説明

取外し可能なメモリ中のデータの管理方法

本発明は、取外し可能なメモリ中のデータを管理する方法を提供する。この方法は、前記取外し可能なメモリの記憶媒体のファイル管理システムを前記メモリチップの使用にしたがって適用し、編成し、確立し、あるいは再度作成し、前記ファイル管理システムと接続されたホストシステムの動作命令にしたがって前記メモリチップ中で対応した処理を行うために前記ファイル管理システムを使用するステップを含んでいる。本発明により提供される取外し可能なメモリ中のデータの管理方法を適用することにより、取外し可能なメモリの容量を大きくすることができ、記憶媒体を更新することができ、したがってデータセキュリティ、システムの機能および便利性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータの記憶に関し、とくに、複数のメモリチップを備えており、それらメモリチップの増加、減少および交換を行うことのできる取外し可能な記憶装置に対するデータ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、データを記憶するために記憶媒体を使用する取外し可能な記憶装置が広く使用されている。しかしながら、技術的な制限のために、現在の取外し可能な記憶装置のほとんどは、記憶容量の限られた記憶媒体しか設けられず、チップ中にカプセル化されていて取外されることができない。記憶容量を超える大量のデータの記憶および転送が必要とされた場合、取外し可能な記憶装置は交換されなければならず、あるいは新しい取外し可能な記憶装置が購入されなければならない。さらに、取外し可能な記憶装置中の一部が損傷した場合、損傷を受けていない制御装置、メモリチップ等を含む取外し可能な記憶装置全体が廃棄され、メモリチップが依然として良好な状態である場合にもそのユーザのデータは失われる。これら欠点の2つの特徴のために、取外し可能な記憶装置の応用が制限され、その結果使用が不便となると共に無駄が生じ、また、データセキュリティにおいてユーザが影響を受ける。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
中国特許出願第 03159669.X号(“Attachment Apparatus for Storage Medium and Removable Storage Device Using the Same”)には、交換可能なメモリチップを備えた取外し可能な記憶装置が開示されており、したがって取外し可能な記憶装置中のメモリチップを交換し、あるいは拡張し、その取外し可能な記憶装置のメモリ容量を変更すると共に、データ記憶を容易にすることができる。しかしながら、この特許出願には、メモリチップ用の取付け装置と、この取付け装置を使用する取外し可能な記憶装置が開示されているに過ぎない。このような取外し可能な記憶装置は適切に機能しない可能性があり、あるいはチップの交換中に存在しているデータを失う可能性があり、したがってユーザのデータの安全性が危険にさらされる可能性がある。したがって、このような取外し可能な記憶装置の利用はむしろ制限される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来技術における取外し可能な記憶装置の欠点を考慮して、また、データ記憶セキュリティのために、チップの交換後に取外し可能な記憶装置を適切に動作させると共にデータセキュリティを高めるための取外し可能な記憶装置におけるデータ管理方法が提供される。
【0005】
上述の目的を達成するために、交換可能なメモリチップを有する取外し可能な記憶装置においてデータを管理する方法が提供され、その方法は、前記メモリチップの使用にしたがって取外し可能な記憶装置の記憶媒体に対するファイル管理システムを適用し、編成し、確立し、あるいは再度構築して、取外し可能な記憶装置と接続されたホストシステムの動作命令にしたがってメモリチップ中で対応した処理を行うためにファイル管理システムを使用するステップを含んでいる。
【0006】
ホストシステムは、取外し可能な記憶装置のメモリチップの情報にしたがってその取外し可能な記憶装置に対する1以上のディスク記述子を生成することができる。
【0007】
あるメモリチップを使用することにより、取外し可能な記憶装置の制御装置がその取外し可能な記憶装置内のメモリチップの量を読出して各メモリチップの記憶容量の情報を獲得する状態が示される。
【0008】
取外し可能な記憶装置は、この取外し可能な記憶装置をホストシステムに接続するホストインターフェースと、取外し可能な記憶装置の動作を制御する制御装置と、少なくとも1つのメモリチップと取外し可能な方式で取付けられたメモリチップ用の取付け装置とを備え、メモリチップはメモリチップ用の取付け装置によってホストインターフェースおよび制御装置と電気的に接続され、制御装置の制御の下にデータの読出しおよび書込みを行う。
【0009】
本発明によるメモリチップには、フラッシュメモリ、DRAM、EEPROM、SRAM、SDRAM、FRAM、MRAM等を含む半導体メモリチップが含まれてもよく、それらのメモリチップは、使用されたメモリチップ、すなわち、初期化され、分割され、あるいはアクセスされたことのあるメモリチップであることができ、一方メモリチップはまた未使用のメモリチップ、すなわち、チップ製造業者から出荷された使用されたことのない元のチップであることができる。
【0010】
ファイル管理システムのタイプには、ウインドウズOSにおいて使用されるFAT12、VFAT、FAT16、FAT32、CDFS、NTFSまたは別のファイル管理システムおよびそれらの更新されたバージョン、ならびにUNIXまたはLINUXにおいて使用されるEXT2、EXT3、JFFS、NFS、RAMFS、HPFS、CRAMFSまたは別のファイル管理システムおよびその更新されたバージョンが含まれるが、それだけに限定されない。
【0011】
