説明

反応処理装置

【課題】封止容器と封止容器流路とが予め分離されている反応容器プレートを容易に使用できる状態にして反応処理を行なうことができる反応処理装置を提供する。
【解決手段】本体ユニット100上に上部ユニットを支持する平行移動部102が水平移動可能に配置されており、外側フレーム102の内側に、プレート上面ブロック120を水平方向にスライド可能に保持する内側フレーム104がジョイント114を介して保持されている。外側フレーム102にジョイント114と回転軸111を共有するアーム110が回転可能に取り付けられ、その先端にカムフォロア112が取り付けられている。カムフォロア112は本体ユニット100のカム108に追従し、カムフォロア112の動きに応じてアーム110及びジョイント114が回転する。内側フレーム104及びプレート上面ブロック120はジョイント114の回転によって水平姿勢を維持しながら回転移動し、プレート設置部130上の位置では封止容器を押し込んで封止容器流路を接続する高さにまで下降する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生物学的分析、生化学的分析、又は化学分析一般の分野において、医療や化学の現場において各種の解析や分析を行なうのに適する反応容器プレートを用いて反応処理を行なう反応処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生化学的分析や通常の化学分析に使用する小型の反応装置としては、マイクロマルチチャンバ装置が使用されている。そのような装置としては、例えば平板状の基板表面に複数のウエルを形成したマイクロタイタープレートなどのマイクロウエル反応容器プレートが用いられている(例えば特許文献1を参照。)。
【0003】
また、微量の液体を定量的に扱うことができる微量液体秤取構造として、第1流路及び第2流路と、上記第1流路の流路壁に開口する第3流路と、第2流路の流路壁に開口して第3流路の一端と第2流路を連結し第3流路よりも相対的に毛管引力が働きにくい性質を第4流路とを有する構造を備えたものがある(例えば特許文献2,3を参照。)。その微量液体秤取構造によれば、第1流路に導入された液体が第3流路内に引き込まれた後、第1流路に残存する上記液体を取り除き、第3流路の容積に応じた体積の液体を第2流路に秤取することができる。
【特許文献1】特開2005−177749号公報
【特許文献2】特開2004−163104号公報
【特許文献3】特開2005−114430号公報
【特許文献4】特許第3452717号公報
【特許文献5】特開2000−50867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のマイクロウエル反応容器プレートは、使用時には反応容器プレートの上面は大気に開放された状態となる。そのため、サンプルに外部から異物が進入する恐れがあるし、逆に反応生成物が外部の環境を汚染することもありうる。
また、特許文献2,3に開示された微量液体秤取構造では、第1流路の両端及び第2流路の両端に液体導入用のポートが形成されているが、それらのポートは大気に開放されており、それらのポートを介して反応生成物が外部の環境を汚染することもありうる。
【0005】
そこで、本発明者らは、サンプルに反応を起こさせるための反応容器、その反応容器に接続されてサンプルや反応試薬などを流通させるための反応容器流路、試料や試薬などを封入するための封止容器、その封止容器に接続されうる封止容器流路のほか、液体を送液するためのシリンジやシリンジに反応容器流路又は封止容器流路を切り替えて接続するための切替えバルブなどを1枚のプレートに集積し、反応容器、反応容器流路、封止容器、封止容器流路を密閉系とした反応容器プレートを提案している。提案の反応容器プレートによれば、反応容器プレートの外部からの異物の進入や、外部への環境汚染を防ぐことができる。
【0006】
上記の反応容器プレートにおいて、反応容器プレートの封止容器内には試薬等の液体や粉末を予め封入しておくことがある。本発明者らは、予め封止容器に収容された液体や粉末が反応容器プレートの使用前に封止容器流路に入り込まないように、封止容器の底面に押圧により貫通可能な貫通部を設け、封止容器流路の一端を封止容器の下方から上向きに突起した突起流路として、封止容器を下降させて突起流路で貫通部を貫通してはじめて封止容器流路が封止容器に接続される構造も提案している。
【0007】
しかし、そのような構造の反応容器プレートを使用するには、反応処理を行なう前に突起流路が封止容器の底面を貫通するように封止容器を下降させる必要がある。そのような動作を反応容器プレートをプレート保持部に設置する前に又は設置した後で分析者が手作業で行わなければならないとすると、分析者がその作業をし忘れたときに封止容器に封止容器流路が接続されていない状態で反応処理動作が開始されてしまい、反応容器にサンプル液や反応試薬が搬送されず、反応容器で反応処理が行なわれないなどの不具合が生じることもありうる。
【0008】
そこで本発明は、上記のような封止容器と封止容器流路とが予め分離されている反応容器プレートを容易に使用できる状態にして反応処理を行なうことができる反応処理装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、反応容器、前記反応容器に接続された反応容器流路、底面に押圧により貫通可能な貫通部が設けられている封止容器、一端が封止容器の下方から上向きに突起した突起流路となっており、封止容器が下降して突起流路が貫通部を貫通することにより封止容器に接続される封止容器流路、及び切替えバルブを介して反応容器流路又は封止容器流路に接続されるシリンジを備えた反応容器プレートを処理するための反応処理装置である。装置は、プレート保持部、バルブ駆動部、シリンジ駆動部、反応処理部及びそれらを制御する制御部を備え、シリンジと切替えバルブの制御によってサンプルや反応試薬を反応容器へ送液し、反応処理部によって反応容器内でサンプルの反応処理を行なうことができるようになっている。「反応処理部」は、反応容器の温度をサンプルと反応試薬との間で反応を起こさせるための温度に調節する機能を備えたものである。
