説明

双方向型物体検知センサ

【課題】 双方向で投受光することが可能な双方向型物体検知センサ、同一構造で互換性のある双方向型物体検知センサ、受光信号を同一投受光装置内や別の投受光装置における投光信号に加えることが可能な双方向型物体検知センサの提供。
【解決手段】 少なくとも投光器と受光器と投光制御部と受光制御部を有する単位投受光器が、対向してまたは並行に複数配置された1組の投受光装置であって、一方の単位投受光器の投光光は他方の単位投受光器により受光され、当該他方の単位投受光器の投光光は前記一方の単位投受光器により受光され、かつ、前記各単位投受光器における投光器の向きと受光器の向きが同一である双方向型物体検知センサを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の投光器と受光器によって一定領域または中長距離領域における物体の有無を検知するセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
物体の存在を検知する方法として、投光手段と受光手段を有し、受光光を光電変換して、その電気信号に基づいて物体の有無を判断するフォトインタラプタが良く知られている。
【0003】
このフォトインタラプタは、近距離の狭い領域における物体の有無を検知する場合に用いられることが多いが、中長距離の領域や比較的広い領域において物体の有無を検知することが必要になる場合がある。
【0004】
一定の大きさを有する不審者が検知エリアを回避して侵入することを防止する技術(特許文献1)や機械式駐車場内の人や動物を検知する技術(特許文献2)では、複数の投光手段と受光手段を有する多軸検知センサが提案されている。また、外乱光等のノイズ性の光に対する耐性が高く、中長距離における物体の有無を検知することができる技術(特許文献3)が提案されている。
【0005】
多軸検知センサの配置は、通常、複数の投光器および投光制御部を有する投光装置と複数の受光器および受光制御部を有する受光装置に分離されている。多軸検知センサの設置においては投光光の照射方向と受光器の向きを一致させる光軸合せが必須であるが、中長距離における物体の有無を検知する場合は投光装置と受光装置間の距離が長くなり、この光軸合せには困難が伴う。反射型の検知センサにおいても、投光装置と受光装置の距離を長くする場合は同様である。また、投光光は投光装置側から受光装置側に一方的に照射されるので、受光信号は受光装置側のみに蓄積することになる。このため、投光装置側では受光信号を取得することはできず、受光機能の故障を補完することはできない。また、投光装置と受光装置間の互換性もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−105879号公報
【0007】
【特許文献2】特開2005−330685号公報
【0008】
【特許文献3】特開2005−249534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこれらの問題を解決するために、双方向で投受光することが可能な物体検知センサを提供することを目的とする。また、同一構造で互換性のある物体検知センサ、受光信号を同一機器内や別の機器における投光信号に加えることが可能な物体検知センサを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の双方向型物体検知センサは、少なくとも投光器と受光器と投光制御部と受光制御部を有する単位投受光器が、対向してまたは並行に複数配置された1組の投受光装置であって、一方の単位投受光器の投光光は他方の単位投受光器により受光され、当該他方の単位投受光器の投光光は前記一方の単位投受光器により受光され、かつ、前記各単位投受光器における投光器の向きと受光器の向きが同一であることを特徴とする。
【0011】
本発明にかかる双方向型物体検知センサは、投光機能と受光機能を併せ持つ対向してまたは並行に配置された複数の単位投受光器より構成された1組の投受光装置を基本とする。投受光装置は1組または複数組を連ねて用いられる。各単位投受光器は対向してまたは並行に配置された他の単位投受光器に対して投光すると共に当該他の単位投受光器からの投光光を受光する。また、各々の同一単位投受光器における投光器と受光器は同じ方向を向いている。したがって、一方の単位投受光器の投光器の向きと他方の単位投受光器の受光器の向きが一致した場合、他方の単位投受光器の投光器の向きと一方の単位投受光器の受光器の向きも同様に一致することになる。すなわち、一方の投受光器の投光光と他方の投受光器の投光光は平行になる。
【0012】
本発明の請求項2に記載の双方向型物体検知センサは、前記一方の単位投受光器と前記他方の単位投受光器が同一構造であることを特徴とする。かかる構造により、単位投受光器間の代替性が担保される。1の単位投受光器を走査方向と直交して180度回転させれば対向する単位投受光器になり、横方向にスライドさせれば並行して配置された単位投受光器になる。
【0013】
本発明の請求項3に記載の双方向型物体検知センサは、前記一方および/または前記他方の単位投受光器が受光する受光信号(受光光に基づく信号)は同一単位投受光器内の投光制御部に伝送され、当該投光制御部は伝送された当該受光信号を自己に設定された固有の信号に加えることにより合成信号を作成することを特徴とする。かかる構成とすることにより、累積された受光信号を受光することが可能となる。最初に投光開始した単位投受光器内では受光制御部から投光制御部に受光信号を伝送しない設計とした場合、受光信号の累積は最初の投光に係る単位投受光器内の受光で終了して外部に発信することとなる。また、すべての単位投受光器内の受光信号を同一投受光器の固有の投光信号に加えて合成した投光信号を作成する設計も可能である。この場合、受光信号は累積されつつループ状に単位投受光器間で投受光を繰り返すことになる。任意の受光器から受光信号を取り出せば、常にリアルタイムに累積された信号を取得することができる。
【0014】
本発明の請求項4に記載の双方向型物体検知センサは、複数組の前記投受光装置により構成される複合型投受光装置において、一部または全部の前記投受光装置の単位投受光器の受光信号は別の前記投受光装置の単位投受光器内の投光制御部に伝送され、当該別の前記投受光装置の単位投受光器内の投光制御部は伝送された当該受光信号を自己に設定された固有の信号に加えることにより合成信号を作成することを特徴とする。1組の投受光装置を複数連ね、別個の組間で受光信号の伝送を行うことにより複数組間で受光信号を累積することができる。単位投受光器の受光信号は別の投受光装置内の単位投受光器の投光制御部にのみ伝送することもでき、別の投受光装置内の単位投受光器の投光制御部と同一単位投受光器の投光制御部の双方に伝送することもできる。双方に伝送する場合は、複数組間で受光信号の累積ができるのと同時に同一投受光装置内で受光信号の累積も行うことができる。すなわち2重に累積を行うことができる。なお、すべての単位投受光器内の受光信号を同一単位投受光器の固有の投光信号に加えて合成した投光信号を作成する設計も可能である。この場合、受光信号は累積されつつループ状に複数組間および単位投受光器間で投受光を繰り返すことになる。
【0015】
本発明の請求項5に記載の双方向型物体検知センサは、前記複合型投受光装置において、一部または全部の前記投受光装置内の単位投受光器と別の前記投受光装置内の単位投受光器とが、監視エリアの形状に適合させて一体的に結合していることを特徴とする。一体構造とすることにより長距離直線状領域における検知や特殊な形状の領域における検知が容易になる。
【0016】
