転させて、洗浄を行なう。
【0042】
次いで、図13に示す工程では、図12に示す純水44を停止させ、その後、構造体14を高速回転させることで、開口部42が形成された厚膜レジスト27を有した構造体14を乾燥させる。
【0043】
次いで、図14に示す工程では、ヒーター23上に、開口部42が形成された厚膜レジスト27を有した構造体14を載置し、その後、ヒーター23の熱により、厚膜レジスト27をポストベーク処理する。
具体的には、例えば、加熱温度が105℃、加熱時間が60秒の条件で、厚膜レジスト27をポストベーク処理する。
【0044】
次いで、図15に示す工程では、開口部42が形成された厚膜レジスト27を有した構造体14の上面側から、蒸着法により、厚膜金属電極13の母材となり、かつ厚さが6μm以上とされた金属膜45を成膜する。金属膜45としては、例えば、アルミニウム膜を用いることができる。
これにより、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の上面26−2a、及び電極形成面12bに金属膜45が成膜される。このとき、開口部42の断面形状が逆テーパー形状になっているため、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の上面26−2aに形成された金属膜45と電極形成面12bに形成された金属膜45とは、完全に分離されており、接触していない。
【0045】
次いで、図16に示す工程では、金属膜45が形成された厚膜レジスト27をリフトオフさせる。具体的には、例えば、図15に示す構造体を、有機溶剤(例えば、アセトンやイソプロピルアルコール(IPA))に浸漬させた状態で、超音波処理することで、金属膜45が形成された厚膜レジスト27をリフトオフさせる。
【0046】
これにより、炭化珪素基板11と、炭化珪素基板11上に形成された回路素子層12と、回路素子層12の電極形成面12bに形成され、金属膜45よりなり、かつ厚さT6が6μm以上とされた厚膜金属電極13(パッド電極)と、を備えた炭化珪素デバイス10が製造される。
厚膜金属電極10は、ワイヤボンディング法により、金属ワイヤ(図示せず)が接続される外部接続用のパッド電極である。また、回路素子層12には、パワーデバイス素子(図示せず)が形成されている。該パワーデバイス素子は、厚膜金属電極13と電気的に接続されている。
【0047】
なお、図16では、1つの厚膜金属電極13のみを図示したが、実際には、炭化珪素基板11の外周部から中央部に亘って複数の厚膜金属電極13が形成されている。また、図16では、炭化珪素基板11に対してかなり大きく厚膜金属電極13を図示したが、厚膜金属電極13は、実際には、かなり小さい。
【0048】
本実施の形態の厚膜金属電極の形成方法によれば、HMDS処理された回路素子層12の上面12aに、第1の粘性値を有した第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2を形成することにより、均一な厚さとされ、かつある程度の厚さ(例えば、5μm以下)とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2を形成することが可能となる。
【0049】
また、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2上に、第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値(例えば、80cp以上)を有した第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2を形成することで、均一な厚さとされ、かつある程度の厚さ(例えば、3μm以上)とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2を形成することが可能となる。
これにより、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストよりなり、かつ厚さが7μm以上とされた厚膜レジスト27の面内バラツキ(不均一性)を、所望の範囲内(炭化珪素基板11の直径が3インチ、エッジカットが5mmの場合、例えば、5%以内)にすることができる。
【0050】
また、回路素子層12の上面12aのうち、厚膜金属電極13が形成される電極形成面12bと対向する遮光部29を有した露光用マスク31を介して、厚膜レジスト27を露光し、次いで、厚膜レジスト27をベーク処理することで、厚膜レジスト27の特性をポジからネガに反転させ、次いで、厚膜レジスト27を全面露光し、その後、厚膜レジスト27を現像処理することで、厚膜レジスト27に、電極形成面12bを露出し、かつ良好な逆テーパー形状とされた開口部42を形成することが可能となる。
【0051】
さらに、開口部42を形成後に、厚膜レジスト27をポストベークし、次いで、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の上面側26−2aから、蒸着法により、厚膜金属電極13の母材となり、かつ厚さT6が6μm以上とされた金属膜45を成膜し、その後、厚膜レジスト27をリフトオフすることで、炭化珪素基板11の面内に、厚さT6が6μm以上とされ、かつ良好な形状(エッジ部にバリがない形状)とされた厚膜金属電極13を形成できる。
【0052】
また、本実施の形態の厚膜レジストの形成方法によれば、厚さが7μm以上とされ、かつ面内バラツキ(不均一性)が所望の範囲内(炭化珪素基板11の直径が3インチ、エッジカットが5mmの場合、例えば、5%以内)とされた厚膜レジスト27を形成することができる。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0054】
例えば、本実施の形態では、第1の粘性値が30cp以下の第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2を形成する場合を例に挙げて説明したが、第1の粘性値が30cp以下の第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2に替えて、第1の粘性値が50cp前後の値とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1を用いて、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2を形成してもよい。
