説明

原稿読取装置、並びに、原稿読取装置を備える画像送信装置および画像形成装置

【課題】読み取った画像の中に白紙があると判断した場合、プレビュー表示させて、読み込み内容を確認させることが可能な画像読取装置を提供する。
【解決手段】画像読取装置は、原稿読取手段と、前記原稿読取手段により読み込んだ原稿画像データの中から白紙の画像データを判別する白紙検出手段と、前記白紙検出手段により検出された白紙の画像データを除く画像データについて、プレビュー表示する表示手段と、を有し、前記表示手段は、プレビュー表示された白紙の画像データを除く画像データに対して、前記原稿読取手段で読み込んだすべての画像データを再プレビュー表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読み込んだ白紙を除去可能な原稿読取装置、並びに、該原稿読取装置を備える画像送信装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動原稿搬送装置にセットされた複数枚の原稿を連続的に搬送して読み取ることが可能な画像形成装置が知られている。
この画像形成装置は、近年、デジタル化、システム化により多機能化が図られるとともに、ネットワークに接続されるようになって、ますます機能の複合化が図られている。
【0003】
このような画像形成装置において、片面原稿の表裏が間違えてセットされたり、白紙が混ざってセットされてしまった場合には、白紙の複写や送信がなされてしまう。
【0004】
特許文献1では、ファクシミリ送信する前に、作成したイメージをプレビューし、原稿内容が再現されているか否かをユーザに確かめさせている。
また、特許文献2では、読み取った原稿中に白紙ページが存在した場合、白紙ページの存在を通知し、通知されたページを再度読み取らせてから、複写あるいは送信を行っている。
【特許文献1】特開2001−313644号公報
【特許文献2】特開2002−116665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、作成したイメージが相違する場合には、正しくなるまで再読み取りを行わなければならない。
また、特許文献2では、原稿を読み終えた後に、白紙ページの存在が通知されるが、このページが間違ってセットされたものか、元々白紙であったのか、あるいは、白紙と誤って判断されたものであるかは、ユーザがこのページを原稿から抜き出して確かめなければならない。
【0006】
本発明は、上述の実情を考慮してなされたものであって、読み取った原稿画像の出力処理をする前に、読み取った原稿画像の中に白紙があると判断した場合、プレビュー表示させて、ユーザに読み込み内容を確認させることが可能な原稿読取装置、並びに、該原稿読取装置を備える画像送信装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の原稿読取装置は、原稿読取手段と、前記原稿読取手段により読み込んだ原稿画像データの中から白紙の画像データを判別する白紙検出手段と、前記白紙検出手段により検出された白紙の画像データを除く画像データについて、プレビュー表示する表示手段と、を有し、前記表示手段は、プレビュー表示された白紙の画像データを除く画像データに対して、前記原稿読取手段で読み込んだすべての画像データを再プレビュー表示させることが可能な構成を有している。
【0008】
上記の原稿読取装置は、より詳細に示すと次のいずれかの構成を有している。
【0009】
(1)原稿を連続して読み込んで記録し、読み込んだ原稿画像データの中から白紙の画像データを判別する手段を有する原稿読取装置であって、白紙飛ばし指示により、連続して読み込んだ原稿画像データごとに白紙の画像データか否かを判別し、該原稿画像データを判別結果と対応付けて記憶し、すべての原稿画像が読み取られた後に、非白紙の画像データと判別された原稿画像データを対象にしてプレビュー表示する白紙飛ばし部と、前記白紙飛ばし指示の解除により、読み込んだすべての原稿画像データをプレビュー表示する白紙飛ばし解除部と、前記白紙飛ばし指示が有効な場合には、前記読み込んだ原稿画像データから白紙の画像データと判別された原稿画像データを飛ばして出力し、前記白紙飛ばしの解除指示が有効な場合には、前記読み込んだ原稿画像データをすべて出力する出力部と、を備える。
【0010】
