説明

取付け装置およびその製造方法

本発明は、複数の固定要素(3)が備えられた金属ベースプレート(2)を有し、各固定要素から、少なくとも1つの部位が前記ベースプレート(2)の上方に突出てなる取付け装置(1)に関する。取付け装置は、前記ベースプレート(2)の表面に前記固定要素(3)のブランクを、それぞれ1つの接続縁(5)を残存させた状態で、切り込むことにより得られる。各ブランクは、一端に接続縁(5)を有するウェブ状の基部(6)と、基部(6)と隣接し、少なくとも一方側で基部(6)を超えて側方へ突出する頭部(7)とを備える。ブランク(4)の少なくとも一部が、基部(6)の接続縁(5)の近傍にてベースプレート(2)から折り曲げられる。基部(6)に隣接する頭部(7)の突出縁は、固定要素(3)がベースプレート(2)から折り曲げられた状態で、ベースプレート(2)面に対する角度(β)が0°と70°の間となるように伸長する。さらに、本発明は、この取付け装置を製造する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属のベースプレートを有し、その上に複数の固定要素が備えられ、これら固定要素から少なくとも一部が前記ベースプレートから突出している、取付け装置と、かかる取付け装置を製造する方法と、この取付け装置を使用して形成される固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの工業分野を含む様々な分野(例えば、建設、自動車製造、家庭用品など)において、通常、金属部品またはワークピースを他の部品に固定ないし接合することが必要となる。このため、留め具を固定するために必要とされる、溶接やねじ留め工具などの特別なツールを必要とせず、簡易かつ迅速に実行できる、固定器具および/または接続部品がしばしば望まれる。プラスチック部品の分野では、かかる固定装置は、例えばフックループクロージャを固定具として使用することにより実現されている。しかしながら、かかるプラスチック製のフックループクロージャは、多くの用途において、要求される耐久性、温度安定性、および/または通電性を有していないために、使用することができない。
【0003】
金属製取付け装置の製造方法が、国際公開WO2004/028731号公報により既に知られている。この公報では、ワークピース表面上の複数の長円領域を電極ビームにより溶融させ、融解した材料を長手方向の軸に沿って移動させ、再度固化することにより、それぞれについて穴と前記表面から突出した部位とすることが提案されている。十分な長さの突出部を得るためには、この方法を複数回繰返す必要がある。このようにしてできた表面の構造により、ワークピースは他のワークピースに対して接合可能となる。このような接合の好適例として、金属と繊維の複合体製のワークピース同士の接合が例示されている。この方法では、電極ビームを発生させる装置およびビームを制御する制御装置が必要となる。さらに、十分に大きな構造を得るためには、この方法を複数回繰返す必要がある。よって、この方法による表面の形成は、比較的困難で複雑なものとなる。製造に際して、高精度であることも要求される。さらに、接合されるワークピースの材料構造に合わせて、ワークピースの構造化された表面に接合特性を付与しうる、所定の特有形状を有する突出部を実現するために、この方法を利用することはできない。
【特許文献1】国際公開WO2004/028731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生産工程、特に自動車製造業の生産工程において、製造上のコストと時間に対する制約から、上述したように、特に金属部品や装置を迅速かつ容易に固定および/または締結することが可能で、追加の工具や複雑な製造方法を必要とすることのない、取付け装置が要求されている。さらに、取付け装置には、高い耐久性と温度安定性が要求されている。したがって、本発明の目的は、比較的簡易な製造方法により得られるにも拘わらず、固定に際して追加の工具を必要とせず、部品を確実に保持でき、温度安定性を有する、このタイプの取付け装置とその製造方法を明らかにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的は、請求項1に係る取付け装置と、請求項29に係る方法とによって達成される。その具体化と方法のバリエーションは、特定の従属項に記載されている。また、本発明は、請求項35および請求項36に係る取付け装置の使用にも関連する。
【0006】
本発明は、金属ベースプレートを有し、該ベースプレートの上に複数の固定要素が備えられ、該固定要素のそれぞれから少なくとも一部が前記ベースプレートから突出しており、前記金属ベースプレートの表面に固定要素のブランクを、それぞれのブランクに少なくとも1つの接続縁を残存させるように、切り込むことによって得られる、取付け装置に係る。該ブランクはそれぞれ、一端に接続縁を有するウェブ状の基部と、該基部に隣接する頭部とを有するように形成される。該頭部は、隣接する基部の少なくとも一方側を超えて外側に突出する。該基部が矩形でない場合、該頭部は、基部のうち直接隣接している部分よりも外側に突出していれば十分である。該ブランクの少なくとも一部が、前記基部に位置する少なくとも1つの折曲げ縁にて、ベースプレートから折り曲げられる。該固定要素がベースプレートから折り曲げられた状態で、該基部に隣接する頭部の突出縁は、ベースプレート面に対して0°から70°の間の角度で伸長する。固定用突出部の突出する頭部が、適合する対応物に対する係合し、これにより、対応物に対する取付け装置の取付けが可能となる。
【0007】
すなわち、本発明の基礎的な考え方は、金属ベースプレートにブランクを形成するための複数の輪郭を切り込み、次工程で、曲げ加工により、少なくとも一部が金属ベースプレートから突出してフック状となっている、複数の固定要素を形成することにある。ベースプレートに切り込まれる輪郭はそれ自体閉じたものではなく、少なくとも1つの接続端が残存する必要がある。輪郭をペースプレートに切り込むとは、輪郭が形成される領域においてベースプレートを完全に貫通させて裁断するものと理解される。輪郭を切り込むことにより、所定の形状と寸法を有するブランクが容易に形成され、固定要素の再生産が可能となる。
【0008】
本発明に係る取付け装置は簡易な構造を有しているので、比較的簡易かつ迅速に、パンチ、切断、曲げ加工など、単純な金属加工技術により製造可能である。さらに、国際公開WO2004/028731号公報に記載の装置が実質的に丸い突出部を有することと比較すると、突出する頭部が鉤状であるため、ワークピースや部品に対する取付け装置の把持能力が改善され、取付け装置の保持力が全体的に向上する。
【0009】
「金属フックループクロージャ」として使用できる、完全に金属からなる取付け装置が得られる。該装置は、高い張力、および、非常に高い温度または非常に低い温度における高い安定性を有する。この取付け装置は、ワークピースまたは部品に対して、溶接やねじ留めなどのさらなる工程を必要とせずに、接続可能である。しかしながら、本発明に係る取付け装置にそのような追加工程を組み合わせてもよい。例えば、本発明に係る取付け装置を使用して部品を仮留めし、続いて最終的な取付けとして溶接またはねじ留めなどを実施してもよい。すなわち、溶接、リベット接合、クリンチ接合などのすべての金属的な接合を併用することも可能であり、この点にも、金属製のワークピースを用いる利点がある。
【0010】
固定要素は、対称に形成されていなくてもよい。例えば、突出頭部は、基部の一側部からのみ突出していてもよい。片矢印または半キノコ状に基づく形状に加えて、ウェブ状基部の上端で、一方側に突出する頭部の下方に、後退部を備えたものでもよい。これらの形状は、クローシェ編み用鉤針の頭部と概ね類似したものであり、以下、鉤型頭部の設計と称される。
【0011】
