説明

双方向走査型レーザプリンタにおいて斜めの走査を補償するためにデータをスケーリングするためのシステム及び方法

【課題】レーザプリンタにおいて、振動ミラーを使用してコストを低減する
【解決手段】走査システムは、光導電性表面を横切ってイメージビームを走査するように適合される。走査システムは、振動ミラーを含み、イメージビームを生成し、光導電性表面を横切ってイメージビームを双方向に走査して表面上の領域を放電するために、振動ミラーからイメージビームを反射するように動作可能である。システムは更に、光導電性表面上のイメージビームの位置の関数として、イメージビームの強度を動的にスケーリングするように動作可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動ミラーを使用する双方向走査型レーザプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、一般に回転する感光性のドラム又は円筒体である可動感光体12を含む一般的なレーザプリンタ10を示す。このドラム12は、光子によって放電される光導電性の高い材料から作成される。最初に、感光体ドラム12は、一般に電流が流れるワイヤ又はローラである帯電電極14により、全体的な正の電荷が与えられる。ドラム12が回転する際、プリンタ10は、(レーザダイオードのような)レーザユニット16を用いて、特定の場所を放電するためにドラム12の表面にわたってレーザビーム18を照射する。このようにして、レーザビーム18は、ドラム12上に電気放電のパターン(静電イメージ)として、印刷されるべきテキスト及びイメージを「描く」。レーザビーム18が変調される場合、ドラム12上での電荷の結果としての変動は、用紙21上に付着されるトナーの量に比例するように最終的に変換される
レーザビーム18がドラム12上で所望の静電パターンを走査した後、プリンタ10はトナーローラ20を用いて、正に帯電したトナー粉末でドラム12をコーティングする。トナーは正の電荷を有するので、トナーは、レーザビーム18により走査されたドラム12の負に放電された領域に密着するが、トナーはドラムの正に帯電された「背景」には密着しない。ドラム12にトナーのパターンが固着された状態で、ドラム12が、その下を移動する用紙21の上を回転する。用紙21がドラム12の下に移動する前に、用紙は、トナー粉末をドラム12から引き離すように、ドラム12上の静電イメージの負の電荷よりも強い負の電荷を与えられる。最終的に、プリンタ10は、一般に一対の加熱ローラである定着機構24に、用紙21を通過させ、用紙21が定着機構24を通過する際、用紙上の粘着性のないトナー粉末が溶融し、用紙の繊維と溶融定着して、用紙上に永久的なイメージを形成する。ドラム12上のトナーが用紙21に転写された後、ドラム表面は、ドラム12の感光体表面の全幅を露光する明るい光を生成する放電ランプ22を通り過ぎ、静電イメージが消去される。次いで、ドラム表面は、レーザビーム18がドラム上へ印刷されるべき次のイメージを走査することを見越して、ドラム12の表面に正の電荷を再び加える帯電電極14を通過する。
【0003】
図2は、図1のプリンタ10の機能的な平面図であり、走査レーザビーム18によって生成され、負の放電された領域を表す、ドラム12上の多数の暗黒領域200を示し、この領域は代わりにドットと呼ばれる場合もある。図3は、図1のレーザプリンタ10の部分の斜視図を示し、矢印300によって示されるように、ドラム12を横切って水平方向にレーザビーム18が走査することを示す。イメージ処理回路(図示せず)は、レーザビーム18がドラム12を横切って水平方向300に、一度に1つのラインを走査する際に、レーザビーム18を変調するためにレーザユニット16を制御する。イメージ処理回路は、所与の水平ラインに形成されるべきドット毎にONして、光のパルスを放出し、且つドットがラインに形成されるべきでない場所でオフするように、レーザユニット16を制御する。イメージ処理回路に格納されたピクセルデータは、印刷されているイメージに対応するピクセルのアレイのデータであり、この場合、アレイの各ピクセルのデータは、ドラム12の表面上に形成されるべき放電領域、又はドットに対応する。
【0004】
レーザビーム18がドラム12を横切って走査する際、レーザユニット16は、レーザビーム18自体を実際に動かさないが、代わりに回転ミラーのような可動ミラー26からレーザビーム18を反射する。ミラー26が移動する際、ミラー26は、レーザビーム18を一連のレンズ(図示せず)を介して、ドラム12上へと反射する。これらのレンズは、レーザビーム18の特性を変更し、ミラー26とドラム12に沿った場所との間の距離の変動によって生じるイメージの歪みを補償する。また、留意すべきは、図2と図3は水平方向にドラム12を横切って走査するレーザビーム18を示すが、当業者によって理解されるように、レーザビームの実際の走査は、ビームがドラムの表面を横切って走査する際のドラム12の移動に起因して、傾斜している、又は「斜め」になっている。例えば、ビーム18がドラム12の表面を横切って左から右に走査する際、ドラムは、図3の矢印302により示される方向に回転している。この結果、任意の補償がない場合、左から右へのレーザビーム18の走査線は、ビーム18が表面を横切って走査する際にその表面が移動しているので、上へ向かって左から右へ傾斜している。レーザビーム18によって横断される走査線の傾斜の量は、極めて小さく、全ての走査線は同じ傾斜の量を有する。この結果、従来のプリンタ10は、この傾斜によって、印刷されたページに著しく視覚的に顕著なエラーが生じないという理由から、レーザビーム18により横断される走査線の傾斜を一般に補償しない。
【0005】
微小電子機械システム(MEMS)デバイスの形態の振動ミラーは、種々のタイプの電子システムでますます一般化してきた。係るMEMSデバイスは、超小型電子デバイスを製造するのに一般に使用される技術を用いて製造され、従って小さくて安価であり、関連する電子回路と容易に集積化され得る。この結果、プリンタ10の回転ミラー26の代わりに振動ミラーを使用することが望ましい。一般的な振動ミラーは、ピボットアームを中心として回転、又は振動する反射部分を含む。電子回路は、反射部分の振動を制御する電磁界を発生する。振動ミラーが回転ミラー26の代わりに使用される場合、ミラーの振動期間の一部の間に、レーザビーム18は反射部分から反射され、それによりドラム12の表面を横切って左から右へ、又は右から左へビームを走査する。次いで、レーザビーム18は、振動ミラーがピボットアームを中心として最大位置まで回転した際にOFFされ、次いで開始位置に戻るように回転し、その時点でレーザビームは再びONされ、ドラム12の表面でドットの次の行を形成するために変調される。