本発明で提供される取外し可能な記憶装置におけるデータを管理する方法により、取外し可能な記憶装置の容量は増加されることができ、記憶媒体は交換または更新されることができる。また、取外し可能な記憶装置のチップはデータを記憶するために使用されることができ、したがって取外し可能な記憶装置の機能および便利さが改善され、それによって取外し可能な記憶装置の動作が容易になり、データセキュリティが高められ、このシステムの使用が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の本発明の実施形態の詳細な説明および添付図面から、本発明の原理および特徴が当業者によってさらによく認識されるであろう。
図1を参照すると、本発明は、取外し可能で交換可能な記憶媒体を備えた取外し可能な記憶装置に適用可能である。取外し可能な記憶装置はホストインターフェース1 と、制御装置(示されていない)と、メモリチップ2 中にカプセル化された記憶媒体とを備え、また、取付け装置を備えている。メモリチップは取付け装置中に取外し可能な方式で取付けられる。この取付け装置はベース3 と、上部カバー4 とを備え、ベース3 は電気接続を行う弾性部材31を備えている。弾性の電気接続部材31はベース3 中に設けられたメモリチップ2 、ベース3 の外部のホストコネクタ1 、および制御装置に電気的に接続されている。この弾性の電気接続部材31はメモリチップ2 を取外し可能にぴったりと押し付けている。
【0013】
本発明において使用される取外し可能な記憶装置の取付け装置は、2以上のメモリチップ2 を収容することができる。取付け装置のベース3 上に設けられた接続部材31は各メモリチップ2 のピンに電気接続されることができ、その接続部材31はまた、各メモリチップ2 にそれぞれ対応したチップ選択ピンを備えている。それらのチップ選択ピンは、各メモリチップ2 の対応したチップ選択ピンにそれぞれ接続され、別のピンはメモリチップ2 の別のピンに接続される。
【0014】
以下、メモリチップ2 が取外し可能な記憶装置中にロードされた後の取外し可能な記憶装置によるチップ2 の初期化プロセスを説明する。
【0015】
現在のオペレーティングシステムの技術規格によると、ファイル管理システム(共通のFATテーブルがその一例である)はメモリスペースを管理するための重要なツールであり、オペレーティングシステムによるこのメモリスペース中でのデータファイルの操作はFATテーブルに依存していなければならない。このテーブルはディスクデータの各クラスタおよび記憶アドレスの使用および分散状態を記録し、各ファイルはそれらのクラスタアドレスを指定するために1組の接続されたFATリンクを備えている。FATテーブルが損傷すると、その結果としてファイルおよびデータ内容は失われる。
【0016】
半導体記憶装置の現在の技術および規格によると、未使用のメモリチップのメモリスペース中の全てのビットはデータ情報を全く持たない論理“1”であり、一方使用されたメモリチップ中にはデータとFATテーブルが存在し、そのメモリスペースは全てが論理“1”というわけではない。論理“0”ブロック中に存在するのは全て論理“1”というわけではないことが明らかである。メモリチップが使用されたか否かは、この相違にしたがってメモリチップの論理“0”で情報を読出すことにより判断されることができる。
【0017】
本発明の取外し可能な記憶装置においては、複数のメモリチップは取外し可能な記憶装置中に一度にロードされることができ、あるいはチップは既存のチップ上に積重ねられることができる。その代りに、メモリチップ用の取付け装置は、このメモリチップ用の取付け装置によってメモリチップを追加し、および、または交換するように既存の取外し可能な記憶装置に加えて設けられることができる。いわゆる既存の取外し可能な記憶装置とは、メモリチップの一部が固定されて取外しできない取外し可能な記憶装置のことである。
【0018】
ユーザにより設置されたメモリチップは、それが使用済みチップ、すなわち、初期化または分割を行われたことのないチップであるか否かを決定するために取外し可能な記憶装置によってチェックされる。そのチップが使用されたことのない空白のチップである場合、そのチップは取外し可能な記憶装置によりフォーマット化され、FATテーブルを書込まれる。チップが使用済みチップであり、FATテーブルを有している場合、このチップはフォーマット化される必要がなく、すぐに使用されることができる。
【0019】
使用済みチップを含む2以上のチップが取外し可能な記憶装置中に一度にロードされた場合、取外し可能な記憶装置により全てのチップが分類されて処理され、その後使用済みチップ中のFATテーブル情報を組合せて全てのメモリチップのメモリスペースを管理するFATテーブルを生成するためにひとまとめにして初期化される。通常の使用のために、取外し可能な記憶装置中にロードされたメモリチップはFATテーブルによって集合的に編成されて管理される。
【0020】
使用されたチップ中の有用なデータを保護するために、複数のチップ中の使用されたチップのFATテーブルは、FATテーブルが記憶装置全体の内部のデータを管理すると共にデータファイルのセキュリティを確保することができるように組合せられ、修正され、あるいは再構成されなければならない。
【0021】
初期化プロセスの詳細は以下のとおりである:
N個の使用されたチップおよびM個の未使用チップは、取外し可能な記憶装置中にロードされ、その後、取外し可能な記憶装置はホストと接続される。取外し可能な記憶装置の制御装置は、ホストを通じてパワーオンされた後に取外し可能な記憶装置中に自動的にロードされたメモリチップの全てのIDを読出してメモリチップの量を決定し、全てのメモリチップの容量を獲得する。
【0022】