本発明の請求項6に記載の双方向型物体検知センサは、前記複合型投受光装置において、前記単位投受光器内の投光器および受光器の向きを変動可能としたことを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の検知センサは、予め1組の前記投受光装置または前記複合型投受光装置における各単位投受光器に対し、固有の識別番号を付与して識別番号に係る信号を投光光に含めることにより、同一の投受光装置を構成し当該投光光を受光する他の単位投受光器は、当該投光光に含まれる固有の識別番号に係る信号を同一の投受光装置を構成する他の単位投受光器からの信号であると認識することを特徴とする。単位投受光器が複数の投光器を有する場合であっても、ペアとなる単位投受光器を認識するためには1つの識別番号で足りる。
【0018】
請求項8に記載の検知センサは、前記投受光装置または前記複合型投受光装置の設置工事において、各単位投受光器の投光光に初期設定中であることを示す信号および前記固有の識別番号に係る信号を含めることにより、同一の投受光装置を構成し当該投光光を受光する他の単位投受光器は、当該投光光に含まれる固有の識別番号に係る信号を同一の投受光装置を構成する他の単位投受光器からの信号であると認識することを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項9に記載の双方向型物体検知センサは、1組の前記投受光装置または前記複合型投受光装置において、同一の投受光装置における各単位投受光器を同期線、通信線、有線ネットワークまたは無線ネットワークで接続することにより、前記各単位投受光器は同一の投受光装置を構成する他の単位投受光器からの投光光に基づく受光信号を有効であると認識することを特徴とする。単位投受光器間を同期線等の手段で接続することによって、単位投受光器は対応すべき投光光のみを有効なものとして認識することができる。
【0020】
請求項10に記載の検知センサは、1組の前記投受光装置または前記複合型投受光装置における各単位投受光器が各々異なるデジタル信号または異なるパルスパターンで投光することにより、同一の投受光装置を構成する他の単位投受光器は前記各単位投受光器の投光光に基づく受光信号を有効であると認識することを特徴とする。これにより、単位投受光器は対応すべき投光光のみを有効なものとして認識することができる。単位投受光器が複数の投光器を有する場合は、投光器ごとに異なるデジタル信号または異なるパルスパターンとすることが好ましい。投光光をデジタル光信号とすることにより、各投光光に対して容易に固有の信号を付与することができる。受光光に含まれる信号を同一単位投受光器の投光制御部に伝送することによって、その投光制御部にかかる投光器からその信号を加えた合成信号を投光することが可能である。また、各投光器の投光パターンをそれぞれ異なったものとし、各投光器に対応する各受光器は、投光器の投光パターンを識別し、かつ、その受光器が対応する投光器の投光パターンにかかる投光のみを有効なものとして認識して、物体の有無を判断する。
【0021】
本発明の請求項11に記載の双方向型物体検知センサは、1組の前記投受光装置または前記複合型投受光装置において、同一の投受光装置における各単位投受光器にゼロクロスコンパレ―タを備え、当該各単位投受光器は、自己のゼロクロスコンパレータの計測に基づく交流電流の1周期中の1または複数の特定のタイミングに割り当てられた投光タイミングで投光し、前記同一の投受光装置を構成する他の単位投受光器は、自己の前記ゼロクロスコンパレータの計測に基づいて、交流電流の1周期中の割り当てられた前記1または複数の特定のタイミングと同一タイミングを認識することにより、同一の投受光装置を構成する他の単位投受光器からの投光光を有効であると認識することを特徴とする。投光側のゼロクロスコンパレータと受光側のゼロクロスコンパレータは、各投光器の投光タイミングと対応する各受光器の受光タイミングを交流電流の1周期中の同一タイミングとすることにより、各受光器は対応する投光器の投光のみを有効なものとして認識することができる。
【0022】
本発明の請求項12に記載の双方向型物体検知センサは、前記投受光器における投光器と受光器はいずれも、凹面を有するケースと、凹面上に金属層が形成された反射面と反射面に対向して投光素子が取り付けられたリード線を備えたLEDであることを特徴とする。
【0023】
本発明にかかる投光器と受光器はいずれも凹面の反射面を有している。かかる構造とすることにより、投光素子からの投光光を略平行光に整え、略平行光を受光素子で受光することができる。投光器の凹面は投光素子の位置との関係により曲率が定まるが、受光器の凹面は投光光の拡散の程度によって好適な曲率が変わる。したがって、投光器と受光器の距離等により投光光がやや拡散している場合には、曲率を大きくして拡散光を受光素子に集光させることが好ましい。
【0024】
本発明の請求項13に記載の双方向型物体検知センサは、前記投光器における投光素子の取り付け位置をリード線上で移動することにより、反射面で集光された投光光の角度を変化させることを特徴とする。通常、投光素子は凹面の中心部に対向する位置に配置され、放射状の投光光は凹面の反射により略平行光に整えられる。投光素子をリード線上の任意の位置に移動させることにより、放射光が照射する角度に対する凹面の角度が変化して、反射光が凹面に対して直交する略平行光から一定角度変化した傾斜した略平行光になる。したがって、設置位置の制約等により受光素子の受光量が不十分な場合に 投光光束の角度を変更して受光量の向上を図ることが可能である。たとえば、並行配置型検知センサにおいては、物体の位置が遠すぎ(または近すぎ)て、物体による反射光を受光素子が認識できない場合がある。このような場合に、投受光器間の距離や相対角度を変えずに、受光素子が反射光を認識することが可能となる。
【0025】
本発明の請求項14に記載の双方向型物体検知センサは、1組の前記投受光装置または前記複合型投受光装置における一部または全部の投受光器に可視光を発光するLEDを備え、当該可視光を視認することにより同一の投受光装置を構成する他の単位投受光器の向きを調整することを特徴とする。追加するLEDは赤色等の可視光とし、その可視光を視認できるか否かを確認することにより、投光器や受光器の向きのズレを容易に調整することが可能になる。可視光を発光するLEDは別に設置することが便宜だが、双方向型検知センサの投光光を可視光として兼用して用いても良い。
【0026】
本発明の請求項15に記載の双方向型物体検知センサは、前記LEDに発光点滅制御機構を加えたことを特徴とする。可視光の視認により投光器および受光器の向きを調整する場合において、点滅動作を加えることにより、より正確かつ微細な情報の伝達が可能となる。
【0027】
本発明の請求項16に記載の双方向型物体検知センサは、前記単位投受光器を切断可能な素材又は形状変更が可能な素材に結合したことを特徴とする。設置現場で軸数の調整や向きの調整を簡便に行うことができる。
【0028】
本発明の請求項17に記載の双方向型物体検知センサは、太陽電池、熱電変換素子などの環境発電手段と蓄電手段を設けることで、電力線の配線を不要にしたことを特徴とする。

【発明の効果】
【0029】