【0006】
プリンタ10で振動ミラーを使用することは、ピボットアームを中心としたミラーの振動周波数、及びドラム12の回転速度が、適切な動作のために一定でなければならない。これは、ドラム12の所与の回転速度、ミラーの振動周波数がドラムの表面を横切って左から右へレーザビーム18を走査しなければならず、次いでミラーは、レーザビームがドットの次の行を走査する準備が整うように、最初の位置まで戻るように回転しなければならないという理由から本当である。所与のドットの行を走査した後、ミラーが最初の位置まで戻るように回転して、ドットの次の行を形成するためにレーザビーム18を走査するように配置されるのに要する時間は、ミラーの「ターンアラウンドタイム」として知られている。
【0007】
しかしながら、振動周波数は、ミラーの全体にわたって一定ではなく、ミラー毎にわずかに変動する。振動周波数が所望の周波数より速い場合、レーザビーム18の連続的な走査線は、ドラム12の表面上に形成されているドットの隣接する行に重なる。この場合、レーザビーム18は、ドラム12がミラーの所望の振動周波数に適している限り、ドラム12が所望の範囲まで回転する前に、ドットの次の行の走査を開始する。振動周波数の係る変動を補償するために、形成されているドットに関連する強度データは、各ドットに対して所望の放電を達成するようにスケーリングされ得る。重なり(オーバラップ)は所与の行に形成されているドットに一定であるので、ドットの隣接する列のドットの強度データは、重なる走査線を補償するために重み付けされ得る。本明細書で詳細に説明されないが、当業者には理解されるように、ミラーの振動周波数が所望の周波数より遅い場合も類似した問題が生じる。また、ミラーの振動周波数が変動する際に、ドラム12の回転速度を調節することは可能であるが、これは、定着機構24のような、プリンタ10の他のコンポーネントの動作に悪影響を及ぼす可能性があるので望ましくなく、定着機構24は、ドラムの回転速度が増加する場合に、トナーを用紙21と適切に溶融定着することができない。
【0008】
レーザプリンタ10で振動ミラーを使用することは、コストの低下のような利点を有するが、係るミラーは、いくつかの理由で実用化されていない。例えば、留意すべきは、上述した振動ミラーの動作は、ミラーがドラム12の表面を横切って左から右へ、又は右から左へのみレーザビーム18を走査するので、「一方向」である点である。これは、ミラーの振動期間の半分だけがレーザビーム18の走査に使用される一方で、他の半分がミラーの「ターンアラウンド」タイムの役割を有効に果たすことを意味する。
【0009】
ターンアラウンドタイムは振動ミラーの振動期間の約半分であるので、振動ミラーのターンアラウンドタイムは、回転ミラー26と比較して比較的大きい。この結果、レーザビーム18がドラム12の表面を走査して必要なドットを形成するのに利用できる時間は少ない。これは、ドラム12の所与の速度に対して、第1のドットの行を形成するためのビーム18の走査と次のドットの行を形成するためのビームの走査との間の設定時間が存在するので、本当である。レーザビーム18が表面を走査してドットを形成するのに利用できる時間は、設定時間からターンアラウンドタイムを引いた時間に等しく、振動ミラーのより長いターンアラウンドタイムはこの利用できる時間をより小さくし、ひいてはビームがこのより小さい時間内に必要なドットを形成するために、より速く移動することを必要とする。レーザビーム18のより速い走査は、必要なドットを形成するためにドラムの表面上の領域を十分に放電するためにレーザビーム18のパワーが増大されなければならないことを意味する。係るレーザビーム18を生成するためのより高いパワーのレーザは、より高価であり、ひいてはプリンタ10の全体的なコストを不都合に増大させる。
【0010】
振動ミラーの増加したターンアラウンドタイムの悪影響を軽減するために、レーザビーム18は理想的には、ドラム12の表面を横切って左から右へ、及び右から左へレーザビームを「双方向に」走査するように、ミラー26から反射され得る。しかしながら、係る双方向走査は、振動ミラーを含むプリンタ10では使用されない。その理由は、双方向走査が、上述したようにミラーの振動周波数の変動を補償するために必要とされるような強度データのスケーリングを可能にしないからである。これは、レーザビーム18の双方向走査が、図3に示されたように表面で「ジグザグ」のパターン304を形成する、ドラム12の表面を横切る走査線をもたらすので、本当である。より具体的には、前述したように、ビーム18が表面を横切って走査する際に表面が移動しているので、レーザビーム18の左から右への走査線306は、上向きに左から右へと傾く。逆に、ビーム18が双方向に走査される場合、レーザビーム18の右から左への走査線308は、上向きに右から左へと傾く。振動ミラーの振動周波数の変動と組み合わせられる場合、走査線のこのジグザグパターン304は、形成されているドットの隣接する行においてドットの可変の重なりをもたらし、ひいては単一方向走査システムに存在する一定の重なりに関する、上述したような強度データのスケーリングを可能としない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の課題は上述した技術的な問題を克服、又は少なくとも緩和することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、走査システムは、光導電性表面を横切ってイメージビームを走査するように適合される。走査システムは、振動ミラーを含み、イメージビームを生成して、表面上の領域を放電するために振動ミラーからイメージビームを反射するように動作可能である。システムは更に、光導電性表面上のイメージビームの位置の関数として、イメージビームの強度を動的にスケーリングするように動作可能である。
【0013】
