収穫機のエンジン冷却装置
【課題】 エンジン冷却水温度が上昇することを抑制しながら、エンジン冷却を適切に行うことが可能となる収穫機のエンジン冷却装置を提供する。
【解決手段】 通風制御手段が、除塵網26を通してエンジン冷却部20に向けて通風させる順風モードにおいて、除塵網26を通した通風状態を検出する通風状態検出手段Fの検出情報に基づいて通風不良状態を判別すると、順風モードとは通風方向を逆向きにして前記除塵網26を通して通風させる逆風モードに切換える形態で、通風手段Aの作動を制御するように構成されている収穫機のエンジン冷却装置。
【解決手段】 通風制御手段が、除塵網26を通してエンジン冷却部20に向けて通風させる順風モードにおいて、除塵網26を通した通風状態を検出する通風状態検出手段Fの検出情報に基づいて通風不良状態を判別すると、順風モードとは通風方向を逆向きにして前記除塵網26を通して通風させる逆風モードに切換える形態で、通風手段Aの作動を制御するように構成されている収穫機のエンジン冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除塵網を通してエンジン冷却部に向けて通風させる順風モードと、その順風モードとは通風方向を逆向きにして前記除塵網を通して通風させる逆風モードとに切換自在に構成された通風手段と、
その通風手段の作動を制御する通風制御手段とが設けられた収穫機のエンジン冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した収穫機のエンジン冷却装置は、通常は、順風モードでエンジンを冷却することになるが、除塵網に藁屑等の塵埃が付着体積した場合には、逆風モードに切換えることにより、除塵網に付着体積した塵埃を吹き飛ばすことにより除去できるようにしたものであり、従来では、前記通風制御手段が、順風モードを順風用設定時間の間実行した後、逆風モードを逆風用設定時間の間実行することを繰り返すように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−263063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来では、予め設定された順風用設定時間や逆風用設定時間に基づいて、順風モードと逆風モードとを切換える構成であるため、順風モードから逆風モードへの切換が、除塵網に塵埃が堆積しているのに行われないものとなって、エンジン冷却を適切に行えない不利を招く虞があり、また、逆に、順風モードから逆風モードへの切換が、除塵網に塵埃が堆積していないのにも拘わらず行われることがあり、この場合には、エンジン冷却のためには極力順風モードを維持するのが望まれるものの不必要に逆風モードへの切換が行なわれるものとなって、エンジン冷却を適切に行なえない不利を招く虞がある。
【0005】
ちなみに、順風モードから逆風モードへの切換が、除塵網に塵埃が堆積していないのにも拘わらず行われることを抑制するために、順風モードにおいてエンジン冷却水の温度が適正温度よりも上昇すると、除塵網に塵埃が堆積してものであるとして、逆風モードに切換えることが考えられるが、この場合、除塵網に塵埃が堆積して、冷却能力不足が続いた結果として現れるエンジン冷却水の温度上昇に基づいて、逆風モードに切換えるものであるため、切換えるタイミングが遅いものであり、加えて、逆風モードにおいても冷却能力不足によりエンジン冷却水の温度上昇が継続することが予測されるものであるため、実用し難いものである。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、エンジン冷却水温度が上昇することを抑制しながら、エンジン冷却を適切に行なうことができる収穫機のエンジン冷却装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の収穫機のエンジン冷却装置は、除塵網を通してエンジン冷却部に向けて通風させる順風モードと、その順風モードとは通風方向を逆向きにして前記除塵網を通して通風させる逆風モードとに切換自在に構成された通風手段と、
その通風手段の作動を制御する通風制御手段とが設けられたものであって、
その第1特徴構成は、
前記除塵網を通した通風状態を検出する通風状態検出手段が設けられ、
前記通風制御手段は、前記順風モードにおいて前記通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風不良状態を判別すると、前記逆風モードに切換える形態で前記通風手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0008】
第1特徴構成によれば、除塵網を通した通風状態を検出する通風状態検出手段にて順風モードにおける通風状態が検出され、そして、運転制御手段は、順風モードにおいて通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風不良状態を判別すると、通風手段を順風モードから逆風モードに切換えることになる。
ちなみに、通風状態検出手段としては、除塵網を通して流れる空気の流量を検出するようにする他、除塵網の光透過量を検出する光学式の検出手段を設けて、検出される除塵網の光透過量に基づいて通風不良状態を判別させるようにしても良い。
【0009】
したがって、順風モードにおいて除塵網を通した通風状態を検出する通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風不良状態を判別して、順風モードから逆風モードに切換えるようにするものであるから、通風不良状態になるに伴って的確に逆風モードに切換えることができるものとなるのであり、その結果、通風不良状態が継続してエンジン冷却を適正通り行えなくなることや、通風不良状態では無いにも拘わらず逆風モードに切換えてしまうことによりエンジン冷却を適正通り行えなくなることを回避して、エンジン冷却水温度が上昇することを抑制しながら、エンジン冷却を適切に行なうことができる収穫機のエンジン冷却装置を得るに至った。
【0010】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、
前記通風制御手段は、前記逆風モードにおいて前記通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風良好状態を判別すると、前記順風モードに切換える形態で前記通風手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0011】
第2特徴構成によれば、逆風モードにおいて、除塵網を通した通風状態が通風状態検出手段にて検出され、通風制御手段が、通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風良好状態を判別すると、順風モードに切換えることになる。
【0012】
したがって、逆風モードにおいて除塵網を通した通風状態を検出する通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風良好状態を判別して、順風モードから逆風モードに切換えるようにするものであるから、通風良好状態になるに伴って的確に順風モードに切換えることができるものとなるのであり、その結果、通風良好状態であるにも拘わらず不必要に逆風モードを継続させてエンジン冷却を適正通り行えなくなることや、通風良好状態では無いにも拘わらず順風モードに切換えてしまうことによりエンジン冷却を適正通り行えなくなることを回避して、エンジン冷却を一層適切に行なうことができる収穫機のエンジン冷却装置を得るに至った。