【0010】
そして本発明の反応処理装置は、反応容器プレートを保持するためのプレート保持部と、プレート保持部を最上部に備えた本体ユニットと、本体ユニット上に設けられ、プレート保持部に保持された反応容器プレートの封止容器を下方に押し込んで封止容器に封止容器流路を接続するための封止容器押込み部を少なくとも備えた上部ユニットと、本体ユニットに取り付けられ、上部ユニットを支持しながら水平方向にのみ移動する水平移動部と、本体ユニットに固定されたカム、水平移動部に取り付けられ水平移動部が移動することによってカムに追従して動作するカムフォロア及びカムフォロアのカムへの追従を利用して封止容器押込み部を駆動する駆動部を備え、水平移動部が所定の位置にきたときに封止容器押込み部が封止容器を下方に押し込んで封止容器流路を接続するように構成された駆動機構と、を備えている。
【0011】
上記の構造によれば、水平移動部をプレート着脱位置に移動させて反応容器プレートをプレート保持部に設置した後、水平移動部を所定の位置まで移動させることにより封止容器押込み部が自動的に封止容器を下方に押し込み、突起流路が貫通部を貫通して封止容器と封止容器流路とが自動的に接続される。
【0012】
反応処理装置に設けられている各機器や部材の配置は種々考えられる。その一例は、上部ユニットにシリンジ駆動部及び反応処理部が搭載されているものである。
【0013】
本発明の反応処理装置に関連する装置として、反応容器において核酸の増幅を行なうための熱サイクル試験機がある(特許文献5参照。)。この熱サイクル試験機(以下、関連装置と呼ぶ。)は、蓋キャリアを水平方向に移動させることによって、その内側に取り付けられた加熱手段を有する可動蓋も水平方向へ移動するが、可動蓋は反応容器上ではストッパとガイドによって蓋キャリアの水平方向への移動にともなって垂直方向にのみ移動するように構成されている。そして、蓋キャリアが所定の位置にまで移動されたときに可動蓋が反応容器を覆う位置まで下降し、加熱手段が反応容器内に配置される。可動蓋はバネによって斜め上方向に常時引張されており、蓋キャリアを所定の位置から移動させることにより、可動蓋がバネの弾性力によってガイドに沿って上昇し、加熱手段が反応容器内から自動的に取り出される。すなわち、この関連装置は、分析者が反応容器をチャンバに設置してから蓋キャリアを所定の位置まで水平に移動させるだけで自動的に加熱手段が反応容器内に配置され、逆に所定の位置から水平に移動させると加熱手段を反応容器内から取り出すことができる。
【0014】
関連装置の可動蓋の動作と本発明の封止容器押付け部の動作は類似する。しかし、関連装置は、核酸の増幅反応を起こさせるための反応容器を対象としているのに対し、本発明の反応処理装置は1枚のプレートに反応容器、反応容器流路、封止容器、封止容器流路、シリンジ及び切替えバルブが搭載された反応容器プレートであって未使用時には封止容器と封止容器流路とが分離されているものを対象としている。
【0015】
関連装置の特徴は、ストッパやガイドを利用して、蓋キャリアを所定の位置まで水平に移動させるだけで自動的に可動蓋で反応容器を密閉系にするとともに加熱手段を反応容器内に配置することである。本発明の反応処理装置が対象とする反応容器プレートは、反応容器はプレート保持部に設置する前から既に密閉系となっており、反応容器を密閉系にするための機構を必要としない。本発明がカム機構からなる駆動機構を備えているのは、水平移動部を反応処理位置まで水平に移動させるだけで自動的に封止容器流路を封止容器に接続するためである。また、関連装置では可動蓋を垂直方向へ移動させるためにガイドを用いているが、本発明はカム機構を用いている。これらのことから、本発明は関連装置とは対象とする反応容器プレートの構造が異なっているだけではなく、その目的や機構も異なっている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の反応処理装置は、カム機構からなる駆動機構及びその駆動機構によって駆動される封止容器押付け部を備えることによって、水平移動部の反応処理位置へ移動させるだけで、封止容器押付け部が自動的に封止容器を下方へ押し付けて封止容器と封止容器流路とを接続するようになっている。したがって、反応容器プレートをプレート保持部に設置する前に又は設置した後で、分析者が手作業で封止容器を下方へ押し付けて封止容器流路と接続する作業を行なう必要がなく、封止容器に封止容器流路が接続されていない状態で反応処理動作が開始されてしまうという問題も生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は一実施例の反応処理装置の構成を概略的に示すブロック図である。
この実施例の反応処理装置が対象としている反応容器プレート7は、反応容器のほか、反応容器とは別途設けられた封止容器、封止容器から液体を吸入したり吸入した液体を別の容器に注入したりすることができるシリンジ、シリンジと反応容器又は封止容器との間で液体を流通させるための流路、流路の接続を切り替えるための切替えバルブなどを1枚のプレートに備えたものである。
【0018】