しかしながら、突出部が基部の両側に設けられることが好ましい。これにより対応物の取付け安定性が向上するからである。このように両側に突出させる場合、一実施形態では、ベースプレートに切り込まれる固定要素および/またはブランクは、長手方向の軸に対して実質的に鏡像対称である。頭部の好ましい形状は、例えば、基部に隣接し、該基部より側方へ突出する、角があるか、丸みを帯びた下縁を有する矢印の頭に類似する形状である。自由端の頭部を先細のテーパ状とする代わりに、実質的にキノコのかさの形状のような丸い先端としてもよい。楕円、水滴状の形態も考えられる。概して、突出部が両側にある最初の実施形態においては、固定要素が矢印形状またはキノコ形状であることが好ましい。
【0012】
その他の実施形態として、ウェブ状基部の長手方向に沿った両側で、頭部の下方に後退部を備えることにより、突出部が両側にある構成とすることが考えられる。この場合、頭部をそれぞれの側で異なった高さで突出させたり、後退部を長手方向に段違いに配置させたりすることにより、頭部を非対称に設計することができる。
【0013】
いずれの場合でも、頭部は、自由端に向けてテーパ状であることが望ましい。対応物の固定用開口に向けて挿入が容易となるためである。
【0014】
本発明に係る取付け装置は、基本的に、様々な対応物に対して使用可能である。対応物としては、プラスチック、グラスファイバ、セラミックファイバ、または、金属製で、クローシェ布地、織布、ブレイド、ニット布地、ループフリース、プラッシュ、またはスクリムの構造を有するものが好ましい。これらの構造は、スレッド部またはエンドレススレッドを有する、単繊維または多繊維により形成される。対応物は、固定要素の頭部の細部の設計に応じて選択される。対称または略対称の頭部を有する固定要素に対しては、織布の構造を有する対応物が特に好ましく適用される。非対称の頭部を持つ取付け装置に対しては、クローシェ布地、ブレイド、ニット布地、スクリム、ループフリース、またはプラッシュなど、対称性の低い構造を有する対応物が特に好ましく適用される。
【0015】
対応物は金属製であることが特に好ましい。これにより、取付け装置と対応物とが全体として金属製の複合体となり、高温や低温に対して高い耐性を有することになり、過酷な環境下で適用可能となるだけではなく、特殊な応用工程、例えば、金属材料に一般的な追加処理工程や、熱や放射線による殺菌工程に適用することが可能となる。例えば、溶接、はんだ付け、フランジング、リベット留め、クリンチ、および、ねじ留めが追加処理工程として挙げられる。さらに、このような金属複合体は、電気伝導性、または磁性を持たせることができる。適合可能な対応物としては、例えば、耐食性または耐酸性の鋼、特にステンレス鋼、好ましくは、オーステナイトステンレス鋼またはオーステナイトモリブデン(ステンレス)鋼、および、スプリング鋼からなるものがあげられる。ニッケル合金などの高温合金も適用可能である。プラスチック製の織物状構造も、原則的に適用可能であり、十分な構造強度、化学耐性、および温度耐性を有するものが好ましい。また、その耐性から、グラスファイバ、セラミックファイバ構造も適用可能である。
【0016】
本発明に係る、対称または略対称に設計された頭部を有する取付け装置は、特に織物構造を有する対応物と共に使用されることが好ましい。この取付け装置では、織布のメッシュ構造(以下、単にメッシュと称する)に固定要素が係合して、頭部がメッシュに捕捉されるように好適な構成となっている。通常、固定要素の頭部が挿入されるとメッシュが広がり、頭部が貫通した後に、頭部の後端側で再び狭くなる。メッシュを構成する織布の糸が頭部の突出縁の背後に留まり、これにより頭部が捕捉される。すなわち、本発明は、織物が本質的に備える復元力を利用して、固定要素と対応物間の接合を実現させている。
【0017】
メッシュのサイズと形状は、取り付けられる固定要素に応じて選択されることが好ましい。また、メッシュ構造は、矩形、正方形、または平行四辺形であることが好ましい。取付け装置の固定要素を織布に対して容易に挿入するためには、織布の開口率は25%〜75%であることが好ましい。開口率は40〜70%が特に好ましく、50%〜65%がさらに好ましい。殊に、固定要素の頭部寸法については、メッシュサイズが考慮される。例示ではあるが、好ましいメッシュ幅は0.3mm〜18mmであり、0.3mm〜10mm我より好ましく、0.3mm〜3mmが特に好ましい。
【0018】
(略)鏡像対称に設計される固定要素の寸法と形状を、固定される織布構造の対応物に合わせる際には、両者の接合を着脱可能とするか恒久的なものとするかについても考慮される。いずれの接合も、原則として、本発明の範囲に包含される。通常、ベースプレート面と、基部に隣接して両側に(略)対称に突出する頭部とのなす角が鈍角であるほど、また、突出部が短いほど、着脱が容易となる。例えば、頭部の下側が、ベースプレート面と平行に突出している場合には、突出長さが同じであることを前提として、ベースプレート面に対して例えば30°の角度をなしている場合と比較すると、複合体を構成する織布と取付け装置とを分離させることがより困難となる。本発明において、取付け装置と織布とを着脱可能に接合させる方が好ましい。いずれの用途に対しても、ベースプレート面と、ベースプレートとから折り曲げた状態での頭部の突出する下縁との間の角度は、0°〜60°とすることが好ましく、0°〜45°とすることがより好ましい。
【0019】
両側に突出する頭部の下側の方向を決定する、ベースプレート面に対する特定の角度は、突出縁が直線状に伸長することを直ちに意味するものではない。むしろ、突出縁は曲線を描いて伸長する。そして、ベースプレートに対する傾斜は、ベースプレート面と、突出頭部の曲線縁に適用される接線との間の角度から決定される。突出頭部の下側の曲率が一定でない場合、突出部の長手方向全体にわたって適用される接線は、少なくとも0°であり、最大で70°で伸長する。また、両側で(略)対称に突出する頭部の下縁は、異なる傾斜を有する複数の直線状の縁部から形成されていてもよい。この場合、各縁部の角度は、請求項で定義される角度の範囲内にある。突出する縁部の傾斜を異ならせる場合、基部に近位の傾斜が小さく、すなわち0°により近くなるようにして、さらに突出するより遠位の角度が急になる、すなわち、70°により近くなるようにすることが好ましい。いずれのバリエーションにおいても、突出する頭部下縁の最先端部分は、傾斜の決定には考慮されない。この部分では、上記の角度範囲以外の角度も採り得る。このことは、突出部と一方側にある基部との間の遷移領域、突出部と他方側にある頭部の上側自由端部との間の遷移領域にも適用される。これらの遷移領域では、固定要素のそれぞれの領域が、一方から他方に連続的に変化するようにしてもよい。
【0020】
上記のように、頭部の自由端をテーパ状として、頭部を固定される対応物の開口に容易に挿入できるようにすることが特に好ましい。織布構造を有する対応物を使用する本発明の好ましい態様においては、糸および/または金属ワイヤが、テーパ状の頭部によって容易に広がり、加える力を小さくできる。さらに、テーパなしの頭部と比較し、メッシュに当たる可能性が顕著に高くなり、織布の1ユニットにつき、メッシュと「結合された」固定要素の数が増加する。逆に言うと、テーパ状とすることで、取付け装置と対応物との寸法が正確に合致していない場合でも、両者の結合数を十分に得られるようになる。
【0021】
頭部先端のテーパ形状については、好ましくは、ベースプレートに垂直で頭部先端を通過する直線に対する、頭部先端の自由端に向けて伸長する上側の側縁が、5°〜85°、好ましくは15°〜60°、特に好ましくは25°〜45°の角度を形成するようにする。上側の両側縁は、この直線に対して等角度とすることができる。しかしながら、角度を異ならせて非対称な頭部を形成することも可能である。この場合、例えば、固定要素が対応物に挿入される際の接合方向が、ベースプレート面に対して垂直でない場合に有利である。所定の方向で容易に挿入できるようにするためには、例えば、固定要素の第1の側縁を、頭部の他の側縁よりも、長く、勾配を緩やかにする。第1の側縁の傾斜角は、挿入方向に実質的に一致していることが好ましい。