本発明の別の態様によれば、光導電性表面上の領域を放電するために、振動ミラーを用いてイメージビームを走査する方法は、表面上の領域を放電するために表面を横切って第1の方向にイメージビームを走査することを含む。イメージビームは、表面上の領域を放電するために表面を横切って第2の方向に走査される。イメージビームが第1及び第2の方向の少なくとも1つの方向で走査する際、イメージビームの強度は、イメージビームの位置の関数として動的にスケーリングされる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、振動ミラーを使用することによって、従来のレーザプリンタで使用されていたより高価な回転ミラー、及び関連する回路が置き換えられ、走査システムのコストを下げることが可能になる。更に、双方向走査によって、より低いパワー、ひいてはより低いコストのレーザダイオードを利用することが可能となり、振動ミラーを使用する単一方向の走査を用いるシステムにおける、より高いパワーのレーザダイオードの必要性も除去される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図4は、本発明の一実施形態に従って、レーザビーム404を生成するためのレーザアセンブリ402、及び感光ドラム410の表面408を横切ってレーザビームを双方向に走査するための振動ミラー406を含む振動ミラーレーザ走査システム400の機能図である。動作中、ミラー406は、ドラム410の回転中に、表面が垂直寸法Vに沿って上方411へ移動する際に、表面408を横切ってレーザビーム404を双方向に走査するように振動する。この双方向の走査中に、レーザビームアセンブリ402は、ミラー406の振動周波数の変動を補償するためにレーザビーム404の強度をスケーリングし、以下でより詳細に説明されるように、ビームの双方向走査から結果として生じる斜めの走査を補償するためにビームの強度を動的にスケーリングする。振動ミラー406を使用することは、従来のレーザプリンタで使用されていたより高価な回転ミラー、及び関連する回路を置き換えることにより、走査システム400のコストを下げる。更に、双方向走査によって、より低いパワー、ひいてはより低いコストのレーザダイオードを利用することが可能となり、振動ミラーを使用する単一方向の走査を用いるシステムにおける、より高いパワーのレーザダイオードの必要性も除去される。
【0016】
以下の説明は、当業者が本発明を行う、及び使用することを可能にするために提供される。好適な実施形態に対する種々の修正形態は、当業者には容易に明らかになるであろう。本明細書において、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の思想と範囲から逸脱せずに、一般的な原理が他の実施形態、及び応用形態に適用され得る。従って、本発明は、図示され説明された実施形態に限定されることが意図されておらず、本明細書に開示された原理と特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0017】
レーザビーム404は、ドラム410の表面408を横切って水平寸法Hで表面408を走査する。レーザビーム404を水平寸法Hで走査するために、振動ミラー406はピボットアーム412aと412bを中心として前後に回転する。ピボットアーム412aと412bを中心として前後に回転することにより、ミラー406は水平寸法Hでレーザビーム404を掃引して、表面408上に負の放電された領域、又はD11〜Dnmと表示されたドットを形成する。ドットD11〜Dnmは、表面408上でnの行とmの列からなるアレイに形成され、この場合、図4ではROW1〜ROW7と表示された7つの行が表面に示されている。ミラー406から反射された後、レーザビーム404は、ミラーと表面408との間に配置された光学部品類405を通って伝播する。光学部品類405の機能は、レーザビーム408の特性を変更して、ミラーと表面408に沿った場所との間の距離の変動により生じるイメージの歪みを補償する。
【0018】
走査システム400は、レーザアセンブリ402の制御、ミラー406の振動の制御、ミラーの瞬間回転位置のモニタ又は予測、及びミラーがピボットアーム412aと412bを中心として正弦関数的に回転する際にミラーの可変速度を補償するような、システムの全体的な動作を制御する制御回路418を更に含む。また、制御回路418は、ドラム410の回転を制御するためのモータ回路のような、本発明の実施形態の理解のために詳細に説明される必要のないシステムの他のコンポーネントも含む。また、留意すべきは、図4において、レーザビーム404は、単に図示を容易にするために線として示されるが、当業者には理解されるように、実際には有限のビーム幅又はビーム直径を有する。
【0019】
以下の説明において、ドットD11〜Dnmを参照する場合、ドットは、所与の行ROW1〜ROW7のドットのような、ドットの任意の1つのドット、又はドットのグループを参照する場合に、単にDとして参照されるが、下付き文字nとmは、特定のドットを参照する場合に含められる。同様なことが行ROW1〜ROW7にも当てはまり、この場合、任意の行を参照する場合には数字が省略され、特定の行を説明する場合にのみ1つの数字が使用される。また、説明を容易にするために、仮に上述したようにレーザビームが実際に表面408上の所与の行を横切って走査して、それによりその行にドットDを形成するとしても、レーザビーム404は、所与の行のドットDを横切って走査するように言及され得る。
【0020】
動作中、走査システム400は、ミラー406がピボットアーム412aと412bを中心として回転する際に、水平寸法Hで表面408を横切ってレーザビーム404を走査する。レーザビーム404は、行ROW1のドットD11から始まり(図4には示されない)、ビームが行ROW1を横切って走査してドットD11〜D1mを連続的に形成する際に、レーザビーム404の強度を連続して変調するために、制御回路418がレーザアセンブリ402を制御しながら、左から右へ進む。図4の例において、ミラー406はピボットアーム412aと412bを中心として方向414に回転して、ビーム404を左から右へ走査する。ドットD1mの形成後、ミラー406が方向414でピボットアーム412aと412bを中心としたその最大回転に達した際に、制御回路418はレーザアセンブリ402を一時的にOFFして、レーザビーム404をOFFする。