その後、チップが制御装置によって分類される。その詳細なプロセスは次のとおりである:制御装置は、それが論理“0”ブロックが全て論理“1”というわけではない第1のチップ(すなわち、使用されたチップ)に遭遇するまで、チップのIDの順序またはチップ選択ユニットの順序にしたがって順に各チップの論理“0”ブロックを読出し、それを0の物理アドレスを有するチップとみなす。全てが論理“1”というわけではない論理“0”ブロックを有するN個のチップは上記と同じ方法により見出され、その後それらは物理アドレスの第1のチップ、物理アドレスの第2のチップ、…物理アドレスの第Nのチップと順次みなされる。論理“0”ブロックとは、メモリチップに対する論理アドレスをコンパイルしたときの開始ブロック、すなわち、論理アドレスの第1のブロックである。FATテーブルおよび比較テーブルは、現在のオペレーティングシステムおよびディスク管理規格にしたがってこのブロック中に書込まれなければならない。
【0023】
その後、制御装置は、論理“0”ブロックが全て論理“1”である残りのM個のチップ(すなわち、未使用のチップ)を物理アドレスの第N+1番目のチップ、物理アドレスの第N+2のチップ…物理アドレスの第N+Mのチップとしてコンパイルする。
【0024】
これまでにチップの分類は終了している。チップの物理アドレスは、第0のチップからスタートして第N+Mのチップまで上記の順序にしたがって分類されている。取外し可能な記憶装置の全体的なメモリスペースは、全てのチップのメモリスペースの和である。
【0025】
その後、制御装置は、N個の使用されたチップのファイル情報を配列して再構成し、それらのアドレスを変更する。アドレスは、上述したメモリチップの分類方法にしたがって変更される。データファイルの情報管理原理は、FATファイルシステムの管理方法に基づいており、ホストシステムによって認識されることのできるFATファイルシステムは、実際の記憶アドレスの変更結果にしたがって再生され(すなわち、N個の使用されたチップの物理的記憶領域の相対的アドレスは分類のために変更されており)、全てのデータファイルのメモリスペース全体および新しいアドレス情報が組合せられて新しいFATテーブルにされ、これは制御装置のデフォルトアドレスにしたがってメモリチップ中に書込まれる(デフォルトアドレスはメモリチップの分類結果によって決定され、組合せの方法および原理はFATファイルシステムの管理方法である)。
【0026】
Nが0である、すなわち、取外し可能な記憶装置中に設置されたチップが全て未使用チップである場合、取外し可能な記憶装置の制御装置は、分類が終了した後にファイルアドレスを変更する必要がなく、したがってメモリスペースを編成してそれをFATテーブル中に直接書込む。
【0027】
ユーザが取外し可能な記憶装置のメモリチップを変更するたびに、たとえば、チップの追加、交換または除去等が行われるたびに、制御装置は、取外し可能な記憶装置中に設置された全てのメモリチップに関して上述した初期化手続きを行わなければならない。
【0028】
以下、取外し可能な記憶装置によってメモリチップを操作する手続きを、2個のメモリチップを備えた取外し可能な記憶装置を参照にして説明する。
【0029】
ここにおける実施形態においては、取外し可能な記憶装置は2個のメモリチップを備え、第1のチップは容量が64Mのフラッシュメモリチップを使用し、第2のチップは容量が128Mのフラッシュメモリチップを使用する。第1のチップおよび第2のチップは取付け装置中に順次取付けられる。本発明の実施形態によるホストコネクタはUSB規格に合ったユニバーサルインターフェースを使用し、ホストに接続され、その標準的なUSBインターフェースによってデータを転送する。
【0030】
メモリスペースは複数の記憶ブロックに分割される。各記憶ブロックは、アドレスの情報を記憶する領域を含む複数のページに分割され、記憶ブロックの論理アドレスは比較テーブル中のアドレスの情報に対応している。この対応した指定された論理アドレス(以降、指定された論理アドレスと呼ばれる)は、データ操作命令中のその指定されたアドレスにしたがってアドレス変更することにより発生されることができる。比較テーブルは、指定された論理アドレスにしたがって参照され、その後その指定された論理アドレスに対応した論理アドレスが見出され、その論理アドレスに対応した物理アドレスが見出され、それによって指定された記憶ブロックが記憶媒体から見出される。ここにおけるアドレス変換方法は、上述した指定されたアドレスの変換の動作において使用されることができる。
【0031】
本発明の実施形態においては、取外し可能な記憶装置のメモリスペースは、異なった記憶容量を有する第1のチップおよび第2のチップから構成されている。初期化手続きの後、第1のチップはメモリスペースの物理アドレスのチップ0になり、第2のチップはメモリスペースの物理アドレスの第1のチップになり、チップのメモリスペースの物理アドレスが連続する。第1のチップの物理アドレスは0を開始アドレスとして設定し、63を終了アドレスとして設定する。一方第2のチップは64を開始アドレスとして設定し、191を終了アドレスとして設定する。
【0032】
ホストからの動作命令により、この実施形態の取外し可能な記憶装置は各チップの記憶容量にしたがってチップを選択してアドレスする。アドレスしてチップ選択する命令のプロセスは以下のとおりである:
データ操作命令の中の指定されたアドレスが読出され、物理アドレスに変換され、その後その獲得された物理アドレスは第1のチップの記憶容量と比較される。
【0033】
物理アドレスが第1のチップの容量を超えない場合、指定された物理アドレスは第1のチップの範囲内のものであり、したがって対応した記憶ブロックは第1のチップ内において見出されなければならない。物理アドレスが第1のチップの容量を超えている場合、指定された物理アドレスは第2のチップの範囲内のものである。ここでは、その獲得された物理アドレスは第1のチップおよび第2のチップの容量の和と比較されなければならず、その物理アドレスが第1のチップおよび第2のチップの容量の和を超えている場合、その指定された物理アドレスはメモリスペースの範囲を超え、したがって制御装置はエラー情報を戻す。物理アドレスが第1のチップおよび第2のチップの容量の和を超えない場合、その指定された物理アドレスは第2のチップの範囲内のものであり、ここでは対応した記憶ブロックが指定された物理アドレスにしたがって第2のチップ中において見出されなければならない。
【0034】