【0022】
取付け装置を織布からなる対応物に確実に固定するためには、隣接する基部を超えて側方へ突出する頭部の突出幅(Б=(B−b)/2)を、織布の糸径に対して、少なくとも0.3倍、好ましくは少なくとも0.5倍とすることが好ましい。幅が小さすぎると、固定要素の頭部が十分に織布の糸を捕捉できず、意図せずにメッシュから滑り外れてしまうおそれがある。さらに、基部を十分に長くして、固定要素の頭部が織物の糸の背後側で留まるようにする必要がある。したがって、ウェブ状基部がベースプレートの上方に突出する長さを、糸径の少なくとも1.4倍、好ましくは実質的に2倍とすることが好ましい。
【0023】
本発明の対応物としては、例えば、糸径が0.1mm〜3mm、好ましくは0.2mm〜2mmである織布が好ましい。特に好適な糸径は、0.3mm〜1mmの範囲である。織糸の太さを変えることにより、対応物の復元力および構造上の弾性を意図したように変化させることが可能である。織糸が細いほど、複合体の弾性が向上する。全体的に織糸が均一な太さの織布を用いることもできる。しかしながら、織布の織糸太さを異ならせてもよい。例えば、異なる径の縦糸と横糸とを使用することで、異方性の織布とすることができる。上記固定要素の形状および寸法と糸径とを合わせる際には、固定要素に隣接している場合と、係合した場合とについて、糸径を検討する必要がある。
【0024】
所期の張力および剪断歪に加えて、特に、フックループ接続を実現し維持するために必要とされる織布の構造的な弾性は、織糸および/またはワイヤの径を選択する際に重要となる。固定要素が挿入される際に、加える力をあまり大きくすることなく、織糸が互いに外側に変位してから、十分な力で元に戻り、所望の保持力による接合を実現しなければならない。コスト上の理由と軽量化の観点から、糸径を不必要に大きくすることはできない。さらに、円形の断面を有する織糸および/またはワイヤが好ましい。これらに対して固定要素がスライドしやすくなり、着脱可能な接合における可逆性が向上するためである。
【0025】
織糸の固定要素の頭部の背後における留まり方は任意であり、特に織布に対する頭部の方向性に依存する。例えば、頭部の突出部は、隣接する縦糸同士または隣接する横糸同士の背後に係合しうる。一方、頭部が布構造に対して斜めになっている場合には、横糸が頭部の一方側に、この横糸と交差する縦糸が頭部の他方側に位置して、これらの背後に突出部が係合される。
【0026】
取付け装置を対応物に対して特別に強固に固定する場合には、固定要素がベースプレート上で異なる方向を向いていることが好ましい。これによって、対応物の布地構造に対して固定要素とその突出頭部の向きが種々に異なることとなり、固定要素が織物の中により強い張力で留まることになる。固定要素の方向は、二方向でも多方向でもよい。ベースプレート上の固定要素が二方向を向く構成とする場合、固定要素の第1グループの頭部の面が、固定要素の第2のグループの頭部の面に対して90°回転していることが好ましい。2つのグループのそれぞれの固定要素をベースプレート上に均一に分布させて、取付け装置と対応物とからなる複合物における、張力分布と保持力とができる限り均一になるようにすることが好ましい。しかしながら、その他の角度による配置や、その他の固定要素の分布として、例えば、取付け装置の領域ごとに保持力を異ならせるようにしてもよい。
【0027】
本発明の好ましい変形例では、固定要素のウェブ状の基部がストリップ状に施される。この実施形態では、ストリップ状であるウェブの短手方向の一辺を接続縁とすることが好ましい。ウェブの幅は、ウェブの長さ方向全体にわたって均一である必要はない。例えば、安定性上の理由から、固定要素がベースプレートと繋がる箇所を補強すべく、接続縁のある位置で、ウェブの幅を最大にすることが好ましいこともありうる。このような場合、段状の側縁とするよりも、側縁を滑らかな曲線で構成することが好ましい。製造を簡略化する場合には、ウェブ状の基部を実質的に矩形とする。
【0028】
他の実施形態として、非対称の鉤型頭部を対応物に引っ掛けることにより、対応物に対して取り付けられる取付け装置があげられる。上述のように、基部に複数の鉤型頭部を配置することができ、複数のフックを頭部の両側に設けることが望ましい。さらに、上述のように、後退部および/または切欠きを基部の上端に設けてもよい。本発明においては、頭部が、基部の上縁である後退部および/または切欠きの内端よりも外側に突出していればよい。上記の実施形態では、折曲げ縁が設けられ、その近傍で、切込みにより輪郭が形成された基部が、ベースプレート面から折り曲げられる。
【0029】
鉤型頭部の形状も、通常、ブランクの輪郭によって予め定められる。さらに、直立状態にした後、頭部を長手方向の軸周りに捩じってもよい。この場合、固定される対応物は、引っ掛けられ、ネジ状の輪郭によって保持される。突出および/または返しにより捩れを、ブランクの状態で形成しておくことも、これらの変形例に含まれる。鉤型頭部の輪郭の設計は任意である。鉤型頭部の形状を、取付け装置に接合されるワークピースの材料組成に合わせて選択して、取付け装置の保持力を最適化することができる。通常、鉤型頭部の形状としては、半矢印形状、すなわち「1」の字や鉤針頭部に類似する形状が採用される。かかる形状は製造容易であり、対応物に対する接合性能にも優れているからである。
【0030】
鉤型頭部の形状をブランクの輪郭により予め定める場合、1つ以上の切欠きおよび/または凹部、または後退部を頭部に設けることが好ましい。これら切欠きは、固定要素を対応物の中に引っ掛け、または噛合わせて、対応物と取付け装置との接合を実現する。切欠きを、頭部の側面に設けることが好ましい。切欠きおよび/または凹部を、頭部に隣接する基部の両側面に設ける場合、それらを異なったものとすることが特に好ましい。折曲げ縁に最も近接する凹部は、その上端すなわち突出部の下縁が、ベースプレート面に対して0°〜70°の角度で伸長するようにする。一方、頭側端部に最も近接する切欠きは、返しとして形成してもよい。すなわち、先端を向く側面を、ベースプレート面に対して、例えば、−45°までの負角で伸長させてもよい。
【0031】
固定要素の少なくとも一部が鉤型形状を有していることから、固定要素は対応物に対して堅固に噛合い、ベースプレートと対応物とが安定して接合される。接合の安定性をさらに高めるため、可能な限り広いアタック面積が固定要素に提供されるように、対応物の表面構造を形成することが好ましい。対応物は、上述のように、プラスチック、グラスファイバ、セラミックファイバ、または、金属製で、クローシェ布地、織布、ブレイド、ニット布地、ループフリース、スクリム、またはプラッシュの構造を有するものが好ましい。プラッシュ、ループフリース、およびニット布地の場合、開ループ、閉ループいずれも可能であるが、閉ループ構造が好ましい。ループ構造は、複数の絡んだ糸をオーバーラップさせることによっても形成できる。
【0032】
対応物が絡んだ糸を有する場合、取付け装置の固定要素の突出部に対する絡み方はさまざまに変化する。固定要素を取り外す際には、ループおよび/または個々の糸が局所的に裂かれることになる。しかしながら、糸は多量にあるため、これによって対応物の機能が顕著に低下することはない。
【0033】
