説明

反応器

本発明は、好ましくは生物工学および製薬用途のための、(好ましくは垂直の)固定された軸について振動−回転するように駆動される反応器に関する。混合、懸濁、気体状物質の輸送、熱輸送、照射、および粒子保持のためのプロセス増強特性によって、工業的規模における適用可能性が確実にされる。反応器が使い捨て反応器として作成されると、洗浄および洗浄確認を回避できる滅菌技術に関して、シャフトを封止することなく成し遂げられる反応器によって、特にロバスト性の製造が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合、懸濁(または懸濁液)、酸素輸送、熱伝導、照射、および粒子保持のためのプロセス増強特性を有する、生物工学的および薬学的用途のための、固定された垂直軸のまわりの振動−回転方式によって駆動される反応器に関し、それは、シャフト(または軸、心棒)を封止することなく、好ましくは使い捨ての反応器として使用され得、従って、洗浄および滅菌に関してプロセスの安全性の最大限の水準が確保される。
【背景技術】
【0002】
高度に管理された医薬製造において、時間、設備、および人員に関する多大な経費が、洗浄および滅菌されたバイオリアクターの設備に割り当てられる。多目的プラントまたは2個の製品バッチの間において製品変更による交差汚染を確実に回避するために、洗浄に加えて、プロセスを調整する場合に繰り返されることが必要かもしれない非常に複雑な洗浄の確認が必要とされる。これは上流の工程(USP)、即ち発酵における生物学的製品の製造だけでなく、下流の工程(DSP)、即ち発酵による製品の精製にもまた、適用される。USPおよびDSPにおいて、釜が、攪拌器および反応システムとしてしばしば使用される。特に発酵の場合、培養の成功のために、無菌環境が不可欠である。回分発酵槽または流加(または半回分)発酵槽の滅菌のため、SIP技術が通常使用される。連続処理方法において長期間の十分な滅菌を確実にするために、オートクレーブ技術もまた使用されるが、オートクレーブへの反応器の面倒な輸送を必要とし、比較的小規模の反応器でのみ使用可能である。発酵の間に汚染される危険性は、サンプリングおよび撹拌器のシャフトが作動している間に、特に重大である。後者には通常、複雑な封止システム(例えば、スライディングリングシール)が備え付けられている。発酵ケーシングのそのような侵入なくして成功する技術が好ましい。なぜなら、これらのプロセスロバスト性(またはプロセスの頑健性)がより大きいからである。
【0003】
調製操作に必要とされる反応器の休止時間は、使用期間が短い場合および製品を頻繁に変更する場合特に、反応器が利用可能である時間とほぼ同じ規模であり得る。生物工学的製造のUSPにおいて影響を受ける工程は、培地生成および発酵の処理工程であり、DSPにおいて影響を受ける工程は、可溶化、冷凍、解凍、pH調節、沈殿、結晶化、緩衝剤の交換およびウィルスの不活性化である。
【0004】
USPおよびDSPにおける反応を実施するために、しばしば、複数の反応条件が同時に満たされなければならない。例えば酸素供給およびCO除去に加えて、例えば、発酵において、細胞の穏やかな懸濁、過濃縮を回避するために培地および中和剤を急速に混合すること、および反応液体の加熱もまた、必要とされる。例えば潅流戦略を用いるために、粒子保持もまた、必要とされ得る。
【0005】
沈殿および結晶化の場合、沈殿剤の急速添加、効率の良い温度制御、および懸濁液において生成された粒子の穏やかな保持が、特に重要である。
【0006】
生物工学的製造の全ての処理工程において、生成物を傷つけないために、緩やかな温度勾配が通常必要とされる。特に冷凍および解凍工程において、これらの工程で混合要素を使用することができないため、この条件によって、反応器の規模の増大と共に処理時間がかなり増加する結果となる。反応媒体への熱の輸送は、氷の層の熱伝導性および液体の自由な対流によってもまた、制限される。しかし、処理時間が長くなると、タンパク質分解の活性の存在下で、生成物のかなりの減損をもたらし得る。
【0007】
出発材料および生成物溶液の、穏やかな滅菌およびウィルスの不活性化は、254nmの波長でのUVC照射によって、達成され得る。放射線は、ウィルスおよび微生物の吸収極大にあるDNAおよびRNAを傷つけ、それによってそれらの増殖を防ぐが、UVC照射の吸収極小にあるタンパク質は、非常に十分に保持される。重要な問題は、UVC照射の浸透の深度がしばしば、生物学的培地のたった数十分の1ミリメートルに限定されることである。第1に、必要な放射線量で全てのウィルスに照射するため、そして第2に、生成物の、放射線による負担を最小にするために、このことによって、活性な照射区域において膜の効率的な置換が必要とされる。
【0008】
膜内外の流れを制限する被覆層の発達を妨げるために、境界層を常に更新する要求もまた、濾過の場合において課される。
【0009】
物質輸送、熱輸送、粒子分離、UV照射、および固体または添加剤もしくはガスの添加または分配といった、全てのプロセスエンジニアリング工程は、反応媒体の効果的な撹拌を必要とする。この撹拌は、製薬工業においては、当該工業で習慣上使用されているステンレス鋼の反応器における適切な大きさの攪拌器または噴霧によって、保証される。
【0010】
膜として、ガス透過性シリコンチューブが、膜ガス導入が、細胞培養の穏やかな酸素供給のために使用される。放射状に輸送するアンカー型撹拌器からの流れを受け取る円筒形の膜固定子上に巻き付けられる(国際公開第2005/111192号A1)。2倍以上の交換領域、およびそれによる物質輸送の重大な増加は、膜固定子を並列させることにより達成され得る。
【0011】
ガス導入において、他の膜ガス導入システム(国際公開第85/02195号および独国特許公報第10 2004 029 709号B4および独国特許公報第3428758号)は、膜チューブに覆われ、発酵溶液内で振り子のような方法で動かされる撹拌器またはバスケット、あるいは、発酵溶液内で振動する膜積層物(米国特許明細書第6,708,957号B2)を据え付ける。しかし、これらの膜ガス導入システムは、それらが、制限下において工業的に適切な規模へ変更され得るのみであることで特徴付けられる。
【0012】
最大限の清潔さおよび滅菌を維持すると同時に、製造プラントの急速かつ柔軟なチャージングのための要求に応じるために、使い捨て反応器のための設計は、市場において常に関心が高まっている主題である。
【0013】
濾過のための使い捨て技術は、長い間知られている。最近、UVC処理のための使い捨て技術もまた、市場で入手可能になった(国際公開第02/038191号、国際公開第02/0385502号、欧州特許出願公開第1464342号)。使い捨て熱交換器の設計は、小規模のもののみが入手可能である(欧州特許出願公開第1464342号)。全ての技術は定常流で操作され、そのため、貯留容器に加えて、従来と同様に洗浄および衛生プランを提供する必要のあるポンプおよびラインの使用が必要である。
【0014】
現在、プラスティックバッグの使い捨て技術をベースとして作動する、商業的に入手可能な様々な混合システムが存在する。これらは、ブレード、またはマグネティック・スターラー、または循環ポンプ要素を備えたシステムを含む(Hyclone Laboratories,Inc.社(http://www.hyclone.com))。前記システムは200Lの容積まで入手可能である。Sartorius AG社(http://www.sartolius.de)は、使い捨てプラスティックバッグと接触せず、従って材料が摩耗しない浮動性の使い捨てマグネティック・スターラーを用いた、500Lの容積まで作動する使い捨てシステムを提供する。10リットルまでの使い捨て混合システムは、ATMI,Inc.社(http://www.atmi−lifesciences.com)で入手可能である。このシステムにおいて、混合されるべき材料は、使い捨てバッグ内に入れられ、回転の下で混合される。200Lまでのより大きな容積に関しては、ATMI,Inc.社は、撹拌要素がバッグの中に陥入されていることで特徴付けられている使い捨てバッグの撹拌システムを提供する。この場合における混合は、固定された軸の周りの回転運動によってではなく、撹拌−傾斜運動によって達成される。
【0015】
欧州特許出願公開第1462155号A1において、プラスティックバッグの損傷を防ぐために保護ケージ内に配置されたマグネティック・スターラーによって材料を混合および分散するための使い捨て容器が利用される。この場合におけるマグネティック・スターラー・ユニットの生成物と接触する領域は、同様に使い捨て要素から成る。
【0016】
欧州特許出願公開第1512458号A1は、ふくらませることのできるプラスティック・ピローを、使い捨てバッグシステムの外側または内側の領域において一体化させる解決方法を説明する。これらのピローは交互に加圧され、再び減圧される。これにより、容器内の混合および懸濁の増強をもたらす液体の運動が引き起こされる。
【0017】
発酵技術分野において使い捨て技術を使用するための、多数の特許が存在する。これらの大部分のシステムにおいて、混合および酸素供給は噴霧によって達成され、別の混合システムは設けられていない(米国特許明細書第5,565,015号、国際公開第98/13469号、米国特許明細書第6,432,698号B1、国際公開第2005/049785号A1、欧州特許出願公開第1602715号A2、国際公開第2005/080544号A2)。より高い酸素要求量が、噴霧のみによっては達成させることのできない培養に必要とされる場合、噴霧は分散混合システムと組み合わせられ得(国際公開第2005/104706号A2、国際公開第2005/108546号A2、国際公開第2005/118771号A2)、またはポンプによる循環と重複させられ得る(国際公開第2005/067498号A2)。噴霧ユニットの最大の処理容量は現在、1000リットルまでである。常套の撹拌器を有するが使い捨てのシステムとしても設計されうるシステム(国際公開第2005/104706号A2、国際公開第2005/108546号A2)においては、10000Lまでの処理容量が達成される。
【0018】
噴霧の場合、泡発生(または泡立ち)の問題によって、前記泡消し剤の利用および後続の複雑な除去が、DSPにおいて必要となり得る。その結果生じる高い剪断力の導入によって細胞は永久に傷つけられるため、泡発生時、表面における気泡の破裂時、および特に発泡破壊時の細胞のストレスは、細胞培養システムにおいて厄介である。噴霧が分散撹拌システムと組み合わされる時、即ち、撹拌システムがガスの泡を細分するとき、このことはますます大いに当てはまる。傷つけられた細胞はタンパク質を放出し、そのタンパク質を除去することにより、精密検査の間、相当量の生成物の減損が引き起こされる。許容できる細胞の活力を維持するために、前述のバイオリアクターへの酸素の投入量、従って達成可能な細胞密度もまた、制限されなければならない。細胞密度を制限することにより、結局、発酵槽の空間時間収率およびプラント全体の容量が減じられる。多くの場合において信頼性のあるスケールアップの前提条件が技術的に満たされると考えられないので、噴霧の使い捨て反応器において、容積の拡大は、システムの複雑な並列によって達成されなければならない。発酵槽が、提案されているように標準的な撹拌システムを使用して操作される時、処理され得る容積は定常的に設置されるプラントの範囲にまで増大するが、汚染の危険性は、相当な技術的支出、例えば減衰スライディングリングシールの使用でのみ、何とか処理し得る。しかし、そのような設備の専門的複雑さおよび人員に関する出費が大きいことによって、使い捨ての概念の利点が十分に強調される。
【0019】
他の使い捨てシステムは、膜または表面ガス導入によって、培養に必要なガス導入速度を提供する。この場合、ガス輸送に必要な交換領域は、輸送されるガスが透過できる膜を経由して、またはガス空間に対して開かれた境界領域を経由して供給される。細胞培地への直接的なガス導入が進行しないため、これらの反応器における粒子圧力が低いものとして類別される。