【0021】
ひとたびミラー406が方向414でピボットアーム412aと412bを中心としたその最大回転に達するやいなや、ミラー406は方向416でピボットアーム412aと412bを中心として反対方向へ回転し始める。この時点で、レーザアセンブリ402は制御回路418の制御下でレーザビーム404を変調して、行ROW1とROW2におけるドットDを横切ってレーザビーム404を走査する。より具体的には、レーザビーム404は行ROW1とROW2におけるドットD1mとドットD2mから始まり、ビームが行ROW1とROW2を横切って走査してドットD1m〜D11及びD2m〜D21の部分を連続的に放電する際に、レーザビーム404の強度を連続して変調するために、制御回路418がレーザアセンブリ402を制御しながら、右から左へ進む。図4の例において、ミラー406はピボットアーム412aと412bを中心として方向416に回転して、ビーム404を右から左へ走査する。以下でより詳細に説明されるように、留意すべきは、レーザビーム404の双方向走査は、隣接する行ROWのドットDの走査線を重ねるという結果になり、そのためレーザビーム404の各走査線の間に、各ドットDの所望の放電の一部のみが除去される。
【0022】
走査システム400は、このようにミラー406がピボットアーム412aと412bを中心として振動して、レーザビーム404がドラム410の表面408を横切って左から右へ、及び右から左へ走査して、行ROW1〜ROW7のそれぞれにおいて連続してドットDを形成する際に、動作を継続する。ドラム410が方向411で上向きに回転する際、当然のことながらドットDの追加の行(図示せず)が表面408上に形成される。図4は、行ROW3のレーザビーム404の左から右への走査線、及び行ROW4の右から左への走査線を示す。これらの走査線は、この図面を単に簡略化するために線として示されるが、以下でより詳細に説明されるように、各走査線は一般に隣接する行のドットに重なる。
【0023】
さて、走査システム400の全体的な動作を、図5を参照してより詳細に説明する。図5は、ミラー406が所望の振動周波数を有する場合に、図4の走査システムによりドラム410の表面408上に生成される例示的な双方向の走査線パターンである。図面は、レーザビーム404の走査により理想的に形成されるドットの行に対応するドットDの4つの行ROW〜ROW4を示す。また、レーザビーム404の実際の左から右への走査線S1R〜S4R、及びレーザビームの実際の右から左への走査線S1L〜S5Lも示される。図5の例において、実際の左から右への走査線S1R〜S4Rは、行ROW1〜ROW4のドットDと完全に揃えられているものとして定義される。実際の右から左への走査線S1L〜S5Lは、点線で示される。図5は、ミラー406の振動周波数が所望の振動周波数に等しい状態を示す。ミラー406の振動周波数における変動の影響は、図8〜図13を参照して以下でより詳細に説明される。
【0024】
動作中、制御回路418は、ピクセルのアレイを格納し、各ピクセルは、ドラム410の表面408上へ走査されるべき対応するドットDの強度データを包含する。制御回路418は、振動ミラー406の回転位置により求められる、表面408上のレーザビームの位置の関数として、ひいては形成されているドットの関数として、レーザビームの強度を変調するために各ピクセルの強度データを利用する。最初に、レーザビーム404が、行ROW1を横切って左から右へ走査線S1Rを走査すると仮定する。走査線S1Rは完全にドットD11〜D1mに被さり、ミラー406の振動周波数が所望の振動周波数に等しいことによるこれらのドットのみに完全に被さる。これは、図6でより明瞭に示され、図6は、左から右への走査線S1R〜S4Rのみを示し、走査線S1Rの間にレーザビーム404が行ROW1のドットDのみを横断することを示す。前述したように、左から右への走査線S1R〜S4Rは、図5と図6の例において、ドットDと揃えられているものとして定義される。
【0025】
レーザビーム404が走査線S1Rを横切る際、制御回路418は、対応するピクセルの強度データに基づいてレーザビーム404の強度を変調するためにレーザアセンブリ402を制御する。ドットD11〜D18の走査線S1Rは、放電されるべきこれらのドットのそれぞれを部分的に放電する。前述したように、振動ミラー406でもって表面408を走査する際に、レーザビーム404はより速く移動するので、ドットはただ部分的に放電されるのみである。これは、レーザアセンブリ402がこれらのドットDをただ部分的に放電するだけのパワーを有するレーザビーム404を生成すると仮定しており、これにより、従来のレーザプリンタと同じパワーを有するレーザビームの使用が可能になる。より低いパワーのレーザビーム404の意味することは、レーザアセンブリ402がより低いパワーのレーザダイオードのような、より安価なレーザ発生源を含むだけでよいことであり、それによりシステム400のコストが低減される。
【0026】
レーザビーム404が走査線S1Rを横切った後、ミラー406は向きを変えて、走査線S2Lを通じてレーザビームを走査するために他の方向に移動し始める。ミラー406が停止して向きを変え、他の方向に移動し始めるのに要する時間は、ターンアラウンドタイムと呼ばれる。このターンアラウンドタイムは、走査線S1Rの下側と走査線S2Lの上側との間のTTとして図5に示されたギャップという結果になる。このターンアラウンドタイム及び結果としてのギャップTTは、ミラー406が「向きを変える」たびに発生し、ミラーがピボットアーム412aと412bを中心として、所与の方向の移動を停止して、他の方向の移動をし始める時を意味している。
【0027】