請求項1に記載の双方向型物体検知センサ(以下「検知センサ」という。)は光軸合わせを容易に行うことができる。光軸合わせは、例えば、受光器の受光量の大小をチエックしつつ最大値となった受光量にかかる投光装置と受光装置の向きを最適の向きと決定する等の手段により行われる。投光装置と受光装置の距離が長くなった場合には投光装置側から受光装置の受光状態を視認することは困難なので、受光装置側でのみ受光状態を確認しその状態を投光装置側に連絡しつつ調整作業を行う。この連携作業は煩雑である。本発明にかかる検知センサにおいてはいずれの単位投受光器も受光器を有するので、双方で受光状態を確認しつつ調整作業を進めることができる。また、同一単位投受光器内の投光器の向きと受光器の向きが同じなので、一方の受光器で最適の向きを決定した場合は、同時に他の受光器においても最適の向きを獲得したことになる。また、従来の受光装置では、少なくとも受光器側には常に作業員の配置等をする必要があったが、本発明にかかる投受光装置ではいずれか任意の一方の単位投受光器を固定して、他方の単位投受光器のみを用いて調整することも可能である。さらに、本発明にかかる検知センサは、一方の単位投受光器の投光条件または受光条件が悪化した場合に他の単位投受光器がその機能を補完することが可能である。
【0030】
請求項2に記載の検知センサは、単位投受光器における投光器と受光器の配置・距離等が同じなので、光軸合せがより容易になる。また、同型の単位投受光器を複数配置することにより1組の投受光装置を構成できるので、投光装置と受光装置を別々に製造する必要がない。また、製造原価の引き下げ、在庫数量の減、納期の短縮を可能とする。また、検知センサの設置や修理の際に、投光装置と受光装置の数量合わせや現物確認の手間等の確認や作業が不要で迅速な工事が可能である。
【0031】
請求項3に記載の検知センサは、受光信号を同一単位投受光器内の投光器の固有の信号に加えて合成信号を作成することができるので、合成信号を受光する受光器は累積した信号情報を受け取ることができる。したがい、投受光装置内におけるすべての受光信号を特定の単位投受光器が受け取ることができ、それを接続した通信手段から伝送することが可能である。また、投受光装置内のすべての単位投受光器において受光信号を固有の信号に追加して合成信号を作成する構成とすれば、合成信号は蓄積されつつ各単位投受光器間をキャッチボールのごとく投光・受光されることになる。この場合、いずれの単位投受光器もすべての受光信号を受光でき、それを接続した通信手段から伝送することが可能である。
【0032】
請求項4に記載の検知センサは、投受光装置を連ねた複合型投受光装置である。異なる投受光装置間で受光した受光信号を伝送し、伝送された受光信号を固有の信号に加えて合成信号を作成する。1組の投受光装置に比べ、距離の長い領域や広い領域において物体検知を行うことができる。また、投光を最初に開始した単位投受光器においても受光信号を固有の信号に追加して合成信号を作成する構成とすれば、複合型投受光装置全体で累積された合成信号が投光・受光され、いずれの単位投受光器も複合型投受光装置全体のすべての受光信号を受光でき、外部に伝送することが可能になる。さらに、異なる投受光装置間で受光信号を伝送するのと共に、同一投受光装置の同一単位投受光器内でも受光信号を伝送するようにすれば、複合型投受光装置全体について蓄積された合成信号と1の投受光装置内のみで蓄積された合成信号を2重系で取得することができる。2重系とすることにより複合型投受光装置全体における信号累積機能を各々の投受光装置内における信号累積機能の合算によって補完することも可能で冗長性を担保できる。
【0033】
1の投受光装置内の単位投受光器と別の前記投受光装置内の単位投受光器とが、監視エリアの形状に適合させて一体的に結合していることにより不整形エリアにおいても光軸合せを容易に行うことができる。
【0034】
単位投受光器に回転機構、シフト機構等投光器および受光器の向きを調整する手段を備えることにより光軸合せを容易に行うことができる。1の投受光装置内の単位投受光器と別の前記投受光装置内の単位投受光器を一体的に結合させる場合、不整形な領域の形状に合せた一体形状機器を製作することが加工上煩瑣となる場合がある。そのような場合は、長方形等標準形状で一体化しておき、後に回転機構等で調整して光軸を合せることが可能である。不整形形状でなくても、回転機構等を用いて微調整することが可能である。
【0035】
請求項7および請求項8に記載の検知センサは迅速簡便に設置することができる。従来は、離れた投光器等別の投光器からの投光光を誤認識しないようにするために、工事の際に機器ごとに親機子機の設定、隣接する機器間の設定をしており、大変煩雑であった。本発明により、1組の投受光装置の1対の単位投受光器は通電とともに自動的に、互いの投光光は有効な投光光であると認識することができ、隣接する別の投受光装置間の認識は電気配線で行うことにより、離れた投光器からの投光光の誤認識を防止しつつ、連続して迅速な設置工事をすることが可能である。請求項8に記載の検知センサは、初期設定中の信号は通電と共に初期設定中の信号が投光光中に含まれるように工場出荷段階で設定しても良く、設置工事段階で設定するようにしても良い。工場出荷段階で設定し、設置・稼働の後に1の単位投受光器のみを交換する必要が生じた場合には、交換せずに残った単位投受光器について改めて初期設定のリセットを行うこともできる。
【0036】
請求項9に記載の検知センサは、1組の投受光装置内の単位投受光器間を通信線で接続して同期させる。1の受光器の受光光のうち対応すべき投光器からの受光のみを有効な受光とすることが可能である。
【0037】
請求項10に記載の検知センサは、デジタル信号またはパルスパターンを基準として有効な光か否かを判断するもので、投光側と受光側の時間を合わせるための同期を別途用意することを不要に出来る。また、単位投受光器が複数の投光器を有する場合は、各投光機の信号を異なる信号とすることにより投光器ごとの情報を獲得でき、より正確な判断を行うことが可能となる。
【0038】
請求項11に記載の検知センサは、同一投受光装置内の各単位投受光器に対して交流電流の1周期中の特定タイミングを割振りを行う。投光器と対応する受光器では同一タイミングにより割振りが行なわれることとなる。したがって、各投光器では投光制御部の指令により1周期中の特定のタイミングでのみ投光し、各受光器は指示された同一のタイミングの受光のみを有効な受光と認識する。その結果同期を別途用意することを不要に出来る。
【0039】
請求項12に記載の検知センサは、投光光を略平行に整え、かつ、拡散した場合であっても受光素子に集光可能な構造である。したがって、比較的中長距離の場合でも受光量が低下せずに物体の検知が可能であり、また、本発明にかかる検知センサを複数並列に配置した場合でも、受光器は他の投光器からの投光の影響を受けにくい。さらに、投光器および受光器はいずれも凹面と投光素子または受光素子を組み合わせた構造となっており、コンパクトで設置場所の制約を受けにくい。
【0040】
請求項13に記載の検知センサは、設置位置の制約等により受光素子の受光量が不十分な場合に投光光束の角度を変更して受光量の向上を図ることが可能である。たとえば、反射型検知センサにおいては、物体の位置が遠すぎ(または近すぎ)て、物体による反射光を受光素子が認識できない場合がある。このような場合に、投光器と受光器の距離や相対角度を変えずに、受光素子が反射光を認識することが可能となる。
【0041】
請求項14に記載の検知センサは、投光器および受光器を設置する際に、可視光の視認可否に基づいてその向きのチエックを行うことができる本発明は、投受光器間の距離が長い透過型検知センサにおいて特に効果が大きい。
【0042】
請求項15に記載の検知センサは、たとえば、2人で設置位置・角度の調整を行う場合において、完全に向きがあった場合は連続点灯、ほとんど合った場合は早い点滅、わずかに合った場合はゆっくりとした点滅、全く合わない場合は消灯などの動作を組み合わせることにより、目視しながら迅速に調整することが可能となる。
【0043】
請求項16に記載の検知センサは、連なる単位投受光器群を、センサ設置の際に任意の部分で切断することにより、軸数の調整をすることができる。また、フレキシブルチューブ状の素材に貼り付け、センサ設置の際に投受光器の向きを、容易に任意の方向に変更することができる。
【0044】