上記の反応容器プレート7を扱うために、反応処理装置は、反応容器プレート7を保持するためのプレート保持部1、反応容器プレート7に設けられているシリンジを駆動するためのシリンジ駆動部2、切替えバルブを駆動するためのバルブ駆動部3及び反応容器の温度を所定温度に調節して反応させる反応処理部としての温度調節部4を備えている。シリンジ駆動部2、バルブ駆動部3及び温度調節部4の動作は専用のコンピュータ又は汎用のパーソナルコンピュータにより実現される制御部5によって制御される。制御部5はプログラム保持部6に保持されているプログラムに基づいた制御を行なう。反応処理装置の具体的な動作については後述する。
【0019】
図2は同実施例の反応処理装置が対象とする反応容器プレートの一例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面に計量流路15、注入流路17、反応容器エアー抜き流路19,21、液体ドレイン空間29、エアードレイン空間31及びベローズ53の断面を加えた図である。なお、本発明の反応処理装置に用いられる反応容器プレートの構造は以下に説明する構造のものに限定されない。
【0020】
複数の反応容器10が上面を封止された状態で配列された領域が設けられている。同じ領域には、主流路13、計量流路15、注入流路17、反応容器エアー抜き流路19,21、ドレイン空間エアー抜き流路23,25も設けられている。主流路13、計量流路15及び注入流路17は反応容器流路を構成する。なお、図2(A)では、実際には上からは見えていない各流路を、便宜上、図示している。
【0021】
主流路13の一端13aは後述の切替えバルブ63のシリンジ接続流路63aへの接続ポートに接続されている。主流路13の他端は液体ドレイン空間29に接続されている。液体ドレイン空間29にはドレイン空間エアー抜き流路23の一端が接続されている。ドレイン空間エアー抜き流路23の他端23aは切替えバルブ63のシリンジ接続流路63aへの接続ポートに接続されている。
【0022】
計量流路15は主流路13から反応容器10ごとに枝分かれした流路であり、注入流路17を介して各反応容器10に接続されている。計量流路15の主流路13からの分岐部分の流路幅はそのすぐ下流の主流路13の流路幅よりも広く流路抵抗が小さくなっており、主流路13を流れる液体が計量流路15に優先的に流れ込み、計量流路15を充填した後で主流路13の下流側へ流れる構造である。
【0023】
注入流路17は、反応容器10内と注入流路17内で圧力差がない状態で反応容器10内の液密を保つ寸法で形成されている。注入流路17は複数の溝からなる。
【0024】
反応容器エアー抜き流路21は各反応容器10に反応容器エアー抜き流路19を介して接続されているとともに一端がエアードレイン空間31に接続されている。反応容器エアー抜き流路19は反応容器10内と反応容器エアー抜き流路19内で圧力差がない状態で反応容器10内の液密を保つ寸法及び構造であり、例えば複数の微細流路からなるものである。エアードレイン空間31にはドレイン空間エアー抜き流路25の一端が接続されている。ドレイン空間エアー抜き流路25の他端25aは切替えバルブ63の円弧状流路63bへの接続ポートに接続されている。
【0025】
反応容器10が配列されている領域とは異なる領域に封止容器としてサンプル容器35、試薬容器37及びエアー吸引用容器39が設けられている。図2(B)では図示されていない(サンプル容器35のみが図示されている。)が、これらの容器35,37及び39の上面は封止されており、特にサンプル容器35の上面は弾性部材からなるセプタムを含む密閉部材で密閉されている。以下に、図3を参照しながらこれらの容器35,37及び39について説明する。
【0026】
サンプル容器35はサンプル容器収容部36内に収容されている。サンプル収容部35の下方にサンプル流路35aとサンプル容器エアー抜き流路35bが設けられている。サンプル流路35aの一端はサンプル容器収容部36の底部から上向きに突起した第1突起流路35dであり、サンプル容器エアー抜き流路35bの一端は上向きに突起した第2突起流路35eである。図2(A)に示されているように、サンプル容器流路35aの他端は切替えバルブ63のシリンジ接続流路63aへの接続ポートとなっており、サンプル容器エアー抜き流路35bの他端は切替えバルブ63の円弧状流路63bへの接続ポートとなっている。第1突起部35dの基端部の外周側面及び第2突起部35eの基端部の外周側面に、例えばOリングなど環状のパッキン35fが設けられている。
【0027】
サンプル容器35は、サンプル液や試薬を貯留するための液体収容部35gと、液体収容部35gの上部側面に突起部分として設けられたエアー抜き部35iを備えている。サンプル収容部35gとサンプル容器エアー抜き部35iは液体収容部35gに貯留される液体の液面よりも上方にくるように設けられた流路35hによって連通している。
【0028】
サンプル容器35の上面は、例えばアルミニウムからなるフィルム35kと弾性部材からなるセプタム41によって封止されており、注射器などの分注器具を突き刺してサンプルなどの液体を注入できるようになっている。セプタム41は分注器具の引抜き後の穴を弾性で閉じることができるものである。流路35hは液体収容部35g内とサンプル容器エアー抜き部35i内で圧力差がない状態で液体収容部35gの液密を保つように形成されている。この例では、液体収容部35g内に試薬45が予め収容されている。
【0029】
サンプル容器35のサンプル収容部35g底面は突起流路35aによって貫通可能な第1貫通部35jとなっており、サンプル容器エアー抜き部35iの底面は突起流路35eによって貫通可能な第2貫通部35lとなっている。貫通部35j,35lは例えばアルミニウムからなるフィルムにより構成されていてもよいし、サンプル容器35とともに一体成型により形成されていてもよい。
【0030】