レーザビーム404が走査線S2Lを横切る際、ビームはドットDに対して下向きに傾斜し、これはビーム404が行ROW1とROW2の双方のドットの上を通過することを意味する。この結果、制御回路418は、所与の行のピクセルの強度データを単純に使用することはできないが、代わりに表面408上のレーザビームの位置の関数として、ひいては形成されているドットDの関数としてレーザビームの強度をスケーリングしなければならない。制御回路418は、行ROW1とROW2で放電されているこれらのドットを部分的に放電するために、レーザビーム404の強度をスケーリングする。図7は、図5の走査線パターンの右から左への走査線S1L〜S5Lのみを示し、走査線S2Lの間に、ビーム404が行ROW1のドットD18〜D11の一部、及び行ROW2のドットD28〜D21の一部に適用されることをより明瞭に示す。更に、ビーム404が走査線S2Lにおいて下向きに傾斜しているので、ビーム404がこれらのドットDの一部に適用され、又はビームが右から左へ走査される際にビームの「重なり」が変化する。例えば、図7の右側に示されているように、ビーム404の右側の重なりOLRが示される。この時点で、ビーム404はドットD28よりもドットD18により多く重なる。ビーム404が走査線S2Lの左側に到達する時までには、ビームの左側の重なりOLLは、ビームが今や行ROW1のドットD11よりも行ROW2のドットD21により多く重なることを示す。行ROW1とROW2のドットDの重なりは、走査線S2Lの間のドットDに対するビーム404の傾斜に起因して、走査されているドットの関数として変化する。
【0028】
制御回路418は、行ROW1のドットD18〜D11、及び行ROW2のドットD28〜D21に対応するピクセルの強度データを用いて、レーザビーム404の強度をスケーリングする。一実施形態において、制御回路418は、走査線S2Lの間にビームが横切るドットDの対に対応するピクセルの強度データの重み付けされた合計を用いて、レーザビーム404の強度値を生成する。例えば、レーザビーム404がピクセルのアレイにおける列8に対応する右端にいる場合、ドットD18及びドットD28において制御回路418は、(0.66×ID18+0.33×ID28)に等しいとしてレーザビームの強度を計算することを意味し、ここで、ID18とID28はそれぞれ、ドットD18とD28に対応するピクセルの強度データに対応する。レーザビーム404がピクセルのアレイにおける列1に対応する左端にいる時までには、ドットD11とD21において制御回路418は、(0.33×ID11+0.66×ID21)に等しいとしてレーザビームの強度を計算することを意味し、ここで、ID11とID21はそれぞれ、ドットD11とD21に対応するピクセルの強度データに対応する。ドットDの列1と列8との間では、ビーム404の重なりは、各列毎に変化し、ひいては制御回路418は、走査されている列のドットに対応するピクセルの強度データIDを適切に重み付けするために、ビームの強度を動的に計算する。このように、制御回路418は表面408上でのレーザビームの位置の関数としてレーザビーム404の強度を動的にスケーリングし、これは現在形成されているドットの関数であるとみなされ得る。
【0029】
レーザビーム404が走査線S2Lを横切った後、ミラー406は再度向きを変えて、レーザビームが走査線S2Rを横切るように他の方向に移動し始める。この時点で、走査システム400は、走査線S1Rに関して説明されたように動作し、制御回路418は、行ROW2のドットD21〜D28の必要なドットを部分的に放電するためにビームの強度を変調する。次に、ミラー406は再び向きを変えて、走査線S3Lを横切るために右から左へレーザビーム404を走査し始め、制御回路418は再度、行ROW2とROW3のドットDの適切な対の重み付けされた強度データIDを用いて、ビームの強度を動的にスケーリングする。各行ROWのドットD毎に、放電されているその行のドットは、レーザビーム404が3つの連続した走査線の間にこれらのドットを横切った後に、完全に放電される。例えば、放電されている行ROW2のドットD21〜D28のそれぞれは、レーザビーム404が走査線S2L、S2R、及びS3Lにおいてこれらのドットを横切った後に、完全に放電される。
【0030】
システム400の他の実施形態において、走査線S1L〜S5Lの間に走査されているドットDの隣接する行ROWに対応する強度データIDの重み付けは、上述したのと異なる態様でスケーリングされ得る。例えば、実際に横切られているドット対の周囲のドットDの強度データIDを利用する非線形補間が、所与の列のドット対を走査している際のレーザビームの強度を計算する場合に利用され得る。一実施形態において、現在のドットDの強度データIDは、現在のドットが中央ドットである状態の周囲ドットの5×5アレイのような、周囲ドットのグループ又は領域のデータを包含するルックアップテーブルに格納されたデータに基づいている。
【0031】
さて、図8〜図10を参照して、ミラー406の振動周波数の変動の影響をより詳細に説明する。表面408上にドットDを適切に形成する際の走査システム400の動作は、ピボットアーム412aと412bを中心としたミラー406の振動周波数、及びドラム410の回転速度に依存する。ドラム410の所与の回転速度に関して、ミラー406の振動周波数は、表面408が移動している際に、レーザビーム404が所与の行ROWを横切って左から右へ走査し、次いでレーザビームが左から右へ次の行を走査するために適切に配置されるような時に右から左へ戻るようにしなければならない。
【0032】
振動周波数は、ミラー406の全体にわたって一定ではなく、ミラー間でわずかに変動する。図8は、振動ミラー406が所望の振動周波数より大きい振動周波数を有する場合に図4の走査システム400により生成される例示的な双方向走査線パターンである。この場合、レーザビーム404は所望の速さよりも速く左から右へ走査し、これは、レーザビームが次の行を走査し始める際に理想的に有するべきであるものよりも少ない距離だけ、表面が方向411(図4を参照)で上向きに回転したことを意味する。このようにレーザビーム404の所望の走査よりも速い走査は、レーザビーム404の走査線S1R〜S6Rの一部がドットDの隣接する行ROW1〜ROW4に重なることになり、これは図9に明確に示され、図9は図8の左から右への走査線S1R〜S6Rのみを示す。例えば、レーザビーム404の実際の走査線S1Rは、行ROW1を走査するが、レーザビーム404の次の左から右への走査線S2Rは、行ROW1とROW2に部分的に重なる。同様な状況は、実際の走査線S3RとS4Rについても認められ、即ち、走査線S3Rは行ROW2とROW3に部分的に重なるが、走査線S4Rは行ROW3のみを走査する。この時点において、隣接する走査線S1R〜S6Rの重なりパターンは、走査線S5Rで繰り返され、走査線S5Rは、走査線S1Rが行ROW1のみに適用されるのと同じように行ROW4のみに適用される。