(2)原稿を連続して読み込んで記録し、読み込んだ原稿画像データの中から白紙の画像データを判別する手段を有する原稿読取装置において、白紙飛ばし指示により、連続して読み込んだ原稿画像データごとに白紙の画像データか否かを判別し、該原稿画像データを判別結果と対応付けて記憶し、すべての原稿画像が読み取られた後に、白紙の画像データと判別された原稿画像データを対象にしてプレビュー表示する白紙飛ばし部と、前記白紙飛ばし指示の解除により、読み込んだすべての原稿画像データをプレビュー表示する白紙飛ばし解除部と、前記白紙飛ばし指示が有効な場合には、前記読み込んだ原稿画像データから白紙の画像データと判別された原稿画像データを飛ばして出力し、前記白紙飛ばしの解除指示が有効な場合には、前記読み込んだ原稿画像データをすべて出力する出力部と、を備える。
【0011】
(3)原稿を連続して読み込んで記録し、読み込んだ原稿画像データの中から裏の原稿が写りこんだ画像データを判別する手段を有する原稿読取装置において、裏写り原稿飛ばし指示により、連続して読み込んだ原稿画像データごとに裏の原稿が写りこんだ画像データか否かを判別し、該原稿画像データを判別結果と対応付けて記憶し、すべての原稿画像が読み取られた後に、裏の原稿が写りこまなかった画像データと判別された原稿画像データを対象にしてプレビュー表示する裏写り原稿飛ばし部と、前記裏写り原稿飛ばし指示の解除により、読み込んだすべての原稿画像データをプレビュー表示する裏写り原稿飛ばし解除部と、前記裏写り原稿飛ばし指示が有効な場合には、裏の原稿が写りこんだ画像データと判別された原稿画像データを前記読み込んだ原稿画像データから飛ばして出力し、前記裏写り原稿飛ばしの解除指示が有効な場合には、前記読み込んだ原稿画像データをすべて出力する出力部と、を備える。
【0012】
前記原稿読取装置は、すべての原稿画像が読み取られた後に、次のような表示を行う通知部を備えている。
(1)非白紙と判別された原稿画像データの数を表示する。
(2)読み取ったすべての原稿画像データの数と、非白紙の画像データと判別された原稿画像データの数を表示する。
(3)すべての原稿画像データが白紙の画像データと判別された場合は、プレビュー表示を行わず警告メッセージを表示する。
【0013】
上記のページ数の表示は、所定の時間内で終了するものとし、所定の時間が経過した場合には以降の処理を中止する。
また、プレビュー表示された読み込んだすべての原稿画像データのうち削除指示された原稿画像データを、読み込んだ原稿画像データから削除して出力するようにしてもよい。
【0014】
また、読み込んだ原稿画像データが、白紙に裏の原稿が写りこんだ画像データであるか否かを判別する裏写り判別手段を有し、前記裏写り判別手段により判別された原稿の裏が写りこんだ画像データも前記白紙の画像データとして処理するようにしてもよい。
【0015】
また、上述の原稿読取装置と、前記原稿読取装置で読み取られた原稿画像をファクシミリ送信や電子メールとして送信する送信部とを備えた画像送信装置として構成しても、上述の原稿読取装置と、原稿読取装置で読み取られた原稿画像を印刷する印刷部とを備えた画像形成装置として構成してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、読み取った原稿画像の出力処理をする前に、読み取った原稿画像の中に白紙があると判断した場合、プレビュー表示させて、ユーザに読み込み内容を確認させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の原稿読取装置に係る好適な実施形態について説明する。
以下、本発明に係る実施形態は、印刷機能、複写機能、スキャン機能、ファクシミリ送受信機能等を有するデジタル複合機として説明するが、自動的に連続して複数の原稿を読み取ることが可能な原稿読取装置、画像送信装置および画像形成装置に適用可能である。
【0018】
<実施形態1>
(A)システムの全体構成:
図1は、本実施形態1に係るデジタル複合機を用いて構築される画像処理システムの全体構成を示す模式図である。図1において、画像処理システムは、デジタル複合機100に、通信網PN,LN,INを介して各種の外部機器200,300,400,500が接続されて構成される。
【0019】
ここで通信網は、公衆回線や専用回線を経由して外部と接続するインターネット網INや、同一敷地内でネットークを構築するネットワーク網LN、公衆電話回線網PN、あるいは、それらを組み合わせた方式であってもよい。さらには、無線LANによる接続であってももちろん構わない。