サンプル容器収容部36の近傍にサンプル容器35を保持するための係止ツメ35cが設けられており、サンプル容器35の外周面に係止ツメ35cと係合する係止用溝35m,35nが設けられている。未使用時のサンプル容器35は、サンプル容器35の底面がサンプル容器収容部36の底から少し浮いた状態で保持され、サンプル容器35の底面がサンプル容器収容部36の底に達するまでサンプル容器35を下方に押し込むことによって使用可能となる。サンプル容器35の底面がサンプル容器収容部36の底から少し浮いた状態では、第1貫通部35jと第1突起部35d、第2貫通部35lと第2突起部35eが対向している(図3(E)参照。)。この状態からサンプル容器35を下方に押し込むことによって、第1突起部35dが第1貫通部35jを、第2突起部35eが貫通部35lをそれぞれ貫通し、サンプル収容部35gとサンプル容器流路35a、サンプル容器エアー抜き部35iとサンプル容器エアー抜き流路35bがそれぞれ接続される(図3(F)参照。)。サンプル容器35のサンプル容器本体の下面はパッキン35fに押し付けられることにより、液漏れ及びエアー漏れが防止される。
【0031】
試薬容器37、エアー吸引用容器39もサンプル容器35と同様の構造をもち、それぞれ液体収容部(エアー吸引用容器39は液体を収容しない。)とエアー抜き部とを備えている。そして、それぞれに一端が接続される試薬容器流路37a、試薬容器エアー抜き流路37b、エアー吸引用容器流路39a、エアー吸引用容器エアー抜き流路39bがサンプル容器流路35a、サンプル容器エアー抜き流路35bと同様に設けられている。
【0032】
図2に戻って反応容器プレートの説明を続ける。
シリンジ51は上面が開口したシリンダ51a、シリンダ51a内に上下方向に摺動可能に配置されたプランジャ51b及びカバー体51dからなる。シリンダ51aの底部にシリンジ流路51cの一端が連通している。シリンジ流路51cの他端は切替えバルブ63の回転中心に設けられたポートに接続されている。
【0033】
カバー体51dはプランジャ51bの摺動方向に可撓性をもち、一端がシリンダ51aに接続され、他端がプランジャ51bに接続されている。シリンダ51aとプランジャ51bとカバー体51dで囲まれた空間はシリンジエアー抜き流路53bを介してベローズ53に接続されている。ベローズ53は伸縮することにより密閉された内部容量が受動的に変化するものである。これにより、プランジャ51bの摺動が円滑になされる。ベローズ53にはベローズ流路53aの一端が接続されており、ベローズ流路53aの他端は切替えバルブ63内の円弧状流路63bに接続するためのポートとなっている。
【0034】
切替えバルブ63は該反応容器プレートの下面側のシリンジ51の下方の位置に設けられている。切替えバルブ63は中央から半径方向に伸びたシリンジ接続流路63aを備えたローターを回転させることによってシリンジ接続流路63aの接続先を切り替えるロータリー方式の切替えバルブである。シリンジ接続流路63aの一端はバルブ中央のポートに直接的に接続されており、その中央のポートにシリンジ流路51cが接続されている。シリンジ接続流路63aの他端はシリンジ流路51cへの接続ポートであり、ローターを回転させることによりシリンジ流路51cを流路13,35a,37a,39aのいずれかに切り替えて接続することができる。また、切替えバルブ63のローターは円弧状流路63bも備えており、ベローズ流路53aを流路23a,25a,35b,37b,39bのいずれかに切り替えて接続することができる。なお、図2(A)はシリンジ流路51c及びベローズ流路53aをいずれの流路にも接続していない初期の状態を示している。
【0035】
反応処理装置に上記の反応容器プレート7を設置する際には、反応容器プレート7の上方に配置される機器や部材がそのままの位置にあると邪魔になるため、反応容器プレート着脱位置から移動させる必要がある。この実施例の反応処理装置では、反応処理時に反応容器プレート7上に配置される機器や部材が搭載された上部ユニットを本体ユニット上でスライドさせることができる構造となっている。図13〜図16はそのような実施例の反応処理装置の構造及び動作を説明するための図であり、いずれも(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は外側フレーム及び内側フレームよりも内側の様子を示す正面図である。図14〜図16は図13の状態から反応処理を行なうための状態へ移行する際の動作状態を順に示したものである。
【0036】
本体ユニット100の最上部に反応容器プレートを設置するためのプレート設置部130(図1におけるプレート保持部1に相当)が設けられており、ガイドレール106はプレート設置部130を挟んでプレート設置部130の側方に互いに平行に配置されている。本体ユニット100のガイドレール106よりもさらに外側に1つずつ計2つのカム108が設けられている。
【0037】
本体ユニット100上に上部ユニットが配置されている。ここでは上部ユニットの構成の一部として、内側フレーム104やプレート上面ブロック120を図示しているが、その他シリンジ51を駆動するためのシリンジ駆動部なども上部ユニットに設けられている。上部ユニットを支持している外側フレーム102(水平移動部)はガイドレール106に沿って水平方向にのみ移動することができる。これにより、反応容器プレートの着脱を行なう際に上部ユニットを反応容器プレートの着脱の邪魔にならない位置まで移動させることができる。
【0038】
ここで、上部ユニットを反応容器プレートの着脱の邪魔にならない位置へ移動させること、すなわち図において右方向へ移動させることを上部ユニットを「開く」と定義する。これとは逆に、上部ユニットを反応容器プレート上の位置へ移動させること、すなわち図において左方向へ移動させることを上部ユニットを「閉じる」と定義する。