【0033】
実際の走査線S1R〜S6RがドットDの行ROW1〜ROW4の一部に重なる結果として、制御回路418がこの重なりを補償するためにレーザビーム404の強度を調整しない場合には、所望のドットは、それぞれの行に適切に形成されない。これは、重なる走査線S1R〜S6Rが所与の行ROWのドットDの一部に対して所望の放電とは異なる放電をもたらす可能性があるので、本当である。例えば、ドットD12は放電されるべきでない(このドットを走査する際にレーザビーム404がOFFされる)が、このドットの直ぐ下のドットD22が放電されるべきである場合、走査線S2Rは不都合にドットD12の部分的な放電をもたらす。
【0034】
走査線S1R〜S6Rの重なりに起因したこの不都合な放電を補償するために、走査システム400は、図5〜図7に関連して上記で前述したように、各ドットDのデータをスケーリングする。所与のドットDに対するレーザビーム404の強度は、第1の行ROWの対応するピクセル、及び次の行におけるそのピクセルの直ぐ下の対応するピクセルの強度の重み付けされた値である。例えば、走査線S1Rに関しては、ビーム404の強度が、行ROW1のドットD11〜D18に対応するピクセルの強度データIDによって完全に決定されるが、走査線S2Rについては、ビーム404の強度は、行ROW1のドットD11〜D18に対応するピクセルの強度データに、行ROW2のドットD21〜D28に対応するピクセルの強度データを加えたものにより決定された、スケーリングされた値である。レーザビーム404のこのような強度のスケーリングは、走査線の一定の重なりに起因して、走査線S2Rの間における行ROW1とROW2のドットDの各対に対して同じである。これは、全ての走査線S1R〜S6Rに対して当てはまるが、所与の走査線S1R〜S6Rに対する特定の不変な重み付け係数は、連続した左から右への走査線に対して変化する。この例において、走査線S1Rの重なりがその関連する行の走査線S5Rの重なりと同じであることに注目することによって、図9において認識されるように、スケーリングは、左から右への走査線S1R〜S6Rの四番目毎に繰り返される。
【0035】
図10は、図8の右から左への走査線S1L〜S7Lのみを示す走査線の図である。理想的に形成されたドットDのアレイに対する実際の走査線S1L〜S7Lの傾斜は、より明確に図10で見出される。また、傾斜した右から左への走査線S1L〜S7Lから生じる、ドットDの隣接する行ROW間の重なりの変動も示される。より具体的には、走査線S2Lの右側の重なりOLRは、この走査線の右端側でレーザビーム404が行ROW1のドットDのみを横切ることを示す。逆に、レーザビーム404が、走査線S2Lの左端側までこの走査線を横切る時までには、左側の重なりOLLは、レーザビームが行ROW1とROW2の双方のドットDを横切ることを示す。レーザビーム404が右から左へ進行する場合、この重なりは、図7に関連して前述されたように動的である。図8〜図10は、ミラー406の振動周波数が所望の周波数より速い状態を示すが、当業者には理解されるように、振動周波数が所望の周波数より遅い場合に、図4のシステム400の双方向走査レーザビーム404によって生成される走査線パターンに対して同様な変化がもたらされる。振動周波数が所望の周波数より遅い状態では、レーザビーム404が2つよりも多い、ドットDの行ROWに重なる機会が存在する可能性があることに留意すべきである。
【0036】
図11〜図13は、本発明の別の実施形態に従って、図4の走査システム400により生成された実際の走査線パターンを示す。システム400のこの実施形態において、左から右への走査線S1R〜S7Rのそれぞれ、及び右から左への走査線S1L〜S6Lのそれぞれは、ドットDに対する傾斜を有するものとして定義される。これは、図11〜図13の実施形態において、隣接する行ROWのドットDの重なりが表面408上でのビーム404の位置の関数として、又は横切られている特定のドットの関数として変化するので、制御回路418は、走査線S1R〜S7R及びS1L〜S6Lの双方の強度データを動的にスケーリングすることを意味する。
【0037】
図11は、レーザビーム404の双方向走査によって生成された全体的な走査線パターンを示す。左から右への走査線S1R〜S7R、及び右から左への走査線S1L〜S6Lの双方が、表面408上に理想的に形成されたドットDに対して斜めになっている。図12は、左から右への走査線S1R〜S7Rのみを示し、例えば、走査線S3Rについて、行ROW1とROW2のドット間での可変の重なりを示す。左端の重なりOLL及び右端の重なりOLRは、走査線S3Rについて示され、この場合、重なりは、横切られているドットDの関数としてこれら2つの値との間で動的に変化する。図13は、右から左への走査線S1L〜S6Lのみを示し、例えば、走査線S2Lについて、行ROW1とROW2のドット間での可変の重なりを示す。右端の重なりOLR、及び左端の重なりOLLは走査線S2Lについて示され、この場合、重なりは、横切られているドットDの関数としてこれら2つの値との間で動的に変化する。
【0038】
留意すべきは、図11〜図13に示された実施形態において、右から左への走査線の傾斜量に対する左から右への走査線の傾斜量は、図5〜図10に関連して前述された実施形態と比べて変化していない。ドットDに対するこれら走査線の定義のみが変更され、これにより制御回路418は、ドットDを形成する際のレーザビーム404の強度のスケーリングに異なるアルゴリズムを適用するという結果になる。
【0039】