【0020】
米国特許明細書第5,057,429号に、細胞懸濁液で満たされた内側半透性の平面状のバッグが、栄養分溶液で満たされた、酸素濃度の高い別のバッグで囲まれているシステムが記載されている。栄養分の輸送および酸素輸送はバッグの傾斜運動によって強められる。単位当たりの最大処理容量は、わずか数リットルである。酸素投入は、充填した媒体における酸素の溶解度が低いことにより、および膜の表面積が比較的小さいことにより、かなり制限される。100Lの反応器において30m/mの規模のオーダーの固有の交換面積を有する標準的な膜ガス導入装置(国際公開第2005/111192号A1)と比較して、この構成が達成し得る最大値は、この交換面積のわずか10%にすぎない。両方の場合において、利用可能な交換面積は更に、規模の拡大に比例して減少する。
【0021】
他の表面ガス導入システムは同様に、振動装置に固定される平面状のバッグとともに作動する。前記バッグは一部のみ充填され、その結果、上方にガス・スペースを有する自由な表面が形成される。上下(または前後)に動く運動または偏心回転運動によって、培地が混合され、供給される栄養分が分配され、細胞の沈殿が防がれ、そして表面が撹拌される(米国特許明細書第6,190,913号B1、国際公開第00/66706号、米国特許明細書第6,544,788号B2)。この技術において、自由表面を経由して培養物に酸素が供給される。運動は、流れが穏やかで細胞が強い剪断力に晒されないように、連続的に調整される。単位当たりの最大処理容量は、現在のところ580リットルである。この技術は穏やかなガス導入機構を提供するが、工業的規模への変換が制限される。容積の増加は、容積に対する表面積の割合を一定にして、2つの水平空間方向でのみ達成され得るように、バッグの高さはほぼ一定に保たれなければならない。従って、スケールアップは技術的に複雑な並列によってのみ達成され得る。
【0022】
市場で入手可能な技術は、冷凍のために、冷却液体が供給される大きなステンレス鋼の反応器を利用し、あるいは、対流的な冷たい空気による、もしくは熱伝導表面を経由する2次的方法で冷凍される小さい平面状のプラスティックバッグを利用する。両方の場合において、冷凍プロセスの間に生成物が撹拌される可能性は無く、そのことにより冷却および冷凍プロセスが長くなる。金属容器は高価で、一時的な保管の際に広い保管場所を要求する。氷塊と容器の壁との間の液体の運動は自由な対流によってのみ進行するので、冷凍と比較して解凍は長時間を要する。プラスティックバッグを解凍するために、これらは凍った状態で切り開かれ、続いて撹拌反応器に入れられる。それらを切り開く操作は労力を消費し、労働環境の汚染の原因となる。表面に浮かぶ氷塊には反応器内で優勢な流動がほとんど到達しないため、解凍プロセスは多大の時間を消費する(または時間集約的である)。従って、長時間の解凍段階の間の生成物の減損が避けられない。
【0023】
ここで列挙した反応器全てを使用する場合、性能およびスケールアップ可能性について、かなりの減損を受け入れなければならない。多くの場合、性能が欠けていることに加えて拡張性が十分でないため、経済的利益は保証され得ない。ここでのスケールアップは、複雑さが増大し、かつ経済的利益が減少するという犠牲を払うことによってのみ、例えば複数の反応器を並列させることによって、または技術的に複雑な解決方法(例えばプラスティックバッグの中に作られるスライディングリングシール)を付加することによって、達成され得る。
【0024】
従って、1m〜10mの工業的規模にまでスケールアップされ得、シャフトシールおよび洗浄問題を回避することによって、オートクレーブに匹敵する非常に高水準の滅菌を保証し、集中的かつ穏やかな液体運動を同時に可能とし、かつ設備および人員に関して少ない出費で設置可能である反応器は、現在入手可能な技術範囲と明確な隔たりがある。
【0025】
本発明の課題は、特に製薬用途のための反応器を製造することである。その反応器は、たとえ反応器が大規模であっても、混合、分配、懸濁、可溶化、物質輸送、熱輸送、濾過および照射、またはそれらの組み合わせに関して、生物学的、生化学的および/または化学的反応を実行するための非常に良好な反応特性を有し、好ましくは取り扱いが簡単であり、洗浄および滅菌に関する製薬工業の高い要求に応じ、プロセスロバスト性の増大および空間時間収率の増大に寄与する。
【0026】
反応器容器および駆動ユニットを含み、反応器容器によって保護され得る(または受け入れられ得る)反応器内容物が駆動ユニットによって反応器の(好ましくは垂直の)固定された軸について振動−回転運動をするように配置されることで特徴付けられる反応器によって、その課題は達成された。ここで、反応器内容物への機械的なパワーの投入は、反応器および/または反応器容器の適切な外殻形状によって、並びに/あるいは、反応器および/または反応器容器内の定位置に設置される内部構造物によって可能となる。反応器は好ましくは使い捨て反応器として作成される。
【0027】
分配プロセスおよび/または混合反応は、内部構造物によって、簡単な方法および常套の撹拌タンクと同じ強度で実施され得る。この設計において、シャフトの移動は完全に省略され得る。内部構造物には、生成物から遠い側面を経由して、再び材料ストリームまたはエネルギーストリームが供給され、そのストリームは、拡散、対流、熱伝導、および/または放射によって、媒体に導入され、またはそこから放出される。この方法において、混合に加えて、ガス分配、膜ガス導入による酸素投入、熱輸送、照射および/または粒子保持のような非常に多くのプロセスエンジニアリングユニットの操作が、穏やかに、かつ撹拌タンクに匹敵するほど効果的に、最初に使い捨て反応器において実施され得る。この場合、反応および輸送プロセスは内部構造物において直接進行する。従って、最も大きい流体力学的エネルギー密度を有する場所と最も大きい反応性を有する場所は同一であり、または膜内反応の場合、少なくとも空間的に接近している。別の装置(例えば撹拌器またはポンプ)は、反応部位への流体の輸送に必要とされない。液体に導入されるエネルギーの量が、反応を実施するのに実際に必要とされる量だけであるので、その結果、これらの反応は、特に剪断力の小さい方法で実行され得る。
【0028】
特に剪断力に敏感な動物または植物細胞を有する培養物の場合、後者は非常に重要であり、これらの細胞は、例えば発酵の間、酸素が供給されなければならない。剪断力が高いため、ここでは噴霧はしばしば使用され得ず、その結果、剪断力の低い膜ガス導入が通常使用される。本発明の反応器における静的混合要素が管モジュールとして構成される場合、後述のように、非常に高い酸素投入量またはCO除去が、特定の管または30m/mより大きな交換領域を使用することにより保証され得る。その交換領域は、従来技術と比較して、大規模な反応器においてさえ回転封止(またはシーリング)要素のない使い捨て反応器において拡大される。
【0029】
反応器は、0.2〜2.0、好ましくは0.6〜1.2、そして特に好ましくは0.8〜1.0の、平均直径に対する高さの比を特に有する。その結果、大規模な場合でさえも問題なく設置空間の要求が達成され得るにもかかわらず、例えば均衡を失った質量によって引き起こされる傾斜モーメントは減少し得、上からの操作の可能性が保証される。このように幅の広い反応器の設計は、生物工学において導入された細い反応器と対照的に、高価な高層建築物に反応器を収容することを不要にする可能性を提供し、より安い小屋型(shed−shaped)設備を組み立てる可能性を提供する。
【0030】
好ましくは、反応器容器内に設置される内部構造物が提供され、この内部構造物は、駆動ユニットに関して振動して膜上および/または膜内で物理的、生物学的、生化学的、および/または化学反応を実行する、機能化された表面を提供する。機能化された表面は半透膜を経由するガス導入、ガス分配、液体分配、照射、濾過、吸収、吸着、分析のために、並びに冷却および/または加熱のためにもまた、特に提供され得る。
【0031】
本発明は更に、このような反応器に適したガス導入モジュールに関し、特に本発明の反応器の一部であり、設置された状態におけるものが例として後述される、特にガス分配器または膜モジュールに関する。管モジュールとして好ましく設計される膜モジュールは特に、実質的に垂直に配置された透過性の、特に管状の膜を有する、酸素および二酸化炭素などのガスは、酸素および/または他のガスが剪断力の小さい方法で反応器に導入され得るようにして、その膜を通過し得るが、液体はその膜を通過し得ない。膜は、反応器内に固定され、または可動状態で設けられ、特に好ましくは不活性流体に対して動かされ得るように構成され、その結果、ガス導入およびガス分配だけでなく、混合流れもまた引き起こされ得る。膜ガス導入に必要とされる交換表面領域を提供する、互いに隣接して配置された膜または膜チューブの複数のグループが、特に提供される。例えば、管モジュールおよび平坦な膜(または平膜)として構成された膜モジュールは、少なくとも反応器に対して、実質的に不動となるように構成され、また、ガス処理モジュールが作成に費用をかけることなく要求通りに、特に所望通り結合されうる付加的なユニットとして提供され得るようにして、反応器のみが駆動ユニットによって駆動される。
【0032】
好ましい態様において、膜は微孔性であるように作成され、追加の撹拌要素の補助無しで、反応器の断面積にわたって又は反応器の容積において、気泡、特に微小泡の均一で剪断力の小さい分配を可能にする。微孔性膜は、好ましくは反応器の底部における陥入によって提供され得る0.05〜500μmの幅の核を有するように作成される。この単純な方法において、泡の融合がうまく防止される。特に細かい気泡が発生し、追加の滅菌バリアが場合により不要となり得るため、0.5μm以下の膜が特に好まれる。
【0033】
ガス導入モジュールの好ましい態様において、第1保持プロファイルおよび第2保持プロファイルが提供され、それらの間に、細長い、特に管状の膜が、あちこちに導かれる(または通じる)ように配置され得る。この場合の膜はジクザグ形または曲折形に配置され得る。結果として、単一の膜を使用して、反応器内容物へガスを導入するために、特に大きな表面積が提供され得る。
【0034】
ガス導入モジュールの膜は、好ましくは膜の総厚さと比較してより薄い膜フィルムを有する。膜フィルムは、開孔性(open−pore)材料、例えば発泡体(またはフォーム)などと、好ましくは二次元的に結合する。特に、開孔性材料は少なくとも大部分が、少なくとも1枚の膜フィルムで覆われる。開孔性材料により、膜フィルムの実質的に全体がガスで満たされ得るようにして、膜を介した均一な対流的ガス輸送が可能となる。膜フィルムが開孔性材料と結合しているため、膜フィルムが、圧力上昇時に膨張し得ることが同時に防止される。結果として、この方法で更に改良されたガス導入モジュール膜は高圧でも問題なく操作され得、そのため、比較的少ない材料の使用で、大きい体積流量が反応器内容物へのガス導入に提供され得る。
【0035】
好ましい態様において、ガス導入モジュールは少なくとも一部が本発明の反応器の反応器容器の一部である。このため、反応器容器は少なくとも2個、特に厳密には2個のサブピース(subpiece)を有し、一方、ガス導入モジュールはフレーム(または骨組)を有し、膜はそれを用いて固定され得る。サブピースは例えば接着によってフレームと結合され得、それによって、ガス導入モジュールのフレームと共に反応器の反応器容器を形成し得る。例えば、2個の殻形(shell−shaped)サブピースが、実質的に方形に形成されるフレームの互いに向かい合わない2つの末端側面においてフレームに固着され得る。反応器内容物と向かい合うフレームの側面は反応器容器の外殻表面の一部を形成する。ガス、例えば酸素は、サブピースに貫通させられることを要する貫通ライン(またはスルーライン、throughline)無しに、反応器内容物と向き合わないフレームの側面を介して、ガス導入モジュールの膜に供給され得る。