この場合、本実施の形態の厚膜金属電極の形成方法及び厚膜レジストの形成方法と同様な効果を得ることができる。
【0055】
また、本実施の形態では、一回の第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1の滴下、及び回転により、均一な厚さとされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1を形成する場合を例に挙げて説明したが、厚膜レジスト27の厚さT5をさらに厚くしたい場合には、図5で説明した処理を複数回行なってもよい。
【0056】
さらに、本実施の形態では、一例として、直径が3インチの炭化珪素基板11を用いた場合を例に挙げて説明したが、本発明は、直径が3インチ以上の大口径化された炭化珪素基板11にも適用可能であり、本実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0057】
また、本実施の形態では、炭化珪素デバイス10の一例として、パワーデバイスを例に挙げて説明したが、本発明は、高周波デバイス、及び高温動作デバイス等にも適用可能である。
【0058】
以下、本発明の効果を、実施例を用いて具体的に説明する。なお、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0059】
(実施例)
始めに、図1に示す構造体14として、パワーデバイスを備えた回路素子層12が形成された直径が3インチの炭化珪素基板11を準備した。
次いで、図2に示す工程では、回路素子層12の上面12aをHMDS処理した。次いで、図3に示す工程では、HMDS処理された回路素子層12の上面12aに、第1の粘性値が29cpとされた液状の第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1を滴下させ、構造体14を1200rpmの速度で回転させることで、均一な厚さとされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1を形成した。
【0060】
次いで、図4に示す工程では、ヒーター23を用いた加熱(加熱温度100℃、加熱時間60秒)により、液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−1を硬化させることで、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2を形成した。
第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2の厚さT2は、5μmであった。
【0061】
次いで、図5に示す工程では、HMDS処理を行なうことなく、第1のポジ−ネガ反転型レジスト21−2の上面21−2aに、第2の粘性値が85cpとされた液状の第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1を滴下させ、構造体14を2500rpmの速度で回転させることで、均一な厚さとされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1を形成した。
【0062】
次いで、図6に示す工程では、ヒーター23による加熱(加熱温度100℃、加熱時間90秒)により、液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−1を硬化させることで、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2を形成した。このとき、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の厚さT4は、3μmであった。また、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト21−2,26−2よりなる厚膜レジスト27の厚さT5は、8μm(7μm以上)であった。
また、エッジカットが5mmの条件で厚膜レジスト27の面内の膜厚を測定し、厚膜レジスト27の面内バラツキ(不均一性)を測定した結果、目標値である5%よりも小さい4.8%であった。
【0063】
次いで、図7に示す工程では、縮小投影型露光装置(具体的には、ステッパー)により、露光用マスク31を介して、第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト21−2,26−2を露光した。このときの露光量は、55mJ/cm2を用いた。
次いで、図8に示す工程では、ヒーター23により、厚膜レジスト27をベーク処理(加熱温度115℃、加熱時間120秒)することで、厚膜レジスト27を構成する第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジスト21−2,26−2の特性をポジからネガに反転させることで、図10に示す現像液41により溶解され、かつ逆テーパー形状とされた領域Cを形成した。
【0064】
次いで、図9に示す工程では、厚膜レジスト27を全面露光した。このときの露光量は、4000mJ/cm2とした。次いで、図10及び図11に示す工程では、現像液41により、領域Cに対応する部分の厚膜レジスト27を溶解して、逆テーパー形状とされた開口部42を形成した。
次いで、図12に示す工程では、純水44により、開口部42が形成された厚膜レジスト27を備えた構造体14に付着した現像液41を洗い流した。
【0065】
次いで、図13に示す工程では、図12に示す純水44を停止し、構造体14を高速で回転させることで、開口部42が形成された厚膜レジスト27を備えた構造体14を乾燥させる。
次いで、図14に示す工程では、ヒーター23により、開口部42が形成された厚膜レジスト27のポストベーク処理(加熱温度105℃、加熱時間60秒)を行なう。このとき、開口部42の上端の幅は、縦1450μm×横1450μmであった。
【0066】
次いで、図15に示す工程では、第2のポジ−ネガ反転型レジスト26−2の上面26−2a側から、蒸着法により、金属膜45として厚さT6が6μmのアルミニウム膜を成膜した。
次いで、図16に示す工程では、有機溶剤(例えば、アセトンやイソプロピルアルコール(IPA))に図15に示す構造体を浸漬させた状態で、超音波処理することで、金属膜45が形成された厚膜レジスト27をリフトオフさせることで、電極形成面12bに、厚さT6が6μmとされた厚膜金属電極13(パッド電極)を形成した。
【0067】