請求項17に記載の検知センサは、省配線、任意の位置からの検知情報発信を実現することができる。

【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】検知センサ(対向タイプ)の基本概念図である。
【図2】投光器の概念図である。
【図3】受光器の概念図である。
【図4】検知センサのブロック図である。
【図5】複合型検知センサ(対向タイプ)の全体概念図である。
【図6】複合型検知センサの部分概念図である。
【図7】検知センサの投光概念図であり、Aは1組の検知センサの投光概念図を、Bは1組の検知センサ(ループ型)の投光概念図を、Cは複合型検知センサの投光概念図を、Dは複合型検知センサ(ループ型)の投光概念図を、それぞれ示している。
【図8】1組の検知センサ(並行タイプ)の投光概念図である。
【図9】A及びBは従来技術による侵入者検知概念図であり、Aは1か所侵入の場合をBは複数個所侵入の場合を示している。Cは本発明にかかる複合型投受光装置であり、複数個所侵入の場合を示している。
【図10】異形領域に一体型検知センサを配した場合の概念図であり、Aは光軸変更不可能な一体型検知センサを配した場合を、Bは異形領域に光軸変更可能な一体型検知センサを配した場合を、それぞれ示している。
【図11】パルスパターン図である。
【図12】交流電流の1周期における投光ポイント図である。
【図13】検知センサ(並行タイプ)の概念図である。
【図14】投光素子の概念図であり、Aは投光素子が通常位置にある場合を、Bは投光素子が位置移動した場合を、それぞれ示している。
【図15】投光素子位置移動後の検知センサ(並行タイプ)の概念図である。
【図16】点滅機能付き可視光LEDを備えた検知センサの概念図である。
【図17】切断可能素材に装着した投光器の概念図である。
【図18】柔軟素材に装着した投光器の概念図である。
【図19】柔軟素材に装着した投受光器を配置した全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
【実施例1】
【0047】
図1は、本実施例に係る検知センサ(以下、「本検知センサ」という。)10の基本概念図である。本検知センサは、同一構成の1対の投受光器20から構成されている。図面左側の投受光器20Xは、投光器21X1及び21X2,受光器24X1及び24X2、トランジスタ23X(X1及びX2)、バッファ26X(X1及びX2)、投光制御部22X、受光制御部25X,電源部27Xから構成されており、図面右側の投受光器20Yも同一の構成となっている。
【0048】
投受光器20Xの投光制御部22Xはトランジスタを通じて、投光器21X1及び21X2に接続し、受光器24X1及び24X2は、バッファを通じて受光制御部25Xに接続している。受光制御部25Xは通信部60に接続している。受光制御部25Xと投光制御部22Xは接続されていない。投受光器20Y内部も同様の接続となっているが、受光制御部25Yと投光制御部22Yは接続しており、受光制御部からの信号伝送が可能になっている。なお、投受光器20Xにおいても、受光制御部25Xと投光制御部22Xを接続することは可能である。また、本実施例では、図面左右の投受光器は同一構成となっており、同一投受光器内の投光器と受光器の数は同じとなっているが、たとえば左右の投受光器で投光器や受光器の数が異なる場合や同一投受光器内の投光器数と受光器数が異なる構成も可能である。
【0049】
図2は本検知センサにかかる投光器21の概念図である。投光器21内は凹面状に形成されて内部に透明エポキシ樹脂が充填され、その上に金属層が形成された凹面反射面32がある。凹面反射面32に対向して投光素子30が取り付けられたリード31が備えられている。投光素子30は発光ダイオードで、設定された近赤外光を照射する。凹面反射面32は、投光素子30から放射状に投光された光を、略平行光に整えて走査方向に反射可能な形状に形成されている。
【0050】
図3は、本検知センサにかかる受光器24の概念図である。受光器24も投光器21と同様の形状となっていて、凹面反射面42とそれに対向する受光素子40が取り付けられたリード41が備えられている。凹面反射面42の形状は投光器の凹面反射面32よりも傾斜角度が大きい底の深い形状となっている。投光光は受光器の反射面で反射集光されて受光素子により受光される。投光光は投光器の凹面反射面32により略平行に整えられるが、受光器までの距離により徐々に拡散する場合がある。そのため、本実施例では受光器の凹面反射面は拡散光を反射集光すべくかかる形状となっている。受光素子はフォトダイオードである。なお、条件により、受光器凹面反射面の形状は、投光器凹面反射面と同一の形状としても良い。また、凹面反射面を有しないタイプの投光器、受光器による構成とすることも可能である。
【0051】
本検知センサの動作について、図4と図7Aに基づいて説明する。図4の左側の投受光器及び右側の投受光器で本検知センサを構成している。図4では各投受光器は各々2つの投光器および受光器を有している。各々1つの投光器および受光器としても良い。受光制御部は装置としては1基であるが、ここでは、動作説明のために複数に分けて記載している。投光制御部で信号X1及びX2を作成し、その信号に基づいた投光光の照射を投光器X1及びX2に指令する。信号はデジタル光信号である。信号X1は受光器Y1により受光され、増幅、I/V変換後、受光制御部で受光器Y1で受光すべき信号X1であることが判断される。干渉によりX2や他の投光を受光した場合は、受光制御部で受光すべき信号X1ではないと判断され、受光がない状態と同様に判断される。受光器Y2の受光についても、同様に受光制御部で受光すべき信号X2であるか否かが判断される。本実施例ではデジタル信号を基準として有効な光か否かを判断するもので、投光側と受光側の時間を合わせるための同期は不要であるが、単位投受光器を同期線で接続することにより受光信号の有効性を判断するようにしても良い。
【0052】
受光制御部Y1及びY2で判断された結果は投光制御部Yに伝送され、投光制御部Yで作成される固有の信号Y1に加算され、合成された信号として投光器Y1より投光される。
【0053】
合成信号の作成方法は、例えば一方の装置から発する第1光軸からの投光信号に、スタートコード、第1光軸からの投光であることを示すビットを含むデータコード、外乱などによるエラーを排除するためのデータコードの反転コード、ストップコード、チェックサムコードを含むビットストリームを投光する。第2光軸からの投光信号も同一である。これらを受けた他方側の装置の受光器側では、一定時間内にそれぞれの投光信号の有無を確認した後に、他方側の投光器から第3光軸の投光信号を出力する。この際に、スタートコード、第1光軸及び第2光軸からの投光の受信結果を示すビットと共に第3光軸からの投光であることを示すビットを含むデータコード、同様に外乱排除のためのデータコードの反転コード、ストップコード、チェックサムコードを含むビットストリームを投光する。第4光軸からの投光も同様である(本実施例では、第4光軸からの投光には第1光軸及び第2光軸からの投光の受信結果を示すビットは含まれないが、第3光軸同様の構成としても良い。)。
【0054】
投光側、受光側いずれも2系統あることから、データ伝送としては2重系といえる。その結果、一方の装置では自分自身の第1光軸、第2光軸からの投光信号が他方側の受光器に届いたどうかの情報並びに、他方側の投光器からの投光が一方側の受光器に届いたかどうかが判断出来る。他方側の装置も第1、第2と第3、第4を入れ替えて考えると同様である。なお4光軸すべてが遮断された場合であっても、一方側並びに他方側のそれぞれの装置に一定時間の間の投光信号が入らないことから、4光軸すべて遮断されている事実が明確となる。また上記の例では各コードを1バイト単位のキャラクタコードとした。この場合の送信データ量は合計5バイトとなるが、すべてビットとして送信することも可能である。その場合はデータ幅が大幅に圧縮される。