【0020】
ネットワーク網LNには、パーソナルコンピュータ等の外部コンピュータ200が接続されおり、図示しないゲートウェイ等を介して接続されているインターネット網INには外部コンピュータ300、および、インターネットファクシミリ装置400が接続されている。また、公衆電話回線網PNを介して外部のファクシミリ装置500が接続されている。
【0021】
(B)デジタル複合機のハードウェア構成:
図2は、本実施形態に係るデジタル複合機100のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。図2において、デジタル複合機100は、メイン制御部1、制御用メモリ2、二次記憶部3、読取部4、画像記憶部5、白紙判別部6、記録部7、操作パネル9、パネル制御部10、LAN制御部11、網制御部12、モデム13を備えている。
【0022】
メイン制御部1は、CPU(中央制御ユニット)などで実現され、制御用メモリ2に記憶された制御プログラムを実行することによって、デジタル複合機100の全体の制御を行う。
制御用メモリ2は、不揮発性メモリ、もしくはバックアップされたメモリなどからなり、デジタル複合機100を制御する制御プログラムや相手先情報等が記憶されている。
二次記憶部3は、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等で構成され、制御プログラムの実行に伴って入出力される一時的なデータ用として使用される。
【0023】
読取部4は、CCD(電荷結合素子)等の光学系から構成されるラインセンサおよび図示しない自動原稿搬送装置を備えており、自動原稿搬送装置に載置された原稿を所定の解像度の原稿画像として読み取り、読み取った結果の原稿画像データを画像記憶部5に記憶する。また、ユーザから白紙飛ばしの指示がなされている場合は、読み取った結果の原稿画像データと、原稿画像データから生成されたプレビュー用の画像データとを対応付けて画像記憶部5に記憶する。
【0024】
画像記憶部5は、画像データを記憶し、読取部4から読み取ったデータ、外部のコンピュータやファクシミリ装置との送受信データや、記録部7で処理された画像データを一時的に格納するバッファとして使われる。
記録部7は、電子写真方式のプリンタ装置であり、読取部4で読み取った原稿画像データや、外部のコンピュータやファクシミリ装置より受信した画像データを記録用紙に印字する。
【0025】
白紙判別部6は、読取部4で読取られた原稿画像データが白紙であるか否かを公知の技術により判定し、判定結果を出力する。この判定は、原稿の全領域で行うのではなく、原稿の左右/上下のマージン部分を省いた有効画像領域(任意に設定可能)内で行う。
【0026】
本実施形態では、原稿の地肌色を削除し、実質的に何も書かれていない状態の原稿を「白紙」と言い、白紙判別部6では、例えば、次の状態の画像データを白紙であると判断する。
【0027】
(1)実質的に何も書かれていない状態の原稿を読み取ったときの画像データ。
(2)スキャナの読取面にゴミや汚れが付着した状態で、(1)の原稿を読み取ったときの画像データ。
(3)ゴミや汚れが付着した(1)の原稿を読み取ったときの画像データ。
(4)(1)の原稿を読み取った時に付加されたノイズを含む画像データ。
【0028】
公知の白紙判定方法としては、例えば、原稿1ページに含まれる全画素数に対して、黒の画素数が所定割合(閾値)以下のときには、白紙であると判別し、所定割合(閾値)を超えるときには、白紙でないと判別する。また、原稿がカラー画像や濃淡画像を含む場合には、例えば、読み取った原稿画像データを2値化処理して、上記の判別を行う。
【0029】
最後に、白紙判別部6は、原稿画像が「白紙」または「非白紙」のいずれであるかを判別結果として出力する。
【0030】
パネル制御部10は、操作パネル9の入力に応じた表示やメイン制御部1からの指示に応じた表示を制御するとともに、操作パネル9から入力された情報をメイン制御部1へ出力する。操作パネル9は、図3に例示するような、表示部91および表示部91の右側に操作部92を備えている。
【0031】
表示部91は、例えば、液晶パネルにより構成されており、ユーザに報知すべき情報を詳細に案内表示できるようになっている。また、この液晶パネルの画面上には透明なタッチパネルが設けられており、液晶パネル上に表示される情報に従ってタッチパネルを操作する。このタッチパネルは、装置内に指示情報として入力するための操作部92の構成要素である。
