説明

取付部を有する樹脂部品

【課題】取付孔を有する取付部においてウエルド部での亀裂を防止する。
【解決手段】本体部と射出成形により一体成形された板状の取付部20は、射出成形時に取付孔221の樹脂流れ下流側に生ずるウエルドラインL上で取付部20の端縁23aから延びて突出した突部としての三角突起24を有している。この三角突起24は、射出成形時にウエルドラインLで衝突して合流した合流樹脂が流れ込んで凝固することで形成されたものである。取付孔221を起点として延びるウエルドラインLの端末は、三角突起24の先端まで延びていない。このため、三角突起24により、ウエルド部で発生する亀裂を効果的に抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は取付部を有する樹脂部品に関し、詳しくは取付孔が形成された板状の取付部を有する樹脂部品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、軽量化及び低コスト化等の観点より、自動車部品等、各種分野の部品を樹脂化して樹脂部品とすることが頻繁に行われている。
【0003】
例えば、車体側面の下縁部に取り付けられるサイドマッドガードは、板状等のフィラーが混入された樹脂部品である。なお、サイドマッドガードは、走行中にはね上げられた泥水や小石等から車体を保護して車体の汚れや傷付きを防止する。このサイドマッドガードには、サイドマッドガードを車体に取り付けるための板状の取付部が一体に設けられている。そして、この取付部に形成された取付孔にクリップ等を嵌合することで、サイドマッドガードが車体に取り付けられる。
【0004】
ところが、このような取付部が一体に設けられた樹脂部品を射出成形する場合、取付孔成形用のピン型をキャビティ内に配設する必要がある。このため、キャビティ内を流れる溶融樹脂は、ピン型を避けるようにピン型の両側に分流し、ピン型を通過した後、ピン型の下流側で衝突して合流する。そうすると、図10に示されるように、射出成形後の取付部80には、ピン型によって形成された取付孔81を起点として、射出成形時における衝突前の樹脂流れ方向に対して直角の方向に、取付部80の端縁まで延びるウエルド部82が形成される。
【0005】
このようなウエルド部は、ウエルドラインに沿って樹脂分子が配向するため、他の部位に比べて引っ張り強度が弱く、亀裂の原因となりやすい。特に、板状フィラーが混入された樹脂部品の場合、板状フィラーもウエルドラインと平行に配向することから、亀裂が発生し易くなる。
【0006】
なお、ウエルド部での亀裂を防止するために、ウエルド部の近傍に厚肉補強部を設ける技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、ウエルド部を除いた部位の表面に板厚方向に突出した座面を設け、この座面でボルトの締付応力を受けることで、ウエルド部にボルト締め付け力が直接作用しないようにする技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
しかし、これら特許文献1、2に記載の技術は、いずれも板厚方向における強度の向上を図るもので、本発明とは技術思想が異なる。
【特許文献1】特開2000−142524号公報
【特許文献2】特開平10−47319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、取付孔を有する取付部においてウエルド部での亀裂を防止することを解決すべき技術課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記課題を解決する本発明の取付部を有する樹脂部品は、本体部と、取付孔をもつ板状の取付部とが射出成形により一体成形された取付部を有する樹脂部品において、前記取付部は、射出成形時に前記取付孔の樹脂流れ下流側に生ずるウエルドライン上で該取付部の端縁から延びて突出した突部を有し、前記突部は、射出成形時に前記ウエルドラインで衝突して合流した合流樹脂が流れ込んで凝固することで形成されたものであることを特徴とするものである。
【0011】
ここに、前記「ウエルドライン上で取付部の端縁から延びて突出した」とは、取付部の端縁(すなわち、ウエルドラインの端末)からウエルドラインが延びる方向にそのまま延びて突出する場合の他、ウエルドラインが延びる方向に対して直角又は傾斜する方向に、取付部の端縁(すなわち、ウエルドラインの端末)で一旦屈曲してから延びて突出する場合を含む意味である。
【0012】