【0055】
X1及びX2の受光信号が得られた場合は、Y1+X1+X2の信号となる。投光器Y2より投光される信号は固有のY2のみである。投受光器20Xの受光器X1及びX2で受光された受光光は、受光制御部Y1およびY2と同様に受光制御部X1およびX2で判断され、受光制御部X3で全体としてX1,X2、Y1、Y2のすべての信号が受光されたか、それ以外のケースかどちらであるかが判断される。すべての信号が受光された場合は、物体なし、それ以外は物体ありと判断され、通信部から外部に通報される。
【0056】
本実施例では、受光制御部X1,X2で判断された結果は投光制御部Xには伝送されないが、投光制御部Xに伝送し、それを受光制御部Y1、Y2で受光判断するようにしても良い。図7Bは、X1,X2,Y1,Y2の受光信号が投光制御部Xに伝送される場合の投光概念図である。X1,X2は投光制御部Xで作成する固有の信号と同一なので、Y1,Y2のみ追加されて合成信号が作成される。たとえば、投光概念図7Bにおける投光光X2はX2+Y1+Y2となる。これによりすべての信号は両側の投受光器間でループ状に廻り、常に両側の投受光器で投光・受光される。投受光器Yに通信部や表示部を設け、投受光器Xの補完機能を持たせても良い。また、すべての投光信号が受光されない限り物体ありとする設計とせずに、特定の投光信号のみの情報に基づいて物体の有無を判断したり、複数の投光信号が受光されないことを条件として、物体有りと判断するような設計とすることも可能である。

【実施例2】
【0057】
図5は、本センサを直列に4基(A,B,C,D)連ねた複合型検知センサの概念図である。また、図7Cは複合型検知センサの投光概念図である。投受光装置Aは、同一構成の投受光器A1とA2よりなり、A2は投受光装置Bを構成する投受光器B1と背中合わせに接している。同様に、投受光装置Bの投受光器B2は投受光装置Cの投受光器C1と、投受光装置Cの投受光器C2は投受光装置Dの投受光器D1と接している。投受光装置Aと投受光装置B,投受光装置Bと投受光装置C、投受光装置Cと投受光装置D間は、背中合わせの投受光器どうしが接続され、受光信号の伝送が可能となっている。図6は図5の一部を拡大した概念図であり、投受光装置Aと、投受光装置Bの一部を示している。投受光装置が複数のため、機器等の符号は末尾にA,B等を追加している。図示していないが、投受光装置Aの投光制御部22YAと投受光装置Bの受光制御部25XB、投受光装置Aの受光制御部25YAと投受光装置Bの投光制御部22XBは接続されている。
【0058】
投受光装置Aにかかる投受光器20XAと20YA間の動作は前述の通りである。複合型検知センサの動作については、構成を投受光装置AおよびBの2つの場合に省略して説明する。投受光装置Bにかかる投光信号X1B,X2B,Y1B,Y2Bは、受光器24X1Bと24X2Bで得られ、受光制御部25XBで投受光装置B全体の信号受光が判断される。判断された受光信号は投受光装置Aの投光制御部22YAに伝送され、投光制御部22YA内の設定された固有の信号Y2に加算され、合成された信号として投光器21Y2Aより投光される。したがって、X1A、X2A,Y1Aの信号は受光器24X1Aに、Y2A,X1B,X2B,Y1B,Y2Bの信号は受光器24X2Aに集約され、投受光装置Aおよび投受光装置Bのすべての受光信号が投受光装置Aの受光制御部25XAに集約され、物体の有無の情報が通信部60から通知される。同様に、投受光装置Cおよび投受光装置Dにかかる投光信号についても、投受光装置Aの固有の投光信号に加算、合成することにより、投受光装置A,B,C,D のすべての受光信号が投受光装置Aの受光制御部25XAに集約され、物体の有無の情報が通信部60から通知されることとなる。なお、X1B,X2B,Y1B,Y2Bの信号をY1Aに加算して、投光器21Y1Aより投光しても良い。図7Dは、複合型検知センサ全体で受光信号を累積・伝送するのと別個に、1組の投受光装置内においてすべての信号をループ状に伝送する2重系の投受光システムである。各投受光装置内では、他の投受光装置内の故障や他の投受光装置内の物体検知に影響されずすべての信号を伝送することができる。
【0059】
同じ受光信号を同一単位投受光器内の投光制御部に伝送すると共に別の投受光装置(背中合せの単位投受光器)に伝送する方法を以下に記載する。
信号の伝達方法として、まず最初となる第1の単位投受光器から発する第1光軸からの投光信号に、スタートコード、最初の同一単位の第1光軸からの投光であることを示すビットを含むデータコード、外乱などによるエラーを排除するためのデータコードの反転コード、ストップコード、チェックサムコードを含むビットストリームを投光する。第2光軸からの投光信号も同一である。
【0060】
このデータコードは、総合計の光軸数分だけビット数を追加することが可能である。例えば4光軸の同一単位が32個連結した場合は、4×32=128ビット幅を有することになる。シーケンシャルに並んだビット数のベースから第1の同一単位の4軸分の4ビット、次に第2の同一単位の4光軸分の4ビット、と連結していくなどの方法が考えられるが、便宜上、一つの同一単位の4軸分毎に1バイト(8ビット)を当ててもよい。
【0061】
これらの投光に載せたデータのビットストリームを受けた他方側の単位投受光器の受光器では、一定時間内にそれぞれの投光信号の有無を確認した後に、他方側の単位投受光器の投光器から第3光軸の投光信号を出力する。この際に、スタートコード、第1光軸及び第2光軸からの投光の受信結果を示すビットと共に第3光軸からの投光であることを示すビットを含むデータコード、同様に外乱排除のためのデータコードの反転コード、ストップコード、チェックサムコードを含むビットストリームを投光する。第4光軸からの投光も同様である(本実施例では、第4光軸からの投光には第1光軸及び第2光軸からの投光の受信結果を示すビットは含まれないが、第3光軸同様の構成としても良い。)。
【0062】
それと同時に、同一単位投受光器内の投光制御部と別の投受光装置(背中合せの単位投受光器)に対して、受光結果を伝送する。この伝送は隣接していることもあり、通常のシリアル信号を配線ないし基板上のパターンで伝えることが出来る。
【0063】
例えば第1の投受光装置から隣接する第2の投受光装置に対しては、上記の電送によるデータ伝送が行われる。その際も、光による伝送同様に、スタートコード、データコード、反転データコード、ストップコード、チェックサムコードを送信する。この場合、便宜上第2から第1に関してACK信号を返しても良い。
【0064】
その後、第2の投受光装置から同様に、第1光軸からの投光信号に、スタートコード、第1の投受光装置の光軸情報(4光軸の場合4ビット)と当該第2の投受光装置の一方の単位投受光器の第1光軸からの投光であることを示すビットを含むデータコード、外乱などによるエラーを排除するためのデータコードの反転コード、ストップコード、チェックサムコードを含むビットストリームを投光する。第2光軸からの投光信号も同一であり、以下他方の単位投受光器からの第3光軸、第4光軸も同様である。連続して設置されている複数の投受光装置間で同様の動作を繰り返す。
最終端となる受光側装置からは隣接する装置がないため、投光側に返す光信号によるデータストリームのみの処理となる。
【0065】