【0013】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、
前記通風制御手段は、前記逆風モードに切換えてからの経過時間が逆風運転用の設定時間に達すると、前記順風モードに切換える形態で前記通風手段の作動を制御するように構成されている請求項1記載の収穫機のエンジン冷却装置。
【0014】
第3特徴構成によれば、運転制御手段は、逆風モードに切換えてからの経過時間が設定時間に達すると、順風モードに切換えることになる。ちなみに、逆風モードにて塵埃を吹き飛ばし除去するに要する時間を実験的に求めて、その時間に対応させて前記設定時間を設定するようにすることにより、除塵網に付着した塵埃の除去を適切に行い易いものとなる。
【0015】
したがって、逆風モードから順風モードに切換えることを、逆風モードに切換えてからの経過時間に基づいて行うものであるから、経過時間を計測する簡素な構成で順風モードに切換えることができるものであり、構成の簡素化を図る形態で、エンジン冷却を適切に行なうことができる収穫機のエンジン冷却装置を得るに至った。
【0016】
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれか一つの特徴構成に加えて、
前記通風手段が、一方向に回転駆動されるハブに対して通風羽根の向きを反転させることにより、前記順風モードと前記逆風モードとに切換える冷却ファンを備えて構成されている点にある。
【0017】
第4特徴構成によれば、通風手段に備えられる冷却ファンが、一定方向に回転駆動されるハブに対して通風羽根の向きを反転させることにより順風モードと逆風モードとに切換える構成であるから、例えば、一定姿勢の通風羽根をハブに備えた冷却ファンの駆動方向を正転方向と逆転方向とに切換えて順風モードと逆風モードとに切換えるように通風手段を構成する場合に較べて、通風手段の構成の簡素化を図ることが可能となるのであり、もって、構成の簡素化を図る形態でエンジン冷却を適正に行うことができる収穫機の冷却装置を得るに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2示すように、収穫機の一例である自脱形のコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置2を下部に備えた機体フレーム1の前部に、走行に伴って植立穀稈を刈り取って左右向き姿勢に姿勢変更しながら左後方に向けて搬送する刈取搬送部3が、昇降揺動可能に連結され、刈取搬送部3からの刈取穀稈を受け取って脱穀及び選別処理を行う脱穀装置4、この脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5、及び、搭乗運転部6が、機体フレーム1に装備されて構成されている。
【0019】
穀粒タンク5は、その内部に貯留した穀粒を機外に排出するためのスクリュー式の排出機構7を備えている。この排出機構7は、穀粒タンク5の後方箇所に立設した揚送スクリュー8を支点にして旋回並びに昇降自在に構成されている。
【0020】
搭乗運転部6は、搭乗ステップ9、搭乗ステップ9の直前箇所に立設されたフロントパネル10、このフロントパネル10に装備された旋回操作用でかつ刈取搬送部昇降操作用の操縦レバー11、搭乗ステップ9の直左箇所に立設されたサイドパネル12、このサイドパネル12に装備された主変速レバー13や副変速レバー14、及び、搭乗ステップ9の後方に配備された運転座席15等を備えている。
【0021】
図3及び図4にも示すように、前記運転座席15を載置支持するエンジンボンネット17の内部に、原動部16が配備されている。この原動部16は、機体フレーム1上に出力軸18が左右向きになる横向き姿勢で防振搭載された水冷式のエンジン19、このエンジン19の右外側方に立設されたエンジン冷却部としてのラジエータ20、及び、エンジン19の出力軸18とベルト式伝動機構21を介して連結されて一定方向に回転駆動され且つエンジン19とラジエータ20との間に配備された冷却ファン22等によって構成されている。
【0022】
エンジンボンネット17における右側壁23が、導風経路24を備える中空構造に形成されて、その外面25に除塵網26が張設された吸気口27を備え、且つ、その内面28にラジエータ20に対する連通口29を備える状態に形成されている。そして、冷却ファン22の吸引作用によって、除塵網26で塵埃などが濾過除去された清浄な外気を冷却用空気としてラジエータ20やエンジン19等に供給するように構成されている。
【0023】
ベルト式伝動機構21は、図3及び図4に示すように、出力軸18に装着された出力プーリ30、発電機31の入力軸32に装着された第1入力プーリ33、ウォータポンプ34のポンプ軸35に装着された第2入力プーリ36、及び、それらの各プーリ30,33,36に亘って掛けられた伝動ベルト37を備えて構成されている。
【0024】
図5に示すように、第2入力プーリ36は、その中心部38にウォータポンプ34の入り込みを許容する内部空間を有するように、その中心部38が外方に向けて円筒状に膨出形成された板金製で、その膨出端部が、ポンプ軸35の突出端に固着された第1回転体39に4本のボルト40で連結されている。第2入力プーリ36の回転によりウォータポンプ34を駆動することで、エンジン19に備えた図外の冷却水ジャケットとラジエータ20との間で冷却水を循環流動させるようになっている。
【0025】
前記冷却ファン22を備える通風手段Aが、除塵網26を通して外気を吸引してラジエータ20に供給するように通風させる順風モードと、その順風モードとは通風方向を逆向きにして除塵網26を通して通風させる逆風モードとに切換え自在に構成されており、以下、その構成について説明を加える。
【0026】
図4及び図5に示すように、冷却ファン22は、ポンプ軸35の軸心P1を回転軸心としてポンプ軸35とともに回転駆動されるハブ41や、このハブ41との回転軸心P1周りでの一体回転で起風する通風羽根としての7枚の起風翼42を備えて構成されている。
前記ハブ41は、その中央部に凹入空間を有する碗状に形成され、その外周部には、ボス状の7つの第1支持部43が周方向に一定間隔を隔てる状態で形成され、それらの各第1支持部43に、起風翼42の支軸部44が、メタルベアリング45を介して回転軸心P1と直交する方向に設定された軸心P2周りに回動可能に支持されている。
【0027】
前記ハブ41の凹入空間には、4本のボルト40によって第1回転体39に、第2入力プーリ36とともに一体回転するように連結される第2回転体46が配備され、この第2回転体46の中心部には、その軸心をポンプ軸35の軸心P1に一致させた状態で配備される断面円形の支軸47が、第2回転体46と一体回転する状態に圧入嵌合されて装備され、その支軸47に、ハブ41の中心部が、ガタによる傾動が抑制された嵌合精度の高い状態で回転軸心P1に沿う方向に相対摺動可能となるように、カラー48を介して嵌合支持されている。
尚、ハブ41の中心部と支軸47との間におけるカラー48の外方側に、ハブ41の中心部と支軸47との間への異物の入り込みを防止するシール部材としてのオーリング49が嵌入されている。
【0028】
