説明

収納容器の蓋体及び収納容器

【課題】収納容器内部の汚染を防止しつつ、簡素な構造で回転カムの位置ズレを防止すると共に回転カムに付与するトルクの分散化が図られた収納容器の蓋体及び収納容器を提供すること。
【解決手段】ラッチアーム15を蓋体4から突出して容器本体2に係止させた後にカム部材14の静止位置を規制する位置規制手段20を備え、「ラッチアーム15の突出量を最大とするための力」と、「カム部材14を所定の静止位置に移動させるための力」とを同時にカム部材14に付与する必要をなくしてトルクを分散させる。また、従前のようなスプリングを不要とし、部品点数を削減して簡素な構造とし、組立て作業の効率化を図り、製造コストを削減する。また、スプリングを備える必要がないため、スプリングから金属イオンが発生せず、容器本体内の収納物を汚染することがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハ、マスクガラス等の精密基板などを収納し、輸送、搬送、保管などに使用される収納容器の蓋体及び収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体部品の微細化や配線の狭ピッチ化が進んでいる。このため、半導体ウェハ(精密基板)の収納容器には、精密基板の汚染を防止するために高い密閉性と取扱いの自動化とが求められている。この種の収納容器は、精密基板を収納する容器本体と、この容器本体を密閉する蓋体とを備え、蓋体には、回転カムの動きに連動して、蓋体の周縁部から突出、没入する掛止アームを有する掛止機構が設けられている。そして、回転カムには、軸周りに回転可能なキーが挿入されるキースロット(凹部)が設けられ、キーをキースロットに挿入して回転させることで、掛止機構を作動させて蓋体の自動開閉を行っている。
【0003】
このような収納容器の蓋体では、キースロットが正しい位置で静止されないためにキーを挿入することができなくなるという問題があった。このため、回転カムの静止位置を規制する技術として、スプリング部材を設けて回転カムの回転方向と反対方向に付勢することで、回転カムの位置を強制的に移動させて所定の位置で静止させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特表2005−515121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術では、掛止アームを突出させて容器本体に掛止させるための力に加えて、スプリング部材による付勢に対抗して回転カムを回転させるための力を同時に回転カムに付与する必要があった。例えば、300mmウェハ収納容器の蓋体の開閉に関するSEMI標準規格では、蓋体開閉装置の回転トルクは1.7N・mを超えないことが求められている。また、組立て作業の際には、スプリング部材を回転カムと蓋体とにそれぞれ係合させる必要があり、作業が煩雑であるという問題があった。また、スプリング部材を構成する金属から微量の金属イオンが発生して、収納容器内の精密基板が汚染される虞があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、収納容器内部の汚染を防止しつつ、簡素な構造で回転カムの位置ズレを防止すると共に回転カムに付与するトルクの分散化が図られた収納容器の蓋体及び収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による収納容器の蓋体は、収納物を収納する容器本体に設けられた開口部を覆い、着脱可能に容器本体に保持させるラッチ機構を備えた収納容器の蓋体において、ラッチ機構は、回転可能に支持されたカム部材と、このカム部材の回転に連動して進退可能とされ、外方に突出して容器本体に係止されるラッチアームと、を有し、ラッチアームの突出量が最大となった後にカム部材の静止位置を規制する位置規制手段を備えることを特徴としている。
【0007】
また、本発明による収納容器は、収納物を収納する容器本体に設けられた開口部を覆い、着脱可能に容器本体に保持させるラッチ機構を備えた蓋体を有する収納容器において、ラッチ機構は、回転可能に支持されたカム部材と、このカム部材の回転に連動して進退可能とされ、外方に突出して容器本体に係止されるラッチアームと、を有し、ラッチアームの突出量が最大となった後にカム部材の静止位置を規制する位置規制手段を備えることを特徴としている。