これらのデータ伝送の結果、全光軸の遮断情報を得ることが出来る。一方と他方の装置間の通信を遮断する様な全光軸遮断が例え複数の箇所で発生したとしても、各装置から信号出力が可能なため、どの光軸で遮断されているかも認識することが可能である。ただし最初の第1の一方の装置からの信号のみ制御監視室などの上位システムに接続されている場合は、どこかで全光軸遮断があるとそこから先の情報は得られないが、仮に一カ所でも遮断があるかどうかを知りたいような用途の場合はそれでも十分となる。なお、上記の説明では同一単位の装置を連結することによって監視距離を伸ばすことを目的としたが、サークル上につなぐリンク機構でも同様に使用出来る。また、監視エリアに於ける光軸数を4光軸から8〜64と光軸数を増やすような用途に対しても、同様に処理が可能である。
【0066】
2重系の投受光システムの効果について図9A,9B,9Cに基づいて説明する。各図は侵入者があった場合における複合型検知センサの検知状況を表したもので、図9Aおよび図9Bは従来型検知センサ、図9Cは本発明にかかる複合型検知センサである。また、図9Aは1箇所に侵入した場合、図9Bおよび図9Cは2箇所に侵入した場合である。投1ないし投5は従来タイプの投光専用器、受1ないし受5は従来タイプの受光専用機を示す。また、L1ないしL5、およびR1ないしR5は本発明にかかる単位投受光器を示す。図9Aにおいては、投光光3が遮断されるので投光器4からの投光光は固有の信号4のみとなり、投光器5からの投光光は固有の信号5に信号4が加えられる。したがって、受光器5においては、信号1ないし3は受信できない。この場合、受光器5に最も近い3の位置に侵入者があったことを判断することができる。しかし、2および3の位置に侵入者があった場合(図9B)との区別をすることはできない。複数個所に侵入者があった場合には適切な判断ができないことになる。なお、図示していないが、従来型検知センサであっても、投光器・受光器の位置を逆にしたものを追加し、5→4→3→2→1の順に投光すれば、結果的に双方向で投光および受光することも可能である。その場合は、3の位置および2の位置に侵入者があったことを判断することができる。
【0067】
図9Cは、本発明にかかる複合型検知センサで、2重系の投受光システムである。受光信号は隣接する別の投受光装置に伝送されると共に同一単位投受光器内でも伝送される。異なる投受光装置間の伝送系では信号1はL1およびR1で受信され、信号4および5はL4〜R5で受信される(図9Cの上部2段の矢印)。また、同じ投受光装置内の伝送系(図9C下部2段の矢印)では信号1,4および5がそれぞれの投受光装置内の受光器で受信される。このため2および3において侵入者があったことを2重にチエックすることができ、上記の従来型の双方向投受光に比べ信頼性の高い判断をすることができる。また、機器の設置においても、投光方向を考慮することなく設置でき、機器の増設も容易である。

【実施例3】
【0068】
本センサの第3の実施例として、デジタル光信号を用いずに、パルスパターンを用いて信号間の識別を可能とする検知センサについて説明する。本実施例の場合も同期線は不要である。本実施例にかかる検知センサの構成は図1に示した基本概念図にパルス発生部50と駆動回路51を追加したものである(図示していない)。なお、図11はパルス発生部により作成されるパルスパターンA、B、C、Dである。
【0069】
本実施例の動作について説明する。投光制御部22Xは、パルス発生部50と駆動部51にA、B,C,Dの4パターンのパルスの作成とその順の発生・駆動の繰り返しを指令し、それに基づいて投光素子に投光させる。投光器21X1よりパルスパターンAの投光光が投光され、受光器24Y1により受光される。この場合、受光器24Y1で受光されたAパターンの受光は、受光器24Y1専用のバッファー(I/V変換回路と増幅回路)で処理された後、受光制御部25Yで、Aパターンの受光をしたか否かが判断される。すなわち、Aパターンの受光をした場合は物体なしと判断され、Aパターンの受光をしない場合(他のパターンの受光をしてもしなくても)は物体ありと判断される。このため、微小な物体が通過して、対向する投光器の投光は遮へいされたものの、隣接する投光器によるBパターンの投光を受光した場合等であっても、物体なしとの誤った判断をすることはない。受光器B、C,Dの受光も同様に判断される。
【0070】
物体判断部の判断は通信部60に伝送され、そこから無線または有線で物体情報が伝送される。なお、本実施例では、各受光器にそれぞれ専属のバッファ(I/V変換回路と増幅回路)を設けて迅速な判断を行うこととしているが、共用の変換回路と増幅回路としても構わない。

【実施例4】
【0071】
次に、デジタル光信号を用いずに、ゼロクロスコンパレータを用いて信号間の識別を可能とする検知センサについて説明する。本実施例の場合も同期線は不要である。センサの構成は図1に示した基本概念図にそれぞれの投受光器用の2つのゼロクロスコンパレータ52を追加したものである(図示しない)。
【0072】
投光器側ゼロクロスコンパレータ52が交流電圧のゼロクロス点を検出し、投光制御部22Xはゼロクロス点間を按分したタイミングを作成する。たとえば、周波数50Hzの交流電流の場合に、ゼロクロス点間を5等分すると、図10に示すE,F、G、Hの4タイミング点を作成することができる。E,F、G、H間の時間は1/500秒である。投光制御部の指令により、ゼロクロス点を起点に1/500秒間隔で順に投光器21X1、投光器21X2、投光器21Y1、投光器21Y2が投光光を照射する。
【0073】
各受光器が受光し、処理した後に各受光制御部がその受光について判断を行う。その際に、受光側ゼロクロスコンパレータ52は受光制御部25Yに検出したゼロクロス点を伝送し、受光制御部25Yは予め設定している投光制御部と同一のゼロクロス点間を按分したタイミングを作成する。たとえば、投光器21Xは、タイミングEの場合、すなわち、ゼロクロス点から1/500秒後のタイミング点でのみ投光し、受光器24Y1による受光については、タイミングEの受光のみを有効な受光と判断する。他の投光器および受光器も、同様にF,G,Hのタイミングで投光し、受光判断を行う。その結果、それぞれの受光器による受光の判断は、そのタイミングで受光できたときは物体なし、そのタイミングで受光をしないとき(他のタイミングで受光をしてもしなくても)は物体ありと判断される。すべての受光器によって適合したタイミングの受光が認められた場合は物体なし、それ以外の場合は、物体ありと判断される。

【0074】
[他の実施例]
図13は反射型の検知センサであり、投受光器20Xと投受光器20Yは並列に配置されている。各投受光器には、投光器および受光器がそれぞれ1のみ設置されている。投受光器20Xでは、上側に投光器21X下側に受光器24Xが、投受光器20Yでは、上側に受光器24Yが下側に投光器21Yが備えられている。投光器21X中の投光素子30(図示していない)については、中央位置からリード上の任意の位置に移動させることが可能である。なお、各投受光器は動作説明のため傾斜させてあるが、直線状に並列に配置しても良い。
【0075】
並列配置型(反射型)の検知センサの投光および受光状況を説明する。投光器21Xから照射された略平行光は、物体によって反射し、その反射光が受光器24Yにより受光され、物体ありと判断される。同様に、投光器21Yから照射された略平行光は、物体によって反射し、その反射光が受光器24Xにより受光され、物体ありと判断される。ここで、反射により物体の有無を検知できるエリアは投光器からの投光光の照射エリアと受光器で受光可能なエリアが重なるエリアであり、中央のひし形部分が受光可能なエリアになる。また、別の観点から考察すると、物体がL2−L1間の帯域を移動している場合のみ検知することが可能である。したがって、設置場所の制約等によっては近接帯域を移動する物体を検知できないこととなる。
【0076】