本発明の取付部を有する樹脂部品は、取付孔を有する取付部が、この取付部の端縁からウエルドライン上で延びて突出した突部を有している。そして、この突部は、射出成形時にウエルドラインで衝突した樹脂が合流し、その合流した樹脂がウエルドラインの端末(取付部の前記端縁に相当する部位)から逃げるように流れ込んで凝固することで形成されたものである。
【0013】
ここに、前記突部が取付部の端縁に設けられていない従来の取付部において、ウエルド部で発生する亀裂は、取付孔から取付部の端縁に向かって延びるウエルドラインの端末、すなわち取付部の該端縁を起点として発生する。本発明の取付部を有する樹脂部品では、この亀裂の起点となる部分に突部が設けられている。そして、取付孔から延びるウエルドラインの端末はこの突部の先端まで延びていない。すなわち、亀裂の発生起点となるウエルドラインの端末が突部の先端まで延びていない。このため、ウエルド部で発生する亀裂を効果的に抑えることができる。
【0014】
また、合流樹脂がウエルドラインの端末から逃げて流れ込んで形成された突部においては、ウエルド部のように樹脂分子がウエルドラインに沿うように配向しておらず、樹脂の分子配向が乱れている。このため、この突部は、ウエルドラインを境とする両側の樹脂部が互いに離れる方向に引っ張られるような引っ張り力に対して、高い強度を有する。したがって、このような引っ張り力によりウエルド部に亀裂が発生することを、前記引っ張り強度の高い突部により効果的に抑えることができる。
【0015】
さらに、射出成形時にウエルドラインを境として両側から流れてきて合流した両樹脂同士の接合面積が突部の分だけ増大することによっても、ウエルド部近傍の強度が高くなる。
【0016】
よって、本発明の取付部を有する樹脂部品によれば、取付部のウエルド部で亀裂が発生することを効果的に防止することが可能となる。
【0017】
(2)本発明の取付部を有する樹脂部品において、前記突部は、前記取付部が相手部材に取り付けられた取付状態において、該相手部材又はその他の部材と干渉することを避ける方向に延びていることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、取付状態において相手部材又はその他の部材との間の寸法に制約を受けることなく、突部により前記接合面積を増大させることができる。
【0019】
(3)突部の突出先端を起点とする亀裂は、該突出先端が割れることによって発生する。このため、突部の突出先端を開きにくくすることで、亀裂の発生をより効果的に防止できる。この観点においては、突部の突出先端が円形状や矩形状であるよりも先端に角部を有する三角形状の方が、突出先端が開きにくくなり、好ましい。これは、例えば板材の表面に断面U状の溝を設けるよりも、断面V状の溝(ノッチ)を設ける方が、溝部分に応力がより集中して折れ易くなるのと同様の理屈である。
【0020】
したがって、本発明の取付部を有する樹脂部品において、前記突部は、突出先端に角部を有する三角突起よりなることが好ましい。
【0021】
ここに、前記「角部」には、鋭角部、直角部及び鈍角部が含まれる。ただし、突部の突出先端を開きにくくして亀裂の発生をより効果的に防止する観点から、前記三角突起の突出先端の角部は、鈍角部よりも直角部の方が好ましく、直角部よりも鋭角部の方が好ましい。
【0022】
(4)本発明の取付部を有する樹脂部品において、前記突部は、前記取付部の端縁との境界部に薄肉のインテグラルヒンジを有する板片よりなることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、取付部を相手部材に取り付ける際に、インテグラルヒンジの部分で折り曲げて変形させることで、板片よりなる突部が延びる方向をある程度自由に、かつ容易に変えることができる。このため、取付状態において相手部材又はその他の部材と突部とが干渉することを容易に回避することができる。したがって、相手部材又はその他の部材との間の寸法に制約を受けることなく、突部により前記接合面積を増大させることができる。
【0024】
(5)本発明の取付部を有する樹脂部品は、板状フィラーを含有していることが好ましい。
【0025】
前述のとおり、板状フィラーが混入された樹脂部品のウエルド部は、板状フィラーがウエルドラインと平行に配向するので、引っ張り強度が低くなり亀裂が発生しやすい。この点、本発明の取付部を有する樹脂部品では、前記突部によって、亀裂の発生を効果的に抑えることができる。このため、板状フィラーによりウエルド部以外での強度アップを図りながら、ウエルド部で発生する亀裂も効果的に防止することができる。
【0026】