【0036】
ガス導入を改良しかつ静水ゾーンまたは流れの層流境界層を回避するために、反応器容器は、内側の少なくとも一部にて、反応器へガス導入するための透過膜で裏打ちされる。このためには、特に、単に反応器内容物と向かい合う膜の面を膜フィルムによって形成するだけで十分である。
【0037】
剪断力の小さい反応器の別の応用分野は、タンパク質の沈殿または結晶化である。例えば、動物およびヒトの血漿の原形質分画並びにタンパク質の精製において、これらの操作工程は、時々熱交換とともに起こる。両方のプロセスにおいて、後続の粒子分離における妨害(blockage)の問題および生成物の減損を回避するために、狭く、かつ可能な最大粒径へシフトされた粒径分布が必要とされる。反応器空間における沈殿剤のより均一な分布のために、内部構造物の全体または一部が分配器層として使用される場合、核形成およびそれによる微小粒子の生成の一因となる過濃縮が実質上回避される。加えて、軸に沿って輸送する、偏心となるように配置された、一般にマクロ混合において好ましい、沈殿反応器内の撹拌要素を、回避し得る。この要素は粒子上で特に強い剪断作用を有する。反応器は、生成物が接触する側が当業者に公知の材料で作られており、溶媒および溶解した物質に対して安定である。
【0038】
溶解した物質に対する安定性は、タンパク質の可溶化において同様に重要な要件である。そのために使用される化学物質は、一部分において、標準的な反応器のステンレス鋼表面を攻撃するという欠点を有する。本発明の新規反応器の概念は、当業者に知られている広範囲の不活性材料から成る代替物を提供する。
【0039】
新規混合反応器において実施される別の反応は、滅菌およびウィルスの不活性化を目的とする、反応器内容物の照射である。照射は、例えば容器壁および/または内蔵要素に配されたUV照射器によって、使い捨て反応器の範囲内で進行する。支持壁およびバッグは当業者に知られている透明なUV放射線透過性材料で作られ、支持壁は好ましくは石英ガラス、PMMAまたはマクロロン(Makrolon)製であり、バッグは応用法に応じて作られ得、例えばフッ素化エラストマー、PMMA,またはマクロロンである。生物学的媒体のUV照射における問題点は、濁度に依存して媒体のたった数十分の1mmのみに浸透し得るUV波の浸透深さがしばしば極度に制限されることである。良好な混合運動および媒体側の境界層の不変的な集中的置換は、境界層から離れた反応器ゾーンもまた、反応性ゾーンにおける滞留時間が長すぎる場合に、生成物が許容できないほど傷付けられること無く、放射によって捕らえられ得ることを意味する。この方法で、使い捨ての大きな反応器においてさえ、滅菌および不活性化が、大量の微生物の減少および少量の生成物減損と共に滅菌条件の下で第一に実施され得る。
【0040】
この反応器において実施され得る別の反応は、機能化された膜の少なくとも上、および一部は内部において進行する物理学的、生物学的、生化学的、および化学的反応、例えば酵素反応、膜吸着プロセス、または反応抽出である(例示のためであって限定するものでない)。
【0041】
混合反応器によって実施され得る別の反応は、生物薬学的プロセスの種々のポイントにおいて、例えば、放出分析を見越して、時間依存性分解に起因する生成物の減損を回避するために必要とされる冷凍および解凍である。新規混合反応器を使用すると、生成物バッチ全体は冷凍され得、場所をとらずに保管され得、そして同じ反応器において解凍され得る。冷凍および解凍プロセスは撹拌された段階において進行し、従って、処理の増強および時間短縮のために、加熱または冷却媒体と生成物溶液との間のより大きな温度差の使用が可能となる。複数のバッグにわたる分配、並びに、バッグを切り開いて手動でバッグを除去することおよびそれによって起こる作業環境の汚れもまた、もはや起こらない。
【0042】
プロセス増強内部構造物によって、現存の使い捨て技術の応用範囲は、新規反応器が、従来入手可能であったものよりもかなり大規模であっても使用され得るように、かなり拡大される。
【0043】
反応器は、使用された後に廃棄され得る使い捨て反応器として、特に構成される。このために、反応器容器は安定な、好ましくは多層の高分子材料、またはグリッド構造を安定させるために、および意図したプロセスエンジニアリングユニットの操作を支持するために利用されてきた高分子材料から製造され得る。反応器容器は、好ましくは、少なくとも一部が反応器の外殻形状と適合するハウジング(または囲い)と結合する。このために、好ましくは可とう性である、可撓性である、および/または曲がるように構成された反応器容器が、ポジティブフィット(または押し込み嵌合)および/または摩擦嵌合(摩擦フィット)として、容器内に挿入されかつ/または吊り下げられ得る。加えて又は別法として、好ましくは、反応器容器は、特に圧力を減少させることによって、分離可能なようにハウジングに取り付けられる。例えば、反応器容器と近接するトラフ(trough)を設けることができ、反応器容器を固定するため、減圧がこのトラフに適用され得る。
【0044】
特に好ましくは、容器および反応器は少なくとも一部に角のある断面、好ましくは二角から八角、特に好ましくは三角から四角の断面、および平面状の(45)、ピラミッド型(41)、または四面体の底部を有する。
【0045】
この場合、断面の形状は、ハウジングの高さにわたって、軸方向に変更し得る。例として、ハウジングは、例えば上方部分では円筒形または正方形に、かつ下方部分では方形、正方形、ピラミッド型、四面体等に構成され得る。液体の流れ(50)は、このように設計された反応器容器(46)の回転運動によって発生し得る。加えて、容器は、容器の外壁内に内部構造物を形成し得、反応器は滑らないようにその内部構造物によって調節され得、その内部構造物は同時に、反応器内容物の混合を改良するために、流れを調節するように機能し得る。ハウジングは駆動ユニットによって、駆動ユニットと反応器容器自体との直接的な結合が必要とされないようにして、固定された、好ましくは垂直である、反応器の軸に関して、振動−回転運動し得る。その結果、大部分の要素は再利用され得、もし適切であれば、特別に形成された使い捨て反応器であって、剪断力の小さい混合を達成するための追加の混合要素を原則として必要としない反応器のみが廃棄される必要がある。ハウジングは、実質的に垂直方向に移動できるように、回転できるように据え付けられること、特に吊り下げられることが好ましい。その結果、様々な種類のハウジングまたは反応器容器に同じ駆動ユニットおよび/または同じ測定手法が使用され得るように、ハウジングは、例えば、頂部からクレーンを用いて、または底部からリフティングプラットフォームによって、ホルダーまたは軸上のベアリングに単純に挿入され得る。
【0046】
反応器は、好ましくは、反応器の回転の加速またはブレーキが実質的に一定の角加速度または減速度で進行するように、駆動ユニットと確動的に(positively)結合される。その結果、反応器の回転速度は、回転振動の各段階の運動において時間とともに線形に変化する。この単純な反応器の運動において、中間に介在して結合される制御モジュールは必要とされず、そのため、例えば、振動する反応器の運動を実行するための好ましい態様によれば、振子駆動が使用され得る。その結果、例えばセンサーの故障を引き起こし得る、例えば電磁波の放出を、著しく減らすことができる。特に、反応器の振動−回転運動の各段階において角加速度が一定であることの結果として、懸濁した粒子(例えば動物細胞)における流体力学的剪断力の瞬間ピーク値は、反応器の運動の他の形態よりも比較的小さく保たれる。
【0047】
驚くべきことに,良好な混合および/または輸送プロセスの十分な強化を達成するためには、反応器の振動−回転運動について比較的小さい角振幅で足りる。特に、反応器の3600°の回転(10回転に相当する)を実施する必要はほとんどなく、そのため、振動−回転反応器を静止している周囲物(例えば媒体およびガス、電気エネルギーおよび電気信号を供給および除去するためのもの)と結合させるための構造的に複雑な解決方法はほとんど必要とされない。反応器は、角振幅αが2°≦|α|≦3600°、好ましくは20°≦|α|≦180°、特に好ましくは45°≦|α|≦90°の範囲の振動−回転運動を実施し得る。特に、ほぼ|α|=45°または|α|=90°(±5°の偏差が存在し得る)である。従って、振動運動は全体で2|α|の角度におよぶ。
【0048】
実験により、力の投入量が増加すると、この反応器(気泡がこの反応器内に導入される)において運動状態が確立され得ることが見いだされた。噴霧によって傷つけられない細胞のために、本発明の反応器の好ましい多角形の、特に好ましくは二〜四角の態様において、経費集約的な内部構造物のない非常に単純なガス分配がこの方法で達成され得る。驚くべくことに、望ましくない泡の発生がまず、予想されるように反応器の撹拌の増加とともに増加するが、最大の泡高さを超えた後に、容易に処理できる数センチメートルの泡高さに再び減少することがわかってきた。この泡破壊の非常に驚くべき現象の原因は、液体運動のこれらの状態において、頭隙に位置するガスだけでなく泡自体もまた表面に引き込まれることである。泡は、液体表面の下に引っ込んで吸い込まれることによって、即ち気泡がはじけることを徹底的に回避することで、剪断力を適用させることなく穏やかに再消滅する。特に、波状流れが確立され得、それによって、表面に位置する反応器内容物の一部が反応器内容物の内部に輸送される。従って、この好ましい反応器のタイプにおいて、泡の形成が実質上抑制され得、そして同時に、特に穏やかでかつ有効な表面ガス導入が達成され得る。しかし振動による泡破壊器の使用は、表面ガス導入が行われる反応器に決して限定されない。しかし特に好ましい態様によれば、その破壊器は、噴霧反応器において、通常有利に使用され得る。従って、本発明の反応器において、特に振動−回転運動の強度は,好ましくは、反応器内容物の表面において、表面に存在する反応器内容物の一部を反応器内容物の内部へ輸送する波状流れが発生し得るように設定され得る。
【0049】
好ましい態様において、反応器容器は、実質的に反応器の軸に対して周辺方向に延びる細長い蛍光センサーを有し、これを用いて特に反応器内容物のpHおよび/または酸素濃度が検出され得る。非接触検出のために、反応器容器から離れたところに光学検出装置が提供され、これが例えば光の閃光を放ち、その結果、蛍光センサーと光の閃光との反応から所望の測定値を測定し得る。特に,検出速度および振動−回転運動は、蛍光センサーが様々な部分表面において光学的に検出されるように選択される。従って、異なる位置で蛍光センサーを放射することが可能であり、そのため、”光漂白”による蛍光センサーの漂白が防止され、使用時間がかなり増加する。
【0050】
本発明は更に、反応器容器を有する噴霧反応器に関し、当該反応器容器はこれによって保護された(または受け入れられた)反応器内容物の少なくとも液体表面の領域において多角形の断面を有し、この反応器内容物は表面または多孔膜を経由して気泡で満たされ、泡を破壊するために、反応器内容物の表面の泡が反応器内容物の内部へ輸送されるように振動−回転運動に設定される。噴霧反応器は特に、上述したように作成され、更に改良させられる。従って、加えて、又は別法として、泡破壊器であり得るように構成される。
【0051】
好ましくは、上述されたように形成され、更に改良させられ得る反応器または噴霧反応器が使用される方法が提供される。反応器は特に好ましくは懸濁した生物活性物質に使用される。従って、液体基質に存在する物質を特に酸素の連続的添加とともに化学的に反応させるために、液体基質で懸濁させられる予定である生物学的材料、例えば動物および/または植物細胞および/または微生物などが、提供され得る。反応器の振動−回転運動および入力は、特に反応器内容物表面における泡の形成が最小になるように設定され得る。反応器の振動−回転運動が3600°以下の、時計回りおよび反時計回りの比較的小さい角振幅|α|であるためには、これで既に十分である。反応器または噴霧反応器は、特に、混合および/またはガス導入で生じうる泡の、好ましくは剪断力の小さい破壊のために使用される。泡の破壊は特に泡の溶解によって起こり、この泡は、反応器容器で誘発される流れによって反応器内容物の内部に引き込まれ得る。即ち、引き込まれる泡は反応器内容物の内部において、小さい剪断力で崩壊し得る。