N個のチップが取外し可能な記憶装置中に取付けられている場合、そのアドレスする方法は上述した方法に類似したものになる。すなわち、指定された物理アドレスは、その指定された物理アドレスを有するチップが見出されるまで第1のチップから第Nのチップまでの容量の累算値と比較される。全てのチップの全体的な容量が指定された物理アドレスより少なかった場合、その指定された物理アドレスはその範囲を超えたものであり、制御装置はエラー情報を戻す。
【0035】
本発明の取外し可能な記憶装置は、ホストに対するアクセス制御と取外し可能な記憶装置に対するアクセス制御とを行うことのできるアイデンティティ認証方式を有することができる。アイデンティティ認証は上記の2つのタイプのアクセス制御のために必要である。ユーザは、アイデンティティ認証方式のエネーブル/ディスエーブル、ユーザ名およびパスワード、アクセス機関、アイデンティティ認証方式の設定機関等が設定項目に含まれることのできるアイデンティティ認証を設定することができる。取外し可能な記憶装置は、このアイデンティティ認証方式に基づいてアクセス制御を行う。
【0036】
本発明の実施形態における取外し可能な記憶装置はまた、マルチユーザ動作をサポートする。多数のユーザはユーザ名を使用して互いに区別され、各ユーザは仮想メモリスペースを有することができる。仮想メモリスペースは別のユーザに対して隠されてもよいし、開かれていてもよく、仮想メモリスペースのボリュームはさまざまであることができる。マルチユーザストラテジは、たとえば、フラッシュディスク暗号化の技術等の、最新の技術を使用して実現されることができる。一般に、制御装置はメモリチップの連続したメモリ容量を種々のユーザの要求に応じた定まった容量を有する複数の記憶ブロックに分割して、その定まった容量を有する1つのメモリディスクを各ユーザに割当てる。これらのユーザに対して、その動作可能なスペースは割当てられた仮想スペースであり、共通の記憶スペースは定まったアクセスパスワードを与えられている。
【0037】
図2は、上述の取外し可能な記憶装置の、ホストとの接続およびデータ動作を実現する本発明の1実施形態における手続きを示している。
【0038】
図2を参照すると、ステップ1において第1のチップおよび第2のチップが取外し可能な記憶装置の取付け装置中に順次ロードされ、それによって記憶媒体と取外し可能な記憶装置のホストコネクタ、制御装置等との間に電気接続を設定する。取外し可能な記憶装置は、ホストコネクタによってホストの対応したインターフェースに接続される(ステップ2)。ホストの対応したインターフェースが接続された装置を検出したとき、ホストは接続された取外し可能な記憶装置に電力を供給する(ステップ3)。
【0039】
その後、ホストは取外し可能な記憶装置に問合せ命令を送って、取外し可能な記憶装置の記述子を問合せる。取外し可能な記憶装置はその問合せ命令にしたがって制御装置から装置記述子を獲得する。装置記述子は、取外し可能な記憶装置が複数のディスク記述子を与えることを示すタグを含んでいる。取外し可能な記憶装置は、装置命令記述子をホストに戻す(ステップ4)。記述子を受取ると、ホストは取外し可能な記憶装置にアドレスを割当てる(ステップ5)。
【0040】
その後、ホストは再び問合せ命令を送って、構成、端末およびインターフェース記述子を問合せ、取外し可能な記憶装置はその問合せ命令にしたがって記述子を獲得し、それらをホストに戻す(ステップ6)。これら記述子は、発生されなければならないディスク記述子の数を示すシンボルである最大のサポートされた論理ユニット(LUN)の情報を含んでいる。ホストは、その戻された記述子が基準を満足させるか否かをチェックする(ステップ7)。記述子が基準を満足させなかった場合、ホストは装置に対する構成を禁止する。最初の問合せ記述子に戻る前に問合せ命令が再び送られる(ステップ8)。3回目に受取られた記述子が基準を満足させなかった場合、その問合せは停止され、装置構成は終了される。
【0041】
記述子が基準を満足させた場合、ホストは、装置に対する構成を可能にする命令を取外し可能な記憶装置に送る(ステップ8)。取外し可能な記憶装置の一連の構成動作が行われる。
【0042】
ホストは、機器製造業者、製品名、記憶容量等を含む装置関連情報を問合せを指示する命令を送って(ステップ9)、対応した機器ドライバをスタートさせ、インターフェース、ターミナル(パイプ)を選択し、伝送モードを決定する。取外し可能な記憶装置は問合せ命令に応答して、上記の情報をフィードバックする(ステップ10)。ホストは取外し可能な記憶装置に対してその要求にしたがって1以上のディスク記述子を割当てる(ステップ11)。この状態でホストが取外し可能な記憶装置を認識して構成するプロセスが終了する。本発明においては、取外し可能な記憶装置のディスク記述子の数は、取外し可能な記憶装置中にロードされたメモリチップの量と同じであることができる。また、メモリチップを複数の異なった区分に分割し、これら区分の数と取外し可能な記憶装置のディスク記述子の数を等しくすることができる。
【0043】
その後、ホストは取外し可能な記憶装置へのユーザの命令を受取って、その命令を取外し可能な記憶装置に送る(ステップ12)。取外し可能な記憶装置の制御装置が命令を受取った(ステップ13)後、その命令は説明されて実行される(ステップ14)。命令実行の結果、システム情報、動作データ等はホストにフィードバックされる(ステップ15)。ユーザが取外し可能な記憶装置の取外しを指示する命令を送るまでユーザの命令を実行するために上記の動作が繰返される(ステップ16)。
【0044】
取外し可能な記憶装置の取外しを指示する命令を受取った後、ホストはユーザ情報を保存し(ステップ17)、そのユーザの全ての動作タスクを終了し、取外し可能な記憶装置をパワーオフする(ステップ18)。ここで、取外し可能な記憶装置はホストとの接続を遮断され、プロセス全体が終了される。上記のプロセスにおいて、取外し可能な記憶装置に対する基本的な命令には、データの書込み、データの読出し、フォーマット化する動作、ユーザ切替え動作およびアイデンティティ認証等が含まれる。動作のタイプに応じて、取外し可能な記憶装置は異なる実行プロセスを行うことができる。図3はデータ動作の詳細な実行プロセスを示しており、これについて以下説明する。