【0032】
表示部91は、初期画面として、「コピーモード」に基本画面が表示された状態で待機している。この基本画面の略中央域に本装置の外観図が表示され、システム構成(大容量給紙ユニット、フィニッシャユニット等の構成)が視認できるようになっている。また、選択されているモードや、選択されている給紙トレイ、画像形成等に関する情報も併せて表示されている。
【0033】
また、操作部92は、タッチパネルの他に、表示部91に隣接して配置されたキー群があり、数値入力のためのテンキー92a、入力した設定値をクリアするためのクリアキー92b、入力した各種設定を全解除するための全解除キー92c、コピー開始や送信開始等を指示するためのスタートキー92d、プリントモードの切替キー92e、ファクシミリ送信モードの切替キー92f、コピーモードの切替キー92g、ユーザによる設定を受け付けるシステム設定キー92h等が含まれる。
【0034】
LAN制御部11は、ネットワーク網LNと接続され、インターネット網IN経由による電子メールデータの通信およびインターネットFAXの通信を行う。
網制御部(NCU:Network Control Unit)12は、アナログの公衆電話回線網(PSTN)PNとの回線の閉結および開放の動作を行うハードウェアであり、必要に応じてモデム13を公衆電話回線網PNと接続する。
モデム13は、ファクシミリ通信が可能なファクシミリモデムから構成され、網制御部12から公衆電話回線網PNと接続し、ファクシミリの通信を行う。
【0035】
次に、原稿の読み取りから送信/印刷までの処理手順を説明する。この処理手順は、制御プログラムの一部を形成しているものであり、メイン制御部1で実行される。
【0036】
図4A、図4Bは、ファクシミリ送信を例にした、原稿の読み取りから送信までの処理手順を説明するフローチャートである。
ユーザは、送信する原稿を自動原稿搬送装置にセット、送信のための各種設定を行ってスタートキー92dを押す(ステップS1乃至S5)。上記の操作は、次の手順で行う。
【0037】
まず、原稿をセットした後、操作パネル9の表示部91に表示されている基本画面(図3)においてイメージ送信タブ31をタッチすると、表示部91に送信モードの基本画面が表示される(図5)。
【0038】
次に、この送信モードの基本画面において、処理種別(スキャナ、インターネットFAX、ファクス、データ入力等)に応じた各種設定を行ったあと、アドレス入力ボタン32を押すと、アドレス設定画面が表示される(図6)ので、送信先のアドレスを入力して、基本設定ボタン34を押すと、送信モードの基本画面に戻る(図5)。
【0039】
次に、図5において、特別機能ボタン33を押すと、特別機能画面が表示されるので、白紙飛ばしボタン35およびOKボタン36を押して(図7)、戻った送信モードの基本画面でプレビュー確認ボタン37を押して(図8)、スタートキー92dを押す。
【0040】
これにより、原稿の読み込みが開始され、「原稿を読み込み中です。」のダイアログメッセージを表示部91に表示するとともに(ステップS6)、白紙の判別処理およびプレビューの生成処理を行う(ステップS7)。このステップS7では、読み込まれる原稿毎に次の処理が行われる。
【0041】
読取部4により原稿が1ページ読み取られる度に、読み取られた原稿画像データにファイル名を付けて画像記憶部5に記憶するとともに、読み取った原稿画像のサムネイル画像を生成してファイル名を付けて画像記憶部5に記憶し、これらのファイル名をページ番号と対応付けてプレビューテーブルを構成して、二次記憶部3に記憶する。
【0042】
次に、白紙判別部6により、読み取った原稿画像データが白紙か否かを判別して、判別された「白紙」、あるいは、「非白紙」の区別をページ番号に対応付けてプレビューテーブルに記憶する。
【0043】
すべての原稿について以上の処理が終了したあと、プレビューテーブルの区分を参照して、読み込んだ原稿の枚数と「非白紙」の枚数をカウントし、「非白紙と判別されたページ数」がゼロでなかったときには、読み込んだすべての原稿画像が白紙でなかったとして、送信をするか否かの図9のようなメッセージを表示部91に表示する(ステップS8)。
上記のメッセージは、「読み取った全部のページ数と非白紙と判別されたページ数」を表示部91に表示させる。