【0052】
本発明は、好ましい実施例を示す図面を参照してより詳細に下に記載されるが、これらの実施例に限定されない。
【0053】
プロセス増強内部構造物のない、駆動ユニットを有する、本発明の反応器の反応器容器(反応器5で示される)を図1aおよび1bに示す。媒体4(基質または緩衝溶液、発酵溶液または生成物溶液)は反応器5に含まれ、この反応器5は、安定性を改善するために使い捨て反応器として特に好ましく使用する場合に、当業者に知られている安定で好ましくは多層のプラスティックフィルムから製造される。強度上の理由のために制限された張力および剪断力を負うのみであり得る、充填された反応器5の質量は、周囲の容器の底部20から垂直方向に、かつその反応器の外殻6を経由して側面方向に保持される。反応器5を簡単に設置するために、外殻6は扉7によって開かれ得る。プロセスの間、回転できるようにベアリング8上に据え付けられる底部20は、駆動台10によって振動−回転15に設定される。反応器5における偏心、または外殻6、底部20、および駆動台10からなるシステムにおける偏心に起因する横向きの力を回避するため、駆動軸の位置は好ましくは固定される。横向きの力は、スケールアップの際に、相当な問題を課す。駆動軸の角度は原則として水平に対して0°〜90°の間で所望される通りに選択され得る。反応器および駆動ユニットのベアリングへの比較的簡単な据え付けが結果として可能であるため、水平方向に対して約90°の角度が特に好ましい態様である。このタイプのベアリングにおいて、反応器5の頂部領域は実質上負荷がかかっていないままであり、結合ラインまたはセンサーによる反応器内部への簡単な接触が可能である。外殻6と反応器5のサイズ適合が簡単に達成されることによって、より小さい反応器もまた、同じ底部20において操作され得、特に頻繁に製品を変更する場合において、製造の自由度が増加する。
【0054】
図2aは例えば方形158、線形157、または正弦曲線156の経路を有する角速度を有する適切な回転振動15を経時的に示す。回転振動15の周期160および振幅162は、反応器5およびそれの内部構造物の形および大きさ、並びに、処理工程を実施するのに必要とされる所望の機械的パワーの投入に依存する。内部要素の周りの流れを原因とする減損、およびそれによる内部構造物と液体との間の相対速度ができるだけ一定に保たれ得るとき、剪断力の小さい運動が引き起こされ得る。これを達成するために、液体はまず内部要素の正弦曲線の速度のインパルス156で一方向に好都合に加速され、その後減速され、その結果、回転速度が0の時点を通過する際に結局反対の方向に加速および減速される。使用される駆動のトルクによって、反応器の大きい角加速度が許容される場合、方形のインパルス158がほぼ正確に満たされてよい。しかし、これらのため、反応器の速度分布がかなり広範囲となり、それによって、同等の機械的パワーの投入とともに懸濁状態の粒子に加わる剪断力が増加する。この駆動方法は剪断力に敏感な動物細胞の培養においては通常避けられる。対照的に、沈殿した粒子の懸濁液においてまたは添加物における混合に際して、これらの追加の混合効果は確実に望ましい。
【0055】
膜ガス導入の場合、回転シーリング要素のない使い捨て反応器において、そしてその上、非常に大きい反応器の規模において、30m/mよりかなり大きい固有の交換面積が保証され得る。図2bは、管モジュール72を用いた本発明の膜ガス導入3の穏やかな使用を、撹拌要素によって供給される従来技術の流れ供給(flow−fed)膜固定子システム2と比較して示す。この図を描くために、酸素の容量物質輸送係数kaが動的方法で測定され、縦座標としてプロットされる。横座標において、いわゆる参照直径群がプロットされる。参照直径群は、von HenzlerとBiedermannによって記述された方法(撹拌反応器における粒子の加圧(Beanspruchung von Partikeln in Ruihrreaktoren)、Henzler、H.−J.、Biedermann、A.、Chemie−Ingenieur−Technik、68(1996)1546頁以降)によって規定される。参照直径群は懸濁微粒子の流体力学的剪断の尺度であり、小さい参照直径群は剪断力が大きいことを表しており、逆もまた同様である。乱流の流れの範囲において敏感な細胞を培養するために、150μmの参照直径群が基準として使用される場合、本発明によれば、kaの値のパワーの増加のポテンシャル1は、同じ粒子の圧力に対して10倍以上となる。この大きな電圧1はスケールアップおよび安価なガス導入膜の設計において幾分かのゆとりを可能にする。バイオリアクターにおいて非常に大きい固有の交換面積が達成され得る管モジュール72の代わりとして、例えば、平坦な膜で作られるより安価な流れ通過(またはフロー・パス)要素320、または約10m/mの大きさのオーダーのわずかに減少した固有の交換面積を有する、平行に押出し成形されたチューブ膜330もまた、使用され得る。
【0056】
膜を経由した粗いまたは細かい気泡が発生する場合において、液体11における気泡を反応器断面にわたって均一に分配するために、例えば微孔性陥入150の振動運動が使用され得る。
【0057】
図3aは、ベアリング8上に回転できるように設けられた底部20が、駆動台10内に設置された電気ドライブ14を用いて、歯車12によって駆動させられ得る方法を例示の目的で示すが、本発明を限定するものでない。電気ドライブ14の代替となる可能性を有するドライブは、磁力、誘導力、気力学または水力学によって提供され得る。媒体4を加熱/冷却するために、底部20には、加熱/冷却媒体が通過して流れる電気(例えば加熱マット)または熱交換器18を収容できる空洞32が備え付けられ得る。熱移動を改良するため、熱伝導が容易である伝熱媒体、例えば水または油で空洞32を満たすことが望ましい。熱交換器は、管またはケーブルを介してエネルギー供給、即ち加熱/冷却回路または電流と接続される中央ライン30を経由して供給される。反応器5への添加または反応器5からの回収は、反応器5の頂部を通る(貫通する)中央の(27)または中心から外れた(24、28)通路を介して実行され得る。ランス(または細長い管)28を使用すると、反応器5の奥深くへの添加もまた行われ得る。中心から外れた添加の場合、ランス28は、周囲の媒体4に対して流れ抵抗として振る舞い、そのため、導入位置において混合に好都合な液体流れが、回転振動15の選択された強度と対応して生成され得る。通路24、26および28は同様に、プロセス制御を目的として、市場で入手可能なサンプリングシステムおよび、温度、ガス含有量、イオン濃度、光学的特性、粒子濃度、および細胞活性を測定するためのセンサーを、媒体4またはガス空間と接触させるのに適している。安全キャビネットの下でプロセスを開始させる際に、熱的または化学的に予め滅菌されかつ校正されたシステムの導入が行われ得る。センサーはねじ式コネクション(または結合器)を用いてポートに通常固定され、かつ通路の内部の側面に対してO−リングによって封止される。更に、媒体と相互作用するために、反応器壁に簡便に適用される、蛍光反応色素をベースとするセンサーが好ましい。層の励起および測定は外側から、非侵襲的に行われ得、このことはセンサー導入時の滅菌に対する危険を除去する。プラスティックで製作された反応器の負荷に耐える能力は、通路の領域において、溶接または接着された補強物25(図3cを参照のこと)によって増加し得る。回転振動15の反転した2点の間の角度16(図3bを参照のこと)を制限することが好都合である。この方法においては、反応器5に取り付けられる可とう性の供給ライン、例えば管または電気ケーブルなどの過剰なねじれの歪みが防止される。3600°までの角度16は技術的に扱いやすいものではないが、驚くべきことに、反応器は著しく小さい角度16においてさえ剪断力が比較的小さく、プロセス増強のために提供される内部要素の良好な流体力学的表面流れで操作され得ることが示された。規模の変換は、仕事(またはタスク)に依存して、機械的なパワーの投入P/Vまたは粒子圧力または流れ内部構造物の経路長を一定に保つことによって行われ得る。その後、スケールアップにおいて、使用される基準に依存して、角速度および/または角度16は、反応器の大きさ17が大きくなるに従って小さくなる。
【0058】
本発明を限定しない使い捨て反応器の好都合な実施態様を図4aおよびbに示す。これらの使い捨て反応器は丸屋根型(またはドーム状)底部40および中央出口38を有する。このことは、バルブ44を開いた後、管ライン42を介した媒体の完全な回収が可能であることを意味する。管ライン42は、丸屋根型底部21の底部間隙36を介して、円錐形の凹所34から外側に向かって据え付けられる。
【0059】
回転振動15を反応器壁から媒体4へ伝達する、特に単純でかつそれにも関わらず有効な方法が、適切な反応器の形状を選択するだけで、流れ内部構造物なしで行われ得る。図5a〜cに示すように、円筒形の断面を有する反応器5の代わりに、平面状の(図5a参照)またはピラミッド型41(図5b参照)の底部を有する方形の反応器43が使用される場合、これは図5cで示される2次流れ50を与える。これらは、方形の反応器43の加速された回転運動46を中和し、媒体4の質量慣性によって引き起こされる、相対運動48に対する反応である。混合操作は、これらの2次流れ50を用いて開始され得る。液体表面の運動の結果として、反応器は、表面ガス導入による酸素投入にもまた適切である。反応器高さは、スケールアップに際して一定に保たれなければならないので、このガス導入方法は、組み立てのためにかなりの空間が必要とされるため、所望の細胞数に応じて、反応器容積の小さいものにのみ適切である。酸素の投入は、これが細胞によって許容されることを条件として、噴霧によって改良され、この改良はこの反応器の場合には、反応器のスケールに応じた、上記のある状態の動きにまさって、気泡を液体表面の下に引き込むことにより進行する。発酵媒体の選択に応じて、気泡の導入は、より大きいまたはより小さい発泡の問題を引き起こし得る。この場合、泡が、排出ガスラインを通って、取り付けられた滅菌フィルターに導かれること、およびこれらのフィルター湿らせること、およびそれによって汚染の危険性または閉塞の問題を引き起こすことを防ぐことが確実に必要である。適切に調節された波状運動によって、表面で形成された泡49は、この場合、気泡45の破裂が実質的に回避されるようにして、流れの渦47、50によって媒体4の内部に引き込まれ得る(図5d)。従って、泡49は、泡の厚みが非常に小さい、または少なくとも一部において表面に泡が存在しない(図5e)ようにして、剪断力が小さい方法で、ある程度まで引き込まれ得る。これを例示として図20に示す。この図において、反応器容器5内で形成された泡高さhを、反応器内容物4の表面領域において平均直径Dと関連させてプロットしており、ここで平均直径は、反応器内容物4の表面の領域における反応器容器5の実際の断面と同じ面積を有する円形の比較断面から得られる。平均直径Dに関する泡高さhが、反応器内容物4の容積Vと関連する機械的パワーの投入Pの関数として描かれる。機械的パワーの投入P/Vの増加によって引き起こされる、液体運動の増加による気泡の導入の結果として、本発明の反応器内の、反応器の直径と関連する泡高さh/D(曲線175)がまず非常に増加するが、パワーの投入が更に増加すると再び低下する様子が、この図に図式的に示される。従って、パワーの投入の増加に伴って泡高さの持続的な増加が仮定され得る、泡破壊特性のない表面ガス導入反応器(曲線170)と比較して、使用範囲がかなり拡大する結果となる。本発明の反応器において、泡の発生175が、最大値190(第1変曲点180と第2変曲点185との間に配置される)を通過した後に、再び減少するように、泡破壊効果を有する流れの動きが起こる。従って、少なくとも表面ガス導入を含む反応器5は、好ましくは特定の機械的パワーの投入P/Vで操作され得る。この特定の機械的パワーの投入P/Vは、第2変曲点185を基準として、より大きなものが選択され、その結果、泡の発生が驚くほど小さい、良好な混合性能が可能となる。