【0045】
アイデンティティ認証に関して、ホストは認証情報を入力するようにユーザにリクエストし、その情報を取外し可能な記憶装置に送信する。取外し可能な記憶装置はその認証情報と記憶媒体中に予め記憶された認証情報とを比較する。それらが互いに一致した場合、取外し可能な記憶装置へのそのユーザの動作特権が決定され、認証成功情報がホストに戻される。それらが互いに一致しなかった場合、失敗情報がホストに送られる。プロセスは図2のステップに戻り、取外し可能な記憶装置はホストからの次の命令を待機する。
【0046】
たとえば、アイデンティティ認証の設定にしたがって、ユーザはホストを動作させる前に取外し可能な記憶装置によってアイデンティティ認証を行わなければならない。ユーザがホストを動作させる前に、ホストはポップアップ対話ボックスでユーザ名、パスワードおよびその他の識別情報を入力するようにユーザにリクエストする。その認証情報はパッケージ化され、取外し可能な記憶装置のホストのインターフェースコネクタに対してインターフェース基準にしたがってホストの対応したインターフェースを通って送られ、その後このホストインターフェースコネクタはデータを受取った後にこのデータを取外し可能な記憶装置の制御装置に送る。制御装置は、その認証情報と記憶媒体中に予め設定された、あるいは予め記憶された認証情報とを比較する。それらが互いに一致した場合、制御装置はアイデンティティ認証方式にしたがってそのホストへのそのユーザの動作特権(たとえば、読出し専用、読出しおよび書込み、フォーマット化、アイデンティティ認証の特権の設定等)を決定し、タグを形成し、成功情報を戻す。それらが互いに一致しなかった場合、失敗情報がホストに送り返される。この失敗情報はホストコネクタを通ってそのホストの対応したインターフェースに送り返され、その後ホストによってユーザに送られる。認証プロセスが終了した後、取外し可能な記憶装置はホストからの次の命令を待つ。
【0047】
取外し可能な記憶装置を動作する前にユーザがアイデンティティ認証にパスしなければならない場合に関して、そのプロセスは上述したものと同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0048】
たとえば、ユーザが特定されたデータを特定されたメモリチップから読出す必要がある等の、データを読出す命令に関して、取外し可能な記憶装置の制御装置は、最初に、ユーザの動作特権をチェックし、そのユーがメモリ媒体を読出す動作特権を有しているか否かを決定する。そのユーザが読出し動作特権を有していない場合、失敗情報がホストに送り返される。このプロセスは図2のステップに戻り、取外し可能な記憶装置はホストからの次の命令を待つ。ユーザが読出し動作特権を有している場合には、特定されたデータが特定された記憶媒体から読取られる。ユーザの設定にしたがってそのデータが暗号化されているために解読される必要があるか否かが決定される。データが解読される必要がある場合、取外し可能な記憶装置の制御装置は解読ストラテジを呼出してそのデータを解読し、その後ホストにそのデータを送る。データが解読される必要がない場合には、データはホストに直接送られる。当然ながら、取外し可能な記憶装置中に暗号化ストラテジが存在しなければ、データを読出すときに、解読または暗号化プロスは必要ない。
【0049】
たとえば、ユーザが特定されたデータを取外し可能な記憶装置の特定された記憶媒体に書込む必要がある等の、データを書込む命令に関して、その命令のプロセスは読出し命令のものと類似している。すなわち、取外し可能な記憶装置の制御装置は、最初に、ユーザの動作特権をチェックし、そのユーザがメモリ媒体に書込む動作特権を有しているか否かを決定する。そのユーザが書込み動作特権を有しない場合には、失敗情報がホストに送り返される。このプロセスは図2のステップに戻り、取外し可能な記憶装置はホストからの次の命令を待つ。ユーザが書込み動作特権を有している場合には、アイデンティティ認証方式の設定にしたがってそのデータが暗号化される必要があるか否かが決定される。データが暗号化される必要がある場合には、取外し可能な記憶装置の制御装置は暗号化ストラテジを呼出してそのデータを暗号化し、そのデータを記憶媒体中に書込み、その後書込み成功情報をホストに送り返す。データが暗号化される必要がない場合には、データは記憶媒体に直接書込まれ、書込み成功メッセージがホストに送り返される。
【0050】
同様に、取外し可能な記憶装置中に暗号化ストラテジが存在しなければ、データを書込むときに、暗号化プロスは必要ない。
【0051】
フォーマット化動作命令に関して、取外し可能な記憶装置の制御装置はまた、最初に、ユーザの動作特権をチェックして、そのユーザが取外し可能な記憶装置の記憶媒体をフォーマット化することを許可されているか否かを決定する。そのユーザが動作特権を割当てられていない場合には、動作失敗情報がホストに送り返される。動作手順は図2のステップに戻り、取外し可能な記憶装置はホストが動作命令を送るのを待つ。ユーザが動作特権を与えられている場合、記憶媒体はフォーマット化され、その後フォーマット化成功情報がホストに戻される。
【0052】
ユーザ切替え動作は、取外し可能な記憶装置が複数のユーザ間で切替えられたときに行われなければならない。詳細なプロセスは以下のとおりである:ホストはイグジット命令をユーザから受取って、その命令を取外し可能な記憶装置に送信し、取外し可能な記憶装置は現在のユーザの情報を保存し、その後ホストは取外し可能な記憶装置をリセットし、その後、動作プロセスは図2のステップに戻り、取外し可能な記憶装置はホストが動作命令を送るのを待ち続ける。取外し可能な記憶装置は、次のユーザがアイデンティティ認証の動作を終了した後でのみアクセスされることができる。
【0053】