【0008】
このような収納容器の蓋体及び収納容器によれば、ラッチアームを外方に突出させ、ラッチアームの突出量が最大となった後に、カム部材の静止位置を規制することができるため、「ラッチアームの突出量を最大とするための力」と、「カム部材を所定の静止位置に移動させるための力」とを同時にカム部材に付与する必要がなくトルクを分散させることができる。また、従前のようなスプリングを備える必要がないため、部品点数が削減されて簡素な構造とすることができ、組立て作業の効率化を可能とし、製造コストの削減を図ることができる。さらに、スプリングから金属イオンが発生することがないため、容器本体内の収納物の汚染を防止することができる。
【0009】
ここで、上記作用を奏する好ましい構成としては、具体的には、位置規制手段は、カム部材と共に回転し可撓性を有するロックアームと、このロックアームと接触可能な位置に配置された第一の接触面及び第二の接触面を有する位置規制部と、を備え、ロックアームを第一の接触面と接触させることでロックアームを撓ませた後、ロックアームを復元させながら第二の接触面に沿って移動させることでカム部材の静止位置を規制するする構成が挙げられる。これにより、カム部材を回転させてロックアームを移動させ、ロックアームと第一の接触面とを接触させることで、ロックアームを変形させてエネルギを蓄えることができる。そして、ロックアームの復元力を利用しロックアームを第二の接触面に沿って移動させることで、カム部材を所定の静止位置に移動することができる。
【0010】
また、位置規制手段は、ラッチアームの突出量が最大となった後に、ロックアームと第一の接触面とを接触させてカム部材の静止位置を規制する構成が挙げられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、収納容器内部の汚染を防止しつつ、簡素な構造で回転カムの位置ズレを防止すると共に回転カムに付与するトルクの分散化が図られた収納容器の蓋体及び収納容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明による収納容器の蓋体および収納容器の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は、本発明の実施形態に係る精密基板収納容器を示す分解斜視図、図2〜図5は、図1中のラッチ機構を示す各図である。
【0013】
図1に示す精密基板収納容器1は、例えば精密基板として口径が300mm(約12インチ)の半導体ウェハ(収納物;不図示)を複数枚(例えば25、26枚)収容し、輸送、搬送、保管などに使用される収納容器である。この精密基板収納容器1は、精密基板を収納する容器本体2と、この容器本体2に設けられた開口部3を覆う蓋体4とを備えている。この精密基板収納容器1は、例えば、熱可塑性樹脂によって形成され、熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。なお、熱可塑性樹脂に、導電性カーボン、導電繊維、金属繊維、導電性高分子等の導電性部材を添加してもよく、各種の帯電防止剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。
【0014】
容器本体2は箱型を成し、図示右側の側面には精密基板を出し入れする開口部3が形成されている。容器本体2の対向する一対の側壁2aの内面には、精密基板を上下方向に水平に並べて支持する支持部2bが各々設けられている。また、側壁2a及び天壁2cの外面には、精密基板収納容器1を搬送する際に利用される搬送用部品(不図示)が設置されている。そして、容器本体2の底壁2dには、精密基板収納容器1を所定の装置に載置する際に利用される位置決め手段(不図示)が設けられ、この位置決め手段は、断面がV溝状の形状を有している。
【0015】
また、容器本体2の開口部3を形成する周縁部は、外方に突出するリム部5とされている。このリム部5の図示上下方向の内面には、図3に示すように、蓋体4の後述する係止爪6が係止される矩形の係止凹部7が形成されている。
【0016】