対応物がクローシェ布地、織布、ニット布地、ブレイド、スクリム、プラッシュ、またはフリースの場合、通常、完全に可塑的な変形特性を有しうるが、可塑弾性的または専ら弾性的に変形することが好ましい。対応物の構造的な弾性は、例えば糸の太さを変更することで、用途に応じて変化させることができる。さらに、縦糸と横糸とで異なる太さの糸を使用することにより、異方性を持たせることができる。特にクローシェ布地や織布などのシンプルな構造では、糸が細いほど、複合体の弾性が向上する。対応物のループまたは目の直径は、好ましくは0.5mm〜1.5mmであり、特に好ましくは1mmであり、個々の直径の偏差が初期値の40%〜200%の範囲になることは、製造上あり得る。さらに、ループまたは目は、まとまって、つまり対応物の特定領域にて特に高い密度で存在していてもよいし、または、対応物の全体にわたって均一に分布していてもよい。
【0034】
この用途における対応物と糸の寸法は原則的に任意であるが、取付け装置の寸法と形状に合わせることが好ましい。好適な実施形態では、プラッシュ、織布、ニット布地、またはクローシェ布地の厚さは、1mm〜3mmであり、特に好ましくは約2mmであり、ワイヤ径は0.008mm〜3mmであり、好ましくは0.02mm〜1mmであり、特に好ましくは0.02mm〜0.5mmである。
【0035】
本発明によれば、固定要素は、ベースプレートから、少なくとも1つの折曲げ縁において外側に折り曲げられ、ベースプレートの上方に突出する。1個所において折曲げ縁にて折り曲げられることが好ましい。折曲げ縁は、固定要素がベースプレートに取り付けられる接続縁と同一であることが好ましい。このバリエーションでは、固定要素自体は弾性をほとんど有さず、複合体の弾性は、例えば、移動可能な織糸を持った織布や、クローシェ布地、ニット布地、ブレイド、スクリム、プラッシュ、またはフリースなどの対応物にのみ起因する点に特徴がある。他のバリエーションでは、折曲げ縁は接続縁と一致しておらず、接続縁と頭部との間に位置する。すなわち、基部の一部だけがベースプレートから上方に突出し、基部の他の部分は、ベースプレート面に残る。この配置では、曲げ出されない基部の一部は、ベースプレート面に対して垂直の方向に作用する、固定要素のバネとして機能する。すなわち、基部の一部が、接続縁の近傍で湾曲することにより、固定要素に対して垂直方向に掛かる力を吸収する。また、取付け装置の製造において、弾性のある基部をベースプレート面から折り曲げてもよい。この場合、ウェブ状の基部において、折曲げ縁は接続縁の周辺に存在し、その長手方向を横断する折曲げ縁が、接続縁と頭部との間に設けられる。
【0036】
他の実施形態では、ブランクの状態で、すなわち、ベースプレート面から折り曲げられる前において、基部が湾曲している。特に、基部は実質的にL字状に湾曲した形状とされ、その曲率は70°〜110°の間であり、実質的に90°であることが好ましい。折曲げ縁が基部の湾曲部に位置するように、ベースプレートからの折曲げを行なうことが好ましい。具体的には、折曲げ縁が、基部の側縁の1つの延長線上に位置するようにする。上述の変形例のように、適切な材料が選択された場合には、基部の一部が弾性を有するように得られ、その部分から基部の残り部分がベースプレート面の上方に突出する。接続縁の近傍にさらなる折曲げ縁を形成して、弾性を有する基部の一部もベースプレート面から持ち上がるようにしてもよい。L字状に湾曲した基部を有する実施形態は、非対称の頭部デザインと組み合わせることが特に有効である。
【0037】
固定要素の基部と頭部は、それぞれ実質的に平面であることが好ましい。これにより、固定要素の製造は、ベースプレートから平面領域を切り出して、ベースプレート面からこれらの領域を折り曲げるだけで実現することができる。さらなる複雑な製造工程を必要としないため、取付け装置の製造は簡易化される。
【0038】
しかしながら、現在のところ優位性は低いが、予めベースプレート面によって定義される平面から突出する頭部とすることも可能である。しかしながら、この場合、製造工程が複雑化し、この態様は、対応物に対する取付け装置の固定を不可逆的なものとする場合に適用が限定されると思われる。頭部の面から突出する部分は、例えば、頭部の縁を頭部の面に対してクランク状に曲げることで得られる。例えば、頭部のテーパ先端をかかる屈折縁部としてもよい。さらに、基部や、基部が湾曲している場合の湾曲箇所や、折曲げ縁の部分などを変形させることも可能である。これは、例えば補強用ビードにより実現される。
【0039】
ほとんどの固定要素が、対応物を捕捉し、および/または噛み、または引っ掛けることで取付け装置を確実に固定すべく、75°〜115°、好ましくは80°〜100°、特に好ましくは、実質的に90°の角度で、固定要素をベースプレートから折り曲げることが好ましい。これにより、固定要素の頭部が対応物中に捕捉される可能性が向上する。複数の折曲げ縁を基部に有する固定要素の場合、かかる特定の曲げ角は、固定要素の自由端により近い側の折曲げ縁より先端側にある固定要素の自由端を有する部分、すなわち頭部に関係するものである。一方、ベースプレートの接続縁を介して取り付けられる弾性を有する基部の一部もベースプレートから折り曲げられる場合、その角度とは無関係である。
【0040】
鉤型頭部は、金属ベースプレートの両側に折り曲げてもよい。この場合、取付け装置は、ワークピースを金属ベースプレートの両面に収容することができる。好適な実施形態では、鉤型頭部はベースプレートの片側にのみ折り曲げられる。これにより、単位面積当りの固定要素の数が増加し、保持力も増加する。さらに、この場合、製造が簡略化される。固定要素の数は、その寸法と安定性にもよるが、要求される接合の強度および固定される対応物に基づいて決定される。一般的に、ベースプレートに1つ以上の固定要素が備えられるが、例えば、ベースプレート面積1cm2当たり、2個〜36個、好ましくは4個〜18個の固定用突出部が設けられる。この密度は、固定用突出部が設けられているベースプレートの特定領域にのみ適用される。
【0041】
高い製造コストを防ぎ、保持力を均一化するために、固定要素のそれぞれを実質的に同一とすることが好ましく、また、ベースプレートの表面に実質的に均一に配置することが好ましい。これは、既に言及したような、ベースプレート上に、対応物の構造に対して異なる方向に同一の固定要素を配置することを排除するものではない。さらに、異なる設計の固定要素を、1つの取付け装置に混在させてもよい。
【0042】
固定要素の形状と寸法は、用途に応じて定められる。金属ベースプレートの厚さ、すなわち固定要素の厚さは、固定される対応物への接合中および接合後に想定される剪断および引張歪みに合わせて決定することが好ましい。このことは、固定要素のその他の寸法についても同様である。金属ベースプレートは、薄い金属シート、特に、ステンレス鋼製のシートとすることが好ましい。基部の一部に弾性を持たせる場合、ベースプレートの材料としてスプリング鋼を使用することが好ましい。シート厚は、例えば0.1mm〜10mmとすることができ、好ましくは0.1mm〜5mm、特に好ましくは0.1mm〜2mmとする。これは、ブランクを切り込み、および/または、ブランクを折り曲げる態様に対して好適である。原則的に、金属シートまたは金属フォイルの一部分のみをベースプレートとすることができる。製造を自動化するため、金属シートは、ストリップ形状とすることが好ましい。このストリップ内に、複数のベースプレートを連続的に配置し、部分的に突出する固定要素を形成する。各取付け装置は、製造後すぐに、または使用直前に、ストリップから切り取られる。金属ストリップは、無限ストリップとすることが好ましい。
【0043】
実際に固定要素を対応物に係合させる前に、取付け装置と対応物とを互いに正しい位置に確実に配置させるべく、取付け装置と対応物とが、互いに対応するプレフィックス要素を備えるようにしてもよい。それぞれのプレフィックス要素は、対応物と取付け装置とが互いに所望の位置になるように設計される。プレフィックス要素は、フィットした状態で互いに係合できるようにすることが好ましい。
【0044】