上述の方法に基づいて、取外し可能な記憶装置は改良されることができる。また、その適用は拡大されることができ、たとえば、ユーザは取外し可能な記憶装置に対するディスク記述子の数、各ディスク記述子に対する特定の記述子、およびディスク記述子のシンボルを指定することができる。ディスク記述子の設定だけでなくデータとディスク記述子のシンボルと記憶媒体との間の対応した関係の設定もまたここにおける技術のソフトウェアによって行われることができる。
【0054】
本発明によると、ユーザは、暗号化されたデータ領域を各メモリチップまたはディスク記述子中に設定し、暗号化されたデータ領域のサイズを指定することができる。ユーザはさらに、メモリチップまたはディスク記述子の暗号化されたデータ領域に対してそれぞれ暗号化ポリシーを設定することができる。その方法については詳細に後述する。暗号化されたデータ領域を備えたメモリチップについて、暗号化されていないデータは暗号化されていないデータ領域中にのみ記憶されることができ、一方暗号化データ領域中に記憶された全てのデータは暗号化ポリシーで暗号化されなければならない。このようなデータはまた、それが読出されることができる前に、その暗号化ポリシーで解読される必要がある。
【0055】
メモリチップまたはディスク記述子に対応したメモリスペース中のデータが操作されたとき、取外し可能な記憶装置の制御装置は、命令によって指定された暗号化データ領域およびアドレスの設定にしたがったデータ動作のために暗号化または解読が必要とされるか否かを決定する。暗号化または解読を行う必要のあるデータに対して、取外し可能な記憶装置は、上述の構成にしたがってデータ暗号化および解読をそれぞれ行う。暗号化/解読を行う必要のないデータに対しては、データは通常のデータ動作方法で動作される。
【0056】
メモリチップに対して暗号化データ領域を設定し、暗号化データ領域のサイズを修正する方法の詳細は以下のとおりである:制御装置は、暗号化されたデータ領域がメモリチップ中に存在するか否かおよびそのサイズを示すために使用されている情報ビットのような複数の情報ビットをホストシステムの選択にしたがってメモリチップ中に設定する。制御装置は、暗号化されたデータ領域が存在するか否かと、そのサイズとを上記の情報ビットにしたがって知る。暗号化データ領域の開始アドレスは、予め定められた設定にしたがって制御装置により指定される。ユーザが、たとえば、暗号化されたデータ領域を取消し、暗号化データ領域のサイズを修正する等、暗号化されたデータ領域の設定を修正する必要がある場合、1つの命令が送られるだけでよく、制御装置によって情報ビットの内容が修正されることができる。
【0057】
メモリチップの暗号化データ領域へのデータ動作に対する方法の詳細は以下のとおりである:
図4は、取外し可能な記憶装置中のメモリチップに対して暗号化ストラテジを設定するための比較テーブルである。この比較テーブルは、通し番号、暗号化ストラテジのような項目を含み、この暗号化ストラテジは、暗号化アルゴリズム、暗号化キーおよびその他の情報を含んでいる。このテーブルにおいて、暗号化/解読を必要とする各メモリチップまたはディスク記述子のそれぞれは1つの暗号化ストラテジおよびその暗号化ストラテジに関連した情報に対応している。ユーザはソフトウェアを使用して暗号化ストラテジを取外し可能な記憶装置中にロードし、また、この比較テーブルにおいてその暗号化ストラテジが適用される記憶チップを特定することができる。ユーザがメモリチップ中の暗号化データ領域への暗号化ストラテジを指定しない場合、取外し可能な記憶装置はデフォルト暗号化ストラテジを採用して、暗号化データ領域に対する暗号化または解読プロセスを行う。これは暗号化データ領域だけに対するものであり、一方、非暗号化データ領域は暗号化されないことが理解されるであろう。
【0058】
図5は、暗号化データ領域へのデータ動作のフローチャートを示している。これと同時に図2および3中のフローチャートを参照すると、取外し可能な記憶装置がデータ動作命令を受取った後、制御装置は、データ動作命令が読出し命令であるか、あるいは書込み命令であるかを解析する。上述の命令アドレスプロセスにしたがって、指定されたアドレスが存在する記憶チップが決定され、その後暗号化ストラテジ比較テーブルが記憶チップの通し番号にしたがって参照される。記憶チップの通し番号が比較テーブル中において見出されることができない場合には、それは、ユーザが単にそのチップに対して暗号化領域を設定したに過ぎず、暗号化ストラテジを特定してはいないということである。この時点で、制御装置は、取外し可能な記憶装置中に予め記憶された暗号化アルゴリズムを使用してデフォルト暗号化ストラテジを採用し、読出しまたは書込み手続き中に暗号化または解読を行う。記憶チップの通し番号が見出された場合、それはユーザがそのチップだけに暗号化ストラテジを指定したことを意味し、したがって制御装置はこの暗号化ストラテジにしたがって取外し可能な記憶装置中に予め記憶された暗号化アルゴリズムを見出し、読出しまたは書込み手続き中に暗号化または解読プロセスを行う。
【0059】
上記の動作の終了後、制御装置はその動作の状態にしたがってシステム情報をホストに戻す。
【0060】
ディスク記述子に対して暗号化データ領域およびその暗号化ストラテジを設定することは、実際には、ディスク記述子に対応した1以上のメモリチップに対して暗号化データ領域およびその暗号化ストラテジを設定することである。したがって、ユーザがあるディスク記述子に暗号化データ領域およびその暗号化ストラテジを設定したとき、制御装置はそのディスク記述子に対する暗号化データ領域およびその暗号化ストラテジを、ディスク記述子とメモリチップとの間の対応した関係にしたがって各メモリチップに対する設定に変換するだけでよい。データ動作中、ディスク記述子に対するデータ動作命令は各メモリチップに対するデータ動作命令に分割され、その後、データ動作が1つの暗号化データ領域を有する1つの記憶チップ中で行われる上述の方法を採用することにより、読出しまたは書込み手続き中に暗号化または解読が行われる。
【0061】