この表示されたメッセージを見ることにより、ユーザは白紙ページが存在したか否かを、容易に認識することができる。
あるいは、ユーザが原稿のページ数を把握しているのであれば、「非白紙と判別されたページ数」だけを表示部91に表示させるようにしても構わない。
【0044】
ここで、「非白紙と判別されたページ数」がゼロのときには、読み込んだすべての原稿画像データが白紙と判別されたとして、原稿の表裏を間違えてセットした可能性が高いので、図10のようなメッセージ(「すべて白紙と認識されました。原稿を確認してください。」)を表示部91に表示し、設定を保持したまま送信モードの基本画面(図5)に戻る。その際は、ユーザは、原稿をセットしなおして、スタートキー92dを押すだけでよく、再度設定を入力するという手間が省略される。
このメッセージを見ることにより、ユーザは、原稿が裏表逆向きにセットされていた可能性を容易に認識でき、その後の対応を容易に行うことができる。
【0045】
図9のダイアログのOKボタン、あるいは、キャンセルボタンの押下を監視し、OKボタンが押されたことを検知すると(ステップS9でYES)、ステップS12へ進む。
また、キャンセルボタンが押されたことを検知すると(ステップS10でYES)、送信処理を中止して、送信モードの基本画面(図5)に戻る。
また、所定時間経過(例えば、60秒)しても、キャンセルボタンおよびOKボタンのいずれも押されない場合(ステップS11でYES)、送信処理を中止して送信モードの基本画面(図5)に戻る。これは、ユーザの判断がつかない場合であり、原稿の設定ミスや白紙の判断ミスが考えられるので、送信してしまうと、誤送信による相手での無駄な印刷や通信費用の発生するので、これを防止すること意味がある。
【0046】
「OK」ボタンが押されたことを検知すると、プレビュー確認画面へ自動的に切り替えて、区分が「非白紙」のページだけからなるサムネイル画像37を用いて、図11のようなプレビュー画面を表示する(ステップ12)。ここで、前進ボタン39/後退ボタン40を押すことによって、非白紙として判断されたページのサムネイル画像38が順次表示できる。
【0047】
図11の再設定ボタン41が押されたことを検知すると(ステップS13でYES)、図12に例示した画面を表示し、特別機能ボタン44が押されたことを検知すると(ステップS14でYES)、図13に例示した画面を表示し、白紙飛ばしボタン45が押されたことを検知すると(ステップS15でYES)、図14に例示したように「白紙飛ばし」機能が解除され、さらに、OKボタン46が押されると、図15に例示した画面を表示し、再プレビューボタン47が押されたことを検知すると(ステップS16でYES)、図11の画面に移行し、ユーザの前進ボタン39/後退ボタン40が押されたことを検知することによって、読み取ったすべてのページのサムネイル画像38が順次表示される(ステップS17)。
【0048】
次に、図11の送信開始ボタン42が押されたことを検知すると(ステップS18でYES)、現在選択されている「白紙飛ばし」機能に基づいて読み取った原稿画像データを送信する(ステップS19)。ここで、「白紙飛ばし」機能が有効であれば、非白紙と判別された原稿画像データのみを送信し、「白紙飛ばし」機能が解除されている場合には、白紙と判別された原稿画像データを含めて、読み取ったすべての原稿画像データを送信する。
この送信機能としては、ファクシミリ通信機能やインターファックス通信による電子メール送信機能を用いることができる。
【0049】
以上の説明は、本発明をファクシミリ通信処理に適用した例であるが、印刷処理についても同様に適用できる。
印刷処理の場合には、図4のフローチャートにおいて、ステップ2の送信先設定を省き、ステップS19において送信処理を印刷処理に置き換えるだけで、他のステップの処理は同じであるため説明を省略する。
【0050】
<実施形態2>
上述の実施形態1では、上記の(1)乃至(4)のいずれの原稿であっても白紙としていたが、本実施形態2では、裏の原稿が写りこんだ画像についてのみ、あるいは、裏の原稿の写りこんだ画像を含めて、白紙と判別する。
これは、両面原稿を片面を印刷したり、ファクシミリ送信する場合に、片面にのみ印刷されている原稿(例、表紙、合紙、裏表紙)が混在していると、裏の原稿が写りこんでくるので、その原稿ページを除去するために用いる。
【0051】