蓋体4は、図1、図3及び図5に示すように、容器本体2のリム部5内に着脱自在に嵌合されて開口部3を塞ぐ嵌合プレート(蓋体本体)8と、左右一対のカバープレート9とを有している。嵌合プレート8は、周縁部から立設された周壁8aを有し、中央が窪んだ皿型を成している。嵌合プレート8の周壁8aには、係止爪6を出没させるための開口8bが形成されている。嵌合プレート8の窪みには、同心円周上に配置され外方(図示右側)に突出する複数の円弧状リブ10が設けられている。なお、容器本体2のリム部5には、容器本体2と蓋体4との間を封止するシール用ガスケット11が挿入される。さらに、嵌合プレート8の容器本体2側の面には、精密基板に接触するリテーナ(図1参照)12が設置され、このリテーナ12により精密基板の容器本体2の開口部3方向への移動と、精密基板における周方向への移動とを規制し、精密基板を保持することができる。
【0017】
そして、蓋体4は、係止凹部7に係止される係止爪6を備えた一対のラッチ機構13を内蔵している。このラッチ機構13は、図1〜図5に示すように、嵌合プレート8に対して回転可能に支持されるカム部材14と、このカム部材14の回転に連動して進退可能とされ、図示上下方向に延在する一対のラッチアーム15とを具備している。そして、ラッチ機構13は、嵌合プレート8の窪みに収容されて、カバープレート9によって覆われている。このようなラッチ機構13の材質としては、例えば熱可塑性樹脂を使用することができ、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート等が挙げられ、これらの熱可塑性樹脂にシリコーンやフッ素などの摺動性改良材を添加してもよい。このような熱可塑性樹脂を用いることで、摺動性の良好なラッチ機構13を得ることができる。
【0018】
カム部材14は略円板状を成し、その表面の中央には、蓋体4の開閉操作を行う蓋開閉装置の操作キー(図5参照)16が挿入される操作凹部14aが形成されている。また、操作凹部14aの周囲には、カバープレート9側に突出するリング状突起14b(図2及び図4参照)が設けられている。また、カム部材14の裏面の中央には、嵌合プレート8側(図3及び図5における左側)に突出する円筒部14cが形成されている。そして、円筒部14cが嵌合プレート8の円弧状リブ10に装着されて、カム部材14が回転可能に支持される。また、カム部材14には、ラッチアーム15を進退可能とするカム面を形成する一対のガイド孔17が設けられている。
【0019】
このガイド孔17は、図6〜図8に示すように、曲線状(略円弧状)に形成され、カム部材14の中心に近い方の端部17aから変曲点17bまでが第1の領域とされ、変曲点17bから他方の端部17cまでが第2の領域とされている。そして、連結バー18の突起部18aが第1の領域内を案内されて連結バー18が進退し、変曲点17bにおいて連結バー18の突出量が最大となり、突起部18aが第2の領域内を案内されて係止爪6の容器本体2に対する係止状態が維持される。
【0020】
ラッチアーム15は、上下方向に延在しカム部材14に連結される連結バー18と、この連結バー18の端部に設けられた係止爪6とを備えている。この連結バー18は、略長方形の板状を成し、一方の端部にはカム部材13のガイド孔17に挿入される略円柱状の突起部18aが形成され、他方の端部には係止爪6が連結されている。
【0021】
ここで、本発明の蓋体4は、図4、図7及び図8に示すように、カム部材14の静止位置(回転位置)を規制する位置規制手段20を備えている。この位置規制手段20は、カム部材14に設けられ可撓性を有するロックアーム21と、嵌合プレート8に形成されロックアーム21と接触可能な位置に配置された突起リブ(位置規制部)22とを備えている。
【0022】
ロックアーム21は、カム部材14におけるリング状突起14bの外周面から外方に向かって延在する根元部21aと、この根元部21aの先端(外側の端部)からリング状突起14b側に向かって略逆C字状に屈曲されたフック部21bとを有している。このロックアーム21は、根元から先端にかけて徐々に細くなる形状とされている。また、フック部21bの先端は、外方に向かって屈曲されて突出している。
【0023】
突起リブ22は嵌合プレート8に立設され、カム部材14と共に回転するフック部21bの先端部と接触可能な位置に形成された第一の接触面22aと第二の接触面22bとを有している。第一の接触面22aは、フック部21bの回転方向と所定の角度で交差するようにカム部材14の外側に傾斜して形成され、第二の接触面22bは、第一の接触面22aに対してカム部材14の内側に傾斜するように形成されている。そして、カム部材14が反時計周りに回転した場合、フック部21bの先端部と突起リブ22の第一の接触面22aとが接触して、ロックアーム21が撓み、フック部21bの先端部と突起リブ22の第二の接触面22bとが接触して、ロックアーム21が復元してフック部21bの先端部が移動し、ロックアーム21と突起リブ22とが係合する。