ハブ41の中央部には、その周方向に所定間隔を隔てる状態でボルト操作用の4つの孔50が穿設されるとともに、それらの孔50を閉塞するとともにオーリング49を抜け止めする蓋体51が備えられ、その蓋体51と、支軸47にボルト連結されるバネ受具52との間に、その蓋体51とともにハブ41を第2入力プーリ36側に向けて付勢する1組の圧縮バネ53が介装されている。
【0029】
図5及び図8に示すように、第2回転体46の外周部には、この第2回転体46の回転によってハブ41を回転させるための4本の連動軸55が、第2回転体46の周方向に所定間隔を隔てる状態で圧入嵌合装備され、これら4本の連動軸55が、ハブ41の中央部にその周方向に所定間隔を隔てる状態で穿設された4つの貫通孔54の夫々に対して、回転軸心P1に沿う方向に相対摺動可能に挿通されている。図10にも示すように、各貫通孔54にはカラー56が内嵌され、それらのカラー56と対応する連動軸55との間は、製造誤差に起因した貫通孔54に対する連動軸55の挿通不良を回避するために、比較的に大きい隙間が形成され、又、各貫通孔54と対応する連動軸55との間からの異物の入り込みを防止するオーリング57が嵌入されている。そして、オーリング57は、ハブ41にビス止めされるリング状の押さえ金具58によって抜け止めされている。
【0030】
各起風翼42の支軸部44には、その軸心P2周りに揺動する揺動アーム59が固着され、各揺動アーム59は、その遊端部に、第2回転体46に向けて突出する連係ピン60が装備され、それらの各揺動アーム59や各連係ピン60などによって連係機構61が構成されている。
第2回転体46の外縁部には、周方向に沿う7つの溝部62が、その周方向に所定間隔を隔てる状態に形成され、それら溝部62に、前記連係ピン60がけ移入され、また、第2回転体46における外周部の各溝部62の間に相当する部分は、各起風翼42の支軸部44に対して揺動アーム59を締結するナット63の入り込みを許容するように凹入形成されている。
【0031】
つまり、ハブ41の凹入空間に第2回転体46が配備され、その凹入空間におけるハブ41の外周部と第2回転体46の外周部との隙間を有効利用して、第2回転体46に対して回転軸心P1に沿う方向にハブ41が正逆に変位することによって、各起風翼42をそれらの軸心P2周りに姿勢変更する連係機構61が配備されており、これによって、各起風翼42の軸心P2周りでの姿勢変更を可能にしながらも冷却ファン22としてのコンパクト化を図れるようにしてある。
尚、第2入力プーリ36と第2回転体45との間には、第2入力プーリ36の回転軸心P1に沿う方向での位置決めや各駆動軸54の第2入力プーリ36側への抜け止めなどを行うスペーサ64が介装されている。
【0032】
図5及び図9に示すように、エンジン19の前部には、シフトフォーク65を回転軸心P1に沿う方向に揺動可能に支持する支持部材66がボルト連結され、そのシフトフォーク65の下端部には、左右一対のボルト68が設けられ、第2入力プーリ36の中心部38を囲む筒状の移動部材67が、一対のボルト68に、シフトフォーク65に対する姿勢変更を可能とするように枢支状態で支持連結され、その移動部材67に、ハブ41の外周部に形成した第2支持部69(第8図参照)がラジアルベアリング70を介して支持されている。
【0033】
つまり、ハブ41は、その中心部が支軸47にカラー48を介して支持され、その外周部が移動部材67にラジアルベアリング70を介して支持される状態で、シフトフォーク65の揺動に伴って、回転軸心P1に沿う方向に移動部材67とともに変位するように構成されている。
尚、ハブ41の外周部には、その外周部の各第2支持部69をラジアルベアリング70に支持固定するリング状の押さえ金具71がビス止めされている。
【0034】
図3及び図4に示すように、シフトフォーク65の上端部は、レリーズワイヤ72を介して、エンジンボンネット17の後壁73に前後軸心P3に揺動可能に支持されたセクターギヤ74に連係され、このセクターギヤ74は、エンジンボンネット17の後壁73に配備した減速機付きで正逆転切り換え可能な電動モータ75の出力ギヤ76に噛合されている。
【0035】
そして、電動モータ75からの動力で、セクターギヤ74が前後軸心P3周りで機体右方向に揺動駆動されると、その揺動でレリーズワイヤ72が引き操作されるとともにシフトフォーク65が回転軸心P1に沿う方向に揺動操作されて、移動部材67とともにハブ41が、圧縮バネ53の付勢に抗して、第2回転体46に対して回転軸心P1に沿って機体右方向に変位するようになり、この変位によって、各起風翼42の姿勢が順風操作位置(図7(ロ)参照)から逆風操作位置(図7(イ)参照)に変更されるようになる。
又、電動モータ75からの動力で、セクターギヤ74が前後軸心P3周りで機体左方向に揺動駆動されると、その揺動でプルワイヤ72による引き操作が解除されるとともに、ハブ41が圧縮バネ53の付勢で移動部材67とともに第2回転体46に対して回転軸心P1に沿って機体左方向に変位するようになり、この変位によって、各起風翼42の姿勢が逆風操作位置(図7(イ)参照)から順風操作位置(図7(ロ)参照)に変更されるようになる。
又、セクターギヤ74の前後軸心P3周りでの揺動角度を、電動モータ75による各起風翼42の操作位置として検出する操作位置検出手段としての回転式のポテンショメータからなる角度センサS3が設けられている。
【0036】
つまり、圧縮バネ53、シフトフォーク65、移動部材67、レリーズワイヤ72、セクターギヤ74、及び電動モータ75等によって、その電動モータ75の作動でハブ41を第2回転体46に対して回転軸心P1に沿う方向に変位させる切換操作手段としての操作機構77が構成され、その操作機構77による第2回転体46に対するハブ41の変位によって、ハブ41に対する各起風翼42の操作位置を変更できるようになっており、その操作位置が角度センサS3によって検出される構成となっている。
そして、この通風手段Aは、順風モードF通風させることで、エンジンボンネット17の各吸気口27から取り込んだ外気をラジエータ20やエンジン19などに供給してそれらを冷却し、逆風モードでは、エンジンボンネット17の各吸気口27から排出する熱気で右側壁23の除塵網26に付着した塵埃などを機外に吹き飛ばして除塵網26から除去する。
【0037】
次に、通風手段Aを順風モードと逆風モードとに自動的に切換える制御構成について説明する。
図11に示すように、通風手段Aの作動を制御する通風制御手段としてのマイクロコンピュータ利用の制御装置78が設けられており、この制御装置78は、除塵網26を通した通風状態を検出する通風状態検出手段としての光センサFの検出情報に基づいて、順風モードにおいて通風不良状態を判別すると、逆風モードに切換え、逆風モードにおいて通風良好状態を判別すると、順風モードに切換える形態で、通風手段Aの作動を制御するように構成されている。
【0038】
説明を加えると、制御装置78には、光センサFの検出情報、及び、上述した角度センサS3の検出情報が入力されるようになっており、又、メインスイッチS4により制御作動状態と非作動状態とに切換えられる。ちなみに、メインスイッチS4は、オン位置に操作すると、機体に搭載される各種電気機器に電力を供給する状態となり、オフ位置に操作すると、各種電気機器に対する電力供給を停止し、始動位置に操作するとエンジンスタータ(図示せず)にてエンジン19を始動させることになる。
【0039】