【0060】
図5fに示される反応器の実施例において、ハウジング6は、駆動装置14によって駆動されるベアリング8を介して、回転できるように吊り下げられる。大きなふた250が設けられている方形の使い捨て反応器43は、ピラミッド型の底部41を有し、その最深部において出口42が設けられる。流出42に加えて、外周方向に走る蛍光センサー401、402が提供され、その蛍光センサーはpHおよび/またはO濃度を測定し得る。各々のセンサー401、402のために光伝導体411、412が設けられ、測定のための光で、センサー401、402を光らせる。示された実施例において、センサー401、402が底部において出口42の近傍に設置されるので、センサー401、402を半環形のセンサー層(図5g)として組み立てる機会がある。
【0061】
混合運動を、内部構造物を用いて、かなり強化させ得る。図6aおよび図6bは、例示により、据え付けられたブレード撹拌器を有する円筒形の反応器5を示す。ブレード撹拌器は、反応器を使用する時に2個の締め付け要素54と56との間で締め付けて固定される撹拌器ブレードフィルム要素52で形成され得る。常套の撹拌タンクと類似して周辺部に均等に配置された、1〜50、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4の撹拌器ブレードフィルム要素52が中央の内部構造物60および62に固定される。底部ベアリング60は、溶接または接着によって、支持リング58を介して反応器5の底部にしっかりと取り付けられる。回転可能な底部20内に入れられた駆動支軸59(駆動モーメントに応じて、例えば歯車または単純なキー・ボウ(key bow)として設計され得る)を用いて、駆動力が、使い捨て反応器の場合において敏感な(または傷つきやすい)反応器5の壁にねじり力が伝達されることなく、底部ベアリングに伝達される。撹拌器ブレードフィルム要素52の締め付け固定は、使い捨て反応器において、反応器5が媒体4で満たされた状態において、頂部ベアリング62に接続される締め付け留め具(またはタイ・アンカー)64を保持デバイス70内に締め付けて固定することによって(例えばロックナットねじ式コネクション66および68を使用してねじれにくくすることによって)、行われる。回転モーメントは保持デバイス70を介して支持容器の外殻6に伝達される。この場合、反応器5の壁への力の伝達が避けられる。反応器5を使い捨て反応器として使用する場合、簡単のために底部ベアリング60と駆動支軸59との間の追加の留め具を省略するならば、その反応器を充填することが、撹拌器ブレードフィルム要素52を締め付けて固定するための前提条件である。
【0062】
図7a〜cは、円筒形の反応器5の例(本発明を限定するものでない)として、酸素導入を改良するために管モジュール72が、図6a〜cに示される混合器具のように、反応器5内に比較的単純に収容され得ることを示す。図7bに示されるように、モジュール72は、FDAに許可されたシリコン鋳造組成物78を用いてベース・ボディー(base body)79内に接着されるシリコンチューブ74からなる。ベース・ボディー79は、例えばねじ式コネクション、または示されるようにスナップ式コネクションを用いて、モジュール保持器80と気密状態で結合され得、ここでシリコン鋳造組成物78は同時にシーリング表面として機能する。モジュール保持器80の2個のチャンネルは、好ましくは多層構造の2個の平行なストリップとなるように配置されたシリコンチューブに、酸素含有ガス94を供給し、または排出されるガスストリーム96の除去を引き受ける。モジュール保持器80の両チャンネルは、結合要素82および84を介して分配要素76と結合する。この分配要素76は、複数のモジュールの供給に関して、ガス供給のための分配器空間82および排出ガスのための分配器空間88を提供する。この2個の分配器空間82および88は、同軸のライン90(ガス供給のためのもの)および92(ガス排出のためのもの)によって支えられる。輪状に配置されたシリコンチューブ74の反応器底部への固定は、輪の内部に配置された締め付け要素56を用いて行われる。シリコンチューブは、図6の混合反応器と同様に、媒体4を充填した容器内に締め付けて固定される。さもなければ、底部ベアリング60と駆動支軸59との間の静的な結合が与えられなければならない。ガス導入モジュール72は、減圧を適用することにより、特に空気圧によって、底部20における底部支持体58を介して堅固に固定され得、その結果、十分な安定性が達成されて、媒体4に対するシリコンチューブ74の相対運動を確保し得る。このために、底部支持体58は吸引カップ66と近接して配置され得、この吸引カップ66はハウジング6の凹所として設計され得、この凹所は減圧の源と接続され得る。
【0063】
図8a〜8cは、図6a〜cの混合反応器と比較して、特に好都合な別の反応器の設計を、円筒形反応器5の例として示すが、この反応器の発明を限定するものでない。この場合、回転振動15の媒体4への伝達は、しっかりと締め付けて固定されるべきである撹拌器ブレードフィルム要素52を介して行われ得ないが、図示されるように、反応器5の好ましくは底部において使用され得るが、頂部においても(図示せず)、または側面においても(図13を参照)使用され得るポケット状の、溶接または接着された陥入100によって、行われ得る。底部20に取り付けられた静的な支持要素102は、陥入100に差し込まれ得る。要素の混合は、このように空の反応器5においてさえ、単純な上昇によって行われ得る。従って、外殻6および底部20からなる、反応器および反応器のフレームは、構造的にかなり単純化され得る。なぜなら、十分な数の陥入があると、力は、強度が問題となることなく直接反応器5に伝達され得るからである。底部ベアリングの固定は省略される。図6aと類似の保持デバイス70は、陥入100および支持要素102がバッグの頂部において使用される予定である場合のみ必要である。軸方向の混合を改良するために、支持要素の角度104を変更してよい。より良好な軸方向の混合は、水平方向に対して迎角104<90°、好ましくは30°〜70°特に好ましくは45°〜60°で成し遂げられる。迎角<90°の場合には、反応器壁からの距離は一定に保持されるべきであり、支持要素102のために湾曲した輪郭が選択される。
【0064】
単純化した組み立て品に特に好ましい支持要素の円錐形の実施形態を図9に示す。この場合、支持要素の形状はピラミッド型110または円錐形108であり得る。円錐形の支持要素108および陥入106は作るのが容易であるので、好ましい解決方法であると考えられる。0°〜45°の角度107によって、技術的に論理的な解決方法が導かれ、2°〜15°の範囲は特に好ましい態様であると考えられる。
【0065】
図10の配置を用いることにより、本発明は、媒体4の滅菌またはウィルスの不活性化が反応器5において、UVC照射によって実施され得る様子を、円筒形の反応器5の例として示すが、この反応器に限定されるものではない。この場合、反応器5および陥入106だけでなく、支持要素117および照射外殻114もまた、UVC線を透過する材料から作られる。バッグのために考慮に入れられる材料は、当業者既知の、UVC線を透過させるフィルムである。プラスティック材料による一定の吸収は、この反応器内で達成され得る非常に大きい照射表面によって、問題なく補償され得る。透過性支持要素117、および外部からの放射から隔絶された透過性二重壁照射外殻114には、例えば底部20を介して、電気エネルギーが供給されるUVC放射源116が、内部から備え付けられ得る。この透過性支持要素117および透過性2重壁照射外殻114は、当業者既知の安定なUV放射線透過性材料、好ましくは石英ガラス、マクロロン、またはPMMAで作られる。
【0066】
図11a〜eにおいて、新規の使い捨て冷凍および解凍の概念の、好ましい実施態様および工程が、方形の反応器43の例として示されるが、これはこの反応器に関する本発明を限定するものでない。新規な反応器の駆動およびエネルギー供給部分を図11aに示す。加熱/冷却媒体120は、中央付近の可とう性を有する(または曲げやすい)コネクション122を通って、可動式底部20の分配チャンネルへ供給され、その後、流れが通過する支持要素127および容器外殻128へ供給される。容器外殻128内に取り付けられる円筒状の逆流デバイス129によって、熱交換のために利用可能な加熱/冷却外殻128の表面の、目標とされる上向き方向のオーバーフローが確実となる。加熱/冷却外殻128からの向流において下向きに流れる加熱/冷却媒体は、加熱/冷却外殻128の外部で除去される。これは、収集チャンネル130と結合される。この収集チャンネルを介して、除去管126を介して支持要素127から取り除かれた加熱/冷却媒体ストリームもまた、除去される。収集チャンネル130は、熱的に変換され、例えば熱回路内を再循環させられる加熱/冷却媒体134を介して、中央付近で、柔軟な出口ライン132と結合される。
【0067】
支持要素127を受け入れるための陥入106を有する方形の反応器43を、図10bに示す。反応器43は、接着または溶接された安定な運搬リング136を頂部領域に有し、その運搬リングに、牽引デバイス140を収容するための複数の小環(または玉、アイ、eye)(図11cを参照のこと)が取り付けられる。方形の反応器43は冷凍された製品とともに、運搬リング136および牽引器具140を用いて、中間の保管のために取り出されることができ、または、解凍のために反応器へ戻され得る。冷凍された製品を比較的大きな容器に導入する間の、陥入106の内部の側面への損傷を防ぐために、図11dに示される運搬装置の使用が望ましい。これは、熱伝導しやすい材料から製造される薄壁の中間底部142、および熱伝導しやすくかつできるだけ薄壁の円錐形の中間要素148からなり、陥入106と加熱/冷却支持要素127との間に配置される。底部板の中央に運搬小環を有する細長い支持要素146が設置され、これを用いて、例えば冷凍工程の後に、反応器は牽引デバイスによって取り出され得る(図11eを参照のこと)。運搬装置を使用するために、陥入106の代わりに通路144を中心に有する反応器43を構成する必要がある。反応器43の方形の形状は場所をとらない保管に有利であり、従って、特に好ましい実施態様である。更に、この運搬装置によって、輸送台147上の反応器43を、損傷することなく、例えば保管場所へ輸送すること(図11dを参照のこと)、および棚に反応器43を簡単かつ危険なく積み重ねることが可能となる。
【0068】
図12a〜cにおいて、粒子保持のためのプロセス増強特性を有する混合反応器の好ましい実施態様(本発明を限定するものでない)が示される。例えば織布、不織布、穿孔フィルム(または穴あきフィルム、perforated film)、多孔層、および/または濾過膜から作られる陥入150は、液体分配支持要素148、例えば間隙スクリーン(または障壁)または穿孔シートへ引っ張られる。陥入はO−リング149によって、不透性材料で作られる円筒形の取り付け要素151の領域で封止され得る。濾液は、底部20を介して取り出され得る。類似の実施態様において、装置は、透過性、半透性、または不透性膜150の上および/または中での、液体の分配、噴霧、および反応処理工程の実施にもまた、適している。
【0069】