【0024】
次に、このように構成された精密基板収納容器1の蓋体4におけるラッチ機構13の施錠、開錠について説明する。なお、図2、図3及び図6に示すように連結バー18の長手方向と操作凹部14aの長手方向が直交した状態をカム部材14の回転角度(回転位置)を0度として説明する。図9は、カム部材14の回転角度とラッチアーム15の相対移動位置との関係を示すグラフであり、横軸にカム部材14の回転角度を示し、縦軸にラッチアーム15の相対移動位置を示している。グラフAは、本発明のカム部材14の回転角度とラッチアーム15の相対移動位置を示すものである。なお、グラフBは、従来のラッチ機構におけるカム部材の回転角度とラッチアームの相対移動位置との関係を示すものである。
【0025】
図2、図3及び図6に示すように、カム部材14の回転角度が0度の状態では、突起部18aがガイド孔17の端部17aに位置し、係止爪6は、図3に示すように、開口8bから突出していない状態となっている。このとき、ラッチ機構13は開錠状態であり、蓋体4は容器本体2に対して着脱自在な状態である。
【0026】
次に、操作キー16(図3参照)にトルクを付与し、カム部材14を反時計周りに回転させる。このとき、突起部18aは、ガイド孔17内を端部17aから変曲点17bに向かって案内され、連結バー18は連結バー18の長手方向にスライドし、係止爪6は外方に向かって押し出されて開口8bから突出する。カム部材14の回転角度が75度となったときに、突起部18aが変曲点17bに位置し、係止爪6の突出量が最大となり、係止爪6が容器本体2に係止された状態となる。
【0027】
さらに、操作キー16に対するトルクの付与を維持し、カム部材14の回転角度が75度を超えると、突起部18bは変曲点17bを通過し、図7に示すように、ロックアーム21におけるフック部21bの先端部が突起リブ22の第1の接触面22aに接触する。そして、フック部21bの先端部と第一の接触面22aとの接触により、ロックアーム21がカム部材14の径方向の外側に撓む。
【0028】
カム部材14の回転を継続し回転角度が約85度を超えると、フック部21bが第一の接触面22aと接触を終了する。このとき、ロックアーム21が復元して、ロックアーム21に蓄積された内向きの力が開放され、この開放された反発力によりフック部21bと第二の接触面22bが一気に係合する。そして、図8に示すように、フック部21bが第二の接触面22bに当接しカム部材14の回転角度が90度となって静止する。すなわち、カム部材14を85度まで回転させれば、その後、カム部材14に対するトルクの付与を停止しても、位置規制手段20によって位置が調整され、カム部材14は回転角度が90度となる位置で静止する。これにより、操作凹部14aの位置ズレが防止され、操作キー16の挿入を容易に行うことができる。
【0029】
このような蓋体4を備えた精密基板収納容器1によれば、突起部18aが第一の領域内を案内されてラッチアーム15の外方への突出量を最大として蓋体4を容器本体2に係止させた後に、突起部18aが第二の領域内を案内される。この第二の領域において、位置規制手段20によりカム部材14の静止位置を規制しているため、ラッチアーム15を外方に突出させる領域とカム部材14の回転位置を規制する領域とを区分することが可能となり、「ラッチアームの突出量を最大とするための力」(例えば、1.3N・m〜1.6N・m)と、「カム部材14を所定の静止位置に移動させるための力」(例えば、0.1N・m〜0.4N・m)とを同時にカム部材14に付与する必要がなく、トルクを分散させることができる。これにより、蓋開閉装置に掛かる最大トルクの負荷を軽減することが可能となり、余分な負荷を減らすことができる。その結果、蓋体4を容器本体2に係止させるために必要な回転領域を高速に行うことができる。また、従前のようなスプリングを備える必要がないため、部品点数が削減されて簡素な構造とすることができ、組立て作業の効率化を可能とし、製造コストの削減を図ることができる。さらに、スプリングから金属イオンが発生することがないため、容器本体内の収納物の汚染を防止することができる。