制御装置78は、通風手段Aを順風モードから逆風モードに切換えるときには、角度センサS3の検出情報(検出値)が逆風用の目標値になるように前記伝動モータ75を逆転作動させることになり、逆に、通風手段Aを逆風モードから順風モードに切換えるときには、角度センサS3の検出情報(検出値)が順風用の目標値になるように前記伝動モータ75を逆転作動させることになる。
【0040】
前記通風状態検出手段としての光センサFは、図3に示すように、前記ボンネット17の内面部28に設けた発光部81と、前記ボンネット17の外面部25に設けられて発光部81からの光を受光し且つ受光量が多いほど大きな検出値を出力する受光部82とを主要部として構成されるものであって、除塵網26に塵埃が付着して通風不良状態になると、受光部82から出力される検出値が低下することになる。尚、図中、83は受光部82の保護カバーである。
したがって、制御装置78は、順風モードにおいて、光センサFの検出値が通風不良判別用の設定値より小さくなると、通風不良状態であると判別し、逆風モードにおいて、光センサFの検出値が通風良好判別用の設定値より大きくなると、通風良好状態と判別することになる。ちなみに、通風良好判別用の設定値は、通風不良判別用の設定値よりも設定値大きな値に設定されるのは勿論である。
【0041】
図12のフローチャートに基づいて、制御装置78の制御作動を説明すると、メインスイッチS4がオン操作されると制御作動を開始することになり、先ず、通風手段Aを順風モードに切換える順風モード切換処理(#1)を実行する。このようにメインスイッチS4がオン操作されると順風モードに切り換えるようにするのは、エンジン19の始動直後においては順風モードになるようにして、エンジン冷却が不足することを極力回避するためである。
順風モードにおいて、光センサFの検出情報に基づいて通風不良状態を判別すると(#2)、通風手段Aを逆風モードに切換える逆風モード切換処理(#3)を実行する。その後において、つまり、逆風モードにおいて、光センサFの検出情報に基づいて通風良好状態を判別すると(#4)、通風手段Aを順風モードに切換える順風モード切換処理(#1)を実行することになり、以下、光センサFの検出情報に基づいて、順風モードと逆風モードへの切換えが行われることになる。
【0042】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0043】
(1)上記実施形態では、除塵網26を通した通風状態を検出する通風状態検出手段Fの検出情報に基づいて、順風モードにおいて通風不良状態を判別すると、逆風モードに切換え、逆風モードにおいて通風良好状態を判別すると、順風モードに切換える形態で、通風手段Aの作動を制御する場合を例示したが、これに代えて、除塵網26を通した通風状態を検出する通風状態検出手段Fの検出情報に基づいて、順風モードにおいて通風不良状態を判別すると、逆風モードに切換え、逆風モードに切換えてからの経過時間が逆風運転用の設定時間に達すると、順風モードに切換える形態で、通風手段Aの作動を制御するように構成してもよい。この構成の場合における通風制御手段としての制御装置78の制御作動は、図13に示す通りであり、図12における#4の処理に代えて、逆風モードにおいて設定時間が経過したか否かが判別され(#5)、設定時間が経過すると、順風モード切換処理(#1)が実行されることになる。
【0044】
(2)上記実施形態では、順風モードと逆風モードとに通風方向を変更する通風手段Aとして、一定方向に回転駆動されるハブに対して羽根の向きを反転させる構造の冷却ファンを用いたが、このような構成に代えて羽根の姿勢が固定された冷却ファンの駆動回転方向を正逆に切り換えて順風モードと逆風モードを現出するように構成したものを利用することもできる。
【0045】
(3)上記実施形態では、順風モードと逆風モードとに通風方向を変更する通風手段Aとして、1つの冷却ファンを正流状態と逆流状態とに切り換える構成としたが、順風モードをもたらすエンジン冷却専用の冷却ファンと、逆風モードをもたらす除塵専用の冷却ファンとを備え、これらを使い分けるようにすることもできる。
【0046】
(4)上記実施形態では、エンジンに水冷エンジンを利用している場合を例示したが、空冷エンジンを搭載した小型の収穫機に適用することもでき、この場合の除塵された冷却風は、エンジン冷却部としてエンジンのシリンダ周辺に直接に供給されることになる。
【0047】
(5)上記実施形態では、エンジンの動力で冷却ファンを駆動する構成としたが、電動モータで駆動される冷却ファンでラジエータを冷却する形態で実施することもでき、この場合は、順風モードと逆風モードとに通風方向を変更する通風手段Aとして、電動モータを正逆転制御して冷却ファンの回転方向を切換えることができる。
【0048】
(6)除塵網を通した通風状態を検出する通風状態検出手段としては、光センサを用いるに代えて、通風手段にて通風される空気の通風速度を、熱線風速計、ピトー管式風速計、カルマン渦式風速計にて検出させて、通風状態を判別させるようにしたり、除塵網を撮像する撮像手段の画像を評価して通風状態を判別させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】コンバインの全体平面図
【図3】原動部の一部縦断背面図
【図4】原動部の縦断側面図
【図5】冷却ファンの構成を示す要部の縦断背面図
【図6】順風生起状態及び逆風生起状態を示す要部の一部縦断背面図
【図7】起風翼の順風生起姿勢及び逆風生起姿勢を示す要部の平面図
【図8】冷却ファンの構成を示す要部の縦断側面図
【図9】操作機構の構成を示す要部の縦断側面図
【図10】冷却ファンの中心部の構成を示す拡大縦断側面図
【図11】制御構成を示すブロック図
【図12】制御作動を示すフローチャート
【図13】別の実施形態の制御作動を示すフローチャート
【符号の説明】
【0050】
20 エンジン冷却部
22 冷却ファン
26 除塵網
41 ハブ
42 通風羽根
78 通風制御手段
A 通風手段
F 通風状態検出手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、除塵網を通してエンジン冷却部に向けて通風させる順風モードと、その順風モードとは通風方向を逆向きにして前記除塵網を通して通風させる逆風モードとに切換自在に構成された通風手段と、
その通風手段の作動を制御する通風制御手段とが設けられた収穫機のエンジン冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した収穫機のエンジン冷却装置は、通常は、順風モードでエンジンを冷却することになるが、除塵網に藁屑等の塵埃が付着体積した場合には、逆風モードに切換えることにより、除塵網に付着体積した塵埃を吹き飛ばすことにより除去できるようにしたものであり、従来では、前記通風制御手段が、順風モードを順風用設定時間の間実行した後、逆風モードを逆風用設定時間の間実行することを繰り返すように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−263063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来では、予め設定された順風用設定時間や逆風用設定時間に基づいて、順風モードと逆風モードとを切換える構成であるため、順風モードから逆風モードへの切換が、除塵網に塵埃が堆積しているのに行われないものとなって、エンジン冷却を適切に行えない不利を招く虞があり、また、逆に、順風モードから逆風モードへの切換が、除塵網に塵埃が堆積していないのにも拘わらず行われることがあり、この場合には、エンジン冷却のためには極力順風モードを維持するのが望まれるものの不必要に逆風モードへの切換が行なわれるものとなって、エンジン冷却を適切に行なえない不利を招く虞がある。