【0039】
外側フレーム102の内側にジョイント114、シャフト118を介して内側フレーム104が取り付けられている。外側フレーム102のガイドレール106に平行な2つの外側側面にジョイント114と回転軸を共有するアーム110がそれぞれ取り付けられており、各アーム110の先端にカムフォロア112が取り付けられている。これら2つのカムフォロア112は外側フレーム102が所定の位置にきたときに同時にカム108に接触し、カム108に追従するようになっている。
【0040】
アーム110とジョイント114は回転軸111を共有し、互いが一定角度をなした状態で固定されている。ジョイント114はアーム110が回転すると一定角度を維持するように同じ方向に回転する。シャフト118はジョイント114の回転軸111とは異なる位置に取り付けられており、ジョイント114の回転によって円弧を描くように移動する。シャフト118は内側フレーム104内側を通って反対側側面を貫通し、その端部にジョイント114と同様のジョイント116が取り付けられている。ジョイント116はジョイント114と同様に回転中心が外側フレーム102に固定されている。内側フレーム104は前後2本のシャフト118によって支持されており、水平状態を維持した状態でジョイント114,116の動作に応じて水平方向又は回転方向に移動する。
【0041】
また、外側フレーム102と内側フレーム104の間には垂直方向に弾性力を発生させるように圧縮バネ128が挿入されている。
【0042】
内側フレーム104の内側にガイドレール106と平行に配置された2本のスライドレール122が設けられている。スライドレール122上には、反応処理時に反応容器プレート上に配置されるプレート上面ブロック120がスライド可能に配置されている。プレート上面ブロックは温度調節部4の一部を構成する温調蓋とサンプル容器35、試薬容器37、エアー吸引用容器39を下方に押し込んで、それぞれに対応する流路35a,37a,39bを接続する封止容器押込み部とを一体化させたものである。温調蓋は反応容器プレートの各反応容器10の上面に密着して反応容器10の温度を調節するものである。図示は省略されているが、プレート上面ブロック120の温調蓋を構成する部分は、透明になっていたり貫通穴が設けられていたりするなど、反応容器10内の反応を光学的に測定できる構造になっていてもよい。
なお、封止容器押込み部を単体として設けてもよい。また、温度調節部4は本体ユニット100側にも設けられていてもよい。
【0043】
プレート上面ブロック120はバネ124によってスライドレール122上でのスライドが弾性的に固定されている。本体ユニット100にはプレート上面ブロック120をプレート設置部130上の位置で停止させるためのストッパ126が設けられている。
【0044】
図13は上部ユニットを少し開いた状態を示している。この状態ではカムフォロア112がカム108に接触しておらず、圧縮バネ128の弾性力によってプレート上面ブロック120が反応容器プレートに接触しない高さで保持されている。
【0045】
図13の状態から上部ユニットを少し閉じるように外側フレーム102を移動させると、カムフォロア112がカム108に接触し(図14参照)、さらに上部ユニットを閉じるように外側フレーム102を移動させることによって、アーム110及びジョイント114が回転軸111を中心に反時計方向に回転する(図15参照)。ジョイント114の回転により、シャフト118を介してジョイント114に固定されている内側フレーム104も水平姿勢を保ちながら反時計方向に回転移動する。
【0046】
プレート上面ブロック120はバネ124の弾性力によって内側フレーム104とともに水平方向や回転方向への移動を行なうものの、上部ユニットを閉じている途中でプレート設置部130上の位置に到達するとストッパ126に接触して水平方向への移動を停止する。プレート上面ブロック120がストッパ126に接触している状態で内側フレーム104がさらに反時計回りに回転移動すると、プレート上面ブロック120はスライドレール122上をスライドすることによって水平面内方向への移動は停止したまま、内側フレーム104の垂直方向への移動には従動する。すなわち、プレート上面ブロック120はプレート設置部130上の位置に到達してからは垂直下降する。
【0047】
さらに上部ユニットを閉じるように外側フレーム102を移動させると、カムフォロア112がカム108に乗り上げることによりアーム110及びジョイント114が反時計回りにさらに回転する。これにより、プレート上面ブロック120がさらに垂直下降してプレート設置部130に設置された反応容器プレートのサンプル容器35、試薬容器37、エアー吸引用容器39を下方に押し込み、これらの容器35,37,39に対応する流路35a,37a,39bを接続する。
【0048】
アーム110とジョイント114のなす角度はカムフォロア112がカム108に完全に乗り上げたときにプレート上面ブロック120の高さがその軌道において最も低い位置にくるように設定されており、そのときのプレート上面ブロック120の高さが反応容器プレートのサンプル容器35、試薬容器37、エアー吸引用容器39に流路35a,37a,39bを接続しうる高さとなるようにプレート上面ブロック120の高さが設定されている。
【0049】
逆に図16の状態から上部ユニットを開く方向に外側フレーム102を移動させる際は、圧縮バネ128の弾性力が内側フレーム104を持ち上げる方向に作用しているため、カムフォロア112がカム108に追従することによってアーム110及びジョイント114が時計回りに回転し、それに伴なって内側フレーム104が水平姿勢を維持しながら時計回りに回転移動する。カムフォロア112がカム108から離れた後は、内側フレーム104は外側フレーム102とともに水平移動する。プレート上面ブロック120は図16の状態から外側フレーム102をある程度移動させるまでは垂直上昇し、所定の高さまで上昇した後は内側フレーム104に従動する。