図17は、炭化珪素基板の中央部に形成された開口部の一部を走査型電子顕微鏡により撮影した断面写真であり、図18は、炭化珪素基板の外周部に形成された開口部の一部を走査型電子顕微鏡により撮影した断面写真である。図17及び図18は、図14に示す工程の処理が完了した厚膜レジスト27を撮影した写真である。
【0068】
図17及び図18を参照するに、炭化珪素基板11の中央部に形成された厚膜レジスト27の厚さと、炭化珪素基板11の外周部に形成された厚膜レジスト27の厚さとの間に差がほとんどないことが確認できた。
また、炭化珪素基板11の中央部に形成された開口部42の逆テーパー形状と、炭化珪素基板11の外周部に形成された開口部42の逆テーパー形状との間に、形状の差はほとんどみられなかった。つまり、炭化珪素基板11の面内における開口部42の形状ばらつきが小さいことが確認できた。
【0069】
図19は、図16に示す工程処理後の厚膜金属電極の表面を光学顕微鏡により撮影した写真である。
図19を参照するに、厚膜金属電極13のエッジ部(外周縁)にバリは確認できなかった。つまり、厚膜金属電極13が良好な形状に形成されたことが確認できた。
【0070】
上記結果から、本実施例によれば、8μmの厚さとされた厚膜レジスト27の面内バラツキ(不均一性)を4.8%(所望の範囲(5%以下)内の値)にすることができると共に、厚さが6μm以上とされ、かつ良好な形状(エッジ部にバリがない形状)とされた厚膜金属電極13を形成できることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の厚膜金属電極の形成方法、及び厚膜レジストの形成方法は、炭化珪素基板に形成された炭化珪素デバイスを構成する厚膜金属電極の形成、及びリフトオフ法によりに厚膜金属電極を形成する際に使用する厚膜レジストの形成に利用可能である。
【0072】
10…炭化珪素デバイス、11…炭化珪素基板、11a…表面、12…回路素子層、
12a…上面、12b…電極形成面、13…厚膜金属電極、14…構造体、15…HMDS液、16,35…回転軸、17,36…ステージ、18,25,38,43…ディスペンサー、21−1…液状とされた第1のポジ−ネガ反転型レジスト、21−2…第1のポジ−ネガ反転型レジスト、21−2a,26−2a…上面、23…ヒーター、26−1…液状とされた第2のポジ−ネガ反転型レジスト、26−2…第2のポジ−ネガ反転型レジスト、27…厚膜レジスト、28…透明基板、29…遮光部、31…露光用マスク、41…現像液、42…開口部、44…純水、45…金属膜、A,B,C,D…領域、T1,T2,T3,T4,T5…厚さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化珪素基板に形成された回路素子層の上面に、厚さが6μm以上の厚膜金属電極を形成する厚膜金属電極の形成方法であって、
前記回路素子層の上面をHMDS処理する工程と、
前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、第1の粘性値を有した第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
前記第1のポジ−ネガ反転型レジスト上に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの合計の厚さが7μm以上となるように、前記第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値を有した第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
前記回路素子層の上面のうち、前記厚膜金属電極が形成される電極形成面と対向する遮光部を有した露光用マスクを介して、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを露光する工程と、
前記露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをベーク処理することで、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの特性をポジからネガに反転させる工程と、
前記ベーク処理後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを全面露光する工程と、
前記全面露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを現像処理することにより、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストに、逆テーパー形状とされ、かつ前記電極形成面を露出する開口部を形成する工程と、
前記開口部を形成後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをポストベークする工程と、
前記ポストベーク後に、前記第2のポジ−ネガ反転型レジストの上面側から、蒸着法により、前記厚膜金属電極の母材となり、かつ厚さが6μm以上とされた金属膜を成膜する工程と、
前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをリフトオフする工程と、
を含むことを特徴とする厚膜金属電極の形成方法。
【請求項2】
前記第1の粘性値は、30cp以下であり、前記第2の粘性値は、80cp以上であることを特徴とする請求項1記載の厚膜金属電極の形成方法。
【請求項3】
前記厚膜金属電極は、ワイヤボンディング法により、金属ワイヤが接続される外部接続用の電極であることを特徴とする請求項1または2記載の厚膜金属電極の形成方法。
【請求項4】
前記回路素子層には、パワーデバイス素子が形成されており、
前記パワーデバイス素子は、前記厚膜金属電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の厚膜金属電極の形成方法。
【請求項5】
前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
プリベークにより、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載の厚膜金属電極の形成方法。
【請求項6】
前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを5μm以下に形成することを特徴とする請求項5記載の厚膜金属電極の形成方法。