【0005】
ちなみに、順風モードから逆風モードへの切換が、除塵網に塵埃が堆積していないのにも拘わらず行われることを抑制するために、順風モードにおいてエンジン冷却水の温度が適正温度よりも上昇すると、除塵網に塵埃が堆積してものであるとして、逆風モードに切換えることが考えられるが、この場合、除塵網に塵埃が堆積して、冷却能力不足が続いた結果として現れるエンジン冷却水の温度上昇に基づいて、逆風モードに切換えるものであるため、切換えるタイミングが遅いものであり、加えて、逆風モードにおいても冷却能力不足によりエンジン冷却水の温度上昇が継続することが予測されるものであるため、実用し難いものである。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、エンジン冷却水温度が上昇することを抑制しながら、エンジン冷却を適切に行なうことができる収穫機のエンジン冷却装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の収穫機のエンジン冷却装置は、除塵網を通してエンジン冷却部に向けて通風させる順風モードと、その順風モードとは通風方向を逆向きにして前記除塵網を通して通風させる逆風モードとに切換自在に構成された通風手段と、
その通風手段の作動を制御する通風制御手段とが設けられたものであって、
その第1特徴構成は、
前記除塵網を通した通風状態を検出する通風状態検出手段が設けられ、
前記通風制御手段は、前記順風モードにおいて前記通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風不良状態を判別すると、前記逆風モードに切換える形態で前記通風手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0008】
第1特徴構成によれば、除塵網を通した通風状態を検出する通風状態検出手段にて順風モードにおける通風状態が検出され、そして、運転制御手段は、順風モードにおいて通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風不良状態を判別すると、通風手段を順風モードから逆風モードに切換えることになる。
ちなみに、通風状態検出手段としては、除塵網を通して流れる空気の流量を検出するようにする他、除塵網の光透過量を検出する光学式の検出手段を設けて、検出される除塵網の光透過量に基づいて通風不良状態を判別させるようにしても良い。
【0009】
したがって、順風モードにおいて除塵網を通した通風状態を検出する通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風不良状態を判別して、順風モードから逆風モードに切換えるようにするものであるから、通風不良状態になるに伴って的確に逆風モードに切換えることができるものとなるのであり、その結果、通風不良状態が継続してエンジン冷却を適正通り行えなくなることや、通風不良状態では無いにも拘わらず逆風モードに切換えてしまうことによりエンジン冷却を適正通り行えなくなることを回避して、エンジン冷却水温度が上昇することを抑制しながら、エンジン冷却を適切に行なうことができる収穫機のエンジン冷却装置を得るに至った。
【0010】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、
前記通風制御手段は、前記逆風モードにおいて前記通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風良好状態を判別すると、前記順風モードに切換える形態で前記通風手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0011】
第2特徴構成によれば、逆風モードにおいて、除塵網を通した通風状態が通風状態検出手段にて検出され、通風制御手段が、通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風良好状態を判別すると、順風モードに切換えることになる。
【0012】
したがって、逆風モードにおいて除塵網を通した通風状態を検出する通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風良好状態を判別して、順風モードから逆風モードに切換えるようにするものであるから、通風良好状態になるに伴って的確に順風モードに切換えることができるものとなるのであり、その結果、通風良好状態であるにも拘わらず不必要に逆風モードを継続させてエンジン冷却を適正通り行えなくなることや、通風良好状態では無いにも拘わらず順風モードに切換えてしまうことによりエンジン冷却を適正通り行えなくなることを回避して、エンジン冷却を一層適切に行なうことができる収穫機のエンジン冷却装置を得るに至った。
【0013】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、
前記通風制御手段は、前記逆風モードに切換えてからの経過時間が逆風運転用の設定時間に達すると、前記順風モードに切換える形態で前記通風手段の作動を制御するように構成されている請求項1記載の収穫機のエンジン冷却装置。
【0014】
第3特徴構成によれば、運転制御手段は、逆風モードに切換えてからの経過時間が設定時間に達すると、順風モードに切換えることになる。ちなみに、逆風モードにて塵埃を吹き飛ばし除去するに要する時間を実験的に求めて、その時間に対応させて前記設定時間を設定するようにすることにより、除塵網に付着した塵埃の除去を適切に行い易いものとなる。
【0015】
したがって、逆風モードから順風モードに切換えることを、逆風モードに切換えてからの経過時間に基づいて行うものであるから、経過時間を計測する簡素な構成で順風モードに切換えることができるものであり、構成の簡素化を図る形態で、エンジン冷却を適切に行なうことができる収穫機のエンジン冷却装置を得るに至った。
【0016】
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれか一つの特徴構成に加えて、
前記通風手段が、一方向に回転駆動されるハブに対して通風羽根の向きを反転させることにより、前記順風モードと前記逆風モードとに切換える冷却ファンを備えて構成されている点にある。
【0017】
第4特徴構成によれば、通風手段に備えられる冷却ファンが、一定方向に回転駆動されるハブに対して通風羽根の向きを反転させることにより順風モードと逆風モードとに切換える構成であるから、例えば、一定姿勢の通風羽根をハブに備えた冷却ファンの駆動方向を正転方向と逆転方向とに切換えて順風モードと逆風モードとに切換えるように通風手段を構成する場合に較べて、通風手段の構成の簡素化を図ることが可能となるのであり、もって、構成の簡素化を図る形態でエンジン冷却を適正に行うことができる収穫機の冷却装置を得るに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2示すように、収穫機の一例である自脱形のコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置2を下部に備えた機体フレーム1の前部に、走行に伴って植立穀稈を刈り取って左右向き姿勢に姿勢変更しながら左後方に向けて搬送する刈取搬送部3が、昇降揺動可能に連結され、刈取搬送部3からの刈取穀稈を受け取って脱穀及び選別処理を行う脱穀装置4、この脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5、及び、搭乗運転部6が、機体フレーム1に装備されて構成されている。