裏の原稿が写りこんだ画像を判別する公知の方法としては、特開平08−340447号公報あるいは特開2002−77606号公報に記載された方法がある。例えば、原稿画像のすべての画素の濃度値が所定の閾値より小さいときに、裏の原稿が写りこんだ白紙と判別することができる。
【0052】
白紙判別部6は、裏の原稿が写りこんだ画像だけを白紙とする場合には、原稿画像が「裏の原稿が写りこんだ画像」、および、「非白紙」のいずれであるかを区別し、この区別を判別結果として出力する。また、白紙および裏の原稿が写りこんだ画像をともに白紙とする場合には、原稿画像が「白紙または裏の原稿が写りこんだ画像」、および、「非白紙」のいずれであるかを区別し、この区別を判別結果として出力する。
読取部4では、読み取った原稿画像データとサムネイル画像と、判別結果とをページ番号に対応付けてプレビューテーブルに記憶する。
【0053】
最初にプレビュー表示を行うときには、「非白紙」と判断されたページのみのサムネイル画像38を表示し、再プレビューボタン47を押して「白紙飛ばし」機能の解除が行われたときには、読み取ったすべての原稿画像のサムネイル画像38を表示する(図11)。
また、プレビュー表示を行うときに、「白紙」と判断されたページのみのサムネイル画像38を表示し、再プレビューボタン47が押されてたときに「白紙飛ばし」が解除されたときに、読み取ったすべての原稿画像のサムネイル画像38を表示するようにしてもよい。
【0054】
以上により、読み取った原稿画像の出力処理をする前に、読み取った原稿画像の中に白紙あるいは裏の原稿が写りこんだ画像があると判断した場合、プレビュー表示させて、ユーザに読み込み内容を確認させることが可能になる。
【0055】
<変形例1>
上述の実施形態1および実施形態2では、最初にプレビュー表示するときに、「非白紙」と判別されたページについて表示し、「白紙飛ばし」機能を解除したときにすべてのページを表示するようにしていたが、本変形例1では、最初にプレビュー表示するときに、「白紙(裏の原稿が写りこんだ画像も含む)」と判別されたページを表示し、「白紙飛ばし」機能を解除したときに読み取ったすべてのページを表示するようにしてもよい。
【0056】
以上のように本変形例1を構成することによって、読み取った原稿画像の中に白紙があると判別した場合、プレビュー表示させて、読み込み内容を確認させることができる。
このとき、「白紙」と判別されたページを先にプレビュー表示することにより、「白紙」との判別が正しく判定されているかを、早く確認することができる。
【0057】
<変形例2>
上述の実施形態および変形例では、白紙(裏の原稿が写りこんだ画像も含む)として判定されたページをすべて削除するか、あるいは、すべて削除しないようにするかのいずれかを選択していた。
しかし、白紙(裏の原稿が写りこんだ画像も含む)として判定されたページには、正しく判定されたものも、あるいは、誤って判定されたものも存在しているものと思われる。
【0058】
本変形例2では、「プレビュー」あるいは「再プレビュー」を行っているときに、図11のページ削除ボタン43を押すことによって、出力処理を行うときに、サムネイル画像38に対応する原稿画像データを削除する。また、削除に当たっては、削除確認のダイアログを表示するようにしてもよい。
【0059】
<変形例3>
上述の実施形態および変形例では、白紙飛ばしボタンとプレビュー確認ボタンが押された場合に、プレビュー表示を行っていたが、本変形例3では、白紙飛ばしボタンが押された場合に、必ずプレビュー表示を行うようにする。
【0060】
この場合、図4のフローチャートにおいて、ステップS2を省略し、ステップS4で「白紙飛ばし」機能が選択された場合、自動的にプレビュー確認、すなわち、プレビュー表示を行う。
【0061】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能であるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施形態に係るデジタル複合機を用いて構築される画像処理システムの全体構成を示す模式図である。
【図2】実施形態に係るデジタル複合機のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
【図3】操作パネルおよび表示部に表示される初期画面の基本画面を例示する図である。