【請求項7】
前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの上面に、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
プリベークにより、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の厚膜金属電極の形成方法。
【請求項8】
前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第2のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを3μm以上に形成することを特徴とする請求項7記載の厚膜金属電極の形成方法。
【請求項9】
炭化珪素基板に形成された回路素子層の上面に、厚さが7μm以上の厚膜レジストを形成する厚膜レジストの形成方法であって、
前記回路素子層の上面をHMDS処理する工程と、
前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、第1の粘性値を有した第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
前記第1のポジ−ネガ反転型レジスト上に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの合計の厚さが7μm以上となるように、前記第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値を有した第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
を含むことを特徴とする厚膜レジストの形成方法。
【請求項10】
前記第1の粘性値は、30cp以下であり、前記第2の粘性値は、80cp以上であることを特徴とする請求項9記載の厚膜レジストの形成方法。
【請求項11】
遮光部を有した露光用マスクを介して、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを露光する工程と、
前記露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをベーク処理することで、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの特性をポジからネガに反転させる工程と、
前記ベーク処理後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを全面露光する工程と、
前記全面露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを現像処理する工程と、
を含むことを特徴とする請求項9または10記載の厚膜レジストの形成方法。
【請求項12】
前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
プリベークにより、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項9ないし11のうち、いずれか1項記載の厚膜レジストの形成方法。
【請求項13】
前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを5μm以下に形成することを特徴とする請求項12記載の厚膜レジストの形成方法。
【請求項14】
前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの上面に、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
プリベークにより、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項9ないし13のうち、いずれか1項記載の厚膜レジストの形成方法。
【請求項15】
前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第2のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを3μm以上に形成することを特徴とする請求項14記載の厚膜レジストの形成方法。
【請求項1】
炭化珪素基板に形成された回路素子層の上面に、厚さが6μm以上の厚膜金属電極を形成する厚膜金属電極の形成方法であって、
前記回路素子層の上面をHMDS処理する工程と、
前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、第1の粘性値を有した第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
前記第1のポジ−ネガ反転型レジスト上に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの合計の厚さが7μm以上となるように、前記第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値を有した第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
前記回路素子層の上面のうち、前記厚膜金属電極が形成される電極形成面と対向する遮光部を有した露光用マスクを介して、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを露光する工程と、
前記露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをベーク処理することで、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの特性をポジからネガに反転させる工程と、
前記ベーク処理後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを全面露光する工程と、
前記全面露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを現像処理することにより、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストに、逆テーパー形状とされ、かつ前記電極形成面を露出する開口部を形成する工程と、
前記開口部を形成後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをポストベークする工程と、