また、合流樹脂がウエルドラインの端末から逃げて流れ込んで形成された突部においては、板状フィラーの配向が乱れている。このため、この突部においては、板状フィラー同士の絡み合いにより機械的結合力の増大、ひいては引っ張り強度の向上が期待できる。したがって、板状フィラーの絡み合いによる突部自体の引っ張り強度の向上により、ウエルド部で発生する亀裂をより効果的に抑えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。本実施形態では、本発明の取付部を有する樹脂部品を車両用のサイドマッドガードに適用する例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】
(実施形態1)
図1の斜視図に全体構成が示される、実施形態1に係る樹脂部品としてのサイドマッドガード1は、車体の前後のホイールアーチ(図示せず)間にわたる長尺体で、車体側面の下縁部に取付けられるものである。
【0029】
このサイドマッドガード1は、板状フィラー(タルク:鉱物を微粉砕した無機物)を含有するPP(ポリプロピレン)製で、射出成形により一体成形されたものである。
【0030】
本発明の樹脂部品の樹脂材料としては、射出成形可能なものであれば特に限定されず、PPの他に、ポリエチレン(PE)やポリアミド(PA)等の熱可塑性樹脂を適宜選択して用いることができる。また、板状フィラーを含有するものであっても、含有しないものであってもよい。さらに、フィラーの種類や形状も特に限定されず、板状フィラーの代わりに繊維状フィラーを含有するものであってもよく、またその他の充填材を含有するものであってもよい。
【0031】
このサイドマッドガード1は、長尺状の本体部10と、本体部10の下端縁(長手方向に延びる長辺側の一方の端縁)に一体に設けられた複数の取付部20とを有している。本体部10の長手方向に延びる両端部には、取付部20が取り付けられる相手部材としてのボディパネル(図示せず)の両端部を覆う被覆部30、30が設けられている。
【0032】
各取付部20は、本体部10の下端縁から一体に延びる断面略L字状の板状体よりなる。各取付部20は、図2及び図3に示されるように、本体部10側の基部21と、この基部21の先端から屈曲して平坦状に延びる先端平坦部22と、この先端平坦部22の先端から本体部10側に戻るよう屈曲して延びるフランジ部23とを有している。また、先端平坦部22に取付孔221が貫設されている。
【0033】
ここに、実施形態1に係る各取付部20は、さらに、フランジ部23の先端縁から延びて突出した突部を有している。このため、実施形態1においては、突部は、ウエルドラインLの延長線上にあり、取付部20のフランジ部23の端縁23aからウエルドラインLが延びる方向にそのまま延びて突出している。なお、実施形態1においては、先端平坦部22の先端からフランジ部23が屈曲して延びているため、取付孔221を起点とするウエルドラインL自体が途中で屈曲してからフランジ部23の端縁23a(すなわち、ウエルドラインLの端末)まで延びている。
【0034】
この突部は、突出先端に角部241を有する三角突起24よりなる。三角突起24の角部241はウエルドラインLの延長線上にある。なお、三角突起24の角部241の角度については、図3では略直角とされているが、前述のとおりこれに限られるものではない。
【0035】
この突部としての三角突起24は、サイドマッドガード1の射出成形時に取付孔221を成形するためのピン型(図示せず)の樹脂流れ下流側に生ずるウエルドラインL(図4参照)上で取付部22のフランジ部23の端縁23aから延びて突出している。また、この突部としての三角突起24は、サイドマッドガード1の射出成形時にウエルドラインLで衝突して合流した合流樹脂が流れ込んで凝固することで形成されたものである。
【0036】
ここに、図4に示す矢印は、射出成形時の樹脂流れ方向及び射出成形後の樹脂分子の配向方向を概略的に示すものである。この図4からわかるように、射出成形時にウエルドラインLで衝突して合流した合流樹脂は、ウエルドラインの端末から三角突起24側のキャビティ部分に逃げて流れ込む。このため、この三角突起24を成形するキャビティ部分における合流樹脂はほぼ乱流状態にある。したがって、射出成形後の三角突起24においては、ウエルド部のように樹脂分子がウエルドラインLに沿うように配向しておらず、樹脂の分子配向が乱れている。
【0037】
また、この突部としての三角突起24は、取付部20が相手部材としてのボディパネル2に取り付けられた取付状態において、ボディパネル2と干渉することを避ける方向に延びている(図5参照)。
【0038】
すなわち、実施形態1のサイドマッドガード1は、図5に示されるように、各取付部20の取付孔221に嵌合するクリップ3をボディパネル2の被取付孔に係合させることで、ボディパネル2に取り付けられる。
【0039】