前述した実施形態において、制御回路418は、双方向走査によって生じた斜めの走査線、及びミラー406の振動周波数の変動を補償するためにレーザビーム404の強度をスケーリングするものとして説明された。一般に、制御回路418は、2つの態様で、即ち、1)レーザビーム404のパワーを調整することにより、又は2)ビームがドットDのそれぞれを横切る際に、レーザビーム404がON又はOFFになる時間を調整することにより、レーザビーム404の強度を制御することができる。従って、レーザビーム404の「強度のスケーリング」は、レーザを時変調すること、即ちレーザビームがONとOFFになる持続時間を変更するために適切な強度データIDを利用しながら、レーザビームをONとOFFにすることを含む。レーザビーム404がONにされる場合の時変調では、レーザビーム404のパワーは、一定であり、変動しない。従って、レーザビーム404によるドットDの放電は、レーザビームがONとOFFにされる時間を変化させることにより決定され、この場合、この変動時間は、適切なピクセルの強度データIDを決定した値を有する。例えば、所与のドットDが完全に放電されたドットの半分だけ放電されるべきである場合、レーザビーム404は、ビームがそのドットを横切る時間の半分だけONにされ得る。制御回路418は、ドットDの直ぐ左側、右側、又は中央の間にレーザビーム404をONにするような多くの異なる態様で、これを行うことができ、又は制御回路は、レーザビームを左側で1/4、及び右側で1/4の間にONにする、又はドットを横切る光の最大量未満で非常に均一に分散させるために、ビームがドットを横切る際にほんの数回レーザビームをONとOFFすることができる。代案として、制御回路418は、適切な強度データIDを使用してレーザビーム404のパワーと時間を変化させることができる。更なる実施形態において、制御回路418は、適切な強度データIDを使用してレーザビーム404のパワーのみを変化させる。システム400の更に別の実施形態において、制御回路418は、ミラー406の振動周波数を時々測定し、ミラーの現在の振動周波数を測定した後、測定された振動周波数とミラーの所望の振動周波数との差の関数として、レーザビーム404の強度を動的にスケーリングする。
【0040】
留意すべきは、図5〜図10の例におけるドットDの走査線及びアレイは、感光ドラム410の完全な線形放電、及び完全に均一なレーザビーム404を仮定している。ドットDにより形成される実際の放電パターンは、ドラム410上の領域の非線形放電に起因して、及び一般にガウス強度分布である、レーザビーム404の不均一な強度プロファイルに起因して、異なる場合がある。上述された全ての例は、例を簡略化するために完全な放電、及び完全に均一なレーザビームを仮定しており、これにより、双方向走査の概念、ミラー406の振動周波数の変動に起因した重なりを考慮するための一定の強度データのスケーリング、及び双方向走査で生じる斜めの走査を補償するための動的な強度データのスケーリングが、これらの理想的な動作条件下でより容易に説明されることが可能になる。
【0041】
上記の内容から、理解されるように、本発明の特定の実施形態は例示のために本明細書で説明されたが、本発明の思想と範囲から逸脱せずに種々の修正を行うことができる。例えば、感光ドラムを放電するために利用されているビームがレーザビームとして説明されたが、特定の用途に適している場合には、他の光発生源も同様に使用され得る。従って、用語レーザビームは、レーザによって生成される光のビームに限定されず、代わりに任意のプリンタ用途における任意の適切な手段によって生成される適切な電磁ビームであるイメージビームとして広く解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】従来のレーザプリンタの主なコンポーネントを示す断面図である。
【図2】図1の従来のレーザプリンタの平面図であり、レーザプリンタの動作中における感光体ドラム、レーザビーム、トナーローラ、用紙、及び定着機構の動作を一層良く示す図である。
【図3】図1の従来のレーザプリンタの様々なコンポーネントの斜視図であり、レーザプリンタの動作中にドラム横切って水平方向にレーザビームを走査することを一層良く示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に従って、感光ドラムの表面を横切ってレーザビームを双方向に走査するための振動ミラーを含む振動ミラーレーザ走査システムの機能図である。
【図5】振動ミラーが所望の振動周波数を有する場合の、図4の走査システムにより生成される例示的な双方向の走査線パターンを示す図である。
【図6】図5の左から右への水平の走査線のみを示す走査線の図である。
【図7】図5の右から左への斜めの走査線のみを示す走査線の図である。
【図8】振動ミラーが所望の振動周波数よりも大きい振動周波数を有する場合の、図4の走査システムにより生成される例示的な双方向の走査線パターンを示す図である。
【図9】図8の左から右への水平の走査線のみを示す走査線の図である。
【図10】図8の右から左への斜めの走査線のみを示す走査線の図である。
【図11】本発明の別の実施形態に従って、図4の走査システムにより生成される例示的な双方向の走査線のパターンを示す図である。
【図12】図11の左から右への斜めの走査線のみを示す走査線の図である。
【図13】図11の右から左への斜めの走査線のみを示す走査線の図である。
【符号の説明】
【0043】
400 振動ミラーレーザ走査システム
402 レーザアセンブリ
404 レーザビーム
406 振動ミラー
408 光導電性表面
410 感光ドラム
418 制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光導電性表面を横切ってイメージビームを走査するように適合された走査システムであって、前記走査システムが、振動ミラーを含み、イメージビームを生成し、且つ前記光導電性表面を横切って前記イメージビームを双方向走査して前記表面上の領域を放電するために、前記イメージビームを前記振動ミラーから反射するように動作可能であり、前記システムが、前記光導電性表面上のイメージビームの位置の関数として、前記イメージビームの強度を動的にスケーリングするように動作可能である、走査システム。
【請求項2】
前記システムが、前記イメージビームに対応するレーザビームを生成するように動作可能なレーザアセンブリを含む、請求項1に記載の走査システム。
【請求項3】
前記走査システムが、前記光導電性表面を横切って第1の方向と第2の方向にイメージを双方向に走査するように動作可能であり、前記システムが、前記第1又は第2の方向の前記イメージビームの位置の関数として前記イメージビームの強度をスケーリングするように更に動作可能である、請求項1に記載の走査システム。
【請求項4】
前記第1の方向が、前記光導電性表面を実質的に左から右へ横切る方向であり、前記第2の方向が、前記光導電性表面を実質的に右から左へ横切る方向である、請求項3に記載の走査システム。