【0019】
穀粒タンク5は、その内部に貯留した穀粒を機外に排出するためのスクリュー式の排出機構7を備えている。この排出機構7は、穀粒タンク5の後方箇所に立設した揚送スクリュー8を支点にして旋回並びに昇降自在に構成されている。
【0020】
搭乗運転部6は、搭乗ステップ9、搭乗ステップ9の直前箇所に立設されたフロントパネル10、このフロントパネル10に装備された旋回操作用でかつ刈取搬送部昇降操作用の操縦レバー11、搭乗ステップ9の直左箇所に立設されたサイドパネル12、このサイドパネル12に装備された主変速レバー13や副変速レバー14、及び、搭乗ステップ9の後方に配備された運転座席15等を備えている。
【0021】
図3及び図4にも示すように、前記運転座席15を載置支持するエンジンボンネット17の内部に、原動部16が配備されている。この原動部16は、機体フレーム1上に出力軸18が左右向きになる横向き姿勢で防振搭載された水冷式のエンジン19、このエンジン19の右外側方に立設されたエンジン冷却部としてのラジエータ20、及び、エンジン19の出力軸18とベルト式伝動機構21を介して連結されて一定方向に回転駆動され且つエンジン19とラジエータ20との間に配備された冷却ファン22等によって構成されている。
【0022】
エンジンボンネット17における右側壁23が、導風経路24を備える中空構造に形成されて、その外面25に除塵網26が張設された吸気口27を備え、且つ、その内面28にラジエータ20に対する連通口29を備える状態に形成されている。そして、冷却ファン22の吸引作用によって、除塵網26で塵埃などが濾過除去された清浄な外気を冷却用空気としてラジエータ20やエンジン19等に供給するように構成されている。
【0023】
ベルト式伝動機構21は、図3及び図4に示すように、出力軸18に装着された出力プーリ30、発電機31の入力軸32に装着された第1入力プーリ33、ウォータポンプ34のポンプ軸35に装着された第2入力プーリ36、及び、それらの各プーリ30,33,36に亘って掛けられた伝動ベルト37を備えて構成されている。
【0024】
図5に示すように、第2入力プーリ36は、その中心部38にウォータポンプ34の入り込みを許容する内部空間を有するように、その中心部38が外方に向けて円筒状に膨出形成された板金製で、その膨出端部が、ポンプ軸35の突出端に固着された第1回転体39に4本のボルト40で連結されている。第2入力プーリ36の回転によりウォータポンプ34を駆動することで、エンジン19に備えた図外の冷却水ジャケットとラジエータ20との間で冷却水を循環流動させるようになっている。
【0025】
前記冷却ファン22を備える通風手段Aが、除塵網26を通して外気を吸引してラジエータ20に供給するように通風させる順風モードと、その順風モードとは通風方向を逆向きにして除塵網26を通して通風させる逆風モードとに切換え自在に構成されており、以下、その構成について説明を加える。
【0026】
図4及び図5に示すように、冷却ファン22は、ポンプ軸35の軸心P1を回転軸心としてポンプ軸35とともに回転駆動されるハブ41や、このハブ41との回転軸心P1周りでの一体回転で起風する通風羽根としての7枚の起風翼42を備えて構成されている。
前記ハブ41は、その中央部に凹入空間を有する碗状に形成され、その外周部には、ボス状の7つの第1支持部43が周方向に一定間隔を隔てる状態で形成され、それらの各第1支持部43に、起風翼42の支軸部44が、メタルベアリング45を介して回転軸心P1と直交する方向に設定された軸心P2周りに回動可能に支持されている。
【0027】
前記ハブ41の凹入空間には、4本のボルト40によって第1回転体39に、第2入力プーリ36とともに一体回転するように連結される第2回転体46が配備され、この第2回転体46の中心部には、その軸心をポンプ軸35の軸心P1に一致させた状態で配備される断面円形の支軸47が、第2回転体46と一体回転する状態に圧入嵌合されて装備され、その支軸47に、ハブ41の中心部が、ガタによる傾動が抑制された嵌合精度の高い状態で回転軸心P1に沿う方向に相対摺動可能となるように、カラー48を介して嵌合支持されている。
尚、ハブ41の中心部と支軸47との間におけるカラー48の外方側に、ハブ41の中心部と支軸47との間への異物の入り込みを防止するシール部材としてのオーリング49が嵌入されている。
【0028】
ハブ41の中央部には、その周方向に所定間隔を隔てる状態でボルト操作用の4つの孔50が穿設されるとともに、それらの孔50を閉塞するとともにオーリング49を抜け止めする蓋体51が備えられ、その蓋体51と、支軸47にボルト連結されるバネ受具52との間に、その蓋体51とともにハブ41を第2入力プーリ36側に向けて付勢する1組の圧縮バネ53が介装されている。
【0029】
図5及び図8に示すように、第2回転体46の外周部には、この第2回転体46の回転によってハブ41を回転させるための4本の連動軸55が、第2回転体46の周方向に所定間隔を隔てる状態で圧入嵌合装備され、これら4本の連動軸55が、ハブ41の中央部にその周方向に所定間隔を隔てる状態で穿設された4つの貫通孔54の夫々に対して、回転軸心P1に沿う方向に相対摺動可能に挿通されている。図10にも示すように、各貫通孔54にはカラー56が内嵌され、それらのカラー56と対応する連動軸55との間は、製造誤差に起因した貫通孔54に対する連動軸55の挿通不良を回避するために、比較的に大きい隙間が形成され、又、各貫通孔54と対応する連動軸55との間からの異物の入り込みを防止するオーリング57が嵌入されている。そして、オーリング57は、ハブ41にビス止めされるリング状の押さえ金具58によって抜け止めされている。
【0030】
各起風翼42の支軸部44には、その軸心P2周りに揺動する揺動アーム59が固着され、各揺動アーム59は、その遊端部に、第2回転体46に向けて突出する連係ピン60が装備され、それらの各揺動アーム59や各連係ピン60などによって連係機構61が構成されている。
第2回転体46の外縁部には、周方向に沿う7つの溝部62が、その周方向に所定間隔を隔てる状態に形成され、それら溝部62に、前記連係ピン60がけ移入され、また、第2回転体46における外周部の各溝部62の間に相当する部分は、各起風翼42の支軸部44に対して揺動アーム59を締結するナット63の入り込みを許容するように凹入形成されている。
【0031】
つまり、ハブ41の凹入空間に第2回転体46が配備され、その凹入空間におけるハブ41の外周部と第2回転体46の外周部との隙間を有効利用して、第2回転体46に対して回転軸心P1に沿う方向にハブ41が正逆に変位することによって、各起風翼42をそれらの軸心P2周りに姿勢変更する連係機構61が配備されており、これによって、各起風翼42の軸心P2周りでの姿勢変更を可能にしながらも冷却ファン22としてのコンパクト化を図れるようにしてある。