ベースプレートは、独立した部品として、またはより大きな部品内の1モジュールとして、提供される。例えば、ベースプレートが、平坦な金属部品のエッジ部を構成するようにしてもよい。その他の、個別の取付け装置がそのベースプレートを使用して、支持部品に取り付けられようにしてもよい。支持部品は、好ましくは金属製として、レーザ溶接、その他の一般的な溶接手段により、取付け装置を支持部品に実装する。一部が突出する固定要素を、取付け装置のベースプレートの一面側にのみ形成し、ベースプレートの平坦面を支持部品に圧着させる。対応物についても、別の支持部品に取付け可能としたり、支持部品と一体化したりすることができる。
【0045】
また、本発明の目的は、複数の固定要素ブランクを、ブランクごとに少なくとも1つの接続縁を残した状態で、金属製のベースプレートに切り込むという、本発明に係る取付け装置の製造方法により達成される。ブランクのそれぞれを、一端に接続縁が設けられたウェブ状基部と、該基部に隣接する頭部とを備えるように予め画定する。頭部を、少なくとも一方側で隣接する基部を超えて側方へ突出させる。これらブランクの少なくとも一部を、基部に位置する少なくとも1つの折曲げ縁にて、ベースプレートに対して折り曲げる。折曲げ後における、基部に隣接する頭部の突出縁のベースプレート面に対する角度を0°〜70°とする。
【0046】
ベースプレートに切り込まれるブランクを、レーザビームまたはパンチにより生成することが好ましい。レーザビームの使用により、比較的小さなブランクを正確に金属ベースプレート上に切り込むことが可能となり、極めて均一なブランクを得ることができる。パンチは、比較的簡易な金属加工技術であり、複数のブランクを同時に加工できるため、製造工程の簡略化および高速化が図られる。パンチの場合、製造上の観点から、ブランクが切り込まれる際にその周囲にレリーフを形成することが好ましい。レリーフの幅は、ベースプレートの厚さの1倍〜3倍、好ましくは2.5倍までとする。レリーフを、接続部を除いて、固定用突出部の周囲に形成することで、例えばブランクをベースプレートから容易に曲げることが可能となる。このためには、圧延切断連続法、または順送ダイを使用する方法を用いる。クランク状の曲がり部の形成も、同様の手段により可能である。この方法では、種々の工程を1作業サイクルおよび/または1つのダイで行なうことができ、製造手段全体のさらなる最適化を図ることができる。レリーフを狭く形成した方が原理的に良好な安定性が得られるが、その代わりに、より大きな型抜きを用いてもよい。
【0047】
固定用突出部を曲げる方法として、機械的な曲げに加えて、レーザ照射も使用することができる。固定用突出部を、熱曲げによって形成してもよい。レーザ曲げおよび熱曲げの両方は、少数生産の場合に特に好適である。
【0048】
固定用突出部の製造において、これらを実質的に対称であるペアからなるように配置させることもできる。このタイプの固定用突出部のブランクは、接続部により囲まれたウェブが、切り離されるブランク間に留まるようにして、これらのブランクを互いに近づくように折り曲げることで、生成される。ウェブの幅、すなわち、両固定突出部の接続部間の長さは、0.2mm〜4mm、好ましくは0.5mm〜2mmとする。代替的に、両ブランクの外側からブランク形成のために材料を切り抜くのではなく、一対のブランクに挟まれた中間領域から切り抜くようにしてもよい。この場合、実質的に正反対を向いた固定用突出部のペアが生成されるが、接続部を互いの遠位側に向けた状態で、ベースプレートにブランクが配置され、そして互いに離間するようにベースプレートから折り曲げられる。原理的に、これら両方の変形例を組み合わせてもよい。
【0049】
代替的に、それぞれ独立する固定用突出部のグループを配列する構成、ラスター状に配置する他の構成も考えられる。配列する構成の場合、複数の固定用突出部をグループとし、特に2つのグループを一組として、それらのブランクが、切り出された後でもウェブにより分離しないようにする。非対称の固定要素の場合、1つのグループの中で、隣接する要素が互いに平行になるように配置したり、互いに対称となるように配置したりしてもよい。1つのグループ内において、隣接する固定要素間の距離は、各位置において、ベースプレートから折り曲げられる前の状態で、最低0.1mm、好ましくは0.17mm、特に好ましくは0.2mmとする。
【0050】
本発明に係る取付け装置は、建築、医療技術、家庭用品、および金属加工における、部品または装置の固定および保持に対して好適に適用される。金属加工の場合、自動車製造部門における金属パーツの保持および固定の用途に対して特に好ましく適用される。この場合、本発明に係る取付け装置は、特に、ヒートシールド、ノイズダンパの取付け、エンジンの収納、並びに金属接合部の振動減衰機構として使用される。
【0051】
さらに、本発明に係る取付け装置は、ヒータおよびストーブに部品を固定するために使用したり、パイプのケーシングを固定したりする場合に使用可能である。本発明に係る取付け装置は、金属製であるため、高温・低温下で部品の保持や接合を行なう場合や、電流を流す必要がある場合に特に好適である。
【0052】
以下、図面に示された実施形態を例示して本発明についてさらに説明する。しかしながら、これらの例示は説明のみを目的としたものである。本発明は、これらによって制限されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
本発明の種々の実施形態について、図面を参照して説明する。同一の要素については同一の符号を用いる。
【0054】
図1は、本発明に係る取付け装置1の第1の実施形態を示す部分平面図である。本発明に係る取付け装置1は、ステンレス鋼などからなるベースプレート2を備える。複数の固定要素3が、ベースプレート2の一方の表面より、ベースプレート2の面に対して実質的に垂直に、上方に突出している。固定要素3は、ベースプレート2の表面上に、2本の平行な複列として配置されている。すべての固定要素3は、実質的に同一のものであり、キノコ形状を有している。実質的に矩形であるウェブ状の基部6は、接続縁5に接続し、この接続縁5を介して固定要素3がベースプレート2に接続されている。頭部7は基部6に接続している。基部6の側縁61に隣接する頭部7の下縁71は、基部6を超えて両側に突出している。これに続き、頭部7は先端73へ向けてテーパ状となっている。
【0055】
図1の下側は、本発明に係る取付け装置1が対応物9に接続された状態を示す。対応物9は、金属製の織布であり、ステンレス鋼製の横糸91と縦糸92とにより形成されている。縦糸と横糸とが、実質的に正方形のメッシュ94を画定している。メッシュ94は、本発明に係る取付け装置1の固定要素3を受け入れるようになっている。図示のように、固定要素3はすべてのメッシュ94に対して備えられているわけではない。固定要素3を受け入れた各メッシュ94では、織布9の上方に頭部7が突出している。それぞれにおいて、2つの隣り合う横糸91が、固定要素3の基部6の両側の側縁61に留まっている。頭部7の突出する下縁71は、それぞれ横糸91の上に位置し、頭部7は織布9の背後に捕捉される。
【0056】
図2に、本発明に係る取付け装置1の製造について示す。図示されているものは、例えば図1に示す2つある複列のうちの1つを製造するために使用される前段階のものである。この前段階は、例えば、ベースプレート2に相当する、ステンレス鋼製の無限ストリップにより構成されている。実質的に鏡面対称な2列のブランク4がベースプレート2に打抜きにより形成され、その外形は後に形成される固定要素3の外形と一致する。ブランク4の周囲には、より大きな打抜き孔10が形成されている。ブランク4は、接続縁5に沿ってベースプレート2に接続されており、両側のブランク4は、ウェブ11を挟んで互いに離間している。ブランク4は、図1の固定要素3と同様に、ストリップ状で、実質的に矩形の基部6を有し、基部6に接続する頭部の下縁71が、鈍角で基部6の両側から突出している。側縁72を有する頭部の自由端は、実質的に三角形状であり、曲線状の先端73に向けてテーパ状となっている。すべてのブランク4は、その長手方向の中心軸(A−A′線)に対して対称である。符号12で示される開口は、製造ダイ用の保持および移送用開口であり、完成後の取付け装置からは除去される。