図13aおよびbにおいて、反応器壁に一体化された側面のポケット(または窪み)103を有する好ましい反応器5(本発明を限定するものでない)が示される。この形状において、好ましくは外壁6の側面支持要素99によって支えられる反応器は、常套の撹拌システムと類似の方法で、回転運動を反応器内容物に伝達し得る。支持要素99およびポケット103は、上述の実施例と同様に、プロセス増強のために使用され得る。側面のポケット103および側面支持要素99の数、幅97、および深さ98、ならびに所望の材料特性(放射線透過性、濾過、ガスまたは熱透過性)、従って材料は、所望の境界条件、たとえば所望の交換面積において確立される。純粋な混合の仕事において、壁に近くにある撹拌システムと同様に、1〜8個のポケットで足りると考えられ、設置費用が比較的低いので2個のポケットが好ましい数であると考えられる。ポケット103の深さ98は、撹拌システムと同様に、好ましくは反応器の直径の0.02倍と0.4倍との間、好ましくは0.05〜0.2倍、特に好ましくは0.1〜0.15倍である。ポケットの好ましい形状は、平行六面体から円錐台を経由して屋根状にまで及ぶ。この場合、支持要素99に対するポケット103の好ましい開口部角度97は0°と45°との間で変化し得、中でも2°と20°との間の開口部角度が好ましい角度であると見なされる。軸方向の混合の強度は、垂直方向に対するポケット103の入射角105に影響され得る。好都合な入射角は0°と75°との間であり、特に好ましくは0°と45°との間である。
【0070】
図14aに示される反応器の説明のための例において、使い捨てバッグとして作成された反応器容器5は、2個の半バッグ(またはバッグハーフ)200を有し、これらは半バッグ200の間に配置されたフレーム(または枠)201に重ねられ得る。半バッグ200は可とう性であるように構成され、かつフレーム201は堅固であるように構成されるので、ハウジング6が溝202を有して、半バッグ200の間のフレーム201の突き出た部分がその中に差し込まれ得る(図14c)ことが望ましい。ハウジング6の運動は、かなり摩擦力のかかる相対運動が発生し得ることなく、反応器容器5に直接伝達され得る。加えて、フレーム201の上側の保持プロファイルと下側の保持プロファイルとの間に、少なくとも1個の、特にフィルム状の、またはより安定なブレード撹拌器52(適切であるならばフレーム201の材料で作られる)を設けてよい(図14b)。ブレード撹拌器52とフレーム201の垂直部分との間の間隔205は、追加的に媒体4の渦運動を増加させるスロット(または隙間)が生じるように、特に選択される。間隔205は、好ましくは反応器直径の0〜30%にわたる。
【0071】
図14aに示される実施例と比較して、図15aに示される反応器の説明のための例においては、ブレード撹拌器52の代わりに管モジュール72として構成されるガス導入モジュールが設けられ、当該モジュールにおいて、例えば透過性シリコンチューブ74として構成された膜を締め付けて固定するために、フレーム201が管モジュール72の一部であってよい。気体ストリーム供給94および/または気体ストリーム出口96は、反応器容器5の設置前(図15d)に滅菌して密封され得、そして設置後(図15e)に、ガス供給が容易に取り付けられ得る。ガスストリーム供給94および/またはガスストリーム出口96の供給ラインはそれぞれ、半バッグ200とフレーム201との接続を傷付けないために、それらに割り当てられた半バッグ200の中に完全に配置され得る(図15c)。その結果、使い捨て反応器の中から外側へ通る結合の数を制限すること、および接続ラインを丁寧に扱うためにそれらを垂直軸付近に配置することが可能である。
【0072】
図16aに示される、膜74の代わりの実施態様において、多孔層301と二次元的に結合する膜容器(またはケース)が設けられ、この多孔層は開口性材料、例えば発泡体材料などを有し得る。膜74にガス圧力をかけるために、ガスストリーム供給94および/またはガスストリーム出口96は、膜72の末端から(図16a)および/または膜72の縦の側面から(図16b)、膜フィルム300を通って多孔層301内に達する。膜72は2個の膜容器300を特に有し、それらは、多孔層301と重なり、膜容器300が重複する領域において互いに結合され得、かつ多孔層が完全に覆われ得る(図16c)。その結果、圧力下で膨張しない平坦な膜72が提供され得、それは、平坦な膜要素320として膜積層物(stack)の一部であり得、好ましくは、膜積層物340の全ての平坦な膜要素320は、ちょうど1個のガスストリーム供給94および/またはちょうど1個のガスストリーム排出ライン96と結合される(図17c)。平坦な膜要素320は、間隔(distancingまたはスペーサー)要素343を介して互いに間隔をあけて配置することができ、膜積層物340の一部として、ガス導入モジュール72の一部であり得る(図17a)。制限要素342によって、膜積層物340は、種々の方法で上側の保持器321および/または下側の保持器322に固定され得る。
【0073】
図18に示される実施態様において、平坦な膜72は特に長くなるように構成され、下側の保持器321と上側の保持器322との間を曲折した状態で行ったり来たりし、その結果、曲折した状態で締め付けて固定された膜要素350となる。
【0074】
図19に示される反応器は、使い捨てバッグとして構成され、可動式ハウジング6の内壁と適合する反応器容器5を有する。外側からガスを媒体4内に、半径方向においても導入できるようにするべく、反応器容器5の内側の少なくとも一部が膜要素360で裏打ちされるように、膜要素360を反応器容器5のバック壁内に組み込む。
【0075】
膜上および膜内において、例えばガス導入、ガス分配、液体分配、粒子保持、照射、および/または熱の供給および除去のために、実施され得る、内部構造物のプロセス増強、ならびにそれによる物理的、生物学的、生化学的、および化学的反応によって、存在する使い捨て技術の応用範囲はかなり広がり、その結果、新規の反応器は従来入手可能であったものよりもかなり大規模なスケールでもまた、使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1a】設置された反応器の簡略化した模式的な側面図
【図1b】図1aの反応器の模式的な透視図
【図2a】反応器に適した 回転振動を有する模式的なダイヤグラム
【図2b】様々なガス導入法によるO導入を比較するための模式的なダイヤグラム
【図3a】図1aの反応器の模式的な側面図
【図3b】図3aの反応器の上から見た模式図
【図3c】図3aの反応器の部分的な詳細の模式図
【図4a】別の実施形態において設置された反応器の側面の簡単な模式的な側面図
【図4b】図4aの反応器の模式的な透視図
【図5a】別の実施形態における反応器の模式的な透視図
【図5b】別の実施形態における反応器の模式的な透視図
【図5c】図5aまたは図5bの反応器の上から見た模式的な透視図
【図5d】高速の図5aの反応器の部分的な詳細の模式図
【図5e】高速の図5aの反応器の上から見た模式図
【図5f】別の実施形態における図5aの反応器の部分的な模式図
【図5g】図5fの反応器の上から見た模式図
【図6a】別の実施形態における設置された状態の反応器の部分的な模式図
【図6b】図6aの反応器の上から見た模式図
【図7a】別の実施形態における設置された状態の反応器の部分的な模式図
【図7b】反応器に適したシリコンチューブの部分的な模式図
【図7c】図7bのシリコンチューブを有するモジュールの部分的な模式図
【図7d】別の実施形態における図7aの反応器の部分的な模式図
【図8a】別の実施形態における設置された状態の反応器の部分的な模式図
【図8b】図8aの反応器の部分的な模式図
【図8c】図8bの反応器の上から見た模式図
【図9a】別の実施形態における設置された状態の反応器の部分的な模式図
【図9b】図9aの反応器の部分的な模式図
【図9c】図9bの反応器の上から見た模式図
【図10】別の実施形態における設置された状態の反応器の部分的な模式図
【図11a】別の実施形態における設置された状態の反応器の第1の状態の部分的な模式図
【図11b】図11aの反応器の第2の状態の部分的な模式図
【図11c】図11aの反応器の第3の状態部分的な模式図
【図11d】図11aの反応器の第4の状態の部分的な模式図
【図11e】図11aの反応器の第5の状態の部分的な模式図
【図11f】図11aの反応器の第6の状態の部分的な模式図
【図12a】別の実施形態における設置された状態の反応器の部分的な模式図
【図12b】図12aの反応器の第1の状態の部分的な詳細の模式図
【図12c】図12aの反応器の第2の状態の部分的な詳細の模式図
【図13a】別の実施形態における設置された状態の反応器の部分的な模式図および上から見た模式図
【図13b】別の実施形態における設置された状態の反応器の部分的な模式図および上から見た模式図
【図14a】別の実施形態における反応器の模式的な透視分解組立図
【図14b】図14aの反応器の部分的な模式図
【図14c】図14aの反応器の上から見た模式図
【図15a】別の実施形態における図14aの反応器の模式的な透視分解組立図
【図15b】図15aの反応器の部分的な模式図
【図15c】図15aの反応器の上から見た模式図
【図15d】設置前の図15aの反応器の模式的な透視図
【図15e】設置後の図15aの反応器の模式的な透視図
【図16a】ガス導入モジュールに適した膜の部分的な模式図
【図16b】別の実施形態における,ガス導入モジュールに適した膜の部分的な模式図
【図16c】図16aの膜の部分的な詳細の模式図
【図16d】別の実施形態における,ガス導入モジュールに適した膜の部分的な模式図
【図16e】図16dの膜の上から見た部分的な模式図
【図17a】別の実施形態における反応器の部分的な模式図
【図17b】図17aの反応器の上から見た模式図
【図17c】図17aの反応器のためのガス導入モジュールの一部分の模式的な透視図
【図18】別の実施形態における反応器の部分的な模式図
【図19】別の実施形態における反応器の上から見た模式図
【図20】概略的に表された定性実験結果は、液体への泡の吸引に続いて起こる泡の破壊と同時の、液体表面を通した気泡の導入に続いて起こる泡の発生に関する。
【符号の説明】
【0077】
1 ポテンシャル
2 管状固定子+アンカー撹拌器の場合のO輸送
3 膜モジュールの場合のO輸送
4 反応器内容物
5 反応器
6 可動式ハウジング
7 扉
8 ベアリング
9 フレーム
10 駆動台
11 液体の振動運動
12 可動式ハウジングの駆動シャフト
14 駆動装置
15 回転振動
16 振動運動の角度
17 反応器の幅
18 熱交換器
20 底部
21 丸屋根型底部
24 中心から外れた接続ポート
25 溶接された軸に沿った通行口
26 中央の接続ポート
27 軸に沿った通行口
28 延長部を有する接続ポート
30 加熱/冷却媒体の入口および出口
32 熱交換器受容体
34 底部の凹所
36 底部における水平開口部
38 中央の管結合部(バッグ)
40 丸屋根型底部(バッグ)
41 ピラミッド型底部(バッグ)
42 出口管(バッグ)
43 方形の反応器。
44 回収バルブ(バッグ)
45 気泡
46 加速された運動
47 流れの渦
48 液体の相対運動
49 泡
50 中心から四方に広がる2次渦
52 撹拌器ブレード、フィルム要素
54 頂部締め付け要素
56 底部締め付け要素
58 底部支持体
59 トルクを58に伝達するためのピン
60 破壊器の底部
62 破壊器の頂部
64 タイロッド(または締め付け金具)
65 結合要素
66 吸引カップ
68 固定デバイスタイロッド
69 ロックナットタイロッド
70 保持デバイス
72 管モジュール
74 シリコンチューブ
76 モジュールの保持および供給デバイス
78 鋳造化合物
79 ベース・ボディー
80 モジュール保持器
82 連結ラインガス供給
84 連結ラインガス除去
86 分配器空間ガス供給
88 分配器空間ガス除去
90 タイロッドおよび供給ラインガス供給
92 タイロッドおよび供給ラインガス除去
94 ガスストリーム供給
96 ガスストリーム出口
97 側面のポケットの幅
98 側面のポケットの深さ
99 側面の支持要素
100 頂部または底部の陥入
102 円筒形の支持要素
103 側面のポケット