尚、第2入力プーリ36と第2回転体45との間には、第2入力プーリ36の回転軸心P1に沿う方向での位置決めや各駆動軸54の第2入力プーリ36側への抜け止めなどを行うスペーサ64が介装されている。
【0032】
図5及び図9に示すように、エンジン19の前部には、シフトフォーク65を回転軸心P1に沿う方向に揺動可能に支持する支持部材66がボルト連結され、そのシフトフォーク65の下端部には、左右一対のボルト68が設けられ、第2入力プーリ36の中心部38を囲む筒状の移動部材67が、一対のボルト68に、シフトフォーク65に対する姿勢変更を可能とするように枢支状態で支持連結され、その移動部材67に、ハブ41の外周部に形成した第2支持部69(第8図参照)がラジアルベアリング70を介して支持されている。
【0033】
つまり、ハブ41は、その中心部が支軸47にカラー48を介して支持され、その外周部が移動部材67にラジアルベアリング70を介して支持される状態で、シフトフォーク65の揺動に伴って、回転軸心P1に沿う方向に移動部材67とともに変位するように構成されている。
尚、ハブ41の外周部には、その外周部の各第2支持部69をラジアルベアリング70に支持固定するリング状の押さえ金具71がビス止めされている。
【0034】
図3及び図4に示すように、シフトフォーク65の上端部は、レリーズワイヤ72を介して、エンジンボンネット17の後壁73に前後軸心P3に揺動可能に支持されたセクターギヤ74に連係され、このセクターギヤ74は、エンジンボンネット17の後壁73に配備した減速機付きで正逆転切り換え可能な電動モータ75の出力ギヤ76に噛合されている。
【0035】
そして、電動モータ75からの動力で、セクターギヤ74が前後軸心P3周りで機体右方向に揺動駆動されると、その揺動でレリーズワイヤ72が引き操作されるとともにシフトフォーク65が回転軸心P1に沿う方向に揺動操作されて、移動部材67とともにハブ41が、圧縮バネ53の付勢に抗して、第2回転体46に対して回転軸心P1に沿って機体右方向に変位するようになり、この変位によって、各起風翼42の姿勢が順風操作位置(図7(ロ)参照)から逆風操作位置(図7(イ)参照)に変更されるようになる。
又、電動モータ75からの動力で、セクターギヤ74が前後軸心P3周りで機体左方向に揺動駆動されると、その揺動でプルワイヤ72による引き操作が解除されるとともに、ハブ41が圧縮バネ53の付勢で移動部材67とともに第2回転体46に対して回転軸心P1に沿って機体左方向に変位するようになり、この変位によって、各起風翼42の姿勢が逆風操作位置(図7(イ)参照)から順風操作位置(図7(ロ)参照)に変更されるようになる。
又、セクターギヤ74の前後軸心P3周りでの揺動角度を、電動モータ75による各起風翼42の操作位置として検出する操作位置検出手段としての回転式のポテンショメータからなる角度センサS3が設けられている。
【0036】
つまり、圧縮バネ53、シフトフォーク65、移動部材67、レリーズワイヤ72、セクターギヤ74、及び電動モータ75等によって、その電動モータ75の作動でハブ41を第2回転体46に対して回転軸心P1に沿う方向に変位させる切換操作手段としての操作機構77が構成され、その操作機構77による第2回転体46に対するハブ41の変位によって、ハブ41に対する各起風翼42の操作位置を変更できるようになっており、その操作位置が角度センサS3によって検出される構成となっている。
そして、この通風手段Aは、順風モードF通風させることで、エンジンボンネット17の各吸気口27から取り込んだ外気をラジエータ20やエンジン19などに供給してそれらを冷却し、逆風モードでは、エンジンボンネット17の各吸気口27から排出する熱気で右側壁23の除塵網26に付着した塵埃などを機外に吹き飛ばして除塵網26から除去する。
【0037】
次に、通風手段Aを順風モードと逆風モードとに自動的に切換える制御構成について説明する。
図11に示すように、通風手段Aの作動を制御する通風制御手段としてのマイクロコンピュータ利用の制御装置78が設けられており、この制御装置78は、除塵網26を通した通風状態を検出する通風状態検出手段としての光センサFの検出情報に基づいて、順風モードにおいて通風不良状態を判別すると、逆風モードに切換え、逆風モードにおいて通風良好状態を判別すると、順風モードに切換える形態で、通風手段Aの作動を制御するように構成されている。
【0038】
説明を加えると、制御装置78には、光センサFの検出情報、及び、上述した角度センサS3の検出情報が入力されるようになっており、又、メインスイッチS4により制御作動状態と非作動状態とに切換えられる。ちなみに、メインスイッチS4は、オン位置に操作すると、機体に搭載される各種電気機器に電力を供給する状態となり、オフ位置に操作すると、各種電気機器に対する電力供給を停止し、始動位置に操作するとエンジンスタータ(図示せず)にてエンジン19を始動させることになる。
【0039】
制御装置78は、通風手段Aを順風モードから逆風モードに切換えるときには、角度センサS3の検出情報(検出値)が逆風用の目標値になるように前記伝動モータ75を逆転作動させることになり、逆に、通風手段Aを逆風モードから順風モードに切換えるときには、角度センサS3の検出情報(検出値)が順風用の目標値になるように前記伝動モータ75を逆転作動させることになる。
【0040】
前記通風状態検出手段としての光センサFは、図3に示すように、前記ボンネット17の内面部28に設けた発光部81と、前記ボンネット17の外面部25に設けられて発光部81からの光を受光し且つ受光量が多いほど大きな検出値を出力する受光部82とを主要部として構成されるものであって、除塵網26に塵埃が付着して通風不良状態になると、受光部82から出力される検出値が低下することになる。尚、図中、83は受光部82の保護カバーである。
したがって、制御装置78は、順風モードにおいて、光センサFの検出値が通風不良判別用の設定値より小さくなると、通風不良状態であると判別し、逆風モードにおいて、光センサFの検出値が通風良好判別用の設定値より大きくなると、通風良好状態と判別することになる。ちなみに、通風良好判別用の設定値は、通風不良判別用の設定値よりも設定値大きな値に設定されるのは勿論である。
【0041】
図12のフローチャートに基づいて、制御装置78の制御作動を説明すると、メインスイッチS4がオン操作されると制御作動を開始することになり、先ず、通風手段Aを順風モードに切換える順風モード切換処理(#1)を実行する。このようにメインスイッチS4がオン操作されると順風モードに切り換えるようにするのは、エンジン19の始動直後においては順風モードになるようにして、エンジン冷却が不足することを極力回避するためである。
順風モードにおいて、光センサFの検出情報に基づいて通風不良状態を判別すると(#2)、通風手段Aを逆風モードに切換える逆風モード切換処理(#3)を実行する。その後において、つまり、逆風モードにおいて、光センサFの検出情報に基づいて通風良好状態を判別すると(#4)、通風手段Aを順風モードに切換える順風モード切換処理(#1)を実行することになり、以下、光センサFの検出情報に基づいて、順風モードと逆風モードへの切換えが行われることになる。
【0042】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0043】