【0030】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態において、本発明の収納容器を、精密基板を収納する精密基板収納容器1として説明しているが、収納物は、精密基板に限定されず、その他の収納物を収納する収納容器としてもよい。なお、精密基板は、半導体ウェハに限定されず、マスクガラスを始めとしたその他の精密基板でもよい。
【0031】
また、上記実施形態において、突起リブ(位置規制部)22の第一の接触面22a及び第二の接触面22bの形状を平面視において(図7、図8における紙面垂直方向から見て)直線形状を有する面(傾斜面)としているが、第一の接触面22a及び第二の接触面22bの形状はこれに限定されず、例えば、平面視において、円弧形状を有する面、楕円形状を有する面、その他の曲線形状を有する面等であってもよい。要は、ロックアームと第一の接触面とが接触することでロックアームが撓み、撓んだロックアームが復元して第二の接触面と接触することでカム部材の静止位置を規制することが可能な構成であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る精密基板収納容器を示す分解斜視図である。
【図2】図1中のラッチ機構の開錠状態を示す平面図である。
【図3】図2のIII−III矢視図である。
【図4】図1中のラッチ機構の施錠状態を示す平面図である。
【図5】図4のV−V矢視図である。
【図6】ラッチ機構の開錠状態を示す拡大平面図である。
【図7】ラッチ機構のラッチアームと突起リブの第一の接触面とが接触している状態を示す拡大平面図である。
【図8】ラッチ機構の施錠状態を示す拡大平面図である。
【図9】カム部材の回転位置とラッチアームの相対移動位置との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0033】
1…精密基板収納容器、2…容器本体、3…開口部、4…蓋体、13…ラッチ機構、14…カム部材、15…ラッチアーム、20…位置規制手段、21…ロックアーム、22…突起リブ(位置規制部)、22a…第一の接触面、22b…第二の接触面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納物を収納する容器本体に設けられた開口部を覆い、着脱可能に前記容器本体に保持させるラッチ機構を備えた収納容器の蓋体において、
前記ラッチ機構は、回転可能に支持されたカム部材と、
このカム部材の回転に連動して進退可能とされ、外方に突出して前記容器本体に係止されるラッチアームと、を有し、
前記ラッチアームの突出量が最大となった後に前記カム部材の静止位置を規制する位置規制手段を備えることを特徴とする収納容器の蓋体。
【請求項2】
前記位置規制手段は、前記カム部材と共に回転し可撓性を有するロックアームと、
このロックアームと接触可能な位置に配置された第一の接触面及び第二の接触面を有する位置規制部と、を備え、
前記ロックアームを前記第一の接触面と接触させることで前記ロックアームを撓ませた後、前記ロックアームを復元させながら前記第二の接触面に沿って移動させることで前記カム部材の静止位置を規制することを特徴とする請求項1記載の収納容器の蓋体。
【請求項3】
前記位置規制手段は、前記ラッチアームの突出量が最大となった後に、前記ロックアームと前記第一の接触面とを接触させて前記カム部材の静止位置を規制することを特徴とする請求項2記載の収納容器の蓋体。
【請求項4】
収納物を収納する容器本体に設けられた開口部を覆い、着脱可能に前記容器本体に保持させるラッチ機構を備えた蓋体を有する収納容器において、
前記ラッチ機構は、回転可能に支持されたカム部材と、
このカム部材の回転に連動して進退可能とされ、外方に突出して前記容器本体に係止されるラッチアームと、を有し、
前記ラッチアームの突出量が最大となった後に前記カム部材の静止位置を規制する位置規制手段を備えることを特徴とする収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−191205(P2007−191205A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−12845(P2006−12845)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】