前記ポストベーク後に、前記第2のポジ−ネガ反転型レジストの上面側から、蒸着法により、前記厚膜金属電極の母材となり、かつ厚さが6μm以上とされた金属膜を成膜する工程と、
前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをリフトオフする工程と、
を含むことを特徴とする厚膜金属電極の形成方法。
【請求項2】
前記第1の粘性値は、30cp以下であり、前記第2の粘性値は、80cp以上であることを特徴とする請求項1記載の厚膜金属電極の形成方法。
【請求項3】
前記厚膜金属電極は、ワイヤボンディング法により、金属ワイヤが接続される外部接続用の電極であることを特徴とする請求項1または2記載の厚膜金属電極の形成方法。
【請求項4】
前記回路素子層には、パワーデバイス素子が形成されており、
前記パワーデバイス素子は、前記厚膜金属電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の厚膜金属電極の形成方法。
【請求項5】
前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
プリベークにより、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載の厚膜金属電極の形成方法。
【請求項6】
前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを5μm以下に形成することを特徴とする請求項5記載の厚膜金属電極の形成方法。
【請求項7】
前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの上面に、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
プリベークにより、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の厚膜金属電極の形成方法。
【請求項8】
前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第2のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを3μm以上に形成することを特徴とする請求項7記載の厚膜金属電極の形成方法。
【請求項9】
炭化珪素基板に形成された回路素子層の上面に、厚さが7μm以上の厚膜レジストを形成する厚膜レジストの形成方法であって、
前記回路素子層の上面をHMDS処理する工程と、
前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、第1の粘性値を有した第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
前記第1のポジ−ネガ反転型レジスト上に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの合計の厚さが7μm以上となるように、前記第1の粘性値よりも大きい第2の粘性値を有した第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
を含むことを特徴とする厚膜レジストの形成方法。
【請求項10】
前記第1の粘性値は、30cp以下であり、前記第2の粘性値は、80cp以上であることを特徴とする請求項9記載の厚膜レジストの形成方法。
【請求項11】
遮光部を有した露光用マスクを介して、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを露光する工程と、
前記露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストをベーク処理することで、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストの特性をポジからネガに反転させる工程と、
前記ベーク処理後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを全面露光する工程と、
前記全面露光後に、前記第1及び第2のポジ−ネガ反転型レジストを現像処理する工程と、
を含むことを特徴とする請求項9または10記載の厚膜レジストの形成方法。
【請求項12】
前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、前記HMDS処理された前記回路素子層の上面に、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
プリベークにより、液状とされた前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項9ないし11のうち、いずれか1項記載の厚膜レジストの形成方法。
【請求項13】
前記第1のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを5μm以下に形成することを特徴とする請求項12記載の厚膜レジストの形成方法。
【請求項14】
前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程は、硬化した前記第1のポジ−ネガ反転型レジストの上面に、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程と、
プリベークにより、液状とされた前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項9ないし13のうち、いずれか1項記載の厚膜レジストの形成方法。
【請求項15】
前記第2のポジ−ネガ反転型レジストを形成する工程では、硬化した前記第2のポジ−ネガ反転型レジストの厚さを3μm以上に形成することを特徴とする請求項14記載の厚膜レジストの形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−191111(P2012−191111A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55243(P2011−55243)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】
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