(1)上記実施形態では、除塵網26を通した通風状態を検出する通風状態検出手段Fの検出情報に基づいて、順風モードにおいて通風不良状態を判別すると、逆風モードに切換え、逆風モードにおいて通風良好状態を判別すると、順風モードに切換える形態で、通風手段Aの作動を制御する場合を例示したが、これに代えて、除塵網26を通した通風状態を検出する通風状態検出手段Fの検出情報に基づいて、順風モードにおいて通風不良状態を判別すると、逆風モードに切換え、逆風モードに切換えてからの経過時間が逆風運転用の設定時間に達すると、順風モードに切換える形態で、通風手段Aの作動を制御するように構成してもよい。この構成の場合における通風制御手段としての制御装置78の制御作動は、図13に示す通りであり、図12における#4の処理に代えて、逆風モードにおいて設定時間が経過したか否かが判別され(#5)、設定時間が経過すると、順風モード切換処理(#1)が実行されることになる。
【0044】
(2)上記実施形態では、順風モードと逆風モードとに通風方向を変更する通風手段Aとして、一定方向に回転駆動されるハブに対して羽根の向きを反転させる構造の冷却ファンを用いたが、このような構成に代えて羽根の姿勢が固定された冷却ファンの駆動回転方向を正逆に切り換えて順風モードと逆風モードを現出するように構成したものを利用することもできる。
【0045】
(3)上記実施形態では、順風モードと逆風モードとに通風方向を変更する通風手段Aとして、1つの冷却ファンを正流状態と逆流状態とに切り換える構成としたが、順風モードをもたらすエンジン冷却専用の冷却ファンと、逆風モードをもたらす除塵専用の冷却ファンとを備え、これらを使い分けるようにすることもできる。
【0046】
(4)上記実施形態では、エンジンに水冷エンジンを利用している場合を例示したが、空冷エンジンを搭載した小型の収穫機に適用することもでき、この場合の除塵された冷却風は、エンジン冷却部としてエンジンのシリンダ周辺に直接に供給されることになる。
【0047】
(5)上記実施形態では、エンジンの動力で冷却ファンを駆動する構成としたが、電動モータで駆動される冷却ファンでラジエータを冷却する形態で実施することもでき、この場合は、順風モードと逆風モードとに通風方向を変更する通風手段Aとして、電動モータを正逆転制御して冷却ファンの回転方向を切換えることができる。
【0048】
(6)除塵網を通した通風状態を検出する通風状態検出手段としては、光センサを用いるに代えて、通風手段にて通風される空気の通風速度を、熱線風速計、ピトー管式風速計、カルマン渦式風速計にて検出させて、通風状態を判別させるようにしたり、除塵網を撮像する撮像手段の画像を評価して通風状態を判別させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】コンバインの全体平面図
【図3】原動部の一部縦断背面図
【図4】原動部の縦断側面図
【図5】冷却ファンの構成を示す要部の縦断背面図
【図6】順風生起状態及び逆風生起状態を示す要部の一部縦断背面図
【図7】起風翼の順風生起姿勢及び逆風生起姿勢を示す要部の平面図
【図8】冷却ファンの構成を示す要部の縦断側面図
【図9】操作機構の構成を示す要部の縦断側面図
【図10】冷却ファンの中心部の構成を示す拡大縦断側面図
【図11】制御構成を示すブロック図
【図12】制御作動を示すフローチャート
【図13】別の実施形態の制御作動を示すフローチャート
【符号の説明】
【0050】
20 エンジン冷却部
22 冷却ファン
26 除塵網
41 ハブ
42 通風羽根
78 通風制御手段
A 通風手段
F 通風状態検出手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
除塵網を通してエンジン冷却部に向けて通風させる順風モードと、その順風モードとは通風方向を逆向きにして前記除塵網を通して通風させる逆風モードとに切換自在に構成された通風手段と、
その通風手段の作動を制御する通風制御手段とが設けられた収穫機のエンジン冷却装置であって、
前記除塵網を通した通風状態を検出する通風状態検出手段が設けられ、
前記通風制御手段は、前記順風モードにおいて前記通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風不良状態を判別すると、前記逆風モードに切換える形態で前記通風手段の作動を制御するように構成されている収穫機のエンジン冷却装置。
【請求項2】
前記通風制御手段は、前記逆風モードにおいて前記通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風良好状態を判別すると、前記順風モードに切換える形態で前記通風手段の作動を制御するように構成されている請求項1記載の収穫機のエンジン冷却装置。
【請求項3】
前記通風制御手段は、前記逆風モードに切換えてからの経過時間が逆風運転用の設定時間に達すると、前記順風モードに切換える形態で前記通風手段の作動を制御するように構成されている請求項1記載の収穫機のエンジン冷却装置。
【請求項4】
前記通風手段が、一方向に回転駆動されるハブに対して通風羽根の向きを反転させることにより、前記順風モードと前記逆風モードとに切換える冷却ファンを備えて構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の収穫機のエンジン冷却装置。
【請求項1】
除塵網を通してエンジン冷却部に向けて通風させる順風モードと、その順風モードとは通風方向を逆向きにして前記除塵網を通して通風させる逆風モードとに切換自在に構成された通風手段と、
その通風手段の作動を制御する通風制御手段とが設けられた収穫機のエンジン冷却装置であって、
前記除塵網を通した通風状態を検出する通風状態検出手段が設けられ、
前記通風制御手段は、前記順風モードにおいて前記通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風不良状態を判別すると、前記逆風モードに切換える形態で前記通風手段の作動を制御するように構成されている収穫機のエンジン冷却装置。
【請求項2】
前記通風制御手段は、前記逆風モードにおいて前記通風状態検出手段の検出情報に基づいて通風良好状態を判別すると、前記順風モードに切換える形態で前記通風手段の作動を制御するように構成されている請求項1記載の収穫機のエンジン冷却装置。
【請求項3】
前記通風制御手段は、前記逆風モードに切換えてからの経過時間が逆風運転用の設定時間に達すると、前記順風モードに切換える形態で前記通風手段の作動を制御するように構成されている請求項1記載の収穫機のエンジン冷却装置。
【請求項4】
前記通風手段が、一方向に回転駆動されるハブに対して通風羽根の向きを反転させることにより、前記順風モードと前記逆風モードとに切換える冷却ファンを備えて構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の収穫機のエンジン冷却装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−262753(P2006−262753A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−84196(P2005−84196)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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