図14Aと図14Bは投光素子30がリード上を移動した場合の投光光の変化を示している。図14Aにおける投光素子30は凹面反射面の中央部分に対向した位置にある。設計された凹面形状により反射光はほぼ平行となる。一方、図14Bにおいては、投光素子30はリード上を上に移動している。このため、投光素子が照射する投光光が凹面反射面への入光角度が変化し、投光器に対して傾斜した投光光となる。
【0077】
図15は、投光素子30が移動した後の並列配置(反射型)検知センサの概念図である。投光器21Xからの投光光の傾斜が急になっている。受光可能なエリアは中央のひし形部分であり、遮へい物の移動帯域はL4−L3間である。投光素子が移動する前の概念図(図13)における遮へい物の移動帯域(L2−L1)を破線で示す。検知可能な領域は本センサから近接した領域に変化している。
【0078】
図10Aおよび図10Bは、不整形の領域において検知する場合の複合型検知センサの配置を示している。図10Aは地形に合せて一体的に結合しており、隣接する別の投受光装置にかかる単位投受光器間の伝送を確保しつつ光軸のズレを防止している。図BではR2とL3との一体結合形状を方形に保ちつつL3の光軸を光軸変更手段で変更し、R3の光軸と合せている。光軸変更手段を用いることにより一体結合形状を一律に決定することができ、製造面、施工面でメリットが大きい。
【0079】
図16は投光器21および受光器24に点滅機能付き赤色光照射器33を設置した図である。赤色光以外の可視光でも構わない。本発明にかかる検知センサは光軸合せが容易であるという特徴を有するが、単位投受光器間の距離が長い場合は目視で他の単位投受光器を視認すること自体が困難を伴う。このような場合は、最初にアプローチ的に両者の光軸を近づけ、次に正対するように精密な光軸合せをするという2段階で光軸を合せる方法が効率的である。赤色光照射器33を備えることにより光軸を近づけることが可能になる。なお、投光器の匡体側面部は延長部34を有していて、正対していない場合は赤色光が隠れてしまうので一層容易に設置作業をすることができる。延長部は両面または4面に設けても良い。また、設置者が複数で作業を行っている場合は正対の度合いを示すために赤色光の点滅を利用することができる。たとえば、調整が完全にあった場合は連続点灯、ほとんど合った場合は早い点滅、わずかに合った場合はゆっくりとした点滅、全く合わない場合は消灯、などの制御で目視しながら調整可能である。
【0080】
図17では分離結合可能な素材に本発明にかかる投受光器を連結している。設置現場の状態により並列に複数組配置する複合型検知センサの配置数を決定する場合等に、投受光器を連結した素材の分離により、配置数を容易に調整することができる。
【0081】
図18は投光器をフレキシブルチューブ状の柔軟素材に連結している。単位投受光器間の光軸合せを柔軟素材の形状変化を利用して容易に行うことができる。位置合わせ後の固定も柔軟素材を固定することにより、複数の投光器の固定を一度にすることができる。監視領域の外周に柔軟素材を巡らせることにより単位投受光器どうしの向きの概略調整を行うことも可能である。図19は湾曲するホームのレール側の遮へい物検知を行うように配置したものである。柔軟素材の利用により、複雑な位置合わせや位置の固定も容易になる。
【0082】
図5は予め識別番号を付与した場合の設置工事の概念図である。識別番号付与からの手順を示すと、(1)すべての単位投受光器に工場出荷のシリアル番号を付与する。シリアル番号は単位投受光器ごとに付与され、個々の投光器ごとに付与する必要はない。(2)工事での設置時に、A1とA2が通電と共に、設定中であることを示す設定中コードをお互いに投光出力する。(3)A1とA2は他方からの投光光が設定中コードを含んでいることにより当該投光光は認識すべきシリアル番号を含んでいることを認識する。さらにお互いに単位投受光器のシリアル番号を交換し、当該シリアル番号を含む投光光にかかる単位投受光器は、自己と組み合わされるペアの単位投受光器であることを認識する(親子の概念も無し)。(4)その後、隣のB1とB2も設置する。(5)隣接する異なる投受光装置間の設定について説明する。異なる投受光装置に属するA2とB1は接しているので光伝送によることなく、電気配線によりお互いをシリアル番号で認識する。他の投受光器からの投光光を誤認識することはない。(6)その後、B1とB2の(2)〜(3)の光伝送でB1とB2も互いを自己と組み合わされるペアの投受光器であることを認識する。以上の結果、親機子機の設定、隣接間の設定を一切行うことなく、配置の順番に設営するだけで設定が行えるだけでなく、A1から飛んだ光が例えB2に入ったとしても、それをB2はA1からのものか、B1からのものか明確に識別することができる。
【0083】
従来はこのような識別を行う概念がなく、他からの光の混信を受けてしまうことがあった。その場合、本来監視したい光軸が他の投光を受けて遮断されず監視出来ない不具合となるため、セット間に遮へい物を設ける方法や、周波数を変えるなどの干渉防止や、装置間の同期を取るなどの工夫をしていたが、いずれも設定などの手間がかかる上、完全なものではなかった。本考案は、このような手間や不具合を一掃するものである。なお、本発明にかかる1の投受光装置または複合型検知センサ設置後も、投光光にシリアル番号を含むか否かにより投光光が有効であるか否かを判断することができる。単位投受光器に投光器が1のみの場合には、シリアル番号を含む投光光を受光するか否かによって、投光光が有効であるか否かおよび単位投受光器間に侵入者や障害物が存在しているか否かの2つの情報を獲得することができる。
【0084】
通信手順例としては以下の通りである。
(1)スタートコード
(2)設定中コード/設定完了コードのいずれか
(3)シリアルナンバーコード(2〜8バイト程度)
(4)データコード(各光軸のON/OFF情報)
(5)上記(2)〜(4)のコンプリメンタルコード(反転コード)
(6)ストップコード
(7)チェックサムコード
なお、用途によっては(5)のコンプリメンタルコードや、(6)のストップコード、(7)のチェックサムコードを省略したり、あるいはさらに高度な通信エラー対策コードを付与したり、信号の盗聴を防ぐ暗号化を加えるなども行える。また(1)のスタートコードを設定中あるいは設定完了の2種類にして(2)のコード省略や、(4)のデータコードで各光軸のON/OFF情報をビット単位にして通信量を減らすことも可能である。
【0085】
また小規模な設営など他との混信が存在しないような場合は、(3)のシリアルコードの代わりにDIP−SW等による識別も利用出来る。この場合は(3)が4ビットから8ビット(1バイト)程度となり、(1):8ビット(3):4ビット(4):4ビット(7):8ビットと全体で通信量が3バイト程度で済む。
【0086】
「設定中」の出力および設定中コードから設定完了コードへの切り替え方法としては、(1)工場出荷時に強制的に設定中にし、(必ずシリアル番号認証が必要になるため)設置工事の際に通信完了したら設定完了とする。(2)設置工事の際に、初期化ボタンなどで再度、設定中に出来るようにし、通信完了したら設定完了とする(交換時の再設定のため)などが考えられる。
【0087】
設置後に何らかの不具合で交換することが発生した場合について述べる。もし両方の機器を交換する場合は、設置時と同じである。それに対して、どちらか1台だけ交換する場合は、新たに追加した1台は問題ないがが、残された1台はそのままでは、自分のペアではないため無効という扱いをしてしまう。そこで、上述のように、初期化スイッチ等を押すことで、設定中に戻せば、両機ともに初期の設置作業が行えるので、新たな機器の組合せ(新たなシリアルナンバーの組合せ)を認識して、それ以降、通常動作を行うことができる。
【0088】