【図4A】ファクシミリ送信を例にした、原稿の読み取りから送信までの処理手順を説明するフローチャート(その1)である。
【図4B】ファクシミリ送信を例にした、原稿の読み取りから送信までの処理手順を説明するフローチャート(その2)である。
【図5】送信モードの基本画を例示する図である。
【図6】送信モードのアドレス設定画面を例示する図である。
【図7】送信モードの特別機能の設定画面を例示する図である。
【図8】プレビュー確認ボタンを設定したときの画面を例示する図である。
【図9】白紙枚数を通知するメッセージの例を示す図である。
【図10】すべての原稿が白紙であることを通知するメッセージの例を示す図である。
【図11】プレビュー画面を例示する図である。
【図12】再設定ボタンが押されたときの再設定画面を例示する図である。
【図13】特別機能ボタンが押されたときの「白紙飛ばし」機能を解除する画面を例示する図である。
【図14】白紙飛ばし機能が解除された状態の画面を例示する図である。
【図15】再プレビューを押下するときの画面を例示する図である。
【符号の説明】
【0063】
LN…ローカル通信ネットワーク網、IN…インターネット通信網、PN…公衆電話回線網、1…メイン制御部、2…制御用メモリ、3…二次記憶部、4…読取部、5…画像記憶部、6…白紙判別部、7…記録部、9…操作パネル、91…表示部、92…操作部、92a…テンキー、92b…クリアキー、92c…全解除キー、92d…スタートキー、92e…切替キー、92f…切替キー、92g…切替キー、92h…システム設定キー、10…パネル制御部、11…LAN制御部、12…網制御部、13…モデム、100…デジタル複合機、200…外部コンピュータ、300…外部コンピュータ、400…インターネットファクシミリ装置(ファクシミリ装置)、500…ファクシミリ装置、31…イメージ送信タブ、32…アドレス入力ボタン、33…特別機能ボタン、34…基本設定ボタン、35…白紙飛ばしボタン、36…OKボタン、37…プレビュー確認ボタン、38…サムネイル画像、39…前進ボタン、40…後退ボタン、41…再設定ボタン、42…送信開始ボタン、43…ページ削除ボタン、44…特別機能ボタン、45…白紙飛ばしボタン、46…OKボタン、47…再プレビューボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿読取手段と、前記原稿読取手段により読み込んだ原稿画像データの中から白紙の画像データを判別する白紙検出手段と、前記白紙検出手段により検出された白紙の画像データを除く画像データについて、プレビュー表示する表示手段と、を有し、前記表示手段は、プレビュー表示された白紙の画像データを除く画像データに対して、前記原稿読取手段で読み込んだすべての画像データを再プレビュー表示させることが可能なことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項2】
原稿を連続して読み込んで記録し、読み込んだ原稿画像データの中から白紙の画像データを判別する手段を有する原稿読取装置において、
白紙飛ばし指示により、連続して読み込んだ原稿画像データごとに白紙の画像データか否かを判別し、該原稿画像データを判別結果と対応付けて記憶し、
すべての原稿画像が読み取られた後に、非白紙の画像データと判別された原稿画像データを対象にしてプレビュー表示する白紙飛ばし部と、
前記白紙飛ばし指示の解除により、読み込んだすべての原稿画像データをプレビュー表示する白紙飛ばし解除部と、
前記白紙飛ばし指示が有効な場合には、前記読み込んだ原稿画像データから白紙の画像データと判別された原稿画像データを飛ばして出力し、前記白紙飛ばしの解除指示が有効な場合には、前記読み込んだ原稿画像データをすべて出力する出力部と、
を備えることを特徴とする原稿読取装置。
【請求項3】
原稿を連続して読み込んで記録し、読み込んだ原稿画像データの中から白紙の画像データを判別する手段を有する原稿読取装置において、
白紙飛ばし指示により、連続して読み込んだ原稿画像データごとに白紙の画像データか否かを判別し、該原稿画像データを判別結果と対応付けて記憶し、
すべての原稿画像が読み取られた後に、白紙の画像データと判別された原稿画像データを対象にしてプレビュー表示する白紙飛ばし部と、
前記白紙飛ばし指示の解除により、読み込んだすべての原稿画像データをプレビュー表示する白紙飛ばし解除部と、