104 支持要素の水平方向に対する取り付け角
105 側面のポケットの角度
106 円錐形の陥入
107 支持要素の逓減角度
108 円錐形の支持要素
110 ピラミッド型の陥入
112 ピラミッド型の支持要素
114 放射線透過性の円錐形の支持要素
116 放射源
117 照射外殻
118 放射線透過性の円錐形の陥入
120 加熱/冷却媒体供給
122 供給ライン加熱/冷却媒体
124 破壊器チャンネル
126 除去管
127 加熱可能な/冷却可能な支持要素
128 加熱/冷却外殻
129 逆流デバイス
130 収集チャンネル
132 出口ライン加熱/冷却媒体
134 加熱/冷却媒体出口
136 小環を有する運搬リング
138 凍結した流体
140 運搬ケーブルCarry cable
142 中間底部
144 通路
146 延長された支持要素
147 輸送
148 液体分配支持要素
149 O−リング
150 濾過層
151 円筒形の取り付け要素
152 時間軸
154 左方向の速度
155 右方向の速度
156 正弦曲線形の速度プロファイル
157 線形の速度プロファイル
158 階段状の速度プロファイル
160 運動サイクル当たりの時間の間隔
162 振幅
170 泡を破壊することなく表面ガス導入するシステムにおいて予想される泡の発生
175 表面ガス導入の後に起こる、泡の破壊と同時に起こる泡の発生
180 第1変曲点
185 第2変曲点
190 最大値
200 半バッグ
201 フレーム
202 可動式ハウジングにおける溝
203 半バッグの周辺の結合縁(またはエッジ)
204 フレーム支持バッグ
205 フレームとブレード要素との間の距離
250 ふた
300 膜フィルム
301 多孔層
302 平行なストリップ状に押出し成形された膜チューブ
303 分配器空間
304 収集空間
305 膜チューブ間の結合ブリッジ
320 平坦な膜の流れ通過要素
321 底部保持器
322 頂部保持器
330 膜チューブの流れ通過要素
340 膜積層物
342 限界要素
343 間隔要素
350 曲折形状に締め付けて固定された膜要素
360 バッグ壁内に統合された膜要素
401 センサー層1
402 センサー層2
420 光伝導体のための保持器
411 センサー層1のための光伝導体
412 センサー層2のための光伝導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応器容器(5)および駆動ユニット(14)を含み、反応器内容物(4)が、駆動ユニット(14)によって反応器の(好ましくは垂直の)固定された軸を中心として振動−回転運動することを特徴とする反応器であって、反応器内容物(4)への機械的パワーの投入が、反応器および/または反応器容器(5)の適切な外殻形状によって、並びに/あるいは、反応器および/または反応器容器(5)内の定位置に設置される内部構造物によって可能となる反応器。
【請求項2】
反応器容器および駆動ユニットを含み、反応器内容物が、駆動ユニットによって反応器の(好ましくは垂直の)固定された軸を中心として振動−回転運動することを特徴とする反応器であって、反応器内容物へのパワーの投入が、反応器の適切な外殻形状によって、および/または反応器内の定位置に設置される内部構造物によって可能となる、請求項1に記載の反応器。
【請求項3】
平面状(45)の、またはピラミッド型(41)の底部を有する、丸みのない、好ましくは方形の反応器(43)内の運動が、回転運動(46)によって二次流れ(50)を発生させることを特徴とする、請求項1または2に記載の反応器。
【請求項4】
角のある、好ましくは二角から八角、特に好ましくは三角から四角の断面、および平面状(45)、ピラミッド型(41)、または四面体の底部を有する反応器容器(43)において、回転運動(46)によって液体流れ(50)が発生させられ得ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項5】
反応器容器(5)が、0.2〜2.0、好ましくは0.6〜1.2、そして特に好ましくは0.8〜1.0の平均直径に対する高さの比を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項6】
好ましくは、反応器容器(5)内に設置される内部構造物が設けられ、この内部構造物は、駆動ユニットに対して振動して、膜上および/または膜内で物理的、生物学的、生化学的、および/または化学反応を実行する、例えば膜を経由するガス導入、ガス分配、液体分配、照射、濾過、吸収、吸着、分析のための、並びに冷却および/または加熱のための、機能化された表面を提供することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項7】
締め付け要素、下側のフレーム、反応器を使用する時に2個の締め付け要素(54)と(56)との間で締め付けて固定される撹拌器ブレード要素(52)で形成されるブレード撹拌器、支持リング(58)を介して溶接または接着によって反応器(5)の底部に固定される、少なくとも1個の底部ベアリング(60)、回転可能な底部(20)内に入れられた駆動支軸(59)であって、駆動モーメントに応じて歯車または単純なキー・ボウとして設計され得る駆動支軸(59)、頂部ベアリング62と結合するタイロッド((64)および保持デバイス(70)を有する容器を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項8】
締め付け要素、下側のフレーム、反応器を使用する時に2個の締め付け要素(54)と(56)との間で締め付けて固定される撹拌器ブレードフィルム要素(52)で形成されるブレード撹拌器、支持リング(58)を介して溶接または接着によって反応器(5)の底部に固定される、少なくとも1個の底部ベアリング(60)、回転可能な底部(20)内に入れられた駆動支軸(59)であって、駆動モーメントに応じて歯車または単純なキー・ボウとして設計され得る駆動支軸(59)、頂部ベアリング62と結合するタイロッド(64)および保持デバイス(70)を有する容器を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項9】
混合されるべき物質が、同時に、別の内部構造物によってUV照射され、かつ/または酸素でガス処理され、かつ/または濾過され、かつ/または熱が放出されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項10】
反応器が使い捨て反応器であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項11】
反応器容器(5)が、安定な、好ましくは多層の高分子材料、またはグリッド構造を安定化させるために利用される高分子材料から製造されることを特徴とする、せいきゅうこう10に記載の反応器。
【請求項12】
安定な、好ましくは多層のプラスティックフィルムから製造されることを特徴とする、請求項10〜11のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項13】
反応器容器(5)が、少なくとも一部が反応器容器(5)の外殻形状と適合するハウジング(6)と結合され、前記ハウジング(6)が駆動ユニット(14)によって反応器(5)の好ましくは垂直である、固定された軸を中心として振動−回転運動することができることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項14】
反応器容器(5)が、特に減圧させることによって、分離可能なようにハウジング(6)に取り付けられることを特徴とする、請求項13に記載の反応器。
【請求項15】
ハウジング(6)が、実質的に垂直方向に移動できるように、回転可能なように取り付けられ、特に吊り下げられることを特徴とする、請求項13または14に記載の反応器。
【請求項16】
反応器(5)が、反応器の回転の加速またはブレーキが実質的に一定の角加速度または減速度で進行するように、駆動ユニットと嵌め合わされていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項17】
反応器(5)の振動−回転運動が、2°≦|α|≦3600°、好ましくは20°≦|α|≦180°、特に好ましくは45°≦|α|≦90°の範囲の角振幅αを有することを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項18】
反応器(5)にガスと導入するための、実質的に垂直に配置された、透過性の、特に管状の膜(74)を有するガス導入モジュール(72)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項19】
反応器容器(5)が少なくとも2個、特に厳密には2個のサブピース(200)を有し、かつガス導入モジュール(72)が膜(74)を固定するためのフレーム(201)を有し、各サブピース(200)が、特に接着によってフレーム(201)と結合されていることを特徴とする、請求項18に記載の反応器。
【請求項20】
膜(74)が、開孔性材料、特に発泡体と結合されている膜フィルムを有することを特徴とする、請求項18または19に記載の反応器。
【請求項21】
ガス導入モジュール(72)が、第1保持プロファイル(321)および第2保持プロファイル(322)を有し、かつ少なくとも1個の細長い膜(74)が設けられ、第1保持プロファイル(321)と第2保持プロファイル(322)との間に、あちこちに導かれるように、特にジクザグ形または曲折形に配置されていることを特徴とする、請求項18〜20のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項22】
反応器(5)が、反応器容器の内側の少なくとも一部において、反応器(5)へガス導入するための透過膜(360)で裏打ちされていることを特徴とする、請求項1〜21のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項23】
反応器容器(5)が、特にpHおよび/または酸素濃度を検出するために、反応器の軸に対して実質的に周辺方向に延びる細長い蛍光センサー(401,402)を有し、反応器容器(5)から離れた光学検出装置(411、412)が設けられ、蛍光センサーが様々な部分表面において光学的に検出されるように、検出速度および振動−回転運動が特に選択されることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項24】
振動−回転運動、特に振動−回転運動の加速度の値が、反応器内容物(4)の表面において、表面に存在する反応器内容物(4)の一部を反応器内容物(4)の内部へ輸送する波状流れが発生し得るように設定され得ることを特徴とする、請求項1〜23のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項25】
反応器容器(5)が収容する反応器内容物(4)の少なくとも液体表面の領域において多角形の断面を有する反応器容器(5)を有する反応器であって、この反応器内容物は、表面または多孔膜を経由して気泡で満たされ、泡を破壊するために、反応器内容物の表面の泡(49)が反応器内容物(4)の内部へ輸送されるように振動−回転運動をするようになっている、請求項1〜24のいずれか1項に特に記載される、噴霧反応器。
【請求項26】
特に、好ましくは小さい剪断力で泡を破壊することを目的として、請求項1〜25のいずれか1項に記載の反応器を用いて、物質を混合および/または分散させる方法。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれか1項に記載の反応器を用いて物質を混合する方法。
【請求項28】
反応器容器(5)内で形成された泡を、特に、小さい剪断力による泡(49)の可溶化のための泡破壊器としての、請求項1〜27のいずれか1項に記載の反応器の使用。