【0050】
上記の構造により、分析者は上部ユニットを完全に開いた状態で反応容器プレートをプレート設置部130に設置した後、上部ユニットを閉じるように外側フレーム102をスライドさせるだけで、サンプル容器35、試薬容器37、エアー吸引用容器39が下方に押し込まれてそれらの容器35,37,39に対応する流路35a,37a,39bが自動的に接続される。したがって、装置に設置する前又は設置した後で分析者が自ら反応容器プレートの各容器35,37,39を手で押し込んで流路35a,37a,39bを接続する必要がない。
【0051】
上記の例において、アーム110、ジョイント114、シャフト118及びスライドレール122は特許請求の範囲における「駆動部」を構成する。さらにその駆動部、カム108、カムフォロア112及びバネ124,128は特許請求の範囲における「駆動機構」を構成する。
【0052】
なお、プレート上面ブロック120が下降してサンプル容器35、試薬容器37、エアー吸引用容器39を下方に押し込むタイミングは、カム108の位置や形状によって調節できる。したがって、外側フレーム102がどの位置まで移動したときにプレート上面ブロック120が下降するかはこの実施例に限定されるものではなく、上部ユニットを完全に閉じる前にプレート上面ブロック120が下降してサンプル容器35、試薬容器37、エアー吸引用容器39を下方に押し込むようになっていてもよい。
【0053】
図1の装置構成と図13〜図16の装置構造とを対応させれば、温度調節部4のほか、例えばシリンジ駆動部2も上部ユニットに搭載することができる。バルブ駆動部3、制御部5及びプログラム保持部6は本体ユニット100に搭載することができる。なお、後述するが、温度調節部4は下部ユニットにも搭載されている。
【0054】
図4は図1に示した反応処理装置を具体的に示した断面図である。なお、この図では、プレート保持部1の図示は省略している。
シリンジ駆動部2は反応容器プレートの上方に配置されており、例えばステッピングモータ等の駆動によってシリンジ51のプランジャ51bを上下方向に任意の距離だけ移動させることができる。
バルブ駆動部3は切替えバルブ63の切替え時に切替えバルブ63のローターの下方に配置され、平面内方向に任意の角度だけ回転させることができる。
温度調節部4は反応容器プレートの上面側と下面側の両側にそれぞれ設けられている。下面側の温度調節部4aは反応容器プレートを保持するプレート保持部1に組み込まれており、ヒーターやペルチェ素子により反応容器10の温度を下方から調節するものである。上面側の温度調節部4bは反応容器10上に配置された温調蓋の温度を例えばヒーターやペルチェ素子を利用して調節することにより、反応容器10の温度を制御するものである。
【0055】
既述のように、シリンジ駆動部2、バルブ駆動部3及び温度調節部4の動作はプログラム保持部6に保持されたプログラムに基づいて制御部5が制御するように構成されている。図5は同実施例の反応処理装置の反応処理動作の一例を示すフローチャートである。以下にこのフローチャートとともに図6〜図12を参照しながら反応処理時の動作について説明する。
【0056】
反応処理装置が分析動作を開始する前に、分析者による前処理として、注射器などの分注器具を用いてセプタム41越しに例えば5μLのサンプル液をサンプル容器35内に注入する。反応容器プレートを反応処理装置のプレート設置部130(例えば、図13参照)に設置して上部ユニットを閉じると、反応処理装置に設けられた封止容器押込み部によってサンプル容器35、試薬容器37及びエアー吸引用容器39が下方へ自動的に押し込まれ、各容器35,37,39の液体収容部とエアー抜き部の底部を突起流路が貫通してそれぞれに対応する流路が接続される。
【0057】
上記の分析者による前処理後、反応処理装置による処理動作を開始する。バルブ駆動部3によって切替えバルブ63を切り替えて、シリンジ流路51cをサンプル流路35aに接続し、ベローズ流路53aをサンプル容器エアー抜き流路35bに接続する(ステップS1)(図6参照)。このとき、エアー抜き流路37b,39bもベローズ流路53aに接続される。
【0058】
シリンジ駆動部2によってシリンジ51を吸引側へ駆動し、サンプル容器35の液体収容部35g側の内圧をエアー抜き部35i側よりも減圧する(ステップS2)。サンプル容器35の液体収容部35gには例えば45μLの試薬45が予め収容されているが、反応容器プレートが振動したり衝撃を受けたりすることによって試薬45がエアー抜き部35i側へ入り込んでしまっている場合があるので、液体収容部35g側を陰圧にすることによってエアー抜き部35≡側へ入り込んでいる試薬45を液体収容部35gへ戻す。さらにシリンジ51を吸引方向と吐出方向へ複数回往復駆動することによりサンプル容器35内を攪拌し、サンプル液と試薬45とを混合する(ステップS3)。その後、混合液をシリンジ51で例えば10μLだけ吸引する(ステップS4)。
【0059】
次に、バルブ駆動部3によって切替えバルブ63を切り替えて、シリンジ流路51cを試薬流路37aに接続し、ベローズ流路53aを試薬容器エアー抜き流路37bに接続する(ステップS5)(図7参照。)。試薬容器37には例えば190μLの希釈水49が予め収容されている。シリンジ駆動部2によってシリンジ51を吐出側へ駆動し、シリンジ51で吸引した混合液を試薬容器37内に注入する(ステップS6)。さらに、シリンジ51を吸引方向と吐出方向へ往復駆動して試薬容器37内を攪拌することにより、混合液と希釈水49とを混合する(ステップS7)。混合後、シリンジ51を吸引方向へ駆動することによりその希釈混合液を例えば200μL(全部)吸引する(ステップS8)。