上記は本発明の1実施形態の説明である。この実施形態は、取外し可能な/交換可能な記憶媒体を有する取外し可能な記憶装置とホストとの間における接続、認識、構成およびデータ動作を実現することができ、また、各メモリチップまたはディスク記述子のそれぞれの中のデータに対して暗号化ストラテジにしたがって暗号化または解読プロセスを行うことができる。さらに、この実施形態は、ホストおよび取外し可能な記憶装置へのアクセスを意図するユーザに対してアイデンティティ認証方式にしたがってアイデンティティ認証およびアクセス特権制御を行うことができる。
【0062】
しかしながら、このような実施形態には欠点がある可能性がある。換言すると、ユーザが使用プロセス期間中にメモリチップの交換、取外しまたは追加を行う必要が生じた場合、現在の技術によると、ユーザは取外し可能な記憶装置を取外すように指示する命令を送らなければならない。ホストが取外し可能な記憶装置への給電を停止した後、取外し可能な記憶装置はホストのインターフェースから取出され、その後メモリチップが再挿入された後にホストのインターフェースに再接続され、それによってそのホストに関する接続、認識および構成を再開する。このような複雑な動作は、ユーザが取外し可能な記憶装置を使用するのに不便である。さらに、ホストがパワーオフされる前にユーザが取外し可能な記憶装置を除去した場合、その取外し可能な記憶装置は損傷を受ける可能性がある。
【0063】
上記の問題を考慮すると、このような目的を達成するために、別の実施形態が提案される。すなわち、ホストと接続されている取外し可能な記憶装置と共にメモリチップが取外されることができる。取外し可能な記憶装置のホストのコネクタはUSB規格に従ったユニバーサルインターフェースを使用してホストに接続し、ホストにより標準的なUSBインターフェースによってデータを転送する。図6はそのフローチャートを示している。
【0064】
図2を参照すると、ユーザが取外し可能な記憶装置をホストの対応したインターフェース中に挿入した後、そのホストの対応したインターフェースは新しく接続された装置を検出し、そのインターフェースを介して取外し可能な記憶装置に電力を供給し、その後この取外し可能な記憶装置に対する接続、認識および構成を行う。構成が終了したとき、ホストはデータ動作を行うように指示するユーザの動作命令を取外し可能な記憶装置に送る。ユーザがメモリチップの取外し/設置をリクエストする命令を送ったとき、ホストはその命令を受取った後でそのユーザの全てのタスクを終了し、ユーザ情報を保存し、取外し可能な記憶装置の制御装置への電力の供給を停止する。上記のプロセスは、図2に示されているフローチャートに類似している。
【0065】
ホストが取外し可能な記憶装置の制御装置への給電を停止した後、ホストはメッセージをユーザに送り返して、ユーザが取外し可能な記憶装置に対するメモリチップの取外し/設置を安全に行うことができることを示唆する。ユーザはホストのインターフェースと取外し可能な記憶装置との接続を遮断せずにメモリチップを取外して交換することができる。メモリチップが取外されて交換された後、ユーザは再び、取外し可能な記憶装置に再接続するように指示する命令をホストに送って知らせる。ホストがその命令を受取った後、プロセスは図6中のステップ1に戻り、電力が対応したインターフェースによって再び取外し可能な記憶装置に供給されて、接続、認識および構成のプロセスが再び行われる。このようにして、この方法は、取外し可能な記憶装置への接続および接続遮断動作を繰返す不便さにより生じる問題、ならびにパワーオン時に取外し可能な記憶装置が挿入され、あるいは取出されたときにそれが損傷を受ける可能性のある問題を解決する。また、この方法は取外し可能な記憶装置の適用範囲を拡大し、データの安全性および装置の便利さを高める。
【0066】
上記の実施形態において、ユーザはソフトウェアによって取外し可能な記憶装置の取外し、再設置を指示する命令を送ることができる。その代り、これはスイッチを使用することにより行われてもよい。そのスイッチは取外し可能な記憶装置上に設けられ、取外し可能な記憶装置の電源に接続されることができる。ホストが取外し可能な記憶装置の制御装置の電力を遮断した後、ホストおよび取外し可能な記憶装置のインターフェースは、電力供給に対して待機状態になる。ユーザは取外し可能な記憶装置上のスイッチによって取外し可能な記憶装置の設置信号を送る。簡単な方法は、取外し可能な記憶装置と接続されたホストのUSBインターフェースによって行われる電力供給をスイッチが直接制御する方法である。メモリチップが設置されたとき、電力はオフに切替えられる。設置が終了したとき、電力はオンに切替えられる。次にホストがその定まったインターフェースに接続された装置が存在するか否かを問合せたとき、その応答は肯定である。それ故、取外し可能な記憶装置を再設置する命令が手動スイッチにより送られることができる。
【0067】
本発明はその例示的な実施形態を参照して図示され、説明されてきたが、本発明における取外し可能な記憶装置およびこの取外し可能な記憶装置内の取付け装置の構成は、排他的なものでないことが当業者により認識されるであろう。ホストが取外し可能な記憶装置を認識して構成する動作プロセスもまた排他的なものでなく、ここにおける技術によって修正されることができる。物理アドレスを割当て、複数のメモリチップに対して多数のディスク記述子を設定し、各メモリチップまたはディスク記述子に対して暗号化ポリシーおよびアイデンティティ認証をユーザの要求にしたがって設定するために、多くの種類の最新の技術が使用されることができる。本発明の技術的範囲を逸脱することなく本発明の実施形態に対して行われる種々の変更は、本発明の特許請求の範囲によって規定されている技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明による取外し可能な記憶媒体を備えた取外し可能な記憶装置の構成を示す概略斜視図。
【図2】取外し可能な記憶装置をホストに接続すると共にデータ操作を実現する本発明の1実施形態のフローチャート。
【図3】本発明による取外し可能な記憶装置のデータ操作の方法を実施するための概略的なフローチャート。