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図3c】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図5c】
image rotate

【図5d】
image rotate

【図5e】
image rotate

【図5f】
image rotate

【図5g】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図7a】
image rotate

【図7b】
image rotate

【図7c】
image rotate

【図7d】
image rotate

【図8a】
image rotate

【図8b】
image rotate

【図8c】
image rotate

【図9a】
image rotate

【図9b】
image rotate

【図9c】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11a】
image rotate

【図11b】
image rotate

【図11c】
image rotate

【図11d】
image rotate

【図11e】
image rotate

【図11f】
image rotate

【図12a】
image rotate

【図12b】
image rotate

【図12c】
image rotate

【図13a】
image rotate

【図13b】
image rotate

【図14a】
image rotate

【図14b】
image rotate

【図14c】
image rotate

【図15a】
image rotate

【図15b】
image rotate

【図15c】
image rotate

【図15d】
image rotate

【図15e】
image rotate

【図16a】
image rotate

【図16b】
image rotate

【図16c】
image rotate

【図16d】
image rotate

【図16e】
image rotate

【図17a】
image rotate

【図17b】
image rotate

【図17c】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公表番号】特表2009−534171(P2009−534171A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505794(P2009−505794)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003521
【国際公開番号】WO2007/121958
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(504109610)バイエル・テクノロジー・サービシーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (75)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Technology Services GmbH
【Fターム(参考)】