前記白紙飛ばし指示が有効な場合には、前記読み込んだ原稿画像データから白紙の画像データと判別された原稿画像データを飛ばして出力し、前記白紙飛ばしの解除指示が有効な場合には、前記読み込んだ原稿画像データをすべて出力する出力部と、
を備えることを特徴とする原稿読取装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の原稿読取装置において、すべての原稿画像が読み取られた後に、読み取ったすべての原稿画像データの数と非白紙の画像データと判別された原稿画像データの数とを表示することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項5】
請求項2または3に記載の原稿読取装置において、すべての原稿画像が読み取られた後に、非白紙の画像データと判別された原稿画像データの数を表示することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の原稿読取装置において、前記データ数の表示が所定の時間を経過しても終了しない場合、以降の処理を中止することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項7】
請求項2または3に記載の原稿読取装置において、すべての原稿画像が読み取られた後に、すべての原稿画像データが白紙の画像データと判別された場合には、プレビュー表示を行わずに警告メッセージを表示することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項8】
請求項2または3に記載の原稿読取装置において、プレビュー表示された読み込んだすべての原稿画像データのうち削除指示された原稿画像データを、読み込んだ原稿画像データから削除して出力することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の原稿読取装置において、読み込んだ原稿画像データが、裏の原稿が写りこんだ画像データであるか否かを判別する裏写り判別手段を有し、前記裏写り判別手段により判別された原稿の裏が写りこんだ画像データも前記白紙の画像データとして処理することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項10】
原稿を連続して読み込んで記録し、読み込んだ原稿画像データの中から裏の原稿が写りこんだ画像データを判別する手段を有する原稿読取装置において、
裏写り原稿飛ばし指示により、連続して読み込んだ原稿画像データごとに裏の原稿が写りこんだ画像データか否かを判別し、該原稿画像データを判別結果と対応付けて記憶し、
すべての原稿画像が読み取られた後に、裏の原稿が写りこまなかった画像データと判別された原稿画像データを対象にしてプレビュー表示する裏写り原稿飛ばし部と、
前記裏写り原稿飛ばし指示の解除により、読み込んだすべての原稿画像データをプレビュー表示する裏写り原稿飛ばし解除部と、
前記裏写り原稿飛ばし指示が有効な場合には、裏の原稿が写りこんだ画像データと判別された原稿画像データを前記読み込んだ原稿画像データから飛ばして出力し、前記裏写り原稿飛ばしの解除指示が有効な場合には、前記読み込んだ原稿画像データをすべて出力する出力部と、
を備えることを特徴とする原稿読取装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の原稿読取装置と、前記原稿読取装置で読み取られた画像を送信する送信部と、を備えることを特徴とする画像送信装置。
【請求項12】
請求項11に記載の画像送信装置において、前記送信部は、ファクシミリ送信機能であることを特徴とする画像送信装置。
【請求項13】
請求項11に記載の画像送信装置において、前記送信部は、電子メール送信機能であることを特徴とする画像送信装置。
【請求項14】
請求項1乃至10のいずれかに記載の原稿読取装置と、前記原稿読取装置で読み取られた画像を印刷する印刷部とを備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−16770(P2010−16770A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−177190(P2008−177190)
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】