このサイドマッドガード1は、ウエルドラインLの端末に三角突起24が設けられている。そして、取付孔221から延びるウエルドラインLの端末はこの三角突起24の先端まで延びていない。すなわち、亀裂の発生起点となりうるウエルドラインLの端末が三角突起24の先端まで延びていない。このため、ウエルド部で発生する亀裂を効果的に抑えることができる。
【0040】
また、合流樹脂がウエルドラインLの端末から逃げて流れ込んで形成された三角突起24においては、ウエルド部のように樹脂分子がウエルドラインLに沿うように配向しておらず、樹脂の分子配向が乱れている。同様に、三角突起24においては、板状フィラーもウエルドラインLに沿うように配向しておらず、配向が乱れている。しかも、この三角突起24においては、板状フィラーが絡み合うことで機械的な結合力が発生している。このため、この三角突起24は、ウエルドラインLを境とする両側の樹脂部が互いに離れる方向に引っ張られるような引っ張り力に対して、極めて高い強度を有する。したがって、このような引っ張り力によりウエルド部に亀裂が発生することを、引っ張り強度の高い三角突起24により極めて効果的に抑えることができる。
【0041】
さらに、射出成形時にウエルドラインLを境として両側から流れてきて合流した両樹脂同士の接合面積が三角突起24の分だけ増大することによっても、ウエルド部近傍の強度が高くなる。
【0042】
加えて、突部として、突出先端に角部241を有する三角突起24を採用しているので、この三角突起24の突出先端を起点とする亀裂が発生しにくくなっている。
【0043】
よって、実施形態1のサイドマッドガード1によれば、取付部20のウエルド部で亀裂が発生することを極めて効果的に防止することが可能となる。
【0044】
また、突部としての三角突起24は、取付状態においてボディパネル2と干渉することを避ける方向に延びているので、三角突起24を設けることにおいて、ボディパネル2との間の寸法に制約を受けることがない。
【0045】
(実施形態2)
図6〜図8に要部が示される実施形態2に係るサイドマッドガード1は、各取付部20がフランジ部23を有しないこと、及び突部の形状を変更したこと以外は、前記実施形態1に係るサイドマッドガードと同様の構成を有する。
【0046】
すなわち、実施形態2のサイドマッドガード1における各取付部20は、本体部10側の基部21と、この基部21の先端から屈曲して平坦状に延びる先端平坦部22とを有している。また、実施形態1と同様、先端平坦部22に取付孔221が貫設されている。
【0047】
また、このサイドマッドガード1における突部は、取付部22の先端平坦部22の端縁22aとの境界部に薄肉のインテグラルヒンジ25を有する板片26よりなる。このインテグラルヒンジ25及び板片26は、ウエルドラインLの延長線上にあり、取付部20の先端平坦部22aの端縁22aからウエルドラインLが延びる方向にそのまま延びて突出している。なお、実施形態2においては、取付孔221を起点とするウエルドラインLが途中で屈曲することなく、先端平坦部22の端縁22a(すなわち、ウエルドラインLの端末)まで直線状に延びている。
【0048】
この突部としてのインテグラルヒンジ25及び板片26は、実施形態1の三角突起24と同様、サイドマッドガード1の射出成形時に取付孔221を成形するためのピン型(図示せず)の樹脂流れ下流側に生ずるウエルドラインL上で取付部22の端縁22aから延びて突出しており、また、サイドマッドガード1の射出成形時にウエルドラインLで衝突して合流した合流樹脂が流れ込んで凝固することで形成されたものである。
【0049】
この実施形態2のサイドマッドガード1によれば、図8に示されるように、取付部20をボディパネル2に取り付ける際に、インテグラルヒンジ25の部分で折り曲げて変形させることで、板片26が延びる方向をある程度自由に、かつ容易に変えることができる。このため、取付状態においてボディパネル2と板片26とが干渉することを容易に回避することができる。したがって、ボディパネル2との間の寸法に制約を受けることなく、板片26により前記接合面積を増大させることができる。
【0050】
実施形態2のサイドマッドガード1のその他の作用効果については、三角突起24の角部241による作用効果を有しないことを除き、前記実施形態1の作用効果と同様である。
【0051】
(実施形態3)
図9に要部が示される実施形態3に係るサイドマッドガード1は、各取付部20がフランジ部23を有しないこと、及び突部の形状を変更したこと以外は、前記実施形態1に係るサイドマッドガードと同様の構成を有する。
【0052】
すなわち、実施形態3のサイドマッドガード1における各取付部20は、本体部10側の基部21と、この基部21の先端から屈曲して平坦状に延びる先端平坦部22とを有している。また、実施形態1と同様、先端平坦部22に取付孔221が貫設されている。