【0057】
ブランク4がベースプレート2から切取りにより形成された後、ベースプレート2の面上に平面から直立するように、接続縁5の近傍で折り曲げられる。図3は、ブランク4から形成された固定要素3を側縁側から見た状態を示す。図示のように、ブランク4がベースプレート2の面から実質的に90°に曲げられて、基部6と頭部7とを備えた固定要素3が、実質的にベースプレート2と垂直になっている。ベースプレート2内でブランク4が位置していた場所には、開口13が形成される。
【0058】
図4(a)〜(c)には、取付け装置1と、図1における取付け装置の対応物である織布9との接続工程を示す。下段の図は、固定要素3と2つの隣接する横糸91の断面を示したものであり、上段の図は、頭部7の頂部側から見た平面を示すものである。
【0059】
締結工程において、取付け装置1は、固定要素3の頭部7を前方にした状態で、締結すべき織布9、すなわち横糸91に向けて移動される。頭部7先端のテーパ形状により、頭部7が2つの隣り合った横糸91の間に位置するように、固定要素3は案内される。固定要素3をさらに進めると、頭部7が横糸91の間に滑り込む。図4(b)に示すように、互いに離間するように傾斜している頭部7の側縁72により、頭部7の最も幅の広い部位に到達するまで、隣り合った横糸91を押し広げる。固定要素3をさらに進めると、図4(c)に示す最終状態となり、横糸91が、最終的に基部6の側方に留まり、突出する頭部7の下縁71よりも下に位置することとなる。織布9の弾性のため、横糸91が、固定要素3の基部6の場所で、突出する下縁71の背後で収縮し、これにより、取付け装置1の固定要素3が織布9を確実に捕捉する。
【0060】
取付け装置1が織布9に対して着脱自在か、着脱不可であるかは、織布9の形態にもよるが、主として固定要素3の構成によって左右される。原則的に、ベースプレート2の面に対して下縁71が突出する角度が小さいほど、固定用突起と織布との間の接続は外れにくくなる。また、突出する下縁71の幅が大きいほど、接続は外れにくくなる。
【0061】
図5および図6は、本発明に係る取付け装置1の固定要素3の好ましい寸法と角度を説明する図である。図5は、固定要素3の一方の側面を示した図であり、図6は、図5の固定要素3の右側縁を示す図である。対称頭部の設計における好ましい寸法について、以下の表1にまとめた。関係する部位が湾曲している場合もあるため、比較容易のため、すべての高さと幅は、ベースプレート平面に対して平行か垂直のいずれかの方向に対する投影寸法で示している。
【0062】
【表1】

【0063】
図7および図8に、他の実施形態に係る固定要素3とそのブランクを示す。上記の実施形態とは異なり、図7に示すブランク4の基部6は、L字状に湾曲している。水平脚64は、接続縁5においてベースプレート2に接続している。水平脚64のその他の側縁、垂直脚63および頭部7の側縁は、ベースプレート2から切り離されている。これまでの図に示されているものと異なり、図7のブランク4は、ベースプレート2から接続縁5で折り曲げられるのではなく、側縁62の延長上にある折曲げ縁8において折り曲げられる。これにより、図8に示すような、接続縁5を介してのみベースプレート2に接続された固定要素3が得られる。基部6の水平脚64は、図8に2つの矢印で示すように、ベースプレート2の面に対して垂直な方向のバネとして作用する。これによってさらなる弾性が得られることを除き、これまでの図に示した固定要素と比較して大きな相違はない。
【0064】
図9は、本発明に係る取付け装置1のさらに他の実施形態を示す部分平面図である。図1の固定要素3は、互いに反対を向いたペアからなる列を構成するように配置され、固定要素の側縁61が同じ方向ないしは逆方向を向くようになっているが、本構成では、ペアを組まない固定要素3がそれぞれ列を構成し、図2に示すものとは異なり、ウェブ11を有していない。固定要素3の側縁61は、列ごとに方向Aと方向Bとを交互に向いている。方向Aおよび方向Bは、図示の例では相互に直交している。図1に示す固定要素が一方向を向く構成、および、図9に示す二方向を向く構成のほか、複数の方向を向く構成も採用できる。なお、通常、対応物に対する接続がより安定するため、二方向および複数方向を向く構成は、一方向を向く構成よりも好ましい。
【0065】
図10(a)は、本発明に係る取付け装置1のさらに他の実施形態の一部を詳細に示す平面図である。この構成においては、4個の固定要素3が、均一に配置されている。また、固定要素3はそれぞれ、図7および図8と同様に、90°で湾曲しているL字状の基部6を有し、基部6は実質的に鉤型の頭部7に連続している。鉤型の頭部7は、鉤針状の形状をしており、これまでの実施形態とは異なり、非対称に設計されている。また、丸角の端部を有する、実質的に矩形のウェブを備える。切欠き17が、頭部7の一方側に設けられている。切欠き17は、頭部の内側へ延在し、その上辺が実質的に水平、すなわちベースプレート2に対して0°の角度で伸長し、後退部17である下辺が斜め下方へ伸長する。図10(a)の固定要素3は、曲げる前の状態であるため、固定要素3の全体がベースプレートと同じ平面内に位置している。ブランク4の周囲にあるレリーフ10は、図2と同様の大きさであるが、非対称で、その幅が変化する。レリーフ10の外縁は、一部に丸角を有する略正方形状であり、この外縁は一辺において接続縁5により分断されている。したがって、図10(a)の固定要素3は、実質的に正方形状に打ち抜く標準的なダイを用いて製造することができる。ただし、原則的に、できる限り少ない材料を打ち抜くことが好ましい。
【0066】
図10(b)は、図10(a)に示す構成の固定要素の1つについて示す側面図である。図10(a)とは異なり、鉤型頭部7に連続する基部6の一部が、折曲げ縁8において、ベースプレート平面から約90°に折り曲げられている。取付け装置1が対応物(図示せず)に挿入されると、鉤型頭部7が対応物を貫通し、その突出部14が対応物に引っ掛かる。これにより対応物と取付け装置1との接続がなされる。
【0067】
図11は、固定要素を有する取付け装置のさらに別の実施形態を示し、前段階の構成の一部を示す平面図である。図では、固定要素が打抜かれているが、まだ折り曲げられていない状態である。この実施形態では、図10と同様に、後退部17と突出部14とを有する、鉤型の非対称の頭部7を有する。突出する頭部の下縁71は、固定要素3が折り曲げられた後には、ベースプレートと平行となるように構成されている。頭部7の先端73は、対応物への挿入が容易となるように、先細になっていることが好ましい。
【0068】
図12は、非対称の固定要素ブランクのさらに別の実施形態を示したものである。固定要素は打抜かれているが、まだベースプレート面から折り曲げられていない状態である。後端側の折曲げ縁8に近い突出部14に加え、頭部7に近い先端側の突出部714が反対側に設けられている。したがって、基部から頭部への遷移部は、後端側の折曲げ縁8と平行に形成されていない。基部6中の切り欠き17に隣接する両側の突出部は、それらを超えて突出している。突出部14の下縁は、折り曲げられた状態では、ベースプレートに対して約25°で延在し、対応物に対する挿入が容易となるようになっている。頭部の自由端に近い突出部714は、折り曲げられた後でその下縁710がベースプレートと平行となり、対応物中への保持性を向上させる。
【0069】