【請求項5】
前記イメージビームの強度は、前記イメージビームが前記第1の方向で走査する場合にのみ、動的に調整される、請求項3に記載の走査システム。
【請求項6】
前記イメージビームの強度をスケーリングすることが、実質的に一定のパワーを有するイメージビームを時変調することからなる、請求項5に記載の走査システム。
【請求項7】
前記システムが、ピクセルデータのアレイを格納するように更に動作可能であり、前記アレイが、前記表面上の対応する放電領域上へ走査されるべきピクセルに関するデータの複数の行と列を含み、前記システムが、走査されているドットの所与の行における各ドットに対して前記第1の方向で前記イメージビームを走査している間に、その所与の行の対応するピクセルの強度データの可変部分と、同じ列及び少なくとも1つの隣接する行のピクセルの強度データの可変部分とを合計することにより、そのドットのイメージビームの強度をスケーリングするように動作可能である、請求項1に記載の走査システム。
【請求項8】
所与の放電領域を横切るイメージビームの各走査が、その領域から所望の電荷の一部を放電する、請求項7に記載の走査システム。
【請求項9】
前記システムが、前記ミラーの振動周波数を測定し、測定された振動周波数と所望の振動周波数との差の関数として前記イメージビームの強度を動的にスケーリングするように動作可能である、請求項8に記載の走査システム。
【請求項10】
光導電性表面を有する感光ドラムと、
前記感光ドラムの動きを制御するように動作可能なモータ回路と、
イメージビームを生成するように動作可能なイメージビームシステムと、
入射イメージビームを受光するように配置され、前記感光ドラムの表面を横切って前記イメージビームを走査するために振動するように動作可能である振動反射要素と、及び
前記モータ回路、前記イメージビームシステム、及び前記振動反射要素に結合されたコントローラとを含み、
前記コントローラが、前記イメージビームを生成するために前記イメージビームシステムを制御し、且つ前記光導電性表面を横切って前記イメージビームを双方向に走査するために前記振動反射要素を制御するように動作可能であり、更に前記コントローラが、前記光導電性表面上での前記イメージビームの位置の関数として前記イメージビームの強度を動的にスケーリングするように動作可能である、プリンタ。
【請求項11】
前記イメージビームシステムが、前記イメージビームに対応するレーザビームを生成するように動作可能なレーザダイオードを含む、請求項10に記載のプリンタ。
【請求項12】
前記コントローラが、前記光導電性表面上の領域を放電するために前記光導電性表面を横切って第1の方向と第2の方向でイメージを双方向に走査するために前記振動反射要素を制御し、前記コントローラが、前記第1及び第2の方向の一方における前記イメージビームの位置の関数として、前記イメージビームの強度を動的にスケーリングするために前記イメージビームシステムを制御する、請求項10に記載のプリンタ。
【請求項13】
前記振動反射要素が、MEMSミラーからなる、請求項10に記載のプリンタ。
【請求項14】
光導電性表面上の領域を放電するために振動ミラーを用いてイメージビームを走査する方法であって、
前記表面上の領域を放電するために、前記表面を横切って第1の方向に前記イメージビームを走査し、
前記表面上の領域を放電するために、前記表面を横切って第2の方向に前記イメージビームを走査し、及び
前記イメージビームが前記第1及び第2の方向の少なくとも1つの方向で走査する際に、前記イメージビームの位置の関数として前記イメージビームの強度を動的にスケーリングすることを含む、方法。
【請求項15】
前記イメージビームの強度は、前記イメージビームが前記第1の方向で走査する時にのみ動的に調整される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の方向が、前記表面を実質的に左から右へ横切る方向であり、前記第2の方向が、前記表面を実質的に右から左へ横切る方向である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記イメージビームがレーザビームからなる、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記イメージビームが、前記表面上へ強度データのアレイを走査し、前記アレイが、前記表面上の対応する放電領域又はドット上へ走査されるべきピクセルの複数の行と列を含み、前記イメージビームの位置の関数として前記イメージビームの強度を動的にスケーリングすることが、
走査されているドットの所与の行における各ドットに対して前記第1の方向で前記イメージビームを走査している間に、その所与の行の対応するピクセルの強度データの可変部分と、同じ列及び少なくとも次の隣接する行のピクセルの強度データの可変部分とを合計することにより、そのドットのイメージビームの強度をスケーリングすることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
形成されているドットに対する前記イメージビームの強度のスケーリングに利用される前記可変部分は、強度データが利用されているピクセルを包含する列の関数である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記イメージビームが前記第1及び第2の方向の少なくとも1つの方向で走査する際に、前記イメージビームの位置の関数として前記イメージビームの強度を動的にスケーリングすることが、前記イメージビームのパワーを変調することにより前記イメージビームの強度をスケーリングすることを更に含む、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−306102(P2006−306102A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−123357(P2006−123357)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(506076606)アバゴ・テクノロジーズ・ジェネラル・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド (129)
【Fターム(参考)】