【0053】
このサイドマッドガード1における突部は、実施形態1と同様、突出先端に角部241を有する三角突起24よりなる。この三角突起24は、取付部20がボディパネル2に取り付けられた取付状態において、ボディパネル2と干渉することを避ける方向に延びている。
【0054】
また、三角突起24は、ウエルドラインL上で、取付部22の先端平坦部22の端縁22aから延びて突出している。ただし、取付部22の先端平坦部22の端縁22a(すなわち、ウエルドラインLの端末)からウエルドラインLが延びる方向にそのまま延びて突出するのではなく、ウエルドラインLが延びる方向に対して略直角方向に、端縁22aで一旦屈曲してから延びて突出している。
【0055】
したがって、実施形態3のサイドマッドガード1は、前記実施形態1の作用効果と同様の作用効果を奏する。
【0056】
(その他の実施形態)
突部の形状は、三角形状や矩形状に限らず、略半円状等であってもよい。また、それぞれ異なる方向に延びる突部を複数個設けてもよい。例えば、図9に示す実施形態3において、ボディパネル2との間の寸法の制限内で、先端平坦部22の端縁22aからウエルドラインLが延びる方向にそのまま延びて突出する突部(三角突起や半円形突起等)を、別途設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施形態1に係り、取付部を有する樹脂部品としてのサイドマッドガードの全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施形態1に係り、前記サイドマッドガードの要部たる取付部を示す斜視図である。
【図3】実施形態1に係り、前記サイドマッドガードの要部たる取付部を示す正面図である。
【図4】実施形態1に係り、ウエルド部付近の樹脂流れ等を説明する図である。
【図5】実施形態1に係り、前記サイドマッドガードの取付状態を示す部分断面図である。
【図6】実施形態2に係るサイドマッドガードの要部たる、取付部を示す斜視図である。
【図7】実施形態2に係り、前記サイドマッドガードの要部たる、取付部を示す部分断面図である。
【図8】実施形態2に係り、前記サイドマッドガードの取付状態を示す部分断面図である。
【図9】実施形態3に係るサイドマッドガードの要部たる、取付部を示す斜視図である。
【図10】従来の樹脂部品の取付部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1…サイドマッドガード(樹脂部品) 2…ボディパネル(相手部材)
10…本体部 20…取付部
22a、23a…端縁 221…取付孔
24…三角突起(突部) 241…角部
25…インテグラルヒンジ 26…板片(突部)
L…ウエルドライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、取付孔をもつ板状の取付部とが射出成形により一体成形された取付部を有する樹脂部品において、
前記取付部は、射出成形時に前記取付孔の樹脂流れ下流側に生ずるウエルドライン上で該取付部の端縁から延びて突出した突部を有し、
前記突部は、射出成形時に前記ウエルドラインで衝突して合流した合流樹脂が流れ込んで凝固することで形成されたものであることを特徴とする取付部を有する樹脂部品。
【請求項2】
前記突部は、前記取付部が相手部材に取り付けられた取付状態において、該相手部材又はその他の部材と干渉することを避ける方向に延びていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂部品。
【請求項3】
前記突部は、突出先端に角部を有する三角突起よりなることを特徴とする請求項1又は2に記載の取付部を有する樹脂部品。
【請求項4】
前記突部は、前記取付部の端縁との境界部に薄肉のインテグラルヒンジを有する板片よりなることを特徴とする請求項1に記載の取付部を有する樹脂部品。
【請求項5】
板状フィラーを含有していることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか一つに記載の取付部を有する樹脂部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−23154(P2009−23154A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−187311(P2007−187311)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】