図13(a)および(b)には、図12と同様の固定要素が、ペアで1つのレリーフ10中に組み込まれている。また、頭部の自由端に近い突出部714の下縁710は、より大きな角度である約30°〜35°を有している。図13(a)では、固定要素3,3’は、互いに鏡面対称に配置されているが、図13(b)では同じ向きで交互に配置されている。
【0070】
図14(a)および(b)は、本発明に係る取付け装置の固定要素の側面側からの平面図であり、図14(c)は、固定要素の右にある側縁側から平面図である。固定要素は非対称形状であり、突出部14、714が両側に設けられている。視認性を考慮して、側面側からの平面図を2つ示し、関連する符号および角度を、図14(a)と図14(b)に分けて記載している。これらは、図5および図6のものと概ね対応しているが、多くの寸法が非対称の設計であるため、右側と左側に分かれている。左側に配置されているもの寸法については、アポストロフィを付して示す。図5および図6で示されている角度のほか、ベースプレート面に対する、切欠き17または710の後退部下部の角度を示す角度εが導入されている。さらに、後退部の高さh4 も導入されている。関連する部位は大きく湾曲しているので、比較を容易にするため、各突出部において、すべての高さおよび幅寸法は、ベースプレート面に対して水平または垂直方向のいずれかの方向への投影寸法で示される。
【0071】
対称型の実施形態と同様に、非対称型の実施形態に関する寸法と角度を、以下の表中にまとめて示す。
【0072】
【表2】

【0073】
最後に、図15中に、固定要素3を18個有する金属プレートの広い領域の斜視図を示す。図13(a)に示すように、固定要素3はペアになって打抜かれ、これらのペアは互いに鏡面対称となって配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】ワイヤ織布からなる対応物に部分的に取り付けられた状態にある、本発明に係る取付け装置の部分斜視図である。
【図2】本発明に係る取付け装置の前段階を示す部分平面図である。
【図3】図2の前段階から製造された、本発明に係る取付け装置の側面図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明に係る取付け装置を織布からなる対応物に固定する工程を示す図である。
【図5】本発明に係る取付け装置の固定要素の1つの側面を示す平面図である。
【図6】図5に示した固定要素の側縁側を示した図である。
【図7】固定要素が打ち抜かれているが曲げられる前の状態にある、固定要素を備える取付け装置の前段階の一部を詳細に示す平面図である。
【図8】図7に示す固定要素の側面について、固定要素の一部がベースプレート面から曲げられた状態を示す図である。
【図9】図1とは異なる形態の固定要素を有する、本発明に係る取付け装置の部分斜視図である。
【図10】(a)は、固定要素を備える取付け装置の一部を詳細に示した平面図であり、固定要素が打ち抜かれているが曲げられる前の状態を示している。(b)は、(a)の一部を詳細に示した側面図であり、固定要素の頭部がベースプレート面から曲げられた状態を示している。
【図11】さらに別の形態に係る、固定要素を備える取付け装置の前段階の一部を詳細に示した平面図であり、固定要素が打ち抜かれているが曲げられる前の状態を示している。
【図12】さらに別の形態に係る、固定要素を備える取付け装置の前段階の一部を詳細に示した平面図であり、固定要素が打ち抜かれているが曲げられる前の状態を示している。
【図13】(a)および(b)は、さらに別の態様に係る、固定要素を備える取付け装置の前段階の一部を詳細に示した平面図であり、固定要素が打ち抜かれているが曲げられる前の状態を示している。
【図14】(a)〜(c)は、本発明に係る取付け装置の固定要素の一方の側面を示す2つの平面図と、一方の側縁を示す平面図である。
【図15】より多くの固定要素を有する取付け装置のより広い領域を示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の固定要素が備えられた金属ベースプレートを有し、各固定要素の少なくとも一部が、前記ベースプレートの上方に突出している、取付け装置であって、該取付け装置は、
a)前記固定要素の複数のブランクを、各ブランクに1つの接続縁を残した状態で、前記ベースプレートの表面に切り込み、
b)該ブランクの少なくとも一部を、該ブランクの基部に位置する少なくとも1つの折曲げ縁にて、前記ベースプレートから折り曲げる、
ことで得られ、
前記ブランクは、一端に前記接続縁を備えるウェブ状の前記基部と、該基部に隣接する頭部とを有するように形成され、該頭部は、その少なくとも一方側で、隣接する前記基部を超えて側方へ突出し、前記基部と隣接する前記頭部の突出縁は、前記固定要素が前記ベースプレートから折り曲げられた状態で、該ベースプレート面に対して0°〜70°の角度で伸長している、
取付け装置。
【請求項2】
前記頭部の前記突出縁の前記ベースプレート面に対する前記角度が、0°〜60°、特に0°〜45°である、請求項1に記載の取付け装置。
【請求項3】
前記基部は、ストリップ状で、実質的に矩形に形成されている、請求項1または2に記載の取付け装置。
【請求項4】
前記基部は、前記接続縁から離間した側の部分に、後退部または切欠きを有する、請求項1または2に記載の取付け装置。
【請求項5】
前記ウェブの幅は、前記接続縁がある部分で最大である、請求項3または4に記載の取付け装置。
【請求項6】
前記ウェブ状の基部は、前記接続縁がある部分に前記折曲げ縁を1つ有し、および/または、前記接続縁と前記頭部の間の部分で、該基部の長手伸長方向に対して横断して伸長する前記折り曲げ縁を1つ有している、請求項1〜5のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項7】
前記ブランクの前記基部が、湾曲しており、特に、実質的にL字状に湾曲しており、該湾曲の曲率角度が70°〜110°、好ましくは実質的に90°である、請求項1または2に記載の取付け装置。
【請求項8】
前記折曲げ縁は、前記基部の前記湾曲部に位置し、特に、前記基部の側縁の延長線上に位置し、さらに、前記接続縁により、さらなる前記折曲げ縁が形成可能となっている、請求項7に記載の取付け装置。
【請求項9】
前記頭部と、該頭部に隣接する前記基部の少なくとも一部とが、ベースプレート面に対して、70°〜110°、好ましくは85°〜95°、さらに好ましくは、実質的に垂直の角度で折り曲げられている、請求項1〜8のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項10】
前記頭部は、該頭部の自由端に向けてテーパ状になっている、請求項1〜9のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項11】
前記頭部の前記自由端に向けて伸長する上部側縁は、前記ベースプレートに対して垂直であって前記頭部の頂部を通る直線に対して、5°〜85°、好ましくは15°〜60°、さらに好ましくは15°〜45°の角度を形成している、請求項10に記載の取付け装置。
【請求項12】
前記ベースプレートに切り込まれた前記ブランクは、前記基部の両側に前記突出する頭部を有し、好ましくは、該ブランクの長手方向の軸に対して実質的に対称であり、特に、矢印形状またはキノコ形状を有する、請求項1〜11のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項13】
前記ベースプレートに切り込まれた前記ブランクは、前記基部の一方側にのみ、前記突出する頭部を有する、請求項1〜11のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項14】
前記ベースプレートに切り込まれた前記ブランクは、前記基部の上端の両側に前記突出する頭部を有し、該頭部の突出部の下縁は、前記折曲げ縁から異なる距離を有する、請求項1〜11のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項15】