なお、混合液を試薬容器37に注入する前(ステップS5とS6の間)にシリンジ51を吸引側へさらに駆動し、試薬容器37内の液体収容部側の内圧をエアー抜き部側よりも減圧する工程を追加して、エアー抜き流路側に入り込んでいる希釈水49を液体収容部へ戻すようにしてもよい。
【0060】
バルブ駆動部3によって切替えバルブ63を切り替えて、シリンジ流路51cを主流路13の一端13aに接続し、ベローズ流路53aをドレイン空間エアー抜き流路23,25の一端23a,25aに接続する(ステップS9)(図8参照。)。シリンジ駆動部3によってシリンジ51を吐出方向に駆動し、先の工程で吸引した希釈混合液を主流路13に注入する(ステップS10)。主流路13に注入された希釈混合液は、上流側から順に計量流路15を満たし、液体ドレイン空間29に到達する。
【0061】
バルブ駆動部3によって切替えバルブ63を切り替えて、シリンジ流路51cをエアー吸引用流路39aに接続し、ベローズ流路53aをエアー吸引用容器エアー抜き流路39bに接続する(ステップS11)(図9参照。)。シリンジ駆動部2によってシリンジ51を吸引側に駆動してエアー吸引用容器39内の気体を吸引する(ステップS12)。
【0062】
バルブ駆動部3によって切替えバルブ63を切り替えて、シリンジ流路51cを主流路13の一端13aに接続し、ベローズ流路53aをドレイン空間エアー抜き流路23,25の一端23a,25aに接続する(ステップS13)(図10参照。)。この状態は、図8の接続状態と同じである。シリンジ駆動部2によってシリンジ51を吐出方向に駆動し、前工程で吸引した気体を主流路13に送って主流路13内の希釈混合液をパージする(ステップS14)(図10の白抜き矢印参照)。このときのパージ圧力状態では希釈混合液が注入流路17を通過せず、計量流路15内に留まる(シボ参照。)。パージされた希釈混合液は液体ドレイン空間29内に収容される。
【0063】
バルブ駆動部3によって切替えバルブ63を切り替えて、シリンジ流路51cをエアー吸引用流路39aに接続し、ベローズ流路53aをエアー吸引用容器エアー抜き流路39bに接続する(ステップS15)(図11参照。)。この状態は、図9の接続状態と同じである。シリンジ駆動部2によってシリンジ51を吸引側に駆動し、エアー吸引用容器39内の気体を吸引する(ステップS16)。
【0064】
バルブ駆動部3によって切替えバルブ63を切り替えて、シリンジ流路51cを主流路13の一端13aに接続し、ベローズ流路53aをドレイン空間エアー抜き流路25の一端25aに接続する(ステップS17)(図12参照。)。この状態は、ドレイン空間エアー抜き流路23の一端23aがベローズ流路53aに接続されていない点で図8及び図10に示した接続状態とは異なる。ドレイン空間エアー抜き流路23の一端23aがベローズ流路53aに接続されていないため、主流路13の下流端は閉じられた状態となる。この状態で、シリンジ駆動部2によってシリンジ51を吐出方向に駆動する。主流路13内は液体導入圧力及びパージ導入圧力よりも大きく加圧され、計量流路15内の希釈混合液が注入流路17を通過して反応容器10内に注入される(ステップS18)。
【0065】
その後、バルブ駆動部3によって切替えバルブ63を切り替えて図2の接続状態にすることにより、反応容器プレート内部の容器、流路及びドレイン空間を密閉する(ステップS19)。その状態で温度調節部4によって反応容器10を所定温度に加熱し、ワックス12を融解させる(ステップS20)。反応容器10に注入された希釈混合液はワックス12の下に入り、希釈混合液と試薬11が混ざり反応する。
【0066】
また、希釈混合液を反応容器10内に注入する前に、温度調節部4によって反応容器10を加熱してワックス12を融解させておいてもよい。その場合は、反応容器10に注入された希釈混合液が直ちにワックス12の下に入り、希釈混合液と試薬11が混ざり反応する。切替えバルブ63による流路接続状態が図12の状態であっても、ベローズ53により密閉系は確保されている。希釈混合液の注入後に切替えバルブ63を図2の接続状態にすれば、反応容器プレート内部の容器、流路及びドレイン空間を密閉することができる。ここで切替えバルブ63を図2の接続状態に切り替えるタイミングは、希釈混合液の注入直後から希釈混合液と試薬11の反応終了までのいずれのタイミングであってもよいし、希釈混合液と試薬11の反応終了後であってもよい。
【0067】
また、上記実施例では、計量流路15に充填された液体を注入流路17を介して反応容器10に注入する際に、エアーパージ後の主流路13内を加圧して液体を反応容器10に注入しているが、本発明の反応処理方法はこれに限定されるものではない。例えば、シリンジ51を用いて反応容器エアー抜き流路21内を陰圧にできるように流路構成を変更し、反応容器エアー抜き流路21内、ひいては反応容器10内を陰圧にすることによって計量流路15に充填された液体を注入流路17を介して反応容器10に注入するようにしてもよい。また、別途シリンジを用意して、主流路13内を陽圧にし、かつ反応容器10内を陰圧にして、反応容器10に液体を注入するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】一実施例の反応処理装置を概略的に示すブロック図である。
【図2】反応容器プレートの一実施例を示す図であり(A)は概略的な平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面にベローズ、ドレイン空間、計量流路、注入流路及びサンプル容器エアー抜き流路の断面を加えた概略的な断面図である。