なお、上記説明では1組の場合を記載したが、複数のセットを連結する場合も、設定作業は常に1組で行うならば、1組しか存在しない場合と同じある。もし同時に複数の人間で同時に設定する場合は、認証作業が混信する可能性があるが、(自分のペア捜しで間違う可能性あり)、距離が離れたブロック間で行うか、作業中に作業者自身による光軸遮断などが有効な対策となり、特に問題なく実施できる。

【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、様々な使用方法、製造価格、設置の容易性・迅速性など、多くのケースで従来型の遮へい物検知センサを代替する可能性が高く、産業上の利用可能性は大きい。

【符号の説明】
【0090】
10 双方向型物体検知センサ(単体)
20 投受光装置
21 投光器
22 投光制御部
23 トランジスタ
24 受光器
25 受光制御部
26 バッファ(I/V変換回路及び増幅回路)
27 電源
30 投光素子
31 投光器リード
32 投光器凹面反射面
33 点滅付可視光発光部
34 投光器匡体延長部分
40 受光素子
41 受光器リード
42 受光器凹面反射面
50 パルス発生部
51 駆動回路
52 ゼロクロスコンパレータ
60 通信部
70 分離型素材
71 フレキシブル素材



【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも投光器と受光器と投光制御部と受光制御部を有する単位投受光器が、対向してまたは並行に複数配置された1組の投受光装置であって、一方の単位投受光器の投光光は他方の単位投受光器により受光され、当該他方の単位投受光器の投光光は前記一方の単位投受光器により受光され、かつ、前記各単位投受光器における投光器の向きと受光器の向きが同一であることを特徴とする双方向型物体検知センサ。
【請求項2】
前記一方の単位投受光器と前記他方の単位投受光器が同一構造であることを特徴とする
請求項1に記載の双方向型物体検知センサ。
【請求項3】
前記一方および/または前記他方の単位投受光器が受光する受光信号は同一単位投受光器内の投光制御部に伝送され、当該投光制御部は伝送された当該受光信号を自己に設定された固有の信号に加えることにより合成信号を作成することを特徴とする請求項1または2に記載の双方向型物体検知センサ。
【請求項4】
複数組の前記投受光装置により構成される複合型投受光装置において、一部または全部の前記投受光装置の単位投受光器の受光信号は別の前記投受光装置の単位投受光器内の投光制御部に伝送され、当該別の前記投受光装置の単位投受光器内の投光制御部は伝送された当該受光信号を自己に設定された固有の信号に加えることにより合成信号を作成することを特徴とする請求項1ないし3に記載の双方向型物体検知センサ。
【請求項5】
前記複合型投受光装置において、一部または全部の前記投受光装置内の単位投受光器と別の前記投受光装置内の単位投受光器とが、監視エリアの形状に適合させて一体的に結合していることを特徴とする請求項1ないし4に記載の双方向型物体検知センサ。
【請求項6】
前記複合型投受光装置において、前記単位投受光器内の投光器および受光器の向きを変動可能としたことを特徴とする請求項1ないし5に記載の双方向型物体検知センサ。
【請求項7】
予め1組の前記投受光装置または前記複合型投受光装置における各単位投受光器に対し、固有の識別番号を付与して識別番号に係る信号を投光光に含めることにより、同一の投受光装置を構成し当該投光光を受光する他の単位投受光器は、当該投光光に含まれる固有の識別番号に係る信号を同一の投受光装置を構成する他の単位投受光器からの信号であると認識することを特徴とする請求項1ないし6に記載の双方向型物体検知センサ。
【請求項8】
前記投受光装置または前記複合型投受光装置の設置工事において、各単位投受光器の投光光に初期設定中であることを示す信号および前記固有の識別番号に係る信号を含めることにより、同一の投受光装置を構成し当該投光光を受光する他の単位投受光器は、当該投光光に含まれる固有の識別番号に係る信号を同一の投受光装置を構成する他の単位投受光器からの信号であると認識することを特徴とする請求項7に記載の双方向型物体検知センサ。
【請求項9】
1組の前記投受光装置または前記複合型投受光装置において、同一の投受光装置における各単位投受光器を同期線、通信線、有線ネットワークまたは無線ネットワークで接続することにより、前記各単位投受光器は同一の投受光装置を構成する他の単位投受光器からの投光光に基づく受光信号を有効であると認識することを特徴とする請求項1ないし8に記載の双方向型物体検知センサ。
【請求項10】
1組の前記投受光装置または前記複合型投受光装置における各単位投受光器が各々異なるデジタル信号または異なるパルスパターンで投光することにより、同一の投受光装置を構成する他の単位投受光器は前記各単位投受光器の投光光に基づく受光信号を有効であると認識することを特徴とする請求項1ないし8に記載の双方向型物体検知センサ。
【請求項11】
1組の前記投受光装置または前記複合型投受光装置において、同一の投受光装置における各単位投受光器にゼロクロスコンパレ―タを備え、当該各単位投受光器は、自己のゼロクロスコンパレータの計測に基づく交流電流の1周期中の1または複数の特定のタイミングに割り当てられた投光タイミングで投光し、前記同一の投受光装置を構成する他の単位投受光器は、自己の前記ゼロクロスコンパレータの計測に基づいて、交流電流の1周期中の割り当てられた前記1または複数の特定のタイミングと同一タイミングを認識することにより、同一の投受光装置を構成する他の単位投受光器からの投光光を有効であると認識することを特徴とする請求項1ないし8に記載の双方向型物体検知センサ。
【請求項12】
前記投受光器における投光器と受光器はいずれも、凹面を有するケースと、凹面上に金属層が形成された反射面と反射面に対向して投光素子が取り付けられたリード線を備えたLEDであることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の双方向型物体検知センサ。
【請求項13】
前記投光器における投光素子の取り付け位置をリード線上で移動することにより、反射面で集光された投光光の角度を変化させることを特徴とする請求項12に記載の双方向型物体検知センサ。
【請求項14】
1組の前記投受光装置または前記複合型投受光装置における一部または全部の投受光器に可視光を発光するLEDを備え、当該可視光を視認することにより同一の投受光装置を構成する他の単位投受光器の向きを調整することを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の双方向型物体検知センサ。
【請求項15】
前記LEDに発光点滅制御機構を加えたことを特徴とする請求項14に記載の双方向型物体検知センサ。
【請求項16】
前記単位投受光器を切断可能な素材又は形状変更が可能な素材に結合したことを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の双方向型物体検知センサ。
【請求項17】
太陽電池、熱電変換素子などの環境発電手段と蓄電手段を設けることで、電力線の配線を不要にしたことを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載の双方向型物体検知センサ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−220424(P2012−220424A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88693(P2011−88693)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(501397920)旭光電機株式会社 (45)
【Fターム(参考)】