前記折曲げ縁からより遠位に位置する、前記頭部の突出部の下縁は、前記固定要素が前記ベースプレートから折り曲げられた状態で、該ベースプレート面に対して、−45°〜70°、好ましくは−30°〜60°、特に好ましくは−20°〜45°の角度で伸長する、請求項14に記載の取付け装置。
【請求項16】
前記固定要素は、グループまたはペアを形成して配置されている、請求項1〜15のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項17】
前記固定要素は、前記ベースプレートの上方で、異なる方向に突出している、請求項1〜16のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項18】
前記各固定要素は、実質的に同一形状を有し、かつ、前記ベースプレート面上に実質的に均一に分布されている、請求項1〜17のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項19】
前記固定要素は、対応物に係合されている、請求項1〜18のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項20】
前記対応物は、金属製、好ましくはステンレス鋼製、より具体的には、オーステナイトステンレス鋼製、オーステナイトモリブデン鋼製、あるいは、高温合金製、好ましくはニッケル合金製である、請求項19に記載の取付け装置。
【請求項21】
前記対応物は、グラスファイバ製またはセラミックファイバ製である、請求項19に記載の取付け装置。
【請求項22】
前記対応物は、開口率が25%〜75%、好ましくは40%〜70%、特に50%〜65%であり、かつ、メッシュ幅が0.3mm〜18mm、好ましくは0.3mm〜10mm、特に好ましくは0.3mm〜3mmである織布からなる、請求項19〜21のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項23】
前記織布は、直径が0.1mm〜3mm、好ましくは0.2mm〜2mm、さらに好ましくは0.3mm〜1mmの糸により構成されている、請求項22に記載の取付け装置。
【請求項24】
前記頭部が隣接する前記基部を超えて側方へ突出する部分の突出幅は、前記糸の径に対して、少なくとも0.3倍、好ましくは少なくとも0.5倍である、請求項22または23に記載の取付け装置。
【請求項25】
前記固定要素は、2つの隣り合う縦糸または横糸の間に係合する、請求項22〜24のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項26】
前記対応物は、クローシェ布地、ニット布地、ブレイド、スクリム、プラッシュ、またはループフリースである、請求項20または21に記載の取付け装置。
【請求項27】
前記取付け装置は、搬送部品に取り付けられる、請求項1〜26のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項28】
前記取付け装置は、搬送部品と一体化している、請求項1〜26のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項29】
請求項1〜28のいずれかに記載の取付け装置を製造する方法であって、
a)前記固定要素の複数のブランクを、各ブランクに1つの接続縁を残した状態で、前記ベースプレートの表面に切り込み、
b)該ブランクの少なくとも一部を、該ブランクの基部に位置する少なくとも1つの折曲げ縁にて、前記ベースプレートから折り曲げる、
工程を有し、
前記ブランクを、一端に前記接続縁を備えるウェブ状の前記基部と、該基部に隣接する頭部とを有するように形成し、該頭部を、その少なくとも一方側で、隣接する前記基部を超えて側方へ突出させ、前記基部と隣接する前記頭部の突出縁を、前記固定要素が前記ベースプレートから折り曲げられた状態で、該ベースプレート面に対して0°〜70°の角度で伸長させる、
取付け装置の製造方法。
【請求項30】
前記ベースプレートに切り込まれたブランクを、レーザビームまたはパンチを用いて製造する、請求項29に記載の製造方法。
【請求項31】
前記ブランクを切り込む際に、該ブランクの周囲にレリーフを形成する、請求項29または30に記載の製造方法。
【請求項32】
実質的に対向する固定要素からなる少なくとも1つのペアを、前記接続縁で区切られるウェブを、前記切り込まれたブランク間に残した状態で、該ブランクを前記ベースプレート面から互いの方向に折り曲げることにより、生成する、請求項29〜31の何れかに記載の製造方法。
【請求項33】
前記固定要素が、ラスター状に方向付けられ、該固定要素の折曲げ角もラスター状に方向付けられている、請求項29〜31のいずれかに記載の製造方法。
【請求項34】
前記工程a)およびb)は、順送ダイの使用または連続圧延方法により実行される、請求項29〜33のいずれかに記載の製造方法。
【請求項35】
請求項1から28に記載の取付け装置を、建設、医療、家庭用品、および金属加工における部品の固定用、特に、自動車製造における部品の取付け用および振動減衰用として使用する方法。
【請求項36】
内燃機関の分野における部品、特に金属部品の取付け、特に、ヒートシールド、ノイズダンパの取付け、およびエンジンの収納に使用する、請求項35に記載の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図4(c)】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10(a)】
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【図10(b)】
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【図11】
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【図12】
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【図13(a)】
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【図13(b)】
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【図14(a)】
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【図14(b)】
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【図14(c)】
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【図15】
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【公表番号】特表2009−531618(P2009−531618A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501969(P2009−501969)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【国際出願番号】PCT/EP2007/002906
【国際公開番号】WO2007/112987
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(303050078)ラインツーディチュングスーゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】