【図3】同実施例のサンプル容器収容部とサンプル容器を拡大して示した図であり(A)はサンプル容器収容部の平面図、(B)は(A)のB−B位置での断面図、(C)はサンプル容器の平面図、(D)は(C)のC−C位置での断面図、(E)はサンプル容器をサンプル容器収容部に第1保持位置で配置した断面図、(F)はサンプル容器をサンプル容器収容部に第2保持位置で配置した断面図である。
【図4】反応処理装置を具体的に示した断面図である。
【図5】反応処理装置の反応処理時の動作の一例を概略的に示すフローチャートである。
【図6】反応処理装置の反応処理時の動作の一例を説明するための1つの工程を示す平面図である。
【図7】図6に続く動作を説明するための平面図である。
【図8】図7に続く動作を説明するための平面図である。
【図9】図8に続く動作を説明するための平面図である。
【図10】図9に続く動作を説明するための平面図である。
【図11】図10に続く動作を説明するための平面図である。
【図12】図11に続く動作を説明するための平面図である。
【図13】上部ユニットを本体ユニット上でスライドさせる構造及び動作を説明するための図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は水平移動部及び内側フレームよりも内側の様子を示す正面図である。
【図14】図13の状態から上部ユニットを閉じた状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は水平移動部及び内側フレームよりも内側の様子を示す正面図である。
【図15】図14の状態から上部ユニットをさらに閉じた状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は水平移動部及び内側フレームよりも内側の様子を示す正面図である。
【図16】上部ユニットを完全に閉じた状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は水平移動部及び内側フレームよりも内側の様子を示す正面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 プレート保持部
2 シリンジ駆動部
3 バルブ駆動部
4 温度調節部
5 制御部
6 プログラム保持部
7 反応容器プレート
10 反応容器
13 主流路
15 計量流路
17 注入流路
19,21 反応容器エアー抜き流路
35 サンプル容器
35a サンプル容器流路
35b サンプル容器エアー抜き流路
35c 係止ツメ
35d,35e 突起部
35f パッキン
35j,35l 貫通部
35m,35n 係止用溝
37 試薬容器
37a 試薬容器流路
37b 試薬容器エアー抜き流路
39 エアー吸引用容器
39a エアー吸引用容器流路
39b エアー吸引用容器エアー抜き流路
41 セプタム
51 シリンジ
51a シリンダ
51b プランジャ
51d カバー体
53 ベローズ
53a ベローズ流路
53b シリンジエアー抜き流路
63 切替えバルブ
100 本体ユニット
102 水平移動部
104 内側フレーム
106 ガイドレール
108 カム
110 アーム
112 カムフォロア
114 ジョイント
120 プレート上面ブロック
122 スライドレール
124,128 バネ
126 ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器、前記反応容器に接続された反応容器流路、底面に押圧により貫通可能な貫通部が設けられている封止容器、一端が前記封止容器の下方から上向きに突起した突起流路となっており、前記封止容器が下降して前記突起流路が前記貫通部を貫通することにより封止容器に接続される封止容器流路、及び切替えバルブを介して前記反応容器流路又は前記封止容器流路に接続されるシリンジを備えた反応容器プレートを処理するための反応処理装置であって、
前記反応容器プレートを保持するためのプレート保持部と、
前記プレート保持部を最上部に備えた本体ユニットと、
前記本体ユニット上に設けられ、前記プレート保持部に保持された反応容器プレートの前記封止容器を下方に押し込んで封止容器に封止容器流路を接続するための封止容器押込み部を少なくとも備えた上部ユニットと、
前記本体ユニットに取り付けられ、前記上部ユニットを支持しながら水平方向にのみ移動する水平移動部と、
本体ユニットに固定されたカム、水平移動部に取り付けられ前記水平移動部が移動することによって前記カムに追従して動作するカムフォロア及び前記カムフォロアの前記カムへの追従を利用して封止容器押込み部を駆動する駆動部を備え、前記水平移動部が所定の位置にきたときに前記封止容器押込み部が封止容器を下方に押し込んで封止容器流路を接続するように構成された駆動機構と、
前記反応容器プレートの前記切替えバルブを駆動するためのバルブ駆動部と、
前記シリンジを駆動するためのシリンジ駆動部と、
前記反応容器におけるサンプルの反応処理を行なうための反応処理部と、
前記バルブ駆動部、シリンジ駆動部及び反応処理部を制御する制御部と、を備えた反応処理装置。
【請求項2】
前記シリンジ駆動部及び反応処理部は上部ユニットに設けられている請求項1に記載の反応処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−38864(P2010−38864A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−205357(P2008−205357)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】