【図4】本発明によるメモリチップの暗号化戦略の概略図。
【図5】メモリチップの暗号化されたデータ領域のデータ操作の概略的なフローチャート。
【図6】取外し可能な記憶装置とホストのインターフェースが接続されている状態で記憶媒体を取外す本発明による方法のフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能なメモリチップを有する取外し可能な記憶装置に対するデータ管理方法において、
(1)前記メモリチップの使用状態を決定して、前記取外し可能な記憶装置の記憶媒体に対するファイル管理システムを適用し、編成し、設定し、あるいは再設定し、
(2)前記取外し可能な記憶装置に接続されたホストシステムからの動作命令にしたがって前記メモリチップ中で対応した処理を行うために前記ファイル管理システムを使用するステップを含んでいることを特徴とするデータ管理方法。
【請求項2】
前記ステップ(1)において前記メモリチップの使用状態を決定するステップは、
取外し可能な記憶装置の制御装置がその取外し可能な記憶装置中に設置されたメモリチップの量を読出して、前記メモリチップのそれぞれの記憶容量の情報を獲得するステップを含んでいることを特徴とする請求項1記載のデータ管理方法。
【請求項3】
前記方法はさらに、
前記ホストシステムが前記取外し可能な記憶装置のメモリチップの情報にしたがってその取外し可能な記憶装置に対する1以上のディスク記述子を発生するステップを含んでいることを特徴とする請求項2記載のデータ管理方法。
【請求項4】
取外し可能な記憶装置に対するディスク記述子の数は、その取外し可能な記憶装置中に設置されたメモリチップの数に等しいことを特徴とする請求項3記載のデータ管理方法。
【請求項5】
取外し可能な記憶装置のメモリチップは複数の区分に分割され、取外し可能な記憶装置のディスク記述子の数はその区分の数に等しいことを特徴とする請求項3記載のデータ管理方法。
【請求項6】
メモリチップは使用されたメモリチップおよび、または未使用のメモリチップを含み、未使用のメモリチップは初期化または分割を行われていない元のチップであり、前記ステップ(1)はさらに、
メモリチップが使用されたメモリチップであるか、あるいは未使用のメモリチップであるか、もしくはメモリチップが使用されたおよび未使用のメモリチップを含んでいるか否かを決定し、
未使用のメモリチップに関して、チップをフォーマット化してファイル管理システムを設定し、
使用されたメモリチップだけが存在する状況において、その元のファイル管理システムを採用し、あるいはそのファイル管理情報を再結合し、修正して、新しいファイル管理システムを設定するステップを含んでいることを特徴とする請求項1記載のデータ管理方法。
【請求項7】
設置されたメモリチップは、既存の取外し可能な記憶装置に基づいて設置されることを特徴とする請求項2記載のデータ管理方法。
【請求項8】
使用されたメモリチップを決定するステップは、メモリチップの論理“0”ブロックを読出し、全ての論理“0”ブロックが論理値“1”ではない場合はそのメモリチップが使用されたチップであることを決定し、全ての論理“0”ブロックが論理値“1”である場合はメモリチップが未使用のチップであると決定するステップを含んでいることを特徴とする請求項6記載のデータ管理方法。
【請求項9】
ファイル管理システムのタイプには、ファイル管理システムがサポートするウインドウズおよびその更新されたバージョン、あるいはファイル管理システムがサポートするUNIX(登録商標)またはLINUX(登録商標)およびその更新されたバージョンが含まれ、
ファイル管理システムがサポートするウインドウズおよびその更新されたバージョンにはFAT12、VFAT、FAT16、FAT32、CDFS、NTFSが含まれるが、それだけに限定されず、
ファイル管理システムがサポートするUNIXまたはLINUXおよびその更新されたバージョンにはEXT2、EXT3、JFFS、NFS、RAMFS、HPFS、CRAMFSが含まれるが、それだけに限定されないことを特徴とする請求項1記載のデータ管理方法。
【請求項10】
メモリチップ中において対応した動作を行うステップは、
動作命令中で指定されたアドレスを読取り、その指定されたアドレスを物理アドレスに変換し、
その物理アドレスをメモリチップの容量と比較してその対応したメモリチップを決定し、その決定されたメモリチップ中の対応した記憶ブロックを見出すステップを含んでいることを特徴とする請求項1記載のデータ管理方法。
【請求項11】
さらに、取外し可能な記憶装置は、物理アドレスが記憶装置の全てのメモリチップの記憶容量を超えた場合にエラー情報を戻すことを特徴とする請求項10記載のデータ管理方法。
【請求項12】
さらに、ホストシステムは、取外し可能な記憶装置に対するメモリチップを交換するときにその取外し可能な記憶装置または取外し可能な記憶装置の制御装置への電力の供給を停止することを特徴とする請求項1記載のデータ管理方法。
【請求項13】
メモリチップ中においてデータ暗号化領域を設定し、記憶されているデータに対する暗号化または解読を取外し可能な記憶装置の制御装置によって行うステップを含んでいることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のデータ管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−518153(P2007−518153A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540141(P2006−540141)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【国際出願番号】PCT/CN2004/001320
【国際公開番号】WO2005/050452
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウィンドウズ
2.FRAM
【出願人】(505006714)
【Fターム(参考)】